JP6835647B2 - 細胞培養装置及び細胞培養方法 - Google Patents

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Description

本発明は、細胞培養装置及び細胞培養方法に関する。
バイオ医薬品の生産には、微生物、細胞、菌類等の生体細胞を培養槽で培養する培養法が用いられている。培養槽には生体細胞と培養液が収容され、攪拌器によって培養液が攪拌されている。また、好気性の微生物や細胞の培養では、呼吸に必要な酸素を供給するために、培養液の上面及び培養液中のうちの少なくとも一方に直接、酸素を含有するガスの通気手段が設けられている。
近年、目的生産物の生産性向上のために生体細胞を高密度で培養することが望まれており、これを達成する培養手法として連続培養法がある。連続培養法は、細胞の培養期間を長期化して生産性を向上するため、細胞が消費した液体培地中の栄養成分を新鮮な液体培地を供給することで補っている。連続培養法では、培養槽内の培養液量を概ね一定に維持するため、培養槽から抜き出した培養液中の細胞を分離して培養槽に戻し、液成分のみを抜き出す一方で、新たな液体培地を供給している。このため、連続培養法において培養液から細胞を分離する手法として、例えば、重力沈降法、遠心分離により細胞を沈降分離する方法、多孔質中空糸膜や細胞の通過を阻止するろ過材を用いたろ過膜分離法などの細胞分離法が開発されている。
これらの細胞分離法の中でも、ろ過膜分離法は装置構成が簡単であってスケールアップが容易であるという利点がある。ろ過膜分離法に好適な技術が、例えば、特許文献1に記載されている。この特許文献1には、培養液は透過するが細胞は透過しないフィルタ(ろ過膜)が底部近傍に設けられ、培養槽には新しい培養液の供給口、フィルタより下部に古い液体培地の排出口を有し、フィルタの上部の近辺に攪拌翼を有する攪拌手段が設置された細胞培養槽が記載されている。特許文献1には、当該細胞培養槽によれば、連続的に培養液を供給でき、かつ連続的に老廃物、代謝生産物、精製阻害物質などを除去でき、またフィルタの目詰まりも起こらないため、高密度でしかも大量の細胞を長期間にわたって培養することが可能であると記載されている。
特開昭60−259179号公報
しかしながら、特許文献1に記載の細胞培養槽のように培養槽内にろ過膜を収容する方式には、細胞によるろ過膜の目詰まりが実質的に不可避であるという問題があった。なお、特許文献1に記載の細胞培養槽は、ろ過膜が底部近傍に設けられているため、培養液の流れの状況によっては洗浄効果が得られず、ろ過膜が目詰まりする場合があった。そのため、ろ過膜の目詰まりが発生して培養液から細胞を分離することができなくなった時点で培養を終了せざるを得ず、長期間の培養を実施することが困難な場合があった。従って、従来技術には、細胞培養をさらに高密度で行いたいという要望に十分応えられない場合があった。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、細胞によるろ過膜の目詰まりが発生し難い細胞培養装置及び細胞培養方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決した本発明に係る細胞培養装置は、可撓性を有し、内部に培養液を封入できる培養バッグと、前記培養液を封入した前記培養バッグの形状を維持するハウジングと、を含んで成る培養手段と、前記培養手段の内側の前記培養液に含まれる細胞を透過させないろ過膜及び前記ろ過膜を透過した前記培養液を前記培養手段の外に排出する排出部を備える細胞分離手段と、前記培養液を攪拌して攪拌流を発生させる攪拌手段と、前記培養手段の内側に前記細胞を培養するための液体培地を供給する培地供給手段と、を備え、前記細胞分離手段は、前記攪拌手段によって生じる前記攪拌流が前記ろ過膜の表面に対して接線方向となるように設けられ、前記表面の対向面となる背面部の裏面と前記培養バッグの内壁面とが溶着固定されている。
また、本発明に係る細胞培養装置は、可撓性を有し、内部に培養液を封入できる培養バッグと、前記培養液を封入した前記培養バッグの形状を維持するハウジングと、を含んで成る培養手段と、前記培養手段の内側の前記培養液に含まれる細胞を透過させないろ過膜及び前記ろ過膜を透過した前記培養液を前記培養手段の外に排出する排出部を備える細胞分離手段と、前記培養液を攪拌して攪拌流を発生させる攪拌手段と、前記培養手段の内側に前記細胞を培養するための液体培地を供給する培地供給手段と、を備え、前記細胞分離手段は、前記攪拌流が前記ろ過膜に対して接線方向となるように設けられており、前記攪拌手段が、前記培養バッグ内に配置された攪拌翼によって攪拌させるものであり、前記ろ過膜が、前記攪拌翼の周囲に螺旋状に巻かれた中空糸状のものである。
本発明に係る細胞培養方法は、可撓性を有し、内部に培養液を封入できる培養バッグと、前記培養液を封入した前記培養バッグの形状を維持するハウジングと、を含んで成る培養手段と、前記培養手段の内側の前記培養液に含まれる細胞を透過させないろ過膜及び前記ろ過膜を透過した前記培養液を前記培養手段の外に排出する排出部を備える細胞分離手段と、前記培養液を攪拌して攪拌流を発生させる攪拌手段と、前記培養手段の内側に前記細胞を培養するための液体培地を供給する培地供給手段と、を備え、前記細胞分離手段は、前記攪拌手段によって生じる前記攪拌流が前記ろ過膜の表面に対して接線方向となるように設けられ、前記表面の対向面となる背面部の裏面と前記培養バッグの内壁面とが溶着固定されている細胞培養装置を用いて細胞を培養する方法であり、前記細胞の培養時に、前記攪拌手段で前記培養液を攪拌して前記攪拌流を発生させつつ、前記細胞分離手段のろ過膜で前記培養液をろ過して前記排出部から前記培養手段の外に排出する排出工程と、前記培養手段の外に排出した前記培養液と概ね同量の液体培地を前記培地供給手段から前記培養手段の内側に供給する供給工程と、を順不同で含み、これらの工程を連続的に行う。
また、本発明に係る細胞培養方法は、可撓性を有し、内部に培養液を封入できる培養バッグと、前記培養液を封入した前記培養バッグの形状を維持するハウジングと、を含んで成る培養手段と、前記培養手段の内側の前記培養液に含まれる細胞を透過させないろ過膜及び前記ろ過膜を透過した前記培養液を前記培養手段の外に排出する排出部を備える細胞分離手段と、前記培養液を攪拌して攪拌流を発生させる攪拌手段と、前記培養手段の内側に前記細胞を培養するための液体培地を供給する培地供給手段と、を備え、前記細胞分離手段は、前記攪拌流が前記ろ過膜に対して接線方向となるように設けられており、前記攪拌手段が、前記培養バッグ内に配置された攪拌翼によって攪拌させるものであり、前記ろ過膜が、前記攪拌翼の周囲に螺旋状に巻かれた中空糸状のものである細胞培養装置を用いて細胞を培養する方法であり、前記細胞の培養時に、前記攪拌手段で前記培養液を攪拌して前記攪拌流を発生させつつ、前記細胞分離手段のろ過膜で前記培養液をろ過して前記排出部から前記培養手段の外に排出する排出工程と、前記培養手段の外に排出した前記培養液と概ね同量の液体培地を前記培地供給手段から前記培養手段の内側に供給する供給工程と、を順不同で含み、これらの工程を連続的に行う。
本発明に係る細胞培養装置及び細胞培養方法は、細胞によるろ過膜の目詰まりが発生し難い。
本実施形態に係る細胞培養装置の構成を説明する概略構成図である。 細胞分離手段の構成を示す概略断面図である。 細胞分離手段のろ過膜の一態様を説明する外観図である。 細胞分離手段のろ過膜の一態様を説明する外観図である。 攪拌手段の他の態様を説明する概略断面図である。 本実施形態に係る細胞培養装置の構成をより具体的に示した様子を説明する概略断面図である。 本実施形態に係る細胞培養装置の一変形例を示す概略断面図である。 本実施形態に係る細胞培養装置の他の変形例を示す概略断面図である。 図8のIX部拡大図である。
以下、適宜図面を参照して本発明に係る細胞培養装置及び細胞培養方法を実施するための形態(実施形態)について詳細に説明する。なお、以下で参照する各図面において共通する要素には同じ符号を付して表している。
[細胞培養装置]
図1は、本実施形態に係る細胞培養装置の構成を説明する概略構成図である。
図1に示すように、本実施形態に係る細胞培養装置1は、培養手段2と、細胞分離手段3と、攪拌手段4と、培地供給手段5と、を備えている。これらの構成要素及び後記する各構成要素は無菌的に接続されている。
本実施形態に係る細胞培養装置1は、医薬品や健康食品等の主原料となる有用物質を生産する微生物や動植物の細胞を培養する際に適用することができる。
本実施形態で用いることのできる細胞としては、有用物質の生産用細胞として一般的に用いられているチャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO細胞)やベイビーハムスター腎臓細胞、マウス骨髄腫細胞などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。細胞が付着性細胞である場合は、マイクロキャリア等の担体に付着させて浮遊化させることにより、攪拌培養を行うことが可能となる。また、動物由来の細胞だけでなく、植物細胞、光合成細菌、微細藻類、ラン藻類、昆虫細胞、細菌、酵母、真菌、藻類、大腸菌、酵母などの微生物細胞も適用対象として挙げられる。
本実施形態における有用物質としては、例えば、生理活性物質が挙げられ、特に抗体医薬品が挙げられる。抗体としては、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、ヒト化抗体、ヒト抗体、免疫グロブリンなどが挙げられる。また、生理活性物質は抗体に限らず、血栓溶解剤として利用される組織型プラスミノーゲン活性化因子やエリスロポエチン、インターフェロン等のバイオ医薬品、その他工業的に有用なタンパク質も対象となる。また、β−カロテンやアスタキサンチン等のカロチノイド、クロロフィルやバクテリオクロロフィル等の色素、食品又は化粧品などの着色等に使用されるフィコシアニン等のフィコビリン蛋白質、脂肪酸等の生理活性物質が挙げられる。
(培養手段)
培養手段2は、培養液CMを封入して細胞を培養する容器である。なお、本明細書では、培養液CMとは、未使用の(新鮮な)細胞培養を行うための液体培地Mに細胞を幡種し、増殖させている最中の液体及び細胞培養を終えた液体をいう。
培養手段2は、ステンレスやアルミニウムなどの金属製のタンクとすることができる。また、適宜図6に示すように、本実施形態における培養手段2は、可撓性を有し、内部に培養液CMを封入できる培養バッグ21と、培養液CMを封入した培養バッグ21の形状を維持するハウジング22と、を含んで成る態様としてもよい。
培養バッグ21は、例えば、エチレン・ビニル・アセテートやエチル・ビニル・アルコールなどの多層フィルムで構成されたものを好適に用いることができる。また、当該培養バッグ21は、予めガンマ線、紫外線、エチレンオキシドガスなどによって滅菌されて無菌状態が維持されていることが好ましい。培養バッグ21は前記したように、可撓性を有しているので、気体や液体などの内容物をほぼ抜かれて、折り畳んだ状態で保管したり、運搬したりできる。また、このような培養バッグ21を用いると、シングルユース(つまり、単回使用の(1回だけ使用する))とすることができるので、培養終了後に通常行う洗浄等の作業を省略できる。そのため、作業時間の短縮化、作業の簡易化、洗浄のための付帯設備の省略化が可能となることから、低コスト化を図ることができる。
前記した培養バッグ21は、可撓性を有するビニール袋のようなものであるため、培養液CMを封入した際に定形性を有さないだけでなく、強度も高いわけではない。そのため、培養液CMを封入した培養バッグ21の形状を維持するハウジング22を使用して、その内部にセットするのが好ましい。ハウジング22は、培養バッグ21を内包し、その加重や圧力を受けても形状を維持できるだけの強度を有していればよく、形状は特に限定されない。培養バッグ21を保持するハウジング22は、金属製や硬質プラスチック製とするのが好ましい。なお、ハウジング22は、培養バッグ21の一部が露出するものであってもよい。また、ハウジング22は、培養バッグ21の着脱を行うための開閉蓋(図示せず)を有していてもよい。開閉蓋は、ハウジング22の側面や上面に両開き又は片開きの扉や引き戸などの形態で設けるのが好ましい。
また、本実施形態においては、培養手段2として、自立型のシングルユース容器(図示せず)を用いることができる。これを用いる場合、前記したハウジング22は設けなくてもよい。このようなシングルユース容器は、前記のステンレスやアルミニウムなどではなく、硬質プラスチック製とするとよい。
本実施形態における培養手段2は、金属製のタンク、培養バッグ21及びシングルユース容器のいずれであっても、後述する細胞分離手段3を備える。
(細胞分離手段)
図2は、細胞分離手段の構成を示す概略断面図である。
図1及び図2に示すように、細胞分離手段3は、培養手段2の内側の培養液CMに含まれる細胞Cを透過させないろ過膜31と、このろ過膜31を透過した培養液CMを培養手段2の外に排出する排出部33と、を備えている。具体的には、細胞分離手段3は、ろ過膜31が培養手段2の内側に露出して設けられており、細胞分離手段3におけるろ過膜31の対向面となる背面部32の中央部分に排出部33が設けられている。なお、排出部33は細胞分離手段3の任意の箇所に設けることができ、前記した位置に限定されない。
細胞分離手段3のろ過膜31と背面部32は側壁部34で一体的に形成されており、ろ過膜31と排出部33以外は細胞分離手段3の外部と通じない密閉構造となっている。本実施形態で用いるろ過膜31は、細胞Cを透過させずに培養液CMの溶液や老廃物などの不要物質Uのみが透過可能な孔径を有する公知の限外ろ過膜を用いることができる。
培養手段2が前記した金属製のタンク(例えば、図1、図7参照)の場合、タンクの壁面においてろ過膜31が攪拌流Aと平行となる位置に細胞分離手段3を取り付けるとよい。
また、培養手段2が前記した培養バッグ21(例えば、図5、図6、図8参照)の場合、培養バッグ21の壁面においてろ過膜31が攪拌流Aと平行となる位置、すなわち、攪拌流Aがろ過膜31に対して接線方向となる位置に細胞分離手段3を溶着するとよい。なお、本実施形態における「平行」は厳密ではなく、ろ過膜31に付着した細胞を攪拌せん断応力によって除去できる効果を奏する範囲で傾いていてもよい。また、「接線方向」とは、ろ過膜31に対してほぼ平行となる方向であればよく、傾いていてもよい。
図3及び図4は、細胞分離手段のろ過膜の一態様を説明する外観図である。
図3に示すように、細胞分離手段3のろ過膜31は平面状とすることができる。この場合、ろ過膜31が平面状であるので、培養液CMの攪拌流Aがろ過膜31と平行であれば、培養液CMがどの方向から流れてくるものであってもこれをろ過することができる。すなわち、ろ過膜31の設置自由度が高く好適である。
また、図4に示すように、細胞分離手段3のろ過膜31は複数の山と谷を有する波型にすることができる。この場合、ろ過膜31が波型であり、培養液CMとの接触面積が広いため、効率良く培養液CMをろ過することができる。なお、この場合、効率の良いろ過を行うため、培養液CMの攪拌流Aの向きがろ過膜31の山と谷に沿うように、つまり、平行となるように細胞分離手段3を設けるのが好ましい。
なお、培養手段2内の流動状態は、培養手段2の形状や攪拌手段4の態様(例えば、攪拌翼41(図1参照)の形状や攪拌翼41の取付け位置)などによって変動し、培養手段2の壁面の取付位置によっても変動する。そのため、細胞分離手段3の取付位置を決定するに当たり、培養液CMの攪拌流Aの方向を実際の培養手段2を用いた水流動試験によって確認するのが好ましい。また、コンピュータ上で培養手段2内の流動状態を解析することによって、細胞分離手段3の好適な取付位置を決定するのも好ましい。この場合、細胞分離手段3の形状を組み込むことによって細胞分離手段3の周辺部における流動状態を算出することができるため、より望ましい取付位置を決定することができる。
排出部33(図2参照)は、排出用ポンプ61を備えた排出用配管62により回収槽6と接続されている。細胞分離手段3のろ過膜31でろ過された培養液CMは、排出用ポンプ61を駆動させることにより排出部33から排出され、排出用配管62内を通って回収槽6に回収される。
回収槽6は、細胞分離手段3のろ過膜31でろ過された培養液CMを貯留できる容器であればどのようなものも用いることができる。
排出用ポンプ61は、排出用配管62内の培養液CMを送液できるものであればどのようなものも用いることができる。
排出用配管62は、任意の合成樹脂で形成されたフレキシブル性を有するものであるのが好ましい。
なお、本実施形態においては、培養手段2に備えられる細胞分離手段3の個数に制限はなく、1つ又は2つ以上備えることができる。細胞分離手段3を2つ以上備えた場合、これらを同時に稼働させて培養液CMをろ過することにより、ろ過能力を高めることができる。また、細胞分離手段3を2つ以上備えた場合、複数ある細胞分離手段3のうちの1つが目詰まりを起こすなどして培養液CMのろ過を十分に行えなくなっても、他の細胞分離手段3を稼動させることにより、培養液CMのろ過を継続することができる。従って、細胞の培養期間を延長でき、細胞が生産する有用物質の収率を増大することができる。
(攪拌手段)
攪拌手段4は、培養液CMを攪拌して攪拌流Aを発生させるものである。本実施形態では、攪拌手段4として種々の方式を適用できる。
例えば、図1では、攪拌手段4として、マグネットカップリング43を用いた例を示している。図1に示す攪拌手段4は、培養手段2の内部に設けた磁石(従動マグネット)を有する攪拌翼41と、従動マグネットと同期してこれを回転させる磁石(駆動マグネット)を有する攪拌駆動装置(マグネットポンプ)42と、を有してなる。攪拌翼41の形状にもよるが、攪拌駆動装置42を駆動させて攪拌翼41が回転すると、図1に示すように、培養手段2の底部から壁面に沿って培養液CMが流れる攪拌流Aが生じる。図1では、培養手段2の壁面の中ほどから培養液CMの攪拌流Aが壁面と平行となるため、培養手段2の壁面の中ほどよりも上の位置においてろ過膜31が攪拌流Aと平行となるように細胞分離手段3を設けている。このようにすることで、細胞分離手段3は、細胞C(図2参照)によるろ過膜31の目詰まりを発生し難くすることができる。
攪拌手段4は、前記した方式以外にも種々の方式が適用できる。
図5は、攪拌手段4の他の態様を説明する概略断面図である。図5に示すように、攪拌手段4の他の態様として、細胞培養装置1がハウジング22を有する場合、当該ハウジング22に攪拌手段4を備えることができる。本実施形態における攪拌手段4は、ハウジング22の底部外側の中心位置に鉛直に下方に向けて設けられた中心軸部材4Cと、この中心軸部材4Cを水平面内に回転運動させるアクチュエータ(図示せず)とを備えている。このような攪拌手段4を備えているので、ハウジング22は、中心軸部材4Cと共に水平面内を回転運動することができる。本実施形態における攪拌手段4はこのような方式、つまり、ハウジング22は公転させるが、自転はさせない方式(以下、振とう攪拌方式という。)を好適に採用することができる。このようにすると、培養液CMを揺動によって振とう攪拌することができるため、培養手段2の内部に攪拌翼41(図1参照)などを設けなくともよくなり、攪拌手段4の構造を簡略化できる。また、攪拌翼41が回転することによる培養手段2(特に、前記した培養バッグ21)の損傷を防止できる。さらに、細胞に対する攪拌せん断応力によるダメージを低減することができる。
(培地供給手段)
培地供給手段5は、培養手段2の内側に細胞を培養するための液体培地Mを供給するものである。培地供給手段5は、未使用の新鮮な液体培地Mを貯留する培地貯留槽51と、この培地貯留槽51と培養手段2とを接続し、供給用ポンプ52を備えた供給用配管53と、を有してなる。本実施形態では前記したように、細胞分離手段3で培養液CMを培養手段2の外に排出する。培養時、培地供給手段5は、培養手段2の外に排出された培養液CMと概ね同量の新鮮な液体培地Mを、供給用ポンプ52を駆動させることにより供給用配管53を通じて培養手段2内に供給する。なお、培地供給手段5は、培養を開始する際にも培養手段2に液体培地Mを供給する。
培地貯留槽51は、未使用の新鮮な液体培地Mを貯留することができる容器であればどのようなものも用いることができる。
供給用ポンプ52は、供給用配管53内の液体培地Mを送液できるものであればどのようなものも用いることができる。
供給用配管53は、排出用配管62と同様、任意の合成樹脂で形成されたフレキシブル性を有するものであることが好ましい。
培養に用いる液体培地Mについては特に限定されるものではなく、従来のあらゆる液体培地が使用可能である。
培地供給手段5から培養手段2への液体培地Mの供給は継続的、断続的又は任意のタイミングで行うことができる。
(作用効果)
以上に説明した本実施形態に係る細胞培養装置1は、細胞分離手段3によって細胞と分離した培養液CMを培養手段2の外に排出し、培養手段2の外に排出した培養液CMと概ね同量の液体培地Mを培地供給手段5から供給することによって、細胞が消費した栄養成分を供給することができる。また、このようにすると、培養手段2内の培養液CMの量をほぼ一定に維持することができる。これによって、細胞の培養期間を延長でき、細胞が生産する有用物質の収率を増大することができる。
本実施形態における細胞分離手段3は、前記した攪拌手段4によって発生する攪拌流Aがろ過膜31に対して接線方向となるように設けられている。つまり、細胞分離手段3のろ過膜31の膜面が培養液CMの流動方向に平行となるように設けられている(細胞分離手段3は、攪拌流Aがろ過膜31に対して垂直方向となるように設けられていない)。
そのため、図2に示すように、ろ過膜31に対して不透過の物質である細胞Cは、ろ過膜31の表面に沿って流動する。つまり、細胞Cは、ろ過膜31のろ過方向に対して垂直方向に流動する。そのため、細胞Cがろ過膜31に付着し難い。さらにこれに加えて、細胞Cがろ過膜31に付着した場合であっても、培養液CMの攪拌流Aによる攪拌せん断応力によって除去されるため、細胞Cが付着することによるろ過膜31の目詰まりを生じ難くすることができる。
従って、本実施形態に係る細胞培養装置1は、長期間の培養を実施することができ、細胞培養をさらに高密度で行いたいという要望に十分応えることができる。
(細胞培養装置の具体例)
本実施形態に係る細胞培養装置1について、構成をより具体的に示した例を参照して説明する。
図6は、本実施形態に係る細胞培養装置の構成をより具体的に示した様子を説明する概略断面図である。
図6に示すように、細胞培養装置1は、培養手段2として培養バッグ21とハウジング22とを含んでおり、攪拌手段4として図5に示した振とう攪拌方式を採用している。培養手段2は、攪拌手段4に支持され、この攪拌手段4は支持架台7に固定されている。なお、図6には図示していないが、細胞培養装置1は、細胞を培養するのに不可欠である温水冷水供給設備や給排水設備などを具備している。
図6に示すように、培養バッグ21には、液中通気用ガス供給管8、気相用ガス供給管9、供給用配管53、培養液排出管11、及びベント用のガス排出管12が設けられている。液中通気用ガス供給管8及び気相用ガス供給管9はそれぞれ、空気、酸素、窒素及び炭酸ガス等を供給するガス供給設備17、18と接続されている。液中通気用ガス供給管8の培養バッグ21内部に設けた先端部には、気泡を発生させるための散気手段13が接続されている。液中通気用ガス供給管8、気相用ガス供給管9、ガス排出管12には、外部からの微生物の侵入を防止するためのガス用フィルタ14が設けられている。
培養バッグ21の内壁面には、細胞分離手段3が、接着や着などの手段によって固定されている。排出用ポンプ61を駆動させることによって、細胞分離手段3のろ過膜31によって細胞Cと分離した培養液CM(いずれも図2参照)を、排出用配管62を介して回収槽6に回収する。
なお、細胞培養装置1は、前記したもの以外にもサンプリングやpH調節用薬剤の注入用の配管等を設けているが、図6中への記載は省略した。また、培養状態の計測手段として、pH、温度、溶存酸素濃度(DO)、及び溶存炭酸ガス濃度(DCO)などを計測する装置と、それぞれのセンサとを具備しているが、図6中には簡略化して計測手段15として記載した。
培養バッグ21は、ハウジング22の固定具16a、16bによって固定されている。
また、細胞培養装置1は、制御装置20を有している。制御装置20は、計測手段15から得られた培養液CMのpH、温度、DO、DCOの情報に基づいて攪拌手段4、供給用ポンプ52、排出用ポンプ61、ガス供給設備17、18の出力制御を行う。
(操作手順)
次に、図6を参照して細胞培養装置1の操作手順などについて説明するが、操作の概要を説明するものであり、必ずしも下記の手順に拘束されるものではない。
折り畳まれた状態の新たな培養バッグ21をハウジング22の固定具16a、16bを用いて所定の位置に据え付ける。
培地供給手段5の供給用ポンプ52を駆動し、供給用配管53を介して培地貯留槽51内の液体培地Mを培養バッグ21に供給する。そして、目的とする細胞を培養バッグ21内に供給する。培養バッグ21は、供給された液体培地Mによって膨らみ、ハウジング22の内壁面に圧着されて所定の形状が維持される。
なお、培養バッグ21に供給する液体培地Mは、予め目的とする細胞を懸濁し、所定の細胞濃度となるように培養しておいたものでもよい。この場合、図示しない初期培地用の貯留槽で所定の細胞濃度となるように細胞培養を行い、図示しない配管を用いて培養バッグ21(培養容器2)に供給するとよい。
次いで、ガス供給設備17、18を駆動させ、それぞれに接続されている液中通気用ガス供給管8及び気相用ガス供給管9から所定濃度の酸素混合ガスを通気すると共に、攪拌手段4で細胞を含む液体培地M(培養液CM)を攪拌して、培養を開始する。培養開始後、細胞が増殖して細胞密度が高くなるに連れて、酸素消費速度が増大し、二酸化炭素濃度が高くなる。培養液CMの酸素濃度を所定の範囲に維持するため、計測手段15でDOやDCOなどを計測し、その情報に基づいて制御装置20の制御により、散気手段13からの液中通気量を増大させる。散気手段13からの液中通気と攪拌手段4による攪拌により、培養液CM中の酸素濃度はほぼ均一に保たれる。
また、細胞が消費した栄養成分が減少して細胞の培養が効率的に継続できなくなるのを回避するため、供給用配管53から培地貯留槽51内の新鮮な液体培地Mを培養バッグ21の培養液CMに供給する。液体培地Mの供給の要否を判断するために、計測手段15として代表的に記載した該当のセンサによって、細胞濃度の増加量から培養液CMの成分の消費量を算出する。なお、培養液CM中のグルコースやグルタミンなどの栄養成分の濃度を計測するセンサを組み込むことによって、栄養成分濃度を直接計測し、必要となる液体培地Mの供給量を算出してもよい。適正なセンサを用いることができない場合は、培養液CMの一部をサンプリングして、細胞濃度又は栄養成分濃度を計測することによって必要となる液体培地Mの供給量を算出してもよい。
新鮮な液体培地Mの供給に引き続き、排出用ポンプ61を駆動し、供給した新鮮な液体培地Mと概ね同量の培養液CMを細胞分離手段3でろ過して排出し、排出用配管62を通じて回収槽6に貯留する。なお、新鮮な液体培地Mの供給量と、細胞分離手段3でろ過した培養液CMの排出量はそれぞれ、供給用ポンプ52及び排出用ポンプ61の駆動時間と、予め計測した通液速度とから算出できる。また、図中には明示しないが、培地貯留槽51と回収槽6のそれぞれに設けた質量測定手段で槽の重さを測定し、その変動量から算出してもよい。このとき、回収槽6に回収した培養液CMから目的の培養生産物の分離回収、精製等の一連の後工程処理を行うことによって、連続的に生産物を得ることができる。
なお、液中通気量の増大に伴って培養液CMの発泡が激しくなり、培養液CMの上面に泡沫層が形成される場合には、供給用配管53から新鮮な液体培地Mを供給する際に、シリコーン系消泡剤、ポリエーテル系消泡剤、界面活性剤などの薬剤を添加することにより、消泡効果を高めることができる。
培養液CMのpH、温度、DO、DCOは、前記したように、計測手段15で測定されて、その情報が制御装置20に入力される。制御装置20は入力された情報に基づき、攪拌手段4、供給用ポンプ52、排出用ポンプ61、ガス供給設備17、18の出力制御を行い、空気、酸素及び窒素の混合ガスの各通気量を調整するなどして所定のpH、DO、DCOを維持するよう制御する。
制御装置20は、予め設定された条件を満たすか、又は操作者の操作により培養を停止する旨の信号が入力されると、攪拌手段4やガス供給設備17、18などを停止して培養を終了する。
その後、培養バッグ21の下部に設けた培養液排出管11を介して培養液CMが排出される。排出された培養液CMから目的の培養生産物の回収や精製等の後工程を行い、一連の培養生産工程を終了する。培養液CMが排出された後、ハウジング22から培養バッグ21が取り外されて廃棄される。
次の培養を開始するには、前記したように折り畳まれた状態の新たな培養バッグ21をハウジング22の固定具16a、16bを用いて所定の位置に据付け、前述と同様にして培養を開始する。
(細胞培養方法)
本実施形態に係る細胞培養方法は、前記した細胞培養装置を用いて細胞を培養する方法である。なお、細胞培養装置については既に詳述しているので、装置についての説明は省略する。
本実施形態に係る細胞培養方法は、排出工程と供給工程とを順不同で含み、これらの工程を連続的に行うものである。なお、これらの工程はいずれを先に行っても構わない。また、これらの工程を同時に進行させてもよい。
(排出工程)
排出工程は、攪拌手段4で培養液CMを攪拌して攪拌流Aを発生させつつ、細胞分離手段3のろ過膜31で培養液CMをろ過して排出部33から培養手段2の外に排出する工程である。このようにすると、培養液CMの攪拌流Aによる攪拌せん断応力によって除去されるため、細胞Cが付着することによるろ過膜31の目詰まりを生じ難くすることができる。
(供給工程)
供給工程は、培養手段2の外に排出した培養液CMと概ね同量の液体培地Mを培地供給手段5から培養手段2の内側に供給する工程である。このようにすると、排出された培養液CMと同量の新鮮な液体培地Mが供給され続けるので、長期間の培養を実施することができ、細胞培養をさらに高密度で行いたいという要望に十分応えることができる。また、培養液CMの容量が常にほぼ一定に保たれるので、細胞培養を安定的に行うことができる。
以上、本発明の一実施形態に係る細胞培養装置及び細胞培養方法について詳細に説明したが本発明の主旨はこれに限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、前記した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
なお、前記した変形例として以下のものが挙げられる。
図7は、本実施形態に係る細胞培養装置の一変形例を示す概略断面図である。
図7に示すように、本変形例に係る細胞培養装置1は、排出用配管62の経路中に、排出するろ過液(培養液CM)の引き抜き圧力を検知する圧力センサ24を有している。また、本変形例に係る細胞培養装置1は、供給用配管53から分岐した分岐配管54を有している。この分岐配管54は、細胞分離手段3の背面部32と接続されている。そして、供給用配管53には、培養手段2に至る経路中に開閉バルブV1が設けられている。同様に、分岐配管54にも細胞分離手段3に至る経路中に開閉バルブV2が設けられている。
本変形例に係る細胞培養装置1は、圧力センサ24によって検知されるろ過液の引き抜き圧力が過剰に高くなった場合、図7に図示しない制御装置20がその圧力情報に基づいて細胞分離手段3のろ過膜31が目詰まりを起こしていると判断する。
当該判断をした制御装置20は、通常、“開”状態となっている開閉バルブV1を“閉”状態とし、“閉”状態となっている開閉バルブV2を“開”状態とする。このようにすると、それまで培地貯留槽51から培養手段2に直接供給されていた液体培地Mは、分岐配管54を通じて細胞分離手段3の排出部33(図7において図示せず)側から培養手段2内に向けて液体培地Mを供給することになる。このようにすると、液体培地Mがろ過膜31の裏面から培養手段2内に向けて流れるため、いわゆる逆洗を行うことができ、ろ過膜31の表面に付着していた細胞を剥がして目詰まりを解消することができる。そのため、より長期間の培養を実施することが可能となる。
なお、図7に示す例では、液体培地Mをろ過膜31の裏面から培養手段2内に向けて流し、ろ過膜31の表面に付着していた細胞を剥がして目詰まりを解消しているが、これに限定されない。例えば、培養手段2が細胞分離手段3を2つ以上有している場合、圧力センサ24で1つの細胞分離手段3が目詰まりを起こしていると判断したら、他の細胞分離手段3に切り替えてろ過を継続するようにしてもよい。このようにしてもより長期間の培養を実施することが可能となる。この変形例と図7を参照して説明した変形例は併用することができる。
さらに、図7に示すように、攪拌翼41は複数設けていてもよい。このようにすると、培養液CMを攪拌する能力が向上するので、培養液CM中の酸素濃度を均一に保ち易くなり、好適である。図7における攪拌翼41は、回転軸44を介して培養手段2の上方に設けられているモータ等の攪拌駆動装置45と接続されている。攪拌駆動装置45の回転力を回転軸44が攪拌翼41に伝達することにより、攪拌翼41が回転する。なお、回転軸44と培養手段2とは、公知のメカニカルシール(軸封装置)で機械的密封がなされており、雑菌等のコンタミネーションの防止が図られている。
図8は、本実施形態に係る細胞培養装置の他の変形例を示す概略断面図である。そして、図9は、図8のIX部拡大図である。
図8に示すように、他の変形例に係る細胞培養装置1は、図7に示す変形例と同様、攪拌翼41が、回転軸44を介して培養手段2の上方に設けられている攪拌駆動装置45と接続されている。また、回転軸44と培養手段2とは、公知のメカニカルシール(軸封装置)で機械的密封がなされている。そして、他の変形例に係る細胞培養装置1は、攪拌翼41の周囲に螺旋状に巻かれた中空糸状の細胞分離手段3(ろ過膜31)を備えている。この変形例では、細胞分離手段3でろ過した培養液CMは、中空糸の内部に存在することになる。中空糸状の細胞分離手段3の基端部には、図8において図示しない排出用ポンプ、排出用配管及び回収槽が接続されており、細胞分離手段3でろ過した培養液CMが回収槽(図8、図9において図示せず)に貯留されるようになっている。
なお、図8に示す例では、螺旋状に巻かれた中空糸のろ過膜31と中空糸のろ過膜31の間を攪拌流Aが流れることになる。よって、この場合、図9に示すように、隣り合う中空糸のろ過膜31と中空糸のろ過膜31の対向面については、攪拌流Aがろ過膜31に対して接線方向となっている。そのため、細胞C(図9において図示せず)は、せん断応力によって除去されるので、細胞Cが付着することによるろ過膜31の目詰まりが生じ難い。
従って、この変形例に係る細胞培養装置1においても、長期間の培養を実施することができ、細胞培養をさらに高密度で行いたいという要望に十分応えることができる。
1 細胞培養装置
2 培養手段
21 培養バッグ
22 ハウジング
3 細胞分離手段
31 ろ過膜
33 排出部
4 攪拌手段
41 攪拌翼
5 培地供給手段
A 攪拌流
CM 培養液
M 液体培地

Claims (5)

  1. 可撓性を有し、内部に培養液を封入できる培養バッグと、前記培養液を封入した前記培養バッグの形状を維持するハウジングと、を含んで成る培養手段と、
    前記培養手段の内側の前記培養液に含まれる細胞を透過させないろ過膜及び前記ろ過膜を透過した前記培養液を前記培養手段の外に排出する排出部を備える細胞分離手段と、
    前記培養液を攪拌して攪拌流を発生させる攪拌手段と、
    前記培養手段の内側に前記細胞を培養するための液体培地を供給する培地供給手段と、を備え、
    前記細胞分離手段は、前記攪拌手段によって生じる前記攪拌流が前記ろ過膜の表面に対して接線方向となるように設けられ、前記表面の対向面となる背面部の裏面と前記培養バッグの内壁面とが溶着固定されている
    ことを特徴とする細胞培養装置。
  2. 撓性を有し、内部に培養液を封入できる培養バッグと、前記培養液を封入した前記培養バッグの形状を維持するハウジングと、を含んで成る培養手段と、
    前記培養手段の内側の前記培養液に含まれる細胞を透過させないろ過膜及び前記ろ過膜を透過した前記培養液を前記培養手段の外に排出する排出部を備える細胞分離手段と、
    前記培養液を攪拌して攪拌流を発生させる攪拌手段と、
    前記培養手段の内側に前記細胞を培養するための液体培地を供給する培地供給手段と、を備え、
    前記細胞分離手段は、前記攪拌流が前記ろ過膜に対して接線方向となるように設けられており、
    前記攪拌手段が、前記培養バッグ内に配置された攪拌翼によって攪拌させるものであり、
    前記ろ過膜が、前記攪拌翼の周囲に螺旋状に巻かれた中空糸状のものである
    ことを特徴とする細胞培養装置。
  3. 請求項において、
    前記攪拌手段が前記ハウジングを水平面内で回転運動させるか、又は、前記培養バッグ内に配置された攪拌翼によって攪拌させるものであることを特徴とする細胞培養装置。
  4. 可撓性を有し、内部に培養液を封入できる培養バッグと、前記培養液を封入した前記培養バッグの形状を維持するハウジングと、を含んで成る培養手段と、前記培養手段の内側の前記培養液に含まれる細胞を透過させないろ過膜及び前記ろ過膜を透過した前記培養液を前記培養手段の外に排出する排出部を備える細胞分離手段と、前記培養液を攪拌して攪拌流を発生させる攪拌手段と、前記培養手段の内側に前記細胞を培養するための液体培地を供給する培地供給手段と、を備え、前記細胞分離手段は、前記攪拌手段によって生じる前記攪拌流が前記ろ過膜の表面に対して接線方向となるように設けられ、前記表面の対向面となる背面部の裏面と前記培養バッグの内壁面とが溶着固定されている細胞培養装置を用いて細胞を培養する方法であり、
    前記細胞の培養時に、
    前記攪拌手段で前記培養液を攪拌して前記攪拌流を発生させつつ、前記細胞分離手段のろ過膜で前記培養液をろ過して前記排出部から前記培養手段の外に排出する排出工程と、
    前記培養手段の外に排出した前記培養液と概ね同量の液体培地を前記培地供給手段から前記培養手段の内側に供給する供給工程と、
    を順不同で含み、これらの工程を連続的に行うことを特徴とする細胞培養方法。
  5. 可撓性を有し、内部に培養液を封入できる培養バッグと、前記培養液を封入した前記培養バッグの形状を維持するハウジングと、を含んで成る培養手段と、前記培養手段の内側の前記培養液に含まれる細胞を透過させないろ過膜及び前記ろ過膜を透過した前記培養液を前記培養手段の外に排出する排出部を備える細胞分離手段と、前記培養液を攪拌して攪拌流を発生させる攪拌手段と、前記培養手段の内側に前記細胞を培養するための液体培地を供給する培地供給手段と、を備え、前記細胞分離手段は、前記攪拌流が前記ろ過膜に対して接線方向となるように設けられており、前記攪拌手段が、前記培養バッグ内に配置された攪拌翼によって攪拌させるものであり、前記ろ過膜が、前記攪拌翼の周囲に螺旋状に巻かれた中空糸状のものである細胞培養装置を用いて細胞を培養する方法であり、
    前記細胞の培養時に、
    前記攪拌手段で前記培養液を攪拌して前記攪拌流を発生させつつ、前記細胞分離手段のろ過膜で前記培養液をろ過して前記排出部から前記培養手段の外に排出する排出工程と、
    前記培養手段の外に排出した前記培養液と概ね同量の液体培地を前記培地供給手段から前記培養手段の内側に供給する供給工程と、
    を順不同で含み、これらの工程を連続的に行うことを特徴とする細胞培養方法。
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