(第1の実施形態)
以下に、第1の実施形態について、図1乃至図7を参照して説明する。なお、本明細書において、実施形態に係る構成要素及び当該要素の説明が、複数の表現で記載されることがある。構成要素及びその説明は、一例であり、本明細書の表現によって限定されない。構成要素は、本明細書におけるものとは異なる名称でも特定され得る。また、構成要素は、本明細書の表現とは異なる表現によっても説明され得る。
図1は、第1の実施形態に係るタブレットコンピュータ(タブレット)10を示す斜視図である。タブレット10は、電子機器の一例である。なお、電子機器は、タブレット10に限らず、パーソナルコンピュータ(PC)、スマートフォン、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、ゲーム機、ウェアラブル機器、又は他の電子機器であっても良い。
各図面に示されるように、本明細書において、便宜上、X軸、Y軸及びZ軸が定義される。X軸とY軸とZ軸とは、互いに直交する。X軸は、タブレット10の幅に沿って設けられる。Y軸は、タブレット10の長さに沿って設けられる。Z軸は、タブレット10の厚さに沿って設けられる。
さらに、本明細書において、X方向、Y方向及びZ方向が定義される。X方向は、X軸に沿う方向であって、X軸の矢印が示す+X方向と、X軸の矢印の反対方向である−X方向とを含む。Y方向は、Y軸に沿う方向であって、Y軸の矢印が示す+Y方向と、Y軸の矢印の反対方向である−Y方向とを含む。Z方向は、Z軸に沿う方向であって、Z軸の矢印が示す+Z方向と、Z軸の矢印の反対方向である−Z方向とを含む。
図2は、第1の実施形態のタブレット10の一部の断面を示す斜視図である。図2に示すように、タブレット10は、筐体11と、表示装置12と、タッチパネル13と、基板14と、他の種々の部品とを有する。例えば、タブレット10は、ハードディスクドライブ(HDD)又はソリッドステートドライブ(SSD)のような記録装置と、バッテリと、通信装置と、送風機と、をさらに有する。なお、タブレット10に備えられる部品は、この例に限られない。
筐体11は、表示装置12、タッチパネル13、基板14、及び他の部品を収容する。なお、表示装置12及びタッチパネル13は、筐体11の外部に露出している。タブレット10は、筐体11の外部に配置された部品を有しても良い。
表示装置12は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)又は有機ELディスプレイ(OLED)である。なお、表示装置12は、他の表示装置であっても良い。表示装置12は、X−Y平面に沿う略四角形の板状に形成される。
表示装置12は、筐体11の外部に向く表示面12aを有する。表示面12aは、略平坦に形成され、+Z方向に向く。表示装置12は、入力された電気信号に応じて、表示面12aに種々の画像を表示する。
タッチパネル13は、例えば、静電容量方式のタッチパネルであり、入力装置として用いられる。タッチパネル13は、表示装置12の表示面12aを覆う。なお、タッチパネル13は、電磁誘導方式のタッチパネルであっても良いし、表示面12aの反対側に位置しても良い。
基板14は、例えば、プリント回路板(PCB)又はフレキシブルプリント回路板(FPC)である。基板14に、例えば、中央演算処理装置(CPU)と、ランダムアクセスメモリ(RAM)と、リードオンリーメモリ(ROM)と、種々の電子部品が搭載されている。基板14は、それぞれに種々の電子部品が搭載された複数の基板を含んでも良い。
筐体11は、リアカバー21と、フロントカバー22と、図1の四つのクッション材23とを有する。リアカバー21は、第1の部材の一例である。フロントカバー22は、第2の部材の一例である。筐体11は、他の部材をさらに有しても良い。
リアカバー21は、例えば、合成樹脂によって作られる。なお、リアカバー21は、金属のような他の材料によって作られても良い。リアカバー21は、底壁31と、側壁32と、を有する。底壁31は、第1の壁の一例である。側壁32は、第2の壁の一例である。
底壁31は、X−Y平面に沿う略四角形の板状に形成される。底壁31は、表示装置12から−Z方向に離間するとともに、表示装置12と略平行に配置される。なお、底壁31は、この例に限られない。
図3は、第1の実施形態のタブレット10の一部を示す断面図である。図3に示すように、底壁31は、外面31aと、内面31bとを有する。外面31aは、筐体11の外部に向く。本実施形態において、外面31aは、略平坦に形成され、−Z方向に向く。内面31bは、外面31aの反対側に位置し、筐体11の内部に向く。本実施形態において、内面31bは、略平坦に形成され、+Z方向に向く。内面31bは、間隔を介して表示装置12に向く。
側壁32は、底壁31と一体に形成される。側壁32は、底壁31から+Z方向に突出している。+Z方向は、突出方向の一例である。すなわち、側壁32は、底壁31と略直交する方向に突出している。なお、側壁32は、底壁31と交差する他の方向に延びても良い。
図4は、第1の実施形態のリアカバー21の一部を示す斜視図である。図4に示すように、側壁32は、複数の外壁35と、複数の隔壁36と、を有する。なお、図4は、複数の隔壁36のうち一つを示す。外壁35と隔壁36とは、互いに連続し、一体に形成される。なお、側壁32は、例えば、切欠き又は孔によって分割されていても良い。
外壁35は、底壁31の縁31cから+Z方向に突出している。外壁35は、底壁31の縁31cに沿って延びている。例えば、二つの外壁35がX方向に延びており、他の二つの外壁35がY方向に延びている。
隔壁36は、リアカバー21の四隅に設けられる。別の表現によれば、隔壁36は、X方向に延びる外壁35と、Y方向に延びる外壁35と、の角部分に設けられる。隔壁36は、X方向に延びる外壁35と、Y方向に延びる外壁35と、に接続される。
隔壁36は、筐体11の内側に窪むような略L字状に形成される。このため、隔壁36は、底壁31の縁31cから離間した位置で、底壁31から+Z方向に突出する。例えば、隔壁36の一部は、X方向に延びる外壁35の端から略Y方向に延び、隔壁36の他の一部は、Y方向に延びる外壁35の端から略X方向に延びている。なお、隔壁36はこの例に限られない。
外壁35と隔壁36との接続部分は、略曲線状に形成される。言い換えると、外壁35と隔壁36とは、互いに滑らかに連続する。なお、外壁35と隔壁36とは、互いに交差するように接続されても良い。
図3に示すように、側壁32は、外面32aと、端部32bと、を有する。外面32aは、側壁32に設けられるとともに筐体11の外部に向く。側壁32の外壁35及び隔壁36はともに、外面32aを有する。例えば、外壁35の外面32aは、略X方向又は略Y方向に向く。外壁35の外面32aと、隔壁36の外面32aとは、互いに滑らかに連続する。
側壁32の端部32bは、+Z方向における側壁32の端に位置する。このため、端部32bは、側壁32に設けられるとともに、当該側壁32が突出する方向に向く。側壁32の外壁35及び隔壁36はともに、端部32bを有する。端部32bは、例えば、略平坦に形成される。Z方向において、端部32bは、基板14から+Z方向に離間している。なお、基板14の配置は、この例に限られない。
図4に示すように、筐体11に、内室S1と、複数の排水室S2とが設けられる。内室S1は、第1の部屋の一例である。排水室S2は、第2の部屋の一例である。内室S1は、例えば、底壁31と、側壁32と、フロントカバー22と、表示装置12とに囲まれている。内室S1に、例えば、基板14のような種々の部品が収容される。
排水室S2は、例えば、底壁31と、隔壁36と、フロントカバー22と、クッション材23とに囲まれている。排水室S2は、例えば隔壁36によって、内室S1から隔てられている。言い換えると、隔壁36は、排水室S2から内室S1へ、水のような液体や塵埃が侵入することを抑制する。
リアカバー21は、リブ37をさらに有する。リブ37は、底壁31及び側壁32と一体に形成される。リブ37は、底壁31から+Z方向に突出している。なお、リブ37は、底壁31と交差する他の方向に延びても良い。Z方向において、リブ37の長さ(高さ)は、側壁32の長さ(高さ)よりも短い。
リブ37は、底壁31の縁31cに沿って延び、排水室S2を囲む。リブ37は、一つの外壁35と隔壁36との接続部と、当該隔壁36と他の一つの外壁35との接続部と、の間で延びている。
底壁31に、複数の排水口38と、複数の通気口39とが設けられる。排水口38は、第1の孔の一例である。通気口39は、第2の孔の一例である。排水口38及び通気口39はそれぞれ、底壁31を略Z方向に貫通し、外面31a及び内面31bに開口する。
排水口38は、排水室S2と筐体11の外部とを連通する。通気口39は、内室S1と筐体11の外部とを連通する。例えば、内室S1に収容された送風機が、通気口39を通じて筐体11の外部の空気を取り込む。なお、通気口39から、筐体11の内部の空気が排出されても良い。
複数の排水口38と複数の通気口39とは、例えば、底壁31の縁31cに沿って並ぶ、無端の一つの列を形成する。なお、複数の排水口38と複数の通気口39とは、端を有する列を形成しても良いし、二つ以上の列を形成しても良い。排水口38及び通気口39の間隔は、一定でなくても良く、例えば、筐体11に収容された部品の配置により設定される。また、排水口38とともに列を形成しない通気口39が底壁31に設けられても良い。
図3に示すように、フロントカバー22は、例えば、合成樹脂によって作られる。なお、フロントカバー22は、金属のような他の材料によって作られても良い。リアカバー21の材料とフロントカバー22の材料とは、同一でも良いし、互いに異なっても良い。フロントカバー22は、外側壁41と、支持壁42とを有する。外側壁41は、第3の壁の一例である。
外側壁41は、略四角形の枠状に形成され、底壁31の縁31c及び側壁32の外壁35を囲む。外側壁41は、底壁31の縁31c及び側壁32の外壁35に沿って延びている。なお、外側壁41は、例えば、切欠き又は孔によって分割されていても良い。
例えば、外側壁41に爪及び窪みのうち一方が設けられ、外壁35に爪及び窪みのうち他方が設けられる。当該爪及び窪みが嵌り合うことで、外側壁41が外壁35にスナップフィットにより取り付けられる。すなわち、フロントカバー22が、リアカバー21に取り付けられる。
フロントカバー22は、リアカバー21にネジのような他の手段により取り付けられても良い。本実施形態では、フロントカバー22は、スナップフィット及びネジ留めによって、リアカバー21に取り外し可能に取り付けられる。なお、リアカバー21とフロントカバー22との取付方法は、この例に限られない。
外側壁41は、外面41aと、内面41bとを有する。外面41aは、外側壁41に設けられるとともに筐体11の外部に向く。内面41bは、外側壁41に設けられるとともに筐体11の内部に向く。内面41bは、外面41aの反対側に位置する。
外側壁41の内面41bは、側壁32の外面32aと向かい合う。外側壁41の内面41bと側壁32の外面32aとは、互いに僅かに離間していても良いし、互いに接触していても良い。
Z方向において、外側壁41の長さ(高さ)は、側壁32の長さ(高さ)よりも長い。このため、外側壁41の内面41bの一部41baと、側壁32の外面32aとが、互いに向かい合う。外側壁41の内面41bの他の一部41bbは、内室S1に面している。なお、外側壁41の内面41bの略全域と、側壁32の外面32aとが、互いに向かい合っても良い。
支持壁42は、底壁31から+Z方向に離間した位置で、外側壁41から筐体11の内部に向かって突出する。支持壁42は、側壁32の端部32bから+Z方向に離間している。支持壁42は、略四角形の枠状に形成される。支持壁42は、封止材45を介して、表示装置12を支持する。
封止材45は、例えば、合成ゴムによって作られる。封止材45は、表示装置12がフロントカバー22に当接することを抑制するとともに、表示装置12と支持壁42との間の隙間を水密に塞ぐ。言い換えると、封止材45は、表示装置12と支持壁42との間の隙間から、水のような液体が筐体11の内部に浸入することを抑制する。
図5は、第1の実施形態のリアカバー21の一部及びクッション材23を示す斜視図である。図6は、第1の実施形態のリアカバー21の一部及びクッション材23を示す平面図である。図7は、第1の実施形態のリアカバー21の一部及びクッション材23を図6のF7−F7線に沿って示す断面図である。
クッション材23は、例えば、防水性の合成ゴムによって作られる。なお、クッション材23は、他のエラストマーによって作られても良い。図7に示すように、クッション材23は、中間壁51と、外壁52と、内壁53と、封止壁54とを有する。
中間壁51は、X−Y平面に沿う板状に形成され、排水室S2に配置される。中間壁51は、底壁31から+Z方向に離間するとともに、底壁31と略平行に配置される。例えば、中間壁51は、リブ37に支持される。
中間壁51は、リアカバー21とフロントカバー22との間に位置する。例えば、中間壁51がリアカバー21とフロントカバー22との間に保持されることで、クッション材23が、リアカバー21及びフロントカバー22に取り付けられる。
外壁52は、中間壁51の外側の縁51aから+Z方向及び−Z方向に突出している。外壁52は、リブ37に沿って延び、リブ37を筐体11の外側から覆う。外壁52は、外側壁41よりも筐体11の外側に位置する。
タブレット10の角が他の物体に衝突した場合、クッション材23の外壁52は、フロントカバー22の外側壁41よりも先に、当該他の物体に当接する。これにより、外壁52は、フロントカバー22が損傷することを抑制する。
内壁53は、中間壁51の内側の縁51bから+Z方向に突出する。内壁53は、隔壁36から離間するとともに、隔壁36に沿って延びている。封止壁54は、内壁53から筐体11の内部に向かって突出している。封止壁54は、側壁32の端部32bに水密に接触し、端部32bに支持される。このため、封止壁54は、封止壁54と端部32bとの間の隙間から、水のような液体が筐体11の内部に浸入することを抑制する。
図3に示すように、本実施形態では、側壁32の外面32aに、凹部61が設けられる。凹部61は、二つの溝65を有する。なお、凹部61は、一つ又は三つ以上の溝65を有しても良い。溝65は、外面32aに開口する有底の窪みである。溝65は、側壁32に沿って延びている。なお、溝65が延びる方向と、側壁32が延びる方向とが、互いに異なっても良い。
本実施形態では、X方向に延びる外壁35に設けられた溝65は、X方向に延びている。Y方向に延びる外壁35に設けられた溝65は、Y方向に延びている。略X方向に延びる隔壁36の一部に設けられた溝65は、当該一部に沿って、略X方向に延びている。略Y方向に延びる隔壁36の一部に設けられた溝65は、当該一部に沿って、略Y方向に延びている。
凹部61(溝65)が延びる方向は、側壁32が突出する+Z方向と交差する方向であるとともに、外面32aに沿う方向である。本実施形態では、凹部61(溝65)が延びる方向は、+Z方向と直交する方向であるとともに、外面32aと平行な方向である。凹部61が延びる方向は、+Z方向と斜めに交差する方向であっても良い。
二つの溝65は、Z方向(+Z方向)に互いに離間している。すなわち、一方の溝65は、他方の溝65から+Z方向に離間している。二つの溝65は、略平行に延びている。しかし、二つの溝65が延びる方向が、互いに異なっても良い。二つの溝65は、互いに連通されず、分離されている。なお、二つの溝65が互いに連通していても良い。
溝65は、略半円形の断面を有する。なお、溝65の断面は、三角形、四角形、又は他の形状であっても良い。外面32aと直交する方向における溝65の長さ(深さ)は、外面32aと直交する方向における側壁32の長さ(厚さ)よりも短い。
Z方向における溝65の長さ(幅)と、外面32aと直交する方向における溝65の長さ(深さ)とは、水のような液体が浸入可能に設定される。本実施形態では、溝65の幅、深さ、断面積、及び断面形状は、毛細管現象により液体が溝65に浸入可能に設定される。なお、溝65の幅、深さ、断面積、及び断面形状は、実質的に毛細管現象を伴わずに液体が溝65に侵入可能な大きさに設定されても良い。
二つの溝65は、互いに同一の長さ及び断面形状を有する。しかし、二つの溝65は、互いに異なる長さを有しても良いし、互いに異なる断面形状を有しても良い。さらに、それぞれの溝65は、一定の断面形状を有する。しかし、溝65の断面形状は、当該溝65が延びる方向において変化しても良い。
溝65は、+Z方向における外面32aの縁32cから、−Z方向に離間している。+Z方向における外面32aの縁32cは、+Z方向における外面32aの端に位置し、側壁32に沿って延びている。縁32cは、+Z方向における側壁32の端部32bから離間していても良い。
さらに、溝65は、−Z方向における外面32aの縁32dから、+Z方向に離間している。−Z方向における外面32aの縁32dは、−Z方向における外面32aの端に位置し、側壁32に沿って延びている。
溝65は、縁32c,32dと隣接していても良い。しかし、溝65を形成する外面32aの縁は、+Z方向における外面32aの縁32cとは異なる。すなわち、溝65は、+Z方向における側壁32の端部32bには開口しない。溝65は、Z方向における側壁32の両側の縁32c,32dの間に設けられる。
図6に示すように、溝65は、側壁32のうち外壁35と隔壁36の少なくとも一部とに設けられる。外壁35に設けられた溝65と、隔壁36に設けられた溝65とは、互いに連続する。なお、外壁35に設けられた溝65は、切り欠き又は孔によって分断されていても良い。
隔壁36の外面32aに開口する溝65は、排水室S2に連通する。このため、排水室S2が外壁35及び隔壁36に連続的に設けられた溝65に連通する。図7に示すように、例えば、クッション材23の内壁53が、間隔を介して隔壁36の溝65を覆う。
以上のタブレット10は、例えば、IPX2等級(防滴II型)に準拠する防水(防滴)性能を有する。タブレット10は、表示面12aが鉛直上方向に向いている場合に、鉛直から15度の範囲で落ちてくる水滴による有害な影響がないように設計されている。なお、タブレット10は、この例に限られない。
具体的には、図3に示すように、封止材45が、表示装置12とフロントカバー22の支持壁42との間の隙間を水密に塞ぐ。さらに、フロントカバー22の外側壁41が底壁31の縁31c及び側壁32の外壁35を囲む。これにより、鉛直から15度の範囲で落ちてくる水滴が筐体11の内部に浸入することが抑制される。
例えばユーザがタブレット10を把持した場合、ユーザが筐体11に与える外力により、側壁32の外面32aと外側壁41の内面41bとの間の隙間S3において、圧力変動が生じる場合がある。当該圧力変動は、隙間S3の外部の液体を、隙間S3の内部に吸引する虞がある。なお、側壁32の外面32aと外側壁41の内面41bとが互いに接触している場合も、隙間S3は、ユーザが筐体11に与える外力により一時的に発生し得る。また、液体は、毛細管現象により隙間S3に浸入する虞がある。
隙間S3に浸入した液体が一方の溝65に到達した場合、当該液体は、毛細管現象により当該溝65に浸入する。隙間S3に浸入した液体がさらに他方の溝65に到達した場合、当該液体は、毛細管現象により当該溝65にも浸入する。
外壁35の外面32aの溝65に浸入した液体は、毛細管現象により溝65の内部で流れ広がる。広がった液体が隔壁36の外面32aの溝65に到達すると、液体は隔壁36の溝65から排水室S2に排出される。排水室S2の容積は、溝65の容積よりも広い。液体が排水室S2に排出されやすいように、隔壁36の外面32aが濡れやすく加工されても良い。
排水室S2に排出された液体は、排水室S2に溜められ得る。排水室S2に排出された液体は、排水室S2に連通する排水口38から、筐体11の外部に排出され得る。さらに、排水室S2で蒸発した液体が、排水口38から、筐体11の外部に排出され得る。このように、隙間S3に浸入した液体は、排水室S2を通じて、排水口38から筐体11の外部に排出される。なお、蒸発した液体は、隙間S3から筐体11の外部に排出されても良い。
少量の液体が隙間S3に浸入した場合、液体が溝65に留まることがある。当該液体は、例えば、蒸発し、溝65及び排水室S2を通じて、排水口38から筐体11の外部に排出される。蒸発した液体は、少量であるため、隙間S3から内室S1に入っても、基板14のような部品に影響を与え難い。内室S1に浸入した蒸気は、例えば、通気口39から筐体11の外部に排出される。
以上のように、タブレット10(電子機器)は、リアカバー21(第1の部材)と、リアカバー21に取り付けられるフロントカバー22(第2の部材)と、を有する筐体11、を備える。リアカバー21は、底壁31(第1の壁)と、底壁31から当該底壁31と交差する+Z方向(突出方向)に突出する側壁32(第2の壁)と、側壁32に設けられるとともに筐体11の外部に向く外面32aと、+Z方向における外面32aの縁32cと、を有する。フロントカバー22は、外側壁41(第3の壁)と、外側壁41に設けられるとともに外面32aと向かい合う内面41bと、を有する。外面32aに、外面32aの縁32cから離間しているとともに、+Z方向と交差するとともに内面41b及び外面32aのうち少なくとも一方に沿う方向に延びる、凹部61としての溝65が設けられる。このような構成によれば、外面32aと内面41bとの間の隙間S3に液体が浸入した場合、当該液体は、例えば毛細管現象により凹部61に浸入する。凹部61は、外面32aの縁32cから離間しているため、液体が隙間S3を越えて筐体11の内部に浸入することを抑制することができる。従って、本実施形態のタブレット10は、簡素な構造により液体が筐体11の内部に浸入することを抑制することができ、タブレット10のコストが増大することを抑制できる。また、隙間S3に、例えば封止材を充填する必要が無い。従って、フロントカバー22をリアカバー21から容易に取り外すことができ、タブレット10の保守が容易になる。
また、タブレット10では、筐体11に、側壁32に囲まれた内室S1(第1の部屋)と、凹部61と連通するとともに内室S1から隔てられた排水室S2(第2の部屋)と、が設けられる。このような構成によれば、毛細管現象により凹部61に浸入した液体が排水室S2に導入される。従って、液体が筐体11の内部の内室S1に浸入することが抑制される。
また、タブレット10では、筐体11に、排水室S2と筐体11の外部とを連通する排水口38(第1の孔)が設けられる。このような構成によれば、排水室S2に導入された液体が、排水口38から排出される。従って、液体が筐体11の内部に浸入することが抑制される。
また、タブレット10では、筐体11に、内室S1と筐体11の外部とを連通する複数の通気口39(第2の孔)が設けられる。排水口38と複数の通気口39とが一つの列を形成する。このような構成によれば、排水口38と複数の通気口39とが統一感のある意匠を形成し、タブレット10の外観を向上させることができる。
また、タブレット10では、凹部61は、+Z方向に互いに離間した複数の溝65を含む。このような構成によれば、隙間S3に浸入した液体が、一つの溝65から溢れたとしても、他の溝65に浸入する。複数の溝65は、液体が隙間S3を越えて筐体11の内部に浸入することを抑制することができる。
また、タブレット10では、凹部61は、外面32aに設けられる。このような構成によれば、外面32aは筐体11の外部に向くため、例えば射出成型、ダイカスト成型、切削加工、及び他の加工において、当該外面32aに凹部61を設けることが容易となる。
(第2の実施形態)
以下に、第2の実施形態について、図8を参照して説明する。なお、以下の実施形態の説明において、既に説明された構成要素と同様の機能を持つ構成要素は、当該既述の構成要素と同じ符号が付され、さらに説明が省略される場合がある。また、同じ符号が付された複数の構成要素は、全ての機能及び性質が共通するとは限らず、各実施形態に応じた異なる機能及び性質を有していても良い。
図8は、第2の実施形態に係るタブレット10の一部を示す断面図である。図8に示すように、第2の実施形態では、外側壁41の内面41bの一部41baに、凹部71が設けられる。凹部71は、二つの溝75を有する。なお、凹部71は、一つ又は三つ以上の溝75を有しても良い。溝75は、内面41bの一部41baに開口する有底の窪みである。
溝75は、外側壁41に沿って延びている。なお、溝75が延びる方向と、外側壁41が延びる方向とが、互いに異なっても良い。本実施形態では、X方向に延びる外側壁41に設けられた溝75は、X方向に延びている。Y方向に延びる外側壁41に設けられた溝75は、Y方向に延びている。
凹部71(溝75)が延びる方向は、側壁32が突出する+Z方向と交差する方向であるとともに、内面41bに沿う方向である。本実施形態では、凹部71(溝75)が延びる方向は、+Z方向と直交する方向であるとともに、内面41bと平行な方向である。凹部71が延びる方向は、+Z方向と斜めに交差する方向であっても良い。
二つの溝75は、Z方向(+Z方向)に互いに離間している。すなわち、一方の溝75は、他方の溝75から+Z方向に離間している。二つの溝75は、略平行に延びている。しかし、二つの溝75が延びる方向が、互いに異なっても良い。二つの溝75は、互いに連通されず、分離されている。なお、二つの溝75が互いに連通していても良い。
溝75は、略半円形の断面を有する。なお、溝75の断面は、三角形、四角形、又は他の形状であっても良い。内面41bと直交する方向における溝75の長さ(深さ)は、内面41bと直交する方向における外側壁41の長さ(厚さ)よりも短い。
Z方向における溝75の長さ(幅)と、内面41bと直交する方向における溝75の長さ(深さ)とは、水のような液体が浸入可能に設定される。本実施形態では、溝75の幅、深さ、断面積、及び断面形状は、毛細管現象により液体が溝75に浸入可能に設定される。なお、溝75の幅、深さ、断面積、及び断面形状は、実質的に毛細管現象を伴わずに液体が溝75に侵入可能な大きさに設定されても良い。
二つの溝75は、互いに同一の長さ及び断面形状を有する。しかし、二つの溝75は、互いに異なる長さを有しても良いし、互いに異なる断面形状を有しても良い。さらに、それぞれの溝75は、一定の断面形状を有する。しかし、溝75の断面形状は、当該溝75が延びる方向において変化しても良い。
溝75は、+Z方向における側壁32の外面32aの縁32cから離間している。さらに、溝75は、−Z方向における外面32aの縁32dから離間している。なお、溝75は、縁32c,32dと隣接していても良い。溝75は、Z方向において、側壁32の両側の縁32c,32dの間に設けられる。
溝75と、側壁32に設けられた溝65とは、互いに略同一の断面形状を有する。しかし、溝65,75は、互いに異なる断面形状を有しても良い。また、溝65,75は、Z方向において、略同一位置に設けられる。なお、Z方向において、溝65,75が互いに異なる位置に設けられても良い。
側壁32の溝65と、外側壁41の溝75とは、向かい合って、流路79を形成する。流路79の幅、深さ、断面積、及び断面形状は、液体が流路79に浸入可能に設定される。この場合、溝65,75は、単体では液体が侵入し難くても良い。
溝75は、排水室S2に連通する。このため、排水室S2が外側壁41に設けられた溝75に連通する。なお、溝75は、排水室S2から離間していても良い。また、排水室S2は、溝65,75により形成される流路79にも連通している。
第2の実施形態においても、隙間S3に液体が浸入することがある。隙間S3に浸入した液体が一方の溝75に到達した場合、当該液体は、毛細管現象により一方の溝75(流路79)に浸入する。隙間S3に浸入した液体がさらに他方の溝75に到達した場合、当該液体は、毛細管現象により他方の溝75(流路79)にも浸入する。
溝75に浸入した液体は、毛細管現象により溝75の内部で流れ広がる。広がった液体が溝75の端に到達すると、液体は排水室S2に排出される。排水室S2の容積は、溝75の容積よりも広い。排水室S2に排出された液体は、排水室S2に連通する排水口38から、筐体11の外部に排出され得る。
以上のように、タブレット10では、内面41bのうち外面32aと向かい合う部分41baに、凹部61としての溝65が設けられる。このような構成によれば、外面32aと内面41bとの間の隙間S3に液体が浸入した場合、当該液体は、毛細管現象により凹部71に浸入する。凹部71は、外面32aの縁32cから離間しているため、液体が隙間S3を越えて筐体11の内部に浸入することを抑制することができる。従って、本実施形態のタブレット10は、簡素な構造により液体が筐体11の内部に浸入することを抑制することができ、タブレット10のコストが増大することを抑制できる。
第2の実施形態において、溝65,75がともに設けられたが、溝65と溝75とのうち一方が設けられても良い。すなわち、溝65,75は、側壁32の外面32aと、外側壁41の内面41bのうち外面32aと向かい合う部分41baと、の少なくとも一方に設けられる。
以上、本発明の実施形態が例示されたが、上記実施形態は一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、組み合わせ、変更を行うことができる。また、各構成や、形状、等のスペック(構造や、種類、方向、形式、大きさ、長さ、幅、厚さ、高さ、数、配置、位置、材質等)は、適宜に変更して実施することができる。