JP6836345B2 - チップコンベヤ装置 - Google Patents
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Description
特許文献1には、クーラントと切り屑とを効率良く、かつ低いコストで分離するクーラント清浄装置10として、クーラントを貯液するとともにクーラント内に残留する切り屑とクーラントとを分離する第一タンク21と、クーラント内に残留する切り屑に吸着して当該切り屑をクーラント液面に浮上させるためのマイクロバブルを第一タンク21内で発生させるマイクロ圧縮エアポンプ23と、第一タンク21内で濾過されたクーラント液面付近の残存切り屑をクーラントとともに回収する第一タンク用回収装置31と、第一タンク用回収装置31で回収されたクーラントから残存切り屑を除去するとともに、残存切り屑と分離されたクーラントを第一タンク21に戻すフィルター装置41とを備える。
また、本願出願人は、特許文献3(特開2015−9338号公報)を出願しており、その内容は、濾過ドラムと搬送トレーとを組み合わせたチップコンベヤ装置において、円筒ドラムの欠点をなくした新規な構造のチップコンベヤ装置であり、回転軸周りに配されたメッシュ3mによってダーティ液を濾過する濾過ドラム3と、濾過ドラム3に挿通された搬送トレー5c内で切り屑を圧縮しながら搬送し搬送路の排出口から排出するコイルコンベヤ51と、これらを駆動する駆動手段8Mを備え、前記濾過ドラム3が回転軸方向で正多角形状とされており、濾過ドラム3内に供給されたダーティ液が前記メッシュ3mにて濾過されクリーン液となって取り出され、かつ、前記濾過ドラム3内の切り屑が前記濾過ドラム3の回転に伴って上方に運ばれて前記搬送トレー51内に落下しコイルコンベヤ51にて搬送され圧縮されて排出される。
特許文献4は、クーラントと切り屑とを効率良く、かつ低いコストで分離するものであり、このクーラント清浄装置10は、クーラントを貯液するとともにクーラント内に残留する切り屑とクーラントとを分離する第一タンク21と、クーラント内に残留する切り屑に吸着して当該切り屑をクーラント液面に浮上させるためのマイクロバブルを第一タンク21内で発生させるマイクロ圧縮エアポンプ23と、第一タンク21内で濾過されたクーラント液面付近の残存切り屑をクーラントとともに回収する第一タンク用回収装置31と、第一タンク用回収装置31で回収されたクーラントから残存切り屑を除去するとともに、残存切り屑と分離されたクーラントを第一タンク21に戻すフィルター装置41とを備える。
特許文献5には、処理水中に含まれる混入物(例えば、有機物など)を効果的に除去し得る水処理装置および水処理方法を提供するとして、処理水中にマイクロナノバブルを発生させるマイクロナノバブル発生部43またはナノバブルを発生させるナノバブル発生部42と、マイクロナノバブルまたはナノバブルが発生した後の処理水を導入する第2槽15と、第2槽15内に導入される処理水と接触可能に設けられる、ポリビニルアルコールからなる担体16と、を備え、担体16は細孔を有するとともに、担体16上方には微生物が固定化されている。
しかしながら、従来の噴射手段では噴射効率を上げるために高出力が要求され、コストが高くなる問題を有していた。また、前記濾過ドラムが回転軸方向において所定間隔で外周に突出した角形状の部分で上方に運ぶが、この角形状では噴射手段による噴射による除去が難しい面を有していた。
また、濾過ドラムでは、濾過フィルター(メッシュ)の交換が必要であるが、従来装置では、特に切り屑を巻き上げるタイプでは頻繁に交換を余儀なくされる場合があった。
なお、従来特許文献4と5では、液槽中でマイクロバブルやナノバブルなどの超微細気泡を発生させて、切り屑が混入したクーラント液を洗浄するが、液相中のみでは、切り屑の洗浄除去が十分ではなく、他方、噴射のみでも、切り屑の洗浄除去が効率的に行われない。
本発明によれば、前記濾過ドラムのメッシュ状孔をその外側の上方から下向きに噴射することから、前記濾過ドラムの濾過フィルターに付着した切り屑を下方に向かって落下させるので最も効果的な除去である。また、噴射手段の圧縮エアを含んだ洗浄液を下方に向けて最も衝撃力を高め、かつ、拡散領域を広くして噴射させることができる。
本発明によれば、噴射手段により圧縮エアの混入した洗浄液を噴射すると、濾過ドラムのメッシュ状孔の複数層の構造により泡の発生が飛躍的に増加してメッシュ状孔に対して洗浄力を飛躍的に発揮させる。
本発明としては、前記濾過ドラムが回転軸方向において所定間隔で外周に略U字形状の連続形状が形成されて、この略U字形状の連続形状の位置で切り屑を捕捉して、この位置の切り屑を前記噴射手段による噴射で分離除去することを特徴とする。このU字形状としては、楕円形状の連続(正方向にもその逆にも略U字形状)で、切り屑の排出側に向かって末広がりの扇状とすることが、切り屑の回収に際しても噴射手段による排出にも効果があり、しかもメッシュを損傷し難い形状である。
本発明によれば、切り屑の回収に際しても、前記噴射手段で略U字形状で付着した切り屑を効果的に分離除去することができる。
本発明によれば、一つの前記噴射手段を効率的に使用して切り屑の洗浄排出ができる。すなわち、前記噴射手段からの圧縮エアを含むクーラント液が貯水領域に混入すると、マイクロバブルやナノバブルなどの超微細気泡が発生して切り屑に付着した使用済みクーラント液(ダーティ液)を分離除去するが、このように洗浄処理された切り屑が、上方に運ばれて前記噴射手段による洗浄により確実に洗浄分離して、排出されることになる。
また、本発明のチップコンベヤ装置における切り屑の洗浄排出方法によれば、前記噴射手段からの圧縮エアを含むクーラント液が貯水領域に混入すると、マイクロバブルやナノバブルなどの超微細気泡が発生して切り屑に付着した使用済みクーラント液(ダーティ液)を分離除去するが、このように洗浄処理された切り屑が、上方に運ばれて前記噴射手段による洗浄により確実に洗浄分離して、排出されることになる。
図1(a)(b)は、本発明の実施形態のチップコンベヤ装置1を示す構造図である。図2は、本実施形態の濾過ドラム3をその内部構造を背面側から示す構造図である。図3は、本実施形態の濾過ドラム3と噴射手段81との位置関係を説明する図であり、図3(a)が正面図であり、図3(b)が側面図である。また、図4は本発明の他の例であり、図1とはクーラント洗浄液と圧縮エアポンプMv1との合流させる向きが異なるものである。
本実施形態は、濾過ドラム3は、筐体2内に配され、濾過ドラム3に挿通された搬送トレー50b内で切り屑Zを圧縮しながら搬送し搬送路5の排出口から排出する回転式のコイルコンベヤ51、これらを駆動する駆動手段(モータ)Mを備える。濾過ドラム3は、回転軸周りに配されたメッシュ3mによってダーティ液L1を濾過する。回転フィルターのメッシュは、2重或いは3重構造とすることが可能であり、本実施の形態ではメッシュの目の粗さの異なるメッシュが焼結により結合されている3重構造である。ドラムフィルター3mは、メタルワイヤ(ウェッジワイヤ)やパンチングメタル等によってその外周にメッシュを形成した回転ドラムを、ダーティ槽内で水平軸まわりに回転させることで回転ドラム外周のメッシュ面3mに切り屑を留めながら切削液を回転ドラム3の内側に濾過してクリーンな切削液とし、回転ドラムの内側から濾過済みのクリーンな切削液を水平軸方向(横方向)に排出しクリーン槽2内に排出する。
本実施の形態の圧縮エアポンプMv1は、エア又はガスを供給する供給手段を備えて、クーラント貯蔵槽からのクーラント液が噴射されている。圧縮エアポンプMv1としては、熱帯魚の飼育に用いる水槽に供給するような僅かのエアを供給できるものでも十分可能であるが、気液二相流旋回型のものを使用してもよい。気液二相流旋回型は、水流を起こして渦を発生させて、渦内に気体(大きな気泡)を巻き込み、この渦を崩壊させたときに気泡がバラバラに細分化する現象を利用する。超微細気泡は境界面に存在するイオンの力で油分などを洗浄する効果に優れる。なお、圧縮エアポンプMv1は、接続口を有するドレンキャップに取り替えてドレンバルブを取り付け、さらに、継手を用いて定流量器を装着することができ、アクチュエータを搭載して自動弁としてエア供給の調整を行ってもよい。
そして、本実施形態では、流入管から濾過ドラム3内に供給されたダーティ液L1がメッシュ3mにて濾過されクリーン液L9となってクリーンタンクに貯水され排出管91から取り出され、かつ、濾過ドラム3内の切り屑が濾過ドラム3の回転に伴って上方に運ばれて搬送トレー50b内に落下し、コイルコンベヤ51にて搬送され圧縮された切り屑Zとして機外に排出される構成となっている(図1、図2)。
そして、略U字形状の連続した形状(或いは楕円形状の連続)濾過フィルター3mとしては、いくつかの網目(メッシュ)を焼結して密着させて多層構造とする。例えば、濾過ドラム3のメッシュ3mで取り除く切り屑の大きさを仮に10〜30μmであるとすると、中央のメッシュ層3Aのメッシュ状孔の大きさを200〜600メッシュとすることが好ましい。そして、内側のメッシュ層(ドラム内側)3Cは60〜30メッシュとして、外側(ドラム外側)3Bは30〜60メッシュとして、3槽構造の焼結によるメッシュ構造である。このような構造であれば、焼結によるワイヤの接合にとって高精度であり、濾過フィルター3mの濾過精度が高く、U字形状や角形形状にしても頑丈で、切り屑の排出が行い易く、マイクロバブルやナノバブルのような微粒泡の洗浄に好適である。
これに対して、本願発明は、3層のメッシュ層のみの焼結で、強固に焼結でき、しかも,補強材としての上下のメッシュ層3B,3Cは、中央のメッシュ3Aの補強のみならずメッシュとしての役割も果たす(図7(b))。そして、毎分200Lで濾過処理しても安定して20μm程度の切り屑を分離除去できる。これは、上下のメッシュ層3B,3Cでそのメッシュ状孔の大きさが異なる前記ダーティ液の流量を制御できることと、大きさの大きい切り屑は、中央のメッシュ3Aに接触することがカバーされるので(メッシュとしての役割も果たす)、中央のメッシュ3Aによる精度の高いろ過が可能である。表1に示すように、中央のメッシュ層3Aを切り屑Zの濾過・除去の基準にすると、外側のメッシュ層3Bと内側と外側のメッシュ層3Bは5倍以上の大きさ(例えば20〜60メッシュ)が好ましい。これは焼結の結合強度の維持と、中央のメッシュ層3Aを切り屑Zの濾過・除去の基準にするときの基準に影響がでないようにするためである。本実施の形態では、内側のメッシュ層3Cは60メッシュであり、外側のメッシュ層3Bは20メッシュであるとした。処理量(使用済みクーラント液(ダーティ液)は200L/毎分であり、切り屑の濾過精度(濾過する切り屑の大きさは)10〜30μmである。金網の種類はSUS金網であるが、銅等でも良い。これらの点から、実験した例(実施例)は、表1の複数のメッシュ層の組み合わせである。実施例3のメッシュ層の組み合わせを基準にして(400メッシュは、線径0.03mmであり、目開きが0.034mmであり、開口率が27.8%)、前記中央のメッシュ層3Aのメッシュ状孔が200〜600メッシュであり、内側に配される内側メッシュ層3Cのメッシュと外側に配される外側メッシュ層3Bのメッシュ状孔とが前記中央のメッシュ層3Aのメッシュ状孔の5倍以上で15倍以下の大きさであり(約10倍程度が基準と思われる)、かつ、前記中央のメッシュ層3Aのワイヤの径の太さが前記内側メッシュ層3Cと外側メッシュ層3Bのワイヤの太さよりも太いものを使用した。すなわちこれらワイヤの太さの違いにより焼結による接合強度が高められるとともに、内側メッシュ層3Cと外側メッシュ層3Bによる濾過する精度に影響はなく、他方、焼結結合の強度の確保が図られる。実施例3の場合、400メッシュ3Aは、線径0.03mmであり、目開きが0.034mmであり、開口率が27.8%であり、内側メッシュ3Cが40メッシュの場合、線径0.25mmであり、目開きが0.39mmであり、開口率が36.8%であり、外側3Bが60メッシュの場合、線径0.14mmであり、目開きが0.28mmであり、開口率が44.8%である(JIS規格を基にした、篩いメッシュ換算表に準拠)。
表1における内側メッシュ層3Cと外側メッシュ層3Bのメッシュ状孔の大きさは、使用済みクーラント液(ダーティ液)の通過方向や噴射手段により噴射方向との関係において逆の大きさに設定することもできる。
また、図7は、濾過ドラムの略U字形状の突出部を写したメッシュ構造の写真である。図8は、濾過ドラム3の濾過した分離クリーン液の粒度分布図である。表2の実施例では、いずれも切り屑Zの濾過精度(濾過する切り屑の大きさは)10〜30μmであり、毎分200Lで濾過処理しても安定して20μm程度の切り屑を分離除去できる(図9)。
なお、濾過ドラム3の左右両側には、前記略U字状の正逆が繰り返す外周端が金属製の外周カバーが配置されて濾過ドラム3に取付けられている。これら左右端面を覆う外周カバーにより、三層構造のメッシュ構造が形作られている(図3(c)、図6(c))。しかし、それ以外にカバー部材はなく、3層メッシュ層3A,3B,3Cの濾過ドラム3としてのみで構成されている。
これに対し、本願発明の噴射手段81のノズル811から連続的に噴射では、その液体は空気の体積の急激な膨張により、液体の噴射速度が急速に高まり、液体の衝撃力が高まるとともに、拡散領域K1が広範囲になる。略U字状の突出部の半径の範囲H1に亘って拡散噴射させることが好ましく、さらに好ましくは、切り屑Zの排出側になる末広がりのU字形状の排出側にまで広く及ぶようにする(例えばU字状の突出部Dtと突出部Dtの間H2までに及ぶように拡散することが一層好ましい(図3(a))。また、本願発明の噴射手段81のノズル811は、濾過ドラム3の上方に4個連続的に配置されているが、拡散角度を帯状(符号H1やH2の幅)での長手方向K1とK1が所定範囲で重なり合うようにしている。すなわち、噴射手段81のノズル811から横向きに噴射して拡散パターンが帯状(扁平状)になるように拡散して噴射させる(図3(b))。このような拡散には、洗浄液の圧力を高める必要があるが、本願発明では、圧縮エアの供給によりこれを実現している。ここでの使用する噴射ノズル(拡散ノズル)811としては如雨露型等の複数の細孔を有するものや、複数の直線状のスプレーオリフィスを有するものや、スリットのオリフィスから膜状に噴射させるもの等が使用できる。
3 濾過ドラム(回転ドラム)
3m メッシュ(フィルター)、
3A 中央のメッシュ層、
3B 外側メッシュ層、
3C 内側メッシュ層、
50a 搬送トレー(管路)、
7 回収用ホッパー、
81 クーラント液供給配管、
811 噴射手段(噴射ノズル)、
A9 クーラント液(新しい洗浄用のクリーン液)
Dt U字形状の頂部、
L1 使用済み液(工作機械から排出されたクーラント液)、
L9 クリーン液(濾過ドラムにて濾過されたクリーン液)、
Mv1 圧縮エアポンプ、
W クーラント液が貯水領域、
Z 切り屑、
Claims (5)
- 旋盤やフライス盤等の工作機械から切り屑が混ざって排出された使用済みクーラント液を濾過してクリーン液を取り出すとともに切り屑を排出するチップコンベヤ装置であって、回転軸周りに配される濾過面がメタルワイヤやウェッジワイヤからなる複数のメッシュ層のみを接合させるものであってメッシュ状孔の大きさが複数のメッシュ層で異なる濾過ドラムと、前記濾過ドラムに付着した切り屑を除去する噴射手段を備え、前記噴射手段は、供給クーラント洗浄液に圧縮エアを供給しながら噴射させて切り屑を除去することを特徴とするチップコンベヤ装置。
- 前記濾過ドラムの濾過面は、焼結によって内側のメッシュ層と中央のメッシュ層と外側のメッシュ層のみで接合させるものであって中央のメッシュ層のメッシュ状孔よりも内側と外側のメッシュ層のメッシュ状孔が大きい3層のメッシュ層とすることを特徴とする請求項1に記載のチップコンベヤ装置。
- 前記チップコンベヤ装置を構成する濾過ドラムの濾過面は、前記濾過ドラム回転軸方向に対し断面略U字状や角型の連続形状の折り曲げ部を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載のチップコンベヤ装置。
- 前記濾過ドラム内の切り屑が前記濾過ドラムの回転に伴って上方に運ばれ、前記圧縮エアが供給されたクーラント洗浄液は、前記濾過ドラムのメッシュ状孔の外側において上方から下向きに噴射するものであり、
前記噴射手段は、噴射ノズルが取り付けられるクーラント洗浄液の供給管に、圧縮エアポンプからの圧縮エアが直接向けられて供給可能になっているか、または、前記噴射手段は、クーラント洗浄液と圧縮エアとを別々に圧送して噴射ノズルの近傍や噴射ノズルで混合して供給可能になっていることを特徴とする請求項1または2に記載のチップコンベヤ装置。 - 前記濾過ドラムの下方に切り屑が混ざって排出された使用済みクーラント液が貯水される貯水領域が設けられ、前記噴射手段からの圧縮エアを含むクーラント洗浄液が貯水領域に混入すると、マイクロバブルやナノバブルなどの超微細気泡が発生して切り屑に付着した切削液を分離除去することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項記載のチップコンベヤ装置。
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