JP6847877B2 - カオス尺度補正装置及びカオス尺度補正用プログラム - Google Patents

カオス尺度補正装置及びカオス尺度補正用プログラム Download PDF

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Description

この発明は、様々なデータについてのカオス性を判定するために用いられるカオス尺度を安定化させるためのカオス尺度補正装置及びカオス尺度補正用プログラムに関するものである。
従来、企業や店舗の売上高の推移のデータ、株価や各種センサから得られるデータ、血圧や心電図などの生体情報のデータ、更には機械故障を監視するための必要データに関してカオス性の判定を行う場合には、一般的にリアプノフ指数を算出することを考える。
しかしながら,与えられたデータのみからリアプノフ指数を算出することは困難であり、少なくとも差分方程式ξk+1=f(ξk)が既知である必要がある。
即ち、仮に、時系列データ{ξ1,ξ2,ξ3,・・・}が与えられた場合においても、fが未知である場合には、上記リアプノフ指数を直接に算出することはできない。
上記に対し、今日においては非特許文献1に示すような、カオス尺度という指標が提供されている。カオス尺度Hは、写像fが、
Figure 0006847877
で定義される差分方程式系(ξk+1=f(ξk),k=0,1,2,・・・)と、Iの有限分割{Ai}:
Figure 0006847877
に対して、時刻mの確率分布
Figure 0006847877
と、時刻mと時刻m+1の同時確率分布
Figure 0006847877
を用いて、次の式3により定義される。なお、#[(条件式)]は,条件式を満たす数を意味する。
Figure 0006847877
上記において、分割数nと,データ数Mを十分大きな自然数とする。
上記式3におけるカオス尺度Hの計算において写像fは含まれないことから,カオス尺度は,写像fが未知である一般の時系列データ{ξ1,ξ2,ξ3,・・・}に対しても計算することができる。
井上啓、「カオス尺度における準周期軌道の取り扱い」、日本数理学会論文誌、Vol.25,No2,P105-115(2015)
しかしながら、カオス尺度は、上記リアプノフ指数のような条件が整わなくとも計算することができる利点があるものの、図1に示されるように、分割数によって大きく変動する。なお、カオス尺度は分割数(正の整数)毎に値を持つものであるが、図1では、隣接する各値を結んで表示してある。特に、隣接する分割数に対応したカオス尺度の値が大きく異なる。このため、任意の分割数を採用してカオス性の判断を行った場合に安定した指数とならず、適切な判定がなされ難いという問題があった。
本発明は上記のようなカオス尺度が有する問題点を解決せんとしてなされたもので、その目的は、分割数に拘わらず、カオス性の適切な判定を行うことが可能なカオス尺度の補正値を得ることができるカオス尺度補正装置及びカオス補正値用プログラムを提供することである。
本発明に係るカオス尺度補正装置は、時系列データ{ξk}のカオス尺度を計算するカオス尺度計算手段と、前記カオス尺度の計算において、前記時系列データが取り得る範囲を分割数nで分割して計算するのか、前記分割数nの各分割区間をN(正の整数)分割して計算するのかを指示する計算指示手段と、前記計算指示手段の指示に基づき前記カオス尺度計算手段が計算したカオス尺度の平準値を算出するカオス尺度平準化手段とを具備することを特徴とする。
本発明に係るカオス尺度補正装置では、前記計算指示手段は、前記分割数nのときの分割間隔をN(正の整数)等分して、等分した各分割位置の範囲におけるカオス尺度の計算を指示することを特徴とする。
本発明に係るカオス尺度補正装置では、カオス尺度が分割数nに対して周期性を有する場合の周期長Lを得て、前記計算指示手段は、前記分割数n及びこの分割数nを中心として前記周期長分の範囲におけるカオス尺度の計算を指示することを特徴とする。
本発明に係るカオス尺度補正装置では、前記計算指示手段は、前記カオス尺度計算手段に、分割数nを1から所定値まで変化させて、前記分割数nの各区間におけるカオス尺度の計算を指示し、上記指示に基づき得られたカオス尺度に対してスペクトル解析を行って周期を求める周期検出手段を備え、前記計算指示手段は、前記周期検出手段により得られた周期長Lを用いて前記周期長分の範囲におけるカオス尺度の計算を指示することを特徴とする。
本発明に係るカオス尺度補正装置では、時系列データ{ξk}のカオス尺度を計算するカオス尺度計算手段と、前記カオス尺度の計算において、前記時系列データが取り得る範囲を分割数nで分割し、前記分割数nを1から所定値まで変化させて、各分割数におけるカオス尺度の計算を指示する計算指示手段と、上記計算指示手段の指示に基づき得られたカオス尺度に対してスペクトル解析を行って周期を求める周期検出手段と前記カオス尺度計算手段が計算したカオス尺度の平準値を算出するカオス尺度平準化手段とを備え、前記計算指示手段は、前記周期検出手段により周期長Lが求まった場合に、前記分割数n及びこの分割数nを中心として前記周期長分の範囲を指示することを特徴とする。
本発明に係るカオス尺度補正装置では、前記計算指示手段は、前記周期検出手段により周期長L定まらなかった場合に、前記分割数nのときの各分割区間をN等分して、等分した各分割位置の範囲におけるカオス尺度の計算を指示することを特徴とする。
本発明に係るカオス尺度補正装置では、前記平準化手段は、平均値または最小値を求めることを特徴とする。
本発明に係るカオス尺度補正プログラムは、コンピュータを、時系列データ{ξk}のカオス尺度を計算するカオス尺度計算手段、前記カオス尺度の計算において、前記時系列データが取り得る範囲を分割数nで分割して計算するのか、前記分割数nの各分割区間をN(正の整数)分割して計算するのかを指示する計算指示手段、前記計算指示手段の指示に基づき前記カオス尺度計算手段が計算したカオス尺度の平準値を算出するカオス尺度平準化手段として機能させることを特徴とする。
本発明に係るカオス尺度補正プログラムでは、前記コンピュータを、前記計算指示手段として、前記分割数nのときの分割間隔をN(正の整数)等分して、等分した各分割位置の範囲におけるカオス尺度の計算を指示するように機能させることを特徴とする。
本発明に係るカオス尺度補正プログラムでは、前記コンピュータを、前記計算指示手段として、前記カオス尺度が分割数nに対して周期性を有する場合の周期長Lを得ると共に、前記分割数n及びこの分割数nを中心として前記周期長分の範囲におけるカオス尺度の計算を指示するように機能させることを特徴とする。
本発明に係るカオス尺度補正プログラムでは、前記コンピュータを、前記計算指示手段として、前記カオス尺度計算手段に、分割数nを1から所定値まで変化させて、前記分割数nの各区間におけるカオス尺度の指示するように機能させ、前記コンピュータを、上記指示に基づき得られたカオス尺度に対してスペクトル解析を行って周期を求める周期検出手段をとして機能させ、前記コンピュータを、前記計算指示手段として、前記周期検出手段により得られた周期長Lを用いて前記周期長分の範囲におけるカオス尺度の計算を指示するように機能させることを特徴とする。
本発明に係るカオス尺度補正プログラムでは、コンピュータを、時系列データ{ξk}のカオス尺度を計算するカオス尺度計算手段、前記カオス尺度の計算において、前記時系列データが取り得る範囲を分割数nで分割し、前記分割数nを1から所定値まで変化させて、各分割数におけるカオス尺度の計算を指示する計算指示手段として機能させ、前記コンピュータを、上記計算指示手段の指示に基づき得られたカオス尺度に対してスペクトル解析を行って周期を求める周期検出手段、前記カオス尺度計算手段が計算したカオス尺度の平準値を算出するカオス尺度平準化手段として機能させ、前記コンピュータを、前記計算指示手段として、前記周期検出手段により周期長Lが求まった場合に、前記分割数n及びこの分割数nを中心として前記周期長分の範囲を指示するように機能させることを特徴とする。
本発明に係るカオス尺度補正プログラムでは、前記コンピュータを、前記計算指示手段として、前記周期検出手段により周期長Lが定まらなかった場合に、前記分割数nのときの各分割区間をN等分して、等分した各分割位置の範囲におけるカオス尺度の計算を指示するように機能させることを特徴とする。
本発明に係るカオス尺度補正プログラムでは、コンピュータを、前記平準化手段として、平均値または最小値を求めるように機能させることを特徴とする。
本発明によれば、時系列データ{ξk}の分割数nのカオス尺度と関連する所定範囲のカオス尺度の計算を指示し、指示に基づき計算した所定範囲のカオス尺度の平準値を算出するので、分割数によって変動していた幅を小さくすることができ、しかも分割数nのカオス尺度と関連する所定範囲のカオス尺度を用いるので、元のカオス尺度の値が全く変化することなく、基本的な特性を残した補正を行うことが可能である。
従って、カオス性の判断に用いた場合に安定した指数となり、適切な判定を行うことが期待される。
ある写像系列から計算された分割数に対応するカオス尺度を示す図。 本発明に係るカオス尺度補正装置の第1の実施形態を示すブロック図。 本発明に係るカオス尺度補正装置の第2の実施形態を示すブロック図。 本発明に係るカオス尺度補正装置の第2の実施形態による分割位置移動を示す図。 3次のチェビシェフ写像により生成したデータ列に対し、通常のカオス尺度を計算した結果を示す図。 3次のチェビシェフ写像により生成したデータ列に対し、本発明に係るカオス尺度補正装置の第2の実施形態によって平準化を行って得た補正値を示す図。 6次のチェビシェフ写像により生成したデータ列に対し、通常のカオス尺度を計算した結果を示す図。 6次のチェビシェフ写像により生成したデータ列に対し、本発明に係るカオス尺度補正装置の第2の実施形態によって平準化を行って得た補正値を示す図。 3次のチェビシェフ写像により生成したデータ列に対し、最小値を求める計算により平準化を行った結果である補正値を示す図。 6次のチェビシェフ写像により生成したデータ列に対し、最小値を求める計算により平準化を行った結果である補正値を示す図。 本発明に係るカオス尺度補正装置の第3の実施形態を示すブロック図。 本発明に係るカオス尺度補正装置の第3の実施形態による周期検出を示す図。 本発明に係るカオス尺度補正装置の第3の実施形態による平準化の概略を示す図。 本発明に係るカオス尺度補正装置の第4の実施形態を示すブロック図。 本発明に係るカオス尺度補正装置の第4の実施形態による処理を示すフローチャート。
以下添付図面を用いて、本発明に係るカオス尺度補正装置及びカオス尺度補正用プログラムの実施形態を説明する。各図において、同一の構成要素には同一の符号を付して重複する説明を省略する。
図2に、第1の実施形態に係るカオス尺度補正装置のブロック図を示す。このカオス尺度補正装置は、カオス尺度計算手段10と、計算指示手段20と、カオス尺度平準化手段30を備える。カオス尺度計算手段10は、時系列データ{ξk}のカオス尺度を計算するものである。
計算指示手段20は、カオス尺度の計算における分割数nのカオス尺度と関連する所定範囲のカオス尺度の計算を指示するものである。分割数nのカオス尺度と関連するとは、時系列データ{ξk}のカオス尺度を計算する場合に分割数nでありながら分割位置を変更する場合を含む。また、分割数nのカオス尺度と関連するとは、時系列データ{ξk}のカオス尺度を計算した場合に、分割数nのカオス尺度の周期性から見て、所定の周期長Lの範囲、すなわち分割数がn±L/2の範囲内にあるカオス尺度を含む。
カオス尺度平準化手段30は、上記計算指示手段20により指示されて上記カオス尺度計算手段10が計算した所定範囲のカオス尺度の平準値である補正値を算出するものである。そして、カオス尺度平準化手段30の出力は、分割数nのカオス尺度と関連する複数のカオス尺度の平均値が補正値として出力される。
上記カオス尺度計算手段10と、計算指示手段20と、カオス尺度平準化手段30は、例えばパーソナルコンピュータやワークステーション或いはその他の電子計算機であるコンピュータにおいてプログラムにより実現される。この場合、カオス尺度平準化手段30の出力は、表示装置に表示され、及びまたはプリンタにより印刷出力されることになる。
図3は、第2の実施形態に係るカオス尺度補正装置のブロック図である。本実施形態では、計算指示手段20Aが、分割数nのときの分割間隔をN(正の整数)等分して、等分した各分割位置の範囲におけるカオス尺度の計算を指示する。
具体的には、例えば図4に示されるように、時系列データの取りうる範囲(やや広めに指定する)I(=[a,b])を分割数n=5で当初は分割位置d1により分割した場合を考える。つまり、d1により示される枠で分割したものとする。この分割位置xiを、
Figure 0006847877
に対して、
Figure 0006847877
とすると,分割区間は、
Figure 0006847877
と表される。
ここで、
Figure 0006847877
と、整数j(0≦j<N)に対し、
Figure 0006847877
として与えられるx'i,j を新たな分割位置とすると、新たな分割区間は、
Figure 0006847877
と表される。
上記では、分割の一区間はΔxであるから、これをN(正の整数)等分して、等分された各位置を新たな分割位置とすることを意味している。図4の例では、d2、…、が新たな分割位置を示す。
上記のx'i,j
を新たな分割区間としてカオス尺度計算手段10により計算したカオス尺度をHn,jとすると、カオス尺度平準化手段30は、
Figure 0006847877
を、補正値として求める。
上記の分割数nと一区間を等分するときのNの値は、コンピュータに対し設定するか固定値として持たせておく。Nの値は大きいほど良いが、計算時間等を考慮して決定される。
図5に、3次のチェビシェフ写像により生成したデータ列に対し、通常のカオス尺度を計算した結果を示す。図6に、3次のチェビシェフ写像により生成したデータ列に対し、式5の計算により平準化を行った結果である補正値を示す。図6の補正値は図5のカオス尺度に比べて、分割数nが1つ変化しても変動が小さく抑制され、分割数に拘わらず、カオス性の適切な判定を行うことが可能なカオス尺度の補正値となっていることが判る。
図7に、6次のチェビシェフ写像により生成したデータ列に対し、通常のカオス尺度を計算した結果を示す。図8に、6次のチェビシェフ写像により生成したデータ列に対し、式5の計算により平準化を行った結果である補正値を示す。図8の補正値は図7のカオス尺度に比べて、分割数nが1つ変化しても変動が小さく抑制され、分割数に拘わらず、カオス性の適切な判定を行うことが可能なカオス尺度の補正値となっていることが判る。
上記第2の実施形態では、N通りのカオス尺度を計算し、この平均を補正値としたが、N通りのカオス尺度を計算し、N通りのカオス尺度の中で最小の値のものを標準値として求めて、これを補正値としても良い。図9に、上述した3次のチェビシェフ写像により生成したデータ列に対し、最小値を求める計算により平準化を行った結果である補正値を示す。図10に、上述した6次のチェビシェフ写像により生成したデータ列に対し、最小値を求める計算により平準化を行った結果である補正値を示す。平均値を求める手法ほど顕著ではないが、図9や図10の補正値も分割数nが1つ変化しても変動が小さく抑制されており、分割数に拘わらず、カオス性の適切な判定を行うことが可能なカオス尺度の補正値となっていることが判る。
図11は、第3の実施形態に係るカオス尺度補正装置のブロック図である。本実施形態では、カオス尺度が分割数nに対して周期性を有する場合の周期を求める周期検出手段40を備える。例えば、分割数nを16から1039まで変化させて、それぞれのカオス尺度Hを計算し、このカオス尺度Hの系列のパワースペクトルを求め、現れるスペクトルのピークの周波数からピーク周波数の逆数として周期長Lを求める。例えば、図12に示すようなパワーススペクトルが求められたとする。このスペクトルにピークP1、P2が現れているときには、ピークP1の周波数の逆数とピークP2の周波数の逆数の最小公倍数を求めて周期長Lとすることができる。計算指示手段20Bが、上記分割数n及びこの分割数nを中心として周期長Lの範囲、すなわち,n−L/2からn+L/2までの範囲の分割数におけるカオス尺度を求める指示をカオス尺度計算手段10に対して送る。
更に、カオス尺度平準化手段30は上記カオス尺度計算手段10が計算した所定範囲のカオス尺度の平準値を算出する。本実施形態では、平準値は平均値である。具体的には、分割数n(>L/2)における、定義通りに得られるカオス尺度をHnとするとき、周期長Lに対して次の式6による計算を行う。Σの部分における個別のHjの計算は、計算指示手段20Bによる指示に基づきカオス尺度計算手段10が計算する。
Figure 0006847877
以上のように、本実施形態では、図13に示すように、周期長Lに関してL個のカオス尺度の平均を求めて、これを補正値とするものである。なお、上記実施形態では、周期を求める周期検出手段40を用いたが、周期長L'を予め得ておくなどにより、上記計算指示手段20Bが上記周期を得て、上記分割数n及びこの分割数nを中心として周期長L'の範囲、すなわち、n−L'/2からn+L'/2までの範囲の分割数におけるカオス尺度の計算をカオス尺度計算手段10へ指示するようにしても良い。これによっても、上記式5に示した補正値を得ることができる。
図14に、第4の実施形態に係るカオス尺度補正装置のブロック図を示す。基本的構成は第3の実施形態と同じであるが、計算指示手段20Cは、上記周期検出手段40により周期長Lが求まった場合に、分割数n及びこの分割数nを中心として周期長Lの範囲、すなわち、n−L/2からn+L/2までの範囲の分割数におけるにおけるカオス尺度を求める指示を行う。更に、カオス尺度平準化手段30は上記カオス尺度計算手段10が計算した所定範囲のカオス尺度の平均を算出する。
この第4の実施形態は、図15に示されるフローチャートにより動作を行うので、このフローチャートを用いて動作を説明する。まず、通常のカオス尺度を計算する(S11)。例えば、分割数nを16から1039まで変化させて、式3を用いてそれぞれのカオス尺度Hを計算する。
次に、このカオス尺度Hの系列について分割数nに対する周期を求める(S12)。例えば、このカオス尺度Hの系列のパワースペクトルを求め、現れるスペクトルのピークの周波数から周期長Lを求める。
次に、周期性があるか否か検出を行う(S13)。つまり、周期が求められたか否か、すなわち、スペクトルに鋭いピークが現れるか否かを検出する。このステップS13においてYESに分岐すると、分割数n及びこの分割数nを中心として周期長Lの範囲におけるカオス尺度を求める指示により、当該範囲のカオス尺度を求める(S14)。このステップS14では、式3を用いて計算を行っても良いが、既にステップS11においてカオス尺度の計算を行っているので、この中から周期長Lの範囲におけるカオス尺度を抽出しても良い。
次に、カオス尺度平準化手段30は上記カオス尺度計算手段10が計算した所定範囲のカオス尺度の平均を算出する(S15)。これは、既に説明した式6による計算により補正値を求めることを意味する。
上記に対し、ステップS13においてNOに分岐すると、つまり、周期性がないと判定されると、分割数nのときの分割間隔をN(正の整数)等分して、等分した各分割位置の範囲におけるカオス尺度の計算を指示して、カオス尺の計算を行う(S16)。即ち、式4による新たな分割位置を用いてカオス尺度の計算を行う。
次に、上記の新たな分割位置を用いて得たカオス尺度の平均を算出する(S17)。即ち、式5によって補正値を求める。このようにして得られた補正値は、表示装置に表示され、及びまたはプリンタにより印刷出力されることになる。
10 カオス尺度計算手段
20、20A、20B、20C 計算指示手段
30 カオス尺度平準化手段
40 周期検出手段

Claims (14)

  1. 時系列データ{ξk}のカオス尺度を計算するカオス尺度計算手段と、
    前記カオス尺度の計算において、前記時系列データが取り得る範囲を分割数nで分割して計算するのか、前記分割数nの各分割区間をN(正の整数)分割して計算するのかを指示する計算指示手段と、
    前記計算指示手段の指示に基づき前記カオス尺度計算手段が計算したカオス尺度の平準値を算出するカオス尺度平準化手段と
    を具備することを特徴とするカオス尺度補正装置。
  2. 前記計算指示手段は、前記分割数nのときの分割間隔をN(正の整数)等分して、等分した各分割位置の範囲におけるカオス尺度の計算を指示することを特徴とする請求項1に記載のカオス尺度補正装置。
  3. カオス尺度が分割数nに対して周期性を有する場合の周期長Lを得て、前記計算指示手段は、前記分割数n及びこの分割数nを中心として前記周期長分の範囲におけるカオス尺度の計算を指示することを特徴とする請求項1に記載のカオス尺度補正装置。
  4. 前記計算指示手段は、前記カオス尺度計算手段に、分割数nを1から所定値まで変化させて、前記分割数nの各区間におけるカオス尺度の計算を指示し、
    上記指示に基づき得られたカオス尺度に対してスペクトル解析を行って周期を求める周期検出手段を備え、
    前記計算指示手段は、前記周期検出手段により得られた周期長Lを用いて前記周期長分の範囲におけるカオス尺度の計算を指示することを特徴とする請求項3に記載のカオス尺度補正装置。
  5. 時系列データ{ξk}のカオス尺度を計算するカオス尺度計算手段と、
    前記カオス尺度の計算において、前記時系列データが取り得る範囲を分割数nで分割し、前記分割数nを1から所定値まで変化させて、各分割数におけるカオス尺度の計算を指示する計算指示手段と
    上記計算指示手段の指示に基づき得られたカオス尺度に対してスペクトル解析を行って周期を求める周期検出手段と
    前記カオス尺度計算手段が計算したカオス尺度の平準値を算出するカオス尺度平準化手段と
    を備え、
    前記計算指示手段は、前記周期検出手段により周期長Lが求まった場合に、前記分割数n及びこの分割数nを中心として前記周期長分の範囲を指示することを特徴とするカオス尺度補正装置。
  6. 前記計算指示手段は、前記周期検出手段により周期長Lが定まらなかった場合に、前記分割数nのときの各分割区間をN等分して、等分した各分割位置の範囲におけるカオス尺度の計算を指示することを特徴とする請求項5に記載のカオス尺度補正装置。
  7. 前記平準化手段は、平均値または最小値を求めることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のカオス尺度補正装置。
  8. コンピュータを、
    時系列データ{ξk}のカオス尺度を計算するカオス尺度計算手段、
    前記カオス尺度の計算において、前記時系列データが取り得る範囲を分割数nで分割して計算するのか、前記分割数nの各分割区間をN(正の整数)分割して計算するのかを指示する計算指示手段、
    前記計算指示手段の指示に基づき前記カオス尺度計算手段が計算したカオス尺度の平準値を算出するカオス尺度平準化手段
    として機能させることを特徴とするカオス尺度補正用プログラム。
  9. 前記コンピュータを、前記計算指示手段として、前記分割数nのときの分割間隔をN(正の整数)等分して、等分した各分割位置の範囲におけるカオス尺度の計算を指示するように機能させることを特徴とする請求項8に記載のカオス尺度補正用プログラム。
  10. 前記コンピュータを、前記計算指示手段として、前記カオス尺度が分割数nに対して周期性を有する場合の周期長Lを得ると共に、前記分割数n及びこの分割数nを中心として前記周期長分の範囲におけるカオス尺度の計算を指示するように機能させることを特徴とする請求項8に記載のカオス尺度補正用プログラム。
  11. 前記コンピュータを、前記計算指示手段として、前記カオス尺度計算手段に、分割数nを1から所定値まで変化させて、前記分割数nの各区間におけるカオス尺度の指示するように機能させ、
    前記コンピュータを、上記指示に基づき得られたカオス尺度に対してスペクトル解析を行って周期を求める周期検出手段をとして機能させ、
    前記コンピュータを、前記計算指示手段として、前記周期検出手段により得られた周期長Lを用いて前記周期長分の範囲におけるカオス尺度の計算を指示するように機能させることを特徴とする請求項10に記載のカオス尺度補正用プログラム。
  12. コンピュータを、
    時系列データ{ξk}のカオス尺度を計算するカオス尺度計算手段、
    前記カオス尺度の計算において、前記時系列データが取り得る範囲を分割数nで分割し、前記分割数nを1から所定値まで変化させて、各分割数におけるカオス尺度の計算を指示する計算指示手段として機能させ、
    前記コンピュータを、上記計算指示手段の指示に基づき得られたカオス尺度に対してスペクトル解析を行って周期を求める周期検出手段、
    記カオス尺度計算手段が計算したカオス尺度の平準値を算出するカオス尺度平準化手段
    として機能させ、
    前記コンピュータを、前記計算指示手段として、前記周期検出手段により周期長Lが求まった場合に、前記分割数n及びこの分割数nを中心として前記周期長分の範囲を指示するように機能させることを特徴とするカオス尺度補正用プログラム。
  13. 前記コンピュータを、前記計算指示手段として、前記周期検出手段により周期長Lが定まらなかった場合に、前記分割数nのときの各分割区間をN等分して、等分した各分割位置の範囲におけるカオス尺度の計算を指示するように機能させることを特徴とする請求項12に記載のカオス尺度補正用プログラム。
  14. コンピュータを、
    前記平準化手段として、平均値または最小値を求めるように機能させることを特徴とする請求項8乃至13のいずれか1項に記載のカオス尺度補正用プログラム。
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