以下、本発明を具体化した一実施の形態を説明する。本実施の形態では、住宅等の建物の給湯システムに適用され、太陽熱により湯を加熱することにより当該給湯システムにおいて削減できた光熱費の削減量を算出する算出システムについて具体化されている。先ず図1の概略図を参照して給湯システムについて説明する。
建物10は二階建てとなっており、建物一階部分が親世帯用の階層且つ建物二階部分が子世帯用の階層となるように区別されている。具体的には、各階層(世帯毎)にバス、トイレ、キッチン等が各々設けられた所謂完全分離型の二世帯住宅となっている。
給湯システム50は、親世帯側に設けられたバスユニット21、シャワー設備22、洗面台23、キッチン設備24の各吐水口に湯を供給する親世帯側給湯設備51と、子世帯側に設けられたバスユニット31、シャワー設備32、洗面台33、キッチン設備34の各吐水口に湯を供給する子世帯側給湯設備52とを備えており、世帯毎に給湯設備が完備されている。
親世帯側給湯設備51は、貯湯タンク60と、太陽熱によって貯湯タンク60の水を加熱する太陽熱集熱器61と、バックアップ用の電気給湯機62と、貯湯タンク60に蓄えられている湯をバスユニット21の吐水口に導く第1給湯管64と、貯湯タンク60に蓄えられている湯をシャワー設備22の吐水口、洗面台23の吐水口、キッチン設備24の吐水口に導く第2給湯管65とを有している。また、吐水口毎に温度センサ、流量センサ及び操作検知センサを有してなるセンサユニット66,67が設けられており、各吐水口における湯の使用状況等を監視可能となっている。
子世帯側給湯設備52は、貯湯タンク70と、太陽熱によって貯湯タンク70の水を加熱する太陽熱集熱器71と、バックアップ用のガス給湯器72と、貯湯タンク70及びガス給湯器72の間に設けられ貯湯タンク70に蓄えらている湯をガス給湯器72に送る際に湯及び水を混合可能なミキシングユニット73と、貯湯タンク70に蓄えられている湯をバスユニット31の吐水口に導く第1給湯管74と、貯湯タンク70に蓄えられている湯をシャワー設備32の吐水口、洗面台33の吐水口、キッチン設備34の吐水口に導く第2給湯管75とを備えている。また、吐水口毎に温度センサ、流量センサ及び操作検知センサを有してなるセンサユニット76,77が配設されており、各吐水口における湯の使用状況等を監視可能となっている。
親世帯側給湯設備51と子世帯側給湯設備52とは、主たる構成が共通ではあるが、貯湯タンク60,70の容量及びバックアップ用の加熱部の種類が異なっている点で構成が一部相違している。以下、図2の概略図を参照して、各給湯設備51,52の相違点について説明する。
親世帯に設けられたバックアップ用の加熱部は、ヒートポンプ式の電気給湯機62により構成されている。ヒートポンプ式の電気給湯機62については、貯湯タンク60に溜まっている湯又は水を、その温度及び量が予め設定された設定温度及び設定量となるように加熱する。つまり、太陽熱によって貯湯タンク60内の水が温められた場合であっても、その温度や量が設定量に満たない場合には、電気給湯機62を稼働させることにより貯湯タンク60内の湯が加熱されることとなる。
ここで、ヒートポンプ式の電気給湯機62についてはその特性上、ガス給湯器等と比較して加熱時の応答性は低い。その一方では、湯を生成する際のエネルギ(電気)の消費量が少なく、環境面及び経済面に優れている。例えば、比較的電気料金の安い夜間に貯湯タンク60内の湯を温めることにより、ガス給湯器と比べて光熱費(給湯コスト)を好適に削減できる。また、実際に湯が使用されるよりも前に湯を準備することにより、上述した応答性の理由から湯の使い勝手が悪くなることを抑制している。
子世帯に設けられたバックアップ用の加熱部はガス給湯器72により構成されている。ガス給湯器72については、貯湯タンク70から吐水口に向かう湯又は水をユーザの要求温度となるように加熱する。例えば、太陽熱によって貯湯タンク70内の水が温められた場合であっても、その温度がユーザの要求温度に満たない場合に稼働する。ガス給湯器72についてはその特性上、上記電気給湯機と比べて応答性が高い。故に、急遽多くの湯の需要が生じた場合であっても、その要求に素早く対応することができる。
本実施の形態においては、親世帯の家族構成として夫婦を想定しており、子世帯の家族構成として夫婦及び子どもを想定している。子世帯については親世帯と比べて人数が多いため、使用される湯量のばらつきについても親世帯よりも大きいと想定される。そこで、ガス給湯器72を適用することにより、ユーザの利便性の向上に配慮されている。これに対して、親世帯では人数が比較的少ないため、使用される湯量のばらつきについても子世帯よりは小さいと想定される。このように、使用される湯量が少ない側の世帯に、ヒートポンプ式の電気給湯機62を適用することにより、バッファを少なくし、経済面での恩恵を大きくすることが可能となっている。
上述したように、太陽熱集熱器61,71をメインに据え、電気給湯機62やガス給湯器72等のバックアップ加熱部を併用することにより、太陽熱集熱器61,71を単独で用いる場合と比較して、湯の使い勝手を大幅に向上させることができる。しかしながら、バックアップ加熱部の運転が過剰となっては、自然エネルギを利用して、環境面や経済面での恩恵を享受するという本来の目的が上手く達成されなくなると懸念される。本実施の形態においては、このような事情に鑑みて、給湯システム50全体でのエネルギ効率の向上を図る工夫がなされていることを特徴の1つとしている。以下、図3の概略図を参照して、当該工夫に係る構成について説明する。
建物10には、両世帯の給湯設備51,52を繋ぐようにして連絡配管80が配設されている。具体的には、連絡配管80は、親世帯における第2給湯管65の中間部分(貯湯タンク60と吐水口との間となる部分)と、子世帯における第2給湯管75の中間部分(貯湯タンク70と吐水口との間となる部分)とに連結されており、給湯設備51,52間(世帯間)での湯の移動を可能としている。
連絡配管80には、当該連絡配管80を通じた湯の移動を阻止する閉状態と湯の移動を許容する開状態とに切替可能な電動弁81が配設されている。電動弁81は給湯システム50を構成する制御装置55に接続されており、制御装置55からの駆動信号に基づいて閉状態/開状態に切り替わる構成となっている。
また、親世帯の第2給湯管65にて連絡配管80の連結部分と貯湯タンク60との間となる部分には第2給湯管65における湯の通過を阻止する閉状態と湯の通過を許容する開状態とに切替可能な電動弁68が配設されており、子世帯の第2給湯管75にて連絡配管80の連結部分とガス給湯器72との間となる部分には第2給湯管75における湯の通過を阻止する閉状態と湯の通過を許容する開状態とに切替可能な電動弁78が配設されている。電動弁68,78は制御装置55に接続されており、制御装置55からの駆動信号に基づいて閉状態/開状態に切り替わる構成となっている。
制御装置55の入力側には上記センサユニット66,76が接続されており、制御装置55ではセンサユニット66,76からの検知情報に基づいて各吐水口における湯の使用状況を把握する。また、制御装置55の入力側には、第2給湯管65にて電動弁68及び貯湯タンク60の間となる部分に配設されたセンサユニット85と、第2給湯管75にて電動弁78及びガス給湯器72の間となる部分に配設されたセンサユニット86が接続されている。センサユニット85,86は温度センサ及び流量センサを有してなり、制御装置55ではそれらセンサユニット85,86からの検知情報に基づいて各給湯設備51,52からの湯の供給状況等を監視可能となっている。更には、制御装置55の入力側には貯湯タンク60,70に付属のセンサユニット69,79(温度センサ及び湯量センサ)が接続されている。制御装置55ではセンサユニット69,79からの検知情報に基づいて各貯湯タンク60,70に蓄えられている湯の温度や量を把握する。本実施の形態においては、これら制御装置55、連絡配管80、電動弁68,78,81、センサユニット66,76,69,79及び後述するセンサユニット82,83によって温水融通手段が構築されている。
通常は電動弁81が閉状態となっており、世帯間での湯の移動が規制されている。ここで、一方の世帯にて湯が不足する等した場合であって他方の世帯にて湯が余剰となっている場合には、電動弁81が開状態に切り替わり連絡配管80を通じて世帯間での湯の融通がなされる。以下、図4及び図5のフローチャートを参照して、制御装置55にて実行される湯の融通に係る処理(融通用処理)について説明する。融通用処理は定期的に実行される処理であり、親世帯から子世帯への湯の融通に係る第1融通処理(図4)と、子世帯から親世帯への湯の融通に係る第2融通処理(図5)とにより構成されている。
第1融通処理においては先ず、ステップS101にて子世帯から親世帯へ湯を融通している最中であるか否かを判定する。ステップS101にて肯定判定をした場合には、そのまま本第1融通処理を終了する。ステップS101にて否定判定をした場合にはステップS102に進み、親世帯から子世帯へ湯を融通している最中であるか否かを判定する。ステップS102にて否定判定をした場合にはステップS103に進む。ステップS103では吐水口に付属のセンサユニット76(操作検知センサ)から取得した検知情報に基づき子世帯にて湯の使用が開始されたタイミングであるか否かを判定する。
ステップS103にて肯定判定をした場合には、ステップS104にてユーザによる要求温度の確認処理を行う。具体的には、センサユニット76(操作検知センサ)からの検知情報に基づいてユーザが使用しようとしている湯の温度(要求温度)を確認する。一方、ステップS103にて否定判定をした場合には、ステップS105に進む。ステップS105では、子世帯の貯湯タンク70から子世帯の吐水口へ湯が供給されている状況であるか否かを判定する。ステップS105にて否定判定をした場合には、そのまま本第1融通用処理を終了する。
ステップS105にて肯定判定をした場合又はステップS104にて確認処理を実行した後は、ステップS106に進む。ステップS106では、子世帯の貯湯タンク70に要求温度以上の湯が確保されているか否かを判定する。すなわち、湯が不足しているか否かを判定する。ステップS106にて湯が確保されていると判定した場合には、そのまま本融通用処理を終了する。この場合、電動弁78を閉状態から開状態に切り替え、貯湯タンク70に溜まっている湯を吐水口へ供給する。
ステップS106にて否定判定をした場合にはステップS107に進む。ステップS107では親世帯の貯湯タンク60に子世帯へ融通可能な湯(余剰となっている湯)があるか否かを判定する。具体的には、親世帯における過去の湯の使用実績を踏まえて、親世帯における湯の予測使用量が算出・設定されており、貯湯タンク60に予測使用量を上回る湯が確保されているか否かを判定する。
ステップS107にて否定判定をした場合には、そのまま本第1融通用処理を終了する。子世帯にて湯が不足している場合であって且つ親世帯にて湯が余剰となっていない場合には、子世帯のガス給湯器72の運転を開始させる。これにより、ガス給湯器72にて加熱された湯が子世帯の吐水口に供給されることとなる。なお、この場合には、子世帯の電動弁78が閉状態→開状態に切り替わる一方、連絡配管80に付属の電動弁81については閉状態に維持される。
ステップS107にて肯定判定をした場合、すなわち親世帯において余剰となる湯が存在している場合には、ステップS108に進み、融通開始処理を行う。融通開始処理においては、親世帯の電動弁68を閉状態から開状態に切り替えるとともに、連絡配管80に付属の電動弁81を閉状態から開状態に切り替える。また、子世帯の電動弁78が開状態となっている場合には、当該電動弁78を閉状態に切り替える。これにより、子世帯の貯湯タンク70から吐水口へ向けた湯の供給が規制され、親世帯の貯湯タンク60から吐水口へ向けた湯の供給が開始される。
ここで、図6の概略図を参照して、湯の融通の流れについて例示する。図6(a1)に示すように、子世帯側の吐水口にてユーザによる給湯操作が行われると、その要求温度(例えば40℃)の湯が子世帯の貯湯タンク70に溜まっているか否かを確認する。湯が溜まっていない場合には、親世帯の貯湯タンク60に蓄えられている湯の温度及び量を確認し、親世帯にて湯が余っているかを特定する。
子世帯にて湯が不足し且つ親世帯にて湯が余っている場合には、図6(a1)→図6(a2)に示すように、電動弁68及び電動弁81を開状態に切り替えることにより、親世帯から子世帯へ湯が融通されることとなる。このような湯の融通は、子世帯にて湯の使用が終了した場合、親世帯における湯の余剰分を使いきった場合、親世帯にて湯の使用が開始された場合の何れかの条件が成立した場合に終了する。なお、子世帯にて湯の使用が続いている場合には、供給元が親世帯から子世帯に切り替わりバックアップ加熱部であるガス給湯器72の運転が開始される。
また、図6(b1)に示すように、子世帯の貯湯タンク70に溜まっている湯が子世帯の吐水口に供給されている場合には、電動弁78が開状態、電動弁68,81が閉状態となっている。ここで、湯が使用されることで貯湯タンク70における湯量が減り吐水口へ供給すべき湯を確保できなくなる。このようにして、湯が不足する状況となった場合には、親世帯の貯湯タンク60に蓄えられている湯の温度及び量を確認し、親世帯にて湯が余っているか否かを特定する。
子世帯にて湯が足りなくなり且つ親世帯にて湯が余っている場合には、図6(b1)→図6(b2)に示すように、電動弁68,81を開状態に切り替えるとともに電動弁78を閉状態に切り替える。これにより、親世帯から子世帯へ湯が融通されることとなる。このような湯の融通は、子世帯にて湯の使用が終了した場合、親世帯における湯の余剰分を使いきった場合、親世帯にて湯の使用が開始された場合の何れかの条件が成立した場合に終了する。なお、子世帯にて湯の使用が続いている場合には、供給元が親世帯から子世帯に切り替わりバックアップ加熱部であるガス給湯器72の運転が開始される。
図4に示す第1融通用処理の説明に戻り、ステップS108にて融通開始処理を行った後は、ステップS109にて融通量記憶開始処理を実行した後、本第1融通用処理を終了する。連絡配管80には温度センサ及び流量センサからなるセンサユニット83が配設され、センサユニット83は制御装置55に接続されている(図3参照)。融通量記憶開始処理が実行されることにより、後述する融通量記憶終了処理が実行されるまでの間に子世帯へ融通された湯の融通量(融通熱量)をセンサユニット83からの情報に基づいて特定し、当該特定した融通量を制御装置55のRAMに記憶する。
ステップS102の説明に戻り、当該ステップS102にて肯定判定をした場合、すなわち親世帯から子世帯へ湯が融通されている最中であると判定した場合には、ステップS110に進む。ステップS110ではユーザからの要求温度が変更されたか否かを判定する。ステップS110にて肯定判定をした場合には、ステップS111に進む。ステップS111では温度条件再確認処理を行う。具体的には、子世帯の貯湯タンク70に蓄えられている湯の温度が変更された要求温度よりも高いか否かの確認を行う。
ステップS111の確認処理を実行した後、又はステップS110にて否定判定をした場合にはステップS112に進む。ステップS112では親世帯における余剰分の再確認処理を行う。具体的には、親世帯の貯湯タンク60に蓄えられている湯の余剰分がなくなったか否かを確認する。
ステップS112の確認処理を実行した後は、ステップS113に進む。ステップS113では融通終了条件が成立しているか否かを判定する。具体的には、子世帯の吐水口における湯の使用が終了している場合、親世帯における湯の余剰分を使い果たした場合、子世帯の貯湯タンク70に蓄えられている湯によりユーザの要求に対応可能となった場合には、融通終了条件が成立する。なお、少なくとも子世帯における湯の使用が終了した場合に融通が終了する構成となっているのであれば足り、他の条件を終了条件として設定するか否かについて任意である。
融通終了条件が成立した場合には、ステップS114にて融通終了処理を実行する。これにより、少なくとも電動弁81が開状態から閉状態に切り替わり、親世帯から子世帯への湯の融通が終了する。例えば、親世帯から子世帯に湯が融通されている状況下にておいては、電動弁68及び81が開状態となっており、電動弁78が閉状態となっている。親世帯からの湯の融通が続くことにより、親世帯の貯湯タンク60に溜まっている湯の量が減少し、親世帯の貯湯タンク60に溜まっている湯の量が想定使用量に達して余剰分が無くなると、親世帯から子世帯への湯の融通が終了する。具体的には、電動弁68,81が開状態から閉状態に切り替わり、閉状態となっていた電動弁78が開状態に切り替わる。これに併せて子世帯のガス給湯器72が運転を開始し、ガス給湯器72にて温められた湯が子世帯の吐水口へ供給されることとなる。
図4の説明に戻り、ステップS114の終了処理を実行した後は、ステップS115にて融通量記憶終了処理を実行した後、本第1融通用処理を終了する。
次に、図5を参照して、上記第2融通処理については説明する。なお、第2融通処理については、基本的な流れが第1融通処理と同様である。
第2融通処理においては先ず、ステップS201にて親世帯から子世帯へ湯を融通している最中であるか否かを判定する。子世帯への融通中でない場合にはそのまま本第1融通処理を終了する。融通中である場合にはステップS202に進み、子世帯から親世帯へ湯を融通している最中であるか否かを判定する。ステップS202にて否定判定をした場合にはステップS203に進み、吐水口に付属のセンサユニット66(操作検知センサ)から取得した検知情報に基づき親世帯にて湯の使用が開始されたタイミングであるか否かを判定する。
ステップS203にて肯定判定をした場合には、ステップS204にて要求温度の確認処理を行う。一方、ステップS203にて否定判定をした場合には、ステップS205に進み、親世帯の貯湯タンク60から親世帯の吐水口へ湯が供給されている状況であるか否かを判定する。ステップS205にて否定判定をした場合には、そのまま本第2融通用処理を終了する。
ステップS205にて肯定判定をした場合又はステップS204にて確認処理を実行した後は、ステップS206に進む。ステップS206では、親世帯の貯湯タンク60に要求温度以上の湯が確保されているか否かを判定する。ステップS206にて湯が確保されていると判定した場合には、そのまま本融通用処理を終了する。この場合、電動弁68を閉状態から開状態に切り替え、貯湯タンク60に溜まっている湯を吐水口へ供給する。
ステップS206にて否定判定をした場合には、ステップS207に進む。ステップS207では子世帯の貯湯タンク70に親世帯へ融通可能な湯(余剰となっている湯)があるか否かを判定する。具体的には、子世帯における過去の湯の使用実績を踏まえて子世帯における湯の予測使用量が算出・設定されており、貯湯タンク70に予測使用量を上回る湯が確保されているか否かを判定する。
子世帯において余剰となる湯がない場合には、ステップS207にて否定判定をして本第2融通用処理を終了する。親世帯にて湯が不足している場合であって且つ子世帯にて湯が余剰となっていない場合には、親世帯の電気給湯機62の運転を開始させる。これにより、電気給湯機62にて加熱された湯が親世帯の吐水口に供給されることとなる。なお、この場合には、親世帯の電動弁68が閉状態→開状態に切り替わる一方、連絡配管80に付属の電動弁81については閉状態に維持される。
子世帯において余剰となる湯が存在している場合には、ステップS207にて肯定判定をしてステップS208に進み、融通開始処理を行う。融通開始処理においては、子世帯の電動弁78を閉状態から開状態に切り替えるとともに、連絡配管80に付属の電動弁78を閉状態から開状態に切り替える。また、親世帯の電動弁68が開状態となっている場合には、当該電動弁68を閉状態に切り替える。これにより、親世帯の貯湯タンク60から吐水口へ向けた湯の供給が規制され、子世帯の貯湯タンク70から吐水口へ向けた湯の供給が開始される。
ステップS208にて融通開始処理を行った後は、ステップS209にて融通量記憶開始処理を実行した後、本第2融通用処理を終了する。連絡配管80には温度センサ及び流量センサからなるセンサユニット82が配設され、センサユニット82は制御装置55に接続されている(図3参照)。融通量記憶開始処理が実行されることにより、後述する融通量記憶終了処理が実行されるまでの間に親世帯へ融通された湯の融通量(融通熱量)をセンサユニット82からの情報に基づいて特定し、当該特定した融通量を制御装置55のRAMに記憶する。
ステップS202の説明に戻り、当該ステップS202にて肯定判定をした場合、すなわち子世帯から親世帯へ湯が融通されている最中であると判定した場合には、ステップS210に進む。ステップS210ではユーザからの要求温度が変更されたか否かを判定する。ステップS210にて肯定判定をした場合には、ステップS211に進む。ステップS211では温度条件再確認処理を行う。具体的には、親世帯の貯湯タンク60に蓄えられている湯の温度が変更された要求温度よりも高いか否かの確認を行う。
ステップS211の確認処理を実行した後、又はステップS210にて否定判定をした場合にはステップS212に進む。ステップS212では子世帯における余剰分の再確認処理を行う。具体的には、子世帯の貯湯タンク70に蓄えられている湯の余剰分がなくなったか否かを確認する。
ステップS212の確認処理を実行した後は、ステップS213に進む。ステップS213では融通終了条件が成立しているか否かを判定する。具体的には、親世帯の吐水口における湯の使用が終了している場合、子世帯における湯の余剰分を使い果たした場合、親世帯の貯湯タンク60に蓄えられている湯によりユーザの要求に対応可能となった場合には、融通終了条件が成立する。なお、少なくとも親世帯における湯の使用が終了した場合に融通が終了する構成となっているのであれば足り、他の条件を終了条件として設定するか否かについて任意である。
融通終了条件が成立した場合には、ステップS214にて融通終了処理を実行する。これにより、少なくとも電動弁81が開状態から閉状態に切り替わり、子世帯から親世帯への湯の融通が終了する。ステップS214の終了処理を実行した後は、ステップS215にて融通量記憶終了処理を実行した後、本第2融通用処理を終了する。
以上詳述した給湯システム50には、太陽熱の利用によって削減できた光熱費(「削減量」に相当)を算出する算出システムが適用されており、この算出システムによる算出結果がユーザに提供される構成となっている。以下、図1,7,8を参照して、算出システムに係る電気的構成について補足説明する。図7は算出システムに係る電気的構成を示すブロック図、図8は制御装置55のRAMに記憶される情報群を示す概略図である。
図7に示すように、制御装置55には親世帯側の各吐水口に付属のセンサユニット66,67が接続されている。制御装置55のMPU56では、センサユニット66,67からの情報(各吐水口にて使用された湯の量及び温度)に基づいて、消費熱量を吐水口毎に特定する。特定された消費熱量については、消費された日毎に区別された状態でMPU56のRAM58に記憶される(図8のD〜G参照)。
親世帯側の貯湯タンク60と太陽熱集熱器61及び電気給湯機62との間には、温度センサ及び流量センサを有するセンサユニット91,92が配設されている(図1参照)。センサユニット91,92は制御装置55に接続されており、制御装置55では太陽熱集熱器61及び電気給湯機62から貯湯タンク60の湯に与えられた供給熱量をセンサユニット91,92からの情報に基づいて各々特定する。特定された供給熱量については、MPU56のRAM58に供給された日毎に区別された状態で記憶される(図8のA〜B参照)。
また、制御装置55には子世帯側の各吐水口に付属のセンサユニット76,77が接続されている。制御装置55のMPU56では、センサユニット76,77からの情報(各吐水口にて使用された湯の量及び温度)に基づいて、消費熱量を吐水口毎に特定する。特定された消費熱量については、消費された日毎に区別された状態でMPU56のRAM58に記憶される(図8のD〜G参照)。
子世帯側の貯湯タンク70とガス給湯器72との間には、温度センサ及び流量センサを有するセンサユニット95が配設されている(図1参照)。センサユニット95は制御装置55に接続されており、制御装置55では太陽熱集熱器71から貯湯タンク60の湯に与えられた供給熱量をセンサユニット95からの情報に基づいて特定する。特定された供給熱量については、供給され日毎に区別された状態でMPU56のRAM58に記憶される(図8のB参照)。
制御装置55には連絡配管80に配設された上記センサユニット82,83が接続されている。制御装置55のMPU56では、子世帯から親世帯へ融通された融通熱量を親世帯側のセンサユニット82からの情報に基づいて特定し、親世帯から子世帯へ融通された融通熱量を親世帯側のセンサユニット83からの情報に基づいて特定する。特定された各融通熱量については、融通された日毎にMPU56のRAM58に記憶される(図8のI,J参照)。
制御装置55のMPU56では、太陽熱の利用による光熱費の削減量をRAM58に記憶されている上記各種情報に基づいて算出する。制御装置55には親世帯及び子世帯に各々配設された表示端末59が接続されており、削減量の算出結果等の情報がそれら表示端末59の表示画面に表示される構成となっている。それらの情報については、例えば表示端末59にてユーザによって表示操作が行われた場合に表示される。これら制御装置55、表示端末59及び各センサユニット66,67,76,77,82,83,91,92,95によって算出システム(情報提供システム)が構築されている。
次に、制御装置55のMPU56にて実行される光熱費の削減量の算出及び表示に係る処理(削減量算出処理)について説明する。削減量算出処理は、MPU56にて定期処理の一環として実行される処理である。本実施の形態においては、親世帯側給湯設備51と子世帯側給湯設備52とで給湯の仕組みが異なっており、削減量算出処理については親世帯に対応するものと子世帯に対応するものとに大別される。これらの処理については基本的な流れは同様であるものの、上記仕組みの違いに配慮して削減量の算出の具体的態様が個別に設定されている。以下、図9のフローチャートを参照して、削減量算出処理の流れを親世帯側給湯設備51に係る削減量の算出を踏まえて説明し、その後、当該算出との違いを中心に子世帯側給湯設備52の削減量の算出について説明する。
削減量算出処理においては先ず、ステップS301にて削減量を算出すべきタイミングとなったか否かを判定する。具体的には、ユーザによって表示操作が行われたか否か、表示操作が行われていない場合には予め設定された時刻となったか否かを判定する。ステップS301にて否定判定をした場合には、そのまま本削減量算出処理を終了する。ステップS301にて肯定判定をした場合にはステップS302に進む。
ステップS302ではRAM58に記憶された情報に基づいて、算出対象となった世帯(該当世帯)における本日の総消費熱量を算出する。具体的には、該当世帯にて消費した消費熱量と他の世帯に融通した融通熱量とを合算することで世帯毎に総消費熱量を算出する。例えば、親世帯におけるn日目の総消費熱量Ynは、以下の式(1)により表される。
式(1)における、Dnはn日目に親世帯のキッチン設備24にて消費された消費熱量、Enはn日目に親世帯の洗面台23にて消費された消費熱量、Fnはn日目に親世帯のシャワー設備22にて消費された消費熱量、Gnはn日目に親世帯のバスユニット21にて消費された消費熱量、Jnはn日目に親世帯から子世帯に融通された融通熱量である。
続くステップS303ではRAM58に記憶された情報に基づいて該当世帯における本日の熱量の自給率を算出する。例えば、親世帯におけるn日目の自給率Snは、以下の式(2)により表される。
式(2)における、Anはn日目に親世帯の太陽熱集熱器61により(貯湯タンク60へ)供給された供給熱量、Rnはn日目に親世帯の貯湯タンク60に残った残り熱量、Lは放熱による貯湯タンク60の熱量の低下を示す貯湯ロス係数、Znは親世帯におけるn日目の総供給熱量である。例えば、親世帯におけるn日目の残り熱量Rn及び総供給熱量Znは、以下の式(3),(4)により表される。
式(3),(4)における、Bnは電気給湯機62により(貯湯タンク60へ)供給された供給熱量であり、Inはn日目に子世帯から親世帯に融通された融通熱量である。つまり、親世帯における供給熱量と、前日からの残り熱量と、子世帯から親世帯への融通熱量との和がn日目の総供給熱量Znであり、この総供給熱量Znから親世帯における消費熱量と親世帯から子世帯への融通熱量とを引いた値がn日目の残り熱量Rnとなる。
ステップS303にて自給率を算出した後は、ステップS304にて該当世帯における本日の光熱費の削減量Vnを算出する。親世帯におけるn日目の削減量Vnは、以下の式(5)により表される。
変換定数k(「補正係数」に相当)は、電力単価を電力1KWあたりの熱量及び電気給湯機62の平均効率で除すことで得られる値である。総消費熱量Ynと自給率Snとを乗じることで親世帯にて消費された熱量及び子世帯に融通した熱量のうち太陽熱集熱器61による供給熱量を特定し、これに変換定数kを乗じることで電気給湯機62を稼働させて(電力を消費して)同じ熱量を確保しようとした場合の光熱費、すなわち親世帯におけるn日目の削減量Vnが算出される。
ステップS304にて削減量Vnを算出した後は、ステップS305に進む。ステップS305では表示端末59の表示画面に削減量Vn等の情報を表示させるための処理を行う。表示端末59においては、制御装置55からの指示に基づいて、消費合計、自給率、削減量の各データを表示画面に表示する(図10参照)。なお、表示画面においては、当日のデータだけでなく過去のデータが併せて表示される。
図11(a)の概略図に示すように、親世帯から子世帯への湯の融通が行われていない場合には、子世帯への融通熱量を加味して削減量を算出した場合と、子世帯への融通熱量を加味することなく削減量を算出した場合とで差は生じない。これに対して、図11(b)の概略図に示すように、親世帯から子世帯への融通が行われている場合には、子世帯への融通熱量を加味して削減量を算出した場合と比べて子世帯への融通熱量を加味して削減量を算出した場合には値が小さくなる。このような違いがあるため、融通熱量を加味していない削減量を表示することは、電気給湯機62による恩恵が本来の恩恵よりも小さいとの印象をユーザに与え、湯の融通機能に対する印象を低下させる要因になり得る。故に、融通機能の利用促進を図る上で妨げになると懸念される。この点、本実施の形態に示す構成によれば、他の世帯へ融通した湯(熱量)を考慮して削減量が算出→表示されるため、上記不都合の発生を好適に抑制できる。
子世帯に対応した削減量算出の基本的な流れについては、親世帯に対応した削減量算出の流れと同様であるものの、各値の算出に用いられる式が異なっている。
子世帯におけるn日目の総消費熱量Y´nは、以下の式(6)により表される。
式(6)における、D´nはn日目に子世帯のキッチン設備34にて消費された消費熱量、Enはn日目に子世帯の洗面台33にて消費された消費熱量、Fnはn日目に子世帯のシャワー設備32にて消費された消費熱量、Gnはn日目に子世帯のバスユニット31にて消費された消費熱量、Inはn日目に子世帯から親世帯に融通された融通熱量である。
子世帯におけるn日目の自給率S´nは、以下の式(7)により表される。
式(7)におけるA´nはn日目に子世帯の太陽熱集熱器71により(貯湯タンク70へ)供給された供給熱量である。
また、子世帯におけるn日目の光熱費の削減量V´nを算出する。削減量V´nは、以下の式(8)により表される。
式(8)において変換定数k´(「補正係数」に相当)は、ガス単価をガス1Lあたりの熱量及びガス給湯器72の平均効率で除した変換定数である。総消費熱量Y´nと自給率S´nとの積に変換定数k´を乗じることでガス給湯器72の稼働(ガスの消費)によって同じ熱量を確保しようとした場合の光熱費、すなわち削減量V´nが算出される。
以上詳述した実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
太陽熱集熱器61,71については、ガス給湯器や電気給湯機と比べて天候の影響を受けやすく、生成できる湯の量にばらつきが生じる。また、日々の生活にて各世帯で使用される湯の量については必ずしも一定ではなく、湯の使用量が嵩む日があれば、湯の使用量が少ない日もある。ここで、本実施の形態に示したように、複数の世帯間で湯の融通が可能な給湯システム50を構築すれば、例えば一方の世帯にて湯が不足している場合に湯が余剰となっている他の世帯から湯を都合することができる。これにより、給湯時の電気やガス等のエネルギ消費を抑えることができる。故に、湯の使い勝手が低下することを抑制しつつ、複数世帯全体でのエネルギ効率を好適に向上させることができる。
太陽熱集熱器が配設された各世帯について、太陽熱の利用によって削減(節約)できた光熱費の削減量を算出し、その算出結果をユーザに報知することにより太陽熱集熱器の恩恵がどの程度であるかを明らかにすることができる。光熱費の削減量は、自世帯にて消費された消費熱量、他の世帯に融通した融通熱量、他の世帯から融通された融通熱量に基づいて算出される。他の世帯との間の融通熱量を加味して太陽熱加熱部による恩恵(表示)の実績に対する乖離を抑えることは、太陽熱集熱器に対するユーザの過小評価等を抑制し、湯の融通機能の利用促進を図る上で好ましい。
貯湯式のでバックアップ加熱部(電気給湯機62)を有している場合には、貯湯タンク60の湯を電気給湯機62によって生成されたものと太陽熱集熱器61によって生成されたものとに区別することが困難となる。そこで、本実施の形態に示したように太陽熱集熱器61によって加えられた熱量及び電気給湯機62によって加えられた熱量に基づいて自給率を算出するとよい。このようにして、算出された自給率を消費熱量と融通熱量との和に乗じることで、削減量を簡易に算出することができる。また、前日から持ち越された湯(持越し熱量)の少なくとも一部は以前に電気給湯機62よって加熱されたものである可能性がある。このような持越し熱量を加味せずに削減量を算出した場合には、算出結果が実際の削減量よりも少なくなり得る。そこで、本実施の形態に示したように、持越し熱量を考慮して削減量を算出することにより、算出結果の確からしさを好適に向上させることができる。本実施の形態においては特に、世帯間にて融通された熱量を加味して持越し熱量を算出することで、持越し熱量の算出結果、ひいては削減量算出手段による算出結果の確からしさを好適に向上させている。
湯の持越しが可能な構成においては、蓄えられている湯から時間の経過に伴って熱量が失われることとなる。そこで、このような熱損失を考慮して持越し熱量を削減量に反映する構成とすれば、上述した算出結果の確からしさを好適に向上させることができる。
親世帯から子世帯に融通される熱量を特定するためのセンサユニット83については、連絡配管80において子世帯側の端部寄りに配設されており、子世帯から親世帯に融通される熱量を特定するためのセンサユニット82については、連絡配管80において親世帯側の端部寄りに配設されている。このような配置とすれば、融通熱量を融通先に極力近い位置にて特定することができる。これにより、連絡配管80を湯が移動する場合に生じる熱損失等に起因して削減量の算出結果について誤差が大きくなることを抑制できる。
なお、上述した実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。因みに、以下の別形態の構成を、上記実施の形態における構成に対して、個別に適用してもよく、相互に組み合わせて適用してもよい。
(1)上記実施の形態では、親世帯から子世帯、子世帯から親世帯への双方向にて湯の融通を行う給湯システムに光熱費の削減量を算出する算出システムを適用した場合について例示したが、これに限定されるものではない。親世帯から子世帯及び子世帯から親世帯のいずれか一方向についてのみ湯の融通を行う構成とする場合には、少なくとも湯の融通元となる世帯の給湯システムに上記算出システムを適用されていれば足りる。
(2)上記実施の形態では二世帯住宅の世帯間にて湯の融通が可能な給湯システム50に算出システムを適用した場合について例示したが、これに限定されるものではない。三世帯住宅にてそれら三世帯間にて湯の融通が可能な給湯システムに算出システムを適用してもよい。また、マンション等の集合住宅にて多数の世帯間にて湯を融通可能な給湯システムに上記算出システムを適用することも可能である。
(3)上記実施の形態では、太陽熱集熱器61によって削減された(節約された)光熱費を算出→報知する構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、光熱費の削減量に代えて又は加えて、太陽熱集熱器61により削減された購買エネルギの量を算出→報知する構成としてもよいし、太陽熱集熱器61により削減された熱量を算出→報知する構成としてもよい。
(4)上記実施の形態では、流量センサ及び温度センサからの情報に基づいて消費熱量や融通熱量を特定する構成としたが、消費熱量や融通熱量を特定するための具体的構成については任意である。例えば、湯の供給時間を計測するタイマ等の計測手段及び温度センサからの情報に基づいて消費熱量や融通熱量を特定する構成としてもよい。
(5)ヒートポンプ式の電気給湯機62が配設された親世帯では、貯湯タンク60に前日からの残り湯がある場合にその熱量を(残り熱量)考慮して光熱費の削減量を算出することで削減量の確からしさを向上させる構成としたが、これに限定されるものではない。削減量を算出する上で残り熱量を考慮しない構成とすることで、削減量の算出を簡素化してもよい。
(6)上記実施の形態では、親世帯側の削減量を算出する場合に使用される変換定数kを、湯の融通元である親世帯のバックアップ加熱部の仕様及び当該バックアップ加熱部にて消費される購買エネルギの単価等に基づいて定める構成としたが、これを以下のように変更してもよい。すなわち、変換定数kを融通先である子世帯のバックアップ加熱部の仕様及び当該バックアップ加熱部にて消費される購買エネルギの単価等に基づいて定める構成としてもよい。
(7)上記実施の形態では、親世帯から子世帯への融通熱量を監視するセンサユニット83と、子世帯から親世帯への融通熱量を監視するセンサユニット82とを個別に設けたが、これに限定されるものではない。1のセンサユニットによって各方向での融通熱量を監視する構成とすることも可能である。また、センサユニットの配置については任意であり、例えばセンサユニット82とセンサユニット83との配置を入れ替えることも可能である。
(8)上記実施の形態では、給湯システムを構築していするセンサユニット66等や制御装置55等の各種構成を算出システムに流用する構成としたが、これに限定されるものではない。削減量の算出を実現する為の構成を給湯システムとは別に設けることも可能である。また、熱量等の算出機能を有する給湯システムに対して算出システムを適用する場合には、給湯システムにおける熱量の算出結果を参照して削減量を算出する構成とすればよい。
(9)上記実施の形態では、各太陽熱集熱器61,71により削減され光熱費の削減量(第1情報)をユーザに報知する構成としたが、これに加えて各世帯にて削減された光熱費の削減量(第2情報)を報知する構成とすることも可能である。このように、自世帯における削減量を把握可能とすることで、ユーザの多様なニーズに対応できる。なお、このような構成とする場合には、第1情報及び第2情報の両方が併せて表示される構成としてもよいし、ユーザの切替要求に応じて報知される情報を第1情報/第2情報で切り替える構成としてもよい。