以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、図面において、同一または同等の要素には同じ符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、本発明の実施形態に係る電極積層装置を適用して製造される蓄電装置の内部を示す断面図である。図2は、図1のII−II線断面図である。図1及び図2において、蓄電装置1は、積層型の電極組立体を有するリチウムイオン二次電池である。
蓄電装置1は、例えば略直方体形状のケース2と、このケース2内に収容された電極組立体3とを備えている。ケース2は、例えばアルミニウム等の金属により形成されている。ケース2の内部には、図示はしないが、例えば非水系(有機溶媒系)の電解液が注液されている。ケース2上には、正極端子4及び負極端子5が互いに離間して配置されている。正極端子4は、絶縁リング6を介してケース2に固定され、負極端子5は、絶縁リング7を介してケース2に固定されている。また、電極組立体3とケース2の内側の側面及び底面との間には絶縁フィルムFが配置されており、絶縁フィルムFによってケース2と電極組立体3との間が絶縁されている。電極組立体3の下端は、絶縁フィルムFを介してケース2の内側の底面に接触している。また、図示例では、電極組立体3とケース2との間に間隙充填部材としてのスペーサSが配置されている。本例では、スペーサSは、一枚または複数枚のシートによって構成されている。
電極組立体3は、複数の正極8と複数の負極9とが袋状のセパレータ10を介して交互に積層された構造を有している。正極8は、袋状のセパレータ10に包まれている。袋状のセパレータ10に包まれた状態の正極8は、セパレータ付き正極11として構成されている。従って、電極組立体3は、複数のセパレータ付き正極11(第1電極部材の一例)と複数の負極9(第2電極部材の一例)とが交互に積層された構造を有している。なお、電極組立体3の両端に位置する電極は、負極9である。
正極8は、例えばアルミニウム箔からなる正極集電体である金属箔14と、この金属箔14の両面に形成された正極活物質層15とを有している。金属箔14は、平面視矩形状の箔本体部14aと、この箔本体部14aと一体化されたタブ14bとを有している。タブ14bは、箔本体部14aの長手方向の一端部近傍の縁から突出している。そして、タブ14bは、セパレータ10を突き抜けている。複数の正極8より延びる複数のタブ14bは、集箔された状態で導電部材12に接続(溶接)され、導電部材12を介して正極端子4に接続されている。なお、図2では、便宜上タブ14bを省略している。
正極活物質層15は、箔本体部14aの表裏両面に形成されている。正極活物質層15は、正極活物質とバインダとを含んで形成された多孔質の層である。正極活物質としては、例えば複合酸化物、金属リチウムまたは硫黄等が挙げられる。複合酸化物には、例えばマンガン、ニッケル、コバルト及びアルミニウムの少なくとも1つとリチウムとが含まれる。
負極9は、例えば銅箔からなる負極集電体である金属箔16と、この金属箔16の両面に形成された負極活物質層17とを有している。金属箔16は、平面視矩形状の箔本体部16aと、この箔本体部16aと一体化されたタブ16bとを有している。タブ16bは、箔本体部16aの長手方向の一端部近傍の縁から突出している。タブ16bは、導電部材13を介して負極端子5に接続されている。なお、図2では、便宜上タブ16bを省略している。
負極活物質層17は、箔本体部16aの表裏両面に形成されている。負極活物質層17は、負極活物質とバインダとを含んで形成された多孔質の層である。負極活物質としては、例えば黒鉛、高配向性グラファイト、メソカーボンマイクロビーズ、ハードカーボン、ソフトカーボン等のカーボン、リチウム、ナトリウム等のアルカリ金属、金属化合物、SiOx(0.5≦x≦1.5)等の金属酸化物またはホウ素添加炭素等が挙げられる。
セパレータ10は、平面視矩形状を呈している。セパレータ10の形成材料としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系樹脂からなる多孔質フィルム、或いはポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、メチルセルロース等からなる織布または不織布等が例示される。
以上のように構成された蓄電装置1を製造する場合は、まずセパレータ付き正極11及び負極9を製作した後、セパレータ付き正極11と負極9とを交互に積層し、セパレータ付き正極11及び負極9を固定することで電極組立体3を得る。そして、セパレータ付き正極11のタブ14bを導電部材12を介して正極端子4に接続すると共に、負極9のタブ16bを導電部材13を介して負極端子5に接続した後、電極組立体3をケース2内に収容する。
次に、図3〜図5を用いて、本発明の実施形態に係る電極積層装置300について説明する。図3は、電極積層装置300を示す側面図(一部断面を含む)である。図4は、電極積層装置300の支持部の構成を示す図である。図5は、電極積層装置300の平面図である。
電極積層装置300は、正極搬送ユニット301と、負極搬送ユニット302と、正極供給用コンベア303と、負極供給用コンベア304と、積層ユニット305とを備えている。また、電極積層装置300は、電極供給センサ306,307と、積層位置センサ308,309とを備えている。
正極搬送ユニット301は、セパレータ付き正極11を貯めながら順次搬送するユニットである。正極搬送ユニット301は、上下方向に延びるループ状の循環部材310(第1循環部材の一例)と、この循環部材310の外周面に取り付けられ、セパレータ付き正極11を支持する複数の支持部311(第1支持部の一例)と、循環部材310を駆動する駆動部312とを有している。
循環部材310は、例えば無端状のベルトで構成されている。循環部材310は、上下方向に離間して配置された2つのローラに架け渡され、各ローラの回転に伴って連れ回る。このように循環部材310が回転(周回)することで、各支持部311が循環移動する。また、循環部材310は、2つのローラと共に上下方向に移動可能である。なお、循環部材310とローラの位相のずれを防止する為には、循環部材310を歯付きのベルトとし、ローラをプーリとしてもよい。例えば、後述する歯付きのプーリ403,404が、2つのローラに対応する。
駆動部312は、循環部材310を回転させると共に、循環部材310を上下方向に移動させる。例えば、駆動部312は、特に図示はしないが、ローラを回転させることで循環部材310を回転(周回)させる回転用モータと、昇降機構(図示せず)を介して循環部材310を上下方向に移動させる昇降用モータとを有していてよい。このとき、駆動部312は、循環部材310を電極積層装置300の前側(図3の紙面表側)から見て時計回りに回転させる。従って、正極供給用コンベア303側の支持部311は循環部材310に対して上昇し、積層ユニット305側の支持部311は循環部材310に対して下降する。
図4の(a)は、セパレータ付き正極11が支持された状態の支持部311の側面図であり、図4の(b)は、図4の(a)のb−b線に沿った断面図である。図4に示されるように、支持部311は、底壁311aと、一対の側壁311bとを有する断面U字状の部材である。底壁311aは、循環部材310の外周面に取り付けられる矩形板状部材である。一対の側壁311bは、循環部材310が循環する方向における底壁311aの両縁部に立設された矩形板状部材である。図4の(b)に示されるように、本実施形態では一例として、側壁311bは、二股状に形成されている。ただし、側壁311bの形状は、セパレータ付き正極11を支持可能な形状であれば何でもよい。一対の側壁311bは、互いに対向しており、セパレータ付き正極11を収容可能な程度に離間している。底壁311a及び側壁311bは、例えばステンレス鋼等の金属により一体的に形成されている。
底壁311aの内側表面には、スポンジ等の緩衝材311dが設けられている。正極供給用コンベア303から支持部311に供給されるセパレータ付き正極11は、正極供給用コンベア303の搬送速度が高速の場合、緩衝材311dに衝突することになるが、緩衝材311dによって衝突の衝撃が緩和される。すなわち、緩衝材311dは、支持部311がセパレータ付き正極11を受け取る際におけるセパレータ付き正極11への衝撃を緩和する衝撃緩和部として機能する。その結果、セパレータ付き正極11が支持部311に供給される際において、セパレータ付き正極11の正極活物質層15の剥離を抑制することができる。
負極搬送ユニット302は、負極9を貯めながら順次搬送するユニットである。負極搬送ユニット302は、上下方向に延びるループ状の循環部材313(第2循環部材の一例)と、この循環部材313の外周面に取り付けられ、負極9を支持する複数の支持部314(第2支持部の一例)と、循環部材313を駆動する駆動部315とを有している。支持部314の構成は、支持部311と同様である。
循環部材313は、上記の循環部材310と同様に、例えば無端状のベルトで構成されている。循環部材313は、上下方向に離間して配置された2つのローラに架け渡され、各ローラの回転に伴って連れ回る。このように循環部材313が回転(周回)することで、各支持部314が循環移動する。また、循環部材313は、2つのローラと共に上下方向に移動可能である。
駆動部315は、循環部材313を回転させると共に、循環部材313を上下方向に移動させる。例えば、駆動部315は、特に図示はしないが、ローラを回転させることで循環部材313を回転(周回)させる回転用モータと、昇降機構(図示せず)を介して循環部材313を上下方向に移動させる昇降用モータとを有している。このとき、駆動部315は、循環部材313を電極積層装置300の前側(図3の紙面表側)から見て反時計回りに回転させる。従って、負極供給用コンベア304側の支持部314は循環部材313に対して上昇し、積層ユニット305側の支持部314は循環部材313に対して下降する。
正極供給用コンベア303は、セパレータ付き正極11を正極搬送ユニット301に向けて水平方向に搬送し、正極搬送ユニット301の支持部311にセパレータ付き正極11を供給する。正極供給用コンベア303は、正極供給用コンベア303の循環方向に沿って等間隔に設けられた複数の爪部303aを有する。爪部303aは、上記循環方向に直交する方向に延び、セパレータ付き正極11の搬送方向後方の端部に当接する。これにより、セパレータ付き正極11は、正極搬送ユニット301に対して一定の間隔で供給されるようになっている。
負極供給用コンベア304は、負極9を負極搬送ユニット302に向けて水平方向に搬送し、負極搬送ユニット302の支持部314に負極9を供給する。負極供給用コンベア304は、負極供給用コンベア304の循環方向に沿って等間隔に設けられた複数の爪部304aを有する。爪部304aは、上記循環方向に直交する方向に延び、負極9の搬送方向後方の端部に当接する。これにより、負極9は、負極搬送ユニット302に対して一定の間隔で供給されるようになっている。
正極供給用コンベア303から正極搬送ユニット301の支持部311に移載されたセパレータ付き正極11は、循環部材310の回転によって一旦上昇してから下降するように循環移動する。このとき、循環部材310の上部においてセパレータ付き正極11の表裏が反転する。負極供給用コンベア304から負極搬送ユニット302の支持部314に移載された負極9は、循環部材313の回転によって一旦上昇してから下降するように循環移動する。このとき、循環部材313の上部において負極9の表裏が反転する。
積層ユニット305は、正極搬送ユニット301と負極搬送ユニット302との間に配置されている。積層ユニット305は、一例として、上下方向に延びるループ状の循環部材(不図示)と、この循環部材の外周面に取り付けられ、セパレータ付き正極11及び負極9が交互に積層される複数の積層部316と、循環部材を駆動する駆動部(不図示)とを有している。
積層部316は、セパレータ付き正極11及び負極9が載置されるプレート状の基台316aを有している。基台316aは、後述する壁部317と壁部319との間に例えば水平となるように配置されている。なお、積層部316は、基台316aに立設され、セパレータ付き正極11の底縁11c及び側縁11d(図4参照)と負極9の底縁9c及び側縁9d(図5参照)とを位置決めする断面U字状の側壁を有してもよい。この場合、正極搬送ユニット301側の側壁の上面は、セパレータ付き正極11が基台316aへと滑らかに移動するように、基台316aに向かって下方に傾斜する傾斜面とされてもよい。同様に、負極搬送ユニット302側の側壁の上面は、負極9が基台316aへと滑らかに移動するように、基台316aに向かって下方に傾斜する傾斜面とされてもよい。
積層ユニット305と正極搬送ユニット301との間には、上下方向に延びる壁部(壁体)317が配置されている。壁部317には、後述する押出ユニット321により押し出されたセパレータ付き正極11が通過する複数(ここでは4つ)のスリット318が設けられている。各スリット318は、上下方向に等間隔で配置されている。なお、本実施形態では一例として、スリット318の上側部分は、正極搬送ユニット301側から積層部316側に向かって下方に傾斜する傾斜面となっている。また、スリット318の下側部分は、正極搬送ユニット301側から積層部316側に向かって上方に傾斜する傾斜面となっている。これにより、セパレータ付き正極11を積層部316へと適切に案内するとともに、スリット318における入口側(正極搬送ユニット301側)の開口部分を大きくすることができる。その結果、押出ユニット321により押し出されるセパレータ付き正極11の高さ位置に多少のずれが生じても、スリット318にセパレータ付き正極11を通過させることが可能となる。
積層ユニット305と負極搬送ユニット302との間には、上下方向に延びる壁部(壁体)319が配置されている。壁部319には、後述する押出ユニット322により押し出された負極9が通過する複数(ここでは4つ)のスリット320が設けられている。各スリット320の高さ位置は、各スリット318の高さ位置と同じである。なお、本実施形態では一例として、スリット320の上側部分は、負極搬送ユニット302側から積層部316側に向かって下方に傾斜する傾斜面となっている。また、スリット320の下側部分は、負極搬送ユニット302側から積層部316側に向かって上方に傾斜する傾斜面となっている。これにより、負極9を積層部316へと適切に案内するとともに、スリット320における入口側(負極搬送ユニット302側)の開口部分を大きくすることができる。その結果、押出ユニット322により押し出される負極9の高さ位置に多少のずれが生じても、スリット320に負極9を通過させることが可能となる。
また、電極積層装置300は、押出ユニット321と、押出ユニット322とを備えている。
押出ユニット321は、セパレータ付き正極11を積層する積層エリアにおいて、複数(ここでは4つ)のセパレータ付き正極11を上下複数段(ここでは上下4段)の積層部316に向けて同時に押し出すことにより、4つのセパレータ付き正極11を4段の積層部316に同時に積層する。押出ユニット321は、4つのセパレータ付き正極11を一緒に押す1対の押し部材321a(第1投入部)と、この押し部材321aを4段の積層部316側に移動させる駆動部44(図5参照)とを有している。この駆動部44は、例えばモータ及びリンク機構から構成されている。押出ユニット321の駆動部44の位置は、壁部317に対し、相対的に固定されている。
押出ユニット322は、負極9を積層する積層エリアにおいて、複数(ここでは4つ)の負極9を複数段(ここでは上下4段)の積層部316に向けて同時に押し出すことにより、4つの負極9を4段の積層部316に同時に積層する。押出ユニット322は、4つの負極9を一緒に押す1対の押し部材322a(第2投入部)と、この押し部材322aを4段の積層部316側に移動させる駆動部46(図5参照)とを有している。この駆動部46の構成は、押出ユニット321の駆動部と同様である。なお、押出ユニット321,322の駆動部としては、シリンダ等を有していてもよい。押出ユニット322の駆動部46の位置は、壁部319に対し、相対的に固定されている。
また、図3に示すように、電極積層装置300は、コントローラ350を備えている。コントローラ350は、CPU、RAM、ROM及び入出力インターフェース等から構成されている。コントローラ350は、上述した駆動部312,315を制御する搬送制御部と、積層ユニット305の駆動部を制御する積層制御部と、押出ユニット321の駆動部及び押出ユニット322の駆動部を制御する押出制御部と、後述の仕切板120,130を制御する仕切板制御部と、位置決めプッシャ140,150を制御する位置決め制御部とを有している。また、コントローラ350は、電極供給センサ306,307及び積層位置センサ308,309と接続されており、これらのセンサからの検知信号を受信可能となっている。コントローラ350は、各センサからの検知信号、及びROMに保存されたプログラムに基づき制御内容を決定し、各制御部を介して、各駆動部を駆動制御する。
電極供給センサ306は、正極供給用コンベア303の正極搬送ユニット301側の端部付近に配置され、セパレータ付き正極11、または爪部303aとセパレータ付き正極11の有無を検知する。電極供給センサ306は、爪部303a又はセパレータ付き正極11の有無を示す検知信号を定期的にコントローラ350に送信する。
電極供給センサ307は、負極供給用コンベア304の負極搬送ユニット302側の端部付近に配置され、爪部304a又は負極9の有無を検知する。電極供給センサ307は、爪部304a又は負極9の有無を示す検知信号を定期的にコントローラ350に送信する。
積層位置センサ308は、セパレータ付き正極11を支持した支持部311が予め定められた積層位置(例えば、積層ユニット305の最下段の積層部316に対応するスリット318の下端位置)に到達したことを検知する。積層位置センサ308は、循環部材310の上下動とは独立しており、積層位置センサ308の高さ位置は、スリット318に対して固定されている。例えば、積層位置センサ308は、壁部317に固定されていてもよい。積層位置センサ308は、セパレータ付き正極11を支持した支持部311が積層位置に到達したことを検知すると、その旨を示す検知信号をコントローラ350に送信する。
積層位置センサ309は、負極9を支持した支持部314が予め定められた積層位置(例えば、積層ユニット305の最下段の積層部316に対応するスリット320の下端位置)に到達したことを検知する。積層位置センサ309は、循環部材313の上下動とは独立しており、積層位置センサ309の高さ位置は、スリット320に対して固定されている。積層位置センサ309は、負極9を支持した支持部314が積層位置に到達したことを検知すると、その旨を示す検知信号をコントローラ350に送信する。
本実施形態に係る電極積層装置300の特徴的な構成について図6〜図11を参照して説明する。なお、図6〜図11では、理解を容易とするために一段の積層部316のみが図示されているが、他の段に係る積層部316においても同様の構成を有する。
電極積層装置300は、仕切板(第1仕切板)120と、仕切板(第2仕切板)130と、正極側位置決めプッシャ(位置決め部材)140と、負極側位置決めプッシャ(位置決め部材)150と、を更に備える。なお、以降の説明では、セパレータ付き正極11及び負極9の積層部316への投入時に移動する方向を投入方向と称する場合がある。
仕切板120は、積層部316の上方に配置され、投入時におけるセパレータ付き正極11と負極9とを仕切る部材である。仕切板120は、投入時におけるセパレータ付き正極11を上面120a側に載置させ、負極9を下面120b側に導く。仕切板120は、高さ方向において、投入時のセパレータ付き正極11及び負極9と略同位置に配置される。また、仕切板120は、投入方向において、積層部316の壁部317と壁部319との間に配置される。
仕切板120は矩形状の形状を有する板状部材であり、投入方向に対向する端部120c及び端部120dと、投入方向と直交する方向に対向する端部120e及び端部120fと、を備える。なお、投入方向と直交する方向は、以降の説明において「幅方向」と称する場合がある。このような仕切板120の端部のうち、セパレータ付き正極11が投入される側の端部120cは、下方へ向かって傾斜している。端部120cは、仕切板120の水平部分から、外側へ向かうに従って、下方へ傾斜している。これにより、投入されたセパレータ付き正極11は、当該傾斜した端部120cに沿って仕切板120の上面120aに乗り上げる。また、負極9が投入される側の端部120dは、上方へ向かって傾斜している。端部120dは、仕切板120の水平部分から、外側へ向かうに従って、上方へ傾斜している。これにより、投入された負極9は、当該傾斜した端部120dに沿って仕切板120の下面120b側に導かれる。幅方向における一方の端部120eには、上方へ向かって屈曲する屈曲部121が形成される。なお、投入方向における仕切板120の大きさは特に限定されないが、上下方向から見て電極11,9のタブ14b,16bと重なる程度の寸法に設定されてよい。このように、タブ14b,16bと仕切ることができる寸法に仕切板120を設定することで、電極11,9がタブ14b,16b同士で干渉し合うことを防止することができる。屈曲部121は、仕切板120を前後方向へ進退させるための駆動部161(図8参照)に接続される。駆動部161は、仕切板120を幅方向へ駆動することができる。従って、駆動部161は、積層部316上方に配置された仕切板120を幅方向へ移動することで、積層部316から引き抜くことができる(図8(b)参照)。このように、仕切板120は、積層部316から引き抜き可能な構成となる。また、駆動部161は、引き抜いた仕切板120を幅方向へ移動することで、再び積層部316へ配置することができる(図8(a)参照)。
仕切板130は、積層部316の上方であって、且つ、仕切板120の下方に配置され、投入時における負極9を上面130a側に載置する部材である。仕切板130は、高さ方向において、投入時のセパレータ付き正極11及び負極9と略同位置に配置され、仕切板120から少なくとも負極9の厚み分よりも下方へ離間している。また、仕切板130は、投入方向において、積層部316の壁部317と壁部319との間に配置される。
仕切板130は矩形状の形状を有する板状部材であり、投入方向に対向する端部130c及び端部130dと、幅方向に対向する端部130e及び端部130fと、を備える。このような仕切板130の端部のうち、セパレータ付き正極11が投入される側の端部130cは、傾斜することなく、水平方向に広がっている。また、端部130cは、仕切板120の端部120cよりも、負極9の投入側に配置される。これにより、仕切板130の端部130cは、下方へ傾斜する仕切板120の端部120cと干渉することが回避される。また、負極9が投入される側の端部130dは、下方へ向かって傾斜している。端部130dは、仕切板130の水平部分から、外側へ向かうに従って、下方へ傾斜している。これにより、投入された負極9は、当該傾斜した端部130dに沿って仕切板130の上面130aへ導かれる。幅方向における一方の端部130eには、下方へ向かって屈曲する屈曲部131(図7(b))が形成される。屈曲部131は、仕切板130を前後方向へ進退させるための駆動部161(図8参照)に接続される。駆動部161は、仕切板130を幅方向へ駆動することができる。従って、駆動部161は、積層部316上方に配置された仕切板130を幅方向へ移動することで、積層部316から引き抜くことができる(図8(b)参照)。このように、仕切板130は、積層部316から引き抜き可能な構成となる。また、駆動部161は、引き抜いた仕切板130を幅方向へ移動することで、再び積層部316へ配置することができる(図8(a)参照)。なお、仕切板120と仕切板130は、同一の駆動部によって駆動されてよく、互いに異なる駆動部によって駆動されてもよい。
正極側位置決めプッシャ140及び負極側位置決めプッシャ150は、仕切板120に載置されたセパレータ付き正極11及び仕切板130に載置された負極9の、幅方向における位置決めを行う部材である。すなわち、正極側位置決めプッシャ140及び負極側位置決めプッシャ150は、当該積層部316へ積層される直前における電極11,9の幅方向における位置決めを行うことができる。また、位置決めプッシャ140,150は、仕切板120,130を積層部316から引き抜く際に、電極11,9を支持可能である。位置決めプッシャ140,150と積層部316を挟んだ反対側には、位置決めプッシャ140,150で押された電極11,9を支持する壁部(不図示)が配置される。なお、押出ユニット321,322の押し部材321a,322aで押し出すことができる程度に、支持部311,314上で各電極11,9の幅方向における位置決めがなされる必要がある。ここでは、搬送ユニット301,302から電極11,9を支持部311,314へ載せ替える際に、ある程度、幅方向における位置決めをしてよい。このように、支持部311,314で支持されている状態にて電極11,9のある程度の位置決めがなされ、正極側位置決めプッシャ140及び負極側位置決めプッシャ150にて、正確な位置決めがなされる。
ここで、図8に示すように、投入時におけるセパレータ付き正極11は、投入方向に側縁11d,11dが対向し、幅方向に上縁11b及び底縁11cが対向するような姿勢となる。そして、上縁11bには、タブ14bが形成される。なお、上縁11bは、仕切板120,130が駆動部161で引き抜かれる側の端部である。タブ14bは、押し部材321aで押される側の側縁11d寄りの位置に形成される。すなわち、仕切板120上に載置された状態におけるセパレータ付き正極11のタブ14bは、積層部316内において、壁部317側に配置される。ただし、タブ14bは壁部317に対して積層部316の内側へ離間した位置に配置される。また、投入時における負極9は、投入方向に側縁9d,9dが対向し、幅方向に上縁9b及び底縁9cが対向するような姿勢となる。そして、上縁9bには、タブ16bが形成される。なお、上縁9bは、仕切板120,130が駆動部161で引き抜かれる側の端部である。タブ16bは、押し部材322aで押される側の側縁9d寄りの位置に形成される。すなわち、仕切板130上に載置された状態における負極9のタブ16bは、積層部316内において、壁部319側に配置される。ただし、タブ16bは壁部319に対して積層部316の内側へ離間した位置に配置される。
正極側位置決めプッシャ140は、投入方向において、仕切板120,130よりも積層部316の端部側に配置される。より具体的には、正極側位置決めプッシャ140は、投入方向において、セパレータ付き正極11が投入される側の壁部317と仕切板120,130との間に配置される。また、正極側位置決めプッシャ140は、幅方向における一方側に配置されているため、仕切板120に載置されたセパレータ付き正極11の上縁11bと当接する。また、仕切板120に載置されたセパレータ付き正極11のタブ14bと比較した場合、正極側位置決めプッシャ140は、タブ14bよりも積層部316における正極側(すなわち壁部317側)に配置される。従って、正極側位置決めプッシャ140は、セパレータ付き正極11の上縁11bのうち、タブ14bよりも積層部316における正極側の部分を押すことができる(図8(b)参照)。なお、正極側位置決めプッシャ140は、上下方向に延びる棒状の形状を有している(図6参照)。従って、複数段の積層部316における、それぞれの電極11,9の位置決めを行うことができる。
負極側位置決めプッシャ150は、投入方向において、仕切板120,130よりも積層部316の端部側に配置される。より具体的には、負極側位置決めプッシャ150は、投入方向において、負極9が投入される側の壁部319と仕切板120,130との間に配置される。また、負極側位置決めプッシャ150は、幅方向における一方側に配置されているため、仕切板130に載置された負極9の上縁9bと当接する。また、仕切板130に載置された負極9のタブ16bと比較した場合、負極側位置決めプッシャ150は、タブ16bよりも積層部316における負極側(すなわ壁部319側)に配置される。従って、負極側位置決めプッシャ150は、セパレータ付き正極11の上縁11bのうち、タブ16bよりも積層部316における負極側の部分を押すことができる(図8(b)参照)。なお、負極側位置決めプッシャ150は、上下方向に延びる棒状の形状を有している(図6参照)。従って、複数段の積層部316における、それぞれの電極11,9の位置決めを行うことができる。
正極側位置決めプッシャ140は、当該正極側位置決めプッシャ140を前後方向へ進退させるための駆動部162に接続される。負極側位置決めプッシャ150は、当該負極側位置決めプッシャ150を前後方向へ進退させるための駆動部163に接続される。駆動部162,163は、位置決めプッシャ140,150を幅方向へ駆動することができる。従って、駆動部162,163は、位置決めプッシャ140,150を幅方向へ移動させることで、電極11,9と当接して幅方向における位置決めをすることができる(図8(b)参照)。また、駆動部162,163は、電極11,9と当接した位置決めプッシャ140,150を幅方向へ移動させて元の位置に戻すことができる(図8(a)参照)。
ここで、本実施形態に係る電極積層装置300は、上述のように仕切板120,130を有することによって、押し部材321a及び押し部材322aが、セパレータ付き正極11及び負極9をそれぞれ同時に投入することができる。当該動作について図8〜図11を参照しながら説明する。
図8(a)及び図9に示すように、投入開始前においては、仕切板120,130が積層部316の上方に配置されて、位置決めプッシャ140,150が積層部316から退避された状態にある。当該状態にて、押し部材321a及び押し部材322aが、セパレータ付き正極11及び負極9の同時投入を開始する。これにより、図8(b)及び図10に示すように、セパレータ付き正極11が仕切板120の上面120aに載置され、負極9が仕切板130の上面130aに載置される。当該状態で、位置決めプッシャ140,150が動作することによって電極11,9の幅方向における位置決めを行う。次に、位置決めプッシャ140,150で電極11,9の位置決めを行った状態にて、仕切板120,130を電極11,9から引き抜く。これにより、図11に示すように、電極11,9が落下して積層部316上に積層される。また、次の投入動作に備えて、位置決めプッシャ140,150が元の位置に戻される(図8(a)参照)。
続いて、図12〜図20を用いて、コントローラ350による循環部材310,313、押出ユニット321,322、仕切板120,130及び位置決めプッシャ140,150の動作制御について説明する。
まず、図12〜図15を用いて、循環部材(ここでは一例として循環部材310)の制御フローについて説明する。図12は、循環部材310及び循環部材313に共通の制御フローを示すフローチャートである。図13は、準備運転時(図12のステップS201)における循環部材310の動作を説明する一部側面図である。図14は、積層運転時(図12のステップS203)における循環部材310の動作を説明する一部側面図である。図15は、復帰運転時(図12のステップS206)における循環部材310の動作を説明する一部側面図である。なお、負極搬送ユニット302の循環部材313の制御フローは、循環部材310の制御フローと同様であるため、説明を省略する。また、図13〜図15は、循環部材310の動作を説明することを目的としているため、理解を容易とするため、仕切板120,130及び負極9は省略している。
図12において、コントローラ350は、電極積層装置300を含む製造ラインの稼働開始のトリガ(例えばオペレータ等による入力)を受けて、循環部材310の準備運転を開始する(ステップS201)。
準備運転は、いずれの支持部311にもセパレータ付き正極11が支持されていない初期状態から、セパレータ付き正極11の受取位置から積層位置までの間にある各支持部311がセパレータ付き正極11を支持する状態にするための動作である。具体的には、準備運転は、循環部材310の回転(循環)のみで、上下動を伴うことなく支持部311を移動させる動作である(図13参照)。より具体的には、循環部材310において互いに隣接する支持部311間の距離の移動量を1とした場合、コントローラ350は、循環部材310におけるセパレータ付き正極11の受取位置にある支持部311にセパレータ付き正極11が供給されたことを確認する毎に、循環部材310を移動量1だけ図3の紙面表側から見て時計回り(以下単に「時計回り」という。)に循環させる。なお、以下の説明においては、循環部材310の循環については、時計回り方向の移動を正方向とし、循環部材310の上下移動については、上方向を正方向として、移動量を表現する。
コントローラ350は、準備運転中において、随時、積層位置センサ308からの検知信号の受信の有無(すなわち、セパレータ付き正極11を支持した支持部311が積層位置に到達したか否か)を判定する(ステップS202)。コントローラ350は、積層位置センサ308から検知信号を受信するまで、循環部材310の準備運転を継続する(ステップS202:NO)。一方、コントローラ350は、積層位置センサ308から検知信号を受信すると(すなわち、セパレータ付き正極11を支持した支持部311が積層位置に到達したことを検知すると)、循環部材310を積層運転に切り替える(ステップS202:YES、ステップS203)。
積層運転は、セパレータ付き正極11を積層部316に積層するための動作である。具体的には、積層運転は、積層ユニット305側の支持部311の高さ位置を積層部316に対して相対的に停止させるとともに、セパレータ付き正極11が正極供給用コンベア303から一枚供給される毎に、正極供給用コンベア303側の支持部311を正極供給用コンベア303に対して移動量1だけ上昇させる動作である。より具体的には、コントローラ350は、正極供給用コンベア303から1枚のセパレータ付き正極11が供給されてから次のセパレータ付き正極11が供給されるまでの間の時間(以下「単位時間」という)に、循環部材310を移動量0.5で時計回りに循環させるとともに、移動量0.5で上昇させる(図14参照)。
コントローラ350は、積層運転中において、随時、4段の積層部316に対する4枚のセパレータ付き正極11の同時供給が完了したか否かを判定する(ステップS204)。具体的には、後述する押出ユニット321による押出動作が完了したか否かが判定される。例えば、押し部材321aが元の位置(セパレータ付き正極11を押し出す前の位置)に戻ったことを検知することで、押出動作が完了したことを検知することができる。コントローラ350は、押出ユニット321による押出動作が完了したことを検知するまで、循環部材310の積層運転を継続する(ステップS204:NO)。一方、コントローラ350は、押出ユニット321による押出動作が完了したことを検知すると(ステップS204:YES)、積層ユニット305へのセパレータ付き正極11の積層を完了するか否かを判定する(ステップS205)。
具体的には、コントローラ350は、例えば各積層部316に積層された電極の枚数をセンサ等により検知し、電極の積層枚数が予め定められた枚数に達したか否かを判定することで、積層を完了するか否かを判定することができる。すなわち、コントローラ350は、電極の積層枚数が予め定められた枚数に達した場合に積層を完了し、電極の積層枚数が予め定められた枚数に達していない場合に積層を完了しないと判定することができる。
積層を完了すると判定された場合(ステップS205:YES)、コントローラ350は、循環部材310の制御を終了する。一方、積層を完了すると判定されなかった場合(ステップS205:NO)、コントローラ350は、循環部材310を復帰運転に切り替える(ステップS206)。なお、積層を完了すると判定された場合(ステップS205:YES)、コントローラ350は、循環部材310の制御を一旦終了した後、さらに積層部316の交換が完了してオペレータ等からの制御開始の指示を受けた後に、循環部材310の制御を再開してもよい。この場合、復帰運転(ステップS206)が開始されることになる。
復帰運転は、積層運転において元の位置(積層運転開始前の位置)よりも上昇した位置に移動した循環部材310を元の位置に復帰(下降)させる動作である。具体的には、復帰運転は、積層ユニット305側においてセパレータ付き正極11を支持する先頭の支持部311の高さ位置を積層位置までスライドさせるとともに、正極供給用コンベア303側の支持部311を移動量1だけ上昇させる動作である。より具体的には、コントローラ350は、上述した単位時間に、循環部材310を移動量2.5で時計回りに循環させるとともに、移動量−1.5で下降させる(図15参照)。
これにより、単位時間において、正極供給用コンベア303側では、支持部311が、正極供給用コンベア303に対して、1つ分だけ上昇することになる。一方、積層ユニット305側では、支持部311が、積層ユニット305に対して、4つ分だけ下降することになる。これにより、正極供給用コンベア303から供給されるセパレータ付き正極11を受け取りつつ、4つのセパレータ付き正極11を押出ユニット321によって同時に押し出す押出動作を実行可能な状態となる。従って、コントローラ350は、循環部材310の復帰運転完了後、循環部材310を積層運転に切り替える(ステップS206→S203)。
次に、図16を用いて、押出ユニット321,322の制御フローについて説明する。図16は、押出ユニット321,322の制御フローを示すフローチャートである。本実施形態においては、押出ユニット321と押出ユニット322が同時に電極11,9を投入することができるため、押出ユニット321と押出ユニット322の制御を同時に行う。
図16において、コントローラ350は、積層位置センサ308,309から受信した検知信号に基づいて、電極11,9を支持する支持部311,314が積層位置に存在するか否かを確認する(ステップS351)。また、コントローラ350は、仕切板120,130が積層部316の上方にセット(後述の図20のステップS601)されているか否かを確認する(ステップS352)。
コントローラ350は、上述したステップS351及びステップS352の確認結果に基づいて、積層可能か否か(すなわち、押出ユニット321,322の押し部材321a,322aによる押出動作を実行可能か否か)を判定する(ステップS353)。具体的には、電極11,9を支持する支持部311,314が積層位置に存在し、仕切板120,130が積層部316の上方にセットされていることを確認できた場合に、コントローラ350は、積層可能であると判定する(ステップS353:YES)。一方、コントローラ350は、上記の確認項目のうち少なくとも一つの状態が確認できなかった場合には、積層可能でないと判定し(ステップS353:NO)、ステップS351に戻る。
続いて、コントローラ350は、積層可能であると判定した場合(ステップS353:YES)、押出ユニット321,322による押出動作を実行する(ステップS354)。具体的には、コントローラ350は、押出ユニット321,322において、押し部材321a,322aによりそれぞれ4つの電極11,9を上下4段の積層部316に向けて同時に押し出すように駆動部を制御する。
続いて、コントローラ350は、上述した図12のステップS205と同様の判定により、積層を完了するか否かを判定する(ステップS355)。積層を完了すると判定された場合(ステップS355:YES)、コントローラ350は、押出ユニット321の制御を終了する。一方、積層を完了すると判定されなかった場合(ステップS355:NO)、コントローラ350は、積層ユニット305側の支持部311,314の高さ位置が積層ユニット305に対して相対的に変化する循環動作(すなわち、上述した循環部材310の復帰運転)が発生するまで、押出ユニット321,322の動作を停止する(ステップS356:NO)。コントローラ350は、上記循環動作が発生したことを確認すると(すなわち、コントローラ350が循環部材310,313を復帰運転に切り替えると)、ステップS351に戻り、押出ユニット321,322の制御を継続する(ステップS356:YES)。
なお、図16に記載の制御フローにて積層を行った場合、積層方向の下端の電極が負極9、上端の電極がセパレータ付き正極11となる。リチウム析出防止の為、積層体の両端を負極9としたい場合、別設備で積層体の上端に負極9を追加してもよいが、図16の制御フローに処理を追加し、負極9を一枚多く積層する制御を行ってもよい。一例として、図17に制御フローを示す。図17の制御フローでは、同時積層に関る制御(ステップS361〜S364,S367)は、図16の制御(ステップS351〜S354,S356)と同等である。図17の制御フローでは、ステップS364の後に、積層枚数を確認し(ステップS365)、積層する枚数が残り一枚となった場合(ステップS366)には、負極9のみを一枚積層するための制御(ステップS368〜S371)を行う。すなわち、コントローラ350は、ステップS366において残りの枚数が一枚であると判定すると、負極搬送ユニット302において、負極9が積層位置に存在するか否かを確認する(ステップS368)。次に、負極9を支持する支持部314が積層位置に存在するか否かを確認する(ステップS369)。そして、コントローラ350は、仕切板120,130が積層部316の上方にセットされていることを確認すると(ステップS370)、押出ユニット322による押出動作を実行する(ステップS371)。
なお、上述の図16では、押出ユニット321と押出ユニット322が同時に電極11,9を投入する場合の制御について説明した。しかし、押出ユニット321と押出ユニット322の押出しを互いに異なるタイミングで行ってもよい。例えば、押出ユニット321の押出しの途中で、押出ユニット322の押出しを開始し、押出ユニット322の押出しの途中で、押出ユニット321の押出しを開始してもよい。当該動作を行う際の制御フローについて図18及び図19を用いて説明する。まず、図18を用いて、押出ユニット321の制御フローについて説明する。図18は、押出ユニット321の制御フローを示すフローチャートである。
図18において、コントローラ350は、積層位置センサ308から受信した検知信号に基づいて、セパレータ付き正極11を支持する支持部311が積層位置に存在するか否かを確認する(ステップS401)。また、コントローラ350は、仕切板120,130が積層部316の上方にセット(後述の図20のステップS601)されているか否かを確認する(ステップS402)。また、コントローラ350は、他極側(ここでは負極9側)の負極搬送ユニット302において、負極9が積層位置に存在するか否かを確認する(ステップS403)。コントローラ350は、例えば負極搬送ユニット302の積層位置センサ309が受信した検知信号に基づいて、負極9が積層位置にある、又は、投入が開始していることを確認することができる。
コントローラ350は、上述したステップS401〜S403の確認結果に基づいて、積層可能か否か(すなわち、押出ユニット321の押し部材321aによる押出動作を実行可能か否か)を判定する(ステップS404)。具体的には、セパレータ付き正極11を支持する支持部311が積層位置に存在し、仕切板120,130が積層部316の上方にセットされ、負極9の投入が開始していることが確認できた場合に、コントローラ350は、積層可能であると判定する(ステップS404:YES)。一方、コントローラ350は、上記の確認項目のうち少なくとも一つの状態が確認できなかった場合には、積層可能でないと判定し(ステップS404:NO)、ステップS401に戻る。
続いて、コントローラ350は、積層可能であると判定した場合(ステップS404:YES)、押出ユニット321による押出動作を実行する(ステップS405)。具体的には、コントローラ350は、押出ユニット321において、押し部材321aにより4つのセパレータ付き正極11を上下4段の積層部316に向けて同時に押し出すように駆動部を制御する。なお、負極9の投入開始からどの程度の時間をあけてセパレータ付き正極11の投入開始を行うかは、任意に設定してよい。
続いて、コントローラ350は、上述した図12のステップS205と同様の判定により、積層を完了するか否かを判定する(ステップS406)。具体的には、設定された枚数だけセパレータ付き正極11が積層を完了していると判定された場合(ステップS406:YES)、コントローラ350は、押出ユニット321の制御を終了する。一方、積層を完了すると判定されなかった場合(ステップS406:NO)、コントローラ350は、積層ユニット305側の支持部311の高さ位置が積層ユニット305に対して相対的に変化する循環動作(すなわち、上述した循環部材310の復帰運転)が発生するまで、押出ユニット321の動作を停止する(ステップS407:NO)。コントローラ350は、上記循環動作が発生したことを確認すると(すなわち、コントローラ350が循環部材310を復帰運転に切り替えると)、ステップS401に戻り、押出ユニット321の制御を継続する(ステップS407:YES)。
次に、図19を用いて、押出ユニット322の制御フローについて説明する。図19は、押出ユニット322の制御フローを示すフローチャートである。本実施形態では一例として、負極9が積層体の上端と下端とに配置されるものと定められている。このため、負極9の押出ユニット322の制御フローにおいては、最後の一枚の負極9を積層部316に積層する場合の制御フロー(ステップS503においてYESと判定された場合)は、それより前における負極9を積層部316に積層する場合の制御フローと一部異なる。
具体的には、最後に一枚のみ負極9が積層部316に積層されるため、最後の負極9を積層部316に積層する場合には、セパレータ付き正極11側の動作確認をする必要がない。このため、ステップS503において、積層対象が最後の負極9であると判定された場合、他極側(すなわちセパレータ付き正極11側)の動作確認(図18のステップS403に対応するステップであるステップS504)が省略される。
一方、最後から2枚目までの負極9を積層部316に積層する場合の制御フロー(ステップS503においてNOと判定された場合)は、上述した押出ユニット321の制御フロー(図18のステップS401〜407)と同様である。
次に、図20を用いて、仕切板120,130及び位置決めプッシャ140,150の制御フローについて説明する。図20は、仕切板120,130及び位置決めプッシャ140,150の制御フローを示すフローチャートである。
コントローラ350は、駆動部161を制御して、仕切板120,130を積層部316の上方へセットする(ステップS601)。次に、コントローラ350は、押出ユニット321,322の押出し動作(図16のステップS354)を確認することによって、仕切板120,130上に電極11,9が載置されているか否かを判定する(ステップS602)。
次に、コントローラ350は、駆動部162,163を制御して、位置決めプッシャ140,150を動作させて、電極11,9の位置決めを行う(ステップS603)。これにより、仕切板120,130上の電極11,9が位置決めプッシャ140,150によって位置決めされる。次に、コントローラ350は、駆動部161を駆動することで、電極11,9から仕切板120,130を引き抜く(ステップS604)。これによって、仕切板120,130から落下した電極11,9が積層部316に積層される。その後、コントローラ350は、次の動作のために、駆動部162,163を制御して、位置決めプッシャ140,150を元の位置に戻す(ステップS605)。
続いて、コントローラ350は、上述した図12のステップS205と同様の判定により、積層を完了するか否かを判定する(ステップS606)。積層を完了すると判定された場合(ステップS606:YES)、コントローラ350は、駆動部161,162,163の制御を終了する。一方、積層を完了すると判定されなかった場合(ステップS606:NO)、コントローラ350は、積層ユニット305側の支持部311の高さ位置が積層ユニット305に対して相対的に変化する循環動作(すなわち、上述した循環部材310の復帰運転)が発生するまで、駆動部161,162,163の動作を停止する(ステップS607:NO)。コントローラ350は、上記循環動作が発生したことを確認すると(すなわち、コントローラ350が循環部材310を復帰運転に切り替えると)、ステップS601に戻り、駆動部161,162,163の制御を継続する(ステップS607:YES)。
次に、図21〜図25を用いて、搬送部材の駆動(上下動及び循環)を実現するための機構の別例について説明する。ここでは、正極搬送ユニット301の支持構造及び駆動機構について説明する。負極搬送ユニット302についても同様の支持構造及び駆動機構を採用することができる。
図21及び図22は、正極搬送ユニット301の支持構造及び駆動機構の説明に必要な構成に着目した図であり、それ以外の構成については適宜図示を省略している。図21に示されるように、正極搬送ユニット301は、床面に設置された支持フレーム401と、支持フレーム401に対して上下方向に移動可能に支持される循環用フレーム402と、を備えている。循環用フレーム402には、上下方向に所定間隔だけ離間して配置された一対のプーリ403,404(第1実施形態のローラ26aに対応する部材)が、回転可能に支持されている。プーリ403,404には、外周面に複数の支持部311が配置された循環部材310が巻き掛けられている。
また、図22に示されるように、正極搬送ユニット301は、支持フレーム401又は床面に対して固定されたモータ405,406を備えている。モータ405,406の駆動軸には、駆動ギヤ405a,406aが固定されている。プーリ403,404は、その回転軸の一端に駆動ギヤ407,408を有する。駆動ギヤ405a,406a,407,408には、タイミングベルト409が巻き掛けられている。駆動ギヤ405a,406a,407,408に加えて、支持フレーム401に支持されたガイドローラ410(図22の例では4つのガイドローラ410)により、タイミングベルト409の循環経路は、上下左右に延びる略十文字状をなす。
図23に示されるように、駆動ギヤ405a,406aを等速度で回転させた場合、循環用フレーム402及び循環部材310の全体は、支持フレーム401又は床面に対して上下に移動することなく、循環部材310及びタイミングベルト409が循環動作のみを行うことになる。
一方、図24に示されるように、駆動ギヤ405aのみを回転させた場合、正極供給用コンベア303側では循環部材310は時計回りに循環する一方で、積層部316側では循環部材310は停止している。このため、タイミングベルト409は、正極供給用コンベア303側の部分のみが上昇することになる。このようなタイミングベルト409の動作に伴い、循環用フレーム402は、支持フレーム401又は床面に対して上昇することになる。これに伴い、プーリ403,404を介して循環用フレーム402に支持されている循環部材310の基準高さ位置(例えば、循環部材310の上下方向における中央位置)も上昇することになる。また、図25に示されるように、駆動ギヤ406aのみを回転させた場合、循環部材310の積層部316側は時計回りに循環する一方で、正極供給用コンベア303側では停止している。このため、タイミングベルト409は、積層ユニット305側(図25の右側部分)のみが下降することになる。このようなタイミングベルト409の動作に伴い、循環用フレーム402は、支持フレーム401又は床面に対して下降することになる。これに伴い、循環部材310の基準高さ位置も下降することになる。さらに、駆動ギヤ405aの回転速度と駆動ギヤ406aの回転速度を異ならせて、駆動ギヤ405a,406aの両方を回転させた場合、回転速度の差に応じて循環用フレーム402を上昇又は下降させ、循環部材310の基準高さ位置を上昇又は下降させることができる。従って、駆動ギヤ405a,406aの回転速度を調整することにより、上述した準備運転、積層運転、及び復帰運転を実現することができる。すなわち、コントローラ350は、実行したい循環部材310の運転形態に応じて、駆動ギヤ405a,406aの回転速度を調整することで、準備運転、積層運転、及び復帰運転を実現することができる。
以上述べた電極積層装置300は、正極供給用コンベア303(搬送装置)及び負極供給用コンベア304(搬送装置)により供給される電極(セパレータ付き正極11及び負極9)を積層し、積層体(各積層部316上に形成される電極積層体)を形成する装置である。電極積層装置300は、支持部311,314(電極支持部)と、循環部材310,313と、積層ユニット305と、押出ユニット321,322と、コントローラ350(制御部)と、を備える。支持部311,314は、正極供給用コンベア303及び負極供給用コンベア304により供給されるセパレータ付き正極11及び負極9を受け取り、セパレータ付き正極11及び負極9を支持する。循環部材310,313は、上下方向に延びるループ状をなし、その外周面に支持部311,314が取り付けられる。積層ユニット305は、循環部材310を挟んで正極供給用コンベア303の反対側に配置されるとともに、循環部材313を挟んで負極供給用コンベア304の反対側に配置され、セパレータ付き正極11及び負極9が積層される複数段の積層部316を有する。押出ユニット321は、複数の支持部311に支持されたセパレータ付き正極11を複数段の積層部316に向けて同時に押し出す。押出ユニット322は、複数の支持部314に支持された負極9を複数段の積層部316に向けて同時に押し出す。コントローラ350は、循環部材310,313の循環及び昇降、並びに押出ユニット321,322の動作(すなわち、押し部材321a,322aの動作)を制御する。コントローラ350は、正極供給用コンベア303によるセパレータ付き正極11の搬送速度よりも遅い速度で、積層部316に向けてセパレータ付き正極11を押し出すように、押出ユニット321の動作を制御する。また、コントローラ350は、負極供給用コンベア304による負極9の搬送速度よりも遅い速度で、積層部316に向けて負極9を押し出すように、押出ユニット322の動作を制御する。
以上のような電極積層装置300では、支持部311,314に対して順次供給される電極(セパレータ付き正極11又は負極9)は、それぞれ異なる積層部316に同時に押し出されて積層される。このように、順次供給される電極の数よりも多くの電極を同時に押し出して積層することにより、電極を積層部316に押し出す際の排出速度を、搬送装置(正極供給用コンベア303又は負極供給用コンベア304)による電極の搬送速度(供給速度)よりも遅くすることができる。これにより、電極が積層されるペースの低下を防ぎつつ、電極積層時における電極の位置ずれを抑制できる。従って、電極積層装置300によれば、装置の大型化を抑えながら、積層速度の高速化を達成できる。
また、電極の排出速度に対し、搬送装置(正極供給用コンベア303又は負極供給用コンベア304)による電極の搬送速度はより高速となる。このため、高速で搬送された電極は、支持部311,314上における停止時に、位置のバラツキが生じる。多数の電極が、位置のばらついた状態で積層されてしまうと、負極活物質層等など表面の摩擦により、積層後に揃え直すことは難しい。しかし、支持部311,314上での電極は、積層部316で多数の電極が積層される前の個片の状態であるので、循環部材310,313による反転などにより容易に位置が修正される。
ここで、仕切板120,130を有さない電極積層装置について検討する。このような電極積層装置では、負極9の積層が完了した後に押し部材321aがセパレータ付き正極11の投入を開始し、セパレータ付き正極11の積層が完了した後に押し部材322aが負極9の投入を開始する。この場合、互いの押し部材321a,322aは、相手方の押し部材321a,322aによる電極の積層が完了するまで、待機する必要があるため、トータルの電極積層時間が長くなる場合があった。一方、押し部材321aと押し部材322aとが同時又は互いの動作途中に押出を行う場合について検討する。この場合、押し出された負極9の端部とセパレータ付き正極11の端部とが衝突することで、積層が困難となる可能性がある。
これに対して、本実施形態において、積層部316の上方には、投入時におけるセパレータ付き正極11と負極9とを仕切る仕切板120が配置される。仕切板120は、投入時におけるセパレータ付き正極11を上面120a側に載置させ、負極9を下面120b側に導く。これによって、セパレータ付き正極11と、負極9は、投入のタイミングに関わらず、仕切板120,130に仕切られた状態となる。これによって、投入時に互いの電極11,9同士が衝突することが回避される。仮に、仕切板120,130が配置されていない状態で、セパレータ付き正極11と負極9とが同時又はそれに近いタイミングで投入されると、投入途中にセパレータ付き正極11と負極9とが互いに衝突し停止するケースが生じる。この対策としては、一方の電極の積層が完了するのを待って、他方の電極を投入する必要がある。これに対し、本実施形態では、一方の電極の積層が完了するのを待機した後で他方の電極を投入する必要がなくなり、他の電極の投入動作中に投入動作を開始することが可能となり、又は互いの電極を同時に投入することも可能となるため、待機時間を省略することが可能となる。以上によって、セパレータ付き正極11と負極9の積層の速度を向上できる。
押し部材321a及び押し部材322aは、セパレータ付き正極11及び負極9をそれぞれ同時に投入する。このように、セパレータ付き正極11と負極9をそれぞれ同時に投入することで、他方の電極の積層を待機する時間を無くすことができるため、セパレータ付き正極11と負極9の積層の速度を向上できる。
電極積層装置300は、仕切板120に載置された電極11,9の位置決めを行う位置決めプッシャ140,150を更に備える。仕切板120は積層部316から所定の方向へ引き抜き可能であり、位置決めプッシャ140,150は、仕切板120を引き抜く際に、電極11,9を支持してよい。これにより、仕切板120を積層部316から引き抜く際に、位置決めプッシャ140,150で支持することにより、電極11,9の位置がずれることを防止することができる。
仕切板120は、投入方向と直交する方向へ引き抜き可能であり、位置決めプッシャ140,150は、電極11,9の投入方向において、仕切板120よりも積層部316の端部側に配置されている。これによって、仕切板120の投入方向における大きさを十分確保することが可能となり、電極11,9のタブ14b,16bを覆うことが可能となる。この場合、投入時に電極11,9のタブ14b,16bが他の電極と干渉することを、より確実に抑制できる。
電極積層装置300は、仕切板120の下方に、投入時における負極9を上面130a側に載置させる仕切板130を更に備える。これによって、負極9が積層部316に投入される際、一度、仕切板130で積層部316の上方に保持しておくことができる。従って、投入された負極9が、既に積層された電極に引っ掛ることを防止できる。
仕切板120の端部のうち、セパレータ付き正極11が投入される側の端部120cは、下方へ向かって傾斜していている。これによって、セパレータ付き正極11は、下方へ傾斜した端部120cに案内されて、スムーズに仕切板120の上面120aに乗り上げることができる。
仕切板120の端部のうち、負極9が投入される側の端部120dは、上方へ向かって傾斜していている。これによって、負極9は、上方へ傾斜した端部120dに案内されて、スムーズに仕切板120の下面120b側へ導かれる。
仕切板130の端部のうち、負極9が投入される側の端部130dは、下方へ向かって傾斜している。これによって、負極9は、下方へ向かって傾斜した端部130dに案内されて、スムーズに仕切板130の上面130aに乗り上げることができる。
電極積層装置300は、上下方向に延びるループ状をなし、その外周面に複数の支持部311が取り付けられた循環部材310と、上下方向に延びるループ状をなし、その外周面に複数の支持部314が取り付けられた循環部材313と、循環部材310と循環部材313との間に配置され、複数段の積層部316を有する積層ユニット305と、を更に備える。押し部材321aは、複数の支持部311に支持されたセパレータ付き正極11を複数段の積層部316に向けて同時に押し出し、押し部材322aは、複数の支持部314に支持された負極9を複数段の積層部316に向けて同時に押し出す。これにより、複数の負極9、及び複数のセパレータ付き正極11を同時に投入することができる。
以上、本発明のいくつかの実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されない。
上述の実施形態では、投入部は、循環部材に設けられた電極の支持部から押し出す押し部材によって構成されていた。これに代えて、積層部を挟んで両側に、正極用のベルトコンベアと負極用のベルトコンベアを配置し、各ベルトコンベアから積層部に向かって水平に投入することで、積層する構成を採用してもよい。この場合、正極用のベルトコンベアが第1投入部として機能し、負極用のベルトコンベアが第2投入部として機能する。
また、仕切板120,130及び位置決めプッシャ140,150の引き抜き方向は上述の実施形態に限定されず、構造上可能な範囲でどの方向に引き抜いてもよい。
例えば、上記実施形態では、正極8が袋状のセパレータ10に包まれた状態であるセパレータ付き正極11と負極9とが交互に積層部に積層されるが、特にその形態には限られず、正極と負極が袋状のセパレータに包まれた状態であるセパレータ付き負極とが交互に積層部に積層されてもよい。また、第1電極部材及び第2電極部材のそれぞれは、正極、負極及びセパレータ10によって構成される電極群であってもよい。
また、上記実施形態では、積層部316はU字状の側壁316bを備えるが、側壁316bより壁部317に面する左右の部位を省略し、壁部317で直接位置決めを行う構造であってもよい。
また、上記実施形態では、位置決めプッシャ140,150にて電極11,9の位置決めを行ったが、支持部311上にて位置決めを行うことができる位置決めユニットを備えてもよく、他の位置決め手段を用いることも可能である。例えば、支持部311の循環経路に沿い、その両側にテーパ面を有する案内板を配置し、支持部311の下降に伴い、電極の位置が支持部311の中央に誘導される構造を採用してもよい。
さらに、上記実施形態では、蓄電装置1がリチウムイオン二次電池であるが、本発明は、特にリチウムイオン二次電池には限られず、例えばニッケル水素電池等の他の二次電池、電気二重層キャパシタまたはリチウムイオンキャパシタ等の蓄電装置における電極の積層にも適用可能である。
また、少なくとも仕切板120が設けられていればよく、仕切板130は省略されてもよい。また、仕切板120,130の形状や大きさ等は限定されず、機能を発揮することができる限りどのような構成を有してもよい。また、仕切板120の上面120aに乗り上げる電極は、負極9であってもよい。
ここで、図26〜図32を参照して、仕切板の別例について説明する。図26は、仕切板の別例を示す側面図である。図27の(a),(b)は、この仕切板の動作を模式的に示す平面図である。
図26及び図27には、仕切板1120及び仕切板1130が示されている。仕切板1120は、仕切板120と同様に、投入時におけるセパレータ付き正極11と負極9とを仕切る部材である。仕切板1120は、投入時におけるセパレータ付き正極11を上面1120a側に載置させ、負極9を下面1120b側に導く。仕切板1120は、高さ方向において、投入時のセパレータ付き正極11及び負極9と略同位置に配置される。また、仕切板1120は、投入方向において、積層部316の壁部317と壁部319との間に配置され得る(図27の(a)参照)。
仕切板1120は矩形状を有する板状部材であり、投入方向に対向する端部1120c及び端部1120dと、幅方向に対向する端部1120e及び端部1120fと、を備える。このような仕切板1120の端部のうち、セパレータ付き正極11が投入される側の端部1120cは、下方へ向かって傾斜している。端部1120cは、仕切板1120の水平部分から、外側へ向かうに従って、下方へ傾斜している。これにより、投入されたセパレータ付き正極11は、当該傾斜した端部1120cに沿って仕切板1120の上面1120aに乗り上げる。また、負極9が投入される側の端部1120dは、上方へ向かって傾斜している。端部1120dは、仕切板1120の水平部分から、外側へ向かうに従って、上方へ傾斜している。これにより、投入された負極9は、当該傾斜した端部1120dに沿って仕切板1120の下面1120b側に導かれる。
幅方向における一方の端部1120eには、側方に向かって延在する延在部1122、及び、延在部1122の先端から上方へ向かって屈曲する屈曲部1121が形成される。投入方向における仕切板1120の大きさは、位置決めプッシャ140と位置決めプッシャ150との間の距離よりも小さくなっている。また、幅方向における仕切板1120の大きさは、特に限定されないが、一例としてセパレータ付き正極11の幅方向の大きさと同じであってよい。また、幅方向における延在部1122の大きさは、上面1120aに載置されたセパレータ付き正極11のタブ14bが屈曲部1121と干渉しない大きさとなっている。一例として、幅方向における延在部1122の大きさは、幅方向におけるタブ14bの大きさよりも大きくてよい。
屈曲部1121は、仕切板1120を左右方向(投入方向に沿った方向)に移動させるための駆動部1162に接続されている。図示例では、駆動部1162は、投入方向に離間して配置され左右方向に移動する一対の取付部材1162a,1162bを有している。取付部材1162a,1162bは、一例として上下方向に延在する棒状をなしており、複数段の積層部316にそれぞれ対応した複数の仕切板1120,1130に接続され得る。一対の取付部材1162a,1162bは、例えば、互いに近づいた閉状態(図26,図27の(a)参照)と、互いに遠ざかった開状態(図27の(b)参照)とに制御され得る。仕切板1120は、セパレータ付き正極11が投入される側に近い取付部材1162aに取り付けられている。これにより、仕切板1120(端部1120c)は、投入方向に移動可能である。
駆動部1162は、駆動部1162を前後方向(幅方向)へ進退させるための駆動部1161に接続される。そのため、駆動部1161は、駆動部1162を介して、仕切板1120を幅方向へ駆動することができる。
仕切板1130は、仕切板1120の下方に配置され、投入時における負極9を上面1130a側に載置する部材である。仕切板1130は、高さ方向において、投入時のセパレータ付き正極11及び負極9と略同位置に配置され、仕切板1120から少なくとも負極9の厚み分よりも下方へ離間している。また、仕切板1130は、投入方向において、積層部316の壁部317と壁部319との間に配置される。
仕切板1130は矩形状を有する板状部材であり、投入方向に対向する端部1130c及び端部1130dと、幅方向に対向する端部1130e及び端部1130fと、を備える。このような仕切板1130の端部のうち、セパレータ付き正極11が投入される側の端部1130cは、傾斜することなく、水平方向に広がっている。また、端部1130cは、仕切板1120の端部1120cよりも、負極9の投入側に配置される。これにより、仕切板1130の端部1130cは、下方へ傾斜する仕切板1120の端部1120cと干渉することが回避される。また、負極9が投入される側の端部1130dは、下方へ向かって傾斜している。端部1130dは、仕切板1130の水平部分から、外側へ向かうに従って、下方へ傾斜している。これにより、投入された負極9は、当該傾斜した端部1130dに沿って仕切板1130の上面1130aへ導かれる。
幅方向における一方の端部1130eには、側方に向かって延在する延在部1132、及び、延在部1132の先端から下方へ向かって屈曲する屈曲部1131が形成される。屈曲部1131は、仕切板1130を左右方向に移動させるための駆動部1162に接続されている。図示例では、屈曲部1131は、負極9が投入される側に近い取付部材1162bに取り付けられている。これにより、仕切板1130(端部1130d)は、投入方向に移動可能である。駆動部1161は、駆動部1162を介して、仕切板1130を幅方向へ駆動することができる。
図27の(a)に示すように、初期状態では、駆動部1162の取付部材1162a,1162bが閉状態となっており、仕切板1120,1130が積層部316の上方に配置されている。また、位置決めプッシャ140,150は積層部316から退避された状態にある。投入開始前に、駆動部1162の取付部材1162a,1162bが開状態に制御される。これにより、仕切板1120が押し部材321aに向かって移動し、仕切板1130が押し部材322aに向かって移動する(図27の(b)参照)。図示例では、仕切板1120における押し部材321a側の端部1120cが、壁部317よりも押し部材321a側に移動している。また、仕切板1130における押し部材322a側の端部1130dが、壁部319よりも押し部材322a側に移動している。当該状態にて、押し部材321a及び押し部材322aが、セパレータ付き正極11及び負極9の同時投入を開始する。これにより、セパレータ付き正極11が仕切板1120の上面1120aに載置され、負極9が仕切板1130の上面1130aに載置される。そして、位置決めプッシャ140,150が動作することによって電極11,9の幅方向における位置決めが行われる。そして、位置決めプッシャ140,150によって電極11,9の位置決めを行われた状態にて、駆動部1162の取付部材1162a,1162bが閉状態に制御される(図27の(a)参照)。これにより、仕切板1120,1130が、左右方向において位置決めプッシャ140と位置決めプッシャ150との間に位置する。当該状態で、駆動部1161によって仕切板1120,1130が電極11,9から幅方向に引き抜かれる。これにより、電極11,9が落下して積層部316上に積層される。
このように、仕切板1120の端部1120cがセパレータ付き正極11の投入時に押し部材321a側に移動することによって、セパレータ付き正極11は仕切板1120に案内されやすくなる。また、仕切板1130の端部1130dが負極9の投入時に押し部材322a側に移動することによって、負極9は仕切板1130に案内されやすくなる。
図28は、さらに別例に係る仕切板を示す側面図である。図29の(a),(b)は、この仕切板の動作を模式的に示す平面図である。
図28及び図29には、仕切板2120及び仕切板1130が示されている。仕切板2120は、仕切板120と同様に、投入時におけるセパレータ付き正極11と負極9とを仕切る部材である。仕切板2120は、投入時におけるセパレータ付き正極11を上面2120a側に載置させ、負極9を下面2120b側に導く。仕切板2120は、高さ方向において、投入時のセパレータ付き正極11及び負極9と略同位置に配置される。また、仕切板2120は、投入方向において、積層部316の壁部317と壁部319との間に配置され得る(図29の(a)参照)。
仕切板2120は、第1板体2121及び第2板体2125を有する。第1板体2121は、矩形状を有する板状部材であり、仕切板2120の端部のうち、セパレータ付き正極11が投入される側の端部2120cを含んでいる。また、第1板体2121は、投入方向において端部2120cに対向する端部2121dと、幅方向に互いに対向する端部2121e及び端部2121fを有している。このような第1板体2121の端部のうち、セパレータ付き正極11が投入される側の端部2120cは、下方へ向かって傾斜している。端部2120cは、第1板体2121の水平部分から、外側へ向かうに従って、下方へ傾斜している。
幅方向における一方の端部2121eには、側方に向かって延在する延在部2122、及び、延在部2122の先端から上方へ向かって屈曲する屈曲部2123が形成される。投入方向における第1板体2121の大きさは、位置決めプッシャ140と位置決めプッシャ150との間の距離よりも小さくなっている。また、幅方向における第1板体2121の大きさは、特に限定されないが、一例としてセパレータ付き正極11の幅方向の大きさと同じであってよい。また、幅方向における延在部2122の大きさは、上面2120aに載置されたセパレータ付き正極11のタブ14bが屈曲部2123と干渉しない大きさとなっている。一例として、幅方向における延在部2122の大きさは、幅方向におけるタブ14bの大きさよりも大きくてよい。
屈曲部2123は、第1板体2121を左右方向(投入方向に沿った方向)に移動させるための駆動部1162に接続されている。図示例では、第1板体2121は、セパレータ付き正極11が投入される側に近い取付部材1162aに取り付けられている。これにより、第1板体2121(端部2120c)は、投入方向に移動可能である。
第2板体2125は、第1板体2121の下方に配置されている。第1板体2121と第2板体2125とは、互いに摺動するように接触していてもよいし、所定のクリアランスをもって離間していてもよい。第2板体2125は、矩形状を有する板状部材であり、仕切板2120の端部のうち、負極9が投入される側の端部2120dを含んでいる。また、第2板体2125は、投入方向において端部2120dに対向する端部2125cと、幅方向に互いに対向する端部2125e及び端部2125fを有している。このような第2板体2125の端部のうち、負極9が投入される側の端部2120dは、上方へ向かって傾斜している。端部2120dは、第2板体2125の水平部分から、外側へ向かうに従って、上方へ傾斜している。
幅方向における一方の端部2125eには、側方に向かって延在する延在部2126、及び、延在部2126の先端から上方へ向かって屈曲する屈曲部2127が形成される。投入方向における第2板体2125の大きさは、位置決めプッシャ140と位置決めプッシャ150との間の距離よりも小さくなっている。また、幅方向における第2板体2125の大きさは、特に限定されないが、一例としてセパレータ付き正極11の幅方向の大きさと同じであってよい。また、一例として、幅方向における延在部2126の大きさは、延在部2122の大きさと同じであってよい。
屈曲部2127は、第2板体2125を左右方向(投入方向に沿った方向)に移動させるための駆動部1162に接続されている。図示例では、第2板体2125は、負極9が投入される側に近い取付部材1162bに取り付けられている。
仕切板1130は、仕切板2120の下方に配置され、投入時における負極9を上面1130a側に載置する。仕切板1130は、仕切板2120から少なくとも負極9の厚み分よりも下方へ離間している。仕切板1130の屈曲部1131は、駆動部1162における負極9が投入される側に近い取付部材1162bに取り付けられている。
図29の(a)に示すように、初期状態では、駆動部1162の取付部材1162a,1162bが閉状態となっており、仕切板2120,1130が積層部316の上方に配置されている。また、位置決めプッシャ140,150は積層部316から退避された状態にある。投入開始前に、駆動部1162の取付部材1162a,1162bが開状態に制御される。これにより、仕切板2120を構成する第1板体2121が押し部材321aに向かって移動し、仕切板2120を構成する第2板体2125、及び仕切板1130が押し部材322aに向かって移動する(図29の(b)参照)。なお、図29では、仕切板1130は、仕切板2120の下方に位置しており、図示されていない。この状態では、第1板体2121と第2板体2125とは、少なくとも互いの一部同士が重なり合っている。すなわち、第1板体2121における端部2121dが第2板体2125の上方に位置している。
また、図示例では、第1板体2121における押し部材321a側の端部2120cが壁部317よりも押し部材321a側に移動している。また、第2板体2125及び仕切板1130における押し部材322a側の端部2120d、1130dが壁部319よりも押し部材322a側に移動している。当該状態にて、押し部材321a及び押し部材322aが、セパレータ付き正極11及び負極9の同時投入を開始する。これにより、セパレータ付き正極11が仕切板2120の上面2120aに載置され、負極9が仕切板1130の上面1130aに載置される。そして、位置決めプッシャ140,150が動作することによって電極11,9の幅方向における位置決めが行われる。そして、位置決めプッシャ140,150によって電極11,9の位置決めを行われた状態にて、駆動部1162の取付部材1162a,1162bが閉状態に制御される(図29の(a)参照)。これにより、仕切板2120,1130が、左右方向において位置決めプッシャ140と位置決めプッシャ150との間に位置する。当該状態で、駆動部1161によって仕切板2120,1130が電極11,9から幅方向に引き抜かれる。これにより、電極11,9が落下して積層部316上に積層される。
このように、第1板体2121と第2板体2125とによって仕切板2120が構成されることによって、投入時における仕切板2120の一端(端部2120c)から他端(端部2120d)までの距離を大きくすることができ、セパレータ付き正極11が安定して仕切板2120に載置され得る。
また、投入時において、第1板体2121と第2板体2125との間に重なり部分が形成されることによって、第1板体2121と第2板体2125との間からセパレータ付き正極11が落下することが抑制される。また、第2板体2125の上方に第1板体2121が位置しているので、第1板体2121側から第2板体2125側にセパレータ付き正極11がスムーズに移動し得る。
図30は、さらに別例に係る仕切板を示す側面図である。図31の(a),(b)は、この仕切板の動作を模式的に示す平面図である。
図30及び図31には、仕切板3120及び仕切板1130が示されている。仕切板3120は、仕切板120と同様に、投入時におけるセパレータ付き正極11と負極9とを仕切る部材である。仕切板3120は、投入時におけるセパレータ付き正極11を上面3120a側に載置させ、負極9を下面3120b側に導く。仕切板3120は、高さ方向において、投入時のセパレータ付き正極11及び負極9と略同位置に配置される。また、仕切板3120は、投入方向において、積層部316の壁部317と壁部319との間に配置され得る(図31の(a)参照)。
仕切板3120は、第1板体3121及び第2板体3125を有する。第1板体3121は、直角台形状を有する板状部材であり、仕切板3120の端部のうち、セパレータ付き正極11が投入される側の端部3120cを含んでいる。また、第1板体3121は、投入方向において端部3120cに対向する端部3121dと、幅方向に互いに対向する端部3121e及び端部3121fを有している。このような第1板体3121の端部のうち、セパレータ付き正極11が投入される側の端部3120cは、下方へ向かって傾斜している。端部3120cは、第1板体3121の水平部分から、外側へ向かうに従って、下方へ傾斜している。また、端部3121dは、水平面において幅方向に対して傾斜している。そのため、投入方向において、端部3121eの大きさは、端部3121fの大きさよりも大きくなっている。
幅方向における一方の端部3121eには、側方に向かって延在する延在部3122、及び、延在部3122の先端から上方へ向かって屈曲する屈曲部3123が形成される。投入方向における第1板体3121の大きさは、位置決めプッシャ140と位置決めプッシャ150との間の距離よりも小さくなっている。また、幅方向における第1板体3121の大きさは、特に限定されないが、一例としてセパレータ付き正極11の幅方向の大きさと同じであってよい。また、幅方向における延在部3122の大きさは、上面3120aに載置されたセパレータ付き正極11のタブ14bが屈曲部3123と干渉しない大きさとなっている。一例として、幅方向における延在部3122の大きさは、幅方向におけるタブ14bの大きさよりも大きくてよい。
屈曲部3123は、第1板体3121を左右方向(投入方向に沿った方向)に移動させるための駆動部1162に接続されている。図示例では、第1板体3121は、セパレータ付き正極11が投入される側に近い取付部材1162aに取り付けられている。これにより、第1板体3121(端部3120c)は、投入方向に移動可能である。
第2板体3125は、第1板体3121と同じ高さ位置において、第1板体3121よりも押し部材322a側に配置されている。第2板体3125は、直角台形状を有する板状部材であり、仕切板3120の端部のうち、負極9が投入される側の端部3120dを含んでいる。また、第2板体3125は、投入方向において端部3120dに対向する端部3125cと、幅方向に互いに対向する端部3125e及び端部3125fを有している。このような第2板体3125の端部のうち、負極9が投入される側の端部3120dは、上方へ向かって傾斜している。端部3125dは、第2板体3125の水平部分から、外側へ向かうに従って、上方へ傾斜している。また、端部3125cは、水平面において幅方向に対して傾斜している。そのため、投入方向において、端部3125eの大きさは、端部3125fの大きさよりも小さくなっている。第1板体3121と第2板体3125とは、端部3121dと端部3125cとが互いに当接することによって、平面視において矩形板状を構成し得る。
幅方向における一方の端部3125eには、側方に向かって延在する延在部3126、及び、延在部3126の先端から上方へ向かって屈曲する屈曲部3127が形成される。投入方向における第2板体の大きさは、位置決めプッシャ140と位置決めプッシャ150との間の距離よりも小さくなっている。また、幅方向における第2板体3125の大きさは、特に限定されないが、一例としてセパレータ付き正極11の幅方向の大きさと同じであってよい。また、一例として、幅方向における延在部3126の大きさは、延在部3122の大きさと同じであってよい。
屈曲部3127は、第2板体3125を左右方向(投入方向に沿った方向)に移動させるための駆動部1162に接続されている。図示例では、屈曲部3127は、負極9が投入される側に近い取付部材1162bに取り付けられている。
仕切板1130は、仕切板3120の下方に配置され、投入時における負極9を上面1130a側に載置する。仕切板1130は、仕切板3120から少なくとも負極9の厚み分よりも下方へ離間している。仕切板1130の屈曲部1131は、駆動部1162における負極9が投入される側に近い取付部材1162bに取り付けられている。
図31の(a)に示すように、初期状態では、駆動部1162の取付部材1162a,1162bが閉状態となっており、仕切板3120,1130が積層部316の上方に配置されている。また、位置決めプッシャ140,150は積層部316から退避された状態にある。投入開始前に、駆動部1162の取付部材1162a,1162bが開状態に制御される。これにより、仕切板3120を構成する第1板体3121が押し部材321aに向かって移動し、仕切板2120を構成する第2板体3125、及び仕切板1130が押し部材322aに向かって移動する(図31の(b)参照)。なお、図31の(b)では、説明の簡単のために仕切板1130を省略している。この状態では、第1板体3121と第2板体3125とは、互いに離間している。また、第1板体3121の端部3121dにおける押し部材322a側の端縁は、第2板体3125の端部3125cにおける押し部材321a側の端縁よりも、押し部材322a側に位置している。
また、図示例では、第1板体3121における押し部材321a側の端部3120cが壁部317よりも押し部材321a側に移動している。また、第2板体3125及び仕切板1130における押し部材322a側の端部3120d,1130dが壁部319よりも押し部材322a側に移動している。当該状態にて、押し部材321a及び押し部材322aが、セパレータ付き正極11及び負極9の同時投入を開始する。これにより、セパレータ付き正極11が仕切板3120の上面3120aに載置され、負極9が仕切板1130の上面1130aに載置される。そして、位置決めプッシャ140,150が動作することによって電極11,9の幅方向における位置決めが行われる。そして、位置決めプッシャ140,150によって電極11,9の位置決めを行われた状態にて、駆動部1162の取付部材1162a,1162bが閉状態に制御される(図31の(a)参照)。これにより、仕切板3120,1130が、左右方向において位置決めプッシャ140と位置決めプッシャ150との間に位置する。当該状態で、駆動部1161によって仕切板3120,1130が電極11,9から幅方向に引き抜かれる。これにより、電極11,9が落下して積層部316上に積層される。
このように、第1板体3121と第2板体3125とによって仕切板3120が構成されることによって、投入時における仕切板3120の一端(端部3120c)から他端(端部3120d)までの距離を大きくすることができ、セパレータ付き正極11が安定して仕切板3120に載置され得る。
また、第1板体3121の端部3121d及び第2板体3125の端部3125cが幅方向に対して傾斜していることによって、第1板体3121側から第2板体3125側に移動する正極が第1板体3121と第2板体3125との間から落下することが抑制される。
図32の(a),(b)は、さらに別例に係る仕切板の動作を模式的に示す平面図である。
図32の例では、図26及び図27に示した仕切板1120,1130と形状のみが異なる仕切板4120,4130が示されている。仕切板4120は、仕切板120と同様に、投入時におけるセパレータ付き正極11と負極9とを仕切る部材である。仕切板4120は六角形状を有する板状部材であり、投入方向に互いに対向し、互いに平行となっている端部4120c及び端部4120dと、幅方向に互いに対向し、互いに平行となっている端部4120e及び端部4120fと、端部4120cから端部4120fにかけて形成され投入方向に傾斜する端部4120gと、端部4120dから端部4120fにかけて形成され投入方向に傾斜する端部4120hとを備える。同様に、仕切板4130は六角形状を有する板状部材であり、投入方向に互いに対向し、互いに平行となっている端部4130c及び端部4130dと、幅方向に互いに対向し、互いに平行となっている端部4130e及び端部4130fと、端部4130cから端部4130fにかけて形成され投入方向に傾斜する端部4130gと、端部4130dから端部4130fにかけて形成され投入方向に傾斜する端部4130hとを備える。
図32の(a)に示すように、駆動部1162の取付部材1162a,1162bが閉状態のときには、仕切板4120と仕切板4130とは、上下方向に互いに重なり合っている。この状態では、仕切板4120と仕切板4130とは、投入方向において、壁部317と壁部319との間に配置されている。一方、図32の(b)に示すように、駆動部1162の取付部材1162a,1162bが開状態のときには、仕切板4120と仕切板4130とは、互いの一部同士が上下方向に互いに重なり合っている。具体的には、仕切板4120における端部4120d側と仕切板4130の端部4130c側とが上下方向に互いに重なり合っている。本例においては、端部4120g及び端部4130hが設けられることによって、端部4120c及び端部4130dの幅方向の長さが短くなっている。しかしながら、本例においても、仕切板4120の端部4120cがセパレータ付き正極11の投入時に押し部材321a側に移動することによって、セパレータ付き正極11は仕切板4120に案内されやすくなる。また、仕切板4130の端部4130dが負極9の投入時に押し部材322a側に移動することによって、負極9は仕切板4130に案内されやすくなる。