JP6853189B2 - 大環状ジケトンを調製する方法 - Google Patents

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Description

本発明は、式(I)の大環状ジケトン化合物を調製する方法であって、酸化剤による式(II)のビシクロオレフィン化合物の酸化を含む方法に関する
Figure 0006853189
[式中、
Aは、nが2〜12、特に6〜10の整数である(CH2)nであり、ここで、2個の水素原子はC1〜C4アルキル、特にメチルによって置き換えられていてもよく、又は隣接する炭素原子に結合している2個の水素原子は、縮合5員若しくは6員飽和炭素環によって置き換えられていてもよく;
Bは、mが1又は2である(CH2)mであり、ここで、1又は2個の水素原子は、C1〜C4アルキル、特にメチルによって置き換えられていてもよい]。
式(I)の大環状ジケトン、特に、AがCH2又はCH-CH3であり、Bが(CH2)8である式(I)に対応するシクロペンタデカン-1,5-ジオン又は3-メチルシクロペンタデカン-1,5-ジオンは、興味深い芳香剤であり、また、ムスコン等の他の大環状ムスク匂い物質(odorants)の前駆体としての機能を果たし得る。
ビシクロオレフィン化合物の二重結合の酸化的開裂を介した大環状ジケトンの調製は、当技術分野で公知である。
CH 519454には、ビシクロ[10.3.0]ペンタデセン[1(12)]のオゾン分解、又はビシクロ[10.3.0]ペンタデセン[1(12)]の一重項酸素による光酸化に引き続いて、生じたヒドロペルオキシドの酸性転位(acidic rearrangement)が行われることによる、シクロペンタデカン-1,5-ジオンの調製が記載されている。CH 519454にはまた、ビシクロ[10.3.0]ベンタデセン[1(12)]の過マンガン酸カリウムとの反応が記載されている。オゾン分解及び光酸化は、大規模で取り扱うのが困難であり、一方、過マンガン酸カリウムの使用は、比較的高価であり、面倒で骨の折れる後処理手順が必要である。
CH 513791には、ビシクロ[10.3.0]ペンタデセン[1(12)]又は14-メチルビシクロ[10.3.0]ペンタデセン[1(12)]の、濃ギ酸中の準化学量論量の55% H2O2水溶液による酸化、引き続いて中間体を水酸化カリウムと反応させて、ビシクロ[10.3.0]ペンタデカン-1,12-ジオール又は14-メチルビシクロ[10.3.0]ペンタデカン-1,12-ジオールを得、次いで、該化合物を氷酢酸中のPb3O4で処理することによって開裂することを含む、シクロペンタデカン-1,5-ジオン及び3-メチルシクロペンタデカン-1,5-ジオンを調製する方法が記載されている。該方法は、時間がかり、有毒薬品の使用を含む。
CN 102786398Aには、シクロドデカノンから開始する3-メチルシクロペンタデカン-1,5-ジオンの多段合成であって、合成の最終段階が、相間移動触媒テトラブチルアンモニウムブロミドの存在下、化学量論量の過ヨウ素酸ナトリウムにより14-メチルビシクロ[10.3.0]ペンタデセン[1(12)]を酸化して、3-メチルシクロペンタデカン-1,5-ジオンを得ることを含む、合成が記載されている。過ヨウ素酸ナトリウムは、4倍超の過剰量を適用しなければならず、高価であり、高度な技術的な安全要求事項のために、工業規模で取り扱うのは容易ではない。さらに、過ヨウ素酸ナトリウムの廃棄物を処分しなければならない。これらの要求事項及び経済的側面のために、この方法は、工業規模の製造には不適当である。
置換されているオレフィンのルテニウム化合物による酸化は、一般に当技術分野で公知である。
例えば、Leeら、J. Org. Chem.、1976、41 (22)、3644〜3644頁には、化学量論量の四酸化ルテニウムによるケイ皮酸メチル化合物の酸化が記載されている。
Ayresら、Tetrahedron、42巻、5号、4259〜4265頁には、四酸化ルテニウムによるフェノール性アルケンの選択的酸化が記載されている。特に、溶媒として四塩化炭素を使用した化学量論量の四酸化ルテニウムによる、トリフルオロアセチル化イソオイゲノール、トリフルオロアセチル化4,4'-ジヒドロキシ-α,β-ジメチルスチルベン及びトリフルオロアセチル化ノルプレグネノール(norpregnenol)の転位生成物の酸化が記載されている。
DE 3610718には、酸化剤として触媒量のルテニウム化合物及び化学量論量の次亜塩素酸ナトリウム等の共酸化剤を使用したシクロペンテンの酸化を含む、グルタル酸を製造する方法が記載されている。酸化剤及び共酸化剤は、アルカリ水溶液の形態で添加される。該反応は、水及び塩素化有機溶媒からなる二相溶媒系中で実施される。
現在のところ、すべての報告された14-メチルビシクロ[10.3.0]ペンタデセン[1(12)]又はビシクロ[10.3.0]ペンタデセン[1(12)]を酸化する方法は、それらが工業規模の製造に適用される場合大きな欠点を有している。
CH 519454 CH 513791 CN 102786398A DE 3610718
Leeら、J. Org. Chem.、1976、41 (22)、3644〜3644頁 Ayresら、Tetrahedron、42巻、5号、4259〜4265頁
したがって、本発明の目的は、式(I)の化合物、特に、シクロペンタデカン-1,5-ジオン及び3-メチルシクロペンタデカン-1,5-ジオンを効率的に製造する方法を提供することである。該方法は、取り扱いが容易であるべきであり、工業規模の際、優れた収率で式(I)の化合物の製造が可能になるべきである。さらに、有毒又は高価な試薬の使用が回避されるべきである。
驚くべきことに、式(II)の化合物、特に式(IIa)の化合物は、触媒量のルテニウム化合物及び遷移金属非含有酸化剤から選択される共酸化剤を含む酸化剤を使用することによって、それぞれ(II)又は(IIa)の酸化を実施した場合、式(I)のジケトン化合物、特に式(Ia)の化合物に効率的に変換され得ることが見出された。
Figure 0006853189
したがって、本発明は、本明細書に記載の式(I)のジケトン化合物を製造する方法であって、触媒量のルテニウム化合物及び遷移金属非含有酸化剤から選択される共酸化剤を含む酸化剤による、式(II)のビシクロオレフィン化合物の酸化を含む方法に関する。
本発明は、詳細には、本明細書に記載の方法によって、式(IIa、R=CH3)の14-メチルビシクロ[10.3.0]ペンタデセン[1(12)]から式(Ia、R=CH3)の3-メチルシクロペンタデカン-1,5-ジオンを製造する方法に関する。
本発明はまた、詳細には、本明細書に記載の方法によって、式(IIa、R=H)のビシクロ[10.3.0]ペンタデセン[1(12)]から式(Ia、R=H)のシクロペンタデカン-1,5-ジオンを製造する方法に関する。
本発明による方法は、従来技術と比較していくつかの利点を有する。式(II)の化合物、特に式(IIa)の化合物の酸化は、本明細書に記載の方法によって、遷移金属非含有酸化剤から選択される共酸化剤と共に、酸化剤として触媒量のルテニウム化合物を使用することにより、優れた収率及び選択性を有して、それぞれ、式(I)又は(Ia)の化合物を直接生じさせる。当技術分野、例えば、CH 513791、CH 519454及びCN 102786398Aで記載されている方法とは対称的に、本方法は、ルテニウム化合物及び共酸化剤が無害な化合物から選択され、したがって、オゾン、一重項酸素、Pb3O4又は過ヨウ素酸ナトリウムより取り扱いがはるかに容易であるので、大規模でより容易に実施され得る。さらに、高価な酸化剤の使用が回避され得て、ルテニウム化合物は、さらなる使用のために再利用することができる。反応が円滑に及び高い選択性で進行するので、長たらしい後処理及び大量の廃棄物ストリームを回避することができる。
本発明の目的では、「ルテニウム酸塩(ruthenates)」という表現は、オキシアニオンRuO4 2-を含有する任意のルテニウム塩に関する。
本発明の目的では、「過ルテニウム酸塩(perruthenates)」という表現は、オキシアニオンRuO4 -を含有する任意のルテニウム塩に関する。
本発明の方法によれば、反応混合物中のルテニウム化合物の総量は、ルテニウム原子の数に基づいて計算して、式(II)の化合物1mol当たり、典型的には0.001〜0.2molの範囲、好ましくは0.005〜0.15molの範囲、特に0.01〜0.1molの範囲である。
一般に、無機ルテニウム塩又は有機錯塩の形態の任意のルテニウム化合物を、本発明の方法において酸化剤として使用することができる。適したルテニウム化合物は、例えば、
- 酸化ルテニウム(IV)又は酸化ルテニウム(VIII)等の酸化ルテニウム、
- ルテニウム酸塩、即ち、オキシアニオンRuO4 2-を含有する任意のルテニウム塩、例えば、ルテニウム酸マグネシウム、-ストロンチウム、-カルシウム、-バリウム又は-ナトリウム等のそのアルカリ又はアルカリ土類金属塩、
- 過ルテニウム酸塩、即ち、オキシアニオンRuO4 -を含有する任意のルテニウム塩、例えば、過ルテニウム酸ナトリウム又は-カリウム等のそのアルカリ又はアルカリ土類金属塩、
- 塩化ルテニウム(II)、塩化ルテニウム(III)、塩化ルテニウム(IV)、臭化ルテニウム(III)又はヨウ化ルテニウム(III)等のハロゲン化ルテニウム、
- 硝酸ルテニウム(III)等の硝酸ルテニウム、
- 水酸化ルテニウム(III)、
- 硫酸ルテニウム(IV)、
- 酢酸ルテニウム(III)等のカルボン酸ルテニウム、
- ヘキサクロロルテニウム(IV)酸アンモニウム、ヘキサクロロルテニウム(IV)酸カリウム、ペンタクロロアクアルテニウム(III)酸アンモニウム、ペンタクロロアクアルテニウム(III)酸カリウム、ヘキサアンミンルテニウム(III)塩化物、ヘキサアンミンルテニウム(III)臭化物、ヘキサアンミンルテニウム(III)ヨウ化物、ニトロシルペンタアンミンルテニウム(III)塩化物、エチレンジアミン四酢酸ルテニウム(IV)又はルテニウム(0)ドデカカルボニル等のルテニウム錯体
である。
上記ルテニウム化合物は、無水であっても水和していてもよい。ルテニウム化合物は、単独で又は2つ以上を組み合わせて使用してもよい。
好ましくは、本発明の方法で使用されるルテニウム化合物は、酸化ルテニウム、ルテニウム酸塩、過ルテニウム酸塩、ハロゲン化ルテニウム、硝酸ルテニウム及びこれらの混合物から選択される。
好ましい酸化ルテニウムは、例えば、四酸化ルテニウム又は二酸化物ルテニウムである。
好ましいルテニウム酸塩は、例えば、ルテニウム酸マグネシウム、ルテニウム酸カルシウム又はルテニウム酸ナトリウムである。
好ましい過ルテニウム酸塩は、例えば過ルテニウム酸ナトリウムである。
好ましいハロゲン化ルテニウムは、例えば、塩化ルテニウム(III)、塩化ルテニウム(IV)又は臭化ルテニウム(III)である。
好ましい硝酸ルテニウムは、例えば硝酸ルテニウム(III)である。
より好ましくは、本発明の方法において使用されるルテニウム化合物は、四酸化ルテニウム、ルテニウム酸ナトリウム、過ルテニウム酸ナトリウム、二酸化物ルテニウム、三塩化ルテニウム又はこれらの混合物である。
特に、本発明の方法において使用されるルテニウム化合物は、三塩化ルテニウムである。
本発明の方法によれば、酸化に使用される共酸化剤の総量は、式(II)の化合物1mol当たり、典型的には2〜10molの範囲、特に3〜8molの範囲であり、それによって、上記に特定された酸化剤のモル数は酸素当量として計算される。
本発明の目的では、「酸素当量」という用語は、所与の酸化剤によって放出され得る酸素原子の数に関する。例えば、無機又は有機ペルオキシ酸及びH2O2は、1個の酸素原子を放出することができる。次亜塩素酸塩(hypochlorite)(ClO-)も、1個の酸素原子を放出することができる一方、亜塩素酸塩(chlorite)(ClO2 -)は、通常2個の酸素原子を放出することができる。
本発明によれば、共酸化剤は、遷移金属非含有酸化剤から選択される。遷移金属非含有酸化剤は、遷移金属を含有していない酸化剤である。原則として、低酸化数を有するルテニウム化合物を酸化して、オレフィンを酸化することができるルテニウム化合物を生じさせる任意の遷移金属非含有酸化剤を、本発明の方法において共酸化剤として使用することができる。
本発明の方法において使用することができる適した共酸化剤は、例えば、ハロゲン、酸素、亜酸化窒素(nitrous oxide)、塩素のオキシアニオン、ジアルキルペルオキシド、有機ペルオキシ酸、無機ペルオキシ酸、ペルエステル(perester)、即ち、有機ペルオキシ酸のエステル、ヒドロペルオキシド、過酸化水素、遷移金属を含有しない無機オキソ酸(即ち、遷移金属非含有無機オキソ酸)、及び硝酸塩から選択される。
- 適したハロゲンは、例として、フッ素又は塩素である。
- 適した塩素のオキシアニオンは、例として、次亜塩素酸塩、亜塩素酸塩、塩素酸塩又は過塩素酸塩である。
- 適したジアルキルペルオキシドは、特に、ジイソプロピルペルオキシド又はジ(tert-ブチル)ペルオキシド等のジ-C2〜C6アルキルペルオキシドである。
- 適した有機ペルオキシ酸には、メタ-クロロペルオキシ安息香酸等の、場合によりハロゲンで置換されたペルオキシ安息香酸、並びに過酢酸、過プロピオン酸及び過ピバル酸等のC1〜C4アルカン過酸が含まれる。
- 適した有機物又は無機物には、例えば、ペルオキシ二硫酸及びペルオキシ一硫酸が含まれる。
- ペルエステルは、有機ペルオキシ酸のエステル、特に、C1〜C4アルカン過酸のアルキルエステル及びC1〜C4アルカン過酸のアリールエステル、特に、過酢酸、過プロピオン酸又は過ピバル酸のアルキルエステル及びアリールエステル(ペルアセテート、ペルプロピオネート及びペルピバレート)である。この状況では、「アルキル」という用語は、特に1〜6個の炭素原子を有する飽和非環式炭化水素基(C1〜C6アルキル)に関する。この状況では、「アリール」という用語は、非置換であるか、又はフッ素、塩素及びC1〜C4アルキルから選択される1、2若しくは3個の基で置換されたフェニル又はナフチルに関する。適したペルエステルは、例として、tert-ブチルペルアセテート又はtert-ブチルフェニルペルアセテート等の特にペルアセテートである。
- ヒドロペルオキシドは、特にC1〜C6アルキルヒドロペルオキシドである。適したヒドロペルオキシドは、例としてtert-ブチルヒドロペルオキシドである。
- 適した遷移金属非含有無機オキソ酸は、例えば、硫酸又は硝酸である。
- 適した硝酸塩は、例えば、硝酸ナトリウム又は硝酸カリウムである。
本発明の目的では、「次亜塩素酸塩」、「亜塩素酸塩」、「塩素酸塩」又は「過塩素酸塩」という表現は、それぞれ、オキシアニオンClO-(hypochlorite)、ClO2 -(chlorite)、ClO3 -(chlorate)又はClO4 -(perchlorate)を含有する任意の塩、例えば、これらのアルカリ又はアルカリ土類金属塩に関する。
特に、共酸化剤は、塩素のオキシアニオン、ジアルキルペルオキシド、過酸化水素、有機及び無機ペルオキシ酸、硝酸塩及びこれらの混合物から選択される。
より好ましくは、共酸化剤は、塩素のオキシアニオン、過酸化水素、硝酸塩、及びこれらの混合物から選択される。
さらにより好ましくは、共酸化剤は、次亜塩素酸塩、例えば、次亜塩素酸リチウム、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カリウム、次亜塩素酸塩マグネシウム、次亜塩素酸塩カルシウム、又は次亜塩素酸塩バリウムから選択され、特に共酸化剤は次亜塩素酸ナトリウムである。
通常、ルテニウム化合物の少なくとも一部、好ましくはルテニウム化合物の全体量が、反応の開始時に式(II)又は(IIa)の化合物に添加される。
共酸化剤は、酸化反応の開始時に又は酸化反応の過程の間に添加され得る。「反応の過程」という表現は、酸化反応の開始、即ち、ルテニウム化合物及び式(II)又は(IIa)の化合物が一緒にされ、反応パラメーターが酸化反応が起こり得るようなものである時点から反応の終点、即ち、式(II)若しくは(IIa)の化合物が消費され、及び/又はさらなる化合物(I)若しくは(Ia)が形成されない時点の間の時間間隔に関する。共酸化剤は反応の過程の間に添加されることが好ましい。それによって、共酸化剤の定常的な量が反応混合物中に存在することが実現される。反応の過程の間に共酸化剤を添加すると、クリーンで迅速な転化に関しては有益である。
共酸化剤を、1回で又は複数回に分けて一定の若しくは変化する添加速度で連続的に、式(II)又は(IIa)の化合物の混合物に添加することができる。好ましくは、共酸化剤は、数回に分けて、例えば3〜20回に分けて又は好ましくは一定の添加速度で連続的に、式(II)又は(IIa)の化合物の混合物に添加される。
共酸化剤が、酸化反応の全体の過程の間、数回に分けて、例えば規定量で規則的な時間間隔において、例えば10〜90分毎に、例えば30〜60分毎に、又は一定の添加速度で連続的に、式(II)又は(IIa)の化合物の混合物に添加された場合、有益であると判明している。
反応時間は、典型的には1〜16時間の範囲、しばしば1.5〜12時間の範囲である。
本発明の好ましい実施形態において、共酸化剤は、少なくともpH10、好ましくは少なくともpH12、例えば、pH13又はpH14のpHを有するアルカリ性水溶液の形態で反応混合物に添加される。
好ましい実施形態において、アルカリ性水溶液中の共酸化剤の濃度は、1〜50重量%の範囲、好ましくは3〜30重量%の範囲、特に5〜20重量%の範囲である。
アルカリ性水溶液は、例えば、固体又は水溶液の形態の強無機塩基、例えばNaOH、KOH、又はLiOHを共酸化剤の水溶液に添加することによって好都合に調製される。通常、共酸化剤のアルカリ性水溶液中の無機塩基の最終濃度は、0.01〜10モル濃度の範囲、好ましくは0.05〜5モル濃度の範囲、特に0.1〜2モル濃度の範囲である。
通常、反応混合物に適用される、共酸化剤とルテニウム化合物とのモル比は、10:1〜10000:1の範囲、好ましくは1:1〜5000:1の範囲、特に1:5〜1000:1の範囲である。
本発明の特定の実施形態において、式(I)又は(Ia)の化合物を得るための式(II)又は(IIa)の化合物の酸化は、反応混合物のpHが、7〜14の範囲、好ましくは7〜12の範囲、特に7.5〜11の範囲、とりわけ8.0〜10.9の範囲に維持されるような方法で実施される。
上記に示したpH値は、水不混和性有機溶媒を含む反応混合物への共酸化剤のアルカリ性水溶液の添加によって生じる反応混合物の水相の、25℃において測定されたpHに関する。
反応混合物のpHの維持は、共酸化剤のアルカリ性水溶液のpHを変化させることによって、例えば、添加する無機塩基の濃度を変化させることによって、反応混合物への共酸化剤のアルカリ性水溶液の添加速度を適合させることによって、及び/又は8〜12の範囲のpKa値を有する少なくとも1種の緩衝剤を含む水性緩衝液を反応混合物に添加することによって達成され得る。
反応混合物のpHの維持は、共酸化剤のアルカリ性水溶液のpHを変化させることによって、例えば、添加する無機塩基の濃度を変化させることによって、反応混合物への共酸化剤のアルカリ性水溶液の添加速度を適合させることによって、又は8〜12の範囲のpKa値を有する少なくとも1種の緩衝剤を含む水性緩衝液を反応混合物に添加することによってのいずれかで達成されることが好ましい。
原則として、8〜12の範囲のpKa値を有する任意の化合物が緩衝剤として適している。8〜12の範囲のpKa値を有する適した緩衝剤は、例えば、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、塩化アンモニウム、ホウ酸、ホウ酸水素ナトリウム、ホウ酸水素カリウム及びこれらの混合物から選択される。好ましくは、緩衝剤は、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、塩化アンモニウム、及びこれらの混合物から選択される。特に、緩衝剤は、炭酸水素ナトリウムと炭酸ナトリウム、又は炭酸水素カリウムと炭酸カリウムとの混合物から選択される。
一般に、水性緩衝液中の少なくとも1種の緩衝剤の濃度は、0.01〜5モル濃度の範囲、好ましくは0.1〜2モル濃度の範囲である。
典型的には、反応混合物に添加される水性緩衝液の量は、水性緩衝液中の緩衝剤の総濃度に大きく依存する。好ましくは、反応混合物に添加される水性緩衝液の量は、反応の全過程の間に、反応混合物のpHが4pH単位を超えて、好ましくは3pH単位を超えて、特に2pH単位を超えて変化しないように選択される。
一般に、緩衝液のpHは、7〜11の範囲、好ましくは8〜10の範囲である。
水性緩衝液は、1回で又は複数回に分けて又は一定の若しくは変化する添加速度で連続的に、式(II)又は(IIa)の化合物の混合物に添加することができる。好ましくは、共酸化剤は、酸化反応の開始時に、式(II)又は(IIa)の化合物の混合物に1回で添加される。
該反応は、有機化学の標準的な手順に従って主に実施される。
式(II)又は(IIa)の化合物の式(I)又は(Ia)の化合物への酸化を達成するのに必要な温度は、変化し得る。式(II)又は(IIa)の化合物の、それぞれ式(I)又は(Ia)の化合物への酸化は、-20〜100℃、特に0〜80℃及びとりわけ10〜40℃の範囲の温度で実施されることが多い。
反応圧力はあまり重要ではない。詳細には、反応は外気と圧力均衡(pressurized balance)を有する非圧力容器中で実施される。
酸化反応は、不活性ガスの非存在下又は存在下で実施することができる。不活性ガスという表現は、一般に、よく用いられる反応条件下で、反応に関与する出発材料、試薬、若しくは溶媒と、又は生じた生成物となんら反応を開始しないガスを意味する。不活性ガスの例は、N2、CO2及びHe、Ne、Ar、Kr及びXeのような希ガスである。酸化反応が不活性ガスの存在下で実施される場合、不活性ガスは、好ましくはN2又はArから選択される。
式(I)又は(Ia)の化合物を得るための式(II)又は(IIa)の化合物の酸化は、バルクで、即ちいずれの溶媒の非存在下で又は1種以上の有機溶媒の存在下で実施され得る。
式(I)又は(Ia)の化合物を得るための式(II)又は(IIa)の化合物の酸化は、有機溶媒又は有機溶媒混合物の存在下で実施されることが好ましい。
酸化反応が有機溶媒の存在下で実施される場合、有機溶媒は、反応条件下で不活性であることが好ましい。好ましい不活性有機溶媒は、例として、脂肪族又は脂環式炭化水素、特に、5〜12個の炭素原子を有するアルカン及びシクロアルカン、ハロゲン化脂肪族炭化水素、並びに芳香族及び置換された芳香族炭化水素、脂肪族又は脂環式エーテル並びにアルキルエステルである。不活性溶媒の例は、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、リグロイン、石油エーテル、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素、ジクロロメタン、トリクロロメタン、テトラクロロメタン又はジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の芳香族化合物、メチル-tert-ブチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、1,2-ジメトキシエタン等の脂肪族又は脂環式エーテル、酢酸エチル又はプロピルアセテート等のアルキルエステル、及びこれらの混合物である。
本発明の特に好ましい実施形態において、式(II)又は(IIa)の化合物の式(I)又は(Ia)の化合物への酸化は、水不混和性の非ハロゲン化有機溶媒から選択される有機溶媒又は有機溶媒混合物の存在下で実施される。
特に好ましい不活性有機溶媒の例は、ヘキサン、ヘプタン、石油エーテル又はシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエン又はキシレン等の芳香族化合物;メチル-tert-ブチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン又は1,2-ジメトキシエタン等のエーテル;酢酸エチル又はプロピルアセテート等のアルキルエステル;及びこれらの混合物である。特に好ましいものは、メチル-tert-ブチルエーテル及び酢酸エチルである。
本発明の方法は、連続的に又はバッチ式で実施することができる。バッチ式の酸化は、この目的のために従来から使用されている反応装置、例えば撹拌反応器中で実施することができ、該反応器は、計量デバイスを場合により装備している。本発明による方法はまた、連続的に、例えば、チューブ反応器中で、又は逆混合されても若しくはされなくてもよい、少なくとも2個の撹拌反応器のカスケード中で実施してもよい。
反応混合物を、例えば、抽出による水性後処理、揮発性物質の除去等の従来の後処理にかけてもよい。
本発明の好ましい実施形態において、ルテニウム化合物は、式(II)又は(IIa)の化合物それぞれの酸化が完了後、さらなる使用又は再使用のために反応混合物から回収される。
ルテニウム化合物の再利用は、例えば、有機相の単純ろ過、引き続いて水及び/又は有機溶媒による1回又は数回の洗浄ステップを行うことによって達成することができる。洗浄ステップの後、ルテニウム化合物を、高温、例えば40、50又は60℃において1から数時間、例えば2又は3時間乾燥してもよい。このようにして得られたルテニウム化合物をさらなる酸化反応に直接使用することができる。
あるいは、ルテニウム化合物は、ろ過の後に、洗浄及び/又は乾燥いずれのステップなしで直接再使用することもできる。
水不混和性有機溶媒が酸化反応に使用され、共酸化剤及び/又は水性緩衝液のアルカリ性水溶液が反応混合物に添加される場合、反応混合物は典型的には2つの相からなる。この場合、後処理手順を、例えば、以下の通り好都合に実施することができる:反応の完了後、2つの相を分離し、残留水相を有機溶媒で数回洗浄し、ろ過によりルテニウム化合物を除去し、有機溶媒を蒸発すると、式(I)又は(Ia)の化合物はそれぞれ粗生成物として得られる。
得られた粗生成物を、蒸留若しくはクロマトグラフィー又は組み合わせた手段を含む従来の精製手段にかけてもよい。式(I)又は(Ia)の化合物それぞれの精製に適切な蒸留デバイスには、例えば、バブルキャップトレイ、シーブプレート、シーブトレイ、パッケージ若しくは充填材を場合により装備したトレイカラム、又は薄膜蒸発器、落下膜蒸発器、強制循環蒸発器、Sambay蒸発器等の回転バンドカラム等の蒸留カラム並びにこれらの組合せが含まれる。
式(II)又は(IIa)の出発化合物は、例えばDE 2916418から公知であり、該化合物は、市販されており、又はDE 2916418に記載されている方法から類推して調製することができる。
I)ガスクロマトグラフ分析
GCシステム及び分離方法
GCシステム:Agilent 5890シリーズII、
GCカラム:5CB-WAX-52CB(50m(長さ)、0.32mm(内径)、1.2μm(膜))、
温度プログラム:40℃6分間、8℃/分で40℃から250℃まで。
II)製造実施例
[実施例1]
1,2-ジクロロエタン中のIIaの酸化
式(IIa)のモノエン5.0g(22.7mmol)及び1,2-ジクロロメタン25ml中のRuCl30.3g(1.15mmol)を、100mlの滴下漏斗、強力凝縮器及び機械的撹拌機を装備した250ml反応フラスコに入れた。35℃において激しい撹拌下、NaOH 1.5gを加えたH2O中の12.5重量% NaOCl溶液75ml(126mmol)を添加した。反応混合物のpHは、添加の開始時には14.0であり、時間と共にpH7.9まで低下した。
酸化反応の過程をガスクロマトグラフ分析で追跡した。2時間後、モノエン(IIa)の転化は100%であり、式(Ia)のジケトンの形成は80%(GC面積百分率)であった。3時間後、式(Ia)のジケトンの形成は、94%(GC面積百分率)に達した。
反応の完了後、反応混合物を室温に冷却させ、有機相を水相から分離した。水相を1,2-ジクロロメタンで洗浄した。ルテニウム化合物(触媒)をろ過によって有機相から分離し、1,2-ジクロロメタン及び水で洗浄した。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで脱水させ、溶媒を減圧下で除去した。反応残留物の分析より、モノエン(IIa)の100%の転化及び求める式(Ia)のジケトンの95%(GC重量百分率)の形成が判明した。
[実施例2]
緩衝液の存在下における酢酸エチル中のIIaの酸化
式(IIa)のモノエン5.0g(22.7mmol)、酢酸エチル25ml中のRuCl3 0.3g(1.15mmol)及びNa2CO3/NaHCO3緩衝液(pH9.7)25mlを、100mlの滴下漏斗、強力凝縮器及び機械的撹拌機を装備した250ml反応フラスコに投入した。35℃において激しい撹拌下、NaOH 1.5gを加えたH2O中の12.5重量% NaOCl溶液75ml(126mmol)を添加した。反応混合物のpHは、添加の開始時は10.8であり、その後pH9.0まで低下した。
酸化反応の過程をガスクロマトグラフ分析で追跡した。2時間後、モノエン(IIa)の転化は99.6%であり、式(Ia)のジケトンの形成は77.6%(GC面積百分率)であった。
反応の完了後、反応混合物を室温に冷却させ、有機相を水相から分離した。水相を酢酸エチルで洗浄した。ルテニウム化合物(触媒)をろ過によって有機相から分離し、酢酸エチル及び水で洗浄した。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで脱水させ、溶媒を減圧下で除去した。反応残留物の分析より、モノエン(IIa)の100%の転化及び求める式(Ia)のジケトンの83.5%(GC重量百分率)の形成が判明した。
[実施例3]
緩衝液を添加しない酢酸エチル中のIIaの酸化
式(IIa)のモノエン5.0g(22.7mmol)及び酢酸エチル25ml中のRuCl3 0.3g(1.15mmol)を、100mlの滴下漏斗、強力凝縮器及び機械的撹拌機を装備した250ml反応フラスコに投入した。35℃において激しい撹拌下、NaOH 1.5gを加えたH2O中の12.5重量% NaOCl溶液75ml(126mmol)を添加した。反応混合物のpHは、添加の開始時は14.0であり、その後pH7.6まで低下した。
酸化反応の過程をガスクロマトグラフ分析で追跡した。2時間後、モノエン(IIa)の転化率は100%であり、式(Ia)のジケトンの形成は66.7%(GC面積百分率)であった。
反応の完了後、反応混合物を室温に冷却させ、有機相を水相から分離した。水相を酢酸エチルで洗浄した。ルテニウム化合物(触媒)をろ過によって有機相から分離し、酢酸エチル及び水で洗浄した。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで脱水させ、溶媒を減圧下で除去した。反応残留物の分析より、モノエン(IIa)の100%の転化及び求める式(Ia)のジケトンの75.8%(GC重量百分率)の形成が判明した。
[実施例4]
緩衝液の存在下におけるメチルtert-ブチルエーテル(MTBE)中のIIaの酸化
式(IIa)のモノエン5.0g(22.7mmol)、MTBE 25ml中のRuCl3 0.3g(1.15mmol)及びNa2CO3/NaHCO3緩衝液(pH9.7)25mlを、100mlの滴下漏斗、強力凝縮器及び機械的撹拌機を装備した250ml反応フラスコに投入した。35℃において激しい撹拌下、NaOH 1.5gを加えたH2O中の12.5重量% NaOCl溶液75ml(126mmol)を添加した。反応混合物のpHは、反応の過程の間12.7であった。酸化反応の過程をガスクロマトグラフ分析で追跡した。総反応時間は5時間であった。
反応の完了後、反応混合物を室温に冷却させ、有機相を水相から分離した。水相をMTBEで洗浄した。ルテニウム化合物(触媒)をろ過によって有機相から分離し、MTBE及び水で洗浄した。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで脱水させ、溶媒を減圧下で除去した。反応残留物の分析より、モノエン(IIa)の100%の転化及び求める式(Ia)のジケトンの66.3%(GC重量百分率)の形成が判明した。
[実施例5]
緩衝液を添加しないメチルtert-ブチルエーテル(MTBE)中のIIaの酸化
式(IIa)のモノエン5.0g(22.7mmol)及びMTBE 25ml中のRuCl3 0.3g(1.15mmol)を、100mlの滴下漏斗、強力凝縮器及び機械的撹拌機を装備した250ml反応フラスコに投入した。35℃において激しい撹拌の下、NaOH 1.5gを加えたH2O中の12.5重量% NaOCl溶液75ml(126mmol)を添加した。反応混合物のpHは、反応の過程の間9.4であった。酸化反応の過程をガスクロマトグラフ分析で追跡した。総反応時間は5時間であった。
反応の完了後、反応混合物を室温に冷却させ、有機相を水相から分離した。水相をMTBEで洗浄した。ルテニウム化合物(触媒)をろ過によって有機相から分離し、MTBE及び水で洗浄した。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで脱水させ、溶媒を減圧下で除去した。反応残留物の分析により、モノエン(IIa)の100%の転化及び求める式(Ia)のジケトンの93.6%(GC重量百分率)の形成が判明した。
[実施例6]
メチルtert-ブチルエーテル(MTBE)中のIIaの大規模バッチ式酸化
式(IIa)のモノエン89.5g(0.40mol)及びMTBE 500ml中のRuCl3 5.8g(23mmol)を、1リットルの滴下漏斗、強力凝縮器及び3重クロスアーム型撹拌機(400rpm)を装備した2.5リットルのH=D反応器に投入した。35℃において激しい撹拌の下、NaOH 26.5g(0.66mol)を加えたH2O(1.80mol)中の13.4重量% NaOCl溶液1.0リットルを添加した。これに続いて、反応を35℃でさらに10時間実施した。
酸化反応の過程をガスクロマトグラフ分析で追跡した。5時間後、モノエン(IIa)の転化率は83%であり、式(Ia)ジケトンの形成は72%(GC面積百分率)であった。10時間後、モノエン(IIa)の転化率は100%であり、式(Ia)のジケトンの形成は91%(GC面積百分率)であった。
反応の完了後、反応混合物を室温に冷却させ、有機相を水相から分離した。水相をMTBEで洗浄した。有機相を最初に、水中の20重量%のNaOH溶液250mlで、続いて水250mlによって洗浄した。ルテニウム化合物(触媒)をろ過によって有機相から分離し、MTBE及び水で洗浄した。この洗浄ステップの後、ルテニウム化合物(触媒)を、50℃で2時間乾燥し、次の酸化反応に直接適用した(実施例7を参照されたい)。
合わせた有機相を硫酸ナトリウムで脱水させ、溶媒を減圧下で除去した。残留物120.8gが得られた。残留物の分析により、モノエン(IIa)の完全な転化及び76.7%の求めるジケトン(92.6g、0.367mol、収率91.7%)が判明した。
[実施例7]
実施例6の回収されたルテニウム化合物(触媒)を使用した、メチルtert-ブチルエーテル(MTBE)中のIIaの大規模バッチ式酸化
式(IIa)のモノエン89.5g(0.40mol)及びMTBE 500ml中の実施例6から回収されたルテニウム化合物(触媒)5.9gを、1リットルの滴下漏斗、強力凝縮器及び3重クロスアーム型撹拌機(400rpm)を装備した2.5リットルのH=D反応器に投入した。35℃において激しい撹拌の下、NaOH 26,5g(0.66mol)を加えたH2O(1.80mol)中の13.4重量% NaOCl溶液1.0リットルを添加した。これに続いて、反応を35℃でさらに10時間実施した。
酸化反応の過程をガスクロマトグラフ分析で追跡した。5時間後、モノエン(IIa)の転化率は85%であり、式(Ia)ジケトンの形成は74%(GC面積百分率)であった。10時間後、モノエン(IIa)の転化率は100%であり、式(Ia)のジケトンの形成は89%(GC面積百分率)であった。
反応の完了後、反応混合物を室温に冷却させ、有機相を水相から分離した。水相をMTBEで洗浄した。有機相を最初に、水中の20重量%NaOH溶液250mlで、続いて水250mlで洗浄した。ルテニウム化合物(触媒)をろ過によって有機相から分離し、MTBE及び水で洗浄した。この洗浄ステップの後、ルテニウム化合物(触媒)を、50℃で2時間乾燥した。
合わせた有機相を硫酸ナトリウムで脱水させ、溶媒を減圧下で除去した。残留物102.3gが得られた。残留物の分析により、モノエン(IIa)の完全な転化及び89%の求めるジケトン(91.0g、0.361mol、収率90.3%)が判明した。
本発明の実施形態として例えば以下を挙げることができる。
[実施形態1]
式(I)の大環状ジケトン化合物を調製する方法であって、酸化剤による式(II)のビシクロオレフィン化合物の酸化を含み、前記酸化剤が、触媒量のルテニウム化合物及び遷移金属非含有酸化剤から選択される共酸化剤を含む、上記方法
Figure 0006853189
[式中、
Aは、nが2〜12の整数である(CH 2 ) n であり、ここで、2個の水素原子はC 1 〜C 4 アルキル、特にメチルによって置き換えられていてもよく、又は隣接する炭素原子に結合している2個の水素原子は、縮合5員若しくは6員飽和炭素環によって置き換えられていてもよく;
Bは、mが1又は2である(CH 2 ) m であり、ここで、1又は2個の水素原子は、C 1 〜C 4 アルキルによって置き換えられていてもよい]。
[実施形態2]
反応混合物中のルテニウム化合物の総量が、ルテニウム原子の数に基づいて計算して、式(II)の化合物1mol当たり0.001〜0.2molの範囲である、実施形態1に記載の方法。
[実施形態3]
ルテニウム化合物が、酸化ルテニウム、ルテニウム酸塩、過ルテニウム酸塩、ハロゲン化ルテニウム、硝酸ルテニウム及びこれらの混合物から選択される、実施形態1又は2に記載の方法。
[実施形態4]
酸化に使用される共酸化剤の総量が、酸素当量として計算して、式(II)の化合物1mol当たり2〜10molの範囲である、実施形態1〜3のいずれかに記載の方法。
[実施形態5]
共酸化剤が、ハロゲン、酸素、亜酸化窒素、塩素のオキシアニオン、ジアルキルペルオキシド、有機ペルオキシ酸、無機ペルオキシ酸、有機ペルオキシ酸のエステル、ヒドロペルオキシド、及び過酸化水素からなる群から選択される、実施形態1〜4のいずれかに記載の方法。
[実施形態6]
共酸化剤が、塩素のオキシアニオンから選択される、実施形態1〜5のいずれかに記載の方法。
[実施形態7]
共酸化剤が次亜塩素酸塩から選択される、実施形態6に記載の方法。
[実施形態8]
反応混合物のpHが、式(II)の化合物の酸化の間、7〜14の範囲に維持される、実施形態1〜7のいずれかに記載の方法。
[実施形態9]
pHの維持が、8〜12の範囲のpKa値を有する少なくとも1種の緩衝剤を含む水性緩衝液を、反応混合物に添加することによって達成される、実施形態8に記載の方法。
[実施形態10]
共酸化剤が、少なくともpH10のpHを有するアルカリ性水溶液の形態で反応混合物に添加される、実施形態1〜9のいずれかに記載の方法。
[実施形態11]
共酸化剤が、式(II)の化合物の酸化の間、反応混合物に連続的に添加される、実施形態1〜10のいずれかに記載の方法。
[実施形態12]
反応混合物に適用される、共酸化剤とルテニウム化合物とのモル比が、10:1〜10000:1の範囲である、実施形態1〜11のいずれかに記載の方法。
[実施形態13]
式(II)の化合物の酸化が、有機溶媒又は有機溶媒混合物の存在下で実施される、実施形態1〜12のいずれかに記載の方法。
[実施形態14]
式(II)の化合物の酸化が完了後、ルテニウム化合物が、さらなる再使用のために反応混合物から回収される、実施形態1〜13のいずれかに記載の方法。
[実施形態15]
式(I)の化合物が3-メチルシクロペンタデカン-1,5-ジオンであり、式(II)の化合物が14-メチルビシクロ[10.3.0]ペンタデセン[1(12)]である、実施形態1〜14のいずれかに記載の方法。
[実施形態16]
式(I)の化合物がシクロペンタデカン-1,5-ジオンであり、式(II)の化合物がビシクロ[10.3.0]ペンタデセン[1(12)]である、実施形態1から14のいずれかに記載の方法。

Claims (14)

  1. 式(I)の大環状ジケトン化合物を調製する方法であって、酸化剤による式(II)のビシクロオレフィン化合物の酸化を含み、前記酸化剤が、触媒量のルテニウム化合物及び塩素のオキシアニオンから選択される共酸化剤を含む、上記方法
    Figure 0006853189
    [式中、
    Aは、nが2〜12の整数である(CH2)nであり、ここで、2個の水素原子はC1〜C4アルキルよって置き換えられていてもよく、又は隣接する炭素原子に結合している2個の水素原子は、縮合5員若しくは6員飽和炭素環によって置き換えられていてもよく;
    Bは、mが1又は2である(CH2)mであり、ここで、1又は2個の水素原子は、C1〜C4アルキルによって置き換えられていてもよい]。
  2. 反応混合物中のルテニウム化合物の総量が、ルテニウム原子の数に基づいて計算して、式(II)の化合物1mol当たり0.001〜0.2molの範囲である、請求項1に記載の方法。
  3. ルテニウム化合物が、酸化ルテニウム、ルテニウム酸塩、過ルテニウム酸塩、ハロゲン化ルテニウム、硝酸ルテニウム及びこれらの混合物から選択される、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 酸化に使用される共酸化剤の総量が、酸素当量として計算して、式(II)の化合物1mol当たり2〜10molの範囲である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 共酸化剤が次亜塩素酸塩から選択される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 反応混合物のpHが、式(II)の化合物の酸化の間、7〜14の範囲に維持される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. pHの維持が、8〜12の範囲のpKa値を有する少なくとも1種の緩衝剤を含む水性緩衝液を、反応混合物に添加することによって達成される、請求項6に記載の方法。
  8. 共酸化剤が、少なくともpH10のpHを有するアルカリ性水溶液の形態で反応混合物に添加される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 共酸化剤が、式(II)の化合物の酸化の間、反応混合物に連続的に添加される、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 反応混合物に適用される、共酸化剤とルテニウム化合物とのモル比が、10:1〜10000:1の範囲である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 式(II)の化合物の酸化が、有機溶媒又は有機溶媒混合物の存在下で実施される、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 式(II)の化合物の酸化が完了後、ルテニウム化合物が、さらなる再使用のために反応混合物から回収される、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 式(I)の化合物が3-メチルシクロペンタデカン-1,5-ジオンであり、式(II)の化合物が14-メチルビシクロ[10.3.0]ペンタデセン[1(12)]である、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 式(I)の化合物がシクロペンタデカン-1,5-ジオンであり、式(II)の化合物がビシクロ[10.3.0]ペンタデセン[1(12)]である、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
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