JP6830830B2 - 殺菌/洗浄方法、殺菌/洗浄システムおよびその製造方法 - Google Patents

殺菌/洗浄方法、殺菌/洗浄システムおよびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、衛生が要請される環境の殺菌や洗浄を行う方法、殺菌システム、洗浄システム、殺菌洗浄システム、およびそれらシステムの製造方法に関する。
衛生が要請される製品を製造する際には、製品の容器の殺菌、容器への内容物の充填、蓋の取り付け等の処理が行われる環境の殺菌、洗浄が必要である。
そういった環境を区画するチャンバの壁面や、チャンバ内に配置された容器の搬送装置および充填ノズル等の設備を含め、チャンバ内の全体が、所定時間、殺菌剤を散布することで殺菌される(特許文献1)。チャンバの壁面や、製造設備に付着した殺菌剤は水を用いることで洗い流される。
チャンバ内に散布された殺菌剤は、タンクに回収して再度チャンバ内に送るように、循環させることができる。
特開2012−101825号公報
容器の殺菌、容器への充填、蓋の取り付け等の処理が行われる環境は、一般に、処理工程に応じて複数の区画に区分されている。これらの区画を殺菌、洗浄するため、典型的には、図8(a)に示すように、タンク101と、送り用のポンプ102と、戻り用のポンプ103とを使用し、複数の区画A〜Cの殺菌と洗浄を順次行う。
例えば、区画Aを殺菌する際には、タンク101内に貯留されている殺菌剤をポンプ102により区画Aへと送ってノズル104Aから区画A内に散布する殺菌を開始し、タンク101から所定の量だけ区画Aへと送られたならば、ポンプ103を作動させて区画Aの底部に溜まった殺菌剤をタンク101へと戻し、タンク101と区画Aとの間で殺菌剤を循環させながら、所定時間に亘り殺菌を行う。この殺菌が終われば、区画A内から殺菌剤を排出させてタンク101へと回収する。
以上で区画Aの殺菌工程が終われば、区画Bの殺菌工程へと移行するため、バルブ105Aを閉じてバルブ105Bを開き、タンク101から区画Bへの送液を開始し、上述と同様、タンク101と区画Bとの間で殺菌剤を循環させながら、所定時間に亘り殺菌を行う。それを終えて殺菌剤をタンク101へと回収したならば、区画Cについても同様の殺菌工程を繰り返す。
図8(a)に示す方法によれば、先に殺菌が開始された区画からの液の排出を待って、次の区画の殺菌へと移行するので、最初の区画の殺菌を開始してから、最後の区画の殺菌を終えるまで、区画の数に応じた時間を要する。
水を用いて区画A〜Cを洗浄する場合は、水を貯留するタンクから、まず、区画Aへと水を供給してノズル104Aから所定時間に亘り散布しつつ、溜まった水を区画Aから排出させながら区画A内を洗浄する。
以上で説明したように、殺菌や洗浄を複数の区画について順次行うと、複数の区画の数の分だけ、環境の殺菌や洗浄に要する時間が積算される。
一方、図8(b)に示すように、タンク101´から区画A〜Cに同時に殺菌剤を供給すると、区画A〜Cの殺菌工程が並行して行われるので、環境の殺菌に要する時間を短縮することができる。
その一方で、区画A〜Cに同時に散布可能な量の殺菌剤をタンク101´に用意する必要があるため、区画A〜Cを順次殺菌する場合(図8(a))と比べてタンク101´が大型化し、殺菌剤の使用量が多いためコストが増加する。
しかも、区画A〜Cに同時に殺菌剤を所定流量で循環させることのできる能力の大きいポンプ102´,103´が必要となる。区画A〜Cに殺菌剤を循環させる主要な配管106,107として、殺菌剤の必要流量に見合う大径の配管も必要となる。
水を用いる洗浄の場合も、区画A〜Cの洗浄工程を並行して行うことにより、洗浄に要する時間を短縮することができるが、タンクが大型化し、ポンプの能力増強および主要配管の大径化が必要となる。
以上より、本発明は、液の使用量を抑えながら、環境の殺菌あるいは洗浄に要する時間を抑えることを目的とする。
本発明は、殺菌に用いられる殺菌剤を散布して複数の区画を殺菌する方法であって、殺菌剤を貯留するタンクから複数の区画のうちの第1区画へと殺菌剤を供給する第1送液ステップと、タンクから第1区画へと供給された殺菌剤を、第1区画に与えられている自己循環系統を通じて第1区画の内と外とを循環させる第1自己循環ステップと、第1区画からタンクへと殺菌剤を戻す第1排液ステップと、第1区画への送液開始に遅れて、タンクから複数の区画のうちの第2区画へと殺菌剤を供給する第2送液ステップと、タンクから第2区画へと供給された殺菌剤を、第1自己循環ステップの一部と並行して、第2区画に与えられている自己循環系統を通じて第2区画の内と外とを循環させる第2自己循環ステップと、第2区画からタンクへと殺菌剤を戻す第2排液ステップと、を備えることを特徴とする。
本発明の殺菌方法は、第1排液ステップによりタンクに戻された殺菌剤を複数の区画のうちの第3区画へと供給する第3供給ステップを備えることが好ましい。
本発明の殺菌方法では、第1送液ステップと第2送液ステップとを並行して行わずに順次行い、第1排液ステップと第2排液ステップとを並行して行わずに順次行うことが好ましい。
また、本発明は、洗浄に用いられる水を散布して複数の区画を洗浄する方法であって、水を供給する水供給源から複数の区画のうちの第1区画へと水を供給する第1送液ステップと、水供給源から第1区画へと供給された水を、第1区画に与えられている自己循環系統を通じて第1区画の内と外とを循環させる第1自己循環ステップと、第1区画から水を排出させる第1排液ステップと、第1区画への送液開始に遅れて、水供給源から複数の区画のうちの第2区画へと水を供給する第2送液ステップと、水供給源から第2区画へと供給された水を、第1自己循環ステップの一部と並行して、第2区画に与えられている自己循環系統を通じて第2区画の内と外とを循環させる第2自己循環ステップと、第2区画から水を排出させる第2排液ステップと、を備えることを特徴とする。
本発明の洗浄方法では、第1送液ステップと第2送液ステップとを並行して行わずに順次行い、第1排液ステップと第2排液ステップとを並行して行わずに順次行うことが好ましい。
本発明の洗浄方法において、自己循環系統を通じて行われる洗浄を終えた後、水供給源からの水を用いて仕上げの洗浄を行う仕上げ洗浄ステップを備えることが好ましい。
本発明の洗浄方法は、自己循環系統による洗浄に用いられた水を、仕上げ洗浄ステップに先立ち排出させる中間排液ステップを備えることが好ましい。
また、本発明は、殺菌に用いられる殺菌剤を散布して複数の区画を殺菌するシステムであって、殺菌剤を貯留するタンクと、タンクから複数の区画へと殺菌剤を供給する供給系統と、複数の区画からタンクへと殺菌剤を戻す戻り系統と、複数の区画の少なくとも一つに個別に与えられ、区画を含んで閉じた経路を形成可能な自己循環系統と、を備え、自己循環系統が閉じた経路を形成していると、殺菌剤を内部に留め、自己循環系統を通じて区画の内と外とを循環させることを特徴とする。
本発明の殺菌システムにおいて、供給系統は、タンクから複数の区画に向けて殺菌剤が流れる主要経路と、主要経路を通じて殺菌剤を圧送する供給ポンプと、主要経路から分岐し、複数の区画にそれぞれ殺菌剤を導入する複数の導入経路と、を含み、戻り系統は、複数の区画に個別に与えられており、区画から排出される殺菌剤をタンクまで導く戻り経路と、戻り経路を通じて殺菌剤を圧送する戻りポンプと、を含み、自己循環系統は、区画を含んで閉じた経路を形成しているとき、区画の外に排出される殺菌剤を区画の内へと導く循環用経路と、循環用経路を通じて殺菌剤を圧送することに兼用される戻りポンプと、を含んで構成されることが好ましい。
本発明の殺菌システムにおいて、自己循環系統は、同一の区画に対応している導入経路に接続され、導入経路を開閉可能な導入バルブと、自己循環系統を開閉可能な循環用バルブとを用いて、導入経路を通じた区画への送液と、自己循環系統を通じた自己循環とが切り替え可能に構成されていることが好ましい。
また、本発明は、洗浄に用いられる水を散布して複数の区画を洗浄するシステムであって、水を供給する水供給源から複数の区画へと水を供給する供給系統と、複数の区画から水を排出させる排水系統と、を備え、複数の区画の少なくとも一つに個別に与えられ、区画を含んで閉じた経路を形成可能な自己循環系統と、を備え、自己循環系統が閉じた経路を形成していると、水を内部に留め、自己循環系統を通じて区画の内と外とを循環させることを特徴とする。
本発明の洗浄システムにおいて、供給系統は、水供給源から複数の区画に向けて水が流れる主要経路と、主要経路を通じて水を圧送する供給ポンプと、主要経路から分岐し、複数の区画にそれぞれ水を導入する複数の導入経路と、を含み、排水系統は、複数の区画に個別に与えられており、区画から排出される水が流れる排水経路と、排水経路を通じて水を圧送する排水ポンプと、を含み、自己循環系統は、区画を含んで閉じた経路を形成しているとき、区画から排出される水を区画の内へと導く循環用経路と、循環用経路を通じて水を圧送することに兼用される排水ポンプと、を含んで構成されることが好ましい。
本発明の洗浄システムにおいて、自己循環系統は、同一の区画に対応している導入経路に接続され、導入経路を開閉可能な導入バルブと、自己循環系統を開閉可能な循環用バルブとを用いて、導入経路を通じた区画への送液と、自己循環系統を通じた自己循環とが切り替え可能に構成されていることが好ましい。
また、本発明の殺菌洗浄システムは、複数の区画を殺菌する上述の殺菌システムと、複数の区画を洗浄する上述の洗浄システムと、を有し、殺菌システムの供給系統の少なくとも一部は、洗浄システムの供給系統にも使用され、殺菌システムの自己循環系統は、洗浄システムの自己循環系統にも使用され、殺菌システムの戻り系統の少なくとも一部は、洗浄システムの排水系統にも使用されることを特徴とする。
さらに、本発明の殺菌システムの改造による製造方法は、殺菌に用いられる殺菌剤を貯留するタンクと、殺菌剤が散布されることで殺菌される複数の区画へとタンクから殺菌剤を供給する供給系統と、複数の区画からタンクへと殺菌剤を戻す戻り系統と、を備える既存の殺菌システムに対して、複数の区画の少なくとも一つに個別に、区画を含んで閉じた経路を形成可能な自己循環系統を与えることを特徴とする。
本発明の洗浄システムの改造による製造方法は、洗浄に用いられる水が散布されることで洗浄される複数の区画へと、水を供給する水供給源から水を供給する供給系統と、複数の区画から水を排出させる排水系統と、を備える既存の洗浄システムに対して、複数の区画の少なくとも一つに個別に、区画を含んで閉じた経路を形成可能な自己循環系統を与えることを特徴とする。
本発明の殺菌洗浄システムの改造による製造方法は、殺菌に用いられる殺菌剤を貯留するタンクと、殺菌剤が散布されることで殺菌され水が散布されることで洗浄される複数の区画へとタンクから殺菌剤を供給する殺菌剤供給系統と、水の供給源から複数の区画へと水を供給する水供給系統と、複数の区画からタンクへと殺菌剤を戻す戻り系統と、複数の区画から水を排出させる排水系統と、を備える既存の殺菌洗浄システムに対して、複数の区画の少なくとも一つに個別に、区画を含んで閉じた経路を形成可能な自己循環系統を与えることを特徴とする。
本発明によれば、第1区画に与えられた自己循環系統と、第2区画に与えられた自己循環系統とを通じて、第1区画と第2区画との間で並行して自己循環が行われる時間の分だけ、複数の区画の殺菌や洗浄に要する時間を短縮することができる。
また、常時、新水を供給しつつ排出させながら洗浄する場合と比べて水の使用量を削減することができる。
本発明の実施形態に係る殺菌洗浄システムを構成する殺菌システムを模式的に示す図である。 図1に示す殺菌システムに統合されている洗浄システムを模式的に示す図である。 (a)は、実施形態に係る殺菌方法の手順を示す図であり、(b)は、比較例に係る殺菌方法の手順を示す図である。 (a)は、実施形態に係る洗浄方法の手順を示す図であり、(b)は、比較例に係る洗浄方法の手順を示す図である。 本発明の変形例に係る洗浄方法の手順を示す図である。 本発明の変形例に係る殺菌方法の手順を示す図である。 本発明の変形例に係る殺菌洗浄システムの一部を示す模式図である。 (a)は、従来の殺菌システムおよび殺菌方法を説明するための図であり、(b)は、参考例に係る殺菌システムおよび殺菌方法を説明するための図である。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
〔殺菌洗浄システムの概要〕
図1に示す殺菌洗浄システム100は、容器に飲料や食品、医薬品等の内容物が入った製品を製造する設備を構成している。この殺菌洗浄システム100は、製品を製造するにあたり、図示しない容器の殺菌、洗浄、充填、容器への蓋の取り付け等の処理が行われる環境の殺菌および洗浄を行う。なお、製品は容器に入れられていなくてもよい。
製品が製造される環境は、複数の区画A〜Dに分けられている。区画A〜Dは、例えば4つあり、典型的には、容器の殺菌、洗浄、充填等の処理に応じて壁で仕切られている。容器は、例えば、区画A,B,C,Dの順に搬送される。
なお、区画A〜Dの殺菌や洗浄は、必ずしも区画A,B,C,Dの順序で行う必要はない。
殺菌洗浄システム100(図1)は、殺菌システム10と、これに統合された洗浄システム20(図2)とを備えている。殺菌システム10は、殺菌剤を散布することで区画A〜Dを殺菌し、洗浄システム20は、水を散布することで区画A〜Dを洗浄する。
殺菌システム10(図1)は、複数の区画A〜Dのうちの一の区画の殺菌工程の一部と並行して他の区画の殺菌工程を行うために、自己循環系統3を備えている。
洗浄システム20も、複数の区画A〜Dのうちの一の区画の洗浄工程の一部と並行して他の区画の洗浄工程を行うために、殺菌システム10と共用される自己循環系統3を備えている。
自己循環系統3を用いる殺菌方法および洗浄方法によれば、区画A〜Dの殺菌、および区画A〜Dの洗浄をいずれも短時間で終えることができる。
〔殺菌洗浄システムの構成〕
図1および図2を参照し、殺菌洗浄システム100の構成を説明する。
殺菌洗浄システム100(図1)は、殺菌剤を貯留するタンク11(図1)と、殺菌剤または水を区画A〜Dへと供給する供給系統12と、区画A〜Dから殺菌剤をタンク11へと戻す戻り系統15と、区画A〜Dから水を排出させる排水系統14と、殺菌剤または水を自己循環させる自己循環系統3と、各系統3,12,14,15に設けられているポンプの作動やバルブの状態等を制御する図示しない制御部とを備えている。
本実施形態において自己循環系統3は、全ての区画A〜Dに個別に与えられている。区画Aには自己循環系統3Aが対応し、区画B〜Dについても同様である。3A〜3Dを区別していないときは、自己循環系統3と称する。
(タンク)
タンク11(図1)は、例えば、区画A〜Dの殺菌に用いられる殺菌剤を貯留する。例えば、過酢酸、過酸化水素等を殺菌成分として含む殺菌剤を用いることができる。その他、区画A〜Dに存在する菌に適合する任意の種類の殺菌剤を用いることができる。
過酢酸等、殺菌の効果が温度に依存する殺菌剤を用いる場合は、供給系統12におけるタンク11の近傍の位置等、殺菌剤を加熱するヒーター等の加熱装置が備えられることが好ましい。
(供給系統)
供給系統12(図1)は、タンク11から区画A〜Dに向けて殺菌剤が流れる主要経路120と、主要経路120を通じて殺菌剤を圧送する供給ポンプ12Pと、主要経路120から分岐し、区画A〜Dにそれぞれ殺菌剤を導入する複数の導入経路12A〜12Dと、導入経路12A〜12Dを開閉可能な導入バルブ12vA〜12vDとを含んでいる。
供給系統12は、殺菌剤を供給する他、水の供給源21(図2)から水を供給する水供給系統としても使用される。つまり、図2に示すように、水供給源21から供給され、主要経路120を供給ポンプ12Pにより圧送される水が、導入経路12A〜12Dを通じて区画A〜Dへとそれぞれ導入される。
水供給源21(図2)は、例えば、殺菌処理により無菌水を得る無菌水製造装置、およびその無菌水製造装置により得られた無菌水を貯留するタンクとを含んで構成することができる。
「水」には、純水、上水道からの水の他、少量の殺菌剤を含む水も含まれる。
導入経路12A〜12Dの終端にはそれぞれノズル12Nが設けられている。ノズル12Nにより、各区画A〜Dに殺菌剤または水が散布される。
(戻り系統)
戻り系統15(図1)は、区画A〜Dに個別に与えられている。区画Aには戻り系統15Aが対応し、区画B〜Dについても同様である。
戻り系統15Aは、戻り経路151Aと、戻りポンプ152Aと、戻りバルブ153Aを含んでおり、散布されて区画Aの底に溜まった殺菌剤を戻り経路151Aへと排出させ、戻り経路151Aを通じて戻りポンプ152Aによりタンク11まで圧送する。戻りバルブ153Aは、戻り経路151Aを開閉可能に構成されている。
戻り系統15Bも、戻り経路151Bと、戻りポンプ152Bと、戻りバルブ153Bとを含んでいる。戻り系統15Cおよび戻り系統15Dも、同様である。
戻り系統15の一部は、供給系統12により各区画A〜Dに供給された水を排出させる排水系統14(図2)としても使用される。排水系統14も、区画A〜Dに個別に与えられている。
区画Aに対応する排水系統14A(図2)は、戻り経路151Aの一部と、戻りポンプ152Aとを含んで構成されている。戻りポンプ152Aは、外部への排水を促進させる排水ポンプでもあり、区画Aの底に溜まった水を戻り経路151Aへと吸い出し、戻り経路151Aから分岐した排水系統14Aを通じて外部へと排水させる。
区画B,C,Dに対応する排水系統14B,14B,14Cも同様に構成されている。
(自己循環系統)
図1および図2に示す自己循環系統3(3A〜3D)は、対応する区画(A〜E)を含んで閉じた経路を形成しているとき、殺菌剤または水を内部に留め、自己循環系統を通じて対応区画の内と外とを循環させる。
自己循環系統3は、区画A〜Dから離間したタンク11までは延びておらず、対応する区画の近くで取り回されている。
本実施形態は、区画A〜Dを殺菌する殺菌工程、および区画A〜Dを水で洗浄する洗浄工程において、自己循環のステップが含まれることを主要な特徴としている。
自己循環系統3が形成する「区画を含んで閉じた経路」は、供給系統12による当該区画への液(殺菌剤または水)の供給、および当該区画からの液の排出がいずれも断たれた状態で環状に構成されている。
例えば、導入バルブ12vAと、戻りバルブ153Aとがいずれも閉じられていると、自己循環系統3Aが閉じた経路を形成している。
自己循環系統3は、殺菌システム10および洗浄システム20の両方に使用される。
自己循環系統3Aは、対応する区画の外に排出される殺菌剤または水を受け入れて対応区画の内へと導く循環用経路31Aと、循環用経路31Aを通じて殺菌剤または水を圧送することに兼用される上述の戻りポンプ152Aと、循環用経路31Aを開閉可能な循環用バルブ32Aとを含んで構成されている。
自己循環系統3B〜3Dも、自己循環系統3Aと同様に構成されている。
循環用経路31Aは、同一の区画Aに対応している導入経路12Aに接続されており、導入バルブ12vAと、循環用バルブ32Aとを用いて、導入経路12Aを通じた区画Aへの送液と、自己循環系統3Aを通じた自己循環とが切り替え可能に構成されている。
例えば、導入バルブ12vAおよび戻りバルブ153Aが閉じられ、循環用バルブ32Aが開かれていると、自己循環系統3Aを通じて区画Aの内と外とを殺菌剤または水が循環する。
区画A〜Dに要求される所定の殺菌能力に基づいて、必要な殺菌剤の量、流量、および殺菌時間が決まる。
また、使用された殺菌剤を区画A〜Dの壁や、搬送装置の部材、充填バルブ等から十分に洗い流して除去、あるいは殺菌剤の濃度を閾値未満に下げることができるように、洗浄に必要な水の量、流量、および洗浄時間が決まる。
全ての区画A〜Dについて所定の殺菌能力および十分な洗浄能力を得ることができるように、各区画A〜Dの広さや各区画A〜Dに配置されている部材の表面積等を考慮し、主要経路120や導入経路12A〜12Dに用いる配管の径や、ポンプ12P,152A〜152Dの能力、導入バルブ12vA〜12vD、戻りバルブ153A〜153D、および循環用バルブ32A〜32Dの開度などを定めることができる。したがって、殺菌洗浄システム100により殺菌洗浄される区画A〜Dの一つあたりの所要時間を設定することが可能となる。
〔殺菌洗浄方法〕
以上で説明した殺菌洗浄システム100を用いて複数の区画A〜Dの殺菌および洗浄を行う方法を説明する。
(殺菌方法)
まず、図3を参照し、本実施形態の殺菌方法の手順の例について説明する。
図3(a)は、本実施形態の殺菌方法を示し、図3(b)は、比較例の殺菌方法を示している。
図3の左端に示した経過時間は一例に過ぎない。
比較例の殺菌方法は、図8(a)に示す構成を参照して説明したのと同様に、区画A〜Dのそれぞれの殺菌工程を順次行う。
具体的には、ポンプ102(図8(a))を作動させてタンク101から区画Aへと殺菌剤を供給(送液)することで区画Aの殺菌工程を開始し、所定の量だけ送液されたならば、タンク101へと液を戻すポンプ103も作動させて、区画Aとタンク101との間で殺菌剤を循環させる。そうした送液・循環のステップS81(図3(b))を所定時間に亘り行ったならば、ポンプ103により区画Aから殺菌剤を排出させ(排液)、タンク101に回収する(排液ステップS82)。次いで、区画Bの殺菌工程に移行し、区画Aからタンク11へと戻された殺菌剤を用いて送液・循環ステップS81を行い、それに続いて排液ステップS82を行う。以降は、区画C,Dについて順次、処理を繰り返す。
要求される殺菌能力に基づいて、所定量の殺菌剤をある流量で一区画あたり散布すべき所要時間に、送液および排液に要する時間を加味すると、殺菌時間T1を定めることができる。区画A〜Dのそれぞれの殺菌工程を順次行うと、区画A〜Dの数の分だけ殺菌時間T1が積算される。
一方、本実施形態では、図3(a)に示すように、区画A〜Dのうちの一の区画(例えばA)の殺菌工程の一部と並行して、他の区画(例えばB)の殺菌工程を行うので、工程処理時間が重なっている分、区画A〜Dの殺菌を短時間で終えることができる。
本実施形態の殺菌方法は、第1送液ステップA1と、第1自己循環ステップA2と、第1排液ステップA3と、第2送液ステップB1と、第2自己循環ステップB2と、第2排液ステップB3とを備えている。
一区画の送液ステップ(A1)、自己循環ステップ(A2)、および排液ステップ(A3)からなる殺菌工程に要する殺菌時間T1は比較例(図3(b))と変わらない。
本実施形態に限らず、区画の容積や置かれた部材の表面積等に応じて、区画毎に異なる殺菌時間を設定することもできる。また、導入バルブ12vA〜12vD等のバルブの開度を区画毎に変えることもできる。
第1送液ステップA1では、供給ポンプ12Pを作動させてタンク11から第1区画Aへと殺菌剤を供給する。このとき導入バルブ12vA〜12vDのうち導入バルブ12vAのみを開いて残りは閉じておく。また、循環用バルブ32Aおよび戻りバルブ153Aも閉じておく。
区画Aへと所定量の殺菌剤が送られたならば、循環用バルブ32Aを開いて導入バルブ12vAを閉じることによって区画Aへの送液から自己循環に切り替えるとともに、導入バルブ12vBを開いて導入バルブ12vAを閉じることによって次の第2区画Bへの第2送液ステップB1を開始する。第2送液ステップB1は、第1送液ステップA1の開始に遅れることとなる。供給ポンプ12Pは引き続き作動させ、タンク11から主要経路120への送液を継続する。
区画Aの第1自己循環ステップA2では、戻りポンプ152Aを作動させ、タンク11から第1区画Aへと所定量だけ供給された殺菌剤を、第1区画Aに与えられている自己循環系統3Aを通じて第1区画Aの内と外とを循環させる。
第1自己循環ステップA2の途中で、第2区画Bの送液ステップB1が終了し、循環用バルブ32Bを開いて導入バルブ12vBを閉じることによって第2区間Bの第2自己循環ステップB2に移行する。供給ポンプ12Pは停止させる。
この第2自己循環ステップB2は、第1自己循環ステップA2の開始に遅れ、第1自己循環ステップA2の一部と並行して行われる。
図示されていない他の例として、第2自己循環ステップB2の時間が第1自己循環ステップA2の時間に対してかなり短いとすれば、ステップA2が行われている間に、ステップB2が開始し、そして終了する。このように、第1自己循環ステップと第2自己循環ステップとの長さが異なる場合であっても、それらの自己循環ステップが相互に一部において並行している。
第1自己循環ステップA2の開始から殺菌に必要な所定時間が経過したならば、循環用バルブ32Aを閉じ、戻りバルブ153Aを開くことで自己循環を終了し、第1区画Aからタンク11へと殺菌剤を戻す第1排液ステップA3へと移行する。戻りポンプ152Aは引き続き作動させることができる。殺菌剤は、自重に加え、戻りポンプ152Aにより圧送されることで、タンク11へと戻される。なお、区画A内に溜まった水を自重のみで排出させることもできる。排液開始から所定時間が経過したならば、戻りポンプ152Aを停止する。
第2区画Bについても、第2自己循環ステップB2の開始から所定時間が経過したならば、循環用バルブ32Bを閉じ、戻りバルブ153Bを開くことで自己循環を終了し、第2区画Bからタンク11へと殺菌剤を戻す第2排液ステップB3へと移行する。
区画A〜Dを殺菌するにあたり、最初に殺菌を行う区画Aから最後に殺菌を行う区画Dまで、順次殺菌工程を開始しつつ、処理中の区画に対する自己循環のステップと、その処理に遅れた他の区画に対する自己循環のステップとを一部で並行させるのが好ましい。
一部並行処理により得られる時間短縮の観点に加え、殺菌剤の使用量を削減するために送液を開始するタイミングに配慮して、自己循環を一部並行して行う区画を定めることができる。図3(a)に示す例では、区画Aの自己循環ステップA2と区画Bの自己循環ステップB2とがオーバーラップし、区画Cの自己循環ステップC2と区画Dの自己循環ステップD2とがオーバーラップしている。
図3(a)に実線の矢印R1で示すように、区画Aから排出されてタンク11に戻ってきた液を他の区画Cへと供給することができる。つまり、区画Aが第1区画であり、区画Bが第2区画であるとすると、第1区画Aからの排液を第3区画である区画Cの殺菌に用いることができる。
その結果、自己循環ステップB2と自己循環ステップC2とがオーバーラップしなくても、自己循環ステップC2と自己循環ステップD2とをオーバーラップさせることができる。区画Dへの送液には、矢印R2で示すように、区画Bからの排液を用いることができる。
したがって、先に殺菌を終えた区画Aから排液が発生するタイミングに合わせて、他の区画Cへの送液を開始するとよい。具体的には、区画Bの自己循環ステップB2の途中で、区画Aの自己循環ステップA2から排液ステップA3へと移行したならば、区画Cに対応する導入バルブ12vCを開き、供給ポンプ12Pを作動させて区画Cへの送液を開始する。
区画Dについても、先に殺菌を終えた区画Bから排液が発生するタイミングに合わせて、送液を開始するとよい。
図3(a)に示す例では、矢印R1あるいはR2のように、第1区画AあるいはBからの排液が完了してから第3区画CあるいはDへの送液を開始しているが、一点鎖線の矢印で示すように、排液の完了を待つことなく、例えば、タンク11に規定量の殺菌剤液が戻ってきたことをトリガとして第3区画C,Dへの送液を開始することもできる。
殺菌を終えた区画からの排液を他の区画の殺菌へと用いると、図3(a)の左端に、タンク11に貯留されている殺菌剤の量を示すように、一区画の殺菌に使用される量の約2倍の量の殺菌剤をタンク11に用意しておけば、区画A〜Dの殺菌工程全体を通じて、各区画A〜Dへの送液に必要な殺菌剤を確保することができる。つまり、区画3つ分あるいは区画4つ分の殺菌剤をタンク11に用意する必要がない。
図3(a)に示す例では、区画A〜Dに同じ量の殺菌剤が供給されることを想定しているが、殺菌剤の供給量は区画A〜Dの間で異なっていてもよい。その場合は、殺菌を開始する区画A〜Dの順序を考慮し、タンク11内の殺菌剤が尽きることなく、区画A〜Dを殺菌する過程に亘り必要量を賄えるように、必要十分な量の殺菌剤を事前にタンク11内に確保するとよい。
図3(a)に示す本実施形態の殺菌方法において、一の区画の送液ステップ(例えばA1)と、他の区画の送液ステップ(B1,C1,D1)とは並行していない。また、一の区画の排液ステップ(例えばA3)と、他の区画の送液ステップ(B3,C3,D3)とは並行していない。
したがって、区画A〜Dのうちの2以上の区画に同時に送液されたり2以上の区画から排液されたりすることがなく、送液と排液に関してはあくまで順次行われることとなる。
そうすると、図8(b)に示す並行処理の場合とは異なり、2以上の区画への送液および2以上の区画からの排液に対応できる能力の大きいポンプ102´,103´や太い配管106,107が必要なく、図8(a)に示す順次処理の場合と同等の能力のポンプ12P,152A〜152Dを使用し、同等の径の配管を供給系統12の主要経路120や戻り経路151A〜151Dに使用することができる。これは、次に述べる洗浄方法についても同様である。
しかも、上述したように、殺菌を終えた区画(例えばA)から排液されてタンク11に戻ってきた液を他の区画(例えばC)へと供給することができるため、一区画の殺菌に使用される量の約2倍の液をタンク11に用意すれば足りる。そのため、図8(b)に示す並行処理の場合は各区画のそれぞれに使用される液量を合計した量の殺菌剤をタンク11に用意する必要があるのに対して、殺菌剤の使用量を削減してコストを抑えることができる。
以上で説明したように、本実施形態の殺菌システム10および殺菌方法では、タンク11に殺菌剤を戻さずに自己循環系統3A〜3Dを通じて自己循環させるとともに、一の区画Aの自己循環ステップA2(また区画CのC2)と他の区画Bの自己循環ステップB2(または区画DのD2)とを一部並行して行うように、区画A〜Dのそれぞれの殺菌工程を時間的に前後にシフトさせている。そうすることで、区画Aの殺菌開始から区画Dの殺菌終了までに要する時間を抑えることができ、殺菌剤の使用量を削減することもできる。
自己循環系統3A〜3Dは、区画A〜Dから離間するタンク11を通らないので、自己循環系統3A〜3Dのそれぞれの経路長は、区画A〜Dのそれぞれとタンク11との間を殺菌剤が循環することを想定した場合の循環経路長と比べて短い。そのため、殺菌効力を得るために殺菌剤の加熱が必要な場合に、循環用経路31A〜31Dに最低限の規模でヒーターを設置しても、殺菌剤の温度が下がり難く、自己循環系統3を循環する間に亘り殺菌剤を所定の温度以上に維持することができる。
(洗浄方法)
次に、図4(a)を参照し、本実施形態の洗浄方法の手順の例について説明する。
上述した区画A〜Dの殺菌工程を終えた後、区画A〜Dの壁や搬送装置の部材等に付着した殺菌剤を水によって洗い流す(すすぐ)ことができる。
殺菌後は、図2に示すように、供給系統12に液を供給する供給元をタンク11(図1)から水供給源21へと図示しないバルブの開閉等により切り替える。また、区画A〜Dから排水系統14A〜14Dへと水を導くため、戻りバルブ153A〜153D(図1)を閉じて排水バルブ141A〜141Dを開いておく。
図4(a)は、本実施形態の洗浄方法を示し、図4(b)は、比較例の洗浄方法を示している。
比較例では、注水しながら区画A〜Dを順次洗浄する。
比較例では、水供給源から区画Aへとポンプにより新水を継続して送る(新水ステップS91)。ここで、「新水」は、未だ区画A〜Dには導入されていない水、つまり洗浄に供される前の水を言うものとする。
区画Aへと供給される新水は、ノズル12Nから区画A内へと散布される。その間、床に溜まった水を区画Aの外部へと排出し、新水の供給開始から所定時間が経過した後も、残存する水を区画Aの外部へと排出させる(排液ステップS92)。
所定時間の経過により区画Aの洗浄が完了したならば、ポンプを引き続き作動させて区画Bへの新水供給(S91)に移行することができる。以降、区画C,Dについて順次、同様の処理を繰り返す。
区画A〜Dを十分に洗浄できるように、水をある流量で一区画あたり散布すべき洗浄時間T2が定められている。区画A〜Dを順次洗浄すると、区画A〜Dの数の分だけ洗浄時間T2が積算される。
上記のように注水を続け、排水させながら、区画A〜Dを順次洗浄する比較例(図4(b))に対して、本実施形態では、図4(a)に示すように、区画A〜Dにそれぞれ供給された一定量の水を自己循環系統3の内部に留めて自己循環させ、さらに、一の区画の自己循環ステップ(例えばa2)の一部と並行して、他の区画の自己循環ステップ(例えばb2)を行う。これらの自己循環ステップが相互に並行して行われる時間の分だけ、区画A〜Dの洗浄を短時間で終えることができる。
区画A〜Dの数が多いほど、洗浄時間の短縮効果と水の使用量の削減効果とが大きい。
本実施形態の洗浄方法は、第1送液ステップa1と、第1自己循環ステップa2と、第1中間排液ステップa3と、第1仕上げ洗浄ステップa4と、第1排液ステップa5と、第2送液ステップb1と、第2自己循環ステップb2と、第2中間排液ステップb3と、第2仕上げ洗浄ステップb4と、第2排液ステップb5とを備えている。
ステップa1からステップa5までが第1区画Aの洗浄工程を構成し、ステップb1からステップb5までが第2区画Bの洗浄工程を構成している。
一区画に対する送液ステップa1、自己循環ステップa2、および仕上げ洗浄ステップa4のそれぞれの所要時間を合算した時間は、比較例(図4(b))の洗浄時間T2と変わらない。
第1送液ステップa1では、供給ポンプ12Pを作動させて水供給源21から第1区画Aへと水を供給する。このとき導入バルブ12vA〜12vDのうち導入バルブ12vAのみを開いて残りは閉じておく。また、循環用バルブ32Aおよび戻りバルブ153Aも閉じておく。
区画Aへと所定量の水が送られたならば、循環用バルブ32Aを開いて導入バルブ12vAを閉じることによって区画Aへの送液から自己循環に切り替えるとともに、導入バルブ12vBを開いて導入バルブ12vAを閉じることによって次の第2区画Bへの送液ステップb1を開始する。供給ポンプ12Pは引き続き作動させ、水供給源21から主要経路120への送液を継続する。
区画Aの第1自己循環ステップa2では、戻りポンプ152Aを作動させ、タンク11から第1区画Aへと所定量だけ供給された水を、第1区画Aに与えられている自己循環系統3Aを通じて第1区画Aの内と外とを循環させる。所定時間に亘り区画Aの内と外とを循環し、ノズル12Nから散布される水により、区画Aの壁や部材が洗い流される。
第1自己循環ステップa2の途中で、区画Bの送液ステップb1が終了し、循環用バルブ32Bを開いて導入バルブ12vBを閉じることによって区間Bの自己循環ステップb2に移行する。供給ポンプ12Pは停止させる。
この自己循環ステップb2は、自己循環ステップa2の開始に遅れ、自己循環ステップa2の一部と並行して行われる。
自己循環ステップa2の開始から洗浄に必要な所定時間が経過したならば、循環用バルブ32Aを閉じ、戻りバルブ153Aを開くことで自己循環を終了し、自己循環による洗浄に供された水を区画Aの外部へと排出させる中間排水ステップa3へと移行する。戻りポンプ152Aは引き続き作動させることができる。区画A内に溜まっている水は、自重に加え、戻りポンプ152Aにより洗浄システム20の外部へと排出される。なお、区画A内に溜まった水を自重のみで排出させることもできる。
区画Bについても、自己循環ステップb2の開始から所定時間が経過したならば、循環用バルブ32Bを閉じ、戻りバルブ153Bを開くことで自己循環を終了し、区画Bの外部へと水を排出させる中間排水ステップb3へと移行する。
区画A〜Dが洗浄される過程で、区画A〜Cのいずれも第1区画に該当し、区画B〜Dのいずれも第2区画に該当する。
つまり、区画Aの自己循環ステップa2と区画Bの自己循環ステップb2とがオーバーラップし、区画Bの自己循環ステップb2と区画Cの自己循環ステップc2とがオーバーラップし、区画Cの自己循環ステップc2と区画Dの自己循環ステップd2とがオーバーラップしている。
自己循環による洗浄、つまり、自己循環系統3の内部に留めた水により溜めすすぎを行った後、新水を供給して仕上げの洗浄を行う仕上げ洗浄ステップa4を行うことが好ましい。その後、区画A内の水を排出させる(排水ステップa5)。
仕上げ洗浄ステップa4は、新水を供給しつつ、排出させながら、区画Aの注水すすぎを行う。仕上げ洗浄ステップa4,b4,c4,d4は、互いに並行して行うことなく、順次行う。仕上げ洗浄ステップに続く排液ステップa5,b5,c5,d5も同様に、順次行う。
自己循環による溜めすすぎを行うことで、壁や部材に付着した殺菌剤の濃度を十分に低下させておき、最後に、壁や部材の表面を新水を用いて洗い流すと、比較例のように注水すすぎのみを行う場合と比べて水の使用量を抑えながら、それと同等以上の洗浄効果を得ることができる。仕上げ洗浄は、必ずしも全ての区画A〜Dについて行う必要はなく、一部の区画については省略することもできる。
本実施形態の洗浄システム20および洗浄方法は、必ずしも区画A〜Dの殺菌後に使用される必要はない。殺菌剤が使用されていない場合にも、仕上げ洗浄に先立ち、自己循環による洗浄を行うことが、節水および洗浄効果向上に有効である。
区画Aの自己循環ステップa2後、区画Aへと新水を供給する仕上げ洗浄ステップa4、排液ステップa5および仕上げ洗浄ステップb4に移行することに優先して、他の区画C,Dの送液ステップc1,d1を開始することが好ましい。
そうすると、これらのステップc1,d1により区画C,Dにそれぞれ送り込まれた水を使って自己循環系統3C,3Dを通じて洗浄を進める間に(自己循環ステップc2,d2)、そのとき使われていない主要経路120を通じて区画A,Bへと新水を供給する仕上げ洗浄ステップa4,b4と、同じく使われていない排水系統14を通じて区画A,Bから水を排出させる排液ステップ(a5,b5)とを行うことができる。
つまり、流せる流量に限りのある供給系統12と排水系統14を効率よく使い、自己循環ステップc2,d2と、仕上げ洗浄および排液のステップa4,b4,a5,b5とを並行して行うことで、区画A〜D全体として洗浄時間を短縮することができる。
本実施形態では、区画Dへの送液ステップd1を終了した後すぐに区画Aに新水を供給する仕上げ洗浄ステップa4を行っており、図4(a)に矢印で示すように、水供給源21からの水の供給が間断なく継続される。つまり、供給ポンプ12Pを連続して作動させることができる。
区画A,Bの仕上げ洗浄ステップa4,b4を開始するタイミングは、仕上げ洗浄ステップa4,b4,c4,d4同士が並行しないように、かつ、排液ステップa5,b5,c5,d6同士が並行しないように定めている。
但し、図4(a)に斜線で示した時間の分だけ、自己循環ステップa2,b2を延長したり、仕上げ洗浄ステップa4,b4を早期に開始してもよい。
仕上げ洗浄ステップa4,b4,c4,d4では、自己循環系統3を通じて水を循環させながら洗浄したり、自己循環と、注水による洗浄とを組み合わせることもできる。自己循環系統3を通じて水が循環している間は、他の区画への送液や排液の処理を進めることができる。
(洗浄方法の変形例)
図5に示す変形例では、自己循環ステップa2を終えた後、区画Aから水を排出させる処理(図4(a)のステップa3)を行うことなく、新水を区画Aに供給する仕上げ洗浄ステップa4を行う。他の区画B〜Dについても同様である。このようにしても、溜めすすぎの効果が得られる自己循環洗浄後に、新水が供給されるため、殺菌剤の濃度を許容値以下に下げることができる。
送液を伴う仕上げ洗浄ステップa4,b4,c4,d4同士が並行したり、その後の排液ステップa5,b5,c5,d5同士が並行したりしないように、これらの送液・排液を区画A〜Dの間でシフトさせている。図5に示す例のように、自己循環ステップa2,b2,c2,d2をそれぞれ、一点鎖線以下に示すように延長して行ってもよい。この例では、区画Aの送液ステップa1の開始時から、区画Dの送液ステップd4の終了時まで、供給ポンプ12Pを連続して作動させている。
以上で説明したように、本実施形態の殺菌洗浄システム100によれば、複数の区画A〜Dを殺菌および洗浄するにあたり、区画A〜Dへの送液や区画A〜Dからの排液は順次行いながら、区画A〜D毎に与えられた自己循環系統3を用いる自己循環を並行して行うことにより、殺菌剤および水の使用量を抑えつつ、殺菌および洗浄に要する時間を短縮することができる。
〔殺菌洗浄システムの製造方法〕
本実施形態の殺菌洗浄システム100(図1)を製造する方法の一例を説明する。
タンク11と、区画A〜Dとを用意する工程S1と、供給系統12を設置する工程S2と、戻り系統15を設置する工程S3と、区画A〜Dにそれぞれ自己循環系統3を与える工程S4とを実施すると、殺菌洗浄システム100を構成する殺菌システム10(図1)が製造される。
供給系統12は、供給ポンプ12Pや、主要経路120、導入経路12A〜12D、および導入バルブ12vA〜12vD等を組み上げることで設置される。
戻り系統15は、戻り経路151A〜151D、戻りポンプ152A〜152D、および戻りバルブ153A〜153D等を組み上げることで設置される。
自己循環系統3A〜3Dは、循環用経路31A〜31D、および循環用バルブ32A〜32D等を組み上げることで設置される。
一方、洗浄システム20(図2)は、複数の区画A〜Dを用意する工程s1と、水供給源21から水を供給する供給系統12を組み上げて設置する工程s2と、排水系統14を組み上げて設置する工程s3と、区画A〜Dにそれぞれ自己循環系統3を与える工程s4とを実施することで製造される。
主要経路120と水供給源21とを繋ぐ配管を施工し、排水系統14A〜14Dを戻り経路151A〜151Dに組み付ければ、殺菌洗浄システム100が完成する。
自己循環系統3A〜3Dは、殺菌システム10の自己循環系統3A〜3Dと全体の構成が共通しているため、追加の施工は不要である。
〔殺菌洗浄システムの改造による製造方法〕
殺菌システム10、洗浄システム20、およびそれらを備えた殺菌洗浄システム100は、既存のシステムを改造することで製造することができる。
その場合は、殺菌システム10であれば、自己循環系統3を除いて、タンク11や区画A〜D、供給系統12、および戻り系統15が既に備わっているから、区画A〜Dに個別に自己循環系統3を与えるだけで足りる。
洗浄システム20も、やはり、自己循環系統3を除いて、水供給源21や区画A〜D、水供給源21からの水の供給系統12、および排水系統14が既に備わっているから、区画A〜Dに個別に自己循環系統3を与えるだけで足りる。
上記の改造にあたり、供給ポンプ12Pや戻りポンプ152A〜152Dの更新、供給系統12や戻り系統15、排水系統14等の配管の付け替えは必要ない。
自己循環系統3は、各区画A〜Dの近くで取り回されるので、短い配管を組み上げて容易に設置することができる。
既存のシステムに自己循環系統3を付加するだけで、上述したように、区画A〜Dの殺菌や洗浄に要する時間を抑え、殺菌剤や水の使用量も抑えることができるので、製造効率を向上させることができる。
〔本発明の変形例〕
自己循環系統3は、必ずしも全ての区画A〜Dに個別に与えられる必要はない。例えば、区画Dには自己循環系統3が与えられていない場合でも、この区画Dに関しては、タンク11と区画との間で殺菌剤を循環させながら殺菌したり、水供給源21から水を供給しつつ排出させながら洗浄することが可能である。他の区画A〜Cの自己循環ステップを相互にオーバーラップさせる分だけ、区画A〜Dの殺菌や洗浄に要する時間を短くすることができる。
本発明の殺菌方法または洗浄方法においては、上述のように、区画毎に備えられた自己循環系統3を利用して、一の区画と他の区画との間で自己循環ステップ同士をシフトさせつつ並行して行うほか、例えば、図6に示す殺菌方法のように、同一区画(例えばA)に係る自己循環ステップ(A2)と送液ステップ(A1)とを一部において並行して行うこともできる。その場合は、例えば、図7に示すように、適宜に配管やバルブを配置することにより、導入経路12Aを通じて区画Aへと送液する系統とは別に、区画Aへと液を戻すように自己循環系統3を構成するとよい。
図7に示す構成によれば、区画Aに関し、タンク11から導入経路12Aおよびノズル12Nを通じて送液しつつ、ポンプ152Aを作動させて、循環用経路31Aおよびノズル33Nを通じて液を循環させることができる。
ここで、タンク11から導入バルブ12vAを通じて送液している間にはバルブ34vAを閉じて、戻りポンプ152Aにより区画Aに殺菌剤を循環させる。そうすると、供給ポンプ12Pによる流れと戻りポンプ152Aによる流れとの干渉により供給ポンプ12Pによる送液圧力が低下することを防止できる。
図6に示すように、区画Aへの送液(ステップA1)の途中で、循環可能な量だけ区画Aに供給されたならば、自己循環ステップA2に移行することができる。したがって、ステップA1とステップA2とがラップする分だけ、より一層時間短縮を図ることができる。
上記以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更することが可能である。
上記実施形態で示した配管経路や、ポンプおよびバルブの配置等、具体的なシステムの構成は、本発明の主旨を逸脱しない限りにおいて適宜に改変することができる。
また、殺菌システム10および洗浄システム20は、必ずしも統合されている必要はなく、いずれも単体のシステムとして成立する。
3,3A〜3D 自己循環系統
10 殺菌システム
11 タンク
12 供給系統
12A〜12D 導入経路
12N ノズル
12P 供給ポンプ
12vA〜12vD 導入バルブ
120 主要経路
14,14A〜14D 排水系統
141A〜141D 排水バルブ
15,15A〜15D 戻り系統
151A〜151D 戻り経路
152A〜152D 戻りポンプ
153A〜153D 戻りバルブ
20 洗浄システム
21 水供給源
31A〜31D 循環用経路
32A〜32D 循環用バルブ
100 殺菌洗浄システム
101 タンク
102 ポンプ
103 ポンプ
104A ノズル
105A バルブ
105B バルブ
106,107 配管
A〜D 区画
R1 矢印
R2 矢印
T1 殺菌時間
T2 洗浄時間

Claims (17)

  1. 殺菌に用いられる殺菌剤を散布して複数の区画を殺菌する方法であって、
    前記殺菌剤を貯留するタンクから前記複数の区画のうちの第1区画へと前記殺菌剤を供給する第1送液ステップと、
    前記タンクから前記第1区画へと供給された前記殺菌剤を、前記第1区画に与えられている自己循環系統を通じて前記第1区画の内と外とを循環させる第1自己循環ステップと、
    前記第1区画から前記タンクへと前記殺菌剤を戻す第1排液ステップと、
    前記第1区画への送液開始に遅れて、前記タンクから前記複数の区画のうちの第2区画へと前記殺菌剤を供給する第2送液ステップと、
    前記タンクから前記第2区画へと供給された前記殺菌剤を、前記第1自己循環ステップの一部と並行して、前記第2区画に与えられている自己循環系統を通じて前記第2区画の内と外とを循環させる第2自己循環ステップと、
    前記第2区画から前記タンクへと前記殺菌剤を戻す第2排液ステップと、を備える、
    ことを特徴とする複数区画の殺菌方法。
  2. 前記第1排液ステップにより前記タンクに戻された前記殺菌剤を前記複数の区画のうちの第3区画へと供給する第3供給ステップを備える、
    請求項1に記載の複数区画の殺菌方法。
  3. 前記第1送液ステップと前記第2送液ステップとを並行して行わずに順次行い、
    前記第1排液ステップと前記第2排液ステップとを並行して行わずに順次行う、
    請求項1または2に記載の複数区画の殺菌方法。
  4. 洗浄に用いられる水を散布して複数の区画を洗浄する方法であって、
    前記水を供給する水供給源から複数の区画のうちの第1区画へと前記水を供給する第1送液ステップと、
    前記水供給源から前記第1区画へと供給された前記水を、前記第1区画に与えられている自己循環系統を通じて前記第1区画の内と外とを循環させる第1自己循環ステップと、
    前記第1区画から前記水を排出させる第1排液ステップと、
    前記第1区画への送液開始に遅れて、前記水供給源から複数の区画のうちの第2区画へと前記水を供給する第2送液ステップと、
    前記水供給源から前記第2区画へと供給された前記水を、前記第1自己循環ステップの一部と並行して、前記第2区画に与えられている自己循環系統を通じて前記第2区画の内と外とを循環させる第2自己循環ステップと、
    前記第2区画から前記水を排出させる第2排液ステップと、を備える、
    ことを特徴とする複数区画の洗浄方法。
  5. 前記第1送液ステップと前記第2送液ステップとを並行して行わずに順次行い、
    前記第1排液ステップと前記第2排液ステップとを並行して行わずに順次行う、
    請求項4に記載の複数区画の洗浄方法。
  6. 前記自己循環系統を通じて行われる洗浄を終えた後、前記水供給源からの水を用いて仕上げの洗浄を行う仕上げ洗浄ステップを備える、
    請求項4または5に記載の複数区画の洗浄方法。
  7. 前記自己循環系統による洗浄に用いられた前記水を、前記仕上げ洗浄ステップに先立ち排出させる中間排液ステップを備える、
    請求項6に記載の複数区画の洗浄方法。
  8. 殺菌に用いられる殺菌剤を散布して複数の区画を殺菌するシステムであって、
    前記殺菌剤を貯留するタンクと、
    前記タンクから前記複数の区画へと前記殺菌剤を供給する供給系統と、
    前記複数の区画から前記タンクへと前記殺菌剤を戻す戻り系統と、
    前記複数の前記区画の少なくとも一つに個別に与えられ、前記区画を含んで閉じた経路を形成可能な自己循環系統と、を備え、
    前記自己循環系統が前記閉じた経路を形成していると、
    前記殺菌剤を内部に留め、前記自己循環系統を通じて前記区画の内と外とを循環させる、
    ことを特徴とする殺菌システム。
  9. 前記供給系統は、
    前記タンクから前記複数の区画に向けて前記殺菌剤が流れる主要経路と、
    前記主要経路を通じて前記殺菌剤を圧送する供給ポンプと、
    前記主要経路から分岐し、前記複数の区画にそれぞれ前記殺菌剤を導入する複数の導入経路と、を含み、
    前記戻り系統は、前記複数の区画に個別に与えられており、
    前記区画から排出される前記殺菌剤を前記タンクまで導く戻り経路と、
    前記戻り経路を通じて前記殺菌剤を圧送する戻りポンプと、を含み、
    前記自己循環系統は、
    前記区画を含んで閉じた経路を形成しているとき、前記区画の外に排出される前記殺菌剤を前記区画の内へと導く循環用経路と、
    前記循環用経路を通じて前記殺菌剤を圧送することに兼用される前記戻りポンプと、を含んで構成される、
    請求項8に記載の殺菌システム。
  10. 前記自己循環系統は、同一の前記区画に対応している前記導入経路に接続され、
    前記導入経路を開閉可能な導入バルブと、前記自己循環系統を開閉可能な循環用バルブとを用いて、前記導入経路を通じた前記区画への送液と、前記自己循環系統を通じた自己循環とが切り替え可能に構成されている、
    請求項9に記載の殺菌システム。
  11. 洗浄に用いられる水を散布して複数の区画を洗浄するシステムであって、
    前記水を供給する水供給源から前記複数の区画へと前記水を供給する供給系統と、
    前記複数の区画から前記水を排出させる排水系統と、を備え、
    前記複数の前記区画の少なくとも一つに個別に与えられ、前記区画を含んで閉じた経路を形成可能な自己循環系統と、を備え、
    前記自己循環系統が前記閉じた経路を形成していると、
    前記水を内部に留め、前記自己循環系統を通じて前記区画の内と外とを循環させる、
    ことを特徴とする洗浄システム。
  12. 前記供給系統は、
    前記水供給源から前記複数の区画に向けて前記水が流れる主要経路と、
    前記主要経路を通じて前記水を圧送する供給ポンプと、
    前記主要経路から分岐し、前記複数の区画にそれぞれ前記水を導入する複数の導入経路と、を含み、
    前記排水系統は、前記複数の区画に個別に与えられており、
    前記区画から排出される前記水が流れる排水経路と、
    前記排水経路を通じて前記水を圧送する排水ポンプと、を含み、
    前記自己循環系統は、
    前記区画を含んで閉じた経路を形成しているとき、前記区画から排出される前記水を前記区画の内へと導く循環用経路と、
    前記循環用経路を通じて前記水を圧送することに兼用される前記排水ポンプと、を含んで構成される、
    請求項11に記載の洗浄システム。
  13. 前記自己循環系統は、同一の前記区画に対応している前記導入経路に接続され、
    前記導入経路を開閉可能な導入バルブと、前記自己循環系統を開閉可能な循環用バルブとを用いて、前記導入経路を通じた前記区画への送液と、前記自己循環系統を通じた自己循環とが切り替え可能に構成されている、
    請求項12に記載の洗浄システム。
  14. 複数の区画を殺菌する請求項8から10のいずれか一項に記載の殺菌システムと、
    前記複数の区画を洗浄する請求項11から13のいずれか一項に記載の洗浄システムと、を有し、
    前記殺菌システムの前記供給系統の少なくとも一部は、前記洗浄システムの前記供給系統にも使用され、
    前記殺菌システムの前記自己循環系統は、前記洗浄システムの前記自己循環系統にも使用され、
    前記殺菌システムの前記戻り系統の少なくとも一部は、前記洗浄システムの前記排水系統にも使用される、
    ことを特徴とする殺菌洗浄システム。
  15. 殺菌に用いられる殺菌剤を貯留するタンクと、前記殺菌剤が散布されることで殺菌される複数の区画へと前記タンクから前記殺菌剤を供給する供給系統と、前記複数の区画から前記タンクへと前記殺菌剤を戻す戻り系統と、を備える既存の殺菌システムに対して、前記複数の前記区画の少なくとも一つに個別に、前記区画を含んで閉じた経路を形成可能な自己循環系統を与える、
    ことを特徴とする殺菌システムの改造による製造方法。
  16. 洗浄に用いられる水が散布されることで洗浄される複数の区画へと、前記水を供給する水供給源から前記水を供給する供給系統と、前記複数の区画から前記水を排出させる排水系統と、を備える既存の洗浄システムに対して、前記複数の前記区画の少なくとも一つに個別に、前記区画を含んで閉じた経路を形成可能な自己循環系統を与える、
    ことを特徴とする洗浄システムの改造による製造方法。
  17. 殺菌に用いられる殺菌剤を貯留するタンクと、前記殺菌剤が散布されることで殺菌され水が散布されることで洗浄される複数の区画へと前記タンクから前記殺菌剤を供給する殺菌剤供給系統と、前記水の供給源から前記複数の区画へと前記水を供給する水供給系統と、前記複数の区画から前記タンクへと前記殺菌剤を戻す戻り系統と、前記複数の区画から前記水を排出させる排水系統と、を備える既存の殺菌洗浄システムに対して、前記複数の前記区画の少なくとも一つに個別に、前記区画を含んで閉じた経路を形成可能な自己循環系統を与える、
    ことを特徴とする殺菌洗浄システムの改造による製造方法。
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