JP6830648B2 - 画像処理装置および画像処理装置を用いた照射システム - Google Patents

画像処理装置および画像処理装置を用いた照射システム Download PDF

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Description

本発明は、画像処理装置および画像処理装置を用いた照射システムに関する。
従来、患者の患部に放射線ビームを照射する放射線照射では、呼吸や心拍、腸の動きなどによって移動する患部の動きに応じて放射線ビームを照射する待ち伏せ照射法や追跡照射法が知られている。
患部の動きを追跡するためには、まず、照射前に撮影した透視画像から複数のテンプレートを作成しておく。そして、テンプレートと照射中に撮影する透視画像とをマッチングさせる。
この方法では、がんの腫瘍の位置を検出し、追跡することができる。また、その他の方法として、透過画像に写りやすい金マーカを患部付近に留置して、この金マーカを追跡するマーカ追跡法もある。
しかしながら、これらの方法で検出・追跡できても、例えば、肺がんの患者を検査および照射する場合、肋骨と腫瘍との動きの相関が低いため、腫瘍の検出や追跡の精度を向上させることは困難であった。
一般に、腫瘍の位置を検出したり、追跡したりする際には、骨部が照射対象に重なって撮影されて、誤検出や誤追跡の原因になりやすい。
X線透視画像から骨構造を除去した画像をリアルタイムに取得する方法として、特許文献1に記載されている方法が知られている。この方法では、X線透視画像を入力すると、透視画像から骨が除去された画像を出力するニュートラルネットワークを事前に学習しておき、骨を除去したいX線透視画像に適用する。
学習には、事前にデュアルエナジーX線撮像装置で取得した透視画像と、骨の無い透視画像との組を教師画像として利用する。そして、透視画像の組を用いて、骨構造の画像を除去するように構成されている。
また、管電圧をX線管球にて高速で切替えることにより、2種類のX線透過画像を取得する方法も知られている。この方法では、2種類のX線透過画像に係数を掛けて減算処理する(画像減算処理)ことにより、骨構造を除去したX線画像またはその反対に骨部を強調したX線画像を作成することができる(dual energy subtraction法)。
一方、一つの管電圧を用いて、被写体とX線検出器の間に金属などにより構成されるフィルタを置くことで、影エネルギ側のX線スペクトルを低減させることができることも知られている。この特性を用いて、フィルタありとフィルタなしとの場合のX線画像を取得し、これらを用いて骨構造が除去された画像を作成する(single energy subtraction法)。この方法は、dual energy subtraction法のように、管電圧を高速で切替える必要はないが、X線エネルギを大きく分けることができない。このため、骨構造除去画像の画質は低下する。また、X線フィルタの出し入れの時間に、臓器が動いて位置誤差が生じてしまうといった問題もあった。
また、近年では、X線エネルギを弁別できる検出器が開発され、商用CT装置に搭載されている(特許文献2参照)。
さらに、特許文献3では、グリッドの設置位置を変更しながらX線撮影を行ない、位相微分画像を作成し、これを2回のX線撮影を行うことによりエネルギサブトラクション画像の画質を改善しようとするものが開示されている。
たとえば、図1は、基本的な構成を有する画像処理装置1のブロック図である。
この画像処理装置1は、放射線源としてのX線管球2から照射されて、被写体である患者10の身体を通過したX線を画像として撮像する受像部6としてのX線検出器3と、画像収集部4とを有している。
患者10とX線検出器3との間には、金属製のフィルタ5が介在されている。
図2は、画像処理装置1の動作の一例を示すフローチャートである。
処理をスタートすると、ステップS1では、X線管球2からX線を照射して、被写体としての患者10のX線画像を撮影する。X線画像の撮影は、フィルタ5を用いる場合と、フィルタ5を用いない場合の2回行われる。
X線検出器3によって撮像された画像は、画像収集部4に収集される。そして、ステップS2にて、患部の強調や、骨構造の除去が画像処理として行われることにより、人が視覚できるX線画像として表示される。
なお、散乱線除外グリッドの有無ならびにグリッド使用状況により、エネルギサブトラクション画像の生成パラメータを変える必要があったが、特許文献4では、これを使用したグリッド情報を事前に重みづけとして使用することで、より適切なエネルギサブトラクション画像を得られることが紹介されている。
米国登録特許US7545965 米国登録特許US7968853 特許公開PCT/JP2011/076503 特許公開2010−5006号公報
しかしながら、dual energy subtraction法では、胸腹部など動きを含む領域を撮像する際、管電圧をX線管球にて高速で切替えている。この方法では、管電圧が切替えられる前の画像と、切替えられた後の画像と間に時間差に基づく臓器位置誤差が生じるため、処理後の画質低下が生じてしまうといった問題があった。
また、特許文献1に記載されているニュートラルネットワークを事前に学習しておき、骨部を除去したい画像に適用する方法では、骨除去の計算誤差が完全にゼロではない。このため、骨構造の残存映像やその他の構造への偽像が現れることもある。
しかも、ニュートラルネットワークの事前学習では、学習用データとして骨構造が除去された画像と、除去されていない画像とについて多くの症例数を用意する必要がある。
さらに、画像処理装置を用いた照射システムでは、通常毎秒約30枚で撮影したX線透視画像をリアルタイムで動画として見ることが必要とされる。
このため、画像処理計算に時間がかかるニュートラルネットワークによる骨構造除去の方法を、X線透視画像を高速で演算処理を行う照射システムに適用することは容易ではなかった。
一方、X線エネルギを弁別できる検出器を用いる方法では、装置が大型、複雑化してコストが増大してしまうといった問題があった。
また、図3は、2つのエネルギ値の異なる透視画像を用いる一般的な画像処理装置1の解析方法を示している。この方法では、透視画像から骨を除去するため、2回のX線撮影を行うことによりエネルギサブトラクション画像の画質を改善している。
図3では、画像処理装置1の管電圧の高低によるX線スペクトルの差を比較し、横軸にエネルギスペクトルを、また、縦軸に強度を表している。図中一点鎖線Aは、低い管電圧でフィルタ5を用いない場合を表し、二点鎖線Bは、高い管電圧でフィルタ5を用いない場合を表している。そして、破線Cは、低い管電圧でフィルタ5を用いている場合を表している。一点鎖線Aと破線Cとの違いは、フィルタ5を用いるか否かの違いである。
一般的な画質の改善の原理を説明すると、例えば、範囲Dでは、一点鎖線Aの骨部に相当すると考えられる比較的強度の高い部分と、破線Cにて骨部に相当すると考えられる比較的強度の高い部分とが一致している。
このため、画像収集部4で収集された複数の画像から、係数をかけて除算を行うことにより、比較的強度の高い、一致した部分を除外することにより、エネルギサブトラクション画像を得られる。エネルギサブトラクション画像は、骨構造の画像の除去が行われて、患部を人が視覚できる画像として表示される。
しかしながら、X線管球2から2つ以上の異なる管電圧(X線エネルギ)のX線を照射して撮影する場合は、管電圧の切替えに時間を要してしまう。また、このような画像処理装置1では、フィルタ5を交換してエネルギサブトラクション画像を作成する場合は、フィルタ5の交換に時間が必要である。このため、フィルタ5を交換する前後で、撮像された画像に時間差が生じてしまう。
したがって、切替え前後の2枚の画像から処理後に得られるエネルギサブトラクション画像は、動く臓器に対して移動誤差の影響を受けやすいといった問題があった。
また、リアルタイムに患部を追跡できるようにフレームを連続させた動画を得ることは困難であった。
そこで、本発明は、動く臓器の移動誤差の影響を受けにくい、エネルギサブトラクション画像を得られる画像処理装置および画像処理装置を用いた照射システムを提供することを課題としている。
本発明に係る画像処理装置は、放射線源から照射されて、被写体を通過した放射線を画像として撮像する受像部と、
前記放射線源と前記受像部との間に介在されて、透過領域およびX線のエネルギを前記透過領域と比べて透過しない難透過領域を有するフィルタ部と、
前記受像部で撮像された複数の画像を用いて、人が視覚できるエネルギサブトラクション画像を演算する演算部と、を備え、
前記透過領域は、前記難透過領域と同じ材質の金属で構成されて、前記難透過領域と比べて放射線のエネルギを透過させるように、前記難透過領域の厚み方向寸法よりも透過領域の厚み方向寸法を小さく設定し、
前記演算部では、1回の放射線の照射で撮像された画像を、前記透過領域を透過した放射線を透過領域に対応する画素で撮像した第1画像と、前記難透過領域を透過した放射線を難透過領域に対応する画素で撮像した第2画像とに分別するとともに、各第1画像および第2画像をそれぞれ補完して、前記エネルギサブトラクション画像を演算する前に、前記第1画像および前記第2画像との間で生じた画素ずれを修正し、補完された前記第1画像と,補完された前記第2画像との間で前記エネルギサブトラクション画像を演算して、リアルタイムで患部を追跡できる動画を得ることを特徴としている。
本発明によれば、動く臓器の移動誤差の影響を受けにくく、骨構造が除去された画像を得られる画像処理装置が提供される。
従来の画像処理装置の構成を示すブロック図である。 従来の画像処理装置の動作の一例を示すフローチャートである。 従来の画像処理装置の管電圧の高低によるX線スペクトルの差を比較し、横軸にエネルギスペクトルを、縦軸に強度をとったグラフである。 本願発明の実施形態1の画像処理装置のブロック図である。 フィルタ部が受像部の被写体側に近接されて配置されている様子を模式的に示す側断面図である。 フィルタ部の透過領域および難透過領域がマス目状に配列されている様子を模式的に示す平面図である。 フィルタ部を用いて骨部の画像を除去する様子を示す模式図である。 フィルタ部を用いた骨部の画像を除去する画像処理を示すフローチャートである。 (a)〜(d)は、分別された第1画像と第2画像とをそれぞれ補完してから、エネルギサブトラクション画像を得る様子を示す模式図である。 フィルタ部を用いた骨部の画像を除去する画像処理を示すフローチャートである。 被写体として胸部ファントムを用いたX線画像である。 フィルタ部を用いて骨部の画像を除去した胸部ファントムのX線画像である。 実施例1のフィルタ部で、透過領域が空隙により形成されている様子を模式的に示す側断面図である。 実施例2のフィルタ部で、透過領域の空隙の一部に難透過領域と同じ材質の部材が設けられている様子を模式的に示す側断面図である。 実施例3のフィルタ部で、透過領域および難透過領域がライン状に配列されている様子を模式的に示す平面図である。 (a)〜(d)は、実施例3のフィルタ部で分別された第1画像と第2画像とをそれぞれ補完してから、エネルギサブトラクション画像を得る様子を示す模式図である。 実施例4のフィルタ部で、ライン状に形成された難透過領域および透過領域を模式的に示す側断面図である。 実施例5のフィルタ部で、透過領域の空隙の一部に難透過領域と異なる部材が設けられている様子を模式的に示す側断面図である。 本願発明の実施形態2の画像処理装置を用いた照射システムの構成を示すブロック図である。 実施例5のフィルタ部で、透過領域および難透過領域がライン状に配列されて、橋状部で連結されている様子を模式的に示す平面図である。 実施例6のフィルタ部で、難透過領域が透過領域の上に、点状に配列されている様子を模式的に示す平面図である。
本発明の実施形態1の画像処理装置1について、図4乃至図18を参照して詳細に示す。説明において、同一の要素には同一の番号を付し、重複する説明は省略する。
[画像処理装置の構成]
図4は、この実施形態1の画像処理装置11の構成を示すブロック図である。
この実施形態1の画像処理装置11は、放射線源としてのX線管球2から照射されて、被写体を通過したX線を画像として撮像する受像部6と、フィルタ部15と、演算部としての画像処理部7とを有している。
このうち、受像部6は、X線検出器3と画像収集部4とを有している。
X線検出器3は、撮像面6aに等間隔にて一面に画素を設けている。画素は、等ピッチ(たとえば、約0.38mmピッチ)で縦横に設けられている。そして、それぞれの画素は、X線管球2から照射されたX線のうち、被写体である患者10の身体と、フィルタ部15とを通過したX線を電気信号に変換する。
画像収集部4は、各画素からの電気信号をそれぞれ画像データとして収集する。収集されたデータは、画像処理部7によって、画像処理される。
画像処理部7は、画像収集部4にて収集された画像データを前記フィルタ部15で区分された第1画像と第2画像とに分別して、各前記第1画像および前記第2画像をそれぞれ補完して一画面分の画像にする画像処理を行うとともに、前記補完された複数の画像を用いて、人が視覚できるエネルギサブトラクション画像を演算する。
[フィルタの構成]
実施形態1のフィルタ部15は、被写体とX線検出器3との間に介在されているとともに、受像部6の被写体側の撮像面6aに近接した位置に配置されている。
そして、このフィルタ部15は、金属製の平板状のフィルタ本体5aを有している。フィルタ本体5aは、複数の正方形の透過領域5bと難透過領域5cとが組み合わせられて形成されている。
フィルタ本体5aは、撮像面6aの直前に配置されている。そして、図5および図6に示すように、X線検出器3の画素単位で対応させて、透過領域5bと難透過領域5cとが縦,横方向のいずれにも交互となるように配列されている。
縦,横方向に隣接配置される透過領域5bと難透過領域5cとの間隔は、撮像面6aの一画素あたりのピッチ(例えば0.38mm)と同じピッチに設定されていて、最小単位である一正方形が一画素と一致するように、マス目状に配列されている。
このうち、透過領域5bは、空隙により形成されていて、X線を透過するように構成されている。図5および図6に示す空白は、空気の存在を示している。なお、空白で示される透過領域5bは、空隙内の空気の他、X線エネルギを吸収しにくく、強度が変わりにくい、または変えないアクリル、木材などやこれらの組み合わせにて構成することができる。
また、難透過領域5cは、X線を透過領域5bと比べて透過しないように、ステンレスまたはアルミニウムなどの金属で構成されている。すなわち、難透過領域5cは、X線エネルギを吸収して、変えやすい金属(銀、カドミウム、インジウム、アンチモン、テルル、ヨウ素、キセノン、セシュウム、バリウム、ランタン、セリウム、プラセオジウム、ネオジウム、プロメシウム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテチウム、ハフニウム、タンタル、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金、金、水銀、タリウム、鉛など)の何れか、もしくはこれらの組み合わせによって構成されている。
さらに、これらの材料によって構成されたフィルタ部15では、X線検出器3の画素の大きさに合致するように、マス目の大きさが設定されることが好ましい。すなわち、X線検出器3の一画素内にX線エネルギを低下させる(変える)物質とX線エネルギを低下させない(変えない)物質とが混在すると、画像処理部7により得られるエネルギサブストラクション画像の画質低下につながる。
ここでは、一マス目に対して、X線検出器3の一画素が合致するように構成されている。
すなわち、フィルタ部15の複数の透過領域5bと難透過領域5cとを交互に配するピッチと、X線検出器3の画素の配設されるピッチとは、同じになるように設定されているとともに、画素の配列される方向と、透過領域5bと難透過領域5cとが配列される方向は、一致するように構成されている。
なお、実施形態1のように、一マス目に対して、X線検出器3の画素を一つ、対応させたものの他、同じ画素にX線エネルギを低下させる物質とX線エネルギを低下させない物質とが混在しなければよく、たとえば、一マス目に対して、X線検出器3の四画素等もしくは、二画素以上の複数の隣接配置される画素が一組となって対応するように構成されていてもよい。
一方、図7および図8に示すように、画像減算処理を行う際にも、図9は、本発明の実施形態1で、一枚のフィルタ部15を交換することなく、連続してエネルギサブトラクション画像を生成できる。ここでは、画像処理部7によって、分別された第1画像と第2画像とをそれぞれ補完して、補完第1画像Iaおよび補完第2画像Ibを生成し、画像減算処理を行っている。
まず、ステップS11にて、撮影された患者のX線画像を補完して、補完第1画像Iaおよび補完第2画像Ibを生成する。補完第2画像Ibには、ステップS12にて係数Wcが乗算される。さらに、画像減算処理が行われて、補完第1画像Iaから係数Wcが乗算された補完第2画像Ibが減算される(画像減算処理)。
ステップS13では、画像処理されたエネルギサブストラクション画像Idが表示される。図7に示すエネルギサブストラクション画像Idには、骨部が除去された胸部が示されている。
一般的な骨部を除去する処理では、フィルタを交換する前後で2回、X線を照射して撮影しなれば、1枚のエネルギサブトラクション画像を得ることが出来ない。
また、受像部6の撮像面6aと患部との間に配置されるフィルタを交換する作業は、煩雑で時間がかかる。このため、リアルタイムに患部を追跡できるようにフレームを連続させた動画を得ることは困難であった。
この実施形態の画像処理装置1では、補完第1画像Iaおよび補完第2画像Ibを、一回X線撮影で生成することができる。
次に、図9を参照にしつつ、本発明の実施形態1のX線撮影から骨部を除去する処理に至るまでについて、図10のフローチャートに沿って説明する。
まず、処理がスタートすると、ステップS21では、図4に示すように、フィルタ部15をX線管球2とX線検出器3との間に介在させた状態で、患者10の身体を撮影する。
ステップS22では、受像部6によって1回のX線の照射で画像Ref(A,B)が撮像される(図9(a)参照)。
ステップS23,S24では、画像処理部7によって、透過領域5bを透過したX線を透過領域5bに対応する画素で撮像した第1画像(A’)と、難透過領域5cを透過したX線を難透過領域5cに対応する画素で撮像した第2画像(B’)とに分別される(図9(b)参照)。
次に、ステップS25,S26では、各第1画像(A’)および第2画像(B’)がそれぞれ補完されて、補完第1画像(A’’)と補完第2画像(B’’)とが生成される(図9(c)、ステップS27,S28参照)。
すなわち、実施形態では、第1画像A’のうち、透過領域5bを透過したX線を透過領域5bに対応する画素Pa,Pb,Pc,Pdの中央に位置する画素Peが欠損している。画素Peは、難透過領域5cの部分に対応している。このため、周辺の画素Pa,Pb,Pc,Pdの平均値を用いて、画素Peを補完する。
周辺画素の平均値を用いて、補完する場合、画素が有する画素値は、(Pa+Pb+Pc+Pd)/4により算出される。そして、補完は、全ての欠損した画素に対して行われる。
また、第2画像(B’) を補完して補完第2画像(B’’)を生成する処理においても同様に、周辺画素の平均値を用いて欠損している画素の補完を行う。ここでは、周辺画素の平均値を用いて、補完する方法について述べた。しかしながら、他の補完手法として、線形補完、最近傍補完、スプライン補完等を用いてもよく、あるいはこれらを複数、組み合わせて補完を行ってもよい。
ステップS29,S30にて、画像処理部7は、補完第1画像(A’’)と補完第2画像(B’’)とにそれぞれ係数(a)(b)をかける。そして、ステップS31では、画像減算処理が行われて、ステップS32にて、図7,8と同様にエネルギサブトラクション画像S1を得ることが出来る(図9(d)参照)。
図11は、被写体として胸部ファントムを用いたX線画像の一例である。また、図12は、フィルタ部15を用いて骨部の画像を除去した胸部ファントムのX線画像の一例である。
図11では、胸部29に肋骨30〜32が画像に写っている。これに対して、図12の画像では、肋骨30〜32が胸部29から除去されて写っていないことがわかる。
図10のステップS33にて、除去対象の影像(骨部)が、画像から除去されているか否かが判定される。除去対象の影像(骨部)が、画像から除去されていない場合(ステップS33にて、No)には、ステップS34に処理が進み、それぞれ係数(a)(b)が変更されて、再び、ステップS29,S30に処理が戻る。
ステップS29,S30にでは、各補完第1画像(A’’)および補完第2画像(B’’)にそれぞれ異なる係数(a)(b)が乗算されて、ステップS31では、画像減算処理が行われる。
ステップS33にて、除去対象の影像(骨部)が画像から除去されるまで係数が変えられて処理は続けられ、除去対象の影像(骨部)が画像から除去された場合、除去の処理を終了する。これにより、図12に示すような副数枚のエネルギサブトラクション画像S(S1〜Sn:nは枚数)を得ることが出来、リアルタイムで患部を追跡できる動画を得ることができる。
ただし、各補完第1画像(A’’)および補完第2画像(B’’)は、縦横方向に1画素ずれた画素情報を用いている。これは、1つの画像から、フィルタ部15の金属ありと金属なし部分の画素をわけて(図9(a)参照)、その歯抜け部分を画像補間で画素値を埋めていく方法になる(図9(c)参照)ためである。このため、図9(b)の第1画像(A’)および完第2画像(B’)では、異なる画素位置を用いていることとなり、画像減算処理を行う前に、画素ずれを修正してもよい。
たとえば、画素ずれの修正は、グリッド有り画素とグリッドなし画素とのそれぞれ2つの画像で、歯抜け画素を補間した時または、補間した後のいずれかで行われる。画素ずれの補正は、具体的には、片方の画像を1画素ずらすか、両方の画像をそれぞれ反対方向に0.5画素ずらすことにより行われる。
この際、移動方向は、ライン上のグリッドの場合には、グリッドの方向(縦方向のグリッドなら、横方向に画素を移動)、格子状のグリッドだと上下左右方向(つまり斜め)に移動させることにより行われる。
ズレの修正方法としては、一般的に知られている方法を用いてもよい。たとえば、エネルギサブトラクション画像の画質向上だけでなく、画素ずれを修正する際に、修正しなかったり、片方の画像のみを0.5画素ずらすことで、エンボス処理に似たようになり、エッジが立つことで、鮮鋭度が上がる場合があることが知られている。
すなわち、エネルギサブトラクション処理をする前に、歯抜け画素を補完した片方または両方の画像を、上下、左右、または上下左右にサブピクセルまたは1から数ピクセル移動することで、エッジ強調されたエネルギサブトラクション画像を取得することが可能となる。
このため、この実施形態1では、必要があれば、画像減算処理を行う前に、画素ずれを修正することにより、エネルギサブトラクション画像の画質をさらに向上させることが出来る。
このように、フィルタ部15によって、1回のX線の照射で、撮像された画像Ref(A,B)が透過領域を透過したX線を透過領域に対応する画素で撮像した第1画像(A’)と、難透過領域を透過したX線を難透過領域に対応する画素で撮像した第2画像(B’)とに分別される。
第1画像(A’)と、第2画像(B’)とは、1回のX線の照射で、同時に撮像されている。このため、エネルギサブトラクション画像S1を得るために使用される補完第1画像(B’’)と補完第2画像(A’’)との間に、撮影時間の前後差が存在しない。よって、画像処理部7によって画像減算処理が行われる際に、動く臓器の移動誤差の影響を受けにくく、精度の高い骨構造が除去されたエネルギサブトラクション画像S1を得られる。
また、X線管球2の管電圧を切替える必要もなく、エネルギ量の相違する第1画像(A’)と第2画像(B’)とを同時に撮影することができる。
しかも、フィルタ部15を交換する必要もなく、既存の設備を用いて、患部をリアルタイムで追跡可能な動画を容易に生成することができる。
さらに、撮影した画像から特定の体組織の画像を生成する際、教師画像や事前の学習が不要である。このため、学習用データとして骨構造が除去された画像と、除去されていない画像とについて多くの症例数を用意する必要がない。
また、ニュートラルネットワークによる骨構造除去のように、多くの症例数を用意する必要もなく、画像処理計算に時間がかかることもない。
このため、通常毎秒約30枚で撮影したX線透視画像をリアルタイムで動画として見ることが必要とされる照射システムに容易に適用することができる。
このような画像処理装置1を照射システムに適用すると、X線管球2の管電圧を切替えたり、あるいは、フィルタ部15を交換する必要がないため、低コスト化、およびコンパクト化が図れる。
また、患部の追跡を行う際にも、骨構造に影響を受けにくく、照射対象の腫瘍または体内マーカの位置検出精度が向上する。このため、放射線ビームの照準の精度を向上させて照射効果を増大させることができる。
図13は、実施形態1の実施例1のフィルタ部15で、透過領域5bを通過するX線が撮像面6aまで到達するように空隙が形成されている構成を模式的に示す側断面図である。
実施例1のフィルタ部15は、受像部6の撮像面6aに近接して配置されている。
さらに、透過領域5bおよび難透過領域5cは、マス目状に、X線検出器3の各画素に対応するように配列されている。
これにより、フィルタ部15を通過したX線は、散乱する前に透過領域5bから撮像面6aに到達して、各マス目に対応する各画素によって検出される。このため、さらに隣接配置される他の画素に対応する領域を通過したX線の影響を受けることなく、対応する画素のみによって検出される。したがって、さらにエネルギサブトラクション画像の精度を向上させることができる。
他の構成および作用効果については、実施形態1と同一乃至均等であるので、説明を省略する。
図14は、実施形態1の実施例2のフィルタ部25を模式的に示した側断面図である。なお、実施例1のフィルタ部15と同一乃至均等な部分については、同一符号を付している。
実施例2のフィルタ部25では、透過領域25bの空隙が凹状のマス目によって形成されていて、マス目の下部が他の難透過領域25cと同じ材質の金属で構成されている。
そして、底部25dの厚み方向寸法h2は、難透過領域25cの厚み方向寸法h1より小さい。
このため、平面視ではマス目状(たとえば、図6参照)のうち、底部25dが設けられた透過領域25bは、難透過領域25cと比較して、X線を透過しやすい。
そして、難透過領域25cの厚み方向寸法h1は、底部25dの厚み方向寸法h2よりも大きい。このため、X線が透過領域25bと比べて透過しないように構成されている。
よって、受像部6の画素に到達するX線のエネルギの強さを、透過領域25bを通過したものと難透過領域25cを通過したものとの間で、相違させることができる。
しかも、実施例2のフィルタ部25では、平面視ではマス目状(図6参照)に形成されて、難透過領域25c間が底部25dによって連結されている。すなわち、難透過領域25cは、底部25dと同じ材質の部材で、隣接配置される難透過領域25c,25c間がこの底部25dによって連結されるように構成されている。
このため、実施形態1の作用効果に加えてさらに、突出している難透過領域25cの部分の支持剛性を向上させることが出来る。また、同じ金属材料からフィルタ部25にマス目を形成することができる。そして、マス目の加工作業性が良好である。
他の構成および作用効果については、実施形態1および実施例1と同一乃至均等であるので説明を省略する。
図15は、本発明の実施形態1の実施例3のフィルタ部35で、透過領域および難透過領域がライン状に配列されている様子を模式的に示す平面図、図16は、フィルタ部で分別された第1画像と第2画像とをそれぞれ補完してから、エネルギサブトラクション画像を得る様子を示す模式図、図17は、ライン状に形成された難透過領域および透過領域を模式的に示す側断面図である。なお、実施形態1の実施例1,2のフィルタ部15,25と同一乃至均等な部分については、説明を省略する。
図15に示すように、実施例3のフィルタ部35は、X線検出器3の画素単位のうち、縦列に対応させて、ライン状の透過領域35bと難透過領域35cとが横方向に交互となるように配列されている。
横方向に隣接配置される透過領域35bと難透過領域35cとの間隔は、受像部の撮像面6aの一画素あたりのピッチ(例えば0.38mm)と同じピッチに設定されていて、最小単位である一列が一画素と一致するように配列されている。
次に、本発明の実施例3の骨部を除去する処理について、図16を参照しながら説明する。
実施例3では、演算部としての画像処理部7によって、図16(a)〜(d)に示すように画像Ref(C,D)(図16(a)参照)から分別された第1画像(C’)と第2画像(D’)とがそれぞれ補完されて(図16(b)参照)、補完第1画像(C’’)および補完第2画像(D’’)が生成される(図16(c)参照)。
そして、補完第1画像(C’’)および補完第2画像(D’’)から、画像減算処理が行なわれて、エネルギサブトラクション画像S2を得ることが出来る(図16(d)参照)。
すなわち、まず処理がスタートすると、フィルタ部35をX線管球2とX線検出器3との間に介在させた状態で、患者10の身体が撮影される(図4参照)。
1回のX線の照射で撮像された画像Ref(C,D)は、画像収集部4で収集されて、透過領域を透過したX線を透過領域に対応する画素で撮像した第1画像(C’)と、難透過領域を透過したX線を難透過領域に対応する画素で撮像した第2画像(D’)とに分別される。
次に、各第1画像(C’)と第2画像(D’)とがそれぞれ補完(図16(c)参照)されて、補完第1画像(C’’)と補完第2画像(D’’)とが生成される。
すなわち、実施例3では、第1画像C’のうち、透過領域に対応する画素Pcが欠落している。このため、周囲の難透過領域に対応する画素Pa,Pb,Pd,Pe,Pf,Pgの平均値を用いて、画素Pcを補完する。
周辺画素の平均値を用いて、補完する場合、画素Pcが有する画素値は、(Pa+Pb+Pd+Pe+Pf+Pg)/6により算出される。なお、(Pa+Pb)/2または、(Pd+Pe+Pf+Pg)/4により算出されてもよい。そして、補完は、全ての欠損した画素に対して行われる。
また、第2画像(D’) を補完して補完第2画像(D’’)を生成する処理においても同様に、周辺画素の平均値を用いた補完を行う。ここでは、周辺画素の平均値を用いて、補完する方法について述べた。しかしながら、他の補完手法として、線形補完、最近傍補完、スプライン補完等を用いてもよく、あるいはこれらを複数、組み合わせて補完を行ってもよい。
このように構成された実施例3のフィルタ部35では、実施形態1および実施例1,2の作用効果に加えてさらに、透過領域35bおよび難透過領域35cとが横方向に交互となるようにライン状に形成されている。このため、金属材料からフィルタ部35として加工する際の加工性が良好である。
他の構成および作用効果については、実施形態1および実施例1,2と同一乃至均等であるので説明を省略する。
図17は、実施例4のフィルタ部35で、ライン状に形成された難透過領域35cおよび透過領域35bを模式的に示す側断面図である。実施例4のフィルタ部35では、難透過領域35c,35c間に、透過領域を構成する充填材が充填されている。充填材としては、アクリル樹脂等の樹脂材料や木材などが用いられる。
このように構成された実施例4のフィルタ部35では、実施例3の作用効果に加えてさらに、金属製の材料で構成される難透過領域35cがアクリル樹脂等の樹脂材料で構成される充填材の充填により両側から支持されて変形にくい。このため、形態安定性が良好である。
他の構成および作用効果については、実施例3と同一乃至均等であるので説明を省略する。
図18は、実施例5のフィルタ部45で、ライン状に形成された難透過領域45cおよび透過領域45bを模式的に示す側断面図である。実施例5のフィルタ部45では、難透過領域45c,45c間に、透過領域の空隙の一部に介在して、難透過領域の金属(たとえばステンレス)と異なる角棒状の金属材(たとえばアルミニウム合金)が設けられて透過領域が構成されている。実施例5の透過領域の空隙の一部に介在する金属材のX線透過方向の厚さ寸法は、難透過領域45cの金属の厚さ寸法よりも薄くなるように構成されている。
このように構成された実施例5のフィルタ部45では、実施例3,4の作用効果に加えてさらに、金属製の材料で構成される難透過領域45c,45c間に透過領域を構成する角棒状の金属材が介在されている。このため、さらに形態安定性が良好である。
他の構成および作用効果については、実施例3,4と同一乃至均等であるので説明を省略する。
図19は、本願発明の実施形態2の画像処理装置を用いた照射システム21の構成を示すブロック図である。実施形態2の照射システム21では、実施形態1の画像処理装置11の構成に、追跡部8および照射制御部9が加えられている。ここでは、実施形態1の画像処理装置11と同一乃至均等な部分については、同一符号を付して説明を省略する。
実施形態2の追跡部8は、画像処理部7と接続されている。そして、追跡部8は、受像部6で撮像された複数の画像が画像処理部7にてそれぞれ補完されると、生成されたエネルギサブトラクション画像を用いて、照射対象の追跡を行う。たとえば追跡部8は、照射対象の腫瘍または体内マーカの検出並びに追跡を行う。追跡は、図示しないモニタ装置などの表示画面を見ながら、手動でまたは自動で行われる。
また、追跡部8は、照射制御部9と接続されている。追跡部8は、照射制御部9に、腫瘍または体内マーカの位置情報である放射線ビーム照射判定情報および放射線ビームをON/OFF制御する放射線ビームON/OFF制御情報を出力する。
照射制御部9は、受像部6で撮像された複数の画像を画像処理部7にてそれぞれ補完して、演算されたエネルギサブトラクション画像を用いて、図示しないモニタ装置などの表示画面を見ながら、手動でまたは、追跡部8からの追跡信号を受けて、自動で照射を行う。
この際、追跡部8から出力された放射線ビーム照射判定情報および放射線ビームON/OFF制御情報に応じて、放射線ビームが照射される。
放射線ビーム照射判定情報および放射線ビームON/OFF制御情報は、骨構造が除去されたエネルギサブトラクション画像に基づいて生成されている。このため、照射対象の腫瘍または体内マーカの検出並びに追跡を行う際に、骨構造に影響を受けにくい追跡が可能となる。
このように構成された実施形態2の照射システム21では、実施形態1の画像処理装置11の作用効果に加えて、さらにX線管球2の管電圧を切替えたり、あるいは、フィルタ部15を交換する必要がない。このため、照射システムの低コスト化、およびコンパクト化が図れる。
また、患部の追跡を行う際にも、骨構造に影響を受けにくく、照射対象の腫瘍または体内マーカの位置検出精度が向上する。
このため、放射線ビームのON/OFF制御の精度を向上させて照射効果を増大させることができる。
さらに、骨部の画像を除去した骨構造除去画像または、骨構造が強調された骨部画像を用いて、患者10の患部の位置決め精度を向上させることができる。
また、放射線ビームを照射する時間を短縮することにより患者10の身体的、精神的負担を軽減することができる。
他の構成および作用効果については、実施形態1と同一乃至均等であるので説明を省略する。
図20は、実施例5のフィルタ部55を示すものである。なお、実施形態1,2と同一乃至均等な部分についての説明は省略し、相違する部分を中心に説明する。
実施例5のフィルタ部55は、複数の透過領域55dと難透過領域55cとがライン状に交互に配列されている。そして、隣接配置される難透過領域55c,55c間が所定間隔をあけて配置される複数の橋状部55fによって連結されている。
このように構成された実施例5のフィルタ部55では、難透過領域55c,55cがライン状に配列されているとともに、難透過領域55c,55c間が複数の橋状部55fによって連結されて補強されている。
このため、難透過領域55cは、両側から支持されて変形にくく、形態安定性が良好である。
他の構成および作用効果については、実施形態1,2と同一乃至均等であるので説明を省略する。
図21は、実施例6のフィルタ部65を示すものである。なお、実施形態1,2と
同一乃至均等な部分についての説明は省略し、相違する部分を中心に説明する。
実施形態のフィルタ部65は、難透過領域65cが隣接配置される他の難透過領域65cから離間されて、点状に分散されて配列されている。このため、透過領域65dの面積は拡大して、第1画像のX線量を増大させることができる。
また、難透過領域65c,65cは規則的に分散されることにより、実施形態1と同様に、平均値を用いて、補完することができる。
他の構成および作用効果については、実施形態1,2と同一乃至均等であるので説明を省略する。
上述してきたように、本発明の実施形態1の画像処理装置11では、受像部6に近接させてフィルタ部15等を配置して、2つのX線スペクトルを有する画像を1回の撮影で取得することができる。
そして、演算部としての画像処理部7にて、2つのX線スペクトルを有する画像をそれぞれ補完することにより、補完した画像からエネルギサブトラクション画像を得ることが出来る。
このため、画像処理装置11は、動く臓器の移動誤差の影響を受けにくい、エネルギサブトラクション画像を生成できる。
以上、本実施形態に係る画像処理装置、画像処理装置を用いた画像処理システムについて詳述してきたが、本発明は実施形態1,2に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能であることは言うまでもない。
例えば、本実施形態では、骨部の画像を除去した骨構造除去画像を例示して説明してきたが、骨部を強調した骨部画像を画像処理によって得るようにしてもよい。
また、フィルタ部15等の形状も、マス目状やライン状でなくてもよく、補完処理が行える程度に規則性を有するものであれば、形状、数量、および組み合わせ順序などが特に限定されるものではない。
また、実施形態1では、画像減算処理を行う前に、画素ずれを修正することにより、エネルギサブトラクション画像の画質をさらに向上させている。しかしながら、特にこれに限らず、たとえば、画素ずれを修正しなくても、エネルギサブトラクション画像の画質が良好な場合は、画素ずれを修正しなくてもよい。
本発明の実施形態の画像処理装置、および画像処理装置を用いた画像処理システムは、放射線照射装置、放射線照射システム、粒子線照射装置、粒子線照射システム、X線撮影装置、X線CT装置に用いて好適である。
1 画像処理装置
2 X線管球
3 X線検出器
4 画像収集部
5b 透過領域
5c 難透過領域
6 受像部
6a 撮像面
7 画像処理部
8 追跡部
9 照射制御部
10 患者(被写体)
11 画像処理装置
15,25,35,45,55,65 フィルタ部
25b,35b,45b,55d 透過領域
25c,35c,45c,55c,65c 難透過領域
55f 橋状部

Claims (9)

  1. 放射線源から照射されて、被写体を通過した放射線を画像として撮像する受像部と、
    前記放射線源と前記受像部との間に介在されて、透過領域およびX線のエネルギを前記透過領域と比べて透過しない難透過領域を有するフィルタ部と、
    前記受像部で撮像された複数の画像を用いて、人が視覚できるエネルギサブトラクション画像を演算する演算部と、を備え、
    前記透過領域は、前記難透過領域と同じ材質の金属で構成されて、前記難透過領域と比べて放射線のエネルギを透過させるように、前記難透過領域の厚み方向寸法よりも該透過領域の厚み方向寸法を小さく設定し、
    前記演算部では、1回の放射線の照射で撮像された画像を、前記透過領域を透過した放射線を該透過領域に対応する画素で撮像した第1画像と、前記難透過領域を透過した放射線を該難透過領域に対応する画素で撮像した第2画像とに分別するとともに、各第1画像および第2画像をそれぞれ補完して、前記エネルギサブトラクション画像を演算する前に、前記第1画像および前記第2画像との間で生じた画素ずれを修正し、補完された前記第1画像と,補完された前記第2画像との間で前記エネルギサブトラクション画像を演算して、リアルタイムで患部を追跡できる動画を得ることを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記透過領域は、前記受像部の画素単位で対応させていることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
  3. 前記透過領域および前記難透過領域は、マス目状に配列したことを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。
  4. 前記透過領域および前記難透過領域は、ライン状に配列したことを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。
  5. 前記難透過領域を、ライン状に配列するとともに、該各難透過領域間を連結する橋状部を設けたことを特徴とする請求項1〜4のうち何れか一項に記載の画像処理装置。
  6. 前記難透過領域を、隣接配置される他の難透過領域から分散させて配列したことを特徴とする請求項1〜5のうち何れか一項に記載の画像処理装置。
  7. 前記フィルタ部は、前記受像部に近接して配置されていることを特徴とする請求項1〜6のうち何れか一項に記載の画像処理装置。
  8. 放射線ビームを照射する位置の制御を行う照射制御部を有し、前記照射制御部は、前記エネルギサブトラクション画像を用いて、前記放射線ビームを照射する位置および照射量を変更することを特徴とする請求項1〜のうち何れか一項に記載の画像処理装置を用いた照射システム。
  9. 前記照射制御部によって照射される照射対象の追跡を行う追跡部を有し、前記追跡部は、前記エネルギサブトラクション画像を用いて、前記放射線ビームを照射する位置を変更することを特徴とする請求項に記載の照射システム。
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