JP6849122B2 - 電動機 - Google Patents

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Description

本開示は、電動機に関するものである。
従来より、穴部を有する回転子コアと、穴部に挿入される永久磁石とを備えた回転子が知られている(例えば、特許文献1)。同文献の回転子では、穴部の壁面と永久磁石との間の隙間に注入される樹脂により永久磁石が保持される。
特開2006−238584号公報
しかしながら、特許文献1の回転子では、例えば、樹脂に応力がかかってクリープが生じたり、あるいは当該樹脂が疲労破壊したりすると、永久磁石が適切に保持されなくなるおそれがある。
本開示の目的は、回転子において、永久磁石を適切に保持することにある。
本開示の第1の態様は、固定子(20)と、複数の磁極(34)を有する回転子(30)とを備えた電動機(10)を対象とする。上記回転子(30)の上記磁極(34)は、回転子周方向に並んで2つ以上の貫通孔(32)が形成された回転子コア(31)と、上記貫通孔(32)ごとに挿入された永久磁石(35)とで構成される。上記貫通孔(32)の回転子外周側の内面と上記回転子(30)の外周面との間の上記回転子コア(31)の回転子径方向の長さは、上記永久磁石(35)の回転子径方向の長さよりも短い。上記永久磁石(35)の磁束が流れる磁気回路において、上記永久磁石(35)よりも回転子外周側の磁気抵抗は、上記永久磁石(35)よりも回転子内周側の磁気抵抗よりも小さく、上記永久磁石(35)および上記貫通孔(32)の形状は、回転子軸方向から見て、上記永久磁石(35)の外面と上記貫通孔(32)の内面との間の隙間(G)の回転子径方向の平均寸法が、回転子内周側よりも回転子外周側で小さくなるように上記永久磁石(35)の回転子径方向の位置を規制する形状になっており、上記貫通孔(32)の回転子内周側の内面は、上記永久磁石(35)の外面に沿って形成された近接部(32a)と、該近接部(32a)よりも回転子径方向の内側に向かって窪んで上記永久磁石(35)の外面から離れた離間部(32b)とを含む
第1の態様では、磁気力と遠心力の両方が、永久磁石(35)を貫通孔の回転子外周側の内面に位置させるように働く。このため、電動機(10)の駆動中に永久磁石(35)が貫通孔(32)内で移動しにくい。したがって、回転子(30)において、永久磁石(35)を適切に保持することができる。また、永久磁石(35)の回転子径方向の位置が上述のように規制されることにより、上記第1の態様における磁気抵抗の所定の大小関係が実現される。また、永久磁石(35)の回転子径方向の位置が規制される。離間部(32b)に対応する隙間(G)は、近接部(32a)に対応する隙間(G)よりも大きい。このため、離間部(32b)によって、永久磁石(35)の回転子内周側の磁気抵抗が大きくなる。
本開示の第の態様は、上記第の態様において、上記離間部(32b)は、上記貫通孔(32)の回転子周方向の端部のみにあることを特徴とする。
の態様では、貫通孔(32)の回転子周方向の端部において、永久磁石(35)と回転子コア(31)との間の距離が大きくなる。永久磁石(35)の回転子内周側の角部の曲率半径を小さくすることができ、電動機(10)のトルクを向上することができる。
本開示の第の態様は、上記第の態様において、上記貫通孔(32)を有する上記磁極(34)は、少なくとも2つの上記貫通孔(32)を有し、上記離間部(32b)は、極性の異なる上記磁極(34)に最も近い上記貫通孔(32)において、該貫通孔(32)における該磁極(34)側の回転子周方向の端部のみにあることを特徴とする。
の態様では、永久磁石(35)が貫通孔(32)の回転子内周側の内面に吸いつく傾向の高い箇所に選択的に離間部(32b)が設けられる。したがって、回転子(30)における磁気抵抗の増大を抑えることができる。
本開示の第の態様は、上記第の態様において、上記離間部(32b)は、上記貫通孔(32)の回転子周方向の中央部のみにあることを特徴とする。
の態様では、リブ(39)の回転子径方向の長さを短くできるため、電動機(10)の駆動時に生じる遠心力に対する耐力を高めることができる。
本開示の第の態様は、上記第〜第の態様のいずれか1つにおいて、上記貫通孔(32)を有する上記磁極(34)は、少なくとも3つの上記貫通孔(32)を有し、上記離間部(32b)は、極性の異なる上記磁極(34)に最も近い上記貫通孔(32)のみが含むことを特徴とする。
の態様では、永久磁石(35)が貫通孔(32)の回転子内周側の内面に吸いつく傾向の高い箇所のみに離間部(32b)が設けられる。したがって、回転子(30)における磁気抵抗の増大を抑えることができる。
本開示の第の態様は、上記第1〜第の態様のいずれか1つにおいて、上記回転子コア(31)は、回転子周方向に隣り合う上記貫通孔(32)の間に形成され、一定幅で回転子径方向に延びる部分である定幅部(39a)を含むリブ(39)を有し、上記永久磁石(35)の回転子周方向の一端または両端の外面は、上記リブ(39)の定幅部(39a)に沿って延びていることを特徴とする。
本開示の第7の態様は、上記第6の態様において、前記リブ(39)は、定幅部(39a)よりも周方向の幅が小さい部分を含まないことを特徴とする。
の態様では、回転子周方向の広い範囲にわたって永久磁石(35)の回転子径方向の寸法が大きくなる。このため、永久磁石(35)の磁束を増やして電動機(10)のトルクを向上することができる。
本開示の第の態様は、第1の態様において、回転子軸方向から見て、上記永久磁石(35)の外面と上記貫通孔(32)の内面との間に隙間(G)が形成され、上記隙間(G)に冷媒を供給する冷媒流路(300)を備えていることを特徴とする。
一般的に、この種の電動機(10)では、渦電流により回転子(30)が発熱し易い。この熱は、永久磁石(35)に伝導されることにより、永久磁石(35)が減磁してしまう虞がある。第の態様によれば、回転子コアの熱抵抗の影響や、回転子コアと永久磁石(35)の間の接触熱抵抗の影響を小さく抑えつつ、永久磁石(35)を冷媒により効率的に冷却することができる。言い換えれば、冷媒が永久磁石(35)に直接的に接することにより該永久磁石(35)を冷却することができるため、冷媒が回転子コア等を介して間接的に永久磁石を冷却する場合と比較して、効率的な冷却が実現する。
本開示の第の態様は、第の態様において、上記回転子(30)の径方向内側に固定される軸部(15)をさらに備え、上記冷媒流路(300)は、上記軸部(15)の内部に形成される軸内流路(第1流路)(301)を含むことを特徴とする。
本開示の第10の態様は、第1〜第9の態様のいずれか1つにおいて、回転子(20)はBPM(Buried Permanent Magnet)型の回転子であることを特徴とする。
の態様では、部品点数を減らすことができる。
図1は、実施形態1の電動機の正面図である。 図2は、実施形態1の回転子の正面図である。 図3は、実施形態2の回転子の正面図である。 図4は、実施形態3の回転子の正面図である。 図5は、実施形態4の回転子の正面図である。 図6は、実施形態5の電動機を備える遠心型圧縮機の縦断面図である。 図7は、実施形態5の遠心型圧縮機を搭載する冷凍装置の概要図である。
《実施形態1》
実施形態1について説明する。本実施形態の電動機(10)は、ベアリングレスモータである。以下の説明では、回転子(30)の軸心(O)に近い側を「内周側」または「回転子内周側」とし、回転子(30)の軸心(O)から遠い側を「外周側」または「回転子外周側」とする。また、回転子(30)の軸心(O)の方向を「軸方向」または「回転子軸方向」とし、回転子(30)の軸心(O)に直交する方向を「径方向」または「回転子径方向」とする。また、回転子(30)の軸心(O)を基準とした周方向を「周方向」または「回転子周方向」とする。
図1および図2に示すように、電動機(10)は、固定子(20)と、回転子(30)とを備える。
固定子(20)は、固定子コア(21)と、駆動用コイルおよび支持用コイル(図示せず)とを備える。
固定子コア(21)は、磁性材料で構成された筒状の部材である。固定子コア(21)は、外周側に配置された実質的に円筒状のバックヨーク部(22)と、バックヨーク部(22)の内周面から内径方向に突出する複数のティース部(23)とを有する。
駆動用コイルは、回転子(30)を回転駆動するための駆動電流が流れるコイルである。駆動用コイルは、各ティース部(23)に分布巻方式で巻回されている。なお、駆動用コイルは、各ティース部(23)に集中巻方式で巻回されていてもよい。
支持用コイルは、回転子(30)を非接触で支持するための支持電流が流れるコイルである。支持用コイルは、各ティース部(23)に分布巻方式で巻回されている。なお、支持用コイルは、各ティース部(23)に集中巻方式で巻回されていてもよい。
回転子(30)は、BPM(Buried Permanent Magnet)型の回転子である。回転子(30)は、固定子(20)の径方向内側に、当該固定子(20)とエアギャップを隔てて対向するように配置される。回転子(30)は、回転子コア(31)と、永久磁石(35)とを有する。
回転子コア(31)は、磁性材料で構成された筒状の部材である。回転子コア(31)は、外周面の近傍に複数(この例では、12個)の貫通孔(32)が形成されている。複数の貫通孔(32)は、回転子周方向に実質的に等間隔に並んで形成されている。複数の貫通孔(32)は、回転子コア(31)を回転子軸方向に貫通している。回転子コア(31)の中心には、シャフト(図示せず)を挿通するためのシャフト孔(33)が形成されている。
回転子コア(31)は、回転子周方向に隣り合う貫通孔(32)の間に形成されたリブ(39)を有する。リブ(39)は、回転子軸方向から見て、回転子径方向に延びる細長い形状になっている。リブ(39)は、一定幅で回転子径方向に延びる部分である定幅部(39a)を含む。
永久磁石(35)は、希土類を含有する焼結磁石であるが、これに限られない。永久磁石(35)は、回転子コア(31)の貫通孔(32)ごとに挿入されている。この例では、回転子周方向に隣り合って並んだ3つの永久磁石(35)と、当該永久磁石(35)の周囲の回転子コア(31)とによって1つの磁極(34)が構成される。このため、この例では、回転子(30)は、4つの磁極(34)を備える。この例では、図2において、右上の3つの永久磁石(35)および左下の3つの永久磁石が、それぞれN極の磁極を構成し、右下の3つの永久磁石(35)および左上の3つの永久磁石が、それぞれS極の磁極を構成する。複数の永久磁石(35)の形状は、互いに略同じであることが好ましい。なお、1つの磁極(34)に対応する貫通孔(32)と永久磁石(35)の数は、2つ以下であってもよいし、4つ以上であってもよい。
図2に示すように、永久磁石(35)は、回転子軸方向から見て、やや扁平な台形状に形成されている。永久磁石(35)の回転子外周側の外面は、回転子周方向に沿って延びる直線状の第1磁石面(36)になっている。永久磁石(35)の回転子内周側の外面は、第1磁石面(36)と平行に延びる直線状の第2磁石面(37)になっている。永久磁石(35)における回転子周方向の両端の外面は、リブ(39)の定幅部(39a)に沿って延びる直線状の第3磁石面(38)になっている。なお、2つの第3磁石面(38)は、一方のみが定幅部(39a)に沿って延びていてもよいし、両方が定幅部(39a)に沿って延びていなくてもよい。
第1磁石面(36)の回転子周方向の長さは、第2磁石面(37)の回転子周方向の長さよりも長い。永久磁石(35)の回転子径方向の長さ(換言すると、第1磁石面(36)と第2磁石面(37)との間の距離)は、貫通孔(32)の回転子外周側の内面と回転子(30)の外周面との間の回転子コア(31)の回転子径方向の長さ(換言すると、永久磁石(35)の第1磁石面(36)と回転子(30)の外周面との間の距離)よりも長い。第1磁石面(36)と第3磁石面(38)との間の角部は、丸みを帯びた形状になっている。第2磁石面(37)と第3磁石面との間の角部は、丸みを帯びた形状になっている。
各磁極(34)における回転子周方向の両端にある貫通孔(32)の内面は、近接部(32a)と、離間部(32b)と、移行部(32c)とを含む。換言すると、極性の異なる磁極(34)に最も近い貫通孔(32)の内面は、近接部(32a)と、離間部(32b)と、移行部(32c)とを含む。本実施形態では、各磁極(34)における回転子周方向の中間部にある貫通孔(32)の内面は、離間部(32b)および移行部(32c)を含まない。
近接部(32a)は、永久磁石(35)の第2磁石面(37)に沿って形成された直線状の部分である。近接部(32a)は、永久磁石(35)の第2磁石面(37)と平行に延びている。近接部(32a)は、貫通孔(32)の回転子内周側の内面における回転子周方向の中央部に形成されている。
離間部(32b)は、近接部(32a)よりも永久磁石(35)の第2磁石面(37)から離れた部分である。離間部(32b)は、回転子径方向の内側に向かって窪んだ凹部で構成されている。離間部(32b)は、貫通孔(32)の回転子内周側の内面における回転子周方向の端部に形成されている。より具体的に、離間部(32b)は、極性の異なる磁極(34)に最も近い貫通孔(32)において、当該極性の異なる磁極(34)側の回転子周方向の端部のみに形成されている。
移行部(32c)は、近接部(32a)と離間部(32b)との間に形成されている。移行部(32c)は、近接部(32a)と離間部(32b)とを接続するように、永久磁石(35)の第2磁石面(37)に対して傾斜して延びる部分である。
近接部(32a)および離間部(32b)が形成された貫通孔(32)において、回転子軸方向から見て、永久磁石(35)は、第2磁石面(37)が近接部(32a)と当接する位置よりも回転子内周側に移動できない。そして、永久磁石(35)の第1磁石面(36)の形状と、貫通孔(32)の回転子外周側の内面の形状とは、それぞれ回転子周方向に沿って延びる直線状であって、互いに略同じである。一方、永久磁石(35)の第2磁石面(37)の形状と、貫通孔(32)の回転子内周側の内面の形状とは、前者が直線状であるのに対して後者が波形状であり、互いに異なる。
永久磁石(35)の外面と貫通孔(32)の内面との間の隙間(G)は、離間部(32b)の領域において、近接部(32a)の領域を含む他領域よりも著しく大きい。このため、近接部(32a)および離間部(32b)が形成された貫通孔(32)では、回転子軸方向から見て、永久磁石(35)の第2磁石面(37)と貫通孔(32)の回転子内周側の内面との間の隙間(G)の回転子径方向の平均寸法が、当該永久磁石(35)の第1磁石面(36)と貫通孔(32)の回転子外周側の内面との間の隙間(G)の回転子径方向の平均寸法よりも大きい。
ここで、隙間(G)の「回転子径方向の平均寸法」とは、例えば、近接部(32a)および離間部(32b)の回転子周方向の長さをそれぞれL1,L2とし、かつ近接部(32a)および離間部(32b)における隙間(G)の回転子径方向の寸法をそれぞれG1,G2で一定であると見なした場合に、(G1×L1+G2×L2)/(L1+L2)で表される値である。
永久磁石(35)の外面と貫通孔(32)の内面との間の隙間(G)の回転子径方向の平均寸法が小さいほど、当該隙間(G)における磁気抵抗も小さくなる。したがって、回転子(30)において、永久磁石(35)の磁束が流れる磁気回路において、永久磁石(35)よりも回転子外周側の磁気抵抗は、永久磁石(35)よりも回転子内周側の磁気抵抗よりも小さい。ここで、当該磁気回路は、例えば、N極の磁極を構成する永久磁石(35)が生じる磁束が、回転子コア(31)における永久磁石(35)よりも回転子外周側の部分と、S極の磁極を構成する永久磁石(35)と、当該S極の磁極を構成する永久磁石(35)に対応する離間部(32b)と、回転子コア(31)における永久磁石(35)よりも径方向内側の部分と、当該N極の磁極を構成する永久磁石(35)に対応する離間部(32b)とを通る磁気回路であってもよい。
−実施形態1の効果−
本実施形態の電動機(10)は、固定子(20)と、複数の磁極(34)を有する回転子(30)とを備え、上記回転子(30)の上記磁極(34)は、回転子周方向に並んで2つ以上の貫通孔(32)が形成された回転子コア(31)と、上記貫通孔(32)ごとに挿入された永久磁石(35)とで構成され、上記貫通孔(32)の回転子外周側の内面と上記回転子(30)の外周面との間の上記回転子コア(31)の回転子径方向の長さは、上記永久磁石(35)の回転子径方向の長さよりも短く、上記永久磁石(35)の磁束が流れる磁気回路において、上記永久磁石(35)よりも回転子外周側の磁気抵抗は、上記永久磁石(35)よりも回転子内周側の磁気抵抗よりも小さい。このように、回転子(30)内の永久磁石(35)の磁束が流れる磁気回路において、永久磁石(35)の回転子外周側と回転子内周側とで磁気抵抗の所定の大小関係が存在する。そのような磁気抵抗の大小関係に応じて、永久磁石(35)は、磁気力によって貫通孔(32)の回転子外周側の内面に吸いつく。電動機(10)が駆動されるときに永久磁石(35)に作用する遠心力も、当該永久磁石(35)を貫通孔(32)の回転子外周側の内面に押し付けるように働く。このように、磁気力と遠心力の両方が永久磁石(35)を貫通孔の回転子外周側の内面に位置させるように働くため、電動機(10)の駆動中に永久磁石(35)が貫通孔(32)内で移動しにくい。したがって、回転子(30)において、永久磁石(35)を適切に保持することができるし、永久磁石(35)が貫通孔(32)の内面に衝突して損傷するのを抑止できる。
また、本実施形態の電動機(10)は、上記永久磁石(35)および上記貫通孔(32)の形状が、回転子軸方向から見て、上記貫通孔(32)内における上記永久磁石(35)の位置によらず、上記永久磁石(35)の外面と上記貫通孔(32)の内面との間の隙間(G)の回転子径方向の平均寸法が回転子内周側よりも回転子外周側で小さくなるように、上記永久磁石(35)の回転子径方向の位置を近接部(32a)により規制する形状になっている。したがって、貫通孔(32)内で永久磁石(35)を配置可能な任意の位置において、永久磁石(35)の回転子径方向の位置が上述のように規制されることにより、上述の磁気抵抗の所定の大小関係が実現される。具体的には、永久磁石(35)の外面と貫通孔(32)の内面との間の隙間(G)の回転子径方向の平均寸法が小さいほど、当該隙間(G)における磁気抵抗も小さくなる。本実施形態では、そのような隙間(G)の回転子径方向の平均寸法が、永久磁石(35)の回転子内周側よりも回転子外周側で小さくなるので、永久磁石(35)の回転子外周側の磁気抵抗が、永久磁石(35)の回転子内周側の磁気抵抗よりも小さくなる。
また、本実施形態の電動機(10)は、上記貫通孔(32)の回転子内周側の内面が、上記永久磁石(35)の外面に沿って形成された近接部(32a)と、該近接部(32a)よりも上記永久磁石(35)の外面から離れた離間部(32b)とを含む。したがって、近接部(32a)によって、永久磁石(35)の回転子径方向の位置が規制される。離間部(32b)に対応する隙間(G)は、近接部(32a)に対応する隙間(G)よりも大きい。このため、離間部(32b)によって、永久磁石(35)の回転子内周側の磁気抵抗が大きくなる。
また、本実施形態の電動機(10)は、上記離間部(32b)が、上記貫通孔(32)の回転子周方向の端部のみにある。したがって、貫通孔(32)の回転子周方向の端部において、永久磁石(35)と回転子コア(31)との間の距離が大きくなる。永久磁石(35)の回転子内周側の角部の曲率半径を小さくすることができ、よって電動機(10)のトルクを向上することができるし、永久磁石(35)の減磁耐力を高めることもできる。さらに、リブ(39)の回転子内周側の付け根周辺部を流れる磁束が減少し、当該領域での磁気飽和が緩和されるので、磁束がリブ(39)を流れやすくなる。このため、電動機(10)のリラクタンストルクおよび支持力を向上することができる。
また、本実施形態の電動機(10)は、上記貫通孔(32)を有する上記磁極(34)が、3つの上記貫通孔(32)を有し、上記離間部(32b)が、極性の異なる上記磁極(34)に最も近い上記貫通孔(32)において、該貫通孔(32)における該磁極(34)側の回転子周方向の端部のみにある。換言すると、異なる極性の永久磁石(35)同士が引き付け合うことにより貫通孔(32)の回転子内周側の内面に吸いつく傾向の高い箇所に選択的に離間部(32b)が設けられる。したがって、回転子(30)において、永久磁石(35)を適切に保持するという効果を実現しつつ磁気抵抗の増大を抑えることができる。
また、本実施形態の電動機(10)は、上記貫通孔(32)を有する上記磁極(34)が、3つの上記貫通孔(32)を有し、上記離間部(32b)を、極性の異なる上記磁極(34)に最も近い上記貫通孔(32)のみが含む。換言すると、異なる極性の永久磁石(35)同士が引き付け合うことにより貫通孔(32)の回転子内周側の内面に吸いつく傾向の高い箇所のみに離間部(32b)が設けられる。したがって、回転子(30)において、永久磁石(35)を適切に保持するという効果を実現しつつ磁気抵抗の増大を抑えることができる。
また、本実施形態の電動機(10)は、上記回転子コア(31)が、回転子周方向に隣り合う上記貫通孔(32)の間に形成され、一定幅で回転子径方向に延びる部分である定幅部(39a)を含むリブ(39)を有し、上記永久磁石(35)の回転子周方向の一端または両端の外面が、上記リブ(39)の定幅部(39a)に沿って延びている。したがって、回転子周方向の広い範囲にわたって永久磁石(35)の回転子径方向の寸法が大きくなる。このため、永久磁石(35)の磁束を増やして電動機(10)の支持力およびトルクを向上することができる。
《実施形態2》
実施形態2について説明する。本実施形態の電動機(10)は、貫通孔(32)の構成が上記実施形態1と異なる。以下、上記実施形態1と異なる点について主に説明する。
図3に示すように、全ての貫通孔(32)が、近接部(32a)と、離間部(32b)と、移行部(32c)とを有する。全ての貫通孔(32)は、互いに略同じ形状に形成されている。
各貫通孔(32)は、1つの近接部(32a)と、2つの離間部(32b)と、2つの移行部(32c)とを有する。近接部(32a)は、貫通孔(32)における回転子周方向の中央部に形成されている。2つの離間部(32b)は、貫通孔(32)における回転子周方向の両端部に1つずつ形成されている。移行部(32c)は、近接部(32a)と離間部(32b)との間に形成されている。
−実施形態2の効果−
本実施形態の電動機(10)によっても、上記実施形態1と同様の効果が得られる。
《実施形態3》
実施形態3について説明する。本実施形態の電動機(10)は、貫通孔(32)の構成が上記実施形態1と異なる。以下、上記実施形態1と異なる点について主に説明する。
図4に示すように、各磁極(34)における回転子周方向の両端の貫通孔(32)は、2つの近接部(32a)と、1つの離間部(32b)とを有する。2つの近接部(32a)は、当該貫通孔(32)における回転子周方向の両端部に1つずつ形成されている。離間部(32b)は、当該貫通孔(32)における回転子周方向の中央部に形成されている。
−実施形態3の効果−
本実施形態の電動機(10)によっても、上記実施形態1と同様の効果が得られる。
また、本実施形態の電動機(10)は、上記離間部(32b)が、上記貫通孔(32)の回転子周方向の中央部のみにある。したがって、リブ(39)の回転子径方向の長さを短くできるため、電動機(10)の駆動時に生じる遠心力に対する耐力を高めることができる。
《実施形態4》
実施形態4について説明する。本実施形態の電動機(10)は、永久磁石(35)および貫通孔(32)の構成が上記実施形態1と異なる。以下、上記実施形態1と異なる点について主に説明する。
図5に示すように、各磁極(34)の回転子周方向の両端にある永久磁石(35)の第2磁石面(37)の中央部には、回転子内周側に向かって突出する突出部(37a)が形成されている。一方、当該永久磁石(35)が収容される貫通孔(32)の回転子内周側の内面は、回転子周方向に沿って直線状に延びている。当該貫通孔(32)の回転子内周側の内面は、永久磁石(35)の突出部(37a)と対向する部分が近接部(32a)を構成し、近接部(32a)の両側の部分が離間部(32b)を構成している。なお、突出部(37a)は、第2磁石面(37)における任意の位置に形成されていてもよい。
−実施形態4の効果−
本実施形態の電動機(10)によっても、上記実施形態1と同様の効果が得られる。
また、本実施形態の電動機(10)は、上記永久磁石(35)の回転子内周側の外面に、回転子内周側に向かって突出する突出部(37a)が形成されており、上記貫通孔(32)のうち上記突出部(37a)に対向する部分が上記近接部(32a)を構成し、上記貫通孔(32)のうち上記近接部(32a)に隣接する部分が上記離間部(32b)を構成している。
《実施形態5》
実施形態5について説明する。本実施形態の電動機(10)は、実施形態2の構成に加えて、永久磁石(35)を冷却する構成を備えている点で、上述の各実施形態とは異なる。以下、上記実施形態2と異なる点について主に説明する。
本実施形態の電動機(10)を備える遠心型圧縮機(100)について、概略的に説明する。図6に示すように、遠心型圧縮機(100)は、ケーシング(11)と、電動機(10)と、軸部(15)と、インペラ(17)と、第1スペーサ(40a)と、第2スペーサ(40b)と、第1ラジアル磁気軸受(50a)と、第2ラジアル磁気軸受(50b)と、第1スラスト磁気軸受(60a)と、第2スラスト磁気軸受(60b)と、第1タッチダウン軸受(70a)と、第2タッチダウン軸受(70b)と、流入口(18)とを備える。
ケーシング(11)は、遠心型圧縮機(100)を構成するその他の部材を収容する筒状の部材である。ケーシング(11)は、軸方向に延びる。ケーシング(11)の内周壁には、電動機(10)の固定子(20)が固定される。固定子(20)の径方向内側には、回転子(30)が配置される。
回転子(30)の径方向内側には、軸部(15)が同軸状に固定される。軸部(15)は、上述のシャフトに相当する。軸部(15)は、軸方向に延びる。軸部(15)の軸方向両端部は、ケーシング(11)の外方に突出する。軸部(15)の軸方向一方側の端部には、流入口(18)が接続される。軸部(15)の軸方向他方側の端部には、インペラ(17)が固定される。
回転子(30)の軸方向一方側には、第1スペーサ(40a)が位置する。第1スペーサ(40a)は、円筒状の形状を有する。第1スペーサ(40a)の内周面は、軸部(15)の外周面に固定される。回転子(30)の軸方向他方側には、第2スペーサ(40b)が位置する。第2スペーサ(40b)は、円筒状の形状を有する。第2スペーサ(40b)の内周面は、軸部(15)の外周面に固定される。
第1スペーサ(40a)の軸方向一方側には、第1ラジアル磁気軸受(50a)が位置する。第1ラジアル磁気軸受(50a)は、磁気浮上によって、軸部(15)をケーシング(11)に対して回転可能に支持する。第2スペーサ(40b)の軸方向他方側には、第2ラジアル磁気軸受(50b)が位置する。第2ラジアル磁気軸受(50b)は、磁気浮上によって、軸部(15)をケーシング(11)に対して回転可能に支持する。
第1ラジアル磁気軸受(50a)の軸方向一方側には、第1スラスト磁気軸受(60a)が位置する。第1スラスト磁気軸受(60a)は、磁力により、軸部(15)を軸方向他方側に引っ張る。第2ラジアル磁気軸受(50b)の軸方向他方側には、第2スラスト磁気軸受(60b)が位置する。第2スラスト磁気軸受(60b)は、磁力により、軸部(15)を軸方向一方側に引っ張る。第1スラスト磁気軸受(60a)および第2スラスト磁気軸受(60b)の磁力により、軸部(15)のスラスト荷重がキャンセルされる。なお、軸部(15)のスラスト荷重は、インペラ(17)の回転数が上がることに起因して生じる。
第1スラスト磁気軸受(60a)の軸方向一方側には、第1タッチダウン軸受(70a)が位置する。第2スラスト磁気軸受(60b)の軸方向他方側には、第2タッチダウン軸受(70b)が位置する。第1タッチダウン軸受(70a)および第2タッチダウン軸受(70b)は、遠心型圧縮機(100)が何等かのトラブルで制御不能になった場合にのみ、軸受として機能する。これにより、磁気軸受(50, 60)および回転する部材を、保護することができる。
遠心型圧縮機(100)は、図7に示す冷凍装置(200)に搭載される。冷凍装置(200)は、冷媒が充填される冷媒回路(210)を備える。冷媒回路(210)は、遠心型圧縮機(100)、凝縮器(201)、膨張弁(202)、および蒸発器(203)を有する。
遠心型圧縮機(100)は、インペラ(17)が回転することにより、インペラ(17)が収容されるインペラ室に流入した冷媒を圧縮する。遠心型圧縮機(100)で圧縮された冷媒は、凝縮器(201)において空気に放熱して凝縮する。凝縮器(201)で凝縮した冷媒は、膨張弁(202)で減圧される。膨張弁(202)で減圧された冷媒は、蒸発器(203)において空気から吸熱して蒸発する。蒸発器(203)で蒸発した冷媒は、遠心型圧縮機(100)で再び圧縮される。
冷媒回路(210)には、上流側分岐路(204)と下流側分岐路(205)とが接続される。上流側分岐路(204)の一端は、膨張弁(202)と蒸発器(203)の間に接続する。上流側分岐路(204)の他端は、遠心型圧縮機(100)の冷媒流路(300)の流入端に接続する。下流側分岐路(205)の一端は、冷媒流路(300)の流出端に接続する。
蒸発器(203)のすぐ上流の冷媒の一部は、上流側分岐路(204)および遠心型圧縮機(100)内に設けられる冷媒流路(300)を経由して、永久磁石(35)の外周面に供給される。以下ではこの冷媒流路(300)について、図6を参照して詳細に説明する。
冷媒流路(300)は、第1流路(301)と、第2流路(302)と、第3流路(303)と、第4流路(304)とを含む。
第1流路(301)は、軸部(15)に形成される。第1流路(301)は、軸部(15)の軸方向一方側の端面から軸方向他方側に向かって延びる。第1流路(301)の軸方向一端は、流入口(18)に接続される。第1流路の軸方向他端は、軸部(15)の軸方向中途部に位置する。
第2流路(302)は、軸部(15)および第2スペーサ(40b)に跨がって形成される。第2流路(302)は、第1流路(301)の軸方向他端から径方向外側に向かって延びる。第2流路の径方向外側の端部は、第2スペーサ(40b)の内部に位置する。第2流路(302)は、周方向に互いに間隔をあけて、複数(本実施形態では、4つ)設けられる。
第3流路(303)は、第2スペーサ(40b)に複数(本実施形態では、4つ)形成される。第3流路(303)は、第2流路(302)に対応して設けられる。すなわち、第2流路(302)の径方向外側の端部に、第3流路(303)の軸方向他方側の端部が接続される。第3流路(303)は、軸方向に対して傾斜している。具体的には、第3流路(303)は、軸方向一方側に向かうにつれて次第に軸部(15)から離れるように延びている。第3流路(303)の軸方向一方側の端部から軸部(15)までの距離は、永久磁石(35)から軸部(15)までの距離に略等しい。すなわち、第3流路(303)は、貫通孔(32)に接続される。第3流路(303)は、全ての貫通孔(32)と連通していてもよいし、全ての貫通孔(32)のうちの一部だけに連通していてもよい。
第4流路(304)は、第1スペーサ(40a)に複数(本実施形態では、4つ)形成される。第4流路(304)は、貫通孔(32)の軸方向一端から軸方向一方側に向かって延びる。第4流路(304)は、軸方向に対して傾斜している。具体的には、第4流路(304)は、軸方向一方側に向かうにつれて次第に軸部(15)から離れるように延びている。第4流路(304)の軸方向一方側の端部は、第1スペーサ(40a)の外周面に接続される。第4流路(304)の軸方向一方側の端部は、ケーシング(11)の内部と外部とを接続する流出口(19)に、ケーシング(11)内の空間を介して接続される。
以上のような構成の遠心型圧縮機(100)が駆動するとともに、冷凍装置(200)全体が稼働すると、ケーシング(11)内において、以下のような冷媒の流れが生じる。すなわち、冷媒流路(210)の蒸発器(203)に供給される直前の冷媒の一部は、上流側分岐路(204)および流入口(18)を経由して、第1流路(301)へと流入する。冷媒は、第1流路(301)内を軸方向他方側へ向かって流れて、第1流路(301)から第2流路(302)に流入する。第2流路(302)では、冷媒に遠心力が作用することにより、該冷媒が第2流路(302)内を径方向外側に向かって流れる。その後、第2流路(302)から第3流路(303)へと流入した冷媒は、遠心力の作用を受けながら、第3流路(303)の軸方向一方側の端部へと向かう。その後、冷媒は、第3流路(303)から貫通孔(32)内の隙間(G)へと流れる。冷媒は、貫通孔(32)に沿って、隙間(G)を軸方向一方側に向かって流れる。この過程で、冷媒は永久磁石(35)の熱を奪う。隙間(G)を流れる冷媒は、液の比率が高い気液二相冷媒である。このため、冷媒の蒸発潜熱が、永久磁石(35)の冷却に利用される。貫通孔(32)を通過した後の冷媒は、第4流路(304)および流出口(19)を順に通過した後、下流側分岐路(205)を経由して蒸発器(203)のすぐ下流に供給される。
−実施形態5の効果−
以上に示したとおり、本実施形態の電動機(10)においては、永久磁石(35)の外面と上記貫通孔(32)の内面との間に隙間(G)が形成される。また、該隙間(G)に冷媒を供給する冷媒流路(300)を備えている。一般的に、この種の電動機(10)では、渦電流により回転子(30)が発熱し易い。この熱は、永久磁石(35)に伝導されることにより、永久磁石(35)が減磁してしまう虞がある。本構成によれば、回転子コアの熱抵抗の影響や、回転子コアと永久磁石(35)の間の接触熱抵抗の影響を小さく抑えつつ、永久磁石(35)を冷媒により効率的に冷却することができる。言い換えれば、冷媒が永久磁石(35)に直接的に接することにより該永久磁石(35)を冷却することができるため、冷媒が回転子コア等を介して間接的に永久磁石を冷却する場合と比較して、効率的な冷却が実現する。
また、本実施形態の電動機(10)は、回転子(30)の径方向内側に固定される軸部(15)を備える。冷媒流路(300)は、軸部(15)の内部に形成される第1流路(軸内流路)(301)を含む。これにより、部品点数を少なく抑えつつ、永久磁石(35)と貫通孔(32)との隙間(G)に冷媒を供給して永久磁石(35)を効率的に冷却する構成を実現することができる。
《その他の実施形態》
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
上記各実施形態では、回転子(30)は、BPM型の回転子であるが、例えばコンシクエントポール型の回転子であってもよい。
また、上記各実施形態では、固定子(20)には、駆動用コイルおよび支持用コイルが巻回されているが、両コイルの機能を併せ持つ共用コイルが巻回されていてもよい。
また、上記各実施形態では、電動機(10)は、ベアリングレスモータにより構成されているが、磁気浮上機能を備えない電動機であってもよい。
また、上記第5実施形態では、ケーシング(11)内に流入した低温低圧状態の冷媒は、第1流路(301)を軸方向他方側に向かって流れた後、第2流路302および第3流路303を通って折り返して、貫通孔(32)を軸方向一方側に向かって流れていた。しかしながら、必ずしもこれに限るものではなく、例えば以下のように構成してもよい。すなわち、第1流路(301)の軸方向他方側の端部を、回転子(30)の軸方向一方側の端面近傍に設ける。第2流路(302)は、この第1流路(301)の軸方向他方側の端部(下流端)から、径方向外側に向かって延びる。第2流路(302)の径方向外側の端部(下流端)は、貫通孔(32)の軸方向一方側の端部に接続される。この構成によっても、冷媒が第1流路(301)、第2流路(302)、および貫通孔(32)の隙間(G)をこの順に流れる。貫通孔(32)内を軸方向他方側へと流れた冷媒は、貫通孔(32)の軸方向他方側の端面において、遠心力に従って径方向外側に流れて、その後、回転子(30)と固定子(20)との隙間に流れる。冷媒は、回転子(30)との固定子(20)との隙間を、軸方向一方側に向かって流れる。
以上、実施形態および変形例を説明したが、特許請求の範囲の趣旨および範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。また、以上の実施形態および変形例は、本開示の対象の機能を損なわない限り、適宜組み合わせたり、置換したりしてもよい。
以上説明したように、本開示は、電動機について有用である。
10 電動機
11 ケーシング
15 軸部
17 インペラ
18 流入口
19 流出口
20 固定子
30 回転子
31 回転子コア
32 貫通孔
32a 近接部
32b 離間部
34 磁極
35 永久磁石
39 リブ
39a 定幅部
210 冷媒回路
300 冷媒流路
301 第1流路(軸内流路)
G 隙間

Claims (10)

  1. 固定子(20)と、複数の磁極(34)を有する回転子(30)とを備えた電動機(10)であって、
    上記回転子(30)の上記磁極(34)は、回転子周方向に並んで2つ以上の貫通孔(32)が形成された回転子コア(31)と、上記貫通孔(32)ごとに挿入された永久磁石(35)とで構成され、
    上記貫通孔(32)の回転子外周側の内面と上記回転子(30)の外周面との間の上記回転子コア(31)の回転子径方向の長さは、上記永久磁石(35)の回転子径方向の長さよりも短く、
    上記永久磁石(35)の磁束が流れる磁気回路において、上記永久磁石(35)よりも回転子外周側の磁気抵抗は、上記永久磁石(35)よりも回転子内周側の磁気抵抗よりも小さく、
    上記永久磁石(35)および上記貫通孔(32)の形状は、回転子軸方向から見て、上記永久磁石(35)の外面と上記貫通孔(32)の内面との間の隙間(G)の回転子径方向の平均寸法が、回転子内周側よりも回転子外周側で小さくなるように上記永久磁石(35)の回転子径方向の位置を規制する形状になっており、
    上記貫通孔(32)の回転子内周側の内面は、上記永久磁石(35)の外面に沿って形成された近接部(32a)と、該近接部(32a)よりも回転子径方向の内側に向かって窪んで上記永久磁石(35)の外面から離れた離間部(32b)とを含む
    ことを特徴とする電動機。
  2. 請求項において、
    上記離間部(32b)は、上記貫通孔(32)の回転子周方向の端部のみにある
    ことを特徴とする電動機。
  3. 請求項において、
    上記貫通孔(32)を有する上記磁極(34)は、少なくとも2つの上記貫通孔(32)を有し、
    上記離間部(32b)は、極性の異なる上記磁極(34)に最も近い上記貫通孔(32)において、該貫通孔(32)における該磁極(34)側の回転子周方向の端部のみにある
    ことを特徴とする電動機。
  4. 請求項において、
    上記離間部(32b)は、上記貫通孔(32)の回転子周方向の中央部のみにある
    ことを特徴とする電動機。
  5. 請求項1〜のいずれか1項において、
    上記貫通孔(32)を有する上記磁極(34)は、少なくとも3つの上記貫通孔(32)を有し、
    上記離間部(32b)は、極性の異なる上記磁極(34)に最も近い上記貫通孔(32)のみ
    が含む
    ことを特徴とする電動機。
  6. 請求項1〜のいずれか1項において、
    上記回転子コア(31)は、回転子周方向に隣り合う上記貫通孔(32)の間に形成され、一定幅で回転子径方向に延びる部分である定幅部(39a)を含むリブ(39)を有し、
    上記永久磁石(35)の回転子周方向の一端または両端の外面は、上記リブ(39)の定幅部(39a)に沿って延びている
    ことを特徴とする電動機。
  7. 請求項6において、
    前記リブ(39)は、定幅部(39a)よりも周方向の幅が小さい部分を含まない
    ことを特徴とする電動機。
  8. 請求項1において、
    回転子軸方向から見て、上記永久磁石(35)の外面と上記貫通孔(32)の内面との間に隙間(G)が形成され、
    上記隙間(G)に冷媒を供給する冷媒流路(300)を備えている
    ことを特徴とする電動機。
  9. 請求項において、
    上記回転子(30)の径方向内側に固定される軸部(15)をさらに備え、
    上記冷媒流路(300)は、上記軸部(15)の内部に形成される軸内流路(301)を含む、
    ことを特徴とする電動機。
  10. 請求項1から請求項9までのいずれか1項において、
    回転子(20)はBPM(Buried Permanent Magnet)型の回転子である
    ことを特徴とする電動機。
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