JP6843677B2 - ポイント付与システム - Google Patents

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Description

本発明は、顧客から提供された情報に対してポイントを付与し、顧客において有効な
当該ポイントの利用環境を提供するポイント付与システムに関する。
顧客の購買活動などに対して付与されたポイントの管理システムとして、例えば特許文献1乃至5に記載のものが知られている。
当該システムを利用することで、ポイントを保有する顧客は、ポイントを取得した後の任意のタイミングでポイントを行使することができる。ここで、ポイントの行使は、サービス提供者が予め準備するサービスメニューの中から種々ユーザが選択する形式になる。
特開2005-332296 特開2003-044733 特開2003-271764 特開2001-005881 特開2014-115736
上記のようなポイント管理システムを運用しているときに顧客においてポイントの行使頻度が低い場合、すなわち付与ポイントの回転率が低下している場合は、顧客に対するポイント行使の動機付けが不十分であると予想される。
この場合、ポイントの回転率を向上させる工夫をしなければ、顧客の購買活動への影響も生じ、購買活動の動機付けも低下させるおそれがある。そこで、ポイントの回転率を上げるために、サービスメニューの種類を増やすか、ポイント交換率を高めるなどの工夫が求められる。この場合、どのようなサービスメニューを顧客が望むのかについては、その見直しを図るための契機となる情報を得る必要がある。
本発明は、プラントを保有する顧客の購買活動に付与したポイントの利用の動機付けに効果的なサービスメニューを顧客に提供するポイント付与システムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、ポイント付与システムに関するものであって、プラントを保有する顧客から提供される情報の種別と、前記顧客からの情報提供に応じて付与されるポイントの量と、を格納するポイントデータベースと、ポイント数に応じた複数のサービスメニューが登録されたサービスメニューデータベースと、前記顧客が取得し保有するポイント数及び当該ポイントの使用履歴に関する情報が登録された顧客ポイントデータベースと、前記顧客ポイントデータベースに登録された前記顧客のポイントの使用頻度を抽出するポイント行使頻度分析部と、前記ポイント行使頻度分析部の分析結果に基づき、前記顧客からの情報提供の種別に対応したポイント数あるいは前記サービスメニューに対応したポイント数の変更に関するガイド情報を出力するガイダンス情報出力部と、を備え、前記ガイダンス情報出力部は、予め設定されている経済モデルに基づいてプログラムされている数値解析におけるポイント回転率の予測値と実績値が一致するように前記プログラムを修正するモデル検証部と、前記モデル検証部において修正されたプログラムを用いて前記ポイント回転率を予測し、予測結果に基づいて、前記予測値が希望値を上回るための前記ポイント数の変更に関するガイド情報を生成するガイダンス情報生成部と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、プラントを保有する顧客の購買活動に付与したポイントの利用の動機付けに効果的なサービスメニューを顧客に提供することができる。
本発明に係るポイント付与システムの実施形態を示すシステム構成図である。 上記ポイント付与システムに含まれるガイダンスシステムの機能構成を示す機能ブロック図である。 上記ポイント付与システムに含まれるガイダンスシステムの別の機能構成を示す機能ブロック図である。 上記ポイント付与システムに含まれるポイント行使頻度分析システムの機能構成を示す機能ブロック図である。 本発明に係るポイント付与システムの別の実施形態を示すシステム構成図である。 本発明に係るポイント付与システムのさらに別の実施形態を示すシステム構成図である。
以下、本発明に係るポイント付与システムの実施例について、図面を参照しながら説明する。図1は、本実施例に係るポイント付与システム1の全体的な構成を示す図である。ポイント付与システム1は、プラントユーザである顧客におけるポイント行使の頻度(回転率)に応じて、顧客に提示する「ポイント利用のためのサービスメニュー」の変更の契機となるガイダンス情報を取得できる点において特徴を備える。
図1に示すように、ポイント付与システム1は、ポイント行使頻度分析システム10と、ガイダンスシステム20と、顧客ポイントDB(データベース)30と、サービスメニューDB40と、ポイントDB50と、ポイント行使情報登録分析システム60と、出力システム70と、を備えている。ポイント付与システム1を構成する複数のシステムと複数のDBはそれぞれ、以下において説明する機能をコンピュータにおいて実現するものである。即ち、ポイント付与システム1は、1台のまたは複数台のコンピュータにおいて実行されるポイント付与プログラムにより実現される各機能を備えている。なお、ポイント付与システム1を構成するコンピュータは、CPUと、CPUにおいて実行されるプログラムを記憶するROMと、CPUにおいてプログラムを実行する際に用いられるワークエリアとなるRAMを最小限の構成とし、外部から情報を入力するための入力手段や、情報を外部に出力するための出力手段、および、通信回線を介して外部装置や他のコンピュータ又はDBとの情報授受を行うためのインターフェースを備えている。
[ポイント行使頻度分析システム10の概要]
ポイント行使頻度分析システム10は、顧客ポイントDB30から顧客のポイントの使用頻度を抽出するポイント行使頻度分析部を構成する。ポイント行使頻度分析システム10は、顧客ポイントDB30から読み出したデータに基づいて、各顧客のポイントの付与と行使の対比により決まるポイント回転率を分析する。たとえば、「顧客Aのポイント行使速度は、1000ポイント/月である」、というような結果が得られるようにデータを分析する。また、ポイント行使頻度分析システム10は、商品購入に対して付与したポイントと情報提供に対して付与したポイントを分けて分析する。これにより、商品購入に対するポイントのみの分析から実際の資金の流れに近い情報を得ることも可能である。また、この分析に基づいて、商品毎の利益率に応じたポイント交換率を設定すれば、利益率の予測も可能になる。
[ガイダンスシステム20]
ガイダンスシステム20は、ポイント行使頻度分析システム10の分析結果に基づき、顧客からの情報提供の種別に対応するポイント数、あるいは、サービスメニューに対応したポイント数、これらの変更に関するガイド情報を出力するガイダンス情報出力部を構成する。
ガイダンスシステム20は、ポイント行使頻度分析システム10から出力された解析結果データを受け取り、ポイント付与システム1の運用の改良に関するガイダンス情報を出力する。ここで「ガイダンス情報」とは、ポイント交換率の変更案や、サービスメニュー変更案を含む情報である。
ガイダンスシステム20に入力されるポイント行使頻度分析システム10からの「解析結果データ」は、ポイント付与システム1におけるポイント行使メニューに関する「改良したい内容」を示すものである。この「改良したい内容」には、例えば、ポイント交換率の変更案の検討や、サービスメニューの新設/撤廃案の検討、特定顧客向けのサービス案の検討、などを示すデータが含まれる。
ガイダンスシステム20は、ポイント行使頻度分析システム10から出力された「分析結果データ」、例えば、「ポイント回転率データ」と「改良したい内容」の入力結果に基づいて改良案としてのガイダンス情報を出力する。出力されたガイダンス情報はサービスメニューDB40およびポイントDB50に記録される。
[顧客ポイントDB30の概要]
顧客ポイントDB30は、顧客ごとの保有ポイントや使用履歴を、顧客ごとに識別可能な状態で記録し蓄積するデータベースである。顧客ポイントDB30には、ポイントの付与と利用に関するあらゆるデータが顧客毎に識別可能な状態で記録され、蓄積される。
[サービスメニューDB40の概要]
サービスメニューDB40は、ガイダンスシステム20から出力されるガイダンス情報に含まれるサービスメニューの種類ごとに必要となるポイントの量(ポイント行使に必要なポイント量)を蓄積する。
[ポイントDB50の概要]
ポイントDB50は、ガイダンスシステム20から出力されるガイダンス情報に含まれる商品毎のポイント交換率、情報毎のポイント交換率を蓄積する。
[ポイント行使情報登録分析システム60の概要]
ポイント行使情報登録分析システム60は、事業者が顧客毎に付与したポイントの情報を受け取り、これを顧客ポイントDB30に蓄積する。また、ポイント行使情報登録分析システム60は、顧客が事業者に対して行使したポイントの情報を受け取り、顧客毎のポイントの使用履歴を蓄積する。また、ポイント行使情報登録分析システム60は、ポイントの付与と行使の内訳を分析する。
[出力システム70の概要]
サービスメニューDB40とポイントDB50に蓄積された情報を読み出して、サービスメニューの種類とポイント交換率に関する情報、ポイント付与対象商品および情報の種類とポイント交換率に関する情報、を出力し、顧客が確認できる状態を形成する。
[本発明に係るポイント付与について]
以下、本発明に係る「ポイント付与」について説明し、本実施形態に係るポイント付与システム1の機能と効果についても説明する。ポイント付与システム1を適用可能な実ビジネス環境において、「ポイント付与」は、事業者が顧客に対して商品を販売し、または、サービスを提供し、その代金が支払われるときに、事業者から顧客に対し、顧客が購入した商品やサービスの種類、購入数、購入金額に応じて行われる。
本発明に係るポイント付与は、上記のような「購買活動」に限定されず、例えば、顧客からの「有益な情報の提供」(以下、単に「情報提供」と記載する)に対しても行われる。この点において、一般的なポイント付与とは異なる。ここで、ポイント付与の対象となる情報提供とは、例えば、「事業者が顧客に販売した商品の稼働率/故障発生率に関する情報提供」、「当該事業者以外の事業者が顧客に販売した類似商品の稼働率/故障発生率に関する情報提供」、「当該商品の修理/メンテナンスに用いる交換部品に関する顧客の在庫保有状況に関する情報提供」、「顧客が属する地域や業種(化学工業/鉄鋼業/自動車工業/独立発電事業者/携帯電話通信業/その他サービス業など)における商品の需給情報や他社の類似製品と比較したシェアに関する情報提供」、「商品の評判に関する情報提供」、「商品と類似商品の価格比較に関する情報提供」、「商品と類似商品の性能比較に関する情報提供」、「顧客企業に所属する従業員において事業者の商品とメンテナンスに関与することができる技術者の数/能力/専門分野に関する情報提供」、「顧客が属する地域の政治/経済情報に関する情報提供」、「顧客企業の経営情報/中期経営計画/中期投資計画に関する情報提供」、「商品に関する顧客独自の改良事例に関する情報提供」、「商品の設置/建設に携わる技術者/労働者の確保に関して顧客が属する地域や業種での状況に関する情報提供」、などを含むものである。本発明に係るポイント付与システム1を稼動する環境においては、これらの情報提供に対し、各情報の重要度に応じて事業者から顧客に対してポイントを付与するものとする。
事業者は、顧客に対して、ポイントを行使することで受けることができるサービスメニューを用意する。サービスメニューには、メニュー毎に、サービスを受けるために行使が必要なポイント数が提示されている。顧客は、原則として保有するポイント総額の範囲内で、ポイントを行使することでサービスが受けられる。
例外的に、保有するポイント総額を超えるサービスを受けることができるようにしてもよい。この場合は、顧客が事業者に対して負債を負うことになるので、一定期間内に顧客が一定額の商品を購入する契約を結ぶ、などの別途の行為が必要になる。
サービスメニューには、商品の一部または全部が含まれていてもよいし、全く異なるものでもよい。商品と異なるサービスメニューの例としては、「顧客が保有する商品の修理とメンテナンスに関する修理とメンテナンスを実施する技術者の空き情報の提示に関するメニュー」、「他者に優先して技術者派遣が受けられる権利の付与に関するメニュー」、「顧客が保有する商品の運転情報を出力して解析した結果に基づく最適な運転条件を入手することに関するメニュー」、「遠隔監視技術を優先的に受けられる権利に関するメニュー」、「顧客が保有する商品の改造/使用方法変更に関して顧客が希望する改造/使用方法を実施した場合性能がどの程度変化するかを自然科学に基づくシミュレーションで予測するサービスに関するメニュー」、「正式発売前の新製品を購入/先行使用する権利(代金は別途発生する場合としない場合あり)に関するメニュー」、「商品のメンテナンスと故障修理に関して、顧客自らで対応できる内容についてのガイダンスサービスに関するメニュー」、「事業者のあらゆる対応に対する特急優先権に関するメニュー」、「商品のメンテナンスと故障修理に関して、これに対応する予備品の在庫を顧客が保有していない場合、当該予備品の在庫状況と保有者の情報に関するメニュー」、などを含む。なお、メンテナンスに必要となる予備品は、事業者が保有することが多いが、他の顧客や当該予備品の製造メーカが保有していることもある。
企業の経済活動として望ましいのは、「売り上げが多く利益率が高いこと」、「売り上げが多く利益率が増加していること」、「売り上げが多く利益率の変動が少ないこと」、である。また、資金が一か所に滞ることなく適切な速度で循環する方が好ましい。したがって、ポイントの回転率(行使速度)を計測することにより、企業を含む経済活動の良否の判断を行うことができる。経済活動が良好であれば、ポイント回転率が速いはずだからである。
なお、実際の経済活動では、資金はいろいろな場所へ流れる。ある事業者が供給した資金が必ずしも同じ事業者に戻ることは限らない。資金の流れを正確に計測するのは不可能である。一方、本実施形態に係るポイント付与システム1によれば、事業者から供給したポイントは、顧客が保有することでポイントの流れが滞るか、事業者に戻るか、のいずれかに限定される。ポイント付与システム1を対象とするほうが、実際の経済活動を対象とするより、経済状況を計測するときの計測精度が良い。
次に、ポイント付与システム1に含まれるガイダンスシステム20の詳細構成について、図2を用いて説明する。図2に示す様に、ガイダンスシステム20は、モデル検証部21とガイダンス情報生成部22とを含む。
モデル検証部21は、数値解析によりポイント回転率を予測し、予測値が実績値を一致するようにモデルのプログラムを修正する機能を実現する。具体的には、数値解析で用いる経済モデルを実態に合うように修正する処理を実行する。経済モデルは、経済モデルDBに蓄積されているものであって、経済モデル参照部2102を介して参照する。
ガイダンス情報生成部22は、モデル検証部21で修正された解析プログラムを用いて、将来のポイント回転率を予測する。この際に、サービスメニュー毎のポイント交換率、などの計算条件を変更し計算条件の変化がポイント回転率に与える影響(感度)を解析する。この計算を繰り返して、解析結果のポイント回転率予測値が希望値を上回るためにはどのような条件設定をすればよいか、ガイダンス結果を出力する。
モデル検証部21は、モデル構築数値解析部2101、経済モデルDB2102、モデル比較検証部2103、を有する。
モデル構築数値解析部2101は、実際の経営環境顧客情報、他社情報、景気動向、商品内容とポイント交換率、サービスメニュー内容とポイント交換率、を数値解析の環境条件と解析パラメータとする。この解析パラメータは、自然科学シミュレーションにおける境界条件と初期条件に相当するものである。即ち、モデル構築数値解析部2101は、入力される解析パラメータを初期条件として、経済モデルDB2102を参照して、各顧客の経済動向の時間変化を数値解析する。なお、数値解析結果に基づき、ポイントの付与/行使に関する顧客の行動が発生した場合には、ポイントを事業者から顧客へ、または、顧客から事業者へ移動させる。
経済モデルDB2102は、モデル構築数値解析部2101において参照される経済モデルに関わる各種データが蓄積されている。
モデル比較検証部2103は、モデル構築数値解析部2101における解析結果と、ポイント行使頻度分析システム10から入力されるポイント行使の実績結果と、を比較する処理を実行する。モデル比較検証部2103における比較処理の結果、解析結果と実績のずれがあらかじめ定めた一定値以下であれば、解析結果は実事業での使用に耐えるものと考えられる。一方、ずれが大きいときには、解析プログラムの修正が必要である。ここで、ずれの原因として最も多いのは、使用した経済モデルが古くなり不正確な部分がある、などの理由である。
経済学の法則は自然科学のそれと違って時代により変化するので、常にモデルをアップデートする必要がある。そこで、解析結果が実績を再現できるように経済モデルDB2102の内容をアップデートする。また、ガイダンス数値解析部2201における解析ロジック(解析プログラム)をアップデートする。
ガイダンス情報生成部22について説明する。ガイダンス情報生成部22は、ガイダンス数値解析部2201、感度解析部2202、効果比較検証部2203、を含む。
ガイダンス数値解析部2201は、将来予測のための解析処理を実行する。解析処理において、まず、経営環境顧客情報、他社情報、景気動向、商品内容とポイント交換率、サービスメニュー内容とポイント交換率、などを解析パラメータとして入力する。ここで入力される解析パラメータは、必ずしも現実の値でなくてもよい。例えば、将来ポイント交換率を変更したいと考えている場合には、ポイント交換率として現在の値ではなく、将来の計画値などの希望条件を用いる場合もある。
ガイダンスシステム20を用いる目的は、特定の状況が発生した場合に全体に与える影響がどの程度であるかの予測する、あるには、特定の結果を発生させたい場合に現時点で設定すべき初期条件の選択することにある。
ガイダンス数値解析部2201は、これらの場合において、初期条件などを変化させながら複数回の計算処理を実行し、計算結果として解析結果を効果比較検証部2203において比較する。したがって、ガイダンス数値解析部2201は、解析パラメータの内容に応じて、どのよう初期条件の組み合わせで、どの経済モデルを用いて、何回計算すればよいかを決定して計算を実行する。
感度解析部2202は、ガイダンス数値解析部2201から入力される計算結果データに基づいて、特定の初期条件の変化により、特定の経済活動の結果がどの程度影響されたかを解析する。例えば、特定のサービスメニューのポイント交換率を変化させた場合、顧客からの情報提供に関してどの種類の情報提供が最も変化しやすいか、などを解析する。
効果比較検証部2203は、感度解析部2202における解析結果が、希望値を満たすかどうかを判定する処理を実行する。ここで、希望を満たす場合には最終結果としてガイド情報を出力する。希望を満たさない場合には、その結果をガイダンス数値解析部2201に入力して再度計算を実行する。
次に、ポイント付与システム1に含まれるポイント行使頻度分析システム10の詳細構成について説明する。図3は、ポイント行使頻度分析システム10に含まれるポイント付与内容解析部2110について示す図である。図3に示すように、ポイント付与内容解析部2110は、消費速度解析部2111、消費内容解析部2112、ポイント付与量解析部2113、モデル比較検証部2115、モデル修正/影響因子感度修正部2116、を有する。ポイント付与内容解析部2110は、顧客が商品購入/情報提供を通じてポイント付与を受けるまでの経済活動を数値解析する機能を実現する。
消費速度解析部2111は、外部経済動向、同業他社因子、対象企業経営状況、対象企業を取り巻く環境因子を数式モデル化したものと、巨視的経済モデル、経験則を入力パラメータとして、世界別、地域別、業種別の消費速度の総額を解析する処理を実行する。また、消費速度解析部2111は、当該事業者が関与する商品とサービスの分野に関する消費速度の総額(顧客毎ではない)を解析する処理を実行する。また、消費速度解析部2111は、特定の顧客別の消費総額を解析する処理を実行する。
ここで、消費速度解析部2111に用いられる外部経済動向の数式モデルには、世界経済/国又は地域経済/同一業界内経済の数式モデルが含まれる。また、同業他社因子の数式モデルには、製品構成と競争力、売上高利益率とその経年変化、地域別売り上げ実績、の数式モデルが含まれる。また、対象企業経営状況の数式モデルには、全体収支、発電部門収支、中期経営方針、の数式モデルが含まれる。また、対象企業を取り巻く環境因子の数式モデルには、使用プラント状況、使用プラントの年数、使用プラントの修理履歴、対象企業の業種と人員構成、地域性、の数式モデルが含まれる。
ここで予測する内容は主に、全体の経済動向である。事業者が優れた商品を持っていても、全体の経済活動が不活発であれば、商品は売れない。したがって、消費速度解析部2111への入力パラメータの条件は、全体の動向/方針に関するものが主であって、世界/地域経済の動向、業種別の景気動向、顧客の経営状態と経営方針、などである。
消費内容解析部2112は、消費の内訳を解析する処理を実行する。消費内容解析部2112は、特定の顧客の消費額、特定商品の消費速度が全体に占める割合を解析する。消費内容解析部2112は消費内容影響因子を数式モデル化したもの、経済学モデルと、経験側と、を入力パラメータとする。消費内容解析部2112における入力パラメータは、商品個別の競争力の違いや、商品を利用している顧客毎の個別状況などを表すものであることを入力条件とする。
この入力条件としては、例えば、同業他社と比較したときの商品の価格差/性能差(全体の経済活動が不活発なときには、群を抜く競争力を持った商品しか売れない)、顧客が使用中の商品の状況(劣化度合いや経年数など)、対象企業の業種と人員構成(顧客に、当該商品を扱える技術者在籍数が少ないと、商品のメンテナンスにおいて事業者への依存度が高くなる)、顧客の事業別収支(当該商品を扱う事業部の収支が良いときは、当該商品関連の投資が増えやすい)、などである。
また、経験側には、顧客別の過去実績から投資内訳を予測したデータや、使用プラントの経過年数から故障確率を予測したデータなどが含まれる。
ポイント付与量解析部2113は、消費速度解析部2111の解析結果と消費内容解析部2112の解析結果を合わせて得られる顧客別、商品別の消費速度に商品ポイント別の交換率を合わせて、商品別ポイント付与量予測値を出力する処理を実行する。
モデル比較検証部2115は、商品別ポイント付与量予測値と商品別ポイント付与量実測値とを比較する処理を実行する。この比較処理の結果、商品別ポイント付与量予測値と商品別ポイント付与量実測値の乖離が大きいときには、モデルの内容を修正するようにモデル修正/影響因子感度修正部2116に指示をする。
モデル修正/影響因子感度修正部2116は、モデル比較検証部2115からの指示により、モデルの内容を修正する
次に、ポイント付与システム1に含まれるポイント行使頻度分析システム10の詳細構成のうち、ポイント行使内容解析部2120について、図4を用いて説明する。図4に示すように、ポイント行使内容解析部2120は、ポイント保有量計算部2121、サービスメニュー行使行動予測部2122、サービスメニュー行使行動予測結果DB2123、モデル修正/影響因子感度比較部2124、サービスメニュー行使行動実績DB2125、希望項目比較部2126、を有する。ポイント行使内容解析部2120は、ポイント行使頻度分析システム10におけるポイントの使用速度を解析する機能を実現する。
ポイント保有量計算部2121は、ポイント付与内容解析部2110において予測されたポイント付与速度の計算結果に基づき、顧客別のポイント保有量を計算する処理を実現する。ポイント保有量計算部2121は、商品種類別/顧客別ポイント付与量予測(実績)値を入力パラメータの一つとする。
ポイント保有量計算部2121では、情報提供に対するポイント付与速度は計算されていない。情報提供に対するポイント付与速度は別途計算してサービスメニュー行使行動予測部2122に入力する。情報提供に対しては金銭の授受がないので、ポイント付与内容解析部2110における処理結果をそのまま用いることはできない。そこで、情報種類別/顧客別のポイント付与量予測(実績)値を顧客行動予測モデルにし、この顧客行動予測モデルをポイント保有量計算部2121への入力パラメータの一つとする。
ここで、情報提供に対するポイント付与速度を与える方法としては、以下のものが考えられる。例えば「実績値を採用」、「実績値の経時変化をもとに、過去/現在/将来の値を統計的に予測」、「顧客行動予測モデルによる数値解析」、などである。
サービスメニュー行使行動予測部2122は、経済モデルを用いて、顧客のポイント行使行動を予測する処理を実現する。サービスメニュー行使行動予測部2122において予測されるポイント行使行動は、顧客が保有する通貨を用いて商品を購入する行動と類似点が多い。したがって、経済モデルによる予測が可能である。サービスメニュー行使行動予測部2122は、資金(ポイント)の保有量に対する投資量(ポイント使用量)などを含む経済モデル一般則、ポイント行使内容に対するポイントの使用内容などを含む半経験モデル、顧客別のポイント使用履歴から得られる将来の行動予測を含む統計モデル、等を用いて経済モデルによる予測を実行する。サービスメニュー行使行動予測部2122において予測した結果は、以下のように利用することができる。例えば、「計算値と実績値を比較することで、モデルのアップデートを行う」、「感度解析による予想などを用いて、ポイント付与システムを改善する」などである。
サービスメニュー行使行動予測結果DB2123は、サービスメニュー行使行動予測部2122が予測した結果を蓄積する。
モデル修正/影響因子感度比較部2124は、サービスメニュー行使行動予測結果DB2123に蓄積された予測結果と、サービスメニュー行使行動実績DB2125に蓄積されている実績データを比較し、モデルの修正や影響因子感度の修正の要否を判定する。これら修正が必要であると判定したときは、モデル修正/影響因子感度比較部2124は、それぞれの修正内容を出力する。ここで、出力される修正内容は、例えば、「対象企業を取り巻く環境因子」に関するものであれば、使用プラント状況、使用プラントの経過年数、使用プラントの修理履歴、対象企業の業種と人員構成、地域性などである。また、「消費内容影響因子」に関するものであれば、使用プラント状況、使用プラントの経過年数、使用プラントの修理履歴、対象企業の業種と人員構成、地域性、同業他社比競争力などである。
サービスメニュー行使行動実績DB2125は、顧客におけるポイント行使において選択されるサービスメニューの選択実績を蓄積するデータベースである。
希望項目比較部2126は、サービスメニュー行使行動予測結果DB2123に蓄積された希望項目データと、外部から入力される希望項目目標値と、を比較し、最適交換率を含むガイド情報を出力する処理を実行する。出力された最適交換率は、サービスメニューポイント交換率としてサービスメニュー行使行動予測部2122に入力される。
次に、本発明の実施形態に係るポイント付与システム1のさらに別の実施例について図5を用いて説明する。まず、既に説明したポイント付与システム1は、金銭の授受を伴わない情報提供についても、ポイント付与の対象としている。しかし、金銭の授受を伴わないことにより生じる課題もある。そこで、実施例5に係るポイント付与システム1aは、この課題を解決しうる機能を備える。
ポイントは通貨そのものではないが、疑似通貨として扱われることもある。ポイントのやりとりは、通貨のやり取りそのものではないが、実際の経理から完全に分離してはいない。ポイントを付与することは、顧客に対する借金とみなされ、ポイント発行残高は負債とみなされることがある。また、ポイントを付与することは、顧客に対する値引きとみなされ、値引き相当額が売上高から差し引かれることがある。したがって、ポイント発行残高が必要以上に多いと、負債の増加(負債を返せるだけの準備金がいる)、売上高の減少(企業規模の減少)、利益の減少(企業業績の低下)、により、企業の存続が危ぶまれる事態となる。顧客が金銭の授受を伴う商品購入に対してポイントを付与する場合には、顧客の経済力に上限があるため、ポイント発行残高が無限に増えることはない。しかし、金銭の授受を伴わない情報提供に対してポイントを付与する場合には、ポイント発行残高が無限に増える可能性がある。
また、顧客に提示する情報に対するポイント交換率を、商品に対するそれと比べて低く設定すれば、事業者側におけるポイントによる負債は生じない。しかしながら、ポイント交換率を低く設定すると、有益な情報が集まりにくくなる。
図5は、上記の課題に対応可能なポイント付与システム1aに含まれる情報価値判断システム80の機能構成を示す図である。図5に示すように、情報価値判断システム80は、価値判断部801と、ポイント交換率設定部802と、を含む。情報価値判断システム80は、情報の提供がなされた後、情報の価値判断を実施する。そして、価値の高い情報が提供された場合には、その価値に応じてボーナスポイントを後日付与する。ボーナスポイントの交換率設定は一回限りのものとして、その後の同種の情報提供には引き継がないものとする。
より具体的には、価値判断部801は、ポイント行使情報登録分析システム60において区別される、「代金の支払いがあるポイント付与」と、「代金の支払いがないポイント付与」のうち、代金の支払いがないポイント付与に関するデータを入力データとする。価値判断部801は、入力データに係る情報提供の価値を判断する処理を実行する。ここで、価値判断には人間の判断も含むものとする。価値判断部801における価値判断の基準は、例えば、「直近の受注に結び付く可能性」、「将来的な価値(新製品開発情報など)」などに基づくものである。これらを価値判断の指標とし、各指標において判断基準を設定することで、情報提供の内容の価値を判断する。
ポイント交換率設定部802は、価値判断部801における判断結果に応じてポイント交換率(1回限り)の設定を実行する。ポイント交換率設定部802は、ボーナスポイントが発生した場合には、その結果を顧客に通知する。
情報価値判断システム80は、コンピュータですべて処理するのではなく、人間の判断も含めてもよい。例えば、価値判断部801から出力した評価結果に基づいて、ポイント交換率設定部802に対する交換率の設定を自動入力にせず、人間が手動で入力するようにしてもよい。
次に、本発明の実施形態に係るポイント付与システム1のさらに別の実施例について図6を用いて説明する。実施例5において示した情報価値判断システム80は、顧客に事前提示する情報提供に対するポイント交換率を商品に対する交換率より低く設定するものであった。本実施形態に係るデータ分析システム900は、情報提供に対するポイント付与は常時実施するのではなく、期間を定め不定期に実施する処理を実現する。
なお、情報ポイントに対するメニューとポイント交換率は顧客に対して事前に提示する。ただしメニューは固定ではなく定期的に変更する。また、情報提供に対するポイント付与は、実施されない期間もある。本実施例は、情報ポイントの提供情報を常時観察/分析することで、ポイント発行残高が無限に増えることを防ぐこともできる。
特定分野の価値の高い情報が多数提供されている場合には、経営方針決定には有利であるが、ポイント発行残高が無限に増える可能性がある。この場合は、当該分野の情報提供に対しては、ポイント付与を実施する期間を短くする。事業者にとっては重要だか、情報提供数が少ない分野については、ポイント付与を実施する期間を長くする。またこの方法では、ポイント付与する情報の種類と期間の設定方法により、経営上重要な情報が得られやすくなる。
より具体的には、データ分析システム900は、ポイント行使情報登録分析システム60から、情報別ポイント行使実績とサービスメニュー別行使実績をデータ分析部901において受け付ける。データ分析部901は、入力された各実績に基づいて、情報に関するポイント行使行動に係わる下記のような関係式を出力する。
(式1)情報の種類 vs 総ポイント回転率
(式2)情報の種類 vs サービスメニュー毎のポイント回転数
(式3)情報の種類 vs 顧客毎のポイント回転率
上記の各式は出力システム70においてポイント交換率のガイダンス情報として利用される。上記の各式は、ポイント行使内容解析部2120のポイント保有量計算部2121において用いられる顧客行動予測モデルにおいても利用される。
情報に関するポイント行使行動には金銭の授受がない。したがって、一般的な経済法則が適用しにくく、事業者自らがデータを取らねばならない。この場合、扱う情報の種類を少なくするほうが関連性を明確にしやすいため、顧客の行動を予測する上での経験則が早く得られる。
1:ポイント付与システム、10:ポイント行使頻度分析システム、20:ガイダンスシステム、21:モデル検証部、22:ガイダンス情報生成部、60:ポイント行使情報登録分析システム、70:出力システム、80:情報価値判断システム、90:データ分析システム、801:価値判断部、802:ポイント交換率設定部、901:データ分析部、2101:モデル構築数値解析部、2102:経済モデル参照部、2103:モデル比較検証部、2110:ポイント付与内容解析部、2111:消費速度解析部、2112:消費内容解析部、2113:ポイント付与量解析部、2115:モデル比較検証部、2116:影響因子感度修正部、2120:ポイント行使内容解析部、2121:ポイント保有量計算部、2122:サービスメニュー行使行動予測部、2124:影響因子感度比較部、2126:希望項目比較部、2201:ガイダンス数値解析部、2202:感度解析部、2203:効果比較検証部

Claims (4)

  1. プラントを保有する顧客から提供される情報の種別と、前記顧客からの情報提供に応じて付与されるポイントの量と、を格納するポイントデータベースと、
    ポイント数に応じた複数のサービスメニューが登録されたサービスメニューデータベースと、
    前記顧客が取得し保有するポイント数及び当該ポイントの使用履歴に関する情報が登録された顧客ポイントデータベースと、
    前記顧客ポイントデータベースに登録された前記顧客のポイントの使用頻度を抽出するポイント行使頻度分析部と、
    前記ポイント行使頻度分析部の分析結果に基づき、前記顧客からの情報提供の種別に対応したポイント数あるいは前記サービスメニューに対応したポイント数の変更に関するガイド情報を出力するガイダンス情報出力部と、を備え
    前記ガイダンス情報出力部は、
    予め設定されている経済モデルに基づいてプログラムされている数値解析におけるポイント回転率の予測値と実績値が一致するように前記プログラムを修正するモデル検証部と、
    前記モデル検証部において修正されたプログラムを用いて前記ポイント回転率を予測し、予測結果に基づいて、前記予測値が希望値を上回るための前記ポイント数の変更に関するガイド情報を生成するガイダンス情報生成部と、を備えることを特徴とするポイント付与システム。
  2. 前記ポイント行使頻度分析部は、
    前記顧客からの情報提供に対するポイント付与が発生するための経済活動を数値解析するポイント付与内容解析部と、
    前記ポイントの使用速度を解析するポイント行使内容解析部と、を備える請求項1記載のポイント付与システム。
  3. 前記ポイントが付与される情報の価値を判定する価値判断部と、
    前記価値の判定結果に応じて情報提供に係るポイント数を設定するポイント交換率設定部と、を備える請求項1又は2に記載のポイント付与システム。
  4. 前記顧客ごとのポイント付与とポイント行使を前記ポイントデータベースに登録するポイント行使情報登録分析部から入力される情報別ポイント行使実績とサービスメニュー別行使実績に基づいて情報に関するポイント行使行動に係わる所定の関係式を出力するデータ分析部を備える請求項1乃至3のいずれか一項に記載のポイント付与システム。
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