JP6833341B2 - トナーおよびトナーの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真法、静電記録法およびトナージェット法のような画像形成方法に用いられるトナーおよびトナーの製造方法に関する。
静電潜像を現像する画像形成方法は、複写機、複合機、プリンターに適用されている。この画像形成方法について、トナー画像を紙などの転写材に定着する方法には、種々の方法が開発されている。例えば、熱ローラーと加圧ローラーによってトナー画像を転写材に定着させる熱ローラー定着法や、フィルムを介して加熱体に加圧部材を密着させてトナー画像を転写材に定着させるフィルム定着法がある。これらの定着方法は、熱ローラーやフィルムの表面と転写材上のトナー画像とが接触するため、トナー画像を転写材上に融着させる際の熱効率が良好であり、迅速に定着を行うことができる。そのため、これらの定着方法は複合機やプリンターにおいて広く採用されている。
しかしながら、上記の定着方法は、オフセット現象が生じることがあった。この現象は、熱ローラーやフィルムなどの定着部材の表面とトナーとが溶融状態で接触する際に、トナーの一部がこれら定着部材の表面に付着してしまい、次の転写材にこの熱ローラーやフィルムに付着したトナーが再転移する現象である。
このような課題に対し、特許文献1では、トナー粒子中に多官能エステル化合物などのワックスを含有させ、オフセット現象を抑制したトナーが提案されている。この方法により、定着温度の低温領域から高温領域に至るまでワックスの離型効果が維持するため、オフセット現象の低減や、広い温度領域において安定した定着性を有することができることが記載されている。
特開2001−147550号公報
しかしながら、近年、複合機やプリンターの普及ともに使用される環境が広まっており、さまざまな環境に対して安定した画像品質が求められるようになっている。本発明者らの検討の結果、特許文献1に記載のトナーは、高温高湿環境下においてトナー表面へのワックスの染み出し(ブリードともいう)に伴うトナー同士の合一が生じやすいことがわかった。またトナーの合一まで至らない条件であってもワックスの染み出しによる帯電特性の悪化による画像不良が発生しやすいことがわかった。そのため、幅広い定着可能領域を維持しつつも、さまざまな環境に対して安定した画像品質が得られるトナーが求められている。
本発明の目的は、トナー表面へのワックスのブリードが抑制され、保存性および帯電性が優れたトナーおよびトナーの製造方法を提供することである。
本発明は、樹脂及びワックスを含有するトナー粒子を有するトナーであって、
前記樹脂の90質量%以上が、非晶性成分であり、
前記非晶性成分が、スチレンアクリル樹脂であり、
前記ワックスが、4価以上8価以下のアルコールと脂肪族モノカルボン酸とのエステル、又は4価以上8価以下のカルボン酸と脂肪族モノアルコールとのエステル、であり、
下記式で示されるトナー中における前記ワックスの結晶化度が72.0%以上である
ことを特徴とするトナーに関する。
結晶化度(%)=(Q1/(Q2×W1))×100
(式中、
Q1は、前記トナーの示差走査熱量分析における、トナー中のワックス起因の吸熱量(J/g)を示す。
Q2は、前記ワックスの示差走査熱量分析における、ワックス単体の吸熱量(J/g)を示す。
W1は、トナーの全質量に対する前記ワックスの含有比率(質量%)を示す。)
また、本発明は、上記したトナーを製造するためのトナーの製造方法であって、
前記製造方法は、下記(i)または(ii)の曝露処理工程を含み、
(i)樹脂及びワックスを含有する曝露処理前のトナー粒子に二酸化炭素を曝露してトナー粒子を得る工程;
(ii)樹脂及びワックスを含有するトナー粒子並びに外添剤を有する曝露処理前のトナーに二酸化炭素を曝露してトナーを得る工程;
前記曝露処理工程の二酸化炭素の温度が10℃以上60℃以下、圧力が1.0MPa以上3.5MPa以下である
ことを特徴とするトナーの製造方法に関する。
本発明によれば、トナー表面へのワックスのブリードが抑制され、保存性および帯電性に優れたトナーおよびトナーの製造方法を提供することができる。
加圧保持装置の一例を示す概略図
以下に、本発明の実施様態を具体的に説明する。
本発明のトナーは、樹脂及びワックスを含有するトナー粒子を有するトナーであり、樹脂の80質量%以上が非晶性成分である。ワックスが、4価以上8価以下のアルコールと脂肪族モノカルボン酸とのエステル、又は4価以上8価以下のカルボン酸と脂肪族モノアルコールとのエステルである。そして、下記式で示されるトナー中におけるワックスの結晶化度が72.0%以上であることを特徴とする。
結晶化度(%)=(Q1/(Q2×W1))×100
式中、Q1は、トナーの示差走査熱量分析における、トナー中のワックス起因の吸熱量(J/g)を示す。Q2は、ワックスの示差走査熱量分析における、ワックス単体の吸熱量(J/g)を示す。W1は、トナーの全質量に対するワックスの含有比率(質量%)を示す。
本発明者らは、トナー中でのワックスの結晶化度を上記範囲以上に高めたワックスを含有することで、幅広い定着温度領域を維持しつつ、さらに保存性、帯電性にも優れたトナーが得られることを見出した。
具体的には、本発明のワックスは、4価以上8価以下のアルコールと脂肪族モノカルボン酸とのエステル、又は4価以上8価以下のカルボン酸と脂肪族モノアルコールとのエステルである。このようなワックスを用いると、低温定着性および高温定着性に優れた特性が得られる。上記のワックスは、一般的に知られているワックスの中でも比較的大きな分子量を有するワックスに分類される。このような大きな分子量もつワックスは、高温時のオフセットに対して特に有効な効果が得られる。その一方で、このワックスは構造の歪さに起因すると推察される結晶化度の低下がトナー中で起こりやすい。トナー中において低結晶化状態で存在するワックスは、長期に亘って徐々にトナー表面へブリードし、保存性の低下やカブリなどの画像弊害が起こす原因となる。特に、高温高湿環境においてこのような現象が顕著に起こりやすくなる。
また、本発明のトナーは、樹脂の80質量%以上が非晶性成分であり、ワックスの造核部位となりうる部分が少ない樹脂を多く含んでいるため、ワックスのブリードがより起こりやすくなってしまう。そのようなトナーにおいて、トナー中のワックスの結晶化度を上記範囲に高めたワックスを有することにより、幅広い定着温度領域を維持しつつも、保存性、帯電性に優れたトナーが得られることを見出した。具体的には、トナー中におけるワックスの結晶化度が72.0%以上である。上記ワックスの結晶化度が72.0%以上であると、トナー中においてワックスの低結晶化が抑制され、長期に亘ってトナー表面へワックスがブリードすることが抑制される。上記ワックスの結晶化度が72.0%未満であると、トナー中において低結晶化状態のワックスが多く存在し、長期に亘ってトナー表面へワックスがブリードしやすい。より好ましくは、トナー中におけるワックスの結晶化度が80.0%以上である。
トナー中のワックスの結晶化度を上記範囲にする方法としては、後述の高圧二酸化炭素で曝露処理する方法などが挙げられる。
ワックスの数平均分子量(Mn)は、900以上3000以下であることが好ましい。900以上であれば機械的強度が十分に得られるため耐久性に優れ、3000以下であれば樹脂への相溶性も得られるため低温定着性に優れる。
本発明のワックスは、4価以上8価以下のアルコールと脂肪族モノカルボン酸とのエステル、又は4価以上8価以下のカルボン酸と脂肪族モノアルコールとのエステルである。
4価以上8価以下のアルコールとしては、ペンタエリトリトール、ジペンタエリトリトール、トリペンタエリトリトール、ポリグリセリンなど公知のポリオールが挙げられる。好ましくは、ペンタエリトリトール、ジペンタエリトリトール、トリペンタエリトリトールである。
脂肪族モノアルコールとしては、1−オクタノール、1−ノナノ―ル、1−デカノ―ル、ウンデシルアルコール、ラウリルアルコール、トリデシルアルコール、ミリスチルアルコール、ペンタデシルアルコール、セタノール、パルミトレイルアルコール、1−ヘプタデカノール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、エライジルアルコール、オレイルアルコール、リノレイルアルコール、エライドリノレイルアルコール、リノレニルアルコール、エライドリノレニルアルコール、リシノレイルアルコール、ノナデシルアルコール、アラキジルアルコール、ヘンエイコサノール、ベヘニルアルコール、エルシルアルコール、リグノセリルアルコール、セリルアルコール、1−ヘプタコサノール、モンタニルアルコール、1−ノナコサノール、ミリシルアルコール、1−ドトリアコンタノール、ゲジルアルコールなどが挙げられる。その中でも、炭素数12以上30以下の脂肪族モノアルコールが好ましい。炭素数が12以上であると、高温オフセット性が良好となる。
4価以上8価以下のカルボン酸としては、ピロメリット酸、メリット酸、シクロヘキサンテトラカルボン酸、シクロヘキサンヘキサカルボン酸などが挙げられる。
脂肪族モノカルボン酸としては、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ヘプタデカン酸、ステアリン酸、ナノデシル酸、アラキジン酸、イコサン酸、ベヘン酸、トリコサン酸、グリノセリン酸、ペンタコサン酸、セロチン酸、ヘプタコサン酸、モンタン酸、ナノコサン酸、メリシン酸、ヘントリアンコンタン酸、ドトリアンコンタン酸、トリトリアンコンタン酸、テトラトリアンコンタン酸などが挙げられる。その中でも、脂肪族モノアルコールと同様、炭素数12以上30以下の脂肪族モノカルボン酸が好ましい。炭素数が12以上であると、高温オフセット性が良好となる。
本発明においては、トナー中のワックスの分布状態を制御することが好ましい。具体的には、透過型電子顕微鏡で観察されるトナーの断面において、ワックスはトナー中で5個以上のワックスのドメインを有することが好ましい。ワックスがトナー中で複数個のドメインとなっていることで、定着時にトナー表面へワックスが染み出し易くなり十分な離型性が得られやすくなるため、より高温オフセット性が良好となる。ワックスのドメインの個数は、後述の方法により算出する。
樹脂は非晶性成分が本発明の規定を満たすものであればいずれの樹脂を用いることが可能である。なお、非晶性成分とは、示差走査熱量測定において、明確な吸熱ピークを示さないものである。非晶性成分として、好ましくはスチレンアクリル樹脂及び芳香族ポリエステルの少なくとも一方である。
スチレンアクリル樹脂としては、下記に挙げる重合性単量体をラジカル重合した樹脂を用いることができる。重合性単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、および、p−フェニルスチレンのようなスチレン誘導体類;
メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、iso−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、iso−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−ノニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、ジメチルフォスフェートエチルアクリレート、ジエチルフォスフェートエチルアクリレート、ジブチルフォスフェートエチルアクリレート、および、2−ベンゾイルオキシエチルアクリレートのようなアクリル系重合性単量体類;
メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、iso−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−ノニルメタクリレート、ジエチルフォスフェートエチルメタクリレート、および、ジブチルフォスフェートエチルメタクリレートのようなメタクリル系重合性単量体類が挙げられる。
スチレンアクリル樹脂の重合性単量体としては、多官能性重合性単量体を用いてもよい。具体的には、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、2,2’−ビス(4−(アクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、2,2’−ビス(4−(メタクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−(メタクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタリン、および、ジビニルエーテル、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、4,4’−ジビニルビフェニルが挙げられる。
芳香族ポリエステルとしては、下記に挙げる酸成分単量体とアルコール成分単量体とを縮合重合した樹脂を用いることができる。酸成分単量体としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、フマル酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、しょうのう酸、シクロヘキサンジカルボン酸、および、トリメリット酸が挙げられる。
アルコール成分単量体としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサンのアルキレングリコール類およびポリアルキレングリコール類、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物、グリセリン、トリメチロールプロパン、および、ペンタエリトリトールが挙げられる。芳香族ポリエステルは、酸成分単量体またはアルコール成分単量体の少なくとも一方に芳香族単量体が含まれている。
単量体は二種以上組み合わせて使用することが、トナーの現像特性および耐久性の観点から好ましい。
本発明に係るトナーを製造するための製造方法は、どのような製造方法であっても構わないが、懸濁重合法、乳化重合法および溶解懸濁法(懸濁造粒法)のような水系媒体中で重合性単量体組成物を造粒するトナー粒子の製造方法によって得ることが好ましい。
以下、本発明に用いられるトナーの製造方法の中で最も好適な懸濁重合法を用いて、トナーの製造方法を説明する。
樹脂を形成しうる重合性単量体、ワックスおよび、必要に応じて、着色剤などその他の添加物を、分散機に依って均一に溶解または分散させ、これに重合開始剤を溶解し、重合性単量体組成物を調製する。次に、重合性単量体組成物を分散安定剤含有の水系媒体中に分散して懸濁液を調整する(造粒工程)。重合性単量体組成物の液滴中の重合性単量体を重合し、トナー粒子分散液を得る(重合工程)。分散機としては、ホモジナイザー、ボールミル、コロイドミル、超音波分散機などが挙げられる。
重合工程が終了したトナー粒子分散液中から未反応の重合性単量体などを除去するために、揮発成分除去工程を行ってもよい。揮発成分除去工程はトナー粒子分散液を撹拌手段が設置された撹拌槽で加熱、撹拌することによって行う。揮発成分除去工程時の加熱条件は重合性単量体など除去したい成分の蒸気圧を考慮し適宜調節される。揮発成分除去工程は常圧又は減圧下で行うことができる。
トナー粒子表面に付着した分散安定剤を除去する目的で、トナー粒子分散液を酸又はアルカリで処理してもよい。トナー粒子から分散安定剤を除去した後、一般的な固液分離法によりトナー粒子を水系媒体と分離するが、酸又はアルカリ、及びそれらに溶解した分散安定剤成分を完全に取り除くため、再度水を添加してトナー粒子を洗浄することが好ましい。この洗浄工程を何度か繰り返し、十分な洗浄が行われた後に、再び固液分離してトナー粒子を得ることができる。得られたトナー粒子は必要であれば公知の乾燥手段により乾燥してもよい(固液分離工程、洗浄工程及び乾燥工程)。
一方、溶解懸濁法においてトナー粒子を得る場合には、有機溶媒に、樹脂及びワックス、並びに必要に応じて、着色剤、及び荷電制御剤等その他材料を均一に溶解又は分散して樹脂溶液を調製する。得られた樹脂溶液を水系媒体中に分散して造粒し、造粒された粒子中に含有される有機溶媒を除去して、所望の粒径を有するトナー粒子を得る。得られたトナー粒子は、前記の懸濁重合法と同様の方法で、洗浄工程、乾燥工程を行うことができる。
溶解懸濁法における樹脂溶液に用いる有機溶媒は、結着樹脂、ワックスなどトナー粒子の原材料となるものと相溶するものであれば特に限定されるものではないが、溶媒除去の観点から水の沸点以下でもある程度の蒸気圧があるものが好ましい。例えばトルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを用いることができる。
重合開始剤は、重合性単量体中に他の添加剤を添加するときに同時に加えてもよいし、水系媒体中に懸濁する直前に混合してもよい。また、造粒直後、重合反応を開始する前に重合性単量体あるいは溶媒に溶解した重合開始剤を加えてもよい。
本発明に用いることができる重合開始剤としては、有機過酸化物系開始剤やアゾ系重合開始剤が挙げられる。有機過酸化物系開始剤としては、以下のものが挙げられる。ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ジ−α−クミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、t−ブチルパーオキシマレイン酸、ビス(t−ブチルパーオキシ)イソフタレート、メチルエチルケトンパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、クメンヒドロパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、および、tert−ブチル−パーオキシピバレートなどである。
アゾ系重合開始剤としては、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、および、アゾビスメチルブチロニトリルなどが挙げられる。
また、重合開始剤として、酸化性物質と還元性物質とを組み合わせたレドックス系開始剤を用いることもできる。酸化性物質としては、過酸化水素、過硫酸塩(ナトリウム塩、カリウム塩、および、アンモニウム塩)の無機過酸化物、および、4価のセリウム塩の酸化性金属塩が挙げられる。還元性物質としては還元性金属塩(2価の鉄塩、1価の銅塩、および、3価のクロム塩)、アンモニア、低級アミン(メチルアミン、および、エチルアミンのような炭素数1〜6程度のアミン)、ヒドロキシルアミンのようなアミノ化合物、チオ硫酸ナトリウム、ナトリウムハイドロサルファイト、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、および、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレートの還元性硫黄化合物、低級アルコール(炭素数1〜6)、アスコルビン酸またはその塩、および低級アルデヒド(炭素数1〜6)が挙げられる。
重合開始剤は、10時間半減期温度を参考に選択され、単独または混合して利用される。重合開始剤の添加量は、目的とする重合度により変化するが、一般的には重合性単量体100.0質量部に対し0.5質量部以上20.0質量部以下が添加される。
また、重合度を制御するため公知の連鎖移動剤、および、重合禁止剤をさらに添加し用いることも可能である。
本発明には着色剤として、以下の有機顔料、有機染料、および、無機顔料を用いてもよい。
シアン系着色剤としては、銅フタロシアニン化合物およびその誘導体、アントラキノン化合物、および、塩基染料レーキ化合物が挙げられる。具体的には、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、および、66。
マゼンタ系着色剤としては、以下のものが挙げられる。縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、および、ペリレン化合物。具体的には、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、23、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、122、144、146、150、166、169、177、184、185、202、206、220、221、254、およびC.I.ピグメントバイオレット19。
イエロー系着色剤としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アントラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、および、アリルアミド化合物が挙げられる。具体的には、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントイエロー12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、151、154、155、168、174、175、176、180、181、185、191、および、194。
ブラック着色剤としては、カーボンブラック、および、上記イエロー系着色剤、マゼンタ系着色剤、および、シアン系着色剤を用いて黒色に調色されたものが挙げられる。
これらの着色剤は、単独または混合しさらには固溶体の状態で用いることができる。本発明に用いられる着色剤は、色相角、彩度、明度、耐光性、OHP透明性、および、トナー粒子中の分散性の点から選択される。
着色剤は、樹脂100.0質量部に対して1.0質量部以上20.0質量部以下用いることが好ましい。
懸濁重合法を用いてトナー粒子を得る場合には、着色剤の持つ重合阻害性や水相移行性を考慮し、重合阻害のない物質による疎水化処理を施した着色剤を用いることが好ましい。染料を疎水化処理する好ましい方法としては、あらかじめこれら染料の存在下に重合性単量体を重合せしめて着色重合体を得る方法が挙げられ、この得られた着色重合体を重合性単量体組成物に添加する。
また、カーボンブラックについては、上記染料と同様の疎水化処理の他、カーボンブラックの表面官能基と反応する物質(ポリオルガノシロキサン)で処理を行ってもよい。
また、必要に応じて荷電制御剤を用いてもよい。荷電制御剤としては、公知のものが利用でき、特に摩擦帯電スピードが速く、かつ、一定の摩擦帯電量を安定して維持できる荷電制御剤が好ましい。さらに、トナー粒子を懸濁重合法により製造する場合には、重合阻害性が低く、水系媒体への可溶化物が実質的にない荷電制御剤が特に好ましい。
荷電制御剤としてはトナーを負荷電性に制御するものと正荷電性に制御するものがある。トナーを負荷電性に制御するものとしては、以下のものが挙げられる。モノアゾ金属化合物、アセチルアセトン金属化合物、芳香族オキシカルボン酸、芳香族ダイカルボン酸、オキシカルボン酸およびダイカルボン酸系の金属化合物、芳香族モノおよびポリカルボン酸およびその金属塩、無水物、エステル類、ビスフェノールのようなフェノール誘導体類、尿素誘導体、含金属サリチル酸系化合物、含金属ナフトエ酸系化合物、ホウ素化合物、4級アンモニウム塩、カリックスアレーン、および、荷電制御樹脂が挙げられる。一方、トナーを正荷電性に制御する荷電制御剤としては、以下のものが挙げられる。グアニジン化合物;イミダゾール化合物;トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレートのような4級アンモニウム塩、および、これらの類似体であるホスホニウム塩のようなオニウム塩およびこれらのレーキ顔料;トリフェニルメタン染料およびこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、リンタングステン酸、リンモリブデン酸、リンタングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、および、フェロシアン化物);高級脂肪酸の金属塩;荷電制御樹脂。これら荷電制御剤は、単独でまたは2種類以上組み合わせて添加してもよい。
これら荷電制御剤の中でも、含金属サリチル酸系化合物が好ましく、特にその金属がアルミニウムもしくはジルコニウムであるものが好ましい。
荷電制御剤の添加量は、樹脂100.0質量部に対して0.01質量部以上20.0質量部以下であることが好ましく、より好ましくは0.5質量部以上10.0質量部以下である。
また、荷電制御樹脂は、スルホン酸基、スルホン酸塩基またはスルホン酸エステル基を有する重合体または共重合体を用いることが好ましい。スルホン酸基、スルホン酸塩基またはスルホン酸エステル基を有する重合体としては、特にスルホン酸基含有アクリルアミド系モノマーまたはスルホン酸基含有メタクリルアミド系モノマーを共重合比で2質量%以上含有することが好ましい。より好ましくは5質量%以上含有することである。荷電制御樹脂は、ガラス転移温度(Tg)が35℃以上90℃以下、ピーク分子量(Mp)が10,000以上30,000以下、重量平均分子量(Mn)が25,000以上50,000以下であるものが好ましい。これを用いた場合、トナー粒子に求められる熱特性に影響を及ぼすことなく、好ましい摩擦帯電特性を付与することができる。さらに、荷電制御樹脂がスルホン酸基を含有しているため、着色剤の分散液中の荷電制御樹脂自身の分散性、および、着色剤の分散性が向上し、着色力、透明性、および、摩擦帯電特性をより向上させることができる。
水系媒体を調製するときに使用する分散安定剤としては、公知の無機化合物の分散安定剤、および、有機化合物の分散安定剤を用いることができる。無機化合物の分散安定剤としては、リン酸三カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、シリカ、および、アルミナが挙げられる。一方、有機化合物の分散安定剤としては、ポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、ポリアクリル酸およびその塩、および、デンプンが挙げられる。これら分散安定剤の使用量は、重合性単量体100.0質量部に対して0.2質量部以上20.0質量部以下であることが好ましい。
これら分散安定剤の中で、無機化合物の分散安定剤を用いる場合、市販のものをそのまま用いてもよいが、より細かい粒径の分散安定剤を得るために、水系媒体中で該無機化合物を生成させてもよい。例えば、リン酸三カルシウムの場合、高撹拌下において、リン酸ナトリウム水溶液と塩化カルシウム水溶液を混合することで得られる。
トナー粒子には、トナーへの各種特性を付与するために外添剤を外添してもよい。トナーの流動性を向上させるための外添剤としては、シリカ微粒子、酸化チタン微粒子、および、それらの複酸化物微粒子のような無機微粒子が挙げられる。無機微粒子の中でもシリカ微粒子および酸化チタン微粒子が好ましい。例えば、トナー粒子に、無機微粒子を外添混合してトナー粒子の表面に付着させることで、トナーを得ることができる。無機微粒子の外添方法は公知の方法を採用すればよい。例えば、三井ヘンシェルミキサ(三井三池化工機(株))を用いて混合処理を行う方法が挙げられる。
シリカ微粒子としては、ケイ素ハロゲン化物の蒸気相酸化により生成された乾式シリカまたはヒュームドシリカ、および、水ガラスから製造される湿式シリカが挙げられる。無機微粒子としては、表面およびシリカ微粒子の内部にあるシラノール基が少なく、またNaO、SO 2−の少ない乾式シリカの方が好ましい。また、乾式シリカは、製造工程において、塩化アルミニウム、塩化チタン他のような金属ハロゲン化合物をケイ素ハロゲン化合物と共に用いることによって、シリカと他の金属酸化物の複合微粒子であってもよい。無機微粒子は、その表面を処理剤によって疎水化処理することによって、トナーの摩擦帯電量の調整、環境安定性の向上、および、高温高湿下での流動性の向上を達成することができるので、疎水化処理された無機微粒子を用いることが好ましい。トナーに外添された無機微粒子が吸湿すると、トナーの摩擦帯電量、および、流動性が低下し、現像性や転写性の低下が生じやすくなる。
無機微粒子を疎水化処理するための処理剤としては、未変性のシリコーンワニス、各種変性シリコーンワニス、未変性のシリコーンオイル、各種変性シリコーンオイル、シラン化合物、シランカップリング剤、その他有機ケイ素化合物、および、有機チタン化合物が挙げられる。その中でも、シリコーンオイルが好ましい。これらの処理剤は単独で用いてもまたは併用してもよい。
無機微粒子の添加量は、トナー粒子100.0質量部に対して1.0質量部以上5.0質量部以下であることが好ましく、より好ましくは1.0質量部以上2.5質量部以下である。無機微粒子は、トナーに添加したときの耐久性の点から、トナー粒子の平均粒径の1/10以下の粒径であることが好ましい。
本発明において、短期間でトナー中のワックスの結晶化度を上記本発明の範囲に上げるためには、二酸化炭素による曝露処理工程を行うことが好ましい。二酸化炭素による曝露処理は、以下(i)または(ii)の工程である。
(i)樹脂及びワックスを含有する曝露処理前のトナー粒子に二酸化炭素を曝露してトナー粒子を得る工程
(ii)樹脂及びワックスを含有するトナー粒子並びに外添剤を有する曝露処理前のトナーに二酸化炭素を曝露してトナーを得る工程
なお、(i)の二酸化炭素による曝露処理工程で得られたトナー粒子は、その後、外添剤を添加してもよい。
二酸化炭素による曝露処理を行なう処理装置は、所定の圧力、温度に調節できるものであれば、特に限定されないが、図1示す処理装置の一例に基づいて、曝露処理方法を説明する。
図1示す処理装置の加圧保持タンクTa1は、二酸化炭素が圧力調節バルブV2を通り外部に排出される際に、曝露処理後のトナー粒子及び曝露処理後のトナーが二酸化炭素と共にタンクTa1の外部に流出しないようにフィルターを備えている。また、加圧保持タンクTa1は、混合のために攪拌する機構を有している。
曝露処理は、まず曝露処理前トナー粒子及び曝露処理前トナーを所定の温度に調節されたタンクTa1に投入し、攪拌を行う。次にバルブV1を開き、二酸化炭素が保存されている容器B1から圧縮ポンプP1を用いて圧縮した状態の二酸化炭素をTa1に導入し、Ta1内を所定の圧力まで昇圧する。所定の圧力に達したところで、ポンプを止め、バルブV1を閉じ、タンクTa1内を密閉状態にして所定の時間圧力保持を行う。所定の保持時間が経ったところで、バルブV2を開き、二酸化炭素をタンクTa1の外部に排出し、タンクTa1の圧力を大気圧まで減圧する。これらの工程を経ることによって、二酸化炭素で曝露処理されたトナー粒子またはトナーを得る。
曝露処理工程における二酸化炭素の温度が、10℃以上60℃以下であり、好ましくは15℃以上50℃以下である。曝露処理工程における二酸化炭素の圧力は、1.0MPa以上3.5MPa以下であり、好ましくは1.5MPa以上3.0MPa以下である。上述の温度および圧力の範囲であると、トナー同士が合一することなく、ワックスの結晶化度を短時間で高めることが可能である。
曝露処理工程における二酸化炭素は、単独で用いても、他のガスと混合して用いてもよい。他のガスと混合して用いる場合、二酸化炭素の分圧が1.0MPa以上3.5MPa以下であればよい。
二酸化炭素による曝露処理工程の時間は、5分以上180分以下であることが好ましい。5分以上180分以下であれば十分にワックスの結晶化度を高める効果が得られる。180分より長く処理しても、ワックスの結晶化度を高める効果が得られるが、生産性が低下しやすい。したがって、生産性という観点で180分以下とすることが好ましい。より好ましくは120分以下、さらに好ましくは60分以下である。
以下、本発明に係る各種物性の測定方法について説明する。
<トナー中のワックスの結晶化度>
本発明におけるトナー中のワックスの結晶化度は、示差走査熱量分析装置「Q1000」(TA Instruments社製)を用いてASTM D3418−82に準じて測定する。装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。
具体的には、トナー及びワックス3mgを精秤し、これをアルミニウム製のパンの中に入れ、リファレンスとして空のアルミニウム製のパンを用い、測定温度範囲30〜200℃の間で、昇温速度10℃/minで測定を行う。得られたトナーのDSC曲線より、トナー中のワックスに起因する吸熱量(Q1、J/g)、および得られたワックスのDSC曲線よりワックス単体の吸熱量(Q2、J/g)を求める。得られた各々の吸熱量から下記式を用いてトナー中のワックスの結晶化度を求める。なお、W1は、トナーの全質量に対するワックスの含有比率(質量%)を示す。
結晶化度(%)=(Q1/(Q2×W1))×100
<樹脂およびワックスの構造特定>
樹脂およびワックスの構造は核磁気共鳴分光分析(H−NMR)[400MHz、CDCl、室温(25℃)]を用いて特定した。
測定装置:FT NMR装置 JNM−EX400(日本電子社製)
測定周波数:400MHz
パルス条件:5.0μs
周波数範囲:10500Hz
積算回数:64回
<ワックスの分子量の測定方法>
ワックスの数平均分子量(Mn)は、磁気共鳴分光分析(H−NMR)[400MHz、CDCl、室温(25℃)]を用いて求めた。
測定装置:FT NMR装置 JNM−EX400(日本電子社製)
測定周波数:400MHz
パルス条件:5.0μs
周波数範囲:10500Hz
積算回数:64回
<トナー中のワックスのドメインの観察>
トナー中のワックスのドメインは、透過型電子顕微鏡を用いてトナー断面を観察する。任意に選択したトナー10個の平均値をもって評価する。詳細には、トナーを可視光硬化性包埋樹脂(D−800、日新EM社製)で包埋し、超音波ウルトラミクロトーム(EM5、ライカ社製)により60nm厚に切削し、真空染色装置(フィルジェン社製)によりRu染色を行う。その後、透過型電子顕微鏡(H7500、日立社製)により加速電圧120kVで観察を行う。観察するトナーは、重量平均粒径から±2.0μm以内のものを10個選んで撮影を行う。ワックスのドメインの個数は、10個のトナー断面を観察して、長径50nm以上のものをドメインとしてカウントし、それをトナー1個当たりの平均として算出し、その平均値が5個以上存在することを意味する。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。本発明は以下の実施例によって制限されるものではない。なお、実施例および比較例の部数および%は特に断りが無い場合、すべて質量基準である。また、実施例7および8は参考例である。
<ワックス1〜13>
実施例および比較例に用いたワックス1〜13を表1に示す。
Figure 0006833341
表1中、略称は以下の化合物を意味する。PE:ペンタエリトリトール、DP:ジペンタエリトリトール、TP:トリペンタエリトリトール、DG:ジグリセリン、PG(7量体):ポリグリセリン(7量体)。
<トナー1の製造>
温度60℃に加温したイオン交換水1300.0部に、リン酸三カルシウム9.0部を添加し、T.K.ホモミクサー(特殊機化工業株式会社製)を用いて、撹拌速度15,000rpmにて撹拌し、水系媒体を調製した。
また、下記の結着樹脂材料をプロペラ式攪拌装置にて撹拌速度100rpmで撹拌しながら、混合して混合液を調製した。
・スチレン 75.0部
・n−ブチルアクリレート 20.0部
・結晶性樹脂 5.0部
(1,10−ドデカンジオール、セバシン酸の縮合物 Tm=82℃、Mw=20,000)
次に上記溶解液に、
・シアン着色剤(C.I.ピグメントブルー15:3) 6.5部
・負荷電制御剤(ボントロンE−84、オリエント化学社製) 0.5部
・ワックス1 10.0部
を加え、その後、混合液を温度65℃に加温した後にT.K.ホモミクサーにて、撹拌速度10,000rpmにて攪拌し、溶解、分散し、重合性単量体組成物を調整した。
続いて、上記水系媒体中に上記重合性単量体組成物を投入し、重合開始剤として
・パーブチルPV(10時間半減期温度54.6℃(日本油脂製))10.0部を加え、温度70℃にてT.K.ホモミクサーを用いて、撹拌速度15,000rpmで20分間攪拌し、造粒した。
プロペラ式攪拌装置に移して撹拌速度200rpmで攪拌しつつ、温度85℃で5時間、重合性単量体組成物中の重合性単量体であるスチレンおよびn−ブチルアクリレートを重合反応させ、トナー粒子を含むスラリーを製造した。重合反応終了後、該スラリーを冷却した。冷却されたスラリーに塩酸を加えpHを1.4にし、1時間撹拌することでリン酸カルシウム塩を溶解させた。その後、スラリーの10倍の水量で洗浄し、ろ過、乾燥の後、分級によって粒子径を調整してトナー粒子を得た。トナー粒子中には、スチレン−アクリル樹脂が95.0部、結晶性樹脂が5.0部、シアン着色剤が6.5部、ワックスが9.0部、負荷電性制御剤が0.5部含まれていた。
上記トナー粒子100.0部に対して、外添剤として、シリカ微粒子に対して20質量%のジメチルシリコーンオイルで処理された疎水性シリカ微粒子(1次粒子径:7nm、BET比表面積:130m2/g)1.5部を三井ヘンシェルミキサ(三井三池化工機株式会社製)で撹拌速度3000rpmで15分間混合して、曝露処理前のトナー1を得た。
曝露処理前のトナー100gを図1に示す装置のタンクTa1内に投入し、内部温度25℃に調整し、攪拌しつつ、バルブV1を開き、ボンベB1からポンプP1を用いて二酸化炭素(純度99.99%)をタンクTa1に導入した。バルブV1とバルブV2を調節し、タンクTa1内の圧力を2.5MPaまで昇圧した。その後、ポンプP1を止め、バルブV1を閉じ、バルブV2を調節しタンク内が密閉状態になるようにして60分間の圧力保持を行なった。その後、バルブV2を開き、二酸化炭素をタンクTa1の外部に排出し、タンクTa1の圧力を大気圧まで減圧し、その後、攪拌を止めた後、タンクTaを開きトナー1を得た。得られたトナー1の物性を表2−1に示す。
<トナー2の製造>
表2−1に示すように原材料および添加部数を変更し、トナー1の製造と同様にトナー粒子を作成した。その後、外添剤を添加する曝露処理前のトナー粒子を、トナー1の製造と同様の方法で二酸化炭素曝露処理を行った。曝露処理後のトナー粒子をトナー1の製造と同様に外添剤を添加して、トナー2を得た。得られたトナーの物性を表2−1に示す。
<トナー3〜6、トナー9〜17、トナー19及び20の製造>
表2−1、2−2に示すように原材料および添加部数、製造条件を変更すること以外はトナー1と同様の製造方法でトナー3〜6、トナー9〜17、トナー19及び20を得た。得られたトナーの物性を表2−1、2−2に示す。
<トナー7の製造>
−−樹脂粒子分散液の調製−−
・非晶性ポリエステル 30.0部
(テレフタル酸:イソフタル酸:プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA(2モル付加物):エチレンオキサイド変性ビスフェノールA(2モル付加物)=30:30:30:10の重縮合物、酸価11mgKOH/g、Tg=74℃、Mw=31,000、Mn=4,000)
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製:ネオゲンSC) 2.0部・イオン交換水 78.0部
これらの材料を混合し、サンドグラインダーミルを用いて分散した。平均粒径が0.29μmである樹脂粒子を分散させてなる樹脂粒子分散液を調製した。
−−着色剤粒子分散液の調製−−
・シアン着色剤(C.I.ピグメントブルー15:3) 20.0部
・アニオン性界面活性剤(ネオゲンSC) 3.0部
・イオン交換水 78.0部
これらの材料を混合し、サンドグラインダーミルを用いて分散した。この着色剤粒子分散液における粒度分布を、粒度測定装置(堀場製作所製、LA−700)を用いて測定したところ、含まれる着色剤粒子の平均粒径は、0.2μmであり、また1.0μmを超える粗大粒子は観察されなかった。
−−離型剤粒子分散液の調製−−
・ワックス1 50.0部
・アニオン性界面活性剤(ネオゲンSC) 7.0部
・イオン交換水 200.0部
以上を95℃に加熱して、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、圧力吐出型ホモジナイザーで分散処理し、平均粒径が0.5μmである離型剤を分散させてなる離型剤粒子分散液を調製した。
−−結晶性樹脂分散液の調製−−
・結晶性樹脂 25.0部
(1,10−ドデカンジオール、セバシン酸の縮合物 Tm=82℃、Mw=20,000)
・アニオン性界面活性剤(ネオゲンSC) 3.0部
・イオン交換水 200.0部
以上を95℃に加熱して、ホモジナイザー(ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、圧力吐出型ホモジナイザーで分散処理し、平均粒径が0.5μmである結晶性樹脂を分散させてなる結晶性樹脂分散液を調製した。
−−帯電制御粒子分散液の調製−−
・負荷電制御剤(ボントロンE−84) 5.0部
・アニオン性界面活性剤(ネオゲンSC) 3.0部
・イオン交換水 78.0部
以上を混合し、サンドグラインダーミルを用いて分散した。この帯電制御粒子分散液1における粒度分布を、粒度測定装置(LA−700)を用いて測定したところ、含まれる帯電制御粒子の平均粒径は、0.2μmであり、また1.0μmを超える粗大粒子は観察されなかった。
<混合液調製>
・樹脂粒子分散液 380.0部
・着色剤分散液 40.0部
・離型剤分散液 70.0部
・結晶性樹脂分散液 70.0部
以上を、撹拌装置,冷却管,温度計を装着した1リットルのセパラブルフラスコに投入し撹拌した。この混合液を1N−水酸化カリウムを用いてpH=5.2に調整した。
<凝集粒子形成>
この混合液に凝集剤として、8%塩化ナトリウム水溶液150部を滴下し、撹拌しながら55℃まで加熱した。この温度の時、帯電制御剤粒子分散液を10部加えた。55℃で2時間保持した後、光学顕微鏡にて観察すると平均粒径が3.3μmである凝集粒子が形成されていることが確認された。
<融着工程>
その後、ここにアニオン製界面活性剤(ネオゲンSC)3部を追加した後、撹拌を継続しながら95℃まで加熱し、4.5時間保持した。そして、冷却後、反応生成物をろ過し、イオン交換水で十分に洗浄した後、45℃で流動層乾燥を行い、スプレードライヤーで200〜300℃の気相中に分散させることにより形状を調整し、トナー粒子を得た。
得られたトナー粒子を、実施例1のトナー1の製造例と同様に外添剤を添加することにより、曝露処理前のトナー7を得た。
続いて、トナー1の製造例と同様に曝露処理前のトナーを二酸化炭素による曝露処理して、トナー7を得た。得られたトナー7の物性を表2−1に示す。
<トナー8の製造>
・ウレタン樹脂 95.0部
(トリレンジイソシアネート、シクロヘキサンジメタノールの重縮合物、Mw=35,000)
・結晶性樹脂 5.0部
(1,10−ドデカンジオール、セバシン酸の縮合物 Tm=82℃、Mw=20,000)
・メチルエチルケトン 100.0部
・酢酸エチル 100.0部
・ワックス1 10.0部
・シアン着色剤(C.I.ピグメントブルー15:3) 6.5部
・負荷電制御剤(ボントロンE−84) 1.0部
上記材料を、アトライタを用いて3時間分散し、着色剤分散液を得た。
一方、温度60℃に加温したイオン交換水3000.0部にリン酸カルシウム27.0部を添加し、T.K.ホモミクサーを用いて、撹拌速度10,000rpmにて撹拌し、水系媒体を調製した。上記水系媒体へ上記着色剤分散液を投入し、温度65℃、N雰囲気下において、T.K.ホモミクサーにて撹拌速度12,000rpmで15分間撹拌し、着色剤粒子を造粒した。その後、T.K.ホモミクサーから通常のプロペラ撹拌装置に変更し、撹拌装置の撹拌速度を150rpmに維持し、内温を温度95℃に昇温して3時間保持して分散液から溶剤を除去し、トナー粒子の分散液を調製した。
得られたトナー粒子の分散液に塩酸を加えpHを1.4にし、1時間撹拌することでリン酸カルシウム塩を溶解させた。上記分散液を加圧ろ過器にて、ろ過・洗浄をしてトナー凝集物を得た。その後、トナー凝集物を破砕、乾燥してトナー粒子を得た。
得られたトナー粒子をトナー1の製造例と同様に外添剤を添加することによって、曝露処理前のトナー8を得た。
続いて、トナー1の製造例と同様に曝露処理前のトナーを二酸化炭素による曝露処理して、トナー8を得た。得られたトナー8の物性を表2−1に示す。
<トナー18の製造>
温度60℃に加温したイオン交換水1300.0部に、リン酸三カルシウム9.0部を添加し、T.K.ホモミクサーを用いて、撹拌速度15,000rpmにて撹拌し、水系媒体を調製した。
また、下記の結着樹脂材料をプロペラ式攪拌装置にて撹拌速度100rpmで撹拌しながら、混合して混合液を調製した。
・スチレン 75.0部
・n−ブチルアクリレート 20.0部
・結晶性樹脂 5.0部
(1,10−ドデカンジオール、セバシン酸の縮合物 Tm=82℃、Mw=20,000)
次に上記溶解液に、
・シアン着色剤(C.I.ピグメントブルー15:3) 6.5部
・負荷電制御剤(ボントロンE−84) 0.5部
・ワックス1 10.0部
を加え、その後、混合液を温度65℃に加温した後にT.K.ホモミクサーにて、撹拌速度10,000rpmにて攪拌し、溶解、分散し、重合性単量体組成物を調整した。
続いて、上記水系媒体中に上記重合性単量体組成物を投入し、重合開始剤として
・パーブチルPV(10時間半減期温度54.6℃(日本油脂製))10.0部を加え、温度70℃にてT.K.ホモミクサーを用いて、撹拌速度15,000rpmで20分間攪拌し、造粒した。
プロペラ式攪拌装置に移して撹拌速度200rpmで攪拌しつつ、温度85℃で5時間、重合性単量体組成物中の重合性単量体であるスチレンおよびn−ブチルアクリレートを重合反応させ、トナー粒子を含むスラリーを製造した。重合反応終了後、該スラリーを50℃まで冷却し2週間保持しアニールした。その後、室温まで冷却し塩酸を加え1時間撹拌することでリン酸カルシウム塩を溶解させた。その後、スラリーの10倍の水量で洗浄し、ろ過、乾燥の後、分級によって粒子径を調整してトナー粒子を得た。
得られたトナー粒子を、トナー1の製造例と同様に外添剤を添加することにより、トナー18を得た。得られたトナー18の物性を表2−2に示す。
<トナー21の製造>
トナー1の製造において、二酸化炭素による曝露処理を行わなかった以外は、トナー1の製造例と同様にしてトナー21を得た。得られたトナー21の物性を表2−2に示す
<トナー22の製造>
トナー7の製造において、二酸化炭素による曝露処理を行わなかった以外は、トナー7の製造例と同様にしてトナー22を得た。得られたトナー22の物性を表2−2に示す
<トナー23の製造>
トナー8の製造において、樹脂を非晶性ポリエステルに変更し、さらに二酸化炭素による曝露処理を行わなかった以外は、トナー8の製造例と同様にしてトナー23を得た。得られたトナー23の物性を表2−2に示す。
Figure 0006833341
Figure 0006833341
表2−1および2−2中、略称は以下の化合物を意味する。「StBA」スチレン:n−BA共重合体、「非晶性PES」テレフタル酸:イソフタル酸:プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA(2モル付加物):エチレンオキサイド変性ビスフェノールA(2モル付加物)の重縮合物、「非晶性PU」トリレンジイソシアネート:シクロヘキサンジメタノールの重縮合物、「結晶性PES」1,10−ドデカンジオール:セバシン酸の縮合物。
<画像評価>
画像評価は、市販のカラーレーザープリンタ〔HP Color LaserJet 3525dn]を一部改造して評価を行った。改造は一色のプロセスカートリッジだけの装着でも作動するよう改良した。また、定着器を任意の温度に変更できるように改造した。
このカラーレーザープリンタに搭載されていたブラックトナー用のプロセスカートリッジから中に入っているトナーを抜き取り、エアーブローにて内部を清掃した。その後、プロセスカートリッジに各トナー(300g)を導入し、トナーを詰め替えたプロセスカートリッジをカラーレーザープリンタに装着し、以下の画像評価を行った。具体的な画像評価項目は下記の通りである。
〔低温定着性〕
転写材にベタ画像(トナーの載り量:0.9mg/cm)を、定着温度を変えてプリントし、下記の基準で評価した。なお、定着温度は定着ローラー表面を非接触の温度計を用いて測定した値である。転写材は、LETTERサイズの普通紙(XEROX 4200、XEROX社製、75g/m)を用いた。
(評価基準)
A:120℃でオフセットせず
B:120℃でオフセット発生
C:130℃でオフセット発生
D:140℃でオフセット発生
〔高温定着性〕
転写材にハーフトーン(トナーの載り量:0.3mg/cm)画像を、定着温度を変えて(190〜220℃)プリントし、下記の基準で評価した。なお、定着温度は定着ローラー表面を非接触の温度計を用いて測定した値である。転写材は、普通紙(LETTERサイズのXEROX 4200用紙)を用いた。
A:210℃でオフセットせず
B:210℃でオフセット発生
C:200℃でオフセット発生
D:190℃でオフセット発生
〔帯電リーク画像弊害(カブリ)〕
高温高湿環境下(温度33℃/湿度85%RH)において、横線で1%の印字率の画像を35000枚プリントアウト試験終了後、48時間放置した。さらに1枚プリントアウトした画像の非画像部の反射率(%)を「REFLECTOMETER MODEL TC−6DS」(東京電色社製)で測定した。得られた反射率を、同様にして測定した未使用のプリントアウト用紙(標準紙)の反射率(%)から差し引いた数値(%)を用いて評価した。数値が小さい程、画像カブリが抑制されていることになる。評価は、グロス紙モードで、普通紙(HP Brochure Paper 200g , Glossy、HP社製、200g/m)を用いて行った。
(評価基準)
A:0.5%未満
B:0.5%以上1.5%未満
C:1.5%以上3.0%未満
D:3.0%以上
〔スジ(耐久性)〕
低温低湿環境下(温度15℃/湿度10%RH)、において、横線で1%の印字率の画像を30000枚プリントアウトした。その後、LETTERサイズのXEROX 4200用紙にハーフトーン(トナーの載り量:0.3mg/cm)の画像をプリントアウトし、ハーフトーン画像における排紙方向の縦スジの有無について観察し、以下のように耐久性を評価した。
(評価基準)
A:未発生
B:ハーフトーン部の画像上に排紙方向の縦スジが1カ所以上3カ所以下発生
C:ハーフトーン部の画像上に排紙方向の縦スジが4カ所以上6カ所以下発生
D:ハーフトーン部の画像上に排紙方向の縦スジが7カ所以上発生、あるいは、幅0.5mm以上発生
〔ブロッキング(保存性)〕
各トナー5gを50cc樹脂製カップに取り、温度60℃/湿度10%RHで3日間放置し、凝集塊の有無を調べ、下記の基準で評価した。
(評価基準)
A:凝集塊発生せず
B:軽微な凝集塊が発生、軽く指で押すと崩れる
C:凝集塊が発生、軽く指で押しても崩れない
D:完全に凝集
〔実施例1〜18〕
実施例1〜18では、トナーとして、トナー1〜18をそれぞれ用いて上記評価を行った。その評価結果を表3に示す。
〔比較例1〜5〕
比較例1〜5では、トナーとしてトナー19〜23をそれぞれ用いて上記評価を行った。その評価結果を表3に示す。
Figure 0006833341

Claims (5)

  1. 樹脂及びワックスを含有するトナー粒子を有するトナーであって、
    前記樹脂の90質量%以上が、非晶性成分であり、
    前記非晶性成分が、スチレンアクリル樹脂であり、
    前記ワックスが、4価以上8価以下のアルコールと脂肪族モノカルボン酸とのエステル、又は4価以上8価以下のカルボン酸と脂肪族モノアルコールとのエステル、であり、
    下記式で示されるトナー中における前記ワックスの結晶化度が72.0%以上である
    ことを特徴とするトナー。
    結晶化度(%)=(Q1/(Q2×W1))×100
    (式中、
    Q1は、前記トナーの示差走査熱量分析における、トナー中のワックス起因の吸熱量(J/g)を示す。
    Q2は、前記ワックスの示差走査熱量分析における、ワックス単体の吸熱量(J/g)を示す。
    W1は、トナーの全質量に対する前記ワックスの含有比率(質量%)を示す。)
  2. 前記ワックスの数平均分子量(Mn)が、900以上3000以下である請求項1に記載のトナー。
  3. 前記ワックスが、
    4価以上8価以下のアルコールと炭素数12以上30以下の脂肪族モノカルボン酸とのエステル、又は
    4価以上8価以下のカルボン酸と炭素数12以上30以下の脂肪族モノアルコールとのエステルである請求項1または2に記載のトナー。
  4. 前記4価以上8価以下のアルコールが、ペンタエリトリトール、ジペンタエリトリトール、又はトリペンタエリトリトールである請求項1〜3いずれか1項に記載のトナー。
  5. 請求項1〜4いずれか1項に記載のトナーを製造するためのトナーの製造方法であって、
    前記製造方法は、下記(i)または(ii)の曝露処理工程を含み、
    (i)樹脂及びワックスを含有する曝露処理前のトナー粒子に二酸化炭素を曝露してトナー粒子を得る工程;
    (ii)樹脂及びワックスを含有するトナー粒子並びに外添剤を有する曝露処理前のトナーに二酸化炭素を曝露してトナーを得る工程;
    前記曝露処理工程の二酸化炭素の温度が10℃以上60℃以下、圧力が1.0MPa以上3.5MPa以下である
    ことを特徴とするトナーの製造方法。
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