JP6842874B2 - ポリフェノール抽出量評価システム - Google Patents

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Description

本発明は、加熱調理された食品のポリフェノール抽出量を評価するポリフェノール抽出量評価システムに関する。
植物由来のファイトケミカルであるポリフェノールは、生活習慣病や老化の予防に効果を持つ抗酸化活性が高いとされ注目を集めている。そして、ポリフェノールの量を測定する方法が種々提案されている。
特許文献1の抗酸化物質測定装置では、緩衝液と、過酸化水素と、必要に応じてペルオキシダーゼのような過酸化水素を分解する酵素を、ポンプを用いて過酸化水素電極の固定してあるフローセルに送液し、安定化した状態で、抗酸化物質試料液を注入混合し、そのときの過酸化水素減少量を測定することで、電気化学的に抗酸化物質を測定する。
特許文献2のビスフェノール類及びポリフェノール類の測定方法は、ビスフェノール類及び/又はポリフェノール類を、ピレン基を有するラベル化試薬と反応させて蛍光誘導体を生成せしめる工程と、蛍光誘導体に励起光を照射し、この蛍光誘導体から出射される蛍光を検知する工程と、検知された蛍光の強度、並びに、既知濃度のビスフェノール類及び/又はポリフェノール類を含む標準試料のその濃度と蛍光強度との関係に基づいて、被検体試料中のビスフェノール類及び/又は前記ポリフェノール類の量を算出する工程とを備える。
特開2002−257780号公報 特開2001−165859号公報
野菜や果物といった植物由来の食品の多くはポリフェノールを含有するが、加熱調理などにより抽出量に変化が起きるとされている。ポリフェノールは細胞内に含有されるとされるが、人間の体内に細胞壁を消化する酵素はない。そこで、食品から抽出することができるポリフェノールの量であるポリフェノール抽出量と、その食品を人間が摂取した場合に人間の体内で利用できるポリフェノールの量との間に、相関があると考えた。そうすると、食品のポリフェノール抽出量について加熱中、もしくは加熱後の変化を推定できれば有用である。しかし上述の従来技術では、抽出や染色といった前処理が必要であるから、加熱調理の途中の食品に適用することは困難である。また薬品を使用する技術であるため、測定の対象となった食品は食用に供することができないし、そもそも食品加工の現場にそのような薬品を持ち込むことは避けるべきである。
本発明は上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、より簡便かつ安全な手法によりポリフェノール抽出量を評価できる技術を提供することにある。
上記目的を達成するためのポリフェノール抽出量評価システムの特徴構成は、食品に対する加熱調理の進行の度合いを表す調理進行度を測定する調理進行度測定部と、
前記調理進行度測定部により測定された前記調理進行度に基づいて、前記食品のポリフェノール抽出量の加熱調理による変化の度合いを表すポリフェノール抽出量変化度を推定する変化度推定部とを有し、
前記調理進行度が、前記食品の重量変化率であり、
前記食品を加熱する加熱部と、前記加熱部で加熱される前記食品の重量を経時的又は連続的に測定する重量測定部とを有し、前記調理進行度測定部が、前記重量測定部で経時的又は連続的に測定された前記食品の重量に基づいて前記重量変化率を算出する点にある。
発明者は鋭意実験・検討の末、加熱調理の進行度合いと、食品のポリフェノール抽出量の加熱調理による変化の度合いとの間の関係性を見出し、調理進行度に基づいてポリフェノール抽出量変化度を推定できることを実験的に確認し、本発明を完成した。ここで調理進行度とは、加熱料理の進行度合いを表すパラメータであって、例えば食品の重量変化率、食品の体積変化率、加熱調理を行った時間などが該当する。上記の特徴構成によれば、ポリフェノール抽出量評価システムが、食品に対する加熱調理の進行の度合いを表す調理進行度を測定する調理進行度測定部と、調理進行度測定部により測定された調理進行度に基づいて、食品に含有されるポリフェノール抽出量の加熱調理による変化の度合いを表すポリフェノール抽出量変化度を推定する変化度推定部とを有することによって、抽出や染色といった前処理や薬品の使用を必要とせず、より簡便かつ安全にポリフェノール抽出量を評価することができる。
また、上記の特徴構成によれば、調理進行度が、食品の重量変化率であるから、簡便に測定できる食品の重量に基づいてポリフェノール抽出量を評価することができ、好適である。
更に、上記の特徴構成によれば、食品を加熱する加熱部と、加熱部で加熱される食品の重量を測定する重量測定部とを有し、調理進行度測定部が、重量測定部で測定された食品の重量に基づいて重量変化率を算出するから、調理中の食品のポリフェノール抽出量をリアルタイムで経時的・連続的に評価することができ、より好適である。
また、上記目的を達成するためのポリフェノール抽出量評価システムの特徴構成は、食品に対する加熱調理の進行の度合いを表す調理進行度を測定する調理進行度測定部と、
前記調理進行度測定部により測定された前記調理進行度に基づいて、前記食品のポリフェノール抽出量の加熱調理による変化の度合いを表すポリフェノール抽出量変化度を推定する変化度推定部とを有し、
前記調理進行度が、前記食品の体積変化率であり、
前記食品を加熱する加熱部と、前記加熱部で加熱される前記食品を経時的又は連続的に撮影する撮影部とを有し、前記調理進行度測定部が、前記撮影部が経時的又は連続的に撮影した前記食品の画像に基づいて前記体積変化率を算出する点にある。
上記の特徴構成によれば、ポリフェノール抽出量評価システムが、食品に対する加熱調理の進行の度合いを表す調理進行度を測定する調理進行度測定部と、調理進行度測定部により測定された調理進行度に基づいて、食品に含有されるポリフェノール抽出量の加熱調理による変化の度合いを表すポリフェノール抽出量変化度を推定する変化度推定部とを有することによって、抽出や染色といった前処理や薬品の使用を必要とせず、より簡便かつ安全にポリフェノール抽出量を評価することができる。
また、上記の特徴構成によれば、調理進行度が、食品の体積変化率であるから、抽出や染色といった前処理や薬品の使用を必要とせず、より簡便かつ安全にポリフェノール抽出量を評価することができ、好適である。
更に、上記の特徴構成によれば、食品を加熱する加熱部と、加熱部で加熱される食品を撮影する撮影部とを有し、調理進行度測定部が、撮影部が撮影した食品の画像に基づいて体積変化率を算出するから、調理中の食品のポリフェノール抽出量をリアルタイムで経時的・連続的に評価することができ、より好適である。
本発明に係るポリフェノール抽出量評価システムの別の特徴構成は、加熱調理される前記食品の色を測定する色測定部と、前記色測定部で測定された前記食品の色に関する情報を出力する色出力部とを有する点にある。
上記の特徴構成によれば、加熱調理される食品の色を測定する色測定部と、色測定部で測定された食品の色に関する情報を出力する色出力部とを有するから、加熱調理により変化する色を出力して、食品の加熱調理の度合いを最適なものに調整することが可能となる。例えば、測定した食品の色(あるいはその色を数値化した値)を液晶画面等に表示して、調理者に報知し、最適好みの焼き加減の判断をサポートすることができる。
本発明は、前記食品が野菜または果物である場合に好適に適用できる。例えば、果菜類のナス、トマト、きゅうり、ピーマン、とうがらし、カボチャ、へちま、パプリカ、オクラに、根菜類の大根、にんじん、れんこん、ごぼう、かぶに、葉菜類のにんにく、ネギ、玉ねぎ、アスパラガス、ザーサイ(搾菜)に好適に適用できる。また本発明は、前記食品がなす、にんじんまたは玉ねぎである場合に更に好適に適用できる。
ポリフェノール抽出量評価システムの概要を示す図 ポリフェノール抽出量評価システムの概要を示す図 重量変化率とポリフェノール抽出量変化率との関係を示すグラフ 体積変化率とポリフェノール抽出量変化率との関係を示すグラフ 重量減少率とポリフェノール抽出量との関係を示すグラフ 重量変化率とポリフェノール抽出量変化率との関係を示すグラフ 重量変化率とポリフェノール抽出量変化率との関係を示すグラフ 加熱時間とポリフェノール抽出量変化率との関係を示すグラフ 加熱時間とポリフェノール抽出量との関係を示すグラフ 重量減少量とポリフェノール抽出量との関係を示すグラフ
(第1実施形態)
以下、図面を参照して第1実施形態に係るポリフェノール抽出量評価システムについて説明する。ポリフェノール抽出量評価システム1は、図1に示すように、加熱部2と、重量測定部3と、色測定部4と、調理進行度測定部と、変化度推定部と、色出力部とを有する。
加熱部2は、内部に食品Fを収容して、食品Fを加熱する。本実施形態では加熱部2は、内部でガスを燃焼させて食品Fを加熱するガス式グリルである。加熱部2としてはグリルの他、オーブンやスチームコンベクション等も用いることができる。また加熱の方式もガスに限定されず、電気ヒータ等も使用可能である。
重量測定部3は、加熱部2で加熱される食品Fの重量を測定する。重量測定部3による重量の測定は、加熱の開始前から行われ、加熱終了まで継続して行われる。重量測定部3により測定された食品Fの重量は、調理進行度測定部に送信される。
色測定部4は、加熱部2で加熱される食品Fの色を測定し、色出力部へ送信する。色測定部4としては、例えばカラーセンサー、カメラ、色差計を用いることができる。
調理進行度測定部は、食品に対する加熱調理の進行の度合いを表す調理進行度を測定する。本実施形態では、調理進行度は、食品の重量変化率である。そして調理進行度測定部は、重量測定部3から送信された食品Fの重量に基づいて重量変化率を算出する。なお重量変化率とは、加熱された食品Fの重量を、加熱前の食品Fの重量で除した値である。すなわち重量変化率は、加熱により生じた重量変化の比率である。調理進行度測定部により測定(算出)された重量変化率は、変化度推定部へ送信される。
なお実際には、調理進行度測定部および変化度測定部に対応するプログラムが図示しないROMや不揮発性メモリに記憶されており、それらプログラムがCPU(Central Processing Unit)にロードされ実行されることにより、それぞれに対応するプロセスが実行される。
変化度推定部は、調理進行度測定部により測定された調理進行度(重量変化率)に基づいて、食品Fのポリフェノール抽出量の加熱調理による変化の度合いを表すポリフェノール抽出量変化度を推定する。推定は、図示しない記憶部に予め記憶された推定アルゴリズムに基づいて行われる。推定アルゴリズムは、食品Fのサンプルを用いた事前の実験等により決定される。本実施形態では、食品Fの重量変化率と、ポリフェノール抽出量変化度との関係を示す推定アルゴリズムにより、ポリフェノール抽出量変化度を推定する。推定アルゴリズムの例は、実験例と共に後述する。
色出力部は、色測定部4で測定された食品Fの色に関する情報を出力する。例えば色出力部は、色測定部4の出力データを受信して、液晶画面等に表示することで調理者に報知する。これにより調理者が最適好みの焼き加減を判断することができる。この場合、食品Fの色に関する情報は、例えば、液晶画面等に表示される色そのものである。なお液晶画面等に、食品Fの色を数値化(例えばRGB値)した値を表示してもよい。例えば色出力部は、色測定部4の出力データを受信して、加熱調理を制御する制御部に対して出力する。これにより、当該制御部が加熱調理を制御して、食品を好適な焼き加減へと調整することが可能となる。この場合、食品Fの色に関する情報は、食品Fの色を数値化(例えばRGB値)した値が好ましい。
(第2実施形態)
第2実施形態に係るポリフェノール抽出量評価システムは、重量測定部3に替えて撮影部5を有する。なお以降の説明では、第1実施形態と同様の構成については同じ符号を付し、説明を省略する場合がある。
撮影部5は、加熱部2で加熱される食品Fを撮影する。本実施形態では撮影部5は、食品Fを撮影して画像データとして取得するデジタルカメラである。撮影部5としてはデジタルカメラの他、動画を撮影するビデオカメラ等も用いることができる。撮影部5による食品Fの撮影は、加熱の開始前から行われ、所定の時間間隔にて加熱中も継続して行われる。撮影部5により撮影された食品Fの画像データは、調理進行度測定部に送信される。
第1実施形態と同様に、調理進行度測定部は、食品に対する加熱調理の進行の度合いを表す調理進行度を測定する。本実施形態では、調理進行度は、食品の体積変化率である。そして調理進行度測定部は、撮影部5から送信された食品Fの画像に基づいて体積変化率を算出する。なお体積変化率とは、加熱された食品Fの体積を、加熱前の食品Fの体積で除した値である。すなわち体積変化率は、加熱により生じた体積変化の比率である。調理進行度測定部により測定(算出)された体積変化率は、変化度推定部へ送信される。
なお食品Fの画像に基づく体積変化率の推定は、例えば加熱前の食品Fの画像と加熱された食品Fの画像との差分から寸法変化を推定して、体積変化率に換算することで行われる。また、食品Fの画像から食品Fの体積を求めて、加熱前の食品Fの体積と加熱された食品Fの体積から、体積変化率を推定してもよい。撮影部5として、複数のデジタルカメラを配置して、複数の画像から体積変化率の推定を行ってもよい。また、食品Fの向きを変更するターンテーブル等を加熱部2に設けて、食品Fの向きが異なる複数の画像を撮影して、これら複数の画像から体積変化率の推定を行ってもよい。
第1実施形態と同様に、変化度推定部は、調理進行度測定部により測定された調理進行度(体積変化率)に基づいて、食品Fのポリフェノール抽出量の加熱調理による変化の度合いを表すポリフェノール抽出量変化度を推定する。本実施形態では、食品Fの体積変化率と、ポリフェノール抽出量変化度との関係を示す推定アルゴリズムにより、ポリフェノール抽出量変化度を推定する。推定アルゴリズムの例は、実験例と共に後述する。
(第3実施形態)
第3実施形態に係るポリフェノール抽出量評価システムでは、調理進行度が食品に対する加熱調理を行った時間とされて、ポリフェノール抽出量の評価が行われる。
調理進行度測定部は、加熱部2にて食品Fの加熱が開始されると、その時刻を記憶し、食品Fに対する加熱調理を行った時間を随時記録して、変化度推定部へ送信する。
第1実施形態と同様に、変化度推定部は、調理進行度測定部により測定された調理進行度(加熱調理を行った時間)に基づいて、食品Fに含有されるポリフェノール抽出量の加熱調理による変化の度合いを表すポリフェノール抽出量変化度を推定する。本実施形態では、加熱調理を行った時間と、ポリフェノール抽出量変化度との関係を示す推定アルゴリズムにより、ポリフェノール抽出量変化度を推定する。推定アルゴリズムの例は、実験例と共に後述する。
以下、調理進行度とポリフェノール抽出量変化度との関係を確認した実験例について説明する。
(実験例1(図3))
岡山県産ナスを使用し、皮を除いたナスの実部分に対しナス軸方向と平行に直径32mm、高さ20mmにナスの実の部分をくり抜き実験サンプルとした。ガス式グリルの内部の網中心部に実験サンプルを設置し、ガスに点火して、実験サンプルを所定の時間加熱した。なお加熱したサンプルについては、加熱の前後で重量および体積を測定している。加熱した時間が長いほど、重量および体積が大きく減少した。
未加熱の実験サンプルと、加熱時間の異なる複数の実験サンプルについて、凍結乾燥により水分除去を行い、乾燥後にミルサーで1分間粉砕した。その粉砕された実験サンプル0.10gについて、80%エタノールで抽出を行い、ポリフェノール抽出量を測定した。ポリフェノール抽出量は、没食子酸相当量(Gallic Acid Equivalent、以下「GAE」)として求めた。測定値を、抽出対象とした粉末の重量0.10gで除して、乾燥重量当たりのポリフェノール抽出量実験値(以下「TPC」(Total Polyphenol Contentsの略)と記載する。)を得た。
図3は、横軸を重量変化率とし、縦軸をポリフェノール抽出量変化率として、測定された実験サンプルについてプロットしたものである。重量変化率は、加熱後の実験サンプル重量を加熱前の実験サンプル重量で除した値である。ポリフェノール抽出量変化率は、加熱後の実験サンプルのTPCを、未加熱の実験サンプルのTPCで除した値である。図3に示される通り、重量変化率の減少(すなわち調理の進行)に伴って、重量変化率が0.75まではポリフェノール抽出量変化率が減少するが、重量変化率が0.75を下回るとポリフェノール抽出量変化率は増加に転じる。重量変化率が0.75以上の領域と0.75以下の領域のそれぞれにおいて、重量変化率とポリフェノール抽出量変化率との間には一次の相関が存在する。重量変化率をx、ポリフェノール量変化率をyとすると、両者の間には、
y=1.9963x−0.9786 (重量変化率が0.75以上の領域)
y=−2.7209x+2.5567 (重量変化率が0.75以下の領域)
の関係が成立する。
この関係を第1実施形態の推定アルゴリズムとすれば、重量測定部3で食品Fの重量を測定し、調理進行度測定部が重量変化率xを算出して、変化度推定部がポリフェノール抽出量変化率yを推定することができる。
(実験例2(図4)
図4は、横軸を体積変化率とし、縦軸をポリフェノール抽出量変化率として、上述の実験例1の結果をプロットし直したものである。体積変化率は、加熱後の実験サンプルの体積を加熱前の実験サンプルの体積で除した値である。ポリフェノール抽出量変化率は実験例1と同様に、加熱後の実験サンプルのTPCを、未加熱の実験サンプルのTPCで除した値である。図4に示される通り、体積変化率とポリフェノール抽出量変化率との間には一次の相関(負の相関)が存在する。体積変化率をx、ポリフェノール抽出量変化率をyとすると、両者の間には、
y=−3.7113x+2.8385
の関係が成立する。
この関係を第2実施形態の推定アルゴリズムとすれば、撮影部5で食品Fを撮影し、調理進行度測定部が体積変化率xを算出して、変化度推定部がポリフェノール抽出量変化率yを推定することができる。
(実験例3(図5〜9))
形状および重量が異なる場合の調理進行度とポリフェノール抽出量変化度との関係を確認するため、形状の異なる実験サンプル(いずれも岡山県産ナス)を用いて実験例1と同様の実験を行った。
第1形状の実験サンプルは、底面の直径が3.2cm、高さが2.1cmの、皮を含まない円柱とした。第2形状の実験サンプルは、一辺が2.1cmの皮を含まない立方体とした。第3形状の実験サンプルは、ナスを単に輪切りにした円柱とした。直径は6.0cm、高さは2.1cmであり、側面は皮で覆われている。第4形状の実験サンプルは、底面の一辺が2.8cm、高さが2.1cmの皮を含まない直方体とした。第5形状のサンプルは以下の様々な形状とした:底面が3.8cm×3.1cm、高さが3.3cmの直方体/底面が3.8cm×3.1cm、高さが3.7cmの直方体/1辺がそれぞれ2.1cm、3.7cm、3.6cm、4.1cmで高さが3.2cmの台形/2辺がそれぞれ、4.6cm、4.4cm、4.4cm、4.4cmで高さが3.1cmの八角柱。実験例1と同様に、加熱の前後の重量と、ポリフェノール抽出量を測定し、TPCを得た。
図5は、横軸を重量減少量(g)とし、縦軸をポリフェノール抽出量(mg)として、第1形状〜第5形状の実験サンプルの測定結果をプロットしたものである。重量減少量は、加熱前の重量から加熱後の重量を差し引いた値である。ポリフェノール抽出量は、実験例1と同様にして測定・算出した乾燥重量当たりのポリフェノール抽出量実験値(TPC)に、加熱後の実験サンプルの乾燥重量を乗じたものである。つまり図5に示すポリフェノール抽出量は、加熱後の実験サンプル全体から抽出可能なポリフェノールの量である。図5に示される通り、第1形状〜第5形状の実験サンプルは、いずれも同様の傾向を示した。すなわち実験サンプルの形状によらず、重量減少量とポリフェノール抽出量との間には一次の相関(正の相関)が存在する。重量減少量をx、ポリフェノール抽出量をyとすると、両者の間には、
y=2.286x−1.3248
の関係が成立する。
この関係を推定アルゴリズムとすれば、重量測定部3で食品Fの重量を測定し、重量減少量xを算出して、ポリフェノール抽出量yを推定するポリフェノール抽出量評価システムを構築することができる。また図5に示された実験結果から、重量変化率とポリフェノール抽出量変化率との間の関係を求めて、その関係を第1実施形態の推定アルゴリズムとすることも可能である。
図6は、横軸を重量変化率とし、縦軸をポリフェノール抽出量変化率として、第1形状、第3形状および第4形状の実験サンプルの測定結果をプロットしたものである。実験例1と同じく、重量変化率は、加熱後の実験サンプル重量を加熱前の実験サンプル重量で除した値である。ポリフェノール抽出量変化率は、加熱後の実験サンプルのTPCを、未加熱の実験サンプルのTPCで除した値である。図6に示される通り、重量変化率とポリフェノール抽出量変化率との間には一次の相関(負の相関)が存在する。重量変化率をx、ポリフェノール抽出量変化率をyとすると、両者の間には、
y=−2.2161x+2.2765
の関係が成立する。
この関係を第1実施形態の推定アルゴリズムとすれば、重量測定部3で食品Fの重量を測定し、調理進行度測定部が重量変化率xを算出して、変化度推定部がポリフェノール抽出量変化率yを推定することができる。
図7は、図6のグラフを実験サンプルの形状ごとに再プロットしたものである。図7に示される通り、第1形状、第3形状および第4形状のいずれの実験サンプルにおいても、重量変化率とポリフェノール抽出量変化率との間には一次の相関(負の相関)が存在する。重量変化率をx、ポリフェノール抽出量変化率をyとすると、両者の間には、
第1形状:y=−2.7209x+2.5567
第3形状:y=−1.9894x+2.2775
第4形状:y=−1.9656x+2.0036
の関係が成立する。実験サンプルの形状ごとに、関係式が若干異なる。したがって、食品Fの形状ごとに異なる推定アルゴリズムを用いれば、より精度よくポリフェノール抽出量変化度を推定できると考えられる。
図8は、横軸を加熱時間(秒)とし、縦軸をポリフェノール抽出量変化率として、第1形状〜第5形状の実験サンプルの測定結果をプロットしたものである。図8に示される通り、加熱時間とポリフェノール抽出量変化率との間には一次の相関(正の相関)が存在する。加熱時間をx、ポリフェノール抽出量変化率をyとすると、両者の間には、
y=1.9189x+228.43
の関係が成立する。
この関係を第3実施形態の推定アルゴリズムとすれば、調理進行度測定部が加熱時間xを算出して、変化度推定部がポリフェノール抽出量変化率yを推定することができる。また図8に示された実験結果から、加熱時間とポリフェノール抽出量変化率との間の関係を求めて、その関係を第3実施形態の推定アルゴリズムとすることも可能である。
図9は、横軸を加熱時間(秒)とし、縦軸をポリフェノール抽出量(mg)として、第1形状〜第4形状の実験サンプルの測定結果をプロットしたものである。ポリフェノール抽出量は、上述の図5の場合と同様に算出した。図9に示される通り、第1形状〜第4形状のいずれの実験サンプルにおいても、加熱時間とポリフェノール抽出量との間には一次の相関(正の相関)が存在する。加熱時間をx、ポリフェノール抽出量をyとすると、両者の間には、
第1形状:y=0.0102x+0.4861
第2形状:y=0.0046x+1.1588
第3形状:y=0.0395x−1.6489
第4形状:y=0.0161x−1.1513
の関係が成立する。実験サンプルの形状ごとに、関係式が若干異なる。したがって、食品Fの形状ごとに異なる推定アルゴリズムを用いれば、より精度よくポリフェノール抽出量変化度を推定できると考えられる。
(実験例4(図10))
異なる食品Fの調理進行度とポリフェノール抽出量変化度との関係を確認するため、にんじんと玉ねぎを用いて実験例1と同様の実験を行った。実験例1と同様に、加熱の前後の重量と、ポリフェノール抽出量を測定し、TPCを得た。
図10は、横軸を重量減少量(g)とし、縦軸をポリフェノール抽出量(mg)として、にんじんと玉ねぎの実験サンプルの測定結果をプロットしたものである。重量減少量は、加熱前の重量から加熱後の重量を差し引いた値である。ポリフェノール抽出量は、上述の実験例3の図5の場合と同様に算出した。図10に示される通り、にんじんと玉ねぎの実験サンプルは、いずれもなすと同様の傾向を示した。すなわち野菜の種類によらず、重量減少量とポリフェノール抽出量との間には一次の相関(正の相関)が存在する。重量減少量をx、ポリフェノール抽出量をyとすると、両者の間には、
にんじん:y=0.9107x−1.04
玉ねぎ:y=0.7485x+3.6765
の関係が成立する。以上の結果から、なすだけではなく、にんじんと玉ねぎにおいても、ポリフェノール抽出量評価システムを構築することが可能であることが確認された。なお野菜の種類ごとに、関係式が若干異なる。したがって、食品Fの種類ごとに異なる推定アルゴリズムを用いれば、より精度よくポリフェノール抽出量変化度を推定できると考えられる。
(他の実施形態)
(1)第1実施形態では、調理進行度が食品Fの重量変化率である場合について説明した。これを改変し、調理進行度が食品Fの重量、または重量変化量としてもよい。なお重量変化量とは、加熱された食品Fの重量から、加熱前の食品Fの重量を差し引いた値である。すなわち重量変化量は、加熱により生じた重量変化の量である。
(2)また第2実施形態では、調理進行度が食品Fの体積変化率である場合について説明した。これを改変し、調理進行度が食品Fの体積、または体積変化量としてもよい。なお体積変化量とは、加熱された食品Fの体積から、加熱前の食品Fの体積でを差し引いた値である。すなわち体積変化量は、加熱により生じた体積変化の量である。
(3)第2実施形態を改変して、ポリフェノール抽出量評価システムを色出力部を有して構成し、撮影部5により加熱部2で加熱される食品Fの色を測定し、色出力部へ送信するよう構成してもよい。すなわち、撮影部5が色測定部4を兼ねるよう構成してもよい。
なお上述の実施形態(他の実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能であり、また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
1 ポリフェノール抽出量評価システム
2 加熱部
3 重量測定部
4 色測定部
5 撮影部
F 食品

Claims (5)

  1. 食品に対する加熱調理の進行の度合いを表す調理進行度を測定する調理進行度測定部と、
    前記調理進行度測定部により測定された前記調理進行度に基づいて、前記食品のポリフェノール抽出量の加熱調理による変化の度合いを表すポリフェノール抽出量変化度を推定する変化度推定部とを有し、
    前記調理進行度が、前記食品の重量変化率であり、
    前記食品を加熱する加熱部と、前記加熱部で加熱される前記食品の重量を経時的又は連続的に測定する重量測定部とを有し、前記調理進行度測定部が、前記重量測定部で経時的又は連続的に測定された前記食品の重量に基づいて前記重量変化率を算出するポリフェノール抽出量評価システム。
  2. 食品に対する加熱調理の進行の度合いを表す調理進行度を測定する調理進行度測定部と、
    前記調理進行度測定部により測定された前記調理進行度に基づいて、前記食品のポリフェノール抽出量の加熱調理による変化の度合いを表すポリフェノール抽出量変化度を推定する変化度推定部とを有し、
    前記調理進行度が、前記食品の体積変化率であり、
    前記食品を加熱する加熱部と、前記加熱部で加熱される前記食品を経時的又は連続的に撮影する撮影部とを有し、前記調理進行度測定部が、前記撮影部が経時的又は連続的に撮影した前記食品の画像に基づいて前記体積変化率を算出するポリフェノール抽出量評価システム。
  3. 加熱調理される前記食品の色を測定する色測定部と、前記色測定部で測定された前記食品の色に関する情報を出力する色出力部とを有する請求項1又は2に記載のポリフェノール抽出量評価システム。
  4. 前記食品が野菜または果物である請求項1からのいずれか1項に記載のポリフェノール抽出量評価システム。
  5. 前記食品がなす、にんじんまたは玉ねぎである請求項1からのいずれか1項に記載のポリフェノール抽出量評価システム。
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