JP6843806B2 - 水溶性油剤の油水分離方法と油水分離処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、水溶性油剤の油水分離処理に関する。
水溶性油剤は、鉱物油や合成油と言った油分を界面活性剤や水溶性添加剤より水溶させている。このため、水溶性油剤の廃棄に際しては、油分と水分とを分離する油水分離処理がなされている(例えば、特許文献1)。この特許文献1では、水溶性油剤を加熱して水分を蒸発させて除去し、水分以外の油分などを乾燥固化させた後に、固形廃棄物として廃棄している。
特開2009−220047号公報
水溶性油剤は、その希釈倍率が20〜30%であって水が占める割合が高い。そして、蒸発による水分の除去方法では水性油剤の大部分を蒸発させる必要がある。このため、水分の蒸発による除去性能を高めるには、大きな加熱エネルギーが必要となると共に、加熱時間が長くなると想定される。こうしたことから、加熱エネルギーは、水溶性油剤の処理量が多くなるほど大きくなり、加熱時間は、水溶性油剤の処理量が多くなるほど長くなる。加熱エネルギーの増大や加熱時間の長期化は、コストアップの要因となり得る。また、水以外の油分などは固形廃棄物として廃棄されているので、水溶性油剤を油水分離して得られた被処理物を油分と水分とに分離した液状物として取り扱う要請には、対処できない。こうしたことから、水溶性油剤を油水分離が起きた液状物に安価で短時間に変遷可能な新たな油水分離処理手法が求められるに至った。
本発明は、以下の形態として実現することが可能である。
本発明の第1の形態は、油分を水分に水溶した水溶性油剤の油水分離方法である。この油水分離方法は、中空の処理容器に、容器内領域に空隙が残るように前記水溶性油剤を投入する工程(1)と、前記処理容器を密閉した状態で、容器内を150〜180℃の温度に昇温させて昇温状態を20〜60分の処理時間に亘り維持し、前記昇温により前記水分が蒸発した水蒸気により前記容器内を亜臨界雰囲気とすることによって、前記水溶性油剤を液状水分と液状油分の2つの成分に分離する工程(2)と、前記処理時間の経過後に、前記処理容器内の被処理液と、該被処理液の液面より上の前記空隙の水蒸気とを、それぞれ個別に外部に排出する工程(3)とを備える。
本発明の第2の形態は、油分を水分に水溶した水溶性油剤の油水分離装置である。この油水分離装置は、容器内領域に空隙が残るように前記水溶性油剤が投入される中空の処理容器と、前記処理容器を密閉した状態で、容器内を150〜180℃の温度に昇温させて昇温状態を20〜60分の処理時間に亘り維持し、前記昇温により前記水分が蒸発した水蒸気により前記容器内を亜臨界雰囲気とすることによって、前記水溶性油剤を液状水分と液状油分の2つの成分に分離する昇温維持部と、前記処理時間の経過後に、前記処理容器内の被処理液と、該被処理液の液面より上の前記空隙の水蒸気とを、それぞれ個別に外部に排出する排出部と、を備える。
(1)本発明の一形態によれば、油分を水分に水溶した水溶性油剤の油水分離方法が提供される。この油水分離方法は、中空の処理容器に、容器内領域に空隙が残るように前記水溶性油剤を投入する工程(1)と、前記処理容器を密閉した状態で、容器内を150〜180℃の温度に昇温させて昇温状態を20〜60分の処理時間に亘り維持し、前記昇温により前記水分が蒸発した水蒸気により前記容器内を亜臨界雰囲気とする工程(2)と、前記処理時間の経過後に、前記処理容器内の被処理液の液面より上の前記空隙の水蒸気と、前記被処理液とを、それぞれ個別に外部に排出する工程(3)とを備える。この形態の水溶性油剤の油水分離方法では、工程(2)において、水溶性油剤の水分を蒸発させて水蒸気化し、水蒸気蒸発量の増加に伴う処理容器の内圧の高圧化により、水分が蒸発した水蒸気で処理容器の容器内を亜臨界雰囲気とする。よって、水溶性油剤の界面活性剤や水溶性添加剤等は、亜臨界雰囲気下で水熱処理を受けて、親水基と親油基の活性を消失し、油分の水溶機能を果たさなくなる。このため、工程(2)の過程で、水分の水蒸気化により亜臨界雰囲気とすることと、水溶性油剤の界面活性剤や水溶性添加剤等の亜臨界雰囲気下での水熱処理とにより、油分と水分との油水分離が、20〜60分という短時間の処理時間において処理容器内で効率的に起きる。そして、この形態の水溶性油剤の油水分離方法では、工程(3)において、処理容器内の被処理液の液面より上の空隙の水蒸気を外部に排出し、被処理液を、油水分離が起きた状態で排出する。なお、処理の開始時点で水分の蒸発を伴うことは既存の方法と同様であるが、水分の蒸発は容器内が亜臨界状態になると収まる。そして、水溶性油剤は液体(熱水:大気圧下では蒸発してしまう熱量を有した液体)のまま水熱処理される。これらの結果、この形態の水溶性油剤の油水分離方法によれば、水溶性油剤を油水分離が起きた液状物に安価で短時間で変遷することが可能となる。この油水分離が起きた液状物への変遷は、処理容器の容量を大きくすることで、多くの量の水溶性油剤において起きるので、多くの水溶性油剤を油水分離が起きた液状物に短時間で変遷できる。なお、容器内温度が150℃を下回ったり処理時間が20分を下回ると、水熱処理の効果が弱まり親水基と親油基の活性消失が緩慢となって、油水分離が進まないと想定される。また、容器内温度が180℃を越えたり処理時間が60分を越えると、水溶性油剤の油分に加え界面活性剤や水溶性添加剤が高温の水蒸気に長時間に亘り晒されることから、性状の変質が起き、油水分離が起きた液状物に化学的酸素要求量(COD)や生物化学的酸素要求量(BOD)が高まりかねない上にエネルギーコストの上昇が危惧される。
(2)上記形態の水溶性油剤の油水分離方法において、前記工程(2)では、前記処理容器において、前記水溶性油剤を攪拌するようにしてもよい。こうすれば、初期の段階では熱源の熱を早く伝えることができ、短時間で亜臨界状態にすることができる。また、亜臨界状態となった後も水溶性油剤の界面活性剤や水溶性添加剤等が亜臨界雰囲気での水熱処理を受ける機会が増えるので、親水基と親油基の活性消失が進み、油分と水分との油水分離がより効率的に起き、処理時間を短縮できる。
(3)上記形態の水溶性油剤の油水分離方法において、前記工程(2)では、加熱と加圧を受けて予定する亜臨界状態を超える温度と圧力となった水蒸気を前記処理容器に導き入れて前記容器内の前記昇温状態を維持し、前記導き入れた前記水蒸気で前記容器内を前記亜臨界雰囲気とするようにしてもよい。こうすれば、容器内をより確実に亜臨界雰囲気とでき、水溶性油剤はその水分の蒸発を伴わず亜臨界状態となり得る。そして、亜臨界雰囲気での水熱処理により、界面活性剤や水溶性添加剤等の親水基と親油基の活性消失がより確実に進んで油水分離がより高い効率で起き、処理時間を短縮できる。処理容器に導かれる水蒸気は、ボイラーなどで製造した目的温度と目的圧力を超える状態、例えば200℃の温度で2MPaの水蒸気とすればよい。
(4)上記形態の水溶性油剤の油水分離方法において、前記工程(2)では、前記処理容器を容器外部から加熱して前記容器内の前記昇温状態を維持し、前記水分が蒸発した水蒸気により前記容器内を前記亜臨界雰囲気とするようにしてもよい。こうすれば、必要な熱源の種類を選ばず、前記容器内を亜臨界状態にするための水蒸気生成のためのボイラーなどが設置困難な環境でも容器外部からの加熱という簡便な手法で、水溶性油剤を油水分離が起きた液状物に短時間で変遷することが可能となる。
(5)上記形態の水溶性油剤の油水分離方法において、前記工程(3)では、前記被処理液の排出先を被処理液貯留槽とし、前記被処理液貯留槽の槽内部を槽底壁の側に間隙を残して槽内を区画する区画壁で区画された複数の区画領域のうちの一部の前記区画領域に、前記被処理液を排出するようにしてもよい。こうすれば、次の利点がある。工程(3)では、処理容器内の被処理液が油水分離が起きた状態で一部の区画領域に排出されるので、この区画域においては、槽底壁の側では水分が溜まり、その水分の上に油水分離済みの油分が貯まる。そして、槽底壁の側では、被処理液の排出された区画領域から間隙を経て隣の区画領域に水分が進入し、この隣の区画領域には、油分を区画壁で遮って流れ込まないようにできる。この結果、被処理液の排出された区画領域からは、油分だけを効率的に除去できると共に、被処理液の排出された区画領域以外の区画領域からは、水分だけを除去できる。
本発明は、水溶性油剤の油水分離方法以外の種々の形態で実現することも可能である。例えば、水溶性油剤の油水分離装置や油水分離装置の制御方法、その制御方法を実現するコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した一時的でない記録媒体(non-transitory storage medium)等の形態で実現することができる。
本発明の実施形態としての油水分離装置の概略構成を示す説明図である。 被処理液貯留槽の概略構成を示す説明図である。 水溶性油剤の油水分離処理プロセスの工程を表す工程図である。 油水分離装置により水溶性油剤から油水分離した液状水分のCOD推移を示す説明図である。 油水分離装置により水溶性油剤から油水分離した液状水分のBOD推移を示す説明図である。 油水分離装置により水溶性油剤から油水分離した液状水分に含まれるトータル窒素量の推移を示す説明図である。 油水分離装置により水溶性油剤から油水分離した液状水分に含まれる油分量の推移を示す説明図である。 他の実施形態としての油水分離装置の概略構成を示す説明図である。 変形例の被処理液貯留槽の概略構成を示す説明図である。
図1は、本発明の実施形態としての油水分離装置100の概略構成を示す説明図である。本実施形態の油水分離装置100は、切削加工油、プレス加工油、熱処理油、防錆油等の水溶性油剤を水蒸気の水成分と熱を利用して油水分離する装置であり、処理容器110と、水溶性油剤投入系120と、処理物排出系130と、水蒸気供給系140と、水蒸気回収系150と、制御装置200と備える。
処理容器110は、水熱処理により水溶性油剤YWを油水分離するための中空の処理容器であり、耐圧性と耐熱性を備えた鋼製の或いはステンレス製の処理容器である。この処理容器110は、容器上下に、投入口111と第1排出口112と蒸気投入口116と第2排出口113とを備える。投入口111は、水溶性油剤投入系120と接続され、処理容器110への水溶性油剤YWの投入に用いられる。第1排出口112は、処理物排出系130と接続され、油水分離済みの液状物である被処理液の処理容器110からの排出に用いられる。蒸気投入口116は水蒸気供給系140の蒸気供給管路143と接続され水蒸気の投入に用いられる。第2排出口113は、水蒸気回収系150と接続され、処理容器110での水溶性油剤YWの油水分離処理が完了した後の処理容器110からの水蒸気Skの排出に用いられる。なお、蒸気投入口116を容器下端側に設けてもよく、こうすれば、水蒸気供給系140から供給される水蒸気を、処理容器110に投入済みの水溶性油剤YWに、水蒸気供給時に触れさせることができる。また、処理容器110は、容器内部に複数の攪拌羽根114を回転自在に備えている。
攪拌羽根114は、処理容器110の外部のモータ115の回転軸から処理容器内に延び、モータ115の回転に伴って処理容器110の内部にて回転し、処理容器110の内部に投入済みの水溶性油剤YWを攪拌する。後述するように、処理容器110の内部は、目的の亜臨界状態を超える高温・高圧の水蒸気が導入されて水蒸気で充満されていることから、攪拌羽根114は、回転して水溶性油剤YWを攪拌することで、水溶性油剤YWを満遍なく水蒸気に接触させつつ、迅速な亜臨界状態への移行と水溶性油剤YWへのより一律な熱の伝搬を図る。
水溶性油剤投入系120は、処理容器110の投入口111に接続された投入経路121を油剤貯留槽128に到るまで備え、当該経路に、投入バルブ122とバルブ駆動機器125とを有する。投入バルブ122は、水溶性油剤YWの投入時にバルブ駆動機器125が後述の制御装置200の制御を受けて駆動することで開弁し、このバルブ開弁により、油剤貯留槽128から処理容器110に水溶性油剤YWが投入される。処理容器110に設置された圧力式重量センサ171は、液体の重量を感知して装置内の水溶性油剤YWのレベルに換算する。処理容器110の空隙が規定の値となると、制御装置200からの制御により投入バルブ122は閉じられる。処理容器110は、密閉容器のため投入された水溶性油剤の体積と同量の内部の空気は逃げ場がなく、それを処理容器110の容器外へ排出する必要があることから、投入バルブ122の開弁と同時に排出バルブ152が開かれ、排出された空気は、水分貯留槽154の内部の液体を通じて大気放出口154aから排出される。そして、水溶性油剤YWの油水分離処理の継続期間において、投入バルブ122および排出バルブ152は、閉弁状態とされる。油剤貯留槽128には、図示しない補給管により、水溶性油剤YWが適宜、補給される。
処理物排出系130は、第1排出口112に接続された液水排出経路131を被処理液貯留槽134に到るまで備え、当該経路に排出バルブ132とバルブ駆動機器133とを有する。この排出バルブ132は、水溶性油剤YWの油水分離処理(水熱処理)の完了時にバルブ駆動機器133が後述の制御装置200の制御を受けて駆動することで開弁し、水溶性油剤YWの油水分離処理の継続期間において、閉弁状態とされる。排出バルブ132のバルブ開弁により、処理容器110から、油水分離済みの液状物である油水分離液状物(被処理液)が被処理液貯留槽134に排出される。
図2は、被処理液貯留槽134の概略構成を示す説明図である。図示するように、被処理液貯留槽134は、槽内部に区画壁135を備える。この区画壁135は、槽底壁の側に間隙134tを残して被処理液貯留槽134の槽内を第1区画域134aと第2区画域134bの二つの区画領域に区画する。第1区画域134aは、液水排出経路131と接続され、処理容器110で水溶性油剤YWを油水分離した油水分離液状物が流入する。この油水分離液状物は、水溶性油剤YWを油水分離した液状油分YWYと液状水分YWWとが混在した状態の液状物であり、液状油分YWYと液状水分YWWとの比重の相違から、第1区画域134aにおいては、槽底壁の側では液状水分YWWが溜まり、この液状水分YWWの上に液状油分YWYが貯まる。そして、槽底壁の側では、第1区画域134aから間隙134tを経て隣の第2区画域134bに液状水分YWWが進入し、液状水分YWWに浮かんで貯まった液状油分YWYは、区画壁135に遮られて第2区画域134bに流れ込まない。よって、第2区画域134bには、液状水分YWWだけが貯留される。区画壁135は、第1区画域134aと第2区画域134bを平面視においてほぼ等分の区画面積で区画するが、液状油分YWYと液状水分YWWとの比重の相違から、第1区画域134aにおける液状油分YWYの液位は、図示するように、第2区画域134bにおける液状水分YWWの液位より高くなる。
被処理液貯留槽134は、第1区画域134aに油分排出管190を備え、第2区画域134bに水分排出管194を備える。この両排出管は、液状油分YWYと液状水分YWWの個別排出に用いられる。油分排出管190の設置位置は、液状油分YWYが排出されたのち第1区画域134aの水位レベルと第2区画域134bの水位レベルが同一になることを想定した位置に規定されている。そして、この油分排出管190は、管路に有する排出バルブ191が後述の制御装置200によるバルブ駆動機器192の駆動制御により開弁することにより、第1区画域134aから、液状油分YWYを外部に排出する。液状油分YWYは、水分と分離されていることから、外部へ有価物として販売したり、図示しない燃焼装置で有効に熱活用できるほか焼却処分される。水分排出管194は、第2区画域134bにおいて槽底部付近の区画壁135の下端より若干高い位置に設置されている。そして、この水分排出管194は、管路に有する排出バルブ195が後述の制御装置200によるバルブ駆動機器196の駆動制御により開弁することにより、第2区画域134bから、液状水分YWWを外部に排出する。この液状水分YWWは後述するようにBOD等が低い水分であるので、図示しない既存の排水処理施設で処理が可能となるほか、排出基準を満たしたうえで下水配管や下水溝などに排出される。なお、水分排出管194は、区画壁135の下端より若干上部に設置されるので、液状水分YWWを排出したとしても第1区画域134aに残存する油分が第2区画域134bに侵入することはなく、排出工程を連続継続して行うことができる。
この他、被処理液貯留槽134は、第1区画域134aに液位センサ197を備える。液位センサ197は、液状油分YWYの液位検出のためのセンサであり、区画壁135に向けて照射した光の反射光を検出する反射型のセンサである。液状油分YWYの光の透過率は、液状水分YWWの光の透過率に比べて顕著に小さいので、液位センサ197が液状油分YWYに没している状態のセンサ出力は、液位センサ197が液状水分YWWに没している状態のセンサ出力より格段に小さい。よって、液位センサ197が液状油分YWYに没した際のセンサ出力に基づいた制御装置200による排出バルブ191の開放制御により、第1区画域134aから、規定量の液状油分YWYが外部に排出される。液位センサ197は、油分排出管190より鉛直下方側に位置するので、液位センサ197が液状油分YWYに没していれば、油分排出管190は、液状油分YWYの液位途中箇所に位置するので、油分排出管190から液状水分YWWを排出してしまうことを防止できる。制御装置200による排出バルブ195の開放制御を経た第2区画域134bからの液状水分YWWの外部排出は、油分排出管190からの液状油分YWYの排出後の適宜なタイミングでなされ、その際には、間隙134tが液状水分YWWで水没した状態となるまでの水分排出がなされる。
図1に示す水蒸気供給系140は、水蒸気供給源141と、処理容器110に到る蒸気供給管路143と、当該管路の開閉バルブ144とを備える。水蒸気供給源141は、昇温昇圧機器群142を備える。この昇温昇圧機器群142は、熱効率が良いボイラーや給水タンクおよび各種補器で構成され、処理容器110における水熱処理に適した温度および圧力以上(例えば、200℃前後で2MPa程度の圧力)の水蒸気を生成する。水蒸気供給源141は、制御装置200の制御を受けて昇温昇圧機器群142を駆動することで、高温・高圧の水蒸気を、蒸気供給管路143を経て処理容器110の内部に水熱処理の間に亘って継続して圧送供給する。この際の水蒸気は飽和蒸気としてもよいし、さらに過熱された高温高圧の加熱蒸気としてもよい。なお、図1においては、蒸気供給管路143は単一管路として図示されているが、蒸気供給管路143を分岐配管として、各分岐官の先端から処理容器内に高温・高圧の水蒸気を供給してもよい。こうすれば、処理容器110は、複数の分岐管のそれぞれに対応する噴出孔から同時に噴出された高温・高圧の水蒸気により、速やかに且つくまなく充満されて、亜臨界状態の水蒸気により亜臨界雰囲気とされ、水溶性油剤YWを水熱処理する。
水蒸気回収系150は、第2排出口113に接続されて水分貯留槽154に至る水蒸気排出経路151と、この水蒸気排出経路151から分岐して油剤貯留槽128に至る原料加熱管155とを備える。水蒸気回収系150は、処理容器110の側において、水蒸気排出経路151に排出バルブ152とバルブ駆動機器153を有するほか、水蒸気排出経路151には、排出バルブ152より下流側に、蒸気回収バルブ156とバルブ駆動機器157を有し、原料加熱管155には、排出バルブ152より下流側に、原料加熱バルブ158とバルブ駆動機器159とを有する。
排出バルブ152は、水溶性油剤YWの油水分離処理(水熱処理)の継続期間において、バルブ駆動機器153が後述の制御装置200の制御を受けて駆動することで閉弁され、油水分離処理の完了に伴って開弁する。そして、排出バルブ152の開弁により、処理容器110から、水蒸気Skが水蒸気排出経路151を経て排出される。この排出当初において、蒸気回収バルブ156は、バルブ駆動機器157が制御装置200の制御を受けて駆動することで閉弁し、原料加熱バルブ158は、バルブ駆動機器159が制御装置200の制御を受けて駆動することで開弁する。これにより、水蒸気Skは、油剤貯留槽128まで原料加熱管155により導かれる。
原料加熱管155は、油剤貯留槽128の底部付近まで伸びて水平に位置し、その水平管路部位に有する多数の細孔から、油剤貯留槽128における水溶性油剤YWに水蒸気Skを放出する。放出された水蒸気Skは、油剤貯留槽128が貯留した水溶性油剤YWの液状水分YWWと混じり合い、水溶性油剤YWを加温しながら自身の温度を下げていく。結果、水蒸気Skは、体積が1500分の1程度のお湯となり、水溶性油剤YWに混在することになる。水蒸気Skと混在して運ばれた空気は、液中において気泡状に油剤貯留槽128の底壁面側から液面まで浮上した後、油剤貯留槽128の大気放出口128aから大気放出されるものの、その最大量は、処理容器110に水溶性油剤YWを投入した際の空隙程度であり、極、僅かである。油剤貯留槽128への水蒸気Skの放出により、油剤貯留槽128における水溶性油剤YWの温度が高まるので、油剤貯留槽128の水溶性油剤YWを予め規定の温度、例えば100℃となるまで昇温できる。これにより、水溶性油剤YWを、大気圧の状態でも100℃程度まで加温でき、放出される水蒸気Skの熱エネルギーを有効に再利用することができる。仮に30℃(比エンタルピー:125.664kJ/kg)の水溶性油剤YWを180℃(比エンタルピー:763.116kJ/kg)で亜臨界処理する場合、水溶性油剤YWを100℃(比エンタルピー:419.065kJ/kg)まで加温できるとすると、46%のエネルギー削減となる。
油剤貯留槽128の水溶性油剤YWが規定の温度になると、原料加熱バルブ158は、バルブ駆動機器159が制御装置200の制御を受けて駆動することで閉弁し、蒸気回収バルブ156は、バルブ駆動機器157が制御装置200の制御を受けて駆動することで開弁する。これにより、水蒸気Skは、水分貯留槽154まで水蒸気排出経路151により導かれる。水蒸気排出経路151は、経路末端の放出口を水分貯留槽154の底壁面に位置するよう配設されている。よって、水蒸気排出経路151に運ばれた水蒸気Skは、水分貯留槽154が貯留した水分W(例えば、水道水)と混じり合い、水分Wを加温しながら自身の温度を下げていく。結果、水蒸気Skは、体積が1500分の1程度のお湯となり回収される。水蒸気Skと混在して運ばれた空気は、液中において気泡状に水分貯留槽154の底壁面側から液面まで浮上した後、水分貯留槽154の大気放出口154aから大気放出される。なお、水蒸気Skの油剤貯留槽128への放出が先になされているので、水蒸気Skと混在して水分貯留槽154に運ばれる空気は、より少量となる。なお、油剤貯留槽128の水溶性油剤YWが規定の温度になった際の上記したバルブ制御は、油剤貯留槽128に設置した原料温度センサ174からの入力に基づいて、制御装置200によりなされる。
この他、油水分離装置100は、処理容器110の内部温度を検出する容器内温度センサ173を備え、このセンサは制御装置200に検出信号を出力する。容器内温度センサ173は、処理容器110の底部内壁に装着され、容器内の水溶性油剤YWおよび油水分離液状物の温度(液温)を経時的に検出する。このセンサの検出温度は、制御装置200により、水蒸気供給系140からの飽和水蒸気あるいは高温・高圧の過熱水蒸気の供給量や供給時間の算出に用いられる。
制御装置200は、本実施形態の油水分離装置100の制御を統括的に行うものであり、論理演算を実行するCPUやプログラムやデータを記憶したROM、データの一時的な読み書きを可能とするRAM等を有するコンピュータで構成される。そして、制御装置200は、既述した種々のセンサからの検出信号を入力し、こうした検出信号や図示しない操作盤からの運転条件設定パラメータに応じて、処理容器110のバルブ開閉制御、水蒸気供給系140の蒸気発生制御や開閉バルブ144の駆動制御、モータ115の駆動制御等を実行し、水溶性油剤YWを亜臨界雰囲気下での水熱処理にて油水分離する。
制御装置200は、容器内温度センサ173や容器上部圧力センサ172および圧力式重量センサ171のセンサ出力を入力し、水蒸気供給系140におけるボイラー等の昇温昇圧機器群142の運転状態(水蒸気生成量、圧送量、加熱温度等)を制御する。これにより、油水分離装置100は、処理容器110において水溶性油剤YWが後述の規定温度の環境下で高温・高圧(180℃/0.9MPa)の亜臨界状態で油水分離処理を受けるよう、水蒸気を圧送する。そして、この飽和蒸気あるいは高温・高圧の過熱水蒸気圧送は、油水分離処理の期間に亘って、定常的に或いは間歇的に継続される。
次に、本実施形態の油水分離装置100で行う水溶性油剤の油水分離プロセスについて説明する。図3は、水溶性油剤の油水分離処理プロセスの工程を表す工程図である。この油水分離処理プロセスでは、まず、既述した各バルブを閉鎖して処理容器110を密閉した状態とし、水溶性油剤YWを水溶性油剤投入系120における油剤貯留槽128から処理容器110に投入する(工程S100)。水溶性油剤YWの投入は、投入バルブ122の開弁により実行され、制御装置200は、処理容器110の容器内領域に規定の空隙が残るまで水溶性油剤YWが投入されると、投入バルブ122を閉弁制御する。本実施形態では、処理容器110の30〜50%の空隙が残るよう、水溶性油剤YWを処理容器110に投入する。還元すれば、制御装置200は、処理容器110の内容積の50〜70%の容量の水溶性油剤YWを、投入バルブ122の開閉制御を経て処理容器110に投入する。容器内に空隙を残すのは、30〜50%の程度の空隙があれば、処理容器110への高温・高圧(200℃/2MPa)の水蒸気の圧送に支障がなく、水溶性油剤YWと水蒸気との接触を経た水熱処理が油水分離処理として進行するからである。
本実施形態の処理容器110は、直径が約100cmで長さが約200cmの円筒形であることから、30〜50%の空隙が残るよう投入された水溶性油剤YWは、約470〜785リットルとなる。そして、この量の水溶性油剤YWが工程S110以降において、一度に油水分離処理されることになる。なお、処理容器110のスペックは、上記したものに限られるものではなく、油水分離装置100の導入施設の規模や油水分離の処理量等に応じて規定すればよい。
制御装置200は、工程S100での水溶性油剤YWの投入に続いて、水蒸気供給系140における開閉バルブ144を開弁制御する。これにより、処理容器110には、ボイラー等を含む昇温昇圧機器群142で生成した(200℃/2MPa)程度の水蒸気が導入される。制御装置200は、水蒸気導入とタイミングを合わせて、処理容器内の攪拌羽根114をモータ115にて回転させる。これにより、投入済みの水溶性油剤YWは、水蒸気存在下で攪拌される(工程S110)。こうした水蒸気導入により、処理容器110の内部は、150〜180℃の温度に昇温した昇温状態となる。そして、投入済みの水溶性油剤YWは、水蒸気に触れて、水蒸気の持つ熱が水溶性油剤YWの水熱処理に処される状態となる。つまり、導入された水蒸気は、150〜180℃の高温環境下での0.5〜1MPa程度の加圧を可能とし、処理容器110の内部を亜臨界雰囲気とする。その上で、攪拌羽根114による被処理物攪拌により、投入済みの水溶性油剤YWを満遍なく高温・高圧の水蒸気に接触させつつ、水溶性油剤YWへのより一律な熱の伝搬を図り、水熱処理を進行させる。
こうして水蒸気導入と水溶性油剤YWの攪拌とを伴う水熱処理が油水分離処理として開始されると、制御装置200は、油水分離処理(水熱処理)が規定の温度状況下(150〜180℃)で完了したか否かを判定し(工程S120)、完了判定するまで、水蒸気導入と水溶性油剤YWの攪拌を継続する。この判定は、投入した水溶性油剤YWに含まれる界面活性剤や水溶性添加剤の親水基と親油基の活性消失が起きたと実験的に得られた処理時間、具体的には、20〜60分の処理時間の経過後に下すことができる。油水分離処理(水熱処理)が規定の温度状況下(150〜180℃)で完了したと判定するまでにおいて、制御装置200は、容器上部圧力センサ172の検出圧力と容器内温度センサ173の検出温度に基づいて水蒸気導入量を所定時間ごとに算出し、その算出した導入量で水蒸気を継続して導入する。そして、制御装置200は、油水分離処理(水熱処理)が規定の温度状況下(150〜180℃)で規定の処理時間だけ継続されたと判定した時点において、水蒸気供給系140における開閉バルブ144の閉弁制御とモータ115の停止制御を行い、処理容器110への水蒸気導入と攪拌とを停止する。水溶性油剤YWの投入後からバルブ・モータの停止制御と攪拌停止とを実行するまでの制御装置200の機器制御プログラムが水蒸気供給系140におけるバルブ・モータ等の機器と協働して、本発明における昇温維持部を構成する。
水蒸気供給系140からの水蒸気の導入を伴う水熱処理により、水溶性油剤YWの界面活性剤や水溶性添加剤等は、亜臨界雰囲気下で水熱処理を受けて、親水基と親油基の活性を消失し、油分の水溶機能を果たさなくなる。このため、工程S120で水熱処理完了と判定されるまでの間において、被処理液である水溶性油剤YWは、液状油分YWYと水蒸気化していない液状水分YWWとに油水分離された液状物に変遷する。
水溶性油剤YWの水熱処理が20〜60分の処理時間に亘って継続されて水熱処理が完了すると、水溶性油剤の加温工程S130に移る。制御装置200は、水蒸気排出経路151における蒸気回収バルブ156を閉じた状態で、水蒸気排出経路151における排出バルブ152と原料加熱管155における原料加熱バルブ158を開弁する。これにより、処理容器110の容器内水蒸気を原料加熱管155を経て油剤貯留槽128に放出し、既述したように、廃蒸気を利用した水溶性油剤YWの加温を行う。油剤貯留槽128の原料温度センサ174が検出した温度が規定の温度となると、制御装置200は、原料加熱バルブ158を閉弁して水溶性油剤YWの加温を終了する。この水蒸気放出の間に、処理容器110における容器内圧力は低下すると共に、容器内温度も低下する。なお、水溶性油剤YWの加温後において、制御装置200は、バルブ駆動機器157を開弁して、処理容器110に残存する水蒸気を水分貯留槽154に導く。なお、熱の再利用をしない場合は工程S130を実施せず、次の工程に進んでもよい。
工程S130の水溶性油剤YWの加温に続き、制御装置200は、水蒸気回収系150における原料加熱バルブ158を閉弁して蒸気回収バルブ156を開弁制御する。これにより、処理容器110の被処理液の液面より上の残存水蒸気を水分貯留槽154に放出して、既述したようにこの放出水蒸気をお湯にして回収する(工程S140)。この場合、処理容器110から放出された水蒸気Skは、水蒸気排出経路151を経て水分貯留槽154に導かれ、水分貯留槽154の水分Wの液中において蒸気からお湯に変わる。水蒸気Skに混在していた少量の空気は、水分貯留槽154の大気放出口154aから大気放出される。なお、水蒸気を大気に開放してもよい環境の下で、熱の回収をしない場合は、水蒸気を直接大気に開放してもよい。
残存水蒸気の排出に続き、制御装置200は、処理物排出系130における排出バルブ132を開弁制御して第1排出口112を開放し、処理容器110の内部の被処理液、具体的には、油水分離済みの液状油分YWYと液状水分YWWを処理容器110から被処理液貯留槽134に排出する(工程S150)。液状油分YWYと液状水分YWWが全て排出されると、制御装置200は、排出バルブ132を閉弁制御して第1排出口112を閉鎖し、次回の水熱処理に備える。工程S150での油水分離済みの液状油分YWYと液状水分YWWの排出と工程S140における水蒸気放出とを図る制御装置200の機器制御プログラムがバルブ等の機器と協働して、本発明における排出部を構成する。
以上説明したように、本実施形態の油水分離装置100は、導入された飽和蒸気もしくは高温・高圧の加熱水蒸気により処理容器110の内部を亜臨界雰囲気とする。水溶性油剤YWは前記亜臨界雰囲気の中で20〜60分に亘り水熱処理される。よって、水溶性油剤YWの界面活性剤や水溶性添加剤等は、亜臨界雰囲気で水熱処理を受けて、親水基と親油基の活性を消失し、油分の水溶機能を果たさなくなる。このため、水溶性油剤YWの界面活性剤や水溶性添加剤等の亜臨界雰囲気での水熱処理により、油分と水分との油水分離が、20〜60分という短時間の処理時間において処理容器110で効率的に起きる。
その上で、本実施形態の油水分離装置100では、処理容器110における被処理液の液面より上の空隙の水蒸気を水溶性油剤投入系120と水蒸気回収系150に放出したのち。処理容器110における被処理液である水溶性油剤YWを、液状油分YWYと液状水分YWWとに油水分離した液状物の状態で排出する(工程S150)、これらの結果、本実施形態の油水分離装置100によれば、約470〜785リットルという多量の水溶性油剤YWを油水分離が起きた液状物に20〜60分という短時間で変遷することが可能となる。この油水分離が起きた液状物への変遷は、処理容器110の容量を大きくすることで、多くの量の水溶性油剤YWにおいて起きるので、多くの水溶性油剤YWを油水分離が起きた液状物に短時間で変遷できる。その際でも、亜臨界状況下での処理時間は20〜60分である。
図4は、油水分離装置100により水溶性油剤YWから油水分離した液状水分YWWのCOD推移を示す説明図である。図5は、油水分離装置100により水溶性油剤YWから油水分離した液状水分YWWのBOD推移を示す説明図である。図6は、油水分離装置100により水溶性油剤YWから油水分離した液状水分YWWに含まれるトータル窒素量の推移を示す説明図である。図7は、油水分離装置100により水溶性油剤YWから油水分離した液状水分YWWに含まれる油分量の推移を示す説明図である。なお、図7に示す油分量は、ノルマルヘキサン抽出物質試験法による分析結果である。これらの図は、20分と60分の処理時間の油水分離処理を異なる温度で行って得られた液状水分YWWのCOD等を測定した結果である。なお、これら図には、20分を下回る処理時間のCOD推移等は示していない。これは次の理由による。20分処理では図4においてCODの低下が芳しくなく(特にセンサ160〜180℃付近)、さらに図5においてBODの低下が起きていない(特に150℃までの処理温度域)ため、処理効果が低いと判断したためである。実際、被処理液である水溶性油剤YWは、処理量が約470〜785リットルであり、20〜30%の希釈倍率であるので、少なくとも94リットル〜157リットルの油分を含む。よって、油水分離が正常に起きていれば、470リットルの水溶性油剤YWからは、約94リットルに近似した液量の液状油分YWYが油水分離されると想定される。20分を下回る処理時間では、油水分離された液状油分YWYが94リットルより少なく、その際の液状水分YWWの透明度も低かったので、水溶性油剤YWの油水分離が進んでいないと考えられる。こうしたことから、各図には、20分を下回る処理時間のCOD推移等は示していない。また、60分を越える処理時間では、処理時間の短縮が進まずエネルギーコストが増大するので、各図には、60分を越える処理時間のCOD推移等は示していない。
図4では、150℃の処理温度であれば、CODの大きな低減が起き、処理温度が高くなるとさらなる低減が起きている。180℃を超えてもCODは低減するが、効果を示すカーブは緩やかになり、温度上昇のわりに効果が少ないことがわかる。処理温度が180℃を超える処理では処理容器110を180℃を超える高温状況とする必要があり、水熱処理効果と消費エネルギーの低減の観点から、望ましくない。図5では、150℃の処理温度であれば、BODの大きな低減が起き、160℃までの処理温度であれば、BODの低減を維持できている。CODの低減と油分の分離は190℃まで継続的に進むが効果を示すカーブが緩やかになること、160℃を超えるとBODの増加傾向が起きたこと、および消費エネルギーの低減の観点から、処理温度は180℃を超えないことが望ましい。図6では、150〜180℃の処理温度であれば、トータル窒素量(T−N)の増大は起きていない。180℃を超えてもT−Nの増大は少ないが、消費エネルギーの低減の観点から、処理温度は180℃を超えないことが望ましい。図7では、150℃の処理温度であれば、油分量(n−h)の大きな低減が起きている。180℃を超えても油分は低減するが、消費エネルギーの低減の観点から、処理温度は180℃を超えないことが望ましい。
図5に見られるように、処理時間が20分の水熱処理と処理時間が60分の水熱処理のいずれも、170℃あたりまでBODが低下したのち、温度が上昇すると、BODの増大が起きている。こうした事象は、水溶性油剤YWの油分に加え界面活性剤や水溶性添加剤が高温の水蒸気に長時間に亘り晒されることから、性状の変質が起き、油水分離が起きた液状物に生物化学的な酸素要求量が高まりかねないことが原因と想定される。また、処理時間が60分の水熱処理は、160℃を超えたあたりからBODの増加が始まるのは、温度と時間のどちらも水熱処理に寄与しており、一定の閾値を超えると、生物化学的な酸素要求量が高まることが原因と想定される。このことからも、温度が180℃を超えないのが望ましく、処理時間は60分を超えないのが望ましい。
本実施形態の油水分離装置100では、処理容器110において、水溶性油剤YWを攪拌羽根114により攪拌しながら油水分離処理に処する。よって、本実施形態の油水分離装置100によれば、水溶性油剤YWの界面活性剤や水溶性添加剤等が亜臨界雰囲気での水熱処理を受ける機会が増えるので、親水基と親油基の活性消失が進み、油分と水蒸気化していない水分との油水分離がより効率的に起き、処理時間を短縮できる。
本実施形態の油水分離装置100では、200℃前後で2MPa程度の水蒸気を処理容器110に導き入れて処理容器110の容器内を亜臨界雰囲気にし、容器内を150〜180℃に昇温してその昇温状態を処理時間に亘り維持する。よって、水蒸気導入により、容器内をより確実に亜臨界雰囲気として、水溶性油剤YWの界面活性剤や水溶性添加剤等が確実に亜臨界雰囲気での水熱処理を受けるようにする。この結果、本実施形態の油水分離装置100によれば、親水基と親油基の活性消失がより確実に進み、油分と水蒸気化していない水分との油水分離がより高い効率で起き、処理時間を短縮できる。
本実施形態の油水分離装置100では、水溶性油剤YWを油水分離した液状油分YWYと液状水分YWWを、図2に示すように、被処理液貯留槽134の槽内部を槽底壁の側に間隙134tを残して槽内を区画する区画壁135で区画された第1区画域134aに、排出する。第1区画域134aでは、液状油分YWYと液状水分YWWとの比重の相違から、槽底壁の側では液状水分YWWが溜まり、この液状水分YWWの上に液状油分YWYが貯まる。そして、第1区画域134aと区画された第2区画域134bでは、間隙134tを経て進入した液状水分YWWだけが貯留され、この第2区画域134bには、液状油分YWYを区画壁135で遮って流れ込まないようにできる。この結果、本実施形態の油水分離装置100によれば、水溶性油剤YWを油水分離した液状油分YWYと液状水分YWWの排出された第1区画域134aからは、液状油分YWYだけを効率的に除去できると共に、第2区画域134bからは、液状水分YWWだけを除去できる。
本実施形態の油水分離装置100では、処理容器110の底部の側から液水排出経路131を経て被処理液貯留槽134の第1区画域134aに、水溶性油剤YWを油水分離した液状油分YWYと液状水分YWWを排出する。この液状油分YWYと液状水分YWWは、処理容器110においても、液状水分YWWの上に液状油分YWYに貯まっていることから、第1区画域134aには、まず先に液状水分YWWだけが排出される。よって、第2区画域134bへの液状油分YWYの流れ込みをより確実に回避できるので、第1区画域134aからの液状油分YWYだけの効率的な除去と、第2区画域134bからの液状水分YWWだけの効率的な除去とを、より確実に担保できる。
本実施形態の油水分離装置100では、第1区画域134aに液位センサ197を設け、このセンサが液状油分YWYに液没したタイミングで油分の存在が確認できるので、確実に規定量の液状油分YWYのみを外部に排出できる。また、排出バルブ195を間隙134tより若干上部に設けることで、液状水分YWWを排出した時点でも、第1区画域134aに残存する液状油分YWYが第2区画域134bに侵入することを防ぐことができ、継続連続して運用することができる。なお、液状油分YWYを排出したあとも第1区画域134aには若干の液状油分YWYが存在するが、次回の油水分離作業にそのまま持ち越されいずれは排出されるため問題はない。
図8は、他の実施形態としての油水分離装置100Aの概略構成を示す説明図である。油水分離装置100Aは、処理容器110の容器内の昇温を図る構成において、既述した油水分離装置100と相違する。図示するように、この油水分離装置100Aは、処理容器110の外周を覆う加熱部300を備える。この加熱部300は、処理容器110取り囲むヒーター構造を備え、処理容器110を容器外部から加熱して、150〜180℃の温度までの容器内の昇温とこの昇温状態の維持を図り、水溶性油剤YWの水分が蒸発した水蒸気により処理容器110の容器内を亜臨界雰囲気とする。よって、この油水分離装置100Aによれば、容器外部からの処理容器110の加熱という簡便な手法で、水溶性油剤YWを油水分離が起きた液状物に短時間で変遷できる。なお、加熱部300を空間として、処理容器110の外周において高温の油剤を循環させて処理容器110を容器外部から加熱する循環加熱構造としてもよいし、その他の熱源流体を導いて加熱してもよい。また、既述した水蒸気導入方式を併用してもよい。
図9は、変形例の被処理液貯留槽134Aの概略構成を示す説明図である。この被処理液貯留槽134Aは、区画壁135を、第1区画域134aにおける貯留液の液面が槽上方側になるほど狭くなるように、傾斜して備える。この被処理液貯留槽134Aでは、第1区画域134aの上方から見た面積が小さくなるので油分をより確実に排出でき、第1区画域への油分残留量を減らすことができる。
本発明は、上述の実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
本実施形態の油水分離装置100では、処理容器110において攪拌羽根114により水溶性油剤YWを攪拌したが、これに限らない。例えば、水蒸気供給系140からの水蒸気圧送供給を処理容器110の底壁の側から行ったり、蒸気供給管路143を処理容器110の内部まで延長させ、その延長管部位の複数の吹出孔から水溶性油剤YWの液中に噴出してもよい。
本実施形態の油水分離装置100では、区画壁135を有する被処理液貯留槽134に、油水分離済みの液状油分YWYと液状水分YWWとを排出したが、区画壁135のない被処理液貯留槽134を排出先としてもよい。また被処理液貯留槽134を間隙134tを確保した上で、区画壁135により三つや四つの区画領域に区画し、その一部の区画領域に油水分離済みの液状油分YWYと液状水分YWWを排出してもよい。
油剤貯留槽128における水溶性油剤YWの加温方式を、油剤貯留槽128と水分貯留槽154との間に熱交換機器を設けた加温方式としてもよい。
水溶性油剤YWの油水分離処理の処理時間経過後において、液状油分YWYおよび液状水分YWWの排出と処理容器110からの水蒸気排出とを、処理容器110の容器内温度、或いは容器内圧力の少なくとも一方が予め規定した閾値まで低下してから実行するようにしてもよい。こうすれば、液状油分YWYおよび液状水分YWWの排出と処理容器110からの水蒸気排出を、温度低下の環境や圧力低下の環境で、容易に実行できる。
100…油水分離装置、100A…油水分離装置、110…処理容器、111…投入口、112…第1排出口、113…第2排出口、114…攪拌羽根、115…モータ、116…蒸気投入口、120…水溶性油剤投入系、121…投入経路、122…投入バルブ、125…バルブ駆動機器、128…油剤貯留槽、128a…大気放出口、130…処理物排出系、131…液水排出経路、132…排出バルブ、133…バルブ駆動機器、134…被処理液貯留槽、134A…被処理液貯留槽、134a…第1区画域、134b…第2区画域、134t…間隙、135…区画壁、140…水蒸気供給系、141…水蒸気供給源、142…昇温昇圧機器群、143…蒸気供給管路、144…開閉バルブ、150…水蒸気回収系、151…水蒸気排出経路、152…排出バルブ、153…バルブ駆動機器、154…水分貯留槽、154a…大気放出口、155…原料加熱管、156…蒸気回収バルブ、157…バルブ駆動機器、158…原料加熱バルブ、159…バルブ駆動機器、160…センサ、171…圧力式重量センサ、172…容器上部圧力センサ、173…容器内温度センサ、174…原料温度センサ、190…油分排出管、191…排出バルブ、192…バルブ駆動機器、194…水分排出管、195…排出バルブ、196…バルブ駆動機器、197…液位センサ、200…制御装置、300…加熱部、Sk…水蒸気、W…水分、YW…水溶性油剤、YWW…液状水分、YWY…液状油分

Claims (6)

  1. 油分を水分に水溶した水溶性油剤の油水分離方法であって、
    中空の処理容器に、容器内領域に空隙が残るように前記水溶性油剤を投入する工程(1)と、
    前記処理容器を密閉した状態で、容器内を150〜180℃の温度に昇温させて昇温状態を20〜60分の処理時間に亘り維持し、前記昇温により前記水分が蒸発した水蒸気により前記容器内を亜臨界雰囲気とすることによって、前記水溶性油剤を液状水分と液状油分の2つの成分に分離する工程(2)と、
    前記処理時間の経過後に、前記処理容器内の被処理液と、該被処理液の液面より上の前記空隙の水蒸気とを、それぞれ個別に外部に排出する工程(3)とを備える、
    水溶性油剤の油水分離方法。
  2. 請求項1に記載の水溶性油剤の油水分離方法であって、
    前記工程(2)では、
    前記処理容器において、前記水溶性油剤を攪拌する
    水溶性油剤の油水分離方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載の水溶性油剤の油水分離方法であって、
    前記工程(2)では、
    目的の亜臨界状態を超える温度と圧力となった水蒸気を前記処理容器に導き入れて前記容器内の前記昇温状態を維持し、前記導き入れた前記水蒸気と前記水分が蒸発した水蒸気とで前記容器内を前記亜臨界雰囲気とする、
    水溶性油剤の油水分離方法。
  4. 請求項1または請求項2に記載の水溶性油剤の油水分離方法であって、
    前記工程(2)では、
    前記処理容器を容器外部から加熱して前記容器内の前記昇温状態を維持し、前記水分が蒸発した水蒸気により前記容器内を前記亜臨界雰囲気とする、
    水溶性油剤の油水分離方法。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の水溶性油剤の油水分離方法であって、
    前記工程(3)では、
    前記被処理液の排出先を被処理液貯留槽とし、前記被処理液貯留槽の槽内部を槽底壁の側に間隙を残して槽内を区画する区画壁で区画された複数の区画領域のうちの一部の前記区画領域に、前記被処理液を排出する、
    水溶性油剤の油水分離方法。
  6. 油分を水分に水溶した水溶性油剤の油水分離装置であって、
    容器内領域に空隙が残るように前記水溶性油剤が投入される中空の処理容器と、
    前記処理容器を密閉した状態で、容器内を150〜180℃の温度に昇温させて昇温状態を20〜60分の処理時間に亘り維持し、前記昇温により前記水分が蒸発した水蒸気により前記容器内を亜臨界雰囲気とすることによって、前記水溶性油剤を液状水分と液状油分の2つの成分に分離する昇温維持部と、
    前記処理時間の経過後に、前記処理容器内の被処理液と、該被処理液の液面より上の前記空隙の水蒸気とを、それぞれ個別に外部に排出する排出部とを備える、
    水溶性油剤の油水分離装置。
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