JP6685520B2 - 検出装置、信号処理方法及びプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、検出装置、信号処理方法及びプログラムに関する。
癌の診断は、例えば、X線や核磁気共鳴装置(MRI(Magnetic Resonance Imaging))により対象部位の画像を撮像し、撮像した画像を分析することにより行われるのが一般的である(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、X線の生体への悪影響が懸念されるうえ、X線装置、MRI装置は、小型化が困難である。さらに、これらの装置を用いて診断を行うためには、専門機関での受診が必須になる。
そこで、X線装置やMRI装置を用いずに、簡易な構成で簡単に異常組織を検出することが可能な異常組織検出装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。この異常組織検出装置には、アンテナがマトリクス状に配置されたアンテナアレイが設けられている。この異常組織検出装置は、アンテナアレイの一のアンテナから生体にマイクロ波のインパルス信号を放射し、アンテナアレイの他のアンテナで、放射したインパルス信号の反射波を受信する。この異常組織検出装置は、マイクロ波のインパルス信号を送信するアンテナと、マイクロ波を受信するアンテナとの組み合わせを変えながら、インパルス信号の送受信を行い、各アンテナの組み合わせで得られた複数の受信信号に基づいて、生体内の異常組織を検出する。
特許文献2に開示された異常組織検出装置において生体内の異常組織を精度良く検出するためには、送受信を行うアンテナの組み合わせが変わっても、両アンテナの相対距離が同一であり、かつ、生体に異常組織がないのであれば、同じ受信信号(インパルス信号の反射波)を受信できるようになっている必要がある。アンテナの組み合わせが変わるだけで受信信号が変わってしまうのであれば、信号変動が極めて小さい生体内の異常組織を示す信号成分を検出するのが困難になるためである。
しかしながら、電波の送受信を行うアンテナの組み合わせによって、受信信号が異なる場合がある。送受信用のアンテナがアンテナアレイの外周側にあるのか内周側にあるのかなど、各アンテナの周囲の環境の違いによって受信信号のレベルの変化が発生するためである。そこで、ダミーアンテナなどを設けて電波の送受信状態を、異なるアンテナの組み合わせで同じ状態とするアンテナアレイ装置が開示されている(例えば、特許文献3参照)。
特開2015−131096号公報 特開2010−69158号公報 特開2014−131199号公報
しかしながら、上述のアンテナアレイ装置のように、異なるアンテナの組み合わせで電波の送受信状態を同じにしても、受信信号の遅れなどがアンテナの組み合わせによって異なる場合がある。この受信信号の遅れの違いにより、検出精度が低下するおそれがある。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、検出対象の検出精度を向上することができる検出装置、信号処理方法及びプログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の第1の観点に係る検出装置は、
マイクロ波のインパルス信号を送信する複数の送信アンテナと、
前記インパルス信号を受信する複数の受信アンテナと、
選択する送信アンテナ及び受信アンテナの組み合わせを切り替えながら、インパルス信号を選択された送信アンテナに出力し、選択された受信アンテナで受信された受信信号を入力し、入力した受信信号に対する信号処理を行う制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記送信アンテナと前記受信アンテナとの所定の組み合わせについて、前記受信アンテナで受信された複数の受信信号の信号波形におけるピークの時点に基づいて、信号波形の時間方向のずれを調整する時間調整部と、
前記時間調整部で調整された複数の受信信号であって、前記送信アンテナと前記受信アンテナとの同一の組み合わせについて取得された複数の受信信号、または、前記送信アンテナと前記受信アンテナとの相対距離が同じ組み合わせについて取得された複数の受信信号の平均を示す検出波形パターンを生成する検出波形パターン生成部と、
前記検出波形パターンの生成に用いられた複数の受信信号を含み、より多数の受信信号の信号波形の平均を示す基準波形パターンを生成する基準波形パターン生成部と、
前記検出波形パターン生成部で生成された検出波形パターンと、前記基準波形パターン生成部で生成された基準波形パターンとの差分を示す差分波形パターンを生成する差分波形パターン生成部と、
前記差分波形パターン生成部で生成された差分波形パターンに基づいて、検出対象を検出する検出部と、
を備える。
前記時間調整部は、前記送信アンテナと前記受信アンテナとの同一の組み合わせを所定の組み合わせとして信号波形の時間方向のずれを調整し、
前記検出波形パターン生成部は、
同一の前記送信アンテナと前記受信アンテナとの同一の組み合わせにおける複数の受信信号の信号波形を平均した組毎平均波形パターンを検出波形パターンとして生成し、
前記基準波形パターン生成部は、
前記送信アンテナと前記受信アンテナとの相対距離が同じ組み合わせでの前記組毎平均波形パターンを平均した同距離平均波形パターンを基準波形パターンとして生成する、
こととしてもよい。
前記時間調整部は、前記送信アンテナと前記受信アンテナとの相対距離が同じ組み合わせを所定の組み合わせとして信号波形の時間方向のずれを調整し、
前記検出波形パターン生成部は、
前記送信アンテナと前記受信アンテナとの相対距離が同じ組み合わせにおける受信信号の信号波形を平均した同距離平均波形パターンを検出波形パターンとして生成し、
前記基準波形パターン生成部は、
前記送信アンテナと前記受信アンテナとの全ての組み合わせでの受信信号の信号波形を平均した全信号平均波形パターンを基準波形パターンとして生成する、
こととしてもよい。
前記制御部は、
前記送信アンテナと前記受信アンテナとの相対距離が同じ組み合わせについて、前記受信アンテナで受信された信号の信号波形のオフセット及び振幅に基づいて、前記受信アンテナで受信された信号の振幅が同一レベルになるように信号波形の振幅レベルを調整するレベル調整部を備える、
こととしてもよい。
前記送信アンテナと前記受信アンテナとの同じ組み合わせについて、複数回、インパルス信号を選択された送信アンテナに出力して選択された受信アンテナから出力された所定ビット数のデジタル受信信号を入力する信号送受信制御部と、
複数回入力されたデジタル受信信号の平均を前記所定ビット数より大きいビット数で表現する平均波形パターンを、その組み合わせの受信信号の信号波形の波形パターンとして取得する組毎平均波形パターン生成部と、
を備える、
こととしてもよい。
前記組毎平均波形パターン生成部は、
前記複数回入力されたデジタル受信信号のうち、前記デジタル受信信号の最大振幅が正規分布の90%信頼区間外であるデジタル受信信号を除外して、前記平均波形パターンを生成する、
こととしてもよい。
前記インパルス信号は、ガウシアンモノサイクルパルスである、
こととしてもよい。
前記制御部は、
前記送信アンテナと前記受信アンテナとの相対距離が同じ組み合わせにおける受信信号の信号波形の平均を示す同距離平均波形パターンを生成する、同距離平均波形パターン生成部を備え、
前記同距離平均波形パターン生成部は、
前記送信アンテナと前記受信アンテナとの各組み合わせの受信信号の信号波形の波形パターンについて、正のピークに続いて正のピークが現れ、負のピークが現れない場合には、その組み合わせの受信信号の信号波形の波形パターンを計算対象から除外する、
こととしてもよい。
前記検出部は、
前記差分波形パターンに基づいて、前記インパルス信号を送信してから前記受信信号を受信するまでの伝搬時間を、前記送信アンテナと前記受信アンテナとの相対距離が同じ組み合わせについてそれぞれ求め、
求められた伝搬時間に基づいて、前記相対距離が0であると仮定したときの伝搬時間に含まれるオフセットを推定し、
前記伝搬時間に含まれるオフセットを差し引かれた前記伝搬時間に基づいて、検出対象の位置を検出する、
こととしてもよい。
前記検出部は、
前記差分波形パターンの最初の正又は負のピーク位置に基づいて前記伝搬時間を求め、前記伝搬時間に含まれるオフセットを推定するとともに、
前記正のピーク位置に基づいて前記伝搬時間に含まれるオフセットを推定した場合には、前記差分波形パターンの正のピーク位置に基づいて、前記検出対象の位置を検出し、
前記負のピーク位置に基づいて前記オフセットを推定した場合には、前記差分波形パターンの負のピーク位置に基づいて、前記検出対象の位置を検出する、
こととしてもよい。
クロック信号を入力する論理回路、遅延回路及び半導体スイッチング素子の組み合わせ回路を有し、その組み合わせ回路を用いて複数の送信アンテナに送信するインパルス信号を生成する送信信号生成部を備える、
こととしてもよい。
前記制御部は、
前記差分波形パターン生成部で生成された差分波形パターンから、低周波ノイズ及び高周波ノイズを除去する帯域フィルタを備える、
こととしてもよい。
前記制御部は、
前記差分波形パターンを、前記インパルス信号が伝搬する媒体の損失式で補償する補償器を備える、
こととしてもよい。
本発明の第2の観点に係る信号処理方法は、
マイクロ波のインパルス信号を送信する複数の送信アンテナと、前記インパルス信号を受信する複数の受信アンテナとの組み合わせを切り替えながら、インパルス信号を選択された送信アンテナに出力し、選択された受信アンテナで受信された受信信号を入力し、入力した受信信号に対する信号処理を行う信号処理方法であって、
前記送信アンテナと前記受信アンテナとの所定の組み合わせについて、前記受信アンテナで受信された複数の受信信号の信号波形におけるピークの時点に基づいて、信号波形の時間方向のずれを調整する時間調整ステップと、
前記時間調整ステップで調整された複数の受信信号であって、前記送信アンテナと前記受信アンテナとの同一の組み合わせについて取得された複数の受信信号、または、前記送信アンテナと前記受信アンテナとの相対距離が同じ組み合わせについて取得された複数の受信信号の平均を示す検出波形パターンを生成する検出波形パターン生成ステップと、
前記検出波形パターンの生成に用いられた複数の受信信号を含み、より多数の受信信号の信号波形の平均を示す基準波形パターンを生成する基準波形パターン生成ステップと、
前記検出波形パターンステップで生成された検出波形パターンと、前記基準波形パターン生成ステップで生成された基準波形パターンとの差分を示す差分波形パターンを生成する差分波形パターン生成ステップと、
前記差分波形パターン生成ステップで生成された差分波形パターンに基づいて、検出対象を検出する検出ステップと、
を含む。
本発明の第3の観点に係るプログラムは、
コンピュータを、
マイクロ波のインパルス信号を送信する複数の送信アンテナと、前記インパルス信号を受信する複数の受信アンテナとの組み合わせを切り替えながら、インパルス信号を選択された送信アンテナに出力し、選択された受信アンテナで受信された受信信号を入力し、入力した受信信号に対する信号処理を行う制御部、
前記送信アンテナと前記受信アンテナとの所定の組み合わせについて、前記受信アンテナで受信された複数の受信信号の信号波形におけるピークの時点に基づいて、信号波形の時間方向のずれを調整する時間調整部、
前記時間調整部で調整された複数の受信信号であって、前記送信アンテナと前記受信アンテナとの同一の組み合わせについて取得された複数の受信信号、または、前記送信アンテナと前記受信アンテナとの相対距離が同じ組み合わせについて取得された複数の受信信号の平均を示す検出波形パターンを生成する検出波形パターン生成部、
前記検出波形パターンの生成に用いられた複数の受信信号を含み、より多数の受信信号の信号波形の平均を示す基準波形パターンを生成する基準波形パターン生成部、
前記検出波形パターン生成部で生成された検出波形パターンと、前記基準波形パターン生成部で生成された基準波形パターンとの差分を示す差分波形パターンを生成する差分波形パターン生成部、
前記差分波形パターン生成部で生成された差分波形パターンに基づいて、検出対象を検出する検出部、
として機能させる。
本発明によれば、相対距離が同じである送信アンテナ及び受信アンテナの組み合わせで得られた受信信号について、それぞれの波形パターンを時間方向に合わせた上で、平均の波形パターンを算出し、算出した平均の波形パターンに基づいて検出対象を検出する。時間方向に調整された平均の波形パターンは、ノイズやジッタが低減された波形パターンとなるので、その波形パターンに基づいて検出対象を検出すれば、検出対象の検出精度を向上することができる。
本発明の一実施の形態に係る異常組織検出装置の構成を示すブロック図である。 送信部から出力されるインパルス信号の一例を示す図である。 送信部の構成を示す図である。 図4(A)〜図4(G)は、送信部における各種信号のタイミングチャートの一例である。 図5(A)及び図5(B)は、アンテナアレイの詳細な構成を示す図である。 異常組織の検出原理を示す図である。 実施形態1に係る制御部の機能構成を示すブロック図である。 実施形態1に係る信号処理のフローチャートである。 実施形態1に係る異常組織検出装置におけるデータの流れを示すデータフローである。 図10(A)〜図10(C)は、相対距離が同じ送信アンテナ及び受信アンテナの組み合わせにおける波形パターンの時間調整の様子を示す図である。 図11(A)及び図11(B)は、相対距離が同じ送信アンテナ及び受信アンテナの組み合わせにおける波形パターンのレベル調整の様子を示す図である。 図12(A)は、時間調整を行わない場合での差分波形パターンの波形の一例を示す図である。図12(B)は、時間調整を行った場合での差分波形パターンの波形の一例を示す図である。 図13(A)は、レベル調整を行わない場合での差分波形パターンの波形の一例を示す図である。図13(B)は、レベル調整を行った場合での差分波形パターンの波形の一例を示す図である。 アンテナ間距離とピーク時間との関係の一例を示すグラフである。 送信アンテナ毎のアンテナ間距離とピーク時間との関係の一例を示すグラフである。 図16(A)〜図16(C)は、時間調整及びレベル調整を行わなかったときの異常組織の検出結果を示す図である。 図17(A)及び図17(B)は、時間調整及びレベル調整を行ったときの異常組織の検出結果を示す図である。 実施形態2に係る制御部の機能構成を示すブロック図である。 実施形態2に係る信号処理のフローチャートである。 実施形態2に係る異常組織検出装置におけるデータの流れを示すデータフローである。 図21(A)は、受信波形のピーク値のヒストグラムである。図21(B)は、受信波形ごとのピーク値を示す図である。 図22(A)は、差分波形パターンの一例を示すグラフである。図22(B)は、差分波形パターンの積分値の一例を示すグラフである。図22(C)は、差分波形パターンをフーリエ変換した周波数スペクトルの一例を示すグラフである。 図23(A)は、帯域フィルタを適用した差分波形パターンの一例を示すグラフである。図23(B)は、帯域フィルタを適用した差分波形パターンの積分値の一例を示すグラフである。 図24(A)は、損失補償前の差分波形パターンの積分値の一例を示すグラフである。図24(B)は、損失補償後の差分波形パターンの積分値の一例を示すグラフである。 図25(A)及び図25(B)は、差分波形パターンにおいて正のピーク位置と負のピーク位置を示す図である。 図26(A)は、正のピーク位置でオフセット時間を推定した場合の異常組織の検出結果を示す図である。図26(B)は、負のピーク位置でオフセット時間を推定した場合の異常組織の検出結果を示す図である。 図27(A)は、帯域フィルタ及び損失補償を適用しない場合の異常組織の検出結果を示す図である。図27(B)は、帯域フィルタを適用し、損失補償を適用しない場合の異常組織の検出結果を示す図である。図27(C)は、帯域フィルタ及び損失補償を適用した場合の異常組織の検出結果を示す図である。
以下、本発明の実施の形態に係る検出装置、信号処理方法及びプログラムについて、乳癌を検出する乳癌センサを例に、図面を参照して詳細に説明する。なお、各実施の形態では、送受信用のアンテナがアンテナアレイの外周側にあるのか内周側にあるのかなど、各アンテナの周囲の環境の違いによる受信信号の違いを考慮しないものとする。
(実施形態1)
図1に示すように、異常組織検出装置1は、制御部10と、送信部11と、送信アンプ12と、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)スイッチ13と、配線部14と、アンテナアレイ15と、配線部16と、CMOSスイッチ17と、受信アンプ18と、受信部19と、選択部20と、を備える。
制御部10は、CPU、メモリ、外部記憶装置、入出力I/O、水晶発振器等を備えるコンピュータ(情報処理装置)である。水晶発振器が発生するクロック信号に従って、CPUが、外部記憶装置にインストールされメモリに読み込まれたプログラムを実行して、外部記憶装置へのデータの書き込み/読み出しや入出力I/Oを介して外部機器と送受信を行うことにより、制御部10の機能が実現される。
例えば、制御部10は、データ信号DATA及びクロック信号CLKを送信部11に出力する。制御部10は、受信部19からデータ信号DATA2を入力するとともに受信部19に対しクロック信号CLKを出力する。さらに、制御部10は、選択部20にCMOSスイッチ13、17の制御信号CS1を出力する。
送信信号生成部としての送信部11は、制御部10から入力されたクロック信号CLKに従って、例えば、図2に示すようなインパルス状の電気信号である送信信号SS1を生成して出力するハードウエア回路である。図2に示すように、送信信号SS1は、短時間で正のピークと負のピークが連続するインパルス状の電気信号である。この信号は、ガウシアンモノサイクルパルス(Gaussian monocycle pulse,GMP)とも呼ばれる。GMPは、マイクロ波帯(例えば、中心周波数6GHz)における広帯域信号である。送信信号SS1は、繰り返し周波数(例えば100MHz)で繰り返し送信される。
送信部11は、論理回路、遅延回路及び半導体スイッチング素子等の組み合わせ回路で構成されている。図3に示すように、送信部11は、NAND回路21A、21Bと、NOR回路21C、21Dと、遅延回路22A〜22Dと、OR回路23A、23Cと、AND回路23B、23Dと、ダウンパルスジェネレータ24A、24Cと、アップパルスジェネレータ24B、24Dと、バッファ回路25A、25Bと、を備える。
NAND回路21A、21Bは、否定論理積の論理回路である。NAND回路21Aには、クロック信号CLOCK(CLK)と、データ信号DATAとが入力される。また、NAND回路21Bには、クロック信号CLOCKと、データ信号/DATAとが入力される。NOR回路21C、21Dは、否定論理和の論理回路である。NOR回路21Cには、クロック信号/CLOCKと、データ信号/DATAとが入力される。さらに、NOR回路21Dには、クロック信号/CLOCKと、データ信号DATAとが入力される。データ信号DATA、/DATAとしては、BPSK(Binary Phase Shift Keying)信号が入力される。
遅延回路22Aには、NAND回路21Aの出力が入力され、遅延回路22Bには、NAND回路21Bの出力が入力される。また、遅延回路22Cには、NOR回路21Cの出力が入力され、遅延回路22Dには、NOR回路21Dの出力が入力される。
遅延回路22A〜22Dでは、4つのインバータが直列で接続されている。1δは、1つのインバータの遅延時間を表している。1δ、2δ、3δ及び4δは、1番目、2番目、3番目、4番目のインバータの出力であり、それぞれの出力の遅延時間は、1δの等倍、2倍、3倍、4倍の遅延時間となる。
OR回路23Aは、遅延回路22Aで1δ遅延した信号と、遅延回路22Dの4δ遅延した信号とを入力する。AND回路23Bは、遅延回路22Bで2δ遅延した信号と、遅延回路22Cで3δ遅延した信号とを入力する。また、OR回路23Cは、遅延回路22Bで1δ遅延した信号と、遅延回路22Cで4δ遅延した信号とを入力する。AND回路23Dは、遅延回路22Aで2δ遅延した信号と、遅延回路22Dで3δ遅延した信号とを入力する。
続いて、ダウンパルスジェネレータ24Aは、OR回路23Aから出力された信号を入力する。アップパルスジェネレータ24Bは、AND回路23Bから出力された信号を入力する。また、ダウンパルスジェネレータ24Cは、OR回路23Cから出力された信号入力する。アップパルスジェネレータ24Dは、AND回路23Dから出力された信号を入力する。
バッファ回路25Aは、ダウンパルスジェネレータ24Aから出力された信号と、アップパルスジェネレータ24Bから出力された信号とを入力し、差動出力の正側の出力信号OPを出力する。バッファ回路25Bは、ダウンパルスジェネレータ24Cから出力された信号と、アップパルスジェネレータ24Dから出力された信号とを入力し、差動出力の負側の出力信号OMを出力する。
データ信号DATAが0である場合、OR回路23Cの出力信号であるクロック信号Ck(図3参照)は、図4(A)に示すように、ハイレベル(H)とローレベル(L)とを繰り返す周期信号となる。すると、ダウンパルスジェネレータ24C内部のインバータの出力a(図3参照)は、遅延時間1δだけ遅れ反転した図4(B)に示すような波形となって、ダウンパルスジェネレータ24Cの出力b(図3参照)は、図4(C)に示すような波形となる。この場合、ダウンパルスジェネレータ24Cのオン出力により、バッファ回路25Bの正極側のスイッチング素子に流れる電流Idは、図4(D)に示すような波形となる。
同様に、アップパルスジェネレータ24Dのオン出力により、バッファ回路25Bの負側スイッチング素子に流れる電流Iuは、図4(E)に示すような波形となる。したがって、電流Idと電流Iuの和は、図4(F)に示すように変化する。この結果、送信部11の差動出力の負側の出力信号OMは、図4(G)に示すような波形となる。
一方、ダウンパルスジェネレータ24A、アップパルスジェネレータ24Bから出力される信号は、ダウンパルスジェネレータ24C、アップパルスジェネレータ24Dから出力される信号と論理が逆であるため、出力信号OPの波形パターンは、出力信号OMの波形パターンの逆となる。
図1に戻り、送信アンプ12は、送信部11から入力した送信信号SS1を増幅して送信信号SS2として出力する。具体的には、送信アンプ12は、DCカットフィルタ、アッテネータ、可変利得パワーアンプ、STEPアッテネータ等を有し、直流成分がカットされ、かつ、ゲインが増幅された送信信号SS2を生成する。
CMOSスイッチ13は、単極8投のスイッチである。CMOSスイッチ13は、入力端から送信信号SS2を入力する。CMOSスイッチ13では、複数の出力端それぞれが複数の送信アンテナTx1、Tx2、…、Tx8と接続されている。CMOSスイッチ13は、後述される選択部20から出力される制御信号CS2に従って、入力した送信信号SS2を出力するアンテナを、複数の送信アンテナTx1、Tx2、…、Tx8のいずれかに切り替える。
配線部14は、CMOSスイッチ13の8つの出力端のいずれかと、送信アンテナTx1〜Tx8のいずれかとを、同じ長さの配線で結ぶ8つの伝送線路を備えている。この伝送路は、同軸ケーブルやマイクロストラップライン等で形成されている。配線部14で送信アンテナTx1〜Tx8に信号を送信する伝送線路の長さが同じであるため、各伝送線路を流れる信号の時間差は、ほとんどなくなっている。
アンテナアレイ15は、複数の送信アンテナTx1、Tx2、…、Tx8を備える。複数の送信アンテナTx1、Tx2、…、Tx8は、入力した送信信号SS2に従ってマイクロ波のインパルス信号MWを送信する。インパルス信号MWは、被検者の体内の異常組織CAで反射し、反射信号RWとなる。
アンテナアレイ15は、複数の受信アンテナRx1、Rx2、…、Rx8を備える。複数の受信アンテナRx1、Rx2、…、Rx8は、マイクロ波(反射信号RW)を受信する。
図5(A)にはアンテナアレイ15の一方の面が示され、図5(B)にはアンテナアレイ15の他方の面が示されている。アンテナアレイ15では、図5(A)、図5(B)に示すように、複数のアンテナが4×4のマトリクス状に配列されている。アンテナアレイ15の大きさは、例えば、55.4mm×47mmであり、厚みは、0.635mmである。各アンテナは、11mm×13.1mmである。また、アンテナ間のギャップは、1mmに設定されている。アンテナアレイ15では、送信アンテナTx1〜Tx4がX軸方向に並んで配置され、受信アンテナRx1〜Rx4がX軸方向に並んで配置され、送信アンテナTx5〜Tx8がX軸方向に並んで配置され、受信アンテナRx5〜Rx8がX軸方向に並んで配置されている。送信アンテナTx1〜Tx4、受信アンテナRx1〜Rx4、送信アンテナTx5〜Tx8、受信アンテナRx5〜Rx8は、Y軸方向にこの順で並んでいる。
アンテナアレイ15では、送信アンテナTxm(m=1〜8)と受信アンテナRxn(n=1〜8)との相対距離が同じとなる送信アンテナと受信アンテナとの組み合わせ(Txm、Rxn)でのマイクロ波のインパルス信号の受信環境が同じになるように形成されている。
配線部16は、CMOSスイッチ17の8つの入力端のいずれかと、受信アンテナRx1〜Rx8のいずれかとを、同じ長さの配線で結ぶ8つの伝送線路を備えている。配線部16では、受信アンテナRx1〜Rx8から信号を送信する伝送線路の長さが同じであるため、各信号の時間差がほとんどなくなっている。
CMOSスイッチ17は、単極8投のスイッチである。CMOSスイッチ17は、8つの入力端を有し、複数の受信アンテナRx1〜Rx8で受信した信号を入力する。CMOSスイッチ17では、1つの出力端が受信アンプ18と接続されている。CMOSスイッチ17は、選択部20から出力された制御信号CS2に従って受信した信号を、受信信号RS1として受信アンプ18に送信する複数の受信アンテナRx1、Rx2、…、Rx8のいずれかに切り替える。CMOSスイッチ17では、制御信号CS2によって入力端から入力された受信信号が、受信信号RS1として出力される。
受信アンプ18は、受信信号RS1を増幅し、増幅した信号を受信信号RS2として出力する。具体的には、受信アンプ18は、低雑音増幅器、STEPアッテネータ及びDCカットフィルタ等を有しており、受信信号RS1を入力し、これらの内部回路を経て受信信号RS2を生成して出力する。
受信部19は、受信アンプ18から入力した受信信号RS2を制御部10に出力するハードウエア回路である。受信信号RS2は、デジタルのデータ信号DATA2に変換され、制御部10に入力される。データ信号DATA2は例えば4ビットの信号である。
選択部20は、制御部10から出力された制御信号CS1に従って、CMOSスイッチ13、17を切り替えるための制御信号CS2を出力するハードウエア回路である。CMOSスイッチ13、17では、この制御信号CS2に従ってスイッチが切り替えられ、アンテナアレイ15の送信アンテナTx1〜Tx8のうち、1つの送信アンテナと、受信アンテナRx1〜Rx8のうち、1つの受信アンテナが選択される。
制御部10は、入力したデータ信号DATA2に対して信号処理を行って、異常組織CAを検出する。
図1に示すように、制御信号CS2により、送信アンテナTx2が選択された場合には、CMOSスイッチ13は、送信信号SS2を送信アンテナTx2に出力するように切り変わる。制御信号CS2により、受信アンテナRx2が選択された場合には、CMOSスイッチ17は、受信アンテナRx2で受信された受信信号RS1を受信アンプ18に出力するように切り変わる。この場合、送信アンテナTx2、受信アンテナRx2の組み合わせでマイクロ波のインパルス信号MWの送受信が行われる。
制御部10は、制御信号CS2によりCMOSスイッチ13、17を制御して、送信アンテナTx1〜Tx8及び受信アンテナRx1〜Rx8の組み合わせを切り替えながら、送信信号SS2をCMOSスイッチ13に出力し、受信アンテナRx1〜Rx8から出力された受信信号RS1を、CMOSスイッチ17を介して入力し、入力した電気信号に対する信号処理を行う。
図6に示すように、送信アンテナTx1からマイクロ波のインパルス信号を放射する。放射されたマイクロ波の一部は、生体内を伝播する。一般に、癌組織等の異常組織CAは、通常の生体組織に比して、5〜10倍程度の高い誘電率を有することが知られている。したがって、異常組織CAが存在する場合には、誘電率の異なる領域の界面、即ち、異常組織CAの表面で、マイクロ波が反射され、受信アンテナRx2〜Rx4で受信される。
ここで、マイクロ波のインパルス信号を放射してから受信アンテナRx2が反射波を受信するまでの時間をT12[s]とすると、T12・c(c:生体中の光の速度)が、マイクロ波のインパルス信号の行程距離となる。
従って、異常組織CAは、送信アンテナTx1と受信アンテナRx2を焦点とし、アンテナTx1とRx2からの距離の和がT12・cとなる楕円E12上に位置することになる。
アンテナRx3、Rx4が受信したマイクロ波についても同様の処理を行い、複数の楕円E12〜E14(E14については不図示)の交点を求めることにより、異常組織CAの位置を求めることができる。なお、送信アンテナTxmからインパルス信号が送信されてから受信アンテナRxnが受信するまでの時間を、伝搬時間Tmnとする。
さらに、インパルス信号を送信するアンテナを送信アンテナTx2に切り換えて、送信アンテナTx2からマイクロ波を放射し、これを受信アンテナRx2〜Rx4で受信して、同様の処理を行う。以後、送信アンテナを順次切り換えながら、マイクロ波を放射し、受信アンテナで反射波を受信し、同様の処理を行うことにより、異常組織CAの位置をより正確に特定することが可能となる。
上述のように、異常組織検出装置1では、送信アンテナTx1〜Tx8と受信アンテナRx1〜Rx8との間で送受信されるインパルス信号の伝搬時間に基づいて、異常組織CAを検出する。そのため、本実施の形態のように、回路上のインパルス信号の遅れを解消することにより、異常組織CAの位置を精度良く検出することができる。
なお、上述の例では、理解を容易にするため、2次元で説明したが、実際は、3次元で上述の処理を行うことになる。
図7には、制御部10の機能構成が示されている。図7に示すように、制御部10は、信号送受信制御部30と、組毎平均波形パターン生成部31と、時間調整部32Aと、レベル調整部32Bと、同距離平均波形パターン生成部32Cと、全信号平均波形パターン生成部33Aと、差分波形パターン生成部33Bと、検出部34と、記憶部40と、を備える。記憶部40には、生波形データ41と、組毎平均波形パターン42と、同距離平均波形パターン43と、全信号平均波形パターン44と、差分波形パターン45と、検出画像データ46と、が記憶される。図7に示す各部は、上述のように、CPUの実行により実現される。
信号送受信制御部30は、選択する送信アンテナ及び受信アンテナの組み合わせを切り替えながら、インパルス信号を選択された送信アンテナに出力し、選択された受信アンテナで受信された受信信号を入力する。信号送受信制御部30は、送信アンテナと受信アンテナとの同じ組み合わせについて、複数回、インパルス信号を選択された送信アンテナに出力して選択された受信アンテナから出力された量子化ビット数4ビットのデジタル受信信号(データ信号DATA2)を入力する。このデータは、生波形データ41として記憶部40に記憶される。
組毎平均波形パターン生成部31は、複数回入力された4ビットのデジタル受信信号の平均を、4ビットより大きい量子化ビット数で表現する平均波形パターンを、その組み合わせの受信信号の信号波形の波形パターンとして取得する。取得されたパターンは、組毎平均波形パターン42として記憶部40に記憶される。
時間調整部32Aは、送信アンテナと受信アンテナとの相対距離が同じ組み合わせについて、受信アンテナで受信された受信信号の信号波形におけるピークの時点に基づいて、信号波形の時間方向のずれを調整する。具体的には、ピークの時点が一致するように、信号波形が重ね合わされた状態に信号波形の時間が調整される。
また、レベル調整部32Bは、送信アンテナと受信アンテナとの相対距離が同じ組み合わせについて、受信アンテナで受信された信号の信号波形のオフセットOffset及び振幅に基づいて、受信アンテナで受信された信号の振幅が同一レベルになるように信号波形の振幅レベルを調整する。具体的には、各信号波形の中心及び振幅が同じになるように、各信号波形のスケールを調整する。
さらに、検出波形パターン生成部としての、同距離平均波形パターン生成部32Cは、信号波形の時間方向のずれが調整され、信号波形の振幅レベルが調整された、送信アンテナと受信アンテナとの相対距離が同じ組み合わせにおける受信信号の信号波形の平均を示す同距離平均波形パターンを生成する。生成された波形パターンは、同距離平均波形パターン43として、記憶部40に記憶される。
なお、同距離平均波形パターン生成部32Cは、送信アンテナと受信アンテナとの各組み合わせの受信信号の信号波形の波形パターンについて、正のピークに続いて正のピークが現れ、負のピークが現れない場合には、その組み合わせの受信信号の信号波形の波形パターンを、検出対象を検出するための計算対象から除外する。
基準波形パターン生成部としての、全信号平均波形パターン生成部33Aは、送信アンテナと受信アンテナとの全ての組み合わせでの受信信号の信号波形の平均を示す全信号平均波形パターンを生成する。生成された波形パターンは、全信号平均波形パターン44として記憶部40に記憶される。また、差分波形パターン生成部33Bは、同距離平均波形パターン生成部32Cで生成された送信アンテナと受信アンテナとの相対距離が同じ組み合わせにおける同距離平均波形パターン43と、全信号平均波形パターン生成部33Aで生成された全信号平均波形パターン44との差分を示す差分波形パターンを生成する。生成された波形パターンは、差分波形パターン45として記憶部40に記憶される。
検出部34は、差分波形パターン生成部33Bで生成された差分波形パターン45に基づいて、検出対象を検出する。検出部34は、差分波形パターン45に基づいて、インパルス信号を送信してから受信信号を受信するまでの伝搬時間Tmnを、送信アンテナと受信アンテナとの相対距離(アンテナ間距離)が同じ組み合わせについてそれぞれ求める。そして、検出部34は、求められた伝搬時間Tmnに基づいて、送信アンテナと受信アンテナとの相対距離(アンテナ間距離)が0であると仮定したときにも残る、伝搬時間Tmnに含まれるオフセットTLを推定する(図14参照)。このオフセットTLの詳細については後述する。さらに、検出部34は、オフセットTLが差し引かれた伝搬時間Tmn’に基づいて、検出対象の位置を検出する。
次に、本実施の形態に係る異常組織検出装置1の動作について説明する。図8には、異常組織検出装置1の動作の流れが示されている。図9には、異常組織検出装置1のデータの流れが示されている。
図8には、制御部10の処理の流れが示されている。図8に示すように、まず、制御部10(信号送受信制御部30)は、全ての組み合わせでマイクロ波を送受信し、受信信号を取得する(ステップS11)。例えば、信号送受信制御部30は、送信アンテナTx1及び受信アンテナRx1を選択する制御信号CS1を出力するとともに、送信部11にデータ信号DATAを出力し、送信信号SS1を出力させる。このようにして、送信アンテナTx1と受信アンテナRx1との間で信号の送受信が行われ、受信アンテナRx1で受信された信号が、制御部10に入力される。信号送受信制御部30は、この受信信号を生波形データ41として記憶部40に記憶する。受信信号は、送受信に用いられた送信アンテナ及び受信アンテナの情報(Tx1−Rx1)と関連付けられて記憶される。信号送受信制御部30は同じアンテナの組み合わせ(Tx1−Rx1)で、複数回、例えば16回信号の送受信を行う。したがって、記憶部40には、同じアンテナの組み合わせ(Tx1−Rx1)における受信信号(データ信号DATA2)のデータが16個記憶される。
次に、信号送受信制御部30は、制御信号CS1を出力して、送信アンテナTx1及び受信アンテナRx2を選択する制御信号CS2を選択部20に出力させるとともに、送信部11に送信信号SS1を出力させる。信号の送受信は、16回行われ、アンテナの組み合わせ(Tx1−Rx2)についても、16個の受信信号が取得され、記憶部40に記憶される。
このようにして、全てのアンテナの組み合わせ(Tx1−Rx1)、(Tx1−Rx2)、…、(Tx2−Rx1)、…、(Tx2−Rx8)、(Tx3−Rx1)、…、(Tx3−Rx8)、(Tx4−Rx1)、…、(Tx4−Rx8)、(Tx5−Rx1)、…、(Tx5−Rx8)、(Tx6−Rx1)、…、(Tx6−Rx8)、(Tx7−Rx1)、…、(Tx7−Rx8)、(Tx8−Rx1)、…、(Tx8−Rx8)について、それぞれ16個の受信信号(データ信号DATA2)が取得され、制御部10に記憶される。アンテナの組み合わせは64通りあるので、図9に示すように、アンテナの各組み合わせで64通り、計16×64個の受信信号のデータ(生波形データ41)が記憶される。
続いて、制御部10(組毎平均波形パターン生成部31)は、送信アンテナ及び受信アンテナの同一の組み合わせでの平均波形パターンを算出する(ステップS12)。この時点で、組毎平均波形パターン生成部31は、アンテナの組み合わせ毎に16個の受信信号(生波形データ41)を記憶している。組毎平均波形パターン生成部31は、図9に示すように、この16個の受信信号(データ信号DATA2)の平均波形パターンを、組毎平均波形パターン42として算出する。各受信信号(データ信号DATA2)は4ビットの粗いデジタル信号であるが、この平均化により、各デジタル受信信号の量子化ビット数を上げ、統計的に見て妥当な信号波形を得ることができるので、受信信号に含まれるノイズ及びジッタの影響を低減することができる。
続いて、制御部10(同距離平均波形パターン生成部32C)は、送信アンテナ及び受信アンテナの同一の組み合わせでの組毎平均波形パターン42の中から、波形にピークを有しない平均波形パターンを除外する(ステップS13)。例えば、同距離平均波形パターン生成部32Cは、正のピークの後に負のピークが現れない平均波形パターンについては、その後の計算対象から除外する。この除外は、他に閾値によって行われるようにしてもよい。
続いて、制御部10(時間調整部32A)は、相対距離が同じ送信アンテナ及び受信アンテナの組み合わせでの平均波形パターンの時間調整を行う(ステップS14)。例えば、相対距離が同じ送信アンテナ及び受信アンテナの組み合わせとしては、図5(A)及び図5(B)に示すように、(Tx1−Rx1)、(Tx2−Rx2)、(Tx3−Rx3)、(Tx4−Rx4)、(Tx5−Rx5)、(Tx6−Rx6)、(Tx7−Rx7)、(Tx8−Rx8)等がある。
図10(A)には、相対距離が同じ送信アンテナ及び受信アンテナの2つの組み合わせにおける平均波形パターンが表示されている。図10(A)では、2つの平均波形パターンはよく重なっているように見えるが、実際には、そのピーク付近を拡大した図10(B)に示すように、2つの信号波形のピークP1、P2は時間方向にずれている。そこで、制御部10は、図10(B)のさらなる拡大図である図10(C)に示すように、2つの信号波形のピークP1、P2の中心時点A1、A2を算出し、そのずれ時間dTを算出する。なお、ピークP1、P2に幅がある場合には、最大値を維持するピークP1、P2の頂点の中央を、中心時点A1、A2とすればよい。
続いて、制御部10(レベル調整部32B)は、相対距離が同じ送信アンテナ及び受信アンテナの組み合わせでの平均波形パターンのレベル調整を行う(ステップS15)。具体的には、レベル調整部32Bは、図11(A)に示すように、相対距離が同じ送信アンテナ及び受信アンテナの組み合わせでの2つの平均波形パターンのオフセット成分Offsetを求め、図11(B)に示すように、2つの平均波形パターンの最大値と最小値とのレベルA、Bのスケール比を求める。
続いて、制御部10(同距離平均波形パターン生成部32C)は、求めたずれ時間dTと、オフセットOffset及びスケール比A/Bに基づいて、相対距離が同じ送信アンテナ及び受信アンテナの組み合わせでの平均信号パターンを算出する(ステップS16)。例えば(Tx1−Rx1)、(Tx2−Rx2)、(Tx3−Rx3)、(Tx4−Rx4)、(Tx5−Rx5)、(Tx6−Rx6)、(Tx7−Rx7)、(Tx8−Rx8)について、時間調整(時間ずれの調整)及びレベル調整が行われ、相対距離が同じ送信アンテナ及び受信アンテナの組み合わせでの平均波形パターンが算出される。算出された平均波形パターンは、図7、図9に示すように、同距離平均波形パターン43(検出波形パターン)として、記憶部40に記憶される。
続いて、制御部10(全信号平均波形パターン生成部33A)は、全ての送信アンテナ及び受信アンテナの組み合わせでの平均波形パターンを全信号平均波形パターン(基準波形パターン)44として算出する(ステップS17)。
生体には、受信信号を変化させる異常組織CAが含まれている場合がある。異常組織CAがあると、各受信アンテナRxnで受信される受信信号の波形パターンが変化する。各受信アンテナRxnで受信される受信信号が、異常組織CAによってどのように変化するかは、受信アンテナRxnと異常組織CAとの位置関係によって決まる。例えば、送信アンテナTx1を送信用とし、受信アンテナRx1を受信用とした場合の受信信号における異常組織CAの成分の出現位置と、送信アンテナTx6を送信用とし受信アンテナRx6を受信用とした場合の受信信号における異常組織CAの成分の出現位置とは、それぞれ異なっている。
各受信アンテナRxnで受信される受信信号における異常組織CAの成分の出現位置はそれぞれ異なるため、各受信アンテナRxnで受信された受信信号の平均をとれば、受信信号から、異常組織CAの成分を抑圧することができる。本実施の形態では、異常組織CAの成分が抑圧され、かつ、生体を用いて実際に測定された受信信号の全ての信号の平均波形パターンを基準波形パターンとして、異常組織CAの成分を検出する。
算出された平均波形パターンは、図7、図9に示すように、全信号平均波形パターン(基準波形パターン)44として、記憶部40に記憶される。
続いて、制御部10(差分波形パターン生成部33B)は、同距離平均波形パターンと基準波形パターンとの差分波形パターンを算出する(ステップS18)。すなわち、ここでは、制御部10は、上記ステップS16で求められた相対距離が同じ送信アンテナ及び受信アンテナの組み合わせでの同距離平均波形パターン43から、ステップS17で求められた全信号平均波形パターン(基準波形パターン)44を差し引いて、差分波形パターンが求められる。差分波形パターンは、図9に示すように、相対距離が同じ送信アンテナ及び受信アンテナの組み合わせ毎に求められる。算出された差分波形パターンは、図7、図9に示すように、差分波形パターン45として、記憶部40に記憶される。
図12(A)には、ステップS14の時間調整を行わなかった場合に求められる、相対距離が同じ送信アンテナ及び受信アンテナの組み合わせでの同距離平均波形パターンと、全信号平均波形パターン(基準波形パターン)を差し引いた場合に求められる差分波形パターンが示されている。また、図12(B)には、ステップS14の時間調整を行った場合に求められる、相対距離が同じ送信アンテナ及び受信アンテナの組み合わせでの同距離平均波形パターンと、全信号平均波形パターン(基準波形パターン)を差し引いた場合に求められる差分波形パターンが示されている。図12(A)及び図12(B)を比較するとわかるように、求められる差分波形パターンは、時間調整の有無により、著しく異なっている。
図13(A)には、ステップS15のレベル調整を行わなかった場合に求められる、相対距離が同じ送信アンテナ及び受信アンテナの組み合わせでの同距離平均波形パターンと、全信号平均波形パターン(基準波形パターン)を差し引いた場合に求められる差分波形パターンが示されている。また、図13(B)には、ステップS15のレベル調整を行った場合に求められる、ステップS18における相対距離が同じ送信アンテナ及び受信アンテナの組み合わせでの同距離平均波形パターンと、全信号平均波形パターン(基準波形パターン)を差し引いた場合に求められる差分波形パターンが示されている。図13(A)及び図13(B)を比較するとわかるように、求められる差分波形パターンは、若干異なっている。
続いて、制御部10(検出部34)は、放射時点を調整する(ステップS19)。図14には、送信アンテナ及び受信アンテナのアンテナ間距離に対する、差分波形パターンにおける送信信号の送信を開始してからピークまでの伝搬時間(ピーク時間)の関係が示されている。アンテナ間距離が0になれば、送信信号の送信を開始してから差分波形パターンにおいて、受信されるまでの時間は理論的には0になるはずであるが、図14に示すように、実際には、オフセット時間TLが乗っている。オフセット時間TLは、アンテナの端子にインパルス電流を流し始めてから、アンテナ開口面から電磁波が実際に放射されるまでの高周波信号の遅れによるものであると考えられている。オフセット時間TLは、異常組織CAの検出結果の誤差要因であるため、計測されたピーク時間Tmnから取り除く必要がある。検出装置の各構成要素中の電子デバイス特性の相違、送受信アンテナ特性の相違等様々な要因によって、オフセット時間TLにはばらつきが生じるため、計測の都度、オフセット時間TLを求める必要がある。そこで、このステップでは、オフセット時間TLを求める。
オフセット時間TLの求め方には2通りの方法がある。まず、1つ目の方法について説明する。検出部34は、アンテナ間距離が異なる送信アンテナ及び受信アンテナの組み合わせで、送信信号の送信を開始してから差分波形パターンにおいて最初のピークが現れるまでの時間Tを求め、時間Tを図14に示すグラフ上にプロットし、例えば最小二乗法を用いてプロットされた点に基づく図14に示す実線を決定する。そして、この実線と縦軸との交点の位置座標を、オフセット時間TLとして求める。
次に、2つ目の方法について説明する。検出部34は、アンテナ間距離が異なる送信アンテナ及び受信アンテナの組み合わせでそれぞれ得られた差分波形パターンを積分する。そして、積分波形について、送信信号の送信を開始してから最大ピークが現れるまでの時間Tを求め、時間Tを図14に示すグラフ上にプロットし、例えば最小二乗法を用いてプロットされた点に基づく図14に示す実線を決定する。そして、この実線と縦軸との交点の位置座標を、オフセット時間TLとして求める。
また、図15には、送信アンテナ別に、送信信号の送信を開始してから受信されるまでの時間Tをそれぞれ生成した場合のグラフが示されている。図15に示すように、この場合には、送信アンテナTx1、Tx3、Tx4については曲線(実線)が良く一致していたが、送信アンテナTx2の曲線(点線)については、他のアンテナの曲線よりも傾きが大きくなっている。このような場合には、送信アンテナTx2に関連する計測結果を、異常組織CAを検出するための計測結果から除外するようにしてもよい。
続いて、制御部10(検出部34)は、差分波形パターンに基づいて異常組織CAを検出する(ステップS20)。ここでは、送信信号の送信を開始してから差分波形パターンにおいて、受信されるまでの時間、すなわちピークが現れるまでの伝搬時間(ピーク時間)Tmnからオフセット時間TLが差し引かれた後、差し引かれた時間Tmn’に基づいて、マイクロ波のインパルス信号の行程距離に基づく複数の楕円の交点を検出することにより、異常組織CAの位置が検出される。検出された異常組織は画像化され、図7に示すように、検出画像データ46として記憶部40に記憶され、必要に応じて表示画面に表示される。
図16(A)〜図16(C)には、時間調整及びレベル調整を行わなかった場合における異常組織CAの検出結果(検出画像)が示されている。図16(A)〜図16(C)に示すように、時間調整及びレベル調整が行われていない状態では、異常組織CAの位置を特定することが困難になっている。
図17(A)は、時間調整を行った場合における異常組織CAの検出結果が示されて、図17(B)には、時間調整及びレベル調整を行った場合における異常組織CAの検出結果(画像)が示されている。図17(A)及び図17(B)に示すように、この検出結果では、中央やや左斜め下に異常組織CAが現れている。この検出結果を用いれば、異常組織CAの位置を特定することが可能となる。レベル調整を行った場合と、行わなかった場合とでは、異常組織CAの検出位置が若干異なっており、レベル調整を行った方が、異常組織CAの検出位置は正確であった。
このように、本実施の形態によれば、相対距離が同じである送信アンテナ及び受信アンテナの組み合わせで得られた受信信号について、それぞれの組毎波形パターンを時間方向及び振幅方向に合わせた上で、同じ距離での平均の波形パターンを算出し、算出した平均の波形パターンに基づいて検出対象を検出する。時間方向及び振幅方向に調整された同じ距離での平均の波形パターンは、ノイズやジッタが低減された波形パターンとなるので、その波形パターンに基づいて検出対象を検出すれば、検出対象の検出精度を向上することができる。
なお、送信アンテナTx1〜Tx8、受信アンテナRx1〜Rx8とCMOSスイッチ13、17の間の配線の長さを同じとしたが、多少長さが違っていても、位置関係が同じ送信アンテナTx1〜Tx8及び受信アンテナRx1〜Rx8の組み合わせで送受信された受信信号に対してキャリブレーションを行って配線の長さの違いによる受信信号の差を調整してもよい。
(実施形態2)
続いて、実施形態2に係る検出装置、信号処理方法及びプログラムについて説明する。本実施形態では、検出対象の検出精度を向上させるため、制御部10が、ピーク値のばらつきの大きい受信信号を除外して組毎平均波形パターンを算出する点、及び差分波形パターンに帯域フィルタ、補償演算等を適用する点で、上記実施形態1と異なる。また、検出波形パターンとして組毎平均波形パターンを、基準波形パターンとして同距離波形パターンを用いる点で、上記実施形態1と異なる。その他の構成は上記実施形態1の構成(図1)と同様であるので、同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。
制御部10の基本的な機能構成(図18)は、全信号平均波形パターンに関する部分を除いて、図7に示される実施形態1と同様であるが、上記検出波形パターン及び基準波形パターンの違いから、一部の機能、処理は実施形態1と異なる。以下、主に、実施形態1と異なる機能について説明する。
本実施形態の組毎平均波形パターン生成部31は、受信信号の外れ値を除外する。具体的には、送信アンテナ及び受信アンテナの同一の組み合わせで取得された各受信信号のピーク値から、ピーク値の平均値と標準偏差を求める。そして、ピーク値が、一定の信頼区間から外れている受信信号を除外した後、組毎平均波形パターンを算出する。
また、差分波形パターン生成部33Bは、差分波形パターンから雑音を除外するための帯域フィルタを備える。差分波形パターンは、高周波の量子化ノイズと、直流成分の低周波ノイズを含んでいる。差分波形パターン生成部33Bは、差分波形パターンに帯域フィルタを適用して、これらのノイズを除去する。
さらに、差分波形パターン生成部33Bは、被検者の体内を伝搬することによって減衰した受信信号を増幅させるための補償器を備える。具体的には、差分波形パターンの積分波形に対して、次式の補償係数Cを乗ずることにより、補償を行う。
ただし、αは次式の減衰定数、rは距離(生体中の光の速度c×時間t)。
ただし、μは透磁率、εは誘電率、ωは角周波数、σは導電率を表す。
次に、実施形態2に係る異常組織検出装置1の動作について説明する。図19には、異常組織検出装置1の動作の流れが示されている。図20には、異常組織検出装置1のデータの流れが示されている。
図19に示すように、まず、制御部10(信号送受信制御部30)は、全ての組み合わせでマイクロ波を送受信し、受信信号を取得する(ステップS31)。ステップS31は、実施形態1のステップS11と同様の処理であり、同じアンテナの組み合わせで複数回、例えば40回信号の送受信を行う(図20)。そして、記憶部40に、全てのアンテナの組み合わせ(64通り)で40個の受信信号(データ信号DATA2)のデータ(生波形データ41)が記憶される。
続いて、制御部10(組毎平均波形パターン生成部31)は、上記40個の受信信号のデータから、ピーク値が一定の信頼区間から外れている受信信号のデータを除外する(ステップS32)。具体的には、組毎平均波形パターン生成部31は、上記40個の受信信号のデータそれぞれのピーク値を基に、ピーク値の平均値及び標準偏差を算出する。そして、ピーク値が、一定の信頼区間から外れている外れ値となる受信信号を除外する。
外れ値を除外するための信頼区間は、各受信信号のピーク値のばらつきに基づいて、任意に設定することができる。本実施の形態では、各受信信号のピーク値は正規分布に従うものとして、平均値±1.64σ(σ:標準偏差)の範囲、すなわち約90%の信頼区間を設定し、これから外れるピーク値を有する受信信号を除外している。
例えば、図21(A)は、送信アンテナTx1及び受信アンテナRx13の組み合わせで取得した各受信信号のピーク値を示す図であり、図21(B)は、各受信信号のピーク値のヒストグラムである。この受信信号のピーク値について90%信頼区間外の外れ値を除外する。
続いて、制御部10(時間調整部32A)は、送信アンテナ及び受信アンテナの同一の組み合わせで、外れ値に係る受信信号データを除外した残余の受信信号(生波形データ41)について、実施形態1のステップS14と同様に、時間調整を行うため、ずれ時間dTを算出する(ステップS33)。
また、制御部10(レベル調整部32B)は、送信アンテナ及び受信アンテナの同一の組み合わせで、外れ値に係る受信信号データを除外した残余の受信信号(生波形データ41)について、実施形態1のステップS15と同様に、レベル調整を行うため、オフセットOffset及びスケール比A/Bを求める(ステップS34)。
続いて、制御部10(組毎平均波形パターン生成部31)は、検出波形パターン生成部として、外れ値に係る受信信号データを除外した残余の受信信号(生波形データ41)について、ステップS33で求めたずれ時間dTと、ステップS34で求めたオフセットOffset及びスケール比A/Bに基づく調整を行い送信アンテナ及び受信アンテナの同一の組み合わせでの平均波形パターンを算出する(ステップS35)。すなわち、組毎平均波形パターン生成部31は、図20に示すように、上記フィルタリングによって、40個の受信信号(データ信号DATA2)から外れ値に係る受信信号を除外する。残余の受信信号は、時間調整部32A及びレベル調整部32Bによって調整された後、組毎平均波形パターン生成部31によって平均される。そして、算出された平均波形パターンを、組毎平均波形パターン42とする。実施形態1と同様に、各受信信号(データ信号DATA2)は4ビットの粗いデジタル信号であるが、この平均化により、各デジタル受信信号の量子化ビット数を上げ、統計的に見て妥当な信号波形を得ることができるので、受信信号に含まれるノイズ及びジッタの影響を低減することができる。また、外れ値に係る受信信号を除外して、組毎平均波形パターンを算出することにより、ノイズの影響の少ない組毎平均波形パターンを求めることができる。
続いて、基準波形パターン生成部としての、制御部10(同距離平均波形パターン生成部32C)は、実施形態1のステップS13と同様に、送信アンテナ及び受信アンテナの同一の組み合わせでの組毎平均波形パターン42の中から、波形にピークを有しない平均波形パターンを除外する(ステップS36)。上述のように、この除外は、他に閾値によって行われるようにしてもよい。
続いて、制御部10(同距離平均波形パターン生成部32C)は、ステップS36で残った組毎平均波形パターン42から、相対距離が同じ送信アンテナ及び受信アンテナの組み合わせでの平均信号パターンを算出する(ステップS37)。算出された平均波形パターンは、同距離平均波形パターン43として、記憶部40に記憶される。
算出された同距離平均波形パターン43は、基準波形パターンとして、記憶部40に記憶される。
続いて、制御部10(差分波形パターン生成部33B)は、検出波形パターンとしての組毎平均波形パターンと基準波形パターンとしての同距離波形パターンとの差分波形パターンを算出する(ステップS38)。すなわち、制御部10は、上記ステップS35で求められた、送信アンテナ及び受信アンテナの同一の組み合わせでの組毎平均波形パターン42から、ステップS37で求められた相対距離が同じ送信アンテナ及び受信アンテナの組み合わせでの同距離平均波形パターン43を差し引いて、差分波形パターンが求められる。差分波形パターンは、図20に示すように、送信アンテナ及び受信アンテナの組み合わせ毎に求められる。算出された差分波形パターンは、差分波形パターン45’として、記憶部40に記憶される。
続いて、制御部10(差分波形パターン生成部33B)は、帯域フィルタによるノイズ除去を行う(ステップS39)。ステップS38で算出された差分波形パターン45’には、図22(A)にスパイク状のノイズとして表れている、量子化誤差による高周波ノイズが含まれている。また、図22(A)の差分波形パターン45’を積分した積分波形は、図22(B)に示すように、時間の経過とともに増大している。よって、差分波形パターン45’には、直流成分の低周波ノイズが含まれていることがわかる。また、図22(C)に示す差分波形パターン45’をフーリエ変換した周波数スペクトルからも、低周波ノイズ及び高周波ノイズが含まれていることがわかる。
これらのノイズを除去するため、本実施形態では、送信信号の周波数よりも狭い、2GHz〜6GHzを通過帯域とする帯域フィルタを用いる。図23(A)は、図22(A)の差分波形パターン45’に上述の帯域フィルタを適用した波形である。帯域フィルタの適用によって、量子化誤差による高周波ノイズが除去されている。
また、図23(A)に示す差分波形パターン45’を積分した積分波形は、図23(B)に示すように、時間の経過とともに増大することなく、水平を保っている。したがって、帯域フィルタの適用により、直流成分の低周波ノイズを除去できていることがわかる。
続いて、制御部10(差分波形パターン生成部33B)は、被検者の体内を伝搬することによって減衰した受信信号の補償を行う(ステップS40)。
具体的には、上記ステップS39で算出された積分値に対して、上述の数1及び数2で表される補償係数Cを乗ずる。これにより、送信アンテナから受信アンテナへの直接波に対して、遅く受信される異常組織からの反射波を相対的に大きくする。(図24(A)、図24(B))。したがって、受信波形における異常組織からの反射波をより明確にすることができるため、異常組織検出の精度を向上させることができる。
続いて、制御部10(検出部34)は、実施形態1のステップS19と同様に、放射時点を調整する(ステップS41)。実施形態1では、オフセット時間TLは、差分波形パターン45’における正のピーク位置を用いる方法、または、差分波形パターン45’を積分した場合のピーク位置を用いる方法によって算出することとしたが、これに限られない。
例えば、差分波形パターン45’における負のピーク位置を用いてオフセット時間TLを算出することができる。具体的には、検出部34は、アンテナ間距離が異なる送信アンテナ及び受信アンテナの組み合わせで、送信信号の送信を開始してから差分波形パターン45’において負のピークが現れるまでの時間Tを求める。図14と同様に、時間Tをグラフ上にプロットし、例えば最小二乗法を用いてプロットされた点に基づく実線を決定する。そして、この実線と縦軸との交点の位置座標を、オフセット時間TLとして求める。
図25(A)及び図25(B)に、正のピーク位置を選択した場合と負のピーク位置を選択した場合の例が示されている。図25(A)は、送信アンテナTx3及び受信アンテナRx7における差分波形パターン45’を示しており、正のピーク位置は、T1=3.83ns、負のピーク位置は、T1=3.95nsの時点である。また、図25(B)は、送信アンテナTx3及び受信アンテナRx15の組み合わせにおける差分波形パターン45’を示しており、正のピーク位置は、T2=4.00ns、負のピーク位置は、T2=4.10nsの時点である。上記の通り、T1及びT2からオフセット時間TLを算出すると、TL=2.77nsとなる。また、T1及びT2からオフセット時間TLを算出すると、TL=2.90nsとなる。
続いて、制御部10(検出部34)は、実施形態1のステップS20と同様に、差分波形パターンに基づいて異常組織CAを検出する(ステップS42)。異常組織CAの位置は、送信信号の送信を開始してから差分波形パターン45’において、受信されるまでの時間、すなわちピークが現れるまでの伝搬時間(ピーク時間)Tmnからオフセット時間TLが差し引かれた後、差し引かれた時間Tmn’に基づいて、マイクロ波のインパルス信号の行程距離に基づく複数の楕円の交点を検出することによって行われる。
上記ステップS41において、正のピーク値に基づいてオフセット時間TLを算出した場合には、反射信号の正のピークに基づいて、異常組織CAの位置が検出される。また、負のピーク値に基づいてオフセット時間TLを算出した場合には、反射信号の負のピークに基づいて、異常組織CAの位置が検出される。検出された異常組織は画像化され、検出画像データ46として記憶部40に記憶され、必要に応じて表示画面に表示される。
図26(A)及び図26(B)は、検出された異常組織を画像化した例である。図26(A)は、正のピーク値に基づいて算出したオフセット時間TLを使って、異常組織CAを検出した場合を示している。この図では、異常組織の位置は、正の輝点として現れている。図26(B)は、負のピーク値に基づいて算出したオフセット時間TLを使って、異常組織CAを検出した場合を示している。この図では、異常組織の位置は、負の輝点として現れている。このように、オフセット時間TLの算出基準によって、検出結果の画像上で異常組織CAの位置を正の輝点で表すか、負の輝点で表すかを選択することができる。これにより、異常組織CAを判別し易い方法で画像を作成することが可能となり、異常組織CAの検出精度を向上させることができる。
図27(A)には、帯域フィルタによるフィルタリング及び損失補償を行わなかった場合における異常組織CAの検出結果(検出画像)が示されている。図27(B)には、帯域フィルタによるフィルタリングを行い、損失補償を行わなかった場合における異常組織CAの検出結果が示されている。図27(C)には、帯域フィルタによるフィルタリング及び損失補償を行った場合における異常組織CAの検出結果が示されている。それぞれの場合の信号雑音比は、図27(A)でSCR(signal-to-clutter ratio)=2.43,SMR(signal-to-mask ratio)=21.22、図27(B)でSCR=4.93,SMR=24.22、図27(C)でSCR=5.70,SMR=24.54となっている。このように、本実施形態の帯域フィルタ及び損失補償により、異常組織CAの検出精度を向上させることができる。
上記各実施の形態では、アンテナの数を送信アンテナ8個、受信アンテナ8個としたが、本発明はこれには限られず、アンテナの数は任意でよい。これに合わせて、CMOSスイッチ13、17も、単極8投でなくてもよく、他の単極多投のスイッチでよい。その数は、送信アンテナ、受信アンテナの数に合わせることになる。なお、CMOSスイッチ13の出力端、CMOSスイッチ17の出力端は、配線の長さが等しくなるように、かつ長すぎないように、円状に配置できる数とするのが望ましい。
また、CMOSスイッチ13、17は、双極多投のスイッチであってもよい。この場合には、各アンテナが、送信スイッチにも受信スイッチにもなるので、スイッチの組み合わせの数を増やすことができる。
その他、制御部10のハードウエア構成やソフトウエア構成は一例であり、任意に変更および修正が可能である。
制御部10の処理を行う中心となる部分は、専用のシステムによらず、通常のコンピュータシステムを用いて実現可能である。例えば、前記の動作を実行するためのコンピュータプログラムを、コンピュータが読み取り可能な記録媒体(フレキシブルディスク、CD−ROM、DVD−ROM等)に格納して配布し、当該コンピュータプログラムをコンピュータにインストールすることにより、前記の処理を実行する制御部10を構成してもよい。また、インターネット等の通信ネットワーク上のサーバ装置が有する記憶装置に当該コンピュータプログラムを格納しておき、通常のコンピュータシステムがダウンロード等することで制御部10を構成してもよい。
制御部10の機能を、OS(オペレーティングシステム)とアプリケーションプログラムの分担、またはOSとアプリケーションプログラムとの協働により実現する場合などには、アプリケーションプログラム部分のみを記録媒体や記憶装置に格納してもよい。
搬送波にコンピュータプログラムを重畳し、通信ネットワークを介して配信することも可能である。たとえば、通信ネットワーク上の掲示板(BBS, Bulletin Board System)にコンピュータプログラムを掲示し、ネットワークを介してコンピュータプログラムを配信してもよい。そして、このコンピュータプログラムを起動し、OSの制御下で、他のアプリケーションプログラムと同様に実行することにより、前記の処理を実行できるように構成してもよい。
この発明は、この発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施の形態は、この発明を説明するためのものであり、この発明の範囲を限定するものではない。すなわち、この発明の範囲は、実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。そして、特許請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、この発明の範囲内とみなされる。
本出願は、2015年10月29日に出願された日本国特許出願2015−213406号に基づく。本明細書中に、日本国特許出願2015−213406号の明細書、特許請求の範囲、図面全体を参照として取り込むものとする。
本発明は、乳癌センサなどに用いられるアンテナアレイ装置に好適である。また、本発明は、乳癌センサに限らず、他の腫瘍等、生体、外部環境の誘電率の異なる領域の検出・判別に応用可能である。
1 異常組織検出装置
10 制御部
11 送信部
12 送信アンプ
13 CMOSスイッチ
14 配線部
15 アンテナアレイ
16 配線部
17 CMOSスイッチ
18 受信アンプ
19 受信部
20 選択部
21A、21B NAND回路
21C、21D NOR回路
22A〜22D 遅延回路
23A、23C OR回路
23B、23D AND回路
24A、24C ダウンパルスジェネレータ
24B、24D アップパルスジェネレータ
25A、25B バッファ回路
30 信号送受信制御部
31 組毎平均波形パターン生成部
32A 時間調整部
32B レベル調整部
32C 同距離平均波形パターン生成部
33A 全信号平均波形パターン生成部
33B 差分波形パターン生成部
34 検出部
40 記憶部
41 生波形データ
42 組毎平均波形パターン
43 同距離平均波形パターン
44 全信号平均波形パターン(基準波形パターン)
45、45’ 差分波形パターン
46 検出画像データ
CA 異常組織
Ck 信号
CLK、CLOCK、/CLOCK クロック信号
CS1、CS2 制御信号
DATA、/DATA、DATA2 データ信号
RS1、RS2 受信信号
Rx1、Rx2、…、Rx8 受信アンテナ
MW 送信信号(インパルス信号)
OP、OM 出力信号
RW 反射信号
Tx1、Tx2、…、Tx8 送信アンテナ
SS1、SS2 送信信号

Claims (15)

  1. マイクロ波のインパルス信号を送信する複数の送信アンテナと、
    前記インパルス信号を受信する複数の受信アンテナと、
    選択する送信アンテナ及び受信アンテナの組み合わせを切り替えながら、インパルス信号を選択された送信アンテナに出力し、選択された受信アンテナで受信された受信信号を入力し、入力した受信信号に対する信号処理を行う制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、
    前記送信アンテナと前記受信アンテナとの所定の組み合わせについて、前記受信アンテナで受信された複数の受信信号の信号波形におけるピークの時点に基づいて、信号波形の時間方向のずれを調整する時間調整部と、
    前記時間調整部で調整された複数の受信信号であって、前記送信アンテナと前記受信アンテナとの同一の組み合わせについて取得された複数の受信信号、または、前記送信アンテナと前記受信アンテナとの相対距離が同じ組み合わせについて取得された複数の受信信号の平均を示す検出波形パターンを生成する検出波形パターン生成部と、
    前記検出波形パターンの生成に用いられた複数の受信信号を含み、より多数の受信信号の信号波形の平均を示す基準波形パターンを生成する基準波形パターン生成部と、
    前記検出波形パターン生成部で生成された検出波形パターンと、前記基準波形パターン生成部で生成された基準波形パターンとの差分を示す差分波形パターンを生成する差分波形パターン生成部と、
    前記差分波形パターン生成部で生成された差分波形パターンに基づいて、検出対象を検出する検出部と、
    を備える検出装置。
  2. 前記時間調整部は、前記送信アンテナと前記受信アンテナとの同一の組み合わせを所定の組み合わせとして信号波形の時間方向のずれを調整し、
    前記検出波形パターン生成部は、
    同一の前記送信アンテナと前記受信アンテナとの同一の組み合わせにおける複数の受信信号の信号波形を平均した組毎平均波形パターンを検出波形パターンとして生成し、
    前記基準波形パターン生成部は、
    前記送信アンテナと前記受信アンテナとの相対距離が同じ組み合わせでの前記組毎平均波形パターンを平均した同距離平均波形パターンを基準波形パターンとして生成する、
    請求項1に記載の検出装置。
  3. 前記時間調整部は、前記送信アンテナと前記受信アンテナとの相対距離が同じ組み合わせを所定の組み合わせとして信号波形の時間方向のずれを調整し、
    前記検出波形パターン生成部は、
    前記送信アンテナと前記受信アンテナとの相対距離が同じ組み合わせにおける受信信号の信号波形を平均した同距離平均波形パターンを検出波形パターンとして生成し、
    前記基準波形パターン生成部は、
    前記送信アンテナと前記受信アンテナとの全ての組み合わせでの受信信号の信号波形を平均した全信号平均波形パターンを基準波形パターンとして生成する、
    請求項1に記載の検出装置。
  4. 前記制御部は、
    前記送信アンテナと前記受信アンテナとの相対距離が同じ組み合わせについて、前記受信アンテナで受信された信号の信号波形のオフセット及び振幅に基づいて、前記受信アンテナで受信された信号の振幅が同一レベルになるように信号波形の振幅レベルを調整するレベル調整部を備える、
    請求項1から3のいずれか一項に記載の検出装置。
  5. 前記送信アンテナと前記受信アンテナとの同じ組み合わせについて、複数回、インパルス信号を選択された送信アンテナに出力して選択された受信アンテナから出力された所定ビット数のデジタル受信信号を入力する信号送受信制御部と、
    複数回入力されたデジタル受信信号の平均を前記所定ビット数より大きいビット数で表現する平均波形パターンを、その組み合わせの受信信号の信号波形の波形パターンとして取得する組毎平均波形パターン生成部と、
    を備える、
    請求項1から4のいずれか一項に記載の検出装置。
  6. 前記組毎平均波形パターン生成部は、
    前記複数回入力されたデジタル受信信号のうち、前記デジタル受信信号の最大振幅が正規分布の90%信頼区間外であるデジタル受信信号を除外して、前記平均波形パターンを生成する、
    請求項5に記載の検出装置。
  7. 前記インパルス信号は、ガウシアンモノサイクルパルスである、
    請求項1から6のいずれか一項に記載の検出装置。
  8. 前記制御部は、
    前記送信アンテナと前記受信アンテナとの相対距離が同じ組み合わせにおける受信信号の信号波形の平均を示す同距離平均波形パターンを生成する、同距離平均波形パターン生成部を備え、
    前記同距離平均波形パターン生成部は、
    前記送信アンテナと前記受信アンテナとの各組み合わせの受信信号の信号波形の波形パターンについて、正のピークに続いて正のピークが現れ、負のピークが現れない場合には、その組み合わせの受信信号の信号波形の波形パターンを計算対象から除外する、
    請求項7に記載の検出装置。
  9. 前記検出部は、
    前記差分波形パターンに基づいて、前記インパルス信号を送信してから前記受信信号を受信するまでの伝搬時間を、前記送信アンテナと前記受信アンテナとの相対距離が同じ組み合わせについてそれぞれ求め、
    求められた伝搬時間に基づいて、前記相対距離が0であると仮定したときの伝搬時間に含まれるオフセットを推定し、
    前記伝搬時間に含まれるオフセットを差し引かれた前記伝搬時間に基づいて、検出対象の位置を検出する、
    請求項1から8のいずれか一項に記載の検出装置。
  10. 前記検出部は、
    前記差分波形パターンの最初の正又は負のピーク位置に基づいて前記伝搬時間を求め、前記伝搬時間に含まれるオフセットを推定するとともに、
    前記正のピーク位置に基づいて前記伝搬時間に含まれるオフセットを推定した場合には、前記差分波形パターンの正のピーク位置に基づいて、前記検出対象の位置を検出し、
    前記負のピーク位置に基づいて前記オフセットを推定した場合には、前記差分波形パターンの負のピーク位置に基づいて、前記検出対象の位置を検出する、
    請求項9に記載の検出装置。
  11. クロック信号を入力する論理回路、遅延回路及び半導体スイッチング素子の組み合わせ回路を有し、その組み合わせ回路を用いて複数の送信アンテナに送信するインパルス信号を生成する送信信号生成部を備える、
    請求項1から10のいずれか一項に記載の検出装置。
  12. 前記制御部は、
    前記差分波形パターン生成部で生成された差分波形パターンから、低周波ノイズ及び高周波ノイズを除去する帯域フィルタを備える、
    請求項1から11のいずれか一項に記載の検出装置。
  13. 前記制御部は、
    前記差分波形パターンを、前記インパルス信号が伝搬する媒体の損失式で補償する補償器を備える、
    請求項1から12のいずれか一項に記載の検出装置。
  14. マイクロ波のインパルス信号を送信する複数の送信アンテナと、前記インパルス信号を受信する複数の受信アンテナとの組み合わせを切り替えながら、インパルス信号を選択された送信アンテナに出力し、選択された受信アンテナで受信された受信信号を入力し、入力した受信信号に対する信号処理を行う信号処理方法であって、
    前記送信アンテナと前記受信アンテナとの所定の組み合わせについて、前記受信アンテナで受信された複数の受信信号の信号波形におけるピークの時点に基づいて、信号波形の時間方向のずれを調整する時間調整ステップと、
    前記時間調整ステップで調整された複数の受信信号であって、前記送信アンテナと前記受信アンテナとの同一の組み合わせについて取得された複数の受信信号、または、前記送信アンテナと前記受信アンテナとの相対距離が同じ組み合わせについて取得された複数の受信信号の平均を示す検出波形パターンを生成する検出波形パターン生成ステップと、
    前記検出波形パターンの生成に用いられた複数の受信信号を含み、より多数の受信信号の信号波形の平均を示す基準波形パターンを生成する基準波形パターン生成ステップと、
    前記検出波形パターンステップで生成された検出波形パターンと、前記基準波形パターン生成ステップで生成された基準波形パターンとの差分を示す差分波形パターンを生成する差分波形パターン生成ステップと、
    前記差分波形パターン生成ステップで生成された差分波形パターンに基づいて、検出対象を検出する検出ステップと、
    を含む信号処理方法。
  15. コンピュータを、
    マイクロ波のインパルス信号を送信する複数の送信アンテナと、前記インパルス信号を受信する複数の受信アンテナとの組み合わせを切り替えながら、インパルス信号を選択された送信アンテナに出力し、選択された受信アンテナで受信された受信信号を入力し、入力した受信信号に対する信号処理を行う制御部、
    前記送信アンテナと前記受信アンテナとの所定の組み合わせについて、前記受信アンテナで受信された複数の受信信号の信号波形におけるピークの時点に基づいて、信号波形の時間方向のずれを調整する時間調整部、
    前記時間調整部で調整された複数の受信信号であって、前記送信アンテナと前記受信アンテナとの同一の組み合わせについて取得された複数の受信信号、または、前記送信アンテナと前記受信アンテナとの相対距離が同じ組み合わせについて取得された複数の受信信号の平均を示す検出波形パターンを生成する検出波形パターン生成部、
    前記検出波形パターンの生成に用いられた複数の受信信号を含み、より多数の受信信号の信号波形の平均を示す基準波形パターンを生成する基準波形パターン生成部、
    前記検出波形パターン生成部で生成された検出波形パターンと、前記基準波形パターン生成部で生成された基準波形パターンとの差分を示す差分波形パターンを生成する差分波形パターン生成部、
    前記差分波形パターン生成部で生成された差分波形パターンに基づいて、検出対象を検出する検出部、
    として機能させるプログラム。
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