JP7406207B2 - 脂質ドメイン形成基板及び脂質ドメイン形成方法 - Google Patents

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特許法第30条第2項適用 ・第80回応用物理学会秋季学術講演会 講演予稿集 ・第80回応用物理学会秋季学術講演会のウェブサイト(https://meeting.jsap.or.jp/jsap2019a/program)のプリントアウト
本発明は、脂質ドメイン形成基板及び脂質ドメイン形成方法に関する。
細胞膜は、多様な脂質分子、コレステロール、タンパク質を含有し、複数の異なる脂質ドメインを形成すると言われており、このような脂質ドメインにおいて膜タンパク質は局在し機能を発揮することが示唆されている。生体の細胞膜における膜タンパク質の機能を解析する上で、脂質ドメインの構造や性質を理解することは重要である。
ところで、不飽和脂質、飽和脂質及びコレステロールを含有する巨大ベシクルを、オーバーハング形状を有した井戸構造基板上で展開すると、井戸構造上に人工脂質二分子膜を形成することができる。このような人工脂質二分子膜においてイオンチャネル型膜タンパク質を再構成することにより、膜タンパク質の機能及び動きを解析することができる(非特許文献1)。
非特許文献1に記載の人工脂質二分子膜においては、飽和脂質やコレステロールから構成される秩序液体相、及び、不飽和脂質を主とした無秩序液体相のドメイン構造が形成される。
無秩序液体相は脂質分子の炭化水素鎖の配向が乱れており、脂質分子の流動性が非常に高い相である。一方、秩序液体相は脂質分子の炭化水素鎖の配向は揃っており、コレステロールの影響により流動性が発現する相である。
非特許文献1には、井戸開口部の周縁の人工脂質二分子膜(支持膜)においては、秩序液体相が局在し、井戸開口部上の人工脂質二分子膜(自立膜)においては、無秩序液体相が局在することが記載されている。
生体内の細胞膜においては、秩序液体相状態のドメイン構造(ラフトドメイン)が形成されると考えられている。自立膜において無秩序液体相、秩序液体相が混合したドメイン構造を作製することにより、インビトロ実験系において、より生体環境に近いプラットフォームを構築できることが期待されている。
Sumitomo, K.; Oshima, A. Liquid-Ordered/Liquid-Crystalline Phase Separation at a Lipid Bilayer Suspended over Microwells. Langmuir 2017, 33, 13277-13283.
非特許文献1に記載された人工脂質二分子膜においては、自立膜において秩序液体相のドメイン構造を形成し安定的に維持することができないという問題がある。
そこで本発明は、自立膜において秩序液体相が形成され安定的に維持されている脂質ドメイン形成基板、脂質ドメイン形成方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を提供する。
本発明の第1の態様は、基板に微小井戸が形成され、該微小井戸の開口部が脂質二分子膜によって覆われている脂質ドメイン形成基板において、前記開口部上の前記脂質二分子膜は秩序液体相を有する、脂質ドメイン形成基板である。
また、本発明の第2の態様は、微小井戸が形成された基板の表面に巨大脂質膜ベシクルを添加し、前記基板の表面で前記巨大脂質膜ベシクルを展開させることにより、前記微小井戸の開口部を脂質二分子膜で覆う工程と、前記脂質二分子膜から秩序液体相及び無秩序液体相を形成させる工程とを有し、前記脂質二分子膜は頭部に親水性高分子鎖を有する脂質を含有し、前記開口部上の前記脂質二分子膜は前記秩序液体相を有する、脂質ドメイン形成方法である。
また、本発明の第3の態様は、微小井戸が形成された基板の表面に溶液を滴下し、前記溶液を前記微小井戸の内部に充填し、且つ前記基板の表面を前記溶液で覆う工程と、前記基板の表面を覆う前記溶液に巨大脂質膜ベシクルを添加し、前記基板の表面で前記巨大脂質膜ベシクルを展開させることにより、前記微小井戸の開口部を脂質二分子膜で覆う工程と、前記脂質二分子膜に光を照射して、前記開口部上の前記脂質二分子膜において秩序液体相を形成させる工程とを有し、前記溶液のカルシウムイオン濃度は5mM未満である、脂質ドメイン形成方法である。
また、本発明の第4の態様は、第3の態様に係る脂質ドメイン形成方法により製造された脂質ドメイン形成基板である。
本発明によれば、自立膜において秩序液体相が形成され安定的に維持されている脂質ドメイン形成基板、脂質ドメイン形成方法を提供することができる。
本発明に係る脂質ドメイン基板の模式的な断面図である。 図2(a)は無秩序液体相からなる脂質二分子膜の模式図であり、図2(b)は自立膜において無秩序液体相を有する脂質二分子膜の模式図であり、図2(c)は図2(b)の無秩序液体相の面積が増加した脂質二分子膜の模式図である。 実験例1における、無秩序液体相におけるAlexa488-CTBの蛍光強度に対する、秩序液体相におけるAlexa488-CTBの蛍光強度の比のグラフである。
以下、好適な実施の形態に基づき、図面を参照して本発明を説明するが、本発明は係る実施形態に限定されない。
[脂質ドメイン基板]
図1に例示するように、本発明の脂質ドメイン形成基板1は、基板10に微小井戸20が形成され、該微小井戸20の開口部21が脂質二分子膜30によって覆われている。脂質二分子膜30は、井戸開口部の周縁に形成された支持膜31と、井戸開口部上に形成される自立膜32とから構成されている。
脂質二分子膜30には秩序液体相30aと無秩序液体相30bの二つの相状態が存在し、自立膜32は秩序液体相30aを有する。
脂質二分子膜30は、飽和脂質、不飽和脂質、及びコレステロールの三成分系を含んでよい。
脂質二分子膜30の脂質分子の種類は、脂質二分子膜(脂質二重膜)を形成できるものであれば特に制限されず、例えば、ホスファチジルコリン(PC)、ホスファチジルエタノールアミン(PE)、ホスファチジルセリン(PS)、ホスファチジルイノシトール(PI)、ホスファチジルイノシトールホスフェイト(PIP)、ホスファチジン酸(PA)、ホスファチジルグリセロール(PG)、スフィンゴ脂質などの中性又はアニオン性の脂質分子や;1,2-ジオレイル-3-トリメチルアンモニウムプロパン、トリメチルアンモニウムプロパン(TAP)、エチルホスホコリン(EPC)などのカチオン性の脂質分子等が挙げられる。これらの脂質分子は、1種類のみを用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
秩序液体相30aはコレステロールと飽和脂質分子を含み、無秩序液体相30bよりも飽和脂質分子を多く含む。秩序液体相30aに含有される脂質分子100モル%に対する飽和脂質分子の割合は、例えば、50~100モル%であってよく、80~100モル%であってよく、90~100モル%であってよい。飽和脂質分子としては、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)やスフィンゴミエリンなどを例示できる。
無秩序液体相30bは不飽和脂質分子を含み、秩序液体相30aよりも不飽和脂質分子を多く含む。無秩序液体相30bに含有される脂質分子100モル%に対する不飽和脂質分子の割合は、例えば、50~100モル%であってよく、80~100モル%であってよく、90~100モル%であってよい。不飽和脂質分子としては、ジオレオイルホスファチジルコリン(DOPC)などを例示できる。
脂質二分子膜にドメイン状に存在する秩序液体相はラフト様構造とよばれる。ラフト様構造の直径は、10nm~20μmであってもよく、10nm~4μmであってもよく、10~1000nmであってもよく、20~200nmであってもよく、30~150nmであってもよく、50~100nmであってもよい。ラフト様構造が真円でない場合の前記直径は、ラフト様構造を面積基準で真円に換算した場合の直径とする。脂質ドメイン形成基板1においては、ラフト様構造の直径は、微小井戸20の開口部21の直径、又は開口部21を構成する多角形の一辺の長さ以下である。
本実施形態に係る脂質ドメイン形成基板において、脂質二分子膜30は、頭部に親水性高分子鎖を有する脂質を含有する。実施例において後述するように、これにより、自立膜32において秩序液体相30aが自発的に形成される。
理論に拘泥するものではないが、発明者らは、次のように推定している。頭部に親水性高分子鎖を有する脂質は嵩高いため、基板10との相互作用が生じる支持膜31よりも、基板10との相互作用が生じない自立膜32において安定に存在する。そのため、頭部に親水性高分子鎖を有する脂質は自立膜32に集積しやすくなり、これがコレステロール、スフィンゴミエリンをリクルートすることによって、自立膜32において秩序液体相30aが形成されると推定される。
本実施形態に係る脂質ドメイン形成基板1の自立膜32は、自立膜32を上方から見た場合、自立膜32の面積に対する、秩序液体相が占める面積の割合は、10%以上であってもよく、30%以上であってもよく、70%以上であってもよい。
脂質が頭部に有する親水性高分子鎖としては、例えば、糖鎖、ポリエチレングリコール(PEG)等が挙げられる。頭部に糖鎖を有する脂質としては、例えば、ガングリオシドが挙げられる。ガングリオシドとしては、例えば、GM1、GM2、GM3等が挙げられる。
頭部に親水性高分子鎖を有する脂質の含有量は、脂質二分子膜の総量に対して、0.05モル%以上、0.2モル%以上、0.5モル%以上、1モル%以上、3モル%以上、4モル%以上、5モル%以上、10モル%以上、30モル%以上であってもよい。
本実施形態に係る脂質ドメイン形成基板1において、微小井戸20の内部は溶液により満たされていてもよい。
微小井戸20の内部を満たす溶液の溶質の種類は特に限定されない。溶質としては、例えば、各溶液のpHを調整するためのpH緩衝剤(例えば、HEPES、MOPS、TRIS、リン酸塩等);塩類(例えば、NaCl、KCl、CaCl、MgCl、生理的塩類等);糖類(グルコース、スクロース等);アルコール類(例えば、グリセロール、キシリトール等);グリコール類等(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等)を例示できる。
微小井戸20の開口部21の形状は特に限定されない。開口部21を上方から見た場合の形状としては、例えば、円形、楕円形、三角形、矩形、多角形等の形状が挙げられる。このうち、脂質二分子膜30をより安定に支持する観点から、円形又は矩形であることが好ましい。
基板10の厚さ方向で微小井戸20の断面を見た場合、開口部21の形状は、図1に示すようなオーバーハング形状(ひさし状)であることが好ましい。ここで、オーバーハング形状である開口部21の周縁をオーバーハング部11aと呼ぶ。オーバーハング部11aは、基板10の表面に設けられた薄膜層11が、微小井戸20の開口部21を狭める方向に延設されている。オーバーハング部11aが設けられていることにより、開口部21を覆う脂質二分子膜30が安定に維持される。
微小井戸20の開口部21の直径、又は開口部21を構成する多角形の一辺は、100nm~10μmとすることが好ましい。
微小井戸20の深さは、脂質二分子膜30が微小井戸20の底面に接触しない深さであれば特に限定されず、開口部21の直径に応じて適宜設計すればよく、例えば0.1μm~10μmの深さが挙げられる。
基板(基板本体)10の材料は特に制限されず、例えば、シリコン、シリコン酸化物、シリコン窒化物、石英、マイカ、ガラス、プラスチックなどが挙げられる。pH3~10の水溶液中において表面が負に荷電する基板材料であることが好ましい。
基板10の厚みや形状は用途に応じて適宜調整される。基板10に設けられた微小井戸20の数は特に限定されず、1個でもよく、2個以上でもよく、例えば1~10000個とすることができる。
基板10の表面10aに微小井戸20を形成する方法としては、公知方法が適用可能であり、例えば、フォトリソグラフィ法、電子ビームリソグラフィ法、ドライエッチング法等の微細加工技術を適用することができる。
オーバーハング部11aを形成する薄膜層11の材料としては、公知材料が適用され、基板10の材料と同じであってもよいが、オーバーハング部11aを形成する際のエッチングが容易になる観点から、基板10の材料と異なるものが好ましい。薄膜層11の材料として、シリコン酸化物やシリコン窒化物を用いた場合、基板10の表面を構成する薄膜層11は中性溶液においては負の表面電荷を有する。
薄膜層11の厚さは、例えば、50nm~500nmであることが好ましい。
脂質二分子膜30の形成方法としては、例えば、巨大脂質膜ベシクルを基板上で展開する方法が挙げられる。ここで「脂質膜ベシクル」とは、脂質二分子膜がベシクル(小胞)を形成してなるものであり、「巨大」の意味は、脂質膜ベシクルが基板上に展開されて平面上の脂質二分子膜となる際に、当該基板上に予め配置された単数又は複数の微小井戸20の開口部21を充分に覆うことができる大きさであることを意味する。巨大脂質膜ベシクルの直径(長径)は、基板上における展開が容易である観点から、例えば1~10μm以上であることが好ましい。巨大脂質膜ベシクルの直径は、一般的な光学的観察手法により測定される。
巨大脂質膜ベシクルを形成する代表的な手法としては、静置水和法やエレクトロスウェリング法(電界形成法)が例示できる。巨大脂質膜ベシクルを作製しやすく、反応時間や反応プロセスが簡易であるという観点から、電界形成法を採用することが好ましい。電界形成法は、酸化インジウムスズ(ITO)などの電極上に、リン脂質を薄膜化した後、交流電場をかけて水溶液中に巨大脂質膜ベシクルを形成する手法である。
サイズの揃ったベシクルを得るためには、ITO基板上に厚さ数十nm~数μmの均一なリン脂質分子の膜を形成することが好ましく、また、交流電場は数百mV~2V程度の印加条件が好ましい。
[膜タンパク質の導入]
上述の脂質ドメイン形成基板1の脂質二分子膜30に対して、膜タンパク質を導入することができる。
予め目的の膜タンパク質が導入されたプロテオリポソームを公知方法により準備し、このプロテオリポソームを脂質二分子膜30に融合させる。この結果、目的の膜タンパク質を脂質二分子膜30に導入することができる。
[電極の配置]
図1に例示するように、脂質ドメイン形成基板1には、微小井戸20の底部に電極40が備えられてもよいし、微小井戸20の外部には対向電極(図示せず)が備えられていてもよい。例えば、電極対間の電位差や、脂質二分子膜30を透過する電流(イオン流)等を計測することにより、脂質二分子膜30に導入された膜タンパク質について、電気化学的な機能解析を行うことができる。電極40、対向電極の材料としては、例えば、銀/塩化銀、金、白金などが挙げられる。脂質ドメイン形成基板1において、電極は微小井戸20の内部又は外部の何れか一方のみに備えられていてもよい。
電極40の配置方法としては、例えば、基板10の製造時に、スパッタリング等の成膜法によって金属層を形成し、エッチング等により該金属層を適宜パターニングし、さらに電極を絶縁層で被覆することにより、微小井戸20の底面に埋め込んで配置する方法が挙げられる。電極を配置する場合、基板10は、例えば、シリコン酸化物やシリコン窒化物、アルミナ、酸化タンタル、レジスト膜等の絶縁体からなることが好ましい。
脂質二分子膜で覆われた微小井戸内外の電位差、あるいは脂質二分子膜を透過する電流を計測する事により、脂質二分子膜に導入した膜タンパク質の機能解析が可能である。
[蛍光分子の添加]
図1に例示するように、脂質ドメイン形成基板1において、微小井戸20の内部の溶液は、蛍光分子23を含んでもよい。蛍光分子(蛍光プローブ)23としては、例えば、微小井戸20の内部の状態変化が起こった場合に蛍光を発する水溶性のものが挙げられる。蛍光分子の蛍光強度変化を計測する事により、脂質二分子膜に導入した膜タンパク質の機能解析が可能である。
蛍光分子の具体例としては、微小井戸20の内部のカルシウムイオン濃度の変化に伴い蛍光強度が変化する、Fluo4、Quin2等が挙げられる。脂質二分子膜30にカルシウムイオン透過性の膜タンパク質を導入した場合、その膜タンパク質を介してカルシウムイオンが脂質二分子膜30を透過し、微小井戸20内のカルシウムイオン濃度が変化すると、蛍光分子からの蛍光強度が変化する。この変化を蛍光顕微鏡等によって検出することにより、膜タンパク質の機能を解析することができる。
本発明によれば、微小井戸上に形成した脂質二分子膜にドメイン状に存在する秩序液体相(ラフト様構造)が形成されることで、ラフト様構造内で機能する膜タンパク質の観察が可能となる。タンパク質機能測定場である微小井戸上の脂質二分子膜にラフト様構造が形成された基板は、インビトロ(in vitro)の測定系の構築において、適用可能な膜タンパク質の種類を増加させる利点も創出する。さらに従来微小井戸を覆う脂質二分子膜に形成されていたのは無秩序液体相のみであったのに対し、本発明では秩序液体相が形成されているので、解析に用いる因子として、より実際の生体細胞と共通する因子を増やすことも可能であり、膜タンパク質の機能をより正しく解析できる。また細胞内環境と同じ機能の解析が実施できるため、創薬分野でのハイスループットスクリーニングへの応用などが期待される。
[脂質ドメイン形成方法]
(第1実施形態)
脂質ドメイン形成方法の第1実施形態は、微小井戸20が形成された基板10の表面に巨大脂質膜ベシクルを添加し、前記基板10の表面で前記巨大脂質膜ベシクルを展開させることにより、前記微小井戸20の開口部21を脂質二分子膜30で覆う工程と、前記脂質二分子膜30から秩序液体相30a及び無秩序液体相30bを形成させる工程とを有する。前記脂質二分子膜30は頭部に親水性高分子鎖を有する脂質を含有し、前記開口部上の前記脂質二分子膜30(自立膜32)は前記秩序液体相を有する。この一連の工程を経ることにより、図1に示す脂質ドメイン形成基板1が得られる。
頭部に親水性高分子鎖を有する脂質の含有量は、脂質二分子膜の総量に対して、0.05モル%以上、0.2モル%以上、0.5モル%以上、1モル%以上、3モル%以上、4モル%以上、5モル%以上、10モル%以上、30モル%以上であってもよい。含有量が前記下限値以上であることにより、自立膜において秩序液体相を形成することができる。また、含有量が1モル%以上、3モル%以上、4モル%以上、5モル%以上、10モル%以上、30モル%以上であることにより、自立膜において秩序液体相が占める面積の割合を増加させることができる。
脂質二分子膜30から秩序液体相30a及び無秩序液体相30bを形成させるまでの時間は、3秒以上であることが好ましく、10分以上であることがより好ましく、30分以上であることが更に好ましい。上記下限値以上であることにより、自立膜における秩序液体相が占める面積の割合を十分に高いものとすることができる。
第1実施形態に係る脂質ドメイン形成方法により製造された脂質ドメイン形成基板の自立膜32は、自立膜32の上方から見た場合、自立膜32の面積に対する、秩序液体相が占める面積の割合は、10%以上とすることもでき、30%以上とすることもでき、70%以上とすることもできる。
(第2実施形態)
脂質ドメイン形成方法の第2実施形態は、微小井戸20が形成された基板10の表面に溶液を滴下し、前記溶液を前記微小井戸の内部に充填し、且つ前記基板の表面を前記溶液で覆う工程と、前記基板10の表面を覆う前記溶液に巨大脂質膜ベシクルを添加し、前記基板10の表面で前記巨大脂質膜ベシクルを展開させることにより、前記微小井戸20の開口部21を脂質二分子膜30で覆う工程と、前記脂質二分子膜30に光を照射して、前記開口部21上の前記脂質二分子膜30(自立膜32)において秩序液体相30aを形成させる工程とを有する。前記溶液のカルシウムイオン濃度は5mM未満である。前記溶液のカルシウムイオン濃度は、3mM未満であってもよく、1mM未満であってもよく、100μM未満であってもよく、10μM未満であってもよい。
第2実施形態に係る脂質ドメイン形成方法により製造された脂質ドメイン形成基板の自立膜32は、自立膜32の上方から見た場合、自立膜32の面積に対する、秩序液体相が占める面積の割合は、10%以上とすることもでき、30%以上とすることもでき、70%以上とすることもできる。
理論に拘泥するものではないが、発明者らは、微小井戸20の内部を満たす溶液のカルシウムイオン濃度が上記上限値よりも高い場合、脂質二分子膜30と基板10の相互作用が強まるため、コレステロールやスフィンゴミエリンが自立膜32へ移動せず、その結果、自立膜32において秩序液体相30aが形成されないものと推定している。また、微小井戸20の内部を満たす溶液のカルシウムイオン濃度が上記上限値以下である場合、脂質二分子膜30と基板10の相互作用が弱まるため、コレステロールやスフィンゴミエリンが自立膜32へ移動し、その結果、自立膜32において秩序液体相30aが形成されるものと推定している。
第2実施形態に係る脂質ドメイン形成方法において、微小井戸20の内部を満たす溶液は、カルシウムイオン濃度が上記上限値以下である限り特に限定されない。溶液の溶質としては、例えば、各溶液のpHを調整するためのpH緩衝剤(例えば、HEPES、MOPS、TRIS、リン酸塩等);塩類(例えば、NaCl、KCl、MgCl、生理的塩類等);糖類(グルコース、スクロース等);アルコール類(例えば、グリセロール、キシリトール等);グリコール類等(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等)を例示できる。
第2実施形態に係る脂質ドメイン形成方法において、微小井戸20の内部を満たす溶液は、カルシウムキレート剤を含んでもよい。カルシウムキレート剤としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、1,2-ビス(o-アミノフェノキシド)エタン-N,N,N’,N’-テトラ酢酸等が挙げられる。
脂質二分子膜30に照射する光の波長としては、例えば、350~500nmであってもよい。照射する光の強度としては特に限定されず、当業者であれば適宜設定することができる。また、光の照射時間としては、例えば、1~10秒であってもよい。
脂質ドメイン形成方法の第2実施形態により、脂質ドメイン形成基板を製造することができる。このように製造された脂質ドメイン形成基板は、光を照射する前後で、脂質二分子膜30が含有する化合物が変化している可能性がある。しかしながら、そのような相違が存在するか否かは定かではなく、また、そのような相違を特定して、この脂質ドメイン形成基板を特定するためには、著しく多くの試行錯誤を重ねることが必要であり、実質的に不可能である。したがって、この脂質ドメイン形成基板は、上述した脂質ドメイン形成方法により製造されたことにより特定することが実際的であるといえる。
上述したように、秩序液体相30aは、無秩序液体相30bに比べて、飽和脂質の含有量が高く不飽和脂質の含有量が低い。また、脂質の炭化水素鎖の構造の違いから、飽和脂質は不飽和脂質よりも規則的に配列しやすい。そのため、秩序液体相30aは、無秩序液体相30bに比べて、分子密度が高く、吸収係数が高い。さらに、秩序液体相30aの厚さは無秩序液体相30bの厚さに比べて厚い。このような吸収係数及び厚さの差があるため、秩序液体相30aは、無秩序液体相30bに比べて、吸光度が高い。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実験例1]
(ガングリオシドによる秩序液体相の形成)
脂質二分子膜にガングリオシドを含有させることにより、自立膜部分に秩序液体相を形成させた。
<井戸構造を有する基板の作製>
基板本体の材料としてシリコン基板を用いた。基板本体の上面に、120nmの厚さのシリコン酸化膜層(薄膜層)を、熱酸化法により形成した。さらに、フォトリソグラフィ法とドライエッチング法を用いて、円形状の開口部を持つ微小井戸を形成した。微小井戸の深さは1μmであり、微小井戸の開口部の直径は4μmであった。さらに、水酸化カリウム溶液(濃度:10重量%)により、シリコン酸化膜層の下の基板本体を選択的にエッチングすることにより、微小井戸の開口部の四隅にオーバーハング部を形成した。
<巨大脂質膜ベシクルの作製>
脂質二分子膜は以下のように形成した。ジオレオイルホスファチジルコリン(DOPC)、スフィンゴミエリン(SM)及びコレステロール(Chol)を等モルで含有する混合クロロホルム溶液を調製した。この溶液に、0.5モル%、1モル%、3モル%、4モル%、5モル%又は10モル%のGM1を含有させた。また、対照として、GM1を含有しない溶液を準備した。得られたこれらの溶液に対して、更に、無秩序液体相用蛍光ラベル剤として、0.05モル%のローダミン‐ジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン(Rhod-DOPE)を0.05モル%含有させた。
続いて、ITO基板(ガラス上に膜厚100nmのITO薄膜が成膜された基板、サイズ40×40mm、50~100Ω)上に、200μLの前記混合クロロホルム溶液を均一に塗布した。
この基板を、室温で2時間、減圧乾燥して、クロロホルム溶媒を完全に除去することで、均一な脂質分子薄膜をITO基板上に形成した。その上に,サイズ20×20mmでくり貫いた窓部を有するシリコーンゴム(外寸30×30mm、厚さ1mm)を密着して配置し、窓部に500μLの200mM スクロース水溶液を滴下した。
さらに、その上部にITO基板を気泡が入らないように配置し、シリコーンゴム窓部にある溶液をITO基板で挟み込んだ。続いて、ITO基板にクリップ電極を接合し、37℃で交流電場(正弦波,1V,10Hz)を2時間印加することで、電界形成法により巨大脂質膜ベシクルをスクロース溶液中に分散して形成させた。
上述の方法により得られる巨大脂質膜ベシクルは、分離した秩序液体相及び無秩序液体相のドメイン構造を有している。励起波長559nmを使用してのローダミンの蛍光を観察することにより、無秩序液体相を可視化することができる。
<巨大脂質膜ベシクルの基板への展開>
井戸部を有する基板本体の上に、溶液(200mM グルコース,5mM 塩化カルシウム)を滴下した。さらに、前記巨大脂質膜ベシクル分散液を溶液中に滴下し、静置することで巨大脂質膜ベシクルを基板上に展開した。これにより、球状の巨大脂質膜ベシクルは基板に衝突させ、その球状構造が破壊して井戸部を覆うように単分子膜を形成させた。
基板上に形成された脂質二分子膜について、Rhod-DOPEの蛍光を観察することにより、無秩序液体相の分布を観察した。また、Alexa488-コレラトキシンBサブユニット(CTB)を用いて、脂質二分子膜におけるGM1を特異的に標識して観察した。結果を図2に示す。
図2は自立膜部が(a)無秩序液体相からなる脂質二分子膜の模式図であり、図2(b)は自立膜において無秩序液体相を有する脂質二分子膜の模式図であり、図2(c)は図2(b)の無秩序液体相の面積が増加した脂質二分子膜の模式図である。
巨大脂質膜ベシクルがGM1を含有しない場合、巨大脂質膜ベシクルを展開すると、図2(a)又は図2(b)に示すような脂質二分子膜が形成され、時間経過とともに、最後は図2(a)に示すような脂質二分子膜が形成された。
また、巨大脂質膜ベシクルにおけるGM1の含有量が0.5モル%又は1モル%の場合、GM1を含有しない巨大脂質膜ベシクルを展開した場合と同様であった。
また、巨大脂質膜ベシクルにおけるGM1の含有量が3モル%、4モル%、5モル%又は10モル%の場合、巨大脂質膜ベシクルを展開すると、図2(a)又は図2(b)に示すような脂質二分子膜が形成され、時間経過とともに、最後は図2(c)に示すような脂質二分子膜が形成された。
図2(a)に模式的に示す脂質二分子膜においては、井戸開口部を覆う脂質二分子膜(自立膜)の全体にわたってRhod-DOPEのシグナルが観察された。すなわち、自立膜の全体が無秩序液体相であることが確認された。これに対し、図2(b)、図2(c)に模式的に示す脂質二分子膜においては、自立膜においてRhod-DOPEのシグナルが観察されない部位、すなわち秩序液体相が見出された。
この結果から、GM1を含む巨大脂質膜ベシクルから脂質二分子膜を形成した場合、自立膜において秩序液体相が観察されることが明らかになった。すなわち、GM1の含有量を調整することにより、自立膜部分の相分離構造を制御することができることが明らかになった。
理論に拘泥するものではないが、発明者らは、GM1の頭部は糖鎖を有し、DOPCの頭部よりも嵩高いため、基板との相互作用が生じる支持膜部分よりも、基板との相互作用が生じない自立膜部分において安定に存在するものと推定している。また、GM1が、コレステロール、スフィンゴミエリンをリクルートすることによって、自立膜部分において秩序液体相が形成されると推定される。
更に、巨大脂質膜ベシクルにおけるGM1の含有量を調整し、無秩序液体相におけるAlexa488-CTBの蛍光強度に対する、秩序液体相におけるAlexa488-CTBの蛍光強度の比を算出した。結果を図3に示す。
その結果、GM1の含有量が高い場合、この比は低下して1に近づくことが明らかになった。すなわち、GM1は無秩序液体相にも存在することが明らかになった。
[実験例2]
(光照射による秩序液体相の形成)
脂質二分子膜に光を照射することにより、自立膜部分に秩序液体相を形成させた。
実験例1と同様に、井戸構造を有する基板を作製した。また、実験例1と同様に、GM1を含有する巨大脂質膜ベシクル、GM1を含有しない巨大脂質膜ベシクルを作製した。続いて、Ca(+)溶液(150mM 塩化カリウム、10mM HEPES、5mM 塩化カルシウム)、又は、Ca(-)溶液(150mM 塩化カリウム、10mM HEPES)を基板本体の上に滴下し、井戸内をこれらの溶液で満たした後、巨大脂質膜ベシクルを基板上に展開し、基板上に脂質二分子膜を形成させた。得られた脂質二分子膜に対して、水銀ランプを用いて、2分間、光を照射した。続いて、Rhod-DOPEの蛍光を観察することにより、無秩序液体相の分布を観察した。結果を図4に示す。
Ca(+)溶液を用いた場合、液体相は図2(a)に示すような分布を示した。Ca(-)溶液を用いた場合、液体相は図2(b)、図2(c)に示すような分布を示した。
すなわち、Ca(+)溶液を用いた場合には、自立膜部分に秩序液体相が形成されないことが明らかになった。一方、Ca(-)溶液を用いた場合には、自立膜部分に秩序液体相が形成されることが明らかになった。また、巨大脂質膜ベシクルがGM1を含有するか否かに関わらず、井戸内の溶液のカルシウムイオン濃度を調節することによって、秩序液体相の形成を制御できることが明らかになった。
理論に拘泥するものではないが、発明者らは、Ca(+)溶液を用いた場合、カルシウムイオンが脂質二分子膜と基板の相互作用を強めるため、コレステロールやスフィンゴミエリンが自立膜へ移動せず、その結果、自立膜において秩序液体相が形成されなかったものと推定している。また、Ca(-)溶液を用いた場合、脂質二分子膜と基板の相互作用が弱まるため、コレステロールやスフィンゴミエリンが自立膜へ移動し、その結果、自立膜において秩序液体相が形成されたものと推定している。
本発明によれば、自立膜において秩序液体相が形成され安定的に維持されている脂質ドメイン形成基板、脂質ドメイン形成方法を提供することができる。
1・・・脂質ドメイン形成基板
10・・・基板(基板本体)
11・・・薄膜層
11a・・・オーバーハング部
20・・・微小井戸
21・・・開口部
23・・・蛍光分子(蛍光プローブ)
30・・・脂質二分子膜
30a・・・秩序液体相
30b・・・無秩序液体相
31・・・支持膜
32・・・自立膜
40・・・電極

Claims (2)

  1. 基板に微小井戸が形成され、該微小井戸の開口部が脂質二分子膜によって覆われている脂質ドメイン形成基板において、
    前記開口部上の前記脂質二分子膜は秩序液体相を有
    前記脂質二分子膜はガングリオシドを含有し、
    前記ガングリオシドの含有量は、前記脂質二分子膜の総量に対して、3モル%以上である、脂質ドメイン形成基板。
  2. 微小井戸が形成された基板の表面に巨大脂質膜ベシクルを添加し、前記基板の表面で前記巨大脂質膜ベシクルを展開させることにより、前記微小井戸の開口部を脂質二分子膜で覆う工程と、
    前記脂質二分子膜から秩序液体相及び無秩序液体相を形成させる工程とを有し、
    前記脂質二分子膜はガングリオシドを含有し、
    前記開口部上の前記脂質二分子膜は前記秩序液体相を有
    前記ガングリオシドの含有量は、前記脂質二分子膜の総量に対して、3モル%以上である、脂質ドメイン形成方法。
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