JP6847344B2 - 多関節マニピュレータ - Google Patents

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Description

本発明は手先出力が大きく細長いアームの超長尺超多自由度の多関節マニピュレータに関する。
たとえば過酷事故後の原子力発電所において溶融した核燃料取り出すための遠隔操作用マニピュレータとして、超長尺超多自由度の多関節マニピュレータが必要である。
図12は第1の従来の多関節マニピュレータを示す正面図である(参照:非特許文献1のFig.1(a))。図12の多関節マニピュレータは垂直(ピッチ軸)型であって、最も重力の影響を受け易い水平に伸展した姿勢を示している。図12においては、多数のリンク101−1、101−2、…(3つのみ図示)は基台103から導かれて水平方向の関節102−1、102−2、…によってシリアルに連結されている。各関節102−1、102−2、…にはプーリ104−1、104−2、…が固定的に軸着されている。各リンク101−1、101−2、…はプーリ104−1、104−2、…に巻き架けたワイヤ105−1、105−2、…を基台103及び各関節102−1、102−2、…内に設けられたアクチュエータ(モータ)(図示せず)を駆動することによって駆動される。この場合、各関節102−1、102−2、…におけるトルクτ、τ、…はワイヤ105−1、105−2、…の張力とプーリ104−1、104−2、…の半径の積に対応する。
図13は第2の従来の多関節マニピュレータを示す斜視図である(参照:非特許文献1のFig.3)。図13の多関節マニピュレータは、垂直(ピッチ軸)型であって、最も重力の影響を受け易い水平に伸展した姿勢を示している。図13においては、多数のリンク201−1、201−2、…(2つのみ図示)は基台203から導かれて水平方向の各関節202−1、202−2、…によってシリアルに連結されている。関節202−1にはプーリ204(1、1)、204(1、2)、204(1、3)が軸着され、関節202−2にはプーリ204(2、2)、204(2、3)が軸着され、関節202−3にはプーリ204(3、3)が軸着されている。この場合、プーリ204(1、1)、204(2、2)、204(3、3)は固定的に軸着され、プーリ204(1、2)、204(1、3)、204(2、3)は摺動自在に軸着されている。ワイヤ205−1はプーリ204(1、1)に互い逆向きに1回転巻き架され、ワイヤ205−2はプーリ204(1、2)、204(2、2)に互い逆向きに1回転巻き架され、ワイヤ205−3はプーリ204(1、3)、204(2、3)、204(3、3)に互い逆向きに1回転巻き架されている。また、多数のリンク201−1、201−2、…の重量の増加を抑制するために、ワイヤ205−1;205−2;…を介して各リンク201−1、201−2、…を駆動するためのアクチュエータ(モータ)206−1−1、206−1−2;206−2−1、206−2−2;…はマニピュレータの基台203内に設けている。これにより、関節機構を簡略化できる。
図13において、たとえば、アクチュエータ206−3−1を巻き取り、アクチュエータ206−3−2を弛ませるように駆動すると、リンク201−1、201−2、201−3は同時に上昇する。また、さらにアクチュエータ206−2−2及び206−1−2を巻き取り、アクチュエータ206−1−1及び206−2−1を弛ませるように駆動すると、リンク201−1のみが上昇する。
図14は第3の従来の多関節マニピュレータを示す斜視図である(参照:特許文献1)。図14の多関節マニピュレータは、垂直(ピッチ軸)かつ水平(ヨー軸)型であって、2節目を重力の影響を受け易い水平に伸展した姿勢を示している。図14においては、複数の4節平行リンク構造L1、L2、…(2つのみ図示)が基台300から導かれてシリアルに連結されている。各4節平行リンク構造L1、L2、…は、フレーム301、302、及びフレーム301、302間に設けられた平行な主リンク303及び副リンク304によって構成され、垂直方向のピッチ軸回りのα回転するようにする。さらに、基台300側の4節平行リンク構造L1のフレーム302と隣接する4節平行リンク構造L2のフレーム301とを垂直連結し、ヨー軸回りのθ回転するようにする。これらピッチ軸回り及びヨー軸回りの各アクチュエータ(モータ)は関節つまりフレーム301、302内に設けられる。さらに、図14においては、多数の4節平行リンク構造L1、L2、…の自重を補償するために、各フレーム301、302に自重補償用二重プーリ305、306を摺動自在に設け、自重補償用ワイヤ307−1、307−2、…を自重補償用二重プーリ306(305)の大径プーリから自重補償用二重プーリ305(306)の小径プーリに巻き架け、最後にカウンタウェイト308で引張る。
図14においては、4節平行リンク構造L1、L2、…を採用しているので、モーメントが変化しても主リンク303、副リンク304の圧縮力として構造的に支えるので、先端のみの力が関節トルクとして作用し、結果的に、次の4節平行リンク機構の姿勢に依存せず、一定のトルクで自重補償が可能である。
図15は第4の従来の多関節マニピュレータを示す正面図である(参照:非特許文献2)。図15の多関節マニピュレータは、垂直(ピッチ軸)型であって、最も重力の影響を受け易い水平に伸展した姿勢を示している。図15においては、多数のリンク401−1、401−2、…(3つのみ図示)は基台403から導かれて水平方向の関節402−1、402−2、…によってシリアルに連結されている。各関節402−1、402−2、…にはプーリ(図示せず)が固定的に軸着されている。各リンク401−1、401−2、…はこれらプーリに巻き架けたワイヤ(図示せず)を関節402−1、402−2、…内に設けられたアクチュエータ(モータ)(図示せず)によって駆動される。この場合、各関節402−1、402−2、…におけるトルクτ、τ、…は上述の各ワイヤの張力とプーリ半径の積に対応する。さらに、図15においては、多数のリンク401−1、401−2、…の自重を補償するために、各関節402−1、402−2、…に自重補償用プーリ404−1、404−2、…を摺動自在に軸着し、1本の自重補償用ワイヤ405を先端のリンクに固定し各自重補償用プーリ404−1、404−2、…に1回転して巻き架け、その自重補償用ワイヤ405の端部をカウンタウェイト406で引っ張ることにより自重トルクを相殺している。
特開2003−89090号公報
広瀬茂男、馬 書根:ワイヤ干渉駆動型多関節マニピュレータの開発、計測自動制御学会論文集、26−11、1291/1298(1990) 石井智之、葉石敦生、広瀬茂男:ワイヤと二重プーリによる自重補償機構の説明とFloat Arm Vの性能評価、日本ロボット学会創立20周年記念学術講演会、2002
しかしながら、図12の第1の従来の多関節マニピュレータにおいては、アクチュエータ(モータ)が各関節102−1、102−2、…内に設けられるので、関節機構が複雑となるという課題がある。また、関節102−iのトルクτは、
τ=(n+1−i)MgL+(1/2)(n+1−i)mgL (1)
但し、nは関節数
Mはアーム先端質量
mはリンクの質量
Lはリンク長
gは重力加速度
で表せる。ここで、(1)式右辺の第1項は先端荷重Mgを支持するトルクであり、基台103側になると関節数nに比例し、また、(1)式右辺の第2項はアームの自重を支持するトルクであり、基台103側になると関節数nの2乗に比例する。この結果、各関節トルクτを支えるのに要するワイヤの張力は、図16の(A)に示すごとく、基台103側程大きくなり、従って、基台103内のアクチュエータ(モータ)が強力かつ高価となり、また、リンクの自重の補償できず、長尺化が困難であるという課題もある。尚、図16の(A)においては、リンク101−1、101−2、…の全長(アーム長)及び全重は15m及び96kgとし、関節102−1、102−2、…の数nは12とする。
また、図13の第2の従来の多関節マニピュレータにおいては、関節202−iのトルクτは、
τ=MgL+(n+1/2−i)mgL (2)
で表せる。ここで、(2)式右辺の第1項は先端荷重Mgを支持するトルクであり、基台203側になっても一定であり、また、(1)式右辺の第2項はアームの自重を支持するトルクであり、トルクの干渉のために基台203側になると関節数nに比例する。この結果、各関節トルクτを支えるのに要するワイヤの張力は、図16の(B)に示すごとく、基台203側も小さくなり、基台203側のアクチュエータ(モータ)206−1−1、206−1−2;206−2−1、206−2−2;…も強力でなく安価となる。尚、図16の(B)においては、アーム長及び全重は15m及び96kgとし、関節数nは12とする。しかしながら、アクチュエータ(モータ)206−1−1、206−1−2;206−2−1、206−2−2;…は依然として強力かつ高価であり、また、リンク自身の自重を補償できず、従って、長尺化が困難であるという課題もある。
さらに、図14、図15の第3、第4の従来の多関節マニピュレータにおいては、第1の従来の多関節マニピュレータと同様に、アクチュエータ(モータ)はフレーム301、302、各関節402−1、402−2、…内に設けられるので、関節機構が複雑となるという課題がある。また、平行リンク構造L1、L2、リンク401−1、401−2、…の自重がカウンタウェイト308、406によって補償されているので、図16の(C)に示すごとく、ワイヤ張力は小さくなるが、アクチュエータ(モータ)は依然として強力かつ高価であり、長尺化が困難であるという課題もある。尚、図16の(C)においては、アーム長及び全重は15m及び96kgとし、関節数nは12とする。しかも、カウンタウェイト406が重くなり過ぎ、この結果、多関節マニピュレータを軽量化できないという課題もある。たとえば、平行リンク構造L1、L2、…;リンク401−1、401−2、…の全長(アーム長)及び全重を15m及び96kgとすれば、カウンタウェイト406の重量は約5600kgにもなる。また、図14、図15に示すごとく、最も重力の影響を受け易い水平に伸展した姿勢の場合には、自重補償トルクは最大となるが、垂直に伸展した姿勢の場合には、自重補償トルクはゼロである。しかし、このような自重補償トルクの変化には対応できないという課題もある。
上述の課題を解決するために、本発明に係る多関節マニピュレータは、基台と、基台からシリアルに連結された複数のリンクと、リンクのうち少なくとも1つのリンクに設けられた少なくとも1つの自重補償用プロペラ及び自重補償用プロペラの推力を調整するための少なくとも1つの第1のアクチュエータと、リンクを連結させるn(≧2)個のピッチ軸の関節と、基台から第i番目(i=1、2、…、n)の関節に軸着された(n−i+1)個のプーリと、n個のワイヤであって、第i番目のワイヤは第1番目の関節から第i番目の関節に軸着されたプーリに少なくとも1回転して巻き架されたものと、各ワイヤの張力を調整するために各ワイヤの両端に接続され、基台内に設けられた複数の第2のアクチュエータと、ワイヤの張力の最大値が最も小さくなるように自重補償用プロペラの推力を調整するように第1、第2のアクチュエータを制御するための制御ユニットとを具備するものである。また、アクチュエータへの給電線を高圧化する。
また、本発明に係る多関節マニピュレータは、基台と、複数の直動関節と、基台から直動関節によって直動的に連結された複数のリンクと、少なくとも1つの直動関節又はリンクに設けられた少なくとも1つの自重補償用プロペラ及び自重補償用プロペラの推力を調整するための少なくとも1つのアクチュエータとを具備し、自重補償用プロペラの推力により多関節マニピュレータの位置及び姿勢をも制御するようにしたものである。また、アクチュエータへの給電線を高圧化する。
さらに、本発明に係る多関節マニピュレータは、基台と、複数の回転関節と、基台から回転関節によってシリアルに連結された複数のリンクと、少なくとも1つの回転関節又はリンクに設けられた少なくとも1つの自重補償用プロペラ及び自重補償用プロペラの推力を調整するための少なくとも1つのアクチュエータとを具備し、自重補償用プロペラの推力により多関節マニピュレータの位置及び姿勢をも制御するようにしたものである。また、アクチュエータへの給電線を高圧化する。

本発明によれば、自重補償用プロペラの推力によって自重補償されるので、長尺化できると共に、多関節マニピュレータを安価にできる。
また、給電線を高圧化することにより、給電線の断面積が小さくなるので、多関節マニピュレータを軽量化できる。
本発明に係る多関節マニピュレータの第1の実施の形態を示し、(A)は上面図、(B)は正面図である。 図1の基台内回路ユニット及び先端リンク内回路ユニットの詳細なブロック回路図である。 図1のワイヤ張力を示すグラフである。 図1の制御ユニットの動作を説明するためのフローチャートである。 図4のフローチャートを補足説明する図である。 本発明に係る多関節マニピュレータの第2の実施の形態を示す正面図である。 本発明に係る多関節マニピュレータの第3の実施の形態を示す斜視図である。 図7の回転関節の詳細を示し、(A)は正面図、(B)は(A)のB−B線断面図である。 図7の回転関節の斜視図であり、(A)、(B)は別方向から見た斜視図である。 図7の制御ユニットの動作を説明するためのフローチャートである。 本発明に係る多関節マニピュレータが適用された実施例を示す図である。 第1の従来の多関節マニピュレータを示す正面図である。 第2の従来の多関節マニピュレータを示す斜視図である。 第3の従来の多関節マニピュレータを示す斜視図である。 第4の従来の多関節マニピュレータを示す正面図である。 図12、図13、図14、図15のワイヤ張力を示すグラフである。
図1は本発明に係る多関節マニピュレータの第1の実施の形態を示し、(A)は上面図、(B)は正面図である。尚、図1の多関節マニピュレータは垂直(ピッチ軸)型であって、最も重力の影響を受け易い水平に伸展した姿勢を示している。
図1において、n個のリンク1−1、1−2、…、1−nは基台3から導かれて水平方向の関節2−1、2−2、…、2−nによってシリアルに連結される。
関節2−1には、n個のプーリ4(1、1)、4(1、2)、…、4(1、n)が軸着され、関節2−2には、(n−1)個のプーリ4(2、2)、4(2、3)、…、4(2、n)が軸着され、同様に、関節2−nには、1個のプーリ4(n、n)が軸着されている。この場合、プーリ4(1、1)、4(2、2)、…、4(n、n)は各関節2−1、2−2、…、2−nに固定的に軸着され、他方、プーリ4(1、2)、…、4(1、n);4(2、3)、4(2、4)、…、4(2、n);…;4(n、n)は各関節2−1、2−2、…、2−nに摺動自在に軸着されている。
ワイヤ5−1は基台3から導かれてプーリ4(1、1)に1回転して巻き架けられ、ワイヤ5−1の両端は基台3内のアクチュエータ(モータ)6−1−1、6−1−2に接続されている。ワイヤ5−2は基台3から導かれてプーリ4(1、2)、4(2、2)に1回転して巻き架けられ、ワイヤ5−2の両端は基台3内のアクチュエータ(モータ)6−2−1、6−2−2に接続されている。同様に、ワイヤ5−nは基台3から導かれてプーリ4(1、n)、4(2、n)、…、4(n、n)に1回転して巻き架けられ、ワイヤ5−nの両端は基台3内のアクチュエータ(モータ)6−n−1、6−n−2に接続されている。
ワイヤ5−1、5−2、…、5−nの材料としては、比強度が高い炭素繊維強化プラスチック(CFRP)、ガラス繊維強化発泡ウレタン(FFU)が適する。特に、FFUは加工性に優れ、密度も0.5〜0.7g/cmと小さく、耐候性も高いことから農業用途に適する。また、金属材料としては、降温多軸金段造法によって製造されたマグネシウム合金を用いることもできる。
また、ワイヤ5−1、5−2、…、5−nとしてスーパ繊維ワイヤと呼ばれる高強度化学繊維ワイヤを用いることもできる。高強度化学繊維ワイヤは金属製ワイヤに匹敵する強度を有し、著しく軽く、かつ大きな曲率で曲げることができる。たとえば、超高分子量ポリエチレン繊維(登録商標ダイニーマ)よりなるダイニーマワイヤロープ、及び芯系がPBO繊維(登録商標ザイロン)及び側系が超高分子量ポリエチレン繊維(登録商標ダイニーマ)よりなるザイロンダイニーマワイヤロープがある。
基台3内には、基台内回路ユニット7が設けられ、アクチュエータ6−1−1、6−1−2;6−2−1、6−2−2;…;6−n−1、6−n−2を制御すると共に、給電線8にDC高電圧たとえば360Vを発生する。給電線8は多関節マニピュレータ内を介して先端リンク1−nまで配線されている。
リンク1−nの先端の上部には、1つのスラスタとして自重補償用プロペラ9−1〜9−4(クアッドコプタ)及び自重補償用プロペラ9−1〜9−4の推進力を発揮するためのアクチュエータ(モータ)10−1〜10−4を設ける。また、アクチュエータ10−1〜10−4を駆動させるための先端リンク内回路ユニット11が設けられる。他方、リンク1−nの先端の下端には、高画質の動画を撮影できるカメラ12及びカメラ12の姿勢を制御するジンバル13が設けられる。尚、1つのスラスタ当りの自重補償用プロペラの数は所望の推力が得られれば他の数になし得る。また、推力を上げるために複数のスラスタを設け、1つの降圧型DC−DCコンバータによって駆動することもできる。
一般に、アクチュエータ10−1〜10−4は、アクチュエータ6−1−1、6−1−2;6−2−1、6−2−2;…;6−n−1、6−n−2と同様に、低電圧、大電流で駆動されるが、低電圧、大電流の電力を伝播させるための給電線は大きな断面積が要求される。たとえば90A導通可能な170g/mの給電線が必要となる。最悪、給電線の自重が自重補償用プロペラ9−1〜9−4の全推力以上となってしまい、図1の多関節マニピュレータの長尺化が不可能となる。そこで、図1の多関節マニピュレータにおいては、基台3の基台内回路ユニット7においてAC100V電圧をDC360Vに一旦昇圧する。これにより、給電線8の断面積を小さくして給電線8の自重を小さくする。そして、DC360Vを先端リンク内回路ユニット11内においてDC24Vに降圧させてアクチュエータ10−1〜10−4を駆動する。このようにして、アクチュエータ10−1〜10−4を低電圧、大電流で駆動できると共に、給電線8を軽量化できる。たとえば給電線8は6A導通可能な14g/mと軽量化できる。
制御ユニット14はアクチュエータ6−1−1、6−1−2;6−2−1、6−2−2;…;6−n−1、6−n−2、アクチュエータ10−1〜10−4、カメラ12及びジンバル13を制御するものであり、たとえばマイクロコンピュータによって構成される。
図2は図1の基台内回路ユニット7及び先端リンク内回路ユニット11の詳細なブロック回路図である。
図2に示すように、基台内回路ユニット7は、100V交流電源71、交流電源71の100VのAC電圧をDC24Vに降圧させるための降圧型AC−DCコンバータ72、及びアクチュエータ6−1−1、6−1−2;6−2−1、6−2−2;…;6−n−1、6−n−2を駆動するためのモータ駆動回路73−1−1、73−1−2;73−2−1、73−2−2;…;73−n−1、73−n−2を有する。すなわち、モータ駆動回路73−1−1、73−1−2;73−2−1、73−2−2;…;73−n−1、73−n−2及びアクチュエータ6−1−1、6−1−2;6−2−1、6−2−2;…;6−n−1、6−n−2は低電圧、大電流で駆動され、アクチュエータ6−1−1、6−1−2;6−2−1、6−2−2;…;6−n−1、6−n−2のトルクは制御ユニット14によって信号線SL11、SL12、…、SLn1、SLn2を介して制御される。尚、モータ駆動回路73−1−1、73−1−2;73−2−1、73−2−2;…;73−n−1、73−n−2はパルス幅変調(PWM)インバータ、ゲート信号発生回路等によって構成される。
また、基台内回路ユニット7は交流電源71の100VのAC電圧をDC360Vに昇圧するための昇圧型AC−DCコンバータ74を有する。このDC360Vは断面積の小さい給電線8によって先端リンク内回路ユニット11に供給される。
先端リンク内回路ユニット11は、給電線8に接続され、給電線8のDC360VをDC24Vに降圧させるための降圧型DC−DCコンバータ111、及びアクチュエータ10−1〜10−4を駆動するためのモータ駆動回路112を有する。すなわち、モータ駆動回路112及びアクチュエータ10−1〜10−4は低電圧、大電流で駆動され、アクチュエータ10−1〜10−4のトルクは制御ユニット14によって信号線L112を介して制御される。尚、モータ駆動回路112もPWMインバータ、ゲート信号発生回路等によって構成される。
また、カメラ12及びジンバル13も制御ユニット14によって信号線L12、L13を介して制御される。
信号線L112、L12、L13はいずれも細く軽量なので、多関節マニピュレータ内を通過させても多関節マニピュレータの自重の増大はほとんどない。尚、信号線L112、L12、L13の代わりに無線を用いてもよい。
昇圧型AC−DCコンバータ74はたとえば縦130mm×横210mm×高さ150mm程度で約3.5kgfである。他方、降圧型DC−DCコンバータ111は縦90mm×横130mm×高さ60mm程度で約1.5kgfである。尚、モータ駆動回路112の重量は降圧型DC-DCコンバータ112に比較すれば非常に小さい。従って、先端リンク内回路ユニット11の重量の大部分は降圧型DC−DCコンバータ111の重量である。ここで、図1の自重補償用プロペラ9−1〜9−4の推力を1つのスラスタの推力とし、4台のスラスタを用いた場合には全推力は2.5kgf×4=10kgf程度であるので、先端リンク内回路ユニット11の重量はこの推力に比較して高々35%と軽量である。
このように、図1においては、自重補償用プロペラ9−1〜9−4のアクチュエータ10−1〜10−4の電力供給を高圧化された給電線8で行っているので、長時間作業が可能となる。この場合、高圧化した給電線8の断面積を小さくできるので、多関節マニピュレータの自重の増加も小さくできる。
図3は図1の関節トルクτを支えるのに要するワイヤ5−1、5−2、…、5−nの張力を示すグラフである。尚、図3においても、アーム長は15m、関節数nは12である。図3に示すごとく、ワイヤ5−1、5−2、…、5−nの張力は、図16の(A)、(B)、(C)に示す第1、第2、第3、第4の従来の多関節マニピュレータのワイヤ張力に比較して小さくなる。従って、アクチュエータ(モータ)6−1−1、6−1−2;6−2−1、6−2−2;…;6−n−1、6−n−2は強力である必要がないので安価にでき、従って、長尺化が容易となる。また、図14、図15の約5600kgカウンタウェイト308、406と同等の力を出すためには、給電線8の重量は14g/m×15m=210g程度に過ぎない。従って、多関節マニピュレータを軽量化できる。
図4は図1の制御ユニット14の動作を説明するためのフローチャートである。
始めに、ステップ401にて、図5の(A)に示す関節2−1、2−2、…の姿勢角θ、θ、…を対象物に合せて決定する。
次に、ステップ402にて、図5の(B)に示す対象物、自重補償用プロペラ9−1〜9−4、アクチュエータ10−1〜10−4及び先端リンク内回路ユニット11を含む先端荷重Mg及び各関節2−1、2−2、…の自重mg、mg、…を支えるために各関節2−1、2−2、…で生成すべきトルクτ、τ、…を演算する。このとき、動力学を考慮してもよい。
次に、ステップ403にて、上述のトルクτ、τ、…に対応するアクチュエータ(モータ)で生成するワイヤ5−1、5−2、…の張力の最大値が最も小さくなるように、自重補償用プロペラ9−1〜9−4の全推力を演算する。
最後に、ステップ404にて、関節トルクτ、τ、…に対するワイヤ張力を生成すべくアクチュエータ(モータ)6−1−1、6−1−2;6−2−1、6−2−2;…;6−n−1、6−n−2のトルク及び自重補償用プロペラ9−1〜9−4の全推力を生成すべくアクチュエータ(モータ)10−1〜10−4のトルクを与える。
尚、上述の第1の実施の形態においては、スラスタとしての自重補償用プロペラ及びそのアクチュエータ(モータ)、DC/DCコンバータ及びモータ駆動回路を先端リンク1−nに設けているが、他のリンクに設けてもよく、また、複数のスラスタを複数のリンクに設けてもよい。
また、上述の実施の形態においては、関節2−1、2−2、…、2−nは基台3からの距離に関係なく一定であるが、関節2−1、2−2、…、2−nは基台3からの距離に応じて小さくすることができる。これにより、ワイヤ5−1、5−2、…、5−nの張力をさらに小さくでき、従って、アクチュエータ6−1−1、6−1−2;6−2−1、6−2−2;…;6−n−1、6−n−2をさらに強力でなく安価にでき、また、自重補償用プロペラ9−1〜9−4の推力も小さくでき、従って、自重補償用プロペラ9−1〜9−4及びアクチュエータ10−1〜10−4も軽量化できる。
図6は本発明に係る多関節マニピュレータの第2の実施の形態を示す正面図である。尚、図6の多関節マニピュレータは直動型である。
図6においては、基台21上に回転可能に支軸22が支持され、支軸22には回転関節23が設けられる。また、回転関節23には複数の筒状のリンク24−1、24−2、…、24−5が直動関節23’−1、23’−2、23’−3、23’−4によって伸縮可能に設けられる。リンク24−1、24−2、…、24−5の径はこの順序で小さくなっており、後段のリンクはワイヤ25及びワイヤ25に接続されたアクチュエータ26によって前段のリンク内に収容することができる。つまり、リンク24−1、24−2、…、24−5は釣竿式に伸縮できる。また、アクチュエータ26は回転関節23に関してリンク24−1、24−2、…、24−5と反対側に位置するので、自重が増大しない。
リンク24−5の先端の上部には、1つのスラスタとして自重補償用プロペラ27−1〜27−4(クアッドコプタ)及び自重補償用プロペラ27−1〜27−4の推進力を発揮するためのアクチュエータ(モータ)28−1〜28−4を設ける。また、アクチュエータ28−1〜28−4を駆動させるための図2の先端リンク内回路ユニット11と同様の先端リンク内回路ユニット29が設けられる。他方、リンク1−nの先端の下端には、高画質の動画を撮影できるカメラ30及びカメラ30の姿勢を制御するジンバル31が設けられる。尚、1つのスラスタ当りの自重補償用プロペラの数は所望の推力が得られれば他の数になし得る。
基台21の図2の基台内回路ユニット7と同様の基台内回路ユニット32においてAC100V電圧をDC360Vに一旦昇圧する。これにより、高圧化して給電線33の断面積を小さくして給電線33の自重を小さくする。DC360Vを先端リンク内回路ユニット29内においてDC24Vに降圧させてアクチュエータ28−1〜28−4を駆動する。このようにして、アクチュエータ28−1〜28−4を低電圧、大電流で駆動できると共に、給電線33を高圧化して軽量化できる。たとえば給電線31はDC360Vと高圧化して6A導通可能な14g/mと軽量化できる。
制御ユニット34はアクチュエータ26、アクチュエータ28−1〜28−4、カメラ30及びジンバル31を制御するものであり、たとえばマイクロコンピュータによって構成される。
このように、図6においても、自重補償用プロペラ27−1〜27−4のアクチュエータ28−1〜28−4の電力供給を高圧の給電線33で行っているので、長時間作業が可能となる。この場合、高圧の給電線33の断面積を小さくできるので、多関節マニピュレータの自重の増加も小さくできる。
尚、図6における自重補償用プロペラ27−1、27−2、…は自重補償の作用と共に、多関節マニピュレータの位置及び姿勢も制御する。
また、上述の第2の実施の形態においても、スラスタとしての自重補償用プロペラ及びそのアクチュエータ(モータ)、DC/DCコンバータ及びモータ駆動回路を先端リンク24−5に設けているが、他のリンクに設けてもよく、また、複数のスラスタを複数のリンクに設けてもよい。
図7は本発明に係る多関節マニピュレータの第3の実施の形態を示す斜視図である。図7の多関節マニピュレータは水平(ヨー軸)型の回転関節直鎖状マニピュレータである。
図7において、リンク41−1、41−2、…、41−6は基台41から導かれて回転関節43−0、43−1、43−2、…、43−6によってシリアルに連結されている。
各回転関節43−1、43−2、…、43−6には、複数のスラスタとしての自重補償用プロペラ44−1、44−2、…、44−6及び自重補償用プロペラ44−1、44−2、…、44−6の推進力を発揮するためのアクチュエータ45−1、45−2、…、45−6を設ける。このとき、特に、回転関節43−6の自重補償用プロペラ44−6及びアクチュエータ45−6の数を増大させることにより推力を大きくて補償できる重量を大きくし、これにより、多関節マニピュレータの位置及び姿勢をも制御できるようにする。この場合、プロペラはマルチコプタたとえばクアッドコプタ、ヘキサコプタ、オクトコプタ等でもよい。
また、各回転関節43−1、43−2、…、43−6には、図2の先端リンク内回路ユニット11と同様の回路ユニット(図示せず)を設ける。他方、基台42には、図2の基台内回路ユニット7と同様の回路ユニット(図示せず)を設ける。さらに、要求に応じてカメラ及びジンバルを設ける。また、図6の制御ユニット34と同様の制御ユニット(図示せず)を設ける。
基台42の回路ユニット内の昇圧AC−DCコンバータと各回転関節43−0、43−1、43−2、…、43−6内の降圧型DC−DCコンバータとの間はリンク41−1、41−2、…、41−6内の高圧化した給電線(図示せず)によって接続される。このように、高圧化した給電線により多関節マニュピュレータの軽量化が図れる。
図8は図7の回転関節の詳細を示し、(A)は正面図、(B)は(A)のB−B線断面図、図9は図7の回転関節の斜視図であって、(A),(B)は異なる方向から見た図である。図8、図9に示すように、各回転関節43−0、43−1、43−2、…、43−6においては、基台42又は前段のリンク41−iに設けられたアクチュエータ(モータ)(図示せず)によるワイヤWの張力と後段のリンク41−(i+1)のプーリPの半径との積によって決定されるトルクによって後段のリンク41−(i+1)が回転する。また、前段のリンク41−iに対して後段のリンク41−(i+1)の可動角を限定するために、前段のリンク41−iにストッパSを設け、これにより、多関節マニピュレータの移動範囲を特定空間領域に限定するようにする。
このように、図7においても、自重補償用プロペラ44−1〜44−6のアクチュエータ45−1〜45−6の電力供給を高圧の給電線で行っているので、長時間作業が可能となる。この場合、高圧の給電線の断面積を小さくできるので、多関節マニピュレータの自重の増加も小さくできる。
尚、図7における自重補償用プロペラ44−1、44−2、…は自重補償の作用と共に、多関節マニピュレータの位置及び姿勢も制御する。
また、上述の第3の実施の形態においては、スラスタとしての自重補償用プロペラ及びそのアクチュエータ(モータ)、DC/DCコンバータ及びモータ駆動回路を回転関節に設けているが、リンクに設けてもよい。
図10は図6、図7の制御ユニットの動作を説明するためのフローチャートである。ここでは、次のことを前提とする。
(A)スラスタの出力が、アーム自重を支えるための関節出力に比べて十分大きいこと、
(B)手先に装備されたスラスタは平面XY2軸の力を発生できること、
(C)関節はトルク制御可能であり、少なくともゼロまたは十分大きな一定トルクτmaxに制御可能であること、
(D)アーム先端部の位置(Xm, Ym)を高精度GPSなどで計測可能であること。
関節アクチュエータはトルク制御され、受動関節のように外力により関節が受動的に回転できるように制御する。始めに、ステップ1001にて、トルク制御で行う場合は、トルク指令ゼロを入力する。この指令に応じて関節アクチュエータは常にトルクゼロになるように制御される。この状態でステップ1002にて外力を与えると、それにより生じたトルクを打ち消すようにモータが回転し、外力がなくなるまで回転する。その結果見た目としては受動関節のように振舞う。
次に、ステップ1003にて、目標手先位置(Xd, Yd)を指定する。
次に、ステップ1004にて、現在手先位置(Xm, Ym)を計測する。
次に、ステップ1005にて、スラスタが出すべき推力(Fx, Fy)を演算する。たとえば、単純な比例微分(PD)制御で行うとすれば、
Fx= -kp(Xm-Xd)-kd dXm/dt
Fy= -kp(Ym-Yd)-kd dYm/dt
但し、kp、kdは定数、
となる。
次に、ステップ1006にて、ステップ1005にて演算されたスラスタ推力に基づきスラスタを駆動する。
ステップ1007では、Xm-Xd, Ym-Ydの絶対値が十分に小さくなるまでステップ1004〜1006の制御を繰返す。この結果、現在手先位置が目標位置に到達したらステップ1008、1009の関節回転拘束制御に進み、関節を動かないように固定する。
すなわち、ステップ1008にて関節トルク指令値を十分大きな値τmaxに設定し、ステップ1009にてトルク制御を行う。これにより関節は動かなくなり、手先位置が保持されることになる。
図10の制御ルーチンによれば、関節角度を観測して手先位置を制御する訳ではないので、100mなどの非常に長尺なアームで構造材が撓むような場合においても,手先位置の観測機器が十分に高精度であれば,精度よく手先位置を決めることができる。また、関節を固定することで,外乱に対しても強くなる.
図11は本発明に係る多関節マニピュレータが適用された実施例を示す図である。
図11においては、移動台車1101に多関節マニピュレータ1102を搭載し、過酷事故後の原子炉建屋1111内の格納容器1112の圧力容器1113から溶融した燃料棒1113aを取り出すための調査や実作業を想定する。この場合、格納容器1112の圧力容器1113下に直径約0.3mの穴1112aを予め開口し、移動台車1101を穴1112aの近傍に固定する。次いで、多関節マニピュレータ1102を穴1112aを介して圧力容器1113内へ伸展させて調査や実作業を行う。この場合、格納容器1112の下部直径Dがたとえば18mであれば、多関節マニピュレータ1102のアーム全長は14m程度とする。尚、1114は圧力抑制プールである。
尚、本発明は上述の実施の形態の自明の範囲のいかなる変更にも適用し得る。
本発明は、上述の原子力発電所における溶融した核燃料取出し処理の外に、放射能汚染施設内の20m程度の規模の除染処理、農業の100m程度の規模の種苗散布処理、農薬散布処理、雪国の屋根上の30m程度の規模の融雪剤散布処理等に利用できる。
1−1、1−2、…、1−n:リンク
2−1、2−2、…、2−n:ピッチ軸関節
3:基台
4(1、1)、4(1、2)、…、4(1、n);4(2、2)、4(2、3)、…、4(2、n);…;4(n、n):プーリ
5−1、5−2、…、5−n:ワイヤ
6−1−1、6−1−2;6−2−1、6−2−2;…;6−n−1、6−n−2:アクチュエータ(モータ)
7:基台内回路ユニット
71:交流電源
72:降圧型AC−DCコンバータ
73−1−1、73−1−2;73−2−1、73−2−2;…;73−n−1、73−n−2:モータ駆動回路
74:昇圧型AC−DCコンバータ
8:給電線
9−1、9−2、9−3、9−4:自重補償用プロペラ
10−1、10−2、10−3、10−4:アクチュエータ(モータ)
11:先端リンク内回路ユニット
111:降圧型DC−DCコンバータ
112:モータ駆動回路
12:カメラ
13:ジンバル
14:制御ユニット
21:基台
22:支軸
23:回転関節
23’−1、23’−2、…:直動関節
24−1、24−2、…:リンク
25:ワイヤ
26:アクチュエータ
27−1、27−2、…:自重補償用プロペラ
28−1、28−2、…:アクチュエータ(モータ)
29:先端リンク内回路ユニット
30:カメラ
31:ジンバル
32:基台内回路ユニット
33:給電線
34:制御ユニット
41−1、41−2、…:リンク
42:基台
43−0、43−1、…:回転関節
44−1、44−2、…:自重補償用プロペラ
45−1、45−2、…:アクチュエータ(モータ)
W:ワイヤ
P:プーリ
S:ストッパ
101−1、101−2、…:リンク
102−1、102−2、…:関節
103:基台
104−1、104−2、…:プーリ
105−1、105−2、…:ワイヤ
201−1、201−2、…:リンク
202−1、202−2、…:関節
203:基台
204(1、1)、204(1、2)、204(1、3);204(2、2)、204(2、3)、204(3、3):プーリ
205−1、205−2、205−3、…:ワイヤ
206−1−1、206−1−2;206−2−1、206−2−2;…:アクチュエータ(モータ)
L1、L2:4節平行リンク機構
300:基台
301、302:フレーム
303:主リンク
304:副リンク
305、306:自重補償用プーリ
307−1、307−2、…:自重補償用ワイヤ
308:カウンタウェイト
401−1、401−2、…:リンク
402−1、402−2、…:関節
403:基台
404−1、404−2、…:自重補償用プーリ
405:自重補償用ワイヤ
406:カウンタウェイト
1101:移動台車
1102:多関節マニピュレータ
1111:原子炉建屋
1112:格納容器
1112a:穴
1113:圧力容器
1113a:燃料棒
1114:圧力抑制プール

Claims (10)

  1. 基台と、
    前記基台からシリアルに連結された複数のリンクと、
    前記リンクのうちの少なくとも1つのリンクに設けられた少なくとも1つの自重補償用プロペラ及び該自重補償用プロペラの推力を調整するための少なくとも1つの第1のアクチュエータと
    前記リンクを連結させるn(≧2)個のピッチ軸の関節と、
    前記基台から第i番目(i=1、2、…、n)の関節に軸着された(n−i+1)個のプーリと、
    n個のワイヤであって、第i番目のワイヤは前記第1番目の関節から第i番目の関節に軸着されたプーリに少なくとも1回転して巻き架されたものと、
    前記各ワイヤの張力を調整するために前記各ワイヤの両端に接続され、前記基台内に設けられた複数の第2のアクチュエータと、
    前記ワイヤの張力の最大値が最も小さくなるように前記自重補償用プロペラの推力を調整するように前記第1、第2のアクチュエータを制御するための制御ユニットと
    を具備する多関節マニピュレータ。
  2. さらに、
    前記基台に設けられ、電源電圧を昇圧するための昇圧ユニットと、
    前記少なくとも1つのリンクに設けられ、前記第1のアクチュエータを駆動するための第1のアクチュエータ駆動回路と、
    前記少なくとも1つのリンクに設けられ、前記第1のアクチュエータ駆動回路に給電するための降圧ユニットと、
    前記昇圧ユニットと前記降圧ユニットとの間に接続された給電線と
    を具備する請求項1に記載の多関節マニピュレータ。
  3. 前記関節は前記基台からの距離に応じて小さくなる請求項に記載の多関節マニピュレータ。
  4. 基台と、
    複数の直動関節と、
    前記基台から前記直動関節によってシリアルに直動的に連結された複数のリンクと、
    少なくとも1つの直動関節又はリンクに設けられた少なくとも1つの自重補償用プロペラ及び該自重補償用プロペラの推力を調整するための少なくとも1つのアクチュエータと
    を具備し、
    前記自重補償用プロペラの推力により前記多関節マニピュレータの位置及び姿勢をも制御するようにした多関節マニピュレータ。
  5. さらに、
    前記基台に設けられ、電源電圧を昇圧するための昇圧ユニットと、
    前記少なくとも1つのリンクに設けられ、前記第1のアクチュエータを駆動するための第1のアクチュエータ駆動回路と、
    前記少なくとも1つのリンクに設けられ、前記第1のアクチュエータ駆動回路に給電するための降圧ユニットと、
    前記昇圧ユニットと前記降圧ユニットとの間に接続された給電線と
    を具備する請求項4に記載の多関節マニピュレータ。
  6. 前記リンクは前記基台からの距離に応じて小さくなる請求項に記載の多関節マニピュレータ。
  7. 基台と、
    複数の回転関節と、
    前記基台から前記回転関節によってシリアルに連結された複数のリンクと、
    少なくとも1つの回転関節又はリンクに設けられた少なくとも1つの自重補償用プロペラ及び該自重補償用プロペラの推力を調整するための少なくとも1つの第1のアクチュエータと
    を具備し、
    前記自重補償用プロペラの推力により前記多関節マニピュレータの位置及び姿勢をも制御するようにした多関節マニピュレータ。
  8. さらに、
    前記基台に設けられ、電源電圧を昇圧するための昇圧ユニットと、
    前記少なくとも1つの回転関節又はリンクに設けられ、前記第1のアクチュエータを駆動するための第1のアクチュエータ駆動回路と、
    前記少なくとも1つの回転関節又はリンクに設けられ、前記第1のアクチュエータ駆動回路に給電するための降圧ユニットと、
    前記昇圧ユニットと前記降圧ユニットとの間に接続された給電線と
    を具備する請求項に記載の多関節マニピュレータ。
  9. さらに、前記各回転関節内に設けられ、該各回転関節を回転させるための第2のアクチュエータを具備する請求項に記載の多関節マニピュレータ。
  10. さらに、前記回転関節に連結された前記リンクの可動角を限定するためのストッパを具備する請求項に記載の多関節マニピュレータ。
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