JP2022133041A - 医療用液体加温装置 - Google Patents

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Masanori Hoshino
憲昭 吉岡
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Abstract

【課題】ヒータの電圧降下を抑制し、加温効率を向上することができる輸液装置を提供する。【解決手段】輸液装置1は、血液製剤が流れる加温流路50及び流路25~29と、複数のヒータ51、52により加温流路50の血液製剤を加温する加温部21と、加温流路50及び流路25~29の血液製剤を送液する第1のポンプ23及び第2のポンプ24と、ヒータ51、52のON・OFFを制御する制御部32と、を備える。制御部32は、複数のヒータ51、52のONのタイミングがヒータ間でずれるようにヒータ51、52のON・OFFを制御する。【選択図】図7

Description

本発明は、医療用液体加温装置に関する。
病院では患者に輸液する血液製剤の品質を維持するため、血液製剤を冷蔵保管している。血液製剤を患者に輸液する際には、患者の負担を軽減するため、血液製剤を適切な温度まで加温して輸液する必要がある。特に大量または危機的出血が発生した場合には、血液製剤を短時間で大量に輸液する必要があり、この際には低体温症を防止するため、血液製剤を患者体温まで急速に加温する必要がある。
従来から、上述の大量または危機的出血が発生した患者の治療には、血液製剤を加温しながら患者に輸液する輸液装置が用いられている。輸液装置には、所定長さの加温流路を流れる血液製剤をヒータにより加温する加温部があり、電源から加温部のヒータに給電しヒータを発熱させることで、血液製剤を目標温度(体温相当の温度)まで加温している(特許文献1参照)。
特開2019-187606号公報
ところで、上述のような輸液装置において、加温速度を向上するため、例えば加温部の流路の両側にヒータを設け、複数のヒータで血液製剤を加温することを考えている。しかしながら、このような場合、複数のヒータに同時に電流を流し始めると、例えば商用電源からヒータに電力を供給する電気回路において、大電流が流れ、その分実際にヒータに印加される電圧が降下する。ヒータに印加される電圧が低下すると、ヒータの給電量に対する加温効率が低下する。
本出願はかかる点に鑑みてなされたものであり、複数のヒータを有し、血液製剤などの液体を加温する加温部において、ヒータの電圧降下を抑制し、加温効率を向上することができる、輸液装置などの医療用液体加温装置を提供することをその目的の一つとする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、医療用液体加温装置が、複数のヒータのONのタイミングがヒータ間でずれるように複数のヒータのON・OFFを制御する制御部を備えることにより、上記問題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の態様を含む。
(1)液体が流れる流路と、複数のヒータを有し、当該複数のヒータにより前記流路の液体を加温する加温部と、前記流路の液体を送液する送液部と、複数のヒータのON・OFFを制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記複数のヒータのONのタイミングがヒータ間でずれるように前記複数のヒータのON・OFFを制御する、医療用液体加温装置。
(2)前記制御部は、前記複数のヒータの各ヒータがON、OFFを複数回繰り返し、各ヒータにおける複数回のONのタイミングがヒータ間で重ならないように、前記複数のヒータのON・OFFを制御する、(1)に記載の医療用液体加温装置。
(3)前記制御部は、前記複数のヒータのON期間がヒータ間で重ならないように前記複数のヒータのON・OFFを制御する、請求項1又は2に記載の医療用液体加温装置。
(4)前記加温部は、前記流路を挟んだ両側にヒータを有する、(1)~(3)のいずれか一項に記載の医療用液体加温装置。
(5)前記加温部は、前記流路の片側に複数のヒータを有する、(1)~(4)のいずれか一項に記載の医療用液体加温装置。
(6)前記流路の片側の複数のヒータは、前記流路の液体の流れ方向に沿って配置されている、(5)に記載の医療用液体加温装置。
(7)前記ヒータは、AC電源で駆動される、(1)~(6)のいずれか一項に記載の医療用液体加温装置。
(8)前記制御部は、前記ヒータのON期間を、商用交流電源の周期を単位にして制御する、(1)~(7)のいずれか一項に記載の医療用液体加温装置。
(9)前記ヒータに電力を供給する交流電源のゼロクロスを検出するゼロクロス検出部を、さらに備える、(1)~(8)のいずれか一項に記載の医療用液体加温装置。
(10)前記制御部は、前記ゼロクロス検出部による交流電源のゼロクロスの検出に基づいて、前記ヒータのON、OFFのタイミングがゼロクロスのタイミングに合うように、前記複数のヒータのON・OFFを制御する、(9)に記載の医療用液体加温装置。
本発明によれば、ヒータの電圧降下を抑制し、加温効率を向上することができる医療用液体加温装置を提供することができる。
輸液装置の構成を示す模式図である。 加温部の構成の示す分解図である。 加温部の一部の構成を示す正面図と側面図である。 加温部の流路部の斜視図である。 熱板部の側面図である。 流路部と熱板部の側面図である。 2つのヒータのON・OFF制御の例を示す説明図である。 2つのヒータのON・OFF制御の他の例を示す説明図である。 2つのヒータのON・OFF制御の他の例を示す説明図である。 2つのヒータのON・OFF制御の他の例を示す説明図である。 一つの熱板部に2つのヒータを設ける例を示す、流路部と熱板部の側面図である。 一つの熱板部に設けられた2つのヒータのON・OFF制御の例を示す説明図である。 一つの熱板部に設けられた2つのヒータのON・OFF制御の他の例を示す説明図である。 一つの熱板部に設けられた2つのヒータのON・OFF制御の他の例を示す説明図である。 一つの熱板部に設けられた2つのヒータのON・OFF制御の他の例を示す説明図である。 ゼロクロス検出部を有する輸液装置の構成を示す模式図である。 交流電源のゼロクロスとヒータのON・OFFタイミングを示す説明図である。
以下、図面を参照して、本発明の好ましい実施の形態について説明する。なお、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。さらに、図面の寸法比率は、図示の比率に限定されるものではない。また、以下の実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明はこの実施の形態に限定されるものではない。
図1は、本実施の形態に係る医療用液体加温装置としての輸液装置1の構成の一例を示す模式図である。輸液装置1は、例えば、液体としての血液製剤を収容する液体収容部20と、加温部21と、ドリップチャンバー22と、送液部としての第1のポンプ23と、第2のポンプ24と、第1の流路25と、第2の流路26と、第3の流路27と、第4の流路28と、第5の流路29と、電源部30と、配線31と、制御部32と、を有している。
液体収容部20は、例えば軟質の樹脂製であり、例えば0.5L以上の容量を有している。液体収容部20の軟質材には、例えばPCV(ポリ塩化ビニル)、PC(ポリカーボネート)、ABS樹脂などが用いられている。
加温部21は、血液製剤が流れる加温流路50と、加温流路50に接触して加温する複数、例えば2つのヒータ51、52を有している。加温流路50は、入口部60と出口部61を有し、入口部60から出口部61向かって蛇行している。なお、加温部21の具体的な構成については後述する。
第1の流路25は、血液製剤が収容された血液製剤バッグ70と液体収容部20を接続するためのものであり、上流側が血液製剤バッグ70に接続可能になっており、下流側が液体収容部20に接続されている。
第2の流路26は、液体収容部20と加温部21を接続するものであり、上流側が液体収容部20の下部に接続され、下流側が加温部21の加温流路50の入口部60に接続されている。
第3の流路27は、加温部21とドリップチャンバー22を接続するものであり、上流側が加温部21の加温流路50の出口部61に接続され、下流側がドリップチャンバー22の上部に接続されている。
第4の流路28は、ドリップチャンバー22と患者を接続するためのものであり、上流側がドリップチャンバー22の下部に接続され、下流側が、患者に接続するための穿刺部80に接続されている。
第5の流路29は、ドリップチャンバー22と液体収容部20を接続するものであり、上流側がドリップチャンバー22の上部に接続され、下流側が液体収容部20の上部に接続されている。
第1乃至第5の流路25~29は、軟質のチューブである。
第1のポンプ23は、第2の流路26に設けられている。第1のポンプ23は、例えば第2の流路26のチューブを扱いてチューブ内の液体を圧送するチューブポンプである。第1のポンプ23は、第2の流路26に接続された加温流路50を流れる血液製剤の流量を調整することができる。
第2のポンプ24は、第4の流路28に設けられている。第2のポンプ24は、例えば第4の流路28のチューブを扱いてチューブ内の液体を圧送するチューブポンプである。第2のポンプ24は、患者に供給される血液製剤の流量を調整することができる。
電源部30は、輸液装置1の各種機器に給電するものであり、配線31を通じて例えば加温部21のヒータ51、52、第1のポンプ23及び第2のポンプ24等に給電する。電源部30は、例えば商用交流電源に接続可能であり、AC電源から電力を得ることができ、ヒータ51、52は、このAC電源により駆動する。
配線31は、電源部30から加温部21のヒータ51、52、第1のポンプ23及び第2のポンプ24等に接続されている。
制御部32は、例えば汎用コンピュータであり、メモリに記録されたプログラムをCPUで実行することにより、電源部30を介して加温部21のヒータ51、52、第1のポンプ23、第2のポンプ24等の動作を制御して、輸液装置1における輸液プロセスを実行することができる。
ここで、加温部21の構成について説明する。図2は、加温部21の分解図であり、図3は、保持部103、104を外した状態の加温部21の正面図と両側の側面図である。加温部21は、輸液装置1の本体に内蔵されており、例えば全体が方形で厚みのある平盤形状を有している。加温部21は、例えば図2に示すように加温流路50を有する流路部100と、ヒータ51、52を有する熱板部101、102と、流路部100と熱板部101、102を保持する保持部103、104を備えている。
流路部100は、図4に示すように全体が方形の薄い板形状を有している。流路部100は、方形のフレーム110の面内に加温流路50を有している。加温流路50は、例えばフレーム110の面内にチューブ状に形成され、フレーム110の面内を蛇行するように設けられている。加温流路50は、複数の往復路を上下に並べて繋げた形状を有している。
加温流路50の入口部(上流部)60は、流路部100の下部に位置し、加温流路50の出口部(下流部)61は、流路部100の上部に位置している。加温流路50の入口部60と出口部61は、例えば流路部100の同一方向の側部に設けられている。入口部60は、第2の流路26に接続され、出口部61は、第3の流路27に接続されている。
図2及び図3に示すように熱板部101、102は、流路部100を両側から挟んでいる。図5に示すように熱板部101は、方形の薄い板状に形成されている。熱板部101は、熱伝導率の高い材質、例えばアルミニウム、銅、ステンレスにより形成された熱板120を有している。熱板120の外側の面に、給電により発熱する所定パターンのヒータ51が設けられている。熱板120の内側の面は、流路部100の加温流路50に接触する。
ヒータ51は、例えば給電により発熱する電熱線であり、熱板120の面内に一続きのジグザグ状に配置されている。すなわち、ヒータ51は、複数の往復路を上下に並べて繋げた形状を有し、各往路、各復路においても矩形波形状に蛇行している。ヒータ51は、図6に示すように加温流路50に沿うように配置されている。ヒータ51は、例えば発熱量が、加温流路50の上流側から下流側に向かって段階的に減少するように配置されている。ヒータ51は、例えば加温流路50の上流側から下流側に向かって熱板120における単位面積あたりのヒータ51の占める割合(密度)が低下するように配置されている。
熱板部102は、熱板部101と同様の構成を有する。すなわち、熱板部102は、熱板130を有している。熱板130の外側の面に、給電により発熱する所定パターンのヒータ52が設けられ、熱板130の内側の面は、流路部100の加温流路50に接触する。ヒータ52は、例えば給電により発熱する電熱線であり、熱板130の面内に一続きのジグザグ状に配置されている。ヒータ52は、加温流路50に沿うように配置されている。ヒータ52は、例えば発熱量が、加温流路50の上流側から下流側に向かって段階的に減少するように配置されている。
図2に示すように保持部103、104は、方形の板形状を有している。保持部103、104は、流路部100及び熱板部101、102の外側に配置され、流路部100及び熱板部101、102を両側から挟むように保持する。保持部103、l04は、例えば熱板部101、102よりも硬質で断熱性を有している。
制御部32は、電源部30からヒータ51、52への給電を制御し、ヒータ51、52に所定量の電力を供給しヒータ51、52を所定の発熱量で発熱させることで、加温部21の加温流路50を流れる血液製剤を所定の目標温度まで加温する。
制御部32は、例えば図7に示すように各ヒータ51、52が所定の周期(デューティー比)で複数回のON・OFFを繰り返すようにヒータ51、52のON・OFFを制御する。また制御部32は、ヒータ51、52のONのタイミングがヒータ間でずれるようにヒータ51、52のON・OFFを制御する。なお、「ON」とは、ヒータ51、52に給電されている状態であり、「OFF」とは、ヒータ51、52に給電されていない状態である。また、「ヒータ51、52のONのタイミング」とは、ヒータ51、52に給電が開始されるタイミング(切り替えタイミング)である。
また制御部32は、ヒータ51、52のON期間(OFF期間)を、商用交流電源の波形(図17に示す)の周期Tc(例えば1/(50Hz)もしくは1/(60Hz))を単位にして制御する。この場合、図7に示すヒータ51のON期間S1が、Tc×N1(N1は、1以上の整数)になり、ヒータ52のON期間S2が、Tc×N2(N2は、1以上の整数)となる。なお、「ヒータ51、52のON期間」とは、ヒータ51、52に給電が行われている間の期間である。
ヒータ51、52のONのタイミングのずらし時間Dは、例えば予め定められた固定時間であってもよいし、ヒータ51、52のON期間S1,S2や、ヒータ51、52のONの繰り返し周期Wなどから計算されたものであってもよい。例えば図8、図9に示すように、ずらし時間Dは、一方のヒータのON期間の終了タイミングと、もう一方のヒータのON期間の開始タイミングが揃うようにしてもよい。図8は、ヒータ51のON期間の終了タイミングと、ヒータ52のON期間の開始タイミングを揃えたものであり(D=Tc×N1)、図9は、ヒータ51のON期間の開始タイミングと、ヒータ52のON期間の終了タイミングを揃えたものである(D=W-(Tc×N2))。
次に、以上のように構成された輸液装置1の動作について説明する。先ず、低温(例えば4℃程度)の血液製剤の入った血液製剤バッグ70が用意される。次に、図1に示すように、血液製剤バッグ70が第1の流路25に接続され、血液製剤バッグ70の血液製剤が、第1の流路25を通って重力により落下し、液体収容部20に収容される。そして、輸液が開始されると、第1のポンプ23と第2のポンプ24が作動し、液体収容部20の血液製剤が、第1のポンプ23により第2の流路26を通って加温部21に送られる。加温部21において、血液製剤は、加温流路50を通過し、その通過の際にヒータ51、52により、血液製剤が体温相当の目標温度まで加温される。このとき制御部32は、低温(例えば4℃程度)の血液製剤が、所定の設定流量で加温流路50を流れる間に目標温度(例えば体温相当の37℃)まで加温されるように、ヒータ51、52をON・OFF制御する。このON・OFF制御において、ヒータ51、52のONのタイミングは、ヒータ51、52間でずらされている。
加温部21において目標温度まで加温された血液製剤は、第3の流路27を通過し、ドリップチャンバー22に流入する。その後、血液製剤は、第2のポンプ24により第4の流路28を通過し、穿刺部80から患者に供給される。
また、加温部21において血液製剤中に生じた気泡は、ドリップチャンバー22で捕捉される。ドリップチャンバー22内の一部の血液製剤と気体は、第5の流路29を通って液体収容部20に戻される。
本実施の形態によれば、輸液装置1が、複数のヒータ51、52のON・OFFを制御する制御部32を備え、制御部32が、ヒータ51、52のONのタイミングがヒータ51、52間でずれるようにヒータ51、52のON・OFFを制御する。これにより、電源部30からヒータ51、52に電力を供給する電気回路において、大電流が流れることが抑制され、その分ヒータ51、52に印加される電圧が降下することが抑制される。この結果、ヒータ51、52の給電量に対する加温効率を向上することができる。
制御部32は、ヒータ51、52がON、OFFを複数回繰り返し、各ヒータ51、52における複数回のONのタイミングがヒータ間で重ならないように、ヒータ51、52のON・OFFを制御している。この場合、ヒータ51、52の各回のONのタイミングにおいて大電流が流れることが抑制されるので、ヒータ51、52の給電量に対する加温効率をさらに向上することができる。
加温部21は、加温流路50を挟んだ両側にヒータ51、52を有するので、加温流路50の片側毎にヒータ51、52の制御が可能になり、加温流路50に必要なエネルギーを適正に供給しやすくなる。
ヒータ51、52は、電源部30のAC電源で駆動されるので、商用交流電源を用いることができ、輸液装置1の電源部30周辺の構成を簡素化することができる。この結果、輸液装置1のコストを低減することができる。AC電源からDC電源への変換ロスがないため、加温効率を向上することができる。
制御部32は、ヒータ51、52のON期間S1、S2を、商用交流電源の周期Tcを単位にして制御する。これにより、最短のON期間(最短給電時間)S1、S2を周期Tc(N1、N2=1)とすることができるため、発熱量を少なくする場合のヒータ51、52の制御が可能になる。このため、加温流路50における血液製剤を低流量にしても、過加熱されないように血液製剤を温度調整することができる。よって、加温流路50における血液製剤の設定流量を低流量にすることが可能になる。また、ヒータ51、52のON期間S1、S2を、商用交流電源の周期Tcを単位にして設定することで、ヒータ51、52のON・OFF制御が正確になり、血液製剤の温度制御の精度が向上する。
上記実施の形態において、図10に示すように制御部32は、ヒータ51、52のON期間S1、S2がヒータ間で重ならないようにヒータ51、52のON・OFFを制御してもよい。この場合、ヒータ51、52のON期間S1、S2が互いに重なることがないため、電源部30からヒータ51、52に電力を供給する電気回路において、大電流が流れることがなく、ヒータ51、52に印加される電圧が降下することが効果的に抑制される。この結果、ヒータ51、52の給電量に対する加温効率をさらに向上することができる。
以上の実施の形態において、加温部21は、加温流路50の両側にヒータ51、52を有するものであったが、加温流路50の片側に複数のヒータを有するものであってもよい。かかる場合、例えば図11に示すように加温部21は、加温流路50の片側にのみ熱板部101を有し、その熱板部101には、複数、例えば2つのヒータ51a、51bが設けられていてもよい。ヒータ51aとヒータ51bは、加温流路50の液体の流れ方向に沿ってこの順番で配置されている。例えばヒータ51aが加温流路50の上流側に設けられ、ヒータ51bが加温流路50の下流側に設けられている。なお、ヒータの数は、2つに限られず、3つ以上であってもよい。
制御部32は、例えば図12、図13に示すようにヒータ51a、51bのONのタイミングがヒータ51a、51b間でずれるようにヒータ51a、51bのON・OFFを制御する。また、制御部32は、図8、図9で示したように、ずらし時間Dを、一方のヒータのON期間の終了タイミングと、もう一方のヒータのON期間の開始タイミングが揃うように制御してもよい。
かかる例では、加温部21は、加温流路50の片側にヒータ51a、51bを有するので、加温部21の部品点数を低減しつつ、ヒータ51a、51bの加温効率を向上することができる。
またヒータ51a、51bは、加温流路50の液体の流れ方向に沿って配置されているので、加温流路50を流れる血液製剤を効率的に加温し、また血液製剤の温度を精度よく制御することができる。
かかる例において、制御部32は、加温流路50の上流側のヒータ51aの最初のONのタイミングを、加温流路50の下流側のヒータ51bの最初のONのタイミングより先にしてもよい。こうすることにより、加温流路50の上流側のヒータ51aの発熱量をヒータ51bよりも多くする場合において、ヒータ51aの発熱量(温度)を早期に安定させることができる。また、上流側のヒータ51aのON期間S1と下流側のヒータ51bのON期間S2を以下のように制御してもよい。
例えば図14に示すように、先ず、加温流路50の入口温度が低下した状態(A1)では、上流側のヒータ51aのみをONにする。このとき、例えばヒータ51aのON期間S1は、N1×Tc(「設定ON期間Sc」)とする。次に、入口温度の低下状態(A1)から定常状態(A3)になるまでの過渡状態(A2)では、ヒータ51aのON期間S1とヒータ51bのON期間S2の和を設定ON期間Sc(S1+S2=Sc)とし、ヒータ51aのON期間S1とヒータ51bのON期間S2との比を2対1(S1>S2)とする。次に、加温流路50の入口温度と出口温度とが一定になった定常状態(A3)では、ヒータ51aのON期間S1とヒータ51bのON期間S2との比を1対1(S1=S2)とする。
また、例えば図15に示すように、加温流路50の入口温度が上昇した状態(A4)では、上流側のヒータ51aをOFFにし、下流側のヒータ51bのみをONにする。このとき、例えばヒータ51aのON期間S1は、N1×Tc(「設定ON期間Sc」)とする。次に、入口温度の上昇状態(A4)から定常状態(A6)になるまでの過渡状態(A5)では、ヒータ51aのON期間S1とヒータ51bのON期間S2の和を設定ON期間Sc(S1+S2=Sc)とし、ヒータ51aのON期間S1とヒータ51bのON期間S2との比を1対2(S1<S2)とする。次に、加温流路50の入口温度と出口温度とが一定になった定常状態(A6)では、ヒータ51aのON期間S1とヒータ51bのON期間S2との比を1対1(S1=S2)とする。
かかる例において、加温部21は、上述のように加温流路50の両側にヒータ51、52を有しつつ、その各ヒータ51、52においてさらに複数のヒータ(51a、51b)を有していてもよい。
以上の実施の形態において、例えば図16に示すように輸液装置1は、電源部30の交流電源のゼロクロスを検出するゼロクロス検出部150を備えていてもよい。ゼロクロス検出部150は、図17に示すような電源部30の交流電源のゼロクロスzcを検出する。ゼロクロス検出部150は、例えば、電源部30に設けられた、電圧測定機能のあるIC(AC電圧ゼロクロス検知IC)などである。
そして、制御部32は、ゼロクロス検出部150による交流電源のゼロクロスzcの検出に基づいて、ヒータ51、52のON、OFFのタイミングがゼロクロスzcのタイミングに合うように、ヒータ51、52のON・OFFを制御する。
かかる例では、輸液装置1が、交流電源のゼロクロスを検出するゼロクロス検出部150を備えるので、制御部32が、交流電源のゼロクロスを用いたヒータ51、52の制御が可能になり、ヒータ制御の正確性が向上する。
また制御部32が、ヒータ51、52のON、OFFのタイミングをゼロクロスzcのタイミングに合わせるので、ヒータ51、52への給電が、ゼロクロスzcを起点及び終点とした交流電源の波長を単位にして正確に行われ、ヒータ51、52への給電量が安定する。この結果、ヒータ51、52の発熱量が安定するので、血液製剤の温度制御の精度が向上する。また、ゼロクロス時にヒータ51,52をONにすることにより、急激な負荷電流の立ち上がり時に発生するノイズを抑えることができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば加温部21の構成は上記実施の形態のものに限られない。ヒータの数は、2つに限られず3つ以上であってもよい。また、ヒータの配置も上記実施の形態のものに限られない。送液部は、2つのポンプ23、24を有していたが、1つのポンプを有していてもよく、3つ以上のポンプを有していてもよい。ヒータの電源は、交流電源に限られず、直流電源であってもよい。また、ヒータの電源は商用交流電源に限られない。輸液装置1の液体の流路の構成や輸液装置1のその他の構成も、上記実施の形態のものに限られない。また、輸液装置1で送液される輸液用の液体は血液製剤であったが、これに限られず、例えば新鮮凍結血漿(FFP)、アルブミン、細胞外液等であってもよい。本発明は、輸液装置以外の透析装置、血液浄化装置などの他の医療用液体加温装置にも適用することができる。
本発明は、ヒータの電圧降下を抑制し、加温効率を向上することができる医療用液体加温装置を提供する際に有用である。
1 輸液装置
21 加温部
23 第1のポンプ
24 第2のポンプ
25 第1の流路
26 第2の流路
27 第3の流路
28 第4の流路
29 第5の流路
30 電源部
32 制御部
50 加温流路
51 ヒータ
52 ヒータ

Claims (10)

  1. 液体が流れる流路と、
    複数のヒータを有し、当該複数のヒータにより前記流路の液体を加温する加温部と、
    前記流路の液体を送液する送液部と、
    複数のヒータのON・OFFを制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、前記複数のヒータのONのタイミングがヒータ間でずれるように前記複数のヒータのON・OFFを制御する、医療用液体加温装置。
  2. 前記制御部は、前記複数のヒータの各ヒータがON、OFFを複数回繰り返し、各ヒータにおける複数回のONのタイミングがヒータ間で重ならないように、前記複数のヒータのON・OFFを制御する、請求項1に記載の医療用液体加温装置。
  3. 前記制御部は、前記複数のヒータのON期間がヒータ間で重ならないように前記複数のヒータのON・OFFを制御する、請求項1又は2に記載の医療用液体加温装置。
  4. 前記加温部は、前記流路を挟んだ両側にヒータを有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の医療用液体加温装置。
  5. 前記加温部は、前記流路の片側に複数のヒータを有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の医療用液体加温装置。
  6. 前記流路の片側の複数のヒータは、前記流路の液体の流れ方向に沿って配置されている、請求項5に記載の医療用液体加温装置。
  7. 前記ヒータは、AC電源で駆動される、請求項1~6のいずれか一項に記載の医療用液体加温装置。
  8. 前記制御部は、前記ヒータのON期間を、商用交流電源の周期を単位にして制御する、請求項1~7のいずれか一項に記載の医療用液体加温装置。
  9. 前記ヒータに電力を供給する交流電源のゼロクロスを検出するゼロクロス検出部を、さらに備える、請求項1~8のいずれか一項に記載の医療用液体加温装置。
  10. 前記制御部は、前記ゼロクロス検出部による交流電源のゼロクロスの検出に基づいて、前記ヒータのON、OFFのタイミングがゼロクロスのタイミングに合うように、前記複数のヒータのON・OFFを制御する、請求項9に記載の医療用液体加温装置。
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