JP6852487B2 - 情報処理装置及び情報処理プログラム - Google Patents
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Description
しかし、ボスの箇所を目視で計数するとなると、人間による計数作業が必要であり、誤認する場合があった。
本発明は、目視でカウントする場合に比べて、ボスの個数の計数が容易になるようにした情報処理装置及び情報処理プログラムを提供することを目的としている。
請求項1の発明は、型の図面情報から、半径が予め定められた値未満又は以下であり、最外形ではない曲面を特定する曲面特定手段と、前記曲面特定手段が特定した曲面の中心軸を特定する中心軸特定手段と、前記中心軸特定手段が特定した複数の中心軸のうち、該中心軸が同じ座標にあり、該中心軸からの半径が予め定められた値未満又は以下である曲面を1つのボスとして認定するボス認定手段と、前記ボス認定手段がボスと認定したボスの個数を計数する計数手段を有する情報処理装置である。
図1は、本実施の形態の構成例についての概念的なモジュール構成図を示している。
なお、モジュールとは、一般的に論理的に分離可能なソフトウェア(コンピュータ・プログラム)、ハードウェア等の部品を指す。したがって、本実施の形態におけるモジュールはコンピュータ・プログラムにおけるモジュールのことだけでなく、ハードウェア構成におけるモジュールも指す。それゆえ、本実施の形態は、それらのモジュールとして機能させるためのコンピュータ・プログラム(コンピュータにそれぞれの手順を実行させるためのプログラム、コンピュータをそれぞれの手段として機能させるためのプログラム、コンピュータにそれぞれの機能を実現させるためのプログラム)、システム及び方法の説明をも兼ねている。ただし、説明の都合上、「記憶する」、「記憶させる」、これらと同等の文言を用いるが、これらの文言は、実施の形態がコンピュータ・プログラムの場合は、記憶装置に記憶させる、又は記憶装置に記憶させるように制御するという意味である。また、モジュールは機能に一対一に対応していてもよいが、実装においては、1モジュールを1プログラムで構成してもよいし、複数モジュールを1プログラムで構成してもよく、逆に1モジュールを複数プログラムで構成してもよい。また、複数モジュールは1コンピュータによって実行されてもよいし、分散又は並列環境におけるコンピュータによって1モジュールが複数コンピュータで実行されてもよい。なお、1つのモジュールに他のモジュールが含まれていてもよい。また、以下、「接続」とは物理的な接続の他、論理的な接続(データの授受、指示、データ間の参照関係等)の場合にも用いる。「予め定められた」とは、対象としている処理の前に定まっていることをいい、本実施の形態による処理が始まる前はもちろんのこと、本実施の形態による処理が始まった後であっても、対象としている処理の前であれば、そのときの状況・状態にしたがって、又はそれまでの状況・状態にしたがって定まることの意を含めて用いる。「予め定められた値」が複数ある場合は、それぞれ異なった値であってもよいし、2以上の値(もちろんのことながら、全ての値も含む)が同じであってもよい。また、「Aである場合、Bをする」という記載は、「Aであるか否かを判断し、Aであると判断した場合はBをする」の意味で用いる。ただし、Aであるか否かの判断が不要である場合を除く。また、「A、B、C」等のように事物を列挙した場合は、断りがない限り例示列挙であり、その1つのみを選んでいる場合(例えば、Aのみ)を含む。
また、システム又は装置とは、複数のコンピュータ、ハードウェア、装置等がネットワーク(一対一対応の通信接続を含む)等の通信手段で接続されて構成されるほか、1つのコンピュータ、ハードウェア、装置等によって実現される場合も含まれる。「装置」と「システム」とは、互いに同義の用語として用いる。もちろんのことながら、「システム」には、人為的な取り決めである社会的な「仕組み」(社会システム)にすぎないものは含まない。
また、各モジュールによる処理毎に又はモジュール内で複数の処理を行う場合はその処理毎に、対象となる情報を記憶装置から読み込み、その処理を行った後に、処理結果を記憶装置に書き出すものである。したがって、処理前の記憶装置からの読み込み、処理後の記憶装置への書き出しについては、説明を省略する場合がある。なお、ここでの記憶装置としては、ハードディスク、RAM(Random Access Memory)、外部記憶媒体、通信回線を介した記憶装置、CPU(Central Processing Unit)内のレジスタ等を含んでいてもよい。
例えば、プラスチック部品を製造するために、型(金型)が使用されている。この型は、高額になることが多いため、その費用を見積もっていた。
型にボスが含まれている場合がある。ここで、ボスとは、ネジ穴等の円筒突起形状部分をいう。例えば、相手部品との位置合わせのために用いられる。したがって、要求精度が非常に高く、型を別パーツ(入れ子)にして制作する必要があり、型の費用アップとなるため、見積もり時にはボスの個数を計数する必要があった。また、ボスの高さ(型側では深さ)が高いと、型の製造費用も高くなる。
そこで、情報処理装置100は、ボスを自動的に認識し、その個数を計数し、ボス部分の費用を算出する。
曲面特定モジュール122は、型の図面情報から、半径が予め定められた値未満又は以下であり、最外形ではない曲面を特定する。
中心軸特定モジュール124は、曲面特定モジュール122が特定した曲面の中心軸を特定する。
そして、ボス候補認定モジュール120は、中心軸特定モジュール124が特定した複数の中心軸のうち、その中心軸が同じ座標にあり、その中心軸からの半径が予め定められた値未満又は以下である曲面を1つのボスとして認定する。
また、ボス候補認定モジュール120は、2つの中心軸が曲面の半径未満又は以下の座標にある場合には、その中心軸からの半径が予め定められた値未満又は以下である曲面を1つのボスとして認定するようにしてもよい。
ボス高さ・傾斜抽出モジュール140は、ボス候補認定モジュール120、見積モジュール150と接続されている。ボス高さ・傾斜抽出モジュール140は、ボス候補認定モジュール120がボスと認定したボスの高さを測定する。
また、ボス高さ・傾斜抽出モジュール140は、ボス候補認定モジュール120がボスと認定したボスが傾斜しているか否かを判断してもよい。また、そのボスの傾斜角度を測定するようにしてもよい。
見積モジュール150は、ボス個数計数モジュール130、ボス高さ・傾斜抽出モジュール140、単価記憶モジュール160と接続されている。見積モジュール150は、ボス個数計数モジュール130によって計数されたボスの個数を用いて型の価格を見積もる。その見積もりに、単価記憶モジュール160内の情報を用いるようにしてもよい。
また、見積モジュール150は、ボス高さ・傾斜抽出モジュール140による処理結果を用いて、ボスの高さに応じて型の価格を見積もるようにしてもよい。
また、見積モジュール150は、ボス高さ・傾斜抽出モジュール140による処理結果を用いて、ボスが傾斜しているか否かに応じて型の価格を見積もるようにしてもよい。
単価記憶モジュール160は、見積モジュール150と接続されている。単価記憶モジュール160は、型の見積もりを行うための情報を記憶している。例えば、ボスの単価等を記憶している。
情報処理装置100、CAD装置200、ユーザー端末210A、ユーザー端末210Bは、通信回線290を介してそれぞれ接続されている。通信回線290は、無線、有線、これらの組み合わせであってもよく、例えば、通信インフラとしてのインターネット、イントラネット等であってもよい。また、情報処理装置100による機能は、クラウドサービスとして実現してもよい。
例えば、設計者であるユーザーはユーザー端末210Aを介してCAD装置200を利用して、型の設計図面を作成する。そして、その設計図面である図面情報は、CAD装置200に記憶されている。設計グループの管理者はユーザー端末210Bを介して情報処理装置100を利用して、設計された型の見積もりを行う。情報処理装置100は、CAD装置200内の図面情報を取り出して、ボスの個数を計数して、型の見積もりを行い、その見積もり結果である価格を管理者に提示する。
ステップS302では、ボス抽出処理を行う。ステップS302の詳細な処理については、図4の例に示すフローチャートを用いて後述する。
ステップS304では、ボスの価格算出処理を行う。ステップS304の詳細な処理については、図11の例に示すフローチャートを用いて後述する。
ステップS402では、図面情報受付モジュール110は、型の図面情報であるデータを受け付ける。
ステップS404とステップS406による処理で、ボスとみなす箇所の認識処理を行う。
ステップS404では、曲面特定モジュール122は、半径rがXmm以下の曲面を取得する。ここで「Xmm」は、ボスを判断するための予め定められた閾値であって、例えば、10mm、15mm等がある。「Xmm」として、対象としている型内で用いられているボスの最大半径を設定すればよい。なお、曲面は、必ずしも円筒全体を構成している必要はなく、その一部であってもよい。
例えば、図5に示すように、金型500における半径r:515がXmm以下である曲面520を抽出する。この曲面520は、ボス510を構成しており、円筒の位置である。
例えば、図6に示すように、金型600の曲面610は、ステップS404で抽出された曲面であるが、金型600の最外形の面を構成しているので、ボスを構成していないと判断する。
ステップS408では、中心軸特定モジュール124は、中心軸が同じで、半径Xmm以内のエッジをもつ曲面を取得する。なお、「中心軸が同じ」とは、中心軸の座標が完全一致する場合の他に、両者の中心軸の距離が予め定められた誤差以内である場合を含む。
前述のステップS404とステップS406の処理では、1つのコアを構成する複数の曲面を抽出している場合もあるので、それらの曲面を1つのコアとして統合することを行う。
例えば、図7に示すように、ステップS404とステップS406の処理で、金型700において、曲面710、曲面720、曲面730、曲面740を抽出する。曲面710を最初に抽出したとして、その曲面710と中心軸が同じであって、半径Xmm以内のエッジをもつ曲面として曲面720を抽出する。さらに、同様の条件を満たしている曲面730、曲面740も抽出する。
例えば、図8に示すように、金型800におけるボスは、リブ805、リブ815、リブ825、リブ835によって補強されている。そして、ボスを構成する曲面として、曲面820、曲面830がある。これらも、中心軸が同じで、半径Xmm以内のエッジをもつ曲面であるので、1つのボスを構成していると認識する。
また、図9の例に示すように、金型900における曲面の中心軸として、中心軸910、中心軸920を抽出した場合、その中心軸910と中心軸920間の距離が、半径X以内であれば、1つのボスとして認識する。
なお、ボスは円(円筒)であるが、長穴として構成するボスも含めてもよい。ただし、楕円までは含まない。ここで長穴とは、図10の例に示すように、2つの円(円1010、円1020)を両端にもち、その間を2つの直線(直線1015、直線1025)によって結んで形作られるものが長穴1000である。
ステップS1102では、ボス高さ・傾斜抽出モジュール140は、ボスの最高点と最低点の差を高さとして算出する。例えば、図12に示すように、金型1200におけるボス1210の最高点と最低点の差である高さ1220を算出する。また、図13の例に示すように、金型1300におけるボス1310が傾いている場合、高さは、高さ1320の最高点と最低点の差である高さ1320を算出すればよい。つまり、Y軸(垂直方向)における高さではなく、ボスの長さ(加工する深さ)を計測すればよい。また、ボス1310の傾斜角度も計測する。これらの計測には、ボス1310のベクトルを用いて算出すればよい。
図14は、単価テーブル1400のデータ構造例を示す説明図である。図14(a)は、単価テーブル1400Aのデータ構造例を示す説明図である。単価テーブル1400Aは、高さ欄1410、単価欄1420を有している。高さ欄1410は、ボスの高さを記憶している。ここで、ボスの高さについては、ボスの半径のA倍以上であるか否かによって単価が異なる。ここで「A倍」とは、予め定められた閾値であって、例えば、4倍、5倍等がある。もちろんのことながら、2つ以上の閾値を用いて、3つ以上の異なる単価を取り扱えるようにしてもよい。単価欄1420は、その高さにおけるボスの単価を記憶している。
図14(b)は、単価テーブル1400Bのデータ構造例を示す説明図である。単価テーブル1400Bは、傾斜角欄1430、単価欄1440を有している。傾斜角欄1430は、ボスの傾斜角を記憶している。ここで、ボスの傾斜角については、傾斜なし、傾斜角D未満、傾斜角D以上であるか否かによって単価が異なる。ここで「傾斜角D」とは、予め定められた閾値であって、例えば、30度、45度等がある。もちろんのことながら、2つ以上の閾値を用いて、4つ以上の異なる単価を取り扱えるようにしてもよい。単価欄1440は、その傾斜角におけるボスの単価を記憶している。
ステップS1108では、見積モジュール150は、全てのボスの処理を終了したか否かを判断し、終了した場合はステップS1110へ進み、それ以外の場合はステップS1102へ戻る。
ステップS1110では、見積モジュール150は、ボスの価格を出力する。例えば、型全体の価格も算出し、その中でのボスが占める割合等を算出して提示するようにしてもよい。
なお、図15に示すハードウェア構成は、1つの構成例を示すものであり、本実施の形態は、図15に示す構成に限らず、本実施の形態において説明したモジュールを実行可能な構成であればよい。例えば、一部のモジュールを専用のハードウェア(例えば特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)等)で構成してもよく、一部のモジュールは外部のシステム内にあり通信回線で接続している形態でもよく、さらに図15に示すシステムが複数互いに通信回線によって接続されていて互いに協調動作するようにしてもよい。また、特に、パーソナルコンピュータの他、携帯情報通信機器(携帯電話、スマートフォン、モバイル機器、ウェアラブルコンピュータ等を含む)、情報家電、ロボット、複写機、ファックス、スキャナ、プリンタ、複合機(スキャナ、プリンタ、複写機、ファックス等のいずれか2つ以上の機能を有している画像処理装置)などに組み込まれていてもよい。
「プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、プログラムのインストール、実行、プログラムの流通等のために用いられる、プログラムが記録されたコンピュータで読み取り可能な記録媒体をいう。
なお、記録媒体としては、例えば、デジタル・バーサタイル・ディスク(DVD)であって、DVDフォーラムで策定された規格である「DVD−R、DVD−RW、DVD−RAM等」、DVD+RWで策定された規格である「DVD+R、DVD+RW等」、コンパクトディスク(CD)であって、読出し専用メモリ(CD−ROM)、CDレコーダブル(CD−R)、CDリライタブル(CD−RW)等、ブルーレイ・ディスク(Blu−ray(登録商標) Disc)、光磁気ディスク(MO)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープ、ハードディスク、読出し専用メモリ(ROM)、電気的消去及び書換可能な読出し専用メモリ(EEPROM(登録商標))、フラッシュ・メモリ、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、SD(Secure Digital)メモリーカード等が含まれる。
そして、前記のプログラムの全体又はその一部は、前記記録媒体に記録して保存や流通等させてもよい。また、通信によって、例えば、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、メトロポリタン・エリア・ネットワーク(MAN)、ワイド・エリア・ネットワーク(WAN)、インターネット、イントラネット、エクストラネット等に用いられる有線ネットワーク、又は無線通信ネットワーク、さらにこれらの組み合わせ等の伝送媒体を用いて伝送させてもよく、また、搬送波に乗せて搬送させてもよい。
さらに、前記のプログラムは、他のプログラムの一部分若しくは全部であってもよく、又は別個のプログラムと共に記録媒体に記録されていてもよい。また、複数の記録媒体に分割して記録されていてもよい。また、圧縮や暗号化等、復元可能であればどのような態様で記録されていてもよい。
110…図面情報受付モジュール
120…ボス候補認定モジュール
122…曲面特定モジュール
124…中心軸特定モジュール
130…ボス個数計数モジュール
140…ボス高さ・傾斜抽出モジュール
150…見積モジュール
160…単価記憶モジュール
200…CAD装置
210…ユーザー端末
290…通信回線
Claims (5)
- 型の図面情報から、半径が予め定められた値未満又は以下であり、最外形ではない曲面を特定する曲面特定手段と、
前記曲面特定手段が特定した曲面の中心軸を特定する中心軸特定手段と、
前記中心軸特定手段が特定した複数の中心軸のうち、該中心軸が同じ座標にあり、該中心軸からの半径が予め定められた値未満又は以下である曲面を1つのボスとして認定するボス認定手段と、
前記ボス認定手段がボスと認定したボスの個数を計数する計数手段
を有する情報処理装置。 - 前記ボス認定手段は、2つの前記中心軸が前記曲面の半径未満又は以下の座標にある場合には、該中心軸からの半径が予め定められた値未満又は以下である曲面を1つのボスとして認定する
請求項1に記載の情報処理装置。 - 前記計数手段によって計数されたボスの個数を用いて前記型の価格を見積もる見積手段
をさらに有する請求項1に記載の情報処理装置。 - 前記見積手段は、ボスの高さに応じて前記型の価格を見積もる
請求項3に記載の情報処理装置。 - コンピュータを、
型の図面情報から、半径が予め定められた値未満又は以下であり、最外形ではない曲面を特定する曲面特定手段と、
前記曲面特定手段が特定した曲面の中心軸を特定する中心軸特定手段と、
前記中心軸特定手段が特定した複数の中心軸のうち、該中心軸が同じ座標にあり、該中心軸からの半径が予め定められた値未満又は以下である曲面を1つのボスとして認定するボス認定手段と、
前記ボス認定手段がボスと認定したボスの個数を計数する計数手段
として機能させるための情報処理プログラム。
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