JP6839848B2 - ゲル化剤、ゲル組成物、電解質、及び電気化学デバイス、並びにゲル化剤の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ゲル化剤、ゲル組成物、電解質、及び電気化学デバイス、並びにゲル化剤の製造方法に関する。本発明によれば、高いイオン伝導性及び優れた耐熱性を有する固体電解質を得ることができる。また、高い熱安定性を有する電気化学デバイスを提供することができる。
リチウムイオン二次電池などの非水電解質二次電池は、携帯電話、ビデオカメラ、及びノートパソコンなどの携帯型の電子機器の電源として汎用されている。更に、電気自動車、ハイブリッド自動車、及び大型蓄電デバイスの電源としても使用が広まってきている。
現在、これらの非水電解質二次電池の電解質としては、電解塩を非水系溶媒に溶解した液状電解質が使用されている。しかしながら、液状電解質は、可燃性の溶媒を含んでおり、液漏れが発生することもあり、安全性の向上が望まれている。
リチウムイオン二次電池の安全性を向上させるため、液状電解質にかわりに、ドライ系固体電解質を用いた全固体二次電池の開発が進められている。このような全固体二次電池では、ドライ系固体電解質として、難燃性のイオン液体、ゲル状電解質、高分子固体電解質が検討されている。しかしながら、液状電解質と同等の性能を示すドライ系固体電解質を用いた実用的な二次電池は得られていない。
前記の通り、リチウムイオン二次電池は、高電圧及び高容量を有し、二次電池として広く使用されている。しかしながら、リチウムの埋蔵量は豊富ではなく、リチウムイオン二次電池に代わり、埋蔵量の多いマグネシウムイオン二次電池の開発も積極的に進められている。マグネシウムイオン二次電池は取り扱いが容易であり、そして理論上の体積当たりの電気容量密度が大きいという特徴を有している。
しかしながら、実際には、安定かつ安全に充電及び放電を行うことのできる実用的な電解液は見つかっておらず、マグネシウムイオン二次電池は実用化されていない。更に、ドライ系固体電解質を用いてマグネシウムイオン二次電池を駆動させたことは、報告されていない。
「ソリッド・ステイト・イオニクス(Solid State Ionics)」(オランダ)2011年、第201巻、p.11−20 「極少量でイオン液体をゲル化する材料」[online]2012年11月7日掲載、独立行政法人産業技術総合研究所、検索日:2015年2月5日、[http://www.aist.go.jp/aist_j/new_research/nr20121107/nr20121107.html] 「ジャーナル・オブ・パワー・ソーシズ(Journal of Power Sources)」(オランダ)2015年、第293巻、p.831−834 「ポリマー・ゲルズ・アンド・ネットワークス(Polymer Gels and Networks)」(オランダ)1993年、第1巻、p.5−17
前記液状電解質の液漏れの問題を解決するため、イオン液体などの溶融塩をゲル化する技術が研究されている。溶融塩をゲル化する技術として、ゲル化剤として無機フィラーを添加してイオン液体をゲル化する方法が報告されている(非特許文献1)。しかしながら、この方法では、添加する無機フィラーの量が多いため、溶融塩のイオン伝導性が低下する問題があった。
また、前記のイオン伝導性の低下の問題を解決する方法として、特定の有機化合物を添加することによって、溶融塩をゲル化する方法が開示されている(非特許文献2)。しかしながら、この方法においては、有機化合物をゲル化剤として用いているため、ゲル化した溶融塩の耐熱性が低かった。
更に、前記非特許文献1及び2に記載の方法は、溶融塩を使用するものであり、溶融塩以外の塩を電解質として用いることはできなかった。
従って、本発明の目的は、溶融塩及び溶融塩以外の溶媒(塩)をゲル化できるゲル化剤を提供することである。また、高いイオン伝導性及び優れた耐熱性を有する固体電解質(ゲル化した塩)を提供することである。更に、本発明の目的は、液漏れがなく及び発熱等の少ない電気化学デバイスを提供することであり、特には、液体電解質と同等のレート特性を示す全固体二次電池を提供することである。
本発明者は、ゲル化剤について、鋭意研究した結果、驚くべきことに、平均直径10〜500nm、及び平均繊維長1〜50μmである無機ナノファイバーを含むゲル化剤が、溶融塩を含む多くの溶媒(塩)の粘性を増加させることが可能であり、そしてそれらの溶媒(塩)をゲル化できることを見出した。また、得られたゲル組成物にイオンを含有させた電解質を用いることにより、優れた電池性能を示す二次電池、優れた蓄電性能を示すキャパシタ、及び高温で使用することのできる燃料電池が得られることを見出した。これらの電気化学デバイスは、液漏れがなく及び発熱等の少ないものであった。
本発明は、こうした知見に基づくものである。
従って、本発明は、
[1]平均直径10〜500nm、及び平均繊維長1〜50μmである無機ナノファイバーを含むゲル化剤、
[2]前記無機ナノファイバーが、SiOナノファイバー、TiOナノファイバー、ZnOナノファイバー、Alナノファイバー、ZrOナノファイバー及びそれらの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される無機ナノファイバーである、[1]に記載のゲル化剤、
[3]前記無機ナノファイバーが、非晶性無機ナノファイバー、又は非晶部分を含む無機ナノファイバーである、[1]又は[2]に記載のゲル化剤、
[4]溶媒及び[1]〜[3]のいずれかに記載のゲル化剤を含む、ゲル組成物、
[5]前記ゲル化剤の含有量が0.5〜10.0容量%である、[4]に記載のゲル組成物、
[6][4]又は[5]に記載のゲル組成物及びイオンを含む電解質、
[7]前記イオンがリチウムイオン、カルシウムイオン、ナトリウムイオン、マグネシウムイオン及び水素イオンからなる群から選択されるイオンである、[6]に記載の電解質、
[8][6]又は[7]に記載の電解質、正極活物質を含む正極電極、及び負極活物質を含む負極電極、を含む電気化学デバイス、
[9]非水電解質二次電池、電気二重層キャパシタ、ハイブリッドキャパシタ、又は燃料電池である、[8]に記載の電気化学デバイス、
[10](1)無機ナノファイバーに溶媒を添加し、そして超音波を印加することによって平均直径10〜500nm、及び平均繊維長1〜50μmである無機ナノファイバーを含む分散液を得る分散工程、及び(2)得られた分散液を乾燥させて、ゲル化剤を得る乾燥工程、を含むゲル化剤の製造方法、
[11]前記無機ナノファイバーが、SiOナノファイバー、TiOナノファイバー、ZnOナノファイバー、Alナノファイバー、ZrOナノファイバー及びそれらの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される無機ナノファイバーである、[10]に記載のゲル化剤の製造方法、及び
[12]前記無機ナノファイバーが、非晶性無機ナノファイバー、又は非晶部分を含む無機ナノファイバーである、[10]又は[11]に記載のゲル化剤の製造方法、
に関する。
なお、非特許文献3には、イオン液体ゲルにTiOフィラーを添加した電解質を用いたリチウムイオン二次電池が記載されている。しかしながら、このリチウムイオン二次電池は、充分なレート特性が得られていなかった。
本発明のゲル化剤によれば、水系溶媒、非水系溶媒、極性溶媒、及び無極性溶媒などの全ての溶媒をゲル化することが可能である。また、本発明のゲル化剤により得られたゲル組成物にイオンを含む電解質は、二次電池、燃料電池、又はキャパシタなどにおいて、電解質の液漏れを防止することができる。本発明の電解質は、最適な溶媒を選択することによって、高いイオン伝導性、難揮発性、難燃性、及び熱安定性などの性質を示し、従って、安全で、且つ優れた電池性能を示す二次電池、燃料電池、又はキャパシタなどの電気化学デバイスを提供することができる。また、本発明のゲル化剤に用いる無機ナノファイバーは、熱に対する耐性が高く、−95℃〜400℃の広い温度範囲で用いることができる。従って、本発明のゲル組成物は、広い温度範囲のアプリケーションに応用することが可能である。具体的には、本発明のゲル化剤を含む電解質を用いることにより、セパレータを必要とせず、電解質漏えいの危険がなく、更に熱的にも電解質成分の分解温度付近まで安定性を維持できる全固体二次電池を得ることができる。また、リチウムイオンを用いたリチウムイオン全固体二次電池においては、液体電解質と同等、又は更に優れたレート特性を得ることができる。更に、前記電解質を用いることにより、マグネシウム二次電池など多価イオン二次電池の駆動も可能である。前記電解質を用いた二次電池は、高温で使用することが可能である。
また、本発明の燃料電池は、高温で反応できるため、優れた発電効率を示す。更に、白金触媒以外の白金代替触媒を用いることができる。
SiOナノファイバー不織布の電子顕微鏡写真(A)及びSiOナノファイバー不織布から製造したゲル化剤の電子顕微鏡写真(B)である。 SiOナノファイバー不織布のゼータ電位を示す図である。 ゲル化剤及びEMITFSAのゲル組成物(A)、ゲル化剤及び水のゲル組成物(B)、ゲル化剤及びHSO水溶液(1M)のゲル組成物(C)、ゲル化剤及びエタノールのゲル組成物(D)、ゲル化剤及びヘキサンのゲル組成物(E)のバイアル倒立試験を示した写真である。 ゲル化剤及び水のゲル組成物の貯蔵弾性率(G’)及び損失弾性率(G”)を示したグラフである。 ゲル化剤及びHSO水溶液(1M)のゲル組成物のイオン伝導度の測定装置を示した図である。 ゲル化剤及びHSO水溶液(1M)のゲル組成物を用いて作製した電気二重層キャパシタを模式的に示した図である。 実施例7の電気二重層キャパシタのサイクリックボルタンメトリー及びレート特性を示したグラフである。 実施例7の電気二重層キャパシタのサイクリックボルタンメトリーを示したグラフである。 TiOナノファイバーを用いたゲル化剤と、水(左)又はヘキサン(右)とのゲル組成物のバイアル倒立試験を示した写真である。 Alナノファイバーを用いたゲル化剤と、水(左)又はヘキサン(右)とのゲル組成物のバイアル倒立試験を示した写真である。 ZnOナノファイバーを用いたゲル化剤と、水(左)又はヘキサン(右)とのゲル組成物のバイアル倒立試験を示した写真である。 電解液としてテトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート/プロピレンカーボネート溶液を用いたゲル組成物によって作製した電気二重層キャパシタのレート特性を示したグラフである。
〔1〕ゲル化剤
本発明のゲル化剤は、平均直径10〜500nm及び平均繊維長1〜50μmである無機ナノファイバーを含む。
《無機ナノファイバー》
本発明に用いる無機ナノファイバーは、特に限定されるものではないが、例えばSiOナノファイバー、TiOナノファイバー、ZnOナノファイバー、Alナノファイバー、ZrOナノファイバー又はそれらの組み合わせを挙げることができる。無機ナノファイバーの物性は、本発明の効果が得られる限りにおいて、特に限定されるものではないが、以下の物性を有する無機ナノファイバーが好ましい。
無機ナノファイバーの平均直径は10nm〜500nmであり、より好ましくは30nm〜300nmであり、更に好ましくは50nm〜200nmである。限定されるものではないが、平均直径が大きい場合、溶媒をゲル化させるためのゲル化剤の添加量が多くなる。逆に平均直径が小さい場合、溶媒をゲル化させるためのゲル化剤の添加量が少なくてもよい。
無機ナノファイバーの平均繊維長は、1μm〜50μmであり、より好ましくは2μm〜40μmであり、更に好ましくは3μm〜30μmである。
無機ナノファイバーが、前記の平均直径、及び平均繊維長、であることにより、溶媒を少量のゲル化剤でゲル化することができる。
本発明のゲル化剤に用いる無機ナノファイバーは、限定されるものではないが、好ましくは、非晶性無機ナノファイバー、又は非晶部分を含む無機ナノファイバーである。無機ナノファイバー中に含まれる結晶の比率が大きくなると、無機ナノファイバーの脆性が高くなるため、ゲル作製時に平均繊維長の低下を招くおそれがある。
非晶部分を含む無機ナノファイバーにおいて、非晶部分と結晶部分との比率は、本発明の効果が得られる限りにおいて特に限定されるものではないが、好ましくは非晶部分が10〜100重量%であり、より好ましくは50〜100重量%であり、更に好ましくは70〜100重量%であり、最も好ましくは100重量%である。
非晶部分と結晶部分との比率、すなわち、結晶化度は以下の方法により測定することができる。
CuKα線を使用するX線回折装置を用い、試料に入射するX線の方向と試料によって回折されるX線の角度の方向との間の角度が5°〜30°の範囲におけるX線回折パターンを得る。前記の角度が16°付近に、互いに重なり合った狭い幅のピーク及び広い幅のピークが得られる。重なり合った狭い幅のピーク及び広い幅のピークを、公知のピーク分離法によって分離し、狭い幅のピークを結晶部からの回折X線のピークとし、広い幅のピークを試料における非晶部からの回折X線のピークとする。結晶化度は下記の式から計算することができる。
結晶化度=(狭い幅のピークの面積)/{(狭い幅のピークの面積)+(広い幅のピークの面積)}×100
〔2〕ゲル組成物
本発明のゲル組成物は、溶媒及び前記ゲル化剤を含む。
《溶媒》
本発明のゲル組成物に用いる溶媒は、特に限定されるものではない。すなわち、前記ゲル化剤は、溶媒を限定することなく、ゲル化することができる。本発明のゲル組成物に用いる溶媒として、水系溶媒又は非水系溶媒を挙げることができる。また、本発明に用いる溶媒は、極性溶媒でもよく、非極性溶媒でもよい。すなわち、本発明のゲル化剤は、溶媒の分類方法に係わらず、溶媒をゲル化させ、ゲル組成物とすることができる。
水系溶媒としては、水を含むものであれば限定されるものではなく、従来公知の水系溶媒を挙げることができる。例えば水(例えば、純水、超純水、蒸留水、イオン交換水等)、化合物の水溶液(例えば、硫酸水溶液、塩酸水溶液)、又は水と有機溶媒との混合液を挙げることができる。水と混合できる有機溶媒としては、ブタノール、シクロヘキサノール等低級アルコール、低級ケトン、N−メチルピロリドン等の環状アミド類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等の直鎖状アミド類、アニソール、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類などを挙げることができる。非水系溶媒としては、水を含まないものであれば、特に限定されるものではないが、例えば有機溶媒を挙げることができる。有機溶媒としては、エタノール、メタノール、ヘキサン、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、1,2−ブチレンカーボネート、トランス−2,3−ブチレンカーボネート、シス−2,3−ブチレンカーボネート、1,2−ペンチレンカーボネート、トランス−2,3−ペンチレンカーボネート、シス−2,3−ペンチレンカーボネート、トリフルオロメチルエチレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート、又は1,2−ジフルオロエチレンカーボネート等の環状カーボネート、γ−ブチロラクトン、又はγ−バレロラクトン等のラクトン、メチルエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、メチルイソプロピルカーボネート、ジプロピルカーボネート、メチルブチルカーボネート、ジブチルカーボネート、エチルプロピルカーボネート、又はメチルトリフルオロエチルカーボネート等の鎖状カーボネート、アセトニトリル、プロピオノニトリル、ブチロニトリル、バレロニトリル、又はアクリロニトリル等のモノニトリル;メチルプロピオネート等の鎖状カルボン酸エステル、ジメトキシエタン等の鎖状エーテルカーボネート化合物などを挙げることができる。
極性溶媒としては、水、エチレングリコール、エタノール、シリコンオイル、四塩化炭素、クロロホルム、トルエン、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルメトキシアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルトリアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ピリジン、テトラメチレンスルホン、又はジメチルテトラメチレンスルホンなどを挙げることができる。
非極性溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、イソヘキサン、イソオクタン、イソドデカン、テトラデカン、シクロペンタン、シクロヘキサン、ケロシン、ナフテン、シクロヘプタン、メチルシクロヘキサン、流動パラフィン、又は石油類等の鎖状又は環状の脂肪族系炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン、アルキルベンゼン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンソフベントナフサ、フェニルキシリルエタン、又はジイソプロピルナフタレン等の芳香族系炭化水素を挙げることができる。
また、溶媒としてイオン液体などの溶融塩を用いることもできる。以下に本発明のゲル組成物の溶媒として用いることのできる溶融塩を例示する。
《溶融塩》
溶融塩は、カチオン及びアニオンからなる塩であり、高いイオン伝導率、広い電位窓、難揮発性、難燃性、及び熱安定性などの性質を示すものである。
本発明で用いることのできる溶融塩は、液体の状態になることができる限りにおいて、限定されるものではないが、例えばイオン液体を挙げることができる。本明細書において、イオン液体とは、融点が150℃以下の溶融塩を意味する。しかしながら、本明細書において、溶融塩は融点が150℃を超えるものを含む。また、明細書における溶融塩は、液体の状態となることができ、且つ結晶状態よりも柔軟性を持った固体状態になることができるプラスチック・クリスタル(柔粘性結晶)を含む。溶融塩の融点は、特に限定されるものではないが、本発明においては、−95〜400℃の溶融塩を用いることができる。溶融塩の融点の下限は、−95℃程度であるが、無機ナノファイバーは、0℃以下でも溶融塩の粘度を増加させることができる。また、400℃においても、無機ナノファイバーは、その機能を維持することが可能であり、溶融塩の粘度を増加させることができる。従って、本発明の溶融塩組成物は、−95〜400℃の範囲で、機能することができる。
(カチオン)
前記溶融塩を構成するカチオンは、特に限定されるものではないが、イミダゾリウムカチオン、ピリジニウムカチオン、ピペリジニウムカチオン、ピロリジニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、モルフォリニウムカチオン、スルホニウムカチオン又はアンモニウムカチオンを挙げることができる。
具体的なカチオンとして、1−エチルピリジニウムカチオン、1−ブチルピリジニウムカチオン、1−へキシルピリジニウムカチオン、1−ブチル−3−メチルピリジニウムカチオン、1−ブチル−4−メチルピリジニウムカチオン、1−へキシル−3−メチルピリジニウムカチオン、1−ブチル−3,4−ジメチルピリジニウムカチオン、1−エチル−3−ヒドロキシメチルピリジニウムカチオン、1,1−ジメチルピロリジニウムカチオン、1−エチル−1−メチルピロリジニウムカチオン、1−メチル−1−プロピルピロリジニウムカチオン、1−メチル−1−ブチルピロリジニウムカチオン、1−メチル−1−ペンチルピロリジニウムカチオン、1−メチル−1−へキシルピロリジニウムカチオン、1−メチル−1−ヘプチルピロリジニウムカチオン、1−エチル−1−プロピルピロリジニウムカチオン、1−エチル−1−ブチルピロリジニウムカチオン、1−エチル−1−ペンチルピロリジニウムカチオン、1−エチル−1−へキシルピロリジニウムカチオン、1−エチル−1−へプチルピロリジニウムカチオン、1,1−ジプロピルピロリジニウムカチオン、1−プロピル−1−ブチルピロリジニウムカチオン、1,1−ジブチルピロリジニウムカチオン、1−プロピルピペリジニウムカチオン、1−ペンチルピペリジニウムカチオン、1,1−ジメチルピペリジニウムカチオン、1−メチル−1−エチルピペリジニウムカチオン、1−メチル−1−プロピルピペリジニウムカチオン、1−メチル−1−ブチルピペリジニウムカチオン、1−メチル−1−ペンチルピペリジニウムカチオン、1−メチル−1−ヘキシルピペリジニウムカチオン、1−メチル−1−へプチルピペリジニウムカチオン、1−エチル−1−プロピルピペリジニウムカチオン、1−エチル−1−ブチルピペリジニウムカチオン、1−エチル−1−ペンチルピペリジニウムカチオン、1−エチル−1−ヘキシルピペリジニウムカチオン、1−エチル−1−へプチルピペリジニウムカチオン、1,1−ジプロピルピペリジニウムカチオン、1−プロピル−1−ブチルピペリジニウムカチオン、1,1−ジブチルピペリジニウムカチオン、2−メチル−1−ピロリンカチオン、1−エチル−2−フェニルインドールカチオン、1,2−ジメチルインドールカチオン、1−エチルカルバゾールカチオン、又はN−エチル−N−メチルモルフォリニウムカチオンを挙げることができる。
別の具体的なカチオンとして、1,3−ジメチルイミダゾリウムカチオン、1,3−ジエチルイミダゾリウムカチオン、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−へキシル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−オクチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−デシル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−ドデシル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−テトラデシル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウムカチオン、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムカチオン、1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムカチオン、1−へキシル−2,3−ジメチルイミダゾリウムカチオン、1−(2−ヒドロキシエチル)−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−アリル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウムカチオン、1,2,3−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウムカチオン、1,2,3,4−テトラメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウムカチオン、1,2,3,5−テトラメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウムカチオン、1,3−ジメチル−1,4−ジヒドロピリミジニウムカチオン、1,3−ジメチル−1,6−ジヒドロピリミジニウムカチオン、1,2,3−トリメチル−1,4−ジヒドロピリミジニウムカチオン、1,2,3−トリメチル−1,6−ジヒドロピリミジニウムカチオン、1,2,3,4−テトラメチル−1,4−ジヒドロピリミジニウムカチオン、又は1,2,3,4−テトラメチル−1,6−ジヒドロピリミジニウムカチオンを挙げることができる。
更に、別の具体的なカチオンとして、1−メチルピラゾリウムカチオン、3−メチルピラゾリウムカチオン、1−エチル−2−メチルピラゾリニウムカチオン、1−エチル−2,3,5−トリメチルピラゾリウムカチオン、1−プロピル−2,3,5−トリメチルピラゾリウムカチオン、1−ブチル−2,3,5−トリメチルピラゾリウムカチオン、1−エチル−2,3,5−トリメチルピラゾリニウムカチオン、1−プロピル−2,3,5−トリメチルピラゾリニウムカチオン、又は1−ブチル−2,3,5−トリメチルピラゾリニウムカチオンを挙げることができる。
更に、別の具体的なカチオンとしてテトラメチルアンモニウムカチオン、テトラエチルアンモニウムカチオン、テトラブチルアンモニウムカチオン、テトラペンチルアンモニウムカチオン、テトラヘキシルアンモニウムカチオン、テトラヘプチルアンモニウムカチオン、トリエチルメチルアンモニウムカチオン、トリブチルエチルアンモニウムカチオン、トリメチルデシルアンモニウムカチオン、N,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウムカチオン、グリシジルトリメチルアンモニウムカチオン、トリメチルスルホニウムカチオン、トリエチルスルホニウムカチオン、トリブチルスルホニウムカチオン、トリヘキシルスルホニウムカチオン、ジエチルメチルスルホニウムカチオン、ジブチルエチルスルホニウムカチオン、ジメチルデシルスルホニウムカチオン、テトラメチルホスホニウムカチオン、テトラエチルホスホニウムカチオン、テトラブチルホスホニウムカチオン、テトラヘキシルホスホニウムカチオン、テトラオクチルホスホニウムカチオン、トリエチルメチルホスホニウムカチオン、トリブチルエチルホスホニウムカチオン、トリメチルデシルホスホニウムカチオン、又はジアリルジメチルアンモニウムカチオンを挙げることができる。
(アニオン)
前記溶融塩を構成するアニオンは、特に限定されるものではないが、カルボン酸アニオン、スルホン酸アニオン、ハロゲンアニオン、ヒドロキシアニオン、イミドアニオン、ホウ素アニオン、シアノアニオン、リンアニオン、又は硝酸アニオンを挙げることができる。
なお、「イミド」は「アミド」と称することもあり、本明細書においては両方の呼称を用いることがある。
具体的なアニオンとしては、Cl、Br、I、AlCl 、AlCl 、BF 、PF 、ClO 、NO 、CHCOO、CFCOO、CHSO 、CFSO 、(CFSO、(CFSO、AsF 、SbF 、NbF 、TaF 、F(HF) 、(CN)、CSO 、(CSO、CCOO、(CFSO)(CFCO)N、SCN、CSO 、CSO 、CSO 、(FSO、(CSO、(CSO、(CHO)PO 、(CO)PO 、(CN)、(CN)、CHOSO 、COSO 、COSO 、n−C13OSO 、n−C17OSO 、CH(OCOSO 、(CPF 、又はCHSO を挙げることができる。前記アニオンを含む化合物として、例えばテトラフルオロボレート(HBF)、ヘキサフルオロホスフェート(HPF)、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(CHFNO)、又はビス(フルオロスルホニル)イミド(FNO)を挙げることができる。
(溶融塩)
本発明で用いられる溶融塩としては、限定されるものではないが、前記カチオン及びアニオンを組み合わせたものを用いることができる。例えば、塩化1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、臭化1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロスルホニル)イミド、ギ酸1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、酢酸1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、塩化1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム、臭化1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレ−ト、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロスルホニル)イミド、チオシアン酸1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム、塩化3−メチル−オクチルイミダゾリウム、塩化3−メチル−ヘキサデシルイミダゾリウム、塩化−N−エチルピリジニウム、臭化−N−エチルピリジニウム、塩化−N−ブチルピリジニウム、臭化−N−ブチルピリジニウム、塩化−N−オクチルピリジニウム、塩化4−メチル−N−ブチルピリジニウム、臭化4−メチル−N−ブチルピリジニウム、N−メチル−N−プロピルピロリジニウムビス(トリフルオロスルホニル)イミド、ヨウ化1,1−ジメチルピロリジニウム、塩化1−ブチル−1−メチルピロリジニウム、塩化1−へキシル−1−メチルピロリジニウム、塩化1−メチル−1−オクチルピロリジニウム、N−ブチル−N−メチルピロリジニウムビス(トリフルオロスルホニル)イミド、N−メチル−N−プロピルピペリジニウムビス(トリフルオロスルホニル)イミド、塩化トリへキシル(テトラデシル)ホスホニウム、トリへキシル(テトラデシル)ホスホニウムテトラフルオロボレート、N,N−ジエチルメチル−(2−メトキシエチル)アンモニウムビス(トリフルオロスルホニル)イミド、N,N−ジエチルメチル−(2−メトキシエチル)アンモニウムテトラフルオロボレート、N,N−ジエチルメチル−(2−メトキシエチル)アンモニウムヘキサフルオロホスフェート、塩化N,N−ジエチルメチル−(2−メトキシエチル)アンモニウム、臭化N,N−ジエチルメチル−(2−メトキシエチル)アンモニウム、ギ酸N,N−ジエチルメチル−(2−メトキシエチル)アンモニウム、酢酸N,N−ジエチルメチル−(2−メトキシエチル)アンモニウム等を挙げることができる。
前記溶融塩として、深共晶溶媒(deep eutectic solvent)を用いることができる。深共晶溶媒とは、イオン性の固体と共有結合性の固体を混合することで液状となるものである。すなわち、それぞれの成分の融点より低い融点を有する共晶物を形成する混合物を含むイオン性溶媒である。
ゲルとは、IUPACにおいては、「ポリマーもしくは微粒子により形成されるネットワークが流体により膨潤し、非流体になったもの」と定義されている。また、「あらゆる溶媒に不溶の三次元網目構造をもつ高分子及びその膨潤体」(新版高分子辞典)と定義されている。
また、ゲルとは現象論的に(a)2つ又はそれ以上の構成要素からなり、そのうち1つは液体であり、(b)動的粘弾性測定において貯蔵弾性率が少なくとも数秒のオーダーで平坦部を有し、前記平坦部で損失弾性率が貯蔵弾性率よりも小さいものと定義されている(非特許文献4)。より具体的には、図4に示すように貯蔵弾性率(G’)が数秒のオーダーで平坦部を有しており、その平坦部において貯蔵弾性率(G’)が損失弾性率(G”)よりも大きいものである。例えば、「数秒のオーダーで平坦部を有している」とは、0.01〜100Hzの周波数、0.01〜10Hzの周波数、0.1〜100Hzの周波数、0.01〜1Hzの周波数、0.1〜10Hzの周波数、又は1〜100Hzの周波数において、平坦部を有してもよい。更に、「平坦部を有する」とは、好ましくは20%以内のバラツキであり、より好ましくは15%以内のバラツキであり、更に好ましくは10%以内のバラツキであり、最も好ましくは5%以内のバラツキであればよい。
(溶媒と無機ナノファイバーとの容量比)
本発明のゲル組成物に含まれる無機ナノファイバーの含有量は、溶媒の粘度が上昇し、ゲル化する限りにおいて限定されるものでないが、下限は好ましくは0.5容量%であり、より好ましくは1.0容量%であり、更に好ましくは1.5容量%である。含有量の上限は、特に限定されるものではないが、好ましくは10.0容量%以下であり、より好ましくは9.0容量%以下であり、更に好ましくは8.0容量%以下である。
本発明のゲル組成物に含まれる無機ナノファイバーは、少ない含有量で溶媒をゲル化することができる。すなわち、少量の無機ナノファイバーで、3次元ネットワークを形成し、安定なゲル化状態を維持することができる。
〔3〕電解質
本発明の電解質は、前記ゲル組成物及びイオンを含む。本発明の電解質においては、無機ナノファイバーの含有量が少ないために、塩のイオン伝導率に与える影響が少なく、本発明の電解質は、高いイオン伝導効率を示すことができる。
(電解質の粘度)
電解質の粘度は、二次電池等の電気化学デバイスから、電解質が漏出しない粘度であれば、特に限定されるものではないが、例えば10,000Pa・s以上であり、好ましくは100,000Pa・s以上であり、更に好ましくは200,000Pa・s以上である。電解質の粘度が10,000Pa・s以上であることにより、電解質がゲル化し、セパレータを必要とせず、電解質漏えいの危険性のない電解質として用いることができる。
(イオン)
前記電解質は、金属イオン又は水素イオン(プロトン)を含む。金属イオンは、非水電解質二次電池、電気二重層キャパシタ、又はハイブリッドキャパシタなどの蓄電デバイスに用いられる金属イオンを適宜選択することができるが、例えばリチウムイオン、カルシウムイオン、ナトリウムイオン、又はマグネシウムイオンを挙げることができる。また、本明細書において、水素イオンはプロトンを意味する。
前記金属イオンは、金属塩の形態で電解質に添加することができる。すなわち、リチウム塩、カルシウム塩、ナトリウム塩、又はマグネシウム塩の形態で、前記電解質に添加することができる。
リチウム塩としては、限定されるものではないが、炭素原子をアニオンに含まない無機リチウム塩、又は炭素原子をアニオンに含む有機リチウム塩を挙げることができる。
無機リチウム塩としては、例えばLiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、LiSiF、LiSbF、LiAlO、LiAlCl、又はLi1212−b(bは0〜3の整数)を挙げることができる。
また、有機リチウム塩としては、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミド(LiTFSA)、LiN(SOCF、LiN(SO等のLiN(SO2m+1(mは1〜8の整数)で表される有機リチウム塩;LiPF(CF)等のLiPF(C2p+16−n(nは1〜5の整数、pは1〜8の整数)で表される有機リチウム塩;LiBF(CF)等のLiBF(C2s+14−q(qは1〜3の整数、sは1〜8の整数)で表される有機リチウム塩;LiB(Cで表されるリチウムビス(オキサラト)ボレート(LiBOB);LiBF(C)で表されるリチウムオキサラトジフルオロボレート(LiODFB)に代表されるハロゲン化LiBOB;LiB(Cで表されるリチウムビス(マロネート)ボレート(LiBMB);LiPF(C)で表されるリチウムテトラフルオロオキサラトフォスフェートを挙げることができる。
ナトリウム塩としては、NaN(CFSO(Sodium bis-trifluoromethanesulfonimide)、又はNaClOを挙げることができる。更に、NaPF、NaTFSA、NaClO、NaAsF、NaSbF、NaBF、NaCFSO、NaN(SOCF、低級脂肪族カルボン酸ナトリウム塩、NaAlCl4、NaNO3、NaOH、NaCl、NaSO及びNaS、NaAsF、NaTaF6、Na10Cl10、NaCFSO、Na(CFSON、又はNa(CSONを挙げることができる。
マグネシウム塩としては、塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、又はヨウ化マグネシウムなどのハロゲン化マグネシウム、過塩素酸マグネシウム、テトラフルオロホウ酸マグネシウム、ヘキサフルオロリン酸マグネシウム、又はヘキサフルオロヒ酸マグネシウムなどのマグネシウム無機塩化合物;ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドマグネシウム、安息香酸マグネシウム、サリチル酸マグネシウム、フタル酸マグネシウム、酢酸マグネシウム、プロピオン酸マグネシウム、又はグリニャール試薬などのマグネシウム有機塩化合物を挙げることができる。
カルシウム塩としては、塩化カルシウム、臭化カルシウム、又はヨウ化カルシウムなどのハロゲン化カルシウム、過塩素酸カルシウム、テトラフルオロホウ酸カルシウム、ヘキサフルオロリン酸カルシウム、又はヘキサフルオロヒ酸カルシウムなどのカルシウム無機塩化合物;ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドカルシウム、安息香酸カルシウム、サリチル酸カルシウム、フタル酸カルシウム、酢酸カルシウム、又はプロピオン酸カルシウムなどのカルシウム有機塩化合物を挙げることができる。
プロトン(水素イオン)の供給源としては、特に限定されるものではないが、対イオンとしてプロトンを有する分子やアミン又はアンモニウム塩を含む分子を挙げることができる。後者としてはアミン系イオン液体を挙げることができる。
〔4〕電気化学デバイス
本発明の電気化学デバイスは、前記電解質、正極活物質を含む正極電極、及び負極活物質を含む負極電極を含む。具体的には、非水電解質二次電池、電気二重層キャパシタ、ハイブリッドキャパシタ、又は燃料電池を挙げることができる。
《非水電解質二次電池》
非水電解質二次電池は、非水電解質を用いる二次電池であり、限定されるものではないが、リチウムイオン二次電池、ナトリウムイオン二次電池、マグネシウムイオン二次電池、又はカルシウムイオン二次電池を挙げることができる。
なお、本発明に用いる電解質は、無機ナノファイバーを含むことによって、ゲル化したゲル化電解質である。従って、ゲル化電解質を使用する非水電解質二次電池は、実質的に液体電解質を用いないものであり、本明細書においては、本発明の非水電解質二次電池を便宜的に全固体二次電池と称する。
正極活物質は、伝導イオン種、すなわち金属イオンに応じて、適宜選択すればよい。正極電極は、限定されるものではないが、導電材及び/又は結合剤(バインダー)を含有していてもよい。導電材としては、正極電極の導電性を向上させることができれば特に限定されるものではないが、例えば、導電性炭素材料が挙げられる。導電性炭素材料としては特に限定されないが、反応場の面積や空間の観点から、高比表面積を有する炭素材料が好ましい。具体的には、カーボンブラック(例えば、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等)、活性炭、カーボン炭素繊維(例えば、カーボンナノチューブ(CNT)、カーボンナノファイバー、気相法炭素繊維等)等を挙げることができる。また、結合剤(バインダー)としては、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、又はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等を挙げることができる。更に、通常、正極電極は集電体を有している。集電体の材料としては、例えば、アルミニウム、SUS、ニッケル、鉄、カーボン及びチタン等を挙げることができる。
負極活物質としては、伝導イオン種、すなわち金属イオンを吸蔵、放出可能なものであれば特に限定されない。
負極電極は、必要に応じて導電材及び/又は結合剤(バインダー)を含有していてもよい。導電材としては、負極電極の導電性を向上させることができれば特に限定されるものではないが、例えば、導電性炭素材料が挙げられる。導電性炭素材料としては特に限定されないが、反応場の面積や空間の観点から、高比表面積を有する炭素材料が好ましい。具体的には、カーボンブラック(例えば、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等)、活性炭、カーボン炭素繊維(例えば、カーボンナノチューブ(CNT)、カーボンナノファイバー、気相法炭素繊維等)等を挙げることができる。また、結合剤(バインダー)としては、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、又はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等を挙げることができる。通常、負極電極は、集電体を有している。集電体の材料としては、例えば、SUS、ニッケル、銅及びカーボン等を挙げることができる。
(リチウムイオン二次電池)
リチウムイオン二次電池は、電解質中のリチウムイオンが電気伝導を担う二次電池である。本発明のリチウムイオン二次電池の電解質としては、前記「[1]電解質」の項に記載のリチウム金属塩を含む電解質を挙げることができる。
リチウムイオン二次電池の正極活物質としては、例えば、ニッケルコバルトマンガン酸リチウム(LiNiCo1−y−xMn)、LiCoMn、LiCoMnO、LiNiCo、LiNiMn、LiNiMn、コバルト酸リチウム(LiCoO)、ニッケル酸リチウム(LiNiO)、マンガン酸リチウム(LiMnO)、LiMn、鉄オリビン(LiFePO)、LiFe(PO、コバルトオリビン(LiCoPO)、ニッケルオリビン(LiNiPO)、マンガンオリビン(LiMnPO)、チタン酸リチウム(LiTi12)、リン酸バナジウムリチウム(Li(PO)[LVPと称することがある。]等のリチウム遷移金属化合物、銅シュブレル(CuMo)、硫化鉄(FeS)、硫化コバルト(CoS)、硫化ニッケル(NiS)等のカルコゲン化合物などが挙げられる。
負極活物質としては、例えば、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、高配向性グラファイト(HOPG)、ハードカーボン、ソフトカーボン等のカーボン材料;チタン酸リチウム(LiTi12)等のリチウム遷移金属酸化物;LaNiSn等の金属合金等を挙げることができる。
(ナトリウムイオン二次電池)
ナトリウムイオン二次電池は、電解質中のナトリウムイオンが電気伝導を担う二次電池である。本発明のナトリウムイオン二次電池の電解質としては、前記「[1]電解質」の項に記載のナトリウム金属塩を含む電解質を挙げることができる。
ナトリウムイオン二次電池の正極活物質としては、ナトリウムイオンと層間化合物を形成するO型又はP型層状構造を有する化合物や、ポリアニオン型の化合物が好ましい。例えば、ナトリウム含有遷移金属酸化物又はナトリウム含有遷移金属リン酸塩が挙げられる。ナトリウム含有遷移金属酸化物としては、例えば、亜クロム酸ナトリウム(NaCrO)を挙げることができる。亜クロム酸ナトリウムは、Naの一部あるいはCrの一部又は全部が他元素で置換されていてもよく、例えば、一般式(2):Na1−x Cr1−y (0≦x≦2/3、0≦y≦1、M及びMは、それぞれ独立にCr及びNa以外の金属元素である)で表される化合物でもよい。ナトリウム含有遷移金属酸化物として、更にNaFeO、NaNi1/2Mn1/2、NaFe0.4Ni0.3Mn0.3を挙げることができる。ナトリウム含有遷移金属リン酸塩としては、一般式(3):NaPO(1≦a≦2、0≦b≦2、MはNa以外の金属元素である)で表される化合物が挙げられる。Mは、例えばFe、Co、Ni及びMnよりなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。具体的には、NaFePO、NaFePOF、NaVPOF、NaCoPO、NaNiPO、NaMnPOなどが挙げられる。
(マグネシウムイオン二次電池)
マグネシウムイオン二次電池は、電解質中のマグネシウムイオンが電気伝導を担う二次電池である。本発明のマグネシウムイオン二次電池の電解質としては、前記「[1]電解質」の項に記載のマグネシウム金属塩を含む電解質を挙げることができる。
マグネシウムイオン二次電池の正極活物質としては、マグネシウムを可逆的に保持及び放出することが可能な物質であれば限定されるものではない。例えば、マグネシウムカチオンを可逆的に保持及び放出することができる硫化物、マグネシウムカチオンを可逆的に保持及び放出することができる酸化物、マグネシウムカチオンを可逆的に保持及び放出することができる有機化合物などが挙げることができる。具体的には硫化モリブデン、酸化マンガンなどが挙げることができる。
負極活物質は、金属マグネシウム又はマグネシウム合金を含むものが好ましい。マグネシウム合金としては、例えば、マグネシウムとアルミニウムとの合金、マグネシウムと亜鉛との合金、マグネシウムとマンガンとの合金などを挙げることできる。
(カルシウムイオン二次電池)
カルシウムイオン二次電池は、電解質中のカルシウムイオンが電気伝導を担う二次電池である。本発明のカルシウムイオン二次電池の電解質としては、前記「[1]電解質」の項に記載のカルシウム金属塩を含む電解質を挙げることができる。
カルシウムイオン二次電池の正極活物質としては、カルシウムを可逆的に保持及び放出することが可能な物質であれば限定されるものではない。例えば、カルシウムカチオンを可逆的に保持及び放出することができる硫化物、カルシウムカチオンを可逆的に保持及び放出することができる酸化物、カルシウムカチオンを可逆的に保持及び放出することができる有機化合物などが挙げることができる。具体的には硫化モリブデン、酸化マンガンなどが挙げることができる。
負極活物質は、金属カルシウム又はカルシウム合金を含むものが好ましい。カルシウム合金としては、例えば、カルシウムとアルミニウムとの合金、カルシウムと亜鉛との合金、カルシウムとマンガンとの合金などを挙げることできる。
《電気二重層キャパシタ》
本発明の電気二重層キャパシタにおいては、本発明の「電解質」を用いる以外は、従来電気二重層キャパシタに使用されていた材料を制限なく、用いることができる。すなわち、従来使用されていた正極活物質、及び負極活物質などを制限なく用いることができる。
正極活物質として、活性炭、カーボンウィスカ、カーボンナノチューブ、グラフェン、グラフェンナノリボン、又はグラファイトを挙げることができる。正極電極は、正極活物質以外に、導電助剤、バインダー、及び/又は集電体を含んでもよい。
また、負極電極としては、前記正極電極と同じ構成のものを用いることができる。
《ハイブリッドキャパシタ》
本発明のハイブリッドキャパシタとしては、限定されるものではないが、リチウムイオンキャパシタ、ナトリウムイオンキャパシタ、カルシウムイオンキャパシタ、又はマグネシウムイオンキャパシタを挙げることができる。本発明のハイブリッドキャパシタにおいては、本発明の「電解質」を用いる以外は、従来ハイブリッドキャパシタに使用されていた材料を制限なく、用いることができる。すなわち、従来使用されていた正極活物質、及び負極活物質などを制限なく用いることができる。
本発明のハイブリッドキャパシタの正極活物質としては、リチウムイオンなどのアルカリ金属イオン又はアルカリ土類金属イオンとアニオンを可逆的に担持可能なものを用いることができる。具体的には、活性炭、カーボンウィスカ、又はグラファイトを挙げることができる。また、正極電極は、正極活物質以外に、導電助剤、バインダー、及び/又は集電体を含んでもよい。
ハイブリッドキャパシタの負極活物質としては、前記非水電解質二次電池の項に記載の負極活物質を用いることができる。また、負極電極は、負極活物質以外に、導電助剤、バインダー、及び/又は集電体を含んでもよい。
《燃料電池》
本発明の燃料電池においては、本発明の「電解質」を用いる以外は、従来燃料電池に使用されていた材料を制限なく、用いることができる。すなわち、従来使用されていた正極活物質、及び負極活物質などを制限なく用いることができる。
本発明の燃料電池は、限定されるものではなく、固体高分子型燃料電池、リン酸型燃料電池、溶融炭酸塩型燃料電池、又は固体酸化物型燃料電池を挙げることができるが、好ましくはプロトンを移動イオンとして用いる固体高分子型燃料電池、又はリン酸型燃料電池である。例えば、本発明の固体高分子型燃料電池、又はリン酸型燃料電池の電解質としては、前記「[1]電解質」の項に記載のプロトン(水素イオン)を含む電解質を挙げることができる。
燃料電池においては、負極を燃料極と称し、正極を空気極又は酸素極と称することがある。燃料極は負極活物質として、水素などの燃料を含む。一方、空気極又は酸素極は、正極活物質として酸素などを含む。
〔5〕ゲル化剤の製造方法
本発明のゲル化剤の製造方法は、(1)無機ナノファイバーに溶媒を添加し、そして超音波を印加することによって平均直径10〜500nm、及び平均繊維長1〜50μmである無機ナノファイバーを含む分散液を得る分散工程、及び(2)得られた分散液を乾燥させて、ゲル化剤を得る乾燥工程、を含む。
《分散工程(1)》
前記分散工程(1)において、無機ナノファイバーに溶媒を添加し、そして超音波を印加することによって平均直径10〜500nm、及び平均線維長1〜50μmである無機ナノファイバーを含む分散液を得る。
(無機ナノファイバー)
本発明で用いる無機ナノファイバーは、特に限定されるものではないが、SiOナノファイバー、TiOナノファイバー、ZnOナノファイバー、Alナノファイバー、ZrOナノファイバー又はそれらの組み合わせを挙げることできる。無機ナノファイバーは、電界紡糸法又は湿式紡糸法によって得ることができる。また、必要に応じて、電界紡糸法又は湿式紡糸法によって得られた無機ナノファイバーを、不活性ガス(例えば、窒素又はアルゴン)雰囲気下において、300〜1000℃で焼成してもよい。更に、無機ナノファイバーを不織布として使用してもよい。
例えば、電解紡糸法による無機ナノファイバー不織布は、以下のように製造することができる。
まず、金属酸化物の前駆体をゾルゲル反応(例えば、加水分解及び重縮合反応)により増粘し、次いで電界紡法を用いて繊維を形成させる。ゾルゲル反応に使用できる金属酸化物前駆体は、限定されるものではないが、例えば、SiO、TiO、ZnO、Al、ZrOなどの前駆体となる金属アルコキシドを挙げることができる。これらの金属アルコキシドのゾルゲル反応の条件を適宜調節することによって、金属酸化物の高分子量体を得ることができる。電界紡糸の際に、紡糸液粘度の調整するために、ポリエチレンオキシド、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどの水溶性高分子を添加してもよい。電界紡糸法によって得られたナノファイバーを、焼成処理し、無機ナノファイバーを得ることができる。
また、湿式紡糸法によるナノファイバーは、以下のように製造することができる。
まず、高分子を溶媒に溶解することで紡糸液を調製し、次いで湿式紡糸法を用いて繊維を形成させる。たとえばポーラスアルミナのように微細孔を持つ口金を用いて紡糸液を凝固液(非溶媒)中に押し出すことによって、高分子ナノファイバーを得ることができる。高分子としては、合成高分子、天然高分子はもちろんのこと、これら高分子に金属酸化物前駆体が含まれるもの、又は金属酸化物前駆体のみであっても良い。
本発明の分散工程(1)で用いる溶媒は、無機ナノファイバーを分散できる限りにおいて、特に限定されるものではないが、例えば極性溶媒、又はアルコールを挙げることができる。例えば、極性溶媒としては、水、エチレングリコール、エタノール、シリコンオイル、四塩化炭素、クロロホルム、トルエン、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルメトキシアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルトリアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ピリジン、テトラメチレンスルホン、又はジメチルテトラメチレンスルホンを挙げることができ、アルコールとしては、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等の低級アルコール、グリセリン、ポリエチレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−プチレングリコール、ペンタエリストール、エリストール、ソルビトール及びキシリトールを挙げることができ、グリセリン、ポリエチレングリコール、エチレングリコール等の多価アルコール等を挙げることができる。
添加する溶媒量は、得られる分散液がゲル化しない量であれば、特に限定されるものではないが、無機ナノファイバー不織布と溶媒の合計量に対して、溶媒の添加量が、99容量%以上が好ましく、99.5容量%以上がより好ましく、99.9容量%以上が更に好ましく、99.93容量%以上が最も好ましい。すなわち、無機ナノファイバーが、好ましくは1容量%以下であり、より好ましくは0.5容量%以下であり、更に好ましくは0.1容量%以下であり、最も好ましくは0.07容量%以下である。溶媒量が、前記範囲であることにより、無機ナノファイバーを良好に分散することができる。
超音波の印加の条件は、無機ナノファイバーが分散される限りにおいて、特に限定されるものではないが、例えば40kHz、180W、30分で行うことができる。超音波を印加することによって、無機ナノファイバーの凝集体が消失するまで、分散させることが好ましい。
《乾燥工程(2)》
乾燥工程(2)においては、得られた分散液を乾燥させて、ゲル化剤を得る。乾燥の前に、分散液に含まれている溶媒をろ過して、除去してもよい。乾燥方法は、特に限定されるものではないが、例えば、凍結乾燥、減圧乾燥、送風乾燥又は加熱乾燥などを挙げることができる。例えば、加熱乾燥の場合、160℃、2時間で、本発明の分散剤を得ることができる。
《作用》
本発明のゲル化剤が、多くの溶媒をゲル化できる機構は、詳細には解明されていないが、以下のように考えることができる。しかしながら、本発明は、以下の説明によって限定されるものではない。
本発明では、無機ナノファイバー分散液を一旦乾燥させることで、ゲル化剤を作製する。乾燥過程では溶媒の蒸発に伴って、分散液中で無機ナノファイバーの体積分率が増加し、ある時点で3次元ネットワーク状の構造が形成される。さらに残った溶媒が完全に蒸発する過程において、乾燥初〜中期に形成された無機ナノファイバーの3次元骨格自体が収縮し、より密なネットワーク構造が形成されると考えられる。ナノファイバー表面近傍では溶媒分子の運動性が制限されるため、この密なネットワーク構造内に溶媒が侵入すると、単位体積あたりに占める運動性が制限された溶媒分子の比率が大きくなり、系全体としてゲル状態が発現する。ゲル化剤と溶媒の間にある程度の親和性があれば、溶媒は密なネットワーク構造内に浸入することができ、ゲル化が可能になる。
従って、実施例に示すように、本発明のゲル化剤には、様々な無機ナノファイバーを用いることが可能であり、そして本発明のゲル組成物においては、多種の溶媒をゲル化できると考えられる。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
《製造例1》
本製造例ではシリカ含有繊維(SiOナノファイバー)を製造した。エタノール(EtOH)86.4重量%、テトラエトキシシラン(TEOS)8.2重量%、ポリビニルピロリドン(PVP)4.3重量%、水0.7重量%、塩化水素(HCl)0.3重量%を混合して得られた紡糸液を、電界紡糸法により紡糸し、ナノファイバー不織布を得た。
作製したナノファイバー不織布を空気中550℃で3時間焼成することで有機成分を除去し、SiOナノファイバー不織布を得た。
電界紡糸は、印加電圧12kV、電極基盤間距離10cmで実施した。焼成後に得られた繊維のフィラメント直径は100nmであった。
得られたSiOナノファイバー不織布の電子顕微鏡写真を図1(A)に示す。
《ゼータ電位測定》
製造例1で得られたSiOナノファイバー不織布について固体表面分析用ゼータ電位測定装置(アントンパール製SurPASS)を用いて行った、流動電位法による1mM塩化カリウム水溶液中でのゼータ電位測定結果を図2に示す。ここではpH調整剤としてKOHを使用した。高pH領域において酸性解離基に特徴的な挙動が得られ表面にシラノール基が残存していることが支持された。
《製造例2》
本製造例では、チタニアナノファイバー(TiOナノファイバー)を製造した。オルトチタン酸テトライソプロピル(TTIP)26重量%、PVP2.2重量%、無水エタノール41.8重量%、酢酸30重量%を混合した溶液を調製し紡糸液として用いた。TTIPは反応が速いため、溶液の調製は全てアルゴンガス雰囲気下で行った。電界紡糸法によって、調製した溶液の紡糸を行い、チタニア/PVP複合ファイバーを得た。電界紡糸は、印加電圧6kV、電極基板間距離8cmで実施した。得られたナノファイバーに500℃で1時間焼成処理を行うことによって、チタニア(TiO)ナノファイバーを得た。走査型電子顕微鏡(日本電子製JCM−5700)観察により得られたファイバーの平均直径は約270nmであった。
《製造例3》
本製造例では、アルミナナノファイバー(Alナノファイバー)を製造した。アルミニウムイソプロポキシド(AIP)2.6重量%、PVP7.5重量%、無水エタノール87.8重量%、硝酸2.1重量%を混合した溶液を調製し紡糸液として用いた。電界紡糸は、印加電圧18kV、電極基板間距離18cmで実施した。得られたナノファイバーに1100℃で2時間焼成処理を行うことによってアルミナ(Al)ナノファイバーを得た。走査型電子顕微鏡(日本電子製JCM−5700)観察により得られたファイバーの平均直径は約300nmであった。
《製造例4》
本製造例では、酸化亜鉛ナノファイバー(ZnOナノファイバー)を製造した。酢酸亜鉛(Zn(OCCH)15重量%、PVP15重量%、ジメチルホルムアミド70.0重量%、を混合した溶液を調製し紡糸液として用いた。電界紡糸は、印加電圧20kV、電極基板間距離12cmで実施した。得られたナノファイバーに450℃で2時間焼成処理を行うことによって酸化亜鉛(ZnO)ナノファイバーを得た。走査型電子顕微鏡(日本電子製JCM−5700)観察により得られたファイバーの平均直径は約148nmであった。
《実施例1》
本実施例では、前記製造例1で得られたSiOナノファイバー不織布を溶媒中で分散させ、乾燥させることによって、ゲル化剤を作製した。製造例1で作製した平均直径109±18nmのSiOナノファイバー不織布(密度約0.05g/cm)をN,N−ジメチルホルムアミド/水(モル比2/1)混合溶媒中に浸漬し、アズワン製の超音波洗浄機(UR-4S)を用いて30分間超音波処理を行いSiOナノファイバー分散液を調製した。この分散液を160℃で乾燥させることによって、密度約0.1g/cmのゲル化剤を得た。顕微鏡写真の画像解析から求められたSiOナノファイバーの繊維長は、数μm〜数10μmであった。得られたゲル化剤の電子顕微鏡写真を図1(B)に示す。
《実施例2》
本実施例では、実施例1で得られたゲル化剤及び溶媒としてイオン液体を用いてゲル組成物を作製した。
バイアルに9.9mgのSiOナノファイバーキセロゲル(ゲル化剤)を入れ、イオン液体として1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミド(EMITFSA)0.3mLを添加し、20分間撹拌した。ゲル化剤は1.5容量%に相当する。バイアル倒立試験を行ったところ、1時間安定であり、ゲルを形成していると判定した(図3A)。
《実施例3》
本実施例では、実施例1で得られたゲル化剤及び溶媒として水を用いてゲル組成物を作製した。
EMITFSAに代えて水を用いたことを除いては、実施例2の操作を繰り返した。バイアル倒立試験を行ったところ、1時間安定であり、ゲルを形成していると判定した(図3B)。
《実施例4》
本実施例では、実施例1で得られたゲル化剤及び溶媒としてHSO水溶液(1M)を用いてゲル組成物を作製した。
EMITFSAに代えてHSO水溶液(1M)を用いたことを除いては、実施例2の操作を繰り返した。バイアル倒立試験を行ったところ、1時間安定であり、ゲルを形成していると判定した(図3C)。
《実施例5》
本実施例では、実施例1で得られたゲル化剤及び溶媒としてエタノールを用いてゲル組成物を作製した。
EMITFSAに代えてエタノールを用いたことを除いては、実施例2の操作を繰り返した。バイアル倒立試験を行ったところ、1時間安定であり、ゲルを形成していると判定した(図3D)。
《実施例6》
本実施例では、実施例1で得られたゲル化剤及び溶媒としてヘキサンを用いてゲル組成物を作製した。
EMITFSAに代えてヘキサンを用いたことを除いては、実施例2の操作を繰り返した。バイアル倒立試験を行ったところ、1時間安定であり、ゲルを形成していると判定した(図3E)。
《動的粘弾性測定》
実施例3で得られたゲル組成物の動的粘弾性を以下の方法により測定した。アントンパール社製のレオメーター(MCR−501)のパラレルプレートに試料を挟み込み、動的粘弾性測定を行った。測定方法は歪0.05%の条件で測定周波数0.01〜100Hz、測定温度を25℃とした。
図4に示すように、貯蔵弾性率(G’)が広い周波数域で平坦部を有していた。また、貯蔵弾性率(G’)が損失弾性率(G”)よりも大きく、本発明のゲル化剤によって得られた組成物はゲル状態であると考えられた。
《イオン伝導度測定》
実施例4で得られたゲル組成物のイオン伝導度を測定した。図5に示すように、2枚の導線を取り付けたステンレス電極の間にスペーサーを挟み、スペーサー内にゲル組成物を充填し、試料が漏れ出すことのないようイミドテープで密封して測定セルを作製した。この測定セルを用いて23℃においてソーラトロン社製の電気化学測定システム(1255WB)を用いて交流インピーダンス測定を行い、得られた抵抗値及びセル定数(スペーサーの厚さ及び試料面積)からイオン伝導度を求めた。なお、これらの操作はすべて大気下で行った。
電気抵抗率の逆数σは、3.8×10−1S/cm(23℃)であり、HSO水溶液(1M)の電気抵抗率の逆数σである4.0×10−1S/cm(25℃)とほぼ同等の伝導度を示した。
《実施例8》
本実施例では、製造例2で得られたTiOナノファイバーを用いたゲル化剤及び溶媒として水又はヘキサンを用いてゲル組成物を作製した。SiOナノファイバーに代えてTiOナノファイバーを用いたこと、及びEMITFSAに代えて水又はヘキサンを用いたことを除いては、実施例2の操作を繰り返した。バイアル倒立試験を行ったところ、1時間安定であり、ゲルを形成していると判定した(図9)。図9の左側のバイアルが溶媒として水を用いたものであり、右側のバイアルが溶媒としてヘキサンを用いたものである。
《実施例9》
本実施例では、製造例3で得られたAlナノファイバーを用いたゲル化剤及び溶媒として水又はヘキサンを用いてゲル組成物を作製した。SiOナノファイバーに代えてAlナノファイバーを用いたこと、及びEMITFSAに代えて水又はヘキサンを用いたことを除いては、実施例2の操作を繰り返した。バイアル倒立試験を行ったところ、1時間安定であり、ゲルを形成していると判定した(図10)。図10の左側のバイアルが溶媒として水を用いたものであり、右側のバイアルが溶媒としてヘキサンを用いたものである。
《実施例10》
本実施例では、製造例3で得られたZnOナノファイバーを用いたゲル化剤及び溶媒として水又はヘキサンを用いてゲル組成物を作製した。SiOナノファイバーに代えてZnOナノファイバーを用いたこと、及びEMITFSAに代えて水又はヘキサンを用いたことを除いては、実施例2の操作を繰り返した。バイアル倒立試験を行ったところ、1時間安定であり、ゲルを形成していると判定した(図11)。図11の左側のバイアルが溶媒として水を用いたものであり、右側のバイアルが溶媒としてヘキサンを用いたものである。
《実施例11》
本実施例では、実施例1で得られたゲル化剤および溶媒として電解液であるテトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート/プロピレンカーボネート溶液(1M)を用いてゲル組成物を作製した。EMITFSAに代えてテトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート/プロピレンカーボネート溶液(1M)を用いたことを除いては、実施例2の操作を繰り返し、ゲル組成物を得た。
《実施例12》
本実施例では、実施例4で得られたゲル組成物を用いて電気二重層キャパシタを作製した。
図6に示すように、2電極セルの正極及び負極に活性炭電極シート(日本バルカー工業製)を使用し、電解質として、実施例4で得られたHSO水溶液(1M)及びSiOナノファイバーのゲル組成物を用いた電気二重層キャパシタを作製し、ソーラトロン社製の電気化学測定システム(1255WB)を用いてサイクリックボルタンメトリーの測定を行った。また、北斗電工社製の電池充放電システム (HJ1001 SD8)を用いて定電流充放電測定を行った。活性炭電極シートは前処理としてHSO水溶液(1M)/メタノール混合液(体積比1/1)とHSO水溶液(1M)にそれぞれ12時間以上浸漬した後に用いた。擬固体化電解質のガイドは厚み0.3mmのPTFEスペーサーを用いた。
1.0Vの電位窓において安定なキャパシタの駆動を確認し、充放電速度1A/gにおいて電極総重量当たり152F/gの静電容量が得られた(図7)。キャパシタの作製と測定は全て大気圧下で行った。
図7に示すように、HSO水溶液(1M)を用いたキャパシタと同等の性能を示した。
《実施例13》
実施例11で得られたゲル組成物を用いて実施例12と同様に電気二重層キャパシタを作製した。
2電極セルの正極及び負極に活性炭電極シート(日本バルカー工業製)を使用し、電解質として、テトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート/プロピレンカーボネート溶液(1M)及びSiOナノファイバーのゲル組成物を用いた電気二重層キャパシタを作製し、バイオロジック社製の電気化学測定システム(SP−150M)を用いてサイクリックボルタンメトリー測定および定電流充放電測定を行った。活性炭電極シートは前処理としてテトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート/プロピレンカーボネート溶液(1M)にそれぞれ12時間以上浸漬した後に用いた。擬固体化電解質のガイドは厚み1mmのシリコンゴムスペーサーを用いた。
キャパシタの作製と測定は全てアルゴンガス雰囲気下で行った。図12に示すように、テトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート/プロピレンカーボネート溶液(1M)を用いたキャパシタと同等の性能を示した。
本発明のゲル化剤を用いた電解質は、高いイオン伝導性、難揮発性、難燃性、及び熱安定性を有する二次電池の電解液に用いることができる。更に、広い温度範囲で、様々なアプリケーションに用いることができる。本発明により、安全で、且つ優れた電池性能を示す二次電池、キャパシタ、又は燃料電池などの電気化学デバイスを提供することができる。

Claims (12)

  1. 平均直径10〜500nm、及び平均繊維長1〜50μmである金属酸化物ナノファイバーを含むゲル化剤。
  2. 前記金属酸化物ナノファイバーが、SiOナノファイバー、TiOナノファイバー、ZnOナノファイバー、Alナノファイバー、ZrOナノファイバー及びそれらの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される金属酸化物ナノファイバーである、請求項1に記載のゲル化剤。
  3. 前記金属酸化物ナノファイバーが、非晶性金属酸化物ナノファイバー、又は非晶部分を含む金属酸化物ナノファイバーである、請求項1又は2に記載のゲル化剤。
  4. 溶媒及び請求項1〜3のいずれか一項に記載のゲル化剤を含む、ゲル組成物。
  5. 前記ゲル化剤の含有量が0.5〜10.0容量%である、請求項4に記載のゲル組成物。
  6. 請求項4又は5に記載のゲル組成物及びイオンを含む電解質。
  7. 前記イオンがリチウムイオン、カルシウムイオン、ナトリウムイオン、マグネシウムイオン、及び水素イオンからなる群から選択されるイオンである、請求項6に記載の電解質。
  8. 請求項6又は7に記載の電解質、正極活物質を含む正極電極、及び負極活物質を含む負極電極、を含む電気化学デバイス。
  9. 非水電解質二次電池、電気二重層キャパシタ、ハイブリッドキャパシタ、又は燃料電池である、請求項8に記載の電気化学デバイス。
  10. (1)無機ナノファイバーに溶媒を添加し、そして超音波を印加することによって平均直径10〜500nm、及び平均繊維長1〜50μmである無機ナノファイバーを含む分散液を得る分散工程、及び
    (2)得られた分散液を乾燥させて、ゲル化剤を得る乾燥工程、
    を含むゲル化剤の製造方法。
  11. 前記無機ナノファイバーが、SiOナノファイバー、TiOナノファイバー、ZnOナノファイバー、Alナノファイバー、ZrOナノファイバー及びそれらの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される無機ナノファイバーである、請求項10に記載のゲル化剤の製造方法。
  12. 前記無機ナノファイバーが、非晶性無機ナノファイバー、又は非晶部分を含む無機ナノファイバーである、請求項10又は11に記載のゲル化剤の製造方法。
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