JP6844888B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、空気入りタイヤに関する。
従来、パンク防止機能を有する空気入りタイヤとして、シーラント材の層をタイヤ内面に沿って配置したものが知られており、シーラント材の層を備えたタイヤは、トレッド部に釘などの異物が刺さったときに、シーラント材がパンク孔を自動的に塞ぐように機能する。
しかし、シーラント材は、一般に粘着性が高くかつ流動性を有し、タイヤをリムに組み付けるリム組み作業や、保管の際に異物が付着したり、リム組み機械にシーラント材がくっついてしまうという欠点があった。
特許文献1には、少なくともトレッド部に対応するタイヤ内周面に粘着ゴムからなるシーラント層を設けた空気入りタイヤにおいて、前記シーラント層内に該シーラント層の厚さ方向及びタイヤ周方向に延びる架橋薄膜からなる複数の仕切りをタイヤ幅方向に間隔をおいて設けた空気入りタイヤが記載されている。
特開2006−142925号公報
従来使用されてきたシーラント材は、拡散によりパンク孔等のタイヤ損傷部を塞ぐことで、封止能を有する。しかし、パンク孔等に拡散するためには、シーラント材の層の厚みが必要であり、タイヤ全体の質量増加に繋がるものであった。
本発明の目的は、タイヤ全体の質量増加を抑制しつつ、タイヤ損傷後の空気圧の低下を抑制することが可能な空気入りタイヤを提供することである。
本発明者は鋭意検討した結果、従来のシーラント材に代えて、自己修復材料を使用することにより、上記の課題を解決しうることを見出した。
すなわち、本発明は、以下の<1>〜<6>に関する。
<1> 少なくとも一層のカーカスプライからなるカーカス層を備え、該カーカス層のタイヤ径方向内側に、自己修復材料が配置されていることを特徴とする空気入りタイヤ。
<2> 前記自己修復材料が、タイヤ内腔に貼付されてなる、<1>に記載の空気入りタイヤ。
<3> トレッド部内側領域の自己修復材料の厚みが、サイド部内側領域の自己修復材料の厚みの2倍以上である、<1>又は<2>に記載の空気入りタイヤ。
<4> 前記自己修復材料の破断伸びが800%以上である、<1>〜<3>のいずれか1つに記載の空気入りタイヤ。
<5> 前記自己修復材料が、加硫後に貼付されてなる、<1>〜<4>のいずれか1つに記載の空気入りタイヤ。
<6> トレッド部内側領域の自己修復材料と、サイド部内側領域の自己修復材料とが、隣接して配置されてなる、<1>〜<5>のいずれか1つに記載の空気入りタイヤ。
本発明によれば、タイヤ全体の質量増加を抑制しつつ、タイヤ損傷後の空気圧の低下を抑制することが可能な空気入りタイヤを提供することができた。
自己修復材料が配置されたタイヤの一例を示す断面模式図である。
以下に、本発明をその実施形態に基づき詳細に例示説明する。なお、以下の説明において、数値範囲を示す「A〜B」の記載は、端点であるA及びBを含む数値範囲を表し、「A以上B以下」(A<Bの場合)、又は、「A以下B以上」(A>Bの場合)を表す。
また、質量部及び質量%は、それぞれ、重量部及び重量%と同義である。
(空気入りタイヤ)
本発明の空気入りタイヤ(以下、単に「タイヤ」ともいう。)は、少なくとも一層のカーカスプライからなるカーカス層を備え、該カーカス層のタイヤ径方向内側に、自己修復材料が配置されていることを特徴とする。
従来、タイヤのシーラント材としては、流動性があるシーラント材が使用されており、分子拡散によりタイヤ損傷部を塞ぐことで、封止能を発揮していた。従来のシーラント材は、流動性があるために、タイヤに安定的に配置することが困難であり、また、拡散により封止能を発揮するため、シーラント材の層の厚みを厚くする必要があり、タイヤ全体の質量増加に繋がるものであった。
本発明者は鋭意検討することによって、従来のシーラント材に代えて、自己修復材料を採用することにより、上記の問題が解決されることを見出し、本発明を完成するに至った。その詳細な機構は不明であるが、一部は以下のように考えられる。
詳細は後述するが、自己修復材料は、外部要因により生じた損傷が、外部から手を加えずとも自然に(ある程度まで)修復される機能を有する材料である。自己修復材料は、ゲル状であるものが主流である。従って、自己修復材料は形状保持能があり、流動性を有していないため、従来のシーラント材とは異なり、サイドウォール部に配置することが可能である。また、従来のシーラント材は、分子の拡散によりタイヤ損傷部を塞ぐことで封止能を発揮するが、自己修復材料は結合(主として、非共有結合的な結合)により損傷が自己修復するため、従来のシーラント材のように、厚みのある層を形成する必要がなく、従来のシーラント材の層(シーラント層)の厚みに比べ、自己修復材料からなる層(自己修復材料層)の厚みを薄くすることが可能である。
その結果、本発明の空気入りタイヤでは、タイヤが損傷を受けた際の修復性能を維持しつつ、シーラント層を設けたことによるタイヤ全体としての質量の増加を抑制することができたものと考えられる。
<自己修復材料>
本発明において自己修復材料は、外部要因によって生じた損傷が、外部から手を加えずとも自然に、ある程度までは修復される機能を有する材料である。
具体的には、切断前の試料の破断伸びをXとしたとき、試料を切断して、切断面同士を密着させて常温(25℃±5℃)にて24時間放置後に測定した破断伸びが、0.8×X以上であることを意味する。
なお、破断伸びは、実施例に記載の方法により測定される。
また、自己修復材料は、ポリマーであり、架橋しているため形状保持能を有し、ゲル状であっても、流動性を有するものではない。
自己修復材料を切断して、切断面同士を密着させて放置した場合、自己修復材料は、非共有結合的な結合又は動的共有結合により、ポリマー同士が、又はポリマー内で結合が形成されることにより、修復される。
自己修復材料としては、公知の自己修復材料から適宜選択すればよく、特に限定されない。具体的には、(1)特開2016−216724号公報、”Macromolecular Rapid Communications”, 2016, 37, 86-92に記載されているような、シクロデキストリン等のホスト基と、アダマンチル基等のゲスト基を有する包接錯体からなる自己修復材料、(2)”Polymer Journal”, 2013, 45, 879-891に記載されているような、アルコキシアミン部位を使用した動的共有結合(Dynamic Covalent Chemistry)に基づく自己修復材料、(3)”Materials Horizons”, 2014, 1, 237-240に記載されているような、芳香族ジスルフィドを使用した動的共有結合(Dynamic Covalent Chemistry)に基づく自己修復材料、(4)”Nature materials”, 2013, 12(10), 932-937に記載されているような、カチオン性の繰り返し単位と、アニオン性の繰り返し単位とを有する両性高分子電解質からなる自己修復材料、(5)”Science”, 2014, 244 (6185), 732-735に記載されているような、パラホルムアルデヒドとアルキレンオキシ基を有するジアミンとの縮合物からなるヘミアミナール動的共有結合を有する自己修復材料が例示される。
自己修復材料は、使用中の溶媒の揮発によって、タイヤに使用されるコイル等の金属部材の腐食を抑制する観点から、水系溶媒を使用して合成された高分子よりは、有機溶媒を使用して合成された高分子であることが好ましい。なお、上記の自己修復材料は、いずれもゲル状であり、合成時に使用された溶媒を高分子中に抱き込んでいるため、合成時の溶媒が有機溶媒であることが特に重要である。
このような観点から、自己修復材料は、上述した(1)〜(5)の中では、(5)の自己修復材料であることが好ましい。以下、(5)の自己修復材料について詳述する。
本発明で好適に使用される自己修復材料としては、パラホルムアルデヒドとアルキレンオキシ基を有するジアミンとの縮合物からなるヘミアミナール動的共有結合を有する自己修復材料が例示される。
アルキレンオキシ基を有するジアミンのアルキレンオキシ基は、炭素数2〜4のアルキレンオキシ基であることが好ましく、具体的には、エチレンオキシ基、プロピレンオキシ基、ブチレンオキシ基が例示される。これらの中でも、エチレンオキシ基、プロピレンオキシ基が好ましく、エチレンオキシ基がより好ましい。
前記アルキレンオキシ基は、ポリアルキレンオキシ基であることが好ましく、ポリアルキレンオキシ基を有するジアミンとしては、ポリエチレングリコールジアミン(PEGジアミン)、ポリプロピレングリコールジアミン(PPGジアミン)、ポリエチレングリコール/プロピレングリコールジアミン等が例示され、ポリエチレングリコールジアミン、ポリプロピレングリコールジアミンが好ましく、ポリエチレングリコールジアミンがより好ましい。
アルキレンオキシ基を有するジアミンは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
以下に、ポリエチレングリコールジアミン(PEGジアミン)と、パラホルムアルデヒドから形成される自己修復材料の一例を示す。
ポリアルキレンオキシ基を有するジアミンの重量平均分子量は、自己修復性の観点から、好ましくは500〜30,000、より好ましくは1,000〜10,000、更に好ましくは3,000〜6,000である。
アルキレンオキシ基を有するジアミンに対するパラホルムアルデヒドの使用量は、アルキレンオキシ基を有するジアミンのアミノ基1当量に対して、パラホルムアルデヒドのホルムアルデヒドとしての当量が、好ましくは1〜4当量、より好ましくは2〜3当量、更に好ましくは2.4〜2.6当量、より更に好ましくは2.5当量である。
上記アルキレンオキシ基を有するジアミンと、パラホルムアルデヒドは、均一に反応を進行させ、ゲル化を促進する観点から、溶媒の存在下で反応させることが好ましい。該溶媒としては、N−メチルピロリドン(NMP)が例示される。
溶媒の使用量は、ゲルの強度を保持する観点から、アルキレンオキシ基を有するジアミンと、パラホルムアルデヒドの合計量を100質量部としたとき、好ましくは50〜10,000質量部、より好ましくは100〜3,000質量部、更に好ましくは250〜1,000質量部である。
上記アルキレンオキシ基を有するジアミンと、パラホルムアルデヒドとの反応温度は、反応の進行を促進すると共に、副反応を抑制する観点から、好ましくは10〜200℃、より好ましくは20〜100℃、更に好ましくは40〜60℃である。
また、反応時間は、十分に反応を進行させる観点から、好ましくは0.1〜10時間、より好ましくは0.2〜3時間、更に好ましくは0.3〜1時間である。
上記の反応の際に、必要に応じて着色剤等を添加してもよい。
自己修復材料の破断伸びは、十分な修復性能を発揮する観点から、好ましくは800%以上、より好ましくは1,000%以上、更に好ましくは1,200%以上である。
自己修復材料の破断伸びは、実施例に記載の方法により測定される。
<空気入りタイヤ>
以下、本発明の空気入りタイヤについて、図面を参照して説明する。
図1は、自己修復材料が配置されたタイヤの一例を示す断面模式図である。図1は、空気入りタイヤの子午線切断面を示す。図1に示す空気入りタイヤ10は、1対のビード部11、該ビード部11の半径方向外側にそれぞれ連なる1対のサイド部12と、両サイド部12の間に跨るトレッド部13とからなる。そして、ビード部11のビードコア14間でトロイド状に延びる少なくとも一層のカーカスプライからなるカーカス層15を配置すると共に、上記カーカス層15のクラウン部の半径方向外側にベルト層16を配置することによって、タイヤの骨格を形成している。また、カーカス層15のタイヤ径方向内側には、インナーライナー17が配置されている。
自己修復材料18は、カーカス層15のタイヤ径方向内側に配置される。図1中、自己修復材料18は、インナーライナー17よりもタイヤ径方向内側の、タイヤ内腔に配置されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、カーカス層15とインナーライナー17との間に、自己修復材料18が配置されていてもよい。自己修復材料18の配置の容易さから、自己修復材料18は、タイヤ内腔に配置されていることが好ましい。
なお、本発明において、「カーカス層のタイヤ径方向内側に、自己修復材料が配置されている」とは、カーカス層のタイヤ径方向内側の少なくとも一部に配置されていればよく、カーカス層のタイヤの径方向内側の全てに配置されていることを意味するものではない。自己修復材料は、少なくともトレッド部内部領域の一部に配置されていることが好ましく、トレッド部内部領域の全部に配置されていることがより好ましく、トレッド部内部領域の全部と、サイド内部領域の少なくとも一部に配置されていることが更に好ましい。
自己修復材料を配置する方法は特に限定されず、タイヤの部材間に挟持する方法、融着する方法、溶着する方法、接着剤・粘着剤等を使用する方法等、特に限定されない。
自己修復材料は、タイヤの製造容易性の観点から、タイヤの加硫後に配置されることが好ましく、タイヤの加硫後に貼付されることがより好ましく、タイヤの加硫後にタイヤの内腔に貼付されることが更に好ましい。
なお、自己修復材料自体を貼付してもよいが、自己修復材料を、例えば熱可塑性樹脂フィルムや熱可塑性樹脂シートで挟持し、該熱可塑性樹脂フィルム又は熱可塑性樹脂シートを、タイヤ内腔等に貼付してもよく、自己修復材料を熱可塑性樹脂フィルムや熱可塑性樹脂シートで形成された筒内に充填して貼付してもよい。
自己修復材料は、少なくともトレッド部13の内部領域(以下、トレッド部内部領域ともいう。)又はサイド部12の内部領域(以下、サイド部内部領域ともいう。)に配置することが好ましく、本発明において、自己修復材料は形状保持能を有することから、トレッド部内部領域及びサイド部内部領域の少なくとも一部に配置することが好ましく、トレッド部内部領域及びサイド部内部領域のトレッド部内部領域に隣接する領域に配置することがより好ましい。形状保持能を有しない従来のシーラントでは、サイド部内部領域への配置が困難であるが、本発明の自己修復材は、そのような問題を生じることなく、サイド部内部領域へも配置可能である。
一般にタイヤは、接地面であるトレッド部及びその内側は強固に補強がなされているが、サイド部はトレッド部に比して補強が十分ではない。走行中のタイヤが右左折時に縁石等の段差にその端部を乗り上げることがあるが、この場合、タイヤのサイド部が縁石等の段差とリムとに挟まれた状態となる。このとき、タイヤのサイド部は、石の段差と、金属製のリムの端部であるリムフランジとに強い力で挟まれるので、破断が生じ易い。ここで生じる破断が、いわゆるサイドカットと称されるものである。
本発明のタイヤでは、上述のように、サイド部内部領域にも自己修復材料を配置可能であり、タイヤ質量の増加を抑制しつつ、サイドカットが生じても、裂傷部からの空気漏れが抑制される。
また、トレッド部内部領域の自己修復材料と、サイド部内部領域の自己修復材料は、隣接して配置されていることが好ましく、一体的に形成された自己修復材料が、トレッド部内部領域及びサイド部内部領域に配置されていることがより好ましい。
トレッド部において、釘などの異物の突き刺さりによる損傷が生じ易く、損傷の際に異物の付き刺さる力も大きいことから、トレッド部内部領域の自己修復材料の厚みは、サイド部内部領域の自己修復材料の厚みよりも厚いことが好ましく、トレッド部内部領域の自己修復材料の厚みは、トレッド部の1.2倍以上であることがより好ましく、1.5倍以上であることが更に好ましく、2倍以上であることがより更に好ましく、2.5倍以上であることが特に好ましい。
なお、上限は特に限定されないが、タイヤの軽量化と、十分な損傷の修復機能との関係から、10倍以下であることが好ましく、5倍以下であることがより好ましく、3倍以下であることが更に好ましい。
トレッド部内部領域の自己修復材料の厚みは、タイヤの軽量化と、損傷の修復性の観点から、好ましくは0.1〜10mm、より好ましくは0.3〜5mm、更に好ましくは1〜3mmである。
また、サイド部内部領域の自己修復材料の厚みは、タイヤの軽量化と、損傷の修復性の観点から、好ましくは0.05〜5mm、より好ましくは0.1〜3mm、更に好ましくは0.5〜1.5mmである。
<用途>
本発明の空気入りタイヤは、乗用車用のラジアルタイヤ、バイアスタイヤ、トラック用タイヤ、バス用タイヤ、モーターサイクル用タイヤ、自転車用タイヤ、建設車両用タイヤ及び航空機用タイヤのいずれにも適用可能である。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
[自己修復材料Aの製造]
実施例で使用した自己修復材料Aを、以下のようにして製造した。
パラホルムアルデヒド(シグマアルドリッチ社製)0.013g、ポリ(エチレングリコール)ビス(アミン)(シグマアルドリッチ社製、分子量3,400)0.30g、1−メチル−2−ピロリドン(東京化成工業(株)製)2gを撹拌しながら50℃にて30分保持した。
得られた自己修復材料Aの破断伸びを測定したところ、1,200%であった。
[シーラント材Bの調製]
比較例で使用したシーラント材Bを、以下のようにして製造した。
アルコキシシリル変性ポリイソブチレン(サンスター技研(株)製、商品名「ペンギンシールIB7000」、数平均分子量(Mn):2,500)100g、ポリイソブチレン(JXエネルギー(株)製、商品名「テトラックス 5T」、数平均分子量(Mn):50,000)10g、C5系樹脂(日本ゼオン(株)製、商品名「クイントンA100」)10gを撹拌混合し、シーラント材Bを調製した。
得られたシーラント材Bの破断伸びを測定したところ、700%であった。
[評価]
以下の実施例及び比較例における評価は、以下のように行った。
(1)伸び性(破断伸び)
40×4×5mm形状に成型したサンプルを用いて、25℃、8.3mm/secの条件にて引張試験を行い、伸び性を評価した。
評価基準は、以下の通りである。
A:1,200%以上
B:1,000%以上1,200%未満
C:800%以上1,000%未満
D:800%未満
(2)切断後伸び性
40×4×5mm形状に成型したサンプルをカッターで切断し、切断面を24時間接触保持したのち、25℃、8.3mm/sec.の条件にて引張試験を行ない、伸び性を評価した。
なお、切断前の伸び性をE1、切断後の伸び性をE2として、Z=E2÷E1を指標として、下記の評価基準で評価を行った。
評価基準は以下の通りである。
A:Zが0.9以上
B:Zが0.8以上0.9未満
C:Zが0.5以上0.8未満
D:Zが0.5未満
(3)形状保持性
3cm角の正方形に加工したサンプルを70℃のオーブンに入れ、3日間静置させてから、下記の評価基準で形状保持性を評価した。なお、本発明において、評価がA又はBであるとき、形状保持能を有するとする。
A:サンプルの各辺のうち、最も変形量が大きい辺の変形量が1%未満
B:サンプルの各辺のうち、最も変形量が大きい辺の変形量が1%以上3%未満
C:サンプルの各辺のうち、最も変形量が大きい辺の変形量が3%以下10%未満
D:サンプルの各辺のうち、最も変形量が大きい辺の変形量が10%以上
(4)質量増加
<自己修復材料層又はシーラント層を設けた空気入りタイヤの作製>
図1中、自己修復材料18を厚さ0.1mmの封止ゴムにより封止し、接着剤により、インナーライナー17へ固定した。封止ゴムとしてはインナーライナーゴムを用いた。自己修復材料18の厚みは、実施例1では、トレッド部を3mm、サイド部を1.5mmとした。また、実施例3では、自己修復材料の厚みを、トレッド部では1mm、サイド部では0.5mmとした。比較例1では、自己修復材料Aをシーラント材Bに変更した以外は実施例1と同様にしてタイヤを作製し、比較例2では、自己修復材料AをシーラントBに変更した以外は実施例2と同様にして、タイヤを作製した。
<質量増加の測定>
自己修復材料層又はシーラント層を設けたことによって増加する質量を、表1に示した。
(5)パンク修繕性(空気圧低下の抑制)
上記のようにして作製した空気入りタイヤのトレッド部に直径4.6mmの釘を打ち込み、引き抜いた際の自己修復材料層又はシーラント層の外観を観察し、下記の評価基準でパンク修繕性(実車結果)を評価した。評価結果を表1に示す。
A:自己修復材料層又はシ―ラント層に穴が開いていない
B:自己修復材料層又はシ―ラント層に穴が開いている。
表1の結果から、自己修復材料を用いて作製した実施例1及び実施例2のタイヤでは、トレッド部の厚みが1mmと、薄い自己修復材料の層を設けた場合であっても十分なパンク修繕性を有し、タイヤ全体の質量増加を抑制できることが分かった。
一方、シーラント材の層を設けた比較例1及び2では、1mmのシーラント材層を設けた場合には、十分なパンク修繕性を得ることができず、十分なパンク修繕性を得るためには、層の厚みを厚くする必要があり、タイヤ全体の質量増加も大きかった。
更に、シーラント材は形状保持性が低く、タイヤ内腔に貼付した場合にも、その形状が安定せず、走行安定性が悪くなることが懸念された。
本発明によれば、タイヤ全体の質量増加を抑制しつつ、タイヤ損傷後の空気圧の低下を抑制することが可能な空気入りタイヤを提供することができる。
10 空気入りタイヤ
11 ビード部
12 サイド部
13 トレッド部
14 ビードコア
15 カーカス層
16 ベルト層
17 インナーライナー
18 自己修復材料

Claims (6)

  1. 少なくとも一層のカーカスプライからなるカーカス層を備え、
    該カーカス層のタイヤ径方向内側に、パラホルムアルデヒドとアルキレンオキシ基を有するジアミンとの縮合物からなるヘミアミナール動的共有結合を有する自己修復材料が配置されていることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記自己修復材料が、タイヤ内腔に貼付されてなる、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. トレッド部内側領域の自己修復材料の厚みが、サイド部内側領域の自己修復材料の厚みの2倍以上である、請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記自己修復材料の破断伸びが800%以上である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記自己修復材料が、加硫後に貼付されてなる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  6. トレッド部内側領域の自己修復材料と、サイド部内側領域の自己修復材料とが、隣接して配置されてなる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
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