JP6853649B2 - 加温装置及び輸液システム - Google Patents

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Description

本発明は、加温装置及び輸液システムに関する。
病院では患者に輸液する血液製剤の機能を維持するため、血液製剤を冷蔵保管している。血液製剤を患者に輸液する際には、患者の負担を軽減するため、血液製剤を適切な温度まで加温して輸液する場合がある。特に大量または危機的出血が発生した場合には、血液製剤を短時間で大量に輸液する必要があり、この際には低体温症を防止するため、血液製剤を患者体温まで急速に加温する必要がある。
従来から、上述の大量または危機的出血が発生した患者の治療には、血液製剤を加温しながら患者に輸液する輸液システムが知られている。輸液システムには、加温流路に血液製剤を流し、その加温流路をヒータを有する熱板によって加熱するものがある(特許文献1参照)。
上述の輸液システムにおいて、低温の血液製剤を急速に加温するためには、血液製剤を効率的に加温する必要がある。このために例えばヒータ温度を上げて、熱板と血液製剤の温度差を大きくすることが考えられる。しかしながら、血液製剤は、高温になると形態学的・機能的に異常または溶血となるため、異常または溶血にならないよう(好適な状態に)維持できる上限温度がある。この上限温度は42℃程度であり、ヒータ温度を上げるにも限界がある。
血液製剤のように上限温度が定められた液体を効率よく加温するために、ヒーター部の電力を下流側加温部より上流側加温部の方を大きくする方法がある(特許文献2参照)。
特開2015−073848号公報 特開2015−157041号公報
しかしながら、単純にヒーター部の電力を下流側加温部より上流側加温部の方を大きくしても、加温流路の上流部に対する熱板の温度が上がりきらず、十分に加温効率を上げることができない場合がある。また、加温流路において血液製剤の送液が停止された際に、熱板に蓄熱された熱が加温流路に流れ込み血液製剤が上限温度を超える場合もある。
本出願はかかる点に鑑みてなされたものであり、血液製剤などの輸液用の液体を効率的に加温するとともに、液体の送液停止時に加温流路の液体が上限温度を超えることを抑制可能な加温装置及び輸液システムを提供することをその目的の一つとする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、ヒータを、加温流路に対する発熱量が加温流路の上流側から下流側に向かって減少し、なおかつ前記加温流路をその流路に沿って3つ以上の領域に均等配分したときに上流側の領域から下流側の領域に向かって発熱量の減少割合が小さくなるように配置することなどにより、上記問題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の態様を含む。
(1)輸液用の液体を加温する加温装置であって、前記液体が流れる加温流路と、前記加温流路に接し、前記加温流路に熱を供給する熱板と、を有し、前記熱板には、前記加温流路に対応する所定パターンのヒータが配置され、前記ヒータは、前記加温流路に対する発熱量が、前記加温流路の上流側から下流側に向かって段階的に減少し、その各段階における発熱量の減少割合が上流側から下流側に向かって小さくなるように配置されている、加温装置。
(2)輸液用の液体を加温する加温装置であって、前記液体が流れる加温流路と、前記加温流路に接し、前記加温流路に熱を供給する熱板と、を有し、前記熱板には、前記加温流路に対応する所定パターンのヒータが配置され、前記ヒータは、前記加温流路に対する発熱量が、前記加温流路の上流側から下流側に向かって減少し、なおかつ前記加温流路をその流路に沿って3つ以上の領域に均等配分したときに上流側の領域から下流側の領域に向かって前記発熱量の減少割合が小さくなるように配置されている、加温装置。
(3)前記ヒータは、前記発熱量が前記加温流路に沿って上流側から下流側に向けて指数関数的に減少するように配置されている、(2)に記載の加温装置。
(4)前記ヒータは、電熱線である、(1)〜(3)のいずれかに記載の加温装置。
(5)前記ヒータの発熱量は、前記電熱線の密度を変えることによって前記加温流路の上流側から下流側に向かって減少している、(4)に記載の加温装置。
(6)前記ヒータの発熱量は、前記電熱線の抵抗を変えることによって前記加温流路の上流側から下流側に向かって減少している、(4)又は(5)に記載の加温装置。
(7)前記加温流路の少なくとも入口側の上流部では、前記ヒータが前記加温流路に沿って配置されている、(1)〜(6)のいずれかに記載の加温装置。
(8)前記加温流路は、往路と復路を有する往復路を複数横に並べて繋げた構造を有し、前記加温流路の少なくとも最上流の往復路は、前記加温流路に沿った複数の領域を有し、前記ヒータは、前記最上流の往復路の複数の領域に対し前記発熱量が上流側の領域から下流側の領域に向けて減少するように配置されている、(1)〜(7)のいずれかに記載の加温装置。
(9)輸液用の液体を加温する加温装置であって、前記液体が流れる加温流路と、
前記加温流路に接し、前記加温流路に熱を供給する熱板と、を有し、前記熱板には、前記加温流路に対応する所定パターンのヒータが配置され、前記加温流路は、往路と復路を有する往復路を複数横に並べて繋げた構造を有し、前記ヒータの少なくとも一部は、前記加温流路の往復路に沿って配置されている、加温装置。
(10)前記ヒータは、少なくとも前記加温流路の最上流の往復路に沿って配置されている、(9)に記載の加温装置。
(11)前記加温流路の少なくとも最上流の往復路は、前記加温流路に沿った複数の領域を有し、前記ヒータは、前記最上流の往復路の複数の領域に対し発熱量が上流側の領域から下流側の領域に向けて減少するように配置されている、(9)又は(10)に記載の加温装置。
(12)前記熱板には、前記加温流路における互いに隣接する流路の各々が配置される領域同士の間で熱が伝達することを抑制するスリットが設けられている、(1)〜(11)のいずれかに記載の加温装置。
(13)前記熱板には、前記ヒータが配置される領域とその他の領域との間で熱が伝達することを抑制するスリットが設けられている、(12)に記載の加温装置。
(14)(1)〜(13)のいずれかに記載の加温装置を備えた、輸液システム。
本発明によれば、輸液用の液体を効率的に加温するとともに、液体の送液停止時に加温流路の液体が上限温度を超えることを抑制可能な加温装置及び輸液システムを提供することができる。
輸液システムの構成の概略を示す模式図である。 加温装置の構成の概略を示す説明図である。 加温装置の構成の概略を示す部分分解図である。 加温部の構成の概略を示す模式図である。 ヒータのパターンの一例を示す説明図である。 加温流路とヒータのパターンとの位置関係を示す説明図である。 ヒータによる発熱量と加温流路との関係の一例を示すグラフである。 熱板温度の一例を示すグラフである。 スリットのある熱板を示す説明図である。 スリット、加温流路及びヒータの位置関係を示す説明図である。 ヒータによる発熱量と加温流路との関係の一例を示すグラフである。 ヒータが加温流路の片面だけに設けられた場合の加温装置の構成の概略を示す説明図である。
以下、図面を参照して、本発明の好ましい実施の形態について説明する。なお、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。さらに、図面の寸法比率は、図示の比率に限定されるものではない。また、以下の実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明はこの実施の形態に限定されるものではない。
(第1の実施の形態)
図1は、輸液システム1の構成の一例を示す。図1に示すように輸液システム1は、輸液用の液体としての血液製剤を収容する液体容器10と、血液製剤を加温する加温装置11と、血液製剤中の気泡を除去する気泡除去チャンバ12と、液体容器10と加温装置11を接続する第1の流路13と、加温装置11と気泡除去チャンバ12を接続する第2の流路14と、気泡除去チャンバ12と患者に輸液を行う輸液部15を接続する第3の流路16と、気泡除去チャンバ12と液体容器10を接続する第4の流路17と、第1の流路13に設けられた第1のポンプ18と、第3の流路16に設けられた第2のポンプ19と、制御装置20等を備えている。
液体容器10は、例えば血液製剤の供給源となる液体バッグ30に接続されている。液体容器10には、第1の流路13に流出する血液製剤の不要成分を除去するフィルター31が設けられている。液体容器10は、例えば樹脂製であり、例えば0.5L以上の容量を有している。
図1に示すように気泡除去チャンバ12の上部に第2の流路14と第4の流路17が接続され、気泡除去チャンバ12の下部に第3の流路16が接続されている。
第1の流路13、第2の流路14、第3の流路16及び第4の流路17は、軟質の可撓性のあるチューブにより構成されている。
第1のポンプ18及び第2のポンプ19には、例えばチューブポンプが用いられる。第1のポンプ18及び第2のポンプ19は、例えば100mL/min以上、好ましくは
250mL/min以上、さらに好ましくは500mL/min以上の送液能力を有する。第1のポンプ18及び第2のポンプ19の動作は、制御装置20により制御される。
制御装置20は、例えば汎用コンピュータであり、メモリに記録されたプログラムをCPUで実行することにより、加温装置11、第1のポンプ18、第2のポンプ19等を制御して、輸液システム1の輸液動作を実行できる。
加温装置11は、図2及び図3に示すように血液製剤が流れる加温流路40を有する加温部41と、加温流路40に接触して給熱する給熱部42と、断熱部43を備えている。
加温部41、給熱部42及び断熱部43は、すべて方形の板状に形成され、積層されている。積層構造の中央に加温部41が配置され、加温部41の両側に給熱部42が配置され、その外側に断熱部43が配置されている。加温部41の周囲には、両側の給熱部42の間に加温部41を設置するスペースを確保するためのスペーサ44が設けられている。
加温部41は、可撓性のある樹脂製であり、図4に示すように方形の板状に形成されている。加温流路40は、例えば可撓性のあるチューブ状に構成され、加温部41内で蛇行するように形成されている。すなわち、加温流路40は、複数の往復路を横に並べて繋げた形状を有している。本実施の形態では、加温流路40は、例えば流路幅がほぼ等しい6つの往復路50、51、52、53、54、55を有している。加温流路40の入口部56と出口部57は、例えば加温部41の同一方向の端部に設けられている。
加温流路40は、200cm2以上の流路面積を有している。なお、「流路面積」とは、熱媒体(熱板60)と接触する部分の面積である。また、加温流路40のチューブの壁は、0.4mm以下、好ましくは0.3mm以下、さらに好ましくは0.2mm以下の厚さを有している。
給熱部42は、図2及び図3に示すように熱板60と、給電により発熱する所定パターンのヒータ61を有している。熱板60は、例えば加温部41と同一形状の方形の板状に形成されている。ヒータ61は、熱板60の第1の面60aに設けられ、加温流路40は、熱板60の第2の面60bに接触している。よって、ヒータ61の熱は、熱板60を介して加温流路40に伝達する。
図5に示すようにヒータ61は、熱板60上に所定パターンに形成されている。ヒータ61は、電源装置62により給電されて発熱する。ヒータ61は、図6に示すように加熱流路40に対応するパターンを有している。ヒータ61は、図7に示すように発熱量(ヒータ電力)Qが、加温流路40の上流側から下流側に向かって段階的に減少し、なおかつ各段階(領域)における発熱量Qの減少割合(傾き)が、上流側から下流側に向かって小さくなるように配置されている。なお、この場合の各段階における発熱量Qの減少割合は、各段階の上流端の発熱量Qと下流端の発熱量Q(次の段階の上流端の発熱量Q)を求め、それらを結んだ直線の傾きとする。すなわち各段階(後述の領域R1〜R7)における減少割合A1〜A7は、図7における各領域R1〜R7のΔQ/ΔXとなり、A1>A2>A3>A4>A5>A6>A7の関係になっている。
具体的には、図6に示すようにヒータ61は、例えば加温流路40の複数の往復路50〜55に沿った複数の領域に区分され、発熱量Qが上流側の領域から下流側の領域に向けて段階的に減少し、なおかつその減少割合が小さくなるように配置されている。ヒータ61は、例えば7つの領域R1〜R7に区分されている。例えば入口部56に近い最上流の往復路50において、3つの領域R1〜R3に区画されている。このうち、往路50aが2つの領域R1、R2に区画され、復路50bが一つの領域R3になっている。往復路51(往路51a、復路51b)が一つの領域R4になっており、往復路52(往路52a、復路52b)と往復路53の往路53aが一つの領域R5になっている。また、往復路53の復路53bと往復路54の往路54aが一つの領域R6になっており、往復路54の復路54bと往復路55(往路55a、復路55b)が一つの領域R7になっている。
ヒータ61は、例えば一続きの電熱線であり、各領域R1〜R7の発熱量Qは、電熱線の密度又は抵抗(例えば太さ、厚み、材質等)の少なくとも一方を変えることによって規定されている。なお、電熱線は、一続きであっても、複数に分割されていても良い。
例えば往復路50、51、52、53及び往復路54の往路54a(領域R1〜R6)のヒータ61は、加温流路40に沿って加温流路40上に配置されている。この領域R1〜R6のヒータ61は、上流側から下流側に向けて加温流路40上を矩形状に蛇行して延設されている。この領域R1〜R6のヒータ61は、平面から見て加温流路40の幅からはみ出ていない。
往復路54の復路54bと往復路55(領域R7)のヒータ61は、3つの流路に亘り矩形状に蛇行している。領域R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7の順番で、ヒータ61の電熱線の密度が小さくなり、その結果加温流路40への発熱量Qが上流側から下流側に向けて段階的に減少し、なおかつその各領域R1〜R7の発熱量Qの減少割合が上流側から下流側に向けて次第に小さくなっている。領域R1〜R6のヒータ61は、蛇行の数が次第に少なくなっている。
次に、以上のように構成された輸液システム1の動作について説明する。先ず、図1に示すように、低温の血液製剤が貯留された液体バッグ30が液体容器10に接続され、液体バッグ30の血液製剤が液体容器10内に貯留される。その後第1のポンプ18と第2のポンプ19が作動し、液体容器10の血液製剤が第1の流路13を通って加温装置11に送られる。加温装置11では、血液製剤が加温流路40を通過し、その際にヒータ61を熱源とする熱板60により血液製剤が体温に近い所定の温度に加温される。
この際、ヒータ61は、図7に示したように発熱量Qが加温流路40の上流側から下流側に向けて段階的に減少し、その各段階(領域R1〜R7)の減少割合(ΔQ/ΔX)が上流側から下流側に向けて小さくなるように熱板60に熱を与える。この結果、熱板60の面内温度は、例えば図8に示すように加温流路40の上流部に対応する位置において血液製剤の上限温度付近まで急激に上がり、加温流路40の下流側に向けてその温度が維持され、加温流路40の全域において血液製剤の上限温度を超えることがない。この結果、加温流路40を通過する血液製剤は、加温流路40の上流部において熱板60との温度差が大きく効率的に急速に加温され、その後徐々に緩やかに加温され、加温流路40の下流部において所望の温度まで加温される。
加温装置11で加温された血液製剤は、第2の流路14を通過し、気泡除去チャンバ12に流入する。その後、血液製剤は、第2のポンプ19により第3の流路16を通過し、輸液部15から患者に輸液される。患者への輸液量は、第2のポンプ19の液送流量を調整することにより制御される。
加温装置11において血液製剤中に生じた気泡は、気泡除去チャンバ12で補足される。気泡除去チャンバ12内の一部の血液製剤と気体は、第4の流路17を通って液体容器10に戻される。この第4の流路17を通過する気体を含む流体の流量は、第1のポンプ18の送液流量を調整することにより制御される。例えば第1のポンプ18の送液流量を増やすことにより、気泡除去チャンバ12から第4の流路17に流出する流体の流量が増え、第1のポンプ18の送液流量を減らすことにより、気泡除去チャンバ12から第4の流路17に流出する液体の流量が減る。
本実施の形態によれば、ヒータ61が、低温の血液製剤が流れる加温流路40の上流部に対し多くの熱を供給し、加温流路40の下流側に行くにつれ、次第に発熱量を減らすことができるので、熱板60の温度を加温流路40のほぼ全域において血液製剤の上限温度に近づけることができ、この結果加温流路40を流れる血液製剤を効率的に急速に加温することができる。また、ヒータ61の発熱量が加温流路40の下流側に行くにつれ、次第に減るので、熱板60の温度が血液製剤の上限温度を超えないように制御することができ、この結果、例えば加温流路40において血液製剤の送液が停止された際にも、血液製剤が熱板60の熱によって上限温度を超えることを抑制できる。
ヒータ61は、一続きの電熱線であり、電熱線の密度又は抵抗を変えることによって発熱量Qが加温流路40の上流側から下流側に向けて減少しているので、ヒータ61の発熱量を簡単かつ安価に調整することができる。なお、電熱線は、一続きであっても、複数に分割されていても良い。
加温流路40の入口側の上流部(往復路50〜52)では、ヒータ61が加温流路40に沿って配置されているので、加温流路40の上流部を流れる温度の低い血液製剤を効率的に加温できる。なお、入口側の上流部とは、加熱流路40の中間点よりも入口側の全部又は一部をいう。また加温流路40の全域において、ヒータ61が加温流路40に沿って配置されていてもよい。
加温流路40は、往復路50〜55を複数横に並べて繋げた構造を有し、加温流路40の最上流の往復路50が、加温流路40に沿った複数の領域R1、R2、R3を有し、ヒータ61は、最上流の往復路50の複数の領域R1〜R3に対し発熱量Qが上流側の領域R1から下流側の領域R3に向けて減少するように配置されている。これによって、加温流路40の最上流を流れる温度の低い血液製剤を効率的に加温することができる。最上流の往復路は、3つ以外の領域、すなわち、2、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15などの領域に分割されていても良い。
また、本実施の形態では、ヒータ61の少なくとも一部である領域R1〜R6のヒータ61が、加温流路40の往復路50〜54に沿って配置されている。この結果、ヒータ61の熱が直接的かつ効率的に加温流路40に伝わり、血液製剤を効率的に加温できる。また、例えば熱板60の加温流路40のない部分に熱がこもりその熱が加温流路40に入り込むことが抑制されるので、この結果、加温流路40において血液製剤の送液が停止された際にも、血液製剤が、熱板60の加温流路40のない部分から流入した熱によって上限温度を超えることを抑制できる。
上記実施の形態において、図9に示すように熱板60には、加温流路40における互いに隣接する流路の各々が配置される領域同士の間で熱が伝達することを抑制するスリット90が設けられていてもよい。例えば図10に示すようにスリット90は、すべての往復路50〜55の隣り合う往路と復路の間に対応する位置に設けられる。
また、熱板60には、図9及び図10に示すようにヒータ61が設置される領域S1とその他の領域S2との間で熱が伝達することを抑制するスリット100が設けられていてもよい。かかる場合、スリット100は、例えば熱板60におけるヒータ61が配置される方形領域S1とその周囲の外周領域S2との間に配置される。
各スリット90、100は、断続的に形成され、一部に繋ぎ部を有している。繋ぎ部の数は、1つでもよいし複数個でもよい。また、繋ぎ部は、繋ぎ部を通じた熱移動を抑制するため、ヒータ61から可能な限り離れた位置に配置してもよい。また、スリット90、100は、例えばヒータ61のある位置に重ならないように配置されている。スリット90、100は、有底の溝状に形成されていてもよいし、貫通していてもよい。
かかる例によれば、スリット90により加温流路40における互いに隣接する流路の各々が配置される熱板領域同士の間で熱が伝達することを抑制できるので、加温流路40の各往復路50〜55の温度を厳格に制御できる。また、スリット100により、熱板60の熱がヒータ61のある領域S1からヒータ61のない領域S2に拡散したり、ヒータ61のない領域S2の熱がヒータ61のある領域S1に入り込むことが抑制されるので、ヒータ61により加温される加温流路40の温度を厳格に制御できる。なお、かかる例において、熱板60には、スリット90又はスリット100の一方のみが形成されていてもよい。また、スリット90、100に代えて、熱板60よりも断熱性の高い材料を熱板60に形成した孔に埋め込むことによって熱の伝達を抑制してもよい。
本実施の形態において、ヒータ61の発熱量Qが加温流路40に沿って上流側から下流側に向けて指数関数的に減少するようにしてもよい。かかる場合には、より効率的に血液製剤を加温することができる。ここで、発熱量が加温流路の上流側から下流側に向かって段階的に減少するときの、ヒータの発熱量が指数関数的に減少する場合とは、各段階の上流端を通るように指数関数の近似曲線を引ける場合、もしくは、図7に示すように各段階の上流端が1つの指数関数上に乗る場合をいう。
(第2の実施の形態)
上記第1の実施の形態において、ヒータ61は、加温流路40に対する発熱量Qが加温流路40の上流側から下流側に向かって段階的に減少するように配置されていていたが、加温流路40に対する発熱量Qが、加温流路の上流側から下流側に向かって減少し、なおかつ加温流路40をその流路に沿って3つ以上の領域に均等配分したときに上流側の領域から下流側の領域に向かって発熱量Qの減少割合が小さくなるように配置されていてもよい。
例えば図11に示すようにヒータ61は、発熱量(ヒータ電力)Qが、加温流路40の上流側から下流側に向かって連続的に減少し、なおかつ加温流路40をその流路に沿って3つ以上の領域に均等配分したときに上流側の領域から下流側の領域に向かって発熱量Qの減少割合が小さくなるように配置されている。例えば加温流路40を3つの領域G1、G2、G3に均等配分したときに、各領域G1、G2、G3の発熱量Qの減少割合A1、A2、A3が、A1>A2>A3となる。ここで、均等配分した各領域の発熱量Aの減少割合A1〜A3は、各領域G1〜G3の上流端の発熱量Qと下流端の発熱量Qを求め、それらを結んだ直線(図11に点線で示す。)の傾き(ΔQ/ΔX)とする。ここで、3つ以上の領域に均等配分としているが、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13,14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40の領域に均等配分する場合などが考えられる。
上記例において、例えばヒータ61は、発熱量Qが加温流路40の上流側から下流側に向けて指数関数的に減少するように配置されていてもよい。すなわち、発熱量Qが減少する曲線がQ=A・e-BX(A、Bは定数、Xは加温流路の位置)で示される指数関数になっていてもよい。
具体的には、ヒータ61は、例えば図6のように加温流路40の複数の往復路50〜55に沿って配置される。このときヒータ61の電熱線の密度又は抵抗(例えば太さ、厚み、材質等)の少なくとも一方を加温流路40の上流側から下流側に向けて減少させ、さらにその減少割合を小さくしていく。これによって領域G1〜G3の発熱量Qが、加温流路40の上流側から下流側に向けて減少し、その減少割合も小さくなる。この場合、均等分割された各領域における発熱量Qは、領域の全体で減少していればよく、領域内で常に減少している必要はなく、局所的に一定になったり、局所的に上昇したりしてもよい。なお、領域内で常に減少しているものが好ましい。
本実施の形態によれば、ヒータ61が、低温の血液製剤が流れる加温流路40の上流部に対し多くの熱を供給し、加温流路40の下流側に行くにつれ、次第に発熱量を減らすことができるので、熱板60の温度を加温流路40のほぼ全域において血液製剤の上限温度に近づけることができ、この結果加温流路40を流れる血液製剤を効率的に急速に加温することができる。また、ヒータ61の発熱量が加温流路40の下流側に行くにつれ、次第に減るので、熱板60の温度が血液製剤の上限温度を超えないように制御することができ、この結果、例えば加温流路40において血液製剤の送液が停止された際にも、血液製剤が熱板60の熱によって上限温度を超えることを抑制できる。
本実施の形態において、ヒータ61の発熱量Qが加温流路40に沿って上流側から下流側に向けて指数関数的に減少する場合には、より効率的に血液製剤を加温することができる。
なお、特に言及しない限り、上記第1の実施の形態で記載した輸液システム1や加温装置11などの構成は、第2の実施の形態にも適用できる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば上記実施の形態において、加温装置11のヒータ61の所定パターンは上記例に限られない。ヒータ61が区分される領域の数は、7つに限られず、任意に選択できる。また、ヒータ61が区分される境界の位置も任意に選択できる。加温流路40の往復路の数や形状もこれに限られない。以上の実施の形態において、加温装置11のヒータ61は、加温流路40の両側に設けられていたが、図12に示すように加温流路40の片側にのみ設けられていてもよい。すなわち、加温流路40を有する加温部41の一方側に、給熱部42と断熱部43が設けられ、他方側に断熱部43が設けられていてもよい。輸液システム1で送液される輸液用の液体は血液製剤であったが、これに限られず、例えば新鮮凍結血漿(FFP)、アルブミン、細胞外液であってもよい。
本発明は、輸液用の液体を効率的に加温するとともに、液体の送液停止時に加温流路の液体が上限温度を超えることを抑制可能な加温装置及び輸液システムを提供する際に有用である。
1 輸液システム
11 加温装置
40 加温流路
41 加温部
42 給熱部
50〜55 往復路
60 熱板
61 ヒータ
R1〜R7 領域

Claims (13)

  1. 輸液用の液体を加温する加温装置であって、
    前記液体が流れる加温流路と、
    前記加温流路に接し、前記加温流路に熱を供給する熱板と、を有し、
    前記熱板には、前記加温流路に対応する所定パターンのヒータが配置され、
    前記ヒータは、前記加温流路に対する発熱量が、前記加温流路の上流側から下流側に向かって段階的に減少し、その各段階における発熱量の減少割合が上流側から下流側に向かって小さくなるように配置されている、加温装置。
  2. 輸液用の液体を加温する加温装置であって、
    前記液体が流れる加温流路と、
    前記加温流路に接し、前記加温流路に熱を供給する熱板と、を有し、
    前記熱板には、前記加温流路に対応する所定パターンのヒータが配置され、
    前記ヒータは、前記加温流路に対する発熱量が、前記加温流路の上流側から下流側に向かって減少し、なおかつ前記加温流路をその流路に沿って3つ以上の領域に均等配分したときに上流側の領域から下流側の領域に向かって前記発熱量の減少割合が小さくなるように配置されている、加温装置。
  3. 前記ヒータは、前記発熱量が前記加温流路に沿って上流側から下流側に向けて指数関数的に減少するように配置されている、請求項1又は2に記載の加温装置。
  4. 前記ヒータは、電熱線である、請求項1〜3のいずれかに記載の加温装置。
  5. 前記ヒータの発熱量は、前記電熱線の密度を変えることによって前記加温流路の上流側から下流側に向かって減少している、請求項4に記載の加温装置。
  6. 前記ヒータの発熱量は、前記電熱線の抵抗を変えることによって前記加温流路の上流側から下流側に向かって減少している、請求項4又は5に記載の加温装置。
  7. 前記加温流路の少なくとも入口側の上流部では、前記ヒータが前記加温流路に沿って配置されている、請求項1〜6のいずれかに記載の加温装置。
  8. 前記加温流路は、往路と復路を有する往復路を複数横に並べて繋げた構造を有し、
    前記加温流路の少なくとも最上流の往復路は、前記加温流路に沿った複数の領域を有し、
    前記ヒータは、前記最上流の往復路の複数の領域に対し前記発熱量が上流側の領域から下流側の領域に向けて減少するように配置されている、請求項1〜7のいずれかに記載の加温装置。
  9. 輸液用の液体を加温する加温装置であって、
    前記液体が流れる加温流路と、
    前記加温流路に接し、前記加温流路に熱を供給する熱板と、を有し、
    前記熱板には、前記加温流路に対応する所定パターンのヒータが配置され、
    前記加温流路は、往路と復路を有する往復路を複数横に並べて繋げた構造を有し、
    前記ヒータの少なくとも一部は、前記加温流路の最上流の往復路に沿って加温流路上からその幅方向の外側にはみ出ないように配置されている、加温装置。
  10. 前記加温流路の少なくとも最上流の往復路は、前記加温流路に沿った複数の領域を有し、
    前記ヒータは、前記最上流の往復路の複数の領域に対し発熱量が上流側の領域から下流側の領域に向けて減少するように配置されている、請求項9に記載の加温装置。
  11. 前記熱板には、前記加温流路における互いに隣接する流路の各々が配置される領域同士の間で熱が伝達することを抑制するスリットが設けられている、請求項1〜10のいずれかに記載の加温装置。
  12. 前記熱板には、前記ヒータが配置される領域とその他の領域との間で熱が伝達することを抑制するスリットが設けられている、請求項11に記載の加温装置。
  13. 請求項1〜12のいずれかに記載の加温装置を備えた、輸液システム。
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