ヒトβ−2ミクログロブリン遺伝子のB2M認識配列を示す図である。本開示の組換えメガヌクレアーゼによって標的化される各認識配列は、2つの認識半部位を含む。各認識半部位は、4塩基対の中央配列によって分離された9塩基対を含む。B2M13−14認識配列(配列番号2)は、ヒトβ−2ミクログロブリン遺伝子(配列番号1)のヌクレオチド9115〜9136に及んでおり、B2M13及びB2M14と呼ばれる2つの認識半部位を含む。B2M5−6認識配列(配列番号4)は、ヒトβ−2ミクログロブリン遺伝子(配列番号1)のヌクレオチド8951〜8972に及んでおり、B2M5及びB2M6と呼ばれる2つの認識半部位を含む。B2M7−8認識配列(配列番号6)は、ヒトβ−2ミクログロブリン遺伝子(配列番号1)のヌクレオチド9182〜9203に及んでおり、B2M7及びB2M8と呼ばれる2つの認識半部位を含む。B2M11−12認識配列(配列番号8)は、ヒトβ−2ミクログロブリン遺伝子(配列番号1)のヌクレオチド5057〜5078に及んでおり、B2M11及びB2M12と呼ばれる2つの認識半部位を含む。
本開示の組換えメガヌクレアーゼは、HVR1領域を含む第1のサブユニットが第1の認識半部位(例えば、B2M13、B2M5、B2M7、又はB2M11)に結合し、HVR2領域を含む第2のサブユニットが第2の認識半部位(例えば、B2M14、B2M6、B2M8、又はB2M12)に結合する2つのサブユニットを含むことを示す図である。組換えメガヌクレアーゼが一本鎖メガヌクレアーゼである実施形態では、HVR1領域を含む第1のサブユニットを、N末端又はC末端サブユニットのいずれかとして配置することができる。同様に、HVR2領域を含む第2のサブユニットを、N末端又はC末端サブユニットのいずれかとして配置することができる。
β−2ミクログロブリン遺伝子(配列番号1)に見られる認識配列を標的化する組換えメガヌクレアーゼを評価するためのCHO細胞におけるレポーターアッセイの概略図である。本明細書に記載される組換えメガヌクレアーゼについては、レポーターカセットが細胞のゲノムに安定に組み込まれたCHO細胞株を作製した。レポーターカセットは、5’から3’の順序で、SV40初期プロモータ;GFP遺伝子の5’2/3;本開示の操作されたメガヌクレアーゼについての認識配列(例えば、B2M13−14認識配列、B2M5−6認識配列、B2M7−8認識配列、又はB2M11−12認識配列);CHO−23/24メガヌクレアーゼについての認識配列(国際公開第2012/167192号パンフレット);及びGFP遺伝子の3’2/3を含んでいた。このカセットで安定にトランスフェクトされた細胞は、DNA破壊誘発剤の非存在下ではGFPを発現しなかった。メガヌクレアーゼは、それぞれのメガヌクレアーゼをコードするプラスミドDNA又はmRNAの形質導入によって導入された。メガヌクレアーゼ認識配列のいずれかでDNA破壊が誘発されると、GFP遺伝子の重複領域が互いに組み換えられて機能的GFP遺伝子を産生した。次いで、GFP発現細胞の割合を、メガヌクレアーゼによるゲノム切断の頻度の間接的尺度として、フローサイトメトリーによって決定することができた。
CHO細胞レポーターアッセイにおいて、ヒトβ−2ミクログロブリン遺伝子(配列番号1)の認識配列を認識及び切断するための組換えメガヌクレアーゼの効率を示す図である。配列番号12〜126に示される組換えメガヌクレアーゼの各々を、B2M13−14認識配列(配列番号2)、B2M5−6認識配列(配列番号4)、B2M7−8認識配列(配列番号6)、又はB2M11−12認識配列(配列番号8)を標的化するように操作し、CHO細胞レポーターアッセイで有効性についてスクリーニングした。示される結果は、各アッセイで観察されるGFP発現細胞の割合を提供しており、β−2ミクログロブリン標的認識配列又はCHO−23/24認識配列の切断についての各メガヌクレアーゼの有効性を示している。陰性対照(B2M bs)を更に各アッセイに含めた。
B2M5−6認識配列を標的化するメガヌクレアーゼを示す図である。
B2M7−8認識配列を標的化するメガヌクレアーゼを示す図である。
B2M11−12認識配列を標的化するメガヌクレアーゼを示す図である。
B2M13−14認識配列を標的化するメガヌクレアーゼを示す図である。
B2M13−14認識配列を標的化するメガヌクレアーゼを示す図である。
B2M13−14認識配列を標的化するメガヌクレアーゼを示す図である。
B2M13−14認識配列を標的化するメガヌクレアーゼを示す図である。
B2M13−14認識配列を標的化するメガヌクレアーゼを示す図である。
B2M13−14認識配列を標的化するメガヌクレアーゼを示す図である。
B2M13−14認識配列を標的化するメガヌクレアーゼを示す図である。
ヒトT細胞におけるβ−2ミクログロブリンの細胞表面発現を阻害するための組換えB2M13−14メガヌクレアーゼの効率を示す図である。
ドナーCD3+ヒトT細胞を抗CD3抗体及び抗CD28抗体で3日間刺激し、次いで、所与のB2M13−14メガヌクレアーゼをコードするmRNAを用いて電気穿孔したことを示す図である。
ドナーCD3+ヒトT細胞を抗CD3抗体及び抗CD28抗体で3日間刺激し、次いで、所与のB2M13−14メガヌクレアーゼをコードするmRNAを用いて電気穿孔したことを示す図である。
ドナーCD3+ヒトT細胞を抗CD3抗体及び抗CD28抗体で3日間刺激し、次いで、所与のB2M13−14メガヌクレアーゼをコードするmRNAを用いて電気穿孔したことを示す図である。
ドナーCD3+ヒトT細胞を抗CD3抗体及び抗CD28抗体で3日間刺激し、次いで、所与のB2M13−14メガヌクレアーゼをコードするmRNAを用いて電気穿孔したことを示す図である。
ドナーCD3+ヒトT細胞を抗CD3抗体及び抗CD28抗体で3日間刺激し、次いで、所与のB2M13−14メガヌクレアーゼをコードするmRNAを用いて電気穿孔したことを示す図である。
ドナーCD3+ヒトT細胞を抗CD3抗体及び抗CD28抗体で3日間刺激し、次いで、所与のB2M13−14メガヌクレアーゼをコードするmRNAを用いて電気穿孔したことを示す図である。
ドナーCD3+ヒトT細胞を抗CD3抗体及び抗CD28抗体で3日間刺激し、次いで、所与のB2M13−14メガヌクレアーゼをコードするmRNAを用いて電気穿孔したことを示す図である。
ドナーCD3+ヒトT細胞を抗CD3抗体及び抗CD28抗体で3日間刺激し、次いで、所与のB2M13−14メガヌクレアーゼをコードするmRNAを用いて電気穿孔したことを示す図である。
ドナーCD3+ヒトT細胞を抗CD3抗体及び抗CD28抗体で3日間刺激し、次いで、所与のB2M13−14メガヌクレアーゼをコードするmRNAを用いて電気穿孔したことを示す図である。
ドナーCD3+ヒトT細胞を抗CD3抗体及び抗CD28抗体で3日間刺激し、次いで、所与のB2M13−14メガヌクレアーゼをコードするmRNAを用いて電気穿孔したことを示す図である。
ドナーCD3+ヒトT細胞を抗CD3抗体及び抗CD28抗体で3日間刺激し、次いで、所与のB2M13−14メガヌクレアーゼをコードするmRNAを用いて電気穿孔したことを示す図である。
ドナーCD3+ヒトT細胞を抗CD3抗体及び抗CD28抗体で3日間刺激し、次いで、所与のB2M13−14メガヌクレアーゼをコードするmRNAを用いて電気穿孔したことを示す図である。
ドナーCD3+ヒトT細胞を抗CD3抗体及び抗CD28抗体で3日間刺激し、次いで、所与のB2M13−14メガヌクレアーゼをコードするmRNAを用いて電気穿孔したことを示す図である。
ドナーCD3+ヒトT細胞を抗CD3抗体及び抗CD28抗体で3日間刺激し、次いで、所与のB2M13−14メガヌクレアーゼをコードするmRNAを用いて電気穿孔したことを示す図である。陽性対照として、細胞を疑似電気穿孔した。電気穿孔効率についての更なる対照では、細胞を、GFPをコードするmRNAを用いて電気穿孔した。電気穿孔の3日後、β−2ミクログロブリンを認識する抗体で細胞を染色し、フローサイトメトリーによって分析した。
ヒトT細胞におけるβ−2ミクログロブリンの細胞表面発現を阻害するための組換えB2M13−14メガヌクレアーゼの効率を示す図である。第1のメガヌクレアーゼサブユニットがB2M13−14x.93と同じままであるが、第2のメガヌクレアーゼサブユニットがB2M13−14認識配列と接触する位置に新しいアミノ酸置換を含む追加のB2M13−14メガヌクレアーゼを設計した。
ドナーCD3+ヒトT細胞を抗CD3抗体及び抗CD28抗体で3日間刺激し、次いで、製造業者の指示に従って、Amaxa 4D−Nucleofector(Lonza)を用いて、所与のB2M13−14メガヌクレアーゼをコードするmRNA(1μg)を用いて電気穿孔したことを示す図である。
ドナーCD3+ヒトT細胞を抗CD3抗体及び抗CD28抗体で3日間刺激し、次いで、製造業者の指示に従って、Amaxa 4D−Nucleofector(Lonza)を用いて、所与のB2M13−14メガヌクレアーゼをコードするmRNA(1μg)を用いて電気穿孔したことを示す図である。
ドナーCD3+ヒトT細胞を抗CD3抗体及び抗CD28抗体で3日間刺激し、次いで、製造業者の指示に従って、Amaxa 4D−Nucleofector(Lonza)を用いて、所与のB2M13−14メガヌクレアーゼをコードするmRNA(1μg)を用いて電気穿孔したことを示す図である。
ドナーCD3+ヒトT細胞を抗CD3抗体及び抗CD28抗体で3日間刺激し、次いで、製造業者の指示に従って、Amaxa 4D−Nucleofector(Lonza)を用いて、所与のB2M13−14メガヌクレアーゼをコードするmRNA(1μg)を用いて電気穿孔したことを示す図である。
ドナーCD3+ヒトT細胞を抗CD3抗体及び抗CD28抗体で3日間刺激し、次いで、製造業者の指示に従って、Amaxa 4D−Nucleofector(Lonza)を用いて、所与のB2M13−14メガヌクレアーゼをコードするmRNA(1μg)を用いて電気穿孔したことを示す図である。
ドナーCD3+ヒトT細胞を抗CD3抗体及び抗CD28抗体で3日間刺激し、次いで、製造業者の指示に従って、Amaxa 4D−Nucleofector(Lonza)を用いて、所与のB2M13−14メガヌクレアーゼをコードするmRNA(1μg)を用いて電気穿孔したことを示す図である。
ドナーCD3+ヒトT細胞を抗CD3抗体及び抗CD28抗体で3日間刺激し、次いで、製造業者の指示に従って、Amaxa 4D−Nucleofector(Lonza)を用いて、所与のB2M13−14メガヌクレアーゼをコードするmRNA(1μg)を用いて電気穿孔したことを示す図である。
ドナーCD3+ヒトT細胞を抗CD3抗体及び抗CD28抗体で3日間刺激し、次いで、製造業者の指示に従って、Amaxa 4D−Nucleofector(Lonza)を用いて、所与のB2M13−14メガヌクレアーゼをコードするmRNA(1μg)を用いて電気穿孔したことを示す図である。
ドナーCD3+ヒトT細胞を抗CD3抗体及び抗CD28抗体で3日間刺激し、次いで、製造業者の指示に従って、Amaxa 4D−Nucleofector(Lonza)を用いて、所与のB2M13−14メガヌクレアーゼをコードするmRNA(1μg)を用いて電気穿孔したことを示す図である。
ドナーCD3+ヒトT細胞を抗CD3抗体及び抗CD28抗体で3日間刺激し、次いで、製造業者の指示に従って、Amaxa 4D−Nucleofector(Lonza)を用いて、所与のB2M13−14メガヌクレアーゼをコードするmRNA(1μg)を用いて電気穿孔したことを示す図である。B2M13−14x.93QEを、以前の変異体との比較を可能にするために含めた。電気穿孔の6日後に、細胞を、β−2ミクログロブリンを認識する抗体及びCD3を認識する抗体で染色した。データをフローサイトメトリープロットによって提示する。
ヒトT細胞におけるβ−2ミクログロブリンの細胞表面発現を阻害するための組換えB2M13−14メガヌクレアーゼの効率を示す図である。更なるB2M13−14メガヌクレアーゼを作製し、ヒトT細胞上のβ−2ミクログロブリンの細胞表面発現を排除するそれらの能力について評価した。これらのヌクレアーゼは、B2M13−14x.169に基づいていた。第1のメガヌクレアーゼサブユニットにアミノ酸置換を行って代わりの塩基接触を導入した一方、第2のメガヌクレアーゼサブユニットはB2M13−14x.169と同じままであった。
ドナーCD3+ヒトT細胞を抗CD3抗体及び抗CD28抗体で3日間刺激し、次いで、Amaxa 4D−Nucleofectorを用いて、所与のB2M13−14メガヌクレアーゼをコードするmRNAを用いて電気穿孔したことを示す図である。
ドナーCD3+ヒトT細胞を抗CD3抗体及び抗CD28抗体で3日間刺激し、次いで、Amaxa 4D−Nucleofectorを用いて、所与のB2M13−14メガヌクレアーゼをコードするmRNAを用いて電気穿孔したことを示す図である。
ドナーCD3+ヒトT細胞を抗CD3抗体及び抗CD28抗体で3日間刺激し、次いで、Amaxa 4D−Nucleofectorを用いて、所与のB2M13−14メガヌクレアーゼをコードするmRNAを用いて電気穿孔したことを示す図である。
ドナーCD3+ヒトT細胞を抗CD3抗体及び抗CD28抗体で3日間刺激し、次いで、Amaxa 4D−Nucleofectorを用いて、所与のB2M13−14メガヌクレアーゼをコードするmRNAを用いて電気穿孔したことを示す図である。
ドナーCD3+ヒトT細胞を抗CD3抗体及び抗CD28抗体で3日間刺激し、次いで、Amaxa 4D−Nucleofectorを用いて、所与のB2M13−14メガヌクレアーゼをコードするmRNAを用いて電気穿孔したことを示す図である。
ドナーCD3+ヒトT細胞を抗CD3抗体及び抗CD28抗体で3日間刺激し、次いで、Amaxa 4D−Nucleofectorを用いて、所与のB2M13−14メガヌクレアーゼをコードするmRNAを用いて電気穿孔したことを示す図である。
ドナーCD3+ヒトT細胞を抗CD3抗体及び抗CD28抗体で3日間刺激し、次いで、Amaxa 4D−Nucleofectorを用いて、所与のB2M13−14メガヌクレアーゼをコードするmRNAを用いて電気穿孔したことを示す図である。
ドナーCD3+ヒトT細胞を抗CD3抗体及び抗CD28抗体で3日間刺激し、次いで、Amaxa 4D−Nucleofectorを用いて、所与のB2M13−14メガヌクレアーゼをコードするmRNAを用いて電気穿孔したことを示す図である。B2M13−14x.202を、図6A〜図6Jに示される以前の変異体との比較を可能にするために含めた。細胞を、β−2ミクログロブリンを認識する抗体及びCD3を認識する抗体で染色した。40%超のB2Mノックアウト効率を示したB2M13−14メガヌクレアーゼのフローサイトメトリーデータを示す。
異なるメガヌクレアーゼをコードする2つのmRNAの同時ヌクレオフェクション(nucleofection)によるヒトT細胞におけるβ−2ミクログロブリン及びT細胞受容体の二重ノックアウトを示す図である。ドナーCD3+ヒトT細胞を抗CD3抗体及び抗CD28抗体で2日間刺激し、次いで、Amaxa 4D−Nucleofectorを用いて、B2M13−14x.202をコードするmRNA及びTRC1−2x.87EEをコードするmRNAを用いて同時電気穿孔(co−electroporated)した。対照として、ヒトT細胞を模擬電気穿孔した、又はB2M13−14x.202若しくはTRC1−2x.87EEのいずれかの単一メガヌクレアーゼをコードするmRNAを用いて電気穿孔した。電気穿孔の6日後、細胞をCD3に対する抗体及びB2Mに対する抗体で染色し、フローサイトメトリーによって分析した。
模擬電気穿孔細胞を示す図である。
TRC1−2x.87EEヌクレオフェクションした(nucleofected)細胞を示す図である。
B2M13−14x.202ヌクレオフェクションした細胞を示す図である。
B2M13−14x.202及びTRC1−2x.87EEで二重ヌクレオフェクションした細胞を示す図である。
異なるメガヌクレアーゼをコードする2つのmRNAの同時ヌクレオフェクション(nucleofection)によるヒトT細胞におけるβ−2ミクログロブリン及びT細胞受容体の二重ノックアウトを示す図である。ドナーCD3+ヒトT細胞を抗CD3抗体及び抗CD28抗体で2日間刺激し、次いで、Amaxa 4D−Nucleofectorを用いて、B2M13−14x.169をコードするmRNA及びTRC1−2x.87EEをコードするmRNAを用いて同時電気穿孔した。対照として、ヒトT細胞を模擬電気穿孔した、又はB2M13−14x.169若しくはTRC1−2x.87EEのいずれかの単一メガヌクレアーゼをコードするmRNAを用いて電気穿孔した。電気穿孔の6日後、細胞をCD3に対する抗体及びB2Mに対する抗体で染色し、フローサイトメトリーによって分析した。
模擬ヌクレオフェクションした細胞を示す図である。
TRC1−2x.87EEヌクレオフェクションした細胞を示す図である。
B2M13−14x.169ヌクレオフェクションした細胞を示す図である。
B2M13−14x.169及びTRC1−2x.87EEで二重ヌクレオフェクションした細胞を示す図である。
逐次ヌクレオフェクションによる、ヒトT細胞におけるβ−2ミクログロブリン及びT細胞受容体の二重ノックアウトを示す図である。ドナーCD3+ヒトT細胞を抗CD3抗体及び抗CD28抗体で3日間刺激し、次いで、Amaxa 4D−Nucleofectorを用いて、B2M13−14x.93QEをコードするmRNAを用いて電気穿孔した。電気穿孔の4日後に、ビオチン化抗B2M抗体及びヒトビオチン選択カクテルキットを用いてB2M陰性細胞を濃縮した。B2M陰性濃縮細胞を抗CD3抗体及び抗CD28抗体で3日間再刺激し、次いで、Amaxa 4D−Nucleofectorを用いて、TRC1−2x.87EEをコードするmRNAを用いて電気穿孔した。電気穿孔の5日後、細胞をB2M及びTCRに対する抗体で染色し、フローサイトメトリーによって分析した。
模擬ヌクレオフェクションした細胞を示す図である。
B2M13−14x.93QEヌクレオフェクションした細胞を示す図である。
B2M13−14x.93QE及びTRC1−2x.87EEで二重ヌクレオフェクションした細胞を示す図である。
β−2ミクログロブリン及びT細胞受容体二重ノックアウト集団の濃縮を示す図である。ドナーヒト末梢血単核細胞(PMBC)を抗CD3抗体及び抗CD28抗体で2日間刺激し、次いで、Amaxa 4D−Nucleofectorを用いて、B2M13−14x.93QEをコードするmRNAを用いて電気穿孔した。B2M陰性細胞を濃縮し、抗CD3抗体及び抗CD28抗体で3日間再刺激し、TRC1−2x.87EEをコードするmRNAを用いて電気穿孔した。電気穿孔の6日後、CD3陰性細胞を、CD3陽性選択キットを用いて濃縮し、引き続いてビオチン化抗B2M抗体及びビオチン選択キットを用いてB2M陰性細胞を更に濃縮した。濃縮細胞をIL−2、IL−7、及びIL−15の存在下で3日間インキュベートし、次いで、B2M及びCD3に対する抗体で染色し、フローサイトメトリーによって分析した。
抗CD3抗体で染色した非ヌクレオフェクトPBMCを示す図である。
抗CD3抗体及び抗B2M抗体で染色した非ヌクレオフェクトPBMCを示す図である。
抗CD3抗体及び抗B2M抗体で染色したβ−2ミクログロブリン及びT細胞受容体二重ノック細胞の濃縮集団を示す図である。
B2MノックアウトT細胞の減少したアロゲニシティを示す図である。2人のドナー(ドナー36及びドナー75)からのT細胞及び別のドナーからの不適合樹状細胞を用いて、同種異系細胞傷害性アッセイでB2MノックアウトT細胞のアロゲニシティを測定した。細胞傷害性を、VAD−FMK−FITCシグナルによって測定した。
野生型T細胞;ドナー36由来のエフェクター細胞及びドナー細胞を示す図である。
野生型T細胞;ドナー36由来のエフェクター細胞、ドナー75由来の標的細胞を示す図である。
野生型T細胞;ドナー75由来のエフェクター細胞及びドナー細胞を示す図である。
野生型T細胞;ドナー75由来のエフェクター細胞、ドナー36由来の標的細胞を示す図である。
B2MノックアウトT細胞;ドナー36由来のエフェクター細胞及びドナー細胞を示す図である。
B2MノックアウトT細胞;ドナー36由来のエフェクター細胞、ドナー75由来の標的細胞を示す図である。
B2MノックアウトT細胞;ドナー75由来のエフェクター細胞及びドナー細胞を示す図である。
B2MノックアウトT細胞;ドナー75由来のエフェクター細胞、ドナー36由来の標的細胞を示す図である。
B2MノックアウトT細胞の減少したアロゲニシティを示す図である。ELISAによって測定したIFN−γ分泌によって決定される細胞傷害性を示す図である。
B2MノックアウトT細胞の減少したアロゲニシティを示す図である。LDH分泌によって決定される細胞傷害性を示す図である。
バイシストロン性mRNAを用いたTRCとB2Mの同時ノックアウトを示す図である。ドナーヒトT細胞を、1μgのTRC1−2x.87EE mRNA又はB2M13−14x.479RNAを用いて電気穿孔した。細胞の更なる試料を、両方の個々のヌクレアーゼmRNAの各1μgを用いて電気穿孔した。対照として、ヒトT細胞をmRNAの非存在下で電気穿孔した。電気穿孔の3日後及び7日後に、バイシストロン性mRNAを用いて電気穿孔した細胞をCD3(TRCノックダウンを決定するため)に対する抗体及びB2Mに対する抗体で染色し、フローサイトメトリーによって分析した。
模擬処理を示す図である。
B2M13−14x.479を示す図である。
TRC1−2x.87EEを示す図である。
TRC1−2x.87EE及びB2M13−14x.479を示す図である。
B2M−IRES−TRCを示す図である。
B2M−E2A−TRCを示す図である。
B2M−F2A−TRCを示す図である。
B2M−P2A−TRCを示す図である。
B2M−T2A−TRCを示す図である。
TRC−IRES−B2Mを示す図である。
TRC−E2A−B2Mを示す図である。
TRC−F2A−B2Mを示す図である。
TRC−P2A−B2Mを示す図である。
TRC−T2A−B2Mを示す図である。
T細胞におけるバイシストロン性mRNAの滴定を示す図である。B2M−IRES−TRC、B2M−T2A−TRC、TRC−P2A−B2M、又はTRC−T2A−B2M mRNAを、増加する濃度でドナーヒトT細胞に導入し、細胞表面CD3及びB2Mのノックダウン率(TRCノックダウンを示した)を決定した。比較のために、ドナーヒトT細胞を、1μgのTRC1−2x.87EE又は1μgのB2M13−14x.479を用いて電気穿孔した。更に、ドナーヒトT細胞を、0.5μgの各ヌクレアーゼ又は1μgの各ヌクレアーゼの用量を使用して、別々のRNA分子にコードされた両ヌクレアーゼを用いて電気穿孔した。対照として、ヒトT細胞をRNAなしで電気穿孔した。電気穿孔の7日後に、細胞を計数し、トリパンブルーを用いて生存率を評価した。細胞をCD3(TRCノックダウンを決定するため)に対する抗体及びB2Mに対する抗体で染色し、フローサイトメトリーによって分析し、同様にゴースト色素780で染色して死細胞を分析から除外した。
B2M−IRES−TRC1μgを示す図である。
B2M−IRES−TRC2μgを示す図である。
B2M−IRES−TRC4μgを示す図である。
B2M−T2A−TRC1μgを示す図である。
B2M−T2A−TRC2μgを示す図である。
B2M−T2A−TRC4μgを示す図である。
TRC−P2A−B2M1μgを示す図である。
TRC−P2A−B2M2μgを示す図である。
TRC−P2A−B2M4μgを示す図である。
TRC−T2A−B2M1μgを示す図である。
TRC−T2A−B2M2μgを示す図である。
TRC−T2A−B2M4μgを示す図である。
TRC1−2x.87EEを示す図である。
B2M13−14x.479を示す図である。
TRC1−2x.87EE0.5μg及びB2M13−14x.479 0.5μgを示す図である。
TRC1−2x.87EE1.0μg及びB2M13−14x.479 1.0μgを示す図である。
バイシストロン性mRNA及びAAVを用いた抗CD19CAR T細胞の作製を示す図である。バイシストロン性B2M−IRES−TRCをAAVベクターと共に使用して、キメラ抗原受容体をコードする外因性核酸配列を、相同組換えを介して、TRC1−2認識配列でヒトT細胞のゲノムに導入し、同時にT細胞受容体とB2Mの両方の細胞表面発現をノックアウトした。AAVベクターは、相同性アームが隣接した、前に記載した抗CD19CARコード配列を含む核酸を含んでいた。CARカセットの発現をJeTプロモータによって駆動した。対照として、細胞を、AAV形質導入の前に、1μgのTRC1−2x87EE RNAを用いて電気穿孔した。更に、B2M−IRES−TRC及びTRC1−2x.87EE電気穿孔細胞を模擬形質導入した。電気穿孔/形質導入の3日後及び6日後に、編集された細胞をCD3(TRCノックダウンを決定するため)に対する抗体及びB2Mに対する抗体並びにCARを検出するためのビオチン化組換えCD19−Fc融合タンパク質で染色した。ストレプトアビジン−PEをCAR染色のための二次検出試薬として使用した。CD3、B2m及びCARレベルをフローサイトメトリーによって評価した。
TRC1−2x.87EEでのヌクレオフェクション後のCD3(X軸)及びB2M(Y軸)についての染色を示す図である。
B2M−IRES−TRCでのヌクレオフェクション後のCD3(X軸)及びB2M(Y軸)についての染色を示す図である。
TRC1−2x.87EEでのヌクレオフェクション及び模擬形質導入後のCD3(X軸)及びCAR(Y軸)についての染色を示す図である。
B2M−IRES−TRCでのヌクレオフェクション及び模擬形質導入後のCD3(X軸)及びCAR(Y軸)についての染色を示す図である。
TRC1−2x.87EEでのヌクレオフェクション及びAAVによる形質導入後のCD3(X軸)及びCAR(Y軸)についての染色を示す図である。
B2M−IRES−TRCでのヌクレオフェクション及びAAVによる形質導入後のCD3(X軸)及びCAR(Y軸)についての染色を示す図である。
TRC1−2x.87EEでヌクレオフェクションし、AAVにより形質導入した細胞におけるB2Mについての染色を示す図である。
B2M−IRES−TRCでヌクレオフェクションし、AAVにより形質導入した細胞におけるB2Mについての染色を示す図である。
配列の簡単な説明
配列番号1は、ヒトβ−2ミクログロブリン遺伝子の核酸配列を示す。
配列番号2は、B2M13−14認識配列(センス)の核酸配列を示す。
配列番号3は、B2M13−14認識配列(アンチセンス)の核酸配列を示す。
配列番号4は、B2M5−6認識配列(センス)の核酸配列を示す。
配列番号5は、B2M5−6認識配列(アンチセンス)の核酸配列を示す。
配列番号6は、B2M7−8認識配列(センス)の核酸配列を示す。
配列番号7は、B2M7−8認識配列(アンチセンス)の核酸配列を示す。
配列番号8は、B2M11−12認識配列(センス)の核酸配列を示す。
配列番号9は、B2M11−12認識配列(アンチセンス)の核酸配列を示す。
配列番号10は、I−CreIメガヌクレアーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号11は、LAGLIDADGモチーフのアミノ酸配列を示す。
配列番号12は、B2M13−14x.479メガヌクレアーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号13は、B2M13−14x.287メガヌクレアーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号14は、B2M13−14x.377メガヌクレアーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号15は、B2M13−14x.169メガヌクレアーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号16は、B2M13−14x.202メガヌクレアーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号17は、B2M13−14x.93メガヌクレアーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号18は、B2M13−14x.93QEメガヌクレアーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号19は、B2M13−14x.93EQメガヌクレアーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号20は、B2M13−14x.93EEメガヌクレアーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号21は、B2M13−14x.93QQY66メガヌクレアーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号22は、B2M13−14x.93QQK66メガヌクレアーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号23は、B2M13−14x.93QQR66メガヌクレアーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号24は、B2M13−14x.93EEY66メガヌクレアーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号25は、B2M13−14x.93EEK66メガヌクレアーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号26は、B2M13−14x.93EER66メガヌクレアーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号27は、B2M13−14x.93EQY66メガヌクレアーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号28は、B2M13−14x.93EQK66メガヌクレアーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号29は、B2M13−14x.93EQR66メガヌクレアーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号30は、B2M13−14x.3メガヌクレアーゼのアミノ酸配列
を示す。
配列番号31は、B2M13−14x.10メガヌクレアーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号32は、B2M13−14x.14メガヌクレアーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号33は、B2M13−14x.22メガヌクレアーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号34は、B2M13−14x.67メガヌクレアーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号35は、B2M13−14x.84メガヌクレアーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号36は、B2M13−14x.85メガヌクレアーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号37は、B2M13−14x.96メガヌクレアーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号38は、B2M13−14x.97メガヌクレアーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号39は、B2M13−14x.102メガヌクレアーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号40は、B2M13−14x.105メガヌクレアーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号41は、B2M13−14x.106メガヌクレアーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号42は、B2M13−14x.115メガヌクレアーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号43は、B2M13−14x.139メガヌクレアーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号44は、B2M13−14x.141メガヌクレアーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号45は、B2M13−14x.146メガヌクレアーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号46は、B2M13−14x.162メガヌクレアーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号47は、B2M13−14x.165メガヌクレアーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号48は、B2M13−14x.178メガヌクレアーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号49は、B2M13−14x.182メガヌクレアーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号50は、B2M13−14x.198メガヌクレアーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号51は、B2M13−14x.199メガヌクレアーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号52は、B2M13−14x.207メガヌクレアーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号53は、B2M13−14x.222メガヌクレアーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号54は、B2M13−14x.245メガヌクレアーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号55は、B2M13−14x.255メガヌクレアーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号56は、B2M13−14x.259メガヌクレアーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号57は、B2M13−14x.275メガヌクレアーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号58は、B2M13−14x.280メガヌクレアーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号59は、B2M13−14x.281メガヌクレアーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号60は、B2M13−14x.283メガヌクレアーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号61は、B2M13−14x.285メガヌクレアーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号62は、B2M13−14x.286メガヌクレアーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号63は、B2M13−14x.295メガヌクレアーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号64は、B2M13−14x.301メガヌクレアーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号65は、B2M13−14x.306メガヌクレアーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号66は、B2M13−14x.317メガヌクレアーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号67は、B2M13−14x.325メガヌクレアーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号68は、B2M13−14x.335メガヌクレアーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号69は、B2M13−14x.338メガヌクレアーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号70は、B2M13−14x.347メガヌクレアーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号71は、B2M13−14x.361メガヌクレアーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号72は、B2M13−14x.362メガヌクレアーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号73は、B2M13−14x.365メガヌクレアーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号74は、B2M13−14x.369メガヌクレアーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号75は、B2M13−14x.371メガヌクレアーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号76は、B2M13−14x.372メガヌクレアーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号77は、B2M13−14x.375メガヌクレアーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号78は、B2M13−14x.378メガヌクレアーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号79は、B2M13−14x.385メガヌクレアーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号80は、B2M13−14x.392メガヌクレアーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号81は、B2M13−14x.432メガヌクレアーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号82は、B2M13−14x.433メガヌクレアーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号83は、B2M13−14x.440メガヌクレアーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号84は、B2M13−14x.449メガヌクレアーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号85は、B2M13−14x.456メガヌクレアーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号86は、B2M13−14x.457メガヌクレアーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号87は、B2M13−14x.459メガヌクレアーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号88は、B2M13−14x.464メガヌクレアーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号89は、B2M13−14x.465メガヌクレアーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号90は、B2M13−14x.470メガヌクレアーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号91は、B2M13−14x.471メガヌクレアーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号92は、B2M13−14x.540メガヌクレアーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号93は、B2M13−14x.543メガヌクレアーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号94は、B2M13−14x.551メガヌクレアーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号95は、B2M13−14x.554メガヌクレアーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号96は、B2M13−14x.556メガヌクレアーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号97は、B2M13−14x.76メガヌクレアーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号98は、B2M13−14x.82メガヌクレアーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号99は、B2M13−14x.31メガヌクレアーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号100は、B2M13−14x.32メガヌクレアーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号101はB2M5−6x.14メガヌクレアーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号102は、B2M5−6x.5メガヌクレアーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号103は、B2M5−6x.6メガヌクレアーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号104は、B2M5−6x.13メガヌクレアーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号105は、B2M5−6x.22メガヌクレアーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号106は、B2M5−6x.31メガヌクレアーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号107は、B2M5−6x.69メガヌクレアーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号108は、B2M5−6x.73メガヌクレアーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号109は、B2M5−6x.85メガヌクレアーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号110は、B2M5−6x.86メガヌクレアーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号111は、B2M5−6x.91メガヌクレアーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号112は、B2M5−6x.28メガヌクレアーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号113は、B2M5−6x.3メガヌクレアーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号114は、B2M7−8x.88メガヌクレアーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号115は、B2M7−8x.7メガヌクレアーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号116は、B2M7−8x.23メガヌクレアーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号117は、B2M7−8x.30メガヌクレアーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号118は、B2M7−8x.53メガヌクレアーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号119は、B2M7−8x.2メガヌクレアーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号120は、B2M7−8x.3メガヌクレアーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号121は、B2M7−8x.6メガヌクレアーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号122は、B2M7−8x.25メガヌクレアーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号123は、B2M7−8x.78メガヌクレアーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号124は、B2M7−8x.85メガヌクレアーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号125は、B2M11−12x.45メガヌクレアーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号126は、B2M11−12x.2メガヌクレアーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号127は、ヒトT細胞受容体α定常領域遺伝子の核酸配列を示す。
配列番号128は、TRC1−2認識配列(センス)の核酸配列を示す。
配列番号129はTRC3−4認識配列(センス)の核酸配列を示す。
配列番号130は、TRC7−8認識配列(センス)の核酸配列を示す。
配列番号131は、TRC1−2x.87EEメガヌクレアーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号132は、B2M13−14x.479メガヌクレアーゼのB2M13半部位結合サブユニットを示す。
配列番号133は、B2M13−14x.287メガヌクレアーゼのB2M13半部位結合サブユニットを示す。
配列番号134は、B2M13−14x.377メガヌクレアーゼのB2M13半部位結合サブユニットを示す。
配列番号135は、B2M13−14x.169メガヌクレアーゼのB2M13半部位結合サブユニットを示す。
配列番号136は、B2M13−14x.202メガヌクレアーゼのB2M13半部位結合サブユニットを示す。
配列番号137は、B2M13−14x.93メガヌクレアーゼのB2M13半部位結合サブユニットを示す。
配列番号138は、B2M13−14x.93QEメガヌクレアーゼのB2M13半部位結合サブユニットを示す。
配列番号139は、B2M13−14x.93EQメガヌクレアーゼのB2M13半部位結合サブユニットを示す。
配列番号140は、B2M13−14x.93EEメガヌクレアーゼのB2M13半部位結合サブユニットを示す。
配列番号141は、B2M13−14x.93QQY66メガヌクレアーゼのB2M13半部位結合サブユニットを示す。
配列番号142は、B2M13−14x.93QQK66メガヌクレアーゼのB2M13半部位結合サブユニットを示す。
配列番号143は、B2M13−14x.93QQR66メガヌクレアーゼのB2M13半部位結合サブユニットを示す。
配列番号144は、B2M13−14x.93EEY66メガヌクレアーゼのB2M13半部位結合サブユニットを示す。
配列番号145は、B2M13−14x.93EEK66メガヌクレアーゼのB2M13半部位結合サブユニットを示す。
配列番号146は、B2M13−14x.93EER66メガヌクレアーゼのB2M13半部位結合サブユニットを示す。
配列番号147は、B2M13−14x.93EQY66メガヌクレアーゼのB2M13半部位結合サブユニットを示す。
配列番号148は、B2M13−14x.93EQK66メガヌクレアーゼのB2M13半部位結合サブユニットを示す。
配列番号149は、B2M13−14x.93EQR66メガヌクレアーゼのB2M13半部位結合サブユニットを示す。
配列番号150は、B2M13−14x.3メガヌクレアーゼのB2M13半部位結合サブユニットを示す。
配列番号151は、B2M13−14x.10メガヌクレアーゼのB2M13半部位結合サブユニットを示す。
配列番号152は、B2M13−14x.14メガヌクレアーゼのB2M13半部位結合サブユニットを示す。
配列番号153は、B2M13−14x.22メガヌクレアーゼのB2M13半部位結合サブユニットを示す。
配列番号154は、B2M13−14x.67メガヌクレアーゼのB2M13半部位結合サブユニットを示す。
配列番号155は、B2M13−14x.84メガヌクレアーゼのB2M13半部位結合サブユニットを示す。
配列番号156は、B2M13−14x.85メガヌクレアーゼのB2M13半部位結合サブユニットを示す。
配列番号157は、B2M13−14x.96メガヌクレアーゼのB2M13半部位結合サブユニットを示す。
配列番号158は、B2M13−14x.97メガヌクレアーゼのB2M13半部位結合サブユニットを示す。
配列番号159は、B2M13−14x.102メガヌクレアーゼのB2M13半部位結合サブユニットを示す。
配列番号160は、B2M13−14x.105メガヌクレアーゼのB2M13半部位結合サブユニットを示す。
配列番号161は、B2M13−14x.106メガヌクレアーゼのB2M13半部位結合サブユニットを示す。
配列番号162は、B2M13−14x.115メガヌクレアーゼのB2M13半部位結合サブユニットを示す。
配列番号163は、B2M13−14x.139メガヌクレアーゼのB2M13半部位結合サブユニットを示す。
配列番号164は、B2M13−14x.141メガヌクレアーゼのB2M13半部位結合サブユニットを示す。
配列番号165は、B2M13−14x.146メガヌクレアーゼのB2M13半部位結合サブユニットを示す。
配列番号166は、B2M13−14x.162メガヌクレアーゼのB2M13半部位結合サブユニットを示す。
配列番号167は、B2M13−14x.165メガヌクレアーゼのB2M13半部位結合サブユニットを示す。
配列番号168は、B2M13−14x.178メガヌクレアーゼのB2M13半部位結合サブユニットを示す。
配列番号169は、B2M13−14x.182メガヌクレアーゼのB2M13半部位結合サブユニットを示す。
配列番号170は、B2M13−14x.198メガヌクレアーゼのB2M13半部位結合サブユニットを示す。
配列番号171は、B2M13−14x.199メガヌクレアーゼのB2M13半部位結合サブユニットを示す。
配列番号172は、B2M13−14x.207メガヌクレアーゼのB2M13半部位結合サブユニットを示す。
配列番号173は、B2M13−14x.222メガヌクレアーゼのB2M13半部位結合サブユニットを示す。
配列番号174は、B2M13−14x.245メガヌクレアーゼのB2M13半部位結合サブユニットを示す。
配列番号175は、B2M13−14x.255メガヌクレアーゼのB2M13半部位結合サブユニットを示す。
配列番号176は、B2M13−14x.259メガヌクレアーゼのB2M13半部位結合サブユニットを示す。
配列番号177は、B2M13−14x.275メガヌクレアーゼのB2M13半部位結合サブユニットを示す。
配列番号178は、B2M13−14x.280メガヌクレアーゼのB2M13半部位結合サブユニットを示す。
配列番号179は、B2M13−14x.281メガヌクレアーゼのB2M13半部位結合サブユニットを示す。
配列番号180は、B2M13−14x.283メガヌクレアーゼのB2M13半部位結合サブユニットを示す。
配列番号181は、B2M13−14x.285メガヌクレアーゼのB2M13半部位結合サブユニットを示す。
配列番号182は、B2M13−14x.286メガヌクレアーゼのB2M13半部位結合サブユニットを示す。
配列番号183は、B2M13−14x.295メガヌクレアーゼのB2M13半部位結合サブユニットを示す。
配列番号184は、B2M13−14x.301メガヌクレアーゼのB2M13半部位結合サブユニットを示す。
配列番号185は、B2M13−14x.306メガヌクレアーゼのB2M13半部位結合サブユニットを示す。
配列番号186は、B2M13−14x.317メガヌクレアーゼのB2M13半部位結合サブユニットを示す。
配列番号187は、B2M13−14x.325メガヌクレアーゼのB2M13半部位結合サブユニットを示す。
配列番号188は、B2M13−14x.335メガヌクレアーゼのB2M13半部位結合サブユニットを示す。
配列番号189は、B2M13−14x.338メガヌクレアーゼのB2M13半部位結合サブユニットを示す。
配列番号190は、B2M13−14x.347メガヌクレアーゼのB2M13半部位結合サブユニットを示す。
配列番号191は、B2M13−14x.361メガヌクレアーゼのB2M13半部位結合サブユニットを示す。
配列番号192は、B2M13−14x.362メガヌクレアーゼのB2M13半部位結合サブユニットを示す。
配列番号193は、B2M13−14x.365メガヌクレアーゼのB2M13半部位結合サブユニットを示す。
配列番号194は、B2M13−14x.369メガヌクレアーゼのB2M13半部位結合サブユニットを示す。
配列番号195は、B2M13−14x.371メガヌクレアーゼのB2M13半部位結合サブユニットを示す。
配列番号196は、B2M13−14x.372メガヌクレアーゼのB2M13半部位結合サブユニットを示す。
配列番号197は、B2M13−14x.375メガヌクレアーゼのB2M13半部位結合サブユニットを示す。
配列番号198は、B2M13−14x.378メガヌクレアーゼのB2M13半部位結合サブユニットを示す。
配列番号199は、B2M 13−14x.385メガヌクレアーゼのB2M13半部位結合サブユニットを示す。
配列番号200は、B2M13−14x.392メガヌクレアーゼのB2M13半部位結合サブユニットを示す。
配列番号201は、B2M13−14x.432メガヌクレアーゼのB2M13半部位結合サブユニットを示す。
配列番号202は、B2M13−14x.433メガヌクレアーゼのB2M13半部位結合サブユニットを示す。
配列番号203は、B2M13−14x.440メガヌクレアーゼのB2M13半部位結合サブユニットを示す。
配列番号204は、B2M13−14x.449メガヌクレアーゼのB2M13半部位結合サブユニットを示す。
配列番号205は、B2M13−14x.456メガヌクレアーゼのB2M13半部位結合サブユニットを示す。
配列番号206は、B2M13−14x.457メガヌクレアーゼのB2M13半部位結合サブユニットを示す。
配列番号207は、B2M13−14x.459メガヌクレアーゼのB2M13半部位結合サブユニットを示す。
配列番号208は、B2M13−14x.464メガヌクレアーゼのB2M13半部位結合サブユニットを示す。
配列番号209は、B2M13−14x.465メガヌクレアーゼのB2M13半部位結合サブユニットを示す。
配列番号210は、B2M13−14x.470メガヌクレアーゼのB2M13半部位結合サブユニットを示す。
配列番号211は、B2M13−14x.471メガヌクレアーゼのB2M13半部位結合サブユニットを示す。
配列番号212は、B2M13−14x.540メガヌクレアーゼのB2M13半部位結合サブユニットを示す。
配列番号213は、B2M13−14x.543メガヌクレアーゼのB2M13半部位結合サブユニットを示す。
配列番号214は、B2M13−14x.551メガヌクレアーゼのB2M13半部位結合サブユニットを示す。
配列番号215は、B2M13−14x.554メガヌクレアーゼのB2M13半部位結合サブユニットを示す。
配列番号216は、B2M13−14x.556メガヌクレアーゼのB2M13半部位結合サブユニットを示す。
配列番号217は、B2M13−14x.76メガヌクレアーゼのB2M13半部位結合サブユニットを示す。
配列番号218は、B2M13−14x.82メガヌクレアーゼのB2M13半部位結合サブユニットを示す。
配列番号219は、B2M13−14x.31メガヌクレアーゼのB2M13半部位結合サブユニットを示す。
配列番号220は、B2M13−14x.32メガヌクレアーゼのB2M13半部位結合サブユニットを示す。
配列番号221は、B2M13−14x.479メガヌクレアーゼのB2M14半部位結合サブユニットを示す。
配列番号222は、B2M13−14x.287メガヌクレアーゼのB2M14半部位結合サブユニットを示す。
配列番号223は、B2M13−14x.377メガヌクレアーゼのB2M14半部位結合サブユニットを示す。
配列番号224は、B2M13−14x.169メガヌクレアーゼのB2M14半部位結合サブユニットを示す。
配列番号225は、B2M13−14x.202メガヌクレアーゼのB2M14半部位結合サブユニットを示す。
配列番号226は、B2M13−14x.93メガヌクレアーゼのB2M14半部位結合サブユニットを示す。
配列番号227は、B2M13−14x.93QEメガヌクレアーゼのB2M14半部位結合サブユニットを示す。
配列番号228は、B2M13−14x.93EQメガヌクレアーゼのB2M14半部位結合サブユニットを示す。
配列番号229は、B2M13−14x.93EEメガヌクレアーゼのB2M14半部位結合サブユニットを示す。
配列番号230は、B2M13−14x.93QQY66メガヌクレアーゼのB2M14半部位結合サブユニットを示す。
配列番号231は、B2M 13−14x.93QQK66メガヌクレアーゼのB2M14半部位結合サブユニットを示す。
配列番号232は、B2M13−14x.93QQR66メガヌクレアーゼのB2M14半部位結合サブユニットを示す。
配列番号233は、B2M13−14x.93EEY66メガヌクレアーゼのB2M14半部位結合サブユニットを示す。
配列番号234は、B2M13−14x.93EEK66メガヌクレアーゼのB2M14半部位結合サブユニットを示す。
配列番号235は、B2M13−14x.93EER66メガヌクレアーゼのB2M14半部位結合サブユニットを示す。
配列番号236は、B2M13−14x.93EQY66メガヌクレアーゼのB2M14半部位結合サブユニットを示す。
配列番号237は、B2M13−14x.93EQK66メガヌクレアーゼのB2M14半部位結合サブユニットを示す。
配列番号238は、B2M13−14x.93EQR66メガヌクレアーゼのB2M14半部位結合サブユニットを示す。
配列番号239は、B2M13−14x.3メガヌクレアーゼのB2M14半部位結合サブユニットを示す。
配列番号240は、B2M13−14x.10メガヌクレアーゼのB2M14半部位結合サブユニットを示す。
配列番号241は、B2M13−14x.14メガヌクレアーゼのB2M14半部位結合サブユニットを示す。
配列番号242は、B2M13−14x.22メガヌクレアーゼのB2M14半部位結合サブユニットを示す。
配列番号243は、B2M13−14x.67メガヌクレアーゼのB2M14半部位結合サブユニットを示す。
配列番号244は、B2M13−14x.84メガヌクレアーゼのB2M14半部位結合サブユニットを示す。
配列番号245は、B2M13−14x.85メガヌクレアーゼのB2M14半部位結合サブユニットを示す。
配列番号246は、B2M13−14x.96メガヌクレアーゼのB2M14半部位結合サブユニットを示す。
配列番号247は、B2M13−14x.97メガヌクレアーゼのB2M14半部位結合サブユニットを示す。
配列番号248は、B2M13−14x.102メガヌクレアーゼのB2M14半部位結合サブユニットを示す。
配列番号249は、B2M13−14x.105メガヌクレアーゼのB2M14半部位結合サブユニットを示す。
配列番号250は、B2M13−14x.106メガヌクレアーゼのB2M14半部位結合サブユニットを示す。
配列番号251は、B2M13−14x.115メガヌクレアーゼのB2M14半部位結合サブユニットを示す。
配列番号252は、B2M13−14x.139メガヌクレアーゼのB2M14半部位結合サブユニットを示す。
配列番号253は、B2M13−14x.141メガヌクレアーゼのB2M14半部位結合サブユニットを示す。
配列番号254は、B2M13−14x.146メガヌクレアーゼのB2M14半部位結合サブユニットを示す。
配列番号255は、B2M13−14x.162メガヌクレアーゼのB2M14半部位結合サブユニットを示す。
配列番号256は、B2M13−14x.165メガヌクレアーゼのB2M14半部位結合サブユニットを示す。
配列番号257は、B2M13−14x.178メガヌクレアーゼのB2M14半部位結合サブユニットを示す。
配列番号258は、B2M13−14x.182メガヌクレアーゼのB2M14半部位結合サブユニットを示す。
配列番号259は、B2M13−14x.198メガヌクレアーゼのB2M14半部位結合サブユニットを示す。
配列番号260は、B2M13−14x.199メガヌクレアーゼのB2M14半部位結合サブユニットを示す。
配列番号261は、B2M13−14x.207メガヌクレアーゼのB2M14半部位結合サブユニットを示す。
配列番号262は、B2M13−14x.222メガヌクレアーゼのB2M14半部位結合サブユニットを示す。
配列番号263は、B2M13−14x.245メガヌクレアーゼのB2M14半部位結合サブユニットを示す。
配列番号264は、B2M13−14x.255メガヌクレアーゼのB2M14半部位結合サブユニットを示す。
配列番号265は、B2M13−14x.259メガヌクレアーゼのB2M14半部位結合サブユニットを示す。
配列番号266は、B2M13−14x.275メガヌクレアーゼのB2M14半部位結合サブユニットを示す。
配列番号267は、B2M13−14x.280メガヌクレアーゼのB2M14半部位結合サブユニットを示す。
配列番号268は、B2M13−14x.281メガヌクレアーゼのB2M14半部位結合サブユニットを示す。
配列番号269は、B2M13−14x.283メガヌクレアーゼのB2M14半部位結合サブユニットを示す。
配列番号270は、B2M13−14x.285メガヌクレアーゼのB2M14半部位結合サブユニットを示す。
配列番号271は、B2M13−14x.286メガヌクレアーゼのB2M14半部位結合サブユニットを示す。
配列番号272は、B2M13−14x.295メガヌクレアーゼのB2M14半部位結合サブユニットを示す。
配列番号273は、B2M13−14x.301メガヌクレアーゼのB2M14半部位結合サブユニットを示す。
配列番号274は、B2M13−14x.306メガヌクレアーゼのB2M14半部位結合サブユニットを示す。
配列番号275は、B2M13−14x.317メガヌクレアーゼのB2M14半部位結合サブユニットを示す。
配列番号276は、B2M13−14x.325メガヌクレアーゼのB2M14半部位結合サブユニットを示す。
配列番号277は、B2M13−14x.335メガヌクレアーゼのB2M14半部位結合サブユニットを示す。
配列番号278は、B2M13−14x.338メガヌクレアーゼのB2M14半部位結合サブユニットを示す。
配列番号279は、B2M13−14x.347メガヌクレアーゼのB2M14半部位結合サブユニットを示す。
配列番号280は、B2M13−14x.361メガヌクレアーゼのB2M14半部位結合サブユニットを示す。
配列番号281は、B2M13−14x.362メガヌクレアーゼのB2M14半部位結合サブユニットを示す。
配列番号282は、B2M13−14x.365メガヌクレアーゼのB2M14半部位結合サブユニットを示す。
配列番号283は、B2M13−14x.369メガヌクレアーゼのB2M14半部位結合サブユニットを示す。
配列番号284は、B2M13−14x.371メガヌクレアーゼのB2M14半部位結合サブユニットを示す。
配列番号285は、B2M13−14x.372メガヌクレアーゼのB2M14半部位結合サブユニットを示す。
配列番号286は、B2M13−14x.375メガヌクレアーゼのB2M14半部位結合サブユニットを示す。
配列番号287は、B2M13−14x.378メガヌクレアーゼのB2M14半部位結合サブユニットを示す。
配列番号288は、B2M13−14x.385メガヌクレアーゼのB2M14半部位結合サブユニットを示す。
配列番号289は、B2M13−14x.392メガヌクレアーゼのB2M14半部位結合サブユニットを示す。
配列番号290は、B2M13−14x.432メガヌクレアーゼのB2M14半部位結合サブユニットを示す。
配列番号291は、B2M13−14x.433メガヌクレアーゼのB2M14半部位結合サブユニットを示す。
配列番号292は、B2M13−14x.440メガヌクレアーゼのB2M14半部位結合サブユニットを示す。
配列番号293は、B2M13−14x.449メガヌクレアーゼのB2M14半部位結合サブユニットを示す。
配列番号294は、B2M13−14x.456メガヌクレアーゼのB2M14半部位結合サブユニットを示す。
配列番号295は、B2M13−14x.457メガヌクレアーゼのB2M14半部位結合サブユニットを示す。
配列番号296は、B2M13−14x.459メガヌクレアーゼのB2M14半部位結合サブユニットを示す。
配列番号297は、B2M13−14x.464メガヌクレアーゼのB2M14半部位結合サブユニットを示す。
配列番号298は、B2M13−14x.465メガヌクレアーゼのB2M14半部位結合サブユニットを示す。
配列番号299は、B2M13−14x.470メガヌクレアーゼのB2M14半部位結合サブユニットを示す。
配列番号300は、B2M13−14x.471メガヌクレアーゼのB2M14半部位結合サブユニットを示す。
配列番号301は、B2M13−14x.540メガヌクレアーゼのB2M14半部位結合サブユニットを示す。
配列番号302は、B2M13−14x.543メガヌクレアーゼのB2M14半部位結合サブユニットを示す。
配列番号303は、B2M13−14x.551メガヌクレアーゼのB2M14半部位結合サブユニットを示す。
配列番号304は、B2M13−14x.554メガヌクレアーゼのB2M14半部位結合サブユニットを示す。
配列番号305は、B2M13−14x.556メガヌクレアーゼのB2M14半部位結合サブユニットを示す。
配列番号306は、B2M13−14x.76メガヌクレアーゼのB2M14半部位結合サブユニットを示す。
配列番号307は、B2M13−14x.82メガヌクレアーゼのB2M14半部位結合サブユニットを示す。
配列番号308は、B2M13−14x.31メガヌクレアーゼのB2M14半部位結合サブユニットを示す。
配列番号309は、B2M13−14x.32メガヌクレアーゼのB2M14半部位結合サブユニットを示す。
配列番号310は、B2M5−6x.14メガヌクレアーゼのB2M5半部位結合サブユニットを示す。
配列番号311は、B2M5−6x.5メガヌクレアーゼのB2M5半部位結合サブユニットを示す。
配列番号312は、B2M5−6x.6メガヌクレアーゼのB2M5半部位結合サブユニットを示す。
配列番号313は、B2M5−6x.13メガヌクレアーゼのB2M5半部位結合サブユニットを示す。
配列番号314は、B2M5−6x.22メガヌクレアーゼのB2M5半部位結合サブユニットを示す。
配列番号315は、B2M5−6x.31メガヌクレアーゼのB2M5半部位結合サブユニットを示す。
配列番号316は、B2M5−6x.69メガヌクレアーゼのB2M5半部位結合サブユニットを示す。
配列番号317は、B2M5−6x.73メガヌクレアーゼのB2M5半部位結合サブユニットを示す。
配列番号318は、B2M5−6x.85メガヌクレアーゼのB2M5半部位結合サブユニットを示す。
配列番号319は、B2M5−6x.86メガヌクレアーゼのB2M5半部位結合サブユニットを示す。
配列番号320は、B2M5−6x.91メガヌクレアーゼのB2M5半部位結合サブユニットを示す。
配列番号321は、B2M5−6x.28メガヌクレアーゼのB2M5半部位結合サブユニットを示す。
配列番号322は、B2M5−6x.3メガヌクレアーゼのB2M5半部位結合サブユニットを示す。
配列番号323は、B2M5−6x.14メガヌクレアーゼのB2M6半部位結合サブユニットを示す。
配列番号324は、B2M5−6x.5メガヌクレアーゼのB2M6半部位結合サブユニットを示す。
配列番号325は、B2M5−6x.6メガヌクレアーゼのB2M6半部位結合サブユニットを示す。
配列番号326は、B2M5−6x.13メガヌクレアーゼのB2M6半部位結合サブユニットを示す。
配列番号327は、B2M5−6x.22メガヌクレアーゼのB2M6半部位結合サブユニットを示す。
配列番号328は、B2M5−6x.31メガヌクレアーゼのB2M6半部位結合サブユニットを示す。
配列番号329は、B2M5−6x.69メガヌクレアーゼのB2M6半部位結合サブユニットを示す。
配列番号330は、B2M5−6x.73メガヌクレアーゼのB2M6半部位結合サブユニットを示す。
配列番号331は、B2M5−6x.85メガヌクレアーゼのB2M6半部位結合サブユニットを示す。
配列番号332は、B2M5−6x.86メガヌクレアーゼのB2M6半部位結合サブユニットを示す。
配列番号333は、B2M5−6x.91メガヌクレアーゼのB2M6半部位結合サブユニットを示す。
配列番号334は、B2M5−6x.28メガヌクレアーゼのB2M6半部位結合サブユニットを示す。
配列番号335は、B2M5−6x.3メガヌクレアーゼのB2M6半部位結合サブユニットを示す。
配列番号336は、B2M7−8x.88メガヌクレアーゼのB2M7半部位結合サブユニットを示す。
配列番号337は、B2M7−8x.7メガヌクレアーゼのB2M7半部位結合サブユニットを示す。
配列番号338は、B2M7−8x.23メガヌクレアーゼのB2M7半部位結合サブユニットを示す。
配列番号339は、B2M7−8x.30メガヌクレアーゼのB2M7半部位結合サブユニットを示す。
配列番号340は、B2M7−8x.53メガヌクレアーゼのB2M7半部位結合サブユニットを示す。
配列番号341は、B2M7−8x.2メガヌクレアーゼのB2M7半部位結合サブユニットを示す。
配列番号342は、B2M7−8x.3メガヌクレアーゼのB2M7半部位結合サブユニットを示す。
配列番号343は、B2M7−8x.6メガヌクレアーゼのB2M7半部位結合サブユニットを示す。
配列番号344は、B2M7−8x.25メガヌクレアーゼのB2M7半部位結合サブユニットを示す。
配列番号345は、B2M7−8x.78メガヌクレアーゼのB2M7半部位結合サブユニットを示す。
配列番号346は、B2M7−8x.85メガヌクレアーゼのB2M7半部位結合サブユニットを示す。
配列番号347は、B2M7−8x.88メガヌクレアーゼのB2M8半部位結合サブユニットを示す。
配列番号348は、B2M7−8x.7メガヌクレアーゼのB2M8半部位結合サブユニットを示す。
配列番号349は、B2M7−8x.23メガヌクレアーゼのB2M8半部位結合サブユニットを示す。
配列番号350は、B2M7−8x.30メガヌクレアーゼのB2M8半部位結合サブユニットを示す。
配列番号351は、B2M7−8x.53メガヌクレアーゼのB2M8半部位結合サブユニットを示す。
配列番号352は、B2M7−8x.2メガヌクレアーゼのB2M8半部位結合サブユニットを示す。
配列番号353は、B2M7−8x.3メガヌクレアーゼのB2M8半部位結合サブユニットを示す。
配列番号354は、B2M7−8x.6メガヌクレアーゼのB2M8半部位結合サブユニットを示す。
配列番号355は、B2M7−8x.25メガヌクレアーゼのB2M8半部位結合サブユニットを示す。
配列番号356は、B2M7−8x.78メガヌクレアーゼのB2M8半部位結合サブユニットを示す。
配列番号357は、B2M7−8x.85メガヌクレアーゼのB2M8半部位結合サブユニットを示す。
配列番号358は、B2M11−12x.45メガヌクレアーゼのB2M11半部位結合サブユニットを示す。
配列番号359は、B2M11−12x.2メガヌクレアーゼのB2M11半部位結合サブユニットを示す。
配列番号360は、B2M11−12x.45メガヌクレアーゼのB2M12半部位結合サブユニットを示す。
配列番号361は、B2M11−12x.2メガヌクレアーゼのB2M12半部位結合サブユニットを示す。
配列番号362は、IRESエレメントの核酸配列を示す。
配列番号363は、T2Aエレメントの核酸配列を示す。
配列番号364は、P2Aエレメントの核酸配列を示す。
配列番号365は、E2Aエレメントの核酸配列を示す。
配列番号366は、F2Aエレメントの核酸配列を示す。
配列番号367は、TRC−IRES−B2Mバイシストロン性mRNAの核酸配列を示す。
配列番号368は、TRC−T2A−B2Mバイシストロン性mRNAの核酸配列を示す。
配列番号369は、TRC−P2A−B2Mバイシストロン性mRNAの核酸配列を示す。
配列番号370は、TRC−E2A−B2Mバイシストロン性mRNAの核酸配列を示す。
配列番号371は、TRC−F2A−B2Mバイシストロン性mRNAの核酸配列を示す。
配列番号372は、B2M−IRES−TRCバイシストロン性mRNAの核酸配列を示す。
配列番号373は、B2M−T2A−TRCバイシストロン性mRNAの核酸配列を示す。
配列番号374は、B2M−P2A−TRCバイシストロン性mRNAの核酸配列を示す。
配列番号375は、B2M−E2A−TRCバイシストロン性mRNAの核酸配列を示す。
配列番号376は、B2M−F2A−TRCバイシストロン性mRNAの核酸配列を示す。
1.1 参照及び定義
本明細書で言及される特許及び科学文献は、当業者に利用可能な知識を確立する。本明細書に引用されるGenBankデータベース配列を含む、発行された米国特許、許可された出願、公開された外国出願、及び参考文献は、それぞれが具体的且つ個別的に参照により組み込まれることを示されているのと同程度に参照により本明細書に組み込まれる。
本開示は、異なる形態で具体化され、本明細書に示される実施形態に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が徹底的且つ完全であり、開示の範囲を当業者に完全に伝えるように提供される。例えば、一実施形態に関して例示される特徴を他の実施形態に組み込むことができ、特定の実施形態に関して例示される特徴をその実施形態から削除することができる。更に、本開示から逸脱しない本明細書で示唆される実施形態に対する多数の変形及び追加は、本開示に照らして当業者に明らかであろう。
特に定義しない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本開示が属する当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書の開示の説明で使用される用語は、特定の実施形態のみを説明するためのものであり、本開示を限定することを意図していない。
本明細書で言及される全ての刊行物、特許出願、特許、及び他の参考文献は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本明細書で使用される場合、「a」、「an」、又は「the」は、1又は2以上を意味することができる。例えば、細胞(「a」cell)は単一細胞又は多数の細胞を意味することができる。
本明細書で使用される場合、特に指示しない限り、「又は」という単語は、「及び/又は」の包括的な意味で使用され、「いずれか/又は」の排他的な意味で使用されるものではない。
本明細書で使用される場合、「メガヌクレアーゼ」という用語は、12塩基対を超える認識配列で二本鎖DNAに結合するエンドヌクレアーゼを指す。好ましくは、本開示のメガヌクレアーゼの認識配列は22塩基対である。メガヌクレアーゼは、I−CreIに由来するエンドヌクレアーゼであり、例えばDNA結合特異性、DNA切断活性、DNA結合親和性、又は二量化特性に関して、天然I−CreIに対して改変されたI−CreIの操作された変異体を指すことができる。I−CreIのこのような改変された変異体を作製する方法は、当技術分野で公知である(例えば、国際公開第2007/047859号パンフレット)。本明細書で使用されるメガヌクレアーゼは、ヘテロ二量体として二本鎖DNAに結合する。メガヌクレアーゼはまた、一対のDNA結合ドメインがペプチドリンカーを用いて単一ポリペプチドに連結されている「一本鎖メガヌクレアーゼ」であってもよい。「ホーミングエンドヌクレアーゼ」という用語は、「メガヌクレアーゼ」という用語と同義である。本開示のメガヌクレアーゼは、本明細書に記載される方法を用いて測定した場合に、細胞生存率への有害効果もメガヌクレアーゼ切断活性の有意な低下も観察することなく、細胞を37℃でトランスフェクト及び維持することができるように、細胞、特にヒトT細胞で発現した場合に実質的に非毒性である。
本明細書で使用される場合、「一本鎖メガヌクレアーゼ」という用語は、リンカーによって連結された一対のヌクレアーゼサブユニットを含むポリペプチドを指す。一本鎖メガヌクレアーゼは、構成:N末端サブユニット−リンカー−C末端サブユニットを有する。2つのメガヌクレアーゼサブユニットは、一般に、アミノ酸配列において同一ではなく、同一でないDNA配列を認識するであろう。従って、一本鎖メガヌクレアーゼは、典型的には、偽回文構造又は非回文構造認識配列を切断する。一本鎖メガヌクレアーゼは、実際には二量体ではないが、「一本鎖ヘテロ二量体」又は「一本鎖ヘテロ二量体メガヌクレアーゼ」と呼ばれる。明確にするために、他に指定しない限り、「メガヌクレアーゼ」という用語は、二量体又は一本鎖メガヌクレアーゼを指すことができる。
本明細書で使用される場合、「リンカー」という用語は、2つのメガヌクレアーゼサブユニットを単一ポリペプチドに連結させるために使用される外因性ペプチド配列を指す。リンカーは、天然タンパク質に見られる配列を有してもよく、又は天然タンパク質には見られない人工配列である。リンカーは、可撓性であり、二次構造が欠如している、又は生理学的条件下で特定の三次元構造を形成する傾向を有し得る。リンカーは、限定されないが、米国特許第8445251号明細書に包含されるものを含むことができる。いくつかの実施形態では、リンカーが、配列番号12〜126のいずれか1つの残基154〜195を含むアミノ酸配列を有し得る。
本明細書で使用される場合、「TALEN」という用語は、FokIヌクレアーゼドメインの任意の部分に融合した16〜22個のTALドメインリピートを含むDNA結合ドメインを含むエンドヌクレアーゼを指す。
本明細書で使用される場合、「コンパクトTALEN」という用語は、I−TevIホーミングエンドヌクレアーゼの任意の部分に任意の配向で融合した16〜22個のTALドメインリピートを有するDNA結合ドメインを含むエンドヌクレアーゼを指す。
本明細書で使用される場合、「ジンクフィンガーヌクレアーゼ」又は「ZFN」という用語は、FokI制限酵素のヌクレアーゼドメインに融合したジンクフィンガーDNA結合ドメインを含むキメラエンドヌクレアーゼを指す。ジンクフィンガードメインを、合理的又は実験的手段を通して、長さが約18塩基対であり、2〜10塩基対で分離された1対の9塩基対半部位を含む所定のDNA配列に結合するタンパク質を作製するよう再設計することができる。ジンクフィンガーヌクレアーゼによる切断は、可変長の平滑末端又は5’オーバーハンド(しばしば4塩基対)を作り出すことができる。
本明細書で使用される場合、「CRISPR」という用語は、Cas9等のカスパーゼと、ゲノムDNA中の認識部位にハイブリダイズすることによってカスパーゼのDNA切断を指向するガイドRNAとを含むカスパーゼに基づくエンドヌクレアーゼを指す。
本明細書で使用される場合、「megaTAL」という用語は、操作された配列特異的ホーミングエンドヌクレアーゼを有する転写アクチベータ様エフェクター(TALE)DNA結合ドメインを含む一本鎖ヌクレアーゼを指す。
本明細書で使用される場合、タンパク質に関して、「組換え」という用語は、タンパク質をコードする核酸及びタンパク質を発現する細胞又は生物に遺伝子工学技術を適用した結果として変化したアミノ酸配列を有することを意味する。核酸に関して、「組換え」という用語は、遺伝子工学技術を適用した結果として変化した核酸配列を有することを意味する。遺伝子工学技術には、それだけに限らないが、PCR及びDNAクローニング技術;トランスフェクション、形質転換、及び他の遺伝子導入技術;相同組換え;部位特異的突然変異誘発;並びに遺伝子融合が含まれる。この定義によると、天然タンパク質と同一のアミノ酸配列を有するが、異種宿主でのクローニング及び発現によって産生されたタンパク質は、組換えとはみなされない。
本明細書で使用される場合、「野生型」という用語は、野生型対立遺伝子によってコードされるポリペプチドがその元の機能を有する、同種の遺伝子の対立遺伝子集団における最も一般的な天然対立遺伝子(即ち、ポリヌクレオチド配列)を指す。「野生型」という用語はまた、野生型対立遺伝子によってコードされるポリペプチドを指す。野生型対立遺伝子(即ち、ポリヌクレオチド)及びポリペプチドは、1又は複数の野生型配列に対する1又は複数の突然変異及び/又は置換を含む突然変異体又は変異体の対立遺伝子及びポリペプチドと区別される。野生型対立遺伝子又はポリペプチドは、生物において正常な表現型を付与することができるが、突然変異体又は変異体の対立遺伝子又はポリペプチドは、場合によっては、変化した表現型を付与することができる。野生型ヌクレアーゼは、組換え又は非天然ヌクレアーゼとは区別可能である。
組換えタンパク質に関して本明細書で使用される場合、「改変」という用語は、参照配列(例えば、野生型又は天然配列)に対する組換え配列中のアミノ酸残基の任意の挿入、欠失、又は置換を意味する。
本明細書中で使用される場合、「認識配列」という用語は、エンドヌクレアーゼによって結合及び切断されるDNA配列を指す。メガヌクレアーゼの場合、認識配列は、4塩基対によって分離された1対の逆位9塩基対「半部位」を含む。一本鎖メガヌクレアーゼの場合、タンパク質のN末端ドメインが第1の半部位に接触し、タンパク質のC末端ドメインが第2の半部位に接触する。メガヌクレアーゼによる切断は、4塩基対の3’「オーバーハング」を生じる。「オーバーハング」又は「付着末端」は、二本鎖DNA配列のエンドヌクレアーゼ切断によって産生され得る短い一本鎖DNAセグメントである。I−CreIに由来するメガヌクレアーゼ及び一本鎖メガヌクレアーゼの場合、オーバーハングは、22塩基対の認識配列の塩基10〜13を含む。コンパクトTALENの場合、認識配列は、I−TevIドメインによって認識される第1のCNNNGN配列、引き続いて長さ4〜16塩基対の非特異的スペーサー、引き続いてTAL−エフェクタードメインによって認識される長さ16〜22bpの第2の配列(この配列は、典型的には5’T塩基を有する)を含む。コンパクトTALENによる切断は、2塩基対の3’オーバーハングを生じる。CRISPRの場合、認識配列は、典型的には16〜24塩基対の配列であり、これにガイドRNAが結合してCas9切断を誘導する。CRISPRによる切断は平滑末端を生じた。
本明細書で使用される場合、「標的部位」又は「標的配列」という用語は、ヌクレアーゼの認識配列を含む細胞の染色体DNAの領域を指す。
本明細書で使用される場合、「DNA結合親和性」又は「結合親和性」という用語は、メガヌクレアーゼが参照DNA分子(例えば、認識配列又は任意の配列)と非共有結合する傾向を意味する。結合親和性は、解離定数Kdによって測定される。本明細書で使用される場合、ヌクレアーゼは、参照認識配列に対するヌクレアーゼのKdが、参照ヌクレアーゼに対して統計学的に有意な(p<0.05)量だけ増加又は減少した場合、「変化した」結合親和性を有する。
本明細書で使用される場合、「相同組換え」又は「HR」という用語は、修復鋳型として相同DNA配列を使用して二本鎖DNA切断が修復される天然の細胞プロセスを指す(例えば、Cahillら(2006)、Front.Biosci.11:1958〜1976)。相同DNA配列は、細胞に送達された内因性染色体配列又は外因性核酸である。
本明細書で使用される場合、「非相同末端結合」又は「NHEJ」という用語は、二本鎖DNA切断が2つの非相同DNAセグメントの直接接合によって修復される天然の細胞プロセスを指す(例えば、例えば、Cahillら(2006)、Front.Biosci.11:1958〜1976)。非相同末端結合によるDNA修復は間違いを起こしやすく、頻繁に修復部位でのDNA配列のテンプレート化されていない付加又は欠失が起こる。いくつかの例では、標的認識配列における切断が、標的認識部位におけるNHEJを生じる。遺伝子のコード配列中の標的部位のヌクレアーゼ誘導切断に引き続くNHEJによるDNA修復が、遺伝子機能を破壊するフレームシフト突然変異等の突然変異をコード配列に導入し得る。このように、操作されたヌクレアーゼを使用して、細胞の集団中の遺伝子を有効にノックアウトすることができる。
本明細書で使用される場合、「キメラ抗原受容体」又は「CAR」は、免疫エフェクター細胞(例えば、ヒトT細胞)上に抗原に対する特異性を移植する操作された受容体を指す。キメラ抗原受容体は、典型的には、細胞外リガンド結合ドメイン又は部分と、1又は複数の刺激ドメインを含む細胞内ドメインとを含む。いくつかの実施形態では、細胞外リガンド結合ドメイン又は部分が、特定のエピトープ又は抗原(例えば、がん細胞又は他の疾患を引き起こす細胞若しくは粒子の表面上に優先的に存在するエピトープ又は抗原)に対する特異性を提供するモノクローナル抗体に由来する単鎖可変フラグメント(scFv)の形態であり得る。scFvはリンカー配列を介して結合し得る。細胞外リガンド結合ドメインは、対象となる任意の抗原又はエピトープに特異的であり得る。特定の実施形態では、リガンド結合ドメインがCD19に特異的である。他の実施形態では、scFvがヒト化又は完全ヒトであり得る。キメラ抗原受容体の細胞外ドメインはまた、Bリンパ球上の自己抗原特異的B細胞受容体によって認識され得る自己抗原(Payneら(2016)Science、第353巻(6295):179〜184参照)を含むことができ、従って、T細胞を標的に特異的に向け、抗体媒介自己免疫疾患において自己反応性Bリンパ球を死滅させることができる。このようなCARはキメラ自己抗体受容体(CAAR)と呼ばれ得、その使用は本開示に包含される。
いくつかの非限定的な実施形態では、CARの細胞外リガンド結合ドメインは、腫瘍関連表面抗原、例えば、CD19、CD123、CD22、CS1、CD20、ErbB2(HER2/neu)、FLT3R、癌胎児性抗原(CEA)、上皮細胞接着分子(EpCAM)、上皮増殖因子受容体(EGFR)、EGFR変異体III(EGFRvIII)、CD30、CD40、CD44、CD44v6、ジシアロガングリオシドGD2、管上皮ムチン、gp36、TAG−72、スフィンゴ糖脂質、神経膠腫関連抗原、Bヒト絨毛性ゴナドトロピン、αフェトプロテイン(AFP)、レクチン反応性AFP、チログロブリン、RAGE−1、MN−CA IX、ヒトテロメラーゼ逆転写酵素、RU1、RU2(AS)、腸カルボキシルエステラーゼ、mut hsp70−2、M−CSF、プロスターゼ(prostase)、プロスターゼ特異的抗原(PSA)、PAP、NY−ESO−1、LAGA−1a、p53、プロスタイン、PSMA、生存及びテロメラーゼ、前立腺癌腫腫瘍抗原−1(PCTA−1)、MAGE、ELF2M、好中球エラスターゼ、エフリンB2、インスリン増殖因子(IGF1)−1、IGF−II、IGFI受容体、メソテリン、腫瘍特異ペプチドエピトープを提示する主要組織適合遺伝子複合体(MHC)分子、5T4、ROR1、Nkp30、NKG2D、腫瘍間質抗原、フィブロネクチンのエクストラドメインA(EDA)及びエクストラドメインB(EDB)並びにテネイシン−CのA1ドメイン(TnC AI)並びに線維芽細胞関連タンパク質(fap);系列特異又は組織特異抗原、例えばCD3、CD4、CD8、CD24、CD25、CD33、CD34、CD133、CD138、CTLA−4、B7−1(CD80)、B7−2(CD86)、エンドグリン、主要組織適合遺伝子複合体(MHC)分子、BCMA(CD269、TNFRSF17)、又はウイルス特異表面抗原、例えばHIV特異抗原(HIV gpl20等);EBV特異抗原、CMV特異抗原、HPV特異抗原、ラッサウイルス特異抗原、インフルエンザウイルス特異抗原、並びにこれらの表面マーカーの任意の誘導体又は変異体に対する特異性を有することができる。本発明の特定の実施形態では、リガンド結合ドメインがCD19に特異的である。
細胞内刺激ドメインは、抗原結合後に免疫エフェクター細胞に活性化シグナルを伝達する1又は複数の細胞質シグナル伝達ドメインを含むことができる。細胞内刺激ドメインは、対象となる任意の細胞内刺激ドメインであり得る。このような細胞質シグナル伝達ドメインには、限定されないが、CD3−ζが含まれ得る。細胞内刺激ドメインはまた、リガンド結合後に増殖及び/又は細胞生存シグナルを伝達する1又は複数の細胞内共刺激ドメインを含むことができる。細胞内共刺激ドメインは、対象となる任意の細胞内共刺激ドメインであり得る。このような細胞内共刺激ドメインには、限定されないが、CD28ドメイン、4−1BBドメイン、OX40ドメイン、又はこれらの組み合わせが含まれ得る。キメラ抗原受容体は、ヒンジ又はスペーサー配列を介して細胞外リガンド結合ドメインに結合した膜貫通ドメインを含む追加の構造エレメントを更に含むことができる。
本明細書で使用される場合、「外因性T細胞受容体」又は「外因性TCR」とは、TCRを内因的に発現してもしなくてもよい免疫エフェクター細胞(例えば、ヒトT細胞)のゲノムにその配列が導入されるTCRを指す。免疫エフェクター細胞上の外因性TCRの発現は、特定のエピトープ又は抗原(例えば、がん細胞又は他の疾患を引き起こす細胞若しくは粒子の表面上に優先的に存在するエピトープ又は抗原)に対する特異性を付与することができる。このような外因性T細胞受容体は、α及びβ鎖を含むことができる、あるいは、γ及びδ鎖を含むことができる。本開示において有用な外因性TCRは、対象となる任意の抗原又はエピトープに対する特異性を有し得る。
本明細書で使用される場合、「低下した」という用語は、遺伝子改変細胞の細胞表面での又は対照細胞と比較した場合の、内因性ポリペプチド(例えば、β−2ミクログロブリン、内因性T細胞受容体等)の発現の任意の低下を指す。「低下した」という用語はまた、対照細胞の集団と比較した場合の細胞表面で内因性ポリペプチドを発現する細胞の集団における細胞の割合の低下を指すことができる。どちらの場合でも、このような低下は、最大5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、又は最大100%である。従って、「低下した」という用語は、内因性ポリペプチドの部分的ノックダウンと完全ノックダウンの両方を包含する。
アミノ酸配列と核酸配列の両方に関して本明細書で使用される場合、「同一性%」、「配列同一性」、「類似性割合」、「配列類似性」等の用語は、整列されたアミノ酸残基又はヌクレオチド間の類似性を最大化し、同一又は類似の残基又はヌクレオチドの数、全残基又はヌクレオチドの数、並びに配列アラインメント中のギャップの存在及び長さの関数である配列のアラインメントに基づく2つの配列の類似性の程度の尺度を指す。標準的なパラメータを使用して配列類似性を決定するための種々のアルゴリズム及びコンピュータプログラムが利用可能である。本明細書中で使用される場合、配列類似性は、共にNational Center for Biotechnology Information(www.ncbi.nlm.nih.gov)を通して入手可能であり、例えば、Altschulら(1990)、J.Mol.Biol.215:403〜410;Gish及びStates(1993)、Nature Genet.3:266〜272;Maddenら(1996)、Meth.Enzymol.266:131〜141;Altschulら(1997)、Nucleic Acids Res.25:33 89〜3402);Zhangら(2000)、J.Comput.Biol.7(1〜2):203〜14に記載されている、アミノ酸配列についてはBLASTpプログラム及び核酸配列についてはBLASTnプログラムを用いて測定される。本明細書で使用される場合、2つのアミノ酸配列の類似性%は、BLASTpアルゴリズムについての以下のパラメータに基づくスコアである:ワードサイズ=3;ギャップオープニングペナルティ=−11;ギャップ伸長ペナルティ=−1;及びスコアリングマトリックス=BLOSUM62。本明細書で使用される場合、2つの核酸配列の類似性%は、BLASTnアルゴリズムについての以下のパラメータに基づくスコアである:ワードサイズ=11;ギャップオープニングペナルティ=−5;ギャップ伸長ペナルティ=−2;一致報酬=1;及び不一致ペナルティ=−3。
2つのタンパク質又はアミノ酸配列の改変に関して本明細書で使用される場合、「〜に相当する」という用語は、2つのタンパク質を標準的な配列アラインメント(例えば、BLASTpプログラムを用いる)に供した場合に、第1のタンパク質における特定の改変が第2のタンパク質における改変におけるのと同じアミノ酸残基の置換であること、及び第1のタンパク質における改変のアミノ酸位置が、第2のタンパク質における改変のアミノ酸位置に相当する又はこれと一列に整列することを示すために使用される。従って、残基XとYが配列アラインメントで互いに相当する場合、XとYが異なる数であるという事実にもかかわらず、第1のタンパク質における残基「X」のアミノ酸「A」への改変は、第2のタンパク質における残基「Y」のアミノ酸「A」への改変に相当する。
本明細書中で使用される場合、「認識半部位」、「認識配列半部位」、又は単に「半部位」という用語は、ホモ二量体若しくはヘテロ二量体メガヌクレアーゼの単量体によって、又は一本鎖メガヌクレアーゼの1つのサブユニットによって認識される二本鎖DNA分子中の核酸配列を意味する。
本明細書で使用される場合、「超可変領域」という用語は、比較的高い変動性を有するアミノ酸を含むメガヌクレアーゼモノマー又はサブユニット内の局在配列を指す。超可変領域は、約50〜60個の連続残基、約53〜57個の連続残基、又は好ましくは約56個の残基を含むことができる。いくつかの実施形態では、超可変領域の残基が、配列番号12〜126のいずれか1つの24〜79位又は215〜270位に相当し得る。超可変領域は、認識配列中のDNA塩基と接触する1個又は複数の残基を含むことができ、単量体又はサブユニットの塩基優先度を変更するように改変することができる。超可変領域はまた、メガヌクレアーゼが二本鎖DNA認識配列と会合すると、DNA骨格に結合する1個又は複数の残基を含むことができる。このような残基を、DNA骨格及び標的認識配列に対するメガヌクレアーゼの結合親和性を変化させるように改変することができる。本開示の異なる実施形態では、超可変領域は、可変性を示す約1〜21個の残基を含み、塩基優先度及び/又はDNA結合親和性に影響を及ぼすように改変することができる。いくつかの実施形態では、超可変領域内の可変残基が、配列番号12〜126のいずれか1つの24位、26位、28位、29位、30位、32位、33位、38位、40位、42位、44位、46位、48位、66位、68位、69位、70位、72位、73位、75位、及び77位の1又は複数に相当する。他の実施形態では、超可変領域内の可変残基が、配列番号12〜126のいずれか1つの215位、217位、219位、220位、221位、223位、224位、229位、231位、233位、235位、237位、239位、248位、257位、259位、260位、261位、263位、264位、266位、及び268位の1又は複数に相当する。
本明細書で使用される場合、「ヒトβ−2ミクログロブリン遺伝子」、「B2M遺伝子」等の用語は互換的に使用され、配列番号1に示されるNCBI遺伝子識別番号567(受託番号NG_012920.1)によって特定されるヒト遺伝子及び機能的B2Mポリペプチドをコードするヒトβ−2ミクログロブリン遺伝子の天然変異体を指す。
本明細書で使用される場合、「T細胞受容体α定常領域遺伝子」、「TCRα定常領域遺伝子」等の用語は互換的に使用され、配列番号127に示されるNCBI遺伝子識別番号28755によって特定されるヒト遺伝子、並びに機能的ポリペプチドをコードするT細胞受容体α定常領域遺伝子の天然変異体を指す。
「組換えDNA構築物」、「組換え構築物」、「発現カセット」、「発現構築物」、「キメラ構築物」、「構築物」、及び「組換えDNA断片」という用語は、本明細書で互換的に使用され、核酸断片である。組換え構築物は、限定されないが、天然には一緒には見られない調節配列及びコード配列を含む、核酸断片の人工的な組み合わせを含む。例えば、組換えDNA構築物は、異なる供給源に由来する調節配列及びコード配列、又は同じ供給源に由来し、天然に見られるものとは異なる様式で配置される調節配列及びコード配列を含み得る。このような構築物は、単独で使用される、又はベクターと合わせて使用される。
本明細書で使用される場合、「ベクター」又は「組換えDNAベクター」は、所定の宿主細胞におけるポリペプチドコード配列の転写及び翻訳が可能な複製系及び配列を含む構築物である。ベクターを使用する場合、ベクターの選択は、当業者に周知のように宿主細胞を形質転換するために使用される方法に依存する。ベクターには、限定されないが、プラスミドベクター及び組換えAAVベクター、又は本開示のメガヌクレアーゼをコードする遺伝子を標的細胞に送達するのに適した当技術分野で公知の任意の他のベクターが含まれ得る。当業者であれば、本開示の単離されたヌクレオチド又は核酸配列のいずれかを含む宿主細胞を首尾よく形質転換、選択、及び増殖させるために、ベクター上に存在しなければならない遺伝要素を十分に認識している。
本明細書で使用される場合、「ベクター」は、ウイルスベクターを指すこともできる。ウイルスベクターには、限定されないが、レトロウイルスベクター、レンチウイルスベクター、アデノウイルスベクター、及びアデノ随伴ウイルスベクター(AAV)が含まれ得る。
本明細書で使用される場合、「ポリシストロン性」mRNAは、2以上のコード配列(即ち、シストロン)を含み、2以上のタンパク質をコードする単一メッセンジャーRNAを指す。ポリシストロン性mRNAは、それだけに限らないが、IRESエレメント、T2Aエレメント、P2Aエレメント、E2Aエレメント、及びF2Aエレメントを含む、同じmRNA分子からの2以上の遺伝子の翻訳を可能にする当技術分野で公知の任意のエレメントを含むことができる。
本明細書で使用される場合、「ヒトT細胞」又は「T細胞」は、ヒトドナーから単離されたT細胞を指す。ヒトT細胞及びこれに由来する細胞には、培養で継代されていない単離されたT細胞、不死化しないで細胞培養条件下で継代及び維持されたT細胞、並びに不死化され、細胞培養条件下で無限に維持されるT細胞が含まれる。
本明細書で使用される場合、「対照」又は「対照細胞」は、遺伝子改変細胞の遺伝子型又は表現型における変化を測定するための基準点を提供する細胞を指す。対照細胞は、例えば:(a)野生型細胞、即ち、遺伝子改変細胞を生じた遺伝子改変のための出発材料と同じ遺伝子型の細胞;(b)遺伝子改変細胞と同じ遺伝子型の細胞であるが、ヌル構築物(即ち、対象となる形質に対して既知の効果を有さない構築物)で形質転換された細胞;(c)遺伝子改変細胞と遺伝的に同一であるが、変化した遺伝子型又は表現型の発現を誘導する条件、刺激又は更なる遺伝子改変に曝されない細胞を含み得る。
本明細書で使用される場合、変数の数値範囲の列挙は、開示がその範囲内の値のいずれかに等しい変数で実施されることを伝えることを意図している。従って、本質的に離散的な変数については、変数は、範囲の終点を含む数値範囲内の任意の整数値に等しい。同様に、本質的に連続する変数については、変数は、範囲の終点を含む数値範囲内の任意の実数値に等しい。一例として、限定ではないが、変数が本質的に離散的である場合、0〜2の値を有すると記載される変数は、0、1、又は2の値をとることができ、変数が本質的に連続する場合、0.0、0.1、0.01、0.001、又は0以上2以下の任意の他の実数をとることができる。
2.1 本発明の原理
本開示は、部分的には、切断された部位のNHEJが細胞表面でβ−2ミクログロブリンポリペプチドの発現を破壊し、よってHLA遺伝子によってコードされる内因性MHCクラスI受容体の集合及び活性化を妨害するように、操作されたヌクレアーゼがヒトβ−2ミクログロブリン遺伝子(配列番号1)内に見られる認識配列を認識及び切断するために利用されるという仮説に基づく。更に、本開示によると、外因性ポリヌクレオチド配列を、例えば、相同組換えによって、ヌクレアーゼ切断部位でβ−2ミクログロブリン遺伝子に挿入する。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド配列が、細胞内で同時に発現される対象となる配列を含む。更に、本開示の操作されたヌクレアーゼは、1又は複数の追加のノックアウト(例えば、内因性T細胞受容体のノックアウト)を示すように遺伝子改変された、並びに/あるいは1又は複数の対象となるポリペプチド(例えば、キメラ抗原受容体又は外因性T細胞受容体)を発現するように遺伝子改変された真核細胞におけるβ−2ミクログロブリンの細胞表面発現をノックアウトするために使用される。従って、好ましい実施形態では、本開示は、細胞表面でβ−2ミクログロブリンと内因性T細胞受容体の両方のノックアウトを示す一方で、キメラ抗原受容体又は外因性T細胞受容体を同時に発現するT細胞等の遺伝子改変真核細胞の産生を可能にする。このような細胞は、対象に投与されると、低下したアロ反応性及び/又は減少したアロゲニシティを示すことができる。
2.2 ヒトβ−2ミクログロブリン遺伝子内の認識配列を認識及び切断するためのヌクレアーゼ
生細胞のゲノムにおいて部位特異的ヌクレアーゼを使用してDNA破壊を行うことが可能であり、このようなDNA破壊は突然変異誘発NHEJ修復を介して又はトランスジェン性DNA配列との相同組換えを介してゲノムの持続改変をもたらすことができることが当技術分野で知られている。NHEJは切断部位で突然変異誘発を生じ、対立遺伝子の不活性化をもたらし得る。NHEJ関連突然変異誘発は、初期終止コドンの生成、異常な非機能性タンパク質を産生するフレームシフト突然変異を介して対立遺伝子を不活性化し得る、あるいは非センス媒介mRNA崩壊等の機序を誘引し得る。NHEJを介した突然変異誘発を誘導するためのヌクレアーゼの使用は、特定の突然変異又は野生型対立遺伝子に存在する配列を標的化するために使用され得る。標的遺伝子座における二本鎖破壊を誘導するためのヌクレアーゼの使用は、特にゲノム標的と相同である配列が隣接するトランスジェン性DNA配列の相同組換えを刺激することが知られている。このようにして、外因性核酸配列を標的遺伝子座に挿入することができる。このような外因性核酸は、例えば、キメラ抗原受容体、外因性TCR、又は対象となる任意の配列若しくはポリペプチドをコードし得る。
異なる実施形態では、種々の異なるタイプのヌクレアーゼが、本開示を実施するために有用である。一実施形態では、本開示が組換えメガヌクレアーゼを用いて実施される。別の実施形態では、本開示がCRISPRヌクレアーゼ又はCRISPRニッカーゼを用いて実施される。所定のDNA部位を認識するCRISPR及びCRISPRニッカーゼを作製する方法は、例えば、Ranら(2013)Nat Protoc.8:2281〜308等、当技術分野で公知である。別の実施形態では、本開示が、TALEN又はコンパクトTALENを用いて実施される。所定のDNA部位に結合するTALEドメインを作製する方法は、例えば、Reyonら(2012)Nat Biotechnol.30:460〜5等、当技術分野で公知である。更なる実施形態では、本開示が、メガTALを用いて実施される。
好ましい実施形態では、本開示を実施するために使用されるヌクレアーゼが一本鎖メガヌクレアーゼである。一本鎖メガヌクレアーゼは、リンカーペプチドによって連結されたN末端サブユニット及びC末端サブユニットを含む。2つのドメインの各々が、認識配列の半分(即ち、認識半部位)を認識し、DNA切断の部位は、2つのサブユニットの界面付近の認識配列の中央にある。DNA鎖切断は、メガヌクレアーゼによるDNA切断が1対の4塩基対3’一本鎖オーバーハングを生成するように、4塩基対によって相殺される。
いくつかの例では、本開示の組換えメガヌクレアーゼが、B2M13−14認識配列(配列番号2)を認識及び切断するように操作されている。このような組換えメガヌクレアーゼは、本明細書では「B2M13−14メガヌクレアーゼ」と総称される。代表的なB2M13−14メガヌクレアーゼは、配列番号12〜100で提供される。
他の例では、本開示の組換えメガヌクレアーゼが、B2M5−6認識配列(配列番号4)を認識及び切断するように操作されている。このような組換えメガヌクレアーゼは、本明細書では「B2M5−6メガヌクレアーゼ」と総称される。代表的なB2M5−6メガヌクレアーゼは、配列番号101〜113で提供される。
更なる例では、本開示の組換えメガヌクレアーゼが、B2M7−8認識配列(配列番号6)を認識及び切断するように操作されている。このような組換えメガヌクレアーゼは、本明細書では「B2M7−8メガヌクレアーゼ」と総称される。代表的なB2M7−8メガヌクレアーゼは、配列番号114〜124で提供される。
更なる例では、本開示の組換えメガヌクレアーゼが、B2M11−12認識配列(配列番号8)を認識及び切断するように操作されている。このような組換えメガヌクレアーゼは、本明細書では「B2M11−12メガヌクレアーゼ」と総称される。代表的なB2M11−12メガヌクレアーゼは、配列番号125及び126で提供される。
本開示の組換えメガヌクレアーゼは、第1の超可変(HVR1)領域を含む第1のサブユニット及び第2の超可変(HVR2)領域を含む第2のサブユニットを含む。更に、第1のサブユニットは、認識配列の第1の認識半部位(例えば、B2M13、B2M5、B2M7、又はB2M11半部位)に結合し、第2のサブユニットは、認識配列の第2の認識半部位(例えば、B2M14、B2M6、B2M8、又はB2M12半部位)に結合する。組換えメガヌクレアーゼが一本鎖メガヌクレアーゼである実施形態では、第1及び第2のサブユニットが、HVR1領域を含み、第1の半部位に結合する第1のサブユニットがN末端サブユニットとして配置され、HVR2領域を含み、第2の半部位に結合する第2のサブユニットがC末端サブユニットとして配置されるように配向される。代替実施形態では、第1及び第2のサブユニットが、HVR1領域を含み、第1の半部位に結合する第1のサブユニットがC末端サブユニットとして配置され、HVR2領域を含み、第2の半部位に結合する第2のサブユニットがN末端サブユニットとして配置されるように配向される。本開示の代表的なB2M13−14メガヌクレアーゼを表1に提供する。本開示の代表的なB2M5−6メガヌクレアーゼを表2に提供する。本開示の代表的なB2M7−8メガヌクレアーゼを表3に提供する。本開示の代表的なB2M11−12メガヌクレアーゼを表4に提供する。
表1.B2M13−14認識配列(配列番号2)を認識及び切断するように操作された代表的な組換えメガヌクレアーゼ
*「B2M13サブユニット%」及び「B2M14サブユニット%」は、各メガヌクレアーゼのB2M13結合サブユニット領域及びB2M14結合サブユニット領域と、B2M13−14x.479メガヌクレアーゼの、それぞれ、B2M13結合サブユニット領域及びB2M14結合サブユニット領域との間のアミノ酸配列同一性を表す。
表2.B2M5−6認識配列(配列番号4)を認識及び切断するように操作された代表的な組換えメガヌクレアーゼ
*「B2M5サブユニット%」及び「B2M6サブユニット%」は、各メガヌクレアーゼのB2M5結合サブユニット領域及びB2M6結合サブユニット領域と、B2M5−6x.14メガヌクレアーゼの、それぞれ、B2M5結合サブユニット領域及びB2M6結合サブユニット領域との間のアミノ酸配列同一性を表す。
表3.B2M7−8認識配列(配列番号6)を認識及び切断するように操作された代表的な組換えメガヌクレアーゼ
*「B2M7サブユニット%」及び「B2M8サブユニット%」は、各メガヌクレアーゼのB2M7結合サブユニット領域及びB2M8結合サブユニット領域と、B2M7−8x.88メガヌクレアーゼの、それぞれ、B2M7結合サブユニット領域及びB2M8結合サブユニット領域との間のアミノ酸配列同一性を表す。
表4.B2M11−12認識配列(配列番号8)を認識及び切断するように操作された代表的な組換えメガヌクレアーゼ
*「B2M11サブユニット%」及び「B2M12サブユニット%」は、各メガヌクレアーゼのB2M11結合サブユニット領域及びB2M12結合サブユニット領域と、B2M11−12x.45メガヌクレアーゼの、それぞれ、B2M11結合サブユニット領域及びB2M12結合サブユニット領域との間のアミノ酸配列同一性を表す。
2.3 遺伝子改変細胞を作製する方法
本開示は、ヒトβ−2ミクログロブリン遺伝子(配列番号1)内に見られる認識配列を認識及び切断する操作されたヌクレアーゼを用いて遺伝子改変細胞を作製する方法を提供する。このような認識配列での切断は、切断部位でのNHEJ及びβ−2ミクログロブリンポリペプチドの発現破壊を可能にし、よってHLA遺伝子によってコードされる内因性MHCクラスI受容体の集合及び活性化を妨害することができる。更に、このような認識配列での切断は更に、外因性核酸配列の直接的なβ2ミクログロブリン遺伝子への相同組換えを可能にすることができる。
いくつかの態様では、本開示は更に、内因性T細胞受容体の細胞表面発現が低下した遺伝子改変真核細胞を作製する方法を提供する。このような方法は、内因性T細胞受容体の成分をコードする遺伝子に位置する認識配列を認識及び切断するように操作されたエンドヌクレアーゼを利用する。このような遺伝子には、限定されないが、ヒトT細胞受容体α定常領域遺伝子(配列番号127)をコードする遺伝子が含まれ得る。この方法に有用なエンドヌクレアーゼには、限定されないが、組換えメガヌクレアーゼ、CRISPR、TALEN、コンパクトTALEN、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)、メガTALが含まれ得る。いくつかの実施形態では、エンドヌクレアーゼが組換えメガヌクレアーゼであり、メガヌクレアーゼ認識配列が配列番号128〜130のいずれか1つを含む。ヒトT細胞受容体α定常領域遺伝子における認識配列を認識及び切断するために有用な組換えメガヌクレアーゼには、限定されないが、米国特許出願公開第62/237382号明細書及び第62/237394号明細書に開示されるものが含まれ得る。TCR認識配列での切断は、切断部位でのNHEJ及び内因性T細胞受容体の発現破壊を可能にすることができる。更に、TCR認識配列での切断は更に、外因性核酸配列の直接的な標的化遺伝子への相同組換えを可能にすることができる。
本開示の操作されたヌクレアーゼは、タンパク質の形態で、又は好ましくは、操作されたヌクレアーゼをコードする核酸として、細胞に送達される。このような核酸は、DNA(例えば、環状若しくは線状のプラスミドDNA又はPCR産物)又はRNAである。操作されたヌクレアーゼコード配列がDNA形態で送達される実施形態では、これがメガヌクレアーゼ遺伝子の転写を促進するためにプロモータに作動可能に連結されるべきである。本開示に適した哺乳動物プロモータには、サイトメガロウイルス初期(CMV)プロモータ(Thomsenら(1984)、Proc Natl Acad Sci USA.81(3):659〜63)又はSV40初期プロモータ(Benoist及びChambon(1981)、Nature.290(5804):304〜10)等の構成的プロモータ、並びにテトラサイクリン誘導型プロモータ(Dingermannら(1992)、Mol Cell Biol.12(9):4038〜45)等の誘導型プロモータが含まれる。
いくつかの実施形態では、操作されたヌクレアーゼをコードするmRNAが、操作されたヌクレアーゼをコードする遺伝子が細胞のゲノムに組み込まれる可能性を減らすので、細胞に送達される。操作されたヌクレアーゼをコードするこのようなmRNAは、インビトロ転写等の当技術分野で公知の方法を用いて作製される。いくつかの実施形態では、mRNAが7−メチル−グアノシンを用いてキャップ付加される。いくつかの実施形態では、mRNAがポリアデニル化される。
特定の実施形態では、本開示の操作されたヌクレアーゼをコードするmRNAが、細胞内で同時に発現する2以上のヌクレアーゼをコードするポリシストロン性mRNAである。ポリシストロン性mRNAは、同じ標的遺伝子内の異なる認識配列を標的化する本開示の2以上のヌクレアーゼをコードすることができる。あるいは、ポリシストロン性mRNAは、本開示の1又は複数のヌクレアーゼ及び同じ遺伝子に位置する別個の認識配列を標的化する第2のヌクレアーゼ、あるいは切断部位が両遺伝子において生成されるように、第2の遺伝子に位置する第2の認識配列をコードし得る。ポリシストロン性mRNAは、それだけに限らないが、IRESエレメント(例えば、配列番号362)、T2Aエレメント(例えば、配列番号363)、P2Aエレメント(例えば、配列番号364)、E2Aエレメント(例えば、配列番号365)、及びF2Aエレメント(例えば、配列番号366)を含む、同じmRNA分子からの2つの遺伝子(即ち、シストロン)の翻訳を可能にする当技術分野で公知の任意のエレメントを含むことができる。開示
精製されたヌクレアーゼタンパク質を細胞に送達してゲノムDNAを切断することができ、これによって、当技術分野で公知の様々な異なる機構による、対象となる配列を含む切断部位での相同組換え又は非相同末端結合が可能になる。
いくつかの実施形態では、操作されたヌクレアーゼタンパク質又は操作されたヌクレアーゼをコードするDNA/mRNAを、細胞透過性ペプチド又は標的リガンドに結合して細胞取り込みを促進する。当技術分野で公知の細胞透過性ペプチドの例としては、ポリアルギニン(Jearawiriyapaisarnら(2008)Mol Ther.16:1624〜9)、HIVウイルス由来のTATペプチド(Hudeczら(2005)、Med.Res.Rev.25:679〜736)、MPG(Simeoniら(2003)Nucleic Acids Res.31:2717〜2724)、Pep−1(Deshayesら(2004)Biochemistry43:7698〜7706)及びHSV−1 VP−22(Deshayesら(2005)Cell Mol Life Sci.62:1839〜49)が挙げられる。別の実施形態では、操作されたヌクレアーゼ又は操作されたヌクレアーゼをコードするDNA/mRNAを、ヌクレアーゼタンパク質/DNA/mRNAが標的細胞に結合し、標的細胞によって内部移行されるように、標的細胞上で発現される特異的細胞表面受容体を認識する抗体に共有結合的又は非共有結合的に結合させる。あるいは、操作されたヌクレアーゼタンパク質/DNA/mRNAを、このような細胞表面受容体の天然リガンド(又は天然リガンドの一部)に共有結合的又は非共有結合的に結合させる。((McCallら(2014)Tissue Barriers.2(4):e944449;Dindaら(2013)Curr Pharm Biotechnol.14:1264〜74;Kangら(2014)Curr Pharm Biotechnol.15(3):220〜30;Qianら(2014)Expert Opin Drug Metab Toxicol.10(11):1491〜508)。
いくつかの実施形態では、操作されたヌクレアーゼタンパク質又は操作されたヌクレアーゼをコードするDNA/mRNAを、当技術分野で公知の方法(Sharmaら(2014)Biomed Res Int.2014)を用いて、ナノ粒子に共有結合的、あるいは好ましくは非共有結合的に結合させる、又はこのようなナノ粒子内にカプセル化する。ナノ粒子は、その長さスケールが1μm未満、好ましくは100nm未満であるナノスケール送達システムである。このようなナノ粒子は、金属、脂質、ポリマー、又は生物学的高分子で構成されるコアを用いて設計され、組換えメガヌクレアーゼタンパク質、mRNA又はDNAの複数のコピーがナノ粒子コアに結合又はカプセル化される。これにより、各細胞に送達されるタンパク質/mRNA/DNAのコピー数が増加し、従って、各操作されたヌクレアーゼの細胞内発現が増加して、標的認識配列が切断される可能性が最大化される。このようなナノ粒子の表面を、ポリマー又は脂質(例えば、キトサン、カチオン性ポリマー、又はカチオン性脂質)で更に修飾して、表面がペイロードの細胞送達及び取り込みを増強するために追加の機能性を付与するコア−シェルナノ粒子を形成する(Jianら2012)Biomaterials.33(30):7621〜30)。有利には、ナノ粒子を標的化分子に更に結合させて、ナノ粒子を適切な細胞型に導く、及び/又は細胞取り込みの可能性を高めることができる。このような標的化分子の例としては、細胞表面受容体に特異的な抗体及び細胞表面受容体の天然リガンド(又は天然リガンドの一部)が挙げられる。
いくつかの実施形態では、操作されたヌクレアーゼ又は操作されたヌクレアーゼをコードするDNA/mRNAを、リポソーム内にカプセル化する、あるいはカチオン性脂質(例えば、Lipofectamine(商標)、Life Technologies Corp.、Carlsbad、CA;Zurisら(2015)Nat Biotechnol.33:73〜80;Mishraら(2011)J Drug Deliv.2011:863734)を用いて複合体化する。リポソーム及びリポプレックス製剤は、ペイロードを分解から保護し、細胞の細胞膜との融合及び/又は破壊を通して細胞取り込み及び送達効率を促進することができる。
いくつかの実施形態では、操作されたヌクレアーゼタンパク質又は操作されたヌクレアーゼをコードするDNA/mRNAを、ポリマー足場(例えば、PLGA)内にカプセル化する、あるいはカチオン性ポリマー(例えばPEI、PLL)を用いて複合体化する(Tamboliら(2011)Ther Deliv.2(4):523〜536)。
いくつかの実施形態では、操作されたヌクレアーゼタンパク質又は操作されたヌクレアーゼをコードするDNA/mRNAを、ミセルに自己組織化する両親媒性分子と組み合わせる(Tongら(2007)J Gene Med.9(11):956〜66)。ポリマーミセルは、凝集を防止し、電荷相互作用をマスクし、細胞外の非特異的相互作用を減少させることができる親水性ポリマー(例えば、ポリエチレングリコール)で形成されたミセルシェルを含み得る。
いくつかの実施形態では、操作されたヌクレアーゼタンパク質又は操作されたヌクレアーゼをコードするDNA/mRNAを、細胞への送達のために、エマルジョン又はナノエマルジョン(即ち、1nm未満の平均粒径を有する)に製剤化する。「エマルジョン」という用語は、限定されないが、水不混和相が水相と混合されると、極性残基(例えば、長い炭化水素鎖)を水から離し、極性頭部基を水に向ける疎水力の結果として形成することができる水中油型、油中水型、水中油中水型、若しくは油中水中油型の分散液又は液滴(脂質構造を含む)を指す。これらの他の脂質構造としては、限定されないが、単層、少層(paucilamellar)、及び多層脂質小胞、ミセル並びにラメラ相が挙げられる。エマルジョンは、水相及び親油相(典型的には油及び有機溶媒を含有する)で構成される。エマルジョンはまた、しばしば、1種又は複数の界面活性剤を含有する。ナノエマルジョン製剤は、例えば、各々の全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願第2002/0045667号明細書及び第2004/0043041号明細書並びに米国特許第第6015832号明細書、第6506803号明細書、第6635676号明細書、及び第6559189号明細書に記載されているように周知である。
いくつかの実施形態では、操作されたヌクレアーゼタンパク質又は操作されたヌクレアーゼをコードするDNA/mRNAを、多官能性ポリマーコンジュゲート、DNAデンドリマー、及びポリマーデンドリマーと共有結合させる又は非共有結合的に会合させる(Mastorakosら(2015)Nanoscale.7(9):3845〜56;Chengら(2008)J Pharm Sci.97(1):123〜43)。デンドリマー生成は、ペイロードの容量及びサイズを制御することができ、高いペイロード容量を提供することができる。更に、複数の表面基の表示を活かして、安定性を向上させ、非特異的相互作用を低減する。
いくつかの実施形態では、操作されたヌクレアーゼをコードする遺伝子を、ウイルスベクターを用いて細胞に導入する。このようなベクターは、当技術分野で公知であり、レトロウイルスベクター、レンチウイルスベクター、アデノウイルスベクター、及びアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターが含まれる(Vannucciら(2013 New Microbiol.36:1〜22)に概説)。本開示で有用な組換えAAVベクターは、ウイルスの細胞への形質導入及びヌクレアーゼ遺伝子の細胞ゲノムへの挿入を可能にする任意の血清型を有することができる。特定の実施形態では、組換えAAVベクターがAAV2又はAAV6の血清型を有する。組換えAAVベクターはまた、それらが宿主細胞において第2鎖DNA合成を必要としないように自己相補的であり得る(McCartyら(2001)Gene Ther.8:1248〜54)。
操作されたヌクレアーゼ遺伝子をDNA形態(例えばプラスミド)で及び/又はウイルスベクター(例えばAAV)を介して送達する場合、これらをプロモータに作動可能に連結しなければならない。いくつかの実施形態では、これが、ウイルスベクター(例えば、レンチウイルスベクターのLTR)の内因性プロモータ又は周知のサイトメガロウイルス−若しくはSV40ウイルス−初期プロモータ等のウイルスプロモータである。好ましい実施形態では、ヌクレアーゼ遺伝子を、標的細胞(例えば、ヒトT細胞)において遺伝子発現を優先的に駆動するプロモータに作動可能に連結する。
本開示は更に、外因性核酸配列がヌクレアーゼ切断部位でβ−2ミクログロブリン遺伝子に挿入されるように、外因性核酸の細胞への導入を提供する。いくつかの実施形態では、外因性核酸が、5’相同性アーム及び3’相同性アームを含み、核酸配列のヌクレアーゼ切断部位での細胞ゲノムへの組換えを促進する。
本開示の外因性核酸は、前に論じられた手段のいずれかによって細胞に導入される。特定の実施形態では、外因性核酸を、ウイルスベクター、好ましくは組換えAAVベクターによって導入する。外因性核酸を導入するために有用な組換えAAVベクターは、ウイルスの細胞への形質導入及び外因性核酸配列の細胞ゲノムへの挿入を可能にする任意の血清型を有することができる。特定の実施形態では、組換えAAVベクターがAAV2又はAAV6の血清型を有する。組換えAAVベクターはまた、それらが宿主細胞において第2鎖DNA合成を必要としないように自己相補的であり得る。
別の特定の実施形態では、外因性核酸を、一本鎖DNA鋳型を用いて細胞に導入する。一本鎖DNAは、外因性核酸を含むことができ、好ましい実施形態では、相同組換えによる核酸配列のヌクレアーゼ切断部位への挿入を促進するための5’及び3’相同性アームを含むことができる。一本鎖DNAは、5’相同性アームの5’上流に5’AAV末端逆位リピート(ITR)配列、及び3’相同性アームの3’下流に3’AAV ITR配列を更に含むことができる。
2.4 医薬組成物
いくつかの実施形態では、本開示は、本開示の遺伝子改変細胞又は遺伝子改変細胞の集団と、医薬担体とを含む医薬組成物を提供する。このような医薬組成物は、公知の技術によって調製される。例えば、Remington、The Science and Practice of Pharmacy(第21版2005)を参照されたい。本開示による医薬製剤の製造では、細胞が、典型的には、薬学的に許容される担体と混和され、得られた組成物が対象に投与される。担体は、当然、製剤中の他の成分と相溶性であるという意味で許容されなければならず、対象に有害であってはならない。いくつかの実施形態では、本開示の医薬組成物が、対象の疾患の治療に有用な1種又は複数の更なる薬剤を更に含むことができる。遺伝子改変細胞が遺伝子改変ヒトT細胞(又はそれに由来する細胞)である更なる実施形態では、本開示の医薬組成物が、インビボでの細胞増殖及び生着を促進するサイトカイン(例えば、IL−2、IL−7、IL−15、及び/又はIL−21)等の生物学的分子を更に含むことができる。本開示の遺伝子改変細胞を含む医薬組成物は、更なる薬剤又は生物学的分子と同じ組成物で投与される、あるいは、別個の組成物で同時投与される。
本開示の医薬組成物は、T細胞養子免疫療法によって標的化される任意の疾患状態を治療するのに有用である。特定の実施形態では、本開示の医薬組成物が、がんの治療に有用である。このようながんには、限定されないが、癌腫、リンパ腫、肉腫、芽腫、白血病、B細胞起源のがん、乳がん、胃がん、神経芽細胞腫、骨肉腫、肺がん、黒色腫、前立腺がん、結腸がん、腎細胞癌、卵巣がん、横紋筋肉腫、白血病、及びホジキンリンパ腫が含まれ得る。一定の実施形態では、B細胞起源のがんには、限定されないが、B系列急性リンパ芽球性白血病、B細胞慢性リンパ球性白血病、及びB細胞非ホジキンリンパ腫が含まれる。
2.5 組換えAAVベクターを作製する方法
いくつかの実施形態では、本開示は、本開示の方法に使用するための組換えAAVベクターを提供する。組換えAAVベクターは、典型的には、HEK−293等の哺乳動物細胞株において産生される。ウイルスcap遺伝子及びrep遺伝子は、その自己複製が1又は複数の治療遺伝子(例えば、エンドヌクレアーゼ遺伝子)を送達する余地を作り出すのを防ぐためにベクターから除去されるので、これらをパッケージング細胞株においてトランスで提供することが必要である。更に、複製を支持するために必要な「ヘルパー」(例えば、アデノウイルス)成分を提供することが必要である(Cots D、Bosch A、Chillon M(2013)Curr. Gene Ther.13(5):370〜81)。しばしば、組換えAAVベクターを、細胞株を、「ヘルパー」成分をコードする第1のプラスミド、cap遺伝子及びrep遺伝子を含む第2のプラスミド、並びにウイルスにパッケージングされる介在DNA配列を含むウイルスITRを含む第3のプラスミドでトランスフェクトする三重トランスフェクションを用いて作製する。次いで、カプシドに包まれたゲノム(ITR及び対象となる1又は複数の介在遺伝子)を含むウイルス粒子を、凍結−解凍サイクル、超音波処理、界面活性剤、又は当技術分野で公知の他の手段によって細胞から単離する。次いで、粒子を塩化セシウム密度勾配遠心分離又はアフィニティークロマトグラフィーを用いて精製し、その後、対象となる1又は複数の遺伝子、細胞、組織、又は生物(ヒト患者等)に送達する。
組換えAAV粒子は、典型的には細胞内で産生(製造)されるので、本開示を実施する際に、部位特異的エンドヌクレアーゼがパッケージング細胞中で確実に発現されないように注意を払わなければならない。本開示のウイルスゲノムは、エンドヌクレアーゼの認識配列を含むので、パッケージング細胞株で発現される任意のエンドヌクレアーゼは、それがウイルス粒子にパッケージングされる前にウイルスゲノムを切断することができる。これは、パッケージング効率の低下及び/又は断片化したゲノムのパッケージングを生じる。以下を含むいくつかのアプローチが、パッケージング細胞におけるエンドヌクレアーゼ発現を防止するために使用される:
1.エンドヌクレアーゼは、パッケージング細胞において活性ではない組織特異的プロモータの制御下に置かれる。例えば、筋組織への1又は複数のエンドヌクレアーゼ遺伝子の送達のためのウイルスベクターを開発する場合、筋特異的プロモータを使用する。筋特異的プロモータの例としては、C5−12(Liuら(2004)Hum Gene Ther.15:783〜92)、筋特異的クレアチンキナーゼ(MCK)プロモータ(Yuasaら(2002)Gene Ther.9:1576〜88)又は平滑筋22(SM22)プロモータ(Haaseら(2013)BMC Biotechnol.13:49〜54)が挙げられる。CNS(ニューロン)特異的プロモータの例としては、NSE、シナプシン、及びMeCP2プロモータが挙げられる(Lentzら(2012)Neurobiol Dis.48:179〜88)。肝特異的プロモータの例としては、アルブミンプロモータ(Palb等)、ヒトα1−抗トリプシン(Pa1AT等)、及びヘモペキシン(Phpx等)が挙げられる(Kramer,MGら、(2003)Mol.Therapy 7:375〜85)。眼特異的プロモータの例としては、オプシン、及び角膜上皮特異的K12プロモータが挙げられる(Martin KRG、Klein RL及びQuigley HA(2002)Methods(28):267〜75)(Tong Yら、(2007)J Gene Med、9:956〜66)。これらのプロモータ又は当技術分野で公知の他の組織特異的プロモータは、HEK−293細胞において高度に活性ではなく、従って、本開示のウイルスベクターに組み込まれた場合にパッケージング細胞において有意なレベルのエンドヌクレアーゼ遺伝子発現を生じることは期待されない。同様に、本開示のウイルスベクターは、不適合組織特異的プロモータ(即ち、周知のHeLa細胞株(ヒト上皮細胞)及び肝特異的ヘモペキシンプロモータを使用)を用いる他の細胞株の使用を熟慮する。組織特異的プロモータの他の例としては、滑膜肉腫PDZD4(小脳)、C6(肝臓)、ASB5(筋肉)、PPP1R12B(心臓)、SLC5A12(腎臓)、コレステロール調節APOM(肝臓)、ADPRHL1(心臓)、及び単一遺伝子奇形症候群TP73L(筋肉)が挙げられる。(Jacox Eら、(2010)PLoS One v.5(8):e12274)。
2.あるいは、ベクターは、エンドヌクレアーゼが発現されにくい異なる種の細胞にパッケージングされる。例えば、ウイルス粒子は、非哺乳動物パッケージング細胞において活性ではない、周知のサイトメガロウイルス−又はSV40ウイルス−初期プロモータ等の哺乳動物プロモータを用いて、微生物、昆虫、又は植物細胞中で産生される。好ましい実施形態では、ウイルス粒子が、Gaoら(Gao,H.ら(2007)J.Biotechnol.131(2):138〜43)によって記載されるバキュロウイルス系を用いて昆虫細胞中で作製される。哺乳動物プロモータの制御下にあるエンドヌクレアーゼは、これらの細胞で発現する可能性が低い(Airenne,KJら(2013)Mol.Ther.21(4):739〜49)。更に、昆虫細胞は、哺乳動物細胞とは異なるmRNAスプライシングモチーフを利用する。従って、ヒト成長ホルモン(HGH)イントロン又はSV40ラージT抗原イントロン等の哺乳動物イントロンをエンドヌクレアーゼのコード配列に組み込むことが可能である。これらのイントロンは昆虫細胞においてプレmRNA転写産物から効率的にスプライシングされないので、昆虫細胞は機能的エンドヌクレアーゼを発現せず、全長ゲノムをパッケージングする。対照的に、得られた組換えAAV粒子が送達される哺乳動物細胞は、プレmRNAを適切にスプライシングし、機能的エンドヌクレアーゼタンパク質を発現する。Haifeng Chenは、HGH及びSV40ラージT抗原イントロンの使用が、昆虫パッケージング細胞中の毒性タンパク質バルナーゼ及びジフテリア毒素断片Aの発現を減弱させ、これらの毒素遺伝子を有する組換えAAVベクターの産生を可能にすることを報告した(Chen,H(2012)Mol Ther Nucleic Acids.1(11):e57)。
3.エンドヌクレアーゼ発現のために小分子誘導物質が必要とされるように、エンドヌクレアーゼ遺伝子が誘導型プロモータに作動可能に連結される。誘導型プロモータの例としては、Tet−Onシステム(Clontech;Chen H.ら、(2015)BMC Biotechnol.15(1):4))及びRheoSwitchシステム(Intrexon;Sowa G.ら、(2011)Spine、36(10):E623−8)が挙げられる。両システム及び当技術分野で公知の同様のシステムは、小分子アクチベータ(それぞれドキシサイクリン又はエクジソン)に応答して転写を活性化するリガンド誘導型転写因子(それぞれTetリプレッサー及びエクジソン受容体の変異体)に依存する。このようなリガンド誘導型転写アクチベータを用いた本開示の実施は、1)転写因子のための1又は複数の結合部位を有するエンドヌクレアーゼ遺伝子を、対応する転写因子に応答するプロモータの制御下に配置することと;2)転写因子をコードする遺伝子をパッケージングされたウイルスゲノムに含めることとを含む。転写アクチベータも同じ細胞に供給されない場合、組換えAAV送達後にエンドヌクレアーゼが標的細胞でも組織でも発現されないので、後者のステップが必要である。次いで、転写アクチベータが、同族小分子アクチベータで処理された細胞又は組織においてのみエンドヌクレアーゼ遺伝子発現を誘導する。このアプローチは、小分子誘導物質がいつ及びどの組織に送達されるかを選択することによって、エンドヌクレアーゼ遺伝子発現を空間−時間的様式で調節することができるので有利である。しかしながら、担持能力が著しく制限されたウイルスゲノムに誘導物質を含める必要性が、このアプローチの欠点を生み出す。
4.別の好ましい実施形態では、組換えAAV粒子が、エンドヌクレアーゼの発現を妨げる転写リプレッサーを発現する哺乳動物細胞株において産生される。転写リプレッサーは当技術分野で公知であり、Tetリプレッサー、Lacリプレッサー、Croリプレッサー、及びλリプレッサーを含む。エクジソン受容体等の多くの核内ホルモン受容体は、それらの同族ホルモンリガンドの非存在下で転写リプレッサーとしても作用する。本開示を実施するために、パッケージング細胞を、転写リプレッサーをコードするベクターでトランスフェクト/形質導入し、ウイルスゲノム(パッケージングベクター)中のエンドヌクレアーゼ遺伝子を、リプレッサーがプロモータをサイレンシングするように、リプレッサーのための結合部位を含むように改変されたプロモータに作動可能に連結する。転写リプレッサーをコードする遺伝子は種々の位置に置かれる。これは別のベクターにコードされる;これはITR配列の外側のパッケージングベクターに組み込まれる;これはcap/repベクター又はアデノウイルスヘルパーベクターに組み込まれる;あるいは最も好ましくは、これは構成的に発現されるようにパッケージング細胞のゲノムに安定に組み込まれる。転写リプレッサー部位を組み込むために一般的な哺乳動物プロモータを改変する方法は、当技術分野で公知である。例えばChang及びRoninsonは強力な構成的CMV及びRSVプロモータをLacリプレッサーのオペレーターを含むように改変し、改変プロモータからの遺伝子発現がリプレッサーを発現する細胞で大いに減弱することを示した(Chang BD及びRoninson IB(1996)Gene 183:137〜42)。非ヒト転写リプレッサーの使用は、エンドヌクレアーゼ遺伝子の転写が、リプレッサーを発現するパッケージング細胞においてのみ抑制され、得られる組換えAAVベクターで形質導入された標的細胞でも組織でも抑制されないことを保証する。
2.6 操作されたヌクレアーゼ変異体
本開示の実施形態は、本明細書に記載される操作されたヌクレアーゼ、特に組換えメガヌクレアーゼ及びその変異体を包含する。本開示の更なる実施形態は、本明細書に記載される組換えメガヌクレアーゼをコードする核酸配列を含む単離されたポリヌクレオチド及びこのようなポリヌクレオチドの変異体を包含する。
本明細書で使用される場合、「変異体」は、実質的に類似の配列を意味することを意図している。「変異体」ポリペプチドは、天然タンパク質の1又は複数の内部部位での1又は複数のアミノ酸の欠失又は付加、並びに/あるいは天然ポリペプチドの1又は複数の部位での1又は複数のアミノ酸の置換によって、「天然」ポリペプチドから誘導されるポリペプチドを意味することを意図している。本明細書で使用される場合、「天然」ポリヌクレオチド又はポリペプチドは、変異体が由来する親配列を含む。実施形態によって包含される変異体ポリペプチドは生物学的に活性である。即ち、これらは天然タンパク質の所望の生物学的活性;即ち、例えば、B2M13−14認識配列(配列番号2)、B2M5−6認識配列(配列番号4)、B2M7−8認識配列(配列番号6)、及びB2M11−12認識配列(配列番号8)を含む、ヒトβ−2ミクログロブリン遺伝子(配列番号1)に見られる認識配列を認識及び切断する能力を保持し続けている。このような変異体は、例えばヒトの操作から生じ得る。実施形態の天然ポリペプチド(例えば、配列番号12〜126)の生物学的に活性な変異体、又は本明細書に記載される認識半部位結合サブユニット(例えば、配列番号132〜361)の生物学的に活性な変異体は、本明細書の他の箇所に記載されている配列アラインメントプログラム及びパラメータによって決定される、少なくとも約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、又は約99%の天然ポリペプチド又は天然サブユニットのアミノ酸配列との配列同一性を有する。実施形態のポリペプチド又はサブユニットの生物学的に活性な変異体は、わずか約1〜40アミノ酸残基、わずか約1〜20、わずか約1〜10、わずか約5、わずか4、3、2、又は1アミノ酸残基しか、そのポリペプチド又はサブユニットと異ならない。
実施形態のポリペプチドは、アミノ酸の置換、欠失、切断、及び挿入を含む種々の方法で改変される。このような操作の方法は、当技術分野で一般的に知られている。例えば、アミノ酸配列変異体は、DNA中の突然変異によって調製される。突然変異誘発及びポリヌクレオチド改変のための方法は、当技術分野で周知である。例えば、Kunkel(1985)Proc.Natl.Acad.Sci.USA82:488〜492;Kunkelら(1987)Methods in Enzymol.154:367〜382;米国特許第4873192号明細書;Walker及びGaastra編(1983)Techniques in Molecular Biology(MacMillan Publishing Company、ニューヨーク)、並びにこれらの文献に引用されている参考文献を参照されたい。対象となるタンパク質の生物学的活性に影響を及ぼさない適切なアミノ酸置換に関するガイダンスは、参照により本明細書に組み込まれるDayhoffら(1978)Atlas of Protein Sequence and Structure(Natl.Biomed.Res.Found.、ワシントンD.C.)のモデルに見出される。あるアミノ酸を類似の特性を有する別のアミノ酸で交換する等の保存的置換が最適である。
得られた合理的に設計されたメガヌクレアーゼが野生型酵素と異なる半部位特異性を有するように、単独で又は組み合わせて、DNA認識配列半部位内の個々の塩基で変えられた特異性を有する組換えメガヌクレアーゼをもたらす、野生型I−CreIメガヌクレアーゼのDNA認識ドメインに対する相当な数のアミノ酸改変が以前同定された(例えば、米国特許第8021867号明細書)。表5は、認識半部位の各半部位位置(−1〜−9)に存在する塩基に基づいて特異性を増強するために組換えメガヌクレアーゼ単量体又はサブユニットにおいてなされ得る潜在的置換を提供する。このような置換を、本明細書に開示されるメガヌクレアーゼの変異体に組み込む。
ポリヌクレオチドの場合、「変異体」は、天然ポリヌクレオチド内の1又は複数の部位での1又は複数のヌクレオチドの欠失及び/又は付加を含む。当業者であれば、オープンリーディングフレームが維持されるように実施形態の核酸の変異体が構築されることを認識するであろう。ポリヌクレオチドの場合、保存的変異体には、遺伝暗号の縮重のために、実施形態のポリペプチドの1つのアミノ酸配列をコードする配列が含まれる。変異体ポリヌクレオチドには、例えば、部位特異的突然変異誘発を用いて生成されるが、実施形態の組換えメガヌクレアーゼを依然としてコードするポリヌクレオチド等の合成由来のポリヌクレオチドが含まれる。一般に、実施形態の特定のポリヌクレオチドの変異体は、本明細書の他の箇所に記載されている配列アラインメントプログラム及びパラメータによって決定される、少なくとも約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、又はそれ以上の特定のポリヌクレオチドとの配列同一性を有する。実施形態の特定のポリヌクレオチド(即ち、参照ポリヌクレオチド)の変異体は、変異体ポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドと参照ポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドとの間の配列同一性%を比較することによって評価することもできる。
本明細書に包含されるタンパク質配列の欠失、挿入、及び置換は、ポリペプチドの特徴において根本的な変化を生じることは期待されない。しかしながら、それに先立って置換、欠失、又は挿入の正確な効果を予測することが困難な場合、当業者は、ヒトβ−2ミクログロブリン遺伝子(配列番号1)内に見られる認識配列を優先的に認識及び切断する能力についてポリペプチドをスクリーニングすることによってその効果が評価されることを理解するであろう。
本開示は、以下の実施例によって更に説明されるが、これは限定的であると解釈されるべきではない。当業者であれば、日常的な実験にすぎないものを用いて、本明細書に記載される特定の物質及び手順に対する多数の等価物を認識する、又は確認することができるであろう。このような等価物は、以下の実施例に従う特許請求の範囲に包含されることが意図される。
実施例1;B2M認識配列を認識及び切断するメガヌクレアーゼの特徴付け
1.B2M13−14認識配列を認識及び切断するメガヌクレアーゼ
「B2M13−14メガヌクレアーゼ」と本明細書で総称される組換えメガヌクレアーゼ(配列番号12〜100)は、ヒトβ−2ミクログロブリン遺伝子(配列番号1)に存在するB2M13−14認識配列(配列番号2)を認識及び切断するように操作された。各B2M13−14組換えメガヌクレアーゼは、SV40に由来するN末端ヌクレアーゼ局在化シグナル、第1のメガヌクレアーゼサブユニット、リンカー配列、及び第2のメガヌクレアーゼサブユニットを含む。各B2M13−14メガヌクレアーゼの第1のサブユニットは配列番号2のB2M13認識半部位に結合する一方で、第2のサブユニットはB2M14認識半部位に結合する(図1参照)。
B2M13結合サブユニット及びB2M14結合サブユニットはそれぞれ、それぞれHVR1及びHVR2と呼ばれる56塩基対超可変領域を含む。B2M13結合サブユニットは、80位又は271位(Q又はE残基を含む)を除いてHVR1領域の外側で高度に保存されている、あるいは多くの場合、同一であり、HVR1領域内で高度に保存されている。同様に、B2M14結合サブユニットも、80位又は271位(Q又はE残基を含む)を除いてHVR2領域の外側で高度に保存されている、あるいは多くの場合、同一である。HVR1領域と同様に、HVR2領域も高度に保存されている。
配列番号12〜100のB2M13結合領域は、それぞれ配列番号132〜220として提供される。配列番号132〜220の各々は、メガヌクレアーゼB2M13−14x.479(配列番号12)のB2M13結合領域である配列番号132と少なくとも90%の配列同一性を共有する。配列番号12〜100のB2M14結合領域は、それぞれ配列番号221〜309として提供される。配列番号221〜309の各々は、メガヌクレアーゼB2M13−14x.479(配列番号12)のB2M14結合領域である配列番号221と少なくとも90%の配列同一性を共有する。
2.B2M 5−6認識配列を認識及び切断するメガヌクレアーゼ
「B2M5−6メガヌクレアーゼ」と本明細書で総称される組換えメガヌクレアーゼ(配列番号101〜113)は、ヒトβ−2ミクログロブリン遺伝子(配列番号1)に存在するB2M5−6認識配列(配列番号4)を認識及び切断するように操作された。各B2M5−6組換えメガヌクレアーゼは、SV40に由来するN末端ヌクレアーゼ局在化シグナル、第1のメガヌクレアーゼサブユニット、リンカー配列、及び第2のメガヌクレアーゼサブユニットを含む。各B2M5−6メガヌクレアーゼの第1のサブユニットは配列番号4のB2M5認識半部位に結合する一方で、第2のサブユニットはB2M6認識半部位に結合する(図1参照)。
B2M5結合サブユニット及びB2M6結合サブユニットはそれぞれ、それぞれHVR1及びHVR2と呼ばれる56塩基対超可変領域を含む。B2M5結合サブユニットは、80位又は271位(Q又はE残基を含む)を除いてHVR1領域の外側で高度に保存されている、あるいは多くの場合、同一であり、HVR1領域内で高度に保存されている。同様に、B2M5結合サブユニットも、80位又は271位(Q又はE残基を含む)を除いてHVR2領域の外側で高度に保存されている、あるいは多くの場合、同一であり、HVR2領域内で高度に保存されている。
配列番号101〜113のB2M5結合領域は、それぞれ配列番号310〜322として提供される。配列番号310〜322の各々は、メガヌクレアーゼB2M5−6x.14(配列番号101)のB2M5結合領域である配列番号310と少なくとも90%の配列同一性を共有する。配列番号101〜113のB2M6結合領域は、それぞれ配列番号323〜335として提供される。配列番号323〜335の各々は、メガヌクレアーゼB2M5−6x.14(配列番号101)のB2M6結合領域である配列番号323と少なくとも90%の配列同一性を共有する。
3.B2M 7−8認識配列を認識及び切断するメガヌクレアーゼ
「B2M7−8メガヌクレアーゼ」と本明細書で総称される組換えメガヌクレアーゼ(配列番号114〜124)は、ヒトβ−2ミクログロブリン遺伝子(配列番号1)に存在するB2M7−8認識配列(配列番号6)を認識及び切断するように操作された。各B2M7−8組換えメガヌクレアーゼは、SV40に由来するN末端ヌクレアーゼ局在化シグナル、第1のメガヌクレアーゼサブユニット、リンカー配列、及び第2のメガヌクレアーゼサブユニットを含む。各B2M7−8メガヌクレアーゼの第1のサブユニットは配列番号6のB2M7認識半部位に結合する一方で、第2のサブユニットはB2M8認識半部位に結合する(図1参照)。
B2M7結合サブユニット及びB2M8結合サブユニットはそれぞれ、それぞれHVR1及びHVR2と呼ばれる56塩基対超可変領域を含む。B2M7結合サブユニットは、80位又は271位(Q又はE残基を含む)を除いてHVR1領域の外側で高度に保存されている、あるいは多くの場合、同一であり、HVR1領域内で高度に保存されている。同様に、B2M8結合サブユニットも、80位又は271位(Q又はE残基を含む)を除いてHVR2領域の外側で高度に保存されている、あるいは多くの場合、同一であり、HVR2領域内で高度に保存されている。
配列番号114〜124のB2M7結合領域は、それぞれ配列番号336〜346として提供される。配列番号336〜346の各々は、メガヌクレアーゼB2M7−8x.88(配列番号114)のB2M7結合領域である配列番号336と少なくとも90%の配列同一性を共有する。配列番号114〜124のB2M8結合領域は、それぞれ配列番号347〜357として提供される。配列番号347〜357の各々は、メガヌクレアーゼB2M7−8x.88(配列番号114)のB2M8結合領域である配列番号347と少なくとも90%の配列同一性を共有する。
4.B2M 11−12認識配列を認識及び切断するメガヌクレアーゼ
「B2M11−12メガヌクレアーゼ」と本明細書で総称される組換えメガヌクレアーゼ(配列番号125及び126)は、ヒトβ−2ミクログロブリン遺伝子(配列番号1)に存在するB2M11−12認識配列(配列番号8)を認識及び切断するように操作された。各B2M11−12組換えメガヌクレアーゼは、SV40に由来するN末端ヌクレアーゼ局在化シグナル、第1のメガヌクレアーゼサブユニット、リンカー配列、及び第2のメガヌクレアーゼサブユニットを含む。各B2M11−12メガヌクレアーゼの第1のサブユニットは配列番号8のB2M11認識半部位に結合する一方で、第2のサブユニットはB2M12認識半部位に結合する(図1参照)。
B2M11結合サブユニット及びB2M12結合サブユニットはそれぞれ、それぞれHVR1及びHVR2と呼ばれる56塩基対超可変領域を含む。B2M11結合サブユニットは、80位又は271位(Q又はE残基を含む)を除いてHVR1領域の外側で高度に保存されている、あるいは多くの場合、同一であり、HVR1領域内で高度に保存されている。同様に、B2M12結合サブユニットも、80位又は271位(Q又はE残基を含む)を除いてHVR2領域の外側で高度に保存されている、あるいは多くの場合、同一であり、HVR2領域内で高度に保存されている。
配列番号125及び126のB2M11結合領域は、それぞれ配列番号358及び359として提供される。配列番号358及び359は、99%の配列同一性を共有する。配列番号125及び126のB2M12結合領域は、それぞれ配列番号360及び361として提供される。配列番号360及び361は、99%の配列同一性を共有する。
5.CHO細胞レポーターアッセイにおけるB2M認識配列の切断
B2M13−14、B2M5−6、B2M7−8、及びB2M11−12メガヌクレアーゼがそれらのそれぞれの認識配列(それぞれ配列番号2、4、6、及び8)を認識及び切断することができるかどうかを決定するために、以前に記載されたCHO細胞レポーターアッセイ(国際公開第2012/167192号パンフレット及び図8A〜図8D参照)を用いて、各組換えメガヌクレアーゼを評価した。アッセイを行うために、細胞のゲノムに組み込まれた非機能的緑色蛍光タンパク質(GFP)遺伝子発現カセットを保有するCHO細胞レポーター株を作製した。各細胞株のGFP遺伝子を、メガヌクレアーゼによるいずれかの認識配列の細胞内切断が機能的GFP遺伝子をもたらす相同組換え事象を刺激するように、一対の認識配列によって中断した。
この試験のために開発されたCHOレポーター細胞株では、GFP遺伝子に挿入された1つの認識配列が、B2M13−14認識配列(配列番号2)、B2M5−6認識配列(配列番号4)、B2M7−8認識配列(配列番号6)、又はB2M11−12認識配列(配列番号8)であった。GFP遺伝子に挿入された第2の認識配列は、「CHO−23/24」と呼ばれる対照メガヌクレアーゼによって認識及び切断されるCHO−23/24認識配列であった。B2M13−14認識配列及びCHO−23/24認識配列を含むCHOレポーター細胞は、本明細書で「B2M13−14細胞」と呼ばれる。B2M5−6認識配列及びCHO−23/24認識配列を含むCHOレポーター細胞は、本明細書で「B2M5−6細胞」と呼ばれる。B2M7−8認識配列及びCHO−23/24認識配列を含むCHOレポーター細胞は、本明細書で「B2M7−8細胞」と呼ばれる。B2M11−12認識配列及びCHO−23/24認識配列を含むCHOレポーター細胞は、本明細書で「B2M11−12細胞」と呼ばれる。
CHOレポーター細胞を、対応する組換えメガヌクレアーゼをコードする(例えば、B2M13−14細胞を、B2M13−14メガヌクレアーゼをコードするプラスミドDNAでトランスフェクトした)又はCHO−23/34メガヌクレアーゼをコードするプラスミドDNAでトランスフェクトした。各アッセイで、4e5CHOレポーター細胞を、製造業者の指示に従って、Lipofectamine2000(ThermoFisher)を使用して、96ウェルプレート中50ngのプラスミドDNAでトランスフェクトした。トランスフェクションの48時間後に、細胞をフローサイトメトリーによって評価して、トランスフェクトされていない陰性対照(例えば、B2M13−14bs)と比較したGFP陽性細胞の割合を決定した。図4A〜図4Jに示されるように、試験したB2M13−14、B2M5−6、B2M7−8、及びB2M11−12メガヌクレアーゼは全て、陰性対照を有意に超える頻度で、それらの対応する認識配列を含む細胞株においてGFP陽性細胞を産生することが分かった。
これらの試験は、本開示に包含されるB2M13−14メガヌクレアーゼ、B2M5−6メガヌクレアーゼ、B2M11−12メガヌクレアーゼ、及びB2M13−14メガヌクレアーゼが、細胞内でそれらのそれぞれの認識配列を効率的に標的化及び切断することができることを実証した。
実施例2;T細胞における細胞表面B2M発現の抑制
1.ヒトT細胞におけるB2M細胞表面発現の抑制
この試験は、本開示に包含される選択された数のB2M13−14メガヌクレアーゼが、ドナーから得られたヒトT細胞のB2M13−14認識配列を切断し、B2M細胞表面発現の抑制をもたらし得ることを実証した。B2MメガヌクレアーゼがヒトT細胞のB2M13−14認識配列を切断することができるかどうかを試験するために、ドナー細胞を抗CD3抗体及び抗CD28抗体で3日間刺激し、次いで、製造業者の指示に従って、Amaxa 4D−Nucleofector(Lonza)を用いて、所与のB2M13−14メガヌクレアーゼをコードするmRNA(1μg)を用いて電気穿孔した。陽性対照として、細胞を疑似電気穿孔した。電気穿孔効率についての更なる対照では、細胞を、GFPをコードするmRNA(1μg)を用いて電気穿孔した。電気穿孔の3日後、細胞を、β−2ミクログロブリンを認識する抗体(BD Biosciences)で染色し、フローサイトメトリーによって分析した。フロープロットを図5A〜図5Nに示し、データを表6に要約する。
陽性対照細胞及びGFP電気穿孔細胞は、B2M発現について圧倒的に陽性に染色され、それぞれ0.18%及び0.23%の細胞が陰性染色であった(図5A及び図5C、並びに表6)。染色されていない対照細胞は、B2M染色について99.99%陰性であった(図5B及び表6)。驚くべきことに、試験したB2M13−14メガヌクレアーゼの全てがCHOレポーターアッセイにおいて成功したが、B2M13−14x.93は、B2M遺伝子で挿入欠失をもたらし、B2M細胞表面発現を低下させ得る兆候を示した唯一のメガヌクレアーゼであり、細胞の2.18%がB2Mについて陰性染色であった(図5N及び表6)。試験した他のB2M13−14メガヌクレアーゼのいずれかを用いて電気穿孔した細胞は、0.01%〜0.14%陰性に及ぶ模擬電気穿孔対照とほぼ同等のB2M陰性細胞を示した(図5A〜5M及び表6)。これらの結果は、B2M遺伝子について、レポーター細胞におけるB2M認識配列の成功した切断が、T細胞における認識配列の切断、及びその後、B2Mの細胞表面発現低下を保証しないことを示した。
B2M13−14x.93は、ヒトT細胞のB2M認識配列に対する活性を示すB2M13−14メガヌクレアーゼの唯一のものであったので、このメガヌクレアーゼを更に改変してヌクレアーゼ活性を増加させた。本発明者らは、以前、I−CreI由来メガヌクレアーゼサブユニットのアミノ酸80位及び66位(それぞれ単鎖メガヌクレアーゼの271位及び257位に相当する)の突然変異が、おそらくは負に荷電したDNA骨格との非特異的相互作用のために、ヌクレアーゼ活性に劇的に影響し得ることを示した。一般的な置換には、アミノ酸80位のE又はQ、及びアミノ酸66位のY、K、又はRが含まれる。第1のメガヌクレアーゼサブユニット及び/又は第2のメガヌクレアーゼサブユニットのアミノ酸80位を変化させることができ、以下の考えられる組み合わせを生み出す:両メガヌクレアーゼサブユニットのE、両メガヌクレアーゼサブユニットのQ、第1のメガヌクレアーゼサブユニットのE及び第2のメガヌクレアーゼサブユニットのQ、又は第1のメガヌクレアーゼサブユニットのQ及び第2のメガヌクレアーゼサブユニットのE。アミノ酸66位はメガヌクレアーゼサブユニットのいずれでも改変することができるが、この場合、第1のメガヌクレアーゼサブユニットにおいてのみ改変する。元のB2M13−14x.93メガヌクレアーゼは、両メガヌクレアーゼサブユニットにおいてアミノ酸80位にQを有していた。
表7は、第1及び第2のメガヌクレアーゼサブユニットの80位のアミノ酸を示すE又はQ、引き続いて第1のメガヌクレアーゼサブユニットの66位で行われたアミノ酸置換により作製されたB2M13−14x.93変異体を示す。例えば、B2M13−14x.93EQY66は、第1のメガヌクレアーゼサブユニットのアミノ酸80がEであり、第2のメガヌクレアーゼサブユニットのアミノ酸80(即ち、271)がQであり、第1のメガヌクレアーゼサブユニットのアミノ酸66がYであることを示す。
B2M13−14x.93のこれらの変異体を試験するために、ドナーヒトT細胞を抗CD3抗体及び抗CD28抗体で3日間刺激し、次いで、製造業者の指示に従って、Amaxa 4D−Nucleofector(Lonza)を用いて、所与のB2M13−14メガヌクレアーゼをコードするmRNA(1μg)を用いて電気穿孔した。電気穿孔の3日後、細胞を、β−2ミクログロブリンを認識する抗体(BD Biosciences)で染色し、フローサイトメトリーによって分析した。フローサイトメトリーの結果を表7に要約する。全てのB2M13−14x.93変異体が、1.58%〜37%に及ぶノックアウト効率でB2M遺伝子を破壊することができた(表7)。最も活性のB2M13−14x.93変異体はB2M13−14x.93QEであり、これは37%のB2M陰性細胞をもたらした(表7)。次の2つの最も活性のB2M13−14x.93メガヌクレアーゼ変異体は共に、第2のメガヌクレアーゼサブユニットの80位にQを有し、66位にYを有していた(B2M13−14x.93QQY66及びB2M13−14x.93EQY66)。興味深いことに、変異体の大部分は元のB2M13−14x.93メガヌクレアーゼと著しくは異なっていなかった(B2M13−14x.93EQ、QQK66、QQR66、EEY66、EEK66、EER66、EQK66、及びEQR66)。
アミノ酸80位及び66位におけるこれらの置換は、元のB2M13−14x.93メガヌクレアーゼよりB2M13−14認識配列に対して活性なB2M13−14x.93メガヌクレアーゼをもたらしたが、更なる最適化を行って、B2M13−14メガヌクレアーゼの活性を最大化した。第1のメガヌクレアーゼサブユニットがB2M13−14x.93と同じままであるが、第2のメガヌクレアーゼサブユニットがB2M13−14認識配列と接触する位置に新しいアミノ酸置換を含む新たなB2M13−14メガヌクレアーゼを設計した。
これらの新たなB2M13−14変異体を試験するために、ドナーヒトT細胞を抗CD3抗体及び抗CD28抗体で3日間刺激し、次いで、製造業者の指示に従って、Amaxa 4D−Nucleofector(Lonza)を用いて、所与のB2M13−14メガヌクレアーゼをコードするmRNA(1μg)を用いて電気穿孔した。B2M13−14x.93QEを、以前の変異体との比較を可能にするために含めた。電気穿孔の6日後に、細胞を、β−2ミクログロブリンを認識する抗体(BD Biosciences)並びにCD3を認識する抗体(BioLegend)、T細胞のマーカーで染色した。フローサイトメトリープロットを図6A〜図6Jに示す。
この実験では、B2M13−14x.93QEが、非電気穿孔対照細胞における0.49%と比較して、21.2%のB2M陰性細胞を生じた(それぞれ図6B及び図6A)。B2M13−14x.97、B2M13−14x.199、B2M13−14x.202、B2M13−14x.169、及びB2M13−14x.275を含む新たな変異体のいくつかは、B2M13−14x.93QEよりも有意に活性であり、B2Mノックアウト効率が58.4%と高かった(図6J)。
B2M13−14メガヌクレアーゼの最終グループを作製し、ヒトT細胞上のB2Mの細胞表面発現を排除するそれらの能力について評価した。これらのヌクレアーゼは、上記変異体の1つであるB2M13−14x.169に基づいていた。第1のメガヌクレアーゼサブユニットに改変を行って代わりの塩基接触を導入した一方、第2のメガヌクレアーゼサブユニットはB2M13−14x.169と同じままであった。
ドナーヒトT細胞を抗CD3抗体及び抗CD28抗体で3日間刺激し、次いで、製造業者の指示に従って、Amaxa 4D−Nucleofector(Lonza)を用いて、所与のB2M13−14メガヌクレアーゼをコードするmRNA(1μg)を用いて電気穿孔した。B2M13−14x.202を、図6A〜図6Jに示される以前の変異体との比較を可能にするために含めた。B2M表面発現の喪失を探すために、細胞を、β−2ミクログロブリンを認識する抗体(BD Biosciences)並びにCD3を認識する抗体(BioLegend)、T細胞のマーカーで染色した。電気穿孔後3日目の変異体パネル全体のフローサイトメトリーデータを表8に要約し、40%超のB2Mノックアウト効率を示したB2M13−14メガヌクレアーゼのフロープロットを図7A〜図7Hに示す。
前の実験と同様に、B2M 13−14x.202は、60.9%のB2Mノックアウト効率を示した(表8)。試験したB2M13−14変異体のいくつかは、40%を超えるノックアウト効率を示し(図7A〜図7H)、B2M13−14x.287及びB2M13−14x.479の2つの変異体は、B2M13−14x.202の効率を上回り、陰性染色集団はそれぞれ75.7%及び67.2%であった。
上記のデータは、β−2ミクログロブリン遺伝子における二本鎖破壊を標的化するように設計されたメガヌクレアーゼの成功した操作、及びヒトT細胞におけるβ−2ミクログロブリン遺伝子に突然変異を生成するためのこのようなメガヌクレアーゼの使用が、遺伝子のノックアウトをもたらしたことを実証している。驚くべきことに、CHOレポーターアッセイで成功した11種のB2M13−14メガヌクレアーゼのうちの1つのみが、実際にB2M遺伝子の発現を排除することができた。更に、B2M遺伝子の欠失を引き起こした初期B2M13−14メガヌクレアーゼのただ1つであるB2M13−14x.93は非常に低頻度でそうであった(2.18%、表6)。B2M13−14x.93を、その活性及び特異性を最適化するために、数回の再設計に通し、最終的に60〜75%の範囲の効率でB2Mノックアウトを生成することができるいくつかのB2M13−14メガヌクレアーゼを得た(表8)。
実施例3;T細胞における細胞表面B2M及びT細胞受容体の二重ノックアウト
1.同時ヌクレオフェクションによる二重ノックアウト
β−2ミクログロブリン遺伝子と天然T細胞受容体(TCR)の両方をノックアウトすることが望ましい場合がある。本発明者らは、同様に内因性TCRの細胞表面発現を破壊するT細胞受容体α定常遺伝子(配列番号127)において二本鎖破壊を引き起こすように設計されたメガヌクレアーゼを以前記載している。このようなメガヌクレアーゼの1つはTRC1−2x.87EE(配列番号131)と呼ばれ、配列番号128に示される認識配列を標的化する。TCRの喪失は、TCRが発現されている場合にのみ細胞の表面上に発現されるCD3タンパク質に対する抗体で細胞を染色することによって観察することができる。
TRC1−2x.87EE及びB2M13−14メガヌクレアーゼを、TRC遺伝子とB2M遺伝子の両方がノックアウトされた細胞の集団を作製するために使用することができるかどうかを試験するために、これらのメガヌクレアーゼをコードする別個のmRNAをヒトT細胞に同時に送達する実験を行った。第1の試験で、ドナーヒトT細胞を抗CD3抗体及び抗CD28抗体で2日間刺激し、次いで、製造業者の指示に従って、Amaxa 4D−Nucleofector(Lonza)を用いて、B2M13−14x.202をコードするmRNA(1μg)及びTRC1−2x.87EEをコードするmRNA(1μg)を用いて同時電気穿孔した。対照として、ヒトT細胞を模擬電気穿孔した、又はB2M13−14x.202若しくはTRC1−2x.87EEのいずれかの単一メガヌクレアーゼをコードするmRNAを用いて電気穿孔した。電気穿孔の6日後、細胞をCD3に対する抗体及びB2Mに対する抗体で染色し、フローサイトメトリーによって分析した(図8A〜図8D)。TRC1−2x.87EE単独で電気穿孔した細胞は、模擬電気穿孔細胞(図8A)の2.35%と比較して57.6%のTCR陰性であり(図8B)、B2M13−14x.202単独で電気穿孔した細胞は、模擬電気穿孔細胞(図8A)の0.72%と比較して、49.4%B2M陰性(図8C)であった。B2M13−14x.202をコードするmRNA及びTRC1−2x.87EEをコードするmRNAを用いて同時電気穿孔した細胞は、模擬電気穿孔細胞(図8A)の0.66%と比較して、細胞の21.5%がB2M発現とTCR発現の両方について陰性である(図8D)はっきりした集団を示す。両メガヌクレアーゼについてmRNAを用いて同時電気穿孔した細胞では、TCR及びB2Mに対する単一ノックアウト効率は、それぞれ28.3%及び16.7%であった。
第2の試験で、ドナーヒトT細胞を抗CD3抗体及び抗CD28抗体で2日間刺激し、次いで、製造業者の指示に従って、Amaxa 4D−Nucleofector(Lonza)を用いて、B2M13−14x.169をコードするmRNA(1μg)及びTRC1−2x.87EEをコードするmRNA(1μg)を用いて同時電気穿孔した。対照として、ヒトT細胞を模擬電気穿孔した、又はB2M13−14x.169若しくはTRC1−2x.87EEのいずれかの単一メガヌクレアーゼをコードするmRNAを用いて電気穿孔した。電気穿孔の6日後、細胞をCD3に対する抗体及びB2Mに対する抗体で染色し、フローサイトメトリーによって分析した(図9A〜図9D)。TRC1−2x.87EE単独で電気穿孔した細胞は、模擬電気穿孔細胞(図9A)の2.35%と比較して57.6%のTCR陰性であり(図9B)、B2M13−14x.169単独で電気穿孔した細胞は、模擬電気穿孔細胞(図9A)の0.72%と比較して、28.1%B2M陰性(図9C)であった。B2M13−14x.169をコードするmRNA及びTRC1−2x.87EEをコードするmRNAを用いて同時電気穿孔した細胞は、模擬電気穿孔細胞(図9A)の0.66%と比較して、細胞の15.4%がB2M発現とTCR発現の両方について陰性であった(図9D)はっきりした集団を示す。両メガヌクレアーゼについてmRNAを用いて同時電気穿孔した細胞では、TCR及びB2Mに対する単一ノックアウト効率は、それぞれ33.7%及び13.0%であった。
2.逐次ヌクレオフェクションによる二重ノックアウト
B2M13−14メガヌクレアーゼをコードするmRNA及びTRC1−2x.87EEメガヌクレアーゼをコードするmRNAを用いたヒトT細胞の同時電気穿孔は、B2M/TCR二重陰性集団を作製するのに有効であるが、メガヌクレアーゼmRNAの逐次電気穿孔を使用して、二重ノックアウト集団を作製するのも有用となり得る。
これを試験するために、ドナーヒトT細胞を抗CD3抗体及び抗CD28抗体で3日間刺激し、次いで、製造業者の指示に従って、Amaxa 4D−Nucleofector(Lonza)を用いて、B2M13−14x.93QEをコードするmRNA(1μg)を用いて電気穿孔した。電気穿孔の4日後、ビオチン化抗B2M抗体(BioLegend)及びヒトビオチン選択カクテルキット(StemCell technologies)を用いてB2M陰性細胞を濃縮し、B2Mに対する抗体で染色した後のフローサイトメトリー分析によって示される88.15%B2M陰性(図10B)の細胞の集団を得た。B2M陰性濃縮細胞を抗CD3抗体及び抗CD28抗体で3日間再刺激し、次いで、製造業者の指示に従って、Amaxa 4D−Nucleofector(Lonza)を用いて、TRC1−2x.87EEをコードするmRNA(1μg)を用いて電気穿孔した。電気穿孔の5日後、細胞をB2M及びTCRに対する抗体で染色し、フローサイトメトリーによって分析した(図10C)。これらの細胞の31.67%は、出発集団(図10A)の0.58%と比較して、B2MとTCRの両方の表面発現について陰性であり、B2M13−14及びTRC1−2メガヌクレアーゼをコードするmRNAを用いた細胞の逐次電気穿孔もまたヒトT細胞のB2M/TCR二重陰性集団を作製する有効な方法であることを示している。
次いで、B2M/TCR二重陰性細胞の高度に精製された集団を濃縮することができるかどうかを決定した。この試験では、ドナーヒト末梢血単核細胞(PMBC)を抗CD3抗体及び抗CD28抗体で2日間刺激し、次いで、製造業者の指示に従って、Amaxa 4D−Nucleofector(Lonza)を用いて、B2M13−14x.93QEをコードするmRNA(1μg)を用いて電気穿孔した。B2M陰性細胞を上記のように濃縮した。次いで、細胞を抗CD3抗体及び抗CD28抗体で3日間再刺激し、TRC1−2x.87EEをコードするmRNAを用いて電気穿孔した。電気穿孔の6日後、CD3陰性細胞を、CD3陽性選択キット(StemCell Technologies)を用いて濃縮し、引き続いてビオチン化抗B2M抗体及びビオチン選択キット(StemCell Technologies)を用いてB2M陰性細胞を更に濃縮した。濃縮細胞をIL−2、IL−7、及びIL−15の存在下で3日間インキュベートし、次いで、B2M及びCD3に対する抗体で染色し、フローサイトメトリーによって分析した(図11A〜図11C)。図11A及び図11Bは、抗CD3単独(図11A)又は抗CD3と抗B2M(図11B)のいずれかで染色した出発PBMCを示す。B2M13−14をコードするmRNAを用いた逐次電気穿孔、次いでTRC1−2x.87EEをコードするmRNA、続いてCD3抗体及びB2M陰性細胞の濃縮により、98.5%のB2M/TCR二重陰性である集団を得た(図11C)。
3.B2M/TCR二重ノックアウトT細胞の濃縮及び増殖集団の作製
B2M13−14メガヌクレアーゼをコードするmRNAとTRC1−2x.87EEをコードするmRNAの同時電気穿孔は、B2M/TCR二重陰性ヒトT細胞の治療的に関連する量(即ち、1000万個超の細胞)の製造及び作製を可能にし得る。1000万個超のB2M/TCR二重陰性細胞を作製するため、ヒトT細胞を抗CD3抗体及び抗CD28抗体で3日間刺激し、次いで、Amaxa 4D−Nucleofector(Lonza)を用いて、B2M13−14x.479をコードするmRNA及びTRC1−2x.87EEをコードするmRNAを用いて電気穿孔する。典型的な実験では、各試料について100万個の細胞を電気穿孔する。治療的に関連する量のB2M/TCR二重陰性細胞を製造するために、1000万個もの細胞を電気穿孔する。電気穿孔後、細胞をIL−2(30ng/mL)及びIL−7(10ng/mL)を含む培地で7日間インキュベートする。B2M/TCR二重陰性細胞を、CD3陽性選択キット(StemCell Technologies)を用いて濃縮し、引き続いてビオチン化抗B2M抗体及びビオチン選択キット(StemCell Technologies)を用いてB2M陰性細胞を濃縮する。B2M及びCD3に対する抗体を用いたフローサイトメトリーによって純度を評価する。B2M/TCR二重陰性細胞を、IL−2(30ng/mL)及びIL−7(10ng/mL)を含む培地で更に7日間インキュベート及び増殖させる。
実施例4;B2MノックアウトT細胞の減少したアロゲニシティ
1.細胞傷害性アッセイにおけるB2MノックアウトT細胞の評価
この試験の目的は、B2MノックアウトT細胞がB2M陽性T細胞と比較して減少したアロゲニシティを示すかどうかを実証することであった。
ここでは、2人の不適合ドナー由来の凍結PBMCバイアルを、ImmunoSpot(C.T.L.−カタログ番号CTL−CP1ロット20060906(ドナー36)及び20110525(ドナー75))から得た。彼らのHLAクラスIの分類は表9に示されている。
戦略は、不適合樹状細胞(DC)(他のドナーから産生された)を用いて、アロ抗原に対して各ドナーからのT細胞をプライミングすることであった。これらのアロ感作T細胞は、細胞傷害性アッセイにおいてエフェクターとして役立った。手短に言えば、凍結PBMCを解凍し、2%HABSを含むX−VIVO15(Lonza)中で培養することによって、DCを作製した。細胞をT75フラスコ中で培養し、1時間インキュベートして単球前駆体を接着させた。非接着細胞を取り出し、10ng/mLのIL−2中で別々に培養した。接着細胞を、800U/mL組換えヒト(rh)GM−CSF及び500U/mL rhIL−4を補充したX−VIVO+2%HABS20mLで培養した。酵素を含まない解離緩衝液(Life Technologies)を用いて接着DCを収穫した。次いで、収穫したDCを、5:1のT細胞:DC比で、磁気濃縮CD8+T細胞と共に5日間共培養した。
別々の培養物で、各ドナーからのT細胞をB2M13−14x.479メガヌクレアーゼで編集した。B2M陰性及びB2M陽性T細胞が、細胞傷害性アッセイの標的として役立った。手短に言えば、ドナーヒトT細胞を、抗CD3抗体、抗CD28抗体、及び抗CD2抗体の多量体からなるStem Cell Technologiesから購入した試薬ImmunoCultで刺激した。刺激は、製造業者の指示に従って、Amaxa 4D−Nucleofector(Lonza)を用いて、B2M13−14x479mRNA1μgで電気穿孔する前に3日間行った。対照として、ヒトT細胞をmRNAの非存在下で電気穿孔した。電気穿孔の6日後に、B2M13−14x.479mRNAで電気穿孔した細胞を、B2Mに対するビオチン化抗体及び抗ビオチン磁気分離キット(Stem Cell Technologies)を用いてB2M陰性細胞について濃縮した。B2M陰性及び対照B2M陽性細胞を、製造者の指示に従って2μMのCellTrace Violet(Life Technologies)で標識した。
細胞傷害性を測定するために、ドナー36からのアロ感作T細胞を、ドナー36(同系対照)又はドナー75(同種異系試料)のいずれかからのB2M陽性又はB2M陰性CellTrace Violet標識T細胞と共に培養した。同様にドナー75からのアロ感作T細胞、及びドナー75(同系対照)又はドナー36(同種異系試料)のいずれかからのB2M陽性又はB2M陰性CellTrace Violet標識T細胞を用いて共培養を行った。共培養は、5:1のエフェクター:標的比で7時間行った。インキュベーションの7時間後、細胞を、販売業者の推奨濃度でVAD−FMK−FITC(CaspACE−Promega)及びB2Mに対する蛍光抗体で標識した。複製プレートを18時間培養し、IFNγ(ELISA、BioLegend製のキットを使用)及び乳酸脱水素酵素(LDH)(Thermo−Fisher製のキットを使用)等の分泌物質の分析のために上清を回収した。
標的をそのCellTrace Violetシグナルに基づいて同定し、CD8+T細胞によって死滅した頻度を、そのVAD−FMK−FITCシグナルによって評価した。CTLアッセイの結果を図12A〜図12Hに示す。アロ感作T細胞は同系標的において有意なVAD−FMK−FITCシグナルを誘導しないが、同種異系標的は24〜27%VAD−FMK−FITC+であり、エフェクター生成パーフォリンA及びグランザイムBが不適合標的でアポトーシスを誘発していることを示している。VAD−FMK−FITCシグナルは、標的細胞がB2M十分である同種異系培養でのみ検出される。B2Mノックアウト標的細胞は同種抗原感作T細胞によって死滅しない。
この所見は、18時間培養上清中の分泌物質の分析によって支持される。IFNγの同種異系T細胞分泌は、B2M陽性標的を含む培養物と比較して、B2M陰性標的を含む共培養物において66〜75%減少する(図13)。標的細胞がB2M発現を欠く場合、死滅標的細胞によるLDH放出も同様に低下する(図14)。
そのため、B2Mノックアウト細胞が、同種抗原プライミング細胞傷害性リンパ球による死滅に対する感受性低下を示すことが観察された。
実施例5;TCR及びB2M二重ノックアウトT細胞におけるキメラ抗原受容体の発現
1.組換えAAVベクター
この試験では、相同組換えを介して、TRC1−2認識配列(配列番号128)でヒトT細胞のゲノムにキメラ抗原受容体をコードする外因性核酸配列を導入するように組換えAAVベクターを設計する。各組換えAAVベクターを、以前に記載された三重トランスフェクションプロトコルを用いて調製する。この試験のために調製した組換えAAVベクターは、自己相補的又は一本鎖AAVベクターであり得る。いずれの場合も、組換えAAVベクターは、一般に、5’ITR、5’相同性アーム、キメラ抗原受容体をコードする核酸配列、SV40ポリ(A)シグナル配列、3’相同性アーム及び3’ITRを含む。これらの試験は更に、AAV形質導入効率についての陽性対照として組み込まれるGFPをコードするAAVベクター(GFP−AAV)の使用を含む。
2.同時のキメラ抗原受容体配列のTRC1−2認識配列への導入とB2Mのノックアウト。
キメラ抗原受容体配列をTCRα定常領域遺伝子に挿入するためにTRC1−2x.87EEと合わせて組換えAAVベクターを同時に使用しながら、B2Mをノックアウトする効率を決定するための試験を行う。CARのTCRα定常領域への挿入は、内因性TCRの発現を排除するので、B2M13−14メガヌクレアーゼによってB2Mもノックアウトされた細胞は、CAR陽性、B2M/TCR二重陰性である。
一般に、ヒトT細胞を、B2M13−14メガヌクレアーゼをコードするmRNA及び1−2x.87EEをコードするmRNAで同時電気穿孔し、次いで直ちにTRC1−2認識部位遺伝子座と相同性の隣接CARをコードするAAVベクターで形質導入する。B2M13−14メガヌクレアーゼはB2M遺伝子の欠失を引き起こし、細胞表面でのB2Mのノックアウトをもたらすが、TRC1−2メガヌクレアーゼはTRC1−2認識部位での二本鎖破壊を引き起こし、相同組換えを通してAAVベクターによる組換えを刺激する。
これらの試験で、ヒトCD3+T細胞を得て、抗CD3抗体及び抗CD28抗体で3日間刺激し、次いで、製造業者の指示に従って、Amaxa 4D−Nucleofector(Lonza)を用いて、TRC1−2x.87EEをコードするmRNA及びB2M13−14メガヌクレアーゼをコードするmRNAを用いて同時電気穿孔する。細胞を、TRC1−2認識部位遺伝子座と相同性の隣接CARをコードする組換えAAVベクターで直ちに形質導入する。B2M13−14メガヌクレアーゼはB2M遺伝子の欠失を引き起こし、細胞表面でのB2Mのノックアウトをもたらすが、TRC1−2メガヌクレアーゼはTRC1−2認識部位での二本鎖破壊を引き起こし、相同組換えを通してAAVベクターによる組換えを刺激する。形質導入効率を確認するために、メガヌクレアーゼでトランスフェクトしたヒトCD3+T細胞の別の群を、上記のようにトランスフェクション直後にGFP−AAV(細胞1個あたり1e5ウイルスゲノム)で形質導入する。形質導入の72時間後にGFP発現についてフローサイトメトリーにより細胞を分析して、形質導入効率を決定する。
形質導入のみの対照として、細胞を模擬トランスフェクションし(水で)、組換えAAVベクターで形質導入する。メガヌクレアーゼのみの対照については、細胞をTRC1−2x.87EEをコードするmRNAとB2M13−14メガヌクレアーゼをコードするmRNAで同時トランスフェクトし、次いで、トランスフェクション直後に(水で)模擬形質導入する。
キメラ抗原受容体配列の挿入を、TCRα定常領域遺伝子中の切断部位の配列決定によって確認する。キメラ抗原受容体の細胞表面発現を、抗Fab又は特定の場合には抗CD19抗体を用いるフローサイトメトリーによって確認する。細胞表面での内因性T細胞受容体及びB2Mのノックアウトを、前記のフローサイトメトリーによって決定する。
実施例6;別個の認識配列を標的化する2つのメガヌクレアーゼをコードするバイシストロン性mRNA
1.バイシストロン性mRNA変異体の設計及び評価
この試験の目的は、ヒトT細胞の複数の遺伝子標的のノックダウンについて2つのメガヌクレアーゼを同時にコードするバイシストロン性mRNAの使用を評価することであった。以下の通り、配列がIRES、T2A、P2A、E2A、又はF2A配列によって分離された、いくつかの変異体mRNAを、異なる配向のTRC1−2x.87Eメガヌクレアーゼ配列及びB2M13−14x.479配列を使用して設計した:
この試験では、ドナーヒトT細胞を、抗CD3抗体、抗CD28抗体、及び抗CD2抗体の多量体からなるImmunoCult(Stem Cell Technologies)で刺激した。刺激は、製造業者の指示に従って、Amaxa 4D−Nucleofector(Lonza)を用いて、上記のバイシストロン性mRNAの1つ1μgで電気穿孔する前に3日間行った。更に、ドナーヒトT細胞を、1μgのTRC1−2x.87EE mRNA又はB2M13−14x.479RNAを用いて電気穿孔した。細胞の更なる試料を、両方の個々のヌクレアーゼmRNAの各1μgを用いて電気穿孔した。対照として、ヒトT細胞をmRNAの非存在下で電気穿孔した。電気穿孔の3日後及び7日後に、バイシストロン性mRNAを用いて電気穿孔した細胞をCD3(TRCノックダウンを決定するため)に対する抗体及びB2Mに対する抗体で染色し、フローサイトメトリーによって分析した。
細胞数及び生存率の評価を、表11に示されるように、電気穿孔後3日目(図示せず)及び7日目に行った。サイトメトリー分析によって、TRAC遺伝子が編集された(TRC KO)、B2M遺伝子が編集された(B2M KO)、又は両遺伝子が編集された(dKO)細胞を同定した(図15A〜図15N)。
表11及び図15A〜図15Nに示されるように、2つのヌクレアーゼRNAの送達は、最高頻度のdKO細胞(17.1%)、引き続いてB2M−IRES−TRC(16.3%)、B2M−T2A−TRC(12.8%)、B2M−E2A−TRC(12.6%)、及びTRC−IRES−B2M(11.3%)をそれぞれもたらした。残りのヌクレアーゼは、約半分の頻度のdKO細胞を個々のRNAとして生成した。RNAは種々の程度でT細胞に対する毒性を示した。更に、各個々のメガヌクレアーゼを使用すると最高のdKO%をもたらしたが、産生されたdKO細胞の総数は、B2M−T2A−TRC(0.891×10^6)、B2M−IRES−TRC(0.817×10^6)、及びTRC−P2A−B2M(0.768×10^6)を用いた場合に最高であった。
これらの実験は、2つのメガヌクレアーゼを真核細胞に送達して2つの別個の遺伝子標的、この場合、TRC及びB2M認識配列を同時に編集及び/又はノックダウンするために、バイシストロン性mRNAを用いることの有用性を明らかに実証している。7日間の培養期間にわたる細胞の生存率及び増殖を考慮すると、最高頻度のdKO細胞を含む培養物は、必ずしも最大数のdKO細胞を含むものではなかった。B2M−T2A−TRC及びB2M−IRES−TRCは、遺伝子と生存可能な編集された細胞の増殖の両方の最良の編集を可能にした。
2.バイシストロン性mRNAの滴定
この試験の目的は、ヒトT細胞のTRC及びB2M認識配列を標的化するためのバイシストロン性mRNAの最適濃度を決定することであった。前の実施例に記載されるように、ヒトT細胞における同時発現及び標的化のためのTRC1−2x.87EE配列及びB2M−13−14x.479配列を含むいくつかのバイシストロン性mRNAを開発した。試験した中でも、B2M−IRES−TRC、B2M−T2A−TRC、TRC−P2A−B2M、及びTRC−T2A−B2Mを、更なる評価のために選択した。
ここで、B2M−IRES−TRC、B2M−T2A−TRC、TRC−P2A−B2M、又はTRC−T2A−B2M mRNAを、増加する濃度でドナーヒトT細胞に導入し、細胞表面CD3のノックダウン率(TRCノックダウンを示した)及びB2Mを決定した。手短に言うと、製造業者の指示に従ってAmaxa 4D−Nucleofector(Lonza)を使用して、上記のB2M−IRES−TRC、B2M−T2A−TRC、TRC−P2A−B2M、又はTRC−T2A−B2M mRNA1、2、又は4μgで電気穿孔する前に、ドナーヒトT細胞をImmunoCultで3日間刺激した。比較のために、ドナーヒトT細胞をTRC1−2x.87EE1μg又はB2M13−14x.479 1μgを用いて電気穿孔した。更に、ドナーヒトT細胞を、0.5μgの各ヌクレアーゼ又は1μgの各ヌクレアーゼの用量を使用して、別々のRNA分子にコードされた両ヌクレアーゼを用いて電気穿孔した。対照として、ヒトT細胞をRNAなしで電気穿孔した。電気穿孔の7日後に、細胞を計数し、トリパンブルーを用いて生存率を評価した。細胞をCD3(TRCノックダウンを決定するため)に対する抗体及びB2Mに対する抗体で染色し、フローサイトメトリーによって分析し、同様にゴースト色素780で染色して死細胞を分析から除外した。
図16A〜図16P及び表12に示されるように、ドナーのヒトT細胞に電気穿孔されるバイシストロン性mRNAの量を増加させると、一般に、培養物中のdKO細胞の頻度が増加したが、場合によっては、電気穿孔7日後に存在する生細胞の総数が減少した。
B2M−IRES−TRCについては、より高用量のRNAが耐容性は良好であったが、dKO細胞の頻度又は数を必ずしも増加させなかった。B2M−T2A−TRCについては、より多量のRNAが耐容性が良好であり、より高いdKO頻度及びより多くのdKO細胞をもたらした。TRC−P2A−B2Mについてもこれが当てはまったが、より高いRNA用量で細胞生存率は低下した。TRC−T2A−B2Mは高用量で耐容性が良好であるように見えたが、堅牢な細胞増殖を明らかに可能にしなかった。この実験で、B2M−T2A−TRCは、別個のmRNA分子上の2つのヌクレアーゼでT細胞を電気穿孔するよりも、わずかに高い頻度及び数のdKO細胞を産生するようである。
そのため、バイシストロン性mRNAの量を増加させることによって、より高い頻度及び数のdKO細胞を達成することができた。具体的には、B2M−T2A−TRC4μgが、この実験において最も多くの標的細胞をもたらし、それぞれTRC及びB2Mの各1μgより優れていた。
実施例7;バイシストロン性mRNA及びAAVを用いた抗CD19 CAR T細胞の作製
1.バイシストロン性mRNAを用いたT細胞の電気穿孔及びAAVによる形質導入
この試験の目的は、T細胞受容体及びB2Mの二重ノックアウトを有するCD19CAR−T細胞を製造するためのバイシストロン性mRNAの使用を評価することであった。前の実施例に記載されるように、ヒトT細胞における同時発現及び標的化のためのTRC1−2x.87EE配列及びB2M−13−14x.479配列を含むいくつかのバイシストロン性mRNAを開発した。試験したものの中で、その最適濃度を決定した後、B2M−IRES−TRCを更なる評価のために選択した。
ここで、B2M−IRES−TRCをAAVベクターと共に使用して、キメラ抗原受容体をコードする外因性核酸配列を、相同組換えを介して、TRC1−2認識配列でヒトT細胞のゲノムに導入し、同時にT細胞受容体とB2Mの両方の細胞表面発現をノックアウトした。AAVベクターは、相同性アームが隣接した、前に記載した抗CD19CARコード配列を含む核酸を含んでいた。CARカセットの発現をJeTプロモータによって駆動した。AAVベクターは、ドナープラスミドからVirovek(Hayward、CA)によって調製した。
これらの実験では、ドナーヒトT細胞を得て、電気穿孔の前にImmunoCult(Stem Cell Technologies)で3日間刺激した。次いで、3μg/1×106個の細胞を、製造業者の指示に従ってAmaxa 4D−Nucleofector(Lonza)を使用して、上記のバイシストロン性B2M−IRES−TRC mRNAを用いて電気穿孔した。細胞を、TRC1−2認識部位遺伝子座との相同性アームが隣接する抗CD19CARをコードする組換えAAVベクターで直ちに形質導入した。対照として、細胞を、AAV形質導入の前に、1μgのTRC1−2x87EE RNAを用いて電気穿孔した。更に、B2M−IRES−TRC及びTRC1−2x.87EE電気穿孔細胞を模擬形質導入した。
電気穿孔/形質導入の3日後及び6日後に、編集された細胞をCD3(TRCノックダウンを決定するため)に対する抗体及びB2Mに対する抗体並びにCARを検出するためのビオチン化組換えCD19−Fc融合タンパク質で染色した。ストレプトアビジン−PEをCAR染色のための二次検出試薬として使用した。CD3、B2m、及びCARレベルをフローサイトメトリーによって評価した。
2.結果
電気穿孔後6日目にCD3、B2M、及びCAR発現レベルのサイトメトリー測定を行い、これを図17A〜図17Hに示す。TRC1−2x.87EEはCD3−イベントの集団(67.3%)を生成したが(図17A)、B2M発現は変化しなかった。B2M−IRES−TRCは、CD3発現(17.3%)、B2M発現(19.7%)、又は両マーカーの発現(30.7%)を欠く集団を生成した(17B)。模擬形質導入培養物を使用して、CAR染色についてのベースラインを設定し(17C及び17D)、TRC1−2x.87EE(22.2%CD3−/CAR+)(17E)又はB2M−IRES−TRC(15.7%CD3−/CAR+)(17F)のいずれかで電気穿孔した形質導入培養物についてCAR発現を決定した。CAR+/CD3−イベントのゲーティングは、B2M−IRES−TRC培養物においてCAR T細胞の67%が細胞表面B2M発現を欠いていたことを示している(17H)。
3.結論
バイシストロン性mRNAは、細胞表面TRC及びB2Mに対して陰性であるCAR−T細胞を作製するためにAAVと組み合わせて使用すると有効であった。