以下、実施形態の事故原因分類装置を、図面を参照して説明する。実施形態の事故原因分類装置は、械学習によって学習された事故分類モデルに基づいて、電力系統設備に発生する事故の原因を分類する装置であり、電力系統設備及び電力系統設備の周辺の環境が変化するのに応じて、事故分類モデルを更新する装置である。
<実施形態>
図1は、事故原因分類装置1の構成の一例を示す図である。事故原因分類装置1は、ネットワークNWを介して計測器M及び事故情報出力装置OD等と通信する。ネットワークNWは、例えば、インターネット、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)、無線基地局、プロバイダ端末、専用回線などを含む。計測器Mは、電力に関する計測を行う装置である。具体的には、計測器Mは、配電設備EQを流れる電流を計測する装置又は配電設備EQに印加される電圧を計測する装置である。配電設備EQは、変電所から各需要家へ電力を供給する電力系統の一部を構成する設備である。配電設備EQは、例えば、開閉器や遮断器等を含む。計測器Mは、配電設備EQを流れる電流又は配電設備EQに印加される電圧を計測し、計測した値を示す情報(以下、計測情報MI)を、事故原因分類装置1に常時又は所定の間隔で送信する。事故原因分類装置1は、受信した計測情報MIに基づいて、電力系統に発生している事故の事故原因を分類(推定)し、事故原因を示す情報(以下、原因情報)を出力する。
事故情報出力装置ODは、電力系統に事故が発生しているか否かを示す事故情報を出力する装置である。事故情報出力装置ODは、例えば、地絡を検出する地絡リレーの状態に基づいて、事故情報を出力する。事故情報出力装置ODは、例えば、地絡リレーにより地絡が検出されたことに応じて、電力系統に事故が発生していることを示す事故情報を事故原因分類装置1に送信する。
事故原因分類装置1には、端末装置TM1及び端末装置TM2が接続される。端末装置TM1は、巡視指導員によって用いられる端末である。端末装置TM2は、巡視員によって用いられる端末である。端末装置TMは、例えば、スマートフォンなどの携帯電話、タブレット端末、パーソナルコンピュータ等である。巡視指導員は、巡視員に対して配電設備EQの巡視方法や巡視において注意すべき点等を指導する。巡視員は、巡視指導員の指導に基づいて、配電設備EQの巡視を行う。端末装置TM1には、事故原因分類装置1から出力される原因情報が表示される。巡視指導員は、電力系統において事故が発生した場合、端末装置TM1に表示される原因情報を参照し、電力系統を巡視する巡視員に対して事故原因分類装置1が推定する事故原因や、巡視すべき配電設備EQを通知する。端末装置TM2には、電力系統において事故が発生したことに伴い配電設備EQを巡視した巡視員によって当該事故の原因を示す情報(以下、結果情報)が入力される。事故原因分類装置1は、端末装置TM2から入力される計測情報MIや結果情報に基づいて、電力系統に発生している事故の事故原因を分類(推定)する仕組みを更新する。
事故原因分類装置1は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより取得機能部10と、傾向判定機能部20と、結果情報取得部30と、再学習機能部40と、モデル更新機能部50と、原因情報取得機能部60と、表示制御部70とを実現する。また、これらの構成要素のうち一部または全部(内包する記憶部を除く)は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)などのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。また、事故原因分類装置1は、傾向判定モデル記憶部22と、更新モデル記憶部54と、モデル記憶部62と、対象情報記憶部80と、対象事故情報記憶部90と、事故履歴情報記憶部100とを備える。各記憶部は、例えば、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、SDカード、RAM(Random Access Memory)、レジスタ等によって実現される。
取得機能部10は、計測情報取得部11と、事故情報取得部12とを備える。計測情報取得部11は、ネットワークNWを介して計測器Mが送信する計測情報MIを受信する。事故情報取得部12は、ネットワークNWを介して事故情報出力装置ODが送信する事故情報を受信する。計測情報取得部11は、受信した計測情報MIを事故原因分類装置1が備える各部に供給する。計測情報取得部11は、電力系統に事故が発生していない場合、傾向判定機能部20に計測情報MIを供給する。また、計測情報取得部11は、電力系統に事故が発生している場合、モデル更新機能部50と、原因情報取得機能部60とに計測情報MIを供給する。具体的には、計測情報取得部11は、事故情報取得部12が事故情報出力装置ODから事故情報を取得しない場合(電力系統に事故が発生していない場合)、計測情報MIを傾向判定機能部20に供給する。また、計測情報取得部11は、事故情報取得部12が事故情報出力装置ODから事故情報を取得する場合(電力系統に事故が発生している場合)、計測情報MIをモデル更新機能部50と、原因情報取得機能部60とに供給する。
また、計測情報取得部11は、事故情報取得部12が事故情報出力装置ODから事故情報を取得しない場合(電力系統に事故が発生していない場合)、計測情報MIを取得した日付と、計測情報MIとを対応付けた情報(以下、対象事故情報91)を対象事故情報記憶部90に記憶させる。図2は、対象事故情報91の一例を示す図である。本実施形態では、対象事故情報91には、事故発生時に計測された計測情報MI(以下、事故計測情報AMI)と、当該事故計測情報AMIを取得した日付、つまり事故が発生した日付(事故発生日AD)と、配電設備EQを識別する情報(以下、配電設備識別情報EQID)と、配電設備EQの名称と、配電設備EQが設置される地域(以下、設置地域AR)とが対応付けられて記憶される。
本実施形態では、計測器Mは、5つの配電設備EQ(配電設備EQ1〜5)にそれぞれ取り付けられるものとする。また、対象事故情報91には、事故発生日AD「2017/11/15」において取得された配電設備識別情報EQID1〜5である配電設備EQ1〜5の事故計測情報AMI1〜5と、各配電設備EQの設置地域ARとが対応付けられて記憶される。また、対象事故情報91には、事故発生日AD「2017/11/30」において取得された配電設備識別情報EQID1〜5である配電設備EQ1〜5の事故計測情報AMI6〜10と、各配電設備EQの設置地域ARとが対応付けられて記憶される。また、配電設備EQ1〜3の設置地域ARが「X県北部」である。また、配電設備EQ4〜5の設置地域ARが「X県南部」である。本実施形態では、計測器Mは、配電設備識別情報EQID及び計測情報MIを送信する。また、事故原因分類装置1は、配電設備識別情報EQIDと、配電設備EQの名称及び設置地域ARとが対応付けられて記憶されるデータベース(不図示)を有する。この場合、計測情報取得部11は、計測器Mが送信する配電設備識別情報EQIDに基づいて、当該配電設備識別情報EQIDが対応付けられた配電設備EQの名称及び設置地域ARをデータベースから取得する。また、計測情報取得部11は、データベースから取得した各種情報と、計測器Mから受信した事故計測情報AMIと、事故発生日ADとを対応付けて対象事故情報記憶部90に記憶させる。
図1に戻り、傾向判定機能部20は、傾向判定部21と、傾向判定モデル記憶部22とを備える。傾向判定モデル記憶部22には、傾向判定モデル23が記憶される。傾向判定部21は、計測情報取得部11から取得する計測情報MIと、傾向判定モデル23とに基づいて、電力系統及び電力系統設備の周辺の環境に変化が生じているかを判定する。以降の説明において、電力系統及び電力系統設備の周辺の環境の変化を、総称して配電設備EQの状態の変化とも記載する。つまり、傾向判定部21は、計測情報MIと、傾向判定モデル23とに基づいて、配電設備EQの状態が変化しているか否かを判定する。傾向判定モデル23は、過去に取得した計測情報MIに基づいて、当該計測情報MIの性質を機械学習によって学習された学習モデルを示す情報である。傾向判定モデル23は、例えば、過去に取得された計測情報MIの性質をニューラルネットワークによってモデル化した学習モデルである。
図3は、傾向判定モデル23の一例を示す図である。図3に示す通り、傾向判定モデル23には、計測情報取得部11から取得した各計測情報MIが入力される。傾向判定部21は、計測情報取得部11から取得した計測情報MIを傾向判定モデル23に入力し演算を行う。傾向判定部21は、傾向判定モデル23に入力した計測情報MIと、傾向判定モデル23から出力された値の再構成誤差に基づいて、配電設備EQの傾向を判定する。傾向判定部21は、例えば、再構成誤差が大きい場合、配電設備EQの状態が変化していると判定し、再構成誤差が小さい場合、配電設備EQの状態が変化していないと判定する。
上述したように、計測情報MIとは、配電設備EQに流れる電流を示す値又は配電設備EQに印加される電圧を示す値である。傾向判定部21は、例えば、各計測情報MIを正規化し、正規化した値を傾向判定モデル23に入力する構成であってもよい。また、計測情報MIが所定の期間(例えば、数秒間)の配電設備EQに流れる電流を示す値又は配電設備EQに印加される電圧を示す値である場合、傾向判定モデル23には、計測情報MIを離散化した値が入力されてもよい。また、傾向判定部21は、計測情報MIを離散化したすべての値に対して再構成誤差を取得する構成であってもよく、離散化した一部の値に対して再構成誤差を取得する構成であってもよい。
傾向判定部21は、配電設備EQの傾向を判定した判定結果(以下、傾向判定結果)と、計測情報MIを取得した日付(以下、計測日MD)と、計測情報MIとを対応付けた情報を対象情報81として対象情報記憶部80に記憶させる。図4は、対象情報81の一例を示す図である。本実施形態では、対象情報81には、配電設備識別情報EQIDと、配電設備EQの名称と、計測情報取得部11が取得した計測情報MIと、計測日MDと、傾向判定結果と、配電設備EQ毎の設置地域ARとが対応付けられて記憶される。
対象情報81には、計測日MD「2017/11/7」において取得された配電設備識別情報EQID1〜5である配電設備EQ1〜5の計測情報MI1〜5と、各配電設備EQの設置地域ARとが対応付けられて記憶される。また、対象情報81には、計測日MD「2017/12/7」において取得された配電設備識別情報EQID1〜5である配電設備EQ1〜5の計測情報MI6〜10と、各配電設備EQの設置地域ARとが対応付けられて記憶される。また、対象情報81には、計測情報MI1〜計測情報MI10のうち、配電設備EQ5の計測情報MI(図示する計測情報MI5及び計測情報MI10)には、配電設備EQの状態が変化していることを示す傾向判定結果が対応付けられ、他の計測情報MI(計測情報MI1〜4、及び計測情報MI6〜9)には、配電設備EQの状態が変化していないことを示す傾向判定結果が対応付けられる。
図1に戻り、結果情報取得部30は、端末装置TM2から結果情報を取得する。結果情報取得部30は、取得した結果情報と、当該結果情報が示す事故が発生した日付、つまり事故発生日ADとを対応付けた情報(以下、事故履歴情報101)を事故履歴情報記憶部100に記憶させる。図5は、事故履歴情報101の一例を示す図である。本実施形態では、事故履歴情報101には、事故発生日AD「2017/11/15」と、事故発生日ADに発生した事故の原因である結果情報「地絡」と、当該事故が発生した配電設備EQ5と、配電設備識別情報EQID5とが対応付けられて記憶される。また、事故履歴情報101には、事故発生日AD「2017/11/30」と、事故発生日ADに発生した事故の原因である結果情報「地絡」と、当該事故が発生した配電設備EQ5と、配電設備識別情報EQID5とが対応付けられて記憶される。
図1に戻り、原因情報取得機能部60は、原因情報取得部61と、モデル記憶部62とを備える。モデル記憶部62には、事故分類モデル63と、範囲情報64とが記憶される。事故分類モデル63は、過去に取得した計測情報MIと、過去に取得した結果情報とに基づいて、機械学習によって学習された学習モデルを示す情報である。事故分類モデル63は、計測情報MIを入力すると、原因情報を出力するように構成されている。事故分類モデル63は、例えば、ニューラルネットワークに基づいてモデル化された学習モデルである。範囲情報64は、事故分類モデル63によって原因情報の取得が可能な範囲を示す情報である。換言すると、モデル記憶部62には、範囲情報64と、当該範囲情報64が示す範囲に適応可能な事故分類モデル63を示す事故分類モデル63とが対応付けられて記憶される。原因情報取得部61は、例えば、対象事故情報91に基づいて、事故計測情報AMIと、当該事故計測情報AMIが計測された配電設備EQの設置地域ARを取得する。原因情報取得部61は、設置地域ARが示す配電設備EQの設置地域と対応する範囲情報64を判定し、当該範囲情報64に対応付けられる事故分類モデル63に基づいて、原因情報を取得する。過去に取得した計測情報MIとは、教師計測情報の一例である。過去に取得した結果情報とは、教師原因情報の一例である。
図6は、事故分類モデル63の一例を示す図である。図6に示す通り、事故分類モデル63には、計測情報取得部11から取得した各事故計測情報AMIが入力される。原因情報取得部61は、計測情報取得部11から取得した事故計測情報AMIを事故分類モデル63に入力し、演算を行う。原因情報取得部61は、演算結果として原因情報を取得する。原因情報は、事故原因が一意に示される情報であってもよく、複数の事故原因と、各事故原因が起こり得る確率とが対応付けられた情報であってもよい。本実施形態の原因情報取得部61は、複数の事故原因と、各事故原因が起こり得る確率とが対応付けられた原因情報を取得する。図6に示す一例では、原因情報取得部61は、「鳥獣接触」、「樹木接触」及び「碍子汚損」の事故原因が起こり得る確率が、それぞれ「0.6」、「0.3」及び「0.2」である原因情報を取得する。なお、事故分類モデル63によって取得される原因情報には、事故の原因が「なし」である演算結果が含まれていてもよい。
図1に戻り、原因情報取得部61は、取得した原因情報を表示制御部70に供給する。表示制御部70は、原因情報取得部61から取得した原因情報を示す画像(以下、画像IM11)を端末装置TM1に表示させる。図7は、表示制御部70が端末装置TM1に表示する画像IM1の一例を示す図である。上述したように、本実施形態では、原因情報は、「鳥獣接触」、「樹木接触」及び「碍子汚損」の事故原因が起こり得る確率が、それぞれ「0.6」、「0.3」及び「0.2」であることを示す情報である。表示制御部70は、原因情報取得機能部60から取得した原因情報に基づいて、画像IM1を生成し、端末装置TM1に表示させる。
図1に戻り、再学習機能部40は、対象情報81と、対象事故情報91と、事故履歴情報101とに基づいて、計測情報MIと、事故計測情報AMIとを入力し、原因情報を出力するように、機械学習によって学習された更新後事故分類モデル55を生成する。具体的には、再学習機能部40は、事故回数判定部41と、学習データ選択部42と、更新モデル生成部43とを備える。事故回数判定部41は、対象事故情報91に基づいて、同一の配電設備EQに2回以上の事故が発生しているか否かを判定する。学習データ選択部42は、更新後事故分類モデル55を生成する際に用いられる学習データを選択する。更新モデル生成部43は、事故回数判定部41の判定結果が同一の配電設備EQに2回以上の事故が発生していることを示す場合に、学習データ選択部42が選択した計測情報MI及び事故計測情報AMIに基づいて、更新後事故分類モデル55を生成する。更新モデル生成部43は、生成した更新後事故分類モデル55を更新モデル記憶部54に記憶させる。
モデル更新機能部50は、再学習機能部40が生成した更新後事故分類モデル55に事故分類モデル63を更新する。具体的には、モデル更新機能部50は、適応範囲選択部51と、適応判定部52と、更新部53と、更新モデル記憶部54とを備える。更新モデル記憶部54には、更新後事故分類モデル55と、更新範囲情報56とが記憶される。更新範囲情報56は、更新後事故分類モデル55に入力される計測情報MI及び事故計測情報AMIが計測された配電設備EQが存在する範囲(例えば、X県等)を示す情報である。更新モデル記憶部54には、更新範囲情報56と、当該更新範囲情報56が示す範囲に適応可能な更新後事故分類モデル55とが対応付けられて記憶される。
適応範囲選択部51は、計測情報取得部11から取得した事故計測情報AMIに基づいて、更新範囲情報56を選択(クラスタリング)する。更新範囲情報56には、例えば、適応範囲選択部51が選択する範囲の初期値(例えば、X県等)が記憶される。適応範囲選択部51は、例えば、取得した事故計測情報AMIのうち、更新範囲情報56が示す範囲に存在する配電設備EQの事故計測情報AMIを選択する。適応判定部52は、適応範囲選択部51が選択した事故計測情報AMIと、更新範囲情報56に対応づけられた更新後事故分類モデル55が示す更新後事故分類モデル55とに基づいて、原因情報を取得する。また、適応判定部52は、原因情報取得部61が取得した原因情報を取得する。
適応判定部52は、適応判定部52が取得した原因情報と、原因情報取得部61が取得した原因情報との差異に基づいて、更新後事故分類モデル55を事故分類モデル63として更新するか否かを判定する。適応判定部52は、適応判定部52が取得した原因情報と、原因情報取得部61が取得した原因情報との差異がない場合、つまり、更新後事故分類モデル55の精度が、事故分類モデル63の精度と同様である場合、更新後事故分類モデル55を事故分類モデル63として更新すると判定する。また、適応判定部52は、適応判定部52が取得した原因情報と、原因情報取得部61が取得した原因情報と、事故履歴情報記憶部100に記憶される事故履歴情報101とを比較する。事故分類モデル63によって取得した原因情報よりも、更新後事故分類モデル55によって取得した原因情報の方が、結果情報と合致する場合、つまり更新後事故分類モデル55の精度が、事故分類モデル63の精度よりも向上している場合、更新後事故分類モデル55を事故分類モデル63として更新すると判定する。また、適応判定部52は、適応判定部52が取得した原因情報と、原因情報取得部61が取得した原因情報とに差異がある場合であって、更新後事故分類モデル55の精度が、事故分類モデル63の精度より低い場合、更新後事故分類モデル55を事故分類モデル63として更新すると判定しない。
更新部53は、適応判定部52の判定結果が更新後事故分類モデル55を事故分類モデル63として更新することを示す場合、更新後事故分類モデル55の内容を事故分類モデル63としてモデル記憶部62に記憶する。また、更新部53は、適応判定部52の判定結果が更新後事故分類モデル55を事故分類モデル63として更新することを示す場合、更新範囲情報56の内容を範囲情報64としてモデル記憶部62に記憶する。なお、更新部53は、更新後事故分類モデル55が示す更新後事故分類モデル55の一部を事故分類モデル63として更新する構成であってもよい。この場合、更新部53は、適応判定部52が更新すると判定した更新後事故分類モデル55を示す更新後事故分類モデル55と、当該更新後事故分類モデル55によって原因情報の取得が可能な範囲を示す更新範囲情報56とを対応付けて、モデル記憶部62に記憶する。
ここで、適応範囲選択部51は、適応判定部52が更新後事故分類モデル55の精度が、事故分類モデル63の精度より低いと判定する場合、更新後事故分類モデル55を適応することが可能な範囲を再度改めて選択し、更新範囲情報56として記憶する構成であってもよい。図8は、更新範囲情報56の範囲の選択の一例を示す図である。適応範囲選択部51は、例えば、物理的距離が近い配電設備EQや、配電設備EQの種類に基づいて、範囲を選択し直す。適応範囲選択部51は、例えば、更新範囲情報56が示す範囲であって、配電設備EQが存在する範囲(例えば、X県等)を、より物理的距離が近い配電設備EQが存在する範囲(例えば、X県北部等)に再選択(再クラスタリング)する。適応範囲選択部51は、再選択した範囲を更新範囲情報56として更新モデル記憶部54に記憶する。また、適応範囲選択部51は、計測情報MI及び事故計測情報AMIのうち、再選択した更新範囲情報56の範囲に存在する配電設備EQの計測情報MI及び事故計測情報AMIを選択する。適応判定部52は、適応範囲選択部51が再選択した範囲(この一例では、X県北部)に基づいて、原因情報を取得する。適応範囲選択部51は、適応判定部52が更新後事故分類モデル55の精度が、事故分類モデル63の精度と同様又は事故分類モデル63の精度よりも向上していると判定するまでの間、範囲の選択を行う。
また、対象事故情報記憶部90に記憶される対象事故情報91のうち、更新モデル生成部43が更新後事故分類モデル55の生成に用いた事故計測情報AMIは、既に学習された教師情報(以下、既学習対象事故情報)として、他の記憶部(不図示)や対象事故情報記憶部90内の別の区画に格納される構成であってもよい。この場合、更新モデル生成部43は、既学習対象事故情報を更新後事故分類モデル55の生成に用いない。つまり、更新モデル生成部43は、既学習対象事故情報以外の対象事故情報91に基づいて、更新後事故分類モデル55を生成する。
以下、図9を参照し、再学習機能部40の動作の詳細について説明する。図9は、再学習機能部40の動作の一例を示す流れ図である。事故回数判定部41は、事故履歴情報101に基づいて、電力系統に事故が発生しているか否かを判定する(ステップS110)。事故回数判定部41は、電力系統に事故が発生している場合、同一の配電設備EQに2回以上事故が発生しているかを判定する(ステップS120)。再学習機能部40は、電力系統に事故が発生するまでの間(ステップS110;NO)であって、当該事故が同一の配電設備EQにおいて2回目以上の事故となるまでの間(ステップS120;NO)、処理を行わない。なお、事故回数判定部41は、事故情報取得部12から事故情報を取得し、事故が発生しているか否かを判定する構成であってもよい。
学習データ選択部42は、同一の配電設備EQに2回以上事故が発生している場合、更新後事故分類モデル55を生成する際に用いられる学習データを選択する(ステップS130)。具体的には、学習データ選択部42は、対象情報81として記憶される計測情報MI及び対象事故情報91に記憶される事故計測情報AMIを更新後事故分類モデル55の学習データとして選択する。また、学習データ選択部42は、状態が変化していることを示す傾向判定結果が対応付けられている計測情報MIが存在する場合、当該傾向判定結果が対応付けられた計測日MD以降の計測情報MIを更新後事故分類モデル55の学習データとして選択する。また、学習データ選択部42は、当該計測日MD以降の事故発生日ADが対応付けられた事故計測情報AMIを更新後事故分類モデル55の学習データとして選択する。更新モデル生成部43は、学習データ選択部42が選択した学習データに基づいて、計測情報MI及び事故計測情報AMIを入力し、原因情報を出力するように、機械学習によって学習された更新後事故分類モデル55を生成する(ステップS140)。更新モデル生成部43は、生成した更新後事故分類モデル55を更新モデル記憶部54に記憶させる(ステップS150)。
以下、図10を参照し、モデル更新機能部50の動作の詳細について説明する。図10は、モデル更新機能部50の動作の一例を示す流れ図である。モデル更新機能部50は、事故履歴情報101に基づいて、電力系統に事故が発生しているか否かを判定する(ステップS210)。モデル更新機能部50は、電力系統に事故が発生するまでの間(ステップS210;NO)、処理を行わない。なお、モデル更新機能部50は、事故情報取得部12から事故情報を取得し、事故が発生しているか否かを判定する構成であってもよい。
適応範囲選択部51は、取得した事故計測情報AMIのうち、更新範囲情報56が示す範囲に存在する配電設備EQの事故計測情報AMIを選択する(ステップS220)。適応範囲選択部51は、例えば、対象事故情報91に基づいて、事故計測情報AMIに対応付けられる設置地域ARを取得する。適応範囲選択部51は、取得した設置地域ARが更新範囲情報56の示す範囲に存在する地域(位置)である場合、当該事故計測情報AMIを更新後事故分類モデル55の入力情報として選択する。適応判定部52は、更新後事故分類モデル55が示す更新後事故分類モデル55と、適応範囲選択部51が選択した事故計測情報AMIとに基づいて、原因情報を取得する(ステップS230)。また、適応判定部52は、原因情報取得部61が事故計測情報AMIと、事故分類モデル63とに基づいて取得した原因情報を取得する(ステップS240)。
適応判定部52は、取得した原因情報同士を比較し、更新後事故分類モデル55の精度が、事故分類モデル63の精度と同様又は事故分類モデル63の精度よりも向上しているか否かを判定する(ステップS250)。適応判定部52は、更新後事故分類モデル55の精度が、事故分類モデル63の精度と同様又は事故分類モデル63の精度よりも向上している場合、モデル記憶部62に記憶される事故分類モデル63及び範囲情報64を更新する(ステップS260)。具体的には、適応判定部52は、更新後事故分類モデル55を事故分類モデル63としてモデル記憶部62に保存する。また、適応判定部52は、適応範囲選択部51が選択した範囲(更新範囲情報56が示す範囲)であって、更新後事故分類モデル55を適応することが可能な範囲を範囲情報64としてモデル記憶部62に記憶する。
適応判定部52が更新後事故分類モデル55の精度が、事故分類モデル63の精度より低いと判定する場合(ステップS250;NO)、適応範囲選択部51は、更新後事故分類モデル55を適応する範囲を再選択し、再選択した範囲を更新範囲情報56として更新モデル記憶部54に記憶する(ステップS260)。適応範囲選択部51は、取得した事故計測情報AMIのうち、再選択した範囲に存在する配電設備EQから取得した事故計測情報AMIを更新後事故分類モデル55の入力情報として選択する(ステップS270)。適応判定部52は、適応範囲選択部51が選択した事故計測情報AMIと、更新後事故分類モデル55とに基づいて、原因情報を取得する(ステップS280)。適応判定部52は、適応範囲選択部51が再選択した範囲の事故計測情報AMIに基づいて取得した原因情報と、ステップS240において取得した原因情報とを比較し、更新後事故分類モデル55の精度が、事故分類モデル63の精度と同様又は事故分類モデル63の精度よりも向上しているか否かを判定する(ステップS290)。適応範囲選択部51及び適応判定部52は、更新後事故分類モデル55の精度が、事故分類モデル63の精度と同様又は事故分類モデル63の精度よりも向上するまでの間、ステップS260からステップS290の処理を繰り返す。適応判定部52は、更新後事故分類モデル55の精度が、事故分類モデル63の精度と同様又は事故分類モデル63の精度よりも向上している場合、処理をステップS260に進める。
なお、適応範囲選択部51及び適応判定部52は、更新後事故分類モデル55の精度が、事故分類モデル63の精度と同様又は事故分類モデル63の精度よりも向上するまでの間、ステップS260からステップS290の処理を所定の回数繰り返しても、更新後事故分類モデル55の精度が、事故分類モデル63の精度と同様にならない又は事故分類モデル63の精度が低下した場合には、更新モデル記憶部54から、更新後事故分類モデル55が削除される構成であってもよい。
以上説明したように、本実施形態の事故原因分類装置1は、計測情報取得部11と、事故情報取得部12と、傾向判定部21と、結果情報取得部30と、更新モデル生成部43と、原因情報取得部61と、モデル記憶部62と、対象情報記憶部80と、対象事故情報記憶部90と、事故履歴情報記憶部100とを持つ。モデル記憶部62には、対象設備(この一例では、配電設備EQ)に発生した事故の原因を示す原因情報と、事故分類モデル63とが記憶される。事故分類モデル63は、配電設備EQに印加される電圧又は配電設備EQを流れる電流を計測した(つまり、電力に関する計測を行った)計測情報MIが入力されると、事故の原因を示す原因情報を出力するように、機械学習によって学習された学習モデルである。計測情報取得部11は、配電設備EQにおいて電力に関する計測を行った結果を示す計測情報MIを取得する。事故情報取得部12は、配電設備EQに事故が発生しているか否かを示す事故情報を取得する。原因情報取得部61は、事故情報取得部12により事故情報が取得されたタイミングで計測情報取得部11により取得された計測情報MI(つまり、事故計測情報AMI)を事故分類モデル63に入力し、原因情報を取得する。結果情報取得部30は、配電設備EQの巡視員から取得される情報であって、事故情報に関連付けて事故の原因を示す結果情報を取得する。事故履歴情報記憶部100には、結果情報取得部30により取得された結果情報と、結果情報が示す事故が発生したタイミングを示す情報とを対応付けた事故履歴情報101が記憶される。傾向判定部21は、計測情報MIに基づいて、配電設備EQの状態が変化しているかを判定する。対象情報記憶部80には、傾向判定部21の判定結果と、計測情報MIと、計測情報MIを取得したタイミングを示す情報(この一例では、計測日MD)とを対応付けた対象情報81が記憶される。更新モデル生成部43は、同時期に取得または生成された対象情報81と、対象事故情報91と、事故履歴情報101とに基づいて、事故分類モデル63に代えて用いられる更新後事故分類モデル55を生成し、モデル記憶部62に記憶させる。
ここで、電力系統設備及び電力系統設備の周辺の環境が変化した場合、従来使用していた事故分類モデル63では、適切な原因情報を取得することが困難である場合がある。本実施形態の事故原因分類装置1は、電力系統設備及び電力系統の周辺の環境が変化したこと、つまり配電設備EQの状態が変化しているか否かを判定し、配電設備EQの状態が変化している場合には、事故分類モデル63に代えて用いられる更新後事故分類モデル55を生成することができる。
また、本実施形態の事故原因分類装置1において、傾向判定モデル記憶部22には、過去に取得された計測情報MIに基づいて、入力された計測情報MIを出力するように、機械学習によって学習された傾向判定モデル23が記憶され、傾向判定部21は、傾向判定モデル23に、計測情報取得部11が取得した計測情報MIを入力し、出力された情報と、入力された計測情報MIとの差に基づいて、配電設備EQの状態が変化しているかを判定する。これにより、本実施形態の事故原因分類装置1は、簡便な方法によって配電設備EQの状態が変化しているか否かを判定することができる。
また、本実施形態の事故原因分類装置1において、事故回数判定部41は、対象事故情報91及び対象情報81に基づいて、対象情報81に計測情報MIが含まれる配電設備EQにおいて、事故が少なくとも2回発生したか否かを判定する。更新モデル生成部43は、事故回数判定部41の判定結果が、事故が少なくとも2回発生したことを示す場合、更新後事故分類モデル55を生成する。ここで、傾向判定部21によって配電設備EQの状態が変化していると判定される場合であっても、更新後事故分類モデル55を生成する際に用いられる教師情報(この一例では、計測情報MI及び事故計測情報AMI)が十分に収集できていない場合がある。更新後事故分類モデル55を生成するためには、例えば、ある配電設備EQに対して少なくとも2回以上の発生した事故時に取得される事故計測情報AMIを収集することが求められる。本実施形態の事故原因分類装置1は、事故回数判定部41の判定結果が、事故が少なくとも2回発生したことを示す場合、更新後事故分類モデル55を生成するための教師情報を十分に収集した後に更新後事故分類モデル55を生成することができる。
また、本実施形態の事故原因分類装置1において、学習データ選択部42は、対象情報81のうち、配電設備EQの状態が変化していることを示す傾向判定部21の判定結果が対応付けられている計測情報MIが取得された計測日MD以降に取得された計測情報MI及び事故計測情報AMIを選択する。更新モデル生成部43は、学習データ選択部42が選択した計測情報MI及び事故計測情報AMIに基づいて、更新後事故分類モデル55を生成する。ここで、配電設備EQの状態が変化している場合、当該変化が生じる以前に取得された計測情報MIや事故計測情報AMIを、更新後事故分類モデル55を生成するための教師情報として用いることが好ましくない場合がある。本実施形態の事故原因分類装置1は、配電設備EQに変化が生じた後に取得された計測情報MI及び事故計測情報AMIに基づいて更新後事故分類モデル55を生成するため、現在の配電設備EQの状態に応じた更新後事故分類モデル55を生成することができる。
また、本実施形態の事故原因分類装置1において、対象事故情報記憶部90に記憶される対象事故情報91のうち、更新後事故分類モデル55の生成に用いられた対象事故情報91は、既学習対象事故情報として記憶される。また、更新モデル生成部43は、対象事故情報91のうち、既学習対象事故情報である対象事故情報91以外の対象事故情報91に基づいて、更新後事故分類モデル55を生成する。本実施形態の事故原因分類装置1は、既に更新後事故分類モデル55の学習に用いられた対象事故情報91、つまり既に更新後事故分類モデル55にデータの特徴が反映された対象事故情報91を除外して更新後事故分類モデル55を生成することができる。
また、本実施形態の事故原因分類装置1において、適応判定部52は、対象事故情報91(事故計測情報AMI)を更新後事故分類モデル55に入力し、生成した原因情報と、原因情報取得部61が取得した原因情報とに基づいて、更新後事故分類モデル55の適応の可否を判定する。本実施形態の事故原因分類装置1によれば、更新後事故分類モデル55が、事故分類モデル63の精度と同様又は事故分類モデル63の精度よりも向上しているかを判定し、生成した更新後事故分類モデル55が適切か否かを判定することができる。
また、本実施形態の事故原因分類装置1において、適応範囲選択部51は、更新後事故分類モデル55に入力する事故計測情報AMIを選択する。適応判定部52は、適応範囲選択部51が選択した配電設備EQの事故計測情報AMIを、更新モデル生成部43が生成した更新後事故分類モデル55に入力し、生成した原因情報と、原因情報取得部61が取得した原因情報とに基づいて、更新後事故分類モデル55の適応の可否を判定する。これにより、本実施形態の事故原因分類装置1は、更新後事故分類モデル55によって原因情報の取得が可能な範囲の配電設備EQ(事故計測情報AMI)に対して更新後事故分類モデル55を適応することができる。
また、本実施形態の事故原因分類装置1において、適応範囲選択部51は、適応判定部52の判定結果が、更新後事故分類モデル55を適応しないことを示す場合、選択する配電設備EQを変更する。これにより、本実施形態の事故原因分類装置1は、更新後事故分類モデル55によって原因情報の取得が可能な範囲をより適切に選択することができる。
また、本実施形態の事故原因分類装置1において、更新部53は、適応判定部52の判定結果が、更新後事故分類モデル55が適応することを示す場合、更新後事故分類モデル55を事故分類モデル63としてモデル記憶部62に記憶させる。これにより、本実施形態の事故原因分類装置1は、更新後事故分類モデル55の精度が、事故分類モデル63の精度と同等又は事故分類モデル63の精度よりも高い場合に、更新後事故分類モデル55を事故分類モデル63として用いることができる。
なお、上述では、表示制御部70は、原因情報取得部61から取得した原因情報を示す画像IM1を端末装置TM1に表示させる場合について説明したが、これに限られない。表示制御部70は、原因情報以外の情報を端末装置TM1に表示させる構成であってもよい。図11は、配電設備EQの状態が変化してから、更新後事故分類モデル55が生成されるまでの期間の一例を示す図である。図4に示す通り、配電設備EQ5は、計測日MD「2017/11/7」において、状態に変化が生じていると判定される。また、図5に示す通り、配電設備EQ5は、事故発生日AD「2017/11/15」及び「2017/11/30」において、「地絡」の事故が発生している。上述したように、事故原因分類装置1は、同一の配電設備EQにおいて2回以上の事故が発生するまでの間、更新後事故分類モデル55を生成しない。したがって、図11に示す通り、「2017/11/7」において配電設備EQ5の状態に変化が生じていると判定されていながら、2回目の事故が発生する「2017/11/30」までの間、配電設備EQの変化に対応していない事故分類モデル63が原因情報を出力する。巡視員は、例えば、「2017/11/7」以降の配電設備EQの巡視において、配電設備EQに変化が生じていることを把握していることが好ましい。図12は、表示制御部70が端末装置TM1に表示する画像IM2の他の例を示す図である。表示制御部70は、対象情報81に配電設備EQに変化が生じていることを示す傾向判定結果が含まれる場合、当該傾向判定結果が対応付けられた計測日MD以降、端末装置TM1には、配電設備EQに変化が生じていることを示すメッセージ(図示する、メッセージMS)を含む画像IM2を表示する。
これにより、本実施形態の事故原因分類装置1において、表示制御部70は、原因情報取得部61が取得した原因情報と、傾向判定部21が判定した判定結果とに基づいて、表示装置(この一例では、端末装置TM1)に表示する配電設備EQに関する情報(この一例では、メッセージMS)の表示を制御する。これにより、本実施形態の事故原因分類装置1は、配電設備EQの状態が変化してから、更新後事故分類モデル55が生成されるまでの間であっても、巡視員に配電設備EQの状態が変化していることを提示することができる。
なお、上述では、対象情報81には、計測情報MIを取得した日付を示す計測日MDが含まれる場合について説明したが、これに限られない。対象情報81には、計測情報MIを取得したタイミングを示す情報が含まれていれば、計測日MDに代えていずれの情報が含まれていてもよい。また、事故履歴情報101には、結果情報が示す事故が発生した日付を示す事故発生日ADが含まれる場合について説明したが、これに限られない。対象事故情報91及び事故履歴情報101には、結果情報が示す事故が発生したタイミングを示す情報が含まれていれば、事故発生日ADに代えていずれの情報が含まれていてもよい。タイミングを示す情報とは、例えば、時刻を示す情報であってもよく、年月日を示す情報であってもよい。また、この場合、更新モデル生成部43は、事故情報と同時期に取得された計測情報MI及び事故計測情報AMIに基づいて、更新後事故分類モデル55を生成する。
以上説明した少なくとも一つの実施形態によれば事故原因分類装置1は、モデル記憶部62と、計測情報取得部11と、事故情報取得部12と、結果情報取得部30と、事故履歴情報記憶部100と、傾向判定部21と、対象情報記憶部80と、対象事故情報記憶部90と、原因情報取得部61と、更新モデル生成部43とを持つ。モデル記憶部62は、配電設備EQに発生した事故の原因を示す原因情報と、配電設備EQに印加される電圧又は配電設備EQを流れる電流を計測した計測情報MIとに基づいて、事故の原因を示す原因情報を出力するように、機械学習によって学習された事故分類モデル63を記憶する。計測情報取得部11は、配電設備EQに印加される電圧又は配電設備EQを流れる電流を計測した計測結果を示す計測情報MIを取得する。事故情報取得部12は、配電設備EQに事故が発生しているか否かを示す事故情報を取得する。結果情報取得部30は、配電設備EQの巡視員から取得する情報であって、事故の原因を示す結果情報を取得する。事故履歴情報記憶部100は、結果情報取得部30が取得した結果情報と、結果情報を取得した日付とを対応付けた事故履歴情報101を記憶する。傾向判定部21は、計測情報MIに基づいて、配電設備EQの状態が変化しているかを判定する。対象情報記憶部80は、傾向判定部21の判定結果と、計測情報MIと、計測情報MIを取得した計測日MDとを対応付けた対象情報81を記憶する。対象事故情報記憶部90は、配電設備EQに事故が発生していることを示す事故情報を取得することに応じて取得した計測情報MIと、事故発生日ADとを対応付けた対象事故情報91を記憶する。原因情報取得部61は、対象事故情報91を事故分類モデル63に入力し、原因情報を生成する。更新モデル生成部43は、対象情報81と、対象事故情報91と、事故履歴情報101とに基づいて、事故分類モデル63に代えて用いられる更新後事故分類モデル55を生成する。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。