JP6836239B2 - 複合金属化合物および光触媒電極 - Google Patents

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Description

本発明は、複合金属化合物および光触媒電極に関する。
太陽エネルギーを利用する光エネルギー変換システムの実用化は、地球温暖化の抑制、枯渇しつつある化石資源への依存からの脱却を目指す観点から、近年その重要性が増している。なかでも、太陽エネルギーを用いて水を分解し水素を製造する技術は、現行の石油精製技術、アンモニア、メタノールの原料供給技術としてのみならず、燃料電池をベースとした将来の水素エネルギー社会における水素供給技術として、有望視されている。
また、光エネルギーを用いて水から水素を製造する技術は、光エネルギーを化学エネルギーに変換する技術と目されているが、実用化されて久しい太陽光発電は生成する電気エネルギーの貯蔵が容易でないために蓄電技術の進展が望まれている一方で、水素をはじめとする化学エネルギーは、エネルギーの貯蔵、輸送、単位当りのエネルギー量において優位なエネルギーになると期待されている。
水分解にて水素と酸素とを発生する光触媒には、水素発生用と酸素発生用の大きく分けて2種に大別される。なかでも、金属硫化物は、長波長の光に応答する材料が多く、水素発生用光触媒としての提案が数多くある。
金属硫化物系の光触媒の提案としては、例えば、特許文献1では、水素発生に有効な光触媒として、組成式 Zn1−2x(CuGa)Inで表される複合金属硫化物に関する報告がある。また、特許文献2では、水素発生に有効な光触媒として、CuInSのCuまたはInの一部をAgまたはGaで置換した硫化物固溶体からなる光触媒に関する報告がなされている。また、特許文献3では、水素発生に有効な光触媒として、組成式 (CuAg)In2xZn2(1−2x)で表される可視光活性硫化物固溶体に関する報告がある。
非特許文献1では、同じく、水素発生に有効な光触媒として、組成式Cu0.8Ga0.8−xInZn0.4で表される金属硫化物光触媒が報告されている。
特開2009−066529号公報 特開2006−167652号公報 特開2005−199222号公報
日本化学会第92年会(2012年)1G1−43「Cu0.8Ga0.8−xInxZn0.4S2の混合硫化物光触媒によるソーラー水素製造」
可視光を利用して水を分解して水素を発生しうる光触媒として、種々の金属硫化物が提案されているが、特に、銅を含む硫化物である黄銅鉱(カルコパイライト)は、太陽電池として利用されているCIGS(Cu−In−Ga−Se)をはじめとして光応答材料として有用であるものが多い。しかしながら、可視光照射下で水分解に用いられる、それら硫化物材料の有する光触媒特性や光電気化学特性は、まだ、十分とは言えない。
本発明は、かかる現状に鑑み、従来の一般式CuGax−yInZn2(1−x)(AはSまたはSeを示す。)で表されるカルコパイライト型の結晶構造を有する複合金属化合物、該複合金属化合物を含む光触媒について、水素生成活性に優れた光触媒およびそれを用いた光電気化学特性に優れた光触媒電極に好適な各成分組成を提供することを目的とする。
本発明者らは、カルコパイライト型の結晶構造を有する複合金属化合物を表す一般式CuGax−y+kIny+jZn2(1−x)+m2+n(n=3/2k+3/2j+m、A=SまたはSe)において、各成分組成を特定する、具体的には、0.4≦x≦0.8、0.2≦y≦0.8、x>yであり、かつ、0≦k≦0.2、0≦j≦0.2、0≦m≦0.2、0.02≦n≦0.8となる組成とすることにより、水素発生用光触媒または水素発生用光触媒電極に用いる際に、可視光照射下での高い光触媒活性の発現が可能となることを見出し、本発明を完成するに至った。
上記一般式において、k、j、m、nを含まない、CuGax−yInZn2(1−x)(A=SまたはSe)は従来のカルコパイライト型を示す組成を示すもので、xおよびyはCu、Ga、In、Znの相補的な量関係を示すものである。本発明者らは、これら、xおよびyによって、光触媒の性能が大きく変化し、好ましい範囲を規定することにより、光触媒性能のより高いものを得ることができることを見出した。
さらに、本発明の一般式CuGax−y+kIny+jZn2(1−x)+m2+n(n=3/2k+3/2j+m、A=SまたはSe)は、上記のxおよびyに加えて、k、j、m、nを含むものである。これら、k、j、m、nは、各々、従来のカルコパイライト型を示す上記組成式におけるGa、In、Zn、Sの各成分の量に対する過剰量を示すものであり、本発明では、これら成分を適度に過剰に用いることにより、これら光触媒の性能が従来の組成のものに対して大幅に向上することを見出した。
具体的には、本発明は以下のようなものを提供する。
[1]下記一般式で表されるカルコパイライト型の結晶構造を有する複合金属化合物。
一般式: CuGax−y+kIny+jZn2(1−x)+m2+n
(上記式中、x、y、k、j、mおよびnは下記条件を満たし、AはSまたはSeを示す。
n=3/2k+3/2j+m、0.4≦x≦0.8、0.2≦y≦0.8、x>y、0≦k≦0.2、0≦j≦0.2、0≦m≦0.2、0.02≦n≦0.8)
[2]可視光を用いて水から水素を生成する光触媒である、上記[1]に記載の複合金属化合物。
[3]上記[1]または[2]に記載の複合金属化合物を用いて作製される水素発生用光触媒電極。
[4]上記[1]または[2]に記載の複合金属化合物が集電導電体層上に積層された、光触媒電極。
本発明によれば、従来の一般式CuGax−y+kIny+jZn2(1−x)+m2+n(AはSまたはSeを示す。)で表されるカルコパイライト型の結晶構造を有する複合金属化合物、該複合金属化合物を含む光触媒について、水素生成活性に優れた光触媒およびそれを用いる光電気化学特性に優れた光触媒電極に好適な各成分組成を提供することができる。
CGIZS光触媒のXRD測定結果 CGIZS光触媒のXRD測定結果 CGIZS光触媒の拡散反射スペクトル CGIZS光触媒の拡散反射スペクトル CGIZS光触媒の拡散反射スペクトル CGIZS光触媒の拡散反射スペクトル CGIZS光触媒のXRD測定結果 CGIZS光触媒の拡散反射スペクトル 光電気化学特性評価結果 光電気化学特性評価結果
以下、具体的に、発明を実施するための形態を示す。1.光触媒組成、2.光触媒の製法、3.助触媒および表面修飾、4.光触媒電極の製法、5.水分解水素生成活性評価、について順に記述する。
1.光触媒組成
カルコパイライト(Chalcopyrite)とは金色の鉱物である黄銅鉱CuFeSの英名である。この物質は、ZnSに代表される閃亜鉛鉱(ZB)構造を2段重ねにしてZnをCuとFeの2元素で秩序正しく置き換えた正方晶の結晶構造をとる反強磁性の半導体である。構成元素は全て他の元素の四面体で取り囲まれており、原子同士は強い共有結合で結びついている。
カルコパイライト構造は、基本的にABCの組成を示し、構成する元素別に大きく分けて、I−III−IV族型とII−IV−V族型の2種がある。I−III−IV族型では、主な構成元素として、I族がCuまたはAg、III族がAl、Ga、In、IV族がS、Se、Teであり、一方、II−IV−V族型では、II族がZnまたはCd、IV族がSi、GeまたはSn、V族がPまたはAsである。
カルコパイライト構造を有する太陽電池材料として実用化されているCIGS(Cu−In−Ga−S)はI−III−IV族型構造を有するが、CIGSは太陽光の利用に適した可視光吸収特性を有する材料としてよく知られている。
本発明のCu、Ga、In、Znを含む複合金属化合物は、上記I−III−IV族型のカルコパイライト構造において、I族がCuおよびZn、III族がGaおよびIn、IV族がSおよびSeに相当し、カルコパイライト型の結晶構造を有するものである。
本発明のカルコパイライト構造を有するCu、Ga、In、Znを含む複合金属化合物は各金属成分の含有量によってバンド構造が変化することが知られている。該複合金属化合物の価電子帯はCu 3dとS 3pの各軌道がバンド形成に寄与し、該複合金属化合物の伝導帯はGa 4s4p、In 5s5pおよびZn 4s4pの各軌道がバンド形成に寄与するとされる。Ga 4s4pおよびZn 4s4pに対して、In 5s5pの位置は貴側に位置するため、該複合金属化合物の伝導帯の位置は、Ga、In、Znの3者の組成の変化に応じて変化する。
半導体の吸収波長は、一般的に、価電子帯上端と伝導帯下端との差、すなわちバンドギャップに依存するので、上記のように、伝導帯の位置が構成電素であるGa、In、Znの組成に応じて変化することにより、吸収波長は長くなったり短くなったりすることを意味する。すなわち、GaおよびZn量に対してIn量が増加すると、伝導帯下端の位置が貴側に移動するので、より長波長の光を吸収し、GaおよびZn量に対してIn量が減少すると、伝導帯下端の位置が卑側に移動するので、より短波長の光を吸収することになる。
例えば、一般式CuGax−y+kIny+jZn2(1−x)+m2+n(n=3/2k+3/2j+m、A=SまたはSe)において、x=0.8、k=0、j=0、m=0、n=0において、y=0の場合(Cu0.8Ga0.8Zn0.4)とy=0.8の場合(Cu0.8In0.8Zn0.4)では、前者の組成がInを含まない、後者の組成がGaを含まないものとなる。これらの拡散反射スペクトル分光装置(DRS: Diffuse reflectance spectrum)を用いて可視・紫外分光スペクトルを測定すると、各々の吸収端波長が、前者で540nm、後者で880nmが得られる。それぞれのバンドギャップは、2.3eVおよび1.4eVと計算される(吸収端波長=バンドギャップ×1240)。
水分解による水素発生を可能とする光触媒は、伝導帯の電位が0VRHEより卑側になる必要があり、本発明のカルコパイライト構造を有するCu、Ga、In、Znを含む複合金属化合物はいずれもそれを満たすと考えられる。
一般的に、光触媒の光吸収はその吸収端が長波長になればなるほど吸収できる光の量が増えるので、光触媒としての性能も一般に向上する。しかしながら、Gaに対するInの割合が増えると、伝導帯の位置が貴側になることによって、吸収端の長波長化が起こるものの、その位置が0.0VRHEに近づき過ぎる場合は、水を還元して水素を発生するためのドライビングフォースとなる過電圧が小さくなることにより、光触媒としての活性が十分に得られないという問題が発生する。この過電圧は、一般的には、0.2〜0.3Vほどが最小でも必要とされる。
すなわち、GaとInの量関係において、Inが多い方が吸収端が長波長側となるために吸収できる光の量が増えることにより、より高い活性の光触媒となり得るが、Inが多すぎると、水を還元して水素を発生するためのドライビングフォースとなる過電圧が小さくなって、光触媒の活性は低いものとなることが予想されるのである。これは、GaとInの量関係において、光触媒の性能という観点からすると、最適な量関係が存在することを意味しており、本発明の一つの主要部分を成すものである。実施例2および図2が参照される。
また、一方で、Cu量においても、その最適な量が存在する。価電子帯を形成するCu3d軌道の状態密度は、Cu量に対応しており、その量が少ないと状態密度が低下して薄い状態となることで、可視光吸収において不利になり、また、その量が多いと、相補関係にあるGa、In、Znの量が相対的に少なくなることで、伝導帯の状態密度が低下することで、やはり可視光吸収において不利になる。
従って、一般式のx値およびy値により規定されるCu、Ga、In、Znの各組成量は、0.4≦x≦0.8、0.2≦y≦0.8が好ましい範囲であり、より好ましくは0.4≦x≦0.8、0.3≦y≦0.8、さらに好ましくは0.4≦x≦0.8、0.3≦y≦0.6である。
本発明のもう一つの主要部分は、一般式で示される組成に対して、Ga、In、Zn各組成を適度に過剰にした場合に、量論的な組成の光触媒に比して、光触媒性能が大幅に向上することである。この原因については定かではないが、過剰でない量論的な組成においては、イオウ欠陥やCu2+が生じることによって、光触媒性能が十分に生起しないことが考えられる。Ga、In、Zn各組成を適度に過剰にすることにより、そうした欠陥や電荷の不具合が改善されることが考えられる。
すなわち、量論的な組成においては、完全に均質な組成構成となる触媒結晶が得られれば問題ないが、必ずしもそうでなく、どうしても局所的で微小の可不足が生じると考えられる。特に結晶の表面近傍ではこうした不具合が起こり易いと考えられる。
結晶における、これら、格子欠陥の存在や電荷バランスの微小不均衡は、光励起により電荷分離した電子とホールが再結合するサイトとして機能すると考えられる。せっかく電荷分離した電子とホールが再結合すれば、量子効率の低下を招くことになり、光触媒性能が低いものとなる。
本発明においては、このような問題を解決するためにGa、In、Znの3者を適度に過剰に用いることによって、光触媒性能が大幅に向上することを見出し、その量範囲に適切な範囲があることを見出した。過剰量が大きい場合には、カルコパイライト構造を保てず望ましい性能が得られない。
すなわち、カルコパイライト型の結晶構造を有する一般式CuGax−y+kIny+jZn2(1−x)+m2+n(n=3/2k+3/2j+m、A=SまたはSe)において、0.4≦x≦0.8、0.2≦y≦0.8、x>yであり、かつ、0≦k≦0.2、0≦j≦0.2、0≦m≦0.2、0.02≦n≦0.8となる組成であることが望ましい。
これら、k、j、m、nは、各々、Ga、In、Zn、Sの各成分の過剰量を示すものであり、本発明では、これら成分を適度に過剰に用いることにより、光触媒の性能を従来の組成のものに対して向上することができる。k、j、m、およびnは、それぞれ、上述の特定一般式に記載のとおり、0≦k≦0.2、0≦j≦0.2、0≦m≦0.2、0.02≦n≦0.8であるが、k、j、mの少なくともいずれか一つが0.02以上、かつ、nが0.02以上であることが好ましく、さらに、nが0.05以上であることがより好ましい。
カルコパイライト型の結晶構造を有する従来の上述した組成式におけるGa、In、Znの各成分の量に対し、kはGaの過剰量、jはInの過剰量、mはZnの過剰量を示す。本明細書において、これら過剰量を単に「過剰量」ないし「過剰」と略記することがある。本明細書において、本発明における上記一般式を「特定一般式」ということがあり、また、該特定一般式で表されるカルコパイライト型の結晶構造を有する複合金属化合物を「特定一般式で表される複合金属化合物」、「該複合金属化合物」などと略記することがある。本明細書において、かかる複合金属化合物と該複合金属化合物を含む光触媒との双方に該当する場合などにおいて単に「光触媒」と称して説明することがある。また、本明細書において、上記一般式で表される複合金属化合物ないし該複合金属化合物を含む光触媒を「CGIZS光触媒」ないし「CGIZS」ということがある。
2.光触媒の製造方法
本発明に用いられる光触媒の製造方法は特に限定はされない。上記の通り、光触媒を構成する成分および組成、カルコパイライト型の結晶構造などが満たされれば、その製法は限定されるものではない。
本発明においては、フラックス法または固相法を用いることができる。特にフラックス法が好適に用いられる。
フラックス法においては、原料として、硫化第一銅(CuS)、硫化ガリウム(Ga)、硫化インジウム(In)、硫化亜鉛(ZnS)等の金属硫化物、あるいは、セレン化第一銅(CuSe)、セレン化ガリウム(GaSe)、セレン化インジウム(InSe)、セレン化亜鉛(ZnSe)等の金属セレン化物を用いることができる。これらは通常は固体であり、粉末状にてよく混合して用いられる。
フラックス法において用いられるフラックス剤は、特に限定されない。例えば、金属塩化物、例えば、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化セシウムなどのアルカリ金属塩化物、塩化カルシウム、塩化ストロンチウム、塩化バリウムなどのアルカリ土類金属塩化物が好適に用いられる。なかでも、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化セシウムがより好ましく、これら塩化物を2種以上混合することが特に好ましい。これらの混合物は低い融点を示すので、フラックス剤として好ましく用いられる。
例えば、塩化リチウム(融点605℃)と塩化カリウム(融点770℃)の混合物は59.5:40.5のモル比で融点352℃の共晶溶融塩を形成する。また、塩化ナトリウム(融点801℃)と塩化セシウム(融点645℃)の混合物も35:65のモル比で融点486℃の共晶溶融塩となる。
金属塩化物としては、塩化リチウムと塩化カリウムとの組合せが特に好ましい。塩化リチウムと塩化カリウムとの混合組成としては、その融点を低下させる点で、塩化リチウムと塩化カリウムとのモル比が40:60〜80:20であることが好ましく、50:50〜70:30であることがより好ましく、その融点が最低となる点で、59.5:40.5であることが特に好ましい。本実施態様では、金属塩化物として、塩化リチウムと塩化カリウムのモル比59.5:40.5付近の混合物が好適に用いられる。
用いるフラックス剤、すなわち、上記金属塩化物の量は、特に限定されないが、原料の金属硫化物あるいは金属セレン化物の混合物の量に対して、モル比で1以上、約20以下が好ましく、通常は5以上、約10倍以下が好適である。かかる範囲内であると、本実施態様の上述の特定一般式で表される金属化合物ないし光触媒の製造方法における熱処理を低温化しやすく、また、上述の特定一般式の成分範囲を容易に達成することができる。
本実施態様における熱処理、すなわち、フラックス時の温度としては、400℃以上、800℃以下が好ましく、450℃以上、750℃以下がより好ましい。
熱処理の時間としては、0.5時間以上、50時間以下が好ましく、1時間以上、30時間以下がより好ましく、2時間以上、20時間以下がさらに好ましい。
熱処理における昇温速度としては、0.5℃/分以上、20℃/分以下が好ましく、1℃/分以上、15℃/分以下がより好ましい。
本実施態様における熱処理における降温速度としては、0.5℃/分以上、20℃/分以下が好ましく、1℃/分以上、15℃/分以下がより好ましい。特に、降温については、結晶成長への影響が大きいことから、一定速度で降温するだけでなく、途中で一定温度において保持する、途中で降温速度を変更するなどの工夫が有効な場合がある。具体的には、1℃/分以上、15℃/分以下の降温速度において降温した後、300℃以上、600℃以下における一定温度において30分以上、300分以下の時間保持し、次いで1℃/分以上、15℃/分以下の降温速度において室温付近まで降温する方法などが挙げられる。
本実施態様における熱処理は、大気中で行うことができ、通常、0.1×10Pa以上、2000×10Pa以下、例えば1×10Pa以上、1000×10Pa以下の圧力において行うことができる。かかる熱処理は、例えば、開放系の反応容器内において行うことができる。従って、本実施態様における熱処理は、真空下に熱処理する必要がなく、また、原料とする金属硫化物およびフラックス剤とする金属塩化物を石英製ガラス管、石英アンプル管などの閉鎖系の反応容器内において熱処理する必要がないが、本実施態様における熱処理ないしフラックス時における雰囲気は特に限定されず、大気下、または不活性ガス雰囲気下、さらには、通常、減圧下ないし真空下のいずれの雰囲気も適用可能であり、密閉系あるいは開放系のいずれの反応容器内における熱処理を行ってもよい。本実施態様における熱処理ないしフラックス時における雰囲気としては、装置内、不活性ガス雰囲気下、または真空下が好ましく、真空下がより好ましい。
上記熱処理(フラックス)を行った後は、水により洗浄してフラックス剤を除去することが好ましい。金属硫化物およびCGIZSは水に不溶であり、金属塩化物は水に可溶であるので、水洗浄により効果的にフラックス剤である金属塩化物を除去することができる。
洗浄に用いる水の量、洗浄回数、洗浄時間などは、特に限定されず、洗浄水に塩素が検出されなくなるまでというのが通常の指標となる。水による洗浄方法としては、例えば、1回の洗浄あたり固形物の2〜20倍の体積の水を用いて、洗浄回数は通常3回以上、洗浄時間は5分以上/回で行うことが挙げられる。通常、かかる範囲内であれば、洗浄回数は6回以下、洗浄時間は60分以下/回で行うことができる。
洗浄後は、通常、CGIZS光触媒を乾燥させる。乾燥方法は、特に限定されないが、熱負荷をあまりかけずに水分を除去することが望ましい。室温〜50℃くらいで、常圧または減圧下に乾燥させることが好ましい。
上記製造方法により得られる、上述の特定一般式で表される金属化合物ないし光触媒中に残存するフラックス不純物の量は、該金属化合物ないし光触媒の質量に対して100ppm以下であることが好ましい。具体的には、該金属化合物ないし光触媒の質量に対して、フラックスに用いた金属塩化物に由来する金属成分としては、500ppm以下が好ましく、200ppm未満がより好ましく、100ppm以下がさらに好ましく金属塩化物に由来する塩素としては、50ppm以下が好ましく、10ppm以下がより好ましい。
固相法では、上記の同じ硫化物を原料にして、不活性雰囲気ガス下、または、真空封管中にて、500〜1000℃にて熱処理を行うことによって製造される。空気中、または、酸素含有ガス雰囲気下において熱処理を行うと、本発明の硫化物は容易に酸化されてしまうため好ましくない。
また、こうして製造されたCGIZS光触媒は、組成の異なるものを複数種混合することで光触媒として利用することもできる。光照射により励起されて生成する電子と正孔が光触媒内で再結合せずに移動する上で、組成が一定の均質な光触媒よりも組成が不均一な光触媒を混合して用いる方がよりよい性能を示すことがある。その場合、酸素を含まない不活性ガス雰囲気下または減圧下で150〜600℃の範囲内の所定温度にて熱処理することが望ましい。加熱によって粒子どうしの相溶化を促すことで、粒界のポテンシャル障壁による導通抵抗が緩和される。
3.助触媒および表面修飾
本発明における光触媒ないし複合金属化合物は光励起された電子を用いて水を還元して水素を生成するが、助触媒はその活性点として機能する。その際に、光励起された電子が助触媒の表面において水分子に電子を与えることで水素分子が生成すると考えられる。
従って、光水分解に供される光触媒が光水分解活性を効果的に発揮するためには、光触媒表面に水素発生を促進する助触媒を担持して用いることが好ましい。また、光励起された電子が効率よく電荷分離して触媒表面に担持された助触媒に移動する、または、光触媒自体が水との接触によって経時劣化が起ることを緩和するなどのために、光触媒の表面を修飾することが性能向上や安定性付与に望ましい。
本発明における助触媒としては、白金、ルテニウム、イリジウム、パラジウム、金などの貴金属が好ましく用いられる。助触媒は、2種以上を用いてもよいが、通常、1種のみを用いることでも十分に助触媒の機能を発揮することができる。それら助触媒の担持の形態は、特に限定されないが、触媒表面に粒子として担持された状態が好ましい。助触媒は平均直径が0.1〜10nmのナノサイズの微粒子であることが好ましい。
助触媒の担持方法としては、特に限定されず、例えば、含浸、光電着、電気泳動、スパッタなどの一般的な方法などが挙げられる。担持量も特に限定されるものでなく、光触媒の0.1〜10質量%が好ましく、0.5〜3質量%がより好ましい。
含浸法では、貴金属のハロゲン化物やアンミン錯体等の水や有機溶媒に溶解する化合物を用いて、光触媒上に含浸した後、水素等の還元剤を用いて金属状に還元される。用いた水や溶媒は熱的にまたは減圧下の操作によって除去される。
また、スパッタ法では、通常、白金(Pt)、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)等の貴金属の板に、真空下にグロー放電させた不活性ガスを衝突させて、飛び出してくる金属が光触媒の表面に付着されることになる。光触媒は、通常、電極状に加工された状態でスパッタ法に供せられる。
また、蒸着法では、物理蒸着と化学蒸着の2種がある。物理蒸着においては、通常、白金(Pt)、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)等の貴金属を熱することによって蒸発させ、光触媒の表面に凝結・固化させる方法である。光触媒は、通常、電極状に加工された状態で蒸着法に供せられる。化学蒸着においては、白金(Pt)、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)等の貴金属を含む、揮発性の化合物を気化させて、光触媒上に堆積させた後、適切な還元剤を用いて還元する方法である。
また、表面修飾としては、まず、上述の特定一般式で表される光触媒ないしは複合金属化合物に対し、n型半導体となる物質を積層または担持することが好ましい。p型半導体であるCGIZSの表面にn型半導体を積層または担持することでpn接合が形成され、それによって励起電子がp型半導体CGIZSからn型半導体へ、さらに助触媒へと励起電子が効果的に運ばれる。その際に、励起電子と空孔との再結合を抑制することも同時に期待されるので、効率よい電荷分離が実現できると考えられる。
本実施態様で好適に用いられる上記n型半導体としては、CdS、ZnS、Inなどの金属硫化物が挙げられ、CdS、ZnSがより好適に用いられる。かかるn型半導体ないし金属硫化物としては、2種以上を用いてもよいが、通常、1種のみを用いることでも十分に機能を発揮することができる。これらn型半導体金属硫化物の担持の形態としては、特に限定されないが、光触媒ないし複合金属化合物の表面に、膜として積層または粒子として担持された状態が好ましく、積層の場合の層の膜厚は通常0.1〜1nmであり、担持の場合の粒子の大きさは均直径が1〜50nmの微粒子であることが好ましい。
n型半導体金属硫化物の担持の方法は、特に限定されるものでなく、例えば、含浸法、化学溶液析出法(CBD法、Chemical Bath Deposition)、光電着、電気泳動、スパッタなどが好適に用いられる。特に化学溶液析出法がより好ましい。
化学溶液析出法でCdSを担持する場合について説明する。Cd源には、硫酸カドミウムや酢酸カドミウムなどのCd塩、硫黄源にはチオ尿素、中和剤としてアンモニア水が好適に用いられる。具体的には、Cd塩とチオ尿素とアンモニア水とを含む水溶液に、CGIZS光触媒電極を、40〜80℃に加温した状態で浸漬する。電極表面にCdSが析出するので、所定時間浸漬した後、取り出して水で洗浄する。
また、安定性付与のための表面処理として、TiOやAZOなどの酸化物を電極表面に膜として積層することが好ましい。
4.光触媒電極
本実施態様の複合金属化合物ないし光触媒は、光水分解反応用の光触媒として好適に利用することができる。その場合、光水分解反応に供される光触媒の形態としては、特に限定されず、例えば、水中に光触媒を分散させる形態、光触媒を成形体として当該成形体を水中に設置する形態、基材上に光触媒を含む層を設けて積層体とし当該積層体を水中に設置する形態、集電体上に光触媒を固定化して光水分解反応用の光触媒電極とし対極とともに水中に設置する形態等が挙げられる。
これらのうち、光水分解反応用の光触媒電極は、例えば、公知の方法により作製可能である。例えば、ドロップキャスト法、粒子転写法、物理的成膜法、ロールプレス法、電気泳動法などの一般的な方法が好適に用いられる。
粒子転写法(Chem. Sci.、2013,4、1120−1124)は、好ましい方法であり、高性能な光触媒電極を容易に作製可能である。すなわち、ガラス等の第1の基材上に光触媒を載せて、光触媒層と第1の基材層との積層体を得る。得られた積層体の複合光触媒層表面に蒸着等によって導電層(集電体、集電導電体)を設ける。ここで、光触媒層の導電層側表層にある光触媒が導電層に固定化される。その後、導電層表面に第2の基材を接着し、第1の基材層から導電層および光触媒層を剥がす。光触媒の一部は導電層の表面に固定化されているので、導電層とともに剥がされ、結果として、光触媒層と導電層と第2の基材層とを有する光水分解反応用電極を得ることができる。
また、光触媒が分散されたスラリーを集電体の表面に塗布して乾燥させることで、光水分解反応用電極を得てもよいし、光触媒と集電体とを加圧成形等して一体化することで光水分解反応用電極を得てもよい。また、光触媒が分散されたスラリー中に集電体を浸漬し、電圧を印可して光触媒を電気泳動により集電体上に集積してもよい。
尚、集電体には、Auやカーボン、または、ITOやFTOといった透明導電性フィルムやガラスが好適に用いられる。Auやカーボンの集電体の作製方法は、特に限定されるものでないが、蒸着やスパッタなどの物理的手段により積層担持することが好適である。
5.光水分解による水素製造方法
本実施態様における光触媒、または、上記した光触媒電極を、水若しくは電解質水溶液に浸漬し、当該光触媒または光触媒電極に光を照射して光水分解を行うことで、水素を製造することができる。
例えば、上述のように導電体で構成される集電体上に光触媒を固定化して酸素生成用の光触媒電極および水素生成用の光触媒電極を得て、電極間を電線などの導電性材料で接続した後、液体状または気体状の水を供給しながら光を照射し、水分解反応を進行させる。必要に応じて電極間に電位差を設けることで、水分解反応を促進することができる。
一方、絶縁基材上に複合光触媒を固定化した固定化物に、または、複合光触媒を加圧成形等した成形体に、水を供給しながら光を照射して水分解反応を進行させてもよい。または、複合光触媒を水または電解質水溶液に分散させて、ここに光を照射して水分解反応を進行させてもよい。この場合、必要に応じて攪拌することで、反応を促進することができる。本明細書において、複合光触媒とは、助触媒担持や表面修飾を施した光触媒を意味する。
水素の製造時の反応条件としては特に限定されないが、例えば、反応温度、反応圧力などを選択することができる。反応温度としては、例えば、0℃以上、200℃以下とし、反応圧力としては、例えば、2MPa(G)以下とする。
照射光は、光触媒の種類にもよるが、900nm以下の波長を有する可視光を好適に利用することができる。照射光の光源としては太陽のほか、キセノンランプ、メタルハライドランプ等の太陽光近似光ないし疑似太陽光を照射可能なランプ、水銀ランプ、LED等が挙げられる。
以下、実施例に基づいて本発明の複合金属化合物および光触媒電極について具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例5及び16は、それぞれ参考例5及び16と読み替えるものとする。
実施例1
Ga5%過剰、粉体評価、x=0.8、y=0.4、k=0.02、j=0、m=0、n=0.03
[光触媒合成]
光触媒はフラックス法で合成した。原料にはCuS((株)高純度化学研究所製、純度99.0%)を1.019g(6.40mmol)、Ga((株)高純度化学研究所製、純度99.99%)を0.792g(3.36mmol)、In((株)高純度化学研究所製、純度99.99%)を1.042g(3.20mmol)、ZnS((株)高純度化学研究所製、純度99.999%)を0.623g(6.40mmol)用いた。原料の仕込比(モル)は、Ga 5mol%過剰とし、Cu、InおよびZnは化学量論とした。CuGax−y+kIny+jZn2(1−x)+m2+nの組成式に対して、x=0.8、y=0.4、k=0.02、j=0、m=0、n=0.03となる。原料の混合は、Nグローブボックス中でメノー乳鉢を用いて行った。フラックス剤にはLiCl(関東化学(株)製、純度99.0%)4.070g(48mmol)とKCl(関東化学(株)製、純度99.5%)4.771g(32mmol)を用いた。フラックス剤の混合は、原料の金属硫化物の混合と同様に行った。これらの混合物を、原料、フラックス材の順番で石英製シース管に入れ、縦型管状炉において大気中、650℃、3時間の熱処理を行った。熱処理において、昇温速度は10℃/分である。熱処理の降温は、5℃/分の降温速度で降温することにより行った。熱処理後の試料は、純水で十分に洗浄してフラックス成分を除去してから、CGIZS光触媒を吸引濾過にて分離回収した。その後、乳鉢にて解砕して粉体状とし、大気中、室温で一晩乾燥させた。
実施例2
Ga10%過剰、粉体評価、x=0.8、y=0.4、k=0.04、j=0、m=0、n=0.06
Ga過剰量を5%から10%に変更した以外は実施例1と同様の方法により光触媒を合成した。CuGax−y+kIny+jZn2(1−x)+m2+nの組成式に対して、x=0.8、y=0.4、k=0.04、j=0、m=0、n=0.06となる。
実施例3
Ga20%過剰、粉体評価、x=0.8、y=0.4、k=0.08、j=0、m=0、n=0.12
Ga過剰量を5%から20%に変更した以外は実施例1と同様の方法により光触媒を合成した。CuGax−y+kIny+jZn2(1−x)+m2+nの組成式に対して、x=0.8、y=0.4、k=0.08、j=0、m=0、n=0.12となる。
実施例4
In20%過剰、粉体評価、x=0.8、y=0.4、k=0、j=0.08、m=0、n=0.12
Ga過剰量を0%としIn20%過剰とした以外は実施例1と同様の方法により光触媒を合成した。CuGax−y+kIny+jZn2(1−x)+m2+nの組成式に対して、x=0.8、y=0.4、k=0、j=0.08、m=0、n=0.12となる。
実施例5
Zn20%過剰、粉体評価、x=0.8、y=0.4、k=0、j=0、m=0.08、n=0.12
Ga過剰量を0%としZn20%過剰とした以外は実施例1と同様の方法により光触媒を合成した。CuGax−y+kIny+jZn2(1−x)+m2+nの組成式に対して、x=0.8、y=0.4、k=0、j=0、m=0.08、n=0.12となる。
実施例6
Ga20%過剰、In20%過剰、粉体評価、x=0.8、y=0.4、k=0.08、j=0.08、m=0、n=0.24
実施例1におけるGa5%過剰に代えて、Ga20%過剰およびIn20%過剰とした以外は実施例1と同様の方法により光触媒を合成した。CuGax−y+kIny+jZn2(1−x)+m2+nの組成式に対して、x=0.8、y=0.4、k=0.08、j=0.08、m=0、n=0.24となる。
実施例7
Ga20%過剰、Zn20%過剰、粉体評価、x=0.8、y=0.4、k=0.08、j=0、m=0.08、n=0.20
実施例1におけるGa5%過剰に代えて、Ga20%過剰およびZn20%過剰とした以外は実施例1と同様の方法により光触媒を合成した。CuGax−y+kIny+jZn2(1−x)+m2+nの組成式に対して、x=0.8、y=0.4、k=0.08、j=0、m=0.08、n=0.20となる。
実施例8
In20%過剰、Zn20%過剰、粉体評価、x=0.8、y=0.4、k=0、j=0.08、m=0.08、n=0.20
実施例1におけるGa5%過剰に代えて、In20%過剰およびZn20%過剰とした以外は実施例1と同様の方法により光触媒を合成した。CuGax−y+kIny+jZn2(1−x)+m2+nの組成式に対して、x=0.8、y=0.4、k=0.08、j=0、m=0.08、n=0.20となる。
実施例9
Ga、In、Zn 各5%過剰、粉体評価、x=0.8、y=0.4、k=0.02、j=0.02、m=0.02、n=0.08
実施例1におけるGa5%過剰に代えて、Ga、In、Znすべて5%過剰とした以外は実施例1と同様の方法により光触媒を合成した。CuGax−y+kIny+jZn2(1−x)+m2+nの組成式に対して、x=0.8、y=0.4、k=0.02、j=0.02、m=0.02、n=0.08となる。
実施例10
Ga、In、Zn 各10%過剰、粉体評価、x=0.8、y=0.4、k=0.04、j=0.04、m=0.04、n=0.16
実施例1におけるGa5%過剰に代えて、Ga、In、Znすべて10%過剰とした以外は実施例1と同様の方法により光触媒を合成した。CuGax−y+kIny+jZn2(1−x)+m2+nの組成式に対して、x=0.8、y=0.4、k=0.04、j=0.04、m=0.04、n=0.16となる。
実施例11
Ga、In、Zn 各20%過剰、粉体評価、x=0.8、y=0.4、k=0.08、j=0.08、m=0.08、n=0.32
実施例1におけるGa5%過剰に代えて、Ga、In、Znすべて20%過剰とした以外は実施例1と同様の方法により光触媒を合成した。CuGax−y+kIny+jZn2(1−x)+m2+nの組成式に対して、x=0.8、y=0.4、k=0.08、j=0.08、m=0.08、n=0.32となる。
実施例12
Ga、In、Zn 各30%過剰、粉体評価、x=0.8、y=0.4、k=0.12、j=0.12、m=0.12、n=0.48
実施例1におけるGa5%過剰に代えて、Ga、In、Znすべて30%過剰とした以外は実施例1と同様の方法により光触媒を合成した。CuGax−y+kIny+jZn2(1−x)+m2+nの組成式に対して、x=0.8、y=0.4、k=0.12、j=0.12、m=0.12、n=0.48となる。
実施例13
Ga、In、Zn 各40%過剰、粉体評価、x=0.8、y=0.4、k=0.16、j=0.16、m=0.16、n=0.64
実施例1におけるGa5%過剰に代えて、Ga、In、Znすべて40%過剰とした以外は実施例1と同様の方法により光触媒を合成した。CuGax−y+kIny+jZn2(1−x)+m2+nの組成式に対して、x=0.8、y=0.4、k=0.16、j=0.16、m=0.16、n=0.64となる。
比較例1
Ga、In、Zn 過剰なし、粉体評価、x=0.8、y=0.4、k=0、j=0、m=0、n=0
実施例1におけるGa5%過剰に代えて、Ga、In、Znすべて過剰なしとした以外は実施例1と同様の方法により光触媒を合成した。CuGax−y+kIny+jZn2(1−x)+m2+nの組成式に対して、x=0.8、y=0.4、k=0、j=0、m=0、n=0となる。
<粉末X線回折(XRD)によるキャラクタリゼーション>
実施例1〜13および比較例1において得られた各試料について、粉末X線回折(XRD)を用いて結晶構造解析(XRD)を行った。実施例1〜5および比較例1において得られた各試料の結果を図1に示し、実施例6〜13において得られた各試料の結果を図2に示す。
図1および図2のXRD測定結果において、いずれの試料もカルコパライト構造の結晶が得られていることが認められた。
<拡散反射スペクトル測定(DRS)によるキャラクタリゼーション>
実施例1〜13および比較例1において得られた各試料について、UV−VIS−NIR分光分析装置を用いて拡散反射スペクトル測定(DRS)を行った。実施例1〜3および比較例1において得られた各試料の結果を図3に示し、実施例4、5において得られた各試料の結果を図4に示し、実施例6〜8において得られた各試料の結果を図5に示し、実施例9〜13において得られた各試料の結果を図6に示す。参照のため、比較例1において得られた試料の結果を図4〜6にも示し、実施例3において得られた試料の結果を図4にも示す。
図3において、Gaの過剰量が5mol%、10mol%、20mol%と増加するにしたがい、吸収端波長が720nm付近から660nm付近まで短波長側にシフトしていることが認められた。また、比較例1のGaの過剰量が0の場合には、吸収端の裾野になだらかな吸収が観察され、結晶の欠陥等が生成していることが推察される。
図4において、InまたはZnの過剰量が20mol%である実施例4、5が、Gaの過剰量が20mol%である実施例3よりも吸収端波長が660nm付近から700nm付近まで長波長側にシフトしていることが認められた。
図5において、GaおよびInの各過剰量が20mol%である実施例6、および、GaおよびZnの各過剰量が20mol%である実施例7では吸収端が660nm、また、InおよびZnの各過剰量が20mol%である実施例8では吸収端が680nmであった。
[助触媒担持]
実施例1〜13および比較例1において得られたCGIZS光触媒に対して、助触媒としてRu2重量%を光電着法により担持した。具体的には、RuCl 0.40mmolとメタノール20mLとを含む水溶液200mLに上記CGIZS粉0.2gを室温にて撹拌下に懸濁させた状態で300Wのキセノンランプによる光照射を3時間行った。その後、濾過して水洗浄を行い、一晩室温にて乾燥させた。
<CGIZS光触媒の水素活性評価(懸濁系)>
上記によりRu助触媒を担持させた、実施例1〜13および比較例1において得られた各CGIZS光触媒について、水を分解して水素を生成する光触媒活性は、疑似太陽光照射下における亜硫酸カリウムおよび硫化ナトリウムを含む水溶液からの水素生成反応で評価した。評価には閉鎖循環型反応装置に接続した上方照射型反応セルを用いた。触媒粉末0.2gを、0.50mol/LのKSO、および、0.10mol/LのNaSを含む水溶液200mlに懸濁させ、マグネチックスターラーで評価中は撹拌した。反応条件としては、反応温度20℃、反応圧5kPaである。Pyrex(登録商標)ガラス製の窓の上から、ソーラーシミュレーター(AM1.5G)を用いて、疑似太陽光を照射した。照射強度は100mW/cmであった。発生した水素は、オンラインのガスクロマトグラフ(島津製作所製;GC−8A、MS−5A、TCD、Arキャリアー)で定量した。得られた水素生成活性を表1に示した。
Figure 0006836239
表1から、本実施態様の各実施例の光触媒は、優れた水素生成活性を有することがわかる。
実施例14
[光触媒合成]
Ga20%過剰、電極評価、x=0.8、y=0.4、k=0.08、j=0、m=0、n=0.12
光触媒はフラックス法で合成した。原料にはCuS((株)高純度化学研究所製、純度99.0%)を1.019g(6.40mmol)、Ga((株)高純度化学研究所製、純度99.99%)を0.905g(3.84mmol)、In((株)高純度化学研究所製、純度99.99%)を1.251g(3.84mmol)、ZnS((株)高純度化学研究所製、純度99.999%)を0.623g(6.40mmol)用いた。CuGax−y+kIny+jZn2(1−x)+m2+nの組成式に対して、原料の仕込比(モル)は、Gaは20mol%過剰、InおよびZnは過剰なしとした。原料の混合はメノー乳鉢を用いて、Nグローブボックス中で行った。フラックス材にはLiCl(関東化学(株)製、純度99.0%)4.070g(48mmol)とKCl(関東化学(株)製、純度99.5%)4.771g(32mmol)を用いた。フラックス剤の混合は、原料の金属硫化物の混合と同様に行った。これらの混合物を、原料、フラックス剤の順番で石英製シース管に入れ、縦型管状炉において大気中、750℃、3時間の熱処理を行った。熱処理において、昇温速度は10℃/分である。熱処理の降温は、5℃/分の降温速度で降温することにより行った。熱処理後の試料は、純水で十分に洗浄してフラックス成分を除去してから、CGIZS光触媒を吸引濾過にて分離回収した。その後、乳鉢にて解砕して粉体状とし、大気中、室温で一晩乾燥させた。
実施例15
In20%過剰、電極評価、x=0.8、y=0.4、k=0、j=0.08、m=0、n=0.12
実施例14におけるGa20%過剰に代えて、Ga過剰なし、In20%過剰とした以外は実施例14と同様の方法により光触媒を合成した。CuGax−y+kIny+jZn2(1−x)+m2+nの組成式に対して、x=0.8、y=0.4、k=0、j=0.08、m=0、n=0.12となる。
実施例16
Zn20%過剰、電極評価、x=0.8、y=0.4、k=0、j=0、m=0.08、n=0.08
実施例14におけるGa20%過剰に代えて、Ga過剰なし、Zn20%過剰とした以外は実施例14と同様の方法により光触媒を合成した。CuGax−y+kIny+jZn2(1−x)+m2+nの組成式に対して、x=0.8、y=0.4、k=0、j=0、m=0.08、n=0.08となる。
比較例2
ブランク、電極評価、x=0.8、y=0.4、k=0、j=0、m=0、n=0
原料の仕込比(モル)を、Ga、In、Znいずれも過剰なしとした以外は、実施例14と同じ方法により光触媒CGIZSを合成した。CuGax−y+kIny+jZn2(1−x)+m2+nの組成式に対して、x=0.8、y=0.4、k=0、j=0、m=0、n=0となる。
実施例17
Ga30%過剰、電極評価、x=0.8、y=0.4、k=0.12、j=0、m=0、n=0.18
Ga30%過剰とし、熱処理を550℃15時間とした以外は実施例14と同様の方法により光触媒を合成した。CuGax−y+kIny+jZn2(1−x)+m2+nの組成式に対して、x=0.8、y=0.4、k=0.12、j=0、m=0、n=0.18となる。
<粉末X線回折(XRD)によるキャラクタリゼーション>
実施例14〜17および比較例2において得られた各試料について、粉末X線回折(XRD)を用いて結晶構造解析(XRD)を行った。結果を図7に示す。
図7から、いずれの試料もカルコパライト構造の結晶が得られていることが認められた。
<拡散反射スペクトル測定(DRS)によるキャラクタリゼーション>
実施例14〜17および比較例2において得られた各試料について、UV−VIS−NIR分光分析装置を用いて拡散反射スペクトル測定(DRS)を行った。結果を図8に示す。
図8において、Gaの過剰量が30mol%である実施例17が、Inの過剰量が20mol%である実施例15、並びにZnの過剰量が20mol%である実施例16よりも、650nm付近以下の短波長側において吸収が高いことが認められた。また、図8において、実施例15および16が、実施例14および17よりも680nm付近から720nm付近まで長波長側にシフトしていることが認められた。
[CGIZS光触媒電極の作製、粒子転写法]
実施例14〜17および比較例2において得られた各光触媒CGIZS 30mgを1mLの2−プロパノールに懸濁させ、この懸濁液200μLをガラス基板上に滴下し、次いで乾燥することを3回繰り返してガラス基板上に光触媒層を形成した。次に、該光触媒層上に、集電導体層となるAuを蒸着により2μm程度の膜厚で積層した。蒸着装置には、真空蒸着装置(アルバック機工(株)製、VPC−260F)を用いた。その後、両面テープを用いて集電導体層の上から別のガラス基板を接着して、最初に付けたガラス基材を除去し、純水中で超音波洗浄した。最後に、エポキシ樹脂を用いて光触媒層以外の部分を封止し、さらにIn導線を集電導体層に接着することで、光触媒層/集電導電体層/ガラス基板からなるCGIZS光触媒電極を得た。
[CdS表面修飾とPt助触媒担持]
50mLの水を70℃に加温して、同温度にて撹拌下に、硫酸カドミウム0.28g、28%アンモニア水0.4mL、チオ尿素1.4gを順次加えた後、上記で得られた各CGIZS光触媒電極を5分間浸漬した。取り出した光触媒電極を純水で洗浄した後、室温で一晩乾燥することでCdSで表面修飾されたCGIZS光触媒電極を得た。次に、助触媒となるPtをマルチ成膜装置を用いて1nm程度の厚さ相当の量を担持した。こうして、電極構成としてPt/CdS/CGIZS/Auからなる光触媒電極を得た。
<光電気化学特性評価>
上記で得られた光触媒電極を用いて、以下の測定条件によって、光電気化学特性を調べた。実施例14〜16および比較例2において得られた各光触媒を上記のように用いた光触媒電極の結果を図9に示し、実施例17において得られた光触媒を上記のように用いた光触媒電極の結果を図10に示す。
・光源 ソーラーシミュレーター AM1.5G(100mW/cm
・電解液 0.5M NaSO、0.25M NaHPO、0.25M NaHPO pH 6.3
・参照電極 Ag/AgCl、対電極 Ptワイヤ
・アルゴン雰囲気
図9から明らかなように、実施例14〜16において得られた各光触媒にCdS表面修飾とPt助触媒担持とを施した光触媒複合体を用いた光触媒電極は、高いカソード電流を与えた。Ga、InおよびZnのいずれの過剰系においても電流密度が向上し、特に、GaおよびIn過剰では高電位側での電流密度が高く、Zn過剰においては低電位側での電流密度が高くなることがわかる。
また、図10から、実施例17において、Ga30%過剰の光触媒を用いた光触媒電極は、Ga30%過剰では低電位側および高電位側いずれでも高い電流密度が得られることがわかる。

Claims (4)

  1. 下記一般式で表されるカルコパイライト型の結晶構造を有する複合金属化合物。
    一般式: CuGax−y+kIny+jZn2(1−x)+m2+n
    (上記式中、x、y、k、j、mおよびnは下記条件を満たし(但し、k=j=0であるものを除く。)、AはSまたはSeを示す。
    n=3/2k+3/2j+m、0.4≦x≦0.8、0.2≦y≦0.8、x>y、
    0≦k≦0.2、0≦j≦0.2、0≦m≦0.2、0.02≦n≦0.8)
  2. k、jの少なくともいずれか一つが0.02以上である、請求項1に記載の複合金属化合物。
  3. 可視光を用いて水から水素を生成する光触媒である、請求項1又は2に記載の複合金属化合物。
  4. 請求項1〜3の何れか一項に記載の複合金属化合物が集電導電体層上に積層された、光触媒電極。
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