以下、図面を参照し、本発明の実施の形態を詳しく説明する。説明の便宜上、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。また、説明を分かりやすくするために、以下で参照する図面においては、構成が簡略化または模式化して示されたり、一部の構成部材が省略されたりしている。各図に示された構成部材間の寸法比も、必ずしも実際の寸法比を示すものではない。
[クロスモダリティ効果の概要]
まず、クロスモダリティ効果について説明する。クロスモダリティ効果とは、複数の感覚器官で得られた情報が脳に入り、脳が入ってきた情報と脳の中にある情報とを統合して判断する際に、複数の感覚器官の中の少なくとも1つが、通常とは異なる別の情報を取得することで、脳がこの別の情報をも統合し、別の情報が統合されなかった場合とは異なる判断を行うことである。通常とは異なる別の情報は、ユーザーに本来とは異なる感覚を与え、これが判断を異ならせる。
図21は、クロスモダリティ効果を説明する図であり、(a)は、クロスモダリティ効果が発現していない場合を示し、(b)は、クロスモダリティ効果が発現している場合を示す。
図21の(a)に示すように、「未完熟のいちご」に対して、複数の感覚器官が、視覚、味覚、嗅覚、聴覚、触覚、温度感覚等の情報を得る。触れたり、食べたりできない状況では、「未完熟のいちご」より得られる情報は、視覚情報、嗅覚情報となる。脳は、得られた「未完熟のいちご」の視覚情報と嗅覚情報を脳の中の情報と統合して、「硬くて酸っぱそうないちご」と判断する。
一方、図21の(b)に示すように、複数の感覚器官の中の少なくとも1つに別の情報を取得させた場合、例えば、「未完熟のいちご」に対して白色の光を照射し、視覚情報に「つやつやした光沢」の情報をプラスで取得させると、その場合、同じ「未完熟のいちご」であっても、脳は、「瑞々しくておいしそうないちご」と、異なる判断をする。このとき、ユーザーに本来とは異なる「つやつやした感じ」が与えられ、これが判断を異ならせる。
また、例えば、「甘い匂い」を足して、嗅覚情報に「甘い匂い」の情報をプラスで取得させると、同じ「未完熟のいちご」であっても、脳は「甘くておいしそうないちご」と、異なる判断をする。このとき、ユーザーに本来とは異なる「甘い匂い」が与えられ、これが判断を異ならせる。
このように、複数の感覚器官の中の少なくとも1つに通常とは違う情報をプラスで取得させて、クロスモダリティ効果を発現させることで、脳が判断する「味のイメージ」を変えることができる。
[第1の実施の形態]
<飲料製造機1の概要構成>
本実施の形態に係る食品保持部を備えた装置としての飲料製造機1の概要について、図を用いて説明する。図2は、本実施の形態に係る飲料製造機1の全体構成を示す概略図であり、(a)は正面、(b)は側面を示す。
図2の(a)(b)に示すように、飲料製造機1は、飲料となる食材を保持する容器2を有している。容器2内には、食材を撹拌したり、混合したり、あるいは粉砕したりして食品としての飲料を製造する製造部(不図示)が配設されている。容器2の上面は開口されており、該開口より容器2内に食材が投入される。該開口には、容器2内の食材や飲料が飛散したりこぼれたりすること等を防ぐための蓋部6が設けられている。
製造された飲料(食品)は、容器2の内部と連通している飲料排出部3を介して排出される。飲料排出部3には排出口3aが設けられると共に、排出口3aに至る飲料(対象物)に光を照射する発光部5が配設されている。発光部5は、RGBフルカラーLED光源を有し、多様な色を再現することができ、点灯時間、点滅パターン等を任意に変化させることができる。
容器2および飲料排出部3は、台座部4に支持されている。台座部4には、製造部を駆動するモータ(不図示)等が収容されると共に、ユーザーが飲料製造機1を操作するための操作部7が設けられている。なお、操作部7は、スイッチ式に限らず、タッチパネル式であっても良い。
図1は、飲料製造機1の発光制御部を含む要部の構成を示すブロック図である。飲料製造機1は、発光部5を制御する発光制御部10を備えている。発光制御部10は、製造部を駆動させるためのモータ等を制御する、飲料製造機1の制御装置(不図示)に備えられていてもよいし、別に備えられていてもよい。
図1に示すように、発光制御部10には、前述の操作部7からユーザーの指示が入力される。ここでは、操作部7から、調理メニューを示す指示と味覚演出の指示とが入力される。調理メニューは、例えば、「トマトジュース」、「グリーンジュース」、「ぶどうジュース」、「人参ジュース」、「コーンスープ」、「コーヒー」…などの製造可能な飲料の種類を示す。味覚演出は、調理メニュー毎に選択できる味覚に関わる演出の種類を示すオプションである。例えば、調理メニューが「グリーンジュース」である場合は、「さっぱり感」、「やわらか感」等の味覚演出を選択できる。
発光制御部10は、発光部5が飲料排出部3を通る飲料に照射する光の色(以下、照射色)を決定する。照射色は、見た目における食品らしさやおいしさ感を損なうことなく、甘さ感や、酸味感、コク感、さっぱり感など、その食品らしさ以外の味覚をも向上し得る、飲料の色相を敢えて変化させる色である。このような飲料の色相を変化させる照射色は、各々の食品の全体的な表色によって決定され、食品に対する味覚を向上し得るL*C*h表色系の色相角度(h)が照射の対象の食品の全体的な表色に対して10度以上異なる色である。なお、飲料の色相を敢えて変化させる照射色の詳細については後述する。
また、照射色には、飲料に照射されることで、見た目におけるその飲料らしさ(トマトジュースであればトマトジュースらしさ、グリーンジュースであればグリーンジュースらしさ)やおいしさ感を向上させる、従来からある、飲料の色相を変化させない色も含まれている。
発光制御部10は、対象物表色決定部11、味覚演出決定部12、照射色決定部13、および記憶部14を有する。
対象物表色決定部11は、照射の対象物である飲料の全体的な表色である対象物表色を決定する。対象物表色決定部11は、飲料の全体的な表色である対象物表色を、飲料の全体的な表色を特定できる情報に基づいて決定する。本実施の形態では、対象物表色決定部11は、操作部7から入力される調理メニューの指示を基に、記憶部14を参照して飲料の全体的な表色(以下、対象物表色)を決定する。
記憶部14には、対象物表色決定部11が調理メニューの指示を基に対象物表色を決定するために必要なデータが格納されている。図3に、記憶部14に格納されている調理メニュー情報と対象物表色情報とを関連付けたテーブルの一例を示す説明図である。図3に示すように、例えば、調理メニュー情報がトマトジュースであれば対象物表色は赤色、グリーンジュースであれば緑色、コーヒーであれば茶色というように対応付けられている。対象物表色決定部11は、決定した対象物表色情報を照射色決定部13に送る。
味覚演出決定部12は、飲料に対する味覚の演出を決定する。本実施の形態では、味覚演出決定部12は、操作部7から入力される味覚演出の指示を基に飲料に対する味覚演出を決定する。味覚演出決定部12は、決定した味覚演出情報を照射色決定部13に送る。
照射色決定部13は、対象物表色決定部11より入力される対象物表色情報、および味覚演出決定部より入力される味覚演出情報を基に、発光部5の照射色を決定する。
記憶部14には、照射色決定部13が対象物表色情報と味覚演出情報とを基に照射色を決定するために必要なデータが格納されている。図4に、記憶部14に格納されている対象物表色情報および味覚演出情報と照射色情報とを関連付けたテーブルの一例を示す説明図である。図4に示すように、対象物表色情報が「緑色」であれば、緑色に対して選択可能な味覚演出の「さっぱり感」と「やわらか感」のそれぞれに、照射色情報が対応付けられている。
照射色情報は、明度(L*)、彩度(C*)、色相角度(h)からなるL*C*h表色系にて表されている。「照射色」とは、発光部5によって放射される光が純白色の面に照射された場合の、その面における見た目上の明度、彩度、および色相の3つにより定義される色である。なお、以下、実施の形態の説明において、L*C*h表色系における明度(L*)は単に明度と記載し、彩度(C*)は単に彩度、色相角度(h)は単に色相角度と記載する。
例えば、「緑色」と「さっぱり感」との組み合わせの照射色1は、明度90以上(上限100)で、彩度は0以上60以下(上限60)、色相角度が30度以上110度未満の範囲内となる色である。また、「緑色」と「やわらか感」との組み合わせの照射色2は、明度が50以上90未満で、彩度が40以上60以下(上限60)、色相角度が30度以上110度未満の範囲内となる色である。
また、「茶色」と「旨味感」との組み合わせの照射色N-3は、明度90以上(上限100)で、彩度は0以上60以下(上限60)、色相角度が−20度以上30度未満の範囲内となる色である。なお、照射色N−3は、明度90以上(上限100)で、彩度は0以上60以下(上限60)、色相角度が200度以上340度未満の範囲内となる色としてもよい。「茶色」と「酸味感」との組み合わせの照射色N−2は、明度が50以上90未満で、彩度が40以上60以下(上限60)、色相角度が−20度以上30度未満の範囲内となる色である。「茶色」と「深み感」との組み合わせの照射色N−1は、明度が50以上90未満で、彩度が40以上60以下(上限60)、色相角度が200度以上340度未満の範囲内となる色である。
なお、「茶色」と「甘さ感」との組み合わせの照射色Nは、明度が50以上90未満で、彩度が40以上60以下(上限60)、色相角度が30度以上110度未満の範囲内となる色である。色相30度以上110度未満の範囲内は「茶色」であり同色系である。しかしながら、この場合も、対象物の茶色の色相(30度以上110度未満の中の任意の1点)に対して10以上の色相差を持たせることで、その食品らしさ以外の味覚を向上し得る。
<飲料製造機1の詳細構成>
飲料製造機1の詳細構成について図5を用いて説明する。図5は、飲料製造機1の飲料排出部3の周辺に取り付けられた発光部5の発光域を示す概略図である。発光部5は、飲料排出部3の外側に設置され、飲料排出部3の外側から発光部5の光源によって飲料排出部3内を照らすことができる。
ユーザーは、容器2に食材を入れ、操作部7において調理メニュー(食材の加工方法)を選択し、実行する。その際、操作部7からの入力に基づいて、発光制御部10は、対象物表色および味覚演出を決定し、決定した対象物表色および味覚演出に基づく照射色を決定する。
その後、ユーザーは、製造した飲料を容器2から飲料排出部3を介して飲料を飲むための食器(不図示)に移す。飲料は飲料排出部3を通過する際に、発光部5の光源により、発光制御部10において決定された照射色で照らされる。飲料を食器に注ぎ終わると、ユーザーは、食器に注がれた飲料を飲み、飲料の味や風味等を楽しむ。
飲料製造機1においては、この一連の動作の中で、ユーザーにクロスモダリティ効果を発現させる。つまり、飲料が持っている本来の色に加え、発光部5の光源の色を加えることで、ユーザーの脳での情報処理の際に、クロスモダリティ効果により、視覚情報とその他の感覚情報とが統合され、ユーザーは実際とは異なる感覚を認知することができる。
例えば、食材本来の色単体では、青臭そうに見えるホウレンソウジュースの場合、オレンジ色の光源を照らすことで、柔らかさ感や、さっぱり感、甘さ感などおいしさを味に付加できる。これは、ホウレンソウの緑色と光源のオレンジ色の視覚情報が脳で統合される際、クロスモダリティ効果が発現し、味覚としておいしさを認知することができるためである。
特に、本実施の形態においては、飲料製造機1の飲料排出部3の周辺に発光部5を配置することで、例えば、容器2や蓋部6に配置して、容器2内の飲料を照らすよりも強力なクロスモダリティ効果を得ることができる。製造した飲料を(飲料を飲むための)食器に注ぐ際、飲料がこぼれないように注意を払うため、飲料排出部3を凝視する傾向にある。飲料を飲む直前に飲料排出部3の周辺を凝視し、集中することで、ユーザーは、発光部5の光源からの光による視覚情報を他の感覚情報に阻害されることなく感受する。その結果、発光部5の影響度合いを大きくすることができ、強力なクロスモダリティ効果がもたらされる。
<照射色の詳細>
前記照射色の詳細について、図を用いて説明する。ここで、対象物表色および照射色の色の定義として、前述したように、L*C*h表色系を用いている。
図6に、照射対象物である飲料として、表色の異なる5種を選び、各々の対象物表色の色相角度とこれに照射する照射色の色相角度との差(色相差)と、その際の飲み物(食品)への味覚的印象についての関係を調べた結果を示す。飲料としては、
・赤色系の代表としてトマトジュース
・橙色または黄色系の代表としてコーンスープ
・緑色系の代表としてグリーンジュース
・青色系の代表としてぶどうジュース
・茶色系の代表としてコーヒー
の5種について調べた。
ここでの調査実験は、被験者12名に主観評価を行ったものである。色相以外の明度、彩度に関しては対象物表色と照射色では同条件としている。
また、上記5種の飲料については、同じ種類であっても、原材料の違い等で異なる表色に違いを網羅するべく、同色系でありながら表色の異なるいくつかのものについて実施している。上記5種類の飲料の表色の分布範囲は、概ね、
・トマトジュースの表色の分布範囲:明度30以上60以下,彩度40以上60以下、色相角度−20度以上30度未満
・コーンスープの表色の分布範囲:明度30以上60以下,彩度40以上60以下,色相角度30度以上110度未満
・グリーンジュースの表色の分布範囲:明度30以上60以下,彩度40以上60以下,色相角度110度以上200度未満
・ぶどうジュースの表色の分布範囲:明度30以上60以下,彩度40以上60以下,色相角度200度以上340度未満
・コーヒーの表色の分布範囲:明度30以上60以下,彩度10以上40以下,色相角度30度以上110度未満
とした。
図6に示すように、前記5種の飲料についてのいずれの場合についても、色相角度の差が10度を超えたころから味覚の印象に差が表れる。例えば、トマトジュースの場合は、10度を超えたころからやや甘みを感じる。コーンスープの場合は、10度を超えたころからやや深みを感じ、16度を超えると深みを感じる。グリーンジュースの場合は、10度を超えたころから、ややさっぱりさを感じ、16度を超えるとやわらかさを感じる。ぶどうジュースの場合は、10度を超えたころからやや甘みを感じる。コーヒーの場合は、10度を超えたころからやや酸味を感じる。
これらのことから、概ねどの色相の照射対象物であっても、色相角度の差が10度を超えるとその対象物とは異なる味覚の印象を与えることがわかる。つまり、対象物表色における色相と照射色の色相との差である色相差が、少なくとも10度以上異なるように、発光部5における照射色を決定することで、味覚的効果を付与することができる。
<赤色系の表色に対する照射色>
図7に、前述の調査実験にて、トマトジュースに対する照射色の明度、彩度および色相角度と味覚的印象との関係をさらに調査した結果を示す。図7において、味覚的印象として「×」を示したものは好意的な味覚を示さなかったものであり、「○」を示したものは何らかの好意的な味覚を示したものである。「○」については、どのような味覚的印象かについて、その概要についても図中に記載している。
図7に示すように、照射色の明度が90以上(上限100)の場合は、照射色の色相によらず味覚的印象として新鮮感が向上する。さらに、この場合、色相角度が10度以上とすることで、新鮮感がより一層向上し好ましい。照射色の明度が50以上90未満の場合は色相により味覚が異なり、彩度が40以上60以下、色相角度が−20度以上110度未満の範囲内であれば、トマトジュースらしさを味覚的に強調して感じる。それ以外については、概ね違和感があるなど好意的な味覚を示さない。
以上のように、赤色系の表色をもつ飲料、すなわち明度が30以上60以下、彩度が40以上60以下、色相角度が−20度以上30度未満の範囲内の表色である食品に対しては、照射色の明度が90以上となる白に近い色の光であって、かつ、色相角度が10度以上異なる光を照射することで、新鮮感のより一層の向上といった当該食品らしさ以外のさらなる好意的な味覚の付加を行うことができる。
<橙色〜黄色系の表色に対する照射色>
図8に、前述の調査実験にて、コーンスープに対する照射色の明度、彩度および色相角度と味覚的印象との関係をさらに調査した結果を示す。なお、この図における味覚的印象等の結果の記載の仕方は、図7と同じである。
図8に示すように、照射色の明度が90以上の場合は、照射色の色相によらず味覚的印象としてコク感が向上する。さらに、この場合、色相角度が10度以上とすることで、コク感がより一層向上し好ましい。照射色の明度が50以上90未満の場合は色相により味覚が異なり、彩度が40以上60以下、色相角度が−20度以上30度未満または110度以上200度未満の範囲内であれば、濃さや深みなどを強調して感じる。彩度が40以上60以下、色相角度が30度以上110度未満の範囲内であれば、コーンスープらしさを味覚的に強調して感じる。また、それ以外については概ね違和感があるなど好意的な味覚を示さない。
以上のように、橙色〜黄色系の表色をもつ飲料、すなわち明度が30以上60以下、彩度が40以上60以下、色相角度が30度以上110度未満の範囲内の表色である食品に対しては、照射色の明度が90以上となる白に近い色の光であって、かつ、色相角度が10度以上異なる光を照射することで、コク感のより一層の向上といった当該食品らしさ以外のさらなる好意的な味覚の付加を行うことができることがわかる。また、照射色の明度が50以上90以下、彩度が40以上60以下、色相角度が−20度以上30度未満または110度以上200度未満の範囲内となる光を照射することで、濃さ感や深み感の向上といった当該食品らしさ以外のさらなる好意的な味覚の付加を行うことができる。
<緑色系の表色に対する照射色>
図9に、前述の調査実験にて、グリーンジュースに対する照射色の明度、彩度および色相角度と味覚的印象との関係をさらに調査した結果を示す。この図における味覚的印象等の結果の記載の仕方は、図7と同じである。
図9に示すように、照射色の明度が90以上の場合においては、照射色の色相によらず味覚的印象としてさっぱり感が向上する。さらに、この場合、色相角度が10度以上とすることで、さっぱり感がより一層向上し好ましい。照射色の明度が50以上90未満の場合は色相により味覚が異なり、彩度が40以上60以下、色相角度が30度以上110度未満の範囲内であれば、やわらか感を強調して感じる。また、それ以外については概ね違和感があるなど好意的な味覚を示さない。
以上のように、緑色系の表色をもつ飲料、すなわち明度が30以上60以下、彩度が40以上60以下、色相角度が110度以上200度未満の範囲内の表色である食品に対しては、照射色の明度が90以上となる白に近い色の光であって、かつ、色相角度が10度以上異なる光を照射することで、さっぱり感のより一層の向上といった当該食品らしさ以外のさらなる好意的な味覚の付加を行うことができる。また、照射色の明度が50以上90度未満、彩度が40以上60以下、色相角度が30度以上110度未満の範囲内となる光を照射することで、やわらか感の向上といった当該食品らしさ以外のさらなる好意的な味覚の付加を行うことができる。
<青色系の表色に対する照射色>
図10に、前述の調査実験にて、ぶどうジュースに対する照射色の明度、彩度および色相角度と味覚的印象との関係をさらに調査した結果を示す。この図における味覚的印象等の結果の記載の仕方は、図7と同じである。
図10に示すように、照射色の明度が90以上の場合は、照射色の色相によらず味覚的印象として軽さ感が向上する。さらに、この場合、色相角度が10度以上とすることで、軽さ感がより一層向上し好ましい。照射色の明度が50以上90未満の場合は色相により味覚が異なり、彩度が40以上60以下、色相角度が−20度以上30度未満の範囲内であれば、甘さ感を強調して感じる。また、彩度が40以上60以下、色相角度が30度以上110度未満の範囲内であれば、やわらか感を強調して感じる。また、それ以外については概ね違和感があるなど好意的な味覚を示さない。
以上のように、青色系の表色をもつ飲料、すなわち明度が30以上60以下、彩度が40以上60以下、色相角度が200度以上340度未満の範囲内の表色である食品に対しては、照射色の明度が90以上となる白に近い色の光であって、かつ、色相角度が10度以上異なる光を照射することで、軽さ感のより一層の向上といった当該食品らしさ以外のさらなる好意的な味覚の付加を行うことができる。また、照射色の明度が50以上90未満、彩度が40以上60以下、色相角度が−20度以上30度未満の範囲内となる光を照射することで、甘さ感の向上といった当該食品らしさ以外のさらなる好意的な味覚の付加を行うことができる。また、照射色の明度が50以上90度未満、彩度が40以上60以下、色相角度が30度以上110度未満の範囲内となる光を照射することで、やわらか感の向上といった当該食品らしさ以外のさらなる好意的な味覚の付加を行うことができる。
<茶色系の表色に対する照射色>
図11に、前述の調査実験にて、コーヒーに対する照射色の明度、彩度および色相角度と味覚的印象との関係をさらに調査した結果を示す。この図における味覚的印象等の結果の記載の仕方は、図7と同じである。
図11に示すように、照射色の明度が90以上の場合は、照射色の色相によらず味覚的印象として旨み感が向上する。さらに、この場合、色相角度が10度以上とすることで、旨み感がより一層向上し好ましい。照射色の明度が50以上90未満の場合は色相により味覚が異なり、彩度が40以上60以下、色相角度が−20度以上30度未満の範囲内であれば、酸味感を強調して感じる。
また、彩度が40以上60以下、色相角度が30度以上110度未満の範囲内であれば、甘さ感を強調して感じる。また、彩度が40以上60以下、色相角度が200度以上340度未満の範囲内であれば、深み感を強調して感じる。また、それ以外については概ね違和感があるなど好意的な味覚を示さない。
以上のように、茶色系の表色をもつ飲料、すなわち明度が30以上60以下、彩度が10以上40以下、色相角度が30度以上110度未満の範囲内の表色である食品に対しては、照射色の明度が90以上となる白に近い色の光であって、かつ、色相角度が10度以上異なる光を照射することで、旨み感のより一層の向上といった当該食品らしさ以外のさらなる好意的な味覚の付加を行うことができる。また、照射色の明度が50以上90未満、彩度が40以上60以下、色相角度が−20度以上30度未満の範囲内となる光を照射することで、酸味感の向上といった当該食品らしさ以外のさらなる好意的な味覚の付加を行うことができる。また、照射色の明度が50以上90未満、彩度が40以上60以下、色相角度が30度以上110度未満の範囲内となる光を照射することで、甘さ感の向上といった当該食品らしさ以外のさらなる好意的な味覚の付加を行うことができる。また、照射色の明度が50以上90未満、彩度が40以上60以下、色相角度が200度以上340度未満の範囲内となる光を照射することで、深み感の向上といった当該食品らしさ以外のさらなる好意的な味覚の付加を行うことができる。
<白色系の表色に対する照射色>
前述の調査実験と同様の調査実験を、白色系の代表としての牛乳について実施した。前述の調査実験同様、牛乳についても表色の異なるいくつかのものについて実施しており、それらは概ね明度が90以上の範囲内に分布している。図12に、牛乳に対する照射色の明度、彩度および色相角度と味覚的印象との関係をさらに調査した結果を示す。この図における味覚的印象等の結果の記載の仕方は、図7と同じである。
図12に示すように、照射色の明度が90以上の場合においては、照射色の色相によらず味覚的印象としてコク感が向上する。さらに、この場合、色相角度が10度以上とすることで、コク感がより一層向上し好ましい。照射色の明度が50以上90未満の場合は色相により味覚が異なり、彩度が40以上60以下、色相角度が−20度以上110度未満の範囲内であればコク感を強調して感じる。また、彩度が40以上60以下、色相角度が110度以上340度未満の範囲内であれば爽やかさ感を強調して感じる。また、それ以外については概ね違和感があるなど好意的な味覚を示さない。
以上のように、白色系の表色をもつ飲料、すなわち明度が90以上の範囲内の表色である食品に対しては、照射色の明度が90以上となる白に近い色の光であって、かつ、色相角度が10度以上異なる光を照射する、あるいは、照射色の明度が50以上90未満、彩度が40以上60以下、色相角度が−20度以上110度未満の範囲内となる光を照射することで、コク感の向上といった当該食品らしさ以外のさらなる好意的な味覚の付加を行うことができる。
また、照射色の明度が50以上90未満、彩度が40以上60以下、色相角度が110度以上340度未満の範囲内となる光を照射することで、爽やか感の向上といった当該食品らしさ以外のさらなる好意的な味覚の付加を行うことができる。
<本実施の形態の変形例>
(変形例1)
本実施の形態において、発光部5にはRGBフルカラーLED光源を備えた例を示したが、必ずしも光源はフルカラーである必要はない。例えば前述の<茶色系の表色に対する照射色>および図11に記載の通り、茶色系の飲料(食品)においては、色相角度が110度以上200度未満の緑色系の照射色については味覚の印象に好意的な影響を及ぼさない。そこで、飲料製造機1がコーヒーの調理に特化したコーヒーメーカーである場合、発光部5の光源は、色相角度が110度以上200度未満の緑色系の色を発色しない構成であってもよい。
(変形例2)
本実施の形態においては、対象物表色決定部11は、操作部7から入力される調理メニューの指示を基に対象物表色を決定する構成であった。しかしながら、対象物表色の決定に、必ずしも操作部7よる指示が伴う必要はない。
例えば図13に示すブロック図のように、飲料製造機1にカメラ部20を備えさせて、飲料(対象物)の画像(対象物画像)を取り込み、その画像情報から対象物表色決定部11にて対象物表色の決定を行う構成であっても良い。図13は、飲料製造機1の発光制御部10を含む要部に関する変形例を示すブロック図である。
(変形例3)
本実施の形態においては、味覚演出決定部12は、操作部7から入力される味覚演出の指示を基に飲料に対する味覚演出を決定する構成であった。しかしながら、味覚演出の決定に、必ずしも操作部7よる指示が伴う必要はない。
例えば図14に示すブロック図のように、調理メニューの指示が味覚演出決定部12にも入力する構成とし、味覚演出決定部12が記憶部14を参照して、調理メニューに応じて一意に決まる味覚演出情報を取得して決定する構成であってもよい。図14は、飲料製造機1の発光制御部10を含む要部に関する変形例を示すブロック図である。
この場合、記憶部14には、調理メニュー情報に対応付けた味覚演出情報が一意に格納される。例えば、前述の<青色系の表色に対する照射色>のぶどうジュースの例では、ぶどうジュースの味覚演出として「甘さ感向上」を対応付ける。この場合、ぶどうジュースの調理が選択されると、味覚演出は「甘さ感向上」に決定される。
また、発光制御部10に、日時を示す日時情報を生成するクロック部22を備えさせ、日時情報に応じて味覚演出決定部12にて味覚の演出を決定する構成としてもよい。例えば、前述のぶどうジュースの例では、ぶどうジュースの味覚演出として、朝の時間帯は「甘さ感向上」、夜の時間帯は「やわらかさ感向上」を対応付ける。この場合、ぶどうジュースの調理が選択された場合、朝の時間帯であれば味覚演出は「甘さ感向上」に決定され、夜の時間帯であれば味覚演出は「やわらかさ感向上」に決定される。
また、図14に示すブロック図の飲料製造機1が、例えば前述のコーヒーメーカーのような場合においては、対象物表色は自ずと決定される。そのため、コーヒーメーカーのように、製造する飲料の色が一意に決まっている場合は、対象物表色決定部11を省略することができる。その場合、操作部7よりなされる「調理開始」の指示情報を照射色決定部13に入力させればよい。
(変形例4)
本実施の形態においては、対象物表色決定部11が決定した対象物表色情報を照射色決定部13に送り出す構成としている。しかしながら、対象物表色決定部11が決定する対象物表色情報は、実際の表色情報(例えば表色座標系での色の情報)である必要は無く、例えば色の薄いアメリカンコーヒーと色の濃いブレンドコーヒーを同じ「コーヒー」というカテゴリ情報であってもよい。この場合、記憶部14には、カテゴリ情報と味覚演出情報との組み合わせに対応付けて照射色が格納される。
(変形例5)
また、本実施の形態において、発光部5の設置位置を飲料製造機1における飲料排出部3としたが、必ずしもこの位置に限定される必要はない。例えば、図15に示すよう飲料製造機1のように、飲料排出部3の先端部の排出口3aに発光部5を設ける構成としてもよい。この場合、飲料を飲むための食器25にて排出口からの飲料を受ける位置に向けて発光部5からの光を照射しても良い。このようにすることで、飲料製造機1の排出口3aからの飲料排出時のみならず飲料を飲むための食器25に飲料が溜まった状態においても、本発明の企図する効果を生じることができる。図15は、本発明の第1の実施の形態に係る飲料製造機1の発光部5の位置に関する変形例を示すブロック図である。
(変形例6)
また、その他、例えば図16、図17に示すように、容器2の中もしくは容器2の蓋部6に発光部5を設けて、容器2内の食材に向けて光を照射する構成としてもよい。この場合は、食材加工途中の濁りや色ムラ等の好ましくない色への嫌悪感の緩和などの効果も併せて生じることができる。図16、図17は、本発明の第1の実施の形態に係る飲料製造機1の発光部5の位置に関する別の変形例を示すブロック図である。
[第2の実施の形態]
<炊飯器30の構成>
本実施の形態に係る食品保持部を備えた装置としての炊飯器30の概要について、図を用いて説明する。図18は、本実施の形態に係る炊飯器30の全体構成および発光部5の発光域を示す概略図である。
図18に示すように、炊飯器30は、内部に内釜34がセットされる本体31を有する。本体31内にセットされた内釜34内に、食材である米等が入れられて調理される。本体31の上面は、蓋部32にて塞がれるようになっている。蓋部32は、本体31の後部において、本体31に対して開閉自在に設けられている。蓋部32の内側には、内蓋35が取り付けられており、該内蓋35が内釜34の蓋となる。また、蓋部32の上面(外面)に、操作部37が設けられている。
このような炊飯器30において、発光部5は、蓋部32の内側部分に取り付けられており、内釜34内の食品に光を照射するようになっている。
ユーザーは、食材を入れた内釜34を本体31内にセットし、操作部37において食材の加工方法である調理メニューおよび味覚演出のオプションを選択し、調理を実行する。その際、操作部37からの入力に基づいて、炊飯器30に備えられた発光制御部10は、対象物表色および味覚演出を決定し、決定した対象物表色および味覚演出に基づく照射色を決定する。
例えば、白米を炊飯する場合、操作部37にて調理メニューとして「白米」を、味覚演出として「コク感向上」を指示すると、該指示に基づいて発光制御部10が発光部5による照射色の決定を行う。
炊飯器30の場合、操作部37からは、調理メニューとして、「白米」の他、「赤飯」、「炊き込みご飯」、「チキンライス」、「ビーフシチュー」、「クリームシチュー」…などを選択できる。味覚演出としては、例えば、調理メニューの「白米」に対して「コク感」「爽やか感」等を選択できる。
炊飯器30に備えられた発光制御部10の記憶部14には、調理メニュー情報として、前述した飲料の種類に代えて、炊飯器30で調理可能な料理の種類が格納され、炊飯器30で調理可能な料理の種類に、対象物表色情報が対応付けられている。
調理終了後、蓋部32を開けた際、発光部5の光源により発光制御部10において決定された照射色で、内釜34内の食品が照らされる。ユーザーは、内釜34から食器に食品を移し替え、味や風味等を楽しむ。
前述した飲料製造機1と同様に、炊飯器30においても、この一連の動作の中で、ユーザーにクロスモダリティ効果を発現させる。つまり、食品が持っている本来の色に加え、発光部5の光源の色を加えることで、ユーザーの脳での情報処理の際に、クロスモダリティ効果により、視覚情報とその他の感覚情報とが統合され、ユーザーは実際とは異なる感覚を認知することができる。例えば、白米の場合、赤色系や橙色系の光源を照らすことで、コク感などのおいしさを味に付加できる。これは、白米の白色と光源の赤色系や橙色系の色の視覚情報が脳で統合される際、クロスモダリティ効果が発現し、味覚としておいしさを認知することができるためである。
炊飯器30の場合、特に、蓋部32の内側に発光部5を設置することで、強力なクロスモダリティ効果を得ることができる。調理した食材を食器に移し替える際、食品がこぼれないようにと注意を払うため、内釜34内を凝視する傾向がある。蓋部32の内側に発光部5を設置すると、白米やシチューやスープ等の食品の表面の輝きが増し、光源の光の印象をより強めることができる。それを凝視し、集中することで、発光部5光源の視覚情報は他の感覚情報に阻害されることなく感受することができ、発光部の影響度合いを大きくすることができる。
<照射色の詳細>
照射色の詳細については第1の実施の形態に準じ、対象物となる食品の表色の明度、彩度および色相角度および光源からの照射色の明度、彩度および色相角度に応じて、前述した図6〜図12記載の効果を得ることができる。
例えば、白米のように白色系の表色をもつ食品、すなわち明度が90以上の範囲内の表色である食品について、照射色の明度が90以上となる白に近い色の光であって、かつ、色相角度が10度以上異なる光を照射する、あるいは、照射色の明度が50以上90未満、彩度が40以上60以下、色相角度が−20度以上110度未満の範囲内となる光を照射することで、コク感の向上といった白米らしさ以外のさらなる好意的な味覚の付加を行うことができる。また、照射色の明度が50以上90未満、彩度が40以上60以下、色相角度が110度以上340度未満の範囲内となる光を照射することで爽やか感の向上といった白米らしさ以外のさらなる好意的な味覚の付加を行うことができる。
また、例えば、ビーフシチューのように茶色系の表色をもつ食品、すなわち明度が30以上60以下、彩度が10以上40以下、色相角度が30度以上110度未満の範囲内の表色である食品について、照射色の明度が90以上となる白に近い色の光であって、かつ、色相角度が10度以上異なる光を照射する、光を照射することで、旨み感の向上といったビーフシチューらしさ以外のさらなる好意的な味覚の付加を行うことができる。
また、照射色の明度が50以上90未満、彩度が40以上60以下、色相角度が−20度以上30度未満の範囲内となる光を照射することで、酸味感の向上といったビーフシチューらしさ以外のさらなる好意的な味覚の付加を行うことができる。また、照射色の明度が50以上90未満、彩度が40以上60以下、色相角度が30度以上110度未満の範囲内となる光を照射することで甘さ感の向上といったビーフシチューらしさ以外のさらなる好意的な味覚の付加を行うことができる。また、照射色の明度が50以上90未満、彩度が40以上60以下、色相角度が200度以上340度未満の範囲内となる光を照射することで深み感の向上といったビーフシチューらしさ以外のさらなる好意的な味覚の付加を行うことができる。
<本実施の形態の変形例>
本実施の形態においても第1の実施の形態の<変形例>の記載に準じる。また、本実施の形態において、発光部5の設置位置を蓋部32の内側部分とした例を示したが、必ずしもその位置に限定される必要はない。例えば本体31の上部の縁部に発光部5を設け、内釜34内に向けて光を照射させてもよい。この場合、蓋部32の内側部分に設けた場合よりも食品の間近で光を照射するため、照射色が食品の色をより強くカバーする。これにより、ユーザーが嫌いもしくは苦手と感じている食品であっても、おいしい、食べたいと思える光源色を使用することにより食品の色をカムフラージュすることができる。
また、例えば内釜34の底部に発光部5を設けて、内釜34内の食品をその内部から照射する構成としても良い。この場合は、ユーザーから見て食品の奥から光を照射することで、光をぼかすことができ、食品全体に柔らかみのある光の効果を付加することができる。視覚的に柔らかな印象を与えることで、マイルドさ、おいしさ、温かみといった味に関する効果を強調して実現することができる。
[第3の実施の形態]
<冷蔵庫40の構成>
本実施の形態に係る食品保持部を備えた装置としての冷蔵庫40の概要について、図を用いて説明する。図19は、本実施の形態に係る冷蔵庫40の全体構成および発光部5の発光域を示す概略図である。
図19に示すように、冷蔵庫40は、庫内44に食材を冷蔵保管する本体41を有する。本体31の正面は、扉42にて塞がれるようになっている。扉42は、本体41の左もしくは右側において、本体41に対して開閉自在に設けられている。扉42の外面には、操作部47が設けられている。
庫内44の奥壁に、庫内の明るさを確保し視認性を高める白色の庫内灯45と、発光部5とが設置されている。また、発光部5からの光が照射される位置には、発光部5からの光の照射によって味覚演出を行いたい食品を載置する演出用載置部46が設けられている。発光部5は、演出用載置部46に載置された食品に光を照射する。
冷蔵庫40においては、操作部47から、調理メニューの指定に代えて、演出用載置部46に載置された食品に応じて演出品設定を選択する。演出品設定としては、例えば、「トマトジュース」、「グリーンジュース」、「コーヒー」、「チョコレートケーキ」、などを選択できる。味覚演出としては、例えば、演出品設定の「グリーンジュース」に対して「さっぱり感」「やわらか感」等を選択できる。
図20は、冷蔵庫40の発光制御部10を含む要部の構成を示すブロック図である。図20に示すように、冷蔵庫40においては、例えば、操作部47から演出品設定を指示する。対象物表色決定部11は、演出品設定情報から対象物表色の決定を行う。冷蔵庫40に備えられた発光制御部10の記憶部14には、調理メニュー情報に代えて、演出用載置部46に載置して演出することができる演出品設定情報に、対象物表色情報が対応付けられている。
図19に、庫内44の奥壁に取り付けられた庫内灯45および発光部5の発光域を示す。庫内灯45は、主に演出用載置部46を避けた庫内44全体を照明する。発光部5は上述したように、主に演出用載置部46に光を照射する。扉42を開けた際、庫内灯45により演出用載置部46を避けた庫内44全体が照明され、発光部5の光源によって演出用載置部46に載置された食品が照らされる。
ユーザーは、演出用載置部46に食品を置き、操作部47においてその食品に対応した演出品設定および味覚演出のオプションを選択し、指定する。操作部47からの入力に基づいて、冷蔵庫40に備えられた発光制御部10は、対象物表色および味覚演出を決定し、決定した対象物表色および味覚演出に基づく照射色を決定する。
例えば、演出用載置部46に載置する食品がグリーンジュースの場合、操作部47にて演出品設定として「グリーンジュース」を、味覚演出として「やわらか感向上」を指示すると、該指示に基づいて発光制御部10が発光部5による照射色の決定を行う。
これにより、扉42を開けた際に、演出用載置部46に載置された「グリーンジュース」が、発光部5の光源により発光制御部10において決定された照射色で、照らされる。ユーザーは、演出用載置部46より食品を取り出し、味や風味等を楽しむ。
前述した飲料製造機1、炊飯器30と同様に、冷蔵庫40においても、この一連の動作の中で、ユーザーにクロスモダリティ効果を発現させる。つまり、食品が持っている本来の色に加え、発光部5の光源の色を加えることで、ユーザーの脳での情報処理の際に、クロスモダリティ効果により、視覚情報とその他の感覚情報とが統合され、ユーザーは実際とは異なる感覚を認知することができる。例えば、グリーンジュースの場合、赤色系や橙色系の光源を照らすことで、やわらか感などのおいしさを味に付加できる。これは、グリーンジュースの緑色と光源の色の視覚情報が脳で統合される際、クロスモダリティ効果が発現し、味覚としておいしさを認知することができるためである。
冷蔵庫40の場合、特に、庫内44の奥壁に発光部5を設置することで、強力なクロスモダリティ効果を得ることができる。食品を庫内から取り出すにあたり庫内44を見まわす際、奥壁を注視する傾向がある。庫内44の奥壁に発光部5を設置すると、食品に照射される光に加え、発光部5の光そのものを目で捉えるため、光源の光の印象をより強めることができる。それを凝視し、集中することで、発光部5の光源の視覚情報は他の感覚情報に阻害されることなく感受することができ、発光部5の影響度合いを大きくすることができる。
<照射色の詳細>
照射色の詳細については第1の実施の形態に準じ、対象物となる食品の表色の明度、彩度および色相角度および光源からの照射色の明度、彩度および色相角度に応じて、前述した図6〜図12記載の効果を得ることができる。
例えば、コーンスープのように橙色もしくは黄色系の表色をもつ食品、すなわち明度が30以上60以下、彩度が40以上60以下、色相角度が30度以上110度未満の範囲内の表色である飲料について、照射色の明度が90以上となる白に近い色の光であって、かつ、色相角度が10度以上異なる光を照射することで、コク感のより一層の向上といったコーンスープらしさ以外のさらなる好意的な味覚の付加を行うことができる。
また、照射色の明度が50以上90未満、彩度が40以上60以下、色相角度が−20度以上30度未満または110度以上200度未満の範囲内となる光を照射することで、濃さ感や深み感の向上とコーンスープらしさ以外のいったさらなる好意的な味覚の付加を行うことができる。
また、例えば、グリーンジュースのように緑色系の表色を持つ食品、すなわち明度が30以上60以下、彩度が40以上60以下、色相角度が110度以上200度未満の範囲内の表色である飲料について、照射色の明度が90以上となる白に近い色の光であって、かつ、色相角度が10度以上異なる光を照射することで、さっぱり感のより一層の向上といったグリーンジュースらしさ以外のさらなる好意的な味覚の付加を行うことができる。また、照射色の明度が50以上90未満、彩度が40以上60以下、色相角度が30度以上110度未満の範囲内となる光を照射することで、やわらか感の向上といったグリーンジュースらしさ以外のさらなる好意的な味覚の付加を行うことができる。
<本実施の形態の変形例>
本実施の形態においても第1の実施の形態の<変形例>の記載に準じる。発光部5の設置位置を庫内44の奥壁部分としたが、必ずしもその位置に限定される必要はない。例えば庫内44の天井壁に発光部5が設けられ、食品の上部から光を照射してもよい。この場合は食品全体を均等に照射できるため、特にユーザー側から見た食品の表色の印象のムラを押さえることができ、食品の形状などによる光の当たり方に伴う効果のブレを抑えることができる。
また、庫内44の側面壁に発光部5が設けられ、食品の側方向から光を照射してもよい。この場合は演出用載置部と発光部5とを近接させることができ、かつユーザー側から見て食品の前面(扉側)にも効果的に光を照射することができるため、照射色の効果の印象をより強めることができる。
また、本実施の形態においては、扉42を開けた時点で発光部5と庫内灯45とを点灯する例を示したが、例えば扉42を開けてしばらくの間(5秒間程度)は発光部5のみ点灯し、その後(5秒目以降)は庫内灯を点灯する、といった制御動作を行っても良い。この場合、庫内灯45の発光域は必ずしも演出用載置部46を避ける必要はなく、扉42を開けた際の発光部5の点灯により、本発明が企図する効果を生じさせることができる。
[その他の実施の形態]
第1から第3の実施の形態において、飲料製造機1、炊飯器30、冷蔵庫40の例を示したが、それに限らず、食品・飲料を保持する保持部を有し、そこに向けて光を照射する発光物を備えることができる装置であれば良く、例えば、電子レンジやオーブンなどの調理器でもよく、食品陳列用のショーケースなどであってもよく、ジュースサーバーやスープサーバー、コーヒーサーバーなどの飲料提供機であってもよい。
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る食品保持部を備えた装置(飲料製造機1、炊飯器30、冷蔵庫40)は、食品を保持する食品保持部(飲料排出部3、容器2、内釜34、庫内44)と、保持される食品に向けて光を照射する発光部5と、前記発光部5の発光を制御する発光制御部10と、を備え、前記発光制御部10は、前記食品に対する味覚の演出を決定する味覚演出決定部12と、前記味覚演出決定部にて決定された味覚の演出の内容および前記食品の全体的な表色である対象物表色に基づいて、前記発光部5から照射する光の色である照射色を決定する照射色決定部13と、を備え、前記照射色決定部13は、前記対象物表色と前記照射色とが、L*C*h表色系の色相角度(h)において10度以上異なるように、前記照射色を決定することを特徴とする。
上記構成によれば、味覚演出決定部12が、保持されている食品に対する味覚の演出を決定し、照射色決定部13が、決定された味覚の演出の内容と食品の対象物表色とに基づいて発光部5の照射色を決定する。ここで照射色決定部13は、食品の対象物表色と照射色とが、L*C*h表色系の色相角度(h)において10度以上異なるように照射色を決定する。
このように、食品の色相を変えることはおいしさ感を損なうといった従来の固定観念を打破し、敢えて、食品の色相を変化させる光を照射することで、見た目における食品らしさやおいしさ感を損なうことなく、甘さ感や、酸味感、コク感、さっぱり感など、その食品らしさ以外の味覚を向上することが可能となる。その食品らしさ以外の味覚を向上し得る照射色は、食品の対象物表色に応じて決まる。
本発明の態様2に係る食品保持部を備えた装置は、さらに、前記対象物表色を、前記食品の全体的な表色を特定できる情報に基づいて決定する対象物表色決定部11を備える構成である。
上記構成によれば、対象物表色決定部11が、食品の全体的な表色を特定できる情報に基づいて食品の対象物表色を決定するので、保持する食品の全体的な表色が固定されず、種々の表色の食品に対応した装置となる。
本発明の態様3に係る食品保持部を備えた装置は、さらに、前記照射色決定部13は、前記対象物表色のL*C*h表色系の明度(L*)が30以上60以下,彩度(C*)が40以上60以下,色相角度(h)が−20度以上30度未満の範囲内である場合、前記照射色のL*C*h表色系の明度(L*)が90以上となるように前記照射色を決定する構成である。
L*C*h表色系の明度(L*)が30以上60以下,彩度(C*)が40以上60以下,色相角度(h)が−20度以上30度未満の範囲内である赤色系の表色をもつ食品に対しては、明度(L*)が90以上となる白に近い色の光であって、かつ、色相角度が10度以上異なる光を照射することで、例えば、新鮮感のより一層の向上といったその食品らしさ以外のさらなる好意的な味覚の付加を行うことができる。
本発明の態様4に係る食品保持部を備えた装置は、さらに、前記照射色決定部13は、前記対象物表色のL*C*h表色系の明度(L*)が30以上60以下,彩度(C*)が40以上60以下,色相角度(h)が30度以上110度未満の範囲内である場合、L*C*h表色系の明度(L*)が90以上となるように前記照射色を決定する構成である。
L*C*h表色系の明度(L*)が30以上60以下,彩度(C*)が40以上60以下,色相角度(h)が30度以上110度未満の範囲内である橙色〜黄色系の表色をもつ食品に対しては、明度(L*)が90以上となる白に近い色の光であって、かつ、色相角度が10度以上異なる光を照射することで、例えば、コク感のより一層の向上といった、その食品らしさ以外のさらなる好意的な味覚の付加を行うことができる。
本発明の態様5に係る食品保持部を備えた装置は、さらに、前記照射色決定部13は、前記対象物表色のL*C*h表色系の明度(L*)が30以上60以下,彩度(C*)が40以上60以下,色相角度(h)が30度以上110度未満の範囲内である場合、L*C*h表色系の明度(L*)が50以上90未満,彩度(C*)が40以上60以下,色相角度(h)が−20度以上30度未満または110度以上200度未満の範囲内となるように前記照射色を決定する構成である。
L*C*h表色系の明度(L*)が30以上60以下,彩度(C*)が40以上60以下,色相角度(h)が30度以上110度未満の範囲内である橙色〜黄色系の表色をもつ食品に対しては、L*C*h表色系の明度(L*)が50以上90未満,彩度(C*)が40以上60以下,色相角度(h)が−20度以上30度未満または110度以上200度未満の範囲内となる色の光を照射することで、例えば、濃さ感や深み感の向上といったその食品らしさ以外のさらなる好意的な味覚の付加を行うことができる。
本発明の態様6に係る食品保持部を備えた装置は、さらに、前記照射色決定部13は、前記対象物表色のL*C*h表色系の明度(L*)が30以上60以下,彩度(C*)が40以上60以下,色相角度(h)が110度以上200度未満の範囲内である場合、L*C*h表色系の明度(L*)が90以上となるように前記照射色を決定する構成である。
L*C*h表色系の明度(L*)が30以上60以下,彩度(C*)が40以上60以下,色相角度(h)が110度以上200度未満の範囲内である緑色系の表色をもつ食品に対しては、L*C*h表色系の明度(L*)が90以上となる白に近い色の光であって、かつ、色相角度が10度以上異なる光を照射することで、例えば、さっぱり感のより一層の向上といったその食品らしさ以外のさらなる好意的な味覚の付加を行うことができる。
本発明の態様7に係る食品保持部を備えた装置は、さらに、前記照射色決定部13は、前記対象物表色のL*C*h表色系の明度(L*)が30以上60以下,彩度(C*)が40以上60以下,色相角度(h)が110度以上200度未満の範囲内である場合、L*C*h表色系の明度(L*)が50以上90未満,彩度(C*)が40以上60以下,色相角度(h)が30度以上110度未満の範囲内となるように前記照射色を決定する構成である。
L*C*h表色系の明度(L*)が30以上60以下,彩度(C*)が40以上60以下,色相角度(h)が110度以上200度未満の範囲内である緑色系の表色をもつ食品に対しては、L*C*h表色系の明度(L*)が50以上90未満,彩度(C*)が40以上60以下,色相角度(h)が30度以上110度未満の範囲内となる色の光を照射することで、例えば、やわらか感の向上といったその食品らしさ以外のさらなる好意的な味覚の付加を行うことができる。
本発明の態様8に係る食品保持部を備えた装置は、さらに、前記照射色決定部13は、前記対象物表色のL*C*h表色系の明度(L*)が30以上60以下,彩度(C*)が40以上60以下,色相角度(h)が200度以上340度未満の範囲内である場合、L*C*h表色系の明度(L*)が90以上となるように前記照射色を決定する構成である。
L*C*h表色系の明度(L*)が30以上60以下,彩度(C*)が40以上60以下,色相角度(h)が200度以上340度未満の範囲内である青色系の表色をもつ食品に対しては、L*C*h表色系の明度(L*)が90以上となる白に近い色の光であって、かつ、色相角度が10度以上異なる光を照射することで、例えば、軽さ感のより一層の向上といったその食品らしさ以外のさらなる好意的な味覚の付加を行うことができる。
本発明の態様9に係る食品保持部を備えた装置は、さらに、前記照射色決定部13は、前記対象物表色のL*C*h表色系の明度(L*)が30以上60以下,彩度(C*)が40以上60以下,色相角度(h)が200度以上340度未満の範囲内である場合、L*C*h表色系の明度(L*)が50以上90未満,彩度(C*)が40以上60以下,色相角度(h)が−20度以上110度未満の範囲内となるように前記照射色を決定する構成である。
L*C*h表色系の明度(L*)が30以上60以下,彩度(C*)が40以上60以下,色相角度(h)が200度以上340度未満の範囲内である青色系の表色をもつ食品に対しては、L*C*h表色系の明度(L*)が50以上90未満,彩度(C*)が40以上60以下,色相角度(h)が−20度以上110度未満の範囲内となる色の光を照射することで、例えば、甘さ感ややわらか感の向上といったその食品らしさ以外のさらなる好意的な味覚の付加を行うことができる。
本発明の態様10に係る食品保持部を備えた装置は、さらに、前記照射色決定部13は、前記対象物表色のL*C*h表色系の明度(L*)が30以上60以下,彩度(C*)が10以上40以下,色相角度(h)が30度以上110度未満の範囲内である場合、L*C*h表色系の明度(L*)が90以上となるように前記照射色を決定する構成である。
L*C*h表色系の明度(L*)が30以上60以下,彩度(C*)が10以上40以下,色相角度(h)が30度以上110度未満の範囲内である茶色系の表色をもつ食品に対しては、L*C*h表色系の明度(L*)が90以上となる白に近い色の光であって、かつ、色相角度が10度以上異なる光を照射することで、例えば、旨み感のより一層の向上といったその食品らしさ以外のさらなる好意的な味覚の付加を行うことができる。
本発明の態様11に係る食品保持部を備えた装置は、さらに、前記照射色決定部13は、前記対象物表色のL*C*h表色系の明度(L*)が30以上60以下,彩度(C*)が10以上40以下,色相角度(h)が30度以上110度未満の範囲内である場合、L*C*h表色系の明度(L*)が50以上90未満,彩度(C*)が40以上60以下,色相角度(h)が−20度以上110度未満の範囲内となるように前記照射色を決定する構成である。
L*C*h表色系の明度(L*)が30以上60以下,彩度(C*)が10以上40以下,色相角度(h)が30度以上110度未満の範囲内である茶色系の表色をもつ食品に対しては、L*C*h表色系の明度(L*)が50以上90未満,彩度(C*)が40以上60以下,色相角度(h)が−20度以上110度未満の範囲内となる色の光を照射することで、例えば、酸味感の向上や甘さ感の向上といったその食品らしさ以外のさらなる好意的な味覚の付加を行うことができる。
本発明の態様12に係る食品保持部を備えた装置は、さらに、前記照射色決定部13は、前記対象物表色のL*C*h表色系の明度(L*)が30以上60以下,彩度(C*)が10以上40以下,色相角度(h)が30度以上110度未満の範囲内である場合、L*C*h表色系の明度(L*)が50以上90未満,彩度(C*)が40以上60以下,色相角度(h)が200度以上340度未満の範囲内となるように前記照射色を決定する構成である。
L*C*h表色系の明度(L*)が30以上60以下,彩度(C*)が10以上40以下,色相角度(h)が30度以上110度未満の範囲内である茶色系の表色をもつ食品に対しては、L*C*h表色系の明度(L*)が50以上90未満,彩度(C*)が40以上60以下,色相角度(h)が200度以上340度未満の範囲内となる色の光を照射することで、例えば、深み感の向上いったその食品らしさ以外のさらなる好意的な味覚の付加を行うことができる。
本発明の態様13に係る食品保持部を備えた装置は、さらに、前記照射色決定部13は、前記対象物表色のL*C*h表色系の明度(L*)が90以上である場合、L*C*h表色系の明度(L*)が50以上90未満,彩度(C*)が40以上60以下,色相角度(h)が−20度以上110度未満の範囲内となるように前記照射色を決定する構成である。
対象物表色のL*C*h表色系の明度(L*)が90以上である白色系の表色をもつ食品に対しては、L*C*h表色系の明度(L*)が50以上90未満,彩度(C*)が40以上60以下,色相角度(h)が−20度以上110度未満の範囲内となる光を照射することで、例えば、コク感の向上といったその食品らしさ以外のさらなる好意的な味覚の付加を行うことができる。
本発明の態様14に係る食品保持部を備えた装置は、さらに、前記照射色決定部13は、前記対象物表色のL*C*h表色系の明度(L*)が90以上である場合、L*C*h表色系の明度(L*)が50以上90未満,彩度(C*)が40以上60以下,色相角度(h)が110度以上340度未満の範囲内となるように前記照射色を決定する構成である。
対象物表色のL*C*h表色系の明度(L*)が90以上である白色系の表色をもつ食品に対しては、L*C*h表色系の明度(L*)が50以上90未満,彩度(C*)が40以上60以下,色相角度(h)が110度以上340度未満の範囲内となる色の光を照射することで、例えば、爽やか感の向上といったその食品らしさ以外のさらなる好意的な味覚の付加を行うことができる。
本発明の態様15に係る食品のおいしさ感向上方法は、食品に光を照射しておいしさ感を向上させる食品のおいしさ感向上方法であって、食品の全体的な表色によって決定され、L*C*h表色系の色相角度(h)が照射の対象の食品の全体的な表色に対して10度以上異なる、食品に対する味覚を向上し得る特定の色の光を食品に照射することで食品のおいしさ感を向上させることを特徴とする。
食品の色相を変えることはおいしさ感を損なうといった従来の固定観念を打破し、敢えて、食品の色相を変化させる光を照射することで、見た目における食品らしさやおいしさ感を損なうことなく、甘さ感や、酸味感、コク感、さっぱり感など、その食品らしさ以外の味覚を向上することが可能となる。
本発明は上述した各実施の形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施の形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施の形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施の形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。