JP6839337B2 - 電極及び二次電池 - Google Patents

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Description

本発明は電極及び二次電池に関する。
近年、小型化、軽量化、高容量化が期待される電池として、リチウムイオン電池等の、非水電解液系の二次電池が提案され、実用に供されている。このリチウムイオン電池は、リチウムイオンを可逆的に脱挿入可能な性質を有する正極及び負極と、非水系の電解質とにより構成されている。
リチウム複合酸化物は、リチウム二次電池の正極活物質として用いられている。リチウム二次電池は、既に携帯電話用途やノートパソコン用途などの小型電源として実用化されている。更に自動車用途や電力貯蔵用途などの中・大型電源においても適用が試みられている。このように適用範囲の拡大に伴い、リチウム二次電池の長寿命化は重要な課題である。
正極活物質に用いられるリチウム複合酸化物には、リチウム、ニッケル、マンガン及び酸素を含む、LNMO型の複合酸化物が用いられる。
LNMO型の複合酸化物は、高電位で使用でき、かつ安全性も高いことから大型電池への適用が進んでおり、高容量化するための試みがされている。
例えば、特許文献1には、LNMO型のリチウム複合酸化物を用いた電池の容量を向上させるため、添加剤の含有量を削減し、空隙の少ない緻密なリチウム複合酸化膜を製造したことが記載されている。
特開2014−35909号公報
LNMO型の複合酸化物は、高電位で使用できるという長所があるものの、高電位動作時に金属元素が電解液中に溶出してしまい、電池性能が劣化するという課題があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、金属元素の電解液中への溶出を防止し、サイクル特性が良好な電極を提供することを課題とする。
また、電極を用いた電池を提供することを併せて目的とする。
本発明の第1の態様は、電極活物質の表面に撥水材料の被覆層を備えたことを特徴とする電極である。
本発明の第2の態様は、前記本発明の第1の態様の電極を有する二次電池である。
本発明によれば、金属元素の電解液中への溶出を防止し、サイクル特性が良好な電極を提供することができる。
さらに、このような電極を用いた二次電池を提供することができる。
本発明の実施例において製造したコイン型電池の構成を示す縦断面図である。 本発明の実施例1及び参考例1において製造したリチウム複合酸化物のサイクル特性の結果を示す図である。
<電極>
本実施形態の電極は、電極活物質の表面に撥水性材料の被覆層を備えている。このため、高電圧で動作させた場合でも、金属元素の電解液中への溶出が抑制できると考えられる。これにより、電解液中に金属元素が溶出することに起因する容量の低下を抑制できると考えられる。また、電極表面と電解液とが直接接触することを抑制できるため、電解液の分解による電池性能の劣化を防止することができる。
[撥水性材料]
本実施形態で用いる撥水性材料としては、例えば、有機珪素化合物系材料、炭化水素系材料、フッ素系材料等が挙げられる。
・有機珪素化合物系材料
分子内に炭素− 珪素結合を多くもつ有機珪素化合物として、具体的には、ヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン(TMDSO)、テトラメチルシラン(TMS)、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリメチルシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、メチルジメトキシシラン、メチルジエトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン等を挙げることができ、中でも分子内に炭素− 珪素結合を多く有するヘキサメチルジシロキサン(HMDSO;(CHSiOSi(CH)、テトラメチルジシロキサン(TMDSO;(CHHSiOSiH(CH)、テトラメチルシラン(TMS;Si(CH)が挙げられる。
・炭化水素系材料
炭化水素系材料として、メタン、アセチレン、エチレン、およびプロパンを挙げることができ、アセチレン、又はエチレンが好ましい。
・フッ素系材料
フッ素含有有機材料としては、フッ素化炭化水素が好ましく、フルオロアルカンがより好ましい。アルカン中のフッ素原子で置換されている水素原子は、1つでも2つ以上でもよい。
フッ素系材料としては、四フッ化炭素、テトラフルオロエチレン、六フッ化エタン、八フッ化プロパン等を挙げることができ、テトラフルオロエチレンが好ましい。
また、フッ素系材料として好ましいフッ素含有化合物としては、下記一般式(F)−1で表されるフルオロアルキル基を有する化合物が挙げられる。
Figure 0006839337
[一般式(F)−1中、Xは、フッ素原子または水素原子を表し、nは、1以上の整数である。波線は結合手である。]
一般式(F)−1中、nは1〜20が好ましく、3〜10がより好ましく、4〜8が特に好ましい。
フッ素含有化合物としては、フッ素含有モノマー、フッ素含有シラン化合物、フッ素含有界面活性剤、フッ素含有ポリマー等が挙げられる。
フッ素含有モノマーとしては、フルオロアルキル基置換ビニルモノマー、フルオロアルキル基置換開環重合性モノマー等が挙げられる。
フルオロアルキル基置換ビニルモノマーとしては、フルオロアルキル基置換(メタ)アクリレート、フルオロアルキル基置換(メタ)アクリルアミド、フルオロアルキル基置換ビニルエーテル、フルオロアルキル基置換スチレン等が挙げられる。
フルオロアルキル基置換開環重合性モノマーとしては、フルオロアルキル基置換エポキシ化合物、フルオロアルキル基置換オキセタン化合物、フルオロアルキル基置換オキサゾリン化合物等が挙げられる。
フッ素含有モノマーとしては、フルオロアルキル基置換(メタ)アクリレートが好ましく、下記一般式(F)−2で表される化合物が特に好ましい。
Figure 0006839337
[一般式(F)−2中、Rは水素原子またはメチル基であり、Xはフッ素原子又は水素原子であり、mは1〜6の整数であり、nは1〜20の整数である。]
一般式(F)−2中、mは1〜3が好ましく、1または2がより好ましく、nは3〜10が好ましく、4〜8がより好ましい。
フッ素含有シラン化合物としては、フルオロアルキル基置換シラン化合物が好ましく、下記一般式(F)−3で表される化合物が特に好ましい。
Figure 0006839337
[一般式(F)−3中、Rは、エーテル結合またはエステル結合を1個以上含んでいてもよい炭素数1〜20のフッ素化アルキル基であり、Rはアルコキシ基又はハロゲン原子であり、nは0〜10の整数である。]
は、エーテル結合またはエステル結合を1個以上含んでいてもよい炭素数1〜20のフッ素化アルキル基を表す。Rとしては、3,3,3−トリフルオロプロピル基、トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチル基、3−トリフルオロメトキシプロピル基、3−トリフルオロアセトキシプロピル基等が挙げられる。
はアルコキシ基又はハロゲン原子である。
アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、i−プロピルオキシ基、ブトキシ基、i−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、3,7−ジメチルオクチルオキシ基、ラウリルオキシ基等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、Cl、Br、I等が挙げられる。
フッ素含有シランカップリング剤としては、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリアセトキシシラン、ジメチル−3,3,3−トリフルオロプロピルメトキシシラン、トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチルトリエトキシシラン等が挙げられる。
上記の中でも、撥水性材料としてはフッ素系材料が好ましく、フルオロアルキル基置換シラン化合物がより好ましい。
本実施形態の電極は、リチウムイオン電池の電極材料として用いる際には、リチウムイオンの脱挿入に関わる反応を電極活物質の表面全体で均一に行う。このために、電極活物質の表面の80%以上、より好ましくは85%以上、さらに好ましくは90%以上が、撥水性材料によって被覆されていることが好ましい。
撥水性材料の被覆率は、透過電子顕微鏡(TEM)、エネルギー分散型X線分光器(EDX)、X線光電子分光法(XPS)を用いて測定することができる。
具体的には、電極活物質に形成された撥水性被膜は、透過型電子顕微鏡(TEM)、及び、エネルギー分散型X線分光器(EDX)を用いて100個の電極活物質を観察し、電極活物質の表面のうち撥水性被膜が覆っている部分の割合を算出し、被覆率とする。
加えて、X線光電子分光法(XPS)を用いて表面原子濃度計測から電極活物質の表面のうち撥水性被膜が覆っている部分の割合を算出し、被覆率を求め、上記のEDXによる算出結果との整合性を考察してもよい。
本実施形態において、撥水性被覆層の平均膜厚は、1.0nm以上かつ7.0nm以下であることが好ましく、より好ましくは2.0nm以上かつ6.0nm以下であり、さらに好ましくは3.0nm以上かつ5.0nm以下である。膜厚は、電極材料の表面の撥水性被覆層を透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて観察し、この透過型電子顕微鏡(TEM)像を基に算出することができる。
[撥水材料の被覆層の形成方法]
電極活物質の表面に撥水性材料の被覆層を形成する方法は、合剤電極の製造前に、電極活物質の表面に撥水材料の被覆層を形成してもよく、電極活物質とその他の合剤を混合した後に該混合物の表面に撥水材料の被覆層を形成してもよく、あらかじめ合剤電極を製造し、該合剤電極の表面に撥水性材料の被覆層を形成してもよい。
電極の製造を容易とする観点から、合剤電極を製造した後に該合剤電極表面に撥水性材料の被覆層を形成することが好ましい。
撥水性材料の被覆層を形成する方法としては、例えば、塗布法、気相法、液相法等が挙げられる。本発明においては気相法が好ましく、気相法としては、真空蒸着法、スパッタ法、化学気相成長(CVD)法及びプラズマ化学気相法が挙げられる。
≪第1実施形態≫
電極の第1実施形態において、電極活物質は任意に選択できる。例えば、コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、マンガン酸リチウム、チタン酸リチウムとこれらの固溶体及びLiPO(但し、AはCo、Mn、Ni、Fe、Cu、Crの群から選択される1種または2種以上、DはMg、Ca、S、Sr、Ba、Ti、Zn、B、Al、Ga、In、Si、Ge、Sc、Y、希土類元素の群から選択される1種または2種以上、0<x<2、0<y<1.5、0≦z<1.5)の群から選択される1種を主成分とすることが好ましい。
ここで、Aは、Co、Mn、Ni、及びFeから選択されることが、Dは、Mg、Ca、Sr、Ba、Ti、Zn、及びAlから選択されることが、高い放電電位、豊富な資源量、安全性などの点から好ましい。
ここで、希土類元素とは、ランタン系列であるLa、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、
Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luの15元素のことである。
≪第2実施形態≫
電極の第2実施形態は、電極活物質として、スピネル構造または層状岩塩構造を有するリチウム複合酸化物を用いる。
スピネル構造を有するリチウム複合酸化物としては、LiMnが挙げられる。
層状岩塩構造を有するリチウム複合酸化物としては、LiNiO、LiCoO、LiNiCoMn(k+l+m=1)またはLiNiCoAl(k+l+m=1)等が挙げられる。
≪第3実施形態≫
電極の第3実施形態は、電極活物質として、スピネル構造または層状岩塩構造を有し、化学組成を示す一般式がLiNiMn2−a4−b(0<a≦0.6、0≦b≦1)で示されるリチウム複合酸化物を用いる。
≪第4実施形態≫
電極の第4実施形態は、電極活物質として、スピネル構造または層状岩塩構造を有するリチウム複合酸化物であって、化学組成を示す一般式が下記式(1)で示されるリチウム複合酸化物を用いる。
LiNia−xMn2−a−yx+y4−b・・・(1)
[一般式(1)中、0<a≦0.6、0≦b≦1、0≦x≦0.1、0≦y≦0.1、a−x>0.4、2−a−y>1.4である。但し、x及びyがともに0の場合を除く。Mは、Ti、V、Cr、Fe、Co、Cu、Zu、Snからなる群より選択される1種以上の金属元素である。]
第4実施形態は、電極活物質としてニッケル及びマンガンのいずれか一方又は両方が金属元素で置換されたリチウム複合酸化物を用いる実施形態である。
上記式(1)において、a−x≧0.5が好ましい。
上記式(1)において、2−a−y≧1.45が好ましく、2−a−y≧1.48がより好ましい。
上記式(1)において、0<x+y≦0.1が好ましく、0<x+y≦0.08がより好ましい。
上記式(1)において、0≦b≦0.5が好ましく、0≦b≦0.25がより好ましい。
上記式(1)において、x+yが上記の特定の範囲であることにより、P4332型の配列を維持したまま、電子伝導性を向上させることができる。
スピネル構造を有するLNMO型のリチウム複合酸化物は、合成条件によってニッケル/マンガン規則配列型(以下、「P4332型」と記載することがある。)又はニッケル/マンガン不規則配列型(以下、「Fd−3m型」と記載することがある。)の空間群をもつ結晶が生成する。
P4332型のリチウム複合酸化物は、リチウム二次電池として用いた場合に容量が大きく、長寿命の電池とすることができるという長所がある。一方、電子伝導性が低いという短所がある。
Fd−3m型のリチウム複合酸化物は、リチウム二次電池として用いた場合に電子伝導率を高くできるという長所がある。一方、容量が小さく、長寿命の電池には不向きであるという短所がある。
高容量で、サイクル特性に優れたリチウム二次電池に有用なリチウム複合酸化物を製造するにあたり、P4332型の長所である高容量特性と、Fd−3m型の長所である高い電子伝導特性を両立できることが好ましい。
本実施形態で用いるスピネル構造を有するリチウム複合酸化物は、ニッケルとマンガンのいずれか一方又は両方を特定の金属元素で置換したことにより、元素置換しない場合には結晶学的に空間群Fd−3mに属するリチウム複合酸化物を、元素置換することでその結晶構造の少なくとも一部をP4332型の構造とすることができると考えられる。
このため、元素置換しない場合はFd−3m型のリチウム複合酸化物であって、元素置換することでP4332型の長所である高容量特性も併せ持つリチウム複合酸化物とすることができると推察される。
元素置換しないFd−3m型では、マンガンが4V付近で酸化還元することに起因して、低電位でリチウムが抜けてしまうことがエネルギー損失の一因となる。
本実施形態で用いるリチウム複合酸化物は、ニッケル又はマンガンのいずれか一方又は両方を特定の金属元素で置換したことにより、置換した金属元素がマンガンの代わりに還元されるため、マンガンの酸化還元を抑制できると考えられる。
さらに、ニッケルとマンガンのいずれか一方又は両方を特定の金属元素で置換することにより、ニッケルとマンガンの電解液への溶出を抑制できるため、サイクル特性を高くすることができると推察される。
≪第5実施形態≫
電極の第5実施形態は、電極活物質として、スピネル構造または層状岩塩構造を有するリチウム複合酸化物であって、化学組成を示す一般式が下記式(1)−1で示されるリチウム複合金属酸化物を用いる実施形態である。
LiNiMn2−a−y4−b ・・・(1)−1
[一般式(1)−1中、0<a≦0.6、0≦b≦1、0<y≦0.1、2−a−y>1.4である。であり、Mは、Ti、V、Cr、Fe、Co、Cu、Zu、Snからなる群より選択される1種以上の金属元素である。]
第5実施形態は、電極活物質としてマンガンが金属元素で置換されたリチウム複合酸化物を用いる実施形態である。
上記式(1)−1において、2−a−y≧1.45が好ましく、2−a−y≧1.48がより好ましい。
上記式(1)−1において、0<y≦0.1が好ましく、0<y≦0.08がより好ましい。
上記式(1)−1において、0≦b≦0.5が好ましく、0≦b≦0.25がより好ましい。
上記式(1)−1において、yが上記の特定の範囲であることにより、P4332型の配列を維持したまま、電子伝導性を向上させることができる。
≪第6実施形態≫
電極の第6実施形態は、電極活物質として、スピネル構造または層状岩塩構造を有するリチウム複合酸化物であって、化学組成を示す一般式が下記式(1)−2で示されるリチウム複合酸化物を用いる実施形態である。
LiNia−xMn2−a4−b ・・・(1)−2
[一般式(1)−2中、0<a≦0.6、0≦b≦1、0<x≦0.1、a−x>0.4であり、Mは、Ti、V、Cr、Fe、Co、Cu、Zu、Snからなる群より選択される1種以上の金属元素である。]
第6実施形態は、電極活物質としてニッケルが金属元素で置換されたリチウム複合酸化物を用いる実施形態である。
上記式(1)−2において、a−x≧0.5が好ましい。
上記式(1)−2において、2−a≧1.45が好ましく、2−a≧1.48がより好ましい。
上記式(1)−2において、0<x≦0.1が好ましく、0<x≦0.08がより好ましい。
上記式(1)−2において、0≦b≦0.5が好ましく、0≦b≦0.25がより好ましい。
上記式(1)−2において、xが上記の特定の範囲であることにより、P4332型の配列を維持したまま、電子伝導性を向上させることができる。
≪第7実施形態≫
電極の第7実施形態は、電極活物質として、スピネル構造または層状岩塩構造を有するリチウム複合酸化物であって、化学組成を示す一般式が下記式(1)−3で示されることを特徴とするリチウム複合酸化物を用いる実施形態である。
LiNia−xMn2−a−yx+y4−b・・・(1)−3
[一般式(1)−3中、0<a≦0.6、0<b≦1、0≦x≦0.1、0≦y≦0.1、a−x>0.4、2−a−y>1.4である。但し、x及びyがともに0の場合を除く。Mは、Ti、V、Cr、Fe、Co、Cu、Zu、Snからなる群より選択される1種以上の金属元素である。]
第7実施形態は、電極活物質としてニッケル及びマンガンのいずれか一方又は両方が金属元素で置換され、さらに酸素空孔をフッ素原子で置換したリチウム複合酸化物を用いた実施形態である。
上記式(1)−3において、a−x≧0.5が好ましい。
上記式(1)−3において、2−a−y≧1.45が好ましく、2−a−y≧1.48がより好ましい。
上記式(1)−3において、0<x+y≦0.1が好ましく、0<x+y≦0.08がより好ましい。
上記式(1)−3において、0<b≦0.5が好ましく、0<b≦0.25がより好ましい。
金属元素で置換する前のリチウム複合酸化物には、酸素が欠損した酸素空孔が含まれる。この酸素空孔近傍をリチウムイオンが通過する際に、リチウムイオンが酸素に引き寄せられることに起因して、リチウムイオン伝導度が低下する場合がある。
本実施形態おいては、酸素空孔をフッ素原子で置換したことにより酸素原子がリチウムイオンを引き寄せる力を低減でき、リチウムイオンの伝導度を向上させることができると推察される。
また、酸素空孔をフッ素原子で置換すると、ニッケルとマンガンが電解液中に溶出することを抑制できる。
前記第4実施形態〜第7実施形態で用いるスピネル構造を有するリチウム複合酸化物では、特定の金属元素の置換の程度によって、Fd−3m型の結晶構造であってもよく、P4332型の結晶構造であってもよい。容量が大きく、長寿命のリチウム二次電池を得られるという観点から、P4332型の結晶構造であることが好ましい。
前記第3実施形態〜第6実施形態で用いるリチウム複合酸化物は、上記特定の金属元素の中でも、銅又は亜鉛でニッケルとマンガンのいずれか一方又は両方を置換することにより、ニッケルとマンガンの溶出をより抑制することができると考えられる。
さらに、高い出力を実現できるという観点から、銅がより好ましい。
<リチウム複合酸化物の製造方法>
本発明の電極に好適に用いられるリチウム複合酸化物の製造方法について説明する。
≪第1実施形態≫
第1実施形態のリチウム複合酸化物の製造方法は、リチウム化合物と、少なくともマンガン及びニッケルを含む前駆体と、反応促進剤(フラックス)とを、前記式(1)、(1)−1〜(1)−3で表される組成比となるように混合し、リチウム混合物を得る混合工程と、混合工程で得られたリチウム混合物を焼成する焼成工程とを含む。
[混合工程]
混合工程では、リチウム化合物と、少なくともマンガン及びニッケルを含む前駆体と、反応促進剤(フラックス)とを混合する。混合方法としては、特に限定されることはなく、一般的な混合機を使用することができる。たとえば、シェーカミキサ、Vブレンダ、リボンミキサ、ジュリアミキサ、レーディゲミキサなどを使用することができ、微粉が発生しない程度に十分に混合されればよい。
・リチウム化合物
本実施形態で使用するリチウム化合物としては、水酸化リチウム、塩化リチウム、硝酸リチウムおよび炭酸リチウムからなる群より選ばれる1種以上の無水物並びに該1種以上の水和物を挙げることができる。
・反応促進剤(フラックス)
本実施形態で使用する反応促進剤(フラックス)としては、具体的には、NaCl、KCl、RbCl、CsCl、CaC1、MgCl、SrCl、BaCl及びNHClなどの塩化物、NaCO、KCO、RbCO、CsCO、CaCO、MgCO、SrCO及びBaCOなどの炭酸塩、KSO、NaSOなどの硫酸塩、NaF、KF、NHFなどのフッ化物、等が挙げられる。
この中でも、KCl、KCO、KSOが好ましい。また、反応促進剤を2種以上併用することもできる。
反応促進剤を混合物に含有させる方法特に限定されず、例えば少なくともマンガン及びニッケルを含む前駆体をリチウム化合物と混合するときに反応促進剤を添加すればよい。
反応促進剤は、焼成後のリチウム複合酸化物に残留していてもよく、洗浄、蒸発等により除去されていてもよい。
[焼成工程]
焼成工程では、原料である前駆体、リチウム化合物および反応促進剤の混合物を焼成することにより、焼成物であるリチウム複合酸化物の塊状物を得る。
焼成工程における保持温度の一例としては、例えば650℃以上900℃以下の範囲であることが挙げられる。
前記保持温度で保持する時間は、例えば、0.1〜20時間であり、好ましくは0.5〜8時間である。
前記保持温度までの昇温速度は、例えば50℃〜400℃/時であり、前記保持温度から室温までの降温速度は、通常10℃〜400℃/時である。
また、焼成の雰囲気としては、大気、酸素、窒素、アルゴンまたはそれらの混合ガスを用いることがきるが、大気雰囲気が好ましい。
得られたリチウム複合酸化物の塊状物は、必要に応じてロールミル等の解砕機にて解砕され、残留リチウム成分や反応促進剤を除去するために洗浄され、乾燥に付される。
なお、乾燥粉末は、必要に応じロールミル等により解砕される。ここで、解砕とは、凝集粒子を分散することや、解きほぐすことをいう。
特定の金属元素で、ニッケル又はマンガンのいずれか一方又は両方を置換するための制御方法は、例えば、LiMnを前駆体として,Ni(NOとM(NO、何らかのLi源を反応させるとNiサイトに入る可能性が高くなると考えられる。
また、LiNiOを前駆体として,Mn(NOとM(NO,何らかのLi源を反応させるとMnサイトに入る可能性が高くなると考えられる。
また、ポーリング則の理論から、置換する元素のイオン半径によっては、自発的にどちらかのサイトのみを選択的に置換することもできる。
その他、前駆体として金属有機錯体を合成することで、Ni−OとMn−Oのサイトを制御することも可能なると考えられる。
≪第2実施形態≫
第2実施形態は、前記第6実施形態に用いるリチウム複合酸化物を製造する実施形態である。
本実施形態は、リチウム化合物と、少なくともマンガン及びニッケルを含む前駆体と、反応促進剤(フラックス)とを、前記式(1)、(1)−1〜(1)−3で表される組成比となるように混合し、リチウム混合物を得る混合工程と、混合工程で得られたリチウム混合物を焼成し、リチウム複合酸化物を得る焼成工程と、得られたリチウム複合酸化物と、フッ素化合物とを混合し、焼成するフッ素置換工程と、を有する。
本実施形態における[混合工程]と[焼成工程]に関する説明は、前記第1実施形態における[混合工程]と[焼成工程]に関する説明と同様である。
[フッ素置換工程]
本実施形態において、フッ素置換工程は、[混合工程]と[焼成工程]とで得られたリチウム複合酸化物と、フッ素化合物とを混合し、この混合物を焼成することでフッ素置換リチウム複合酸化物を得ることができる。
・フッ素化合物
本工程で用いるフッ素化合物は、フッ化リチウムが好ましい。
・焼成条件
本工程の焼成条件に関する説明は、前記[焼成工程]に関する説明と同様である。
中でも、本工程は、大気雰囲気下でまず700℃〜900℃で5時間〜15時間焼成し、さらに酸素雰囲気下で700℃〜900℃で5時間〜15時間焼成することが好ましい。
≪その他の実施形態≫
リチウム複合酸化物の製造方法のその他の実施形態としては、アルカリ金属あるいはアルカリ土類金属を含む硝酸塩、炭酸塩、硫酸塩、フッ化物、塩化物の内、アルカリ金属としてリチウムを含む塩を少なくとも一つは含む混合物よりなるフラックスと、LiNiMn2−a(0<a≦0.6、0≦b≦1)の原料となるMnとNiを含む酸化物、炭酸塩、硝酸塩、塩化物、金属、合金の内の少なくとも一つと、を有する混合物を、200℃以上,1000℃以下の熱処理工程を少なくとも一度は施すことで金属板上に形成してもよい。
本実施形態では、LiNiMn2−a(0<a≦0.6、0≦b≦1)の原料となるマンガンとニッケルを含む原料(金属原料)をフラックスとともに熱処理する工程を施すことで、緻密なLiNiMn2−a(0<a≦0.6、0≦b≦1)よりなる膜を金属板表面に一体に形成することができる。
本実施形態においては金属原料をフラックスとともに熱処理して金属原料を溶融する工程と、溶融した金属原料を金属板の表面に付着させる工程と、金属原料が金属板の表面に付着した状態で冷却する工程と、を施してなることが好ましい。
金属原料をフラックスとともに熱処理して金属原料を溶解する工程を施すことで、高い融点の金属原料の溶解が促進され、比較的簡単に金属原料の溶解物を生じさせることができる。そして、溶解した金属原料を金属板の表面に付着させる工程を施すことで、溶解した金属原料が金属板の表面に付着し、その後の工程で冷却することで、本発明のリチウム複合酸化物を得ることができる。
金属材料及びフラックスについては、所望のリチウム複合酸化物の構造や金属板の構成等から、適宜選択することができる。
溶解した金属原料を金属板の表面に付着させる方法は、限定されるものではなく、溶解した金属原料等の蒸気を付着させる方法,溶解した金属原料等を金属板に塗布する方法.金属板の表面上で金属原料等の溶解を生じさせる方法等の方法をあげることができる。
<二次電池>
本発明の二次電池は、上記した本発明の電極を用いること以外は限定されるものではない。
すなわち、本発明の二次電池は、上記した電極を有すること以外は、従来公知の二次電池と同様の構成とすることができる。
以下、本発明の二次電池の一実施形態として、リチウム二次電池を挙げて説明する。本実施形態のリチウム二次電池は、正極、負極、電解液、その他必要な部材を有する構成とすることができる。
(正極)
本発明のリチウム二次電池に用いる正極は、上記した本発明のリチウム複合酸化物を有すること以外は限定されるものではない。
正極は、まず本発明のリチウム複合酸化物、導電材およびバインダーを含む正極合剤を調整することで製造することができる。
(導電材)
正極が有する導電材としては、炭素材料を用いることができる。炭素材料として黒鉛粉末、カーボンブラック(例えばアセチレンブラック)、繊維状炭素材料などを挙げることができる。カーボンブラックは、微粒で表面積が大きいため、少量を正極合剤中に添加することにより正極内部の導電性を高め、充放電効率および出力特性を向上させることができるが、多く入れすぎるとバインダーによる正極合剤と正極集電体との結着力、および正極合剤内部の結着力がいずれも低下し、かえって内部抵抗を増加させる原因となる。
(バインダー)
正極が有するバインダーとしては、熱可塑性樹脂を用いることができる。この熱可塑性樹脂としては、ポリフッ化ビニリデン(以下、PVdFということがある。)、ポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFEということがある。)、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン・フッ化ビニリデン系共重合体、六フッ化プロピレン・フッ化ビニリデン系共重合体、四フッ化エチレン・パーフルオロビニルエーテル系共重合体などのフッ素樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂;を挙げることができる。
正極合剤をペースト化する場合、用いることができる有機溶媒としては、N,N―ジメチルアミノプロピルアミン、ジエチレントリアミンなどのアミン系溶媒;テトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒;メチルエチルケトンなどのケトン系溶媒;酢酸メチルなどのエステル系溶媒;ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPということがある。)などのアミド系溶媒;が挙げられる。
(負極)
負極の活物質としては、リチウムイオンを吸蔵及び放出できる化合物を単独乃至は組み合わせて用いることができる。リチウムイオンを吸蔵及び放出できる化合物の一例としては、リチウム等の金属材料、チタン、ケイ素、スズ等を含有する合金材料、グラファイト、コークス、有機高分子化合物焼成体又は非晶質炭素等の炭素材料が挙げられる。
これらの活物質は単独で用いるだけでなく、これらを複数種類混合して用いることもできる。これらの物質のうち、負極活物質として、チタン含有酸化物(たとえば、ブロンズ構造の酸化チタンであるTiO(B)、チタン酸リチウムであるLiTi12)を用いることが好ましい。
例えば、負極活物質としてリチウム金属箔を用いる場合、銅等の金属からなる集電体の表面にリチウム箔を圧着することで形成できる。
また、負極活物質として合金材料、炭素材料を用いる場合は、負極活物質と結着材、導電助剤等を水、N−メチルピロリドン等の溶媒中で混合した後、銅等の金属からなる集電体上に塗布され形成することができる。上記結着材としては、高分子材料から形成されることが望ましく、リチウム二次電池内の雰囲気において化学的・物理的に安定な材料であることが望ましい。
例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、フッ素ゴム等が挙げられる。
また導電助剤としては、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、カーボンブラック、グラファイト、カーボンナノチューブ、非晶質炭素等などが例示できる。また、導電性高分子ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリアセンなどが例示できる。
(電解液)
電解液は、正極及び負極の間のイオンなどの荷電担体の輸送を行う媒体であり、特に限定しないが、リチウムイオン二次電池が使用される雰囲気下で物理的、化学的、電気的に安定なものが望ましい。
例えば、電解液としては、LiBF、LiPF、LiCFSO、LiN(CFSO、LiN(CSO、LiN(CFSO)(CSO)の中から選ばれた1種以上を支持電解質とし、これを有機溶媒に溶解させた電解液が好ましい。
有機溶媒としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等及びこれらの混合物が例示できる。中でもカーボネート系溶媒を含む電解液は、高温での安定性が高いことから好ましい。また、ポリエチレンオキサイドなどの固体高分子に上記の電解質を含んだ固体高分子電解質やリチウムイオン伝導性を有するセラミック、ガラス等の固体電解質も使用可能である。
正極と負極との間には、電気的な絶縁作用とイオン伝導作用とを両立する部材であるセパレータを介装することが望ましい。電解質が液状である場合にはセパレータは、液状の電解質を保持する役割をも果たす。セパレータとしては、多孔質合成樹脂膜、特にポリオレフィン系高分子(ポリエチレン、ポリプロピレン)やガラス繊維からなる多孔質膜、不織布が例示できる。更に、セパレータは、正極及び負極の間の絶縁を担保する目的で、正極及び負極よりも更に大きい形態を採用することが好ましい。
正極、負極、電解質、セパレータなどは何らかのケース内に収納することが一般的である。ケースは、特に限定されるものではなく、公知の材料、形態で作成することができる。すなわち、本発明のリチウム二次電池は、その形状には特に制限を受けず、コイン型、円筒型、角型等、種々の形状の電池として使用できる。また、本実施形態のリチウム二次電池のケースについても限定されるものではなく、金属製あるいは樹脂製のその外形を保持できるケース、ラミネートパック等の軟質のケース等、種々の形態の電池として使用できる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<撥水性材料被覆電極の製造>
≪実施例1≫
リチウム複合酸化物のリチウム源として塩化リチウムを、ニッケル源として硝酸ニッケル六水和物を、マンガン源として硝酸マンガン六水和物を、カッパー源として硝酸銅三水和物を、Li:Ni:Mn:Cuのモル比が1.0:0.50:1.49:0.01となるように混合した。フラックスとして、塩化リチウムと塩化カリウムの混合液を用いた。
これらをアルミナ製のるつぼに投入した。
るつぼを電気炉内に入れ、加熱温度:15℃/分、保持時間:10時間、保持温度:900℃、冷却速度:200℃/時間、停止温度:500℃の条件で加熱処理をした。
加熱処理後、温水に浸漬してフラックスを除去した。これにより、LiNi0.5Mn1.49Cu0.014‐δのCu置換リチウム複合酸化物1を得た。
ステンレスの密閉容器内にスクリュー管及びPFAジャーを設置した。トリデカフルオロ‐1,1,2,2−テトラヒドロオクチルトリエトキシシラン(FAS)200μLをスクリュー管に入れ、上記Cu置換リチウム複合酸化物1、1.0gをPFAジャーに入れて密閉した。
その密閉容器を、150℃の恒温器にいれ、保持時間を15時間とし、撥水材料の被覆層を備えた電極活物質を製造した。
≪参考例1≫
参考例1として、上記Cu置換リチウム複合酸化物1であって、撥水性材料で被覆しない電極活物質を用いた。
<コイン型電池の製造>
実施例1及び参考例1のリチウム複合酸化物を、リチウムイオン二次電池の正極として用いたコイン型のリチウムイオン二次電池を製造した。
図1は、作成したコイン型電池10の断面図である。正極1として上記で作製した実施例1〜5のリチウム複合酸化物をそれぞれ用いた。
上記の方法で得られたリチウム複合酸化物(正極活物質)と導電材(デンカブラック)とバインダー(ポリフッ化ビニリデン)とを、正極活物質:導電材:バインダー=90:5:5(質量比)の組成となるように加えて混練することにより、ペースト状(粘度;5.12Pa・s)の正極合剤を調製した。正極合剤の調製時には、N−メチル−2−ピロリドンを有機溶媒として用いた。
得られた正極合剤を、集電体となる厚さ20μmのAl箔に塗布して150℃で8時間真空乾燥を行い、正極を得た。この正極の電極面積は1.65cmとした。
つまり、正極1は、リチウム複合酸化物よりなる正極活物質1bがアルミ箔よりなる集電体1aの表面に一体に形成されている。
負極2は、リチウム金属よりなる負極活物質2bが負極集電体2aの表面に一体に形成されている。
電解液には、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとを質量比で7:3になるように混合した有機溶媒に、LiPFを1.0mol/Lの濃度となるように添加した非水溶媒電解液3を用いた。
正負極間にセパレータ7(ポリエチレン製の多孔質膜)を挟持した発電要素を上述の非水電解液と共にステンレス製のケース(正極ケース4と負極ケース5から構成されている)中に収納した。正極ケース4と負極ケース5とは正極端子と負極端子とを兼ねている。正極ケース4と負極ケース5との間にはポリプロピレン製のガスケット6を介装することで密閉性と正極ケース4と負極ケース5との間の絶縁性とを担保した。
以上により、本実施例のコイン型のリチウムイオン二次電池が製造された。
<評価>
≪初期放電容量≫
実施例1、参考例1の初期放電容量は下記表1に示すとおりである。
Figure 0006839337
表1に記載のとおり、実施例1のリチウム複合酸化物を用いた二次電池は、初期放電容量が参考例1に比べて高かった。これは、参考例1に比べて、金属元素の溶出が少なかったためと考えられる。
≪サイクル特性≫
実施例1と参考例1について、100回のサイクル試験にて寿命評価を実施した。その結果を図2に示す。
図2に示すとおり、実施例1は参考例1よりも優れた容量維持率を示した。
1:正極、1a:正極集電体、1b:正極活物質、2:負極、2a:負極集電体、2b:負極活物質、3:電解液、4:正極ケース、5:負極ケース、6:ガスケット、7:セパレータ、10:コイン型電池

Claims (3)

  1. 電極活物質の表面に撥水材料の被覆層を備え、
    前記電極活物質が、スピネル構造または層状岩塩構造を有し、化学組成を示す一般式が下記式(1)で示されるリチウム複合酸化物を有する、電極。
    LiNia−xMn 1.49 0.01 4−b・・・(1)
    [一般式(1)中、0<a≦0.6、0≦b≦1、0≦x≦0.1、a−x>0.4である。Mは、Cuである。]
  2. 前記撥水性材料がフッ素系材料である請求項1に記載の電極。
  3. 請求項1又は2に記載の電極を有する二次電池。
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