JP6851583B2 - 造形体の背光照明装置 - Google Patents
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Description
更には、造形体内部からの光を造形体の全周壁面に形成した多数の透孔から後方の壁面の全方向に照射し、後方の壁面には透孔からの光を映像化して投映し、ランプシェードとしての光の映像の楽しみを与えるようにしたものがある(例えば、特許文献2)。
これらは、いずれの技術も造形体と光との組み合わせを基調としており、光をどこからどの方向にどのような技術手段で照射し映像化するかを種々の技術的観点から開発したものであった。
更に、特許文献3では、中空状のランプシェード内に照源ランプを内蔵し、透光孔を穿設して全方向への放射光によるランプシェード自体の美しさと、その透光孔からの光照射が壁面に映し出されたという光の乱舞の楽しみを与えるようにしたものである。
しかし、発散する光及び後方の遮断壁面への照射光を視認し楽しむことはできるものの、造形体の形状に宗教的な精神的造形を付与して、光との調和の中で造形体の形状に含まれた意義を看者に印象付けるような光、特に逆光とのコラボレーションの構成を楽しむということができるものではなかった。
すなわち、特許文献3では、もっぱら光の投映映像を楽しむだけに力点がおかれた技術であり、従って、光の各種変化をどのように看者に認識させて楽しませるかということにのみ終始するものであった。
このように、従来の技術では、造形体で表現した宗教的精神的意義を光とのコラボレーションにより看者に付与するというものではなかった。
かかる半透明な背面投影板を設置することにより、半透明な背面投影板の前面に造形体の照明体からの照射光を投影しつつプロジェクター装置から投影する映像を半透明な背面投影板に重畳することができる。半透明な背面投影板には、照明体からの照射光とプロジェクター装置からの映像とを重畳し組み合わせた合成映像が表示されることとなり、造形体の設置場所に応じて、さまざまな合成映像に作り変えて多種の光演出を行うことができる。
また、ガラス粒子は造形体の表面に形成した凹部へ埋設することができ、ガラス粒子の固定を確実に行うと共に、ガラス粒子を介して凹部の内底面からの淡い光を拡散することができる。
この発明は、基本的には前面に向いた造形体Aとその背部に設けて後方を照射する照明体Bとさらに照明体Bの後方に配置して照明体Bからの照射光を投影する背面投影板Cとの組み合わせ、必要に応じて、前面を向いた造形体Aの背部に一体に背景造形体Dを形成するようにしている。
前面を向いた造形体Aは、例えばマリア立像(例えば、図1〜図4参照)であったり、仏座像(例えば、図29、30参照)他にキリスト像、女神像、観音像であったりするが、これらに限定されず、宗教的精神的思想に関連する動物あるいは建築物であっても良く、例えば鶴や龍やキリンや西洋の代表的な教会などの建物、十字架、王冠などが考えられる。
造形体Aは、陶磁器や磁器や合成樹脂や金属やガラス等で造形されており、材質は限定されない。
この構造は以下に説明する照明体Bを背部に装着する構造によって各種選択することができる。
以下には、造形体A内に中空部10を形成しその背後を開口しその開口部に着脱自在に蓋体Gを設けた構造に関して説明する。
照明体Bは、例えば、フィラメント型のランプ、LED、超小型プロジェクター等で構成する。
照明体Bとしては、後述する光透孔を形成したフィルターと光源とを一体にした照明装置の実施例や、或いは、複数のLEDを中空チューブに内蔵して発光チューブとした実施例がある。
かかる照明体Bは造形体Aの中空部10内に収納した形態や後述するように内部充填の造形体Aの背面に装着する形態や造形体Aの後方でかつ造形体Aと背面投影板Cとの間とする形態など各種の構造が考えられる。
背面投影板Cは、前面に配置した造形体Aのマリア立像の外形より外方にはみ出した大きさとしている。すなわち、背面投影板Cの左右方向の幅員は、造形体Aの幅員より大きくかつ背面投影板Cの上下方向の高さは造形体Aの高さより大きい。このように背面投影板Cを造形体Aより大きく構成することで、造形体Aの背面から照射された照射光が造形体A外形より外方にはみ出すように背面投影板Cに大きく映し出される。
背面投影板Cとしては、例えば、建物の壁面や床面や天井面、スクリーンボード、半透明フィルム等を利用する。なお、半透明フィルムを用いた背面投影板Cの実施例については、別途後述する。
例えば、背面投影板Cをスクリーンボードとすることで、照明体Bからの照射光を効率よく逆光線として造形体A側に反射することができる。
背面投影板Cの設置方法としては、天井から吊るす構造としてもよいし、四角枠に固定して立設する構造としてもよい。
図1から図4に示すように、造形体A内に中空部10を形成しており、後面開口の中空部10内に照明Bを収納しておき、後面の開口部には蓋体Gを装着自在に閉蓋している。
蓋体Gには光透孔11を穿設してこの光透孔11から照明体Bからの照射光が照射されるように構成されている。
また、スクリーンボードSからの逆光線L2は、マリア立像に干渉されて、マリア立像の正面は逆光線の陰影の陰の部分になるが、かかる逆光陰影の中でマリア立像の周辺の非干渉光となって、造形体Aの外周方で拡散した光L3は、マリア立像の逆光陰影と相俟って、光L4がマリア立像の輪郭を浮かび上がらせてマリア立像の荘厳な雰囲気を光によって醸し出すことができる。
なお、光透孔11は、造形体Aの背部に構成するようにしてもよい。背面投影板Cに半透明なフォルムを用いた場合には光透孔11からなる光映像を投影しつつ別途設けたプロジェクター装置から投影する映像を重畳して組み合わせた合成映像を投影して多彩な光の演出を行うことができる。
例えば、放射状に複数の長孔を穿設した形状とすれば、看者は複数の長孔が作り出す放射状の光映像を造形体Aの後光として視認することができると共に、その反射光が造形体Aの背後から逆光線として看者に視認されて光の陰影の中で造形体A形状の宗教的、精神的な意義をつくり出すことができる。
特に、蓋体Gに穿設した光透孔11の形状を種々変化させることにより背面投影板Cへ投影される光の形状が種々変化し、造形体Aの宗教的精神的雰囲気をより変化させることができる。
すなわち、造形体Aの中空部10内に照源ランプ17を内蔵する箱型のフィルター本体F1を収納し、フィルター本体F1に前面開口部F2を設けて、この前面開口部F2に光映像を形成するデザインフィルターFを設け、このデザインフィルターFには円形の孔と放射形状の複数の長孔から構成した光透孔11を形成している。
また、造形体の中空部10に収納する照明体は、超小型プロジェクターで構成することもできる。
更には、蓋体Gの一部に蓋体開口部G1を形成しこれに拡縮自在としたレンズ機構Liを装着すると、レンズ機構Liの操作によって、造形体A内部の照源ランプ17と背面投影板Cとの間の映像結像距離を調節することができ、背面投影板Cまでの距離が短い場合でも光透孔11からの映像を鮮明に映すことができる。
なお、箱型のフィルター本体F1は、造形体Aの中空部10内に収納しなくても造形体Aの背面に連設するものであってもよい。
また、スクリーンボードSからの逆光線L2は、マリア立像に干渉されてマリア立像の正面は逆光線の陰影の陰の部分になるが、かかる逆光陰影の中においてマリア立像周辺の非干渉光はマリア立像を側面及び正面から照らすことになり、このように造形体Aの外周方で拡散した光L3がマリア立像の逆光陰影と相俟ってマリア立像の輪郭を浮かび上がらせてマリア立像の荘厳な雰囲気を醸し出すことができる。
すなわち、造形体Aの内壁面には照源ランプ17を移動自在とするレール20が敷設され、このレール20に沿ってソケット17aが上下可動に設けられている。
このように照明体Bが前後方向に移動可能となる前後レール機構を設けることにより、造形体Aの外方に拡散する光量を前後方向で変化させることができ、上下方向の移動と共に、背面投影板Cに投映される像を明暗調整することができる。
すなわち、中空の造形体Aの蓋体Gの表面に装着或いは、内部充填の造形体Aの背面に装着することができる。
具体的には、図9から図15に示すように、内部充填又は中空の造形体Aの背部に環状溝部D1を形成し、溝部D1内に発光チューブ80を埋設している。発光チューブ80は、透明や半透明の中空のチューブ体81に一定間隔でLEDチップ82aを内蔵して構成している。
環状溝部D1の溝底部には、造形体Aの内部に形成した排熱空間と連通した放熱用の透孔11a等が所定間隔ごとに形成され発光チューブ80の発光熱を放熱するように構成している。
上記した発光チューブ80は、チューブの特質を活用して変形可能であるため発光チューブ80を自在に変形して、例えば造形体Aのマリア立像の背面において背面投影板Cへの光照射の形態を自在に変更できるような形状に折曲して装着することが可能である。
また、必要に応じて発光チューブ80を造形体Aの胴部や脚部や首部に囲繞状態として装着することも可能である。このように発光チューブ80を単なる造形体Aの背面に平面的に装着する以外に立体的に変形させて、造形体Aへの光照射を背面投影板Cからの逆光線のみならず直接的が立体的に発光チューブ80から光の照射をすることにより、造形体Aの宗教的精神的意義をより高めることが可能となる。
次に図29から図31に示す照明体140は、投影する光の模様を背面投影板Cの上下左右の方向に自由に投影できる機構を備えており、同装置には内臓した光源ランプ142と、半球状の本体144と、本体144の内周を回転自在とする回転体145とからなる。
造形体Aと一体に構成しても良く、或いは建築造作物の壁面を利用したり、造形体Aの背後に垂設したスクリーンであっても良い。要は照明体Bからの照射光を写すものであればよく、光模様により造形体Aの背後の景色を形成し、造形体Aと一体となって造形体Aの背光を含んだ独特の雰囲気の景色を看者に認識させる機能を果たすと共に、背面投影板Cに照射した光模様が逆光線として造形体Aに独特の陰影をつけた雰囲気を醸し出すものである。
かかる光透孔11の形状はすでに中空の造形体Aの蓋体Gに形成した光透孔11と同様であり、造形体の形状やその意義や背光の種類等の多くの要件を勘案して種々の形状に形成することができる。
本形態では、ガラス粒子、例えば、スワロフスキー粒子(「スワロフスキー」は登録商標である)のようなガラス粒子を造形体Aの背部、すなわち背景造形体Dの背面周壁12や光透孔に埋設或いは貼着したことに特徴を有するものであり、これらに着色を施して、投影光に色彩を表現するようにしても良い。
他の実施例では凹部7の底部を開口した貫通孔として背景造形体D内部に連通し、開口部は外に向かって漏斗形状(図26参照)に構成している。
また、他の実施例では凹部7の底部開口部に薄膜7a(図25参照)を張設している。
なお、薄膜7aは約1mm程度の厚みとし浸透性の高い樹脂16を含浸させてガラス粒子8を接着している。
環状溝部D1の溝底部には、背景造形体Dの内部に形成した排熱空間と連通した放熱用の透孔11a等が所定間隔ごとに形成され発光チューブ80の発光熱を放熱するように構成している。
また、スクリーンボードSからの逆光線L2は、マリア立像に干渉されて、マリア立像の正面は逆光線の陰影の陰の部分になるが、かかる逆光陰影の中でマリア立像の周辺の非干渉光となって、造形体Aの外周方で拡散した光L3は、マリア立像の逆光陰影と相俟って、光L4がマリア立像の輪郭を浮かび上がらせてマリア立像の荘厳な雰囲気を光によって醸し出すことができる。
なお、光透孔11は、造形体Aの背部に構成するようにしてもよい。背面投影板Cに半透明なフォルムを用いた場合には光透孔11からなる光映像を投影しつつ別途設けたプロジェクター装置Pjから投影する映像を重畳して組み合わせた合成映像を投影して多彩な光の演出を行うことができる。
なお、逆光線L2には、照明体Bからの照射光L1の反射光とプロジェクター装置Pjからの映像Laの光とを含まれる。
なお、箱型のフィルター本体F1は、造形体Aの中空部10内に収納しなくても造形体Aの背面に連設するものであってもよい。
ここでは、造形体A’の後方に設けた照明体Bを内蔵した箱型形状のフィルター本体F1の実施形態について詳説する。
図38及び図39に示す箱型のフィルター本体F1は、内部に照明体Bを内蔵し、同本体F1の前面開口部に光映像を形成するデザインフィルターFを設けており、このデザインフィルターFには光透孔11を形成している。
デザインフィルターFには複数の光透孔11を設けており、この光透孔11から同本体F1内の照明体Bからの照射光が照射されるように構成されている。
また、スクリーンボードSからの逆光線L2は、造形体A’に干渉されて、造形体A’の正面は逆光線L2の陰影の陰の部分になるが、かかる逆光陰影の中で造形体A’の周辺の非干渉光となって、造形体A’の外周方で拡散した光L3は、造形体A’の逆光陰影と相俟って、光L4が造形体A’の輪郭や姿を浮かび上がらせて造形体A’の荘厳な雰囲気を光によって醸し出すことができる。
また、スクリーンボードSからの逆光線L2は、造形体A’に干渉されて、造形体A’の正面は逆光線L2の陰影の陰の部分になるが、かかる逆光陰影の中で造形体A’の周辺の非干渉光となって、造形体A’の外周方で拡散した光L3は、造形体A’の逆光陰影と相俟って、光L4が造形体A’の輪郭や姿を浮かび上がらせて造形体A’の荘厳な雰囲気を光によって醸し出すことができる。このような様々な光演出により造形体A’の美観のみならず宗教的雰囲気や宗教的陰影などの現出機能を果たすことができる。
以上、本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
B 照明体
C 背面投影板
G 蓋体
Pj プロジェクター装置
S スクリーンボード
W 壁面
10 中空部
11 光透孔
D1 溝部
80 発光チューブ
81 チューブ体
82a LEDチップ
11a 放熱用透孔
8 ガラス粒子
Claims (3)
- 前面を向いた造形体と、
造形体後方を光照射すべく造形体の内部に設けた照明体と、
造形体の背面周壁に設けた所定形状の光透孔と、
照明体からの照射光を投影すべく照明体の更に後方に配置し、かつ造形体の外形より大きく半透明な背面投影板と、よりなり、
照明体から背面投影板へ照射された光線は背面投影板からの反射光の逆光線として造形体の全体輪郭を浮かび上がらせると共に、造形体の前面は逆光線に伴う荘厳な雰囲気で視認可能に構成した造形体の背光証明装置。 - 前面を向いた造形体と、
造形体後方を光照射すべく造形体の背部に設けた照明体と、
照明体からの照射光を投影すべく照明体の更に後方に配置し、かつ造形体の外形より大きく半透明な背面投影板と、よりなり、
造形体の背部に一定形状の溝部を形成し、
該溝部中に中空のチューブ体に一定間隔でLEDチップを内蔵した発光チューブを嵌着し、発光チューブのLEDチップ位置に対応した溝底部に造形体の内部と連通した放熱用透孔を穿設した造形体の背光証明装置。 - 前面を向いた造形体と、
造形体の後方を光照射すべく造形体の内部に設けた照明体と、
照明体からの照射光を投映すべく照明体の更に後方に配置し、かつ造形体の外形より大きく半透明な背面投影板と、よりなり、
造形体の外表面の所定位置には外表面を多面体にカットしたガラス粒子を配設した造形体の背光照明装置。
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