JP6840203B1 - 排ガス処理の水供給装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】水供給機能を低下させることなく、水供給機能に必要な設備の設置スペースを省スペース化することができる排ガス処理の水供給装置を提供すること。【解決手段】排ガス処理の水供給装置は、過給機によって加圧圧縮され且つ冷却器によって冷却された燃焼用ガスから発生した凝縮水と冷却後の前記燃焼用ガスによるガス圧力とを収集する収集管と、前記収集管を通じて前記凝縮水を貯留するとともに前記ガス圧力を蓄積する凝縮水チャンバと、前記凝縮水チャンバと前記凝縮水の供給先装置とを連通する給水管と、を備える。前記凝縮水チャンバの水位と前記給水管の出口水位とのヘッド差がEGR装置の運転開始の基準となる基準エンジン負荷に対応するヘッド差以下となり得る位置に、前記供給先装置が配置される。前記凝縮水は、掃気圧に相当する前記ガス圧力を利用して、前記凝縮水チャンバから前記給水管を通じて前記供給先装置へ圧送される。【選択図】図1

Description

本発明は、舶用ディーゼルエンジンに適用される排ガス処理の水供給装置に関するものである。
船舶に搭載される舶用ディーゼルエンジンにおいて、エンジン本体から排出される排ガスには、一般に、窒素酸化物(NOx)や硫黄酸化物(SOx)、煤塵等の有害物質が含まれている。このため、舶用ディーゼルエンジンに要求される排ガス規制に対応すべく、舶用ディーゼルエンジンには、排ガス中の有害物質を除去する排ガス処理の技術が必要とされている。
このような排ガス処理の一例として、例えば、排ガス中のNOxを低減する排ガス再循環(EGR:Exhaust Gas Recirculation)の技術が採用されたものがある(特許文献1、2参照)。EGRにおいては、エンジン本体から排出された排ガスの一部がスクラバによって洗浄され、この洗浄後の排ガス(以下、再循環ガスと言う)が、空気と混合し、燃焼用ガスとしてエンジン本体へ戻される。これにより、エンジン本体の燃焼室内では、燃料の燃焼によるNOxの生成が抑制され、この結果、排ガス中のNOxの含有量(すなわちNOxの排出量)が低減される。
また、EGR装置において、スクラバでは、排ガスに対して水噴射を行い、これにより、排ガス中のSOxや煤塵等の有害物質を除去して排ガスを洗浄する。このようなスクラバは、陸上プラントにおける、ばい煙、脱硫装置としても既知の技術である。
一方、排ガスが高温であることから、スクラバで排ガスの洗浄に使用される水(以下、スクラバ水と言う)は、スクラバ内に噴射された際に、一部が気化される。この気化されたスクラバ水は、蒸気として再循環ガスとともにスクラバ等のEGRの装置からエンジン本体に向かう再循環ガス経路内に流出する。このため、スクラバ水は、高温の排ガスによる蒸発等に起因して徐々に減少してしまう。それ故、EGRによる排ガス処理においては、必要な箇所に水を供給することにより、スクラバ水の補給を行う必要がある。
特許第6147786号公報 特許第5916772号公報
ところで、上述したように排ガス処理において必要な箇所に水を供給する場合は、従来、エンジン本体に給気される燃焼用ガス(例えば再循環ガスと空気とを混合した圧縮ガス)の冷却によって発生した凝縮水を予めタンクに貯留し、この凝縮水が、ポンプの作用によってタンクから圧送されていた。
しかしながら、上述した従来の水供給を行う場合、水を圧送するためのポンプは勿論、ポンプを駆動するためのスタータや電源供給設備、ポンプの空運転や締切運転による故障を防止するための設備や仕組み等、ポンプに付随する多くの付帯設備を設ける必要がある。さらには、船舶の揺動により液面が変動することで空運転防止設備等が誤動作する可能性があるため、凝縮水用のタンクとして大容量のタンクを設ける必要がある。故に、排ガス処理において水供給を行うための水供給装置には、多大な設置スペースが必要となってしまう。
船舶内という限られたスペースにおいては、排ガス処理の水供給機能を確保しながらも、舶用ディーゼルエンジンに水供給装置を設けるために必要な設置スペースを省スペース化することが要望されている。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、水供給機能を低下させることなく、水供給機能に必要な設備の設置スペースを省スペース化することができる排ガス処理の水供給装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る排ガス処理の水供給装置は、燃焼用ガスを加圧圧縮する過給機と、加圧圧縮後の前記燃焼用ガスを冷却する冷却器と、冷却後の前記燃焼用ガスを用いてシリンダ内の掃気と燃料燃焼によるピストンの往復運動とを行うエンジン本体と、前記エンジン本体から排出された排ガスの一部を洗浄して前記エンジン本体へ再循環させるEGR装置と、を備える舶用ディーゼルエンジンに適用される排ガス処理の水供給装置であって、前記冷却器による冷却後の前記燃焼用ガスから発生した凝縮水と冷却後の前記燃焼用ガスによるガス圧力とを収集する収集管と、前記収集管を通じて、前記凝縮水を貯留するとともに、前記エンジン本体の掃気圧に相当する前記ガス圧力を蓄積する凝縮水チャンバと、前記凝縮水チャンバと前記凝縮水の供給先装置とを連通する給水管と、を備え、前記EGR装置は、前記エンジン本体のエンジン負荷が所定の基準エンジン負荷以上である場合に運転し、前記供給先装置は、前記凝縮水チャンバの水位と前記給水管の出口水位とのヘッド差が前記基準エンジン負荷に対応するヘッド差以下となり得る位置に配置され、前記凝縮水は、前記凝縮水チャンバに蓄積された前記ガス圧力を利用して、前記凝縮水チャンバから前記給水管を通じて前記供給先装置へ圧送される、ことを特徴とする。
また、本発明に係る排ガス処理の水供給装置は、上記の発明において、前記供給先装置は、前記凝縮水チャンバに比べて高い位置に配置されている、ことを特徴とする。
また、本発明に係る排ガス処理の水供給装置は、上記の発明において、前記凝縮水チャンバの水位と前記給水管の出口水位とのヘッド差は3m以下である、ことを特徴とする。
また、本発明に係る排ガス処理の水供給装置は、上記の発明において、前記凝縮水チャンバは、前記冷却器に比べて低い位置に配置されている、ことを特徴とする。
また、本発明に係る排ガス処理の水供給装置は、上記の発明において、前記供給先装置は、前記排ガスの一部の洗浄に用いられたスクラバ水を回収する回収タンクである、ことを特徴とする。
また、本発明に係る排ガス処理の水供給装置は、上記の発明において、前記供給先装置は、前記排ガスの一部をスクラバ水を用いて洗浄するスクラバである、ことを特徴とする。
また、本発明に係る排ガス処理の水供給装置は、上記の発明において、前記供給先装置は、前記排ガスの一部の洗浄に用いられたスクラバ水を浄化処理するための水処理用タンクである、ことを特徴とする。
本発明によれば、設置スペースを省スペース化するとともに、水供給を安定して行うことができるという効果を奏する。
図1は、本発明の実施形態に係る排ガス処理の水供給装置が適用された舶用ディーゼルエンジンの一構成例を示す模式図である。 図2は、本発明の実施形態におけるエンジン本体のエンジン負荷と掃気圧との相関関係の一例を示す図である。 図3は、本発明の実施形態に係る水供給方法の一例を示すフロー図である。
以下に、添付図面を参照して、本発明に係る排ガス処理の水供給装置の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本実施形態により、本発明が限定されるものではない。また、図面は模式的なものであり、各要素の寸法の関係、各要素の比率などは、現実のものとは異なる場合があることに留意する必要がある。図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。また、各図面において、同一構成部分には同一符号が付されている。
本発明の実施形態に係る排ガス処理の水供給装置について説明する。図1は、本発明の実施形態に係る排ガス処理の水供給装置が適用された舶用ディーゼルエンジンの一構成例を示す模式図である。図1に示すように、この舶用ディーゼルエンジン1は、エンジン本体2と、過給機3と、冷却器4と、気液分離装置5と、ドレン管6と、出口オリフィス7と、EGR装置10と、水供給装置11と、水処理装置18とを備える。また、図1に示すように、舶用ディーゼルエンジン1は、排気用の配管としての排気管101、102と、給気用の設備または配管としての給気部111および給気管112〜114と、排ガス再循環用の配管としてのEGR管121、122とを備える。なお、図1において、燃焼用ガスや凝縮水等の流体の流通および配管は、実線矢印によって適宜図示される。電気信号線は、一点鎖線によって適宜図示される。
エンジン本体2は、図示しないが、プロペラ軸を介して船舶の推進用プロペラを駆動回転させる推進用の機関(主機関)である。このエンジン本体2は、ユニフロー掃排気式のクロスヘッド式ディーゼルエンジン等の2ストロークディーゼルエンジンである。例えば、図1に示すように、エンジン本体2は、複数(本実施形態では4つ)のシリンダ2aと、掃気トランク2bと、排気マニホールド2cとを備える。また、エンジン本体2は、図示しないが、各シリンダ2aの燃焼室に燃料等を噴射するための噴射装置、この噴射装置の駆動制御を行う制御装置、各シリンダ2aの内部に沿って往復運動(例えば上下動)するピストン、ピストンの往復運動に伴ってプロペラ軸を回転させるためのクランク、クランクシャフトおよびクロスヘッド等を備える。
複数のシリンダ2aの各々は、ピストンを往復運動させるための給排気および燃料燃焼等が行われる燃焼室を形成する。掃気トランク2bは、エンジン本体2内における掃気ポート(図示せず)を介して各シリンダ2a内の燃焼室と連通している。排気マニホールド2cは、エンジン本体2内における排気流路(図示せず)を介して各シリンダ2a内の燃焼室と連通している。
エンジン本体2は、冷却器4による冷却後の燃焼用ガスを用いて、各シリンダ2a内の掃気と燃料燃焼によるピストンの往復運動とを行う。詳細には、エンジン本体2は、各シリンダ2a内の燃焼室における燃料燃焼によるピストンの往復運動を、船舶の推進力を出力する出力軸(具体的にはプロペラ軸またはクランクシャフト等)の回転運動に変換する。この際、エンジン本体2は、各シリンダ2a内の給排気の流れを下方から上方への一方向として、排気の残留を無くすように掃気を行っている。この掃気において、掃気トランク2bから各シリンダ2a内の燃焼室へ燃焼用ガスが給気され、燃焼後の排ガスが各シリンダ2a内の燃焼室から排気マニホールド2cへ排出される。このようなエンジン本体2において、図1に示すように、掃気トランク2bには給気管114が連結され、排気マニホールド2cには排気管101が連結されている。なお、排ガスは、エンジン本体2から排気管101等を通じて外部に排出されるガスである。以下、排ガスといえば、エンジン本体2から排出された排ガスを意味する。
過給機3は、エンジン本体2からの排ガスを利用して、エンジン本体2へ給気される燃焼用ガスを加圧圧縮するものである。図1に示すように、過給機3は、圧縮機3aと、タービン3bと、回転軸3cとを備える。圧縮機3aおよびタービン3bは、羽根車等によって各々構成され、回転軸3cを中心軸にして一体に回転するように、回転軸3cによって互いに連結されている。また、圧縮機3aのガス入側には、外部(大気)からの新たな空気(新気ともいう)等のガスを吸入する給気部111が設けられている。この給気部111の近傍には、EGR管122の出口端が接続されている。これにより、圧縮機3aのガス入側は、給気部111からの空気とEGR管122からの再循環ガスとが混合して給気され得るように構成されている。圧縮機3aのガス出側には、冷却器4に通じる給気管112が連結されている。タービン3bのガス入側には、エンジン本体2の排気マニホールド2cに通じる排気管101が連結されている。タービン3bのガス出側には、外部へ排ガスを排出する煙突(図示せず)等に通じる排気管102が連結されている。
このような構成を有する過給機3において、タービン3bは、エンジン本体2の排気マニホールド2cから排気管101を通じて排出された排ガスを受ける。タービン3bは、この受けた排ガスの圧力等のエネルギーによって回転しながら、この回転に使用された排ガスを排気管102へ排出する。このタービン3bの回転は、回転軸3cによって圧縮機3aに伝達される。これにより、圧縮機3aは、このタービン3bの回転に伴い回転して燃焼用ガスを吸入し、この吸入した燃焼用ガスを加圧圧縮する。なお、この燃焼用ガスは、EGR装置10が運転中であれば、給気部111からの空気とEGR管122からの再循環ガスとの混合ガスであり、EGR装置10が停止中であれば、給気部111からの空気だけとなる。圧縮機3aによる加圧圧縮後の燃焼用ガスは、給気管112を通じて冷却器4へ給気される。
冷却器4は、過給機3(詳細には圧縮機3a)による加圧圧縮後の燃焼用ガスを冷却するためのものである。図1に示すように、冷却器4のガス入側には、圧縮機3aに通じる給気管112の出口端が接続されている。冷却器4のガス出側には、気液分離装置5に通じる給気管113の入口端が接続されている。冷却器4は、圧縮機3aによって加圧圧縮されて高温高圧の状態となった燃焼用ガスを、例えば冷却水との熱交換等によって冷却する。以下、「冷却後の燃焼用ガス」といえば、特に説明がない限り、圧縮機3aによって加圧圧縮され且つ冷却器4によって冷却された高圧状態の燃焼用ガスを意味する。
気液分離装置5は、冷却器4による冷却後の燃焼用ガスと液滴(凝縮水)とを分離するための装置である。図1に示すように、気液分離装置5のガス入側には、冷却器4に通じる給気管113の出口端が接続されている。気液分離装置5のガス出側には、エンジン本体2の掃気トランク2bに通じる給気管114の入口端が接続されている。気液分離装置5は、冷却器4による冷却後の燃焼用ガス中に凝縮水が発生した場合、この凝縮水を捕捉して燃焼用ガスから分離し、除去する。
気液分離装置5によって凝縮水が除去された燃焼用ガスは、上述した圧縮機3aの加圧圧縮作用によって昇圧された高いガス圧力を有しながら、気液分離装置5から給気管114を通じてエンジン本体2の掃気トランク2bへ給気される。掃気トランク2bへ給気された燃焼用ガスは、上述したように、エンジン本体2の各シリンダ2a内の掃気等に用いられる。すなわち、この燃焼用ガスのガス圧力は、エンジン本体2の掃気圧である。
EGR装置10は、舶用ディーゼルエンジン1に適用される排ガス処理装置の一例であり、エンジン本体2から排出された排ガスの一部を洗浄してエンジン本体2へ再循環させるものである。具体的には、EGR装置10は、EGR管121から受け入れた排ガスをスクラバ水を用いて洗浄し、洗浄後の排ガスを上述した燃焼用ガスの一部として、EGR管122からエンジン本体2に向けて再循環させる。EGR装置10は、このような排ガスの再循環により、排ガス中のNOxの含有量を低減する。本実施形態において、EGR装置10は、図1に示すように、スクラバ10aと、デミスタ10bと、EGRブロワ10cと、回収タンク10dと、回収管10eと、ポンプ10fとを備え、舶用ディーゼルエンジン1に搭載されている。
スクラバ10aは、エンジン本体2から排出された排ガスの一部を再循環ガスとして使用し得るように洗浄するものである。本実施形態において、スクラバ10aは、例えば、スクラバ水等を噴射する噴射ノズル等を備えるベンチュリ型のスクラバである。図1に示すように、スクラバ10aのうち再循環ガスの入側は、デミスタ10bに比べて高い位置に配置されている。また、図1に示すように、スクラバ10aのガス入側には、EGR管121の出口端が接続されている。EGR管121の入口端は、上述した排気管102の中途部に接続されている。スクラバ10aの水入側には、後述する給水管14および循環管132の各出口端が接続されている。一方、スクラバ10aの下部は、デミスタ10bと連通している。
本実施形態において、スクラバ10aは、エンジン本体2からの排ガスの一部をEGR管121を通じて受け入れ、この受け入れた排ガスに対してスクラバ水を噴射する。例えば、スクラバ10aは、循環管132を通じて供給された水(水処理装置18による処理後のスクラバ水)を、排ガスを洗浄するためのスクラバ水として用いる。スクラバ10aは、排ガスに対するスクラバ水の噴射により、排ガスから煤塵等の微粒子およびSOx等の有害物質を除去して排ガスを洗浄する。洗浄後の排ガスは、再循環ガスとして、使用後のスクラバ水とともにデミスタ10bへ流れ込む。
デミスタ10bは、スクラバ10aからの再循環ガスとスクラバ水とを分離するための設備である。デミスタ10bは、例えば、中空の構造体によって構成される。図1に示すように、デミスタ10bには、上述したスクラバ10aの出口部が接続される。デミスタ10bの下部(本実施形態では底部)には、回収タンク10dに通じる回収管10eの入口端が接続されている。デミスタ10bは、スクラバ10aから流れ込んだ洗浄後の再循環ガスと使用後のスクラバ水との気液混合流体を、気体と液体とに分離する。これらの分離された再循環ガスおよびスクラバ水のうち、再循環ガスは、デミスタ10bのガス吐出口からEGRブロワ10cによって吸い込まれ、EGR管122を通じて圧縮機3aに送出される。スクラバ水は、デミスタ10bの下部から回収管10eを通じて回収タンク10dへ導出される。
EGRブロワ10cは、スクラバ10aによる再循環ガスを燃焼用ガスの一部として吸い込んで、送出するためのブロワである。図1に示すように、EGRブロワ10cは、例えばデミスタ10bの上部に設けられている。また、EGRブロワ10cのガス出側には、EGR管122の入口端が接続されている。EGRブロワ10cは、デミスタ10bによってスクラバ水と分離された再循環ガスを、デミスタ10b内から吸入してEGR管122へ圧送する。このような再循環ガスは、EGR管122を通じて給気部111からの空気と合流し、上述した燃焼用ガスの一部として用いられる。
回収タンク10dは、排ガスの洗浄に使用されたスクラバ水を回収するためのタンクである。図1に示すように、回収タンク10dは、EGR装置10においてデミスタ10bに比べて下方に配置され、回収管10eを介してデミスタ10bと連通している。回収タンク10dは、スクラバ10aで排ガスの洗浄に使用されたスクラバ水(図1ではスクラバ水Wb)を、デミスタ10bから回収管10eを通じて回収する。回収タンク10dは、このように回収したスクラバ水Wbを貯留する。これにより、回収タンク10dは、スクラバ10aと水処理装置18との間で循環されるスクラバ水の元となる浄化処理前のスクラバ水Wbを適宜準備することができる。
ポンプ10fは、排ガスの洗浄に使用されたスクラバ水Wbを水処理装置18へ送給するためのものである。図1に示すように、ポンプ10fの入側は、回収タンク10dの出口部に設けられている。ポンプ10fの出側には、水処理装置18に通じる循環管131の入口端が接続されている。ポンプ10fは、回収タンク10dからスクラバ水Wbを吸入し、吸入したスクラバ水Wbを、循環管131を通じて水処理装置18へ圧送する。水処理装置18へ送給されたスクラバ水Wbは、水処理装置18によって浄化処理がなされた後、循環管132を通じて水処理装置18からスクラバ10aへ再び供給される。
なお、特に図示しないが、EGR装置10の運転(具体的にはEGRブロワ10cおよびポンプ10fの各駆動等)は、所定の制御装置によって制御される。EGR装置10は、この制御装置の制御に基づいて、エンジン本体2の負荷(以下、エンジン負荷と言う)が所定の基準エンジン負荷以上である場合に運転する。また、EGR装置10は、この制御装置の制御に基づいて、エンジン負荷が基準エンジン負荷未満である場合に運転停止する。但し、基準エンジン負荷未満となったエンジン負荷が再上昇する可能性があるため、EGR装置10による再循環ガスの流通だけ停止し、水処理装置18の運転及びスクラバ水の循環は継続することも可能である。
ここで、舶用ディーゼルエンジンの国際的な排ガス規制では、エンジン負荷が25%以上である場合、EGRによるNOx低減を行うことが義務付けられている。したがって、EGR装置10は、エンジン負荷が25%以上である場合に確実に運転してNOx低減を行うよう制御される。本実施形態において、EGR装置10の運転前の立ち上げには、ある程度の時間を要するため、EGR装置10は、エンジン負荷が25%に上昇する前の段階で起動するよう制御される。具体的には、上述した基準エンジン負荷は、国際的な排ガス規制に基づいてEGR装置10の運転が必要となるエンジン負荷の最低値(=25%)未満、例えば、20%に設定されることが好ましい。EGR装置10は、エンジン負荷が当該基準エンジン負荷(=20%)以上である場合に運転する。
水供給装置11は、本発明の実施形態に係る排ガス処理の水供給装置の一例であり、舶用ディーゼルエンジン1に設けられている。詳細には、図1に示すように、水供給装置11は、収集管12と、凝縮水チャンバ13と、給水管14と、供給弁15と、圧力検出部16と、チャンバ水位検出部17と、タンク水位検出部18bと、制御装置19とを備える。
収集管12は、冷却器4による冷却後の燃焼用ガスから発生した凝縮水と冷却器4による冷却後の燃焼用ガスのガス圧力とを収集する配管である。図1に示すように、収集管12は、冷却器4から凝縮水を収集する第1収集管12aと、気液分離装置5から凝縮水を収集する第2収集管12bとを備える。第1収集管12aは、入口端が冷却器4の排水口に接続され且つ出口端が凝縮水チャンバ13の入口部に接続され、冷却器4の内部と凝縮水チャンバ13の内部とを連通させるように設けられている。冷却器4の排水口は、例えば、冷却器4の底部に形成されている。第2収集管12bは、入口端が気液分離装置5の排水口に接続され且つ出口端が第1収集管12aの中途部に接続され、第1収集管12aを介して気液分離装置5の内部と凝縮水チャンバ13の内部とを連通させるように設けられている。気液分離装置5の排水口は、例えば、気液分離装置5の底部に形成されている。
本実施形態において、冷却器4の内部では、圧縮機3aによる加圧圧縮後の高温高圧な燃焼用ガスが冷却され、この冷却後の燃焼用ガスから凝縮水が発生する。このように発生した凝縮水のうち、一部は冷却器4の内部に溜まり、残りは冷却後の燃焼用ガスとともに給気管113を通じて気液分離装置5へ送給される。第1収集管12aは、この冷却器4の内部に溜まった凝縮水を、冷却後の燃焼用ガスの一部とともに冷却器4から収集する。第2収集管12bは、この冷却後の燃焼用ガスから気液分離装置5によって分離された凝縮水を、この冷却後の燃焼用ガスの一部とともに気液分離装置5から収集する。これらの第1収集管12aと第2収集管12bとを備える収集管12は、冷却器4および気液分離装置5の各々から、上記冷却後の燃焼用ガスの一部とともに凝縮水を収集する。このようにして、収集管12は、上記冷却後の燃焼用ガスのガス圧力と上記凝縮水とを収集する。収集された凝縮水は、収集管12により、上記冷却後の燃焼用ガスの一部とともに凝縮水チャンバ13へ導かれる。
凝縮水チャンバ13は、上述した凝縮水を貯留するとともに、貯留した凝縮水を供給先装置へ圧送するための圧力を蓄積する圧力容器である。図1に示すように、凝縮水チャンバ13は、冷却器4および気液分離装置5に比べて低い位置に配置され、収集管12を介して冷却器4および気液分離装置5の各々と連通している。凝縮水チャンバ13には、冷却器4および気液分離装置5の各々から収集管12を通じて、上述した凝縮水が冷却後の燃焼用ガスの一部とともに流入する。凝縮水チャンバ13は、収集管12を通じて、上記流入した凝縮水(図1に示す凝縮水Wa)を貯留するとともに、上記流入した燃焼用ガスのガス圧力を蓄積する。
また、図1に示すように、凝縮水チャンバ13の上部には、ドレン管6が接続されている。ドレン管6は、凝縮水チャンバ13内の凝縮水Waのうち、凝縮水チャンバ13の上限水位を超えて貯留される凝縮水の過剰分を凝縮水チャンバ13から排出する。例えば、ドレン管6は、出口端が下方を向くように舶用ディーゼルエンジン1に設けられ、上記凝縮水の過剰分を凝縮水チャンバ13から舶用ディーゼルエンジン1の下方へ排出する。一方、このドレン管6の下端近傍部分には、図1に示すように、出口オリフィス7が設けられている。出口オリフィス7は、ドレン管6の出口部分を狭めるものであり、上記ドレン管6による排水機能を確保しながら、凝縮水チャンバ13に蓄積されるガス圧力の過度な低下を防止する。
ここで、本実施形態では、図1に示すように、凝縮水チャンバ13と冷却器4および気液分離装置5とは、収集管12を介して連通している。また、過給機3の圧縮機3aと冷却器4とは給気管112を介して連通し、冷却器4と気液分離装置5とは給気管113を介して連通し、気液分離装置5とエンジン本体2の掃気トランク2bとは給気管114を介して連通している。このような構造において、凝縮水チャンバ13に蓄積されるガス圧力は、冷却器4、気液分離装置5、収集管12および給気管112〜114の各内部を流通する燃焼用ガスのガス圧力に相当する。また、これらの各内部における燃焼用ガスのガス圧力は、掃気トランク2bに給気される燃焼用ガスのガス圧力に相当する。すなわち、本実施形態において、凝縮水チャンバ13に蓄積されるガス圧力は、エンジン本体2の掃気圧Pに相当する。なお、上述した出口オリフィス7は、この凝縮水チャンバ13内のガス圧力の過度な低下を防止することにより、エンジン本体2の掃気圧Pの低下を抑制することができる。
また、エンジン本体2の掃気圧Pは、掃気トランク2b内の燃焼用ガスのガス圧力であり、排ガスを利用して駆動する過給機3の圧縮機3aが燃焼用ガスを加圧圧縮することによって得られる。このような掃気圧Pは、エンジン負荷との間に所定の相関関係を有する。図2は、本発明の実施形態におけるエンジン本体のエンジン負荷と掃気圧との相関関係の一例を示す図である。エンジン本体2のエンジン負荷Xと掃気圧Pとの間には、図2中の相関線Yによって例示される相関関係がある。特に、上述したEGR装置10が運転する場合におけるエンジン負荷Xの範囲(本実施形態では基準エンジン負荷(=20%)以上、100%以下)では、図2に示すように、掃気圧Pは、エンジン負荷Xの上昇に伴って上昇し、エンジン負荷Xの低下に伴って低下する。例えば、相関線Yは、エンジン負荷Xと掃気圧Pとの相関関係に基づき、最小二乗法等の手法により、以下に示す関数によって表される。

掃気圧P=0.003×(エンジン負荷X)−0.04

この関数に基づき、掃気圧Pは、エンジン負荷Xが100%である場合、約0.3MPaであり、エンジン負荷Xが25%である場合、約0.05MPaである。また、掃気圧Pは、エンジン負荷Xが基準エンジン負荷(例えば20%)である場合、約0.03MPaである。
給水管14は、凝縮水チャンバ13に貯留された凝縮水Waを供給先装置へ供給するための配管の一例である。図1に示すように、給水管14は、凝縮水チャンバ13と凝縮水Waの供給先装置とを連通するように配置されている。本実施形態において、凝縮水Waの供給先装置は、例えば、EGR装置10における排ガスの一部の洗浄に用いられたスクラバ水Wbを回収する回収タンク10dである。詳細には、給水管14は、入口端が凝縮水チャンバ13の所定部分に接続され且つ出口端が回収タンク10dの給水口に接続され、凝縮水チャンバ13と回収タンク10dとの間でヘッド差hが生じるように配置されている。本実施形態では、例えば図1に示すように、凝縮水チャンバ13の、給水管14の入口端が接続される所定部分は、凝縮水チャンバ13の底部近傍の側壁部である。回収タンク10dの、給水管14の出口端が接続される給水口は、回収タンク10dの上端近傍の側壁部に形成されている。凝縮水Waは、凝縮水チャンバ13に蓄積されたガス圧力を利用して、凝縮水チャンバ13から給水管14を通じて回収タンク10dへ圧送される。これにより、凝縮水Waは、回収タンク10dへ供給される。
ここで、ヘッド差とは、凝縮水Waの供給元装置である凝縮水チャンバ13の水頭と、凝縮水Waの供給先装置の水頭との高低差として定義される。すなわち、本実施形態では、図1に示すように、凝縮水チャンバ13と回収タンク10dとのヘッド差hは、凝縮水チャンバ13の水位と給水管14の出口水位との高低差になる。例えば、凝縮水チャンバ13の水位は、凝縮水チャンバ13に貯留されている凝縮水Waの液面Saの高さ方向位置である。給水管14の出口水位は、給水管14の出口部分(回収タンク10dの給水口)における内壁上端の高さ方向位置である。これら凝縮水チャンバ13の水位および給水管14の出口水位の基準位置は、互いに同じであり、例えば、凝縮水チャンバ13の底面である。
また、本実施形態において、ヘッド差hは、所望の期間中に凝縮水チャンバ13内のガス圧力を利用して凝縮水チャンバ13から供給先装置へ凝縮水Waを圧送し得るように設定される。例えば、供給先装置がEGR装置10の回収タンク10dである場合、ヘッド差hは、EGR装置10の運転中に回収タンク10dへの凝縮水Waの圧送が可能となるように設定される。上述したように、EGR装置10は、エンジン負荷Xが基準エンジン負荷以上である場合に運転する。すなわち、EGR装置10の運転中におけるエンジン負荷Xの最低値は、上述した基準エンジン負荷(本実施形態では20%)である。また、凝縮水チャンバ13内のガス圧力は、上述したように、エンジン本体2の掃気圧Pに相当する。したがって、ヘッド差hは、基準エンジン負荷に対応するヘッド差以下に設定される。この基準エンジン負荷に対応するヘッド差とは、基準エンジン負荷に応じて決まる掃気圧Pを利用して水を圧送することができる低位の供給元装置の水頭と高位の供給先装置の水頭との高低差である。例えば、図2に示したエンジン負荷Xと掃気圧Pとの相関関係に基づけば、基準エンジン負荷(=20%)に応じて決まる掃気圧Pは約0.03MPaであるから、基準エンジン負荷に対応するヘッド差は、水柱換算で3mとなる。以上より、凝縮水チャンバ13と回収タンク10dとのヘッド差hは、3m以下である。
上述したようにヘッド差hが設定された場合、供給先装置の一例である回収タンク10dは、ヘッド差h(凝縮水チャンバ13の水位と給水管14の出口水位とのヘッド差)が基準エンジン負荷に対応するヘッド差(=3m)以下となり得るように配置される。具体的には、図1に示すように、回収タンク10dは、ヘッド差hが3m以下となるように、凝縮水チャンバ13に比べて高い位置に配置されている。
供給弁15は、供給先装置へ凝縮水Waを圧送するための給水管を開状態または閉状態にする供給弁の一例である。本実施形態では、図1に示すように、供給弁15は、給水管14の中途部に設けられている。供給弁15は、制御装置19の制御に基づいて開閉駆動し、これにより、給水管14を開状態または閉状態にする。
圧力検出部16は、供給先装置への凝縮水Waの圧送に利用されるガス圧力を検出するものである。例えば、図1に示すように、圧力検出部16は、エンジン本体2の掃気トランク2b内に設けられる。本実施形態において、圧力検出部16は、回収タンク10dへの凝縮水Waの圧送に利用されるガス圧力として、凝縮水チャンバ13内のガス圧力に相当する掃気トランク2b内のガス圧力、すなわち、エンジン本体2の掃気圧Pを検出する。その都度、圧力検出部16は、検出したガス圧力(掃気圧P)を示す電気信号を制御装置19に送信する。
チャンバ水位検出部17は、凝縮水チャンバ13の水位を検出する水位検出部の一例である。例えば、図1に示すように、チャンバ水位検出部17は、凝縮水チャンバ13に設けられ、凝縮水チャンバ13に予め設定された下限水位Laの位置に検出子を有する。凝縮水チャンバ13の下限水位Laは、給水管14を通じての凝縮水Waの圧送を安定して行えるという観点から、給水管14の入口部分における内壁上端の位置または当該位置よりも高位に設定されることが好ましい。本実施形態において、チャンバ水位検出部17は、凝縮水チャンバ13の水位が凝縮水チャンバ13の下限水位La以上であるか否かを検出する。具体的には、チャンバ水位検出部17は、凝縮水チャンバ13内の凝縮水Waの液面Saが下限水位La以上の高位に位置するか否かを検出する。その都度、チャンバ水位検出部17は、凝縮水チャンバ13の水位の検出結果を示す電気信号を制御装置19に送信する。
タンク水位検出部18bは、水処理装置18の水処理用タンク18aの水位を検出する水位検出部の一例である。例えば、図1に示すように、タンク水位検出部18bは、水処理用タンク18aに設けられ、水処理用タンク18aに予め設定された上限水位Hbおよび下限水位Lbの各位置に検出子を有する。本実施形態において、タンク水位検出部18bは、水処理用タンク18aの水位が水処理用タンク18aの上限水位Hb以上、下限水位Lb以上かつ上限水位Hb未満、下限水位Lb未満のいずれであるかを検出する。具体的には、タンク水位検出部18bは、水処理用タンク18a内のスクラバ水(図1ではスクラバ水Wc)の液面Sbが上限水位Hb以上、下限水位Lb以上かつ上限水位Hb未満、下限水位Lb未満のいずれに位置するかを検出する。その都度、タンク水位検出部18bは、水処理用タンク18aの水位の検出結果を示す電気信号を制御装置19に送信する。
水処理装置18は、排ガスの洗浄に使用されたスクラバ水をEGR装置10から回収して浄化処理し、浄化処理後のスクラバ水をEGR装置10へ供給する装置の一例である。本実施形態では、図1に示すように、水処理装置18は、水処理用タンク18aと、循環管131、132とを備え、舶用ディーゼルエンジン1の外部に設けられる。水処理用タンク18aは、排ガスの洗浄に使用されたスクラバ水を回収して浄化処理するために用いられるタンクである。循環管131、132は、EGR装置10と水処理装置18との間でスクラバ水を循環させるための配管である。水処理装置18は、循環管131を通じてEGR装置10の回収タンク10dから使用後のスクラバ水Wbを受け入れる。水処理装置18は、この受け入れたスクラバ水Wbを水処理用タンク18a内に回収して貯留し、水処理用タンク18a内に貯留したスクラバ水Wbを浄化処理することにより、浄化処理後のスクラバ水Wcを得る。図1には、浄化処理後のスクラバ水Wcを貯蔵した状態の水処理用タンク18aが図示されている。水処理装置18は、ポンプ(図示せず)の作用により、循環管132を通じて水処理用タンク18aからスクラバ水Wcをスクラバ10aへ圧送供給する。
制御装置19は、水供給装置11の水供給の実行および停止を制御する装置の一例である。本実施形態において、制御装置19は、凝縮水チャンバ13と回収タンク10dとを連通する給水管14に設けられた供給弁15の開閉駆動を制御する。具体的には、制御装置19は、各種プログラムを実行するためのCPU、メモリおよびシーケンサ等によって構成される。制御装置19は、圧力検出部16、チャンバ水位検出部17およびタンク水位検出部18b等から電気信号を受信し、受信した電気信号およびエンジン本体2のエンジン負荷Xに基づいて、供給弁15の開閉駆動を制御する。
例えば、制御装置19は、凝縮水チャンバ13と回収タンク10dとのヘッド差圧P(h)と、圧力検出部16によって検出されたガス圧力(本実施形態では掃気圧P)との大小関係を判断する。制御装置19は、検出されたガス圧力がヘッド差圧P(h)に比べて大きい場合、供給弁15を開状態に制御し、検出されたガス圧力がヘッド差圧P(h)以下である場合、供給弁15を閉状態に制御する。
ここで、ヘッド差hは、凝縮水チャンバ13の水位(凝縮水Waの液面Saの高さ方向位置)が凝縮水Waの貯留と圧送とのバランスに応じて変化することから、当該水位の変化に伴い増減する。例えば、ヘッド差hは、凝縮水Waの液面Saが凝縮水チャンバ13の下限水位Laに向かって低下するに伴い増大し、凝縮水Waの液面Saが凝縮水チャンバ13の下限水位Laに位置する場合に最大値となる。本実施形態では、ヘッド差hの一例として、上記最大値が用いられる。すなわち、ヘッド差圧P(h)は、凝縮水チャンバ13と回収タンク10dとの間で取り得るヘッド差hの所定範囲のうち最大値に相当する圧力とする。あるいは、チャンバ水位検出部17が凝縮水チャンバ13の水位を連続的または所定時間毎に断続的に検出するように構成され、ヘッド差圧P(h)は、チャンバ水位検出部17によって検出された凝縮水チャンバ13の水位と給水管14の出口水位とのヘッド差hに相当する圧力としてもよい。
また、制御装置19は、チャンバ水位検出部17によって検出された凝縮水チャンバ13の水位が凝縮水チャンバ13の下限水位La以上である場合、全ての供給弁(本実施形態では供給弁15)について、上述したヘッド差圧P(h)と検出されたガス圧力との大小関係に基づく開閉状態の制御を行う。一方、制御装置19は、チャンバ水位検出部17によって検出された凝縮水チャンバ13の水位が凝縮水チャンバ13の下限水位La未満である場合、全ての供給弁(供給弁15)を閉状態に制御する。
また、制御装置19は、タンク水位検出部18bによって検出された水処理用タンク18aの水位が水処理用タンク18aの上限水位Hb未満である場合、全ての供給弁(供給弁15)について、上述したヘッド差圧P(h)と検出されたガス圧力との大小関係に基づく開閉状態の制御を行う。一方、制御装置19は、タンク水位検出部18bによって検出された水処理用タンク18aの水位が水処理用タンク18aの上限水位Hb以上である場合、全ての供給弁(供給弁15)を閉状態に制御する。
また、制御装置19は、エンジン本体2のエンジン負荷Xが上述の基準エンジン負荷以上である場合、すなわち、EGR装置10が運転中である場合、全ての供給弁(供給弁15)について、上述したヘッド差圧P(h)と検出されたガス圧力との大小関係に基づく開閉状態の制御を行う。一方、制御装置19は、エンジン本体2のエンジン負荷Xが上述の基準エンジン負荷未満である場合、すなわち、EGR装置10が運転停止中である場合、全ての供給弁(供給弁15)を閉状態に制御する。
つぎに、本発明の実施形態に係る水供給装置11による水供給方法について説明する。図3は、本発明の実施形態に係る水供給方法の一例を示すフロー図である。本実施形態に係る水供給方法は、図1に示した舶用ディーゼルエンジン1に適用される排ガス処理の水供給方法である。この水供給方法では、上述した水供給装置11が、図3に例示されるステップS101〜S108の各処理を適宜行うことにより、凝縮水チャンバ13内の蓄圧を利用して供給先装置の一例である回収タンク10dへの凝縮水Waの供給または供給停止を行う。
詳細には、本実施形態に係る水供給方法において、水供給装置11は、図3に示すように、エンジン本体2の掃気圧下で凝縮水を収集する(ステップS101)。このステップS101において、収集管12は、冷却器4による冷却後の燃焼用ガスから発生した凝縮水と当該冷却後の燃焼用ガスのガス圧力とを収集する。
具体的には、収集管12は、冷却器4の内部に溜まった凝縮水を冷却後の燃焼用ガスの一部とともに冷却器4から収集し、収集した凝縮水と燃焼用ガスとを冷却器4から凝縮水チャンバ13へ導く。これに並行して、収集管12は、気液分離装置5が冷却後の燃焼用ガスから分離した凝縮水を当該冷却後の燃焼用ガスの一部とともに気液分離装置5から収集し、収集した凝縮水と燃焼用ガスとを気液分離装置5から凝縮水チャンバ13へ導く。本実施形態において、冷却後の燃焼用ガスのガス圧力は、エンジン本体2の掃気圧Pに相当する。すなわち、ステップS101において、収集管12は、掃気圧Pのガス圧力を有する燃焼用ガスの一部が混ざった状態の凝縮水を、冷却器4および気液分離装置5の各々から収集して凝縮水チャンバ13へ導いている。
上述したステップS101を実行後、水供給装置11は、掃気圧Pとともに凝縮水を貯留する(ステップS102)。このステップS102において、水供給装置11は、収集管12によって収集した凝縮水を凝縮水チャンバ13に貯留するとともに、この凝縮水とともに収集した燃焼用ガスのガス圧力を凝縮水チャンバ13に蓄積する。具体的には、凝縮水チャンバ13は、冷却器4から収集管12を通じて、冷却後の燃焼用ガスから発生した凝縮水を当該冷却後の燃焼用ガスの一部とともに受け入れる。これに加え、凝縮水チャンバ13は、気液分離装置5から収集管12を通じて、冷却後の燃焼用ガスから分離された凝縮水を当該冷却後の燃焼用ガスの一部とともに受け入れる。凝縮水チャンバ13は、このように受け入れた凝縮水を貯留するとともに、この凝縮水と混ざっていた冷却後の燃焼用ガスのガス圧力を蓄積する。本実施形態において、凝縮水チャンバ13は、図1に示したように、この蓄積したガス圧力が掛かった状態(図1中の太線矢印参照)で凝縮水Waを貯留する。
上述したステップS102を実行後、水供給装置11は、EGR装置10が運転中であるか否かを判断する(ステップS103)。このステップS103において、制御装置19は、エンジン本体2のエンジン負荷Xをもとに、EGR装置10が運転中であるか否かを判断する。
例えば、本実施形態において、EGR装置10は、エンジン負荷Xが上述した排ガス規制に基づく基準エンジン負荷以上である場合に運転し、エンジン負荷Xが基準エンジン負荷未満である場合に運転停止する。これに基づき、制御装置19は、エンジン負荷Xが基準エンジン負荷以上である場合、EGR装置10は運転中であると判断し、エンジン負荷Xが基準エンジン負荷未満である場合、EGR装置10は運転停止中であると判断する。なお、エンジン負荷Xは、例えば、エンジン本体2の単位時間当たりのエンジン回転数と1サイクルの燃料噴射量とをもとに算出することができる。制御装置19は、エンジン本体2の制御装置またはセンサ(いずれも図示せず)から上記エンジン回転数および上記燃料噴射量を取得し、これらの取得した情報をもとにエンジン負荷Xを導出してもよいし、エンジン本体2の制御装置からエンジン負荷Xを取得してもよい。
上述したステップS103においてEGR装置10が運転中であると判断された場合(ステップS103,Yes)、水供給装置11は、凝縮水チャンバ13の水位が凝縮水チャンバ13の下限水位La以上であるか否か判断する(ステップS104)。
このステップS104において、水供給装置11は、凝縮水チャンバ13の水位が下限水位La以上であるか否かをチャンバ水位検出部17によって検出する。チャンバ水位検出部17は、凝縮水チャンバ13の水位の検出結果を示す電気信号を制御装置19に送信する。制御装置19は、チャンバ水位検出部17からの電気信号を受信し、この受信した電気信号によって示される凝縮水チャンバ13の水位の検出結果をもとに、凝縮水チャンバ13の水位が下限水位La以上であるか否かを判断する。
具体的には、制御装置19は、凝縮水チャンバ13の水位が下限水位La以上であるという検出結果を示す電気信号をチャンバ水位検出部17から受信した場合、凝縮水チャンバ13の水位が下限水位La以上であると判断する。また、制御装置19は、凝縮水チャンバ13の水位が下限水位La未満であるという検出結果を示す電気信号をチャンバ水位検出部17から受信した場合、凝縮水チャンバ13の水位が下限水位La以上ではない(下限水位La未満である)と判断する。
上述したステップS104において凝縮水チャンバ13の水位が下限水位La以上であると判断された場合(ステップS104,Yes)、水供給装置11は、水処理用タンク18aの水位が水処理用タンク18aの上限水位Hb未満であるか否か判断する(ステップS105)。
このステップS105において、水供給装置11は、水処理用タンク18aの水位が上限水位Hb未満であるか否かをタンク水位検出部18bによって検出する。タンク水位検出部18bは、水処理用タンク18aの水位の検出結果を示す電気信号を制御装置19に送信する。制御装置19は、タンク水位検出部18bからの電気信号を受信し、この受信した電気信号によって示される水処理用タンク18aの水位の検出結果をもとに、水処理用タンク18aの水位が上限水位Hb未満であるか否かを判断する。
具体的には、制御装置19は、水処理用タンク18aの水位が上限水位Hb未満であるという検出結果を示す電気信号をタンク水位検出部18bから受信した場合、水処理用タンク18aの水位が上限水位Hb未満であると判断する。また、制御装置19は、水処理用タンク18aの水位が上限水位Hb以上であるという検出結果を示す電気信号をタンク水位検出部18bから受信した場合、水処理用タンク18aの水位が上限水位Hb未満ではない(上限水位Hb以上である)と判断する。
上述したステップS105において水処理用タンク18aの水位が上限水位Hb未満であると判断された場合(ステップS105,Yes)、水供給装置11は、凝縮水チャンバ13に蓄積されているガス圧力とヘッド差圧P(h)との大小関係を判断する(ステップS106)。ヘッド差圧P(h)は、凝縮水チャンバ13の水位と給水管14の出口水位とのヘッド差h(図1参照)に相当する圧力である。
このステップS106において、水供給装置11は、凝縮水チャンバ13内の凝縮水Waに掛かるガス圧力を圧力検出部16によって検出する。圧力検出部16は、このガス圧力として、例えば、掃気トランク2b内の燃焼用ガスのガス圧力(すなわちエンジン本体2の掃気圧P)を検出し、この検出した掃気圧Pを示す電気信号を制御装置19に送信する。制御装置19は、圧力検出部16からの電気信号を受信し、この受信した電気信号によって示される検出圧力(本実施形態では掃気圧P)とヘッド差圧P(h)とを比較する。これにより、制御装置19は、これらの掃気圧Pとヘッド差圧P(h)との大小関係を判断する。
上述したステップS106において、検出された掃気圧Pがヘッド差圧P(h)に比べて大きいと制御装置19が判断した場合(ステップS106,Yes)、水供給装置11は、供給弁15を開いて凝縮水Waを供給先装置へ圧送する(ステップS107)。このステップS107において、制御装置19は、供給弁15を開状態に制御する。供給弁15は、この制御装置19の制御に基づいて開駆動し、これにより、給水管14を開放する。この結果、水供給装置11は、凝縮水チャンバ13に蓄積されたガス圧力(=掃気圧P)を利用して、凝縮水チャンバ13から給水管14を通じて回収タンク10dへ凝縮水Waを圧送供給する。
一方、上述したステップS106において、検出された掃気圧Pがヘッド差圧P(h)以下であると制御装置19が判断した場合(ステップS106,No)、水供給装置11は、供給弁15を閉じる(ステップS108)。このステップS108において、制御装置19は、供給弁15を閉状態に制御する。供給弁15は、この制御装置19の制御に基づいて閉駆動し、これにより、給水管14を閉塞する。この結果、水供給装置11は、凝縮水チャンバ13から回収タンク10dへの凝縮水Waの圧送供給を停止する。
上述したステップS107またはステップS108を実行後、水供給装置11は、上述したステップS101に戻り、このステップS101以降の処理を繰り返す。また、上述したステップS103においてEGR装置10が運転中ではないと判断された場合(ステップS103,No)、水供給装置11は、上述したステップS108に進み、このステップS108以降の処理を繰り返す。また、上述したステップS104において凝縮水チャンバ13の水位が下限水位La以上ではないと判断された場合(ステップS104,No)、水供給装置11は、上述したステップS108に進み、このステップS108以降の処理を繰り返す。また、上述したステップS105において水処理用タンク18aの水位が上限水位Hb未満ではないと判断された場合(ステップS105,No)、水供給装置11は、上述したステップS108に進み、このステップS108以降の処理を繰り返す。
以上、説明したように、本発明の実施形態に係る排ガス処理の水供給装置11では、過給機3によって加圧圧縮され且つ冷却器4によって冷却された燃焼用ガス(冷却後の燃焼用ガス)から発生した凝縮水と、この冷却後の燃焼用ガスによるガス圧力とを収集管12によって収集し、収集した凝縮水を凝縮水チャンバ13に貯留するとともに、エンジン本体2の掃気圧Pに相当する当該ガス圧力を凝縮水チャンバ13に蓄積し、凝縮水チャンバ13に蓄積されたガス圧力を利用して、凝縮水チャンバ13から給水管14を通じて供給先装置の一例である回収タンク10dへ凝縮水Waを圧送している。上記の構成により、タンクから配管を通じて供給先装置へ給水する際に従来必要とされていたポンプおよびこれの付帯設備を設置しなくとも、舶用ディーゼルエンジン1の掃気圧Pに相当する燃焼用ガスのガス圧力を凝縮水Waの圧送に有効利用して、凝縮水チャンバ13から給水管14を通じてEGR装置10の回収タンク10dへ凝縮水Waを供給することができる。このため、上記ポンプおよびこれに付帯設備の設置に要したスペースを省くことができるとともに、凝縮水Waの貯留容器として従来のタンクを、これよりも小型の凝縮水チャンバ13に置き換えることができる。
また、舶用ディーゼルエンジン1の排ガス処理を担うEGR装置10は、エンジン本体2のエンジン負荷Xが所定の基準エンジン負荷以上(例えば20%以上)である場合に運転するようにし、供給先装置(回収タンク10d)は、凝縮水チャンバ13の水位と給水管14の出口水位とのヘッド差hが上記基準エンジン負荷に対応するヘッド差以下(例えば水柱換算で3m以下)となり得る位置に配置されている。上記の構成により、凝縮水Waの圧送に利用される掃気圧Pが、たとえ基準エンジン負荷に応じた掃気圧、すなわち、EGR装置10の運転時におけるエンジン負荷Xの最低値に応じて決まる掃気圧であっても、供給先装置への凝縮水Waの圧送を行うことができる。このため、舶用ディーゼルエンジン1の国際的な排ガス規制に基づいてEGR装置10の運転が義務付けられるエンジン負荷の範囲(25%以上)において、回収タンク10dに対し、掃気圧Pを利用して凝縮水Waを確実に圧送供給することが可能となる。
ここで、排ガス処理の水供給に必要な設備の設置スペースを省スペース化するためにポンプおよび付帯設備を省いた場合、当該ポンプの代わりに凝縮水を圧送するための圧力が必要となる。このような圧力として、シリンダ内の掃気等を行うべくエンジン本体2へ給気される燃焼用ガスのガス圧力、すなわち、エンジン本体2の掃気圧Pが有効である。掃気圧Pはエンジン負荷Xの低下に伴って低下するが、上記ヘッド差hが成り立つように供給先装置を配置することにより、EGR装置10の運転中において凝縮水Waの圧送に必要な掃気圧Pを安定して得ることができる。
以上の結果、供給先装置への水供給機能を低下させることなく、この水供給機能に必要なチャンバや配管等の設備の設置スペースを省スペース化することができる。特に、供給先装置が回収タンク10dである場合、EGR装置10に対してスクラバ水の不足分を補うように凝縮水Waを効率よく圧送供給することができる。
なお、上述した実施形態では、EGR装置10の回収タンク10dを凝縮水Waの供給先装置としていたが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、本発明における凝縮水Waの供給先装置は、排ガスの一部をスクラバ水を用いて洗浄するスクラバ10aであってもよいし、スクラバ水を回収するためのデミスタ10bまたは回収タンク10dであってもよいし、排ガスの一部の洗浄に用いられたスクラバ水を浄化処理するための水処理用タンク18aであってもよい。あるいは、凝縮水Waの供給先装置は、これらのスクラバ10a、デミスタ10b、回収タンク10dおよび水処理用タンク18aのうち少なくとも一つであってもよい。例えば、凝縮水Waの供給先装置がスクラバ10aである場合、凝縮水チャンバ13から給水管14を通じてスクラバ10aに供給された凝縮水は、スクラバ10a自体(例えば噴射ノズルやフィルタ等)を洗浄するために用いられるとともに、排ガスを洗浄する効果も奏する。
また、上述した実施形態では、EGR装置10を運転させるか否かの基準となる基準エンジン負荷を20%としていたが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、基準エンジン負荷は、舶用ディーゼルエンジンの国際的な排ガス規制によってEGR装置の運転が義務付けられているエンジン負荷の最低値(=25%)と同じ値であってもよいし、この最低値未満となる所望の値であってもよい。
また、上述した実施形態では、凝縮水チャンバ13と供給先装置とのヘッド差hを、基準エンジン負荷が20%であることに基づいて3m以下としていたが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、上記ヘッド差hは、舶用ディーゼルエンジンの国際的な排ガス規制によってEGR装置の運転が義務付けられているエンジン負荷の最低値に対応するヘッド差未満、すなわち、当該エンジン負荷の最低値に応じて決まる掃気圧を利用して水を圧送することができる低位の供給元装置の水頭と高位の供給先装置の水頭との高低差未満であってもよい。
また、上述した実施形態では、凝縮水Waに加わるガス圧力(エンジン本体2の掃気圧Pに相当するガス圧力)を検出する圧力検出部16がエンジン本体2の掃気トランク2bに配置されていたが、本発明は、これに限定されるものではない。本発明において、圧力検出部16の配置箇所は、上記ガス圧力を検出し得る箇所であればよく、例えば、冷却器4であってもよいし、気液分離装置5であってもよいし、凝縮水チャンバ13であってもよいし、収集管12であってもよいし、給気管113、114であってもよい。
また、上述した実施形態では、デミスタ10bとは別体の回収タンク10dを備えたEGR装置10を例示したが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、デミスタ10bは、回収タンク10dと一体化された構造のものであってもよく、排ガスの洗浄に使用されたスクラバ水Wbを再循環ガスから分離回収して貯留するものであってもよい。
また、上述した実施形態により本発明が限定されるものではない。上述した各構成要素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。その他、上述した実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施形態、実施例および運用技術等は全て本発明の範疇に含まれる。
1 舶用ディーゼルエンジン
2 エンジン本体
2a シリンダ
2b 掃気トランク
2c 排気マニホールド
3 過給機
3a 圧縮機
3b タービン
3c 回転軸
4 冷却器
5 気液分離装置
6 ドレン管
7 出口オリフィス
10 EGR装置
10a スクラバ
10b デミスタ
10c EGRブロワ
10d 回収タンク
10e 回収管
10f ポンプ
11 水供給装置
12 収集管
12a 第1収集管
12b 第2収集管
13 凝縮水チャンバ
14 給水管
15 供給弁
16 圧力検出部
17 チャンバ水位検出部
18 水処理装置
18a 水処理用タンク
18b タンク水位検出部
19 制御装置
101、102 排気管
111 給気部
112、113、114 給気管
121、122 EGR管
131、132 循環管
Sa、Sb 液面
Wa 凝縮水
Wb、Wc スクラバ水

Claims (7)

  1. 燃焼用ガスを加圧圧縮する過給機と、加圧圧縮後の前記燃焼用ガスを冷却する冷却器と、冷却後の前記燃焼用ガスを用いてシリンダ内の掃気と燃料燃焼によるピストンの往復運動とを行うエンジン本体と、前記エンジン本体から排出された排ガスの一部を洗浄して前記エンジン本体へ再循環させるEGR装置と、を備える舶用ディーゼルエンジンに適用される排ガス処理の水供給装置であって、
    前記冷却器による冷却後の前記燃焼用ガスから発生した凝縮水と冷却後の前記燃焼用ガスによるガス圧力とを収集する収集管と、
    前記収集管を通じて、前記凝縮水を貯留するとともに、前記エンジン本体の掃気圧に相当する前記ガス圧力を蓄積する凝縮水チャンバと、
    前記凝縮水チャンバと前記凝縮水の供給先装置とを連通する給水管と、
    を備え、
    前記EGR装置は、前記エンジン本体のエンジン負荷が所定の基準エンジン負荷以上である場合に運転し、
    前記供給先装置は、前記凝縮水チャンバの水位と前記給水管の出口水位とのヘッド差が前記基準エンジン負荷に対応するヘッド差以下となり得る位置に配置され、
    前記凝縮水は、前記凝縮水チャンバに蓄積された前記ガス圧力を利用して、前記凝縮水チャンバから前記給水管を通じて前記供給先装置へ圧送される、
    ことを特徴とする排ガス処理の水供給装置。
  2. 前記供給先装置は、前記凝縮水チャンバに比べて高い位置に配置されている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の排ガス処理の水供給装置。
  3. 前記凝縮水チャンバの水位と前記給水管の出口水位とのヘッド差は3m以下である、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の排ガス処理の水供給装置。
  4. 前記凝縮水チャンバは、前記冷却器に比べて低い位置に配置されている、
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の排ガス処理の水供給装置。
  5. 前記供給先装置は、前記排ガスの一部の洗浄に用いられたスクラバ水を回収する回収タンクである、
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の排ガス処理の水供給装置。
  6. 前記供給先装置は、前記排ガスの一部をスクラバ水を用いて洗浄するスクラバである、
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の排ガス処理の水供給装置。
  7. 前記供給先装置は、前記排ガスの一部の洗浄に用いられたスクラバ水を浄化処理するための水処理用タンクである、
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の排ガス処理の水供給装置。
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