JP6841670B2 - 電気車の再粘着制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電気車の動輪が空転滑走したとき、動輪に伝達されるトルクを絞って空転滑走状態から粘着状態に戻すように制御する電気車の再粘着制御装置に関する。
この種の再粘着制御装置として、動輪の空転滑走を検知する空転滑走検知部と、動輪に伝達されるトルクの変更を指令する再粘着制御部とを有するものが従来から知られている(例えば、特許文献1参照)。ここで、動輪の空転滑走が検知されたときのトルクに、再粘着トルク係数を掛けた、空転滑走時のトルクより小さいものを再粘着トルク並びに保持トルク係数を掛けた、再粘着トルクより絶対値の大きいものを保持トルクとし、再粘着制御部は、動輪の空転滑走が検知されると、第1の保持時間だけ再粘着トルクへの変更を指令し、引き続き、第2の保持時間だけ保持トルクへの変更を指令する再粘着操作をし、その後、保持トルクから空転滑走時のトルクに戻す過程で動輪の空転滑走が再度検知されると、再粘着操作を繰り返すようにしている。この場合、再粘着トルク係数は、通常、空転検知時のトルクより小さいトルクとする必要があるため、1より小さい値とされ、また、保持トルク係数は、再粘着トルク係数より大きな値で、保持トルクが空転滑走しない範囲でできるだけ高い値となるような値に設定される。より精度を高める方法として、空転検知時のトルク指令に代えてレールと車輪の間の接線力を推定して、空転検知時の推定した接線力に再粘着トルク係数や保持トルク係数を乗じたものとすることも知られている(非特許文献1参照)。
然しながら、上記従来例のものでは、再粘着トルク係数(言い換えると、トルクの引き下げ量)や保持トルク係数をどの程度に設定すれば、再粘着状態に戻せるかの把握が困難であるという問題がある。この場合、例えば、再粘着トルク係数が小さすぎると、動輪の再粘着ができない一方で、再粘着トルク係数が大きすぎると、加速性や乗り心地の悪化を招く。従来では、電気車毎に、再粘着トルク係数や保持トルク係数は経験を基に試行錯誤して調整しており、大変な時間と労力が必要であった。
特開2002−325307号
「速度センサレスベクトル制御・外乱オブザーバによる空転再粘着制御の実車両への適用とその評価」電気学会論文誌D、Vol.124(2004)、No.9、pp.909−916
本発明は、以上の点に鑑み、試行錯誤による調整を不要にできる電気車の再粘着制御装置を提供することをその課題とするものである。
上記の課題を解決するために、電気車の動輪が空転滑走したとき、動輪に伝達されるトルクを絞って空転滑走状態から粘着状態に戻すように制御する本発明の電気車の制御装置は、動輪の空転滑走を検知する空転滑走検知部と、動輪に伝達されるトルクの変更を指令する再粘着制御部とを有し、動輪の空転滑走が検知されたときのトルクまたは動輪に発生する接線力を推定したものに、再粘着トルク係数を掛けた、空転滑走時のトルクより小さいものを再粘着トルク並びに保持トルク係数を掛けた、再粘着トルクより絶対値の大きいものを保持トルクとし、再粘着制御部が、第1の保持時間だけ再粘着トルクへの変更を指令し、引き続き、第2の保持時間だけ保持トルクへの変更を指令する再粘着操作をし、その後、保持トルクから空転滑走時のトルクに戻す過程で動輪の空転滑走が再度検知されると、再粘着操作を繰り返すように構成されるものにおいて、次の構成を特徴とする。
即ち、本発明の第1の態様では、再粘着制御部は、動輪の空転滑走状態から粘着状態に戻るまでの再粘着時間を計測し、この再粘着時間を複数回測定したときの値が第1の保持時間と同等になるように再粘着トルク係数を補正することを特徴とする。また、第2の態様では、再粘着制御部は、第2の保持時間内で動輪の空転滑走が再度検知されると、このときの第1の保持時間経過後からの経過時間を計測し、この計測した経過時間内にて動輪の空転滑走が再度検知されない範囲で保持トルク係数を補正することを特徴とする。
また、本発明において、前記再粘着制御部は、前記保持トルクへの変更の指令を受けて前記動輪に保持トルクが伝達された後、動輪の空転滑走が再度検知されるまでの再空転滑走時間を計測し、この再空転滑走時間を複数回計測したときの代表値が前記第2の保持時間と同等になるように保持トルク係数を補正することを特徴とする。
ところで、最適な再粘着トルク係数および保持トルク係数は車両の加速度によって変動する傾向がある。一方で、レール面の状態等により車体の加速度の算出が困難である。そこで、上記課題を解決するために、本発明は、電気車の動輪が空転滑走したとき、動輪に伝達されるトルクを絞って空転滑走状態から粘着状態に戻すように制御する電気車の制御装置であって、動輪の空転滑走を検知する空転滑走検知部と、動輪に伝達されるトルクの変更を指令する再粘着制御部とを有し、動輪の空転滑走が検知されたときのトルクまたは動輪に発生する接線力を推定したものに、再粘着トルク係数を掛けた、空転滑走時のトルクより小さいものを再粘着トルク並びに保持トルク係数を掛けた、再粘着トルクより絶対値の大きいものを保持トルクとし、再粘着制御部が、第1の保持時間だけ再粘着トルクへの変更を指令し、引き続き、第2の保持時間だけ保持トルクへの変更を指令する再粘着操作をし、その後、保持トルクから空転滑走時のトルクに戻す過程で動輪の空転滑走が再度検知されると、再粘着操作を繰り返すように構成されるものにおいて、次の構成を特徴とする。
即ち、本発明の第3の態様では、再粘着制御部は、車体の加速度毎に予め求めた再粘着トルク係数および保持トルク係数を記憶し、空転滑走検知部により空転検知されたときの車体の加速度に応じて再粘着トルク係数および保持トルク係数を補正することを特徴とする。他方、本発明の第4の態様では、再粘着制御部は、指令するトルク毎に予め求めた再粘着トルク係数および保持トルク係数を記憶し、空転滑走検知部により空転検知されたときのトルクに応じて再粘着トルク係数および保持トルク係数を補正することを特徴とする。この場合、空転滑走検知部により空転検知されたときの車体の加速度や指令したトルクに応じて再粘着トルク係数および保持トルク係数を補正し、その上で、走行状態において動輪が空転滑走すると、第1及び第2の態様のように、再粘着トルク係数および保持トルク係数を更に補正することもできる。
以上によれば、経験を基に試行錯誤して調整することなしに、再粘着トルク係数及び保持トルク係数を最適に自動調整することができ、結果として、走行状態において動輪が空転していると判断されると、可及的に再粘着が実現でき、そのとき、加速度低下や乗り心地悪化を最低限に抑えることが可能になる。
本発明の電気車の主制御装置を備える鉄道車両の構成を説明する図。 空転滑走再粘着制御調整器の挙動の一例を示すグラフ。 再粘着トルク係数の違いによる挙動の一例を示すグラフ。 保持トルク係数の違いによる挙動の一例を示すグラフ。 再粘着トルク係数及び保持トルク係数を加速度に依存させる一例を示すグラフ。
以下、図面を参照して、電気車を、誘導電動機を主電動機とするインバータ制御式の鉄道車両とし、4台の主電動機を1台の主制御装置(例えばVVVFインバータ)で駆動するものを例に本発明の電気車の制御装置の実施形態を説明する。なお、各主電動機に対して個別の制御装置を用いる場合もあるが、基本的な制御自体は共通するため、これ以上の説明は省略する。
図1を参照して、ERは、インバータ制御式の鉄道車両(動力車)であり、鉄道車両ERは主幹制御器1と、4台の主電動機2の駆動を制御する1台の主制御装置3とを備え、主制御装置3は、再粘着制御器31と、電動機制御器32と、動輪の回転速度を推定する回転速度推定器33と、架線4aからパンタグラフ4bを介して供給される電力を所定電力に変換する電力変換回路34とを有する。主幹制御器1は、運転士の操作に基づき鉄道車両を加速または減速するための元トルク指令Tref0を再粘着制御器31に出力する。例えば、鉄道車両ERを加速する場合を例に説明すると、再粘着制御器31は、通常、元トルク指令Tref0をそのままトルク指令値Trefとして電動機制御器32に出力する。そして、電動機制御器32は、主電動機2の発生トルクがトルク指令値Trefと同一になるような電圧指令を生成し、電力変換回路34によって電圧指令と等価な電圧が主電動機2に印加され、図示省略の歯車装置を介して、レール5上を転動する動輪6にトルクが伝達される。
回転速度推定器33は、電力変換回路34の出力電圧・電流等から主電動機2の回転速度を推定する。なお、回転速度推定器33の代わりに主電動機2に回転速度センサを設ける場合もある。そして、再粘着制御器31からのトルク指令値Trefがそのときの粘着係数に対応したトルクよりも大きくなると、動輪6に空転が発生して車両速度よりも車輪周速度が急激に増加する。このとき、再粘着制御器31は、回転速度推定器33で演算された主電動機2の回転速度の微分値が閾値を超えた際に、動輪6に空転が発生していると判断する。本実施形態では、再粘着制御器31が再粘着制御部及び転滑走検知部としての役割を果たす。なお、動輪6の空転検知方法は主電動機2の回転速度の微分値から検知する方法の他に、複数の主電動機2の回転速度差から検知する手法等様々な方法があるが、本実施形態では、空転検知の手法は問わない。
走行状態において動輪6が空転していると判断されると、空転再粘着制御が行われる。即ち、図2に示すように、動輪6の速度を減速させて再粘着するためにトルク指令値Trefを再粘着トルクTau_c_limまで絞り込み、再粘着に必要と見込まれる第1の保持時間(引き下げ時間)T1だけ保持する。そして、空転しない範囲でできる限り大きな保持トルクTau_c_mu_cを第2の保持時間T2の間維持する。第2の保持時間T2の間に再び空転が検知されると、再びトルク指令値Trefを再粘着トルクTau_c_limまで絞るか、第2の保持時間T2を経過した場合は徐々にトルク指令値Trefを大きくし、再び空転が検知された際に同様の動作を繰り返す。再粘着トルクTau_c_lim及び保持トルクTau_c_mu_cは、一般に、空転検知時のトルク指令値Trefに再粘着トルク係数を乗じたものとされる。再粘着トルク係数は、空転検知時のトルクより小さいトルクとする必要があるため、1より小さい値となり、また、保持トルクは、空転検知時のトルクもしくは推定接線力に保持トルク係数を乗じたものであり、再粘着トルク係数より大きな値として、保持トルクが空転しない範囲でできるだけ高い値となるような値である。
ここで、図3を参照して、再粘着トルク係数の違いによる再粘着時の挙動を説明する。図3中、実線は再粘着トルク係数が適切な値となったときのものであり、第1の保持時間T1と同程度の時間で再粘着を実現できている。他方、図3中、一点鎖線は、再粘着トルク係数が大きすぎる場合であり、第1の保持時間T1終了時、再粘着できないことで保持トルクに移行しており、適切な再粘着ができていないことがわかる。この場合、空転状態が維持されるため、第1の保持時間T1終了後、比較的短時間で再び空転検知されることから、図3に示すように再びトルクの絞り込みがみられる。また、図3中、二点鎖線は、再粘着トルク係数が小さすぎる場合であり、再粘着は実現できているが、早く再粘着しすぎてしまい、余計にトルクが絞られているために加速不良を招くと共に、トルクの変化が大きいことで前後ショックによる乗り心地悪化を招く。
次に、図4を参照して、保持トルク係数の違いによる再空転の挙動を説明する。図4中、実線は、保持トルク係数が適切な値となった場合であり、第2の保持時間T2の終了後、徐々にトルクを戻し始めた直後に動輪6が再度空転している。このような状態では、保持トルクの値が空転しない範囲のギリギリであるといえるため、その際の最大の加速度が実現できる。他方、図4中、一点鎖線は、保持トルク係数が大きすぎる場合であり、保持トルクが大きいことで、第2の保持時間T2が終了するより前に動輪6が再度空転してしまっている。このため、余計にトルクが絞られているために加速不良を招くと共に、トルクの変化が大きいことで前後ショックによる乗り心地悪化を招く。また、図4中、二点鎖線は、保持トルク係数が小さすぎる点線の場合であり、第2の保持時間T2が終了してトルクを戻してもすぐには動輪6が再度空転せず、トルクを大きく戻すことで、動輪6が再度空転している。この場合、保持トルクの値は、動輪6が空転しない限界の値に比べて小さく、余裕が大きすぎであり、その際のレール面状態における最大の加速が得られていないといえる。
以上説明しように、再粘着トルク係数及び保持トルク係数は、動輪6に空転滑走が発生したとき、動輪6に伝達されるトルクを絞って空転滑走状態から粘着状態に戻すように制御するために重要な要素であり、これら再粘着トルク係数及び保持トルク係数を経験を基に試行錯誤して調整したのでは、大変な時間と労力が必要となる。
そこで、本実施形態では、次のように再粘着トルク係数を自動修正することとした。即ち、再粘着制御器31に、空転滑走再粘着制御調整器31aを設け、空転滑走再粘着制御調整器31aは、空転再粘着制御が行われている走行状態において、空転検知されることでトルクを絞ってから再粘着するまでの時間である再粘着時間T3を計測する。なお、再粘着の判断基準として、動輪6の回転速度が負の状態から正の状態に変化した際とする他に、すべり速度が把握できる場合はすべり速度がある値を下回ったか否かで判断することもできる。次に、空転滑走再粘着制御調整器31aは、第1の保持時間T1を超えない範囲でできるだけ長くなるように、再粘着トルク係数を修正する。第1の保持時間T1は、レールの状態等、様々な要因で変動することでばらつきが生じるため、再粘着時間T3の最大値が引き下げ時間T1と一致するように調整すれば、あらゆる状態においても確実に再粘着できることを意味する。
例えば、再粘着時間T3が第1の保持時間T1を超過した場合は、再粘着トルク係数が高すぎて再粘着失敗していることがわかる。そのため、空転滑走再粘着制御調整器31aは、再粘着トルク係数の値が小さくなるように修正する。逆に、再粘着時間T3の最大値が第1の保持時間T1より小さい場合は、再粘着トルク係数が小さすぎるため再粘着トルク係数が大きくなるように修正する。このように修正を続けることにより、自動的に再粘着トルク係数が最適な値となる。即ち、再粘着失敗しない範囲でできるだけ高い再粘着トルクとなっており、高い加速度および再粘着失敗や乗り心地悪化を抑制することができる。
ところで、再粘着時間T3を動輪6の回転速度の変化から計測する場合、鉄道車両ERの台車振動の影響等により正確な再粘着時間の計測が困難な場合もある。その場合には、再粘着時間T3の計測を行わずに、空転検知により再粘着トルク係数を補正することが有効である。即ち、図3に示すように、再粘着トルク係数が大き過ぎて再粘着に失敗すると、第1の保持時間T1の終了後、(第2の保持時間T2内において)短時間内に動輪6が再度空転する。このときの短時間とは、第2の保持時間T2より十分短く、第1の保持時間T1と同程度である。そこで、第1の保持時間T1終了後、この第1の保持時間T1と同程度の所定時間内に再び空転検知を行った場合を再粘着失敗とする。そして、空転滑走再粘着制御調整器31aは、再粘着失敗が発生しない範囲(即ち、動輪6の空転滑走が再度検知されない範囲)でできるだけ大きくなるように再粘着トルク係数を修正し続ける。
次に、保持トルク係数の調整方法について説明する。空転滑走再粘着制御調整器31aは、空転再粘着制御が行われている走行状態において、保持トルクを出力開始から再び空転検知するまでの再空転時間T4を計測する。保持トルク係数が適切になっているということは、再空転時間T4が第2の保持時間T2と同程度になっている状態であることから、第2の保持時間T2と再空転時間T4が同程度になるように保持トルク係数を調整する。ここで、第2の保持時間T2と再空転時間T4が同程度ということは、保持トルクの大きさが空転しない範囲でできる限り大きな値になっているということであり、その状態において可能な範囲で最大の加速が得られているとみなすことができる。例えば再空転時間T4の平均値が第2の保持時間T2と一致するように調整する方法や、再空転時間T4の平均値に代えて、複数回再空転時間T4を計測したときの中央値または最頻値、或いは再空転時間T4と第2の保持時間T2の偏差の評価関数が最小になる方法によって、これらから適宜選択された再空転時間T4の値(以下、「代表値」という)が第2の保持時間T2と一致するように調整する。
再空転時間T4が第2の保持時間T2より長くなる傾向が多い場合は、保持トルク係数が小さすぎて保持トルクが小さく可能な範囲の最大の加速が得られていないと言えるため、空転滑走再粘着制御調整器31aは保持トルク係数が大きくなるように調整する。一方で、再空転時間が保持時間より短くなる傾向が多い場合は、保持トルク係数が大きすぎて保持トルクの出力期間中に再空転してしまい、余計な保持トルクの絞り込みが発生していることから、空転滑走再粘着制御調整器31aは保持トルク係数が小さくなるように補正する。なお、第2の保持時間T2と再空転時間T4の代表値が一致するように調整した場合、ばらつきにより再空転が早くなる場合もある。そのため、余裕を持たせて再空転時間T4の代表値が第2の保持時間T2より若干(1〜2割程度)長くなるように調整することにより、ばらつきにより再空転時間T4が短くなった際に第2の保持時間T2と同一程度になるように調整することも有効であり、この調整法も本発明の範囲に含められる。
以上説明したように、本実施形態によれば、経験を基に試行錯誤して調整することなしに、再粘着トルク係数及び保持トルク係数を最適に自動調整することができ、結果として、走行状態において動輪6が空転していると判断されると、可及的に再粘着が実現でき、また、加速度低下や乗り心地悪化を最低限に抑えることが可能になる。
ところで、最適な再粘着トルク係数および保持トルク係数は車両の加速度によって変動する傾向がある。そこで、再粘着トルク係数および保持トルク係数を車両加速度に依存した係数とすることも有効である。その方法として、加速度毎に最適な再粘着トルク係数および保持トルク係数を求め、これを再粘着制御器31の公知のメモリー等の記憶部(図示せず)に記憶させておく。なお、車体の加速度自体は公知の方法で測定される。そして、空転滑走再粘着制御調整器31aは、空転再粘着制御が行われている走行状態において、空転検知した際の加速度に応じて、現状の再粘着トルク係数および保持トルク係数を、記憶部に記憶されたものに補正し、空転・再粘着制御をする。なお、加速度毎に最適な再粘着トルク係数および保持トルク係数を求めるのが困難な場合、例えば異なる2つの加速度においてそれぞれ最適化した再粘着トルク係数および保持トルク係数を求め、図5に示すようにその2点を結ぶような一次関数とし、これを記憶させておく手法も有効である。
また、車体の加速度の算出が困難な場合は、車体加速度に代えて空転検知時のトルク指令値Trefを用いることも有効である。即ち、トルク指令値Tref毎に最適な再粘着トルク係数および保持トルク係数を求め、これを再粘着制御器31の公知のメモリー等の記憶部(図示せず)に記憶させておく。そして、空転滑走再粘着制御調整器31aは、空転再粘着制御が行われている走行状態において、空転検知した際のトルク指令値Trefに応じて、現状の再粘着トルク係数および保持トルク係数を、記憶部に記憶された再粘着トルク係数および保持トルク係数に補正し、空転・再粘着制御をする。これは、車体重量および編成形態、走行抵抗・勾配等に大きな変化がなければトルクと加速度は比例関係となるため、同様の効果が得られるためである。なお、車体加速度に代えて空転検知時のトルク指令を用いる場合において、車両重量を把握する応荷重情報を用いてトルク指令を荷重で除算することにより、車体重量が変化しても加速度に応じた制御が可能となるため、より精度の高い制御が実現できる。なお、車体の加速度やトルク指令値Trefに応じて再粘着トルク係数および保持トルク係数を補正した後、上記のようにして再粘着トルク係数および保持トルク係数を更に補正することもできる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術範囲を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。上記実施形態では、運転台の主幹制御器1で元トルク指令Tref0を行うものを例に説明したが、自動運転装置等によって生成される場合にも本発明は適用可能である。
また、上記実施形態では、鉄道車両ERを加速する場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、主電動機2にブレーキ方向のトルクを掛けた際は滑走制御器として動作することは広く知られており、本発明もブレーキ時の滑走・再粘着制御器としてそのまま用いることが可能である。また、上記実施形態では、空転滑走再粘着制御調整器31aを再粘着制御器31内に設けたものを例に説明したが、これに限定されるものではなく、再粘着制御器31の外部に設けられる装置とすることもできる。その場合、空転滑走再粘着調整器は試験走行時に最適な再粘着トルク係数および保持トルク係数を算出し、再粘着制御器内の変数を変更するといった手法が有効である。
更に、より精度を高める方法として、空転検知時のトルク指令値Trefに代えてレールと車輪の間の接線力を推定して、空転検知時の推定した接線力に再粘着トルク係数を乗じたものとすることができる。この場合、時々刻々変動するレールと車輪の間の摩擦状態に対応できるため、より確実な再粘着が実現できる。保持トルクは同様に、空転検知時のトルクもしくは推定接線力に、保持トルク係数を乗じたものとすることができる。
ER…鉄道車両(電気車)、1…主幹制御器、2…主電動機、3…主制御装置、31…再粘着制御器(再粘着制御部及び空転検知部)、31a…空転滑走再粘着制御調整器、32…電動機制御器、33…回転速度推定器、34…電力変換回路、5…レール、6…車輪。

Claims (5)

  1. 電気車の動輪が空転滑走したとき、動輪に伝達されるトルクを絞って空転滑走状態から粘着状態に戻すように制御する電気車の制御装置であって、
    動輪の空転滑走を検知する空転滑走検知部と、動輪に伝達されるトルクの変更を指令する再粘着制御部とを有し、動輪の空転滑走が検知されたときのトルクまたは動輪に発生する接線力を推定したものに、再粘着トルク係数を掛けた、空転滑走時のトルクより小さいものを再粘着トルク並びに保持トルク係数を掛けた、再粘着トルクより絶対値の大きいものを保持トルクとし、再粘着制御部が、第1の保持時間だけ再粘着トルクへの変更を指令し、引き続き、第2の保持時間だけ保持トルクへの変更を指令する再粘着操作をし、その後、保持トルクから空転滑走時のトルクに戻す過程で動輪の空転滑走が再度検知されると、再粘着操作を繰り返すように構成されるものにおいて、
    再粘着制御部は、動輪の空転滑走状態から粘着状態に戻るまでの再粘着時間を計測し、この再粘着時間を複数回測定したときの値が第1の保持時間と同等になるように再粘着トルク係数を補正することを特徴とする電気車の再粘着制御装置。
  2. 前記再粘着制御部は、第2の保持時間内で動輪の空転滑走が再度検知されると、このときの第1の保持時間経過後からの経過時間を計測し、この計測した経過時間内にて動輪の空転滑走が再度検知されない範囲で保持トルク係数を補正することを特徴とする請求項1記載の再粘着制御装置。
  3. 前記再粘着制御部は、前記保持トルクへの変更の指令を受けて前記動輪に保持トルクが伝達された後、動輪の空転滑走が再度検知されるまでの再空転滑走時間を計測し、この再空転滑走時間を複数回計測したときの代表値が前記第2の保持時間と同等になるように保持トルク係数を補正することを特徴とする請求項1または請求項2記載の再粘着制御装置。
  4. 前記再粘着制御部は、車体の加速度毎に予め求めた再粘着トルク係数および保持トルク係数を記憶し、空転滑走検知部により空転検知されたときの車体の加速度に応じて再粘着トルク係数および保持トルク係数を補正することを特徴とする請求項1記載の電気車の制御装置。
  5. 前記再粘着制御部は、指令するトルク毎に予め求めた再粘着トルク係数および保持トルク係数を記憶し、空転滑走検知部により空転検知されたときのトルクに応じて再粘着トルク係数および保持トルク係数を補正することを特徴とする請求項1記載の電気車の制御装置。
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