JP6844111B2 - 光硬化性組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、光硬化性組成物およびその硬化膜、防眩性シートならびに表示装置に関する。
従来、液晶ディスプレイ(LCD)等の表示装置は、該表示装置表面に外部からの明るい光源の光が入射した場合、該光源の写り込みや人物等の影等の写り込みにより、画面の視認性が著しく妨げられる。
そのため、前記表示装置表面には、画面の視認性向上を目的として、表示装置表面の反射光を拡散し、入射光の正反射を抑制して、写り込みを防ぐための(防眩性を有する)微細表面凹凸構造を有する防眩層が形成されている。
このような微細表面凹凸構造を有する防眩層を表示装置表面に形成させる方法としては、表面凹凸構造の微細化が容易なことや該表示装置表面への防眩層の形成が容易なことから、硬化樹脂中に微粒子を分散させたものを表示装置表面に塗布し、該樹脂を硬化させる方法が主流となっている(例えば、特許文献1)。
この方法は、例えば、紫外線硬化型樹脂等の硬化型樹脂中に無機微粒子(例えば、炭酸カルシウム粒子、酸化チタン粒子、シリカ粒子等)や有機微粒子(アクリル系ポリマー粒子、シリコーン系ポリマー粒子等)を分散させた塗料を表示装置表面に塗布し、硬化させることにより表示装置表面に微細表面凹凸構造を有する防眩層を形成するものである。
しかし、前記方法で形成された防眩層を有する表示装置においては、硬化型樹脂中での前記微粒子の分散不良等により、防眩層に十分な防眩性が発現しなかったり、また、防眩層の透明性が低下したり、外観不良等の問題が生じることがある。
更に、時間の経過に伴い硬化樹脂中に分散させていた微粒子が防眩層表面へ浮き出てしまい表示装置表面に形成された防眩層の防眩性能が低下したり、また、表面へ浮き出た微粒子自身が外観不良(例えば、表面の汚れ等)の原因となってしまう場合もある。
また、転写法を用いて、表示装置表面に積層させて使用する微細表面凹凸構造を有する防眩性フィルムを形成させる方法も提案されている(例えば、特許文献2)。
この方法は、表面に凹凸形状が形成されている賦型フィルムを用いて、該賦型フィルムに硬化樹脂を流し込み該硬化樹脂を硬化させて、凹凸形状を硬化させた樹脂に写し取ることにより防眩性フィルムを形成させるものである。
しかし、賦型フィルムに硬化させた樹脂が付着してしまい、凹凸形状を写し取ることができず所望の防眩性が得られなかったり、また、前記賦型フィルムを何回も使用することで該賦型フィルムの表面凹凸形状が変化してしまったり、更には、作業性が煩雑であるという問題がある。
そのため、無機又は有機微粒子を用いることなく、微細表面凹凸構造を有する防眩性シートを簡便に製造できる方法が要望されている。
特開平9−127312号公報 国際公開第95/31737号パンフレット
本発明は、上記記載の従来技術の有する課題を鑑みてなされたものであり、透過率が高く、高い防眩性を有する防眩性シートを提供することを目的とする。
本発明者らは、前記問題を解決するため鋭意検討した結果、本発明に至った。
すなわち、本発明は、水酸基を有するアクリル化合物A、エポキシ化合物B、光ラジカル重合開始剤Cおよび光カチオン重合開始剤Dを含有してなる光硬化性組成物であって、アクリル化合物A100質量部と光ラジカル重合開始剤C5質量部からなる混合物をX’、エポキシ化合物B100質量部と光カチオン重合開始剤D3質量部からなる混合物をY’、混合物X’に波長365nmでの照度500mW/cm2の光を照射してから貯蔵弾性率が一定となるまでの時間をtX、混合物Y’に波長365nmでの照度500mW/cm2の光を照射してから貯蔵弾性率が一定となるまでの時間をtY、1/tXを硬化速度X、1/tYを硬化速度Yとした際に、Y/X=0.005〜0.5であることを特徴とする光硬化性組成物に関する。
また、本発明は、上記光硬化性組成物の硬化膜に関する。
また、本発明は、前記硬化膜表面が凹凸を有し、凹凸の平均高さが20nm〜5000nm、凹凸の平均間隔が100nm〜50000nmである上記硬化膜に関する。
また、本発明は、基材に、上記硬化膜を配置してなる防眩性シートに関する。
また、本発明は、上記防眩性シートが具備されてなる表示装置に関する。
本発明により、透過率が高く、高い防眩性を有する防眩性シートを得ることができる。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、本発明はその要旨を超えない限りこれらの内容に特定されない。
<水酸基を有するアクリル化合物A>
本発明における「水酸基を有するアクリル化合物」とは分子内に1つまたは2つ以上の水酸基を含む(メタ)アクリレート化合物である。
水酸基を有するアクリル化合物としては、共栄社化学株式会社製ライトエステルHO−250(N)、ライトエステルHOP(N)、ライトエステルHOA(N)、ライトエステルHOP−A(N)、ライトエステルHO−MS(N)、ライトエステルHO−HH(N)、HOA−MPL、HOA−MPE(N)、ライトアクリレートHOA−HH、ライトアクリレートHOB−A、HOA−MS、日本化成株式会社製1,4−シクロヘキサンジメタノールモノアクリレート、大阪有機化学工業株式会社製ビスコート#2100、ビスコート#802、ダイセル株式会社製Ebecryl111、Ebecryl112、新中村化学株式会社製NKエステル702A、NKエステル401P、ナガセ化成株式会社製デナコールアクリレートDA−111、BASF社製ブタンジオールモノアクリレート、日本油脂株式会社製ブレンマーAP−400、ブレンマーAP−550、ブレンマーAP−800等が挙げられる。これらは、単独で又は2種以上を併用することができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
アクリル化合物が水酸基を含有することにより、水酸基による分子内水素結合による重合場での官能基濃度の上昇が期待できる。また、水酸基に隣接するC−H結合が切断されやすくなり、ラジカル発生により酸素阻害の抑制が期待できる。さらに、アクリル化合物が水酸基を有することにより、エポキシ化合物の硬化を促進させる助触媒的機能を有しているため好ましい。
水酸基を有するアクリル化合物Aの含有量としては、組成物中20〜80%であることが好ましい。20%以上とすることで酸素阻害の抑制効果が期待でき、80%以下とすることにより塗膜物性を確保できる。
<エポキシ化合物B>
本発明における「エポキシ化合物B」とは、分子内にエポキシ基を有する化合物であり、分子内に複数のエポキシ基を有する化合物であることが好ましい。エポキシ化合物Bは、硬化速度の観点から、グリシジル基を含有するエポキシ化合物であることが好ましい。
エポキシ化合物Bとしては、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールAD型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、フェノールノボラック型エポキシ化合物、クレゾールノボラック型エポキシ化合物、ナフタレン型エポキシ化合物、アントラセン型エポキシ化合物、ビフェニル型エポキシ化合物などが挙げられ、製品名としては、例えば、三菱化学社製jer152、jer157S70、jer806、jer807、jer827、jer828、jer834、jer1001、jer1256、jer4004P、jer4005P、jer4007P、jer4010P、jer4250、jer4275、YX4000、YL6810、YL983U、DIC社製EPICLON 152、EPICLON 153、EPICLON 153−60T、EPICLON 153−60M、EPICLON 1121N−80M、EPICLON 1123P−73M、EPICLON 830、EPICLON 830−S、EPICLON 830−LVP、EPICLON 835、EPICLON 835−LV、EPICLON 840、EPICLON 840−S、EPICLON 850、EPICLON 850−S、EPICLON 850−CRP、EPICLON 850−LC、EPICLON 860、EPICLON 860−90X、EPICLON 1050、EPICLON 1050−70X、EPICLON 1050−75X、EPICLON 1055、EPICLON 1055−75X、EPICLON HM−091、EPICLON HM−091−40AX、EPICLON HM−101、EPICLON N―660、EPICLON N―665、EPICLON N―670、EPICLON N―673、EPICLON N―680、EPICLON N―695、EPICLON N―740、EPICLON N―770、EPICLON N―775、EPICLON N―740−80M、EPICLON N―770−70M、EPICLON N―865、EPICLON N―865−80M、ナガセケムテックス社製デナコールEX−141、デナコールEX−145、デナコールEX−146、デナコールEX−147、デナコールEX−201、デナコールEX−203、デナコールEX−711、デナコールEX−721、デナコールEX−731、デナコールEX−611、デナコールEX−612、デナコールEX−614、デナコールEX−614B、デナコールEX−622、デナコールEX−411、デナコールEX−211、デナコールEX−212、デナコールEX−252、デナコールEX−810、デナコールEX−811、デナコールEX−850、デナコールEX−851、デナコールEX−821、デナコールEX−830、デナコールEX−832、デナコールEX−841、デナコールEX−861、デナコールEX−911、941、920、931、デナコールEX−111、デナコールEX−121、デナコールEX−171、デナコールEX−192、デナレックスR−45EPT、
新日鉄住金化学社製YD−115、YD−115G、YD−115CA、YD−118T、YD−127、YD−128、YD−128G、YD−128S、YD−128CA、YD−134、YD−011、YD−012、YD−013、YD−014、YD−017、YD−019、YD−020G、YD−7011R、YD−901、YD−902、YD−903N、YD−904、YD−907、YD−6020、UDF−170、YDF−2001、YDF−2004、YDPN−638、YDCN−700−3、YDCN−700−5、YDCN−700−7、YDCN−700−10、YDCN−704、YDCN−704A、株式会社アデカ社製ED−502、ED−509E、ED−503、ED−503G、ED−506、ED−523T、ED−505、四日市合成社製DY−BP、CY−BP、エポゴーセEN、エポゴーセAN、エポゴーセ2EH、エポゴーセHD(M)、エポゴーセHD(D)、共栄社化学社製エポライトM−1230、エポライト40E、エポライト100E、エポライト200E、エポライト400E、エポライト70P、エポライト200P、400、エポライト1500NP、エポライト1600、エポライト80MF、エポライト100MF、エポライト4000、日油社製エポオールM、エポオールEH、エポオールL−41、エポオールSK、エポオールE−400、エポオールE−1000、エポオールP−200、エポオールNPG−100などが挙げられる。これらは、単独で又は2種以上を併用することができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
エポキシ化合物Bは相溶性の観点から、40℃で液状(粘度が20000mPa・s以下)であることが好ましい。また、水酸基を有するアクリル化合物Aと混合した際に相溶するものが好ましい。
<光ラジカル重合開始剤C>
光ラジカル重合開始剤Cとしては特に制限はなく、例えば、BASF社製IRGACURE127、184、07、651、1700、1800、819、369、261、TPO、DAROCUR1173、日本シイベルヘグナー社製エザキュアーKIP150、TZT、日本化薬株式会社製カヤキュアBMS、カヤキュアDMBI等が挙げられる。
光ラジカル重合開始剤Cの配合割合は、水酸基含有アクリル化合物A、エポキシ化合物Bの合計100質量部に対して、0.01〜10質量部であり、1〜5質量部であることが好ましい。
<光カチオン重合開始剤D>
光カチオン重合開始剤Dとしては、例えば、ダイセル・サイテック社製UVACURE1590、サンアプロ社製CPI−110Pなどのスルホニウム塩や、BASF社製IRGACURE250、和光純薬工業社製WPI−113、ローディア・ジャパン社製Rp−2074等のヨードニウム塩が挙げられる。
光カチオン重合開始剤Dの配合割合は、水酸基含有アクリル化合物A、エポキシ化合物Bの合計100質量部に対して、0.5〜10質量部であり、0.5〜5質量部であることが好ましい。
本発明における光硬化性組成物は、上記主剤および重合開始剤に加え、重合禁止剤、重合開始助剤、紫外線吸収剤、可塑剤、着色剤、酸化防止剤、消泡剤、可塑剤等の各種の公知の添加剤を、必要に応じて、本発明の効果を阻害しない範囲内で含むことができる。
<硬化膜>
本発明では、光硬化性組成物を光硬化させて硬化膜を得ることができる。硬化膜は、光硬化性組成物をガラスなどの透光性基板上に光硬化性組成物を塗布し、紫外線や電子線等の光照射を施し硬化させることによって得られる。
塗工方法としては、公知の方法を用いることができ、例えばロッドまたはワイヤーバー、アプリケーターなどを用いた方法および、マイクログラビアコーティング、グラビアコーティング、ダイコーティング、カーテンコーティング、リップコーティング、スロットコーティングまたはスピンコーティングなどの各種コーティング方法を用いることができる。
硬化膜は、後述する硬化速度に差があることにより、硬化後の表面に凹凸構造が形成される。また、凹凸構造のオーダーは組成比によっても制御することが可能である。
硬化膜は接着剤、粘着剤、艶消し、反射防止、防眩性シート等として使用できる。
本発明における硬化膜表面の凹凸構造を、「凹凸の平均高さ」および「凹凸の平均間隔」として定義する。「凹凸の平均高さ」および「凹凸の平均間隔」は、非接触式のレーザー顕微鏡、白色干渉顕微鏡、接触式では走査型プローブ顕微鏡等の測定装置により測定することが出来る。
「凹凸の平均高さ」は、前述した測定装置により得られた表面形状の粗さ曲線から、その平均線の方向に基準長さ(例えば数十μm程度)だけ抜き取り、この抜き取り部分の平均線から縦方向に測定した最も高い山頂から10番目までの山頂の標高(Yp)の絶対値の平均値と、最も低い谷底から10番目までの谷底の標高(Yv)の絶対値の平均値との和を「凹凸の平均高さ」という。「凹凸の平均高さ」は、20〜5000nmであることが好ましく、20nm以上であることにより防眩性を確保でき、5000nm以下であることにより塗膜外観が良好となる。より好ましくは100〜3000nmであり、さらに好ましくは200〜2000nmである。
「凹凸の平均間隔」は、前述した測定装置により同様に求めることができ、得られた表面形状の基準領域(例えば数十μm四方)について、隣り合う凸部同士又は隣り合う凹部同士の間隔を測り、その分布によって凹凸の間隔分布状態を求めることができる。本発明における硬化膜表面の凹凸の間隔分布は、100〜50000nmであることが好ましく、100nm以上であることにより防眩性を確保でき、50000nm以下であることにより塗膜の形状安定性を確保できる。より好ましくは500〜45000nmであり、さらに好ましくは1000〜40000nmである。
<硬化速度>
本発明では、光重合性ラジカル開始剤Cを含む、水酸基を有するアクリル化合物Aおよび、重合性カチオン開始剤Dを含むエポキシ化合物Bが光硬化する速度を硬化速度X、Yと定義する。硬化速度は、光照射装置(例えば浜松ホトニクス社製LIGHTNINCUREスポット光源 LC8)を装着した粘弾性測定装置(例えば、アントンパール社製MCR302)を用いて測定することが出来る。
光重合性ラジカル開始剤Cを含む水酸基含有アクリル化合物Aの硬化速度X、または
前記光重合性カチオン開始剤Dを含むエポキシ化合物Bの硬化速度Yとの間に硬化速度の差があるため、硬化膜は凹凸形状を有する。硬化速度の比Y/Xは、0.005〜0.5であることが好ましく、0.005以上とすることで塗膜の安定性を確保でき、0.5以下とすることで凹凸形状の形成に必要な硬化速度の差が得られる。より好ましい範囲は0.01〜0.3であり、さらに好ましくは0.05〜0.25である。
以下に、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、以下の実施例は本発明の権利範囲を何ら制限するものではない。特に明記しない限り、「部」は「質量部」を表し、「%」は質量%を示す。
(実施例1)
水酸基を有するアクリル化合物Aとして4−ヒドロキシブチルアクリレート(HBA)を20部、エポキシ化合物BとしてYL983U(三菱化学株式会社製液状エポキシ)を80部混合し、更に、光ラジカル重合開始剤としてDAROCUR1173をHBA20部に対して2.5部、CPI−110PをYL983U80部に対して4部加え溶解させ、光硬化性組成物を得た。
次いで、厚さ100μmのポリエチレンテレフタラートフィルム(東洋紡社製A4100)に、アプリケーターを用いて、塗布後の塗膜の厚さが50μmになるように光硬化性組成物を塗布した。
活性エネルギー線照射装置(東芝社製3.6kW×2灯UV照射装置)を用いて、光源はメタルハライドランプ、出力120W/cm2、最大照度500mW/cm2、積算光量2000mJ/cm2で紫外線露光を行い硬化膜を得た。
(実施例2〜実施例11)
アクリル化合物Aおよびエポキシ化合物Bの種類および量、光重合性ラジカル開始剤Cおよび光重合性カチオン開始剤Dの量を変えた以外は、実施例1と同様にして、光硬化性組成物および硬化膜をそれぞれ得た(表1)。なお、実施例8及び11は参考例である。
以下、実施例および比較例で使用した材料の略号を示す。
<水酸基を有するアクリル化合物A>
HBA:4−ヒドロキシブチルアクリレート
HEA:2―ヒドロキシエチルアクリレート
HPA:3−ヒドロキシプロピルアクリレート
CHDMMA:1,4−シクロヘキサンジメタノールモノアクリレート
ビスコート#802:トリペンタエリスリトールアクリレート、モノ及びジペンタエリスリトールアクリレート、ポリペンタエリスリトールアクリレート混合物(大阪有機化学工業株式会社製ビスコート#802)
<エポキシ化合物B>
YL983U:液状ビスF型エポキシ樹脂(三菱化学社製)
YX8000:液状水添エポキシ樹脂(三菱化学社製)
EX211:ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル
CEL2021P:3’,4’−エポキシシクロヘキシルメチル3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート
<水酸基を有しないアクリル化合物>
TMPTA:トリメチロールプロパントリアクリレート
<光ラジカル重合開始剤>
DAROCUR1173:2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(BASF社製DAROCUR1173)
<光カチオン重合開始剤>
CPI−110P:ビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィドビスヘキサフルオロホスフェート(サンアプロ社製CPI−110P)
<評価>
硬化膜の凹凸形状、全光線透過率、ヘーズ、光沢度、防眩性、硬化速度の測定方法について説明する。
(硬化膜の凹凸形状)
硬化膜表面の「凹凸の平均高さ」、「凹凸の平均間隔」は、走査型プローブ顕微鏡(オックスフォード・インストゥルメンツ社製の製品名「アサイラムリサーチMFP−3D」等)を用いて求めた。即ち、得られた表面形状の粗さ曲線からその平均線の方向に基準長さ90μmだけ抜き取り、この抜き取り部分の平均線から縦方向に測定した最も高い山頂から10番目までの山頂の標高(Yp)の絶対値の平均値と、最も低い谷底から10番目までの谷底の標高(Yv)の絶対値の平均値との和を「凹凸の平均高さ」とした。
また、硬化膜表面の「凹凸の平均間隔」も同様の装置を用いて求めた。即ち、得られた表面形状の90μm×90μmの領域について、隣り合う凸部同士又は隣り合う凹部同士の間隔を測り、それらの平均値を算出することで凹凸の平均間隔を求めた。
(全光線透過率、ヘーズ)
全光線透過率については、JIS K7375:2008に準拠し、ヘーズについてはJIS K7136:2000に準拠して日本電色工業社製NDH−2000ヘーズメーターを用いて測定した。
(光沢度)
光沢度は、JIS Z8741:1997に準拠してBYK社製マイクロトリグロスμ(測定角度60°)を用いて測定した。
評価基準
◎:60°光沢度が30未満(極めて良好)
○:60°光沢度が30以上75未満(良好)
△:60°光沢度が75以上90未満(使用可能)
×:60°光沢度が90以上(不良)
(防眩性)
防眩性は、ルーバーの無いむきだしの蛍光灯(三菱オスラム社製FHF32EX−N−H)を硬化膜に写し、その正反射光での眩しさおよび蛍光灯の映り込みを目視にて以下の基準に従って評価した。
評価基準
◎:眩しさが感じられず、蛍光灯の映り込みが全くみられない(極めて良好)
○:眩しさが感じられず、蛍光灯の映り込みがわずかにみられる(良好)
△:眩しさがわずかに感じられ、蛍光灯の映り込みがわずかにみられる(使用可能)
×:眩しさが感じられ、蛍光灯の映り込みがみられる(不良)
(硬化速度)
アクリル化合物A100部と光ラジカル重合開始剤CとしてDAROCUR1173の5部とからなる混合物X’、エポキシ化合物B100部と光カチオン重合開始剤DとしてCPI−110P3部とからなる混合物Y’を、それぞれ表3に記載した配合量に従って調製した。
上記各混合物を、光照射装置(浜松ホトニクス社製LIGHTNINGCUREスポット光源 LC8)を装着した粘弾性測定装置(アントンパール社製MCR302)の測定箇所に0.1g乗せ、ギャップ位置まで測定治具を接近させ、測定箇所からはみ出した混合物を拭き取った後、貯蔵弾性率の測定を開始した。貯蔵弾性率が安定した事を確認した後、上記光照射装置より光照射を行いながら貯蔵弾性率が一定になるまで貯蔵弾性率を測定した。光照射条件は、空気雰囲気下、温度25℃、相対湿度50%にて、波長365nmでの照度500mW/cm2の光を、積算光量1000mJ/cm2になるまで照射した。測定終了後、照射時間に対する貯蔵弾性率をプロットし、照射時間−貯蔵弾性率曲線のグラフを得た。得られたグラフより、光を照射してから(光照射を開始した時刻をt0とする)、貯蔵弾性率が一定になるまでの照射時間−貯蔵弾性率曲線の勾配と、貯蔵弾性率が一定になった勾配との交点(光照射を開始してから貯蔵弾性率が一定となった時刻)における時刻を求めた(この時刻をt1とした)。t1−t0によって算出される値(光を照射してから貯蔵弾性率が一定となるまでの時間)を光照射時間tとした。
混合物X’に波長365nmでの照度500mW/cm2の光を照射してから貯蔵弾性率が一定となるまでの時間をtX、混合物Y’に波長365nmでの照度500mW/cm2の光を照射してから貯蔵弾性率が一定となるまでの時間をtY、1/tXを硬化速度X、1/tYを硬化速度Yとし、Y/Xを算出した。
<測定条件>
測定治具 PP10 Dispo
周波数 f=10Hz
ギャップ d=0.02mm
温度 25℃
<光照射条件>
波長 365nm(スペクトル分布−01Aタイプ)
照度 500mW/cm2(波長365nm)
積算光量 1000mJ/cm2
実施例1〜11では、所定の凹凸形状を有することにより、硬化膜が防眩性を有することを確認した。一方、比較例1ではアクリルが水酸基を持つが、Y/Xが0.005未満であるため、充分な防眩性は得られなかった。また、比較例2では、アクリルが水酸基を持たず、Y/Xが0.005未満であるため、充分な防眩性は得られなかった。
本発明によれば、無機又は有機微粒子を用いることなく、透過率が高く、高い防眩性を有する防眩性シートを提供することが可能となる。
Figure 0006844111
Figure 0006844111
Figure 0006844111

Claims (3)

  1. 基材に、光硬化性組成物の光硬化物であって防眩性を有する硬化膜を配置してなる防眩性シートであって、
    前記光硬化性組成物が、4−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、3−ヒドロキシプロピルアクリレート及び1,4−シクロヘキサンジメタノールモノアクリレートからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む水酸基を有するアクリル化合物A、グリシジル基を含有するエポキシ化合物B、光ラジカル重合開始剤Cおよび光カチオン重合開始剤Dからなり、
    前記アクリル化合物Aの含有量は、光硬化性組成物中20〜80質量%であり、
    前記光ラジカル重合開始剤Cの含有量は、アクリル化合物A及びエポキシ化合物Bの合計100質量部に対して、0.01〜10質量部であり、
    前記光カチオン重合開始剤Dの含有量は、アクリル化合物A及びエポキシ化合物Bの合計100質量部に対して、0.5〜10質量部であり、
    アクリル化合物A100質量部と光ラジカル重合開始剤C5質量部からなる混合物をX’、エポキシ化合物B100質量部と光カチオン重合開始剤D3質量部からなる混合物をY’、混合物X’に波長365nmでの照度500mW/cm2の光を照射してから貯蔵弾性率が一定となるまでの時間をtX、混合物Y’に波長365nmでの照度500mW/cm2の光を照射してから貯蔵弾性率が一定となるまでの時間をtY、1/tXを硬化速度X、1/tYを硬化速度Yとした際に、Y/X=0.05〜0.5である防眩性シート。


  2. 前記硬化膜表面が凹凸を有し、凹凸の平均高さが20nm〜5000nm、凹凸の平均間隔が100nm〜50000nmであることを特徴とする請求項記載の防眩性シート
  3. 請求項1または2記載の防眩性シートが具備されてなる表示装置。

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