JP6845769B2 - 脂質二分子膜基板 - Google Patents
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本発明の第1態様に係る脂質二分子膜基板は、孔部が設けられた基板を備え、前記孔部の開口が脂質二分子膜で被覆された脂質二分子膜基板であって、前記脂質二分子膜により被覆されていない前記脂質二分子膜基板の最表面がウシ血清アルブミンで被覆されており、前記脂質二分子膜の脂質分子の種類が電荷を持たない中性脂質分子である。
上記第1態様に係る脂質二分子膜基板において、前記脂質二分子膜で被覆された前記孔部が前記基板に複数設けられていてもよい。
上記第1態様に係る脂質二分子膜基板は、更に、前記孔部の底部に電極を有してもよい。
前記電極が銀及び塩化銀からなる電極(銀−塩化銀電極)であってもよい。
前記中性脂質分子がジフィタニルホスファチジルコリンであってもよい。
本発明の一実施形態に係る脂質二分子膜基板は、孔部が設けられた基板を備え、前記孔部の開口が脂質二分子膜で被覆されている。また、本実施形態の脂質二分子膜基板において、脂質二分子膜により被覆されていない脂質二分子膜基板の最表面がタンパク質で被覆されている。
一方、本実施形態の脂質二分子膜基板は、イオン流入が抑制されている。そのため、本実施形態の脂質二分子膜基板を用いることで、分子レベルでの膜タンパク質の機能計測が可能となる。さらに、本実施形態の脂質二分子膜基板において、孔部を複数設けてアレイ化することで、創薬分野でのハイスループットスクリーニングへの応用等が期待される。
図1は、本実施形態における脂質二分子膜基板の一例を示した概念図である。本実施形態における脂質二分子膜基板は、光学的手法(蛍光測定)を利用した膜タンパク質の機能の測定に好適な脂質二分子膜基板としての態様である(以下、「脂質二分子膜基板1」と称する場合がある)。
また、孔部20内部には、蛍光物質22が配置されている。
以下、各構成について詳述する。
基板10の材質は、蛍光顕微鏡による孔部20の蛍光観察を妨げない材質であればよい。基板10の材質として、例えば、シリコン酸化物、シリコン窒化物、石英、マイカ、ガラス等を挙げることができる。
基板10は、孔部20を有している。孔部20の数は特に限定されず、例えば1〜10000個であることが好ましい。孔部20の形状は、底面を有する凹状の孔である。
基板10の表面には、薄膜層11が設けられている。脂質二分子膜による孔部20の被覆効率を上げるために、脂質二分子膜基板1における薄膜層11は、オーバーハング部(ひさし部)11aを有することが好ましい。オーバーハング部11aは、基板10の天面を延長するように、孔部20の開口部21の幅を狭める方向に延びるように形成されている。オーバーハング部11aでは、脂質二分子膜30と孔部20の内側壁との引力が弱くなることに加え、側壁に沿って脂質二分子膜30が落ち込む時に働く脂質の屈曲応力を大きくできる。そのため、脂質二分子膜30が孔部20内に落ち込むことなく安定に支持させることができる。
本明細書において、「脂質二分子膜」とは、片方の末端に親水性の官能基を有し、もう片方の末端に疎水性の脂肪酸を有する脂質分子が、親水性の官能基を外側に、疎水性の脂肪酸を内側にして並び、二重層構造を形成した膜を意味する。また、「巨大脂質膜ベクシル」とは、上記脂肪二分子膜が水溶液中で小胞(ベクシル)化し、その平均粒径がμmオーダー以上のものを意味する。
中でも、脂質二分子膜30の脂質分子の種類としては、脂質二分子膜上への後述するタンパク質の吸着を抑制できることから、電荷を持たない中性脂質分子であることが好ましく、ジフィタニルホスファチジルコリンであることがより好ましい。
電界形成法は、酸化インジウムスズ(ITO)等の電極上に、脂質分子を薄膜化した後、交流電場をかけて水溶液中に巨大脂質膜ベシクルを形成する手法である。サイズのそろったベシクルを得るためには、ITO基板上に厚さ数十nm〜数μmの均一な脂質分子の薄膜を形成することが好ましく、また、交流電場は数百mV〜2V程度の印加条件が好ましい。交流電場が上記下限値以上であることで、ベシクルの収量がより高くできる。一方、交流電場が上記上限値以下であることで、ベシクルの構造破壊や水の電気分解が生じることをより防ぐことができる。
なお、図2に示すように、脂質二分子膜30は、膜タンパク質31を備えていてもよい。図2に示した本実施形態の脂質二分子膜基板において、例えば、蛍光強度の変化を、蛍光顕微鏡で観察することにより、膜タンパク質31の機能測定を行うことができる。膜タンパク質31を脂質二分子膜30へ配置する方法は、ベシクルフュージョン法等の公知の方法を適用できる。
タンパク質15の種類としては、例えば、ウシ血清アルブミン(Bovine serum albumin:BSA)、カゼイン、グロブリン等を挙げられる。また、カゼインを含有するスキムミルクやグロブリンを含有する血清等を用いてもよい。タンパク質膜の均一性や価格の安価さから、タンパク質15の種類としては、BSAであることが好ましい。
また、孔部20内部には、孔部内のイオン濃度変化計測のために、蛍光物質22が配置されていてもよい。
「蛍光物質」としては、例えば、カルシウムイオンと結合することで蛍光特性が変化する蛍光プローブ、pH依存的に蛍光強度が変化する蛍光プローブ、塩素イオン濃度に比例して蛍光強度が変化する蛍光プローブ等が挙げられる。
蛍光物質として具体的には、例えば、1−[6−Amino−2−(5−carboxy−2−oxazolyl)−5−benzofuranyloxy]−2−(2−amino−5−methylphenoxy)ethane−N,N,N’,N’−tetraacetic acid,pentapotassium salt(試薬名:Fluo2)、1−[2−Amino−5−(2,7−dichloro−6−hydroxy−3−oxo−9−xanthenyl)phenoxy]−2−(2−amino−5−methylphenoxy)ethane−N,N,N’,N’−tetraacetic acid(試薬名:Fluo3)、1−[2−Amino―5−(2,7−difluoro−6−acetoxymethoxy−3−oxo−9−xanthenyl)phenoxy]−2−(2−amino−5−methylphenoxy)ethane−N,N,N’,N’−tetraacetic acid,tetra(acetoxymethyl) ester(試薬名:Fluo4−AM)、2’,7’−Bis(carboxyethyl)−4 or 5−carboxyfluorescein(試薬名:BCECF)、N−Ethoxycarbonylmethyl−6−methoxyquinolinium bromide(試薬名:MQAE)等が挙げられる。
本発明の一実施形態に係る脂質二分子膜基板は、更に、孔部の底部に電極を有する。
本実施形態の脂質二分子膜基板2は、孔部20の内部に電極40が埋め込まれている。
電極40の材質としては、例えば、銀、塩化銀、銀表面を塩化銀で加工したもの(銀−塩化銀)、金、白金等が挙げられる。中でも、銀−塩化銀であることが好ましい。
また、電極の材質が金である場合、電解質溶液中で金表面に形成される電気二重層がしばしば微小な膜タンパク質のチャネル電流計測の妨げになる場合がある。よって、電極40は銀−塩化銀等からなる不分極電極であることが好ましい。なお、電極40は、後述の実施例(図13参照)に示すように、金等からなる電極40の上に、銀−塩化銀等からなる不分極電極60が積層された構造であってもよい。
図1に示す構成を有する脂質二分子膜基板を作製した。
まず、基板本体10には、シリコン基板を用いた。基板本体10の上面に、120nmの厚さのシリコン酸化膜層による薄膜層11を、熱酸化法により形成した。さらに、フォトリソグラフィ法及びドライエッチング法を用いて、円形状の開口(直径2μm又は4μm)を持つ孔部20を形成した。深さは、1μmとした。さらに、水酸化カリウム溶液(10重量%)を用いて、シリコン酸化膜層からなる薄膜層11の下の基板本体10を、選択的にエッチングすることにより、孔部20の開口21の四隅にオーバーハング部11aを形成した。
脂質二分子膜30はpH7付近で荷電状態の異なる3種類の脂質二分子膜を以下のようにして形成した。
中性脂質二分子膜として、ジフィタニルホスファチジルコリン(DPhPC)(80モル%)とコレステロール(20モル%)との混合クロロホルム溶液(濃度2.5mM)を調製した。カチオン性脂質二分子膜として、DPhPC(70モル%)と1、2−ジオレイル−sn−グリセロ−3−エチルホスホコリン(EDOPC)(10モル%)とコレステロール(20モル%)との混合クロロホルム溶液(濃度2.5mM)を調製した。アニオン性脂質二分子膜として、DPhPC(70モル%)とジオレイルホスファチジルセリン(DOPS)(10モル%)とコレステロール(20モル%)との混合クロロホルム溶液(濃度2.5mM)を調製した。この際、蛍光観察のために、ローダミン又はニトロベンゾオキサジアゾール(NBD)付きの脂質を0.5モル%添加した。
次いで、ITO基板(SiO2上に膜厚100nmのITOが薄膜化された基板、サイズ40×40mm、50〜100Ω/cm)上に、(1)で調製した各クロロホルム溶液200μLを均一に塗布した。この基板を、室温で2時間、減圧乾燥して、クロロホルム溶媒を完全に除去することで、均一なリン脂質薄膜をITO基板上に形成した。その上に、窓部を有するシリコーンゴム(外寸30×30mm、厚さ1mmのシリコーンゴムを20×20mmのサイズでくり貫いた窓部を有する)を密着して配置し、窓部に200mMのスクロース水溶液500μLを滴下した。さらに、その上部にITO基板を気泡が入らないように配置し、シリコーンゴム窓部にある溶液をITO基板で挟み込んだ。次いで、ITO基板にクリップ電極を接合し、50℃の恒温槽中で、交流電場(正弦波、1V、10Hz)を2時間印加することで、電界形成法により脂質二分子膜(巨大脂質膜ベシクル)のスクロース分散液を回収した。
次いで、「1.」で作製した孔部20を有する基板本体10の上に、蛍光分子22としてfluo−4を含む溶液(200mMグルコース、20μM fluo−4、1mM EDTA、20mM 塩化カリウムの混合溶液)100μLを滴下した。fluo−4はカルシウムイオン指示薬であり、カルシウムイオンの存在可で緑色の蛍光を発する化合物である。さらに、「2.」の(2)で作製した巨大脂質膜ベシクルのスクロース分散液2μLを基板上に滴下し、5分間静置することで巨大脂質膜ベシクルを基板上に展開し、脂質二分子膜30で被覆された脂質二分子膜基板を得た。さらに、孔部20の外部溶液23を、200mMグルコース溶液に置換することで、外部溶液23から蛍光分子22を除去した。
次いで、脂質二分子膜で被覆されていない脂質二分子膜基板の最表面に、以下に示す方法を用いて、タンパク質15としてウシ血清アルブミン(Bovine serum albumin:BSA)を被覆させた。
0.1重量%のBSA、200mMのグルコース、及び、10mMのHepes Buffer(pH7.0)となるようにBSA溶液を調製した。
次いで、(1)で調製したBSA溶液に脂質二分子膜基板を1時間浸漬した、浸漬後、200mMグルコース溶液で10回洗浄し、BSAによるブロッキングを施した脂質二分子膜基板を得た。ブロッキング後の荷電状態の異なる3種類の脂質二分子膜基板の蛍光像を図6に示す。なお、蛍光観察のために脂質二分子膜中には0.5モル%のNBDで蛍光ラベルした脂質を含有させ、BSA中には1モル%のローダミンで蛍光ラベルしたBSAが含有させた。また、図6において、(a)はアニオン性脂質膜を用いた脂質二分子膜基板であり、(b)は中性脂質二分子膜を用いた脂質二分子膜基板であり、(c)はカチオン性脂質二分子膜を用いた脂質二分子膜基板である。
実施例1の「4.」のBSAによるブロッキングを行わない以外は、実施例1の「1.」〜「3.」と同様の方法を用いて、中性脂質膜を用いた脂質二分子膜基板を作製した。
実施例1及び比較例1の脂質二分子膜基板について、外部23に塩化カルシウム水溶液を加え、蛍光顕微鏡を用いて、孔部内部の蛍光強度の経時変化を計測した。結果を図7に示す。ここでは、典型的な観測結果として、塩化カルシウム水溶液を加えた直後(t=0)、10分後、20分後及び30分後の蛍光像を示す。なお、図7上段はBSAコーティングをした脂質二分子膜基板(実施例1の中性脂質膜を用いた脂質二分子膜基板)、図7下段はBSAコーティングをしていない脂質二分子膜基板(比較例1)の結果を示している。いずれの画像においても、円形状の脂質二分子膜30と、脂質二分子膜で覆われた孔部20aと、脂質二分子膜で覆われていない孔部20bと、から構成されている。
図8から、実施例1のBSAによるブロッキングを施した脂質二分子膜基板では、比較例1のBSAによるブロッキングを施していない脂質二分子膜基板と比較して、イオン流入がごくわずかであることが確かめられた。
図2に示す構成を有する脂質二分子膜基板を作製した。
実施例1の「1.」と同様の方法を用いて、基板を作製した。
次いで、実施例1の「2.」と同様の方法を用いて、中性脂質膜を用いた脂質二分子膜(巨大脂質膜ベシクル)のスクロース分散液を作製した。
次いで、実施例1の「3.」と同様の方法を用いて、脂質二分子膜基板を作製した。
次いで、実施例1の「4.」と同様の方法を用いて、BSAによるブロッキングを施した脂質二分子膜基板を得た。
次いで、モデルチャネルタンパク質としてα−ヘモリシンを、脂質二分子膜基板の脂質二分子膜に導入した。α−ヘモリシン分子は脂質二分子膜中において7量化し、膜貫通孔を形成することが知られている。そのため、蛍光顕微鏡観察下で、まず、外部23に塩化カルシウム水溶液を添加し、その20分後に終濃度が2nMとなるようにα−ヘモリシン溶液を脂質二分子膜基板の外液部に添加し、膜貫通孔形成させた。脂質二分子膜基板の経時変化を図10に示す。
図11から、約2500秒で蛍光強度の急激な増加が見られた。これは、α−ヘモリシンによるカルシウムイオン輸送によるものと考えられる。
これらの結果から、本実施形態の脂質二分子膜基板を用いることにより、膜タンパク質の機能計測が可能となることが確かめられた。
図3に示す構成を有する脂質二分子膜基板を作製した。
図12は、脂質二分子膜基板の作製途中(孔部20の開口21を脂質二分子膜30で覆う前の段階)の断面の模式図である。図12を参照して、電気生理測定用の脂質二分子膜基板の作製方法を説明する。
絶縁層13(厚さ120nmの熱酸化膜を使用した。)で被覆されたSiウエハを基板14として用いた。このSiウエハ14上に、金60nmを堆積してフォトリソグラフィ法によりパターニングすることにより、厚さ約60nmの電極層40(電極40)を形成した。この電極層40は、十分に大きなパッド部(300μm四方)に接続され、通常のワイヤボンディングによりパッチクランプ計測器等の電気生理測定装置へ接続することが可能である。
さらに、電極層40の上に、絶縁層12としてシリコン窒化膜をプラズマCVD法により1μm堆積した。さらに、絶縁層12の上に、オーバーハング形状層である薄膜層11としてシリコン酸化膜を、スパッタ法を用いて、200nm堆積した。
このように形成した基板10に、レジスト膜50を用いてフォトリソグラフィ法とドライエッチング法とにより孔部20及び開口21を形成した。この孔部形成のエッチングは、電極層40に届くまで行った。
次いで、実施例1の「2.」と同様の方法を用いて、中性脂質膜を用いた脂質二分子膜(巨大脂質膜ベシクル)のスクロース分散液を作製した。
次いで、実施例1の「3.」と同様の方法を用いて、脂質二分子膜基板を作製した。
次いで、実施例1の「4.」と同様の方法を用いて、BSAによるブロッキングを施した脂質二分子膜基板を得た。
さらに、膜タンパク質を導入することで、図4に示す構成を有する脂質二分子膜基板を作製した。具体的には、脂質二分子膜30において開口部21を覆う部分に、膜タンパク質31をベシクルフュージョン法により再構成した。これにより、電極40と対向電極41との間に電圧を印加した場合に、その間に流れる電流を計測することで、膜タンパク質を介したイオン電流を検出することができる。
図13は、脂質二分子膜基板の作製途中(孔部20の開口21を脂質二分子膜30で覆う前の段階)の断面の模式図である。図13を参照して、電極上に不分極電極層を備える電気生理測定用の脂質二分子膜基板の作製方法を説明する。
電極40を孔部20の底部に備えた基板を得るまでは、実施例3の「1.」と同様の方法を用いて、基板を作製した。なお、不分極電極部60として、銀−塩化銀電極を採用した。まず、銀メッキ液(プレシャスファブ Ag4710、田中貴金属社製)200μLを孔部上に滴下した。次いで、メッキ液中にマニュアルプローバに接続した銀線を入れ、電極部40もマニュアルプローバに接続した。次いで、銀線と電極40との間に定電流(0.1〜0.5nA)を1分間通電することにより、電極部40の表面を銀メッキした。その後、塩素系漂白液に2分間浸漬させることにより、銀表面を塩素化し、銀−塩化銀電極を備える基板(作製途中の脂質二分子膜基板4)を得た。図14に孔部内部の電子顕微鏡像を示す。
次いで、実施例1の「2.」と同様の方法を用いて、中性脂質膜を用いた脂質二分子膜(巨大脂質膜ベシクル)のスクロース分散液を作製した。
次いで、実施例1の「3.」と同様の方法を用いて、脂質二分子膜基板を作製した。
次いで、実施例1の「4.」と同様の方法を用いて、BSAによるブロッキングを施した脂質二分子膜基板を得た。
さらに、膜タンパク質を導入することで、膜タンパク質を有する脂質二分子膜基板を作製した。具体的には、脂質二分子膜において開口を覆う部分に、膜タンパク質をベシクルフュージョン法により再構成した。これにより、電極と対向電極との間に電圧を印加した場合に、その間に流れる電流を計測することで、膜タンパク質を介したイオン電流を検出することができる。
2 脂質二分子膜基板2
3 作製途中の脂質二分子膜基板3
4 作製途中の脂質二分子膜基板4
10 基板本体(基板)
11 薄膜層(シリコン酸化膜層、オーバーハング形状形成層)
11a オーバーハング部
12 絶縁層
13 絶縁層
14 シリコンウエハ(基板)
15 タンパク質
20 孔部
20a 脂質二分子膜で覆われた孔部
20b 脂質二分子膜で覆われていない孔部
21 開口部(開口)
22 蛍光物質(蛍光分子)
23 孔部の外液部
30 脂質二分子膜
31 膜タンパク質
40 電極(電極層)
41 対向電極
50 レジスト膜
60 不分極電極
Claims (6)
- 孔部が設けられた基板を備え、前記孔部の開口が脂質二分子膜で被覆された脂質二分子膜基板であって、
前記脂質二分子膜により被覆されていない前記脂質二分子膜基板の最表面がウシ血清アルブミンで被覆されており、
前記脂質二分子膜の脂質分子の種類が電荷を持たない中性脂質分子である脂質二分子膜基板。 - 更に、前記孔部の前記開口の幅を狭める方向に延びるように形成されたオーバーハング部を有する薄膜層を前記基板の表面上に備える請求項1に記載の脂質二分子膜基板。
- 前記脂質二分子膜で被覆された前記孔部が前記基板に複数設けられている請求項1又は2に記載の脂質二分子膜基板。
- 更に、前記孔部の底部に電極を有する請求項1〜3のいずれか一項に記載の脂質二分子膜基板。
- 前記電極が銀及び塩化銀からなる電極(銀−塩化銀電極)である請求項4に記載の脂質二分子膜基板。
- 前記中性脂質分子がジフィタニルホスファチジルコリンである請求項1〜5のいずれか一項に記載の脂質二分子膜基板。
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