JP6839633B2 - 2重構造体の製造方法 - Google Patents

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この発明は、2重構造体の製造方法に関するものであって、より詳細には、例えば車両用エアコンにおける調温空気を流通させるダクトで、かつ断熱効率を高めるため空気層(空間)を中間に介在させた2重ダクトを効率的に製造する方法に関するものである。
例えば、車両用のエアコン本体と車内への空気吹出し口(ルーバー)との間は、調温空気を流通させるため中空ダクトで接続されている。この種のダクトは、一般に熱可塑性の合成樹脂を材質とするパリソンをブロー成形して中空筒状体にしたものが多い。しかし近年は、調温空気の流通による温度差でダクト外壁に結露することがないよう、断熱性能の高いダクトへの需要がある。また、空気が流通する際の静粛性を向上させるため、防音性能の高いダクトも併せて求められている。この観点からは、前述した従来のブロー成形で得たダクトは断熱性能が充分でない。
このため、断熱性に優れた発泡シートを成形して断熱性能を向上させた中空ダクトが広く実用化されている。例えば図3は、断熱性の高い発泡シートを2枚貼り合わせて中空ダクトを製造する方法の1例を示している。すなわち図3(a)は、熱可塑性樹脂からなる2枚の発泡シートをヒータで加熱する工程を示し、平行に対向配置した発泡シート10,12の上方および下方並びに両発泡シート10,12の間に夫々電気ヒータ14を配置し、この電気ヒータ14により加熱することで、これら発泡シート10,12を軟化させるようになっている。次いで、図3(b)の工程において、1対の真空成形型16,18により軟化状態にある2枚の発泡シート10,12を挟持する。このとき、空気を吹き込むブローピン20が両発泡シート10,12の間に挿入されている。そして、前記成形型16,18に多数穿設した空気吸引孔22から空気を吸引すると共に、前記ブローピン20から空気を両発泡シート10,12の間へ吹き込むことにより、各成形型16,18のキャビテイの形状に倣った輪郭形状の中空ダクト24が成形される。なお、図3(c)に示すように、成形型16,18から脱型した後のダクト24は、各発泡シート10,12が成形型16、18により挟圧された部位が融着してフランジ24a,24aになっている。
特開2017−80962号公報
先に述べたように、中空構造体としてのダクトには、高い断熱性能が求められている。そこで、図3で示したように、断熱性に優れた発泡シートを材質に使用することになる訳であるが、断熱性能を更に向上させようとすると、前記発泡シートの厚みを大きくすることが必要になる。すると、前記成形型により真空成形しても、成形型におけるキャビテイ面への形状追従性が低下すると共に、全体重量も嵩んでしまうことになる。また、厚みの大きい発泡シートを使用すると、素材コストが上昇してしまう難点もある。
そこで、厚みの大きい発泡シートを使用することに替えて、薄手の発泡シートを使用し、これを2重構造として中間に空気層(空間)を介在させたダクトも提案されている。例えば、特開2017−80962号公報に開示されている2重構造のダクトを図4に示す。図4(a)に示すダクトは、外側成形体としての中空ダクト26と、該中空ダクト26の内部に同心的に配置した内側成形体としての中空ダクト28とからなり、両ダクト26,28の間に断熱空間として機能する空気層30が存在している。この2重構造のダクトは、中間に断熱性に優れた空気層が存在するために、厚みの大きな発泡シートを使用しなくても充分な断熱特性が得られる点で優れている。
しかしながら、図4(b)に断面で示す2重構造のダクトを製造するには、特開2017−80962号公報に開示される如く、先ず第1の成形型で内側成形体となる第1ダクトを成形し、この成形された第1ダクトを第2の成形型の中間に保持した状態で、該第2の成形型において外側成形体となる第2ダクトを成形する手間を要している。すなわち、第1成形型で第1ダクトを先に成形しておいてから、次の第2成形型で第2ダクトを成形することで、中間に断熱空間を有する2重構造のダクトを製造するという工程を必要とするため、成形型の数が増加すると共に、製造の手間や時間を要する難点があった。
前記課題を解決し、所期の目的を達成するため請求項1に記載の発明は、
外層構造体になるべき1対の第1熱可塑性樹脂シートを対向配置すると共に、前記第1熱可塑性樹脂シートの内側に内層構造体になるべき1対の第2熱可塑性樹脂シートを対向配置し、これら第1熱可塑性樹脂シートおよび第2熱可塑性樹脂シートを加熱して軟化させるシート加熱工程と、
前記外層構造体の外部輪郭を画成するキャビテイ面および該キャビテイ面に設けた空気吸引孔を有する1対の成形型を前記シート加熱工程で軟化した第1熱可塑性樹脂シートに接触させるとともに前記空気吸引孔から空気の吸引を行って、該第1熱可塑性樹脂シートを前記成形型のキャビテイ面に倣った形状に賦形する外層構造体の賦形工程と、
前記1対の成形型のキャビテイ面により賦形された前記外層構造体をなす第1熱可塑性樹脂シートに空気抜き孔を穿設する孔開け工程と、
前記1対の成形型を型閉じして第1熱可塑性樹脂シートおよび第2熱可塑性樹脂シートを両成形型により挟持した後に、第2熱可塑性樹脂シートおよび第1熱可塑性樹脂シートの間の空気を前記第1熱可塑性樹脂シートに設けた前記空気抜き孔から逃出させつつ該第2熱可塑性樹脂シートを賦形させて前記第2熱可塑性樹脂シートにより前記空気抜き孔を塞ぐことで、前記第1熱可塑性樹脂シートからなる外層構造体の内側に第2熱可塑性樹脂シートからなる内層構造体を空気層を介在させた状態で形成する内層構造体の賦形工程とからなることを要旨とする。
請求項1に係る発明によれば、第1熱可塑性樹脂シートからなる外層構造体の内側に、第2熱可塑性樹脂シートからなる内層構造体を、所要の空気層を介在させた状態で一挙に製造することができ、製造に要する手間と時間とを大幅に効率化することができる。
請求項2に記載の発明では、前記内層構造体の賦形工程では、前記シート加熱工程で軟化した1対の第2熱可塑性樹脂シートの間に空気を吹き込んで該第2熱可塑性樹脂シートを賦形することを要旨とする。
請求項2に係る発明によれば、前記外層構造体の内側に内層構造体を介在させるための工程を、外層構造体を成形する成形型の内部で第2熱可塑性樹脂シートを圧空成形することにより達成することができる。
請求項3に記載の発明では、前記内層構造体の賦形工程では、前記第1熱可塑性樹脂シートに穿設した前記空気抜き孔を介して前記第1熱可塑性樹脂シートと前記第2熱可塑性樹脂シートとの間の空気を吸引することで、前記シート加熱工程で軟化した1対の第2熱可塑性樹脂シートを賦形することを要旨とする。
請求項3に係る発明によれば、前記外層構造体の内側に内層構造体を介在させるための工程を、外層構造体を成形する成形型の内部で第2熱可塑性樹脂シートを真空成形することにより達成することができる。
請求項4に記載の発明では、前記内層構造体の賦形工程では、前記シート加熱工程で軟化した1対の第2熱可塑性樹脂シートの間に空気を吹き込むと共に、前記第1熱可塑性樹脂シートに穿設した前記空気抜き孔を介して前記第1熱可塑性樹脂シートと前記第2熱可塑性樹脂シートとの間の空気を吸引することで、該第2熱可塑性樹脂シートを賦形することを要旨とする。
請求項4に係る発明によれば、前記外層構造体の内側に内層構造体を介在させるための工程を、外層構造体を成形する成形型の内部で第2熱可塑性樹脂シートを圧空成形および真空成形の併用により達成することができる。
請求項5に記載の発明では、前記空気抜き孔は、前記成形型のキャビテイ底面から離間した位置に対応して前記第1熱可塑性樹脂シートに穿設されることを要旨とする。
請求項5に係る発明によれば、第1熱可塑性樹脂シートに穿設される空気抜き孔は成形型のキャビテイ底面から離間した位置に対応して設けられる。従って、第2熱可塑性樹脂シートの賦形過程で、該第2熱可塑性樹脂シートが成形型のキャビテイ底面における第1熱可塑性樹脂シートの対応部位に到達する前に、第2熱可塑性樹脂シートが前記空気抜き孔を塞ぐことになる。そのため、第1熱可塑性樹脂シートからなる外層構造体と、第2熱可塑性樹脂シートからなる内層構造体との間に空気層を確実に介在させることができる。
請求項6に記載の発明では、前記成形型のキャビテイ面にはキャビテイ内へ突出する凸状部が形成され、前記第1熱可塑性樹脂シートに穿設される前記空気抜き孔が該凸状部の頂部に対応して開口されることを要旨とする。
請求項6に係る発明によれば、第1熱可塑性樹脂シートに穿設される空気抜き孔はキャビテイ面に設けた凸状部の頂部に対応して穿設されるので、第2熱可塑性樹脂シートの賦形過程で該第2熱可塑性樹脂シートが前記空気抜き孔を塞ぐことになる。このため、第1熱可塑性樹脂シートからなる外層構造体と第2熱可塑性樹脂シートからなる内層構造体との間に、確実に空気層を介在させることができる。
本発明に係る2重構造体の製造方法によれば、外側構造体と内側構造体との間に断熱空間を介在させた2重構造の中空体を一度の工程で製造することができるので、製造設備の数を抑えながらも、製造効率を大きく向上させ得る利点がある。
本発明に係る2重構造体の製造方法の実施例を示す説明図であって、(a)は熱可塑性樹脂シートの加熱工程、(b)および(c)は第1熱可塑性樹脂シートを成形型に移送して外層構造体を製造する外層構造体の賦形工程の縦断面図を夫々示している。 本発明に係る2重構造体の製造方法の実施例を示す説明図であって、(d)は外層構造体に空気抜き孔を穿設する孔開け工程、(e)は第2熱可塑性樹脂シートを賦形して内層構造体を外層構造体の内側に形成する内層構造体の賦形工程、(f)は成形型から脱型した2重構造体の縦断面図を夫々示している。 (a)は、図1B(e)に示す内層構造体の賦形工程の別形態の縦断面図であって、空気抜き孔から空気を逃出させて内層構造体を成形する状態を示し、(b)は成形型から脱型した2重構造体の縦断面図である。 従来技術に係る中空ダクトの製造工程を示す概略縦断面図である。 (a)は公知の2重構造体の断面斜視図であり、(b)は(a)に示す2重構造体の縦断面図である。
次に、本発明に係る2重構造体の製造方法について、好適な実施例を挙げて説明する。本発明にいう2重構造体としては、車両用エアコンの本体と車内への空気吹出口とを結ぶ調温空気流通用の中空ダクトが想定されるが、この種のダクトに限らず、各種産業界で断熱特性の優れた中空筒状体としての需要がある部材に向けて広く応用し得るものである。また、本発明で「断熱性能」とは、外部との熱の出入りを遮る特性のことを云うが、これに付帯して、音の伝達を遮る防音性や、振動の伝達を遮る防振性も併せて発揮し得ることは勿論である。
本発明の実施例に係る製造方法は、図1A(a)〜図1B(f)に示す一連の工程、すなわち(1)シート加熱工程と、(2)外層構造体の賦形工程と、(3)孔開け工程と、(4)内層構造体の賦形工程とからなる。なお、実施例に係る方法で製造される2重構造体は、図1B(f)に示す如く、外層構造体としての第1の筒状中空体と、この外層構造体の内側に同心的に位置して、所要の空間を介在させている内層構造体としての第2の筒状中空体とから構成されている。また、2重構造体に使用されるシートの材質としては、ポリエチレンやポリプロピレンのような熱可塑性樹脂の発泡シートが好適に採用されるが、熱可塑性樹脂のシート材であれば、発泡していなくてもよい。更に、各種の材質の熱可塑性樹脂シートを用途に応じて混用しても良い。例えば、ポリエチレンの発泡シートを使用する場合は、30倍発泡で厚み3mmのものとするのが好適である。
(シート加熱工程について)
図1A(a)に示すように、一対の第1熱可塑性樹脂シート32,34が所要の間隔を保持して水平に対向配置されると共に、前記第1熱可塑性樹脂シート32,34の内側に同じく一対の第2熱可塑性樹脂シート36,38が所要の間隔を保持して対向配置されている。ここで一対の第1熱可塑性樹脂シート32,34は、図1B(f)および図2(b)に示す2重構造体40における外層構造体42になるものである。また、一対の第2熱可塑性樹脂シート36,38は、前記2重構造体40における内層構造体44になるものである。
図1A(a)において、第1熱可塑性樹脂シート32,34および第2熱可塑性樹脂シート36,38は、電熱ヒータ46により加熱されて軟化するようになっている。すなわち、水平に対向配置した前記一連の熱可塑性樹脂シートの上下に電熱ヒータ46,46が近接配置されると共に、一方の第2熱可塑性樹脂シート36と、他方の第2熱可塑性樹脂シート38との中間にも電熱ヒータ46が近接配置されている。なお、夫々の熱可塑性樹脂シートは、左右の両端部を適宜の構造のクランプ64で把持されて、水平方向へ引っ張られて平坦な展張状態になっている。但し、前記クランプ64は第1熱可塑性樹脂シート32,34を把持するものだけを図示し、第2熱可塑性樹脂シート36,38を把持するクランプは図示を省略してある。
図1A(a)に示す状態で上下・中央の電熱ヒータ46に通電すると、夫々の熱可塑性樹脂シートは加熱されて軟化するに至る。この軟化温度は、熱可塑性樹脂シートにおける樹脂材質や厚みにより変動するが、後述する図1A(c)や図1B(e)の工程で、真空成形や圧空成形を行うのに適した温度域が選定される。殊に、熱可塑性樹脂の発泡シートといっても、材質により成形に適した軟化温度は変動するので、各材質に応じて最適な温度を選ぶことが重要である。
(外層構造体の賦形工程について)
図1A(a)のシート加熱工程で成形型による成形を可能にする温度にまで軟化した第1熱可塑性樹脂シート32,34および第2熱可塑性樹脂シート36,38は、図1A(b)に示すように、上下に開放している1対の成形型48,50の間へ移送される。この成形型48,50は、前記2重構造体40における外層構造体42の外部輪郭を画成(規定)するキャビテイ面52を有すると共に、外部の空気吸引源に連通接続される複数の空気吸引孔54を有している。また、図1A(b)に示す成形型48,50の前記キャビテイ面52には、凹凸形状を付することにより、キャビテイ内部へ突出する凸状部52aが形成されている。但し、図2(a)に示すように、前記キャビテイ面52に凹凸形状が付されていない平坦面としても良いことは勿論である。
開放状態にある成形型48,50と、両成形型に近接して位置している第1熱可塑性樹脂シート32,34との位置関係は、図1A(b)に示すように、両者の間に所要の間隙が保持されるようになっている。そして図1A(c)に示す如く、上方の成形型48を少し下降させると共に、下方の成形型50を少し上昇させると、該成形型48の開放端は第1熱可塑性樹脂シート32に接触し、また該成形型50の開放端は第1熱可塑性樹脂シート34に接触するに至る。
このとき、先に述べたように、第1熱可塑性樹脂シート32および第1熱可塑性樹脂シート34は各両端を前記クランプ64に把持されて展張状態になっているので、図1A(c)に示すように、上方の成形型48の下降により該成形型48の開放端は第1熱可塑性樹脂シート32に充分に密着する。同じく、下方の成形型50の上昇により該成形型50の開放端は第1熱可塑性樹脂シート34に充分に密着する。ここで、成形型48,50における空気吸引孔54を介して空気が吸引されると、前のシート加熱工程で加熱されて軟化している第1熱可塑性樹脂シート32,34は、図1A(c)に示すように、各成形型のキャビテイ面52へ引き寄せられて該キャビテイ面52の形状に倣った外層構造体42,42が賦形される。この場合、図1に示す成形型48,50のキャビテイ面52には、前述したように凹凸形状が付与されているので、前記外層構造体42には前記凹凸形状を反転させた凹凸形状が形成される。また、外層構造体42を賦形するための空気吸引を開始するタイミングは、第1熱可塑性樹脂シート32,34が成形型48に密着する前であっても、第1熱可塑性樹脂シート32,34が該成形型48に密着した後であってもよい。
(孔開け工程について)
図1A(c)に示す如く、外層構造体の賦形工程で第1熱可塑性樹脂シート32,34を真空成形して外層構造体42を賦形した後、その状態を保持したままで、図1B(d)に示す孔開け工程へ移行する。すなわち、図1B(d)において、各成形型のキャビテイ面52における前記凸状部52aの頂部に開放する前記空気吸引孔54に孔開けピン56を挿入前進させ、第1熱可塑性樹脂シートからなる外層構造体42を刺し通すことで、該外層構造体42に空気抜き孔58を穿設する。ここで空気抜き孔58を外層構造体42に設ける理由は、図1B(e)で後述する如く、両成形型48,50を閉じて第2熱可塑性樹脂シート36,38を賦形させる際に、前記外層構造体42(第1熱可塑性樹脂シート32,34)と該第2熱可塑性樹脂シート36,38との間の空間から空気を逃がす必要があるからである。先に述べた如く、キャビテイ面52には前記凹凸形状を付したことによりキャビテイ内部に突出する凸状部52aが形成されている。そこで、外層構造体42において前記空気抜き孔58が穿設される部位は、図1B(d)に示すように、前記凸状部52aが内側へ突出する部分に対応した位置とすることが好ましい。その理由は、図1B(e)に示す如く、第2熱可塑性樹脂シート36,38がキャビテイ面52の側に賦形されることで、第2熱可塑性樹脂シート36,38および第1熱可塑性樹脂シート32,34の間に空気を残した状態で、前記外層構造体42に設けた前記空気抜き孔58を第2熱可塑性樹脂シート36,38により塞ぐことができるからである。
(内層構造体の賦形工程について)
前記孔開け工程で外層構造体42に空気抜き孔58を穿設した後、図1B(e)に示すように、上下に開放している成形型48,50を閉成(型閉じ)することで、第1熱可塑性樹脂シート32,34および第2熱可塑性樹脂シート36,38は両成形型48,50により挟持される。この段階では、第2熱可塑性樹脂シート36,38は未だ賦形されていないので、これら第2熱可塑性樹脂シート36,38を賦形して内層構造体44とする必要がある。この第2熱可塑性樹脂シート36,38を賦形させる手段としては、図1B(e)に示すように圧空成形する場合と、図2(a)に示すように真空成形する場合とがあるので、以下に場合を分けて説明する。
(圧空成形)
図1B(e)は圧空成形する場合を示すもので、第2熱可塑性樹脂シート36と第2熱可塑性樹脂シート38との間には、空気供給源に接続するブローピン60が挿入されている。そして、前記ブローピン60を介して空気を吹き込むことで、前記シート加熱工程で加熱され軟化している第2熱可塑性樹脂シート36,38は次第に賦形される。この賦形に伴い前記外層構造体42と第2熱可塑性樹脂シート36,38との間の空気は、前記空気抜き孔58および空気吸引孔54を介して逃出する。そして、賦形中の第2熱可塑性樹脂シート36,38が外層構造体42に接触して前記空気抜き孔58を塞ぐと、外層構造体42と第2熱可塑性樹脂シート36,38との間の空気は外部へ逃出できなくなり、第2熱可塑性樹脂シート36,38は中空の内層構造体44になる。なお、外層構造体42と内層構造体44とは、凹凸形状における前記凸状部52aの頂部で接触して溶着する。また、成形型48,50で挟持された第1熱可塑性樹脂シート32,34および第2熱可塑性樹脂シート36,38は、その挟持部分において溶着される。そして、両成形型48,50から脱型すると、図1B(f)に示す前記2重構造体40が構成されている。この2重構造体40では、外層構造体42と内層構造体44との間に空気層62が形成されているので、この空気層62が断熱性能を著しく向上させる。
(真空成形)
図2(a)は、前述した図1Aおよび図1Bに示すキャビテイ面52に凹凸形状を付した圧空成形用の成形型48,50とは別形態の成形型48,50を用いて、真空成形を行う場合を示している。この別形態の成形型では、成形型48,50のキャビテイ面52には前述した凹凸形状は付されておらず、平坦な面になっている。また、各成形型には複数の空気吸引孔54が穿設されている。そして、各成形型のキャビテイ底面55から離間した位置に設けた空気吸引孔54(図2(a)では4個所)の夫々に孔開けピン56を挿入前進させ、第1熱可塑性樹脂シートの外層構造体42を刺し通すことで空気抜き孔58を穿設する。すなわち別形態では、図2(a)において、空気抜き孔58の開口している部位(キャビテイ側面)がキャビテイ底面55から離間した位置である。
このようにして、第2熱可塑性樹脂シート36,38および第1熱可塑性樹脂シート32,34の間の空気を前記空気抜き孔58から吸引すると、第2熱可塑性樹脂シート36,38は各成形型のキャビテイ面52に向け吸引されて変形して行く。そして、次第に変形した第2熱可塑性樹脂シート36,38が前記空気抜き孔58を塞ぐと、外層構造体42と第2熱可塑性樹脂シート36,38の間の空気は外部へ逃出できなくなるため、第2熱可塑性樹脂シート36,38の変形が停止する。図2(b)は、成形型48,50を開放して2重構造体40を脱型した場合の断面図であって、外層構造体42の内側と内層構造体44の外側との間には空気層62が確保されている。
前述したところでは、第2熱可塑性樹脂シート36,38の賦形について、圧空成形および真空成形を別々に説明したが、圧空成形と真空成形を組み合せて行うようにしてもよい。また、第2熱可塑性樹脂シート36,38の賦形を、キャビテイ面52における凹凸形状の頂部に孔開けピン56が設けられる成形型48,50により真空成形してもよい。更に、キャビテイ底面から離間した側面に孔開けピン56が設けられる成形型48,50により圧空成形するようにしてもよい。
32、34 第1熱可塑性樹脂シート,36、38 第2熱可塑性樹脂シート,
42 外層構造体,44 内層構造体,48、50 成形型,52 キャビテイ面,
52a 凸状部,54 空気吸引孔,58 空気抜き孔,62 空気層

Claims (6)

  1. 外層構造体になるべき1対の第1熱可塑性樹脂シートを対向配置すると共に、前記第1熱可塑性樹脂シートの内側に内層構造体になるべき1対の第2熱可塑性樹脂シートを対向配置し、これら第1熱可塑性樹脂シートおよび第2熱可塑性樹脂シートを加熱して軟化させるシート加熱工程と、
    前記外層構造体の外部輪郭を画成するキャビテイ面および該キャビテイ面に設けた空気吸引孔を有する1対の成形型を前記シート加熱工程で軟化した第1熱可塑性樹脂シートに接触させるとともに前記空気吸引孔から空気の吸引を行って、該第1熱可塑性樹脂シートを前記成形型のキャビテイ面に倣った形状に賦形する外層構造体の賦形工程と、
    前記1対の成形型のキャビテイ面により賦形された前記外層構造体をなす第1熱可塑性樹脂シートに空気抜き孔を穿設する孔開け工程と、
    前記1対の成形型を型閉じして第1熱可塑性樹脂シートおよび第2熱可塑性樹脂シートを両成形型により挟持した後に、第2熱可塑性樹脂シートおよび第1熱可塑性樹脂シートの間の空気を前記第1熱可塑性樹脂シートに設けた前記空気抜き孔から逃出させつつ該第2熱可塑性樹脂シートを賦形させて前記第2熱可塑性樹脂シートにより前記空気抜き孔を塞ぐことで、前記第1熱可塑性樹脂シートからなる外層構造体の内側に第2熱可塑性樹脂シートからなる内層構造体を空気層を介在させた状態で形成する内層構造体の賦形工程とからなる
    ことを特徴とする2重構造体の製造方法。
  2. 前記内層構造体の賦形工程では、前記シート加熱工程で軟化した1対の第2熱可塑性樹脂シートの間に空気を吹き込んで該第2熱可塑性樹脂シートを賦形する請求項1記載の2重構造体の製造方法。
  3. 前記内層構造体の賦形工程では、前記第1熱可塑性樹脂シートに穿設した前記空気抜き孔を介して前記第1熱可塑性樹脂シートと前記第2熱可塑性樹脂シートとの間の空気を吸引することで、前記シート加熱工程で軟化した1対の第2熱可塑性樹脂シートを賦形する請求項1記載の2重構造体の製造方法。
  4. 前記内層構造体の賦形工程では、前記シート加熱工程で軟化した1対の第2熱可塑性樹脂シートの間に空気を吹き込むと共に、前記第1熱可塑性樹脂シートに穿設した前記空気抜き孔を介して前記第1熱可塑性樹脂シートと前記第2熱可塑性樹脂シートとの間の空気を吸引することで、該第2熱可塑性樹脂シートを賦形する請求項1記載の2重構造体の製造方法。
  5. 前記空気抜き孔は、前記成形型のキャビテイ底面から離間した位置に対応して前記第1熱可塑性樹脂シートに穿設される請求項1〜4の何れか一項に記載の2重構造体の製造方法。
  6. 前記成形型のキャビテイ面にはキャビテイ内へ突出する凸状部が形成され、前記第1熱可塑性樹脂シートに穿設される前記空気抜き孔が該凸状部の頂部に対応して開口される請求項1〜5の何れか一項に記載の2重構造体の製造方法。
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