JP6849980B2 - 異常組織検出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、異常組織検出装置に関する。
従来、被検者の検査部位にマイクロ波を放射し、受信アンテナにより検出されたマイクロ波の受信信号を信号処理することにより、検査部位中の異常組織からの反射波の成分を抽出し、検査部位中の異常組織の分布を推定する異常組織検出装置が提案されている(例えば、特許文献1)。
特開2014−131199号公報
本発明は、検査部位の異常組織を高精度に検出できる異常組織検出装置を提供することを目的とする。
一実施形態に係る異常組織検出装置は、マイクロ波を被検者の検査部位に向けて送信する複数の送信アンテナと、前記複数の送信アンテナのいずれかが送信し、当該送信アンテナからの直接波の成分と前記検査部位の異常組織からの反射波の成分を含むマイクロ波を受信する複数の受信アンテナと、送信アンテナ受信アンテナとの間の距離が同一、かつ、前記送信アンテナ及び前記受信アンテナと前記検査部位の異常組織との相対位置関係が異なる状態において1又は2以上の前記受信アンテナが受信した複数の信号を合成して基準信号を生成する基準信号生成手段と、前記複数の信号のそれぞれと前記基準信号生成手段が生成する前記基準信号とを比較することにより、前記複数の信号のそれぞれに含まれる前記検査部位の異常組織からの反射波の成分を推定する推定手段とを有し、前記基準信号生成手段は、前記複数の信号を重み付け加算することにより前記基準信号を生成し、重み係数を、重み付けを均一にした場合に比べて、前記複数の信号のそれぞれと前記基準信号との、直接波の成分を含む区間における信号強度の差の合計が小さくなるように決定することを特徴とする。
ここで、「同一」とは、厳密に同一であることのみを示すものではなく、略同一であることも含む。例えば、送信アンテナと受信アンテナをそれぞれ複数備える異常組織検出装置において、送信アンテナと受信アンテナの組み合わせを変更しながら複数の信号を受信する場合、送信アンテナと受信アンテナの取り付け誤差等の影響により、送信アンテナと受信アンテナ間の距離が組み合わせ毎にわずかに異なることが考えられるが、このような場合についても、「同一」の範囲に含まれる。
本発明に係る異常組織検出装置によれば、検査部位の異常組織を高精度に検出することができる。
(A)は、実施の形態に係る異常組織検出装置の外観を示す斜視図であり、(B)は、実施の形態に係る異常組織検出装置の構成を示す分解斜視図である。 (A)は、アンテナアレイの構成を示す側面図であり、(B)は、アンテナアレイの構成を示す上面図である。 異常組織検出装置の構成を示すブロック図である。 送信部から出力されるインパルス信号の一例を示すグラフである。 (A)は、異常組織検出時の送受信アンテナ及び乳房を示す模式図であり、(B)は、異常組織の検出原理を示す模式図であり、(C)は、受信信号を示す模式図である。 異常組織検出処理のフローチャートである。 平均化を用いた雑音信号の除去方法を示す概念図である。 重みを用いた基準信号の算出方法を示す概念図である。 (A)は、Tikhonov正則化を用いて基準信号を算出した場合の差分信号の例を示すグラフであり、(B)は、平均化を用いて基準信号を算出した場合の差分信号の例を示すグラフである。 (A)は、60個の受信信号で、Tikhonov正則化を適用した場合の1回転分の差分信号の例を示す図であり、(B)は、60個の受信信号で、Tikhonov正則化を適用しない場合の1回転分の差分信号の例を示す図である。 Tikhonov正則化を適用したWienerフィルタを用いて算出した重みと、Tikhonov正則化を適用しないWienerフィルタを用いて算出した重みの例を示すグラフである。 (A)は、60個の受信信号で、Tikhonov正則化を適用した場合の共焦点画像の例を示す図であり、(B)は、60個の受信信号で、Tikhonov正則化を適用しない場合の共焦点画像の例を示す図である。 (A)は、40個の受信信号で、Tikhonov正則化を適用した場合の1回転分の差分信号の例を示す図であり、(B)は、40個の受信信号で、Tikhonov正則化を適用しない場合の1回転分の差分信号の例を示す図である。 (A)は、40個の受信信号で、Tikhonov正則化を適用した場合の共焦点画像の例を示す図であり、(B)は、40個の受信信号で、Tikhonov正則化を適用しない場合の共焦点画像の例を示す図である。 異常組織検出装置の変形例を示す斜視図である。
以下、本発明の実施の形態に係る異常組織検出装置について、乳癌を検出する異常組織検出装置を例に、図面を参照して詳細に説明する。
図1(A)、(B)に示すように、本実施の形態に係る異常組織検出装置1は、筐体57及びアンテナ部3等を含む回転部9と、固定基台31と、駆動部33と、ハンドル51と、を備える。
固定基台31には、回転部9を回転させるための駆動部33が固定されている。駆動部33は、例えばステッピングモータである。駆動部33の回転部は、蓋52に固定されている。これにより、異常組織検出装置1は、蓋52、筐体57、アンテナ部3等を含む回転部9を回転可能に支持する。また、固定基台31の上部には、ハンドル51が取り付けられている。検査を行う者は、ハンドル51を保持し、回転部9を被検者の検査部位である乳房に当接させて検査する。
回転部9は、蓋52、制御基板55、高周波基板56、筐体57、アンテナ部3、アンテナカバー41、スリーブ42を備える。
アンテナ部3は、アンテナベース37、アンテナ取付部39、アンテナアレイ38を備える。アンテナベース37は、アンテナ取付部39を筐体57に固定させるための取付け部材である。
アンテナ取付部39には、マイクロ波の無線信号を送受信するアンテナからなるアンテナアレイ38が取り付けられる。アンテナ取付部39は、アンテナベース37に固定されている。アンテナ取付部39は、例えば樹脂製であり、中心部分はドーム型に形成されている。
アンテナアレイ38は、送信アンテナSA1〜SA8及び受信アンテナRA1〜RA8で構成される。アンテナアレイ38を構成する各アンテナは、アンテナ取付部39の下面、すなわち後述するアンテナカバー41のドーム型部分と対向する面に取り付けられている。また、各アンテナと後述のスイッチ部2とを接続する配線等はアンテナ取付部39の上面側(筐体57の内部側)に配置されている。図2(A)、(B)に示すように、送信アンテナSA1〜SA8、受信アンテナRA1〜RA8は、アンテナ取付部39の中心部から、半径方向に直線状に配置され、4つのアンテナ列A1〜A4からなるアンテナアレイ38を構成している。
アンテナカバー41は、アンテナ取付部39の外面を覆うように配置され、被検者の体に接する。アンテナカバー41は、スリーブ42を介して筐体57にねじ止め固定されている。アンテナカバー41の中心部分は、アンテナ取付部39と同心のドーム型に形成されており、検査部位である乳房に密着させ易い形状となっている。また、被検者の乳房の大きさに適したものを選択できるように、予め大きさの異なる複数のアンテナ取付部39及びアンテナカバー41を準備してもよい。
アンテナ取付部39とアンテナカバー41との間には、ワセリン、無水グリセリン等、被検者の体の誘電率及びアンテナカバー41の誘電率に近い誘電率の誘電体が充填されている。これにより、アンテナ取付部39とアンテナカバー41との間における不要輻射の発生を抑制することができるので、異常組織の検出精度を向上させることが可能となる。
制御基板55は、図3のブロック図に示す制御部14、記憶部15、駆動制御部34の各機能を実現するハードウエア回路が実装されたプリント配線板であり、筐体57内に固定されている。
駆動制御部34は、駆動部33であるステッピングモータの回転を制御するモータドライバである。図3に示すように、駆動制御部34は、制御部14からの制御信号に従って、駆動部33を回転させることにより、アンテナアレイ38を含むアンテナ部3を回転させる。
制御部14は、信号処理部の一部であり、CPU、メモリ、外部記憶装置、入出力I/O、水晶発振器等を備えるコンピュータ(情報処理装置)である。水晶発振器が発生するクロック信号に従って、CPUが、外部記憶装置にインストールされメモリに読み込まれたプログラムを実行して、外部記憶装置へのデータの書き込み/読み出しや入出力I/Oを介して外部機器と送受信を行うことにより、制御部14の機能が実現される。
記憶部15は、信号処理部の一部であり、フラッシュメモリ、ハードディスク等の不揮発性メモリである。図3に示すように、制御部14は、受信部12から受信した受信信号RSを記憶部15へ送信し、記憶させる。また、制御部14は、記憶部15に記憶させた受信信号RSを読み出して、基準信号SSの算出、差分信号DS_nの算出による目的信号の抽出等の信号処理を行う。
図3に示すように、制御部14は、プログラムの実行により、送信信号TSを出力させるタイミングを示すタイミング信号を送信部11に出力するとともに、CMOSスイッチ17の制御信号CS1を出力する。制御部14は、CMOSスイッチ19の制御信号CS2を出力するとともに、受信部12から受信信号RSの波形データを入力する。
高周波基板56は、図3のブロック図に示す送信部11、受信部12、スイッチ部2の各機能を実現するハードウエア回路が実装されたプリント配線板であり、筐体57内に固定されている。
送信部11は、制御部14から入力されたタイミング信号に従って、例えば、図4に示すインパルス状の電気信号である送信信号TSを出力するハードウエア回路である。図4に示すように、この電気信号のレベルは、短時間で正の値から負の値に変動するインパルス信号である。
スイッチ部2は、送信アンテナSA1〜SA8のうちマイクロ波のインパルス信号を送信する送信アンテナを選択するCMOSスイッチ17と、受信アンテナRA1〜RA8のうち異常組織によって反射された散乱信号を受信する受信アンテナを選択するCMOSスイッチ19とを備える。
CMOSスイッチ17は、入力端から送信信号TSを入力する。CMOSスイッチ17は、制御信号CS1に従って、入力した送信信号TSを出力するアンテナを、複数の送信アンテナSA1、SA2、…、SA8のいずれかに切り替える。
受信部12は、CMOSスイッチ19から入力した受信信号RSを制御部14に出力するハードウエア回路である。すなわち、信号処理部である制御部14に、受信信号RSを受信信号IS_nとして入力させる入力部である。制御部14は、入力した受信信号IS_nに基づいて、信号処理を行って、異常組織CAを検出する。
図3の例に示すように、制御信号CS1により、送信アンテナSA2が選択された場合、CMOSスイッチ17は、送信信号TSを送信アンテナSA2に出力するように切り変わる。制御信号CS2により、受信アンテナRA2が選択された場合には、CMOSスイッチ19は、受信アンテナRA2で受信された受信信号RSを受信部12に出力するように切り変わる。この場合、送信アンテナSA2、受信アンテナRA2の組み合わせでマイクロ波のインパルス信号MWの送信及び反射信号RWの受信が行われる。送信アンテナSA2から出力される信号は、より多くの周波数成分を含む意味でインパルス信号であることが望ましいが、単一の周波数成分からなる正弦波でも、複数の周波数成分を含むスロープ波形であっても良い。
制御部14は、制御信号CS1、CS2によりCMOSスイッチ17、19を制御して、送信アンテナSA1〜SA8及び受信アンテナRA1〜RA8の組み合わせを切り替えながら、送信信号TSをCMOSスイッチ17に出力させる。また、制御部14は、受信アンテナRA1〜RA8から出力された受信信号RSを、CMOSスイッチ19を介して入力し、入力した電気信号に対する信号処理を行う信号処理部として動作する。
次に、異常組織検出装置1における、無線信号を使った異常組織検出の基本動作について説明する。本実施の形態に係る異常組織検出装置1は、インパルス状のマイクロ波の無線信号の送受信を行い、その送受信結果に基づいて、異常組織、すなわち乳癌を検出する。
図5(A)、(B)に示すように、異常組織検出装置1は、回転部9、すなわち送信アンテナSA1及び受信アンテナRA1を含むアンテナ部3の回転角度θを初期角度θ1(angle1)として、送信アンテナSA1からマイクロ波のインパルス信号MWを放射する。一般に、癌組織等の異常組織CAは、通常の生体組織に比して、5〜10倍程度の高い誘電率を有することが知られている。したがって、異常組織CAが存在する場合には、誘電率の異なる領域の界面、即ち、異常組織CAの表面で、マイクロ波が反射され、受信アンテナRA1で受信される(以下、反射波という)。
ここで、マイクロ波のインパルス信号MWを放射してから受信アンテナRA1が反射波を受信するまでの時間をT1[s]とすると、T1・c(c:生体中の光の速度)が、マイクロ波のインパルス信号MWの行程距離となる。
従って、異常組織CAは、回転角度θ1における、送信アンテナSA1と受信アンテナRA1を焦点とし、送信アンテナSA1と受信アンテナRA1からの距離の和がT1・cとなる楕円E1上に位置することになる。
続いて、駆動制御部34は、送信アンテナSA1、受信アンテナRA1を含む回転部9を回転させ、回転角度θをθ2(angle2)とする。そして、異常組織検出装置1は、送信アンテナSA1からマイクロ波のインパルス信号MWを放射し、受信アンテナRA1で受信する。マイクロ波のインパルス信号MWを放射してから受信アンテナRA1が反射波を受信するまでの時間をT2[s]とすると、T2・cがマイクロ波のインパルス信号MWの行程距離となる。
従って、異常組織CAは、回転角度θ2における、送信アンテナSA1と受信アンテナRA1を焦点とし、送信アンテナSA1と受信アンテナRA1からの距離の和がT2・cとなる楕円E2上に位置することになる。
送信アンテナSA1、受信アンテナRA1を順次回転させながら、同様の処理を行い、複数の楕円E1〜EN(Nは自然数、E3以下については不図示)の交点を求めることにより、異常組織CAの位置を求めることができる。
さらに、インパルス信号MWを送信するアンテナを送信アンテナSA2に切り換えて、送信アンテナSA2からマイクロ波を放射し、これを受信アンテナRA2で受信して、同様の処理を行う。以後、送信アンテナを順次切り換えながら、マイクロ波を放射し、受信アンテナで反射波を受信し、同様の処理を行うことにより、異常組織CAの位置をより正確に特定することが可能となる。
なお、上述の例では、理解を容易にするため、2次元で説明したが、実際は、3次元で上述の処理を行うことになる。
しかしながら、実際には、受信アンテナRA1が受信する信号は、反射波の成分以外の成分を含む。すなわち、受信アンテナRA1が受信する信号は、直接波の成分や量子ノイズの成分を含む。ここで、直接波とは、異常組織CAの有無に関わらず、送信アンテナSA1から放射されたマイクロ波が、最も近い経路を伝搬して、受信アンテナRA1に到達する波である。従って、受信アンテナRA1が実際に受信する信号は、異常組織CAが存在する場合は、直接波と反射波の合成波の成分を含み、異常組織CAが存在しない場合は、直接波の成分のみを含むこととなる。
直接波は、反射波に比して信号強度が高く、かつ伝搬時間が短い。この性質の違いを利用して、合成波から直接波の成分やその他の雑音信号の成分を抑制し、又は、反射波の成分を強調することにより、反射波の伝搬時間を正確に推定する必要がある。
この点、送信アンテナSA1及び受信アンテナRA1の間の距離が一定であれば、回転角度θや送信アンテナ−受信アンテナの組み合わせが異なっても、直接波の成分は一定であるが、反射波の成分は、これらアンテナと異常組織CAとの相対的な位置関係により種々変化する。従って、送信アンテナ及び受信アンテナの間の距離が同一で、かつ、アンテナと異常組織CAとの相対位置が異なると想定される位置関係で測定された受信信号を単純平均することにより、受信信号ごとに異なる信号成分である量子ノイズの成分や反射波の成分は相殺されて相対的に小さくなり、各受信信号で共通する成分である直接波の成分は強調されて相対的に大きくなるため、直接波の成分を推定することができる(以下、基準信号という)。その後、各受信信号から推定された直接波である基準信号を減算することにより、相対的に反射波の強調された信号を生成することができる。
しかしながら、検証の結果、送信アンテナと受信アンテナとの相対距離が一定であっても、回転角度θや送信アンテナ−受信アンテナの組み合わせが異なった場合に、直接波の成分が必ずしも一定にならないことが確認された。例えば、送信アンテナと受信アンテナは、理想的な点光源、点観測源で構成することはできないため、直接波のパスは、ある程度の断面積を有する。直接波のパス内に異常組織CAが存在する場合としない場合とで、異常組織CAの表面での反射の有無が異なる。異常組織CAの表面でマイクロ波が反射される場合は、反射された分だけエネルギを損失するので、直接波の強度は、反射されない場合と比べて相対的に弱くなる。また、その他、送信アンテナ及び受信アンテナの取り付け誤差や回転誤差等の機械的な誤差、検査部位の形状や検査部位内部の組織分布の違い等の種々の原因により、直接波の強度及び伝搬速度が異なる。これらの原因による直接波の強度及び伝搬速度の違いは、各受信信号における直接波の成分にわずかな違いをもたらす。そして、これら受信信号を単純平均した場合は、直接波の成分が歪んだ基準信号が得られる。従って、このような基準信号を各受信信号から減算した場合は、直接波の成分が理想通りに減算されず、歪の成分が残存する。たとえ残存する歪の成分が直接波の成分に比べて微弱であっても、反射波の成分の強度は直接波の成分に比べて微弱であることから、減算後の結果において反射波の成分を誤って特定してしまう可能性がある。
そこで、本実施の形態においては、各受信信号に対して重み付け加算を実行することにより基準信号を取得する。ここで、重み付け加算に用いられる重み係数は、重み付けを均一にした場合と比して、基準信号と各受信信号との、直接波の成分を含む区間における信号強度の差の合計が小さくなるように決定される。言い換えれば、取得される基準信号の信号値が、各受信信号の直接波の成分の信号値に対してより一致するように決定される。本実施の形態においては、一例として、Tikhonov正則化を適用したWienerフィルタにより重み係数を決定する方法について説明する。
以下、説明を簡単にするために、図7に示すように、受信信号IS_nにおける直接波の成分を含む区間を第1の区間、反射波の成分を含む区間を第2の区間と呼ぶ。制御部14は、まず、受信信号IS_nに対して第1の区間及び第2の区間を設定する。ここで、第1の区間の設定については、種々の方法が適用され得る。例えば、送信アンテナSA1と受信アンテナRA1の間の距離及び、送信アンテナSA1から放射するインパルス信号の強度及び、検査部位のおおよその減衰係数は既知であるため、送信アンテナSA1がインパルス信号を放射してから、受信アンテナRA1に到達した直接波が減衰するまでのおおよその時間幅を算出することができ、この時間幅を受信信号IS_nにおける第1の区間として設定すればよい。その他にも、前もって検査部位を模したファントムに対して送信アンテナSA1からのインパルス信号の放射と受信アンテナRA1による信号の受信を行うことで、送信アンテナSA1がインパルス信号を放射してから、受信アンテナRA1に到達した直接波が減衰するまでの時間幅を取得し、記憶部15に記憶しておく方法が考えられる。この場合、実際に、被検者の検査部位に対して送信アンテナSA1からのインパルス信号の放射と受信アンテナRA1による信号の受信を行う際、記憶部15に記憶した時間幅を呼び出し、第1の区間として設定することができる。そして、第1の区間以降の時間幅が、第2の区間として設定される。
次に、図8に示すように、制御部14は、受信信号IS_nの第1の区間のサンプリング値Si(t)(i=1〜n、t=1〜L、L>n、n,Lは自然数)に重み係数wiを掛けて加算することにより、Sdesired(1)〜Sdesired(L)を算出する。ここで、Lは各受信信号の第1の区間におけるサンプリングの個数、nはアンテナ部3の回転角度の最大値に相当する値であり、例えば、アンテナ部3を6°ずつ回転させながら360°にわたって受信信号を取得する場合、n=60(=360/6)である。そして、Sdesired(t)とSi(t)との差が最小となるように、各受信信号IS_nに対応する重み係数wを決定する。
以下、各受信信号IS_nの第1の区間の信号に基づいて、Tikhonov正則化を適用したWienerフィルタにより重み係数wを決定する方法について、さらに詳細に説明する。具体的は、以下の式(1)を満たす重み係数wが決定される。
Figure 0006849980
Figure 0006849980
Figure 0006849980
Figure 0006849980
ここで、bは基準信号ベクトル、Hは受信信号行列、wは重み係数ベクトルである。ここで、重み係数ベクトルwにおける各要素は、基準信号SSの生成の際に各受信信号IS_nに掛ける重み係数wである。また、λは正則化パラメータであり、λ>0の範囲で任意に設定される。λを含む式(1)の第2項の導入により、重み係数ベクトルwの各要素のノルムが過大となることを防止できる。ただし、過大なλを設定すると、重み係数ベクトルwの各要素は1/nに収束するため、単に受信信号IS_nを単純平均して基準信号SSを生成した場合と同様の結果となる。従って、重み係数ベクトルwの各要素のノルムが過大となることを防止しつつ、各受信信号IS_nの直接波の成分の信号値に対してより一致する信号値を有する基準信号が得られるようなλを設定することが望ましい。
続いて、式(1)の具体的な解法について説明する。式(1)は、以下の式に示す変数x、yを導入することにより、式(5)と変形できる。
Figure 0006849980
Figure 0006849980
さらに、式(5)の最小二乗解は、以下の式(6)で与えられる。
Figure 0006849980
したがって、求める重み係数は、以下の式(7)で与えられる。
Figure 0006849980
以上の方法により算出される重み係数wを、制御部14は、対応する受信信号IS_nにおける第1の区間の信号及び第2の区間の信号に掛けて加算することにより、基準信号SSを生成する。さらに、制御部14は、各受信信号IS_nから基準信号SSを減算して差分信号DS_nを算出する。ここで、基準信号SSにおける信号値は、各受信信号IS_nの直接波の成分の信号値に対してより一致するように生成されていることから、差分信号DS_nに含まれる直接波の成分の強度は、反射波の成分の強度と比べて極めて小さいものとなる。従って、例えば、信号強度に対する適当な閾値を設定することにより、差分信号DS_nにおける反射波の成分を正確に抽出することができる。
なお、受信信号IS_nに対する第1の区間の設定においては、生成される基準信号SSが各受信信号IS_nの直接波の成分に対してより一致するように重み付け加算の重み係数wを算出する意味で、直接波の成分を含み、反射波の成分を含まない区間を受信信号IS_nに対する第1の区間として設定することが望ましい。しかしながら、本発明においては、少なくとも、設定される第1の区間が直接波の成分の一部を含み、第1の区間外に反射波の成分の一部を含むように第1の区間が設定されればよい。このような条件で第1の区間を設定すれば、重み付けを均一の状態で受信信号IS_nを積算して得られる基準信号SSに比べて、各受信信号IS_nの直接波の成分に対してより一致する基準信号SSを得るように重み係数wを決定することができる。
また、上記の実施の形態においては、Tikhonov正則化を適用したWienerフィルタにより重み係数を決定したが、本発明においては、重み付けを均一の状態で受信信号IS_nを積算して得られる基準信号SSに比べて、各受信信号IS_nの直接波の成分に対してより一致する基準信号SSを得るように重み係数wを決定する限りにおいて、種々の演算を適用することができる。
次に、本実施の形態に係る異常組織検出装置1における異常組織検出処理、すなわち基準信号SSを用いた信号処理について、図6に示すフローチャートに基づいて説明する。
制御部14は、アンテナ部3を含む回転部9の回転角度θを初期回転角(θ=0°)に設定する(ステップS11)。続いて、送信アンテナSA1から送信信号TSを送信させ、受信アンテナRA1に受信信号RSを受信させる(ステップS12)。制御部14は、受信アンテナRA1で受信された受信信号RSを受信信号IS_1として記憶部15に記憶させる(ステップS13)。
回転部9の回転角度はθ=0°であり、θ<360°なので(ステップS14;NO)、制御部14は、駆動部33を動作させることにより、回転部9を予め設定された角度回転させる(ステップS15)。本実施の形態では、予め設定された角度を6°とし、回転部9は、60回の回転動作で1回転する。回転部9の回転が完了した後、ステップS12に戻って、制御部14は、送信アンテナSA1から送信信号TSを送信させ、受信アンテナRA1に受信信号RSを受信させる。制御部14は、受信信号RSを受信信号IS_2として記憶部15に記憶させる。
制御部14は、さらに回転部9を回転させて、送信アンテナSA1と受信アンテナRA1との間で信号を送受信させる。制御部14は、回転角度θが360°に達するまで、上述の回転動作と信号の送受信を繰り返し、60個の受信信号IS_n(n=1〜60)を記憶部15に記憶させる。
回転角度θが360°に達し、受信信号IS_nの受信が完了すると(ステップS14;YES)、入力された受信信号IS_nの信号処理が開始される。制御部14は、記憶部15から受信信号IS_nを読み込む(ステップS16)。
制御部14は、受信信号IS_nに対して第1の区間及び第2の区間を設定し、各受信信号IS_nの第1の区間の信号に基づいて、Tikhonov正則化を適用したWienerフィルタにより重み係数wを決定する(ステップS17)。続いて、決定した重み係数wを、対応する受信信号IS_nにおける第1の区間の信号及び第2の区間の信号に掛けて加算することにより、基準信号SSを生成する(ステップS18)。制御部14は、さらに、各受信信号IS_nから基準信号SSを減算して差分信号DS_nを算出する(ステップS19)。そして、差分信号DS_nにおける反射波の成分を抽出し、抽出した反射波の成分に基づいて、検査部位における異常組織CAの位置を検出して(ステップS20)、信号処理を終了する。
上述の信号処理の結果の一例を図9(A)、(B)に示す。図9(A)は、回転部9の回転角度が126°の時の受信信号IS_n、本発明の方法により算出した基準信号SS及び受信信号IS_nから基準信号SSを減算した差分信号DS_nを示している。また、図9(B)は、受信信号IS_n、重み付けを均一の状態で受信信号IS_nを積算して基準信号SSとした場合の基準信号SS及び受信信号IS_nから基準信号SSを減算した差分信号DS_nを示している。これより、本発明の方法の適用によって、差分信号DS_nにおける直接波の成分が、反射波の成分と比べて、十分に小さく抑えられていることが分かる。
図10(A)は、回転部9の回転角度が0°から360°までの各位置での差分信号DS_nを算出した1回転分の結果を示している。図10(B)は、以下の式(8)で示すTikhonov正則化を適用しないWienerフィルタを、受信信号IS_nの第1の区間に適用することで決定した重み係数wを用いて差分信号DS_nを算出した場合の1回転分の結果を示している。
Figure 0006849980
図10(B)に示すTikhonov正則化を用いない場合に比べて、図10(A)に示すTikhonov正則化を適用した本発明の信号処理方法では、第2の区間のノイズが低減されていることがわかる。これは、図11に示すように、Tikhonov正則化した場合の重み係数wが、Tikhonov正則化しなかった場合の重み係数wに比べて小さく抑えられているためである。
図12(A)、(B)は、上述の図10(A)、(B)の結果を共焦点画像として示したものである。図12(A)に示すTikhonov正則化した場合のSCR(Signal to Clutter Ratio)は5.025dBであり、図12(B)に示すTikhonov正則化しなかった場合のSCR=0.69dBに比べて大きく、S/N比が大きくなっていることがわかる。
図13(A)は、n=40、すなわち回転部9を9°刻みで回転させて受信信号IS_nを作成した場合の、Tikhonov正則化を用いて算出した差分信号DS_nを示している。また、図13(B)は、n=40で受信信号IS_nを作成し、Tikhonov正則化を適用しないWienerフィルタを用いて算出した差分信号DS_nを示している。また、図14(A)、(B)は、n=40の場合の差分信号DS_nに基づく共焦点画像を示している。
図13(A)、(B)及び図14(A)、(B)に示す結果から、Tikhonov正則化しなかった場合に比べて、本発明に係るTikhonov正則化を適用したWienerフィルタを用いた場合で、S/N比が大きくなっており、目的信号を明確に検出できていることがわかる。したがって、本発明に係る信号処理方法は、受信信号IS_nの数が少ない場合でも有効に雑音信号を低減できることがわかる。
以上、詳細に説明したように、本実施の形態によれば、Tikhonov正則化を適用したWienerフィルタによって重み係数wを算出するので、重み係数wのノルムが過大となることを防止することができる。これにより、雑音信号を適切に除去するとともに、差分信号のS/N比を向上させて、目的信号を明確に抽出することができる。
以上、本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施の形態は、本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。すなわち、本発明の範囲は、実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。そして、特許請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、本発明の範囲内とみなされる。
本実施の形態では、送信アンテナSA1及び受信アンテナRA1の相対位置関係を維持しつつ、これらのアンテナを検査部位の周囲で回転させ、その間に複数の受信信号IS_nを取得するものとしたが、これに限られない。本発明においては、送信アンテナ及び受信アンテナの距離が同一、かつ、送信アンテナ及び受信アンテナと検査部位の異常組織との相対位置関係が異なる状態において、複数の信号を取得しさえすればよい。例えば、複数のアンテナが配置されたアンテナアレイを備えた異常組織検出装置において、アンテナ間の距離が同じになるような複数の組み合わせを決定し、各々の組み合わせにおいて、一方のアンテナから検査部位にむけてマイクロ波を放射し、他方のアンテナで検査部位における異常組織からの反射波を含む信号を受信する構成であってもよい。
また、本実施の形態に係る入力部は、受信部12であることとしたが、これに限られない。例えば、予め取得された受信信号IS_nを記憶するハードディスク、フラッシュメモリ等の外部記憶装置であってもよい。
また、本実施の形態では、アンテナカバー41を筐体57に固定し、アンテナ取付部39とともに回転させることとしたが、これに限られない。例えば、図15に示すように、固定基台31とハンドル51との間に取り付けられた固定プレート44に、スリーブ42を介してアンテナカバー41を接続することとしてもよい。これにより、アンテナベース37に固定されたアンテナ取付部39が回転しても、固定プレート44に接続されたアンテナカバー41は回転しないように構成される。したがって、検査の際、被検者に接触しているアンテナカバー41が回転しないので、検査時の被検者の身体的負担を軽減することができる。
本実施の形態に係る異常組織検出装置は、マイクロ波を被検者の検査部位に向けて送信する複数の送信アンテナと、前記複数の送信アンテナのいずれかが送信し、当該送信アンテナからの直接波の成分と前記検査部位の異常組織からの反射波の成分を含むマイクロ波を受信する複数の受信アンテナと、送信アンテナ及び受信アンテナの距離が同一、かつ、前記送信アンテナ及び前記受信アンテナと前記検査部位の異常組織との相対位置関係が異なる状態において前記受信アンテナが受信した複数の信号を合成して基準信号を生成する基準信号生成手段と、前記複数の信号のそれぞれと前記基準信号生成手段が生成する前記基準信号とを比較することにより、前記複数の信号のそれぞれに含まれる前記検査部位の異常組織からの反射波の成分を推定する推定手段とを有し、前記基準信号生成手段は、前記複数の信号を合成することにより前記基準信号を生成し、重み係数を、重み付けを均一にした場合に比べて、前記複数の信号のそれぞれと前記基準信号との、直接波の成分を含む区間における信号強度の差の合計が小さくなるように決定することを特徴とする。
上記の異常組織検出装置は、重み付けを均一にした場合に比べて、複数の信号のそれぞれと基準信号との、直接波の成分を含む区間における信号強度の差の合計が小さくなるように決定される重み係数を用いて基準信号を生成し、複数の信号と基準信号とを比較することから、複数の信号のそれぞれに含まれる異常組織からの反射波の成分を正確に抽出し、検査部位の異常組織を高精度に検出することができる。
また、上記の異常組織検出装置は、送信アンテナと受信アンテナを相対位置を維持したまま前記検査部位の周囲を回転させる回転制御手段を備え、前記基準信号生成手段は、前記回転制御手段が前記送信アンテナと前記受信アンテナを回転する間に、当該受信アンテナが、異なる回転角度において受信した複数の信号に基づいて、基準信号を生成してもよい。これにより、回転制御手段が送信アンテナと受信アンテナを検査部位の周囲で回転する間に取得される複数の信号のそれぞれに含まれる異常組織からの反射波の成分を正確に抽出し、検査部位の異常組織を高精度に検出することができる。
また、前記基準信号生成手段は、前記回転制御手段が、一対の送信アンテナと受信アンテナが前記検査部位の周囲を回転する間に、当該受信アンテナが受信する前記複数の信号に基づいて前記基準信号を生成してもよい。これにより、一対の送信アンテナと受信アンテナが検査部位の周囲を回転する間に取得される複数の信号のそれぞれに含まれる異常組織からの反射波の成分を正確に抽出し、検査部位の異常組織を高精度に検出することができる。
また、前記複数の信号のそれぞれは、直接波の成分を含む第1の区間と、反射波の成分を含む第2の区間とを有し、前記基準信号生成手段は、前記複数の信号のそれぞれにおける前記第1の区間の信号に基づいて前記重み係数を決定し、前記複数の信号のそれぞれにおける前記第1の区間の信号及び前記第2の区間の信号に対して重み付け加算を行うことで前記基準信号を生成してもよい。この場合、第1の区間の信号に基づいて重み係数を決定することによって、複数の信号のそれぞれと基準信号とを比較する際、複数の信号のそれぞれにおける直接波の成分が、反射波の成分に比して小さくなるような重み係数が決定される。これにより、複数の信号のそれぞれに含まれる異常組織からの反射波の成分をより正確に抽出し、検査部位の異常組織を高精度に検出することができる。
また、前記基準信号生成手段は、前記複数の信号のそれぞれにおける前記第1の区間の信号に基づいて、Tikhonov正則化を適用したWienerフィルタにより前記重み係数を決定してもよい。この場合、Tikhonov正則化の適用により、決定される重み係数のノルムが過大になることを防止でき、複数の信号のそれぞれと基準信号との比較により取得される信号のS/N比を向上させることができる。
また、前記検査部位は、乳房であり、前記異常組織は、前記乳房に含まれる癌であってもよい。これにより、抽出した反射波の成分に基づき、乳房に含まれる乳癌を検出することができる。
本発明は、乳癌センサなどに用いられるアンテナ装置に好適である。また、本発明は、乳癌センサに限らず、他の腫瘍等、生体内の誘電率の異なる領域の検出・判別に応用可能である。また、生体に関わらず、周囲と誘電率が異なる検出対象の検出・判別に応用可能である。
1 異常組織検出装置、2 スイッチ部、3 アンテナ部、9 回転部、11 送信部、12 受信部、14 制御部、15 記憶部、17,19 CMOSスイッチ、31 固定基台、33 駆動部、34 駆動制御部、37 アンテナベース、38 アンテナアレイ、39 アンテナ取付部、41 アンテナカバー、42 スリーブ、44 固定プレート、51 ハンドル、52 蓋、55 制御基板、56 高周波基板、57 筐体、SA1〜SA8 送信アンテナ、RA1〜RA8 受信アンテナ、A1〜A4 アンテナ列、CA 異常組織、L インダクタ、E,E 楕円、SS 基準信号、TS 送信信号、RS 受信信号、MW インパルス信号、RW 反射信号、CS1,CS2 制御信号

Claims (6)

  1. マイクロ波を被検者の検査部位に向けて送信する複数の送信アンテナと、
    前記複数の送信アンテナのいずれかが送信し、当該送信アンテナからの直接波の成分と前記検査部位の異常組織からの反射波の成分を含むマイクロ波を受信する複数の受信アンテナと、
    送信アンテナ受信アンテナとの間の距離が同一、かつ、前記送信アンテナ及び前記受信アンテナと前記検査部位の異常組織との相対位置関係が異なる状態において1又は2以上の前記受信アンテナが受信した複数の信号を合成して基準信号を生成する基準信号生成手段と、
    前記複数の信号のそれぞれと前記基準信号生成手段が生成する前記基準信号とを比較することにより、前記複数の信号のそれぞれに含まれる前記検査部位の異常組織からの反射波の成分を推定する推定手段とを有し、
    前記基準信号生成手段は、前記複数の信号を重み付け加算することにより前記基準信号を生成し、重み係数を、重み付けを均一にした場合に比べて、前記複数の信号のそれぞれと前記基準信号との、直接波の成分を含む区間における信号強度の差の合計が小さくなるように決定することを特徴とする、異常組織検出装置。
  2. 請求項1に記載の異常組織検出装置において、
    送信アンテナと受信アンテナを、前記送信アンテナと前記受信アンテナとの相対位置を維持したまま前記検査部位の周囲を回転させる回転制御手段を備え、
    前記基準信号生成手段は、前記回転制御手段が前記送信アンテナと前記受信アンテナを回転する間に、当該受信アンテナが、異なる回転角度において受信した複数の信号に基づいて、基準信号を生成することを特徴とする、異常組織検出装置。
  3. 前記基準信号生成手段は、前記回転制御手段が、一対の送信アンテナと受信アンテナが前記検査部位の周囲を回転する間に、当該受信アンテナが受信する前記複数の信号に基づいて前記基準信号を生成することを特徴とする、請求項2に記載の異常組織検出装置。
  4. 前記複数の信号のそれぞれは、直接波の成分を含む第1の区間と、反射波の成分を含む第2の区間とを有し、
    前記基準信号生成手段は、前記複数の信号のそれぞれにおける前記第1の区間の信号に基づいて前記重み係数を決定し、
    前記複数の信号のそれぞれにおける前記第1の区間の信号及び前記第2の区間の信号に対して重み付け加算を行うことで前記基準信号を生成することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の異常組織検出装置。
  5. 前記基準信号生成手段は、前記複数の信号のそれぞれにおける前記第1の区間の信号に基づいて、Tikhonov正則化を適用したWienerフィルタにより前記重み係数を決定することを特徴とする請求項4に記載の異常組織検出装置。
  6. 前記検査部位は、乳房であり、
    前記異常組織は、前記乳房に含まれる癌であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の異常組織検出装置。
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