JP6852281B2 - 反射型フォトマスク - Google Patents

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Description

本発明は、リソグラフィ用の反射型フォトマスク(反射型フォトマスクブランクも含む)に関する。
半導体デバイスの製造プロセスにおいては、半導体デバイスの微細化に伴い、フォトリソグラフィ技術における微細化の要求が高まっている。2000年頃のフォトリソグラフィの露光光は193nmのArFエキシマレーザー光が主流であった。現在では、EUV(Extreme Ultra Violet:極端紫外線)光と呼ばれる主に15nm以下の波長領域の光(以下「EUV光という」)、特に13.5nmのEUV光の適用が進められている。
EUV光は、ほとんどの物質に対して非常に吸収され易い性質をもつため、EUV光を露光に用いるフォトマスク(以下「EUVマスク」という)は、従来の透過型のフォトマスクとは異なり、反射型のフォトマスクである。EUVマスクは、例えば、ガラス基板上にモリブデン(Mo)層、及びシリコン(Si)層を交互に積層した多層反射層が形成され、その上にタンタル(Ta)を主成分とする光吸収層が形成され、この光吸収層に回路パターンが形成されて構成される。
反射型のEUVマスクを用いたリソグラフィでは、一般に、EUVマスクへのEUV光の入射角度を6度程度とし、反射したEUV光を、露光させる対象物であるウェハーに導き、ウェハー上に塗布されたEUV光に感光性を有するレジストを感光させる。
ここで、上記のようにEUVマスクに入射するEUV光の入射光軸を傾斜させると、EUVマスク上の回路パターンでEUV光が反射する際、反射光の方向によっては、光吸収層の一部が影となり、ウェハー上に放射されない現象(いわゆる射影効果)が生じることが指摘されている。そこで射影効果を抑制するために、回路パターンが形成される光吸収層の厚みを薄くして、影の影響を低減する手法が用いられている。
しかし、単に光吸収層を薄くすると、本来、光吸収層において必要な光の減衰量が不足するため、ウェハー上のレジストへ放射されるEUV光の反射光が必要以上に増加し、回路パターンの形成精度が劣化することが懸念される。加えて、実際の露光作業では、一枚のウェハーにチップが多面付けされることが多いため、隣接するチップ同士の境界領域におけるレジストの露光量が増加することが、特に懸念される。すなわち、チップ同士の境界領域において回路パターンの形成精度に影響を及ぼす多重露光が発生し、この多重露光により、後工程で得られるチップの品質低下やスループットの低下が生じてしまう。そのため、このように光吸収層を薄くする場合には、EUVマスクに光吸収層に加え、さらに多層反射層をも全て除去し、ガラス基板の表面まで掘り込んだ溝を形成するという方法がある(特許文献1参照)。これは、上記の溝をEUV光の波長に対する遮光性の高い遮光領域とし、この遮光領域におけるEUV光の反射を抑制して隣接するチップ同士の境界領域における多重露光を抑制しようとするものである。
ところが、EUV光を発生させる光源からは、13.5nm付近のEUV領域の光だけでなく、真空紫外線(VUV;約200nm以下)、深紫外線(DUV;約300nm以下)、紫外線(UV;約400nm以下)、近赤外線(約800nm付近)、さらには赤外領域(1000nm以上)に亘る波長帯の光も放射される場合が多い。この波長帯は、一般にアウトオブバンド(Out of Band)と呼ばれる。このように、EUVマスクには、EUV光に伴ってアウトオブバンドの波長を有する光(以下「アウトオブバンド光」という)も入射する。そして、前述した従来のEUVマスクの遮光領域では、EUV光の遮光性は比較的高いものの、アウトオブバンド光の遮光性は比較的低い。そのため遮光領域において、光源から放射された光のうちEUV光の反射は殆ど抑えることができるが、アウトオブバンド光の一部は遮光領域で反射してウェハー上に放射される。そしてチップ同士の境界領域で、前述したような多重露光を生じさせてしまうという問題がある。ウェハー上で用いられるEUVリソグラフィ用のレジストは、元々、KrF光(波長248nm)やArF光(波長193nm)のリソグラフィ用レジストをベースに開発されているため、特に100〜400nmの波長領域のアウトオブバンド光(以下、OOB光と略す)に感光性が高い。
こうした問題を解決する技術として特許文献2に記載の技術がある。これは、ガラス基板の多層反射層とは反対側となる裏面に、微細構造のパターンを形成し、これによって遮光領域に入射したOOB光が真空からガラス基板の裏面に至った後、裏面導電膜で反射することを抑制するものである。
特開2009−212220号公報 特開2013−074195号公報
しかし、本発明者らは、特許文献2に記載の技術を検証するため、遮光領域で反射してウェハーに放射されるOOB光の成分を調べたところ、基板の表面で反射する光の方が、基板の裏面で反射する光よりも優勢的であることが判明した。よって、遮光領域に入射したOOB光の反射率を低減するためには、基板の裏面で反射する反射光を抑制するだけでは十分でなく、基板の表面における反射光を抑制する必要があるとの結論に至った。
本発明の課題は、アウトオブバンド光に対する遮光領域の反射率を抑制することである。
本発明の一態様に係る反射型フォトマスクは、基板と、基板上に形成され、露光光を反射する多層反射膜と、多層反射膜上に形成され、露光光を吸収する吸収体膜と、を備え、波長5nm以上15nm以下の露光光を使用するリソグラフィに使用される反射型フォトマスクであって、吸収体膜には、回路パターンが形成され、この回路パターンが形成されている領域の外側には、多層反射膜、及び吸収体膜が除去されて基板が露出する遮光領域が形成され、遮光領域で基板が露出する部分に、光源から放射される100nm以上800nm以下のアウトオブバンド光の反射を抑制する凹凸構造が形成され、凹凸構造の表面には、それよりも構造の小さい微細凹凸形状が形成される。
本発明によれば、遮光領域が形成された反射型フォトマスクにおいて、遮光領域でのアウトオブバンド光の反射を、従来よりも抑制することができるため、ウェハーへチップを多面付けする際、EUV光だけでなくアウトオブバンド光による、チップ同士の境界領域での多重露光を効果的に抑制できる。そして、高精度・高品質の回路パターンをウェハーに転写することができる。
反射型マスクブランクの断面図である。 反射型フォトマスクの構成図である。 凹凸構造の断面図である。 凹凸構造の断面図である。 反射型フォトマスクの製造工程を示すフローチャートである。 S1〜S7の工程を示す図である。 S8〜S15の工程を示す図である。 S16〜S23の工程を示す図である。 S24〜S28の工程を示す図である。 遮光枠領域の構造を示す断面図である。 反射率の測定結果を示す図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図面は模式的なものであって、現実のものとは異なる場合がある。また、以下の実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであり、構成を下記のものに特定するものでない。すなわち、本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
《実施形態》
(EUVマスクの膜構造の説明)
図1は、反射型マスクブランクの断面図である。
反射型マスクブランク10は、EUV光を用いた露光に使用するマスク用のブランクである。EUV光の波長は、例えば13.5nmである。基板11の上面には、多層反射膜12、保護膜13、及び吸収体膜14が、順に形成される。基板11は石英基板であり、6インチ角で厚さは6.35mmである。多層反射膜12はモリブデン(Mo)、珪素(Si)を交互にイオンビームスパッタリング装置で交互に40対、合計80対を最上層が珪素(Si)となるように積層する。次に保護膜13としてルテニウム(Ru)をマグネトロンスパッタにて積層する。次に吸収体膜14としてタンタル(Ta)を母材として珪素(Si)を含む化合物に窒素ガスを雰囲気中に混合した合金をマグネトロンスパッタにより堆積し、さらにその上層にタンタル(Ta)を母材として珪素(Si)を含む化合物に窒素ガス、酸素ガスを混合したガスを雰囲気中に混合した合金をマグネトロンスパッタにより堆積する。また、基板11の、多層反射膜12とは反対側面には裏面導電膜15をマグネトロンスパッタにより形成する。
図2は、反射型フォトマスクの構成図である。
図中の(a)は反射型フォトマスク100の上面図であり、(b)は反射型フォトマスク100の断面図である。
反射型フォトマスク100は、反射型マスクブランク10を用いて作製した露光用の反射型フォトマスクである。反射型フォトマスク100は、回路パターンAを取り囲むように遮光枠領域Bが形成されており、遮光枠領域Bでは、吸収体膜14、保護膜13、及び多層反射膜12が完全に除去されている。これにより、EUV光の反射率はゼロにできる。また、遮光枠領域Bの底面には立体的に加工が施された凹凸構造16を有する。これにより、OOB光に対する反射率もある程度低減できる。なぜなら、反射する光の回折現象が発現し、正反射が減り、一次、二次、…のゼロ次以外の回折光が増えるためである。
図3は、凹凸構造の断面図である。
図中の(A)は凹凸構造16の表面に、それよりも構造の小さい微細パターンが形成されていない構造を示すものである。(B−1)は凹凸構造16の凹部の平面に微細凹部形状が形成されたものである。(B−2)は凹凸構造16の凹部の平面に微細凸部形状が形成されたものである。(C−1)は凹凸構造16の凸部の平面に微細凹部形状が形成されたものである。(C−2)は凹凸構造16の凸部の平面に微細凸部形状が形成されたものである。本実施形態の凹凸構造16は、(B−1)、(B−2)、(C−1)、(C−2)の少なくとも一つ以上を含んだものである。また、微細凹凸形状の高さや幅は任意に変更することが可能であり、例えば(C−1)の微細凹部は(B−1)の微細凹部に比べて高さが高く、幅は狭くなっている。一方、例えば(C−2)の微細凸部は(B−2)の微細凸部に比べて高さが低く、幅は広くなっている。このように微細凹凸形状によって波長の短いOOB光を散乱させることで、ウェハーに到達するOOB光を低減させることが可能となる。
また、凹凸構造16の平面にある微細形状(B−1)、(B−2)、(C−1)、(C−2)は個数が増加するに従い、光の反射における鏡面反射の割合が減少し、拡散反射の割合が増加する。すなわち、OOB光を低減させる微細凹凸形状は、凹凸構造16の全ての凹凸部にある方が良いが、凹凸構造16において、少なくとも四周期ごとの凹部に一つ以上形成されているか、又は少なくとも四周期ごとの凸部に一つ以上形成されていれば一定の効果がある。
また、微細凹凸形状の高さは基本的には深いほどOOB光を低減できるが、比較的浅くても効果が得られ、本実施形態の微細凹凸形状の高さは5nm〜1000nmである。
図4は、凹凸構造の断面図である。
図中の(D−1)、(D−2)、(D−3)は、凹凸構造16の凹部及び凸部の少なくとも一方に、凹凸構造16よりもさらに構造の小さい微細凹凸形状が形成されており、その段差を二段以上としている。これにより、ウェハーに到達するOOB光を低減する効果を上げることができる。(D−1)は凹凸構造16の凹部に段差が二段以上形成されており、(D−2)は凹凸構造16の凸部に段差が二段以上形成されており、(D−3)は凹凸構造16の凹部と凸部の両方に段差が二段以上形成されている。本実施形態の凹凸構造16は、(D−1)、(D−2)、(D−3)の少なくとも一つ以上を含んだものである。
ウェハーに到達するOOB光をより低減させるためには、微細凹凸形状の段差の数を増やし、拡散反射の割合を増加させるのが効果的である。微細凹凸形状の段差の高さは、凹凸構造16の凹凸高さ以下である。
さらに、図中の(E−1)、(E−2)は、凹凸構造16として、断面形状が基端側に向かうほど幅が広くなる末広がりの傾斜凸部が形成され、この傾斜凸部における傾斜面において、(E−1)では階段形状を形成しており、(E−2)では鋸歯形状を形成している。本実施形態の凹凸構造16は、(E−1)、(E−2)の少なくとも一つ以上を含んだものである。凹凸構造16において、階段形状、又は鋸歯形状は、凹凸構造16において、少なくとも四周期ごとの凹部に一つ以上形成されているか、又は少なくとも四周期ごとの凸部に一つ以上形成されていれば、ウェハーに到達するOOB光を低減する効果を上げることができる。ここでは、傾斜凸部について説明したが、これに限定されるものではない。他にも、断面形状が基端側に向かうほど幅が狭くなる傾斜凹部を形成し、この傾斜凹部における傾斜面に、階段形状や鋸歯形状を形成してもよい。
なお、微細凹凸形状を有する凹凸構造16は、図中の幅方向だけでなく、奥行き方向にも形成されているものとする。
次に、凹凸構造16の作製方法について説明する。
遮光枠領域B内の凹凸構造16の平面、又は傾斜面の微細形状は、遮光枠領域B内の凹凸構造16の平面、又は傾斜面に、例えばラインパターンを形成し、エッチングすることにより得ることができる。ラインパターンのピッチを変更したり、ラインとラインの間隔をランダムに設定したり、ラインパターン以外のドットパターンやホールパターンなどを用いることで、凹凸構造16の表面を任意の形状に形成することが可能である。またエッチング条件を最適化することで、凹凸構造16の微細形状の高さを任意に変更することが可能である。
次に、反射型フォトマスク100の製造方法について説明する。
図5は、反射型フォトマスクの製造工程を示すフローチャートである。
図6は、S1〜S7の工程を示す図である。
図7は、S8〜S15の工程を示す図である。
図8は、S16〜S23の工程を示す図である。
図9は、S24〜S28の工程を示す図である。
先ず、反射型マスクブランク10を用意し、吸収体膜14に回路パターンAと遮光枠領域Bを形成する。紫外線、又は電子線に反応を示す化学増幅系や非化学増幅系のレジスト21を塗布し(S1)、所定の回路パターンAと遮光枠領域Bを描画する(S2)。その後アルカリ溶液などで現像を行い(S3)、形成したレジスト21のパターンをマスクにフッ素系ガスや塩素系ガスを用いたガスプラズマによるエッチングを行い(S4)、不要なレジスト21のパターンを酸素プラズマによる灰化や硫酸やオゾン水などの酸化薬液による分解、ないしは有機溶剤などで溶解除去する(S5)。その後必要に応じて酸・アルカリ系薬品やオゾンガスや水素ガスなどを溶解した超純水や有機アルカリ系薬品、界面活性剤などによる洗浄処理を行ない(S6)、さらに遠心力を利用したスピン乾燥を行う(S7)。以上で回路パターンAと遮光枠領域Bが形成される。
次に、保護膜13と多層反射膜12における遮光枠領域Bを形成する。
上記のマスクに紫外線、又は電子線に反応を示すレジスト22を塗布する(S8)。次に、遮光枠領域Bを露光、又は電子線で描画する(S9)。さらに、前述と同じように現像し(S10)、エッチングを行い(S11)、遮光枠を形成する。次いで、レジスト22を除去し(S12)、洗浄し(S13)、乾燥を行い(S14)、遮光枠領域Bを形成する。エッチング工程(S11)では、まず保護膜13をフッ素系ガスプラズマを用いて除去し、多層反射膜12を保護膜13と同じくフッ素系ガスプラズマもしくは塩素ガス系プラズマを交互に用いて除去する。
次に、基板11の遮光枠領域Bにおける凹凸構造16を形成する。
上記のマスクに紫外線、又は電子線に反応を示すレジスト23を塗布する(S15)。次に、遮光枠領域Bにラインパターンの配列上に露光、又は電子線で描画する(S16)。さらに、前述と同じように現像し(S17)、エッチングを行い(S18)、遮光枠領域Bの基板11上に凹凸構造16を形成する。次いで、レジスト23を除去し(S19)、洗浄し(S20)、乾燥を行う(S21)。
次に、基板11の遮光領域Bにおける凹凸構造16の表面に微細形状を形成する。
上記のマスクに紫外線、又は電子線に反応を示すレジスト24を塗布する(S22)。次に、遮光枠領域Bの凹凸構造16の一部に露光、又は電子線で描画する(S23)。そして、前述と同じように現像し(S24)、エッチングを行い(S25)、遮光枠領域Bの凹凸構造16の表面に微細形状を形成する。次いで、レジスト24を除去し(S26)、洗浄し(S27)、乾燥を行う(S28)。
以上の工程により反射型フォトマスク100が完成される。本実施形態によれば、遮光枠領域Bの基板11が露出している部分の凹凸構造16の表面は微細形状を有し、EUV及びOOB光を拡散反射による効果により拡散することができるため、ウェハーに到達するOOB光を低減し、ウェハー上にあるチップの境界領域における多重露光を防止する事が可能となる。
以下、実施例を説明する。
まず反射型マスクブランク10を用意した。この反射型マスクブランク10は、基板11の上に、波長13.5nmのEUV光に対して反射率が64%程度となるように設計されたモリブデン(Mo)と珪素(Si)の40ペアの多層反射膜12が、その上に2.5nm厚のルテニウム(Ru)の保護膜13が、更にその上に70nm厚のタンタル(Ta)と珪素(Si)からなる吸収体膜14が、順次形成されている。
この反射型マスクブランク10に対し、ポジ型化学増幅レジストからなるレジスト21(FEP171:富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ)を300nmの膜厚で塗布し(S1)、電子線描画機(JBX9000:日本電子)によって描画し(S2)、その後、110度、10分のPEB、及びスプレー現像(SFG3000:シグマメルテック)により、レジスト21にレジストパターンを形成した(S3)。
次いで、ドライエッチング装置を用いて、CFプラズマとClプラズマにより、吸収体膜14をエッチングし(S4)、レジスト21を剥離し(S5)、洗浄し(S6)、乾燥させる(S7)。これにより、回路パターンAを有する反射型フォトマスク100を作製した。回路パターンAは、寸法200nmの1:1のライン&スペースパターンをマスク中心に配置した。パターン領域の大きさは、10cm×10cmとした。
次いで、遮光枠領域Bを形成する工程を行った。反射型フォトマスク100にi線レジストからなるレジスト22を500nmの膜厚で塗布し(S8)、そこへi線描画機(ALTA)により描画し(S9)、現像を行なった(S10)。これにより、遮光枠領域Bを抜いたレジストパターンを形成した。このときレジストパターンの開口幅は5mmとし、マスク中心部に10cm×10cmの回路パターンAから3mmの距離に配置した。
次いで、ドライエッチング装置を用いてCHFプラズマ(ドライエッチング装置内の圧力50mTorr、ICP(誘導結合プラズマ)パワー500W、RIE(反応性イオンエッチング)パワー2000W、CHF:流量20sccm、処理時間6分により、上記レジストの開口部の吸収体膜14と多層反射膜12を垂直性ドライエッチングで貫通・除去し(S11)、レジスト22を剥離し(S12)、洗浄し(S13)、乾燥させ(S14)、遮光枠領域Bを形成した。
次いで、反射型フォトマスク100にポジ型化学増幅レジストからなるレジスト23(FEP171:富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ)を300nmの膜厚で塗布し(S15)、遮光枠領域Bにラインパターンの配列上に電子線描画機(JBX9000:日本電子)によって描画し(S16)、その後、110度、10分のPEB、及びスプレー現像(SFG3000:シグマメルテック)により、レジスト部分にレジストパターンを形成した(S17)。
次いで、ドライエッチング装置を用いて、CFプラズマとClプラズマによりエッチングし(S18)、レジスト23を剥離し(S19)、洗浄し(S20)、乾燥させ(S21)、これにより遮光枠領域Bの基板11上に凹凸構造16を形成した。凹凸構造は高さ180nm、幅が500nmであった。
次いで、反射型フォトマスク100にi線レジストからなるレジスト24を500nmの膜厚で塗布し(S22)、遮光枠領域Bの凹凸構造16の一部にi線描画機(ALTA)で描画し(S23)、現像を行ない(S24)、これによりレジスト部分にレジストパターンを形成した。
次いで、ドライエッチング装置を用いて、CFプラズマとClプラズマによりエッチングを行なうことにより(S25)、遮光枠領域Bの凹凸構造16の表面に微細凹凸形状を形成した。微細凹凸形状は高さが120nm、幅が100nmであった。
次いで、レジスト24を剥離し(S26)、洗浄し(S27)、乾燥させ(S28)、これにより反射型フォトマスク100が完成した。
次に、反射率の測定結果について説明する。
図10は、遮光枠領域の構造を示す断面図である。
図中の(F−1)は従来の反射型フォトマスクであり、(F−2)は遮光枠領域Bに凹凸構造16を有する反射型フォトマスクであり、(F−3)は遮光枠領域Bに二段の凹凸構造16を有する反射型フォトマスクである。
図11は、反射率の測定結果を示す図である。
ここでは、波長200nmにおける分光反射率の測定を実施した。(F−1)の反射型フォトマスクでは反射率が6.6%であり、(F−2)の反射型フォトマスクでは反射率が2.1%であり、(F−3)の反射型フォトマスクでは反射率が0.9%であった。このように、波長200nmにおける反射率は、凹凸構造16を微細凹凸形状とした(F−3)が0.9%と、最も低いことを確認できた。
以上、限られた数の実施形態を参照しながら説明したが、権利範囲はそれらに限定されるものではなく、上記の開示に基づく実施形態の改変は、当業者にとって自明のことである。
10 反射型マスクブランク
11 基板
12 多層反射膜
13 保護膜
14 吸収体膜
15 裏面導電膜
100 反射型フォトマスク
16 凹凸構造
A 回路パターン
B 遮光領域
21 レジスト
22 レジスト
23 レジスト
24 レジスト

Claims (3)

  1. 基板と、
    前記基板上に形成され、露光光を反射する多層反射膜と、
    前記多層反射膜上に形成され、前記露光光を吸収する吸収体膜と、を備え、
    波長5nm以上15nm以下の露光光を使用するリソグラフィに使用される反射型フォトマスクであって、
    前記吸収体膜には、回路パターンが形成され、
    前記回路パターンが形成されている領域の外側には、前記多層反射膜、及び前記吸収体膜が除去されて前記基板が露出する遮光領域が形成され、
    前記遮光領域で前記基板が露出する部分に、光源から放射される100nm以上800nm以下のアウトオブバンド光の反射を抑制する凹凸構造が形成され、
    前記凹凸構造の表面には、それよりも構造の小さい微細凹凸形状が形成され、
    前記凹凸構造の凹部、及び凸部の少なくとも一方には、段差が二段以上の前記微細凹凸形状が形成され、
    前記凹凸構造は、断面形状が基端側に向かうほど幅が広くなる傾斜凸部、又は断面形状が基端側に向かうほど幅が狭くなる傾斜凹部を備え、前記傾斜凸部の傾斜面、又は前記傾斜凹部の傾斜面に、鋸歯形状が形成されることを特徴とし、
    前記鋸歯形状は、前記凹凸構造における少なくとも四周期ごとの前記傾斜凸部、又は傾斜凹部に一つ以上形成されることを特徴とする反射型フォトマスク。
  2. 前記微細凹凸形状は、高さが5nmから1000nmの範囲内で形成されることを特徴とする請求項1に記載の反射型フォトマスク。
  3. 前記微細凹凸形状の段差は、前記凹凸構造の凹凸高さ以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の反射型フォトマスク。
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