以下、実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
《実施形態1》
〈全体構成〉
実施形態1に係る冷凍装置(1)は、冷却対象の冷却と、室内の空調とを同時に行う。ここでいう冷却対象は、冷蔵庫、冷凍庫、ショーケースなどの設備内の空気を含む。以下では、このような設備を冷設と称する。
図1に示すように、冷凍装置(1)は、室外に設置される熱源ユニット(10)と、室内の空調を行う空調ユニット(50)と、庫内の空気を冷却する冷設ユニット(60)と、コントローラ(100)とを備える。図1では、1つの空調ユニット(50)を図示している。冷凍装置(1)は、並列に接続される2つ以上の空調ユニット(50)を有してもよい。図1では、1つの冷設ユニット(60)を図示している。冷凍装置(1)は、並列に接続される2つ以上の冷設ユニット(60)を有してもよい。これらのユニット(10,50,60)が4本の連絡配管(2,3,4,5)によって接続されることで、冷媒回路(6)が構成される。
本実施形態では、冷凍装置(1)において冷設ユニット(60)が既設、連絡配管(2,3,4,5)が既設、または冷設ユニット(60)と連絡配管(2,3,4,5)とが既設である場合について説明する。
4本の連絡配管(2,3,4,5)は、第1液連絡配管(2)、第1ガス連絡配管(3)、第2液連絡配管(4)、及び第2ガス連絡配管(5)で構成される。第1液連絡配管(2)及び第1ガス連絡配管(3)は、空調ユニット(50)に対応する。第2液連絡配管(4)及び第2ガス連絡配管(5)は、冷設ユニット(60)に対応する。
冷媒回路(6)では、冷媒が循環することで冷凍サイクルが行われる。本実施形態の冷媒回路(6)の冷媒は、二酸化炭素である。冷媒回路(6)は、冷媒が臨界圧力以上となる冷凍サイクルを行うように構成される。
〈熱源ユニット〉
熱源ユニット(10)は、室外ファン(12)と、室外回路(11)とを有する。室外回路(11)は、圧縮要素(C)、流路切換機構(30)、室外熱交換器(13)、第1室外膨張弁(14)、気液分離器(15)、冷却熱交換器(16)、及び中間冷却器(17)を有する。
〈圧縮要素〉
圧縮要素(C)は、冷媒を圧縮する。圧縮要素(C)は、第1圧縮機(21)、第2圧縮機(22)、及び第3圧縮機(23)を有する。圧縮要素(C)は、第1圧縮部(21)及び第2圧縮部(22,23)により二段圧縮式に構成される。第1圧縮部(21)は、高段側圧縮機を構成する第1圧縮機(21)である。第2圧縮部(22,23)は、低段側圧縮機を構成する第2圧縮機(22)及び第3圧縮機(23)である。第2圧縮機(22)及び第3圧縮機(23)は、互いに並列に接続される。第1圧縮機(21)及び第2圧縮機(22)は、直列に接続される。第1圧縮機(21)及び第3圧縮機(23)は、直列に接続される。第1圧縮機(21)は第1圧縮部を構成し、第2圧縮機(22)及び第3圧縮機(23)は第2圧縮部を構成する。第1圧縮機(21)、第2圧縮機(22)、及び第3圧縮機(23)は、モータによって圧縮機構が駆動される回転式圧縮機である。第1圧縮機(21)、第2圧縮機(22)、及び第3圧縮機(23)は、運転周波数、ないし回転数が調節可能な可変容量式に構成される。
第1圧縮機(21)には、第1吸入管(21a)及び第1吐出管(21b)が接続される。第2圧縮機(22)には、第2吸入管(22a)及び第2吐出管(22b)が接続される。第3圧縮機(23)には、第3吸入管(23a)及び第3吐出管(23b)が接続される。第1吸入管(21a)は、第1圧縮部(21)と第2圧縮部(22,23)との間の中間圧力部を構成する。
第2吸入管(22a)は、冷設ユニット(60)に連通する。第2圧縮機(22)は、冷設ユニット(60)に対応する冷設側圧縮機である。第3吸入管(23a)は、空調ユニット(50)に連通する。第3圧縮機(23)は、空調ユニット(50)に対応する室内側圧縮機である。
〈流路切換機構〉
流路切換機構(30)は、冷媒の流路を切り換える。流路切換機構(30)は、第1配管(31)、第2配管(32)、第3配管(33)、第4配管(34)、第1三方弁(TV1)、及び第2三方弁(TV2)を有する。第1配管(31)の流入端と、第2配管(32)の流入端とは、第1吐出管(21b)に接続する。第1配管(31)及び第2配管(32)は、圧縮要素(C)の吐出圧が作用する配管である。第3配管(33)の流出端と、第4配管(34)の流出端とは、第3圧縮機(23)の第3吸入管(23a)に接続する。第3配管(33)及び第4配管(34)は、圧縮要素(C)の吸入圧が作用する配管である。
第1三方弁(TV1)は、第1ポート(P1)、第2ポート(P2)、及び第3ポート(P3)を有する。第1三方弁(TV1)の第1ポート(P1)は、高圧流路である第1配管(31)の流出端に接続する。第1三方弁(TV1)の第2ポート(P2)は、低圧流路である第3配管(33)の流入端に接続する。第1三方弁(TV1)の第3ポート(P3)は、室内ガス側流路(35)に接続する。
第2三方弁(TV2)は、第1ポート(P1)、第2ポート(P2)、及び第3ポート(P3)を有する。第2三方弁(TV2)の第1ポート(P1)は、高圧流路である第2配管(32)の流出端に接続する。第2三方弁(TV2)の第2ポート(P2)は、低圧流路である第4配管(34)の流入端に接続する。第2三方弁(TV2)の第3ポート(P3)は、室外ガス側流路(36)に接続する。
第1三方弁(TV1)及び第2三方弁(TV2)は、電動式の三方弁である。各三方弁(TV1,TV2)は、第1状態(図1の実線で示す状態)と第2状態(図1の破線で示す状態)とにそれぞれ切り換わる。第1状態の各三方弁(TV1,TV2)では、第1ポート(P1)と第3ポート(P3)とが連通し、且つ第2ポート(P2)が閉鎖される。第2状態の各三方弁(TV1,TV2)では、第2ポート(P2)と第3ポート(P3)とが連通し、第1ポート(P1)が閉鎖される。
〈室外熱交換器〉
室外熱交換器(13)は、熱源熱交換器を構成している。室外熱交換器(13)は、フィン・アンド・チューブ型の空気熱交換器である。室外ファン(12)は、室外熱交換器(13)の近傍に配置される。室外ファン(12)は、室外空気を搬送する。室外熱交換器は、その内部を流れる冷媒と、室外ファン(12)が搬送する室外空気とを熱交換させる。
室外熱交換器(13)のガス端には、室外ガス側流路(36)が接続される。室外熱交換器(13)の液端には、室外流路(O)が接続される。
〈室外流路〉
室外流路(O)は、室外第1管(o1)、室外第2管(o2)、室外第3管(o3)、室外第4管(o4)、室外第5管(o5)、室外第6管(o6)、室外第7管(o7)、及び室外第8管(o8)を含む。室外第1管(o1)の一端は、室外熱交換器(13)の液端に接続される。室外第1管(o1)の他端には、室外第2管(o2)の一端、及び室外第3管(o3)の一端がそ れぞれ接続される。室外第2管(o2)の他端は、気液分離器(15)の頂部に接続される。室外第4管(o4)の一端は、気液分離器(15)の底部に接続される。室外第4管(o4)の他端には、室外第5管(o5)の一端、及び室外第3管(o3)の他端がそれぞれ接続される。室外第5管(o5)の他端には、室外第6管(o6)の一端、及び室外第8管(o8)の一端がそれぞれ接続される。室外第8管(o8)の他端は、第2液連絡配管(4)に接続する。室外第8管(o8)は、気液分離器(15)の下流の液冷媒が流れる液管である。室外第6管(o6)の他端は、第1液連絡配管(2)に接続する。室外第7管(o7)の一端は、室外第6管(o6)の途中に接続する。室外第7管(o7)の他端は、室外第2管(o2)の途中に接続する。
〈減圧機構〉
熱源回路(11)は、第1減圧機構(14)及び第2減圧機構(18)を有する。第1〜第2減圧機構(14,18)は、利用ユニット(50,60)へ流出する冷媒を減圧する。
第1減圧機構(14)は、第1室外膨張弁(14)である。第1室外膨張弁(14)は、コントローラ(100)からのパルス信号によりパルスモータが駆動されて開度が調整される電子膨張弁である。第1室外膨張弁(14)は、室外第1管(o1)に接続される。
第2減圧機構(18)は、第2室外膨張弁(18)である。第2室外膨張弁(18)は、コントローラ(100)からのパルス信号によりパルスモータが駆動されて開度が調整される電子膨張弁である。第2室外膨張弁(18)は、室外第8管(o8)に接続される。第2室外膨張弁(18)は、冷媒を減圧する第2減圧機構である。
〈気液分離器〉
気液分離器(15)は、冷媒を貯留する容器を構成している。気液分離器(15)は、第1室外膨張弁(14)の下流に備える。気液分離器(15)では、冷媒がガス冷媒と液冷媒とに分離される。気液分離器(15)の頂部には、室外第2管(o2)の他端と、後述するガス抜き管(37)の一端が接続される。
〈中間インジェクション回路〉
室外回路(11)は中間インジェクション回路(49)を備える。中間インジェクション回路(49)は、冷媒を第1圧縮部(21)と第2圧縮部(22,23)との間の中間圧力部に供給する回路である。中間インジェクション回路(49)は、第1配管(37)及びインジェクション管(38)を備える。
インジェクション管(38)の一端は、室外第5管(o5)の途中に接続される。インジェクション管(38)の他端は、第1圧縮機(21)の第1吸入管(21a)に接続される。インジェクション管(38)には、減圧弁(40)が設けられる。減圧弁(40)は、開度が可変な膨張弁である。
第1配管(37)は、気液分離器(15)に接続されるガス抜き管(37)である。ガス抜き管(37)は、気液分離器(15)のガス冷媒が気液分離器(15)から、第1圧縮部(21)と第2圧縮部(22,23)との間の流路に流入するように構成される。具体的に、ガス抜き管(37)の一端は、気液分離器(15)の頂部に接続される。ガス抜き管(37)の他端は、インジェクション管(38)の途中に接続される。ガス抜き管(37)には、ガス抜き弁(39)が接続される。ガス抜き弁(39)は、開度が可変な電子膨張弁である。
〈冷却熱交換器〉
室外回路(11)は、冷却熱交換器(16)を備える。冷却熱交換器(16)は、気液分離器(15)で分離された冷媒(主として液冷媒)を冷却する過冷却熱交換器(16)である。過冷却熱交換器(16)は、気液分離器(15)と第2室外膨張弁(18)との間に接続される。過冷却熱交換器(16)は、高圧側流路である第1流路(16a)と、低圧側流路である第2流路(16b)とを有する。過冷却熱交換器(16)では、第1流路(16a)を流れる高圧冷媒と、第2流路(16b)を流れる減圧された冷媒とが熱交換する。
過冷却熱交換器(16)では、第1流路(16a)を流れる冷媒が冷却される。第1流路(16a)は、熱源回路(11)の液冷媒が流れる液管である室外第4管(o4)の途中に接続される。
第2流路(16b)は、第1流路(16a)を流れる冷媒を冷却する冷媒が流れる流路である。第2流路(16b)は、中間インジェクション回路(49)に含まれる。具体的に、第2流路(16b)は、インジェクション管(38)における、減圧弁(40)の下流側に接続される。第2流路(16b)は、減圧弁(40)で減圧された冷媒が流れる。
〈中間冷却器〉
中間冷却器(17)は、中間流路(41)に接続される。中間流路(41)の一端は、第2圧縮機(22)の第2吐出管(22b)、及び第3圧縮機(23)の第3吐出管(23b)に接続される。中間流路(41)の他端は、第1圧縮機(21)の第1吸入管(21a)に接続される。換言すると、中間流路(41)の他端は、圧縮要素(C)の中間圧力部に接続される。
中間冷却器(17)は、フィン・アンド・チューブ型の空気熱交換器である。中間冷却器(17)の近傍には、冷却ファン(17a)が配置される。中間冷却器(17)は、その内部を流れる冷媒と、冷却ファン(17a)が搬送する室外空気とを熱交換させる。
〈油分離回路〉
室外回路(11)は、油分離回路(42)を含む。油分離回路(42)は、油分離器(43)と、第1油戻し管(44)と、第2油戻し管(45)と、第3油戻し管(46)とを有する。油分離器(43)は、第1圧縮機(21)の第1吐出管(21b)に接続される。油分離器(43)は、圧縮要素(C)から吐出された冷媒中から油を分離する。第1油戻し管(44)の流入端は、油分離器(43)に連通する。第1油戻し管(44)の流出端は、第2圧縮機(22)の第2吸入管(22a)に接続される。第2油戻し管(45)の流入端は、油分離器(43)に連通する。第2油戻し管(45)の流出端は、中間流路(41)の流入端に接続する。第3油戻し管(46)は、主戻し管(46a)、冷設側分岐管(46b)、及び室内側分岐管(46c)を有する。主戻し管(46a)の流入端は、油分離器(43)に連通する。主戻し管(46a)の流出端には、冷設側分岐管(46b)の流入端と、室内側分岐管(46c)の流入端とが接続される。冷設側分岐管(46b)の流出端は、第2圧縮機(22)のケーシング内の油溜まりに連通する。室内側分岐管(46c)の流出端は、第3圧縮機(23)のケーシング内の油溜まりに連通する。
第1油戻し管(44)には、第1油量調節弁(47a)が接続される。第2油戻し管(45)には、第2油量調節弁(47b)が接続される。冷設側分岐管(46b)には、第3油量調節弁(47c)が接続される。室内側分岐管(46c)には、第4油量調節弁(47d)が接続される。
油分離器(43)で分離された油は、第1油戻し管(44)を介して第2圧縮機(22)に戻される。油分離器(43)で分離された油は、第2油戻し管(45)を介して第3圧縮機(23)に戻される。油分離器(43)で分離された油は、第3油戻し管(46)を介して、第2圧縮機(22)及び第3圧縮機(23)の各ケーシング内の油溜まりに戻される。
〈逆止弁〉
室外回路(11)は、第1逆止弁(CV1)、第2逆止弁(CV2)、第3逆止弁(CV3)、第4逆止弁(CV4)、第5逆止弁(CV5)、第6逆止弁(CV6)、及び第7逆止弁(CV7)を有する。第1逆止弁(CV1)は、第1吐出管(21b)に接続される。第2逆止弁(CV2)は、第2吐出管(22b)に接続される。第3逆止弁(CV3)は、第3吐出管(23b)に接続される。第4逆止弁(CV4)は、室外第2管(o2)に接続される。第5逆止弁(CV5)は、室外第3管(o3)に接続される。第6逆止弁(CV6)は、室外第6管(o6)に接続される。第7逆止弁(CV7)は、室外第7管(o7)に接続される。これらの逆止弁(CV1〜CV7)は、図1に示す矢印方向の冷媒の流れを許容し、この矢印と反対方向の冷媒の流れを禁止する。
〈空調ユニット〉
空調ユニット(50)は、屋内に設置される利用ユニットである。空調ユニット(50)は、室内ファン(52)と、室内回路(51)とを有する。室内回路(51)の液端には、第1液連絡配管(2)が接続される。室内回路(51)のガス端には、第1ガス連絡配管(3)が接続される。
室内回路(51)は、液端からガス端に向かって順に、室内膨張弁(53)及び室内熱交換器(54)を有する。室内膨張弁(53)は、第1利用膨張弁である。室内膨張弁(53)は、開度が可変な電子膨張弁である。
室内熱交換器(54)は、フィン・アンド・チューブ型の空気熱交換器である。室内ファン(52)は、室内熱交換器(54)の近傍に配置される。室内ファン(52)は、室内空気を搬送する。室内熱交換器(54)は、その内部を流れる冷媒と、室内ファン(52)が搬送する室内空気とを熱交換させる。
〈冷設ユニット〉
冷設ユニット(60)は、庫内を冷却する利用ユニットである。冷設ユニット(60)は、冷設ファン(62)と冷設回路(61)とを有する。冷設回路(61)の液端には、第2液連絡配管(4)が接続される。冷設回路(61)のガス端には、第2ガス連絡配管(5)が接続される。
冷設回路(61)は、液端からガス端に向かって順に、冷設膨張弁(63)及び冷設熱交換器(64)を有する。冷設膨張弁(63)は、第2利用膨張弁である。冷設膨張弁(63)は、開度が可変な電子膨張弁で構成される。
冷設熱交換器(64)は、フィン・アンド・チューブ型の空気熱交換器である。冷設ファン(62)は、冷設熱交換器(64)の近傍に配置される。冷設ファン(62)は、庫内空気を搬送する。冷設熱交換器(64)は、その内部を流れる冷媒と、冷設ファン(62)が搬送する庫内空気とを熱交換させる。
〈センサ〉
冷凍装置(1)は、各種のセンサを有する。各種のセンサは、高圧圧力センサ(71)、中間圧圧力センサ(72)、第1低圧圧力センサ(73)、第2低圧圧力センサ(74)、液冷媒圧力センサ(75)、及び出口圧力センサ(48)を含む。
高圧圧力センサ(71)は、第1圧縮機(21)の吐出冷媒の圧力(高圧冷媒の圧力(HP))を検出する。中間圧圧力センサ(72)は、中間流路(41)の冷媒の圧力、換言すると、第1圧縮機(21)と、第2圧縮機(22)及び第3圧縮機(23)との間の冷媒の圧力(中間圧冷媒の圧力(MP))を検出する。第1低圧圧力センサ(73)は、第2圧縮機(22)に吸入される吸入冷媒の圧力(第1低圧冷媒の圧力(LP1))を検出する。第2低圧圧力センサ(74)は、第3圧縮機(23)に吸入される吸入冷媒の圧力(第2低圧冷媒の圧力(LP2))を検出する。液冷媒圧力センサ(75)は、気液分離器(15)の液冷媒の圧力(液冷媒圧力(RP))を検出する。出口圧力センサ(48)は、室外第8管(o8)において、第2室外膨張弁(18)を通過後の冷設ユニット(60)へ向かう冷媒の圧力(出口圧力(SP))を検知する。
他のセンサが検出する物理量として、高圧冷媒の温度、低圧冷媒の温度、中間圧冷媒の温度、室外熱交換器(13)の冷媒の温度、冷設熱交換器(64)の冷媒の温度、室外空気の温度、及び庫内空気の温度など挙げられる。
〈コントローラ〉
制御部であるコントローラ(100)は、制御基板上に搭載されたマイクロコンピュータと、該マイクロコンピュータを動作させるためのソフトウエアを格納するメモリデバイス(具体的には半導体メモリ)とを含む。コントローラ(100)は、各種のセンサの検出信号に基づいて、冷凍装置(1)の各種の機器を制御する。
図2に示すように、コントローラ(100)は、熱源ユニット(10)に設けられた室外コントローラ(101)と、空調ユニット(50)に設けられた室内コントローラ(102)と、冷設ユニット(60)に設けられた冷設コントローラ(103)とを有する。室外コントローラ(101)は、室内コントローラ(102)及び冷設コントローラ(103)と通信可能である。コントローラ(100)は、出口圧力センサ(48)、高圧圧力センサ(71)などの各種の圧力センサ、及び各種の温度センサ等と通信線で接続されている。コントローラ(100)は、第1室外膨張弁(14)、第2室外膨張弁(18)などを含む冷媒回路(6)の構成部品と通信線で接続されている。
室外コントローラ(101)は、冷媒が臨界圧力以上まで圧縮されるように圧縮要素(C)を制御する。室外コントローラ(101)は、第1室外膨張弁(14)を制御して、二相冷媒圧力(RP)を亜臨界圧力まで減圧させる。
室外コントローラ(101)は、出口圧力センサ(48)で検知される圧力が、第1圧力より低い目標圧力となるように第2減圧機構(18)を制御する。第1圧力とは、冷設ユニット(60)の設計圧力である。
室外コントローラ(101)は、過冷却熱交換器(16)の冷却能力を制御する。具体的に、室外コントローラ(101)は、第2室外膨張弁(18)を流出した冷媒が冷設膨張弁(63)まで液状態を維持するように減圧弁(40)を制御する。
図3に示すように、室外コントローラ(101)は、記憶部(111)と、通信部(112)と、設定部(113)と、入力部(114)とを有する。
通信部(112)は、冷設コントローラ(103)から送信された冷設ユニット(60)の所定の情報を受信する。この所定の情報は、例えば、各種の冷設ユニット(60)の型式、または各冷設ユニット(60)に付される個体番号などを表す識別情報である。
記憶部(111)には、各種の冷設ユニット(60)の識別情報と、各種の冷設ユニット(60)に対応する設計圧力の情報とが記憶されている。
設定部(113)には、目標圧力が設定される。熱源ユニット(10)に冷設ユニット(60)が接続されると、設定部(113)は、通信部(112)が受信した冷設ユニット(60)の識別情報を認識する。設定部(113)は、該識別情報に基づいて、接続された冷設ユニット(60)に対応する設計圧力を記憶部(111)から取得する。取得された設計圧力に基づいて、目標圧力が設定部(113)に設定される。
入力部(114)には、操作者により圧力が入力される。設定部(113)には入力部(114)に入力された圧力が目標圧力として設定される。
−運転動作−
冷凍装置(1)の運転動作について詳細に説明する。冷凍装置(1)の運転は、冷設運転、冷房運転、冷房/冷設運転、暖房運転、暖房/冷設運転、及びデフロスト運転を含む。
冷設運転では、冷設ユニット(60)が運転され、空調ユニット(50)は停止する。冷房運転では、冷設ユニット(60)が停止し、空調ユニット(50)が冷房を行う。冷房/冷設運転では、冷設ユニット(60)が運転され、空調ユニット(50)が冷房を行う。暖房運転では、冷設ユニット(60)が停止し、空調ユニット(50)が暖房を行う。暖房/冷設運転では、冷設ユニット(60)が運転され、空調ユニット(50)が暖房を行う。デフロスト運転では、冷設ユニット(60)が運転され、室外熱交換器(13)の表面の霜を融かす動作が行われる。暖房/冷設運転は、空調ユニット(50)の必要な暖房能力が比較的大きい条件下で実行される。
〈冷設運転〉
図4に示す冷設運転では、第1三方弁(TV1)が第2状態、第2三方弁(TV2)が第1状態となる。第1室外膨張弁(14)及び第2室外膨張弁(18)が所定開度で開放され、冷設膨張弁(63)の開度が過熱度制御により調節される。室内膨張弁(53)が全閉状態となり、減圧弁(40)の開度が適宜調節される。室外ファン(12)、冷却ファン(17a)、及び冷設ファン(62)が運転され、室内ファン(52)は停止する。第1圧縮機(21)及び第2圧縮機(22)が運転され、第3圧縮機(23)は停止する。冷設運転では、圧縮要素(C)で圧縮された冷媒が、室外熱交換器(13)で放熱し、冷設熱交換器(64)で蒸発する冷凍サイクルが行われる。
図4に示すように、第2圧縮機(22)で圧縮された冷媒は、中間冷却器(17)で冷却された後、第1圧縮機(21)に吸入される。第1圧縮機(21)で圧縮された冷媒は、室外熱交換器(13)で放熱された後、第1室外膨張弁(14)により減圧され、第2圧力(臨界圧力)より低い圧力の冷媒となる。この冷媒は、気液分離器(15)を流れ、過冷却熱交換器(16)で冷却される。過冷却熱交換器(16)で冷却された冷媒は、第2室外膨張弁(18)により減圧され、第1圧力(設計圧力)より低い圧力の冷媒となる。この冷媒は、冷設膨張弁(63)で減圧された後、冷設熱交換器(64)で蒸発する。この結果、庫内空気が冷却される。冷却熱交換器(16)で蒸発した冷媒は、第2圧縮機(22)に吸入され、再び圧縮される。
〈冷房運転〉
図5に示す冷房運転では、第1三方弁(TV1)が第2状態、第2三方弁(TV2)が第1状態となる。第1室外膨張弁(14)が所定開度で開放され、第2室外膨張弁(18)及び冷設膨張弁(63)が全閉状態となる。室内膨張弁(53)、及び減圧弁(40)の開度が適宜調節される。室外ファン(12)、冷却ファン(17a)、及び室内ファン(52)が運転され、冷設ファン(62)は停止する。第1圧縮機(21)及び第3圧縮機(23)が運転され、第2圧縮機(22)は停止する。冷房運転では、圧縮要素(C)で圧縮された冷媒が、室外熱交換器(13)で放熱し、室内熱交換器(54)で蒸発する冷凍サイクルが行われる。
図5に示すように、第3圧縮機(23)で圧縮された冷媒は、中間冷却器(17)で冷却された後、第1圧縮機(21)に吸入される。第1圧縮機(21)で圧縮された冷媒は、室外熱交換器(13)で放熱し、気液分離器(15)を流れ、過冷却熱交換器(16)で冷却される。冷却熱交換器(16)で冷却された冷媒は、室内膨張弁(53)で減圧された後、室内熱交換器(54)で蒸発する。この結果、室内空気が冷却される。室内熱交換器(54)で蒸発した冷媒は、第3圧縮機(23)に吸入され、再び圧縮される。
〈冷房/冷設運転〉
図6に示す冷房/冷設運転では、第1三方弁(TV1)が第2状態、第2三方弁(TV2)が第1状態となる。第1室外膨張弁(14)及び第2室外膨張弁(18)が所定開度で開放される。冷設膨張弁(63)、室内膨張弁(53)、及び減圧弁(40)の開度が適宜調節される。室外ファン(12)、冷却ファン(17a)、冷設ファン(62)、及び室内ファン(52)が運転される。第1圧縮機(21)、第2圧縮機(22)、及び第3圧縮機(23)が運転される。冷房/冷設運転では、圧縮要素(C)で圧縮された冷媒が、室外熱交換器(13)で放熱し、冷設熱交換器(64)及び室内熱交換器(54)で蒸発する冷凍サイクルが行われる。
図6に示すように、第2圧縮機(22)及び第3圧縮機(23)でそれぞれ圧縮された冷媒は、中間冷却器(17)で冷却された後、第1圧縮機(21)に吸入される。第1圧縮機(21)で圧縮された冷媒は、室外熱交換器(13)で放熱された後、第1室外膨張弁(14)により減圧され、第2圧力(臨界圧力)より低い圧力の冷媒となる。この冷媒は、気液分離器(15)を流れ、過冷却熱交換器(16)で冷却される。過冷却熱交換器(16)で冷却された冷媒は、室外第8管(o8)と室外第6管(o6)とに分流する。室外第6管(o6)に分流した冷媒は、空調ユニット(50)に流入する。室内膨張弁(53)で減圧された冷媒は、室内熱交換器(54)で蒸発する。室内熱交換器(54)で蒸発した冷媒は、第3圧縮機(23)に吸入され、再び圧縮される。室外第8管(o8)に流入した冷媒は、第2室外膨張弁(18)により減圧され、第1圧力(設計圧力)より低い圧力の冷媒となる。この冷媒は、冷設膨張弁(63)で減圧された後、冷設熱交換器(64)で蒸発する。冷設熱交換器(64)で蒸発した冷媒は、第2圧縮機(22)に吸入され、再び圧縮される。
〈暖房運転〉
図7に示す暖房運転では、第1三方弁(TV1)が第1状態、第2三方弁(TV2)が第2状態となる。室内膨張弁(53)が所定開度で開放され、第2室外膨張弁(18)及び冷設膨張弁(63)が全閉状態となる。第1室外膨張弁(14)、及び減圧弁(40)の開度が適宜調節される。室外ファン(12)、及び室内ファン(52)が運転され、冷設ファン(62)及び冷却ファン(17a)は停止する。第1圧縮機(21)及び第3圧縮機(23)が運転され、第2圧縮機(22)は停止する。暖房運転では、圧縮要素(C)で圧縮された冷媒が、室内熱交換器(54)で放熱し、室外熱交換器(13)で蒸発する冷凍サイクルが行われる。
図7に示すように、第3圧縮機(23)で圧縮された冷媒は、中間冷却器(17)を通った後、第1圧縮機(21)に吸入される。第1圧縮機(21)で圧縮された冷媒は、室内熱交換器(54)で放熱する。この結果、室内空気が加熱される。室内熱交換器(54)で放熱した冷媒は、気液分離器(15)を流れ、冷却熱交換器(16)で冷却される。冷却熱交換器(16)で冷却された冷媒は、第1室外膨張弁(14)で減圧された後、室外熱交換器(13)で蒸発する。室外熱交換器(13)で蒸発した冷媒は、第3圧縮機(23)に吸入され、再び圧縮される。
〈暖房/冷設運転〉
図8に示す暖房/冷設運転では、第1三方弁(TV1)が第1状態、第2三方弁(TV2)が第2状態となる。室内膨張弁(53)が所定開度で開放される。冷設膨張弁(63)、第1室外膨張弁(14)、第2室外膨張弁(18)、及び減圧弁(40)の開度が適宜調節される。室外ファン(12)、冷設ファン(62)、及び室内ファン(52)が運転され、冷却ファン(17a)は停止する。第1圧縮機(21)、第2圧縮機(22)、及び第3圧縮機(23)が運転される。暖房/冷設運転では、圧縮要素(C)で圧縮された冷媒が、室内熱交換器(54)で放熱し、冷設熱交換器(64)及び室外熱交換器(13)で蒸発する冷凍サイクルが行われる。
図8に示すように、第2圧縮機(22)及び第3圧縮機(23)でそれぞれ圧縮された冷媒は、中間冷却器(17)を通った後、第1圧縮機(21)に吸入される。第1圧縮機(21)で圧縮された冷媒は、室内熱交換器(54)で放熱する。この結果、室内空気が加熱される。室内熱交換器(54)で放熱した冷媒は、気液分離器(15)を流れ、冷却熱交換器(16)で冷却される。冷却熱交換器(16)で冷却された冷媒の一部は、第1室外膨張弁(14)で減圧された後、室外熱交換器(13)で蒸発する。室外熱交換器(13)で蒸発した冷媒は、第3圧縮機(23)に吸入され、再び圧縮される。
冷却熱交換器(16)で冷却された冷媒の残りは、第2室外膨張弁(18)により減圧され、第1圧力(設計圧力)より低い圧力の冷媒となる。この冷媒は、冷設熱交換器(64)で蒸発する。この結果、庫内空気が冷却される。冷設熱交換器(64)で蒸発した冷媒は、第2圧縮機(22)に吸入され、再び圧縮される。
〈デフロスト運転〉
デフロスト運転では、図5に示す冷房運転と同じ動作が行われる。デフロスト運転では、第2圧縮機(22)及び第1圧縮機(21)で圧縮された冷媒が、室外熱交換器(13)で放熱する。この結果、室外熱交換器(13)の表面の霜が内部から加熱される。室外熱交換器(13)の除霜に利用された冷媒は、室内熱交換器(54)で蒸発した後、第2圧縮機(22)に吸入され、再び圧縮される。
−既設利用ユニットの再利用−
連絡配管によって互いに接続される利用ユニットと熱源ユニットとを有する冷凍装置において、熱源ユニットを新たな熱源ユニットに交換して、既設の利用ユニットを再利用することが考えられる。しかし、既設の熱源ユニットを、二酸化炭素を冷媒とする熱源回路を備えた熱源ユニットに交換することは想定されていない。冷媒が二酸化炭素である冷媒回路を備えた冷凍装置では、高圧が臨界圧力以上となる冷媒サイクルが行われる。そのため、新たな熱源ユニットから流入する冷媒の圧力が、既設利用ユニットの設計圧力を超えていた場合、既設の連絡配管や該利用ユニットの冷媒配管が破損するおそれがある。
本実施形態の冷凍装置(1)は、このような課題を考慮し、利用ユニット(50,60)のうち冷設ユニット(60)へ流出する冷媒の圧力を調節するための制御を行う。具体的に、コントローラ(100)は、出口圧力センサ(48)に検知される圧力が、冷設ユニット(60)の設計圧力より低い目標圧力となるように、第2室外膨張弁(18)(第2減圧機構)の制御を行う。
第2室外膨張弁(18)の制御の一例について、図9を参照しながら具体的に説明する。ここでは、冷設ユニット(60)の第1圧力(設計圧力)は6MPaとする。第1圧力より低い圧力(目標圧力)は、5MPa以上6MPa未満とする。冷房/冷設運転を行っている状態(図6の状態)を基準に説明する。
まず、熱源ユニット(10)が既設の連絡配管(2,3,4,5)に接続された後、通信部(112)は、冷設コントローラ(103)から冷設ユニット(60)の識別情報を受信する。この識別情報に基づいて、設定部(113)は、該冷設ユニット(60)に対応する設計圧力(6MPa)の情報を記憶部(111)から取得する。設定部(113)には、この設計圧力(6MPa)に基づいて、目標圧力(5MPa以上6MPa未満)が設定される。
ステップST1では、室外コントローラ(101)は、冷設ユニット(60)が運転を開始するか否かを判定する。具体的に、室外コントローラ(101)が、冷設コントローラ(103)から冷設ユニット(60)の運転要求を受信すると、ステップST2に移行する。室外コントローラ(101)が、冷設コントローラ(103)から冷設ユニット(60)の運転要求を受信しない場合、図11の第1圧縮機(21)の起動制御(A)に移行する。
ステップST2では、室外コントローラ(101)は、気液分離器の液冷媒圧力(RP)が所定の圧力より高いか否かの判定を行う。この所定の圧力は、冷媒が二酸化炭素である場合、冷媒が気体と液体とに分離可能な圧力(7MPa)である。液冷媒圧力(RP)が所定の圧力(7MPa)より高い場合、ステップST3に移行する。液冷媒圧力(RP)が所定の圧力(7MPa)以下である場合、ステップST4に移行する。
ステップST3では、室外コントローラ(101)は、ガス抜き弁(39)を開放する。このことにより、気液分離器(15)の液冷媒圧力(RP)は低下する。気液分離器(15)内のガス冷媒は、ガス抜き管(37)を流通し、中間圧力部(21a)に導入される。
ステップST4では、室外コントローラ(101)は、第2室外膨張弁(18)を所定の開度に調節する。この所定の開度は、例えば、240pls(パルス)である。なお、第2室外膨張弁(18)の開度が全開の場合、480plsである。240plsは半分の開度である。
ステップST5では、出口圧力センサ(48)は、冷設ユニットに流出する冷媒の出口圧力(SP)を検知する。具体的に、第2室外膨張弁(18)により減圧された冷媒の圧力が検知される。出口圧力(SP)が、目標圧力(5MPa以上6MPa未満)であれば、室外コントローラ(101)は、本制御を終了し、そのままメインの制御フロー(図示せず)に戻す。出口圧力(SP)が目標圧力(5MPa以上6MPa未満)でない場合、ステップST6へ移行する。
ステップST6では、室外コントローラ(101)は、出口圧力(SP)が5MPa未満であるかを判定する。出口圧力(SP)が5MPa未満である場合、ステップST7へ移行する。出口圧力(SP)が5MPa未満でない場合、ステップST9へ移行する。
ステップST7では、室外コントローラ(101)は、第2室外膨張弁(18)が所定の開度以上であるかを判定する。この所定の開度とは、例えば480pls(全開)である。第2室外膨張弁(18)が全開である場合、ステップST5に移行する。ステップST5では、室外コントローラ(101)は、出口圧力(SP)が目標圧力(5MPa以上6MPa未満)にあるか再び判定する。実際には、ステップST4にて第2室外膨張弁(18)の開度は240plsに設定されている。そのため、第2室外膨張弁(18)の開度は480plsより小さいので、ステップST8に移行する。
ステップST8では、室外コントローラ(101)は、第2室外膨張弁(18)の開度を現在の開度から大きくする。具体的に、室外コントローラ(101)は、第2室外膨張弁(18)の
開度を現在の開度から2pls相当分大きくする。その後、ステップST5に移行する。ステップST5では、室外コントローラ(101)は、出口圧力(SP)が目標圧力(5MPa以上6MPa未満)にあるかを再び判定する。
ステップST9では、出口圧力(SP)が、6MPa以上の状態である。室外コントローラ(101)は、第2室外膨張弁(18)の開度が所定の開度より小さいかを判定する。この所定の開度とは、例えば100plsである。第2室外膨張弁(18)の開度が、100pls未満であれば、ステップST10に移行する。第2室外膨張弁(18)の開度が100pls以上であれば、ステップST11に移行する。
ステップST11では、室外コントローラ(101)は、第2室外膨張弁(18)の開度を現在の開度から小さくする。具体的に、室外コントローラ(101)は、第2室外膨張弁(18)の開度を現在の開度から2pls相当分小さくする。その後、ステップST5に移行する。ステップST5では、室外コントローラ(101)は、出口圧力(SP)が目標圧力(5MPa以上6MPa未満)にあるかを再び判定する。
ステップST10では、室外コントローラ(101)は、に第2圧縮機(22)の運転がOFFである旨の信号を冷設コントローラ(103)に送信する。この信号を受信した冷設コントローラ(103)は、冷設ユニット(60)の運転を停止させる。その後、第1圧縮機(21)の起動制御(A)に移行する。
第1圧縮機(21)の起動制御(A)について図10を用いて説明する。室外コントローラ(101)は、第1圧縮機(21)の起動制御を開始する。室外コントローラ(101)は、ステップST21において第2室外膨張弁(18)の開度を所定の開度に設定する。この所定の開度は、例えば100plsである。
ステップST22では、室外コントローラ(101)は、液冷媒圧力(RP)が冷設ユニット(60)の設計圧力(6MPa)より大きいかを判定する。液冷媒圧力(RP)が設計圧力(6MPa)より大きい場合、ステップST23に移行する。液冷媒圧力(RP)が設計圧力(6MPa)以下であれば、液冷媒圧力(RP)は十分低下しているので、室外コントローラ(101)は、第1圧縮機(21)の起動制御(A)を終了し、そのままメインの制御フロー(図示せず)に戻す。
ステップST23では、気液分離器(15)内の圧力が高いため、室外コントローラ(101)は、第1圧縮機(21)を運転する。気液分離器(15)のガス冷媒は、第1圧縮機(21)に吸入される。このことにより、気液分離器(15)の圧力が低下して、室外コントローラ(101)は、本制御を終了する。その後、室外コントローラ(101)は、メインの制御フロー(図示せず)に戻す。
−実施形態1の効果−
本実施形態は、圧縮部(C)及び放熱器(13)を含む熱源回路(11)を備え、利用ユニット(60)と接続されて、冷媒を二酸化炭素とする冷媒回路(6)を構成し、既設の配管または既設の利用ユニットに接続可能な熱源ユニットである。具体的に、前記利用ユニット(60)へ流出する冷媒の圧力を検知する圧力センサ(48)と、前記利用ユニット(60)へ流出する冷媒を減圧する少なくとも1つの減圧機構(14,18)と、前記圧力センサ(48)で検知される圧力が、第1圧力より低くなるように前記減圧機構(14,18)を制御する制御部(コントローラ(100))とを備える。
この構成では、室外コントローラ(101)は、圧力センサ(48)で検知される圧力が第1圧力より低くなるように減圧機構(14,18)の開度を制御する。これにより、利用ユニット(冷設ユニット(60))へ流出する冷媒の圧力を減圧できる。圧力センサ(48)により、減圧機構(14,18)により減された冷媒の圧力を検知できる。このことにより、例えば、冷設ユニット(60)へ供給できる最大圧力を第1圧力としたとき、室外コントローラ(101)は、減圧機構(14,18)の開度を制御して、第1圧力より低い圧力の冷媒を冷設ユニット(60)に流入させることができる。その結果、既設の冷設ユニット(60)及び該冷設ユニット(60)に接続される既設配管を再利用できる。また、既設の冷設ユニット(60)及び既設配管の破損を抑制できる。
本実施形態では、前記第1圧力以下の圧力が設定される設定部(113)を備え、前記第1圧力は、前記利用ユニット(60)の設計圧力である。
この構成では、設定部(113)には、設計圧力以下の圧力が設定されるため、設計圧力以上の冷媒が冷設ユニット(60)に流入することを抑制できる。各種の冷設ユニット(60)の設計圧力に応じた圧力を第1圧力として設定できるため、多様な利用ユニットを接続できる。
本実施形態では、前記少なくとも1つの減圧機構(14,18)は、第1減圧機構(第1室外膨張弁(14))と第2減圧機構(第2室外膨張弁(18))とを含む。前記第1減圧機構(第1室外膨張弁(14))は、気液分離器(15)の上流に設けられる。前記第2減圧機構(第2室外膨張弁(18))は、前記気液分離器(15)の下流の液冷媒が流れる液管に接続される。前記制御部(100)は、前記気液分離器(15)に流入する圧力が、前記第1圧力より高い第2圧力よりも低くなるように前記第1減圧機構(14)(第1室外膨張弁)を制御する。前記制御部(100)は、前記第1減圧機構(14)により減圧された冷媒の圧力を、さらに前記第1圧力より低くなるように前記第2減圧機構(18)(第2室外膨張弁)を制御する。
この構成では、室外コントローラ(101)は、第1室外膨張弁(14)と第2室外膨張弁(18)とにより冷媒を2段階に減圧できる。具体的に、室外コントローラ(101)は、第1減圧機構(14)を制御して、冷媒を気体と液体とに分離可能な第2圧力にまで減圧させる。このことにより、冷媒は、気液分離器(15)に流入できる。さらに、室外コントローラ(101)は、第2減圧機構(18)を制御して、気液分離器(15)から流出した冷媒を第1圧力より低く減圧する。このことにより、第1圧力を利用ユニット(60)の設計圧力とした場合、該設計圧力以上の冷媒が利用ユニットに流入することを抑制できる。
加えて、第2減圧機構(18)を、熱源回路(11)の出口側である室外第8管(o8)に設けることにより、冷設ユニット(60)側に高圧冷媒が流入し、冷設膨張弁(63)に液冷媒が一気に流れ込むような衝撃が加わることを抑制できる。その結果、冷設膨張弁(63)の作動不良及び冷媒漏れを抑制できる。さらに、既設の冷設ユニット(60)、及び既設の熱源ユニット(10)の連絡配管の少なくとも一方を再利用できる。さらに、既設の冷設ユニット(60)、及び既設の熱源ユニット(10)の連絡配管の少なくとも一方の破損も抑制できる。
加えて、減圧機構(14,18)は、第1室外膨張弁(14)と第2室外膨張弁(18)とを有する。そのため、減圧機構が1つの膨張弁のみである場合と比べて、各膨張弁(14,18)において冷媒の減圧量は少なくて済む。このことにより、減圧機構の大型化を抑えることができる。さらに、減圧機構が1つの膨張弁のみの場合と比べて、差圧を確保できる。このことにより、冷媒回路(6)の冷媒を循環させるために必要な冷媒の圧力を確保できる。
本実施形態では、前記第2圧力は、冷媒の臨界圧力である。
この構成では、冷媒を第1室外膨張弁(14)により臨界圧力より低い圧力の冷媒を気液分離器(15)に流入させることができる。
本実施形態では、前記圧縮要素(C)は、高段側の第1圧縮部(21)と低段側の第2圧縮部(22,23)とを備え、前記熱源回路(11)は、前記第1減圧機構(14,18)により減圧された冷媒を前記第1圧縮部(21)と前記第2圧縮部(22,23)との間に供給する中間インジェクション回路(49)を備える。
この構成では、第1減圧機構(14)により減圧された冷媒を高段側の第1圧縮部(21)と低段側の第2圧縮部(22,23)との間である中間圧力部(21a)に導入できる。このことにより、第1減圧機構(14)により減圧された冷媒を利用して、第1圧縮部(21)に吸入される冷媒の温度を下げることができる。その結果、第1圧縮部(21)における冷媒の圧縮効率を高めることができる。
本実施形態では、前記中間インジェクション回路(49)は、前記気液分離器(15)に接続される第1配管(37)を備える。前記第1配管(37)(ガス抜き管)は、前記気液分離器(15)内のガス冷媒が前記気液分離器(15)から、前記第1圧縮部(21)と第2圧縮部(22,23)との間の流路に流入するように構成される。
この構成では、ガス抜き管(37)により気液分離器(15)と中間圧力部(21a)とは連通する。このことにより、気液分離器(15)内の圧力が高くなったとき、気液分離器(15)内のガス冷媒を中間圧力部(21a)に流入させることができる。このことにより、気液分離器(15)内の圧力を下げることができる。また、気液分離器(15)内の圧力を下げることにより、気液分離器(15)内に冷媒が流入しやすくなる。さらに、冷媒が高圧になることによる気液分離器(15)の破損を抑制することもできる。
本実施形態では、前記熱源回路(11)は、前記気液分離器(15)と前記第2減圧機構(18)との間に冷却熱交換器(16)(過冷却熱交換器)を備える。前記冷却熱交換器(16)は、前記熱源回路(11)の液冷媒が流れる液管の途中に接続される第1流路(16a)と、前記第1流路(16a)を流れる冷媒を冷却する冷媒が流れる第2流路(16b)とを備える。前記中間インジェクション回路(49)は、前記第2流路(16b)を含む。
この構成では、過冷却熱交換器(16)において第1流路(16a)を流入する冷媒を冷却した第2流路(16b)の冷媒が中間圧力部(21a)に流入する。このことにより、過冷却熱交換器(16)を用いて、中間インジェクションを可能にする。
本実施形態では、前記制御部(100)は、前記第2減圧機構(18)(第2室外膨張弁)を流出した冷媒が液状態となるように前記冷却熱交換器(16)の冷却能力を制御する。
この構成では、室外コントローラ(101)は、第2室外膨張弁(18)を流出した冷媒が液状態となるように減圧弁(40)を制御する。このことにより、冷設熱交換器(64)の入口と出口との間の冷媒のエンタルピー差を大きくできる。その結果、冷設ユニット(60)の冷却能力を大きくできる。
加えて、冷設ユニット(60)に供給される冷媒のガス化を抑えることができる。その結果、冷設ユニット(60)の冷設膨張弁(63)から冷設熱交換器(64)へ流れる冷媒が偏流することを抑制でき、ひいては冷設熱交換器(64)における冷媒の蒸発能力の低下を抑制できる。
本実施形態では、前記利用ユニット(60)と通信可能な通信部(112)をさらに備え、前記設定部(113)は、前記利用ユニット(60)から前記通信部(112)が受信した所定の情報に基づいて、前記第1圧力より低い圧力を設定する。
この構成では、通信部(112)は、冷設ユニット(60)の識別情報を受信する。識別情報は、各種の冷設ユニット(60)の型式、または各冷設ユニット(60)に付される個体番号などを表す情報である。識別情報に基づいて、第1圧力(設計圧力)より低い圧力が設定部(113)に設定される。このことにより、設定部(113)に第1圧力を自動入力できる。その結果、設定部(113)に作業者が入力する手間が省くことができ、ひいては、誤った圧力の値が入力されることを抑制できる。
本実施形態では、前記第1圧力より低い圧力を前記設定部(113)に手動入力可能な入力部(114)を有する。
この構成では、設計圧力が記憶された利用ユニット(50,60)でなくても、例えば作業者が利用ユニット(50,60)の設計圧力より低い圧力を設定部(113)に入力できる。通信部(112)を使用できない場合において、確実に目標圧力を入力できる。
《実施形態2》
実施形態2について説明する。実施形態2の冷凍装置(1)は、実施形態1の冷凍装置(1)において、コントローラ(100)が行う第2室外膨張弁(18)の制御を変更したものである。ここでは、本実施形態の冷凍装置(1)について、実施形態1の冷凍装置(1)と異なる点を説明する。
本実施形態のコントローラ(100)は、各種の式により算出された第2室外膨張弁(18)の出側の冷媒圧力の予測値に基づいて、第2室外膨張弁(18)を制御する。本実施形態の第2室外膨張弁(18)の制御では、出口圧力センサ(48)は使用されない。
本実施形態の第2室外膨張弁(18)の制御について、図11を参照しながら説明する。上記実施形態1と同様に、冷設ユニット(60)の第1圧力(設計圧力)は6MPaとする。第1圧力より低い圧力(目標圧力)は、5MPa以上6MPa未満とする。冷房/冷設運転を行っている状態(図6の状態)を基準に説明する。
熱源ユニット(10)が既設の連絡配管(2,3,4,5)に接続された後、通信部(112)は、冷設ユニット(60)から設計圧力(6MPa)を受信する。設定部(113)は、この設計圧力(6MPa)を基に、目標圧力(5MPa以上6MPa未満)を設定する。
室外コントローラ(101)は、冷設ユニット(60)が運転を開始するか否かの判定を行う。具体的に、室外コントローラ(101)が、冷設コントローラ(103)から冷設ユニット(60)の運転要求を受信すると、ステップST32に移行する。
ステップST32では、室外コントローラ(101)は、液冷媒圧力(RP)が所定の圧力より高いか否かの判定を行う。この所定の圧力は、例えば、冷媒が二酸化炭素である場合、冷媒が気体と液体とに分離可能な圧力(7MPa)である。液冷媒圧力(RP)が所定の圧力(7MPa)より高い場合、ステップST33に移行する。液冷媒圧力(RP)が所定の圧力(7MPa)以下である場合、ステップST34に移行する。
ステップST33では、第2圧力が所定の圧力(7MPa)よりも高いので、室外コントローラ(101)は、ガス抜き弁(39)を開放させる。このことにより、気液分離器(15)の液冷媒圧力(RP)は低下する。気液分離器(15)内のガス冷媒は、ガス抜き管(37)を流通し、中間圧力部(21a)に導入される。
ステップST34では、室外コントローラ(101)は、第2室外膨張弁(18)は所定の開度に調整する。この所定の開度は、例えば、240plsである。
ステップST35では、室外コントローラ(101)は、第2圧縮機(22)に吸入される冷媒状態(冷媒流量、第1低圧冷媒の圧力(LP1)、第2圧縮機(22)の吸入側の冷媒温度)から冷媒密度(ρ)を算出する。
ステップST36では、室外コントローラ(101)は、第2圧縮機(22)の回転数より、第2圧縮機(22)の冷媒循環量(G1)が算出する。具体的に、冷媒循環量(G1)=圧縮機押しのけ量(V)×冷媒密度(ρ)×圧縮機体積効率(ηv)×回転数(n1)/3600/106により表わされる。
ステップST37では、室外コントローラ(101)は、必要とする減圧量(ΔP)を算出する。具体的に、減圧量(ΔP)=液冷媒圧力(RP)−(6MPa+α)により表わされる。ここでαは任意の数字である。
ステップST38では、室外コントローラ(101)は、必要とする第2室外膨張弁(18)のCv値を算出する。Cv値は、第2室外膨張弁(18)を全開にしたとき、単位時間あたりに通過する冷媒流量を示す。具体的に、Cv値=冷媒循環量(G1)×(係数/冷媒密度(ρ)/減圧量(ΔP))0.5×103により表わされる。Cv値は、要するに、第2室外膨張弁(18)における冷媒の流れやすさを示す指標である。
ステップST39では、室外コントローラ(101)は、第2室外膨張弁(18)の現在の開度を示すplsからCv値が算出される。この時のCv値をCv1とする。
ステップST40では、室外コントローラ(101)は、Cv値からCv1を引いた値が−0.2以上かつ0.2以下であるか否かを判定する。Cv値からCv1を引いた値が−0.2以上かつ0.2以下であるである場合、室外コントローラ(101)は、出口圧力(SP)が目標圧力であると推定し、本制御を終了する。室外コントローラ(101)は、そのままメインの制御フロー(図示せず)に戻す。Cv値からCv1を引いた値が−0.2以上かつ0.2以下でない場合、ステップST41に移行させる。
以上、ステップST35〜ST40では、室外コントローラ(101)は、Cv値とCv1を算出し、以下のステップにおいて第2室外膨張弁(18)の開度を設定する。
ステップST41では、室外コントローラ(101)は、Cv値からCv1を引いた値が−0.2未満であるか否かを判定する。Cv値からCv1を引いた値が−0.2未満である場合、室外コントローラ(101)は、出口圧力(SP)が目標圧力であると推定しない。この場合、ステップST42に移行する。
ステップST42では、室外コントローラ(101)は、第2室外膨張弁(18)の開度を現在の開度から小さくする。具体的に、室外コントローラ(101)は、第2室外膨張弁(18)の開度を現在の開度からさらに2pls相当分小さくする。その後、ステップST35に移行する。ステップST35では、室外コントローラ(101)は、出口圧力(SP)を再び算出する。
ステップST41において、Cv値からCv1を引いた値が−0.2未満でない場合、室外コントローラ(101)は、Cv値からCv1を引いた値は0.2より大きいと判定する。この場合、ステップST43に移行する。
ステップST43では、室外コントローラ(101)は、第2室外膨張弁(18)の開度を現在の開度から大きくする。具体的に、室外コントローラ(101)は、第2室外膨張弁(18)の開度を現在の開度からさらに2pls相当分大きくする。その後、ステップST35に移行する。ステップST35では、室外コントローラ(101)は、出口圧力(SP)を再び算出する。
本実施形態でも第2室外膨張弁(18)の開度を適切に調整し、既設の配管の破損を抑制可能になる。
《実施形態3》
実施形態3の冷凍装置(1)は、実施形態1の冷凍装置(1)において、熱源ユニット(10)とコントローラ(100)を変更したものである。ここでは、本実施形態の冷凍装置(1)について、実施形態1の冷凍装置(1)と異なる点を説明する。
〈熱源ユニットの圧縮要素〉
図12に示すように、本実施形態の圧縮要素(C)は、第2バイパス管(24b)と、第3バイパス管(24c)とを備える。第2バイパス管(24b)は、第2圧縮機(22)をバイパスして冷媒を流すための配管である。第2バイパス管(24b)は、一端が第2吸入管 (22a)に接続し、他端が第2吐出管 (22b)に接続する。第3バイパス管(24c)は、第3圧縮機(23)をバイパスして冷媒を流すための配管である。第3バイパス管(24c)は、一端が第3吸入管(23a)に接続し、他端が第3吐出管(23b)に接続する。
第2バイパス管(24b)には、第8逆止弁(CV8)が設けられる。第3バイパス管(24c)には、第9逆止弁(CV9)が設けられる。これらの逆止弁(CV8,CV9)は、図12に示す矢印方向の冷媒の流れを許容し、この矢印と反対方向の冷媒の流れを禁止する。
〈熱源ユニットの室外回路〉
図12に示すように、本実施形態の冷凍装置(1)では、熱源ユニット(10)の室外回路(11)に接続配管(83)と補助弁(19)とが設けられる。
接続配管(83)の一端は、室外第8管(o8)における第2室外膨張弁(18)よりも第2液連絡配管(4)側の部分に接続される。本実施形態の接続配管(83)の一端は、室外第8管(o8)における出口圧力センサ(48)よりも第2液連絡配管(4)側の部分に接続する。なお、接続配管(83)の一端は、室外第8管(o8)における第2室外膨張弁(18)と出口圧力センサ(48)の間に接続してもよい。
接続配管(83)の他端は、室外回路(11)の低圧ガス管(20)に接続される。低圧ガス管(20)は、室外回路(11)において第2吸入管 (22a)を第2ガス連絡配管(5)に接続する配管である。
補助弁(19)は、接続配管(83)に設けられる。補助弁(19)は、開度可変の調節弁である。本実施形態の補助弁(19)は、弁体を駆動するパルスモータを備えた電子膨張弁である。
〈コントローラ〉
本実施形態のコントローラ(100)では、室外コントローラ(101)が補助弁(19)の制御を行う。また、本実施形態の室外コントローラ(101)が行う第2室外膨張弁(18)の制御は、実施形態1の室外コントローラ(101)が行う制御と異なる。
−室外コントローラの制御動作−
室外コントローラ(101)が行う第2室外膨張弁(18)と補助弁(19)の制御について説明する。
室外コントローラ(101)は、冷設ユニット(60)の冷設回路(61)の冷媒圧力を、冷設回路(61)が許容できる冷媒圧力以下に保つために、第2室外膨張弁(18)及び補助弁(19)を制御する。冷設回路(61)が許容できる冷媒圧力が、冷設ユニット(60)の設計圧力Puである。本実施形態の冷設ユニット(60)の設計圧力Puは、6MPaである(Pu=6MPa)。なお、室外コントローラ(101)の制御動作の説明に示す圧力の値は、単なる一例である。
ここで、冷設ユニット(60)が作動状態である場合、出口圧力センサ(48)の計測値は、冷設回路(61)の入り口における冷媒の圧力よりも若干高くなる。第2液連絡配管(4)を流れる間に、冷媒の圧力が次第に低下するからである。一方、本実施形態の液圧コントローラ(85)は、以下で説明するように、出口圧力センサ(48)の計測値である出口圧力SPが冷設ユニット(60)の設計圧力Puよりも低くなるように、第2室外膨張弁(18)及び補助弁(19)の開度を制御する。従って、液圧コントローラ(85)が第2室外膨張弁(18)及び補助弁(19)を制御することによって、冷設ユニット(60)の冷設回路(61)へ流入する冷媒の圧力は、冷設ユニット(60)の設計圧力Pu未満に保たれる。
〈第2室外膨張弁の制御〉
室外コントローラ(101)が第2室外膨張弁(18)の開度を制御する動作について、図13のフロー図を参照しながら説明する。室外コントローラ(101)は、図13のフロー図に示す制御動作を、所定の時間(例えば、30秒)毎に繰り返し行う。
ステップST51の処理において、室外コントローラ(101)は、出口圧力センサ(48)の計測値である出口圧力SPを読み込み、この出口圧力SPを第1基準圧力PL1と比較する。第1基準圧力PL1は、冷設ユニット(60)の設計圧力Puよりも低い(PL1<Pu)。本実施形態の第1基準圧力PL1は、4.5MPaである。
ステップST51の処理において、出口圧力SPが第1基準圧力PL1以下である場合(SP≦PL1)、室外コントローラ(101)は、ステップST52の処理を行う。一方、出口圧力SPが第1基準圧力PL1を上回る場合(SP>PL1)、室外コントローラ(101)は、ステップST53の処理を行う。
ステップST52の処理において、室外コントローラ(101)は、第2室外膨張弁(18)を全開状態にする。つまり、ステップST52の処理において、室外コントローラ(101)は、第2室外膨張弁(18)の開度を最大値に設定する。
ステップST53の処理において、室外コントローラ(101)は、出口圧力SPを第2基準圧力PL2と比較する。第2基準圧力PL2は、冷設ユニット(60)の設計圧力Puよりも低く、第1基準圧力PL1よりも高い(PL1<PL2<Pu)。本実施形態の第2基準圧力PL2は、5.2MPaである。
ステップST53の処理において、出口圧力SPが第2基準圧力PL2以上である場合(PL2≦SP)、室外コントローラ(101)は、ステップST54の処理を行う。一方、出口圧力SPが第2基準圧力PL2を下回る場合(SP<PL2)、室外コントローラ(101)は、ステップST55の処理を行う。
ステップST54の処理において、室外コントローラ(101)は、第2室外膨張弁(18)を全閉状態にする。つまり、ステップST54の処理において、室外コントローラ(101)は、第2室外膨張弁(18)の開度を実質的にゼロに設定する。
ステップST55の処理において、室外コントローラ(101)は、第2室外膨張弁(18)の開度を出口圧力SPに応じて調節する。具体的に、室外コントローラ(101)は、出口圧力SPが第3基準圧力PL3となるように第2室外膨張弁(18)の開度を調節するPID制御を行う。第3基準圧力PL3は、第1基準圧力PL1よりも高く、第2基準圧力PL2よりも低い(PL1<PL3<PL2)。本実施形態の第3基準圧力PL3は、4.8MPaである。なお、室外コントローラ(101)は、PID制御以外の制御方式を用いて第2室外膨張弁(18)の開度を調節してもよい。
上記の説明の通り、室外コントローラ(101)は、出口圧力SPが第2基準圧力PL2以下となるように、第2室外膨張弁(18)の開度を調節する。その結果、第2液連絡配管(4)を通じて熱源ユニット(10)から作動状態の冷設ユニット(60)へ供給される冷媒の圧力は、冷設ユニット(60)の設計圧力Puよりも低い圧力に保たれる。
〈補助弁の制御〉
室外コントローラ(101)が補助弁(19)の開度を制御する動作について、図14を参照しながら説明する。
室外コントローラ(101)は、出口圧力センサ(48)の計測値である出口圧力SPを、所定の時間(例えば、1秒)毎に読み込む。そして、室外コントローラ(101)は、補助弁(19)の開度を、出口圧力SPに応じた開度に設定する。
出口圧力SPが第4基準圧力PL4よりも低い場合(SP<PL4)、室外コントローラ(101)は、補助弁(19)を全閉状態にする。言い換えると、この場合、室外コントローラ(101)は、補助弁(19)の開度を実質的にゼロに設定する。第4基準圧力PL4は、第2基準圧力PL2よりも高く、設計圧力Puよりも低い(PL2<PL4<Pu)。本実施形態の第4基準圧力PL4は、5.4MPaである。
出口圧力SPが第5基準圧力PL5以上の場合(PL5<SP)、室外コントローラ(101)は、補助弁(19)を全開状態にする。言い換えると、この場合、室外コントローラ(101)は、補助弁(19)の開度を最大値に設定する。第5基準圧力PL5は、第4基準圧力PL4よりも高く、設計圧力Puよりも低い(PL4<PL5<Pu)。本実施形態の第5基準圧力PL5は、5.8MPaである。
出口圧力SPが第4基準圧力PL4以上で且つ第5基準圧力PL5以下の場合(PL4≦SP≦PL5)、室外コントローラ(101)は、補助弁(19)の開度を、出口圧力SPに比例した値に設定する。
具体的に、室外コントローラ(101)は、補助弁(19)の開度を、出口圧力SPと第4基準圧力PL4の差(SP−PL4)に比例した値に設定する。また、室外コントローラ(101)は、補助弁(19)の開度を、出口圧力SPが第4基準圧力PL4と等しい(SP=PL4)ときに実質的にゼロにする一方、出口圧力SPが第5基準圧力PL5と等しい(SP=PL5)ときに最大にする。
上述したように、出口圧力SPが第2基準圧力PL2以上である場合(PL2≦SP)、室外コントローラ(101)は、第2室外膨張弁(18)を全閉状態にする。一方、第4基準圧力PL4は、第2基準圧力PL2よりも高い(PL2<PL4)。従って、室外コントローラ(101)は、第2室外膨張弁(18)を閉じても出口圧力SPが第2基準圧力PL2よりも高いときに、補助弁(19)を開く。
−第2液連絡配管と冷設ユニットの冷設膨張弁に作用する冷媒圧力−
冷設ユニット(60)が作動状態である場合、室外コントローラ(101)は、出口圧力センサ(48)の計測値である出口圧力SPが第2基準圧力PL2以下となるように、第2室外膨張弁(18)の開度を調節する。従って、冷設ユニット(60)が作動状態である場合、冷設膨張弁(63)に作用する冷媒圧力は、冷設ユニット(60)の設計圧力Puよりも低い圧力に保たれる。
一方、庫内空気の温度が設定温度範囲に入ると、冷設コントローラ(103)は、冷設膨張弁(63)を閉じ、冷設ユニット(60)を作動状態から冷却休止状態に切り換える。冷設膨張弁(63)が閉じると、第2液連絡配管(4)の冷媒圧力が上昇し、その結果、出口圧力センサ(48)の計測値である出口圧力SPが上昇する。そして、出口圧力SPが第2基準圧力PL2以上にまで上昇すると、室外コントローラ(101)が第2室外膨張弁(18)を閉じる。なお、冷凍装置(1)に複数台の冷設ユニット(60)が設けられている場合は、全ての冷設ユニット(60)が冷却休止状態になると、出口圧力SPが上昇する。
このように、冷設ユニット(60)が冷却休止状態になると、冷設ユニット(60)の冷設膨張弁(63)と熱源ユニット(10)の第2室外膨張弁(18)とが閉状態になる。この状態では、冷媒回路(6)のうち冷設膨張弁(63)と第2室外膨張弁(18)の間の部分に、冷媒が閉じ込められる。そして、第2液連絡配管(4)の周囲の気温が比較的高い場合は、冷媒回路(6)のうち冷設膨張弁(63)と第2室外膨張弁(18)の間の部分に閉じ込められた冷媒の圧力が上昇する。そのため、何の対策も講じなければ、冷設膨張弁(63)に作用する冷媒圧力が冷設ユニット(60)の設計圧力Puを上回るおそれがある。
これに対し、本実施形態の中間ユニット(80)では、室外コントローラ(101)が補助弁(19)の開度を制御する。具体的に、室外コントローラ(101)は、出口圧力SPが第4基準圧力PL4を上回ると、補助弁(19)を開く。補助弁(19)が開くと、第2液連絡配管(4)に存在する冷媒の一部が、接続配管(83)を通って低圧ガス管(20)へと流出し、その結果、第2液連絡配管(4)の冷媒圧力が低下する。
このように、本実施形態の冷凍装置(1)では、冷設ユニット(60)が冷却休止状態になった場合でも、冷設ユニット(60)の冷設膨張弁(63)に作用する冷媒圧力が、冷設ユニット(60)の設計圧力Puよりも低い圧力に保たれる。
ここで、補助弁(19)が開くのは、原則として、冷設ユニット(60)が冷却休止状態になって第2圧縮機(22)が停止しているときである。そして、第1圧縮機(21)及び第3圧縮機(23)が作動中に補助弁(19)が開くと、第2液連絡配管(4)に存在する冷媒は、第1圧縮機(21)によって吸引される。具体的に、第2液連絡配管(4)に存在する冷媒は、低圧ガス管(20)と第2バイパス管(24b)を順に通過し、その後に第3圧縮機(23)から吐出された冷媒と合流し、続いて中間冷却器(17)を通過した後に第1圧縮機(21)へ吸い込まれる。
なお、全ての圧縮機(21,22,23)が停止している状態において、室外コントローラ(101)が補助弁(19)を開く場合もある。その場合は、第1圧縮機(21)を起動させ、第2液連絡配管(4)に存在する冷媒を第1圧縮機(21)に吸引させてもよい。その場合、第2液連絡配管(4)に存在する冷媒は、中間冷却器(17)を通過する間に実質的にガス単相状態となってから第1圧縮機(21)に吸い込まれる。
−実施形態3の効果−
本実施形態の熱源ユニット(10)は、接続配管(83)と、補助弁(19)とを備える。接続配管(83)は、第2室外膨張弁(18)が設けられた室外第8管(o8)における第2室外膨張弁(18)の下流側の部分を、冷設ユニット(60)から圧縮要素(C)へ向けて冷媒が流れる低圧ガス管(20)に接続する。補助弁(19)は、接続配管(83)に設けられる。
ここで、冷設ユニット(60)に設けられた冷設膨張弁(63)と第2室外膨張弁(18)の両方が閉じた状態では、熱源ユニット(10)を冷設ユニット(60)に接続する第2液連絡配管(4)に冷媒が封じ込められた状態となる。第2液連絡配管(4)の周囲の気温が高いときにこの状態に陥ると、第2液連絡配管(4)の内圧が上昇し、第2液連絡配管(4)と冷設ユニット(60)が破損するおそれがある。
一方、本実施形態の熱源ユニット(10)では、室外第8管(o8)と低圧ガス管(20)を繋ぐ接続配管(83)に補助弁(19)が設けられる。補助弁(19)が開いた状態では、熱源ユニット(10)を冷設ユニット(60)に接続する第2液連絡配管(4)が、接続配管(83)を介して低圧ガス管(20)と連通する。そのため、冷設ユニット(60)の冷設膨張弁(63)と熱源ユニット(10)の第2室外膨張弁(18)との両方が閉じた状態において、第2液連絡配管(4)の内圧の過度な上昇が抑えられ、その結果、第2液連絡配管(4)を構成する既設の配管の破損と、既設の冷設ユニット(60)の破損とを回避できる。
−実施形態3の変形例1−
本実施形態の熱源ユニット(10)において、補助弁(19)は、全閉状態と全開状態に選択的に切り換わる開閉弁であってもよい。本変形例の補助弁(19)は、弁体を駆動するソレノイドを備えた電磁弁である。
図15に示すように、本変形例の室外コントローラ(101)は、補助弁(19)が全閉状態であるときに出口圧力センサ(48)の計測値である出口圧力SPが第5基準圧力PL5に達すると(SP=PL5になると)、補助弁(19)を全閉状態から全開状態に切り換える。また、本変形例の室外コントローラ(101)は、補助弁(19)が全開状態であるときに出口圧力SPが第4基準圧力PL4に達すると(SP=PL4になると)、補助弁(19)を全開状態から全閉状態に切り換える。なお、第4基準圧力PL4及び第5基準圧力PL5の値は、補助弁(19)が開度可変の調節弁である場合と同じである。
−実施形態3の変形例2−
本実施形態の液圧コントローラ(85)において、第4基準圧力PL4は、第2基準圧力PL2よりも若干低い値に設定されていてもよい。(PL4<PL2)。その場合でも、第4基準圧力PL4は、第1基準圧力PL1よりも高い値に設定される(PL1<PL4)。本変形例の中間ユニット(80)では、第2室外膨張弁(18)が全閉状態になる前に補助弁(19)が開き始めることがあり得る。
《実施形態4》
本実施形態の冷凍装置(1)は、実施形態3の熱源ユニット(10)の構成を変更したものである。ここでは、本実施形態の熱源ユニット(10)について、実施形態3の熱源ユニット(10)と異なる点を説明する。
図16に示すように、本実施形態の熱源ユニット(10)は、主熱源ユニット(10a)と中間ユニット(80)とを備える。
主熱源ユニット(10a)は、図12に示す実施形態3の熱源ユニット(10)から、第2室外膨張弁(18)、出口圧力センサ(48)、接続配管(83)、及び補助弁(19)を省略したものである。主熱源ユニット(10a)は、室外に設置され、第2液連絡配管(4)及び第2ガス連絡配管(5)によって冷設ユニット(60)と接続される。本実施形態の室外コントローラ(101)は、第2室外膨張弁(18)、及び補助弁(19)の制御を行わない。
本実施形態の熱源ユニット(10)において、第2室外膨張弁(18)、出口圧力センサ(48)、接続配管(83)、及び補助弁(19)は、中間ユニット(80)に設けられる。中間ユニット(80)は、主熱源ユニット(10a)とは別体に形成されたユニットである。図示しないが、中間ユニット(80)は、その構成部品を収容するケーシングを備える。
中間ユニット(80)は、第2液連絡配管(4)及び第2ガス連絡配管(5)に接続される。従って、本実施形態の冷媒回路(6)では、主熱源ユニット(10a)と冷設ユニット(60)の間に中間ユニット(80)が設けられる。中間ユニット(80)は、屋内に設置される。
中間ユニット(80)は、液側配管(81)とガス側配管(82)とを更に備える。液側配管(81)は、第2液連絡配管(4)の途中に設けられる。液側配管(81)は、第2液連絡配管(4)を介して、冷設ユニット(60)の冷設回路(61)と、室外回路(11)の室外第8管(o8)とに接続する。この液側配管(81)は、気液分離器(15)の下流に位置して液冷媒が流れる液管である。ガス側配管(82)は、第2ガス連絡配管(5)の途中に設けられる。ガス側配管(82)は、第2ガス連絡配管(5)を介して、冷設ユニット(60)の冷設回路(61)と、室外回路(11)の低圧ガス管(20)とに接続する。
本実施形態の熱源ユニット(10)において、第2室外膨張弁(18)及び出口圧力センサ(48)は、液側配管(81)に設けられる。実施形態3の室外回路(11)と同様に、出口圧力センサ(48)は、第2室外膨張弁(18)よりも冷設ユニット(60)側に配置される。
本実施形態の熱源ユニット(10)において、接続配管(83)は、一端が液側配管(81)に接続し、他端がガス側配管(82)に接続する。接続配管(83)の一端は、液側配管(81)のうち第2室外膨張弁(18)よりも冷設ユニット(60)側の部分に接続する。本実施形態の接続配管(83)の一端は、液側配管(81)のうち出口圧力センサ(48)よりも冷設ユニット(60)側の部分に接続する。なお、接続配管(83)の一端は、液側配管(81)のうち第2室外膨張弁(18)と出口圧力センサ(48)の間の部分に接続してもよい。
本実施形態の熱源ユニット(10)において、補助弁(19)は、実施形態3の熱源ユニット(10)と同様に、接続配管(83)に設けられる。
本実施形態の中間ユニット(80)は、液圧コントローラ(85)を備える。液圧コントローラ(85)は、室外コントローラ(101)、室内コントローラ(102)、及び冷設コントローラ(103)と共に、コントローラ(100)を構成する。
図17に示すように、液圧コントローラ(85)は、制御基板上に搭載されたマイクロコンピュータと、該マイクロコンピュータを動作させるためのソフトウエアを格納するメモリデバイス(具体的には半導体メモリ)とを含む。液圧コントローラ(85)は、第2室外膨張弁(18)、補助弁(19)、及び出口圧力センサ(48)と、通信線を介して電気的に接続される。
液圧コントローラ(85)は、出口圧力センサ(48)の計測値である出口圧力SPに基づいて、第2室外膨張弁(18)と補助弁(19)の制御を行う。液圧コントローラ(85)が行う第2室外膨張弁(18)及び補助弁(19)の制御は、実施形態3の室外コントローラ(101)が行う第2室外膨張弁(18)及び補助弁(19)の制御と同じである。
−実施形態4の特徴−
本実施形態の中間ユニット(80)は、屋内に配置される。このため、外気温が高い夏期において、液連絡配管(4)のうち中間ユニット(80)と冷設ユニット(60)の間の部分の周囲の気温は、屋外よりも低くなる。そのため、冷設ユニット(60)の冷設膨張弁(63)と中間ユニット(80)の第2室外膨張弁(18)の両方が閉じた状態において、液連絡配管(4)のうち中間ユニット(80)と冷設ユニット(60)の間の部分の内圧の上昇が抑えられる。
また、中間ユニット(80)は、冷設ユニット(60)と同じ室内空間に配置される場合がある。通常、冷設ユニット(60)は、空調ユニット(50)によって空気調和が行われる室内空間に設置される。例えば夏期に外気温が比較的高くなったときでも、中間ユニット(80)及び冷設ユニット(60)が設置された室内空間の気温は、屋外の気温よりも低い。そのため、中間ユニット(80)を屋内に設置すれば、冷設ユニット(60)の冷設膨張弁(63)と中間ユニット(80)の第2室外膨張弁(18)の両方が閉じた状態において、液連絡配管(4)のうち中間ユニット(80)と冷設ユニット(60)の間の部分の内圧の上昇が抑えられる。
−実施形態4の変形例1−
上記実施形態の中間ユニット(80)は、圧力入力部(86)を備えていてもよい。圧力入力部(86)は、作業者が冷設ユニット(60)の設計圧力Puに関する情報を入力するために操作する部材である。圧力入力部(86)としては、ディップスイッチや、数字を入力するためのテンキーが例示される。
図18に示すように、本変形例の中間ユニット(80)において、圧力入力部(86)は、液圧コントローラ(85)に通信線等を介して電気的に接続される。圧力入力部(86)に入力された情報は、液圧コントローラ(85)に送信され、液圧コントローラ(85)のメモリデバイスに記録される。圧力入力部(86)に入力される情報は、冷設ユニット(60)の設計圧力Puの値であってもよいし、この設計圧力Puに対応した番号などの記号であってもよい。
本変形例の液圧コントローラ(85)は、圧力入力部(86)に入力された情報に基づいて基準圧力PL1〜PL5を設定し、設定した基準圧力PL1〜PL5を用いて第2室外膨張弁(18)及び補助弁(19)の開度を制御する。
−実施形態4の変形例2−
上記実施形態の中間ユニット(80)では、液圧コントローラ(85)が省略されていてもよい。その場合は、熱源ユニット(10)の室外コントローラ(101)が、出口圧力センサ(48)の計測値に基づいて、第2室外膨張弁(18)及び補助弁(19)の開度を制御する。その場合に熱源ユニット(10)が行う制御動作は、上記実施形態の液圧コントローラ(85)が行う制御動作と同じである。
《その他の実施形態》
上記実施形態においては、以下のような構成としてもよい。
実施形態1〜4の熱源ユニット(10)において、利用ユニット(50,60)は、冷設ユニット(60)のみであってよい。換言すると、冷凍装置(1)は、一台の熱源ユニット(10)と一台の冷設ユニット(60)とが接続された冷凍装置であってもよい。
実施形態1〜2の熱源ユニット(10)において、第2室外膨張弁(18)及び出口圧力センサ(48)は熱源ユニット(10)と別ユニットとしてもよい。
実施形態1〜4の熱源ユニット(10)において、既設の冷設ユニット(60)は1つに限られない。複数の既設の冷設ユニットに接続できる熱源ユニット(10)であってもよい。
実施形態1〜4の熱源ユニット(10)において、既設の利用ユニット(50,60)は、空調ユニット(50)であってもよいし、空調ユニット(50)及び冷設ユニット(60)であってもよい。
実施形態1〜2の熱源ユニット(10)において、減圧機構(14,18)は、第1室外膨張弁(14)のみであってもよい。室外コントローラ(101)は、第1室外膨張弁(14)によって、出口圧力センサ(48)で検出される圧力が第1圧力よりも小さくなるように制御してもよい。
実施形態1〜2の熱源ユニット(10)において、室外コントローラ(101)は、設定部(113)及び入力部(114)のいずれか一方を備えていなくてもよい。
実施形態1〜4の熱源ユニット(10)において、室外コントローラ(101)以外のコントローラ(例えば、室内コントローラ(102)、及び冷設コントローラ(103)の少なくとも一方)が、冷媒回路(6)の構成機器を制御してもよい。
実施形態1〜4の熱源ユニット(10)において、室内熱交換器(54)は、空気と冷媒とを熱交換させる空気熱交換器でなくてもよい。室内熱交換器(54)は、例えば冷媒によって水やブラインを加熱する加熱熱交換器であってもよい。
実施形態1〜4の熱源ユニット(10)において、冷設熱交換器(64)は、空気と冷媒とを熱交換させる空気熱交換器でなくてもよい。冷設熱交換器(64)は、例えば冷媒によって水やブラインを冷却する冷却熱交換器であってもよい。
以上、実施形態及び変形例を説明したが、特許請求の範囲の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。また、以上の実施形態及び変形例は、本開示の対象の機能を損なわない限り、適宜組み合わせたり、置換したりしてもよい。以上に述べた「第1」、「第2」、「第3」…という記載は、これらの記載が付与された語句を区別するために用いられており、その語句の数や順序までも限定するものではない。