以下、図面を参照して実施の形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺及び縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。また、本明細書において用いる、形状や幾何学的条件並びにそれらの程度を特定する、例えば、「平行」、「直交」、「同一」等の用語や長さや角度の値等については、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈することとする。
(第1の実施形態)
図1〜図28は、第1の実施形態及びその変形例を説明するための図である。このうち図1は、太陽電池複合型表示体10の構成を示す斜視図であり、図2及び図3は、それぞれ、太陽電池複合型表示体10の縦断面図又は横断面図である。図4は、太陽電池複合型表示体10を横方向から観察した場合に観察される表示対象を示す図である。一方、図5〜図28は、変形例を説明するための図である。
図1〜図3に示されているように、本実施形態の太陽電池複合型表示体10は、対向する一対の主面40a,40bを有したシート状の本体部40を有する光制御シート20と、光制御シート20の本体部40の主面40bに対向して配置された太陽電池パネル50と、を有している。図示された例では、光制御シート20は、太陽電池複合型表示体10の表面10aを形成し、太陽電池パネル50は、太陽電池複合型表示体10の裏面10bを形成している。表面10aは、太陽電池複合型表示体10へ入射する太陽光等の外光等が入射する入射面をなす。ここで説明する太陽電池複合型表示体10は、所定の表示機能及び外光を利用した発電機能の両方を発揮する。図1に示す太陽電池複合型表示体10は、二次元配列された、すなわち平面状に分散して配置された複数の単位要素30を有している。
本実施形態の太陽電池複合型表示体10の表面10aには、表示対象13(図4参照)を可視化する表示要素11が設けられている。図4に示された例では、各単位要素30の要素面31は、それぞれ4つの面(第1面32a、第2面32b、第3面32c及び第4面32d)で構成されており、このうち、第3面32c上に表示要素11が配置されている。
本実施形態による太陽電池複合型表示体10の構成及び作用効果について説明する。図3に示すように、角度範囲AR3内の方向D31,D32から太陽電池複合型表示体10を観察すると、主として要素面31の第3面32cを覆うように配置された表示要素11が観察される。したがって、表示要素11は、角度範囲AR3から太陽電池複合型表示体10を観察する観察者に対して主として表示機能を発揮する。一方、別の角度範囲AR4内の方向から入射した光L31,L32は、主として単位要素30の第4面32dを透過して、太陽電池パネル50に導かれる。したがって、太陽電池パネル50は、角度範囲AR4から太陽電池複合型表示体10へ入射する光に対して主として発電機能を発揮する。
以上のように、この太陽電池複合型表示体10によれば、観察者からの観察方向と外光の入射方向との相違を利用して、観察者が表示要素11を観察する際に太陽電池パネル50が視認されることを抑制し、周囲との調和を図りながら太陽電池パネル50で発電することを可能にしている。とりわけ図1〜図4に示された例では、単位要素30の要素面31を構成する4つの面32a〜32dのうちの1つの横側面35(第3面32c)を覆うように表示要素11が配置されており、これにより、横方向から表示対象13が視認されることを可能にしている。
以下、本実施形態の太陽電池複合型表示体10を構成する各部材の構成及び作用効果についてさらに詳述する。
光制御シート20は、シート状の本体部40と、本体部40に積層された光学要素部25と、を有している。このうち、本体部40は、互いに対向する一対の主面として、第1面40a及び第2面40bを有している。第1面40aは、光学要素部25と隣接する面を形成している。第2面40bは、太陽電池パネル50の受光面50aに対向している。
光学要素部25は、互いに対向する一対の主面として、第1面25a及び第2面25bを有している。光学要素部25の第1面25aは、太陽電池複合型表示体10の表面10aを形成している。光学要素部25の第2面25bは、本体部40の第1面40aに対向して配置されている。本体部40及び光学要素部25は、太陽電池複合型表示体10に入射する光を効率よく透過させるよう、光透過性に優れた材料にて構成され、樹脂やガラスを用いることができる。本実施形態では主成分としてアクリル系樹脂を用いている。なお、本体部40の第1面40aと光学要素部25の第2面25bとは、図2及び図3に示すように一体的に形成されていてもよいが、部分的な空隙や他の層を介して接合されていてもよい。
なお、本明細書において、「シート」、「フィルム」、「板」等の用語は、呼称の違いのみに基づいて、互いから区別されるものではない。したがって、例えば、「シート」はフィルムや板とも呼ばれ得るような部材も含む概念である。一具体例として、「光制御シート」には、「光制御フィルム」や「光制御板」等と呼ばれる部材も含まれる。
また、本明細書において、「シート面(フィルム面、板面、パネル面)」とは、対象となるシート状の部材を全体的かつ大局的に見た場合において対象となるシート状部材の平面方向と一致する面のことを指す。以下に説明する実施形態においては、太陽電池複合型表示体10のパネル面、後述する光制御シート20のシート面、本体部40のシート面、並びに、太陽電池パネル50のパネル面は、互いに平行となっている。さらに、本明細書において、シート状(フィルム状、板状、パネル状)の部材に対して用いる「法線方向」とは、当該部材のシート面への法線方向のことを指す。
本体部40の第1面40aに配置された光学要素部25は、二次元配列された多数の単位要素30を含んでいる。ここでいう単位要素30とは、凸部又は凹部を形成する部位である。図示された例において、単位要素30は、光学要素部25に繰り返し現れる或る形状をその輪郭として有した1つの要素となっている。この単位要素30は、錐体形状となる凸部を形成している。ただし、単位要素30は、図示されたプリズム状の単位プリズムからなる例に限定されず、他の例として、レンズ面をもつ単位レンズであってもよい。また、単位要素30は、本体部40とは反対側を向く面(光学要素部25の第1面25a)すなわち太陽電池パネル50と反対側の面に、要素面31を形成している。要素面31は、単位要素30の表面によって規定される非平面の面であり、典型的には、複数の平面、1つ以上の曲面、あるいはこれらの面の組み合わせからなる。図示された例では、単位要素30が錐体形状であることに対応して、要素面31は、複数の平面を有している。
より具体的には、図示された太陽電池複合型表示体10において、単位要素30は、角錐形状、とりわけ四角錐形状の単位プリズムからなっている。また、単位要素30がなす四角錐は、方錐、さらには正四角錐となっている。したがって、単位要素30は、三角形状、とりわけ二等辺三角形状の四つの面32a,32b,32c,32dを含むことになる。単位要素30は、四角形の底面が本体部40の第1面40a上に位置するようにして、本体部40上に設けられている。単位要素30の頂点を通過する底面への垂線は、本体部40の法線方向に沿うようになっている。しかしながら、この例に限られず、単位要素30の頂点を通過する底面への垂線は、本体部40の法線方向ndに対して傾斜していてもよい。
本実施形態において、単位要素30は、本体部40のシート面及び水平方向の両方に対して平行な方向に対して傾斜した横側面35を有している。本明細書において、「本体部のシート面及び水平方向の両方に対して平行な方向に対して傾斜した」面とは、太陽電池複合型表示体10が設置された状態において、本体部40のシート面及び水平方向の両方に対して平行な方向と平行をなす面、及び、本体部40のシート面及び水平方向の両方に対して平行な方向と直交する面、以外の面を意味している。図1〜図4に示された例では、単位要素30の要素面31の第3面32c及び第4面32dが横側面35をなしている。なお、横側面35は、当該横側面35への法線方向が、本体部40のシート面に対して水平方向に傾斜している面ともいえる。なお、横側面35は、本体部40のシート面に対して水平方向に傾斜し且つ鉛直方向と平行をなす面、及び、本体部40のシート面に対して水平方向及び鉛直方向の両方に傾斜している面、を含む。また、1つの面(例えば曲面)のうちの、本体部40のシート面に対して水平方向に傾斜した部分も、横側面35をなす。
図示された例において、複数の単位要素30は、本体部40の第1面40a上において、第1方向d1及び第2方向d2の両方に配列されている。第1方向d1及び第2方向d2は、両方とも、本体部40のシート面に沿っている。すなわち、第1方向d1及び第2方向d2は、両方とも、本体部40の法線方向ndに対して直交している。また、第1方向d1及び第2方向d2は非平行であり、とりわけ図示された例において直交している。したがって、複数の単位要素30は、格子状、とりわけ正方格子状に配列されている。図示された例において、第1方向d1が鉛直方向に沿うとともに第2方向d2が水平方向に沿うように、太陽電池複合型表示体10が保持されている。
図2は、第1方向d1、及び、太陽電池パネル50の法線方向すなわち本体部40の法線方向ndの両方に平行な断面を示している。一方、図3は、第2方向d2、及び、太陽電池パネル50の法線方向すなわち本体部40の法線方向ndの両方に平行な断面を示している。図2に示すように、各単位要素30の要素面31において、第1面32aが、第1方向d1における第1側1sに位置し、第2面32bが、第1方向d1における第2側2sに位置している。図示された配置において、第1方向d1における第1側1sは、鉛直方向における上側のことであり、第1方向d1における第2側2sは、鉛直方向における下側のことである。また、図3に示すように、第3面32cが、第2方向d2における第3側3sに位置し、第4面32dが、第2方向d2における第4側4sに位置している。図示された配置において、第2方向d2における第3側3sは、水平方向における西側のことであり、第2方向d2における第4側4sは、水平方向における東側のことである。
図2〜図4に示すように、各単位要素30の要素面31の一部分を覆うようにして、表示要素11が設けられている。ゆえに、複数の表示要素11は、単位要素30に対応して、単位要素30の配列方向である第1方向d1及び第2方向d2の両方向に沿って配列されている。図示された例において、表示要素11は単位要素30の要素面31のうちの1つの横側面35(第3面32c)上に配置されている。したがって、表示要素11は、対応する単位要素30の要素面31のうちの1つの横側面35(第3面32c)を覆っている。とりわけ図示された例において、表示要素11は、1つの横側面35(第3面32c)の全領域を隙間無く覆っている。その一方で、表示要素11は、対応する単位要素30の第1面32a、第2面32b及び第4面32dからずれて配置されている。すなわち、表示要素11は、第1面32a、第2面32b及び第4面32dを覆うことなく、第1面32a、第2面32b及び第4面32dを露出させている。表示要素11の表示要素11は、第2方向d2における第3側3s(水平方向における西側)を向くようにして、単位要素30上に保持されている。すなわち、表示要素11は、第2方向d2における第3側3sを向くようにして、単位要素30上に保持されている。
上述のように、太陽電池複合型表示体10は、表面10a側から観察されることが意図されており、各表示要素11は、表示を行うための表示面12を有している。図3から理解されるように、表示面12は、法線方向ndに対して第3側3s(西側)に傾斜した方向D31,D32から観察したときに、視認され易くなる。したがって、表示面12からの表示機能は、法線方向ndに対して第3側3sに傾斜した方向(横方向)D31,D32から観察されたときに、効果的に発揮されるようになる。
図示された例において、複数の表示面12の組み合わせによって表示対象13を表示する。表示対象13としては、図形、パターン、デザイン、色彩、絵、写真、キャラクターなどの絵柄(イメージ)や、文字、マーク、数字などの情報を例示することができる。表示対象13は、静止していても動いていてもよい。とりわけ、表示面12に動く表示対象13を表示する場合、太陽電池パネル50から発電された電気を駆動に用いることが簡便である。
図4に、表示面12に付与される表示対象13の一例が示されている。複数の表示面12は、複数の単位要素30に対応して、第1方向d1に配列されるとともに、第2方向d2にも配列されている。したがって、第1方向d1及び第2方向d2における各位置に位置する表示面12が、それぞれ、塗り分けられて画素として機能することにより、二次元的な表示対象13を表示することが可能となる。
とりわけ図4に示された例では、表示対象13としての「N」の文字に対応する領域内の各単位要素30の1つの横側面35(第3面32c)上に設けられた表示要素11の表示面12は第1色を有している。また、表示対象13としての「N」の文字以外(表示対象13の周囲)に対応する領域内の各単位要素30の第3面32c上に設けられた表示要素11の表示面12は第2色を有している。そして、第1色と第2色とは互いに異なる色を有している。これにより、太陽電池複合型表示体10を、法線方向ndに対して第3側3s(横側、西側)に傾斜した方向D31,D32から観察した場合には、第1色と第2色との色の差により、表示対象13としての「N」の文字が観察される。
なお、図4において、表示対象13としての「N」の文字が途切れた態様で表示され連続して繋がった画素の組み合わせとして表示されていない。しかしながら、各表示要素11の間の間隔は、十分に小さく設定されており、肉眼においては、表示対象13としての「N」の文字が連続して繋がった画素として視認され得る点に留意されたい。
さて、図2及び図3に戻って、単位要素30の要素面31のうちの第1面32a、第2面32b及び第4面32dは、表示要素11によって覆われていない。このため、第1面32a、第2面32b及び第4面32dに入射した光L21,L22,L23,L24,L31,L32は、これらの面32a,32b,32dを屈折しながら透過して、太陽電池パネル50に向かっていく。すなわち、要素面31のうちの表示要素11に覆われていない面32a,32b,32dは、入射する光を太陽電池パネル50の受光面50aに導く光透過領域として機能する。
太陽電池パネル50の受光面50aで受光された光L21,L22,L23,L24,L31,L32は、太陽電池パネル50に含まれる太陽電池素子にて発電に利用される。図示された例において、太陽電池パネル50は、光制御シート20に対向し、且つ、光制御シート20から離間して配置されている。
図2及び図3に示すように、太陽電池パネル50は、第1方向d1及び第2方向d2に配列された複数の単位要素30に対向して、平面状に延び広がっている。図示された例において、太陽電池パネル50は、本体部40のシート面、言い換えると、太陽電池複合型表示体10のパネル面と平行に延びている。したがって図示された例では、太陽電池パネル50は、単位要素30の配列方向である第1方向d1及び第2方向d2と平行に延び広がっている。なお、太陽電池パネル50として、種々の既知な部材を用いることができ、特に限定されない。
以上の構成からなる太陽電池複合型表示体10は、一例として、次の方法にて製造することができる。まず、透明樹脂を成型することにより、本体部40及び単位要素30を作製する。成型は、熱溶融押出加工や射出成型等を採用することができる。次に、単位要素30の要素面31の一部分上に表示要素11を形成する。一例として、インクジェット印刷によって、要素面31上に表示要素11を配置することができる。その後、単位要素30に向き合うように太陽電池パネル50を設置する。これにより、太陽電池複合型表示体10が得られる。
このようにして得られる太陽電池複合型表示体10は、様々な用途で利用可能であり、例えば、屋外看板、道路情報掲示板、建築物の外壁面などで用いられる数m〜数十mサイズの大型パネル用途や、ポスター、標識、建築物の内壁面などで用いられる数十cm〜数mサイズの中型パネル用途や、卓上スタンド、携帯端末などで用いられる数cm〜数十cmの小型パネル用途などを例示することができる。
次に、主として、図2及び図3を参照しながら、太陽電池複合型表示体10の作用について説明する。太陽電池複合型表示体10は、例えば、単位要素30の配列方向である第1方向d1が鉛直方向に沿うとともに第2方向d2が水平方向に沿うようにして、配置される。このとき、第1方向d1における第1側1sが、鉛直方向における上側に位置し、第1方向d1における第2側2sが、鉛直方向における下側に位置し、第2方向d2における第3側3sが、水平方向における西側に位置し、第2方向d2における第4側4sが、水平方向における東側に位置するように、太陽電池複合型表示体10が設置される。
まず、図2によく示されているように、法線方向ndに対して第1方向d1における第1側1s、すなわち鉛直方向における上側に傾斜した第1角度範囲AR1内の方向から太陽電池複合型表示体10に向かう光L21,L22、例えば昼間の太陽光は、太陽電池複合型表示体10の表面10aのうちの、表示要素11が設けられていない第1面32aに入射し易くなる。また、法線方向ndに対して第1方向d1における第2側2s、すなわち鉛直方向における下側に傾斜した第2角度範囲AR2内の方向から太陽電池複合型表示体10に向かう光L23,L24、例えば太陽光が路面や屋根等で反射した照り返しの光は、太陽電池複合型表示体10の表面10aのうちの、表示要素11が設けられていない第2面32bに入射し易くなる。これら表示面12に入射しなかった光L21,L22,L23,L24は、屈折しながら第1面32a又は第2面32bを透過し、太陽電池パネル50に入射することができる。すなわち、この太陽電池複合型表示体10によれば、単位要素30の第1面32a及び第2面32bを介して、太陽光を太陽電池パネル50に有効に取り込み、高効率で発電することができる。
なお、下記の表1は、世界の幾つかの国の主要な都市における季節ごとの南中高度(°)を示している。表1中の緯度はすべて北緯である。また、表1中の経度は、東経が+(プラス)で、西経が−(マイナス)で表されている。使用が想定される国の主要な都市における春分秋分の南中高度が第2角度範囲AR2に含まれることが好ましい。その国で有効に使用できる可能性が高いからである。例えば、使用されることが想定される国が日本の場合は54°から56°までの高度が第2角度範囲AR2に含まれるようにすればよい。さらに、49°から61°までの高度が第2角度範囲AR2に含まれるようにすれば、世界の多くの国で有効に使用できる可能性が高いため、好ましい。また、使用が想定される国の主要な都市における夏至の南中高度から冬至の南中高度までが第2角度範囲AR2に含まれることがさらに好ましい。その国で一年を通して有効に使用できる可能性が高いからである。例えば、使用されることが想定される国が日本の場合は31°から79°までの高度が第2角度範囲AR2に含まれるようにすればよい。さらに、25°から84°までの高度が第2角度範囲AR2に含まれるようにすれば、世界の多くの国で有効に使用できる可能性が高いため、好ましい。なお、所望の高度が第2角度範囲AR2に含まれることを容易にするために、第2角度範囲AR2の角度範囲が45°程度以上連続していることが好ましい。もっとも、太陽電池複合型表示体10を傾けて配置することによって、所望の高度を第2角度範囲AR2に含まれるようにすることも可能である。一方、第2角度範囲AR2の角度範囲の上限については、第1角度範囲AR1とのバランスで適宜設定すればよいが、135°程度未満とすることによって、本実施形態の太陽電池複合型表示体10の特長をより発揮させることができる。
ところで、太陽は、季節に応じて南中高度を変化させるだけではない。太陽の位置は、日中大きく変化していく。太陽は、東の低高度の位置から南の高高度の位置へ移動し、その後、西の低高度の位置へ移動する。したがって、正午頃、太陽電池複合型表示体10には、法線方向ndから第1側1sに傾斜した方向から太陽光が、入射しやすくなり、既に図2を参照して説明したように、このような光L21,L22は、単位要素30の第1面32aを透過して太陽電池パネル50に導かれ、太陽電池パネル50での発電に利用され得る。一方、朝方及び夕方には、太陽光は低高度に位置していることから、太陽電池パネル50に向かう太陽光を単位要素30の第1面32aを介して効率的に取り込むことは不可能である。
一方、図3に示されているように、要素面31の1つの横側面35(第3面32c)に配置された表示要素11の表示面12は、当該表示面12の横側(西側)から視認され易くなる。図3に示す例において、第2方向d2における第3側3sとなる表示面12の第3側端部12cは、第2方向d2における第4側4sとなる表示面12の第4側端部12dよりも、本体部40の法線方向ndに沿って本体部40に近接している。すなわち、表示面12は、第3側3sを向くように本体部40のシート面に対して傾斜している。したがって、法線方向ndに対して第2方向d2における第3側3s、すなわち水平方向における西側に傾斜した第3角度範囲AR3内の方向D31,D32から太陽電池複合型表示体10を観察したときに、表示面12を視認し易くなる。したがって、観察者は、法線方向ndに対して第2方向d2における第3側3sに傾斜した方向D31,D32から太陽電池複合型表示体10を観察したときに、優れた視認性で表示対象13を観察することができる。
一方、図3に示すように、表示面12を視認し易い方向D31,D32とは異なる方向から太陽電池複合型表示体10に入射する光L31,L32、すなわち法線方向ndに対して第2方向d2における第4側4s、図示された例にあわせてさらに言い換えると、水平方向における東側に傾斜した方向から太陽電池複合型表示体10に入射する光L31,L32は、表示面12に入射し難い。このような光L31,L32は、単位要素30の要素面31のうちの第4面32dに入射し易くなる。
図3に示す例において、第2方向d2における第3側3sとなる第4面32dの第3側端部は、第2方向d2における第4側4sとなる第4面32dの第4側端部よりも、本体部40の法線方向ndに沿って本体部40から離間している。すなわち、第4面32dは、第4側4sを向くように本体部40のシート面に対して傾斜している。このため、法線方向ndに対して第2方向d2における第4側4s、すなわち水平方向における東側に傾斜した第4角度範囲AR4内の方向から太陽電池複合型表示体10に向かう光L31,L32は、太陽電池複合型表示体10の表面10aのうちの、表示要素11が設けられていない第4面32dに入射しやすくなる。表示要素11に覆われていない第4面32dに入射した光L31,L32は、屈折しながら第4面32dを透過し、太陽電池パネル50に向かう。
このように、表示面12を視認し易い方向D31,D32とは異なる方向となる第4角度範囲AR4から太陽電池複合型表示体10に入射する光L31,L32を、主として太陽電池パネル50に向けて透過させることで、水平方向において表示機能と発電機能の両立を図ることが可能となる。本体部40の法線方向ndよりも、第2方向d2における第3側3sから太陽電池複合型表示体10の表面10aを観察した場合、すなわち図4に示された状態では、同一の表面積を有する第1面32a、第2面32b、第3面32c及び第4面32dのうち、第3面32cが最も大きく観察され、第4面32dが最も小さく観察される。すなわち、濃紺色や黒色の単一色である受光面50aを有することで周囲環境となじみにくい太陽電池パネル50を目立たなくしながら、発電を実施することができる。
なお、光制御シート20の設置位置や設置角度によっては、上述してきた例と異なり、第2方向d2における第3側3s(西側)となる方向以外の方向(例えば第2方向d2における第4側4s(東側)となる方向)、或いは、第3側3sとなる方向に加えて第3側3s以外の他の方向(例えば第2方向d2における第3側3sとなる方向及び第4側4sとなる方向)からも、表示要素11によって表示される表示対象13が観察されることが好ましい場合がある。その場合には、単位要素30の要素面31のうちの、表示対象13が観察されることが好ましい方向に応じた面上に表示要素11を設けることが好ましい。また、例えば、単位要素30の第1面32a〜第4面32dのうちの2以上を表示要素11で覆う場合には、第1面32a〜第4面32dのうちの1つの面に配置された表示要素11によって表示される表示対象13と、他の面に配置された表示要素11によって表示される表示対象13と、を同一としてもよいし、異なるものとしてもよい。異なるものとした場合には、太陽電池複合型表示体10を観察する方向を変化させることによって、異なる表示対象13を観察することが可能となる。
以上に説明した第1の実施形態において、太陽電池複合型表示体10は、対向する一対の主面40a,40bを有したシート状の本体部40と、本体部40の一対の主面40a,40bのいずれかに対向して配置された太陽電池パネル50と、を備え、本体部40の一方の主面40a上に、本体部40のシート面及び水平方向の両方に対して平行な方向に対して傾斜した複数の表示面12が配列されている。とりわけ本実施形態の太陽電池複合型表示体10は、本体部40の一方の主面40a上に配列され、各々が凸部又は凹部を形成する、複数の単位要素30を有し、各表示面は、各単位要素の表面上に配置されている。したがって、表示面12が太陽電池パネル50を特定の方向から遮り、当該方向から表示面12が観察されるようにすることができる。その一方で、表示面12で遮られない表示方向以外の方向からの光が、表示面12で遮られることなく、太陽電池パネル50による発電に有効に活用されるようにすることができる。したがって、太陽電池パネル50を目立たなくすることで周囲の環境との調和を図ると共に、表示面12による表示及び太陽電池パネル50による発電の両立を図ることが可能となる。また、表示面12が、単位要素30の横側面35の少なくとも一部を覆うように配置されていることにより、横方向から表示面12が観察されるようにすることができる。
また、この太陽電池複合型表示体10では、さらに、複数の単位要素30が、一方の主面40a上の少なくとも一方向に沿って配列されている。とりわけ本実施形態の太陽電池複合型表示体10では、複数の単位要素30が、一方の主面40aと平行な第1方向d1と、一方の主面40aと平行且つ第1方向d1と交差する第2方向d2と、に密着して配列されている。したがって、第1方向d1における一方の側1sに傾斜した方向及び第1方向d1における他方の側2sに傾斜した方向のうちの一方を発電用の太陽光入射方向とし、他方を表示方向として使いわけることに加え、さらに、第2方向d2における一方の側3sに傾斜した方向及び第2方向d2における他方の側s4に傾斜した方向を、それぞれ、発電用の太陽光入射方向又は表示方向として利用することができる。すなわち、発電用の太陽光入射方向及び表示方向を細かく区分けすることが可能となる。これにより、この太陽電池複合型表示体10において発電に利用される太陽光の入射方向及び表示方向の調節の自由度を向上させることができる。結果として、太陽電池パネル50での発電量の制御及び表示面12の視野角の制御を高精度に実施することができる。
また、上述した第1の実施形態において、単位要素30が、錐体形状となる凸部を形成する。したがって、錐体形状の側面を表示要素11でどの程度覆うかにより、発電用の太陽光入射方向及び表示方向を高い自由度で区分けすることが可能となる。これにより、発電に利用される太陽光の入射方向及び表示方向の調節の自由度をより向上させることができる。
とりわけ、単位要素30が、角錐形状となる凸部を形成する場合には、発電に利用される太陽光の入射方向及び表示方向をより明瞭に区分けすることができる。これにより、太陽電池パネル50を効果的に目立たなくしながら、表示要素11による効果的な表示及び太陽電池パネル50による高効率での発電を実現することが可能となる。
また、複数の単位要素30が、互いに隣接して配列されている、典型的には、本体部40の一方の面上に隙間無く配列されているので、太陽電池パネル50をより目立たなくさせることができる。
なお、上述した実施形態に対して様々な変更を加えることが可能である。以下、適宜図面を参照しながら、変形の一例について説明する。以下の説明及び以下の説明で用いる図面では、上述した実施形態と同様に構成され得る部分について、上述の実施形態における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いることとし、重複する説明を省略する。
上述の実施形態において、単位要素30が、本体部40の太陽電池パネル50側を向く第2面40bとは反対側の第1面40a上に、設けられている例を示した。しかしながら、図5に示すように、単位要素30は、本体部40の太陽電池パネル50側を向く第2面40b上に、設けられても良い。図5に示された例において、本体部40は、一対の主面としての第1面40a及び第2面40bを有しており、このうち第1面40aが、太陽電池複合型表示体10の表面10a及び光制御シート20の表面を形成している。複数の単位要素30は、本体部40の第2面40b上に二次元配列されている。
図5に示された例において、各表示要素11は、対応する単位要素30の1つの横側面35(第4面32d)を覆うように、設けられている。表示要素11は、単位要素30に対面する側の面に、表示面12を有している。したがって、上述の第1の実施形態と同様に、法線方向ndに対して第2方向d2における第3側3sに傾斜した第3角度範囲AR3内の方向から、表示面12に形成された表示対象13を観察することができる。
また、表示要素11は、対応する単位要素30の第3面32cを覆っていない。この第3面32cは、第2方向d2における第3側3sの端部において、第4側4sの端部よりも、法線方向ndに沿って本体部40に近接して太陽電池パネル50から離間している。したがって、第3角度範囲AR3内の方向D51からは、光制御シート20の第3面32cを介して太陽電池パネル50を観察し難くなっている。すなわち、表示対象13を観察し易い方向からは、太陽電池パネル50の受光面50aは観察され難くなっている。一方、法線方向ndから第2方向d2における第4側4sに傾斜した第4角度範囲AR4内の方向の光L51は、光制御シート20を透過して、太陽電池パネル50に入射し易くなっている。
なお、図5に示された太陽電池複合型表示体10においても、上述の第1の実施形態と同様に、太陽電池複合型表示体10の設置位置に応じて、表示要素11は、単位要素30の第1面32a及び第2面32bを覆うことができる。
次に、図6を参照して、別の変形例を説明する。上述の第1の実施形態では、単位要素30の要素面31が、平坦面を含む例を示したが、これに限られない。図6に示すように、要素面31が曲面状に形成されていてもよい。図6に示された例において、単位要素30は、例えば半球状の形状を有し、本体部40の第2面40b上に二次元配列されている。半球面状の要素面31は、第2方向d2における第4側4sに位置する第4側領域33aと、第2方向d2における第3側3sに位置する第3側領域33bと、を含んでいる。表示要素11は、第4側領域33aを覆うようにして要素面31上に設けられている。図4に示された例と同様に、法線方向ndに対して第2方向d2における第3側3sに傾斜した第3角度範囲AR3内の方向D61から、表示面12に形成された表示対象13は観察され易く、その一方で、太陽電池パネル50は観察され難くなる。また、法線方向ndに対して第2方向d2における第4側4sに傾斜した第4角度範囲AR4内の方向からの光L61,L62は、光制御シート20を透過して、太陽電池パネル50に入射し易くなっている。
また、図6に示された例において、曲面状の要素面31は、太陽電池パネル50の受光面50aに向かう光を拡散させる拡散機能を有している。要素面31の光拡散機能により、受光面50aの全域により均一に太陽光が入射し、これにより、太陽電池パネル50での発電効率を改善することができる。とりわけ、図示された例において、太陽電池パネル50は、要素面31の焦点位置fpよりも法線方向ndに沿って光制御シート20から離間している。したがって、このような配置によれば、太陽電池複合型表示体10に入射して太陽電池パネル50に向かう平行光束に含まれる光L61,L62が、集光位置xpに集光した後に拡がった状態で太陽電池パネル50に到達する。このため、太陽電池複合型表示体10に入射する太陽光を、太陽電池パネル50の広い領域に到達させることに寄与する。
なお、図6に示された例において、曲面状の要素面31を含んだ単位要素30が、本体部40の第2面40b上に配置されている例を示したが、これに限られず、本体部40の第1面40a上に配置されていてもよい。
次に、図7を参照して、別の変形例を説明する。上述の第1の実施形態において、単位要素30が凸部を形成する例を示したが、この限られず、単位要素30が凹部を形成するようにしてもよい。図7に示された例において、本体部40の一方の主面40a上に、光学要素部25が形成されている。光学要素部25は、本体部40上に二次元配列された複数の単位要素30を有している。図示された例において、複数の単位要素30は、一体的に形成されている。単位要素30は凹部を含んでおり、この凹部の内面が要素面31を形成している。図示された例において、要素面31は、半球面状となっている。半球面状の要素面31は、第2方向d2における第4側4sに位置する第4側領域33aと、第2方向d2における第3側3sに位置する第3側領域33bと、を含んでいる。表示要素11は、第4側領域33aを覆うようにして要素面31上に設けられている。法線方向ndに対して第2方向d2における第3側3sに傾斜した第3角度範囲AR3内の方向D71から、表示面12に形成された表示対象13は観察され易く、その一方で、太陽電池パネル50は観察され難くなる。また、法線方向ndに対して第2方向d2における第4側4sに傾斜した第4角度範囲AR4内の方向からの光L71,L72は、光制御シート20を透過して、太陽電池パネル50に入射し易くなっている。
なお、図7に示された例において、曲面状の要素面31を含んだ単位要素30が、本体部40の第1面40a上に配置されている例を示したが、これに限られず、本体部40の第2面40b上に配置されていてもよい。また、図7に示された例において、凹部を形成する要素面31が曲面状となっている例を示したが、これに限られず、凹部を形成する要素面31が平坦面を含むようにしてもよい。
次に、引き続き図7を参照して、別の変形例を説明する。上述の第1の実施形態において、太陽電池パネル50が、光制御シート20から離間して別部材となっている例を示したが、これに限られない。図7に示すように、粘着剤60等を介して、光制御シート20及び太陽電池パネル50を接合してもよい。このような例によれば、光制御シート20及び太陽電池パネル50の位置ずれを効果的に防止することができる。
別の変形例として、上述の第1の実施形態において、本体部40のシート面に対して非平行な要素面31が、光制御シート20の表面又は裏面を形成する例を示したが、この例に限られない。単位要素30の要素面31によって形成される光学要素部25の凹凸面を、樹脂封止するようにしてもよい。光制御シート20の表面又は裏面を平坦面とすることで、粉塵等の汚れの堆積を効果的に防止することができ、また、清掃作業を容易化することも可能となる。
別の変形例として、上述の第1の実施形態において、太陽電池パネル50は、光制御シート20に対向し、且つ、光制御シート20から離間して配置されている例を示したが、この例に限られない。太陽電池パネル50は、粘着剤や接着剤等を介して光制御シート20に対して接合されていてもよい。このような例によれば、光制御シート20及び太陽電池パネル50の位置ずれを効果的に防止することができる。
さらに別の変形例として、上述の第1の実施形態において、単位要素30が四角錐形状となる凸部を形成する例を示したが、これに限られず、図8に示すように、単位要素30が、四角錐から頂点を含む一部分を取り除いた形状となる、凸部又は凹部を形成するようにしてもよい。図8に示された例では、単位要素30が、四角錐台形状となる凸部を形成している。単位要素30を錐台形状とすることで、要素面31に含まれる面が増える。したがって、表示対象13の表示方向(視認方向)にさらに高い自由度を付与することができる。
さらに別の変形例として、上述の第1の実施形態において、単位要素30が四角錐形状となる凸部を形成する例を示したが、これに限られず、図9及び図10に示された例のように、単位要素30が、三角錐形状となる凸部又は凹部を形成するようにしてもよい。この例において、単位要素30の要素面31は、三つの平坦面を有している。以下、図9及び図10に示された具体例について説明する。複数の単位要素30は、互いに非平行な第1方向d1、第2方向d2及び第3方向d3に配列されている。この単位要素30は、三角錐形状の凸部を形成しており、本体部40上に位置する底面が正三角形となっている。また、要素面31に含まれる三つの平坦面は、同一形状となっている。図9に示された例において、複数の単位要素30は、第1群の単位要素30a及び第2群の単位要素30bに区別され得る。第1群の単位要素30a及び第2群の単位要素30bは、同一形状を有するものの、向きが異なっている。複数の第1群の単位要素30aは、互いに同一に構成され、第1方向d1、第2方向d2及び第3方向d3に一定のピッチで配列されている。また、複数の第2群の単位要素30bは、互いに同一に構成され、第1方向d1、第2方向d2及び第3方向d3に一定のピッチで配列されている。図9及び図10に示された例では、単位要素30の要素面31は、六つの方向を向く平坦面を有するようになる。したがって、表示対象13の表示方向(視認方向)にさらに高い自由度を付与することができる。また、図9及び図10に示された例において、複数の単位要素30が隙間を空けることなく本体部40の一方の面上に配列されている。したがって、太陽電池パネル50の受光面50aを効果的に目立たなくすることが可能となる。
なお、単位要素30は、三角錐形状となる凸部又は凹部を形成することに代えて、例えば図11に示すように、三角錐から頂点を含む一部分を取り除いた形状となる、凸部又は凹部を形成するようにしてもよい。図11に示された例では、単位要素30が、三角錐台形状となる凸部を形成している。単位要素30を錐台形状とすることで、要素面31に含まれる面が増える。したがって、表示対象13の表示方向(視認方向)にさらに高い自由度を付与することができる。
さらに別の変形例として、単位要素30は、四角や三角以外の角錐形状又は角錐から頂点を含む一部分を取り除いた形状となる、凸部又は凹部を形成するようにしてもよい。一例として、図13に示された単位要素30は、六角錐形状となる凸部を形成している。また、図14に示された単位要素30は、六角錐から頂点を含む一部分を取り除いた形状となる凸部を形成している。とりわけ図14に示された単位要素30は、六角錐台となる凸部を形成している。図13及び図14に示された単位要素30は、一例として、図12に示すように、互いに非平行な第1方向d1、第2方向d2及び第3方向d3に配列することができる。単位要素30の底面をなす六角形が正六角形である場合には、第1方向d1、第2方向d2及び第3方向d3が互いに対して60°傾斜することで、本体部40上に隙間無く単位要素30を配列することができる。図12〜図14に示された例では、単位要素30の要素面31は、六つの方向を向く平坦な側面を有するようになる。したがって、表示対象13の表示方向(視認方向)にさらに高い自由度を付与することができる。
単位要素30が、角錐形状又は角錐から頂点を含む一部分を取り除いた形状となる、凸部又は凹部を形成する場合には、発電に利用される太陽光の入射方向及び表示方向をより明瞭に区分けすることができる。これにより、太陽電池パネル50を効果的に目立たなくしながら、表示要素11による効果的な表示及び太陽電池パネル50による高効率での発電を実現することが可能となる。とりわけ、各単位要素30が、三角錐形状、四角錐形状、六角錐形状、又は、これらの角錐から頂点を含む一部分を取り除いた形状となる、凸部又は凹部を形成する場合、複数の単位要素30を本体部40の一方の面上に隙間無く配列することが可能となる。これにより、太陽電池パネル50をより効果的に目立たなくさせることができる。
さらに別の変形例として、図15及び図16に示すように、単位要素30は、円錐形状または円錐から頂点を含む一部分を取り除いた形状となる、凸部又は凹部を形成するようにしてもよい。この例では、側面を表示要素11でどの程度覆うかを無段階的に調節することにより、発電用の太陽光入射方向および表示方向をより高い自由度で区分けすることが可能となる。これにより、発電に利用される太陽光の入射方向及び表示方向の調節の自由度をより向上させることができる。図15及び図16に示された単位要素30は、上述の一実施形態で示した具体例のように直交する二方向に配列されてもよいし、図12に示すように非平行な三つの方向に配列されてもよい。なお、図16に示された具体例において、単位要素30は、円錐台となる凸部を形成している。
さらに、別の変形例として、図17及び図18に示すように、単位要素30は、球の一部分をなす形状となる、凸部又は凹部を形成するようにしてもよい。この例では、側面を表示要素11でどの程度覆うかを無段階的に調節することにより、発電用の太陽光入射方向および表示方向をより高い自由度で区分けすることが可能となる。これにより、発電に利用される太陽光の入射方向及び表示方向の調節の自由度をより向上させることができる。図17及び図18に示された単位要素30は、上述の一実施形態で示した具体例のように直交する二方向に配列されてもよいし、図12に示すように非平行な三つの方向に配列されてもよい。なお、図17に示された例において、単位要素30は半球となっている。また、図18に示された具体例において、単位要素30の底面と上面は平行となっている。
図15〜図18に示された例では、要素面31の側面31aのうちの一部分が、本体部40のシート面に対して水平方向に傾斜する。すなわち当該部分が横側面35となる。このような例においても、表示要素11を、単位要素30の横側面35の少なくとも一部を覆うように配置することにより、横方向から表示要素11が観察されるようにすることができる。
さらに、別の変形例として、図19に示すように、単位要素30が、立方体、立方体の一部分、直方体、直方体の一部分、斜方晶、斜方晶の一部分、円柱や三角柱等の柱体、又は、柱体の一部をなす形状、すなわち種々の立体形状となる、凸部又は凹部を形成するようにしてもよい。この例によれば、発電に利用される太陽光の入射方向及び表示方向を明瞭に区分けすることができる。これにより、太陽電池パネル50を効果的に目立たなくしながら、表示要素による効果的な表示及び太陽電池パネルによる高効率での発電を実現することが可能となる。図19に示された例において、単位要素30は、立方体をなす形状となる凸部からなり、複数の単位要素30は、第1方向d1及び第2方向d2に規則的に配列されている。
さらに、別の変形例として、図20〜図28に示すように、単位要素30が、柱状形状の凸部若しくは凹部、又は、柱状形状の凸部若しくは凹部の軸線方向adの端面を本体部40の法線方向ndに対して傾斜するように面取りした形状、を形成するようにしてもよい。ここで柱状形状とは、一定の断面形状で軸線方向adに延びる部分を含む立体形状である。典型的な柱状形状の単位要素30として、柱体を挙げることができる。また、一方又は両方の端部で先細りし且つその中間部分において柱体となる立体形状も、柱状形状に含まれる。図23、図24及び図27に示された例において、単位要素30は、三角柱となっており、図28に示された例において、単位要素30は、半円柱となっている。また、図20、図21及び図25に示された例において、単位要素30は、三角柱の軸線方向adの端面を本体部40の法線方向ndに対して傾斜するように面取りした形状となっており、図22及び図26に示された例において、単位要素30は、半円柱の軸線方向adの端面を本体部40の法線方向ndに対して傾斜するように面取りした形状となっている。いずれの例においても、単位要素30は、その軸線方向adが、本体部40の一方の面40aに沿うようにして延びている。
まず、図20〜図24に示された例において、複数の単位要素30は、柱状形状の軸線方向adが第1方向d1に沿うようにして第1方向d1に配列され、且つ、第2方向d2に間隔をあけて又は隣接して配列されている。図20及び図23に示された例において、複数の単位要素30は、第2方向d2に隣接して配列されている。結果として、図20及び図23に示された例において、複数の単位要素30は、格子配列で配列されている。一方、図21、図22及び図24に示された例において、複数の単位要素30は、第2方向d2に間隔をあけて配列されている。また、図21、図22及び図24に示された例において、複数の単位要素30は、千鳥配列で配列されている。なお、図20〜図22に示された例では、第2方向d2が鉛直方向に沿うとともに第1方向d1が水平方向に沿うようにして、太陽電池複合型表示体10が設置されている。また、図23及び図24に示された例では、第1方向d1が鉛直方向に沿うとともに第2方向d2が水平方向に沿うようにして、太陽電池複合型表示体10が設置されている。
図25〜図28に示された例において、複数の単位要素30は、柱状形状の軸線方向adが第1方向d1に沿うようにして、且つ、第2方向d2に隣接して配列されている。なお、図25及び図26に示された例では、第2方向d2が鉛直方向に沿うとともに第1方向d1が水平方向に沿うようにして、太陽電池複合型表示体10が設置されている。また、図27及び図28に示された例では、第1方向d1が鉛直方向に沿うとともに第2方向d2が水平方向に沿うようにして、太陽電池複合型表示体10が設置されている。
図20〜図28に示された例によれば、単位要素30の軸線方向adにおける端面及び柱状形状の露出した側面が、要素面31をなしている。表示要素11を、要素面31の横側面35の少なくとも一部を覆うように配置することにより、横方向から表示要素11が観察されるようにすることができる。また、柱状形状の凸部又は凹部をなす単位要素30は、成形性に優れることから、高精度に作製することができる。これにより、太陽電池パネル50を効果的に目立たなくしながら、表示要素による効果的な表示及び太陽電池パネル50による高効率での発電を実現することが可能となる。
(第2の実施形態)
図29〜図37は、第2の実施形態及びその変形例を説明するための図である。このうち図29は、本実施形態の太陽電池複合型表示体10の構成を示す斜視図であり、図30は、図29のXXX−XXX線に対応する、太陽電池複合型表示体10の横断面図である。以下の説明及び以下の説明で用いる図面では、第1の実施形態と同様に構成され得る部分について、第1の実施形態における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用い、重複する説明を省略することがある。
図29に示されているように、本実施形態の太陽電池複合型表示体10は、対向する一対の主面40a,40bを有したシート状の本体部40を有する光制御シート20と、光制御シート20の本体部40の主面40bに対向して配置された太陽電池パネル50と、を有している。図示された例では、太陽電池複合型表示体10の本体部40の内部に、本体部40のシート面及び水平方向の両方に対して平行な方向に対して傾斜して配列された複数の表示要素11が設けられている。図示された例では、本体部40の内部に、複数の単位要素30が設けられており、各表示要素11は、各単位要素の要素面31上に設けられている。各表示要素11は、表示を行うための表示面12を有している。したがって、図示された例では、太陽電池複合型表示体10の本体部40の内部に、本体部40のシート面及び水平方向の両方に対して平行な方向に対して傾斜した複数の表示面12が配列されている。
本実施形態による太陽電池複合型表示体10の構成及び作用効果について説明する。図30に示すように、角度範囲AR3内の方向D301,D302から太陽電池複合型表示体10を観察すると、主として本体部40の内部に配列された表示要素11が観察される。したがって、表示要素11は、角度範囲AR3から太陽電池複合型表示体10を観察する観察者に対して主として表示機能を発揮する。一方、別の角度範囲AR4内の方向から入射した光L301,L302は、主として本体部40を透過して、太陽電池パネル50に導かれる。したがって、太陽電池パネル50は、角度範囲AR4から太陽電池複合型表示体10へ入射する光に対して主として発電機能を発揮する。
以上のように、この太陽電池複合型表示体10によれば、観察者からの観察方向と外光の入射方向との相違を利用して、観察者が表示要素11を観察する際に太陽電池パネル50が視認されることを抑制し、周囲との調和を図りながら太陽電池パネル50で発電することを可能にしている。とりわけ図30に示された例では、本体部40の内部に、本体部40のシート面及び水平方向の両方に対して平行な方向に対して傾斜した複数の表示面12が配列されており、これにより、横方向から表示対象13が視認されることを可能にしている。
以下、本実施形態の太陽電池複合型表示体10を構成する各部材の構成及び作用効果についてさらに詳述する。
光制御シート20は、シート状の本体部40を有している。本体部40は、互いに対向する一対の主面として、第1面40a及び第2面40bを有している。本体部40の第1面40aは、太陽電池複合型表示体10の表面10aを形成している。本体部40の第2面40bは、太陽電池パネル50の受光面50aに対向している。なお、図29〜図37に示した例では、本体部40及び太陽電池パネル50が、本体部40の第2面40bと太陽電池パネル50の受光面50aとが接するようにして配置されているが、これに限られず、本体部40及び太陽電池パネル50は、互いに離間して、すなわち本体部40の第2面40bと太陽電池パネル50の受光面50aとの間に隙間を有して、配置されてもよい。また、本体部40の第1面40a又は第2面40b上に、太陽電池複合型表示体10へ入射する光を太陽電池パネル50へ効果的に導くためのレンズ機能を発揮する凸部又は凹部が設けられていてもよい。
本体部40内には、複数の単位要素30が設けられている。各単位要素30は、本体部40のシート面と平行な第1方向d1に沿って延び、本体部40のシート面と平行且つ第1方向d1と交差する方向、とりわけ本体部40のシート面と平行且つ第1方向d1と直交する第2方向d2に沿って配列されている。図3に示された例では、隣り合う2つの単位要素30が、第2方向d2に沿って密着して配列されている。図示された例では、各単位要素30の要素面31は、第2方向d2の第3側3sに傾斜した第1面32aと、第2方向d2の第4側4sに傾斜した第2面32bと、を有している。要素面31の第1面32a及び第2面32bは、本体部40のシート面及び水平方向の両方に対して平行な方向に対して傾斜している。したがって、要素面31の第1面32a及び第2面32bは、それぞれ横側面35をなしている。図示された例では、要素面31の第2面32b上に表示要素11が設けられている。
各表示要素11は、表示を行うための表示面12を有している。各表示要素11は、本体部40の内部に、本体部40のシート面及び水平方向の両方に対して平行な方向に対して傾斜して配置されている。したがって、各表示要素11の表示面12も、本体部40のシート面及び水平方向の両方に対して平行な方向に対して傾斜して配置されている。図29及び図30に示された例では、複数の表示面12は、本体部40の内部に、本体部40のシート面と平行な第2方向d2に沿って配列され、本体部40のシート面と平行且つ第2方向d2と交差する方向、とりわけ本体部40のシート面と平行且つ第2方向d2と直交する第1方向d1、に延びている。図示された例では、各表示面12は、本体部40の第1面40aに近づくにしたがって第2方向d2の一方側(第3側3s)に向かうように傾斜した平面状に形成されている。なお、図29〜図37では、第1方向d1が鉛直方向と平行をなし、第2方向d2が水平方向と平行をなすように、太陽電池複合型表示体10が配置されたものを示している。
図30から理解されるように、表示面12は、法線方向ndに対して第4側4s(東側)に傾斜した方向D301,D302から観察したときに、視認され易くなる。したがって、表示面12からの表示機能は、法線方向ndに対して第4側4sに傾斜した方向(横方向)D301,D302から観察されたときに、効果的に発揮されるようになる。一方、法線方向ndに対して第3側3s(西側)に傾斜した別の角度範囲AR4内の方向から入射した光L301,L302は、本体部40の第1面40aを屈折しながら透過し、単位要素30の第1面32aを透過して、太陽電池パネル50に向かっていく。すなわち、第2方向d2に隣り合う2つの表示要素11間の領域は、入射する光を太陽電池パネル50の受光面50aに導く光透過領域として機能する。
なお、図30では、各表示面12が、本体部40の第1面40aに近づくにしたがって第2方向d2の一方側(第3側3s)に向かうように傾斜している例について説明したが、これに限られず、各表示要素11が単位要素30の第1面32a上に設けられ、これにより、各表示面12が、本体部40の第1面40aに近づくにしたがって第2方向d2の他方側(第4側4s)に向かうように傾斜するように形成されてもよい。この場合、法線方向ndに対して第3側3s(西側)に傾斜した方向から太陽電池複合型表示体10を観察する観察者に対して主として表示機能を発揮し、法線方向ndに対して第4側4s(東側)に傾斜した方向から太陽電池複合型表示体10へ入射する光に対して主として発電機能を発揮する。
以上の構成からなる太陽電池複合型表示体10は、一例として、次の方法にて製造することができる。まず、透明樹脂を成型することにより、ベース部402及びベース部402上に設けられた複数の単位要素30を有する第1部分401を作製する。成型は、熱溶融押出加工や射出成型等を採用することができる。次に、各単位要素30の第2面32b上に表示要素11を形成する。一例として、インクジェット印刷によって、各単位要素30の第2面32b上に表示要素11を配置することができる。次に、各単位要素30及び表示要素11を覆うように、透明樹脂からなる第2部分405を設けて、本体部40を作成する。その後、本体部40の第2面40bに向き合うように太陽電池パネル50を設置する。これにより、太陽電池複合型表示体10が得られる。
以上に説明した第2の実施形態において、太陽電池複合型表示体10は、対向する一対の主面40a,40bを有したシート状の本体部40と、本体部40の一対の主面40a,40bのいずれかに対向して配置された太陽電池パネル50と、を備え、本体部40の内部に、本体部40のシート面及び水平方向の両方に対して平行な方向に対して傾斜した複数の表示面12が配列されている。とりわけ本実施形態の太陽電池複合型表示体10は、複数の表示面12は、本体部40の内部に、本体部40のシート面と平行な第2方向d2に沿って配列されている。したがって、表示面12が太陽電池パネル50を特定の方向から遮り、当該方向から表示面12が観察されるようにすることができる。その一方で、表示面12で遮られない表示方向以外の方向からの光が、表示面12で遮られることなく、太陽電池パネル50による発電に有効に活用されるようにすることができる。したがって、太陽電池パネル50を目立たなくすることで周囲の環境との調和を図ると共に、表示面12による表示及び太陽電池パネル50による発電の両立を図ることが可能となる。また、表示面12が、単位要素30の横側面35の少なくとも一部を覆うように配置されていることにより、横方向から表示面12が観察されるようにすることができる。
なお、上述した第2の実施形態に対して様々な変更を加えることが可能である。以下、適宜図面を参照しながら、変形の一例について説明する。以下の説明及び以下の説明で用いる図面では、上述した実施形態と同様に構成され得る部分について、上述の実施形態における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いることとし、重複する説明を省略する。
図31〜図37は、光制御シート20を太陽電池パネル50とともに示す斜視図であり、上述の第2の実施形態の各変形例について説明する図である。
一変形例として、上述の第2の実施形態では、各表示面12が平面状に形成された例を示したが、これに限られず、各表示面12が曲面状又は折れ面状に形成されていてもよい。例えば図31には、各表示面12が曲面状に形成されたものが示されている。図示された例では、各単位要素30は半円柱状に形成され、その軸線が第1方向d1と平行をなすように配置されている。各表示要素11は、単位要素30の横側面35の少なくとも一部を覆うように形成されている。これにより、本体部40の法線方向及び表示面12の配列方向(第2方向d2)の両方に平行な断面において、各表示面12は、本体部40の第1面40aに近づくにしたがって第2方向d2の一方側に向かって曲がる曲線状に形成されている。また、各表示面12は、本体部40のシート面と平行且つ表示面12の配列方向と交差する方向、とりわけ本体部40のシート面と平行且つ表示面12の配列方向と直交する方向(第1方向d1)、に同一の断面形状を有して延びている。
図31に示された太陽電池複合型表示体10によれは、各表示面12が曲面状に形成されているので、表示面12を視認可能な角度範囲を広げることができる。したがって、観察者は、複数の表示面12で構成される表示対象13を、横方向のより広い角度範囲から観察することができる。すなわち、表示対象13の視認性を効果的に向上させることができる。
他の変形例として、上述の第2の実施形態及び図31を参照して説明した一変形例では、複数の表示面12が、本体部40のシート面と平行な第2方向d2に沿って配列されたものを示したが、これに限られず、複数の表示面12が、本体部40のシート面と平行な第1方向d1と、本体部40のシート面と平行且つ第1方向d1と交差する第2方向d2と、に離隔又は密着して配列されていてもよい。図32〜図35には、複数の表示面12が、本体部40のシート面と平行な第1方向d1に離隔して配列され、本体部40のシート面と平行且つ第1方向d1と交差する第2方向d2にも離隔して配列されたものが示されている。また、図36及び図37には、複数の表示面12が、本体部40のシート面と平行な第1方向d1に離隔して配列され、本体部40のシート面と平行且つ第1方向d1と交差する第2方向d2に密着して配列されたものが示されている。なお、これに限られず、複数の表示面12は、本体部40のシート面と平行な第1方向d1に密着して配列され、本体部40のシート面と平行且つ第1方向d1と交差する第2方向d2に離隔して配列されてもよいし、複数の表示面12は、本体部40のシート面と平行な第1方向d1に密着して配列され、本体部40のシート面と平行且つ第1方向d1と交差する第2方向d2にも密着して配列されてもよい。
図32及び図33に示された例では、複数の表示面12が、本体部40のシート面と平行な第1方向d1に離隔して配列され、本体部40のシート面と平行且つ第1方向d1と交差する第2方向d2にも離隔して配列されている。図32に示された例では、各表示面12が、本体部40の第1面40aに近づくにしたがって第2方向d2の一方側に向かうように傾斜した平面状に形成されている。また、図33に示された例では、各表示面12が、本体部40の第1面40aに近づくにしたがって第2方向d2の一方側に向かって曲がる曲面状に形成されている。
図34には、複数の表示面12が、第1方向d1及び第2方向d2に千鳥状に配列されたものが示されている。図示された例では、各表示面12は、本体部40の第1面40aに近づくにしたがって第2方向d2の一方側に向かって曲がる曲面状に形成されている。なお、これに限られず、各表示面12は、本体部40の第1面40aに近づくにしたがって第2方向d2の一方側に向かうように傾斜した平面状に形成されていてもよい。
図35には、複数の表示面12が、本体部40のシート面と平行な第1方向d1に離隔して配列され、本体部40のシート面と平行且つ第1方向d1と交差する第2方向d2にも離隔して配列されたものが示されている。図示された例では、各単位要素30は半円柱状に形成され、その軸線が第1方向d1と平行をなすように配置されている。各表示要素11は、単位要素30の横側面35の少なくとも一部を覆うように形成されている。図示された例では、各表示要素11の表示面12は、本体部40の法線方向及び第2方向d2の両方に平行な断面において半円状等の円弧状に形成され、第1方向d1に同一の断面形状を有して延びている。したがって、図示された例では、各表示面12は、半円筒状の形状をなしている。
図36には、複数の表示面12が、本体部40のシート面と平行な第1方向d1に離隔して配列され、本体部40のシート面と平行且つ第1方向d1と交差する第2方向d2に密着して配列されたものが示されている。図示された例では、各単位要素30は、四角柱状に形成され、その軸線が第1方向d1と平行をなすように配置されている。各単位要素30は、本体部40の法線方向及び第2方向d2の両方に平行な断面において、その上底(相対的に短い側の底辺)が本体部40の第1面40a側を向き、下底(相対的に長い側の底辺)が本体部40の第2面40b側を向く、台形状をなしている。各単位要素30の要素面31は、本体部40のシート面及び水平方向の両方に対して平行な方向に対して傾斜した横側面35と、本体部40のシート面と平行をなす上面36と、を有している。各表示要素11は、単位要素30の横側面35の少なくとも一部を覆うように形成されている。このような例によれば、観察者は、複数の表示面12で構成される表示対象13を、横方向から観察することができるとともに、単位要素30の上面36を光透過面として利用することができるので、太陽電池パネル50による発電効率を向上させることができる。なお、これに限られず、各表示要素11は、単位要素30の上面36の少なくとも一部、も覆うように形成されてもよい。
図37には、複数の表示面12が、本体部40のシート面と平行な第1方向d1に離隔して配列され、本体部40のシート面と平行且つ第1方向d1と交差する第2方向d2に密着して配列されたものが示されている。図示された例では、各単位要素30は、本体部40の法線方向及び第2方向d2の両方に平行な断面において、円弧状等の曲線状に形成され、本体部40の法線方向及び第1方向d1の両方に平行な断面において、円弧状等の曲線状に形成されている。とりわけ図示された例では、各単位要素30は、本体部40の法線方向及び第2方向d2の両方に平行な断面において半円状に形成され、本体部40の法線方向及び第1方向d1の両方に平行な断面において、第1方向d1の一側(上側)から他側(下側)に向かうにつれて本体部40の第2面40bに近づく円弧状に形成されている。各表示要素11は、単位要素30の横側面35の少なくとも一部を覆うように形成されている。このような例によれば、各表示要素11の表示面12を視認可能な角度範囲を、横方向だけでなく下側にも広げることができる。したがって、観察者は、複数の表示面12で構成される表示対象13を、横方向及び下方向より広い角度範囲から観察することができる。すなわち、表示対象13の視認性を効果的に向上させることができる。また、単位要素30の第1方向d1の一側(上側)を向く面を、光透過面として利用することができるので、太陽電池パネル50による発電効率を向上させることができる。
さらに他の変形例として、図35〜図37では、表示面12を第1方向d1及び第2方向d2に格子状に配列した例を示したが、これに限られず、単位要素30を第1方向d1及び第2方向d2に千鳥状に配列し、これにより表示面12を第1方向d1及び第2方向d2に千鳥状に配列してもよい。
なお、以上において上述した各実施形態に対するいくつかの変形例を説明してきたが、当然に、複数の実施例及び複数の変形例を適宜組み合わせて適用することも可能である。