(第1実施例)
実施例に係る給湯システム2について図面を用いて説明する。図1は、実施例に係る給湯システム2の概略構成を模式的に示す図である。図1に示すように、給湯システム2は、HP(ヒートポンプ)ユニット4と、タンクユニット6と、バーナユニット8を備えている。
HPユニット4は、外気から吸熱して水を加熱する熱源である。HPユニット4は、圧縮機10と、凝縮器12と、膨張弁14と、蒸発器16を備えている。HPユニット4は、冷媒(例えばフロン系冷媒)を、圧縮機10、凝縮器12、膨張弁14、蒸発器16の順に循環させることで、外気から吸熱して水を加熱する。圧縮機10は、冷媒を加圧して高温高圧にする。凝縮器12は、水との熱交換により冷媒を冷却する。凝縮器12の水流路の両端部には、それぞれ、HP往き経路19とHP戻り経路21が接続されている。膨張弁14は、冷媒を減圧して低温低圧にする。蒸発器16は、外気との熱交換により冷媒を加熱する。HPユニット4はさらに、凝縮器12に水を循環させる循環ポンプ18と、凝縮器12に流れ込む水の温度を検出する往きサーミスタ20と、凝縮器12から流れ出る水の温度を検出する戻りサーミスタ22と、外気温度を検出するHP外気温度サーミスタ23と、HPユニット4の各構成要素の動作を制御するHPコントローラー24を備えている。HPユニット4は、沸き上げ運転によって後述する貯湯タンク30内の水を沸き上げて再び貯湯タンク30内に貯湯する。
タンクユニット6は、貯湯タンク30と、混合弁32と、バイパス制御弁34と、を備えている。貯湯タンク30は、外側が断熱材で覆われており、内部に水を蓄える密閉型の容器である。本実施例の貯湯タンク30の容量は、例えば160リットルである。HPユニット4の循環ポンプ18が駆動すると、貯湯タンク30の底部の水が、タンク往き経路31およびHP往き経路19を介して、凝縮器12へ送られる。凝縮器12で加熱されて高温となった水は、HP戻り経路21およびタンク戻り経路33を介して、貯湯タンク30の頂部から貯湯タンク30内に戻される。HPユニット4によって加熱された水(湯)が貯湯タンク30に流れ込むと、貯湯タンク30の内部には、低温の水の層の上に高温の水(湯)の層が積み重なった温度成層が形成される。
タンクユニット6は、貯湯量検出装置35を備えている。貯湯量検出装置35は、貯湯タンク30に取り付けられている複数のサーミスタを備えている。例えば、貯湯量検出装置35は、貯湯タンク30の側面に取り付けられている上部サーミスタ36と中間部サーミスタ37と下部サーミスタ38を備えている。本実施例では、上部サーミスタ36と中間部サーミスタ37と下部サーミスタ38を代表的に示しているが、貯湯量検出装置35の検出精度に応じて、更に複数のサーミスタが貯湯タンク30に取り付けられている。上部サーミスタ36が貯湯タンク30内の上部の水の温度を検出し、中間部サーミスタ37が貯湯タンク30内の中間部の水の温度を検出し、下部サーミスタ38が貯湯タンク30内の下部の水の温度を検出する。上部サーミスタ36は例えば貯湯タンク30の頂部から30リットルの位置に配置されており、中間部サーミスタ37は貯湯タンク30の頂部から50リットルの位置に配置されており、下部サーミスタ38は貯湯タンク30の頂部から100リットルの位置に配置されている。貯湯量検出装置35は、サーミスタ36,37,38を含む複数のサーミスタの検出温度に基づいて、貯湯タンク30内に貯湯されている湯量を検出する。貯湯量検出装置35は、貯湯タンク30内に貯湯されている湯量を例えば10リットル刻みで検出することができる。本実施例では貯湯量検出装置35が3つのサーミスタ36,37,38を備えているが、サーミスタの数は特に限定されるものではない。貯湯タンク30の容量および貯湯量検出装置35の検出精度に応じてサーミスタの数を増減することができる。
また、タンクユニット6には、給水経路40を介して水道水が供給される。給水経路40には、給水圧力を減圧する減圧弁42と、給水温度を検出する入水サーミスタ44が取り付けられている。給水経路40は、貯湯タンク30の底部に連通するタンク給水経路46と、混合弁32に連通するタンクバイパス経路48に分岐している。タンク給水経路46とタンクバイパス経路48には、それぞれ逆止弁50、52が取り付けられている。また、タンクバイパス経路48には、混合弁32に流入する水道水の流量を検出する水量センサ54が取り付けられている。貯湯タンク30の頂部と混合弁32は、タンク出湯経路56を介して連通している。タンク出湯経路56には、逆止弁58と、混合弁32に流入する貯湯タンク30からの湯の流量を検出する出湯量センサ60が取り付けられている。出湯量センサ60は、貯湯タンク30から出湯される湯量を検出する。
混合弁32は、タンクバイパス経路48から流れ込む水道水と、タンク出湯経路56から流れ込む貯湯タンク30からの湯を混合して、第1給湯経路62に送り出す。混合弁32は、ステッピングモータによって弁を駆動し、タンクバイパス経路48側の開度(水側の開度)と、タンク出湯経路56側の開度(湯側の開度)を調整する。第1給湯経路62には、混合弁32から送り出される水の温度を検出する混合サーミスタ64が取り付けられている。
タンクユニット6からは、第2給湯経路66を介して、台所やシャワー、カラン等の給湯箇所への給湯が行われる。第2給湯経路66には、給湯箇所へ供給される水の温度を検出する給湯出口サーミスタ68と、逆止弁70が取り付けられている。第1給湯経路62と第2給湯経路66の間は、給湯バイパス経路72によって連通している。給湯バイパス経路72には、バイパス制御弁34が取り付けられている。
タンクユニット6はさらに、タンクコントローラー74を備えている。タンクコントローラー74は、タンクユニット6の各構成要素の動作を制御する。また、タンクコントローラー74は、メモリ75を備えている。メモリ75は、様々な情報を記憶している。メモリ75が記憶している情報については後述する。
バーナユニット8は、バーナ80と、熱交換器82と、バイパスサーボ84と、水量サーボ86と、湯はり弁88と、を備えている。バーナ80は、燃料ガスの燃焼によって熱交換器82を流れる水を加熱する補助熱源機である。バーナ80には、ガス供給管81を介して燃料ガスが供給される。熱交換器82には、バーナ往路90を介して、タンクユニット6の第1給湯経路62からの水が流れ込む。熱交換器82を通過した水は、バーナ復路92を介して、タンクユニット6の第2給湯経路66へ流れ出る。バーナ往路90には、バーナ往路90を流れる水の流量を調整する水量サーボ86と、バーナ往路90を流れる水の流量を検出する水量センサ91が取り付けられている。バーナ往路90とバーナ復路92の間は、バーナバイパス経路94を介して連通している。バーナ往路90とバーナバイパス経路94の接続部に、バイパスサーボ84が取り付けられている。バイパスサーボ84は、バーナ往路90からバーナバイパス経路94へ流れる水の流量を調整する。バーナ復路92には、熱交換器82から流れ出る水の温度を検出するバーナ給湯サーミスタ96が取り付けられている。バーナ復路92からは、湯はり経路98が分岐している。バーナ復路92において、湯はり経路98には、湯はり弁88が取り付けられている。バーナユニット8からは、湯はり経路98を介して、給湯箇所である浴槽への湯はりが行われる。
バーナユニット8はさらに、バーナユニット8の各構成要素の動作を制御するバーナコントローラー100と、リモコン102を備えている。リモコン102は、バーナコントローラー100と通信可能である。また、リモコン102は、バーナコントローラー100を介して、タンクコントローラー74と通信可能である。リモコン102は、スイッチやボタンなどを介して、ユーザーからの各種の操作入力を受け入れる。各種の入力とは、例えば、後述する沸き上げ運転の実行指示や、給湯運転の実行指示などである。また、リモコン102は、表示や音声によってユーザーに給湯システム2の設定や動作に関する各種の情報を通知する。
HPコントローラー24とタンクコントローラー74は、互いに通信可能である。タンクコントローラー74とバーナコントローラー100は、互いに通信可能である。従って、HPコントローラー24と、タンクコントローラー74と、バーナコントローラー100が協調して制御を行うことで、給湯システム2は沸き上げ運転、給湯運転等の各種の動作を行うことができる。以下では、HPコントローラー24と、タンクコントローラー74と、バーナコントローラー100を総称して、単にコントローラー(制御装置の一例)とも呼ぶ。
次いで、給湯システム2の動作について説明する。給湯システム2は、沸き上げ運転と、給湯運転と、を実行することができる。
(沸き上げ運転)
沸き上げ運転では、給湯システム2は、HPユニット4を駆動して、貯湯タンク30内の水を加熱する。沸き上げ運転は、リモコン102から沸き上げ運転の実行指示が入力されることで実行されることもあるし、後述する給湯運転を行っている間に実行されることもあるし、所定の沸き上げ運転の開始予定時刻の到来によって実行されることもある。
沸き上げ運転が開始されると、HPコントローラー24は、圧縮機10を駆動して、圧縮機10、凝縮器12、膨張弁14、蒸発器16の順に冷媒を循環させるとともに、循環ポンプ18を駆動して、貯湯タンク30と凝縮器12の間で水を循環させる。これによって、貯湯タンク30の底部から吸い出された水は、凝縮器12において沸き上げ温度(例えば45℃)まで加熱されて、貯湯タンク30の頂部に戻される。貯湯タンク30内の水のうち、沸き上げ水量(例えば30リットル)の水が、沸き上げ温度まで加熱された水で置き換えられると、HPコントローラー24は沸き上げ運転を終了する。
(給湯運転)
給湯運転では、給湯設定温度の水を給湯箇所へ供給する。コントローラーは、水量センサ54で検出される流量と、出湯量センサ60で検出される流量を合算した流量(給湯流量ともいう)が最低動作流量(例えば2.4L/分)以上となると、給湯箇所の開栓や浴槽への湯張りなどにより給湯が開始されたものと判断する。そして、コントローラーは、上部サーミスタ36で検出される温度に応じて、以下の非燃焼給湯運転または燃焼給湯運転を実行する。
上部サーミスタ36で検出される温度が給湯設定温度以上である場合、コントローラーは、非燃焼給湯運転を実行する。非燃焼給湯運転では、コントローラーは、バーナ80の燃焼運転を禁止するとともに、混合サーミスタ64で検出される温度が給湯設定温度となるように、混合弁32の開度を調整する。これによって、給湯箇所に給湯設定温度に温度調整された水が供給される。
上部サーミスタ36で検出される温度が給湯設定温度未満の場合、コントローラーは、燃焼給湯運転を実行する。燃焼給湯運転では、コントローラーは、バーナ80の燃焼運転を許可するとともに、混合サーミスタ64で検出される温度が、給湯設定温度よりもバーナ80の最小加熱能力の分だけ低い温度となるように、混合弁32の開度を調整する。この場合、貯湯タンク30の上部から供給される高温の水(湯)と、給水経路40から供給される低温の水が、混合弁32において混合された後、バーナ80によって給湯設定温度まで加熱されて、給湯箇所へ供給される。
上記の非燃焼給湯運転または燃焼給湯運転を実行中に、給湯流量が最低動作流量を下回ると、コントローラーは、給湯箇所の閉栓や浴槽への湯張りの終了などにより給湯が終了したものと判断して、給湯運転を終了する。
次に、タンクユニット6のメモリ75(記憶装置の一例)に記憶されている情報について説明する。図2に示すように、メモリ75は、7日前出湯量と、14日前出湯量と、最小出湯量と、平均出湯量と、第1最大出湯量と、7n日前出湯量と、第2最大出湯量とを記憶している。
7日前出湯量は、本日(例えば2017年2月15日)の7日前の日の所定時間帯に貯湯タンク30から出湯された湯量である。7日前出湯量は、本日の1週間前の日の同じ時間帯における出湯量である。本日は任意の日である。本日(2017年2月15日)と本日の7日前の日(2017年2月8日)は、同じ曜日(水曜日)である。所定時間帯は予め設定されている。所定時間帯は例えば17:00〜18:00である。所定時間帯に貯湯タンク30から出湯された湯量は、所定時間帯(17:00〜18:00)の最初から最後までの間に貯湯タンク30から出湯された湯量の全量である。貯湯タンク30から出湯される湯量は、出湯量センサ60によって検出されている。図3に示すように、7日前出湯量は、例えば100リットルである。
14日前出湯量は、本日の14日前の日の所定時間帯に貯湯タンク30から出湯された湯量である。14日前出湯量は、本日の2週間前の日の同じ時間帯における出湯量である。本日(2017年2月15日)と、本日の7日前の日(2017年2月8日)と、本日の14日前の日(2017年2月1日)は、同じ曜日(水曜日)である。所定時間帯は上記の7日前と同じである。所定時間帯は例えば17:00〜18:00である。本日の14日前の日において、所定時間帯に貯湯タンク30から出湯された湯量(14日前出湯量)は、図3に示すように、例えば120リットルである。所定時間帯に貯湯タンク30から出湯された湯量は、所定時間帯の最初(17:00)から最後(18:00)までの間に貯湯タンク30から出湯された湯量の全量である。貯湯タンク30から出湯される湯量は、出湯量センサ60によって検出されている。
最小出湯量は、上記の7日前出湯量と14日前出湯量のうちで最小の出湯量である。上記の例では、7日前出湯量が100リットルであり、14日前出湯量が120リットルである。したがって、最小出湯量は7日前出湯量の100リットルである。7日前出湯量と14日前出湯量が同じである場合は、どちらの出湯量を最小出湯量としてもよい。コントローラーが7日前出湯量と14日前出湯量と比較し、最小出湯量をメモリ75に記憶しておく。
平均出湯量は、上記の7日前出湯量と14日前出湯量の平均の出湯量である。上記の例では、平均出湯量は、100リットル(7日前出湯量)と120リットル(14日前出湯量)の平均の110リットルである。コントローラーが7日前出湯量と14日前出湯量を算術平均し、平均出湯量をメモリ75に記憶しておく。
第1最大出湯量は、上記の7日前出湯量と14日前出湯量のうちで最大の出湯量である。上記の例では、7日前出湯量が100リットルであり、14日前出湯量が120リットルである。したがって、第1最大出湯量は14日前出湯量の120リットルである。7日前出湯量と14日前出湯量が同じである場合は、どちらの出湯量を第1最大出湯量としてもよい。コントローラーが7日前出湯量と14日前出湯量を比較し、第1最大出湯量をメモリ75に記憶しておく。
7n日前出湯量は、本日の7n日前(n=3,4,・・・)の日の所定時間帯に貯湯タンク30から出湯された湯量である。7n日前(n=3,4,・・・)は、例えば21日前(n=3),28日前(n=4),・・・である。nは3から始まる自然数である。nの数が増えると7n日前出湯量の数が増える。少なくとも1つの7n日前出湯量がメモリ75に記憶されている。7n日前出湯量は、本日のn週間前の同じ曜日の同じ時間帯における出湯量である。本日と、本日の7日前の日と、本日の14日前の日と、本日の7n日前の日は、同じ曜日(水曜日)である。所定時間帯は上記の7日前と同じである。所定時間帯は例えば17:00〜18:00である。本日の7n日前の日の7n日前出湯量は、図3に示すように、例えば21日前(n=3)の日では140リットルであり、28日前(n=4)の日では150リットルである。所定時間帯に貯湯タンク30から出湯された湯量は、所定時間帯(17:00〜18:00)の最初から最後までの間に貯湯タンク30から出湯された湯量の全量である。貯湯タンク30から出湯される湯量は、出湯量センサ60によって検出されている。
第2最大出湯量は、上記の7日前出湯量と、14日前出湯量と、少なくとも1つの7n日前出湯量と、のうちで最大の出湯量である。上記の例では、7日前出湯量が100リットルであり、14日前出湯量が120リットルである。また、n=3では、7n日前出湯量(21日前出湯量)が140リットルである。したがって、この場合は、第2最大出湯量は21日前出湯量の140リットルである。
また、n=4では、7n日前出湯量(28日前出湯量)が150リットルである。第2最大出湯量は、7日前出湯量(100リットル)と、14日前出湯量(120リットル)と、21日前出湯量(140リットル)と、28日前出湯量(150リットル)と、のうちで最大の出湯量である。したがって、この場合は、第2最大出湯量は28日前出湯量の150リットルである。
7日前出湯量と14日前出湯量と少なくとも1つの7n日前出湯量が同じである場合は、どの出湯量を第2最大出湯量としてもよい。コントローラーが7日前出湯量と14日前出湯量と少なくとも1つの7n日前出湯量を比較し、第2最大出湯量をメモリ75に記憶しておく。nの数が増えると比較する7n日前出湯量の数が増える。
次に、上記の給湯システム2で実行される第1実施例に係る処理について説明する。以下の処理は本日(2017年2月15日)の所定時間帯(17:00〜18:00)に実行される。コントローラーが本日の所定時間帯に以下の処理を実行する。
本日の所定時間帯(17:00〜18:00)において、給湯システム2のコントローラーは、既出湯量を継続的に算出している。既出湯量は、本日の所定時間帯において、所定時間帯の最初(17:00)から現在までの間に貯湯タンク30から出湯された湯量である。既出湯量は、所定時間帯の最初から現在までの全出湯量である。コントローラーは、出湯量センサ60によって検出された出湯量に基づいて既出湯量を算出する。コントローラーは、単位時間あたりの出湯量を積算して既出湯量を算出する。貯湯タンク30内に貯湯されている湯が貯湯タンク30から出湯されると、コントローラーが算出する既出湯量が増加する。例えば、台所での給湯によって既出湯量が増加する。
また、所定時間帯(17:00〜18:00)において貯湯タンク30内に貯湯されている現在の湯量が80リットルであるとする。貯湯タンク30内に貯湯されている湯量は、貯湯量検出装置35によって継続的に検出されている。所定時間帯における現在の貯湯量(80リットル)は、メモリ75が記憶している最小貯湯量(100リットル)未満である。例えば、台所での給湯によって、貯湯タンク30内に貯湯されている湯が貯湯タンク30から出湯され、貯湯タンク30内の現在の貯湯量が最小貯湯量より少なくなっているとする。
図4は、給湯システム2で実行される第1実施例の処理を示すフローチャートである。図4に示すように、ステップS11では、給湯システム2のコントローラーが、最小沸き上げ運転を実行する。最小沸き上げ運転では、メモリ75が記憶している最小出湯量から貯湯タンク30内の現在の貯湯量と既出湯量を差し引いた湯量をHPユニット4によって沸き上げる。すなわち、HPユニット4による沸き上げ湯量=最小貯湯量−現在の貯湯量−既出湯量である。上述したように、所定時間帯における貯湯タンク30内の現在の貯湯量は80リットルである。一方、メモリ75が記憶している最小出湯量は100リットルである。また、本日の所定時間帯の最初(17:00)から現在までの既出湯量が10リットルであるとする。よって、図5に示すように、最小沸き上げ運転においてHPユニット4によって沸き上げる湯量L1は、10リットル=100リットル(最小出湯量)−80リットル(現在の貯湯量)−10リットル(既出湯量)である。
最小沸き上げ運転によって、貯湯タンク30内の水がHPユニット4によって沸き上げられて再び貯湯タンク30内に貯湯される。最小出湯量(100リットル)から現在の貯湯量(80リットル)と既出湯量(10リットル)を差し引いた湯量(10リットル)が沸き上げられて貯湯タンク30内に貯湯される。
図4に示すように、続いてステップS12では、コントローラーが、既出湯量が最小出湯量を超えたか否かを判断する。既出湯量が最小出湯量を超えた場合は、ステップS12でコントローラーがYesと判断してステップS13に進む。一方、既出湯量が最小出湯量を超えない場合(既出湯量が最小出湯量未満の場合)は、ステップS12でコントローラーがNoと判断して待機する。
続いてステップS13では、コントローラーが、平均沸き上げ運転を実行する。平均沸き上げ運転では、メモリ75が記憶している平均出湯量から最小出湯量を差し引いた湯量をHPユニット4によって沸き上げる。すなわち、HPユニット4による沸き上げ湯量=平均出湯量−最小出湯量である。上述したように、平均出湯量は110リットルである。一方、最小出湯量は100リットルである。よって、図5に示すように、平均沸き上げ運転においてHPユニット4によって沸き上げる湯量L2は、10リットル=110リットル(平均出湯量)−100リットル(最小出湯量)である。
平均沸き上げ運転によって、貯湯タンク30内の水がHPユニット4によって沸き上げられて再び貯湯タンク30内に貯湯される。平均出湯量(110リットル)から最小出湯量(100リットル)を差し引いた湯量(10リットル)が沸き上げられて貯湯タンク30内に貯湯される。
続いてステップS14では、コントローラーが、既出湯量が平均出湯量を超えたか否かを判断する。既出湯量が平均出湯量を超えた場合は、ステップS14でコントローラーがYesと判断してステップS15に進む。一方、既出湯量が平均出湯量を超えない場合(既出湯量が平均出湯量未満の場合)は、ステップS14でコントローラーがNoと判断して待機する。
続いてステップS15では、コントローラーが、第1最大沸き上げ運転を実行する。第1最大沸き上げ運転では、メモリ75が記憶している第1最大出湯量から平均出湯量を差し引いた湯量をHPユニット4によって沸き上げる。すなわち、HPユニット4による沸き上げ湯量=第1最大出湯量−平均出湯量である。上述したように、第1最大出湯量は120リットルである。一方、平均出湯量は110リットルである。よって、図5に示すように、第1最大沸き上げ運転においてHPユニット4によって沸き上げる湯量L3は、10リットル=120リットル(第1最大出湯量)−110リットル(平均出湯量)である。
第1最大沸き上げ運転によって、貯湯タンク30内の水がHPユニット4によって沸き上げられて再び貯湯タンク30内に貯湯される。第1最大出湯量(120リットル)から平均出湯量(110リットル)を差し引いた湯量(10リットル)が沸き上げられて貯湯タンク30内に貯湯される。
続いてステップS16では、コントローラーが、既出湯量が第1最大出湯量を超えたか否かを判断する。既出湯量が第1最大出湯量を超えた場合は、ステップS16でコントローラーがYesと判断してステップS17に進む。一方、既出湯量が第1最大出湯量を超えない場合(既出湯量が第1最大出湯量未満の場合)は、ステップS16でコントローラーがNoと判断して待機する。
続いてステップS17では、コントローラーが、第2最大沸き上げ運転を実行する。第2最大沸き上げ運転では、メモリ75が記憶している第2最大出湯量から第1最大出湯量を差し引いた湯量をHPユニット4によって沸き上げる。すなわち、HPユニット4による沸き上げ湯量=第2最大出湯量−第1最大出湯量である。ステップS17における第2最大出湯量は、n=3の場合における値である。この場合は、上述したように、第2最大出湯量は7n日前出湯量(21日前出湯量)の140リットルになる。一方、第1最大出湯量は120リットルである。よって、図5に示すように、第2最大沸き上げ運転においてHPユニット4によって沸き上げる湯量L4は、20リットル=140リットル(第2最大出湯量)−120リットル(第1最大出湯量)である。
第2最大沸き上げ運転によって、貯湯タンク30内の水がHPユニット4によって沸き上げられて再び貯湯タンク30内に貯湯される。第2最大出湯量(140リットル)から第1最大出湯量(120リットル)を差し引いた湯量(20リットル)が沸き上げられて貯湯タンク30内に貯湯される。
続いてステップS18では、コントローラーが、既出湯量が第2最大出湯量を超えたか否かを判断する。ステップS18における第2最大出湯量はn=3の場合における値である。既出湯量が第2最大出湯量を超えた場合は、ステップS18でコントローラーがYesと判断してステップS19に進む。一方、既出湯量が第2最大出湯量を超えない場合(既出湯量が第2最大出湯量未満の場合)は、ステップS18でコントローラーがNoと判断して待機する。
続いてステップS19では、コントローラーが、nの数を1つ増やす。すなわち、n=4とする。本実施例では、nの数を1つ増やすと、第2最大出湯量が28日前出湯量の150リットルとなる。
続いてステップS21では、コントローラーが、増後第2最大沸き上げ運転を実行する。増後第2最大沸き上げ運転では、メモリ75が記憶しているnを増やした後の第2最大出湯量から、nを増やす前の第2最大出湯量を差し引いた湯量をHPユニット4によって沸き上げる。すなわち、HPユニット4による沸き上げ湯量=nを増やした後の第2最大出湯量−nを増やす前の第2最大出湯量である。ステップS21における第2最大出湯量はnを増やした後のn=4の場合における値である。上述したように、nを増やした後(n=4)の第2最大出湯量は150リットルである。一方、nを増やす前(n=3)の第2最大出湯量は140リットルである。よって、図5に示すように、増後第2最大沸き上げ運転においてHPユニット4によって沸き上げる湯量L5は、10リットル=150リットル(nを増やした後の第2最大出湯量)−140リットル(nを増やす前の第2最大出湯量)である。
増後第2最大沸き上げ運転によって、貯湯タンク30内の水がHPユニット4によって沸き上げられて再び貯湯タンク30内に貯湯される。nを増やした後の第2最大出湯量(150リットル)から、nを増やす前の第2最大出湯量(140リットル)を差し引いた湯量(10リットル)が沸き上げられて貯湯タンク30内に貯湯される。
続いてステップS22では、コントローラーが、nの数を1つ増やす処理を所定の回数実行したか否かを判断する。nの数を1つ増やす処理を所定の回数実行した場合は、ステップS22でコントローラーがYesと判断して処理を終了する。一方、nの数を1つ増やす処理を所定の回数実行していない場合は、ステップS22でコントローラーがNoと判断してステップS18に戻る。所定の回数は特に限定されない。nの数を1つ増やす処理を繰り返すと、第2最大出湯量が更新されてゆく。
以上、第1実施例に係る給湯システム2について説明した。上記の説明から明らかなように、給湯システム2は、貯湯タンク30と、沸き上げ運転によって貯湯タンク内の水を沸き上げて貯湯タンク内に貯湯するHPユニット4と、貯湯タンク30内に貯湯されている湯量を検出する貯湯量検出装置35と、貯湯タンク30から出湯される湯量を検出する出湯量センサ60と、メモリ75と、コントローラーを備えている。この給湯システム2では、メモリ75が、7日前出湯量と、14日前出湯量と、最小出湯量と、平均出湯量と、第1最大出湯量を記憶している。7日前出湯量は、本日の7日前の日の所定時間帯に貯湯タンク30から出湯された湯量である。14日前出湯量は、本日の14日前の日の所定時間帯に貯湯タンク30から出湯された湯量である。最小出湯量は、7日前出湯量と14日前出湯量のうちで最小の出湯量である。平均出湯量は、7日前出湯量と14日前出湯量の平均値である。第1最大出湯量は、7日前出湯量と14日前出湯量のうちで最大の出湯量である。コントローラーは、本日の所定時間帯において以下の処理を実行する。すなわち、コントローラーは、出湯量センサ60によって検出された出湯量に基づいて、本日の所定時間帯の最初から現在までの間に貯湯タンク30から出湯された湯量である既出湯量を継続的に算出する。また、コントローラーは、最小出湯量から現在の貯湯量を差し引いた湯量をHPユニット4によって沸き上げる最小沸き上げ運転を実行する。また、コントローラーは、最小沸き上げ運転が終了した後に、既出湯量が最小出湯量を超えたときは、平均出湯量から最小出湯量を差し引いた湯量をHPユニット4によって沸き上げる平均沸き上げ運転を実行する。また、コントローラーは、平均沸き上げ運転が終了した後に、既出湯量が平均出湯量を超えたときは、第1最大出湯量から平均出湯量を差し引いた湯量をHPユニット4によって沸き上げる第1最大沸き上げ運転を実行する。
このような構成によれば、まず過去(7日前と14日前)の最小出湯量を基準にして本日の最小沸き上げ運転を実行する。そのため、過去の出湯量を基準にしているものの、その最小値を基準にするので、必要最小限の湯量を沸き上げることができる。その結果、必要以上の湯量をHPユニット4によって沸き上げてしまうことを抑制できる。また、本日の既出湯量が過去の最小出湯量を超えたときは、過去の平均出湯量を基準にして本日の平均沸き上げ運転を実行する。そのため、本日の既出湯量が増えたときに、それに応じて沸き上げ湯量を変更することができる。また、過去の出湯量を基準にするものの、その平均値を基準にするので必要以上の湯量を沸き上げてしまうことを抑制できる。また、本日の既出湯量が過去の平均出湯量を超えたときは、過去の第1最大出湯量を基準にして本日の第1最大沸き上げ運転を実行する。そのため、本日の既出湯量が更に増えたとしても、それに応じて沸き上げ湯量を変更することができる。
また、上記の構成によれば、本日の沸き上げ湯量を過去の同じ曜日(7日前と14日前)の出湯量を基準にしているので、曜日を揃えることによって適切な湯量を沸き上げることができる。すなわち、過去の異なる曜日の出湯量を基準にすると、本日の出湯量と過去の出湯量の相違が大きくなり、適切な湯量を沸き上げることができない可能性がある。例えば、平日の水曜日と休日の日曜日では、出湯量が大きく相違することがある。しかしながら、過去の同じ曜日の出湯量を基準にすることによって、本日の出湯量と過去の出湯量の相違が小さくなるので、適切な湯量を沸き上げることができる。
以上より、上記の構成によれば、必要以上の湯量を沸き上げてしまうことを抑制しつつ、本日の既出湯量に応じて沸き上げ湯量を変更することができる。また、同じ曜日を基準にして適切な湯量を沸き上げることができ。よって、本日の出湯量に応じて適切な湯量を沸き上げることができる。
また、上記の構成によれば、本日の沸き上げ湯量に対して7日前と14日前を基準にすることによって、季節の変化の影響を小さくすることができる。例えば、季節が冬から春に変わると、本日の外気温度が21日前や28日前の外気温度より高くなる。14日より前の日では、本日より外気温度が低くなり、その影響で貯湯タンク30から出湯される湯量が多くなる傾向がある。14日より前の日を基準にすると、季節の変わり目で外気温度が大きく変わり、出湯量が大きく変化する。そうすると、本日の出湯量と過去の出湯量の相違が大きくなる。7日前と14日前を基準にすることによって、本日の出湯量と過去の出湯量の相違を小さくすることができる。そのため、出湯量を基準にして沸き上げ運転を実行する際に、適切な湯量を沸き上げることができる。
また、上記の給湯システム2では、メモリ75が、少なくとも1つの7n日前出湯量と、第2最大出湯量を記憶している。少なくとも1つの7n日前出湯量は、本日の7n日前(n=3,4,・・・)の日の所定時間帯に貯湯タンク30から出湯された湯量である。第2最大出湯量は、7日前出湯量と、14日前出湯量と、少なくとも1つの7n日前出湯量と、のうちで最大の出湯量である。コントローラーは、本日の所定時間帯において以下の処理を実行する。すなわち、コントローラーは、第1最大沸き上げ運転が終了した後に、既出湯量が第1最大出湯量を超えたときは、第2最大出湯量から第1最大出湯量を差し引いた湯量をHPユニット4によって沸き上げる第2最大沸き上げ運転を実行する。
このような構成によれば、本日の既出湯量が過去の第1最大出湯量を超えたときは、過去の第2最大出湯量を基準にして本日の第2最大沸き上げ運転を実行する。そのため、本日の既出湯量が増えたとしても、過去の更に多い出湯量を基準にして沸き上げ湯量を変更することができる。これによって、本日の出湯量に応じて適切な湯量を沸き上げることができる。
また、上記の給湯システム2では、コントローラーが、本日の所定時間帯において、第2最大沸き上げ運転が終了した後に、既出湯量が第2最大出湯量を超えたときは、nの数を1つ増やし、nの数を増やした後の第2最大出湯量から、nの数を増やす前の第2最大出湯量を差し引いた湯量をHPユニット4によって沸き上げる増後第2最大沸き上げ運転を実行する。
このような構成によれば、本日の既出湯量が過去の第2最大出湯量を超えたときは、7n日前出湯量におけるnの数を増やすので、本日の既出湯量が増えたとしても、過去の更に多い出湯量を基準にして沸き上げ湯量を変更することができる。これによって、本日の出湯量に応じて適切な湯量を沸き上げることができる。
以上、一実施例について説明したが、具体的な態様は上記実施例に限定されるものではない。以下の説明において、上述の説明における構成と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
(第2実施例)
次に、第2実施例について説明する。第2実施例では、図6に示すように、タンクユニット6のメモリ75が、上記の第1実施例で説明した7日前出湯量と、14日前出湯量と、最小出湯量と、平均出湯量と、第1最大出湯量に加えて、複数の7m日前各日出湯量と、第3最大出湯量とを記憶している。第2実施例では、メモリ75が上記の第1実施例で説明した7n日前出湯量と第2最大出湯量を記憶していなくてもよい。
7m日前各日出湯量は、本日より7m(m=1,2,・・・)日前までの各日の所定時間帯に貯湯タンク30から出湯された湯量である。7m日前は、例えば7日前(m=1),14日前(m=2),・・・である。mは1から始まる自然数である。本日より7m日前までの各日は、例えばm=1である場合は、本日より1日前、2日前、3日前、4日前、5日前、6日前、7日前の各日である。また、m=2である場合は、7m日前までの各日は、本日より1日前、2日前、3日前、・・・、12日前、13日前、14日前の各日である。本日より7m日前までの各日は、本日より7m日前までの全ての日である。複数の7m日前各日出湯量は、それぞれ異なる日の所定時間帯における出湯量である。mの数が増えると7m日前各日出湯量の数が増える。
所定時間帯は上記の第1実施例の7日前の所定時間帯と同じである。所定時間帯は例えば17:00〜18:00である。所定時間帯に貯湯タンク30から出湯された湯量は、所定時間帯(17:00〜18:00)の最初から最後までの間に貯湯タンク30から出湯された湯量の全量である。貯湯タンク30から出湯される湯量は、出湯量センサ60によって検出されている。
第3最大出湯量は、7日前出湯量と、14日前出湯量と、複数の7m日前各日出湯量と、のうちで最大の出湯量である。図7に示すように、本実施例では、m=1のときの第3最大出湯量を140リットルとし、m=2のときの第3最大出湯量を150リットルと仮定して説明する。
7日前出湯量と14日前出湯量と複数の7m日前各日出湯量が同じである場合は、どの出湯量を第3最大出湯量としてもよい。コントローラーが7日前出湯量と14日前出湯量と複数の7m日前各日出湯量を比較し、第3最大出湯量をメモリ75に記憶しておく。mの数が増えると比較する7m日前各日出湯量の数が増える。
次に、上記の給湯システム2で実行される第2実施例の処理について説明する。図8は、給湯システム2で実行される第2実施例の処理を示すフローチャートである。図8に示すように、第2実施例のステップS11からステップS16までの処理は、上記の第1実施例のステップS11からステップS16までの処理と同様である。したがって、ステップS11からステップS16までの処理については説明を省略する。第2実施例では、ステップS16でコントローラーがYesと判断するとステップS27に進む。
続いてステップS27では、コントローラーが、第3最大沸き上げ運転を実行する。第3最大沸き上げ運転では、メモリ75が記憶している第3最大出湯量から第1最大出湯量を差し引いた湯量をHPユニット4によって沸き上げる。すなわち、HPユニット4による沸き上げ湯量=第3最大出湯量−第1最大出湯量である。ステップS27における第3最大出湯量はm=3の場合における値である。上述したように、m=3の場合の第3最大出湯量は140リットルである。一方、第1最大出湯量は120リットルである。よって、図9に示すように、第3最大沸き上げ運転においてHPユニット4によって沸き上げる湯量L6は、20リットル=140リットル(第3最大出湯量)−120リットル(第1最大出湯量)である。
第3最大沸き上げ運転によって、貯湯タンク30内の水がHPユニット4によって沸き上げられて再び貯湯タンク30内に貯湯される。第3最大出湯量(140リットル)から第1最大出湯量(120リットル)を差し引いた湯量(20リットル)が沸き上げられて貯湯タンク30内に貯湯される。
続いてステップS28では、コントローラーが、既出湯量が第3最大出湯量を超えたか否かを判断する。ステップS28における第3最大出湯量はm=3の場合における値である。既出湯量が第3最大出湯量を超えた場合は、ステップS28でコントローラーがYesと判断してステップS29に進む。一方、既出湯量が第3最大出湯量を超えない場合(既出湯量が第3最大出湯量未満の場合)は、ステップS28でコントローラーがNoと判断して待機する。
続いてステップS29では、コントローラーが、mの数を1つ増やす。すなわち、m=4とする。本実施例では、mの数を1つ増やすと、第3最大出湯量が150リットルとなる。
続いてステップS31では、コントローラーが、増後第3最大沸き上げ運転を実行する。増後第3最大沸き上げ運転では、メモリ75が記憶しているmを増やした後の第3最大出湯量から、mを増やす前の第3最大出湯量を差し引いた湯量をHPユニット4によって沸き上げる。すなわち、HPユニット4による沸き上げ湯量=mを増やした後の第2最大出湯量−mを増やす前の第2最大出湯量である。ステップS31における第3最大出湯量はmを増やした後のm=4の場合における値である。上述したように、mを増やした後(m=4)の第3最大出湯量は150リットルである。一方、mを増やす前(m=3)の第3最大出湯量は140リットルである。よって、図9に示すように、増後第3最大沸き上げ運転においてHPユニット4によって沸き上げる湯量L7は、10リットル=150リットル(mを増やした後の第3最大出湯量)−140リットル(mを増やす前の第3最大出湯量)である。
増後第3最大沸き上げ運転によって、貯湯タンク30内の水がHPユニット4によって沸き上げられて再び貯湯タンク30内に貯湯される。mを増やした後の第3最大出湯量(150リットル)から、mを増やす前の第3最大出湯量(140リットル)を差し引いた湯量(10リットル)が沸き上げられて貯湯タンク30内に貯湯される。
続いてステップS32では、コントローラーが、mの数を1つ増やす処理を所定の回数実行したか否かを判断する。mの数を1つ増やす処理を所定の回数実行した場合は、ステップS32でコントローラーがYesと判断してステップS33に進む。一方、mの数を1つ増やす処理を所定の回数実行していない場合は、ステップS32でコントローラーがNoと判断してステップS28に戻る。所定の回数は特に限定されない。mの数を1つ増やす処理を繰り返すと、第3最大出湯量が更新されてゆく。
続いてステップS33では、コントローラーが、補足沸き上げ運転を実行する。補足沸き上げ運転では、所定の最小湯量をHPユニット4によって沸き上げる。すなわち、HPユニット4による沸き上げ湯量=所定の最小湯量である。所定の最小湯量は、例えば10リットルである。図9に示すように、HPユニット4による沸き上げ湯量L8は、10リットル(所定の最小湯量)である。
補足沸き上げ運転によって、貯湯タンク30内の水がHPユニット4によって沸き上げられて再び貯湯タンク30内に貯湯される。所定の最小湯量(10リットル)が沸き上げられて貯湯タンク30内に貯湯される。コントローラーは、ステップS33で補足沸き上げ運転を実行した後に処理を終了する。
以上、第2実施例に係る給湯システム2について説明した。上記の説明から明らかなように、第2実施例に係る給湯システム2では、メモリ75が、複数の7m日前各日出湯量と、第3最大出湯量を記憶している。複数の7m日前各日出湯量は、本日より7m(m=1,2,・・・)日前までの各日の所定時間帯に貯湯タンク30から出湯された湯量である。第3最大出湯量は、7日前出湯量と、14日前出湯量と、複数の7m日前各日出湯量と、のうちで最大の出湯量である。コントローラーは、本日の所定時間帯において、以下の処理を実行する。コントローラーは、上記の第1実施例で説明した第1最大沸き上げ運転が終了した後に、既出湯量が第1最大出湯量を超えたときは、第3最大出湯量から第1最大出湯量を差し引いた湯量をヒートポンプによって沸き上げる第3最大沸き上げ運転を実行する。
このような構成によれば、本日の既出湯量が過去の第1最大出湯量を超えたときは、過去の第3最大出湯量を基準にして本日の第3最大沸き上げ運転を実行する。そのため、本日の出湯量が増えたとしても、過去の更に多い出湯量を基準にして沸き上げ湯量を変更することができる。これによって、本日の出湯量に応じて適切な湯量を沸き上げることができる。
また、上記の給湯システム2では、コントローラーが、本日の所定時間帯において、第3最大沸き上げ運転が終了した後に、既出湯量が第3最大出湯量を超えたときは、mの数を1つ増やし、mの数を増やした後の第3最大出湯量から、mの数を増やす前の第3最大出湯量を差し引いた湯量をヒートポンプによって沸き上げる増後第3最大沸き上げ運転を実行する。
このような構成によれば、本日の既出湯量が過去の第3最大出湯量を超えたときは、7m日前各日出湯量におけるmの数を増やすので、本日の既出湯量が増えたとしても、過去を更にさかのぼって、出湯量が多い日を基準にして適切な湯量を沸き上げることができる。mの数を増やすことによって、過去の更に多い出湯量を基準にすることができる。
また、上記の給湯システム2では、コントローラーは、本日の所定時間帯において、mの数を増やす処理を所定の回数実行した後に、所定の最小湯量をヒートポンプによって沸き上げる補足沸き上げ運転を実行する。
このような構成によれば、mの数を増やす処理を所定の回数実行した後は、所定の最小湯量を沸き上げるだけなので、余分な湯量を沸き上げることがない。そのため、余分なエネルギーを消費することを抑制できる。過去の最も多い出湯量を基準にした後は、沸き上げ湯量を最小限にすることができる。
(その他の実施例)
上記の実施例では、貯湯タンク30から出湯される湯量を出湯量センサ60で直接的に検出していたが、この構成に限定されるものではない。タンク出湯経路56に取り付けられている出湯量センサ60は出湯量検出装置の一例である。他の実施例では、例えば、カランやシャワーから出湯される湯量を検出し、その検出値と給水温度等に基づいて貯湯タンク30から出湯される湯量を算出してもよい。すなわち、貯湯タンク30から出湯される湯量を間接的に検出してもよい。
また、上記の実施例では所定時間帯を17:00〜18:00としていたが、所定時間帯は特に限定されるものではない。例えば、一日の終日の0:00〜24:00を所定時間帯としてもよい。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。