JP6852489B2 - 情報処理装置及び情報処理プログラム - Google Patents
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しかし、リブの箇所を目視で計数するとなると、人間による計数作業が必要であり、誤認する場合があった。
本発明は、目視でカウントする場合に比べて、リブの個数の計数が容易になるようにした情報処理装置及び情報処理プログラムを提供することを目的としている。
請求項1の発明は、型の図面情報から、各面について型の抜き方向の属性を付与する付与手段と、前記属性が第1の面と同じであって、該第1の面と対になる第2の面を特定する特定手段と、前記特定手段によって特定された対である第1の面と第2の面は、外周ではなく、該第1の面と該第2の面間の幅が予め定められた値未満又は以下である場合に、リブであると認定する認定手段と、直線状に並んでいる複数の前記リブを1つのリブとして、前記型内のリブの個数を計数する計数手段を有する情報処理装置である。
図1は、本実施の形態の構成例についての概念的なモジュール構成図を示している。
なお、モジュールとは、一般的に論理的に分離可能なソフトウェア(コンピュータ・プログラム)、ハードウェア等の部品を指す。したがって、本実施の形態におけるモジュールはコンピュータ・プログラムにおけるモジュールのことだけでなく、ハードウェア構成におけるモジュールも指す。それゆえ、本実施の形態は、それらのモジュールとして機能させるためのコンピュータ・プログラム(コンピュータにそれぞれの手順を実行させるためのプログラム、コンピュータをそれぞれの手段として機能させるためのプログラム、コンピュータにそれぞれの機能を実現させるためのプログラム)、システム及び方法の説明をも兼ねている。ただし、説明の都合上、「記憶する」、「記憶させる」、これらと同等の文言を用いるが、これらの文言は、実施の形態がコンピュータ・プログラムの場合は、記憶装置に記憶させる、又は記憶装置に記憶させるように制御するという意味である。また、モジュールは機能に一対一に対応していてもよいが、実装においては、1モジュールを1プログラムで構成してもよいし、複数モジュールを1プログラムで構成してもよく、逆に1モジュールを複数プログラムで構成してもよい。また、複数モジュールは1コンピュータによって実行されてもよいし、分散又は並列環境におけるコンピュータによって1モジュールが複数コンピュータで実行されてもよい。なお、1つのモジュールに他のモジュールが含まれていてもよい。また、以下、「接続」とは物理的な接続の他、論理的な接続(データの授受、指示、データ間の参照関係等)の場合にも用いる。「予め定められた」とは、対象としている処理の前に定まっていることをいい、本実施の形態による処理が始まる前はもちろんのこと、本実施の形態による処理が始まった後であっても、対象としている処理の前であれば、そのときの状況・状態にしたがって、又はそれまでの状況・状態にしたがって定まることの意を含めて用いる。「予め定められた値」が複数ある場合は、それぞれ異なった値であってもよいし、2以上の値(もちろんのことながら、全ての値も含む)が同じであってもよい。また、「Aである場合、Bをする」という記載は、「Aであるか否かを判断し、Aであると判断した場合はBをする」の意味で用いる。ただし、Aであるか否かの判断が不要である場合を除く。また、「A、B、C」等のように事物を列挙した場合は、断りがない限り例示列挙であり、その1つのみを選んでいる場合(例えば、Aのみ)を含む。
また、システム又は装置とは、複数のコンピュータ、ハードウェア、装置等がネットワーク(一対一対応の通信接続を含む)等の通信手段で接続されて構成されるほか、1つのコンピュータ、ハードウェア、装置等によって実現される場合も含まれる。「装置」と「システム」とは、互いに同義の用語として用いる。もちろんのことながら、「システム」には、人為的な取り決めである社会的な「仕組み」(社会システム)にすぎないものは含まない。
また、各モジュールによる処理毎に又はモジュール内で複数の処理を行う場合はその処理毎に、対象となる情報を記憶装置から読み込み、その処理を行った後に、処理結果を記憶装置に書き出すものである。したがって、処理前の記憶装置からの読み込み、処理後の記憶装置への書き出しについては、説明を省略する場合がある。なお、ここでの記憶装置としては、ハードディスク、RAM(Random Access Memory)、外部記憶媒体、通信回線を介した記憶装置、CPU(Central Processing Unit)内のレジスタ等を含んでいてもよい。
例えば、プラスチック部品を製造するために、型(金型)が使用されている。この型は、高額になることが多いため、その費用を見積もっていた。
型にリブが含まれている場合がある。ここで、リブとは、成形品の肉厚を厚くしないで剛性や強度を持たせたり、広い平面のソリ、ねじれ等の変形を防いだりするために用いる突起状をした補強部分のことをいう。特に、放電加工という方法で加工を行う場合がある。例えば、部品と同じ形状の部品(試作品)を製作し、放電により形状を作成することがあり、特殊加工のため、型費アップの要因となる。そのために、見積もり時にはリブの個数を計数する必要があった。また、リブの複雑さが高いと、型の製造費用も高くなる。
そこで、情報処理装置100は、リブを自動的に認識し、その個数を計数し、リブ部分の費用を算出する。また、リブの形状からリブ加工の難易度をパターン分けする。
抜き方向特定モジュール122は、型の図面情報から、各面について型の抜き方向の属性を付与する。
面ペア特定モジュール124は、抜き方向特定モジュール122によって付与された属性が第1の面と同じであって、その第1の面と対になる第2の面を特定する。
そして、リブ候補認定モジュール120は、面ペア特定モジュール124によって特定された対である第1の面と第2の面は、外周ではなく、その第1の面とその第2の面間の幅が予め定められた値未満又は以下である場合に、リブであると認定する。
また、リブ箇所数計数モジュール130は、第1のリブを構成する第1の面と第2の面間の中心と第2のリブを構成する第1の面と第2の面間の中心とを接続した線と、その第1のリブ又はその第2のリブの方向が重なる場合は、その第1のリブとその第2のリブが直線状に並んでいるとするようにしてもよい。ここで「リブの方向」とは、リブを構成する面(第1の面又は第2の面であり、形状は矩形)の長い方の辺の方向をいう。
また、見積モジュール150は、リブ難易度抽出モジュール140によって抽出されたリブの複雑さに応じて型の価格を見積もるようにしてもよい。
情報処理装置100、CAD装置200、ユーザー端末210A、ユーザー端末210Bは、通信回線290を介してそれぞれ接続されている。通信回線290は、無線、有線、これらの組み合わせであってもよく、例えば、通信インフラとしてのインターネット、イントラネット等であってもよい。また、情報処理装置100による機能は、クラウドサービスとして実現してもよい。
例えば、設計者であるユーザーはユーザー端末210Aを介してCAD装置200を利用して、型の設計図面を作成する。そして、その設計図面である図面情報は、CAD装置200に記憶されている。設計グループの管理者はユーザー端末210Bを介して情報処理装置100を利用して、設計された型の見積もりを行う。情報処理装置100は、CAD装置200内の図面情報を取り出して、リブの個数を計数して、型の見積もりを行い、その見積もり結果である価格を管理者に提示する。
ステップS302では、リブ抽出処理を行う。ステップS302の詳細な処理については、図4の例に示すフローチャートを用いて後述する。
ステップS304では、リブの価格算出処理を行う。ステップS304の詳細な処理については、図12の例に示すフローチャートを用いて後述する。
ステップS402では、図面情報受付モジュール110は、型の図面情報であるデータを受け付ける。
ステップS404は、PL(Parting Line、パーティングライン)の自動認識処理を行う。ここで、PLとは、型の雌型と雄型の分割面やスライドコアの分割面のことをいう。
具体的には、ステップS404では、図面情報内の面に対して、抜き方向の属性を付加する。抜き方向として、3種類がある。型は成形品を囲んで凸部と凹部に分かれるが、型のコア(CORE、雄型)面、キャビティー(CAVITY、雌型)面に接している面をいう。そして、スライドコア面がある。また、抜き方向として複数の可能性がある場合は、最適な抜き方向とする。最適な抜き方向として、スライドコア面よりもコア面、キャビティー面を優先させることをいう。例えば、図面情報内に面毎にこれらの情報が付与されていてもよい。
例えば、図5(a)に示すように、金型500では、各面がキャビティー面510、コア面520、スライドコア面530の属性が付加される。また、図5(b)に示すように、金型500の裏側は、キャビティー面510の属性が付加される。
ステップS406では、面Aの中心から反対方向にある面B(面Aと同じ属性を有している面B)を抽出し、面のペアを認識する。リブには、対となる面が存在するからである。したがって、対となる面が存在しない面はリブを構成しないことになる。
例えば、図6(a)に示すように、金型600における面610では、面の中心620を特定する。そして、図6(b)に示すように、面の中心620から反対方向(面610を構成している型がある方向であり、型がない方向(空)ではない方向)にビーム640を飛ばし、そのビーム640がぶつかった面であり、面610と同じ属性である反対側の面630を抽出する。ここで「ビームを飛ばす」とは、3次元空間で面に垂直の直線を引くことであり、3次元におけるベクトル計算で行う。
1.ペアのうち、コア面、キャビティー面のどちらにも抜ける面が存在しないこと。つまり、型の外周ではない面であることを条件としている。
例えば、図7に示すように、金型700における面710と面720はペアとして抽出される。そして、面720の抜け方向725は、一方の方向(図7では上方向)に抜けるが、他方の方向(図7では下方向)には抜けない。しかし、面710の抜け方向715は、一方の方向(図7では上方向)に抜け、さらに、他方の方向(図7では下方向)にも抜ける。したがって、金型700の外周であるとして、面710と面720のペアはリブではないとする。
例えば、図8に示すように、金型800における面810と面820のペアの幅815が、予め定められた肉厚値未満であれば、リブとしては認められない。
なお、3つ目の条件として、「勾配がA度以下」であることを加えてもよい。「A度」は予め定められた閾値であり、例えば、5度、3度等がある。
例えば、図9に示すように、金型900における面910と面920のペアにおいて、面910、面920のいずれかの勾配930がA度以下である場合は、リブとしては認められない。
例えば、図10に示すように、金型1000においては、8本のリブ(リブ1010、リブ1020、リブ1030、リブ1040、リブ1050、リブ1060、リブ1070、リブ1080)があるとして認識する。つまり、ステップS408で認識されたリブで、一直線に並んでいるものを1つのリブとしてカウントする。
図11(a)の例に示すように、ステップS408で認識された面ペア1110、面ペア1120における面上辺のベクトル方向1115、ベクトル方向1125が、一直線に並んでいるので1つのリブとする。なお、ベクトル方向1115、ベクトル方向1125については、図11(b)の例に示すように、リブと認識された面1150と面1160の面ペアの中心1170を2つ以上求め、それらを通るベクトルを生成すればよい。
ステップS1202では、1カウントのリブの中でフェースの中で抜き方向に対して平行でない(又は、90度でない)凸エッジを下記3パターンに分類(優先度:複雑 >高い>普通)する。
(A)複雑な箇所:抜き方向に対して90度以外
(B)高い箇所:抜き方向に対して90度、かつ、高さと幅との比が予め定められた値(例えば、規格値を含む)と予め定められた関係があること(例えば、幅に対する高さの比率が予め定められた値より大であること、高さに対する幅の比率が予め定められた値より小であること等)
(C)普通の箇所:上記以外
例えば、図13(a)に示すように、リブ1340について上部に凸エッジがあり、リブ1340の抜き方向1350は上下方向である。ここで「凸エッジ」とは、面と面が交わるところであって、その交わったところが凸形状をしているところを指す。リブ1340の凸エッジは、3つの部分に分かれる。つまり、凸エッジ箇所1310、凸エッジ箇所1320、凸エッジ箇所1330である。
凸エッジ箇所1310は、斜め方向に抜くことになるので、「複雑な凸エッジ箇所」である。
凸エッジ箇所1320は、抜き方向1350に対して90度であり、幅に対する高さの比率が予め定められた値より大きいので「高い凸エッジ箇所」である。ここで、幅に対する高さの比率(高さ/幅)とは、図13(b)の例に示すように、金型1300のリブ1340においては、高さ1360、幅1370となる。高さ1360は、リブ1340の最下点から最上点までの距離であり、幅1370は、リブ1340を構成している面間の距離である。
凸エッジ箇所1330は、凸エッジがリブ1340の抜き方向1350と同じ方向であるので、「普通の凸エッジ箇所」である。
ステップS1206では、全体の中で「高いエッジの長さの割合>30%以上」であるか否かを判断し、「全体の中で高いエッジの長さの割合>30%以上」の場合はステップS1210へ進み、それ以外の場合はステップS1208へ進む。
ステップS1208では、「普通のリブ」と判断する。
ステップS1210では、「高いリブ」と判断する。
ステップS1212では、「複雑なリブ」と判断する。
図14は、単価テーブル1400のデータ構造例を示す説明図である。単価テーブル1400は、リブ種類欄1410、単価欄1420を有している。リブ種類欄1410は、リブの種類(「複雑なリブ」、「高いリブ」、「普通のリブ」の種類)を記憶している。単価欄1420は、その種類のリブの単価を記憶している。
ステップS1216では、リブの価格を積算する。ステップS1214で抽出した単価に、その種類のリブの個数を乗算することによって、リブの価格を算出する。
ステップS1218では、全てのリブの処理を終了したか否かを判断し、終了した場合はステップS1220へ進み、それ以外の場合はステップS1202へ戻る。
ステップS1220では、リブの価格を出力する。例えば、型全体の価格も算出し、その中でのリブが占める割合等を算出して提示するようにしてもよい。
なお、図15に示すハードウェア構成は、1つの構成例を示すものであり、本実施の形態は、図15に示す構成に限らず、本実施の形態において説明したモジュールを実行可能な構成であればよい。例えば、一部のモジュールを専用のハードウェア(例えば特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)等)で構成してもよく、一部のモジュールは外部のシステム内にあり通信回線で接続している形態でもよく、さらに図15に示すシステムが複数互いに通信回線によって接続されていて互いに協調動作するようにしてもよい。また、特に、パーソナルコンピュータの他、携帯情報通信機器(携帯電話、スマートフォン、モバイル機器、ウェアラブルコンピュータ等を含む)、情報家電、ロボット、複写機、ファックス、スキャナ、プリンタ、複合機(スキャナ、プリンタ、複写機、ファックス等のいずれか2つ以上の機能を有している画像処理装置)などに組み込まれていてもよい。
「プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、プログラムのインストール、実行、プログラムの流通等のために用いられる、プログラムが記録されたコンピュータで読み取り可能な記録媒体をいう。
なお、記録媒体としては、例えば、デジタル・バーサタイル・ディスク(DVD)であって、DVDフォーラムで策定された規格である「DVD−R、DVD−RW、DVD−RAM等」、DVD+RWで策定された規格である「DVD+R、DVD+RW等」、コンパクトディスク(CD)であって、読出し専用メモリ(CD−ROM)、CDレコーダブル(CD−R)、CDリライタブル(CD−RW)等、ブルーレイ・ディスク(Blu−ray(登録商標) Disc)、光磁気ディスク(MO)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープ、ハードディスク、読出し専用メモリ(ROM)、電気的消去及び書換可能な読出し専用メモリ(EEPROM(登録商標))、フラッシュ・メモリ、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、SD(Secure Digital)メモリーカード等が含まれる。
そして、前記のプログラムの全体又はその一部は、前記記録媒体に記録して保存や流通等させてもよい。また、通信によって、例えば、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、メトロポリタン・エリア・ネットワーク(MAN)、ワイド・エリア・ネットワーク(WAN)、インターネット、イントラネット、エクストラネット等に用いられる有線ネットワーク、又は無線通信ネットワーク、さらにこれらの組み合わせ等の伝送媒体を用いて伝送させてもよく、また、搬送波に乗せて搬送させてもよい。
さらに、前記のプログラムは、他のプログラムの一部分若しくは全部であってもよく、又は別個のプログラムと共に記録媒体に記録されていてもよい。また、複数の記録媒体に分割して記録されていてもよい。また、圧縮や暗号化等、復元可能であればどのような態様で記録されていてもよい。
110…図面情報受付モジュール
120…リブ候補認定モジュール
122…抜き方向特定モジュール
124…面ペア特定モジュール
130…リブ箇所数計数モジュール
140…リブ難易度抽出モジュール
150…見積モジュール
160…単価記憶モジュール
200…CAD装置
210…ユーザー端末
290…通信回線
Claims (5)
- 型の図面情報から、各面について型の抜き方向の属性を付与する付与手段と、
前記属性が第1の面と同じであって、該第1の面と対になる第2の面を特定する特定手段と、
前記特定手段によって特定された対である第1の面と第2の面は、外周ではなく、該第1の面と該第2の面間の幅が予め定められた値未満又は以下である場合に、リブであると認定する認定手段と、
直線状に並んでいる複数の前記リブを1つのリブとして、前記型内のリブの個数を計数する計数手段
を有する情報処理装置。 - 前記計数手段は、第1のリブを構成する第1の面と第2の面間の中心と第2のリブを構成する第1の面と第2の面間の中心とを接続した線と、該第1のリブ又は該第2のリブの方向が重なる場合は、該第1のリブと該第2のリブが直線状に並んでいるとする、
請求項1に記載の情報処理装置。 - 前記計数手段によって計数されたリブの個数を用いて前記型の価格を見積もる見積手段
をさらに有する請求項1に記載の情報処理装置。 - 前記見積手段は、リブの複雑さに応じて前記型の価格を見積もる
請求項3に記載の情報処理装置。 - コンピュータを、
型の図面情報から、各面について型の抜き方向の属性を付与する付与手段と、
前記属性が第1の面と同じであって、該第1の面と対になる第2の面を特定する特定手段と、
前記特定手段によって特定された対である第1の面と第2の面は、外周ではなく、該第1の面と該第2の面間の幅が予め定められた値未満又は以下である場合に、リブであると認定する認定手段と、
直線状に並んでいる複数の前記リブを1つのリブとして、前記型内のリブの個数を計数する計数手段
として機能させるための情報処理プログラム。
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