JP6850442B2 - 植物栽培システム - Google Patents
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Description
図1乃至図4を参照しつつ、本実施形態に係る植物栽培システム1の全体構成の一例について説明する。なお図1においては、図示の煩雑を避けるためにシステム全体の構成を概略的に示すだけとし、各部の詳細な構造については簡略化して模式的に示している。
積層栽培棚5には、複数段(この例では8段)の栽培棚5aが上下方向に多段で積層するよう配置されている。なお、「上下方向」は厳密な鉛直方向である必要はなく、実質的な鉛直方向であればよい。したがって、「上下方向」には鉛直方向に対して若干傾斜した方向も含まれる。また、積層栽培棚5における栽培棚5aの積み重ね方向は、上下方向に限定されるものではなく、上下方向に対して所定の角度で傾斜した方向としてもよい。
次に、植物栽培システム1における植物保持具3及び植物2の搬送順序の一例について説明する。搬入コンベア7は、この例では種子が播種されて発芽した状態の植物2を保持する植物保持具3(詳細は後述する)を、図示しないパレタイザからA段の後側から搬入供給する。また搬出コンベア8は、D段における各段の栽培棚5aの後側から、十分に生育した状態の植物2を保持した植物保持具3を搬出する。
上述したように、本実施形態の植物栽培システム1は、収穫部9と後処理部10をさらに有している。
次に、図5及び図6を用いて、搬送ロボット6の構成の一例について説明する。なお、図5及び図6においては積層栽培棚5の前側に配置される搬送ロボット6を斜視で示しており、X軸正の方向が右、X軸負の方向が左、Y軸正の方向が後、Y軸負の方向が前、Z軸正の方向が上、Z軸負の方向が下に対応する。また、積層栽培棚5の後側に配置される搬送ロボット6については、同じ構成のものをX軸、Y軸のそれぞれの正負方向を逆にしただけであるため、その図示を省略する。
搬送ロボット6は、植物保持具3及び植物2を一のレール4の端部から取り出して搬送し、他のレール4の端部へ押し込んで供給する。図5に示すように、搬送ロボット6は、基台16と、基台16上に設置された門型の支持枠17と、支持枠17に設けられたアクチュエータ30と、ハンド21とを有する。
図6に示すように、ハンド21は、ベース22と、一対のスライダ24と、一対の爪部材25と、駆動ブロック26とを有する。一対のスライダ24は、ベース22の前面下方部でX軸方向に延設された2対のレール部材23に対し、それらの延設方向に沿って摺動自在に嵌合されている。一対の爪部材25は、一対のスライダ24の下端にそれぞれ取り付けられ、X軸方向に略平行に配置されている。駆動ブロック26は、ベース22の前面上方部に設けられ、駆動機構(図示せず)を内蔵している。駆動機構は、例えばエアーコンプレッサ等の圧力源からの流体圧力でスライダ24を駆動し、一対の爪部材25をX軸方向に略平行な姿勢を保持しつつ互いに進退するように開閉させる。一対の爪部材25の先端の爪部28の内側には、植物保持具3の支持部35(後述の図7参照)を支持する溝部28aが形成されている。溝部28aは、Y軸方向から見た形状が支持部35の形状に対応した形状(この例では等脚台形状)となっている。また各溝部28aの内部において当該爪部材25の先端から所定距離の位置に、互いに対向し近接する方向で突出した一対のストッパピン28bが設けられている。なお、図示する例では各ストッパピン28bは円柱形状で形成されているが、他に多角柱形状で形成されてもよい(図示省略)。
次に、図7及び図8を用いて、植物保持具3の構成の一例について説明する。なお、図8(a)は、図7(a)中の矢視VIIIa−VIIIaでの左右方向直交断面を示しており、図8(b)は、図7(a)中の矢視VIIIb−VIIIbでの前後方向直交断面を示している。また、図7及び図8に示す方向は、実際に植物保持具3がレール4に支持されて使用される状態での方向を示す。
図9は、上記図8(a)中のA部を拡大して示している。この図9において、保持筒部32は、上述したように鉛直方向を軸方向とした内径部39を有し、本体部31を上下方向に貫通した筒形状部である。その上端開口部は本体部31の上面から突出せずに面一の状態で形成され、下端開口部は本体部31の下面から下方に所定の突出寸法で突出するよう形成されている。
次に、図10を用いて、レール4の構成の一例について説明する。なお、図10に示す方向は、レール4が栽培棚5aに設置された状態での方向を示しており、図中では前後方向におけるレール4の直交断面で示している。
上記構成の植物栽培システム1は、播種、育苗、定植の工程を通じ、葉物野菜等の植物2を多数株まとめて大量に栽培することが可能である。その栽培工程では、栽培対象の植物2を1株ごとに植物保持具3で保持し、その植物保持具3をレール4に沿って移動させることにより生育状態に応じた環境に移行させて植物2を生育させる。このような植物栽培システム1では、上述したように植物保持具3に鉛直方向で貫通する保持筒部32を形成し、この保持筒部32に充填した培地50に植物2の種子を播種して生育させることで、保持筒部32の内径部39に植物2の茎部2aを保持させつつその上方に葉部2bを、その下方に根部2cを配置させた状態で搬送することができる。
図11は、後処理部10の全体構成を側面から示している。なおこの例において、当該後処理部10の設置位置は上記後方の搬送ロボット6の搬送可能範囲内にあればよく、上記積層栽培棚5の下方に配置したり、または側方に並べたり、または直列に並べたり、多様な位置に配置できる。また、当該後処理部10を設置する向き(植物保持具3の搬送方向)についても、積層栽培棚5における搬送方向と平行な関係に限られず、直交または所定の角度をなすような多様な配置関係であってもよいため、図11中には向きを定義する図示を省略している。この図11において後処理部10は、フレーム枠61と、後処理レール部62と、抜脱機構63と、清掃機構64とを有している。
図12は、植物2(茎部2a及び根部2c)を保持した植物保持具3の上記収穫部9及び後処理部10における処理工程を示している。まず、上記収穫部9に搬送された植物保持具3は、図12(a)に示すように上方の葉部2bと下方の根部2cを連結する茎部2aを保持筒部32に貫通させて、当該植物2の全体の略中央位置を保持した状態となっている。これに対して収穫部9は、カッタなどの切断機構により保持筒部32の上端開口部39a近傍で植物2を切断して、葉部2bのみを分離し収穫する。その結果、図12(b)に示すように保持筒部32の内径部39に茎部2aを貫通させたままその茎部2aの上端に葉元部2dを残し、茎部2aの下方に根部2cを連ねた状態の植物保持具3が後処理部10に搬送される。なお、葉元部2dはその外径が保持筒部32の内径より大きいため、それに連なる茎部2a及び根部2cが植物保持具3から自重で抜け落ちない。
以上説明したように、本実施形態の植物栽培システム1は、葉部2bが切り落とされた植物2を保持筒部32(の内径部39)が保持した状態の植物保持具3に対して、抜脱ロッド63bの先端を保持筒部32に挿入することで植物2を植物保持具3から抜脱させる抜脱機構63を有する。これにより、葉部2bを収穫した後の工程において、人の手作業によらず多数の植物保持具3から根部2cと茎部2aを自動的に除去することができる。この結果、収穫作業後の後工程における植物栽培システム1の作業効率が向上する。
2 植物
3 植物保持具
4 レール
5 積層栽培棚
5a 栽培棚
6 搬送ロボット
7 搬入コンベア
8 搬出コンベア
9 収穫部
10 後処理部
15 光源
21 ハンド
31 本体部
32 保持筒部
39 内径部
39c 小径部(小口部)
40 レール部
48 培養液
50 培地
61 フレーム枠
62 後処理レール部
62a 支持レール板(板部)
62b 抑えレール板(板部)
63 抜脱機構
63b 抜脱ロッド(突き押し部)
64 清掃機構
64b 清掃ロッド(清掃部)
64c ブラシ
Claims (7)
- 栽培対象の植物を保持する保持穴部を備えた植物保持具と、
葉部が切り落とされた前記植物を前記保持穴部が保持した状態の前記植物保持具に対して、突き押し部の先端を前記保持穴部に挿入することで前記植物を前記植物保持具から抜脱させる抜脱機構と、
前記抜脱機構により前記植物が抜脱された状態の前記植物保持具に対して、清掃部を前記保持穴部に摺接するよう貫通させることで当該保持穴部の内側面を清掃する清掃機構と、
を有する植物栽培システム。 - 前記清掃部は、
径方向に植毛されたブラシである請求項1記載の植物栽培システム。 - 前記清掃機構は、
前記植物保持具に対して前記抜脱機構とは反対側から前記清掃部を前記保持穴部に貫通させる請求項1又は2記載の植物栽培システム。 - 前記保持穴部は、
軸方向途中位置に両端の開口部よりも軸直交断面積が小さい小口部を有している請求項1乃至3のいずれか1項に記載の植物栽培システム。 - 複数の前記植物保持具を搬送方向に沿って移動可能に支持するよう構成された後処理レール部と、
前記後処理レール部に支持された前記複数の植物保持具を搬送する搬送機構と、
をさらに有する請求項1乃至4のいずれか1項に記載の植物栽培システム。 - 前記後処理レール部は、
前記抜脱機構及び前記清掃機構のうち少なくとも一方が処理する対象の植物保持具に対して前記保持穴部の軸方向で前記植物保持具を挟む配置の一対の板部を有している請求項5記載の植物栽培システム。 - 栽培対象の植物を保持する保持穴部を備えた植物保持具と、
葉部が切り落とされた前記植物を前記保持穴部が保持した状態の前記植物保持具に対して、第1の突き押し部の先端を前記保持穴部の一方側から他方側へ挿入することで前記植物を前記植物保持具から抜脱させる第1の抜脱機構と、
前記第1の抜脱機構により前記植物が抜脱された前記植物保持具に対して、第2の突き押し部の先端を前記保持穴部の前記他方側から前記一方側へ挿入することで前記植物の残部を前記植物保持具から抜脱させる第2の抜脱機構と、
を有する植物栽培システム。
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