JP6834794B2 - 画像形成装置および画像形成装置の制御方法 - Google Patents

画像形成装置および画像形成装置の制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、画像形成装置および画像形成装置の制御方法に関する。
接触転写方式の転写手段を備えた複写機、ファクシミリ、プリンタ、これらの複合機等の電子写真方式の画像形成装置においては、温度に応じて転写電圧や転写電流等の条件を制御する技術が公知である。
具体的には、高温多湿環境(例えば温度30℃湿度85%以上)で用紙にトナーを定着させるためには、転写電流値を高く設定することが知られている。
このとき、定電流制御を行うと転写バイアスが上昇し、高圧電源の出力異常が発生するおそれがある。
かかる高圧電源の出力異常は、例えば温度30℃湿度85%以上の高温多湿環境下において転写バイアスをかけた場合に、用紙を介してレジストローラのアース部から電流が漏れる等の理由によって生じることが知られている。
特に、転写手段用として廉価な高圧電源(HVP)を用いる構成では、最大電圧が低く抑えられており、出力異常に伴う動作停止や、予期しない動作を行う懸念が生じていた。
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、使用環境に応じて継続して画像を形成することのできる画像形成装置の提供を目的とする。
上述した課題を解決するため、本発明の画像形成装置は、画像が形成される像担持体と、前記像担持体との間に転写部を形成する転写手段と、前記転写部で画像を転写対象物に転写するために前記転写手段に対して転写電圧を印加する電圧印加手段と、前記転写電圧の大きさの異常を検知する異常検出手段と、環境温度及び環境湿度のうち少なくとも一方を含む環境情報を検知する環境情報検出手段と、前記環境情報検出手段によって検知された前記環境情報が所定値以上であることを条件として、前記異常検出手段によって異常が検出されたか否かにかかわらず前記転写電圧の印加を継続するように、前記電圧印加手段を制御する制御手段と、を有する。
本発明の画像形成装置によれば、環境情報が所定値以上の場合に、異常検出手段によって異常が検出されたか否かにかかわらず転写電圧の印加を継続するので、使用環境に応じて継続して画像が形成される。
本発明の実施形態に係る画像形成装置の全体構成の一例を示す図である。 図1に示したプリンタエンジンの構成例を示す図である。 本発明の実施形態に係る制御部の構成の一例を示す図である。 制御部の動作フロー図の従来例である。 図3に示した制御部の動作フローの一例を示す図である。 図3に示したCPUと高圧発生装置の構成の一例を示す図である。 図3に示した高圧発生装置の制御動作の一例を示す図である。 図6に示したCPUと高圧発生装置の構成の一例を示す図である。 図5に示した動作フローの変形例を示す図である。 図5に示した動作フローの変形例を示す図である。 第2の実施形態における電源・制御系の主な構成例を示す図である。 図11に示した構成の制御部の動作フローの一例を示す図である。 トナー付着量低減制御の動作例を示す図である。 第3の実施形態における動作フローの一例を示す図である。 第3の実施形態における変形例3に係る動作フロー図である。 ユーザ選択による用紙の種別の方法を示す図である。
本発明の実施の形態を説明する。
本発明は、高温高湿時に電圧検知異常を検知したことを条件として電圧検知制御を禁止し、高圧電源出力異常を回避することでマシンダウンをせずに継続して使えるようにする画像形成装置である。
本発明の実施形態について、以下に図面を参照して詳細に説明する。各実施形態等に亘り、同一の機能および形状等を有する構成要素(部材や構成部品)等については、混同の虞がない限り同一符号を付して説明を適宜省略する。
図1は、本発明の実施形態となる画像形成装置の一例としての複写機を示す縦断正面図である。
複写機1は、上部側に配置されたスキャナ装置2と、このスキャナ装置2で読み取った原稿の画像を、後述する転写対象物としての記録媒体(例えば、用紙)に形成するプリンタ装置3とを有している。
プリンタ装置3は、シート状記録媒体の一例としての用紙を積層保持するとともに収容し、プリンタエンジン6に向けて供給する給紙手段たる給紙トレイ4と、電子写真方式によって用紙上にトナー像を形成するための画像形成部たるプリンタエンジン6と、を有している。
プリンタ装置3はまた、プリンタエンジン6に備えられた像担持体たる感光体10と、感光体10に向かってレーザー光Lを照射して感光体10を感光させるための光書き込み装置12と、プリンタエンジン6によって形成されたトナー像を用紙上に画像として定着させるための定着装置7とを有している。
プリンタ装置3内には、用紙を積層保持する給紙トレイ4あるいは手差しでの用紙を受付ける手差しトレイ5からプリンタエンジン6、定着装置7を介して排紙スタッカ部8へ至る用紙搬送路9が形成されている。なお、以下の説明においては、記録媒体の供給について「給紙」、記録媒体の外部への排出について「排紙」との文言を用いているが、記録媒体は紙に限定されるものではなく、シート状の記録媒体であれば良い。
図2は、図1に示したプリンタエンジン6のドラム状の感光体10周りの構成を抽出して示す拡大正面図である。
像担持体の一例としての感光体10の周りには、電子写真プロセスにしたがい、帯電ローラ11、図1に示した光書き込み装置12が照射するレーザ光Lの照射露光位置P、現像装置13、接触転写方式の転写手段となる転写ローラ14、クリーニングブレード15等が順に配置されている。転写ローラ14には、図3に示して後述するように転写ローラ14に対して転写電圧を印加する電源である電圧印加手段としての高圧発生回路20が取り付けられている。
現像装置13は、現像スリーブ16、トナー濃度センサ17等を備える。
また、プリンタエンジン6は、感光体10上に形成されたトナー像のトナー濃度を検出するためのセンサとして、いわゆる光反射型フォトセンサであるPセンサ18を有している。
プリンタエンジン6は、転写位置への用紙の給紙搬送タイミングを制御するレジストローラ19a,bを有している。レジストローラ19a,bは、一対のローラであり、ゴムローラで用紙を搬送するローラ19aと、ローラ19aに対向するSUS等の金属製ローラ19bとで構成されている。なお、レジストローラ19bの電位はアースに落ちている。
このような構成において、基本的には、帯電ローラ11により感光体10表面に一様な電荷を供給することで、感光体10表面が一定電位に一様に帯電する。
帯電済みの感光体10表面に光書き込み装置12からのレーザによる書き込みレーザ光Lを照射すると静電潜像が形成され、かかる静電潜像に応じて現像装置13を通過する際に感光体10上にトナー像が形成される。
給紙トレイ4等から給紙され、レジスローラ19a,bにより感光体10に送り込まれた用紙は、転写部を通過する際に、転写ローラ14による転写作用を受けることにより、感光体10上のトナー像が用紙上へ転写される。転写されたトナー像は、定着装置7において用紙上へ溶融・定着される。
このような画像形成装置において採用される接触転写方式について説明する。
この方式では、転写ローラ14が接触転写方式の転写手段としての機能を有している。
転写ローラ14は後述する電圧印加手段によって電圧が印加され、感光体10と用紙との間に生じる電位差によって感光体10上に形成されたトナー像が用紙へと転写される。一般に、転写ローラ14の抵抗値は常温常湿環境(例えば23℃50%Rh)、DC500V印加で10〜10Ωである。
一般的に低温低湿環境では抵抗値は高く、高温高湿環境では抵抗値は低くなる傾向がある。この抵抗値変動は通紙される際の用紙についても同様の傾向を持つ。
定電流制御を行っている転写装置においては、通紙時に流れる電流値を一定にするように転写ローラ14に印加する転写バイアスを調整することが望ましいが、転写バイアスの大きさは環境によって大きく異なることが知られている。
既に述べたように、レジストローラ19a,bの電位はアースに落ちているから、用紙の抵抗値の減少により、転写ローラ14から用紙を通じてレジストローラ19bへと流出する電流が存在する。したがって、高温高湿環境においては、転写バイアスの維持に必要な転写電流が上昇することがわかっている。
さて、かかる転写の基本特性として、用紙の裏面すなわち画像が形成されない側の面にトナーと逆電荷を与えることにより、感光体10上のトナー像を電気的に用紙表面に引き寄せる働きを持たせる必要がある。
転写電流を一定にするのは、このトナー像を引き寄せるのに必要十分な電荷量を環境によらず用紙裏面に与えるためである。電流不足になるとトナー像を十分に引き付けることができず、いわゆる転写不足の印刷画像になる。また、電流が大きすぎる場合には、転写ニップ部およびその近傍において強い電位差から生じる放電現象が発生し、その結果、トナーの極性が反転したり、潜像や転写後の画像が乱れたりする等の異常を引き起こすことがある。また、用紙のサイズが異なる場合には、転写ローラ14と感光体10とが直接接する部分で電流が流れやすくなることから、トナー像を引き寄せるために必要な電荷を用紙裏面に与えるための電流量を大きく取る必要がある。
このようなことを考慮すると、一般に、用紙サイズに応じた転写電流の適正値を決定する必要がある。また、かかる転写電流の適正値は、温度と湿度とによる抵抗値変動によって変化する。
一方、電子写真方式の画像形成装置の中には、画像形成装置内に温湿度センサを持ち、その値に応じて転写条件を変化させ得るものも存在するが、当然それに伴うコストアップは避けることができない。
温湿度センサを持たない装置においては、環境の変動や特に両面印刷における第二面での抵抗上昇も考慮しつつ、温湿度変化があっても異常を発生しない転写条件とする必要がある。
(第1の実施形態)
上述した構成を前提に、図3を参照して第1の実施形態の制御構成について説明する。
図3は、温湿度センサを備えた複写機1において、転写ローラに対する電源・制御系の主な構成例を示すブロック図である。
複写機1には、既に述べたように、転写ローラ14に対して転写電圧を印加する電源である電圧印加手段としての高圧発生回路20が設けられている。
複写機1にはまた、転写ローラ14に対して定電流制御方式で転写電圧を印加する動作を制御するためにCPC回路等を含み、後述する異常検出処理などを行う制御手段としてのCPU21等を含む制御部90が設けられている。
また、複写機1には、操作パネル23が設けられている。
操作パネル23には、使用者に複写機1の設定された情報を報知するための報知手段23aと、テンキーを含む各種キー、ボタン等の選択手段23bとが設けられている。
報知手段23aは、例えば液晶パネル等の画像表示部や、ブザー等の音発生手段であり、使用者に対して後述する環境情報を報知する。
また選択手段23bは、例えば制御部90の各種設定を変更するための選択手段であり、使用者の意図に従って後述する設定条件等の変更操作を行う。
また、複写機1は、環境情報検出手段である温湿度センサ22を有している。
温湿度センサ22は、使用環境における環境温度あるいは環境湿度の少なくとも一方を含む情報を、環境情報として検出する。本実施形態においては、環境温度あるいは環境湿度が転写手段による転写の際に大きく影響するから、環境情報として環境温度あるいは環境温度のうち少なくとも一方を含むとしているが、かかる構成に限定されるものではなく、その他の情報を含んでも良い。
図3に示すように、CPU21には、温湿度センサ22と、操作パネル23と、高圧発生回路20と、が電気的に接続されている。
なお、制御手段としてのCPU21等を含む制御部90は、更に具体的には次の制御構成を具備していてもよい。すなわち、制御部90は、演算手段および制御手段の機能を有するCPU21と、RAMと、ROMと、計時手段としてのタイマとから構成されるマイクロコンピュータを具備して構成されている。上記RAMは、CPU21の演算結果や種々のデータを一時的に記憶する。また、ROMに限らず、EPROMやEEPROMなどの不揮発性メモリを有していてもよい。
また、本実施形態では、環境情報検出手段として温湿度センサ22を設けているが、温度センサ単体、もしくは湿度センサ単体でもかまわない。
図4を参照して従来の高圧電源出力異常の際の制御動作の例を説明する。なお、制御部90等の構成は、第1の実施形態における複写機1の構成に準じるものとする。
図4に示すように、制御部90は、高圧発生回路20に規定の転写電流を出力させておき(ステップS1)、転写バイアスが所定電圧未満かどうか、逆に表現すれば、転写バイアスが所定電圧以上であるかどうかをt1秒間の時間間隔ごとに判断する(ステップS2)。このとき、転写バイアスが所定電圧を上回った場合には、かかる所定電圧以上の電圧であることを検知した回数が、所定回数連続して検知されたかどうかを判断する(ステップS3)。ステップS3において、所定回数連続して検知していると判断すれば(ステップS3でYes)、高圧電源出力異常として、高圧発生回路20からの高圧出力を停止し、画像形成動作を停止させ(マシンダウン)、操作パネル23上にサービスマンコールを報知・サービスマンコールを点灯させる(ステップS4)。
転写バイアスが所定電圧未満のときは(ステップS2でYes)、転写動作を実行し(ステップS5)、転写動作を終了する(ステップS6)。
なお、ステップS3でNoのとき、すなわち、転写バイアスが所定電圧以上であったとしてもt1秒間の時間間隔ごとに所定回数連続して検知していないときにはステップS1に戻り、規定の転写電流を出力させる。また、ステップS6でNoのときであって、転写動作を終了していないときにはステップS1に戻り、規定の転写電流を出力させる。
さて、既に述べたように、一般的に低温低湿環境では抵抗値は高く、高温高湿環境では抵抗値は低くなる傾向がある。この抵抗値変動は通紙される際の用紙についても同様の傾向を持つ。
定電流制御を行っている転写装置においては、通紙時に流れる電流値を一定にするように転写ローラ14に印加する転写バイアスを調整することが望ましいが、既に述べたように、高温高湿環境下においては、用紙を介してリークする電流成分が上昇してしまうことにより、定電流制御における印加すべき電圧が上昇しやすい。
すなわち、かかる従来例において、高圧発生回路20の出力する転写バイアスは、環境温度や環境湿度によって変動する。具体的には、高温高湿環境においては抵抗値が下がるので定電流制御を行う際には転写バイアスは常温常湿環境時に比べて高圧電源出力異常が生じやすくなるものと推測される。
そこで、本実施形態では、次に述べるように、環境温度と環境湿度のうち、少なくとも一方を含む環境情報を取得することで、高温高湿環境時においてかかる高圧電源出力異常の異常検知処理を制限することにより、マシンダウンを行うことなく、使用環境に応じて継続して画像が形成される。
しかしながら、単に異常検知処理を制限するだけでは、高圧発生回路20に何らかの不調が生じたときに、正常に動作しているかどうかの確認ができなくなる問題が生じる。
また、かりに異常検知処理をしないように、転写バイアスを低下させたり、印加時間を減少させたりする制御方法では、画質への影響が避けられない。
そこで、本実施形態では、特に高温発生回路20に負荷のかかりやすい高温高湿環境の場合においてのみ、高圧電源出力異常の異常検知処理を制限する。
図5を参照して実施形態1の動作を図4に示した通常制御動作と相違する点を中心に説明する。
まず、図4の動作と同様に、制御部90は、高圧発生回路20に規定の転写電流を出力させる(ステップS11)。
温湿度センサ22は、ステップS12において、環境温度を検知し、検知温度が所定温度T1以上かどうかを判断する。
ステップS12において、検知温度が所定温度T1以上かどうか、逆に表現すれば、検知温度が所定温度T1未満のとき(ステップS12でNoのとき)はステップS13に進む。ステップS13以降においては、図4のステップS2からステップS4に示したと同様の動作が行われる。すなわち、転写バイアスが所定電圧以上であるかどうかをt1秒間の時間間隔ごとに判断し(ステップS13)、次いで所定回数連続して検知したかどうかを判断する(ステップS14)。所定回数連続して検知していると判断すれば(ステップS14でYes)、高圧電源出力異常として、高圧発生回路20からの高圧出力を停止し、画像形成動作を停止させ(マシンダウン)、操作パネル23上にサービスマンコールを点灯させる(ステップS15)。
一方、検知温度が所定温度T1以上のとき(ステップS12でYes)は、電圧検知制御を禁止し(マスクをかける)、高圧電源出力異常の検知を禁止し(ステップS16)、高圧電源出力異常を回避する。さらに、制御部90は転写ローラ14を制御して転写動作を実行し(ステップS17)、転写動作を終了する(ステップS18)。
このように、高圧電源出力異常の検知を禁止することによって、高温高湿時に異常検出手段によって異常が検出されたか否かにかかわらず転写電圧の印加を継続するので、使用環境に応じて継続して画像が形成される。
また、転写バイアスが所定電圧未満のとき(ステップS13でYes)も、制御部90は転写ローラ14を制御して転写動作を実行し(ステップS17)、転写動作を終了する(ステップS18)。かかる構成により、所定温度T1以上の高温時にマシンダウンせずに使用することができる。なお、ステップS16に記載されている「高圧電源出力異常検知禁止」は、説明では「異常検出処理を禁止」ともいう(後述する各動作フロー図の説明でも同じ)。
なお、検知温度が所定温度T1未満になった場合には、制御部90は、通常制御で使用可能なため、図4で示したような従来の制御方式に戻し、電圧検知制御の禁止を解除する。 例えば、冷房が入った場合は徐々に環境温度が下がり、検知温度が所定温度未満になることもあるので、そのような場合は通常制御に戻す。
温湿度センサ22の検知温度が所定温度T1未満になった場合は、廉価な高圧電源でも高圧電源出力異常は出ないので通常制御に戻し、異常画像が出ないようにすることが望ましい。すなわち、稀にある高温高湿でマシンダウンをせず使えるとともに、所定温度未満になったときに制御を切り替えて通常動作させ得る。
図6〜図8を参照して実施形態1の電源・制御系の構成をより詳細に補説する。図6は、図3に示した実施形態1の電源・制御系の一部をより詳細に説明するブロック図である。図7は、図6の電源・制御系の構成を補足する図である。図8は、実施形態1の電圧印加手段である転写電源としての高圧発生回路の構成の一例を示すブロック図である。
画像形成を行うとき、図6に示すように、CPU21から高圧発生回路20へPWM信号(制御信号)が送られる。高圧発生回路20は、PWM信号に基づく電流を転写ローラ14へと出力する。これにより、転写ローラ14には所定の電流値に制御された転写バイアスが印加される。
図8に示すように、制御部90は、CPU21と、高圧発生回路20とを備える。高圧発生回路20は、トナー転写用の電源であり、出力制御部211と、駆動部212と、トランス213と、出力検知部214とを、出力異常検出部270とを有する。
CPU21は、高圧発生回路20の出力が正常に行われているかどうかを判定するための判定部21aを有している。
出力制御部211には、CPU21から、転写電圧の出力の大きさを制御するPWM信号(制御信号)が入力される。PWM信号(制御信号)は、設定電流値に応じた信号である。また、出力検知部214からは、出力検知部214により検知されたトランス213の出力値が入力される。そして出力制御部211は、入力されたPWM信号のデューティ比およびトランス213の出力値に基づき、トランス213の出力値がPWM信号で指示された出力値となるように、駆動部212を介してトランス213の駆動を制御する。
高圧発生回路20の出力異常検出部270は、図6、図7に示すように、t1秒間の間隔ごとに転写バイアスが所定電圧(V0)以上かどうかを判断する。所定電圧(V0)以上であった場合は、CPU21内の判定部21aへ異常検出信号であるSC信号を送る。
判定部21aは、転写バイアスが所定電圧(V0)であることを所定回数連続して検知したかどうかを判断する。CPU21は、所定回数連続して検知したと判断したとき、高圧発生回路20からの高圧出力(すなわち転写ローラ14への転写バイアスの出力)を停止し、画像形成動作を停止させ、操作パネル23上にサービスマンコールを点灯させる(図5のステップS15参照)。
本実施形態1では、CPU21および高圧発生回路20は、トナーの転写率を一定に保つために定電流制御を行うが、定電圧制御を行ってもよい。定電流制御の場合、出力制御部211は、トランス213の電流値がPWM信号で指示された電流値(すなわち設定電流値)となるように、駆動部212を介してトランス213の駆動を制御する。定電圧制御の場合、出力制御部211は、トランス213の電圧値がPWM信号で指示された電圧値(すなわち設定電圧値)となるように、駆動部212を介してトランス213の駆動を制御する。
駆動部212は、出力制御部211からの制御に従って、トランス213を駆動する。
トランス213は、駆動部212により駆動され、正極性の直流の高電圧出力(DCバイアス出力)を行う。
出力検知部214は、トランス213の直流の高電圧出力の出力値を定期的に検知し、出力制御部211に出力する。
出力異常検出部270は、高圧発生回路20(転写電源)の出力ライン上に配置されており、電圧値が所定電圧V0以上となったとき、SC信号(異常検出信号)をCPU21に出力する。これにより、CPU21による高圧発生回路20からの高圧出力を停止するための制御が可能となる。
第1の実施形態においては、所定電圧V0は、高圧発生回路のトランス213が出力可能な電圧の最大値(最大電圧)、すなわち5kVに設定している。別の形態として、V0を最大電圧よりも少しだけ小さな値、例えば4.8kVなどに設定してもよい。
CPU21は、判定部21aを有する。判定部21aは、出力異常検出部270からのSC信号(異常検出信号)を所定回数連続して検知したかどうかを判断する。CPU21は、判定部21aが所定回数連続してSC信号を検知したとき、高圧発生回路20からの高圧出力(すなわち転写ローラ14への転写バイアスの出力)を停止し、画像形成動作を停止させ、操作パネル23上に上記したようにサービスマンコールを点灯させる。
本実施形態1においては、CPU21の判定部21aおよび出力異常検出部270は、転写電圧の大きさの異常を検知する異常検出手段として機能する。
図8において、CPU21は、以下(1)および(2)のように高圧発生回路20を制御する。
(1)温湿度センサ22によって検知された検知温度が所定温度未満の場合には、異常検出手段によって異常が検出されたことを条件として(すなわち、SC信号を所定回数連続して検知した場合に)転写電圧の印加、すなわち高圧発生回路20からの高圧出力を停止するように、高圧発生回路20を制御する。
(2)温湿度センサ22によって検知された検知温度が所定温度以上の場合には、異常検出手段によって異常が検出されたか否かにかかわらず(すなわち、SC信号を所定回数連続して検知したか否かにかかわらず)転写電圧の印加、すなわち高圧発生回路20からの高圧出力を継続するように、高圧発生回路20を制御する。すなわち、検知温度が所定温度以上のときは、CPU21は、CPU21の判定部21aおよび出力異常検出部270による異常検出処理を禁止する。
これにより、検知温度が所定温度以上のときは、異常検出によるマシンダウンが頻繁に起きることを防止でき、ユーザは画像形成を継続して行うことができる。また、検知温度が所定温度未満のときは、出力異常によって異常画像が発生することを未然に防止できる。
なお、別の形態として、(2)において、温湿度センサ22によって検知された検知温度が所定温度以上のとき、CPU21は、判定部21aによるSC信号の受信動作を停止させてもよい。
以上説明したように、本実施形態によれば、廉価品の高圧電源を使用しても、所定温度以上の高温高湿環境(例えば30℃以上あるいは80%以上のどちらかを超えた場合)では高圧電源の出力異常検知を禁止し、マシンダウンを回避する。かかる構成により、ユーザは画像形成装置を継続して使用することができ、画像のプリントを継続して行うことができる。
(変形例1)
廉価品の高圧電源では、出力電圧の上限値(すなわち最大電圧)が低い。そのため、そのまま使用すると高圧電源出力異常が発生するが、第1の実施形態では、ステップS16に示したようにマスクをかけて発生しないようにしている。しかし、本来の狙いの電圧より低いところで使うことになるので、画質が低下する虞がある。そこで、報知手段23aを用いてユーザに通知する。
報知手段23aには例えば、温湿度センサ22によって環境温度が所定温度以上であることを検知した旨の通知メッセージや、高温高湿環境で使用されているために画質が低下する虞がある旨の通知メッセージを表示すれば良い。
報知手段23aは、所定温度未満になった場合は、既に述べたように通常の処理に戻すとともに通知メッセージを取り消すことが望ましい。高圧電源の出力異常検知を禁止して本来の狙いの電圧より低いところで使うことは、文字だけの画像では問題は発生しないが、ハーフトーン画像の多い場合は異常画像発生の原因となる虞があるからである。
なお、ここでは報知手段23aによって通知メッセージを表示するとしたが、その他操作パネル23の何れかに表示あるいは音を鳴らす等の手段によってユーザに報知する構成であっても良い。
上述の内容を踏まえた第1の実施形態の変形例1について、図9を参照して説明する。図9は、変形例1の動作フローである。変形例1の動作は、ステップS21から始まる。
図9の動作フローは、図5に示した第1の実施形態の動作フローと比較して、ステップS26から、ステップS28へ進む間に、操作パネル23に画質が落ちることをユーザに通知するステップS27が入る点で相違する。
すなわち変形例1においても、温湿度センサ22で所定温度T1以上を検知した(ステップS22でYes)ことを条件として、第1の実施形態と同様に電圧検知制御を禁止するとともに高圧電源出力異常の検知を禁止し(ステップS26)、高圧電源出力異常を回避する。
次いで、ステップS27に進み、複写機1が備える操作パネル23に画質が落ちることを報知し(例えば、「このまま通紙した場合は、画質が落ちる可能性があります」の表示メッセージを表示し)、ユーザに通知する。
かかる構成により、仮に高圧電源出力異常の検知を禁止したことで本来の狙いの電圧より低い転写バイアスとなったときにも、画像形成よりも前にユーザに報知して、画質低下を未然に防ぐことができる。
(変形例2)
第1の実施形態に示した構成によれば、所定温度以上であっても高圧電源出力異常によるマシンダウンが生じないため、マシンとしては使える状態になるが、画質が落ちてしまう虞がある。
従って、ユーザがかかる画質の低下を懸念するときは、環境温度あるいは環境湿度が所定の温度あるいは湿度未満になるまで待つか、すぐ使えることを優先するかをユーザに選択してもらうことが望ましい。
すなわち、操作パネル23を用いて、ユーザが印刷を継続するか否かを選択することが望ましい。
そこで本変形例2においては、ユーザの目的に合わせて使用状況を選択できるようにするため、環境温度に応じて報知手段23aに通知する内容を表示したときには、操作パネル23の操作により、ユーザが選択できるようにしている。すなわち、操作パネル23は、かかる構成において『画質が低下する旨を報知した後、印刷するか否かを選択する選択手段』としての機能を有している。
かかる構成により、急いでいるユーザに対してはすぐに使えることを通知し、また、画質を優先したいユーザに対して知らせることで印刷前に画質状態を知らせることができる。
上述の内容を踏まえ、図10を参照して変形例2について説明する。図10は、変形例2に係る動作フローである。変形例2の動作は、ステップS31から始まる。
図10の動作フローは、図9に示した変形例1の動作フローと比較して、ステップS37からステップS39へ進む間に、印刷動作(転写動作)の実行を選択したかどうかのステップS38が入る点で相違する。
例えば、ステップS37において、「このまま通紙した場合は、画質が落ちる可能性があります。操作パネル23のキー操作をして印刷を実行するかどうかを選択してください。」のような表示を報知手段23aが表示する。
ユーザは、かかる表示を見て印刷続行(再度印刷する)か、画質が安定するまで待つか(温度が所定温度T1未満になるまで待つ)の選択を、操作パネル23を介して行う。
なお、上述した第1の実施形態や変形例1,2では、温湿度センサ22の検出温度が所定温度以上の場合、高圧電源出力異常を見ないようにしているが、下記のような問題点(イ)、(ロ)が生じる虞がある。
(イ):仮に高圧発生回路20が故障していた場合、転写ローラ14に転写バイアスがかからなくなり、画像が薄くなる異常画像が発生する。なお、このときの発煙、発火などのリスクはない。
(ロ):温湿度が高いことで転写バイアスが用紙を介してレジスト部から転写電流がリークし、最大電圧が掛かり続けている場合、最大電圧が掛かり続けていても高圧電源としては問題がない(最大電圧を超えることはないので問題が無く、異常時はヒューズが働く)。
以上のように、高圧電源出力異常を検出しないようにした場合であっても、発煙、発火のリスクはない。
以上の第1の実施形態、変形例1,2では、転写バイアスが定電流制御される画像形成装置について説明したが、転写バイアスが定電圧制御される画像形成装置にも本発明は適用可能である。
(実施形態2)
第1の実施形態においては、例えば温湿度が32℃80%の高温高湿環境で転写電流が用紙を介してレジストローラ19a,bを介してリークする虞があり、マシンダウンにならないように、異常検出処理を禁止するように制御している。
しかしながら、高温高湿環境(第1の実施形態においては所定温度T1以上)で転写電流が大きすぎる場合には、転写ニップ部およびその近傍において強い電位差により放電現象が発生し、その結果、トナーの極性が反転したり、潜像や転写後の画像が乱れたりする等の異常画像を引き起こすことがあった。
そこで、第2の実施形態では、廉価な高圧電源(HVP)を使用した場合でも、転写電圧の異常検出処理を禁止したときに、環境温度を検知する温度検出手段を用いて、電流制御を変更することでかかる異常画像の発生を抑制することを目的とする。
図11を参照して第2の実施形態の制御構成について説明する。図11は、温湿度センサ22を備えた画像形成装置において、転写ローラ14に対する電源・制御系の主な構成例を示すブロック図である。
図11に示すように、第2の実施形態の制御構成は、図3、図6〜図8に示した第1の実施形態の制御構成と比較して、電流設定部24がCPU21に電気的に接続されている点が相違する。なお、第2の実施形態において、第1の実施形態と共通する構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
電流設定部24は、温湿度センサ22の検知結果に基づき設定電流値を設定する設定部としての機能を有する。電流設定部24は、後述する表1に示すような、温湿度センサ22によって検知された環境温度と設定電流値との関係を記憶したメモリを備えている。かかるメモリは、環境温度に対応する設定電流値の情報も記憶することができる記憶手段としての不揮発性メモリである。
制御手段としてのCPU21は、電流設定部24に記憶・設定されている設定電流値の情報に基づき、高圧発生回路20を制御する。また、CPU21は、図4で説明したと同様の通常制御を実行する。すなわち、図4のステップS2〜ステップS4と同様に、CPU21は転写バイアスが所定電圧以上であるかどうかをt1秒間の時間間隔ごとに判断するとともに、かかる所定電圧以上の転写バイアスを所定回数連続して検知したかどうかを判断する。
CPU21は、かかる転写バイアスの大きさの異常を所定回数連続して検知したことを条件として、高圧電源出力異常として、高圧発生回路20からの高圧出力を停止し、画像形成動作を停止させるマシンダウン操作を行う。
それと同時に、操作パネル23上にサービスマンコールを点灯させる。
図2を参照して第2の実施形態の前提となるトナー付着量調整について説明する。
なお、トナー付着量制御に関する技術としては、例えば、感光体10上に、検査パターンを設ける構成が考えられる。
かかる構成においては、感光体10に所定の検査パターンをトナー像により形成し、かかる検査パターンをPセンサ18によって検出したときの出力値の変動により、トナー付着量が適正か否かを判別する。
本実施形態においては、感光体10上にトナー像として形成された検査パターンをPセンサ18を用いて検出したときの出力をVsp、感光体10の表面であって、検査パターン以外の部分である地肌部を検出したときの出力をVsgとする。
また、トナー濃度センサ17の制御基準値をVref、検出出力をVtとする。
まず、画像形成装置の本体の電源投入(主電源オン)とともに、定着装置7による定着温度を検出する。定着温度が100℃以下のときは、光反射型フォトセンサであるPセンサ18の校正を行う。具体的には、電源電圧5Vを用いてPセンサ18を作動させ、PWM(パルス幅変調)制御によりPセンサ18の発光光量を変化させてVsg(の初期値)、すなわち、感光体10の地肌部に対するPセンサ18の検出出力を4.0Vに調節する。このときのPWM制御値は、次にPセンサ18の校正を行うときまで不揮発性メモリなどに格納しておく。
次いで、検査パターンを感光体10上に作像する検査パターンの作成方法について説明する。感光体10を駆動するメインモータ、帯電ローラ11(帯電電圧を予め設定されている所定値に切り替える)などを駆動して、感光体10上に検査パターンの潜像電位を作像する。次に、現像装置13によりこの検査パターンの静電潜像をトナーで現像する。この作像、現像により、検査パターン形成手段が実現される。
この現像された検査パターンのトナーの付着量はPセンサ18により検出され、そのときのセンサ出力がVspである。
一方、Vsgは、感光体10上の地肌部で精度のよい検出を行うため、感光体10の地肌部にトナーがほとんど付着していない領域、すなわち現像装置13が動作していないときに現像装置13を通過した感光体10の表面の現像オフ領域で検出する。
電流設定部24は、検出されたVsp、Vsgの比率により、後述する処理に基づいてトナー濃度センサ17の制御基準値Vrefを決定する。
現像装置13内のトナー濃度の検出は現像装置13の動作時にトナー濃度センサ17により、常時、現像装置13内のトナーの濃度の検出を行う。
CPU21は、トナー濃度センサ17のセンサ出力Vtと、制御基準値Vrefとの差分を求め、かかる差分を用いて現像装置13へのトナー補給量を決定し、トナー補給を行って画像濃度の制御を行う。
Vspは、検査パターンの反射光量をPセンサ18を用いて検出したセンサ出力であるため、検査パターンのトナー付着量が少ない、すなわち、現像剤中のトナー濃度が低いほど、反射光量が増えてセンサ出力は大きくなる。本実施形態においては、Vsgが4.0Vに対して、Vspが0.4V、すなわち「Vsp/Vsg=1/10」を基準値としてトナー濃度を制御するものであり、「Vsg/Vsp」が高いほどトナー濃度が低いと判断して、トナー濃度を高くするように制御基準値Vrefを変更する。かかる制御基準値Vrefの変更により、画像濃度制御手段を実現しトナー付着量を制御する。
第2の実施形態において、感光体10へのトナー付着量を調整するトナー付着量調整手段は、CPU21と、Pセンサ18と、濃度センサ17と、電流設定部24とを用いて構成されている。
第2の実施形態の動作について、実施形態1の動作と相違する点を中心に図12を参照して説明する。図12は、第2の実施形態に係る動作フロー図である。
第2の実施形態の動作は、図12のステップS41から始まる。図12に示す第2の実施形態の動作は、図5の動作と比較して、所定温度T1以上を検知したときに高圧電源出力異常検知を禁止(ステップS46)した後に、ステップS47が実行される点が相違する。ステップS47において、電流設定部24は、表1を参照して、設定電流値に従って転写電流量を決定することでトナー付着量を調整し、転写動作とトナー付着量制御とが実行される。
Figure 0006834794
温湿度センサ22で所定温度以上T1を検知したことを条件として(ステップS42)、高圧電源出力異常検知を禁止し、表1に基づく転写電流制御を行う(ステップS47)。
また、一般に32℃以上という高温環境においては、感光体10に付着したトナーを紙上へ転写し難いため、環境温度が25℃の時よりも用紙へのトナー付着量は低くなる。かかる問題を解決するためには、転写バイアスが小さい方が望ましい。そのため、本実施形態では、表1に示すように設定電流値を25℃時よりも下げたトナー付着量低減制御を行う。
すなわち、電流設定部24は、温湿度センサ22の検知結果に基づき、表1に設定されている温度と設定電流値とを照合することにより、設定電流値を設定する。また、図11において、制御手段としてのCPU21は、電流設定部24によって設定された設定電流値に基づき高圧発生回路20を制御する。
CPU21は、電流設定部24によって設定された設定電流値に対応するPWM信号を高圧発生回路20に送り、高圧発生回路20から転写ローラ14へ出力される転写電流を制御する。
トナー付着量低減制御について図13を参照して説明する。
図13に示すように、画像形成装置の主電源オン後に、検査パターンを感光体10上に作像する(ステップS51)。
そして、Pセンサ18を用いて感光体10の表面の検査パターン以外の部分(地肌部)のセンサ出力であるVsgと、感光体10の表面の検査パターンのセンサ出力であるVspとを測定する(ステップS52)。
次いで、図12のステップS46で説明したように、温湿度センサ22の検出した環境温度に基づいて、高圧電源出力異常検知を禁止する動作が実行されるか否かを判断する(ステップS53)。高圧電源出力異常検知を禁止する動作が実行されたときには、トナー付着量を下げることを目的として実際の読取値であるPセンサ18のセンサ出力(Vsp)値に係数を掛けて補正する(ステップS54)。
かかる構成により、Vsg/Vspが低くなるから、CPU21はトナー濃度が高いと判断し、トナー濃度を低くするようにVrefを高く設定することとなる。かかる処理により、トナー濃度が低くなりトナー付着量が下がる。つまり、表1に示すように25℃のときには、センサ出力値Vspにα=1.05をかけることで、α×Vspが5%高くなるように設定することで、トナー付着量を減少させる。
以上説明したとおり、第2の実施形態では、制御手段としてのCPU21は、温湿度センサ22によって検知された検知温度が所定温度以上のときのトナー付着量を、該検知温度が所定温度以上のときのトナー付着量より減らすように上記トナー付着量調整手段を制御する。
かかる構成により、第2の実施形態によれば、トナー付着量を減らすことで、所定温度T1以上の高温(例えば32℃85%以上)で発生するボソツキやトナー濃度が薄いなどの異常画像を改善することができる。
また、温湿度センサ22によって検知された環境温度が所定温度以上のときの設定電流値は、環境温度が所定温度未満のときの設定電流値と異なる。具体的には、温湿度センサ22によって検知された環境温度が所定温度T1以上のときの設定電流値は、前記環境温度が所定温度T1未満のときの設定電流値よりも低く設定される。かかる構成により、ボソツキや濃度薄いなどの異常画像を改善することができる。
以上、本実施形態では、転写バイアスが定電流制御される画像形成装置について説明したが、転写バイアスが定電圧制御される画像形成装置にも本発明は適用可能である。
すなわち、転写バイアスが定電圧制御される場合には、制御手段としてのCPU21は設定電圧値に基づき電圧印加手段を制御する。設定部は、温度検出手段としての温湿度センサ22の検知結果に基づき設定電圧値を設定する。
また同様に、温湿度センサ22によって検知された環境温度が所定温度以上のときの設定電圧値は、環境温度が所定温度未満のときの設定電圧値と異なる。具体的には、温湿度センサ22によって検知された環境温度が所定温度T1以上のときの設定電圧値は、前記環境温度が所定温度T1未満のときの設定電圧値よりも低く設定される。かかる構成により、ボソツキや濃度薄いなどの異常画像を改善することができる。
(実施形態3)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
本実施形態では、所定温度Tn(n=1、2、3・・・)から所定温度を可変にし、温湿度センサ22の検知する環境温度の他に、使用用紙の状態も含めて高圧電源出力異常が発生しないようにすることを目的とする。
具体的には、環境温度が所定温度よりも低い場合でも用紙の抵抗が低い紙を通紙した場合は、高温高湿環境と同様に用紙を介してリークし易くなるので、設定温度を可変して高圧電源出力異常が発生しないようにする。
図14を参照して第3の実施形態について説明する。図14は、第3の実施形態に係る動作フロー図である。図14の動作フローはステップS61から始まる。図14に示すように、第3の実施形態は、第1の実施形態と比較して、所定温度より低い状態で異常を検知したときに所定温度Tnを変更する点で相違する。
図14のステップS65において、高圧電源出力異常が発生した場合には、CPU21は所定温度Tn=下限値Tsであるか否かを判断する(ステップS66)。
このとき、所定温度Tn>下限値Tsであることを条件として、所定温度Tnを変更する(n=n+1)(ステップS67)。なお、このときの所定温度の変化は、徐々に下がる方向に進むよう、Tn>Tn+1となるように設定されることが望ましいが、かかる構成に限定されるものではない。
具体的には、初期値T1=30℃、刻み幅1℃で変化させるときには、ステップS67において所定温度Tnが、初期値である30℃から29℃へと変化する。
また、所定温度Tn=下限値Tsであれば所定温度Tnの所定温度の下限値以下への変更を禁止する(ステップS68)。かかる下限値Tsは、適宜設定されれば良く、例えばTs=25℃とすれば良い。
第3の実施形態の制御手段としてのCPU21は、温湿度センサ22によって検知された環境温度が所定温度より低い状態で、異常検出手段によって異常を検知したときに、所定温度を変更する機能を有する。
かかる構成により、ユーザが使用している用紙が低抵抗の場合にも、高圧電源出力異常が発生した場合に所定温度を変えることで、高圧電源出力異常の発生を抑制し、継続して画像形成装置を使うことができる。
また、本実施形態のCPU21は、変更後の所定温度を変更前より低くなるように設定する。
かかる構成により、ユーザが使用している用紙が低抵抗の場合にも、高圧電源出力異常が発生した場合に所定温度を変えることで、高圧電源出力異常の発生を抑制し、継続して画像形成装置を使うことができる。
また、本実施形態のCPU21は、変更する所定温度に下限値Tsを設定し、所定温度が下限値Tsになった場合には、所定温度の下限値以下への変更を禁止する。
かかる構成により、所定温度の下限値を設けることで、温度変更により所定温度が下がっていき高温高湿環境ではない環境温度にもかかわらず異常検出処理が禁止されることがなくなる。
(変形例3)
変形例3では、上記した第3の実施形態において、所定温度Tnの変更が連続して発生した場合に、高圧発生回路20に異常が生じた可能性が高いと判断してマシンダウンを行うことにより、本当に異常があった場合の安全性を考慮した制御を行うことを目的とする。
図15を参照して、上記した変形例3について説明する。図15は、第3の実施形態における変形例3に係る動作フロー図である。
図15の動作フローはステップS81から始まる。
本変形例3においては、第3の実施形態において述べたように、所定温度Tnから所定温度Tn+1への変更の回数を記憶する変更回数記憶手段を有している。
所定温度Tnの連続変更回数がN回(例えば3回)以上で、かつ、高圧電源出力異常を検知した場合は、マシンダウンされる(ステップS81〜ステップS84)。ここでいうマシンダウンは、画像形成装置が異常停止し、サービスマンコールが表示され、サービスマンが修理するまで使用できないことをいう。
上記したように、図15に示した変形例3では、制御手段としてのCPU21は、所定温度の変更が所定回数連続した状態で、異常検出手段で異常を検知した場合はマシンダウンとする制御機能を有する。
かかる構成により、変形例3によれば、所定温度の変更が連続変更した場合、異常の可能性が高いと判断してマシンダウンを行うので、異常が本当にあった場合の安全性を確実に確保することができる。
なお、第3の実施形態では、高圧電源出力異常が発生した場合に所定温度を変えることで、抵抗が低い用紙を使用した場合でも高圧電源出力異常を発生しないようにでき、画像形成装置を継続して使用可能にしたが、画像形成処理中に用紙が変わる場合も有り得る。
低抵抗の用紙でなくなった場合には所定温度を変更する必要がないため、一度所定温度Tnをリセットするように構成してもよい。
そのために、第3の実施形態において、複写機1は、給紙トレイ4の開閉を検知する開閉検知手段41と、給紙トレイ4内における用紙の残量を検知する残量検知手段42と、供給される用紙の種類を判別する用紙変更判定手段43と、を有している。
CPU21は、開閉検知手段41により開状態を検知し、且つ、残量検知手段42により、開状態から閉状態に移行したときに開状態以前より残量が増えたことを検知した場合に、新たな用紙が補給されたと判断して、所定温度Tnを初期値にリセットする。
かかる用紙変更判定手段80は、給紙トレイ4が抜き差しされ、且つ用紙残量が増えたことを条件として新しい用紙が補充、交換されたと判断する。
なお、本実施形態では、給紙トレイ4の開閉を検知することで、給紙トレイ4への用紙の供給についてのみ述べたが、手差しトレイ5についても同様に、用紙が補給された時点で新しい用紙に変わったと認識し所定温度Tnをリセットする構成としても良い。
さて、かかる構成において、給紙トレイ4が抜き差しされたことを検知したときに、用紙の種類が変更されたか否かは、単に用紙残量のみからでは判断が難しい。
そこで、かかる構成に加えて、新しい紙種をセットしたかを操作パネル23に表示し、新しい紙種をセットしたことをユーザが選択することで、所定温度Tnをリセットするように構成するとしても良い。このとき、用紙の種類の登録方法としては例えば図16に一例として示すように、操作パネル23に表示された紙種の中から普通紙1を選択し、更にユーザが既に設定した用紙を登録する構成としても良い。
また、本実施形態では、図1に示したように、給紙トレイ4は複数設けられており、一方の給紙トレイ4の用紙がなくなると自動で切り替わるようになっている。
このとき上段に配置された給紙トレイ4aと下段に配置された給紙トレイ4bとで同じサイズの用紙がセットされている場合(例えば両段ともA3の用紙がセットされている場合)には、通紙中にトレイが切り替わった場合に所定温度Tnをリセットするように構成する。
かかる構成により、給紙トレイ4aと給紙トレイ4bとが、同一サイズで異なる紙種の用紙を使っている場合にも、適切な所定温度を設定することができるから、使用環境に応じて継続して画像を形成することができる。
また、上記においてはCPU21が設定温度Tnをリセットする構成について説明したが、設定温度Tnをリセットするか否かを操作パネル23でユーザが事前に選択可能にするとしても良い。
かかる構成によれば、適切な所定温度を設定することができるから、使用環境に応じて継続して画像を形成することができる。
また、本実施形態では、報知手段23aは、印刷で使用している用紙の種類の登録を促す表示が可能であり、操作パネル23は、用紙の種類を登録可能である。
また、CPU21は、所定温度Tnを変更した場合に、用紙の登録を促す表示が行われるように報知手段23aを制御すると共に、操作パネル23により登録された用紙の種類を含む情報と変更された所定温度Tnとを紐付けして記憶する。
かかる構成により、特に低抵抗用紙の場合に、高温高湿環境で転写電圧が設定値以上になりサービスマンコールが発生する可能性があるものに対して用紙での検知ができるようになる。
なお、用紙の種類を登録するタイミングとしては、例えば設定温度Tnを変更した際に、登録を促す表示が報知手段23aによって行われるとすれば良い。
また、用紙交換時に登録された紙種を印刷時に選択すれば、CPU21は、前記所定温度Tnを、自動的に紐付けされた設定温度Tnに変更する。なお、本実施形態では、用紙を登録するようにしてはいるが、画像形成装置側で代表的な用紙を既に登録しておき、用紙銘柄も設定できるようにする構成としても良い。かかる構成においても、用紙を選択された場合、設定温度Tnは自動的に変更される。
以上本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明はかかる特定の実施形態や変形例等に限定されるものではなく、上述の説明で特に限定していない限り、特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。例えば、上記実施形態や変形例等に記載した技術事項を適宜組み合わせたものであってもよい。
上記の実施形態では像担持体の一例として感光体を用いたが、これに限られない。像担持体としてベルト状の感光体ベルトを用いてもよい。
また、像担持体もしくは潜像担持体から画像が転写される中間転写体(例えば、中間転写ベルト)と、中間転写体との間に2次転写部を形成する2次転写手段と、2次転写部で画像を転写対象物に2次転写するために2次転写電圧を2次転写手段に印加する電圧印加手段と、環境温度を検知する温度検出手段と、2次転写電圧の大きさの異常を検知する異常検出手段と、温度検出手段によって検知された検知温度が所定温度未満の場合に、異常検出手段によって異常が検出されたか否かにかかわらず2次転写電圧の印加を継続するように、電圧印加手段を制御する制御手段と、を備える画像形成装置のように構成してもよい。転写ローラに代えてベルト形状の転写ベルトを用いてもよい。
また、上記の各実施形態においては、紙を記録媒体たる転写対象物として用いたが、例えば転写対象物が中間転写体やその他の記憶媒体であっても良い。
本発明の実施の形態に適宜記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
1:複写機(画像形成装置の一例)
2:スキャナ装置
3:プリンタ装置
4:給紙トレイ
5:手差しトレイ
6:プリンタエンジン
7:定着装置
8:排紙スタッカ部
9:用紙搬送路
10:感光体(像担持体の一例)
11:帯電ローラ
12:光書き込み装置
13:現像装置
14:転写ローラ(転写手段、転写部材の一例)
15:クリーニングブレード
16:現像スリーブ
17:トナー濃度センサ
18:Pセンサ
19:レジストローラ
20:高圧発生回路(電圧印加手段の一例)
21:CPU(制御手段の一例)
22:温湿度センサ(温度検出手段、湿度検出手段の一例)
23:操作パネル(選択手段の一例)
23a:報知手段
31:メモリ
41:開閉検知手段
42:残量検知手段
43:用紙変更判定手段
特開2005−258287号公報 特開2003−208062号公報 特開2002−278321号公報

Claims (17)

  1. 画像が形成される像担持体と、
    前記像担持体との間に転写部を形成する転写手段と、
    前記転写部で画像を転写対象物に転写するために前記転写手段に対して転写電圧を印加する電圧印加手段と、
    前記転写電圧の大きさの異常を検知する異常検出手段と、
    環境温度及び環境湿度のうち少なくとも一方を含む環境情報を検知する環境情報検出手段と、
    前記環境情報検出手段によって検知された前記環境情報が所定値以上であることを条件として、前記異常検出手段によって異常が検出されたか否かにかかわらず前記転写電圧の印加を継続するように、前記電圧印加手段を制御する制御手段と、
    を有することを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1に記載の画像形成装置であって、
    前記制御手段は、前記環境情報が所定値未満の場合であって、前記異常検出手段によって異常が検出されたことを条件として前記転写電圧の印加を停止するように、前記電圧印加手段を制御することを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項1または2に記載の画像形成装置であって、
    前記環境情報が前記所定値以上であって、前記転写電圧の印加を継続する際に、印刷画像の画質が低下する旨を報知する報知手段を有することを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項3に記載の画像形成装置であって、
    前記画質が低下する旨を報知した後、印刷するか否かを選択する選択手段を有することを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項1乃至4の何れか1つに記載の画像形成装置において、
    前記制御手段は、設定電流値または設定電圧値に基づき前記電圧印加手段を制御するものであり、
    前記環境情報検出手段の検知する前記環境情報に基づき前記設定電流値または前記設定電圧値を設定する設定部を備え、
    前記環境情報が前記所定値以上のときの前記設定電流値または前記設定電圧値は、前記環境情報が所定値未満のときの前記設定電流値または前記設定電圧値と異なることを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項5記載の画像形成装置において、
    前記環境情報が所定値以上のときの前記設定電流値または前記設定電圧値は、当該環境情報が所定値未満のときの前記設定電流値または前記設定電圧値よりも低く設定されていることを特徴とする画像形成装置。
  7. 請求項1乃至6の何れか1つに記載の画像形成装置において、
    前記像担持体へのトナー付着量を調整するトナー付着量調整手段を備え、
    前記制御手段は、前記環境情報が所定値以上のときの前記トナー付着量を、該環境情報が所定値未満のときの前記トナー付着量より減らすように前記トナー付着量調整手段を制御することを特徴とする画像形成装置。
  8. 請求項1乃至7の何れか1つに記載の画像形成装置において、
    前記制御手段は、前記検知温度が所定温度より低い状態で前記異常検出手段によって異常を検知したときに、前記所定温度を変更することを特徴とする画像形成装置。
  9. 請求項8に記載の画像形成装置において、
    前記制御手段は、変更後の所定温度を変更前より低くなるように設定することを特徴とする画像形成装置。
  10. 請求項9記載の画像形成装置において、
    前記制御手段は、変更する前記所定温度に下限値を設定し、前記変更後の前記所定温度が前記下限値になった場合、それ以降の前記所定温度の変更を禁止することを特徴とする画像形成装置。
  11. 請求項8乃至10の何れか1つに記載の画像形成装置において、
    転写対象物を収容し前記像坦持体に向けて供給する給紙手段と、
    前記給紙手段の開閉を検知する開閉検知手段と、
    前記給紙手段内における転写対象物の残量を検知する残量検知手段とを備え、
    前記制御手段は、前記開閉検知手段により開状態を検知し、且つ、前記残量検知手段により、開状態から閉状態に移行したときに開状態以前より残量が増えたことを検知した場合に、新たな転写対象物が補給されたと判断して、上記変更後の所定温度をリセットすることを特徴とする画像形成装置。
  12. 請求項8乃至10の何れか1つに記載の画像形成装置において、
    前記給紙手段の開閉を検知する開閉検知手段を備え、
    前記制御手段は、前記開閉検知手段により開状態から閉状態に移行したことを検知したときに、前記報知手段により新しい種類の転写対象物をセットしたかを表示すると共に、前記選択手段により新しい種類の前記転写対象物がセットされた旨の操作がされた場合に、上記変更後の所定温度をリセットすることを特徴とする画像形成装置。
  13. 請求項8乃至12の何れか1つに記載の画像形成装置において、
    前記給紙手段は複数設けられ、
    一方の給紙手段における転写対象物の残量がなくなった場合に、なくなった当該転写対象物と同じサイズの転写対象物が収容された他方の給紙手段に切り替えて印刷を継続する給紙切替手段を備え、
    前記制御手段は、前記給紙切替手段により前記給紙手段が切り替えられた場合に、所定温度をリセットすることを特徴とする画像形成装置。
  14. 請求項11乃至13の何れか1つに記載の画像形成装置において、
    前記選択手段は、前記所定温度のリセットをするか否かを事前に選択可能であることを特徴とする画像形成装置。
  15. 請求項8乃至14の何れか1つに記載の画像形成装置において、
    前記報知手段は、印刷で使用している転写対象物の種類の登録を促す表示が可能であり、
    前記選択手段は、前記転写対象物の種類を登録可能であり、
    前記制御手段は、前記所定温度を変更した場合に、前記登録を促す表示が行われるように前記報知手段を制御すると共に、前記選択手段により登録された前記転写対象物の種類を含む情報と変更された所定温度情報とを紐付けして記憶することを特徴とする画像形成装置。
  16. 請求項15に記載の画像形成装置において、
    前記選択手段は、前記登録された転写対象物から印刷で使用する転写対象物を選択可能であり、
    前記制御手段は、前記選択手段により転写対象物が選択された場合、前記転写対象物の前記情報と紐付けして記憶している所定温度情報に基づき、所定温度を変更することを特徴とする画像形成装置。
  17. 画像が形成される像担持体と、
    前記像担持体との間に転写部を形成する転写手段と、
    前記転写部で画像を転写対象物に転写するために前記転写手段に対して転写電圧を印加する電圧印加手段と、
    前記転写電圧の大きさの異常を検知する異常検出手段と、
    環境温度及び環境湿度のうち少なくとも一方を検知する環境情報検出手段と、
    を備えた画像形成装置の制御方法において、
    前記環境情報検出手段によって環境情報を検知するステップと、
    前記環境情報検出ステップで環境情報が所定値以上の場合に、前記異常検出手段によって異常が検出されたか否かにかかわらず前記転写電圧の印加を継続するように、前記電圧印加手段を制御するステップと、
    を有する画像形成装置の制御方法。
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