本発明に係るスロットマシンを実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。以下の実施の形態では、本発明がスロットマシンに適用された場合の一例を説明する。図1は、本実施形態に係るスロットマシン1の全体構造を示す正面図である。スロットマシン1は、前面が開口する筐体1aと、この筺体1aの側端に回動自在に枢支された前面扉1bとを含む。前面扉1bの中央上部には、液晶表示器51が設けられている。液晶表示器51は、表示領域51aを有しており、透視窓3に対応する透過領域51bが透過可能である。これにより、表示領域51aで所定の演出を実行可能とするとともに、表示領域51aのうち透過領域51bが透過することで透視窓3を介して筐体1a内部に並設されているリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リールとも称する)が視認可能となる。図2は、各リールの図柄配列を示す図である。リール2L〜2Rには、各々が識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で配列されている。なお、リールの個数は、3つに限らず、1つであってもよく、2以上であってもよい。また、可変表示部は、物理的なリールにて構成されている例を示しているが、液晶表示器などの画像表示装置にて構成されているものであってもよい。
液晶表示器51の右下には、メダルを投入可能なメダル投入部4が設けられ、前面扉1bの下部には、メダルが払い出されるメダル払出口9、スピーカ53、54が設けられている。
また、前面扉1bには、操作手段の一例として、遊技者所有の遊技用価値(メダル数)として記憶されているクレジットの範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットおよび設定済の賭数を精算して返却させる際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L〜2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8R、演出に用いるための演出用スイッチ56などが設けられている。
前面扉1bには、報知手段の一例として、遊技に関する情報を報知する遊技用表示部13が設けられている。遊技用表示部13には、クレジットとして記憶されているメダル数が表示されるクレジット表示器11、メダルの払出枚数やエラー時にエラーコードなどが表示される遊技補助表示器12、設定されている賭数を報知するための1BETLED14、2BETLED15、3BETLED16、メダル投入が可能であることを報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が可能であることを報知するスタート有効LED18、スタートスイッチ7の操作後においてウエイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリール2L、2C、2Rの回転開始を待機している状態)中であることを報知するウエイト中LED19、リプレイ入賞後のリプレイゲーム中であることを報知するリプレイ中LED20が設けられている。なお、以下では、リプレイを「リプ」という場合もある。
スロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部4に投入するかMAXBETスイッチ6操作などにより規定数の賭数(例えば3)を設定する。これにより、入賞ラインLNが有効となり、スタートスイッチ7への操作が有効となり、ゲームが開始可能な状態となる。賭数設定済の状態でメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
入賞ラインとは、リール2L〜2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するためのラインである。本実施形態では、1本の入賞ラインLNのみ設けられている例について説明するが、複数の入賞ラインが設けられているものであってもよい。また、入賞を構成する図柄の組合せが入賞ラインLNに揃ったことを認識しやすくする無効ラインLM1〜LM4が設けられている。無効ラインLM1〜LM4は、入賞判定されるラインではなく、入賞ラインLNに特定の入賞図柄の組合せ(いわゆるばらけ目)が揃った際に、無効ラインLM1〜LM4のいずれかに所定の図柄の組合せ(例えば、ベル−ベル−ベル)を揃えることで、入賞ラインLNに特定の入賞を構成する図柄の組合せが揃ったことを認識しやすくするものである。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7が操作されると、リール2L〜2Rを回転させて図柄を変動表示し、ストップスイッチ8L〜8Rが操作されると対応するリールの回転を停止させることで、透視窓3の上中下段に3つの図柄を表示結果として導出表示する。入賞ラインLN上に入賞図柄の組合せが停止し入賞が発生したときには、入賞に応じて、所定枚数のメダルが遊技者に対して付与されて、クレジット加算か、クレジットが上限数(50)に達した場合にはメダル払出口9からメダルが払い出される。
図3は、スロットマシン1の機能構成例を示す図である。図3の例では、遊技の進行を制御するとともに、遊技の進行に応じて各種コマンドを出力する遊技制御基板40、コマンドに応じて所定の演出を制御する演出制御基板90などが設けられている。
また、メイン制御部41のRAMは、BETカウンタとしての機能およびクレジットカウンタとしての機能を有する。BETカウンタは、賭数の値を格納する。クレジットカウンタは、遊技者所有の遊技用価値(メダル数)を記憶する。
なお、本実施形態では、回転を開始した3つのリール2L、2C、2Rのうち、最初に停止するリールを第1停止リールと称し、また、その停止を第1停止と称する。同様に、2番目に停止するリールを第2停止リールと称し、また、その停止を第2停止と称し、3番目に停止するリールを第3停止リールと称し、また、その停止を第3停止あるいは最終停止と称する。なお、3つのリール2L、2C、2Rのうち、左リール2Lを第1停止することを左第1停止、中リール2Cを第1停止することを中第1停止、右リール2Rを第1停止することを右第1停止と称する。また、本実施形態において、順押しとは、左リール2Lを第1停止させた後に、中リール2Cを第2停止させる操作手順をいう。また、順挟み押しとは、左リール2Lを第1停止させた後に、右リール2Rを第2停止させる操作手順をいう。中左押しとは、中リール2Cを第1停止させた後に、左リール2Lを第2停止させる操作手順をいう。中右押しとは、中リール2Cを第1停止させた後に、右リール2Rを第2停止させる操作手順をいう。逆挟み押しとは、右リール2Rを第1停止させた後に、左リール2Lを第2停止させる操作手順をいう。逆押しとは、右リール2Rを第1停止させた後に、中リール2Cを第2停止させる操作手順をいう。
また、リール2L、2C、2Rは、1分間に80回転し、80×21(1リール当たりの図柄コマ数)=1680コマ分の図柄を変動させるので、190msの間では最大で4コマの図柄を引き込むことができることとなる。つまり、停止図柄として選択可能なのは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに表示されている図柄と、そこから4コマ先までにある図柄、合計5コマ分の図柄である。
スロットマシン1における“ゲーム”とは、狭義には、スタートスイッチ7が操作されてからリール2L〜2Rが停止するまでをいうが、ゲームを行う際にスタートスイッチ7の操作前の賭数設定や、リール2L〜2Rの停止後にメダルの払い出しや遊技状態の移行も行われるので、これらの付随的な処理も広義には“ゲーム”に含まれる。
図4から図6は、入賞役の種類、図柄組み合わせなどを説明するための図である。名称欄には、入賞役の名称を示し、図柄の組合せ欄には、その入賞役が入賞となる図柄の組合せを示している。たとえば、図4に示すように、入賞役のうち特別役には、ビッグボーナス(以下、各々のビッグボーナスをBBと称する)、レギュラーボーナス(以下、各々のレギュラーボーナスをRBと称する)の2種類のボーナスが含まれる。また、BBとRBをまとめて、ボーナスという場合もある。
BBは、RT0〜4において入賞ラインLNに「青7−青7−青7」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。BBに入賞すると、後述のレギュラーボーナス(以下、RBと称する)に毎ゲーム制御されるビッグボーナスに移行される。そして、ビッグボーナスは、316枚以上メダルが払い出されたことを条件として終了する。
RBは、RT0〜4において入賞ラインLNに「青7−青7−赤7」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。RBに入賞すると、レギュラーボーナス(以下、RBと称する)に移行される。そして、RBの入賞に起因して発生したレギュラーボーナスは、いずれかの役が6回入賞するか、12ゲーム消化したことを条件として終了する。
図5は、入賞役のうち小役について説明するための図である。小役は、入賞したときにメダルが付与される役である。たとえば、1枚ベル1Aは、いずれの遊技状態においても入賞ラインLNに「リプレイ−チェリーa−白7」の組み合わせが揃ったときに入賞となり、RT1〜RT4において1枚ベル1Aが入賞したときには1枚のメダルが払い出される。また、RBにおいて1枚ベル1Aが入賞したときには8枚のメダルが払い出される。このように、図5の配当の括弧書きは、ボーナス中の払出枚数を示す。
図6は、入賞役のうちリプレイ役(再遊技役ともいう。)について説明するための図である。また、再遊技役(リプレイ)は、再遊技を付与する役である。ここで、再遊技とは、遊技者所有の遊技用価値(たとえば、クレジット)を用いることなく次の遊技を行うことが可能であることをいう。換言すると、再遊技とは、遊技者所有の遊技用価値を用いることなく可変表示部が変動表示可能となることであることをいう。本実施形態では、再遊技役が当選すると、導出操作手段の操作手順(操作順序、および操作タイミングのうちの少なくとも1つ)に関わらず、入賞する。なお変形例として、再遊技役は、当選したとしても、導出操作手段の操作手順によっては、入賞しない役(つまり、取りこぼしのある役)であるとしてもよい。
図7は、メイン制御部41により制御される遊技状態の遷移を説明するための図であり、図8は、遊技状態の概要を示す図である。本実施形態におけるスロットマシン1は、リプレイが所定の当選確率(図13の上図の再遊技役欄の数値参照)で当選するRT1〜RT4と、小役の当選確率がRT1〜RT4中であるときよりも向上するボーナスとを含む複数種類の遊技状態のうち、開始条件が成立してから終了条件が成立するまで対応するいずれかの遊技状態に制御される(図7の矢印に沿って示した入賞役あるいは出目参照、図8の開始条件・終了条件欄の参照)。
たとえば、RT1に制御されているときにおいて、1枚ベルが入賞(導出)したとき、転落リプが入賞(導出)したとき、およびベルこぼしが導出したとき、いずれにおいても、RT2に制御される。また、RT3に制御されているときにおいて、1枚ベルが入賞(導出)したとき、転落リプが入賞(導出)したとき、およびベルこぼしが導出したとき、いずれにおいても、RT2に制御される。以下では、1枚ベル、転落リプ、およびベルこぼしをまとめて「移行表示結果」という場合もある。
また、RT3は、図13に示すように、RT1およびRT2よりもリプレイの当選確率が高いことから、「有利RT」という場合もある。RT2は、RT1よりもリプレイ当選確率が高く、かつ移行表示結果が1回導出されることにより、有利RTであるRT2に制御されることから、「通常RT」という場合もある。RT1は、RT1〜RT3の中で最もリプレイ当選確率が低く、かつ、RT3に制御されるためには、RT2を経由する必要があることから、「不利RT」という場合もある。
図9〜図13は、遊技状態毎に抽選対象役(以下、当選役ともいう)として読み出される抽選対象役の組合せを示す図である。抽選対象役欄には、その名称を示し、遊技状態欄には、RTの種類毎に、丸印でその抽選対象役が抽選対象であることを示し、丸印の下の数値により当選確率にかかわる判定値数を示している。例えば、左中ベル1は、R1〜RT4のいずれにおいても、455/65536で当選する抽選対象役である。
また、ボーナス中(RB中)においては、たとえば、RB中ベルが抽選対象役に設定されており、該RB中は必ず当選するように設定されている(当選確率は、65536/65536と設定されている)。また、RB中ベルは、操作タイミングにかかわらず入賞を発生し得る役である。このため、ボーナス中においては、操作タイミングおよび操作手順にかかわらず、極めて高い確率でRB中ベル入賞を発生させることができ、メダル枚数を効率的に増加させることができる。このため、ボーナスは、遊技者にとって有利な状態である。また、本実施形態では、ボーナス中の小役当選確率の合算値(65536/65536)は、非ボーナス中の状態(RT1〜RT4)の小役当選確率の合算値よりも極めて高くなるように設定されている。なお、ボーナス中のRB中ベルの当選確率は極めて高ければ、他の値でもよく、たとえば、65000/65536としてもよい。
なお、本実施形態では、ボーナス中は共通ベルのみが当選し、押し順ベルが当選しないとして説明した。しかしながら、RB中ベルを共通ベルとし、ボーナス中は、他のベル(たとえば、押し順ベル)および該共通ベルが当選するようにしてもよい。また、この場合には、押し順ベルは、他のRT中と同様の当選確率に設定するようにしてもよい。また、共通ベルの当選確率は極めて高い数値(たとえば、45000/65536)としてもよい。また、共通ベルは、他のRT状態の少なくとも1の状態において当選するようにしてもよい。
図14〜図16は、抽選対象役により入賞が許容される役の組み合わせについて説明するための図である。たとえば、左中ベル1は、1枚ベル1Aと、1枚ベル1Bと、1枚ベル4Aと、1枚ベル4Bと、中段ベルとを含む。よって、内部抽選で左中ベル1が当選したときには、1枚ベル1Aと、1枚ベル1Bと、1枚ベル4Aと、1枚ベル4Bと、中段ベルとに当選したことになる。
図17〜図20は、複数の入賞役が同時当選したときのリール制御を説明するための図である。当選した抽選対象役毎に、押し順欄に示す押し順で停止操作されたときに、その右の停止する図柄組合せに示す入賞役の図柄組合せを入賞ラインLNに停止させるリール制御が行なわれる。また、抽選対象役毎に、該抽選対象押し順が対応付けられており、以下では、該対応付けられた押し順を「正解押し順」ともいう。また、該正解押し順とは異なる押し順を「不正解押し順」ともいう。
たとえば、図17に示すように、左中ベル1が当選したゲームにおいて、左中右(正解押し順)で操作されたときには、中段ベルが入賞し、それ以外の押し順(不正解押し順)で操作されたときには、1枚ベル1A、1枚ベル1B、1枚ベル4A、1枚ベル4B、およびベルこぼしのいずれかが導出される。ベルこぼしは、1枚ベル1A、1枚ベル1B、1枚ベル4A、1枚ベル4Bのいずれも導出させることができないタイミングであり、かつ不正解押し順で操作されたときに、導出される表示結果である。
また、図20は、左昇格リプ〜右転落回避リプのリール制御を説明するための図である。たとえば、左昇格リプが当選したゲームにおいて、左第1停止(正解押し順)で操作されたときには、昇格リプが入賞し、左第1停止以外の押し順(不正解押し順)で操作されたときには、中段リプが入賞する。
以下では、図17〜図19に示す左中ベル1〜右中ベル8をまとめて「押し順ベル」ともいう。また、図20に示す左昇格リプ〜右転落回避リプをまとめて「押し順リプ」ともいう。また、「押し順ベル」と「押し順リプ」とをまとめて「押し順役」ともいう。
また、本実施の形態のスロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率が変わるものである。詳しくは、設定値に応じて、後述する内部抽選で用いる当選確率を決定することにより、メダルの払出率が変わるようになっている。設定値に応じて当選確率が変化することを設定差あり、設定値に応じて当選確率が変化しないことを設定差なしとも言う。設定値は1〜6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど払出率が低くなる。すなわち設定値として6が設定されている場合には、遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。ただし、複数種類の抽選対象役のうち、遊技者にとっての有利度合いが高い状態(CZと呼ばれるAT抽選の高確率状態、および後述するATのような純増枚数が多くなる状態など)にある区間へ移行するか否かを決定する有利区間作動抽選の対象となる抽選対象役は、設定差がない。一方、複数種類の抽選対象役のうち、有利区間作動抽選の対象にならない抽選対象役は、設定差があってもよい。なお、設定値を変更するためには、スロットマシン1の内部に設けられた操作部(図示せず)を管理者が操作し、設定値を変更可能な設定変更状態に移行させればよい。また、設定値を確認するためには、管理者が所定の操作をして、設定値を確認可能な設定確認状態に移行させればよい。
なお、設定値の設定に応じて内部抽選の当選確率を変化させること、設定値の設定に応じて有利区間作動抽選の当選確率を変化させること、および設定値の設定に応じて内部抽選の当選確率を変化させるとともに有利区間作動抽選の当選確率を変化させることのいずれが行われるものであってもよい。また、以下では、レバーオンとは、1ゲームの遊技が可能となる状態におけるスタートスイッチ7への操作である。
[ATに関する処理について]
メイン制御部41は、ボーナスやRT2などの有利な状態に加えて、AT(アシストタイム)に関する制御(後述するアイテムの記憶などを含む)を実行可能である。メイン制御部41は、ATに制御するか否かのAT抽選を実行する。また、メイン制御部41は、AT抽選でATに制御すると決定した場合にATに制御し、押し順役が当選したゲームでは、正解手順を特定可能な情報を報知するナビ演出を実行するための処理を実行する。
メイン制御部41は、非AT中においては、特定のAT抽選対象役(本実施形態では、図12に示すベル、弱スイカ、強スイカ、弱チェリー、強チェリー、中段チェリー)が当選した場合に、ATに制御するか否かを決定するAT抽選処理を行う。AT抽選処理では、ATに制御するか否かを決定するとともに、ATに制御すると決定したときには、複数種類のゲーム数(50、100、150、200、250、300)からATゲーム数を決定する。
また、図示しない設定変更状態が終了した後において、RT1に制御される。設定変更状態に制御されることにより非ATとなるため、RT1ではATに制御されず、ナビ演出が実行されない。このように、RT1においてナビ演出が実行されることがないため、RT1において押し順ベルまたは押し順リプが当選すると、第2停止と第3停止のタイミングによっては移行表示結果が導出される(図14参照)。よって、いつまでも移行表示結果が導出されずにRT2に移行されないといった不都合の発生を防止することができる。また、非ATであるときにおいて、ゲームの大半は、RT2で遊技させることになる。
RT2において、ATに制御されたときにおいて、左昇格リプ〜右昇格リプが当選したときには、昇格リプを入賞させる押し順(正解押し順)がナビ演出として報知される。報知された押し順で操作したときには、昇格リプが入賞することから、有利RTであるRT3に制御される。また、RT3であり、AT中である場合(ART中である場合)において、左転落回避リプ〜右転落回避リプ、および押し順ベルのいずれかが当選したときには、移行表示結果を導出させない押し順(正解押し順)が導出される。したがって、AT中は、RT3への制御を維持させることができる。一方、RT3において、ATゲーム数が0になることにより、ナビ演出が実行されない。このような場合において、左転落回避リプ〜右転落回避リプ、および押し順ベルが当選したときには、ナビ演出無しでは、正解押し順で操作することが困難となり、移行表示結果が導出してしまう。RT3中で移行表示結果が導出されたときには、RT2に転落してしまう。このように、ATに制御されることにより、遊技者は、多くのメダルを獲得できる。
[特定演出について]
サブ制御部91は、特定表示結果が導出されたときに、特定演出を実行可能である。特定表示結果は、たとえば、移行表示結果(図7に示す1枚ベル、転落リプ、ベルこぼし)などを含む。特定演出は、特定表示結果が導出されたことを示唆または報知する演出である。該特定演出を実行することにより、遊技者に特定表示結果が導出されたことを認識させることができる。また、特定演出は、リールフラッシュ、導出時音出力、メダル払出音出力、自動BET音出力、メダル付与表示のうちの少なくとも1つを含む。本実施形態の特定演出はこれら全てを含む。
リールフラッシュとは、特定表示結果が導出されたときに、リールLED55を特定態様で発光させることにより、該特定表示結果が導出されたことを遊技者に認識させる演出である。以下では、該特定態様での発光の制御を「発光制御」という。ここで、発光制御の一例を説明する。たとえば、遊技中は全てのリールLED55を発光させているように制御する。この場合において、発光制御とは、特定表示結果が導出された導出箇所(たとえば、入賞ライン上の3つの図柄)を発光させるとともに、それ以外の箇所を発光させない制御を含む。また、発光制御は、該それ以外の箇所よりも、導出箇所を高い輝度で発光させる制御としてもよい。また、発光制御は、特定表示結果が導出された状態で、全ての図柄(9つの図柄)を発光させるようにしてもよい。また、該発光については、継続的に発光させるようにしてもよく、断続的に発光させる(点滅させる)ようにしてもよい。
また、導出時音出力は、特定表示結果が導出されたときに、該特定表示結果の導出に対応した導出時音をスピーカ53、54から出力させる演出である。
メダル払出音出力は、特定表示結果が遊技媒体(メダルまたはクレジット)の付与を伴う表示結果である場合に実行される演出である。メダル払出音出力は該付与された遊技媒体の量(メダル枚数)に応じた音を出力する演出である。本実施形態では、1枚のメダルの払出に対応した音が「ドゥン」という音である。たとえば、8枚のメダルが払出される小役が入賞したときには、「ドゥン」が8回出力される。
メダル付与表示は、特定表示結果が遊技媒体(メダルまたはクレジット)の付与を伴う表示結果である場合に実行される演出である。メダル付与表示は、液晶表示器51に、付与されたメダル枚数を表示する演出である。たとえば、8枚のメダルが払出される小役が入賞したときには、液晶表示器51に「8枚GET!!」という文字が表示される。
自動BET音出力は、特定表示結果が再遊技を付与するリプレイである場合に実行される演出である。自動BET音出力は、リプレイが付与されたときに、自動的に(スロットマシン側で)、自動的にBET処理が実行されたことを示す音を出力する演出である。本実施形態では、1ゲームを遊技するためには、3枚のメダル(クレジット)が必要である。自動BET音出力は、所定音(本実施形態では、テッ)をスピーカ53、54から3回出力させる演出である。つまり、自動BET音出力は、テッという音を出力させる演出である。
図21は、特定演出の実行タイミングを説明するための図である。図21(A)は、小役入賞した場合の特定演出を説明するための図である。図21(A)に示すように、小役入賞したときには、特定演出として、リールフラッシュと、導出時音出力と、メダル払出音出力と、メダル付与表示が実行される。図21(A)に示すように、小役入賞時であるタイミングT1において、リールフラッシュ、導出時音出力、およびメダル払出音が実行される。また、タイミングT1において、メダルの払出処理も実行される。ここで、タイミングT1について詳細を説明すると、たとえば、第3停止により、小役入賞を発生させる表示結果が導出されたときにおいて、タイミングT1は、該第3停止が終了したタイミング(第3停止したストップスイッチから遊技者の指が離されたタイミング)である。なお、タイミングT1は、他のタイミングとしてもよく、たとえば、該第3停止が開始したタイミングとしてもよい。
また、タイミングT2においては、メダル付与表示が実行される。タイミングT2は、タイミングT1より後のタイミングであればよい。タイミングT2は、たとえば、タイミングT1で実行されたメダルの払出処理が終了したタイミングとしてもよい。また、メダル付与表示、およびメダル払出音出力は、該付与されるメダルの枚数に対応した期間に亘って実行される演出である。たとえば、小役表示結果が8枚のメダルを払出す表示結果である場合には、メダル付与表示は、8枚のメダルが払出されている払出期間、もしくは、該払出期間以上の期間に亘って実行される。また、この場合には、メダル払出音出力は、「ドゥン」という音が8回出力される。また、小役入賞時の導出時音出力として、たとえば、「キラーン」という音が出力される。
図21(B)は、リプレイ入賞した場合の特定演出を説明するための図である。図21(B)に示すように、リプレイ入賞したときには、特定演出として、リールフラッシュと、導出時音出力と、自動BET音出力が実行される。図21(B)に示すように、リプレイ入賞時であるタイミングT1において、リールフラッシュ、および導出時音出力が実行される。タイミングT1は、図21(A)同様、たとえば、第3停止が終了したタイミングである。また、タイミングT3においては、自動BET音出力が実行される。また、リプレイ入賞時の導出時音出力として、たとえば、「ピローン」という音が出力される。このように、本実施形態では、リプレイ入賞時の導出時音出力と小役入賞時の導出時音出力とを異ならせるようにしてもよい。これにより、リプレイが入賞したのか小役が入賞したのかを、導出時音により明確に認識させることができる。また、変形例として、リプレイ入賞時の導出時音出力と小役入賞時の導出時音出力とを同一にしてもよい。これにより、導出時音出力で用いられる音データを削減できる。
[特定演出の実行有無などについて]
図22は、制御されている制御状態および内部抽選の当選状況に対応付けて、特定演出の実行有無、特定演出の内容などを説明するための図である。また、図22の各項目には、参照符号A〜Gを付している。
図22Aでの制御状態および当選状況は、不利RT(RT1)中に、転落リプ、1枚ベル、ベルこぼしのいずれかが導出されたときである。なお、図7に示すように、RT1中に転落リプ、1枚ベル、ベルこぼしのいずれかが導出されたときには、通常RT(RT2)に移行することから、遊技者にとって有利となる。このような表示結果が導出されたときには、特定演出は実行される。また、特定演出として、導出時音出力、リールフラッシュが実行される。また、小役(1枚ベル)が入賞したときには、特定演出として、メダル払出音出力が実行される。また、転落リプレイが入賞したときには、特定演出として、自動BET音出力が実行される。
図22Bでの制御状態および当選状況は、有利RT(RT3)中に、転落リプ、1枚ベル、ベルこぼしのいずれかが導出されたときである。なお、図7に示すように、RT3中に転落リプ、1枚ベル、ベルこぼしのいずれかが導出されたときには、通常RT(RT2)に移行することから、遊技者にとって不利となる。このような表示結果が導出されたときには、特定演出は実行されない。また、本実施形態では、特定演出が実行されなかったときには、所定の設定示唆確率で設定示唆演出が実行される。設定示唆演出は、現在設定されている設定値(以下、「現在設定値」ともいう。)が示唆される演出である。設定示唆演出は、図24などで説明する。また、設定示唆確率は、100%としてもよく、他の値(たとえば、10%)としてもよい。
図22Cでの制御状態および当選状況は、不利RT(RT1)または通常RT(RT2)中に、転落リプ以外のリプレイが導出されたときである。このような表示結果が導出されたときには、特定演出が実行される。また、特定演出として、導出時音出力、リールフラッシュ、および自動BET音出力が実行される。
図22Dでの制御状態および当選状況は、有利RT(RT3)中に、転落リプ以外のリプレイが導出されたときである。このような表示結果が導出されたときには、特定演出が実行されない。また、本実施形態では、特定演出が実行されなかったときには、所定の設定示唆確率で設定示唆演出が実行され得る。
図22Eでの制御状態および当選状況は、アイテムATで中段ベルが導出されたときである。アイテムATについては、図28で説明する。なお、図28で説明するように、アイテムAT中に、右下がりベルが導出されると遊技者にとって不利となる一方、中段ベルが導出されると遊技者にとって有利となる。このような表示結果が導出されたときには、特定演出は実行される。また、特定演出として、導出時音出力、リールフラッシュ、メダル払出音出力、およびメダル付与演出が実行される。
図22Fでの制御状態および当選状況は、アイテムATで、遊技者にとって不利となる右下がりベルが導出されたときである。このような表示結果が導出されたときには、特定演出は実行されない。また、本実施形態では、特定演出が実行されなかったときには、所定の設定示唆確率で設定示唆演出が実行され得る。
図22Gでの制御状態および当選状況は、非アイテムATで中段ベルまたは右下がりベルが導出されたときである。このような表示結果が導出されたときには、特定演出が実行される。また、特定演出として、導出時音出力、リールフラッシュ、メダル払出音出力、およびメダル付与演出が実行される。非アイテムATとは、アイテムATとは異なる状態をいう。
[RT1中に転落リプが導出したとき]
次に、図23を用いて、RT1中に転落リプが入賞した場合を説明する。図23は、図22Aに示すように、不利RT(RT1)中に転落リプが導出した場合の詳細を説明するための図でもある。
図23(A)では、RT1中にレバーオン操作が実行された場合を示す。また、該レバーオン操作に基づく内部抽選では中転落回避リプが当選したとする。また、図23(A)では、キャラAがセリフを話しているセリフ演出が実行された例を示したものである。また、背景画像として太陽の画像が表示されている。図23(B)は、中転落回避リプの不正解押し順である左第1停止が実行されたときを示す。図23(C)は、中第2停止が実行されたときを示す。図23(D)は、右第3停止が実行されたときを示す。図23(D)に示すように、RT1中に、転落リプが導出されたときには、特定演出として、リールフラッシュが実行されるとともに、導出時音(ピローン)が出力される。また、図23(E)に示すように、導出時音の出力が終了すると、特定演出として自動BET音出力(テッという音が3回)が実行される。その後、図23(F)に示すように、次のゲームではRT2に移行される。
[RT3中に転落リプが導出したとき]
次に、図24を用いて、RT3中に転落リプが入賞した場合を説明する。図24は、図22Bに示すように、有利RT(RT3)中に転落リプが導出した場合の詳細を説明するための図でもある。
図24(A)では、RT1中にレバーオン操作が実行された場合を示す。また、該レバーオン操作に基づく内部抽選では中転落回避リプが当選したとする。また、図24の状況では、ATに制御されて、RT3に制御されたが、該RT3中において、ATゲーム数が0になり、ナビ演出が実行されない場合などを示したものである。また、図24(A)では、キャラAがセリフを話しているセリフ演出が実行された例を示したものである。また、背景画像として太陽の画像が表示されている。図24(B)は、中転落回避リプの不正解押し順である左第1停止が実行されたときを示す。図24(C)は、中第2停止が実行されたときを示す。図24(D)は、右第3停止が実行されたときを示す。図24(D)に示すように、RT3中に、転落リプが導出されたときには、特定演出は実行されない。該特定演出が実行されない代わりに、設定示唆演出が実行され得る。図24(D)では、設定示唆演出として、キャラCが表示される演出が実行される。その後、図24(E)に示すように、次のゲームではRT2に移行される。
[コマンド関連処理と、特定演出関連処理]
次に、コマンド関連処理の一部と、特定演出関連処理について説明する。まず、図25を用いて、メイン制御部41により実行されるコマンド関連処理を説明する。まず、S2において、第3停止が終了したか否かが判断される。第3停止の終了とは、第3停止したストップスイッチから遊技者の指が離されたことである。第3停止が終了するまで、S2の判断が繰り返される。S2において、YESと判断されると、S4に進む。S4において、入賞判定処理が実行される。入賞判定処理は、第3停止されたことにより導出された表示結果が入賞を発生させるか否かを判定する処理である。
S6において、入賞が発生していると判断された場合には、S8に進む。S8において、メダル払出処理を実行するとともに、入賞コマンドを送信する。メダル払出処理は、S4の入賞判定処理において小役が入賞したと判定されたときに、該入賞に応じたメダルを払出す処理である。また、入賞コマンドは、入賞役を識別する情報(たとえば、入賞役に付された番号)と、該入賞により払出されるメダルの枚数を含むコマンドである。また、S8の処理終了後、S10に進む。S10において、発生した入賞がリプレイであるか否かが判断される。S10において、YESと判断されたときには、S12において、リプレイ時メダル投入コマンドが送信される。リプレイ時メダル投入コマンドとは、リプレイが入賞することにより、自動BETされたことを特定可能なコマンドである。また、S6、またはS10でNOと判断された場合には、コマンド関連処理は終了する。
次に、図26を用いて、サブ制御部91により実行される特定演出関連処理を説明する。S22において、メイン制御部41から入賞コマンド(図25のS8)を受信したか否かを判断する。入賞コマンドを受信していないと判断すると、特定演出関連処理を終了する。S12においてYESと判断されると、S14に進む。S24においては、導出時音出力およびリールフラッシュが実行される。なお、入賞コマンドが小役の入賞を特定するものである場合には、S24において、メダル払出音出力も実行される。
次に、S26においては、リプレイ時メダル投入コマンド(図25のS12)を受信したか否かが判断される。S26においてYESと判断された場合には、S28に進む。S28においては、自動BET音出力が実行される。なお、S22およびS24においてNOと判断された場合には、特定演出関連処理は終了する。なお、図21(B)のタイミングT1は、S24の処理実行タイミングに該当し、タイミングT3は、S28の処理実行タイミングに該当する。
本実施形態では、導出時音出力およびリールフラッシュが開始されるタイミング(図21のタイミングT1)と、自動BET音出力が開始されるタイミング(図21のタイミングT3)とで若干の時間差がある。これにより、導出時音出力と自動BET音出力とが同時に出力されることを防止できる。
[設定示唆演出について]
次に、設定示唆演出について説明する。図22などで説明したように、特定演出が実行されない場合には、設定示唆演出が実行され得る。特定演出が実行されない場合には、まず、設定示唆演出が実行されるか否かを決定する設定示唆演出実行有無抽選が実行される。該設定示唆演出実行有無抽選は、前述した所定の設定示唆確率に基づいて実行される。該設定示唆演出実行有無抽選により、設定示唆演出の実行が決定されたときには、実行される設定示唆演出の種別を決定するための設定示唆演出種別抽選が実行される。該設定示唆演出種別抽選は、図27に示す設定示唆演出種別抽選用テーブルを用いて実行される。
図27の例では、現在設定値が1〜5のうちのいずれかである場合には、キャラBが表示される設定示唆演出が100%の確率で決定される。また、現在設定値が6である場合には、キャラBが表示される設定示唆演出が99%の確率で決定され、キャラCが表示される設定示唆演出が1%の確率で決定される。図27の例では、キャラBが表示される設定示唆演出は、現在設定値が1〜6のうちいずれであるときにも実行される。したがって、遊技者は、現在設定値を把握し難いといえる。一方、キャラCが表示される設定示唆演出は、現在設定値が6の場合に実行され、現在設定値が1〜5のいずれかである場合には実行されない。したがって、該キャラCが表示される設定示唆演出が実行されると、遊技者は、現在設定値が6であることを把握できる。なお、設定示唆演出は、キャラAのセリフ演出が実行されている場合における演出を例示したが、他の態様で、設定示唆演出を実行するようにしてもよい。
[アイテムATについて]
次に、アイテムATに説明する。本実施形態では、アイテムAT以外のATは、付与されたATゲーム数に亘って制御される。一方、アイテムATは、付与されたアイテムに基づく期間に亘って制御される。また、アイテムATは他のAT同様に、押し順役が当選したゲームでは、正解押し順を報知するナビ演出が実行される。
図28は、アイテムATを説明するための図である。本実施形態では、複数種類のアイテムがあり、図28に示すように、丸、二重丸、および三重丸がある。なお、三重丸については、図28では図示していない。また、アイテムATに制御されると、付与されたアイテムが使用されている使用状態に制御される。使用状態中では、付与されたアイテムが所定領域(図28の例では、右上の領域)に表示される。また、使用状態においては、付与されたアイテムの種類に応じた回数だけ、右下がりベルが導出すると、該アイテムは喪失される。この回数については、「ライフ」という場合もある。たとえば、右下がりベルが1回導出されると、ライフが「1」減少する。1のアイテムは、該アイテムのライフが0になると、喪失する。本実施形態では、丸のアイテムに対応する所定回数は5回であり(丸のアイテムのライフは5であり)、二重丸のアイテムに対応する所定回数は10回であり(二重丸のアイテムのライフは10であり)、三重丸のアイテムに対応する所定回数は15回である(三重丸のアイテムのライフは15である)。また、複数のアイテムが付与された場合には、所定回数(ライフ)が少ないアイテムから順番に使用状態に制御される。たとえば、1つの丸のアイテムと、1つの二重丸のアイテムとが付与されたときにおいて、丸のアイテムの使用状態となる。該使用状態において、右下がりベルが5回導出されたときには、該使用状態であった該丸のアイテムのライフは0になることから、該丸のアイテムが喪失される。次に、二重丸のアイテムが使用状態となり、該使用状態において、右下がりベルが10回導出されたときには、該使用状態であった二重丸のアイテムのライフは0になることから、該二重丸のアイテムは喪失される。全てのアイテムが喪失されることにより、アイテムATへの制御は終了する。このように、右下がりベルは、メダルは付与されるものの、アイテムのライフを1減少させることから、遊技者にとって不利な表示結果であるといえる。一方、右下がりベル以外の小役(たとえば、中段ベル)は、メダルが付与され、かつアイテムのライフは減少しない役であることから、遊技者にとって有利な表示結果であるといえる。
また、特定のAT抽選対象役が当選したゲームにおいて、ATに制御されることが決定されたときには、さらに、アイテムATに制御させるか否かを決定するアイテムAT抽選が実行される。アイテムAT抽選により、アイテムATへの制御が決定された場合には、付与するアイテムを決定するアイテム抽選が実行される。また、アイテムAT中においても、所定のアイテム条件が成立すると、アイテム抽選が実行される。アイテム条件とは、所定の当選役(たとえば、チェリーなど)が当選することにより成立する条件である。また、アイテム抽選では、各々のアイテムについて付与確率が定められている。たとえば、アイテムの付与なしが決定される確率が40%と規定されており、丸のアイテムの付与が決定される確率が30%と規定されており、二重丸のアイテムの付与が決定される確率が20%と規定されており、三重丸のアイテムの付与が決定される確率が10%と規定されている。
また、アイテムAT中に、右下がりベル以外の表示結果が導出されたときには、付与されたアイテムのライフは減少されない一方、右下がりベルが導出されたときには、付与されたアイテムのライフは減少される。したがって、アイテムAT中に右下がりベルが導出されることは遊技者にとって不利となる。
図28(A)は、アイテムAT中でレバーオンが実行されたときを示している。図28(A)の例では、中第1停止操作、左第2停止操作、右第3停止操作を報知するナビ演出が実行されていることを示している。また、図28(A)の例では、アイテムAT中で付与されたメダル枚数(図28(A)の例では、0枚)が表示されている。また、図28(A)の例では、付与されたアイテムとして、丸のアイテムと、二重丸のアイテムが付与されたことが表示されている。また、図28(A)の例では、丸のアイテムが使用状態であることを示しており、丸のアイテムの横に5/5が表示されている。5/5のうち、分子の「5」は、アイテムの現在のライフを示し、分母の「5」は、アイテムの最大のライフを示す。
図28(B)は、中段ベルが導出されたことを示す図である。中段ベルは、アイテムのライフを減少させない表示結果であるとともに、8枚のメダルを付与する表示結果である。したがって、アイテムAT中の中段ベルは遊技者にとって有利な役である。この場合には、図28(B)に示すように、特定演出(リールフラッシュ、導出時音出力)が実行される(図22E参照)。
図28(C)は、右下がりベルが導出されたことを示す図である。右下がりベルは、アイテムのライフを減少させる表示結果であることから、遊技者にとって不利な役である。この場合には、図28(C)に示すように、特定演出は実行されない。なお、図28(C)に示すように、右下がりベルが1回導出されたことから、アイテム(図28(C)の例では、丸のアイテム)のライフが、1減少している(4/5が表示されている)。
[RT1とRT3とにおいて、リプレイが導出されたときについて]
次に、RT1とRT3とで通常リプレイを含むリプレイが導出されたときについて説明する。図29(A)は、RT1のゲームで、通常リプレイが当選した場合を示す図である。RT1は、RT1〜RT4の中で、通常リプレイの当選確率が最も低い状態である(図13参照)。
図29(A−1)は、RT1中のゲームでレバーオン操作が実行されたときを示す図である。図29(A−2)は、このゲームで、第3停止が実行されることにより、通常リプレイが導出した場合を示す図である。この場合には、特定演出として、導出時音出力、リールフラッシュが実行される(図22C参照)。また、導出時音出力の後に、図29(A−3)に示すように、自動BET音出力が実行される。
図29(B)は、RT3のゲームで、通常リプレイが当選した場合を示す図である。図29(B−1)は、RT3に制御されているときのゲームでレバーオン操作が実行されたときを示す図である。図29(B−2)は、このゲームで、第3停止が実行されることにより、通常リプが導出した場合を示す図である。この場合には、特定演出は実行されない(図22D参照)。また、設定示唆演出が実行され得る。
[本実施形態の効果]
(1) 本実施形態では、RT1中に移行表示結果(たとえば、図7に示す1枚ベル、転落リプ、およびベルこぼし)が導出されたときには、RT1よりも有利なRT2に制御されるとともに特定演出が実行される(図22A、および図23参照)。したがって、特定演出によりRT2に制御されたことを示唆できる。また、RT3中に特定表示結果が導出されたときには、RT3よりも不利なRT2に制御される一方特定演出が実行されない(図22B、および図24参照)。したがって、RT3よりも不利なRT2に制御されることに起因する不快感を遊技者に感じさせることを防止できる。
(2) また、RT1中に転落リプが導出したときには、特定演出として、リールフラッシュおよび導出時音出力を実行することにより、RT2に制御されたことを示唆できる。また、RT3中に転落リプが導出されたときには、発光制御および音出力制御のうちいずれも実行されないことから、RT2に制御されてしまったことを目立たないようにすることができる。したがって、遊技者を不快にさせることを防止できる。
(3) また、RT1およびRT2中に、リプレイが導出したときには、特定演出として自動BET音出力を実行することにより、リプレイの導出を遊技者に認識させることができる(図22C)。また、RT2中に昇格リプレイが導出した場合には、自動BET音出力により、RT2からRT3に制御されたことを示唆できる。また、RT3中に転落リプが導出されたときには、自動BET音出力は実行されないことから、RT2に制御されてしまったことを目立たないようにすることができる(図22B、図29(B)参照)。したがって、遊技者を不快にさせることを防止できる。
(4) また、特定演出が実行されない場合には、代わりに、設定示唆演出が実行される。したがって、特定演出が実行されなかったときの落胆を軽減させることができる。
(5) また、RT1中において、特定演出が実行されることにより、RT2に制御させることを示唆できる。したがって、RT2に制御されることを遊技者に認識させることができる。
(6) また、移行表示結果であるベルこぼし、および1枚ベルを導出させる当選役である押し順ベルの当選確率は、RT状態に関わらず同一である(図10〜図12参照)。したがって、RT1、RT2、およびRT3のうちのいずれに制御されていても、ベルこぼし、および1枚ベルの導出を許容する割合は同一であることから、制御されている状態によって遊技者に不利益を与えることを防止できる。
(7) また、中段リプ、右上がりリプおよび転落リプのいずれが導出されたときであっても同一の再遊技が付与される。また、RT3において、中段リプまたは右上がりリプが導出されたときには、RT3への制御が維持される一方、転落リプが導出されたときには、RT2に転落してしまう。したがって、RT3に制御されているときにおいて、転落リプが導出されたときの方が、中段リプまたは右上がりリプが導出されたときよりも、再遊技の付与とは異なる観点で、遊技者にとって不利となる。
また、RT1であるときに、中段リプ、右上がりリプおよび転落リプのいずれが導出されたときであっても、特定演出は実行される(図22A参照)。したがって、中段リプ、右上がりリプおよび転落リプのいずれかが導出されたことを示唆できる。一方、RT3であるときに、中段リプ、右上がりリプおよび転落リプのいずれが導出されたときであっても、特定演出は実行されない(図22B参照)。したがって、RT2に転落されたことに起因する不快感を遊技者に感じさせないようにすることができる。
(8) また、中段ベルおよび右下がりベルのいずれが導出されたときであっても同一の8枚のメダルが付与される。また、アイテムATに制御されているときには、中段ベルはアイテムのライフを減少させない一方、右下がりベルはアイテムのライフを減少させる。したがって、アイテムATに制御されているときにおいて、右下がりベルが導出されたときの方が、中段ベルが導出されたときよりも、メダル付与とは異なる観点で、遊技者にとって不利となる。また、アイテムATであるときに、中段ベルが導出されたときには、特定演出は実行される(図22E参照)。したがって、中段ベルが導出されたことを示唆できる。また、アイテムATであるときに、右下がりベルが導出したされたときであっても、特定演出は実行されない(図22F)。したがって、右下がりベルが導出されることに対する緊張感を高めることができる。また、アイテムのライフが減少することに起因する不快感を遊技者に感じさせないようにすることができる。また、非アイテムAT中は、中段ベルが導出されたときでも、右下がりベルが導出されたときでも、特定演出は実行される(図22G参照)。したがって、中段ベルが導出されたこと、および右下がりベルが導出されたことを遊技者に示唆できる。
(9) 中段ベルおよび右下がりベルは共に、メダルの払出を伴う小役である。したがって、中段ベルおよび右下がりベルが導出したときには、該導出された表示結果に応じたメダルが、遊技用価値として付与される。よって、導出された表示結果に注目を集めることができる。
(10) また、中段リプ、右上がりリプおよび転落リプが導出されたときには、いずれも、付与された遊技用価値、つまり、再遊技に応じた期間に亘って、特定演出は実行される。たとえば、自動BETされている期間に亘って、自動BET音出力、および導出時音出力が実行される。また、中段リプ、右上がりリプおよび転落リプが導出されたときには、いずれも、付与された遊技用価値、つまり、再遊技に応じた期間に亘って、特定演出は実行される。たとえば、自動BETされている期間に亘って、自動BET音出力、および導出時音出力が実行される。また、中段ベルおよび右下がりベルが導出されたときには、いずれも、付与された遊技用価値、つまり、該導出された表示結果に応じたメダルの付与に応じた期間に亘って、特定演出は実行される。たとえば、8枚のメダルが付与される場合には、該8枚のメダルが付与される期間に亘って、メダル払出音出力、およびメダル付与表示が実行される。したがって、表示結果に応じた期間に亘って、特定演出が実行されることから、該期間に基づいて、導出された表示結果を示唆することができる。
(11) また、RT3よりもリプレイの当選確率が低いRT1およびRT2では、転落リプ以外のリプレイが導出されたときには特定演出が実行される(図22C、図29(A)参照)。したがって、リプレイが導出したことを遊技者に示唆できる。また、仮に、有利RT中におけるリプレイ入賞時に特定演出が実行される構成である場合には、有利RTでは頻繁にリプレイが当選することから、特定演出も頻繁に実行されることになる。そうすると、遊技者に煩わしさを感じさせてしまう。本実施形態では、有利RT中においては、リプレイが入賞しても特定演出は実行されない(図22D、図29(B)参照)。したがって、このような煩わしさを遊技者に感じさせることを防止できる。
本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記の実施の形態の変形例について説明する。
[ボーナス中において]
本変形例では、ボーナス状態と非ボーナス状態とで小役が導出されたときについて説明する。また、本実施形態では、ボーナス中は、押し順ベルが当選しないと説明したが、本変形例では、ボーナス中では押し順ベルが当選する。また、図10〜図12に示すように、押し順ベルは、48種類存在する。本変形例では、各押し順ベルそれぞれの当選確率は全て、非ボーナス中では、455/65536であるのに対し、ボーナス中では、1365/65536である。ボーナス中の押し順ベルの当選確率の合算値は、65520/65536であり、ボーナス中では、ほぼ、押し順ベルが当選する。また、非ボーナス中とは、ボーナスとは異なる状態をいう。このように、本変形例では、ボーナス中の各押し順ベルの当選確率は、非ボーナス中の各押し順ベルの当選確率の3倍となっている。したがって、ボーナス中では、非ボーナス中と比較して、押し順ベルが頻繁に当選するようになっている。なお、本変形例では、ボーナス中は、押し順ベルしか当選せずに、他の役は当選しないようになっている。
図30(A)は、非ボーナス状態のゲームで、小役として押し順ベルが当選した場合を示す図である。たとえば、非ボーナス状態とは、非ATであるときと、ART(AT+RT3)に制御されているときなどを含む。図30の例では、非ボーナス状態は、ART中である場合を示す。
図30(A−1)は、非ボーナス状態としてARTに制御されているときのゲームでレバーオン操作が実行されたときを示す図である。図30(A−1)に示すように、ARTに制御されていることから、ナビ演出が実行されている。図30(A−2)は、このゲームで、第3停止が実行されることにより、中段ベルが導出した場合を示す図である。この場合には、特定演出として、導出時音出力、リールフラッシュ、メダル付与演出、およびメダル払出音出力が実行される。
図30(B)は、ボーナス状態のゲームで、小役として押し順ベルが当選した場合を示す図である。また、図30(B)は、ボーナス状態であり、かつナビ演出も実行されている状態である。たとえば、ATに制御されているときにおいて、ボーナス当選し該ボーナスが入賞することにより、ボーナス状態に制御されたときには、該ボーナス状態ではナビ演出が実行される。
図30(B−1)は、ボーナス状態に制御されているときのゲームでレバーオン操作が実行されたときを示す図である。図30(B−1)に示すように、ボーナス状態に制御されていることから、ボーナス中演出として、ボーナス中という文字、およびキャラXを表示する演出と、ボーナス楽曲が出力される演出が実行される。図30(B−2)は、このゲームで、第3停止が実行されることにより、中段ベルが導出した場合を示す図である。この場合には、特定演出は実行されない。また、ボーナス中演出は継続されて実行される。また、設定示唆演出が実行され得る。
このように、ボーナス状態よりも押し順ベルの当選確率が低い非ボーナス状態では、中段ベルなどの小役が導出されたときには特定演出が実行される(図30(A)参照)。したがって、中段ベルなどの小役が導出したことを遊技者に示唆できる。
仮に、ボーナス中における中段ベルなどの小役入賞時に特定演出が実行される構成である場合には、ボーナス中では頻繁に押し順ベルが当選することから、特定演出も頻繁に実行されることになる。そうすると、遊技者に煩わしさを感じさせてしまう。また、実行されているボーナス中演出が、特定演出により阻害されてしまう。本実施形態では、ボーナス中においては、中段ベルなどの小役が入賞しても特定演出は実行されない(図30(B)参照)。したがって、このような煩わしさを遊技者に感じさせることを防止できる。また、ボーナス中演出が特定演出により阻害されることを防止できる。たとえば、ボーナス中演出としてボーナス楽曲が出力されるが、該ボーナス楽曲が、たとえば、特定演出としてのメダル払出音により阻害されることを防止できる。
また、図30に示すように、非ボーナス状態およびボーナス状態のうちのいずれであっても、ナビ演出は実行可能である。また、非ボーナス中(たとえば、ART中)においては、小役が入賞したときには、メダル付与表示が実行される(図30(A−2)参照)。また、ボーナス中には、ボーナス中演出として、キャラXが表示される演出が実行される。仮に、ボーナス中における小役入賞時にメダル付与表示が実行される構成である場合には、ボーナス中では頻繁に小役が当選することから、メダル付与表示も頻繁に実行されることになる。そうすると、表示されているキャラXの視認が阻害されてしまう。本実施形態では、ボーナス中においては、小役が入賞しても、メダル付与表示が実行されない(図30(B−2)参照)。したがって、表示されているキャラXの視認を阻害されることを防止できる。
また、さらなる変形例として、RB中ベルを共通ベルとし、該共通ベルは、非ボーナス中であるかボーナス中であるかに関わらず当選する。非ボーナス中での共通ベルの当選確率は、50/65536となり、極めて低い確率となっている。一方、ボーナス中での共通ベルの当選確率は、65536/65536となり、必ず当選するようになっている。なお、ボーナス中での共通ベルの当選確率は極めて高い確率であればよく、たとえば、65000/65536としてもよい。また、押し順ベルは、非ボーナス中では当選する一方、ボーナス中では当選しないとする。したがって、ボーナス中ではナビ演出は実行されないとする。
このような構成の場合において、非ボーナス中に共通ベルが入賞した場合には、特定演出を実行する。これにより、極めて低い確率で当選した共通ベルの入賞を祝福することができる。一方、ボーナス中に共通ベルが入賞した場合には、特定演出を実行しない。これにより、特定演出が頻繁に実行されることや、実行されているボーナス中演出が特定演出により阻害されてしまうことを防止できる。
[RT1およびRT3において]
また、RT3では、リプレイが導出されたときには、特定演出が実行されないとして説明した。しかしながら、以下のように構成してもよい。たとえば、RT1において、遊技者にとって有利となる移行表示結果(たとえば、図7に示す1枚ベル、転落リプ、およびベルこぼし)が導出されたときには、特定演出を実行する。また、RT3において、遊技者にとって不利となる移行表示結果が導出されたときには、特定演出を実行しない。また、遊技者にとっての有利度が変わらない表示結果(中段リプおよび右上がりリプなど)が導出されたときには、RT1およびRT3であるかに関わらず特定演出を実行する。有利度が変わらない表示結果とは、たとえば、制御されているRT状態が移行しないことをいう。
このような構成によれば、RT1およびRT3のうちのいずれであるかに関わらず、有利度が変わらない表示結果が導出されたときには、特定演出が実行される。したがって、該表示結果が導出されたことを示唆できる。また、RT1で移行表示結果が導出されたときには、特定演出が実行される。これにより、RT2に移行されることを示唆できる。一方、RT3で、該表示結果よりも不利な表示結果(移行表示結果)が導出されたときには、特定演出は実行されない。したがって、遊技者にとって不利な特定表示結果が導出されたことに起因する不快感を遊技者に感じさせないようにすることができる。
[特定演出について]
(1) 前述の実施形態では、特定演出を実行するか否かの基準は第1〜第3の基準を含む。第1の基準は、遊技者にとって不利となる特定表示結果が導出されたときには特定演出を実行せず、遊技者にとって有利となる特定表示結果が導出されたときには特定演出を実行するというものである。このような第1の基準を設けることにより、「遊技者にとって不利となる特定表示結果が導出されたにも関わらず特定演出が実行される不快感」を遊技者に感じさせることを防止できる。たとえば、図22Aおよび図22Bに示すように、不利RTで転落リプが導出したときには、該不利RTから通常RTに昇格することから、特定演出を実行する一方、有利RTで転落リプが導出したときには、該不利RTから通常RTに昇格することから、特定演出を実行しない。この特定演出の制御は、第1の基準に基づくものである。このように、第1の基準に基づくものであれば、特定演出に対する制御を他の制御としてもよい。たとえば、所定ゲーム(1ゲームも含む)毎に、所定確率でAT抽選を実行するAT特化ゾーン(遊技者にとって有利な状態(期間))に制御可能なスロットマシンにおいて、AT特化ゾーンに制御されているときに、特定表示結果が導出すると、該AT特化ゾーンが終了し、AT特化ゾーンとは異なるゾーン(非AT特化ゾーン)において、特定表示結果が導出すると、AT特化ゾーンに制御されるようにしてもよい。つまり、非AT特化ゾーンに制御されているときにおいて特定表示結果が導出すると、AT特化ゾーンに制御され(遊技者にとって不利となり)、AT特化ゾーンに制御されているときにおいて特定表示結果が導出すると、非AT特化ゾーンに制御される(遊技者にとって有利となる)。このような構成を採用している場合には、非AT特化ゾーンに制御されているときにおいて特定表示結果が導出すると、特定演出を実行し、AT特化ゾーンに制御されているときにおいて特定表示結果が導出すると、特定演出を実行ないようにしてもよい。
また、第1の基準について以下のようにしてもよい。たとえば、ボーナスは、第1ボーナスと第2ボーナスとを含む。第1ボーナスは、ベルが高確率で当選するボーナスであり、第2ボーナスはチェリーが高確率で当選するボーナスである。ここでチェリーは、当選することによりAT抽選が実行される役である一方、ベルは、当選することによりAT抽選が実行されない役である。そうすると、第1ボーナスの方が第2ボーナスよりも不利となり、ベルの方が、チェリーよりも不利となる。このような構成を採用している場合に、第1ボーナス中では特定演出を実行せずに、第2ボーナス中に特定演出を実行するようにしてもよい。このような構成によれば、第2ボーナス中において遊技者にとって有利なチェリーが入賞したときには特定演出が実行されることから、チェリーが入賞したことを遊技者に祝福することができる。一方、第1ボーナス中において遊技者にとって有利ではないベルが入賞したときには特定演出が実行されないことから、「遊技者にとって不利となる特定表示結果が導出されたにも関わらず特定演出が実行される不快感」を遊技者に感じさせることを防止できる。
また、第2の基準は、特定演出の実行に起因する当選役が頻繁に当選する状態である場合には、該特定演出を実行せず、該当選役が頻繁に当選しない状態である場合には、該特定演出を実行する。このような第2の基準を設けることにより、「高い頻度で特定演出が実行されることに起因する煩わしさ」を遊技者に感じさせることを防止できる。
たとえば、図22Cおよび図22Dに示すように、リプレイ当選確率が低い不利RTおよび通常RTでリプレイが導出したときには、特定演出が実行されるが、リプレイ当選確率が高い有利RTでリプレイが導出したときには、特定演出が実行されない。この特定演出の制御は、第2の基準に基づくものである。このように、第2の基準に基づくものであれば、特定演出に対する制御を他の制御としてもよい。
第3の基準は、遊技者に視認させたい特別演出が実行されている状態である場合には、該特定演出を実行せず、該特別演出が実行されてない状態である場合には、該特定演出を実行する。このような第3の基準を設けることにより、特別演出が特定演出により阻害されることを防止できる。たとえば、図30に示すように、ボーナス中演出が実行されるボーナス中に小役が導出されたときには、特定演出が実行されないが、ボーナス中演出が実行されない非ボーナス中に小役が導出されたときには、特定演出が実行される。この特定演出の制御は、第3の基準に基づくものである。このように、第3の基準に基づくものであれば、特定演出に対する制御を他の制御としてもよい。たとえば、プレミア感のあるプレミア演出が実行されるプレミア期間においては、小役が導出されても特定演出は実行されないが、該プレミア期間とは異なる期間において、小役が導出されたときには、特定演出を実行するようにしてもよい。
(2) 本実施形態の特定演出は、導出時音出力、およびリールフラッシュなどを含むとして説明した。しかしながら、特定演出は他の演出としてもよい。たとえば、特定演出は、液晶表示器51に特定画像を表示する演出としてもよく、背景画像を変更する演出としてもよい。たとえば、特定画像は導出された表示結果に応じたキャラ画像としてもよい。たとえば、ベルが導出されたときには、該ベルを連想させる黄色のキャラを表示するようにしてもよい。また、リプレイが導出されたときには、該リプレイを連想させる青色のキャラを表示するようにしてもよい。このように、特定演出は、RT状態を移行させることを示唆しない演出としてもよい。また、特定演出は、RT状態を移行させることを示唆する演出としてもよい。たとえば、各RT状態に、1以上の特定演出が対応付けられており、RT状態が移行したときには、特定演出として所定画像(たとえば、背景画像)を表示または変更するようにしてもよい。
(3) また、たとえば、転落リプなどの移行表示結果を含む特定表示結果については、RT1で導出されたときには、特定演出が実行され、RT3で導出されたときには、特定演出が実行されないとして説明した。しかしながら、特定表示結果は、制御されている状態(RT状態)に関わらず、特定演出を実行しない表示結果としてもよい。このような構成によれば、制御されている状態に関わらず、特定演出を実行しないという制御を共通化できることから、処理負担を軽減できる。
(4) また、本実施形態では、所定表示結果として中段リプおよび右上がりリプを例示し、特定表示結果として転落リプを例示した。また、本実施形態では、所定表示結果に対応する特定演出と特定表示結果に対応する特定演出とは同一であるとして説明した。これにより、所定表示結果が導出されたときと、特定表示結果が導出されたときとで、実行される特定演出を共通化することができる。また、変形例として、所定表示結果に対応する特定演出と特定表示結果に対応する特定演出とは異なるようにしてもよい。このような構成によれば、特定演出により、所定表示結果が導出されたか特定表示結果が導出されたかを遊技者に認識させやすくすることができる。
(5) 本実施形態では、移行表示結果としての1枚ベルおよびベルこぼしが導出され得る押し順ベルの当選確率は、いずれのRTにおいても同一であるとして説明した。変形例として、移行表示結果としての転落リプが導出され得る左転落回避リプ〜右転落回避リプそれぞれの当選確率もいずれのRTにおいても同一であるようにしてもよい。
(6) 本実施形態では、特定演出実行状況(たとえば、図22A、図22C、図22E、および図22Gに示す状況)では、必ず特定演出を実行するとして説明した。また、特定演出非実行状況(たとえば、図22B、図22D、および図22Fに示す状況)では、必ず特定演出を実行しないとして説明した。しかしながら、特定演出実行状況の少なくとも1つにおいては、特定演出を実行するか否かを決定する特定演出実行抽選を実行し、該特定演出実行抽選により特定演出の実行が決定されたときに、該特定演出を実行するようにしてもよい。また、特定演出非実行状況の少なくとも1つにおいては、特定演出を実行するか否かを決定する特定演出実行抽選を実行し、該特定演出実行抽選により特定演出の実行が決定されたときに、該特定演出を実行するようにしてもよい。また、特定演出実行状況の少なくとも1つにおいて、特定演出を実行するか否かを決定する特定演出実行抽選(以下、「第1特定演出実行抽選」という。)を実行し、かつ特定演出非実行状況の少なくとも1つにおいて、特定演出を実行するか否かを決定する特定演出実行抽選(以下、「第2特定演出実行抽選」という。)を実行する構成の場合には、第1特定演出実行抽選において特定演出の実行が決定される第1確率は、第2特定演出実行抽選において特定演出の実行が決定される第2確率よりも高いようにしてもよい。
[特定表示結果について]
有利RTは、不利RTおよび通常RTよりもリプレイの当選確率は高く、該リプレイは、再遊技を付与することから、遊技者にとって、有利な特定表示結果であるとして説明した。しかしながら、該特定表示結果は、遊技者にとって不利な表示結果としてもよく、また、有利度は変わらない表示結果としてもよい。遊技者にとって不利な特定表示結果は、たとえば、制御されている状態を不利な状態にする転落リプとしてもよい。このような構成では、不利な特定表示結果が頻繁に当選する状態では、特定演出は実行されない。したがって、遊技者にとって不利となることに起因する不快感を遊技者に感じさせることを防止できる。これとともに、特定演出が頻繁に制御されることに起因する煩わしさを遊技者に感じさせることを防止できる。また、有利度が変わらない表示結果とは、何ら入賞を発生させないハズレ表示結果である。このようなハズレ表示結果が頻繁に当選する状態では、特定演出は実行されない。したがって、特定演出が頻繁に制御されることに起因する煩わしさを遊技者に感じさせることを防止できる。
[設定示唆演出について]
特定演出が実行されない代わりに実行される代替演出として、設定示唆演出を例示した。設定示唆演出により示唆される有利度は、現在設定値である。代替演出は、他の有利度を示唆する演出としてもよい。たとえば、他の有利度とは、低確状態および高確状態のいずれであるかであるとしてもよい。つまり、代替演出は、低確状態および高確状態のいずれであるかを示唆する状態示唆演出としてもよい。ここで、高確状態は、低確状態よりも特典(たとえば、ATゲーム)が付与される確率が高い状態である。したがって、高確状態よりも低確状態よりも遊技者にとって有利となる。また、状態示唆演出として、たとえば、高確状態であることを示唆する場合には、特定色(たとえば、紫色)の画像(たとえば、キャラのセリフ)を表示し、低確状態であることを示唆する場合には、所定色(たとえば、白色)の画像(たとえば、キャラのセリフ)を表示するようにしてもよい。
[ナビ演出について]
(1) 本実施形態では、ナビ演出は、押し順を報知する演出であるとして説明した。しかしながら、ナビ演出は内部抽選の結果を特定可能とする情報であれば、如何なる情報を報知する演出としてもよい。たとえば、黄色キャラ(ベルを連想させるキャラ)と、青色キャラ(リプレイを連想させるキャラ)とがバトルを行うバトル演出を行い、ベルが当選している場合には、黄色キャラが勝利するバトル演出が実行される。一方、リプレイが当選している場合には、青色キャラが勝利するバトル演出が実行される。
また、バトル演出ではなく、内部抽選の結果に対応したキャラを表示するようにしてもよい。たとえば、リプレイが当選したときには、青色キャラを表示するようにしてもよい。
(2) また、ナビ演出が報知する操作態様として、押し順を例示した。しかしながら、操作態様は、押し順とストップスイッチへの操作タイミングとのうち少なくとも一方を含むものとしてもよい。
[スロットマシンの変形例について]
上記実施形態として、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すスロットマシンを説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式のスロットマシンを採用してもよい。基盤とドラムとが流通可能で、筺体が共通なもので基盤のみあるいは基盤とドラムとを遊技機と称する。また、遊技玉を発射して遊技を行うことが可能な遊技領域を備え、遊技領域に設けられた所定領域を遊技玉が通過することに応じて賭数の設定が可能となるスロットマシンであってもよい。
[特典について]
前述した例では、特典として、BB当選、AT当選、ATに制御可能にするATゲーム数など、メダルやパチンコ玉の払出率に直接影響を及ぼす価値を例示した。しかし、特典としては、遊技者にとっての有利度合いを向上させる価値であればよく、たとえば、メダルの払出率に直接影響を及ぼすものではない価値であってもよい。具体的に、AT抽選において通常時よりも高確率でAT当選する高確率状態が設けられている場合において、現在の状態が高確率状態であるか否かを示唆するための確率示唆演出の実行、液晶表示器51に音声とともにプレミア演出の実行(特別キャラクタ出現、次回発生したボーナス中において特別なボーナス中演出実行など)、設定されている設定値を示唆するための設定値示唆演出の実行、一定数を集めることでスロットマシン1が設置された遊技店において定めたサービスと交換可能なポイント付与、特典映像や特典情報を所定のWebサイトにてダウンロードすることが可能な2次元コードを液晶表示器51において表示などであってもよい。
また、特典の一例としてATゲーム数を例示したが、ATに関する特典としては、これに限らず、たとえば、ATに所定ゲーム数(たとえば50ゲーム)制御可能にする権利(ナビストック)を特典としてもよい。また、ナビ演出を実行可能なナビ演出実行可能回数を決定し、当該決定されたナビ演出実行可能回数分、ナビ演出が実行されるまでATに制御する場合、ナビ演出実行可能回数を特典としてもよい。また、たとえば、上限付与量を決定し、付与された遊技用価値(メダル払出枚数)が決定された上限付与量に到達するまでATに制御する場合、上限付与量を特典としてもよい。また、所定のAT開始条件が成立してから所定のAT終了条件が成立するまでATに制御され、AT終了条件が成立したときに当該ATを継続するか否かの継続抽選を行う場合、継続抽選において継続すると決定される継続確率を特典としてもよい。
[有利な状態について]
前述した例では、有利な状態として、スロットマシンについては小役の当選確率が所定状態であるときよりも高確率となるビッグボーナス(BB)やATを例示したが、遊技者にとって有利な状態であればこれに限るものではなく、以下においてスロットマシンの例を説明する。
有利な状態は、たとえば、所定の入賞役の当選確率が高確率となるレギュラーボーナス(RB)やリプレイタイム(RT)、小役の集中状態や、少なくとも1のリールの引き込み可能範囲が通常よりも狭くなるとともに毎ゲームにおいてすべての小役の発生が許容された状態となるチャレンジタイム(CT)、入賞役の当選確率などを変化させるものではなく当選した小役を入賞させるための操作手順を所定期間(たとえば50ゲーム消化するまでの間)に亘って報知する擬似ボーナスなどであってもよい。また、これらの有利な状態に制御される確率が高確率となる状態であってもよく、また、フリーズ状態に制御される確率が高確率の状態、ATゲーム数などのゲーム数が高確率で上乗せされる状態、ATの上乗せゲーム数が増加されやすくなる状態など、上記実施形態と異なる態様の有利状態を設定してもよい。また、通信回線網上で特典を得るための条件や、プレミアム感のある演出(フリーズ演出、プレミアム演出など)を実行する条件の成立確率が高確率となる状態等、遊技者にとって間接的に有利な特典や、遊技の興趣を向上させる状態などであってもよい。また、有利な状態への移行を許容するか否かを決定する許容決定手段は、内部抽選処理に限らず、入賞役とは無関係に決定する手段であってもよい。
また、有利な状態とは、たとえば、特典を付与するか否かを決定する特典付与抽選において、「特典が付与される確率」、および「特典が付与されることが決定されたときに付与される特典の価値(または特典量の期待値)」のうちの少なくとも一方が、通常の状態(有利な状態とは異なる状態)よりも高い状態としてもよい。また、有利な状態とは、特典付与抽選の実行契機の数が、該通常の状態よりも多いものとしてもよい。また、有利な状態とは、特典を付与させるために消化することが必要な消化必要ゲーム数が、通常の状態よりも少なくなる状態としてもよい。
たとえば、特典をATゲーム数とした場合には、有利な状態とは、通常の状態よりも、「AT抽選でのAT当選確率」、および「AT抽選でのAT当選した場合に付与されるATゲーム数の価値」のうちの少なくとも一方が、通常の状態よりも高い状態としてもよい。また、有利な状態とは、AT抽選の実行契機の数が、該通常の状態よりも多いものとしてもよい。たとえば、通常の状態でのAT抽選の実行契機が、第1役当選および第2役当選とした場合には、有利な状態でのAT抽選の実行契機は、第1役当選および第2役当選に加えて第3役当選としてもよい。
[演出や報知について]
前述した例では、液晶表示器51を用いて演出や報知を行う例を挙げたが、たとえば、スピーカ53,54、リールの背面側(内側)に配置されたバックランプ(上記実施形態のリールLED55)、リールの前面側に配置された透過液晶表示器(リールを目視できるように構成された液晶表示器)、前面扉1bなどに取り付けられたランプやLED、ストップスイッチの振動、ストップスイッチの周囲からの送風、ストップスイッチの温度の変化など、上記の実施形態と異なる手段で演出を実行してもよい。
[ATについて]
上記スロットマシンの例では、ATに係る制御をメイン制御部41が実行する例について説明したが、メイン制御部41が実行するATに係る制御としては、AT抽選の実行が挙げられる。AT抽選には、AT抽選の当選または非当選の決定、ATゲーム数をストックするか否かの決定、ATゲーム数の決定、ATゲーム数の上乗せ抽選などが含まれるものであってもよい。また、ATに係る制御としてAT抽選の高確率状態の制御が挙げられる。AT抽選の高確率状態の制御には、AT抽選の当選確率が高確率になる制御、内部抽選の結果に応じてATに制御されるまでの期間を短縮する制御、上乗せ抽選の当選確率やゲーム数を優遇する制御などが含まれる。また、ATに係る制御として、規定ゲーム数のゲームが消化されたときにATに制御することが挙げられる。規定ゲーム数のゲームが消化されたときとして、天井ゲーム数に到達したとき、抽選で決定されたゲーム数に到達したときが含まれる。また、ATに係る制御として、前兆期間を設定する制御が挙げられる。前兆期間を設定する制御には、ATの開始前の前兆期間にたとえば0〜32ゲームの演出を実行する制御が含まれる。また、ATに係る制御として、ペナルティを付与する制御が挙げられる。ペナルティを付与する制御には、ペナルティ内容の決定、ペナルティ期間の決定または設定が含まれる。また、ATに係る制御として、AT中である旨のランプやLEDの点灯制御をメイン制御部41が行うことが挙げられる。
また、ATに係る制御として、ナビ演出を実行するためのランプやLEDの点灯制御をメイン制御部41が行うことが挙げられる。さらに、メイン制御部41がナビ演出を実行することに連動してサブ制御部91がナビ演出を実行するようにしてもよい。さらに、メイン制御部41は、たとえばAT抽選の高確率状態に制御するときなど抽選確率を向上させるときに、その旨をランプやLED(たとえば、遊技補助表示器12など)の点灯制御によって報知するようにしてもよい。より具体的に、メイン制御部41は、遊技補助表示器12によりナビ演出を所定回数実行することによりAT抽選の高確率状態に制御する旨を報知するようにしてもよい。あるいは、メイン制御部41は、サブ制御部91にナビ演出を所定回数実行させることによりAT抽選の高確率状態に制御する旨を報知するようにしてもよい。
なお、ATに係る制御をメイン制御部41が実行する場合には、メイン制御部41の処理を、メイン制御部41に従属し、メイン制御部41の下位となる制御部に実行させることが好ましい。たとえば、リールの停止制御を遊技制御基板以外の基板に設けた制御部が実行するようにし、メイン制御部41はストップスイッチの操作信号を当該制御部に転送することが挙げられる。このように、メイン制御部41の制御を下位となる制御部に行わせることにより、ATに係る制御を行うときのROM41bやRAM41cの容量不足やメインCPU41aの処理能力不足を防止することができる。
また、前述した実施の形態では、前述したATに係る制御をメイン制御部41が実行するようにしたが、サブ制御部91が実行するようにしてもよい。サブ制御部91は、たとえば、メイン制御部41からの内部当選コマンドに基づいてAT抽選処理や上乗せ抽選処理を行い、その結果に応じてATに制御するための処理やナビ演出を実行するための処理などを行うようにしてもよい。
[設定変更状態および設定確認状態について]
また、設定キースイッチ37をon状態として電源をonすると、設定値表示器24にメイン制御部41のRAMから読み出された設定値が表示値として表示され、リセット/設定スイッチ38の操作による設定値の変更操作が可能な設定変更状態に移行するようにしてもよい。また、設定変更状態に関して、「電源ON」+「設定キースイッチON」+「前面扉開放検出」を条件として、設定変更状態に移行させるようにしてもよい。これにより、前面扉が開放されていない状態での不正な設定変更を防ぐことができる。また、一旦設定変更状態に移行された後は、設定変更状態を終了させる終了条件(設定値確定後に設定キースイッチがOFF操作)が成立するまで前面扉の開閉状態に関わらず設定変更状態を維持するようにしてもよい。これにより、設定変更状態中に前面扉が閉まっても設定変更状態を終了させないため、再度設定変更状態へ移行させる手間を生じさせてしまうことを防ぐことができる。
また、設定値を確認するためには、ゲーム終了後、賭数が設定されていない状態で設定キースイッチ37をon状態とすればよい。このような状況で設定キースイッチ37をon状態とすると、設定値表示器24にメイン制御部41のRAMから読み出された設定値が表示されることで設定値を確認可能な設定確認状態に移行する。また、設定確認状態に関して、「設定キースイッチON」+「前面扉開放検出」を条件として、設定確認状態に移行させるようにしてもよい。これにより、前面扉が開放されていない状態での不正な設定確認を防ぐことができる。また、一旦設定確認状態に移行された後は、設定確認状態を終了させる終了条件(設定キースイッチがOFF操作)が成立するまで前面扉の開閉状態に関わらず設定確認状態を維持するようにしてもよい。これにより、設定確認状態中に前面扉が閉まっても設定確認状態を終了させないため、再度設定確認状態へ移行させる手間を生じさせてしまうことを防ぐことができる。
前述した実施の形態では、各々が識別可能な複数種類の図柄を変動表示可能なリールを複数備え、リールを変動表示した後、リールの変動表示を停止することで表示結果を導出し、複数のリールの表示結果の組合せに応じて入賞が発生可能なスロットマシンについて説明した。すなわち、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を複数備え、前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、複数の可変表示部の表示結果の組合せに応じて入賞が発生可能なスロットマシンについて説明した。しかし、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え、前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシンであれば、3つのリールを備えるものに限らず、1のリールしか備えないものや、3以外の複数のリールを備えるスロットマシンであってもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。