本発明に係るスロットマシンを実施するための形態の一例を実施の形態に基づいて以下に説明する。
<第1実施形態>
[スロットマシン1の構成]
図1は、本実施形態に係るスロットマシン1の全体構造を示す正面図である。スロットマシン1は、前面が開口する筐体1aと、この筺体1aの側端に回動自在に枢支された前面扉1bとを含む。前面扉1bの中央上部には、所定の情報が表示される液晶表示器51が設けられている。遊技者は、透視窓3を介して筐体1a内部に並設されているリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リールとも称する)が視認可能となる。
透視窓3の右下には、メダルを投入可能なメダル投入部4が設けられ、前面扉1bの下部には、メダルが払い出されるメダル払出口9、スピーカ53、54が設けられている。
前面扉1bには、操作手段の一例として、遊技者所有の遊技用価値(メダル数)として記憶されているクレジットの範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットおよび設定済の賭数を精算して返却させる際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L〜2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8Rなどが設けられている。
回転を開始した3つのリール2L、2C、2Rのうち、最初に停止するリールを第1停止リールと称し、また、その停止を第1停止と称する。同様に、2番目に停止するリールを第2停止リールと称し、また、その停止を第2停止と称し、3番目に停止するリールを第3停止リールと称し、また、その停止を第3停止あるいは最終停止と称する。なお、3つのリール2L、2C、2Rのうち、左リール2Lを第1停止することを左第1停止、中リール2Cを第1停止することを中第1停止、右リール2Rを第1停止することを右第1停止と称する。また、左中右とは、左リール2Lを第1停止させた後に、中リール2Cを第2停止させる操作押し順をいう。左右中とは、左リール2Lを第1停止させた後に、右リール2Rを第2停止させる操作押し順をいう。中左右とは、中リール2Cを第1停止させた後に、左リール2Lを第2停止させる操作押し順をいう。中右左とは、中リール2Cを第1停止させた後に、右リール2Rを第2停止させる操作押し順をいう。右左中とは、右リール2Rを第1停止させた後に、左リール2Lを第2停止させる操作押し順をいう。右中左とは、右リール2Rを第1停止させた後に、中リール2Cを第2停止させる操作押し順をいい、逆押しともいう。
前面扉1bには、報知手段の一例として、遊技に関する情報を報知する遊技用表示部13が設けられている。遊技用表示部13には、クレジットとして記憶されているメダル数が表示されるクレジット表示器11、メダルの払出枚数やエラー時にエラーコードなどが表示される遊技補助表示器12、設定されている賭数を報知するための1BETLED14、2BETLED15、3BETLED16、メダル投入が可能であることを報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が可能であることを報知するスタート有効LED18、スタートスイッチ7の操作後においてウエイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリール2L、2C、2Rの回転開始を待機している状態)中であることを報知するウエイト中LED19、リプレイ入賞後のリプレイゲーム中であることを報知するリプレイ中LED20が設けられている。以下では、賭数が適正に設定されている状態でのスタートスイッチ操作(つまり、3つのリールを回転させる操作)をレバーオン操作という。
図2は、各リールの図柄配列を示す図である。リール2L、2C、2Rの外周部には、図2に示すように、それぞれ「白7a」(たとえば、左リール2Lの領域番号16の図柄)、「白7b」(たとえば、左リール2Lの領域番号19の図柄)、「白7c」(たとえば、左リール2Lの領域番号3の図柄)、「スイカa」(たとえば、左リール2Lの領域番号15の図柄)、「スイカb」(たとえば、左リール2Lの領域番号1の図柄)、「チェリー」(たとえば、左リール2Lの領域番号2の図柄)、「ベルa」(たとえば、左リール2Lの領域番号21の図柄)、「ベルb」(たとえば、左リール2Lの領域番号18の図柄)、「リプa」(たとえば、左リール2Lの領域番号20の図柄)、「リプb」(たとえば、左リール2Lの領域番号8の図柄)といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、それぞれ21個ずつ描かれている。
「白7b」、「白7c」は、ともに、「白7a」の図柄をベースとする点で共通しており、「白7b」は左上隅に縦方向に線が追加されている点、および「白7c」は底辺に横方向に線が追加されている点で異なる。このため、「白7a」〜「白7c」は、種類が異なる図柄であるが、外形が類似の図柄であるため、これらをまとめて「白7」ともいう。「スイカb」は、「スイカa」の図柄をベースとする点で共通しており、上部に横方向に線が追加されている点で異なる。このため、「スイカa」および「スイカb」は、種類が異なる図柄であるが、外形が類似の図柄であるため、これらをまとめてスイカともいう。「ベルb」は、「ベルa」の図柄をベースとする点で共通しており、舌の球の部分の色が黒い点で異なる。このため、「ベルa」および「ベルb」は、種類が異なる図柄であるが、外形が類似の図柄であるため、これらをまとめてベルともいう。「リプb」は、「リプa」の図柄をベースとする点で共通しており、REPLAYの文字に下線が追加されている点で異なる。このため、「リプa」および「リプb」は、種類が異なる図柄であるが、外形が類似の図柄であるため、これらをまとめてリプともいう。
リール2L、2C、2Rの外周部に描かれた図柄は、前面扉1bのリールパネルの略中央に設けられた透視窓3において各々上中下三段に表示される。なお、リールの個数は、3つに限らず、1つであってもよく、2以上であってもよい。また、可変表示部は、物理的なリールにて構成されている例を示しているが、液晶表示器などの画像表示装置にて構成されているものであってもよい。
スロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部4に投入するかMAXBETスイッチ6操作などにより規定数の賭数(たとえば3)を設定する。これにより、入賞ラインLNが有効となり、スタートスイッチ7への操作が有効となり、ゲームが開始可能な状態となる。賭数設定済の状態でメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
入賞ラインとは、リール2L〜2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するためのラインである。本実施形態では、1本の入賞ラインLNのみ設けられている例について説明するが、複数の入賞ラインが設けられているものであってもよい。また、入賞を構成する図柄の組合せが入賞ラインLNに揃ったことを認識しやすくする無効ラインLM1〜LM4が設けられている。無効ラインLM1〜LM4は、入賞判定されるラインではなく、入賞ラインLNに特定の入賞図柄の組合せ(いわゆるばらけ目)が揃った際に、無効ラインLM1〜LM4のいずれかに所定の図柄の組合せを揃えることで、入賞ラインLNに特定の入賞を構成する図柄の組合せが揃ったことを認識しやすくするものである。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7が操作されると、リール2L〜2Rを回転させて図柄を変動表示し、ストップスイッチ8L〜8Rが操作されると対応するリールの回転を停止させることで、透視窓3の上中下段に3つの図柄を表示結果として導出表示する。導出表示される図柄(表示結果)として、選択可能なものは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときにLN上に表示されている図柄と、そこから4コマ先までにある図柄、合計5コマ分の図柄である。以下では、引込範囲とは、LN上に表示されている図柄を除いたコマ数をいう。
また、図2に示されるように、白7は、各リールにおいて5コマ以内に配置されている。したがって、白7は操作タイミングに関わらず導出させることができる図柄である(取りこぼすことのない図柄である)。
入賞ラインLN上に入賞図柄の組合せが停止し入賞が発生したときには、入賞に応じて、所定枚数のメダルが遊技者に対して付与されて、クレジット加算か、クレジットが上限数(50)に達した場合にはメダル払出口9からメダルが払い出される。
図3は、スロットマシン1の内部構造を示す図である。図4は、スロットマシン1の機能構成例を示す図である。筐体1の内部には、リールユニット2や、ホッパーユニット34、電源ボックス100などが設けられている。リールユニット2は、リール2L〜2R各々に対応して、リール回転させるためのリールモータ32L、32C、32R、基準位置を検出するリールセンサ33L、33C、33Rを含む。ホッパーユニット34は、投入メダルを貯留するホッパータンク34a、貯留メダルをメダル払出口9から払い出すホッパーモータ34b、払出メダルを検出する払出センサ34cなどを含む。電源ボックス100の前面には、設定変更状態または設定確認状態に切り替えるための設定キースイッチ37、エラーを解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更状態においては内部抽選の当選確率(払出率)の設定値(たとえば1〜6、6が最も払出率が高い)を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38、電源をon/offする際に操作される電源スイッチ39が設けられている。
前面扉1bの内側には、設定値の変更中や確認中に設定値が表示される設定値表示器24、投入メダルの流路をホッパータンク34a側またはメダル払出口9側のいずれか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド30と、ホッパータンク34a側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ31とを有するメダルセレクタ29などが設けられている。
また、筐体1の内部には、制御基板が設けられている。図4の例では、遊技の進行を制御するとともに、遊技の進行に応じて各種コマンドを出力する遊技制御基板40、コマンドに応じて所定の演出を制御する演出制御基板90、電気部品の駆動電源を生成する電源基板101、遊技の進行に応じた信号を外部に出力する外部出力基板1000などが設けられている。
遊技制御基板40は、各種の操作手段や検出手段(図4の遊技制御基板40の左側に例示)などのスイッチ類からの検出信号に基づいて遊技を進行させ、報知手段(図4の遊技制御基板40の左側に例示)などの表示機器類を駆動制御する。また、遊技制御基板40は、リールセンサ33L〜33Rからの信号に基づき、リールモータ32L〜32Rを駆動制御する。
遊技制御基板40には、メイン制御部41などの回路構成(図4の遊技制御基板40内に例示)が搭載されている。メイン制御部41は、遊技の進行に関する処理を行うととともに、遊技制御基板40に搭載あるいは接続された構成を直接的または間接的に制御する。メイン制御部41は、1チップマイクロコンピュータであり、CPU、ROM、RAM、I/Oポートなどを備えている。
演出制御基板90は、液晶表示器51などの演出装置(図4の演出制御基板90の左側に例示)を駆動制御する。演出制御基板90には、サブ制御部91などの回路構成(図4の演出制御基板90内に例示)が搭載されている。サブ制御部91は、遊技制御基板40から送信されるコマンドを受けて、演出を行う処理を行うとともに、演出制御基板90に搭載あるいは接続された構成を直接的または間接的に制御する。サブ制御部91は、1チップマイクロコンピュータであり、CPU、ROM、RAM、I/Oポートなどを備えている。電源基板101には、ホッパーモータ34b、各種の操作手段や検出手段(図4の電源基板101の右側に例示)などが接続されている。
図5〜図7は、入賞役の名称、入賞役の図柄の組み合わせ、一般遊技、および備考について説明するための図である。図8は、所定の小役を取りこぼしたときにのみ入賞ラインLN上に停止される特殊出目を説明するための図である。図9は、メイン制御部41により制御される遊技状態の遷移などを説明するための図である。
図5〜図7の名称欄には、入賞役の名称を示し、図柄の組合せ欄には、その入賞役が入賞となる図柄の組合せを示している。一般遊技欄には、付与される遊技用価値が示されている。図7の備考欄には、図柄の組合せに基づいた名称が示されている。再遊技役には、昇格リプ、転落リプ、通常リプ、および白7リプ1〜5といった8種類の再遊技役が含まれる。また、白7リプ1〜5をまとめて「白7リプ」ともいう。
本実施の形態における図柄組合せの説明における「−」は、“隣り合うリールの区切り”を示し、左が“左リール2Lの図柄”を示し、真ん中が“中リール2Cの図柄”を示し、右が“右リール2Rの図柄”を示している。たとえば、図5に示すように、通常リプの組合せは、「リプa−リプa−リプa」、「リプa−リプa−リプb」、「リプa−リプa−スイカa」、「リプa−リプa−スイカb」、「リプa−リプb−リプa」、「リプa−リプb−リプb」、「リプa−リプb−スイカa」、「リプa−リプb−スイカb」、「リプb−リプa−リプa」、「リプb−リプa−リプb」、「リプb−リプa−スイカa」、「リプb−リプa−スイカb」、「リプb−リプb−リプa」、「リプb−リプb−リプb」、「リプb−リプb−スイカa」、および「リプb−リプb−スイカb」という、16種類の図柄の組合せを意味する。また、通常リプが入賞すると再遊技が付与される(メダル消費やクレジットが減算更新されることなく、次のゲームを遊技できる)。
図8は、移行出目の図柄組合せを示す図である。移行出目は、押し順ベルである左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4(図10参照)が当選し、中段ベルの入賞条件となるリール以外を第1停止とし、かつ当選している上段ベルを取りこぼした場合に、入賞ラインLNに揃う出目である。
図9は、メイン制御部41により制御される遊技状態の遷移を説明するための図である。本実施形態におけるスロットマシン1は、リプレイが所定の当選確率で当選するRT0〜3のうち、開始条件が成立してから終了条件が成立するまで対応するいずれかのRTに制御される(図9の矢印に沿って示した入賞役あるいは出目参照)。内部抽選されるリプレイの種類は、RTの種類毎に定められている。たとえば、RT1に制御されているときにおいて、昇格リプが入賞するとRT2に制御される。また、RT3に制御されているときにおいて、昇格リプまたは通常リプが入賞したときには、該RT3への制御が維持される。
図10および図11は、遊技状態毎に抽選対象役として読み出される抽選対象役の組合せを示す図である。抽選対象役欄には、その名称を示し、遊技状態欄には、RTの種類毎に、丸印でその抽選対象役が抽選対象であることを示し、丸印の下の数値により当選確率にかかわる判定値数を示し、リール制御は、抽選対象役が当選したゲームで実行されるメイン制御部により実行される制御の内容を示したものである。
また、左ベル1〜4、中ベル1〜4、および右ベル1〜4を「押し順ベル」といい、昇転リプ1〜5を「押し順リプ」ともいう。また、押し順ベルと押し順リプとをまとめて「押し順役「ともいう。押し順役には対応押し順(正解押し順)が定められている。押し順役が当選したゲームにおいて、対応押し順で操作されたときには、遊技者にとって有利な有利表示結果が導出される一方、対応押し順とは異なる押し順(不正解押し順)で操作されたときには、該有利表示結果よりも不利な表示結果が導出される。たとえば、昇転リプレイ1が当選したゲームにおいて、正解押し順(左第1停止)で操作されたときには、昇格リプが入賞する一方、正解押し順とは異なる押し順(不正解押し順)で操作されたときには、転落リプが入賞する。
また、バトルリプ1〜5のうちのいずれかが当選したゲームにおいて、逆押しで操作されたときには白7リプが入賞する一方、逆押し以外の押し順で操作されたときには通常リプが入賞する。また、白7リプが入賞したときと、通常リプが入賞したときとで遊技者にとっての有利度は同一である。
[ATについて]
メイン制御部41は、たとえば、所定のAT抽選条件が成立したときにアシストタイム(以下、ATという)に制御するか否かと、ATに制御するゲーム数とを乱数抽選で決定するAT抽選処理を行う。図12は、AT抽選処理で用いられるAT抽選用テーブルの一例を示したものである。図12の例では、AT抽選条件は、所定のAT抽選対象役(本実施形態では、中段チェリー、弱チェリー、強チェリー、弱スイカ、および強スイカ)が当選することにより成立する条件であるとする。図12の例では、たとえば、弱スイカが当選したときには、付与されるATゲーム数に0に決定される確率、付与されるATゲーム数に50に決定される確率、付与されるATゲーム数に100に決定される確率はそれぞれ85%、10%、5%と定められている。また、強スイカまたは強チェリーが当選したときには、特別ATに制御される。
AT抽選によりAT当選したときには(1以上のATゲームが付与されたとき)、サブ制御部91は、AT当選を遊技者に対して報知するAT報知演出を行った後に、メイン制御部41はATに制御するAT制御処理を行う。AT制御処理では、付与されているATゲーム数に応じてATに制御する。メイン制御部41は、AT抽選処理終了後に、付与されることが決定されたATゲーム数(0を含む)を示すATゲーム数コマンドをサブ制御部91に対して送信し、該サブ制御部91は、該ATゲーム数コマンドを受信して解析することにより付与されることが決定されたATゲーム数を特定することができる。AT報知処理では、AT当選したこと、または、AT当選したことにより付与されるATゲーム数を報知する。
サブ制御部91は、AT中においては、内部抽選処理によりたとえば図10、図11に示す押し順役が当選したときに送信されるコマンド受信時に、有利な図柄組合せを導出させるための有利押し順を報知するナビ演出を実行する。また、このナビ演出は、メイン制御部41により実行されるナビ演出と、サブ制御部91により実行されるナビ演出とを含む。
メイン制御部41により実行されるナビ演出は、メイン制御部41が制御可能な手段(たとえば、遊技補助表示器12)を用いて、有利押し順を報知する。遊技補助表示器12は、メダル払出枚数およびエラー時にエラーコードを表示するものでもある。メイン制御部41は、遊技補助表示器12に、有利押し順に対応した情報を表示する。また、サブ制御部91により実行されるナビ演出とは、液晶表示器51に有利押し順を報知する演出である。
[特別ARTについて]
図13は、特別ARTを説明するための図である。まず、特別ARTの開始条件を説明する。非AT中において、強スイカ当選または強チェリー当選したときには、特別ATに移行される。特別ATに移行されているときにおいて、押し順役のうちの押し順リプレイが当選すると、昇格リプを入賞させるための押し順(正解押し順)が報知される。遊技者は、報知された押し順通りに操作することにより、RT3に移行させることができる(図9参照)。該RT3に移行されることにより特別ARTは開始される(特別ARTの移行条件は成立する)。
特別ARTは、40ゲームの非バトルARTと、複数ゲームのバトルARTとを含む。非バトルARTとバトルARTとを対比すると双方ともARTではあるものの、バトルARTではバトル演出が実行される一方非バトルARTでは該バトル演出が実行されない。本実施形態では、バトルARTのゲーム数は、特別ARTが当選した時点では決定されていない。なお、変形例として、特別ARTが当選した時点でバトルARTのゲーム数が決定されるようにしてもよい。また、図13において、矩形で記載された箇所(たとえば、非AT、非バトルARTなど)は、メイン制御部41およびサブ制御部91で制御される状態を示し、楕円で記載された箇所(たとえば、特化ゾーン)は、メイン制御部41により実行される抽選を示したものである。
図13に示すように、非AT(ARTではない状態)であるときにおいて、特別ARTの移行条件が成立すると、非バトルARTが開始される。非バトルARTにおいて、40ゲーム消化すると、バトルARTに制御される。バトルARTでは、バトル演出が実行される。バトル演出は、味方キャラと敵キャラとがバトルを行う演出である。バトル演出では、所有する攻撃権利数に応じた回数分、味方キャラが敵キャラに対して攻撃する。攻撃権利は、たとえば、図14などで説明する攻撃権利抽選により付与される。たとえば、攻撃権利が「2」である場合には、味方キャラは敵キャラに対して2回、攻撃する。バトル演出において、所有する攻撃権利数に応じた回数分、味方キャラが敵キャラに対して攻撃することにより、敵キャラのHP(hit point)が0になったら味方キャラの勝利となる。一方、所有する攻撃権利数に応じた回数分、味方キャラが敵キャラに対して攻撃したが、敵キャラのHPが0にならずに攻撃権利数が0になった状態となったときに、味方キャラの敗北となる。したがって、攻撃権利が多いほど、遊技者にとって有利となる。
バトル演出に勝利すると(味方キャラが勝利すると)、非バトルARTに復帰する。一方、バトル演出に敗北すると(敵キャラのHPが0にならずに攻撃権利数が0になった状態となると)、ラストバトル演出が実行される。ラストバトル演出は4ゲーム間に亘って実行される。
ラストバトル演出では、味方キャラと敵キャラとがバトルを行う。しかし、ラストバトル演出は、バトルART中のバトル演出のように攻撃権利を消費して行うものではない。これは、ラストバトルが実行される条件は、攻撃権利が0になることだからである。ラストバトル演出で勝利するか否かは、該ラストバトル演出が実行される4ゲーム間のうちの所定タイミングで実行される乱数抽選により決定される。該乱数抽選の実行後、ラストバトル演出の4G目の所定タイミング(たとえば、第3停止時)において、該ラストバトル演出の結果が報知される。
ラストバトル演出で味方キャラが勝利すると、非バトルARTに復帰する。このように、バトルARTにおいて、敗北したとしても、ラストバトル演出で勝利すると、敗者復活的に非バトルARTに復帰される場合がある。したがって、攻撃権利が0になった後にも遊技者に期待感を抱かせることができる。ラストバトル演出において、勝利する確率、および敗北する確率はそれぞれ定められており、たとえば、勝利する確率、および敗北する確率はそれぞれ30%、70%とする。
また、ラストバトル演出で敗北すると、特化ゾーン抽選が実行される。特化ゾーン抽選は、特化ゾーンに制御するか否かを決定する抽選である。特化ゾーン中は、非バトルARTと同様にバトル演出が実行されない状態(攻撃権利が減少しない状態)である。特化ゾーン抽選で特化ゾーンに制御されることが決定されると(特化ゾーン当選すると)、100ゲームの特化ゾーンに制御される。また、特化ゾーン抽選で特化ゾーンに制御されないことが決定されると(特化ゾーン非当選すると)、非ATに戻される。このように、本実施形態では、バトルARTにおいて、攻撃権利数が0になり、ラストバトル演出で敗北し、かつ特化ゾーンで非当選したときには非ATに戻される。
次に、非バトルART中および特化ゾーン中に、メイン制御部41により実行される攻撃権利抽選について説明する。図14は該攻撃権利抽選で用いられる攻撃権利抽選用テーブルの一例を示したものである。以下では、弱スイカおよび強スイカをまとめて「スイカ」といい、中段チェリー、弱チェリーおよび強チェリーをまとめて「チェリー」という。図14の例では、非バトルART中および特化ゾーン中に、スイカまたはチェリーが当選したときに、攻撃権利抽選が実行される。図14の例では、たとえば、スイカが当選したときには、50%の確率で1の攻撃権利が付与され、50%の確率で2の攻撃権利が付与される。なお、変形例として、非バトルART中に用いる攻撃権利抽選用テーブルと、特化ゾーン中に用いる攻撃権利抽選用テーブルとを異ならせるようにしてもよい。たとえば、遊技者にとっての有利度が、非バトルART中に用いる攻撃権利抽選用テーブルよりも、特化ゾーン中に用いる攻撃権利抽選用テーブルの方が有利となる(付与される攻撃権利の期待値が多くなる)ようにしてもよい。付与された攻撃権利は、RAM41cに格納される。
次に、バトルART中に実行されるバトル中抽選について説明する。図15は、該バトル中抽選で用いられるバトル中抽選テーブルの一例を示すものである。図15(A)は、ダメージ抽選で用いられるダメージ抽選テーブルである。ダメージ抽選は、バトルART中において、敵キャラに与えるダメージを、バトルリプ1〜5のうちのいずれかが当選したときに決定する抽選である。ダメージとは、敵キャラのHPを減少させる値である。たとえば、ダメージが5pt(ポイント)決定されたときには、敵キャラのHPを5だけ減少させることができる。
たとえば、図15(A)に示すように、バトルリプ1が当選したときには、90%の確率で1ptのダメージを与えることが決定され、5%の確率で3ptのダメージを与えることが決定され、5%の確率で5ptのダメージを与えることが決定される。図15(A)に示すように、決定されるダメージ期待値は、バトルリプ1、バトルリプ3、バトルリプ2、バトルリプ4、およびバトルリプ5の順番で高くなる。したがって、バトルリプ1、バトルリプ3、バトルリプ2、バトルリプ4、およびバトルリプ5の順番で、遊技者にとっての有利度は高い。
図15(B)は、バトルART中における攻撃権利抽選で用いられる攻撃権利抽選テーブルである。攻撃権利抽選は、バトルART中において、スイカ、チェリー、および押し順ベルのうちのいずれかが当選したときに実行される。これらの役が当選したときには、ダメージ抽選は行われないが(敵キャラにダメージを与えることが出来ないが)、代わりに、攻撃権利抽選が実行される。図15(B)の例では、たとえば、スイカが当選したときには、0回の攻撃権利が付与される(攻撃権利が付与されない)確率、および1回の攻撃権利が付与される確率はそれぞれ50%であると規定されている。
また、非バトルARTとバトルARTとの有利度を比較すると、双方ともナビ演出は実行されるものの、バトルARTからは非ATに制御されてしまう可能性がある一方、非バトルARTからは非ATに制御されない。したがって、非バトルARTの方がバトルARTよりも有利である。また、特化ゾーンは、非バトルART同様、非ATに制御されてしまうことはなく、かつ図14に示した攻撃権利抽選用テーブルを用いた攻撃権利抽選が実行され得るゲーム数が100ゲームとなることから、非バトルARTおよびバトルARTのいずれよりも多くの攻撃権利を蓄積できる期間である。
次に、非バトルARTとバトルARTとのメダルの付与率Pについて説明する。メダルの付与率Pとは、「入賞によって払い出されたメダルの総数」を「賭数が設定されることにより消費されたメダル枚数」で除算した値である。通常、非バトルARTとバトルARTとは共にRT3の状態である。以下では、「入賞によって払い出されたメダルの総数」の「入賞」を「押し順ベルの入賞」に限って説明する。
1ゲーム当り、賭数が設定されることにより消費されたメダル枚数は「3」である。また、1ゲームでの押し順ベルの当選確率は、16824/65536である。また、RT3(ART)であるときに、押し順ベルが当選したときには、ナビ演出の実行により、ベル1またはベル2が入賞することから、15枚のメダルが払出される(図7参照)。そうすると、1ゲームでの押し順ベル当選により付与されるメダル枚数の期待値Qは、以下の式(1)のようになる。
Q=15×(16824/65536)≒3.85 (1)
このように、1ゲームでの押し順ベル当選により付与されるメダル枚数の期待値Qは約3.85となる。そうすると、メダルの付与率Pは、以下の式(2)のようになる。
P= 3.85/3≒1.28 (2)
このように、入賞によって払い出されたメダルの総数」の「入賞」を「押し順ベルの入賞」に限った場合には、非バトルARTとバトルARTともに約1.28となる。また、実際は、ART中(RT3)中は、共通ベル、チェリー、スイカなども入賞し得ることから、非バトルARTとバトルARTとのメダルの付与率は、1.28よりも高くなる。
このように、非バトルARTとバトルARTとでは、メダルの付与率Pは同一であり、かつ該付与率Pは1以上となる。非バトルARTでは、付与率が1以上の割合でメダルが付与されつつ、攻撃権利抽選が実行される(図14参照)。また、バトルARTでは、付与率が1以上の割合でメダルが付与され、バトル演出が行われ、かつ攻撃権利抽選が実行される(図15(B)参照)。つまり、非バトルARTおよびバトルARTの双方で攻撃権利が付与され得る。したがって、非バトルARTおよびバトルARTの双方で、遊技者に対して攻撃権利が付与され得る。
[白7が導出されるリールと、ダメージの期待値の関係について]
次に、バトル演出中における白7が導出されるリールと、ダメージの期待値の関係などについて説明する。図16は、白7が導出されるリールと、ダメージの期待値の関係を示した図である。図16は、図5および図6の白7リプの表示結果と、および図15(A)のテーブルの説明とに基づいた図面である。
図16に示すように、当選役、および該当選役が当選したゲームで逆押しされたときに入賞する入賞役(括弧書き参照)に対応付けて、該入賞役の表示結果、ダメージ期待値の順番、および該入賞役が入賞したゲーム(該表示結果が導出されたゲーム)の次のゲームで表示される味方キャラが定められている(図17参照)。なお、表示結果欄において、白7以外の空白は、他の図柄であることを示す。たとえば、バトルリプ2当選の表示結果欄の左リールの空白は、リプaまたはリプbを示す(図5の白7リプ2の図柄の組合せ参照)。
図16に示すように、右リールに白7が導出される白7リプ1が入賞したとき(バトルリプ1が当選したとき)、中リールに白7が導出される白7リプ3が入賞したとき(バトルリプ3が当選したとき)、中リールおよび右リールに白7が導出される白7リプ2が入賞したとき(バトルリプ2が当選したとき)、中リールおよび左リールに白7が導出される白7リプ4が入賞したとき(バトルリプ4が当選したとき)、全てのリールに白7が導出される白7リプ5が入賞したとき(バトルリプ5が当選したとき)の順番で、ダメージ抽選によるダメージの期待値が高くなるように設定されている。
また、バトル演出中において、白7リプが入賞したときには、白7が導出されたリールに対応した味方キャラが表示される(図17(C)参照)。本実施形態では、右リールがキャラAに対応し、中リールがキャラBに対応し、左リールがキャラCに対応する。また、キャラA、キャラB、およびキャラCの順番で敵キャラに与えるダメージの期待度が高いとする。
図16の例では、白7リプ1が入賞したときはキャラAが表示され、白7リプ2が入賞したときはキャラAおよびキャラBが表示され、白7リプ3が入賞したときはキャラBが表示され、白7リプ4が入賞したときはキャラAおよびキャラCが表示され、白7リプ5が入賞したときはキャラA、キャラB、およびキャラCが表示される。
[バトル演出での演出画面について]
図17は、バトルARTでのバトル演出の実行により、液晶表示器51で表示される画面の一例である。本実施形態では、1の攻撃権利を消費することにより、2ゲームに亘ってバトル演出が実行される。図17(A)および図17(B)では、上部に液晶表示器51に表示される画面を示し、下部にリール3の表示状態を示す。なお、リール3の表示状態は、入賞ラインLNの箇所のみを示し、他のラインについては示していない。
図17(A)に示すように、バトルリプ1〜5のうちのいずれかが当選したゲームでは、1の攻撃権利が消費されるとともに、サブ制御部91は、白7リプを入賞させるための押し順を報知するナビ演出(以下、「白7リプナビ演出」という。)を実行する。図17の例では、「白7を逆押しで狙え!」といった文字を表示するナビ演出が実行される。図17(A)の例では、バトルリプ1〜5のうちのいずれかが当選した内部抽選の契機となるレバーオン操作時に、該ナビ演出は実行される。また、バトルART中は、攻撃権利の残数が、所定領域(図17の例では右上領域)に表示される。図17の例では、攻撃権利の残数は、「2」である。バトルリプが当選したときに、攻撃権利は1、減少するとともに、攻撃権利の表示も1、減少更新される。また、図17の例では、バトルリプ2が当選した場合を示す。
図17(B)は、逆押しで第3停止されたときに表示される画面および導出される表示結果の一例である。図17(B)では、白7リプ2が導出されている。また、白7リプ2は、図5にも示すように、白7が導出されるリールの数が2個である入賞役である。具体的には、白7リプ2は、右リールおよび左リールに、白7が導出される入賞役である。液晶表示器51には、白7が導出されたリールの数に応じた文字が表示される。図17の例では、白7が導出されたリールの数が「2」であることから、「ダブル攻撃!」といった文字が表示される。このダブル攻撃とは、次のゲーム(図17(C)参照)において、二人の味方キャラが敵キャラを攻撃することを意味する。図17(B)の画面が表示されている状態(バトル演出の1ゲーム目が終了した状態)で、レバーオン操作が実行されると(バトル演出の2ゲーム目のゲームが開始されると)、図17(C)の画面が表示される。なお、図17(C)および図17(D)では、リールの表示結果の記載は省略している。
図17(C)の画面では、味方キャラとしてのキャラAおよびキャラB(図16参照)と、敵キャラと、該敵キャラのHPゲージと、「攻撃開始!」といった文字とが表示される。また、敵キャラは複数種類存在し、該複数種類の敵キャラのうちのいずれかがバトル演出の敵キャラとしてメイン制御部41により抽選で決定される。複数種類の敵キャラはそれぞれHPが異なる。本実施形態では、複数種類のキャラとして、2種類の敵キャラが存在する。また、該2種類の敵キャラのHPは、それぞれ、5ポイント、10ポイントであるとする。また、敵キャラを倒すには、該敵キャラのHPを0にする必要がある。したがって、HPが高い敵キャラほど、強い敵キャラ(倒し難い敵キャラ)といえる。本実施形態では、強い敵キャラ(HPが高い敵キャラ)を倒したときの方が、弱い敵キャラ(HPが低い敵キャラ)を倒したときよりも有利度が高い。たとえば、強い敵キャラを倒したときには、攻撃権利が所定数(たとえば、1)付与されるが、弱い敵キャラを倒したときには、該攻撃権利は付与されないようしてもよい。
図17(C)の画面では、図17(B)の画面で表示された「ダブル攻撃!」に基づいて、味方キャラとしてキャラAとキャラBとが表示されて、キャラAとキャラBとが敵キャラを攻撃する。図17(C)の画面が表示されている状態で、第1停止操作が実行されると、図17(D)の画面が表示される。図17(D)の画面では、味方キャラ(キャラAとキャラB)が、敵キャラに対してダメージを与えている画面が表示される。図17(D)では、5ポイントのダメージを与えている画面が表示されている。また、HPゲージが5ポイント分減少される画面が表示される。
また、特に図示しないが、他のバトルリプ(バトルリプ1、およびバトルリプ3〜5のうちのいずれか)が当選したときも逆押しをさせるナビ演出(図17(A)参照)が実行される。したがって、遊技者は、バトルリプが当選したゲームでは、ナビ演出で報知された押し順通りに操作することにより白7リプを入賞させることができる。なお、バトルリプが当選したときに実行されるナビ演出で報知された押し順とは異なる押し順(つまり、逆押し以外の押し順)で操作されたときには、白7リプは入賞しないが、次のゲームで味方キャラが表示されることにより(図17(C)および図17(D)参照)ダメージを与える演出は実行される。なお、味方キャラを表示させずにダメージを与える演出を実行するようにしてもよい。
また、特に図示しないが、白7が導出されるリールの数が1個である場合(つまり、白7リプ1または白7リプ3が入賞した場合)には、「シングル攻撃!」といった文字が表示される。また、白7が導出されるリールの数が3個である場合(つまり、白7リプ5入賞した場合)には、「トリプル攻撃!」といった文字が表示される。また、白7リプ4が入賞した場合にも、白7が導出されるリールの数が2個であることから、「ダブル攻撃!」といった文字が表示される。
また、バトル演出では、右リールでの白7の導出に基づいて味方キャラAが登場し、中リールでの白7の導出に基づいて味方キャラBが登場し、左リールでの白7の導出に基づいて味方キャラCが登場する。たとえば、白7リプ1が入賞したときには、図17(B)では、「シングル攻撃!」といった文字が表示され、その後、図17(C)では、味方キャラとしてキャラAが表示される。また、白7リプ3が入賞したときには、図17(B)では、「シングル攻撃!」といった文字が表示され、その後、図17(C)では、味方キャラとしてキャラBが表示される。また、白7リプ4が入賞したときには、図17(B)では、「ダブル攻撃!」といった文字が表示され、その後、図17(C)では、味方キャラとしてキャラAおよびキャラBが表示される。また、白7リプ5が入賞したときには、図17(B)では、「トリプル攻撃!」といった文字が表示され、その後、図17(C)では、味方キャラとしてキャラA、キャラB、およびキャラCが表示される。
また、敵キャラは、2種類存在し、双方の敵キャラのHPは、5および10であるとして説明した。図15にも記載されているように、バトルリプ5が当選すると、10ポイントのダメージを与えることが必ず決定される。したがって、2種類の敵キャラのうちのいずれの敵キャラが選択されたとしても、1の攻撃権利で必ず該敵キャラを倒すことができる。
また、図14の※印に示すように、ラストバトル中(4ゲーム中)、および非バトルART中には、バトルリプが当選したとしても、白7リプナビ演出は実行されない。ラストバトル中に、白7リプナビ演出を実行しない理由を説明する。ラストバトルは、攻撃権利が0となる状態になったときに制御される。仮に、ラストバトル中に、バトルリプが当選したゲームで白7リプナビ演出が実行された場合には、該白7リプナビ演出により報知された押し順で操作されると、白7リプが入賞してしまう。そうすると、攻撃権利が0であるにもかかわらず、白7リプが入賞するという不合理が生じてしまう。そこで、本実施形態では、このような不合理が生じることを防止するために、ラストバトル中に、白7リプナビ演出を実行しない。
次に、非バトルART中に、白7リプナビ演出を実行しない理由を説明する。非バトルART中は、バトル演出が実行されない。仮に、非バトルART中にバトルリプが当選したゲームで白7リプナビ演出が実行された場合には、該白7リプナビ演出により報知された押し順で操作されると、白7リプが入賞してしまう。そうすると、バトル演出が実行されていないにもかかわらず、バトル演出でダメージを与える白7リプが入賞してしまうと、遊技者が混乱してしまう。そこで、本実施形態では、このような混乱が生じることを防止するために、非バトルART中に、白7リプナビ演出を実行しない。
[本実施形態の効果]
次に、本実施形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 本実施形態の構成によれば、図15(A)および図16に示すように、バトルART中に、バトルリプ1〜バトルリプ5のうちのいずれかが当選したときに、ダメージ抽選が実行されることにより、敵キャラに与えることができるダメージが決定される。また、バトルリプ2が当選したときの方がバトルリプ1が当選したときよりも、逆押し操作が実行されたときには、白7が導出されるリールの数は多く、かつダメージ抽選におけるダメージ期待値は多い(図16参照)。したがって、白7が導出されるリールの数に対して遊技者の注目を集めることができることから、ダメージ抽選の興趣を向上させることができる。
また、本実施形態のスロットマシンは、換言すれば、
導出を許容する表示結果を決定する事前決定手段(たとえば、内部抽選)と、
前記事前決定手段の決定結果に応じて表示結果を導出させる制御を行う導出制御手段(たとえば、リール制御)と、
有利状態(たとえば、図13に示す非バトルART)中に終了条件が成立したとき(たとえば、40ゲームの非バトルARTを消化したとき)に特定状態(たとえば、図13に示すバトルART)に制御した後、当該特定状態中に復帰条件が成立したとき(バトルARTでのバトル演出により勝利したとき)に再び前記有利状態に制御することが可能な状態制御手段(たとえば、メイン制御部41)と、
所定権利(たとえば、図14および図15(B)に示す攻撃権利抽選により付与され得る攻撃権利)を付与可能な付与手段(たとえば、メイン制御部41)と、
前記付与手段により付与された所定権利を前記特定状態中で消費することにより、前記復帰条件の成立に関する抽選処理(たとえば、図15(A)に示すダメージ抽選)を実行する抽選処理実行手段(たとえば、メイン制御部41)とを備え、
前記導出制御手段は、前記複数の可変表示部のうちの2以上の可変表示部で特定識別情報を変動表示可能であるとともに(たとえば、図2などに示すように、各リールにおいて白7が配置されており)、前記事前決定手段の決定結果が第2決定結果(たとえば、図16に示すバトルリプ2の当選)であるときの方が第1決定結果(たとえば、図16に示すバトルリプ1の当選)であるときよりも、前記特定識別情報が表示結果として導出される可変表示部の数が多くなるように制御可能であり(たとえば、バトルリプ2が当選したときには、白7が導出されるリールが2個である白7リプ2が入賞する一方、バトルリプ1が当選したときには、白7が導出されるリールが1個である白7リプ1が入賞し)、
前記抽選処理実行手段は、前記事前決定手段の決定結果が前記第1決定結果であるときおよび前記第2決定結果であるときに、前記抽選処理を実行可能であり(たとえば、図15(A)に示すように、バトルリプ1およびバトルリプ2が当選したときに、ダメージ抽選を実行可能であり)、
前記状態制御手段は、前記特定状態中に所定権利が存在しない状態となったときに該特定状態への制御を終了させることが可能であり(たとえば、図13に示すように、バトルARTにおいて、攻撃権利が0になったときに該バトルARTの制御は終了するとともにラストバトル演出が実行され)、
前記事前決定手段の決定結果が前記第2決定結果であるときの方が前記第1決定結果であるときよりも、前記抽選処理の有利度は高い(たとえば、図15(A)および図16に示すように、バトルリプ2が当選したときの方がバトルリプ1が当選したときよりもダメージ抽選でのダメージ期待値は大きい)。
このような構成によれば、事前決定手段の決定結果が第2決定結果であるときの方が該決定結果が第1決定結果であるときよりも、特定識別情報が表示結果として導出される可変表示部の数は多く、かつ抽選処理が有利となる。したがって、特定識別情報が表示結果として導出される可変表示部の数に対して遊技者の注目を集めることができることから、抽選処理の興趣を向上させることができる。
(2) 図16に示すように、バトルリプ1が当選したゲームと、バトルリプ3が当選したゲームとで、白7が導出されるリールは1つである。また、双方のゲームで、白7が導出される1つのリールは互いに異なるとともに、ダメージ抽選の期待値も異なる。図16では、バトルリプ3が当選したゲームの方が、バトルリプ1が当選したゲームよりもダメージ抽選の期待値は高い。したがって、白7が導出される1のリールの位置に対して遊技者の注目を集めることができる。
バトルリプ2が当選したゲームと、バトルリプ4が当選したゲームとで、白7が導出されるリールは2つである。また、双方のゲームで、白7が導出される2つのリールの組合せは互いに異なるとともに、ダメージ抽選の期待値も異なる。図16では、バトルリプ4が当選したゲームの方が、バトルリプ2が当選したゲームよりもダメージ抽選の期待値は高い。したがって、白7が導出される2リールの組合せに対して遊技者の注目を集めることができる。
(3) 図17(A)に示すように、バトルリプが当選したときには、白7リプを入賞させるための押し順(本実施形態では、逆押し)を報知するナビ演出が実行される。したがって、遊技者は、容易に、白7リプを入賞させることができる。
(4) 図14の※印に示すように、ラストバトル中(4ゲーム中)には、バトルリプが当選したとしても、白7リプナビ演出は実行されない。したがって、攻撃権利が0であるにもかかわらず、白7リプが入賞するという不合理が生じることを防止できる。
(5) 図17に示すように、バトルART中において、バトルリプが当選したときには、1の攻撃権利を消費することにより、2ゲームに亘ってバトル演出が実行される。バトル演出の1ゲーム目においては、当選したバトルリプに対応した白7リプが入賞し、次のゲーム(2ゲーム目のゲーム)において、敵キャラにダメージが報知される。したがって、バトル演出が実行される2ゲームの興趣を向上させることができる。
(6) 非バトルARTでは、図14記載の攻撃権利抽選用テーブルを用いた攻撃権利抽選が実行され、バトルARTにおいても、図15(B)記載の攻撃権利抽選用テーブルを用いた攻撃権利抽選が実行される。このように、本実施形態では、非バトルARTおよびバトルARTの双方で、攻撃権利抽選が実行されることから、攻撃権利が付与され得る。したがって、たとえば、バトルARTでは攻撃権利が付与されず非バトルARTのみで攻撃権利が付与されるスロットマシンと比較して、攻撃権利が付与される機会を増加させることができるので、遊技の興趣を向上させることができる。
また、本実施形態のスロットマシンは、換言すれば、
有利状態(たとえば、図13に示す非バトルART)中に終了条件が成立したとき(たとえば、40ゲームの非バトルARTを消化したとき)に特定状態(たとえば、図13に示すバトルART)に制御した後、当該特定状態中に復帰条件が成立したとき(バトルARTでのバトル演出により勝利したとき)に再び前記有利状態に制御することが可能な状態制御手段(たとえば、メイン制御部41)と、
所定権利(たとえば、図14および図15(B)に示す攻撃権利抽選により付与され得る攻撃権利)を付与可能な付与手段(たとえば、メイン制御部41)と、
前記付与手段により付与された所定権利を前記特定状態中で消費することにより、前記復帰条件の成立に関する抽選処理(たとえば、図15(A)に示すダメージ抽選)を実行する抽選処理実行手段(たとえば、メイン制御部41)とを備え、
前記状態制御手段は、前記特定状態中に所定権利が存在しない状態となったときに該特定状態への制御を終了させることが可能であり(たとえば、図13に示すように、バトルARTにおいて、攻撃権利が0になったときに該バトルARTの制御は終了するとともにラストバトル演出が実行され)、
前記付与手段は、前記有利状態中および前記特定状態中に所定権利を付与可能である(たとえば、図14、および図15(B)に示すように、バトルARTおよび非バトルARTの双方で、攻撃権利抽選は実行される)。
このような構成によれば、有利状態中のみならず、特定状態中でも所定権利が付与され得る。したがって、所定権利が付与される機会を増加させることができることから特定状態の興趣を向上させることができる。
(7) バトルART中において、バトルリプ1が当選したときにはダメージ抽選が実行される一方、スイカ、チェリー、および押し順ベルが当選したときには攻撃権利抽選が実行される。このように、同一のゲームにおいてダメージ抽選と攻撃権利抽選との双方が実行されることはなく、ダメージ抽選と攻撃権利抽選とのいずれか一方が実行される。したがって、ダメージ抽選と攻撃権利抽選とのいずれか一方に遊技者の注目を集めることができる。
(8) 式(1)および式(2)で説明したように、非バトルARTと、バトルARTとは共に、メダルの付与率は1以上である。したがって、非バトルARTと、バトルARTとにおいて、メダルの純増枚数を増加させることができつつ、攻撃権利も蓄積させることができる。また、非バトルARTと、バトルARTとは共に、メダルの付与率は同一である。したがって、非バトルARTと、バトルARTとにおいて、メダルの付与率が異なるスロットマシンと比較して、メダル付与に関する処理を簡素にすることができる。
また、バトルATでは、1回の攻撃権利に基づくバトル演出は2ゲームに亘って実行されることから、1ゲームのバトル演出が実行されるスロットマシンと比較して、メダルの純増枚数を増加させることができる。
(9) また、バトル演出中にバトルリプが当選したゲームにおいて、逆押しで操作されたときには、白7リプが入賞する。該ゲームの次のゲームでは、図16に示すように、入賞した白7リプに対応する味方キャラ(該白7リプの入賞により導出された白7のリールに対応する味方キャラ)が表示される。したがって、リールの図柄のみならず、表示される味方キャラにより、敵キャラに与えるダメージの期待度を遊技者に認識させることができる。
(10) また、バトル演出中にバトルリプが当選したゲームにおいては、白7リプナビ演出(図17(A)参照)が実行される。また、遊技者の誤操作などにより、白7リプナビ演出で報知された押し順とは異なる押し順で操作されたときには、白7リプは入賞しない。仮に「該白7リプが入賞しないときに敵キャラにダメージを与えることができないスロットマシン」では、該誤操作をした遊技者に残念感を感じさせてしまう。これに対し、本実施形態のスロットマシンは、敵キャラに与えるダメージは、白7リプの入賞ではなく、バトルリプの当選に基づいて決定される。したがって、白7リプナビ演出で報知された押し順とは異なる押し順で操作されたときであっても敵キャラにダメージを与えることができる。よって、誤操作をした遊技者に残念感を感じさせてしまうことを防止できる。
(11) また、バトル演出では、2種類の敵キャラのうちのいずれかが登場して、味方キャラとバトルを行う。2種類の敵キャラのうち、強い敵キャラ(HPが高い敵キャラ)を倒したときの方が、弱い敵キャラ(HPが低い敵キャラ)を倒したときよりも有利度が高い。したがって、バトル演出では、登場する敵キャラに対しても遊技者の注目を集めることができることから、バトル演出の興趣を向上させることができる。
(12) また、バトルリプには、必ず敵キャラに勝利することができるバトルリプ5を含む。バトルリプ5が当選したゲームで、白7リプナビ演出が実行されて、該白7リプナビ演出で報知された逆押し操作が実行されたときには、全てのリールに白7リプが揃う白7リプ5が入賞する。したがって、白7リプナビ演出が実行されたときには、全てのリールに白7が導出されることに対する期待感を遊技者に抱かせることができるという遊技性を提供できる。
(13) 次に、バトルリプが当選したゲームにおいて、白7リプを入賞するための押し順は逆押しとしている理由を説明する。本実施形態のスロットマシンは、如何なる押し順で操作されたとしても、ペナルティなどが与えられることはない。したがって、RT1に制御されているときにおいて、遊技者が、順押し以外で操作することにより、昇格リプレイが入賞してしまい、ATでないにもかかわらず、RT3に制御されてしまう場合がある。また、バトルリプはRT3のみで当選する当選役である。ここで、一般的に、遊技者は、ストップスイッチを順押しで操作する。仮に、バトルリプが当選したゲームにおいて、白7リプを入賞するための押し順を順押しとすると、ATでないにもかかわらず、RT3に制御された場合には、バトル演出が実行されていないときに、白7リプが入賞してしまい、白7リプのプレミア性が欠損してしまう場合がある。そこで、本実施形態では、白7リプを入賞するための押し順を逆押しとすることにより、ATでないにもかかわらず、RT3に制御された場合であっても、白7リプを極力入賞させないようにすることができる。したがって、白7リプのプレミア性が欠損してしまうことを防止できる。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態のスロットマシンについて説明する。第1実施形態の説明では、ボーナス状態に移行させるボーナス役について記載されていなかった。第2実施形態では、該ボーナス役を備えるスロットマシンについて説明する。また、第2実施形態のスロットマシンのAT抽選用テーブルは図12と同様であり、図13で示した特別ARTの移行制御を実行可能である。また、特別ART中も第1実施形態のバトル演出を実行可能である。また、第1実施形態では、入賞役として7リプ1〜5を備え、当選役としてバトルリプ1〜5を備える一方、第2実施形態では、入賞役としてバーリプ1、2を備え(図20参照)、当選役としてバトルリプ1、2を備える(図25参照)。敵キャラに対してダメージを与えることを示唆する図柄が、第1実施形態では白7であるのに対し、第2実施形態ではバーである。また、第2実施形態では、図14、図15(B)の攻撃権利抽選用テーブルが用いられ、図15(A)のバトルリプ1およびバトルリプ2のみが規定された(バトルリプ3〜5が省略された)ダメージ抽選テーブルが用いられる。
図18は、第2実施形態のリールの図柄配列を示す図であり、図19および図20は、入賞役の種類、および入賞役の図柄組み合わせなどを示す図である。図19に示すBB1、BB2は、ボーナスという有利な状態への移行を伴う入賞役である。BB1、BB2の払出枚数欄には、入賞により移行されるボーナスの終了条件が示されている。ボーナスは、各々、予め定められたメダル枚数以上払出されることにより終了する。たとえば、BB1に当選・入賞して制御されるボーナスについては、当該ボーナス中に払出されたメダル枚数が351枚以上となったゲームにおいて終了する。
図21は、移行出目の図柄組み合わせなどを示す図である。図21に示す移行出目は、図29に示す押し順ベルの対応押し順とは異なる押し順(不正解押し順)で操作されたときに入賞ラインLNに揃う出目である。
図22は、メイン制御部41により制御される遊技状態の遷移を説明するための図であり、図23は、遊技状態及びRTの概要を示す図である。本実施形態におけるスロットマシン1は、リプレイが所定の当選確率(図23の上図の再遊技役欄の数値参照)で当選するRT0〜RT4と、小役の当選確率がRT0〜RT4中であるときよりも向上するボーナスとを含む複数種類の遊技状態のうち、開始条件が成立してから終了条件が成立するまで対応するいずれかの遊技状態に制御される(図22の矢印に沿って示した入賞役あるいは出目参照、図23の上図の開始条件・終了条件欄の参照)。
また、BB1、BB2のいずれかに当選したときには、AT(特別ARTを含む)および非ATのいずれであるかに関わらず、RT4(ボーナス内部中)に制御される。BB1、BB2のいずれかが当選したときに設定される当選フラグは、当選しているBBの入賞が発生するまで持ち越される。RT4は、BB当選からBB入賞発生まで継続して制御される。RT4中においては、RT0およびRT2中よりも低く、RT1およびRT3中と同じ確率(図23の上図の再遊技役欄の数値参照)でリプレイに当選する。なお、RT4におけるリプレイ確率は、当選した小役を取りこぼすことなく入賞させることができたとしても、払出率が1を超えない確率に設定されている。つまり、RT4におけるリプレイ確率は、RT4中に当選した小役を取りこぼすことなく入賞させた場合に払出されるメダルの合計枚数が、RT4中においてメダルあるいはクレジットを賭数の設定に用いたメダルの合計枚数を超えず、メダルが増加しない確率に設定されている。RT4中においてBB入賞が発生すると、ボーナスに制御されて、図19で説明したメダル枚数以上払出されることによりボーナス終了となり、RT3へ制御される。内部抽選されるリプレイの種類は、RTの種類毎に定められている(図23の下図の丸印が抽選されるリプレイを示す)。
また、AT中にBBに制御されたときには、ATに関する権利(たとえば、AT残りゲーム数、攻撃権利など)は保留される。その後、制御されたBBが終了すると、該保留されたATに関する権利を保持した状態で、RT3に制御される。
図24および図25は、遊技状態毎に抽選対象役として読み出される抽選対象役の組合せを示す図である。抽選対象役欄には、その名称を示し、遊技状態欄には、RTの種類毎に、丸印でその抽選対象役が抽選対象であることを示し、丸印の下の数値により当選確率にかかわる判定値数を示している。例えば、ベルは、RT0〜RT3いずれかの状態において、360/65536で当選する抽選対象役である。RT4中は、ボーナス抽選されないが、ボーナスと同時当選し得る入賞役(以下では、同時当選役ともいう)の当選確率が他のRT中と同確率となるように、同時当選役であるベルや弱スイカについては括弧内に示す判定値数で内部抽選が行われる。
ボーナス中においては、たとえば、中段ベルが抽選対象役に設定されており、極めて高い確率(64000/65536)で当選するように定められている。また、中段ベルは、操作タイミングにかかわらず入賞を発生し得る役である。このため、ボーナス中においては、操作タイミングおよび押し順にかかわらず、極めて高い確率で中段ベル入賞を発生させることができ、メダル枚数を効率的に増加させることができる。このため、ボーナスは、遊技者にとって有利な状態である。
また、図25に示すように、RT2(ART)中に、バトルリプレイ1およびバトルリプレイ2が当選する。
図26は、抽選対象役に含まれる入賞役の組合せを示す図である。例えば、弱チェリーは、下段チェリーである。弱スイカは、右下がりスイカと、上段スイカと、中段スイカとを含む。よって、内部抽選で弱スイカに当選したときには、右下がりスイカと、上段スイカと、中段スイカとに当選したことになる。
抽選対象役のうちボーナス1〜ボーナス12は、BB1またはBB2と弱チェリーやベルなどの所定の入賞役が同時に読み出されて当選し得る役である。また、図24で示したように、ボーナス1〜ボーナス12は、異なる判定値数が定められている。このため、遊技者にとっての有利度であって、同時当選役に当選したときにBB1またはBB2が実際に同時当選している割合(以下、信頼度ともいう)が、ボーナス6や12などに含まれる中段チェリーが最も高く、続いて、強チェリー、強スイカ、弱チェリー、弱スイカの順となり、ベル(以下、中段ベルともいう)が最も低くなるように、判定値数が定められている。
図27〜図29は、複数の入賞役が同時当選したときのリール制御を説明するための図である。当選した抽選対象役毎に、押し順欄に示す押し順で停止操作されたときに、その右の停止する図柄組合せに示す入賞役の図柄組合せを入賞ラインLNに停止させるリール制御が行なわれる。例えば、リプレイGR1が当選したときにおいて、押し順が左中右であるときは、昇格リプレイ1が導出されて、押し順が左中右以外であるときは通常リプレイが導出される。また、例えば、左ベルが当選したときにおいて、押し順が左第1停止であるときは、右下がりベルが導出されて、押し順が左第1停止以外であれば、上段ベルまたは移行出目が導出される。
また、バトルリプ1またはバトルリプ2が当選したときにおいて、押し順が逆押しであるときは、バーリプレイが導出されて、押し順が逆押し以外であるときは通常リプレイが導出される。
また、同時当選役に当選しているときには、当該同時当選役に当選していないときと異なるリール制御が行われ得る。たとえば、弱スイカに当選しているときには、中段スイカよりも右下がりスイカあるいは上段スイカを優先して入賞ライン上に引き込むリール制御が行われるのに対し、強スイカに当選しているときには、右下がりスイカおよび上段スイカのいずれよりも中段スイカを優先して入賞ライン上に引き込むリール制御が行われる。また、弱チェリーあるいは強チェリーが当選しているときには、下段チェリーを入賞ライン上に引き込むリール制御が行われ、中段チェリーが当選しているときには、中段チェリーを入賞ライン上に引き込むリール制御が行われる。これにより、リール2L〜2Rが停止したときの図柄の組合せから、チェリーかスイカか、弱か強か、あるいは、中段チェリーか否かなどを推定可能となり、ボーナス当選あるいはAT当選に対する期待感を異ならせることができる。
[RT状態と、当選役、およびナビ演出の関係]
図30は、RT状態と、当選役、およびナビ演出の関係を示したものである。図30を用いて、RT状態と、当選役、およびナビ演出の関係を説明する。RT2(通常はATに制御されている状態)中に、通常リプが当選したゲームではナビ演出は実行されない。何故なら、通常リプは、押し順に関係なく、通常リプが入賞する役だからである。これにより、不要なナビ演出が実行されることを防止できる。
RT2およびRT4中に、押し順ベルが当選したゲームでは、正解押し順を報知するナビ演出が実行される。また、RT2中に、押し順リプ(リプレイGR11〜13)が当選したゲームでは、正解押し順を報知するナビ演出が実行される。また、RT2中では、特別リプは当選しない。このように、図30においては、当選役が当選しないことを「−」と示す。
また、RT4中(ボーナス内部中)に通常リプおよび特別リプが当選したゲームではナビ演出は実行されない。何故なら、通常リプおよび特別リプは、押し順に関係なく、通常リプが入賞する役だからである。これにより、不要なナビ演出が実行されることを防止できる。
また、図30の押し順ベルが当選したときのナビ演出と、押し順リプが当選したときのナビ演出は、同一の態様(押し順の表示態様、音出力態様、およびLEDの発光態様)で実行される。
[チェリーまたはスイカが当選したときに実行される演出について]
図31は、特別ART中(たとえば、図13に示す非バトルART中またはバトルART中)に、チェリーまたはスイカが当選した以降のゲームで実行される演出を説明するための図である。図31を用いて、チェリーまたはスイカが当選したときに実行される演出を説明する。
図31(A)は、特別ART中にチェリーおよびBBが同時当選したとき、および特別ART中にスイカおよびBBが同時当選した以降のゲームで実行される演出を説明するための図である。また、特別ART中にチェリーおよびBBが同時当選したとき、および特別ART中にスイカおよびBBが同時当選したときには、RT4に制御されるとともに、攻撃権利抽選が実行されることにより攻撃権利が付与される(図14および図15(B)参照)。
図31(ア)に示すように、RT4中に通常リプレイが当選したゲームではチャンス演出が実行される。チャンス演出は、攻撃権利が付与された可能性を示唆する演出である。チャンス演出は、たとえば、「CHANCE!」といった文字を表示する演出である。チャンス演出が実行されることにより、攻撃権利の付与が発生したのではないかといった期待感を遊技者に抱かせることができる。また、チャンス演出は、攻撃権利が付与されていないときにも所定確率で実行される演出である。この場合には、チャンス演出はいわゆるガセ演出となる。
また、チャンス演出が実行される状況というのは、攻撃権利が付与された可能性が高い、つまり、チェリーまたはスイカが当選した可能性が高いといえる。したがって、チャンス演出が実行されたときには、BB当選することによりRT4に制御されているか、BB当選せずにRT2への制御が維持されているといえる。また、図30でも説明したように、RT4中に通常リプが当選したときにはナビ演出は実行されない。通常リプが当選したゲームでは押し順に関わらず、通常リプが入賞する。
図31(イ)に示すように、RT4中に押し順ベルが当選したゲームではチャンス演出が実行されるとともにナビ演出が実行される。図31(ウ)に示すように、RT4中に特別リプレイが当選したときには、ナビ演出および攻撃権利付与演出のいずれも実行されない。攻撃権利付与演出とは、攻撃権利が付与されたことを報知する演出である。攻撃権利付与演出は、たとえば、「攻撃権利GET!」といった文字を表示する演出である。
次に、特別ART中にチェリーまたはスイカが単独当選した(BBが当選していない)以降のゲームで実行される演出を説明するための図である。特別ART中にスイカまたはチェリーが単独当選しても、RT状態はRT2への制御が維持され、攻撃権利抽選が実行されることにより攻撃権利が付与される(図14および図15(B)参照)。
図31(エ)に示すように、RT2中に通常リプレイが当選したゲームではチャンス演出が実行される。また、図30でも説明したように、RT2中に通常リプが当選したときにはナビ演出は実行されない。図31(オ)に示すように、RT2中に押し順ベルが当選したゲームではチャンス演出が実行されるとともにナビ演出が実行される。図31(カ)に示すように、RT2中に押し順リプレイが当選したときには、ナビ演出が実行される。該押し順リプレイが当選したゲームにおいて、第3停止されることによりリプレイ(転落リプレイおよび通常リプレイのいずれか)が入賞したときには、攻撃権利付与演出が実行される。なお、遊技者は、該ナビ演出で報知された押し順通りに操作すると、通常リプが入賞することにより、RT2への制御が維持される。
次に、図31を用いて、BB当選していないことを示唆する示唆事象について説明する。以下では、チェリーまたはスイカが単独当選しており、BBが当選していない状況を「BB非当選状況」といい、チェリーまたはスイカがBBと同時当選している状況を「BB当選状況」という。
BB当選して該BB入賞すると、遊技者にとって有利なボーナス状態に制御されることから、遊技者は、BB当選していることに期待感を抱く。以下に、BB当選していないBB非当選事象について説明する。
図31(ア)および図31(ウ)に示すように、BB当選状況およびBB非当選状況のうちのいずれであるかに関わらず、通常リプが当選したゲームでは、チャンス演出が実行される一方ナビ演出が実行されない。また、BB当選状況およびBB非当選状況のうちのいずれであるかに関わらず、該ゲームでは押し順に関わらず、通常リプが入賞する。したがって、通常リプが当選したゲームでは、BB当選状況およびBB非当選状況のいずれであるかを遊技者は判別できない。したがって、BB非当選事象は発生していないといえる。
また、図31(イ)および図31(オ)に示すように、BB当選状況およびBB非当選状況のうちのいずれであるかに関わらず、押し順ベルが当選したゲームでは、チャンス演出およびナビ演出が実行される。また、BB当選状況およびBB非当選状況のうちのいずれであるかに関わらず、該ゲームではナビ演出で報知された押し順通りに操作されることにより、右下がりベルまたは中段ベルが入賞する(図29参照)。したがって、押し順ベルが当選したゲームでは、BB当選状況およびBB非当選状況のいずれであるかを遊技者は判別できない。したがって、BB非当選事象は発生していないといえる。
次に、図31(ウ)について説明する。チャンス演出が実行された一方、ナビ演出が実行されずに、リプレイが入賞したということは、図31(ア)および図31(ウ)に示すように、BB当選状況およびBB非当選状況のいずれであるかを遊技者は判別できない。したがって、BB非当選事象は発生していないといえる。
次に、図31(カ)について説明する。図31(カ)の例では、チャンス演出、およびナビ演出(図31(カ)の例では、右第1停止を報知するナビ演出)が実行される。該ナビ演出で報知された押し順で操作されたときには通常リプレイが入賞し、該押し順とは異なる押し順で操作されたときには転落リプレイが入賞する。このように、該ナビ演出で報知された押し順、および該押し順とは異なる押し順で操作されたときのいずれであっても、リプレイが入賞する。リプレイが入賞するということは、リプレイが当選しているということである。さらに、該リプレイが当選しており、押し順が報知されたということは、RT4に制御されているということではなく、RT2に制御されているということである(図30参照)。したがって、図31(カ)のように、ナビ演出が実行されて、かつリプレイが入賞したときは、BBが当選していない、つまり、BB非当選事象が発生していることを遊技者が判別できるといえる。攻撃権利付与演出は、該BB非当選事象が発生したときに実行される。
また、図31(イ)および図31(オ)に示すように、チャンス演出およびナビ演出が実行されたゲームは、表示結果が導出されるまでは、BB当選状況およびBB非当選状況のいずれであるかを遊技者は判別できない。該チャンス演出およびナビ演出が実行されたゲームにおいて、ベルが入賞したときには、BB当選状況およびBB非当選状況のいずれであるかを遊技者は判別できず、リプレイが入賞したときには、BB非当選事象が発生しているといえる(BB非当選事象が発生していることを遊技者が判別できるといえる)。また、図31(カ)に示すように、チェリー当選しており(チャンス演出が実行されており)、かつ非当選事象が発生している場合には、リプレイが入賞したときに、攻撃権利付与演出が所定時間(たとえば、10秒間)実行される。
[本実施形態の効果]
次に、本実施形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 本実施形態の構成によれば、チェリー当選しており(チャンス演出が実行されており)、かつBB非当選事象が発生している(BBが当選していない)ときには、攻撃権利が付与されたことを報知する攻撃権利付与演出が実行される。また、この攻撃権利付与演出は、攻撃権利が付与されていても、BB当選事象が発生している場合には(BBが当選している場合には)、実行されない(図31(ウ)参照)。したがって、BB非当選事象が発生している(BBが当選していない)場合の落胆を、攻撃権利付与演出を実行することにより、軽減できる。
(2) また、BB非当選事象が発生するゲームは、チェリー当選したゲーム以降の複数のゲームのうちからランダムで決定される。たとえば、図31(B)に示すように、チェリーが単独当選したゲーム(BBが当選していないゲーム)以降において、BB非当選事象が発生するか否か、つまり押し順リプレイが当選するか否かは、メイン制御部41の内部抽選によりランダムに決定される。したがって、チェリー当選したゲーム、つまり、チャンス演出が実行されたゲーム以降のゲームにおいて、緊張感を抱かせることができる。
(3) また、BB非当選事象は、図31(カ)に示すように、チャンス演出およびナビ演出が実行されたゲームにおいてリプレイが入賞することにより発生する。したがって、実行される演出および導出される表示結果により、BB当選していない旨を遊技者に認識させることができる。
(4) また、攻撃権利抽選が実行されたときには、該攻撃権利抽選が実行されたゲーム以降のゲームにおいてBB非当選事象が発生したときに、攻撃権利付与演出を実行するものである。したがって、攻撃権利抽選のタイミングと、攻撃権利付与演出を実行するタイミングとを乖離させることができることから、攻撃権利抽選と攻撃権利付与演出とを併せて実行するスロットマシンと比較して、処理負担を軽減できる。
(5) また、本実施形態では、第1実施形態で説明したバトルリプ1およびバトルリプ2を有する。したがって、第1実施形態で説明した効果についても奏する。また、第1実施形態のスロットマシンについても、当選役としてBBを備えるものであれば、第2実施形態の効果を奏することができる。
[変形例]
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。本発明は、上記の実施例に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な変形例などについて説明する。また、前述した本実施形態で説明した技術事項、および、以下の変形例で説明する技術事項のうち少なくとも2つを組み合わせて実施するようにしてもよく、前述した本実施形態で説明した技術事項を以下の変形例で説明する技術事項に置換して実施するようにしてもよく、当該置換したものに対して、以下の変形例で説明する技術事項をさらに組み合わせて実施するようにしてもよい。
[BB非当選示唆事象について]
本実施形態のBB非当選示唆事象は、チャンス演出およびナビ演出が実行され、かつリプレイが入賞することにより発生する事象であるとして説明した。しかしながら、BB非当選示唆事象は、このような事象に限らず、他の事象であってもよい。たとえば、本変形例のスロットマシンは、BB当選していない旨を示唆する示唆表示結果を導出可能とする。BB非当選示唆事象は、該示唆表示結果が導出されたことにより発生する事象としてもよい。ここで、示唆表示結果は、CBとしてもよい。CBとは、チャレンジボーナスであり、全ての小役(図24に示すベル1〜中段チェリー)が当選するゲームである。チャレンジボーナスの当選は、BB同様に、入賞するまで持ち越される。チャレンジボーナスは他のボーナス(たとえば、BB)が当選しているときには、当選しない役である。チャレンジボーナスは、該チャレンジボーナスが当選したゲームにおいて、入賞ラインにおいてCB図柄が導出されたときに、開始される。チャレンジボーナス中は、小役全てが当選する。また、チャレンジボーナス中は、3つのリールのうち少なくとも1つの特定リールの引込範囲が1コマ以下となり、該3つのリールのうち残りのリールの引込範囲が4コマ以下となる。
このように、BB非当選示唆事象は、CBのような示唆表示結果が導出されたことにより発生する事象としてもよい。これにより、BB非当選示唆事象が発生したことを、表示結果のみで、遊技者に認識させるようにしてもよい。
また、BB非当選示唆事象は上記のようなものに限らず、BB非当選示唆事象は、たとえば、BB当選していないときに実行されるBB非当選演出が実行される事象であるとしてもよい。
[バトル演出について]
(1) 本実施形態では、ダメージ抽選が実行される第1役(たとえば、バトルリプ1)よりも、該第1役よりもダメージ抽選の期待値が大きい第2役(たとえば、バトルリプ2)の方が、白7が導出されるリールの数が多いとして説明した。しかしながら、第1役よりも第2役の方が、導出される白7の数が多いとしてもよい。たとえば、第1役と第2役とで、左リールおよび中リールには白7が導出されない一方、右リールには白7が導出され、該右リールにおいて、第2役では、白7が2個導出されるが、第1役では、白7が1個導出されるようにしてもよい。このような構成であれば、導出される白7の数に対して遊技者の注目を集めることができることから、遊技の興趣を向上させることができる。
(2) 本実施形態では、バトルリプに対応する対応図柄(バトルリプを象徴する図柄、第1実施形態では白7であり、第2実施形態ではBARである)は、各リールにおいて、5コマ以内に配置されているとして説明した。つまり、バトルリプそれぞれにおいて、ナビ演出で報知された押し順(正解押し順)で操作されたときには、操作タイミングに関わらず、該バトルリプに対応した個数の対応図柄が導出されるとして説明した。しかしながら、3個のリールのうちの少なくとも1個の特定リールにおいて、対応図柄は、5コマ以上離れて配置させるようにしてもよい。このような構成の場合において、該特定リールにおいては、特定タイミングで操作されたときに、該対応図柄が導出され、該特定タイミングとは異なるタイミングで操作されたときには、該対応図柄は導出されないようなリール制御が実行される。このような構成によれば、特定リールについて、特定タイミングで操作させることに対する緊張感を遊技者に抱かせることができる。
また、本実施形態では、ダメージ抽選は、バトルリプの当選を契機に実行されるとして説明した。しかしながら、ダメージ抽選は、たとえば、白7リプの入賞としてもよい。この場合において、たとえば、「3個のリールのうちの少なくとも1個の特定リールにおいて、対応図柄は5コマ以上離れて配置させる構成」を採用している場合には、特定リールの操作タイミングによっては、白7リプが入賞しない場合がある。したがって、このような構成によれば、特定リールについて、特定タイミングで操作させることに対する緊張感を遊技者に抱かせることができる。また、「3個のリールのうちの少なくとも1個の特定リールにおいて、対応図柄は5コマ以上離れて配置させる構成」、および「白7リプが入賞しないとダメージ抽選が実行されない(ダメージを与えることができない)構成」を採用している場合において、白7リプが入賞しなかった場合には、攻撃権利を減少させないようにしてもよい。このような構成によれば、「白7リプが入賞しないことによりダメージを与えることはできないが、攻撃権利が減少するスロットマシン」と比較して、白7リプが入賞しないことによりダメージを与えることができない落胆を軽減できる。
また、「3個のリールのうちの少なくとも1個の特定リールにおいて、対応図柄は5コマ以上離れて配置させる構成」を採用している場合において、たとえば、白7リプを入賞させることができないタイミングで操作されたときには、白7が一切導出されない表示結果が導出されるようにしてもよい。これにより、白7リプが入賞していないことを遊技者に明確に認識させることができる。
また、本実施形態では、対応図柄は、3つのリールそれぞれに配置されているとして説明したが、対応図柄は、たとえば、2つのリールそれぞれに配置されており、その他のリールについては、配置されていないようにしてもよい。
(3) 本実施形態では、ラストバトル演出で勝利したか否かは、該ラストバトル演出が実行される4ゲーム間のうちの所定タイミングで実行される乱数抽選により決定されるとして説明した。しかしながら、ラストバトル演出で勝利したか否かは、該ラストバトル演出が実行される4ゲーム間において、攻撃権利抽選(たとえば、図14参照)を実行し、該攻撃権利抽選により攻撃権利が付与されることが決定されることにより、ラストバトル演出で勝利した旨が決定され、該攻撃権利抽選により攻撃権利が付与されないことが決定されることにより、ラストバトル演出で敗北した旨が決定されるようにしてもよい。このような構成によれば、メイン制御部41による抽選の種類を削減できることから、メイン制御部41の負担を軽減できる。
(4) 本実施形態では、図12に示すように、非AT中に強チェリーが当選したとき、および非AT中に強スイカが当選したときのいずれであっても、特別ATに制御されるとして説明した。つまり、本実施形態では、非AT中に強チェリーが当選したとき、および非AT中に強スイカが当選したときのいずれであっても、遊技者にとっての有利度は同一であるとして説明した。しかしながら、非AT中に強チェリーが当選したとき、および非AT中に強スイカが当選したときとで遊技者にとっての有利度は異なるようにしてもよい。たとえば、強スイカが当選したときには特別ATに制御されるのみであるが、強チェリーが当選したときには特別ATに制御され、かつ所定の特典を付与するようにしてもよい。ここで、所定の特典とは、たとえば、攻撃権利である。また、該攻撃権利が付与される個数は、乱数抽選などにより決定するようにしてもよい。非AT中の当選役、つまり、該当選役に基づく表示結果に対しても遊技者の注目を集めることができる。
(5) 本実施形態では、バトルATから非バトルATに復帰する条件として、1回以上のダメージ抽選により決定されたダメージの合計量は、敵キャラのHPを上回ることにより成立する条件を例示した。しかしながら、バトルATから非バトルATに復帰する条件は、1回の抽選により成立するか否かを決定するようにしてもよい。このような構成によれば抽選処理の負担を軽減できる。
(6) 本実施形態のバトル演出は、図17に示すように、2ゲームに亘って実行され、1ゲーム目でダメージおよび味方の攻撃人数を決定し、2ゲーム目で決定されたダメージを示唆するとして説明した。該バトル演出の変形例として、1ゲーム目で白7が導出されたリールの数(または当選したバトルリプの種類)に応じた攻撃人数、および該リールの数に応じたダメージ抽選テーブルを決定する一方、ダメージについては決定しないようにしてもよい。ここで、ダメージ抽選テーブルは、バトルリプ1〜5それぞれに応じたダメージ抽選テーブル1〜5が存在し、ダメージ抽選テーブル1〜5のダメージの期待度は、ダメージ抽選テーブル1、ダメージ抽選テーブル3、ダメージ抽選テーブル2、ダメージ抽選テーブル4、ダメージ抽選テーブル5の順番に高くなる。また、ダメージ抽選テーブル1〜5それぞれについては、当選役に応じてダメージが規定されており、たとえば、当選確率が低い当選役(たとえば、チェリーおよびスイカなどのレア役)については、多くのダメージが与えられるように規定されている。
バトル演出の2ゲーム目においては、決定されたダメージ抽選テーブルを用いて、該2ゲーム目の当選役に対応するダメージを、該2ゲーム目で敵キャラに与えるダメージとして決定する。たとえば、該2ゲーム目において、レア役が当選したときには、該第2ゲームでは、多くのダメージを敵キャラに与えることができる。このような構成によれば、バトル演出で与えることができるダメージは、バトル演出の1ゲーム目の当選役のみならず2ゲーム目の当選役にも関わってくることから、1ゲーム目の当選役のみならず2ゲーム目の当選役にも遊技者の注目を集めることができる。
(7) 本実施形態の1の攻撃権利に基づくバトル演出のゲーム数は、2ゲームであるとして説明した。しかしながら、1の攻撃権利に基づくバトル演出のゲーム数は、3以上のゲーム数としてもよい。この場合において、たとえば、バトルリプが当選した1ゲーム目でダメージを決定し、バトル演出の最終ゲームで該決定されたダメージを与えている演出を実行するようにしてもよい。また、バトル演出のゲーム数は、ゲーム数抽選(乱数抽選)により決定するようにしてもよい。たとえば、バトルリプ1が当選したときに、ダメージを決定するとともに、バトル演出のゲーム数をゲーム数抽選により決定する。ここで、該ゲーム数抽選は、与えるダメージが大きいほど、バトル演出のゲーム数が多くなるように、該ゲーム数を決定する。ゲーム数が決定されると、バトル演出の最終ゲームで該決定されたダメージを与えている演出を実行する。このような構成によれば、バトル演出が実行されるゲーム数に対しても遊技者の注目を集めることができる。
[内部抽選について]
(1) 第2実施形態では、図25に示すように、特別リプレイは、RT2では当選しないとして説明したが、RT2で当選するようにしてもよい。また、押し順リプレイは、RT4では当選しないとして説明したが、RT4で当選するようにしてもよい。なお、押し順リプレイがRT4で当選する構成の場合において、該RT4中に該押し順リプレイが当選したとしても、ナビ演出は実行されない。また、RT2中において、特別リプレイが当選する構成の場合において、該RT2中に特別リプレイが当選したときには、ナビ演出を実行するようにしてもよく、ナビ演出を実行しないようにしてもよい。
このように、押し順リプレイは、RT4で当選するという構成であっても、第2実施形態で説明した効果と同様の効果を奏することができる。
(2) 第1実施形態では、バトルリプ1〜5それぞれの当選確率は同一であり(図11参照)、第2実施形態では、バトルリプ1およびバトルリプ2それぞれの当選確率は同一である(図25参照)として説明した。しかしながら、それぞれのバトルリプの当選確率は異なるようにしてもよい。たとえば、ボーナス抽選の期待値が多いバトルリプについては当選確率を低くするようにしてもよい。たとえば、第1実施形態では、バトルリプ1〜5のうちバトルリプ5の当選確率を最も低くし、バトルリプ5の当選確率を最も高くするようにしてもよい。
[権利について]
第2実施形態では、「有利状態への制御に関する所定権利」を「抽選処理を実行するために消費される攻撃権利」として例示した。しかしながら、所定権利は、攻撃権利に限らず、他の権利としてもよい。たとえば、有利状態をATとする場合には、所定権利はATゲームとしてもよい。
[特典について]
特典として、主に、ATゲームおよび攻撃権利を例示した。このように、本実施形態では、メダルやパチンコ玉の払出率に直接影響を及ぼす価値を例示した。しかしながら、第1実施形態では、特典は、有利な状態に移行させるゲーム数、ボーナス当選などとしてもよい。また、特典としては、遊技者にとっての有利度合いを向上させる価値であればよく、たとえば、メダルの払出率に直接影響を及ぼすものではない価値であってもよい。具体的に、AT抽選において通常時よりも高確率でAT当選する高確率状態が設けられている場合において、現在の状態が高確率状態であるか否かを示唆するための確率示唆演出の実行、液晶表示器51に音声とともにプレミア演出の実行(特別キャラクタ出現、次回発生したボーナス中において特別なボーナス中演出実行など)、設定されている設定値を示唆するための設定値示唆演出の実行、一定数を集めることでスロットマシン1が設置された遊技店において定めたサービスと交換可能なポイント付与、特典映像や特典情報を所定のWebサイトにてダウンロードすることが可能な2次元コードを液晶表示器51において表示などであってもよい。
また、特典の一例としてATゲーム数を例示したが、ATに関する特典としては、これに限らず、たとえば、ATに所定ゲーム数(たとえば50ゲーム)制御可能にする権利(ナビストック)を特典としてもよい。また、ナビ演出を実行可能なナビ演出実行可能回数を決定し、当該決定されたナビ演出実行可能回数分、ナビ演出が実行されるまでATに制御する場合、ナビ演出実行可能回数を特典としてもよい。また、たとえば、上限付与量を決定し、付与された遊技用価値(メダル払出枚数)が決定された上限付与量に到達するまでATに制御する場合、上限付与量を特典としてもよい。また、所定のAT開始条件が成立してから所定のAT終了条件が成立するまでATに制御され、AT終了条件が成立したときに当該ATを継続するか否かの継続抽選を行う場合、継続抽選において継続すると決定される継続確率を特典としてもよい。
[有利な状態について]
前述した例では、有利な状態として、スロットマシンについては小役の当選確率が所定状態であるときよりも高確率となるビッグボーナス(BB)やATを例示したが、遊技者にとって有利な状態であればこれに限るものではなく、以下においてスロットマシンの例を説明する。
有利な状態は、たとえば、所定の入賞役の当選確率が高確率となるレギュラーボーナス(RB)やリプレイタイム(RT)、小役の集中状態や、少なくとも1のリールの引き込み可能範囲が通常よりも狭くなるとともに毎ゲームにおいてすべての小役の発生が許容された状態となるチャレンジタイム(CT)、入賞役の当選確率などを変化させるものではなく当選した小役を入賞させるための押し順を所定期間(たとえば50ゲーム消化するまでの間)に亘って報知する擬似ボーナスなどであってもよい。また、これらの有利な状態に制御される確率が高確率となる状態であってもよく、また、フリーズ状態に制御される確率が高確率の状態、ATゲーム数などのゲーム数が高確率で上乗せされる状態、ATの上乗せゲーム数が増加されやすくなる状態など、上記実施形態と異なる態様の有利状態を設定してもよい。また、通信回線網上で特典を得るための条件や、プレミアム感のある演出(フリーズ演出、プレミアム演出など)を実行する条件の成立確率が高確率となる状態等、遊技者にとって間接的に有利な特典や、遊技の興趣を向上させる状態などであってもよい。また、有利な状態への移行を許容するか否かを決定する許容決定手段は、内部抽選処理に限らず、入賞役とは無関係に決定する手段であってもよい。
また、有利な状態とは、たとえば、特典を付与するか否かを決定する特典付与抽選において、「特典が付与される確率」、および「特典が付与されることが決定されたときに付与される特典の価値(または特典量の期待値)」のうちの少なくとも一方が、通常の状態(有利な状態とは異なる状態)よりも高い状態としてもよい。また、有利な状態とは、特典付与抽選の実行契機の数が、該通常の状態よりも多いものとしてもよい。また、有利な状態とは、特典を付与させるために消化することが必要な消化必要ゲーム数が、通常の状態よりも少なくなる状態としてもよい。
たとえば、特典をATゲーム数とした場合には、有利な状態とは、通常の状態よりも、「AT抽選でのAT当選確率」、および「AT抽選でのAT当選した場合に付与されるATゲーム数の価値」のうちの少なくとも一方が、通常の状態よりも高い状態としてもよい。また、有利な状態とは、AT抽選の実行契機の数が、該通常の状態よりも多いものとしてもよい。たとえば、通常の状態でのAT抽選の実行契機が、第1役当選および第2役当選とした場合には、有利な状態でのAT抽選の実行契機は、第1役当選および第2役当選に加えて第3役当選としてもよい。
[その他の変形例]
(1) 設定キースイッチ37をon状態として電源をonすると、設定値表示器24にメイン制御部41のRAMから読み出された設定値が表示値として表示され、リセット/設定スイッチ38の操作による設定値の変更操作が可能な設定変更状態に移行するようにしてもよい。また、設定変更状態に関して、「電源ON」+「設定キースイッチON」+「前面扉開放検出」を条件として、設定変更状態に移行させるようにしてもよい。これにより、前面扉が開放されていない状態での不正な設定変更を防ぐことができる。また、一旦設定変更状態に移行された後は、設定変更状態を終了させる終了条件(設定値確定後に設定キースイッチがOFF操作)が成立するまで前面扉の開閉状態に関わらず設定変更状態を維持するようにしてもよい。これにより、設定変更状態中に前面扉が閉まっても設定変更状態を終了させないため、再度設定変更状態へ移行させる手間を生じさせてしまうことを防ぐことができる。
(2) また、設定値を確認するためには、ゲーム終了後、賭数が設定されていない状態で設定キースイッチ37をon状態とすればよい。このような状況で設定キースイッチ37をon状態とすると、設定値表示器24にメイン制御部41のRAMから読み出された設定値が表示されることで設定値を確認可能な設定確認状態に移行する。また、設定確認状態に関して、「設定キースイッチON」+「前面扉開放検出」を条件として、設定確認状態に移行させるようにしてもよい。これにより、前面扉が開放されていない状態での不正な設定確認を防ぐことができる。また、一旦設定確認状態に移行された後は、設定確認状態を終了させる終了条件(設定キースイッチがOFF操作)が成立するまで前面扉の開閉状態に関わらず設定確認状態を維持するようにしてもよい。これにより、設定確認状態中に前面扉が閉まっても設定確認状態を終了させないため、再度設定確認状態へ移行させる手間を生じさせてしまうことを防ぐことができる。
(3) 本実施形態として、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すスロットマシンを説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式のスロットマシンを採用してもよい。基盤とドラムとが流通可能で、筺体が共通なもので基盤のみあるいは基盤とドラムとを遊技機と称する。
また、遊技機の一例としてスロットマシンを例に挙げて説明したが、本実施形態はパチンコ遊技機に適用することも可能である。この場合、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すパチンコ遊技機を採用してもよく、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式のパチンコ遊技機を採用してもよい。封入式のパチンコ遊技機には、遊技媒体の一例となる複数の玉をパチンコ遊技機内で循環させる循環経路が形成されているとともに、遊技点を記憶する記憶部が設けられており、玉貸操作に応じて遊技点が記憶部に加算され、玉の発射操作に応じて遊技点が記憶部から減算され、入賞の発生に応じて遊技点が記憶部に加算される。また、パチンコ遊技機は、発射装置および玉払出装置を備えた遊技枠に遊技球が打ち込まれる遊技領域を形成する遊技盤を取り付けた構成であるが、これに限らず、発射装置は玉払出装置などの基本的な機能を共通化し、遊技の特長的構成である遊技盤のみを流通させるようにしてもよい。この場合、遊技の特徴的構成であるところの遊技盤を遊技機と称する。
(4) 本実施の形態では、「割合(比率、確率)」を例示したが、「割合(比率、確率)」は、これに限るものではなく、たとえば0%〜100%の範囲内の値のうち、0%を含む値や、100%を含む値、0%および100%を含まない値であってもよい。
(5) 今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。