JP6829707B2 - センサ - Google Patents

センサ Download PDF

Info

Publication number
JP6829707B2
JP6829707B2 JP2018152395A JP2018152395A JP6829707B2 JP 6829707 B2 JP6829707 B2 JP 6829707B2 JP 2018152395 A JP2018152395 A JP 2018152395A JP 2018152395 A JP2018152395 A JP 2018152395A JP 6829707 B2 JP6829707 B2 JP 6829707B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic layer
change
layer
rate
opposed
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2018152395A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020027050A (ja
Inventor
慶彦 藤
慶彦 藤
祥弘 東
祥弘 東
通子 原
通子 原
和晃 岡本
和晃 岡本
祥太郎 馬場
祥太郎 馬場
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP2018152395A priority Critical patent/JP6829707B2/ja
Priority to US16/281,192 priority patent/US10883815B2/en
Priority to US16/281,180 priority patent/US20200049574A1/en
Publication of JP2020027050A publication Critical patent/JP2020027050A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6829707B2 publication Critical patent/JP6829707B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01BMEASURING LENGTH, THICKNESS OR SIMILAR LINEAR DIMENSIONS; MEASURING ANGLES; MEASURING AREAS; MEASURING IRREGULARITIES OF SURFACES OR CONTOURS
    • G01B7/00Measuring arrangements characterised by the use of electric or magnetic techniques
    • G01B7/16Measuring arrangements characterised by the use of electric or magnetic techniques for measuring the deformation in a solid, e.g. by resistance strain gauge
    • G01B7/24Measuring arrangements characterised by the use of electric or magnetic techniques for measuring the deformation in a solid, e.g. by resistance strain gauge using change in magnetic properties
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01LMEASURING FORCE, STRESS, TORQUE, WORK, MECHANICAL POWER, MECHANICAL EFFICIENCY, OR FLUID PRESSURE
    • G01L1/00Measuring force or stress, in general
    • G01L1/12Measuring force or stress, in general by measuring variations in the magnetic properties of materials resulting from the application of stress
    • G01L1/125Measuring force or stress, in general by measuring variations in the magnetic properties of materials resulting from the application of stress by using magnetostrictive means
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F1/00Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties
    • H01F1/0009Antiferromagnetic materials, i.e. materials exhibiting a Néel transition temperature
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F10/00Thin magnetic films, e.g. of one-domain structure
    • H01F10/32Spin-exchange-coupled multilayers, e.g. nanostructured superlattices
    • H01F10/324Exchange coupling of magnetic film pairs via a very thin non-magnetic spacer, e.g. by exchange with conduction electrons of the spacer
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F10/00Thin magnetic films, e.g. of one-domain structure
    • H01F10/32Spin-exchange-coupled multilayers, e.g. nanostructured superlattices
    • H01F10/324Exchange coupling of magnetic film pairs via a very thin non-magnetic spacer, e.g. by exchange with conduction electrons of the spacer
    • H01F10/3268Exchange coupling of magnetic film pairs via a very thin non-magnetic spacer, e.g. by exchange with conduction electrons of the spacer the exchange coupling being asymmetric, e.g. by use of additional pinning, by using antiferromagnetic or ferromagnetic coupling interface, i.e. so-called spin-valve [SV] structure, e.g. NiFe/Cu/NiFe/FeMn
    • H01F10/3272Exchange coupling of magnetic film pairs via a very thin non-magnetic spacer, e.g. by exchange with conduction electrons of the spacer the exchange coupling being asymmetric, e.g. by use of additional pinning, by using antiferromagnetic or ferromagnetic coupling interface, i.e. so-called spin-valve [SV] structure, e.g. NiFe/Cu/NiFe/FeMn by use of anti-parallel coupled [APC] ferromagnetic layers, e.g. artificial ferrimagnets [AFI], artificial [AAF] or synthetic [SAF] anti-ferromagnets
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10NELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10N35/00Magnetostrictive devices
    • H10N35/101Magnetostrictive devices with mechanical input and electrical output, e.g. generators, sensors
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10NELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10N35/00Magnetostrictive devices
    • H10N35/80Constructional details
    • H10N35/85Magnetostrictive active materials

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Hall/Mr Elements (AREA)
  • Measurement Of Length, Angles, Or The Like Using Electric Or Magnetic Means (AREA)

Description

本発明の実施形態は、センサに関する。
例えば、磁性層を用いたセンサがある。センサにより、例えば、ひずみが検出される。
特開2011−244938号公報
本発明の実施形態は、感度を向上できるセンサを提供する。
本発明の実施形態によれば、センサは、膜部と、前記膜部に固定された1つ以上の検知部と、処理部と、を含む。前記膜部のひずみの大きさは、第1範囲と、前記第1範囲よりも大きい第2範囲と、を含む。前記検知部は、第1磁性層を含む第1検知素子と、第2磁性層を含む第2検知素子と、を含む。前記第1検知素子の第1電気抵抗に対応する第1信号の第1変化率は、前記第1信号の第2変化率よりも高い。前記第1変化率は、前記第1範囲内の前記ひずみの前記大きさの変化に対する前記第1信号の変化率である。前記第2変化率は、前記第2範囲内の前記ひずみの前記大きさの変化に対する前記第1信号の変化率である。前記第2範囲内の前記ひずみの前記大きさの変化に対する前記第2検知素子の第2電気抵抗に対応する第2信号の変化率は、前記第2変化率よりも高い。前記処理部は、前記膜部に第1ひずみが生じたときの前記第1信号に基づく第1値と、前記膜部に前記第1ひずみが生じたときの前記第2信号と、に基づく第2値を出力する第1動作を少なくとも実施可能である。
図1(a)〜図1(d)は、第1実施形態に係るセンサを例示する模式図である。 図2は、第1実施形態に係るセンサの動作を例示するフローチャート図である。 図3(a)〜図3(e)は、第2実施形態に係るセンサを例示する模式図である。 図4は、第2実施形態に係るセンサを例示する模式的平面図である。 図5は、第2実施形態に係るセンサを例示する模式的平面図である。 図6(a)及び図6(b)は、実施形態に係るセンサの一部を例示する模式的斜視図である。 図7(a)〜図7(d)は、実施形態に係るセンサの一部を例示する模式的平面図である。 図8は、実施形態に係るセンサの一部を例示する模式的平面図である。 図9は、実施形態に係るセンサを例示する模式斜視図である。 図10は、実施形態に係るセンサを例示する模式斜視図である。 図11は、実施形態に係るセンサを例示する模式的斜視図である。
以下に、本発明の各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚さと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
(第1実施形態)
図1(a)〜図1(d)は、第1実施形態に係るセンサを例示する模式図である。
図1(a)は、斜視図である。図1(b)は、図1(a)の一部を例示する斜視図である。図1(c)及び図1(d)は、センサの特性を例示するグラフ図である。
図1(a)に示すように、実施形態に係るセンサ110は、膜部60及び検知部20を含む。検知部20は、膜部60に固定される。検知部20の数は、1つ以上である。この例では、膜部60の第1面60fに、複数の検知部20が設けられている。
この例では、処理部70が設けられている。処理部70は、複数の検知部20の少なくとも1つと電気的に接続される。例えば、第1導電部E1及び第2導電部E2により検知部20と処理部70とが電気的に接続される。第1導電部E1及び第2導電部E2は、例えば、配線である。第1導電部E1及び第2導電部E2は、例えば、電極である。第1導電部E1及び第2導電部E2は、例えば、端子である。処理部70は、例えば、処理回路を含む。
膜部60は、変形可能である。膜部60に力が加わると、膜部60は変形する。膜部60にひずみが生じる。膜部60のひずみは、センサ110の検知対象である。
図1(b)は、複数の検知部20の1つを例示している。複数の検知部20の1つは、第1検知素子51及び第2検知素子52を含む。
図1(b)に示すように、第1検知素子51は、第1磁性層11を含む。この例では、第1検知素子51は、第1対向磁性層11o及び第1非磁性層11nをさらに含む。第1非磁性層11nは、第1磁性層11と第1対向磁性層11oとの間に設けられる。
第2検知素子52は、第2磁性層12を含む。この例では、第2検知素子52は、第2対向磁性層12o及び第2非磁性層12nをさらに含む。第2非磁性層12nは、第2磁性層12と第2対向磁性層12oとの間に設けられる。
膜部60にひずみが生じると、これらの検知素子の電気抵抗が変化する。例えば、膜部60のひずみに応じて、検知素子に含まれる磁性層にひずみが生じる。磁性層に歪が生じると、磁性層の磁化の向きが変化する。磁化の向きの変化は、例えば、逆磁歪効果(例えばビラリ現象)に基づく。検知素子に複数の磁性層が含まれる場合、複数の磁性層の磁化の向きの角度が、ひずみに応じて変化する。磁化の向きの角度の変化に基づいて、検知素子の電気抵抗が変化する。電気抵抗の変化は、例えば、磁気抵抗効果に基づく。検知素子は、例えば、TMR素子またはGMR素子を含んでも良い。
例えば、第1磁性層11の磁化11Mの向きは、第1対向磁性層11oの磁化11oMの向きに比べて変化し易い。第2磁性層12の磁化12Mは、第2対向磁性層12oの磁化12oMに比べて変化し易い。第1磁性層11及び第2磁性層12は、例えば、磁化自由層として機能しても良い。第1対向磁性層11o及び第2対向磁性層12oは、例えば、参照層として機能しても良い。
この例では、第1対向磁性層11oの磁化11oMは、第2対向磁性層12oの磁化12oMに沿う。例えば、磁化11oMと磁化12oMとの間の角度は、−45度を超え45度未満である。または、この角度は、135度を超え225度未満である。この例では磁化11oM及び磁化12oMは、X軸方向に対して、実質的に平行である。
実施形態において、膜部60から第1磁性層11への方向を便宜的に「積層方向」という。積層方向をZ軸方向とする。Z軸方向に対して垂直な1つの方向をX軸方向とする。Z軸方向及びX軸方向に対して垂直な方向をY軸方向とする。積層方向は、例えば、膜部60の第1面60fと交差する。1つの例において、積層方向は、第1面60fに対して垂直である。
実施形態において、積層方向(Z軸方向)において、第1磁性層11及び第1対向磁性層11oの一方と、第1面60fと、の間に、第1磁性層11及び第1対向磁性層11oの他方が設けられる。この例では、第1磁性層11と第1面60fとの間に、第1対向磁性層11oが設けられている。
実施形態において、積層方向において、第2磁性層12及び第2対向磁性層12oの一方と、第1面60fと、の間に、第2磁性層12及び第2対向磁性層12oの他方が設けられる。この例では、第2磁性層12と第1面60fとの間に、第2対向磁性層12oが設けられている。
これらの検知素子の特性の例について説明する。
図1(c)は、第1検知素子51の特性を例示している。図1(d)は、第2検知素子52の特性を例示している。これらの図の横軸は、膜部60のひずみεの大きさに対応する。図1(c)の縦軸は、第1検知素子51の第1電気抵抗R1に対応する。第1電気抵抗R1は、第1電気抵抗R1、第1電気抵抗R1に対応する電圧、または、第1電気抵抗R1に対応する電流でも良い。図1(d)の縦軸は、第2検知素子52の第2電気抵抗R2に対応する。第2電気抵抗R2は、第2電気抵抗R2、第2電気抵抗R2に対応する電圧、または、第2電気抵抗R2に対応する電流でも良い。
図1(c)及び図1(d)においては、膜部60に生じるひずみεの方向の角度θが0度〜90度の特性が示されている。角度θは、X軸方向と、ひずみεの方向と、の間の角度である。
図1(c)に示すように、第1信号Sg1(例えば、第1電気抵抗R1)は、ひずみεが小さいときには、高い感度で変化する。第1信号Sg1(例えば、第1電気抵抗R1)は、ひずみεが大きいときには、実質的に変化せず飽和する。
図1(d)に示すように、第2信号Sg2(例えば、第2電気抵抗R2)は、ひずみεが小さいとき、及び、大きいときに、変化する。
例えば、これらの図に示すように、膜部60のひずみεの大きさは、第1範囲r1及び第2範囲r2を含む。第2範囲r2は、第1範囲r1よりも大きい。
第1信号Sg1の第1変化率CR1を、第1範囲r1内のひずみεの大きさの変化に対する、第1信号Sg1の変化率とする(図1(c)参照)。第1信号Sg1の第2変化率CR2を、第2範囲r2内のひずみεの大きさの変化に対する、第1信号Sg1の変化率とする(図1(c)参照)。第1変化率CR1は、第2変化率CR2よりも高い。この例では、第2変化率CR2は、実質的に0である。
図1(d)に示すように、第2範囲r2内のひずみεの大きさの変化に対する、第2信号Sg2の変化率Ca2は、上記の第2変化率CR2(この例では、実質的に0)よりも高い。この例においては、実施形態において、第1範囲r1内のひずみεの変化に対する、第2信号Sg2の変化率Ca2は、第1変化率CR1(図1(c)参照)よりも低い。例えば、第2信号Sg2の変化率(変化率Ca1及び変化率Ca2)は、第1検知素子51の第2変化率CR2よりも高く、第1変化率CR1よりも低い。
図1(c)に示すように、第1信号Sg1は、小さいひずみεで飽和する。第1信号Sg1の飽和した値は、ひずみεの方向(角度θ)に応じている。従って、第1信号Sg1の飽和した値から、ひずみεの方向(角度θ)を知ることができる。
一方、図1(d)に示すように、ひずみの方向(角度θ)が分かれば、第2信号Sg2の値から、ひずみεの大きさが分かる。
実施形態においては、例えば、第1信号Sg1及び第2信号Sg2から、ひずみに関する情報を得ることができる。このひずみは、センサ110の検知対象のひずみ(例えば、第1ひずみ)である。
例えば、処理部70は、以下の第1動作を少なくとも実施可能である。第1動作において、処理部70は、第2値VA2(図1(d)参照)を出力する。第1動作において、第1値VA1(図1(c)参照)がさらに出力されても良い。第1値VA1は、膜部60に第1ひずみε1(図1(c)参照)が生じたときの第1信号Sg1に基づいている。第2値VA2は、膜部60に第1ひずみε1が生じたときの第2信号Sg2と、この第1値VA1と、に基づく。例えば、処理部70の出力部OS1から上記の値が出力される。
図1(c)及び図1(d)に示すように、第1ひずみε1は、第2範囲r2内である。図1(c)に示すように、ひずみεが第2範囲r2内のときは、第1信号Sg1は、ひずみεの大きさに実質的に依存せず、ひずみεの方向(角度θ)に依存する。第1信号Sg1の値から、第1ひずみε1の方向(角度θ)に関する情報を得ることができる。この情報が、第1値VA1に対応する。第1値VA1は、第1ひずみε1の方向(角度θ)に対応し、図1(c)の例では、60度である。
図1(d)に示すように、第1ひずみε1の方向(角度θ)が60度のときにおいて、第2信号Sg2の値から、第2値VA2が得られる。
このように、第1値VA1は、第1ひずみε1の方向(角度θ)に関する情報を含む。第2値VA2は、第1ひずみε1の大きさに関する情報を含む。
例えば、第1検知素子51だけを用いる第1参考例がある。この場合、第2範囲r2の大きさのひずみεに対して第1信号は実質的に変化しない。このため、第1参考例においては、ひずみεの大きさを高感度で検出することが困難である。
一方、第2検知素子52だけを用いる第2参考例がある。この場合、第2範囲r2の大きさのひずみεに対して第2信号が変化する。しかしながら、図1(d)に示すように、第2信号Sg2は、ひずみεの大きさに加えて、ひずみεの方向(角度θ)にも依存する。このため、第2参考例においても、ひずみεを高感度で検出することが困難である。
これに対して、実施形態においては、2種類の検知素子が設けられることで、検知対象の第1ひずみε1の、方向(角度θ)及び大きさを検出できる。実施形態によれば、感度を向上できるセンサを提供できる。
上記の例においては、角度θは、0度〜90度である。上記の説明は、角度θが90度〜180度、180度〜270度、または、270度〜360度の場合にも適用できる。
図2は、第1実施形態に係るセンサの動作を例示するフローチャート図である。
図2に示すように、第1信号Sg1に基づく第1値VA1を出力する(ステップS110)。第1信号Sg1は、膜部60に第1ひずみε1が生じたときの第1電気抵抗R1に応じている。第1値VA1と、第2信号Sg2と、に基づく第2値VA2を出力する(ステップS120)。例えば、上記のステップS110及び120をふくむ第1動作を少なくとも実施する。このような動作は、例えば、処理部70で行われても良い。
実施形態において、第2変化率CR2は、実質的に0でも良い。例えば、第1変化率CR1は、第2変化率CR2の5倍以上でも良い。例えば、第1変化率CR1は、第2変化率CR2の10倍以上でも良い。
第1電気抵抗R1は、例えば、第1磁性層11と第1対向磁性層11oとの間の電気抵抗に対応する。第2電気抵抗R2は、例えば、第2磁性層12と第2対向磁性層12oとの間の電気抵抗に対応する。
(第2実施形態)
図3(a)〜図3(e)は、第2実施形態に係るセンサを例示する模式図である。
図3(a)は、センサの一部を例示する斜視図である。図3(b)〜図3(e)は、センサの特性を例示するグラフ図である。
図3(a)に示すように実施形態に係るセンサ120は、膜部60及び検知部20を含む。センサ120は、処理部70(図1(a)参照)をさらに含んでも良い。
センサ120においても、検知部20は、膜部60に固定される。膜部60の第1面60fに、複数の検知部20が設けられても良い(図1(a)参照)。
検知部20は、第1検知素子51及び第2検知素子52に加えて、第3検知素子53及び第4検知素子53をさらに含む。センサ120における第1検知素子51及び第2検知素子52の構成は、センサ110における第1検知素子51及び第2検知素子52の構成と同様でも良い。以下、第3検知素子53及び第4検知素子53の例について説明する。
図3(a)に示すように、第3検知素子53は、例えば、第3磁性層13と、第3対向磁性層13oと、第3磁性層13と第3対向磁性層13oとの間に設けられた第3非磁性層13nと、を含む。
図3(a)に示すように、第4検知素子54は、例えば、第4磁性層14と、第4対向磁性層14oと、第4磁性層14と第4対向磁性層14oとの間に設けられた第4非磁性層14nと、を含む。
例えば、積層方向(Z軸方向)において、第3磁性層13及び第3対向磁性層13oの一方と、第1面60fと、の間に、第1磁性層13及び第1対向磁性層13oの他方が設けられる。この例では、第3磁性層13と第1面60fとの間に、第1対向磁性層13oが設けられる。
例えば、1方向において、第4磁性層14及び第4対向磁性層14oの一方と、第1面60fと、の間に、第4磁性層14及び第4対向磁性層14oの他方が設けられる。この例では、第4磁性層14と第1面60fとの間に、第4対向磁性層14oが設けられる。
実施形態において、第3対向磁性層13oの磁化13oMは、第4対向磁性層14oの磁化14oMに沿う。例えば、磁化13oMは、磁化14oMに対して実質的に平行でも良い。
第3対向磁性層13oの磁化13oMは、第1対向磁性層11oの磁化11oMと交差する。例えば、第4対向磁性層14oの磁化14oMは、第2対向磁性層12oの磁化12oMと交差する。
図3(b)〜図3(e)は、第1〜第4検知素子51〜54のそれぞれの特性を例示している。これらの図の横軸は、膜部60のひずみεの大きさに対応する。センサ120においても、膜部60のひずみεの大きさは、第1範囲r1及び第2範囲r2を含む。第2範囲r2は、第1範囲r1よりも大きい。図3(b)〜図3(e)の縦軸は、第1〜第4検知素子51〜54のそれぞれに対応する第1〜第4電気抵抗R1〜R4に対応する。図3(b)及び図3(c)に示すように、センサ120における第1電気抵抗R1及び第2電気抵抗R2の特性は、センサ110における第1電気抵抗R1及び第2電気抵抗R2の特性と同様である。
第3検知素子53の第3電気抵抗R3に対応する第3信号Sg3の第3変化率CR3(図3(d)参照)は、第3信号Sg3の第4変化率CR4(図3(d)参照)よりも高い。この第3変化率CR3は、第1範囲r1内のひずみεの変化に対する第3信号Sg3の変化率である。この第4変化率CR4は、第2範囲r2内のひずみεの変化に対する第3信号Sg3の変化率である。
第2範囲r2内のひずみεの変化に対する第4検知素子54の第4電気抵抗R4に対応する第4信号Sg4の変化率Cb2(図3(e))は、上記の第4変化率CR4(図3(d)参照)よりも高い。
処理部70は、以下の第2動作を少なくともさらに実施可能でも良い。第2動作においては、処理部70は、第4値VA4(図3(e)参照)を出力する。第2動作において、処理部70は、第3値VA3(図3(d)参照)をさらに出力しても良い。第3値VA3は、膜部60に第1ひずみε1が生じたときの第3信号Sg3に基づく(図3(d)参照)。第4値VA4は、膜部60に第1ひずみε1が生じたときの第4信号Sg4、及び、上記の第3値VA3に基づく(図3(e)参照)。
図3(b)に示すように、第1ひずみε1の方向(角度θ)が、第1検知素子51の磁性層の磁化の方向に沿う場合、第1信号Sg1は、実質的に変化しない。このとき、図3(d)に示すように、第1ひずみε1の方向(角度θ)は、第3検知素子53の磁性層の磁化の方向と交差する。このため、第1ひずみε1に応じて第3信号Sg3が変化する。従って、第1検知素子51で第1ひずみε1の検出が困難な場合でも、第3検知素子53により、この第1ひずみε1を検出できる。同様に、第1ひずみε1の方向(角度θ)が、第2検知素子52の磁性層の磁化の方向に沿う場合、第2信号Sg2は、実質的に変化しない。このとき、第4検知素子54により、この第1ひずみε1を検出できる。
例えば、第3値VA3は、第1ひずみε1の方向(角度θ)に関する情報を含む。図3(d)に示す例では、第3値VA3は、0度の角度θに対応する。第4値VA4は、第1ひずみε1の大きさに関する情報を含む。
センサ120においては、第1〜第4検知素子51〜54により、任意の方向の第1ひずみε1の方向(角度θ)及び大きさを検出できる。
実施形態に係る1つの例において、第1範囲r1のひずみεの変化に対する第4検知素子54の第4電気抵抗R4に対応する第4信号の変化率Cb1(図3(e)参照)は、上記の第4変化率CR4(図3(d)参照)よりも低い。
既に説明したように、第3対向磁性層13oの磁化13oMは、第1対向磁性層11oの磁化11oMと交差する。例えば、第3対向磁性層13oの磁化13oMと、第1対向磁性層11oの磁化11oMと、の間の角度は、45度以上135度以下である。この角度は、例えば、60度以上120度以下でも良い。図3(b)〜図3(e)では、この角度が90度の場合が例示されている。
第3電気抵抗R3は、例えば、第3磁性層13と第3対向磁性層13oとの間の電気抵抗に対応する。第4電気抵抗R4は、例えば、第4磁性層14と第4対向磁性層14oとの間の電気抵抗に対応する。
図4は、第2実施形態に係るセンサを例示する模式的平面図である。
図4は、膜部60及び検知部20の例を示している。図4に示すように、センサ120において、複数の検知部20が設けられても良い。センサ120においては、複数の検知部20のそれぞれにおける第1〜第4検知素子51〜54の位置は、同じである。
図5は、第2実施形態に係るセンサを例示する模式的平面図である。
図5は、膜部60及び検知部20の例を示している。図5に示すように、実施形態に係るセンサ121においても、複数の検知部20が設けられている。センサ121においては、複数の検知部20の1つに含まれる第3検知素子53と、複数の検知部20の別の1つに含まれる第3検知素子53と、の間に、複数の検知部20の上記の1つに含まれる第1検知素子51が設けられる。複数の検知部20の上記の1つに含まれる第1検知素子51と、複数の検知部20の上記の別の1つに含まれる第3検知素子53と、の間に、複数の検知部20の上記の別の1つに含まれる第1検知素子51が設けられる。
センサ121においては、複数の検知部20の1つに含まれる第4検知素子54と、複数の検知部20の別の1つに含まれる第4検知素子54と、の間に、複数の検知部20の上記の1つに含まれる第2検知素子52が設けられる。複数の検知部20の上記の1つに含まれる第2検知素子52と、複数の検知部20の上記の別の1つに含まれる第4検知素子54と、の間に、複数の検知部20の上記の別の1つに含まれる第2検知素子52が設けられる。
このように、複数の検知部20のそれぞれにおける第1〜第4検知素子51〜54の位置は、種々の変形が可能である。
第2実施形態に係るセンサ120(図3(a)参照)は、以下の構成を含んでも良い。センサ120は、膜部60と、膜部60に固定された1つ以上の検知部20と、を含む。検知部20は、第1〜第4検知素子51〜54を含む。第1検知素子51は、第1磁性層11と、第1対向磁性層11oと、第1磁性層11と第1対向磁性層11oとの間に設けられた第1非磁性層11nと、を含む。第2検知素子52は、第2磁性層12と、第2対向磁性層12oと、第2磁性層12と第2対向磁性層12oとの間に設けられた第2非磁性層12nと、を含む。第3検知素子53は、第3磁性層13と、第3対向磁性層13oと、第3磁性層13と第3対向磁性層13oとの間に設けられた第3非磁性層13nと、を含む。第4検知素子54は、第4磁性層14と、第4対向磁性層14oと、第4磁性層14と第4対向磁性層14oとの間に設けられた第4非磁性層14nと、を含む。
例えば、第1対向磁性層11oの磁化11oMは、第2対向磁性層12oの磁化12oMに沿う。第3対向磁性層13oの磁化13oMは、第4対向磁性層14oの磁化14oMに沿う。第3対向磁性層13oの磁化13oMは、第1対向磁性層11oの磁化11oMと交差する。
図3(b)〜図3(e)に示すように、膜部60のひずみεの大きさは、第1範囲r1と、第1範囲r1よりも大きい第2範囲r2と、を含む。第1検知素子51の第1電気抵抗R1に対応する第1信号Sg1の第1変化率CR1は、第1信号Sg1の第2変化率CR2よりも高い。第1変化率CR1は、第1範囲r1内のひずみεの大きさの変化に対する第1信号Sg1の変化率である。第2変化率CR2は、第2範囲r2内のひずみεの大きさの変化に対する第1信号Sg1の変化率である。第2範囲r2内のひずみεの大きさの変化に対する第2検知素子52の第2電気抵抗R2に対応する第2信号Sg2の変化率Ca2は、第2変化率CR2よりも高い。第3検知素子53の第3電気抵抗R3に対応する第3信号Sg3の第3変化率CR3は、第3信号Sg3の第4変化率CR4よりも高い。第3変化率CR3は、第1範囲r1内のひずみεの変化に対する第3信号Sg3の変化率である。第4変化率CR4は、第2範囲r2内のひずみεの変化に対する第3信号Sg3の変化率である。第2範囲r2内のひずみεの変化に対する第4検知素子54の第4電気抵抗R4に対応する第4信号Sg4の変化率Cb2は、上記の第4変化率CR4よりも高い。
図4及び図5に示すように、センサ120及び121は、膜部60と、複数の第1検知素子51と、第2検知素子52と、を含んでも良い。これらの検知素子は、膜部60に固定される。複数の第1検知素子51の間に、第2検知素子52が設けられる。センサ120及び121は、複数の第3検知素子53と、第4検知素子54と、を含んでも良い。これらの検知素子は、膜部60に固定される。複数の第3検知素子53の間に、第4検知素子53が設けられる。
膜部60と、第1検知素子51と、複数の第2検知素子52と、が設けられても良い。これらの検知素子は、膜部60に固定される。複数の第2検知素子52の間に、第1検知素子51が設けられる。第3検知素子53と、複数の第4検知素子54と、を含んでも良い。これらの検知素子は、膜部60に固定される。複数の第4検知素子54の間に、第3検知素子53が設けられる。
上記のセンサ110、120及び121において、検知部20は、複数の第1〜第4検知素子51〜54を含んでも良い。以下、これらの検知素子の少なくとも一部が電気的に直列に接続されても良い。
図6(a)及び図6(b)は、実施形態に係るセンサの一部を例示する模式的斜視図である。
図6(a)に示すように、複数の積層体が設けられている。複数の積層体は、磁性層10A、磁性層10B及び非磁性層10Cが設けられている。非磁性層10Cは、磁性層10A及び磁性層10Bの間に設けられる。積層体は、第1〜第4検知素子51〜54のいずれかに対応する。磁性層10Aは、例えば、第1〜第4磁性層11〜14のいずれかに対応する。磁性層10Bは、例えば、第1〜第4対向磁性層11o〜14oのいずれかに対応する。非磁性層10Cは、例えば、第1〜第4非磁性層11n〜14nのいずれかに対応する。
これらの複数の積層体の1つは、第1導電部E1及び第2導電部E2の間に設けられる。図6(a)に示す例では、接続導電部E3が設けられている。第1導電部E1、第2導電部E2及び接続導電部E3を介して、複数の積層体(第1〜第4検知素子51〜54のいずれか)の少なくとも2つは、電気的に直列に接続される。
図6(b)に示す例では、第1導電部E1及び第2導電部E2を介して、複数の積層体(第1〜第4検知素子51〜54のいずれか)の少なくとも2つは、電気的に直列に接続される。
複数の積層体(第1〜第4積層体のいずれか)が電気的に直列に接続されることで、ノイズが抑制できる。
このとき、第1電気抵抗R1は、複数の第1検知素子51の電気抵抗を含む。第2電気抵抗R2は、複数の第2検知素子52の電気抵抗を含む。第3電気抵抗R3は、複数の第3検知素子53の電気抵抗を含む。第4電気抵抗R4は、複数の第4検知素子54の電気抵抗を含む。
図7(a)〜図7(d)は、実施形態に係るセンサの一部を例示する模式的平面図である。
これらの図は、第1〜第4検知素子51〜54の構成の例を示している。これらの図においては、図の見易さのために、磁性層の位置と対向磁性層の位置とがシフトされて図示されている。
図7(a)に示すように、第1方向D1に沿う第1磁性層11の第1長さ11Laは、第1方向D1と交差する第2方向D2に沿う第1磁性層11の第1交差方向長さ11Lbよりも長い。第1方向D1及び第2方向D2は、第1面60f(図3(a)参照)に沿う。
図7(c)に示すように、第1方向D1に沿う第2磁性層12の第2長さ12Laは、第2方向D2に沿う第2磁性層12の第2交差方向長さ12Lbよりも長い。
第1方向D1に沿う第2対向磁性層12oの長さ12Loaは、第2方向D2に沿う第2対向磁性層12oの長さ12oLbよりも長い。
図7(b)に示すように、第1面60f(図3(a)参照)に沿う第3方向D3に沿う第3磁性層13の第3長さ13Laは、第1面60fに沿い第3方向D3と交差する第4方向D4に沿う第3磁性層13の第3交差方向長さ13Lbよりも長い。
図7(d)に示すように、第3方向D3に沿う第4磁性層14の第4長さ14Laは、第4方向D4に沿う第4磁性層14の第4交差方向長さ14Lbよりも長い。
このような第1磁性層11においては、第1磁性層11の磁化11Mは、第1方向D1に沿い易い。このような第2磁性層12においては、第2磁性層12の磁化12Mは、第1方向D1に沿い易い。このような第3磁性層13においては、第3磁性層13の磁化13Mは、第3方向D3に沿い易い。このような第4磁性層14においては、第4磁性層14の磁化14Mは、第3方向D3に沿い易い。
このような構成により、図3(b)〜図3(e)に例示した特性が得易くなる。
第3方向D3は、第1方向D1と交差する。第4方向D4は、第2方向D2と交差する。
第1方向D1は、例えば、X軸方向に沿う。第2方向D2は、例えば、Y軸方向に沿う。第3方向D3は、例えば、Y軸方向に沿う。第4方向D4は、例えば、X軸方向に沿う。第1方向D1は、例えば、第2方向D2と直交する。第3方向D3は、例えば、第4方向D4と直交する。
第1磁性層11及び第2磁性層12において、アスペクト比が互いに異なっても良い。例えば、第1長さ11Laの第1交差方向長さ11Lbに対する比は、第2長さ12Laの第2交差方向長さ12Lbに対する比よりも低い。これにより、例えば、第1磁性層11の磁化11Mは、第2磁性層12の磁化12Mよりも変化し易い。
第3磁性層13及び第4磁性層14において、アスペクト比が互いに異なっても良い。例えば、第3長さ13Laの第3交差方向長さ13Lbに対する比は、第4長さ14Laの第4交差方向長さ14Lbに対する比よりも低い。これにより、例えば、第3磁性層13の磁化13Mは、第4磁性層14の磁化14Mよりも変化し易い。
図7(a)に示すように、第1方向D1に沿う第1対向磁性層11oの長さ11oLaは、第2方向D2に沿う第1対向磁性層11oの長さ11oLbよりも長い。図7(c)に示すように、第1方向D1に沿う第2対向磁性層12oの長さ12oLaは、第2方向D2に沿う第2対向磁性層12oの長さ12oLbよりも長い。図7(b)に示すように、第3方向D3に沿う第3対向磁性層13oの長さ13oLaは、第4方向D4に沿う第3対向磁性層13oの長さ13oLbよりも長い。図7(d)に示すように、第3方向D3に沿う第4対向磁性層14oの長さ14oLaは、第4方向D4に沿う第4対向磁性層14oの長さ14oLbよりも長い。
図7(a)〜図7(d)に示すような構成により、磁性層に形状異方性が生じる。形状異方性により、例えば、第1〜第4検知素子51〜54のそれぞれにおいて、図3(b)〜図3(e)に例示したそれぞれの特性が得易くなる。
実施形態において、第1磁性層11は、例えば、強磁性体材料を含む。第1磁性層11は、例えば、Fe、Co、Niを含む強磁性体材料を含む。第1磁性層11は、例えば、FeCo合金等を含む。第1磁性層11は、例えば、Co−Fe−B合金、Fe−Co−Si−B合金、λs(磁歪定数)が大きいFe−Ga合金、Fe−Co−Ga合金、Tb−M−Fe合金、Tb−M1−Fe−M2合金、Fe−M3−M4−B合金、Ni、Fe−Al、及び、フェライトよりなる群から選択された少なくとも1つを含む。これらの材料においては、例えば、λs(磁歪定数)が大きい。上記のTb−M−Fe合金において、Mは、Sm、Eu、Gd、Dy、Ho及びErよりなる群から選択された少なくとも1つである。上記のTb−M1−Fe−M2合金において、M1は、Sm、Eu、Gd、Dy、Ho及びErよりなる群から選択された少なくとも1つである。M2は、Ti、Cr、Mn、Co、Cu、Nb、Mo、W及びTaよりなる群から選択された少なくとも1つである。上記のFe−M3−M4−B合金において、M3は、Ti、Cr、Mn、Co、Cu、Nb、Mo、W及びTaよりなる群から選択された少なくとも1つである。M4は、Ce、Pr、Nd、Sm、Tb、Dy及びErよりなる群から選択された少なくとも1つである。上記のフェライトは、Fe、及び、(FeCo)よりなる群から選択された少なくとも1つを含む。第1磁性層11の厚さは、例えば2nm以上である。
第1磁性層11は、ホウ素を含む磁性材料を含んでも良い。第1磁性層11は、例えば、Fe、Co及びNiよりなる群から選択される少なくとも一つの元素と、ホウ素(B)とを含む合金を含んでも良い。第1磁性層11は、例えば、Co−Fe−B合金、または、Fe−B合金を含んでも良い。例えば、第1磁性層11は、Co40Fe4020合金を含む。第1磁性層11が、Fe、Co及びNiよりなる群から選択される少なくとも一つの元素と、ホウ素(B)と、を含む合金を含む場合、第1磁性層11は、Ga、Al、Si及びWよりなる群から選択された少なくとも1つをさらに含んでも良い。これらの元素を含むことで、例えば、高い磁歪定数が得やすくなる。第1磁性層11は、例えば、Fe−Ga−B合金、Fe−Co−Ga−B合金、または、Fe−Co−Si−B合金を含んでも良い。第1磁性層11がこのようなホウ素を含む磁性材料を含むことで、例えば、第1磁性層11の保磁力(Hc)が低くなる。例えば、歪に対する磁化方向の変化が容易となる。これにより、高い感度が得られる。
第1磁性層11におけるホウ素濃度(例えば、ホウ素の組成比)は、5at.%(原子パーセント)以上が好ましい。これにより、アモルファス構造が得易くなる。第1磁性層11(例えば磁化自由層)におけるホウ素濃度は、35at.%以下が好ましい。ホウ素濃度が高すぎると、例えば、磁歪定数が減少する。第1磁性層11におけるホウ素濃度は、例えば、5at.%以上35at.%以下が好ましく、10at.%以上30at.%以下がさらに好ましい。
第1磁性層11に含まれる磁性膜の一部が、Fe1−y(0<y≦0.3)、または(Fe1−z1−y(Xは、CoまたはNi、0.8≦z<1、0<y≦0.3)を含む場合、例えば、大きい磁歪定数λと、低い保磁力と、が得やすくなる。このため、高い歪感度を得る観点で、特に好ましい。例えば、第1磁性層11は、Fe8020(厚さは4nm)を含む。第1磁性層11は、例えば、Co40Fe4020(厚さは0.5nm)/Fe8020(厚さは、4nm)を含む。
第2磁性層12は、例えば、第1磁性層11と同じ材料を含んでも良い。第3磁性層13は、第1磁性層11と同じ材料を含んでも良い。第4磁性層14は、第1磁性層11と同じ材料を含んでも良い。
実施形態においては、第2磁性層12は、第1磁性層11と異なる材料を含んでも良い。第4磁性層14は、第1磁性層11と異なる材料を含んでも良い。
例えば、第2磁性層12(および第4磁性層14)における組成は、第1磁性層11(および第3磁性層13)における組成とは異なる。例えば、第1磁性層11(および第3磁性層13)は、Fe、Co、及びNiの少なくとも1つを第1濃度で含む。第2磁性層12(および第4磁性層14)は、Fe、Co、及びN1の上記の少なくとも1つを第2濃度で含む。第2濃度は、第1濃度とは異なる。
例えば、第2磁性層12(および第4磁性層14)におけるFeの濃度(組成比)は、第1磁性層11(および第3磁性層13)におけるFeの濃度(組成比)とは異なる。例えば、第2磁性層12(および第4磁性層14)におけるCoの濃度(組成比)は、第1磁性層11(および第3磁性層13)におけるCoの濃度(組成比)とは異なる。例えば、第2磁性層12(および第4磁性層14)におけるNiの濃度(組成比)は、第1磁性層11(および第3磁性層13)におけるNiの濃度(組成比)とは異なる。
例えば、第1磁性層11(および第3磁性層13)と第2磁性層12(および第4磁性層14)とで、B(ボロン)の濃度が異なっても良い。例えば、第1磁性層11(および第3磁性層13)におけるBの組成比は、10at.%以上30at.%以下である。例えば、第2磁性層12(および第4磁性層14)におけるBの組成比は、0at.%以上10at.%未満である。例えば、第1磁性層11(および第3磁性層13)は、Fe、Co、及びNiの少なくとも1つと、Bと、を含む。第2磁性層12(および第4磁性層14)は、Fe、Co、及びN1の少なくとも1つを含み、Bを含まない。
例えば、第1磁性層11(および第3磁性層13)は、Fe、Co、及びNiの少なくとも1つと、Bと、を含む。第2磁性層12(および第4磁性層14)は、Fe、Co、及びN1の少なくとも1つと、Bと、を含む。そして、第2磁性層12(および第4磁性層14)含まれるBの濃度(組成比)は、第1磁性層11(および第3磁性層13)に含まれるBの濃度(組成比)よりも低い。例えば、第1磁性層11(および第3磁性層13)におけるFeの組成比は、60at.%(原子パーセント)以上100at.%以下である。例えば、第2磁性層12(および第4磁性層14)におけるFeの組成比は、0at.%以上60at.%未満である。例えば、第1磁性層11(および第3磁性層13)におけるBの組成比は、10at.%以上30at.%以下である。例えば、第2磁性層12(および第4磁性層14)におけるBの組成比は、0at.%以上10at.%未満である。
例えば、第1磁性層11(および第3磁性層13)は、Co40Fe4020を含む。例えば、第2磁性層12(および第4磁性層14)は、Co50Fe50を含む。
例えば、第1磁性層11(および第3磁性層13)は、Fe8020を含む。例えば、第2磁性層12(および第4磁性層14)は、Co40Fe4020を含む。
これらの磁性層における組成は、例えば、断面TEM(Transmission Electron Microscope)及びEDX(Energy Dispersive X-ray Spectroscopy)の組み合わせの分析手法により、求められる。これらの磁性層における組成は、例えば、断面TEM、及び、EELS(Electron Energy-Loss Spectroscopy)の組み合わせの分析手法により、求められる。これらの磁性層における組成は、例えば、SIMS(Secondary Ion Mass Spectrometry)などの分析手法により、求められる。
例えば、第1磁性層11(および第3磁性層13)及び第2磁性層12(および第4磁性層14)において、結晶性が異なっても良い。例えば、第1磁性層11(および第3磁性層13)は、アモルファス領域を含む。第2磁性層12(および第4磁性層14)は、結晶領域を含む。例えば、第2磁性層12(および第4磁性層14)は、アモルファス領域を含まない。例えば、第2磁性層12(および第4磁性層14)におけるアモルファス領域の量(例えば、単位断面積あたりのアモルファス領域の広さ)は、第1磁性層11(および第3磁性層13)におけるアモルファス領域の量(例えば、単位断面積あたりのアモルファス領域の広さ)よりも少ない。例えば、第1磁性層11(および第3磁性層13)は、結晶領域を実質的に含まなくても良い。
これらの磁性層における結晶性は、例えば、断面TEM(Transmission Electron Microscope)などの分析手法により、求められる。
このような材料の違いにより、例えば、第1〜第4検知素子51〜54のそれぞれにおいて、図3(b)〜図3(e)に例示したそれぞれの特性が得易くなる。
実施形態において、第1対向磁性層11oは、例えば、強磁性体材料を含む。第1対向磁性層11oは、例えば、Fe、Co及びNiを含む強磁性体材料を含む。第1対向磁性層11oは、例えば、NiFe等を含む。第1対向磁性層11oは、例えばNiFeCo等を含む。第1対向磁性層11oが、λs(磁歪定数)の低い、またはλs(磁歪定数)が実質的にゼロの材料を含むでも良い。これにより、例えば、第1磁性層11と比較して歪に対して磁化回転が生じ難くなる。または、歪に対して磁化回転が実質的に生じなくなる。例えば、第1対向磁性層11oは、Ni1−yFe(0.15≦y≦0.25)を含む磁性層を含む。
実施形態において、第1非磁性層11nは、例えば、金属、絶縁体または半導体を含む。この金属は、例えば、Cu、Au及びAgよりなる群から選択された少なくとも1つを含む。第1非磁性層11nが金属を含む、第1非磁性層11nの厚さは、例えば、1nm以上7nm以下程度である。上記の絶縁体または上記の半導体は、例えば、マグネシウム酸化物(MgO等)、アルミニウム酸化物(Al等)、チタン酸化物(TiO等)、亜鉛酸化物(ZnO等)、及び、ガリウム酸化物(Ga−O)よりなる群から選択された少なくとも1つを含む。第1非磁性層11nが絶縁体または半導体を含む場合、第1非磁性層11nの厚さは、例えば0.6nm以上3nm以下程度である。例えば、第1非磁性層11nは、例えば、2nmの厚さのMgO層を含む。
図8は、実施形態に係るセンサの一部を例示する模式的平面図である。
図8においては、図の見易さのために、非磁性層が省略されている。さらに、磁性層の位置と対向磁性層の位置とがシフトされて図示されている。
図8に示すように、実施形態に係るセンサ140においては、検知部20において、第1〜第4検知素子51〜54が設けられる。第1検知素子51は、複数の積層体を含む。この複数の積層体の1つは、第1磁性層11及び第1対向磁性層11oを含む。第2検知素子52は、複数の積層体を含む。この複数の積層体の1つは、第2磁性層12及び第2対向磁性層12oを含む。第3検知素子53は、複数の積層体を含む。この複数の積層体の1つは、第3磁性層13及び第3対向磁性層13oを含む。第4検知素子54は、複数の積層体を含む。この複数の積層体の1つは、第4磁性層14及び第4対向磁性層14oを含む。
図6(a)及び図6(b)に関して説明したように、複数の第1検知素子51の少なくとも2つは、電気的に直列に接続される。
図9は、実施形態に係るセンサを例示する模式斜視図である。
図9に示すように、実施形態に係るセンサ150において、検知部20において、第1〜第4検知素子51〜54が設けられる。
第1検知素子51は、第1下部電極11a、第1下地層11u、第1ピニング層11v、第1固着磁性層11p、第1磁気結合層11e、第1対向磁性層11o、第1非磁性層11n、第1磁性層11、第1キャップ層11c及び第1上部電極11bを含む。
第2検知素子52は、第2下部電極12a、第2下地層12u、第2ピニング層12v、第2固着磁性層12p、第2磁気結合層12e、第2対向磁性層12o、第2非磁性層12n、第2磁性層12、第2キャップ層12c及び第1上部電極12bを含む。
第3検知素子53は、第3下部電極13a、第3下地層13u、第3ピニング層13v、第3固着磁性層13p、第3磁気結合層13e、第3対向磁性層13o、第3非磁性層13n、第3磁性層13、第3キャップ層13c及び第1上部電極13bを含む。
第4検知素子54は、第4下部電極14a、第4下地層14u、第4ピニング層14v、第4固着磁性層14p、第4磁気結合層14e、第4対向磁性層14o、第4非磁性層14n、第4磁性層14、第4キャップ層14c及び第1上部電極14bを含む。
図9に示す第1〜第4検知素子51〜54の例においては、第1磁性層11、第2磁性層12、第3磁性層13及び第4磁性層14は磁化自由層である。第1対向磁性層11o、第2対向磁性層12o、第3対向磁性層13o及び第4対向磁性層14oは、磁化固定層である。磁化固定層において、磁化が固定される。
第1下部電極11a及び第1上部電極11bは、例えば、アルミニウム(Al)、アルミニウム銅合金(Al−Cu)、銅(Cu)、銀(Ag)、及び、金(Au)の少なくともいずれかを含む。これらの材料において、電気抵抗が比較的低い、第1下部電極11a及び第1上部電極11bがこれらの材料を含むことで、例えば、第1検知素子51に効率的に電流を流すことができる。第1下部電極11a及び第1上部電極11bは、非磁性材料を含む。
第1下部電極11a及び第1上部電極11bは、例えば、第1下部電極膜及び第1上部電極膜(図示せず)と、第1下部電極11a及び第1上部電極11b用のキャップ層(図示せず)と、それらの間に設けられたAl、Al−Cu、Cu、Ag、及び、Auよりなる群から選択された少なくとも1つを含む層と、を含んでも良い。例えば、第1下部電極11a及び第1上部電極11bには、タンタル(Ta)/銅(Cu)/タンタル(Ta)などを含んでも良い。第1下部電極11a及び第1上部電極11bの下地層がTaを含むことで、例えば、基板(例えば膜部60)と、第1下部電極11aと、の密着性が向上する。第1下部電極11a及び第1上部電極11b用の下地層は、チタン(Ti)、または、窒化チタン(TiN)などを含んでも良い。
第1下部電極11a及び第1上部電極11bのキャップ層がTaを含むことで、そのキャップ層の下の銅(Cu)などの酸化が抑制される。第1下部電極11a及び第1上部電極11b用のキャップ層として、チタン(Ti)、または、窒化チタン(TiN)などを含んでも良い。
第2下部電極12a、第3下部電極13a、及び第4下部電極14aは、例えば、第1下部電極11aに関して説明した材料を含む。第2下部電極12a、第3下部電極13a、及び第4下部電極14aは、例えば、第1下部電極11aの材料と同じ材料を含んでも良い。
第2上部電極12b、第3上部電極13b、及び第4上部電極14bは、例えば、第1上部電極11bに関して説明した材料を含む。第2上部電極12b、第3上部電極13b、及び第4上部電極14bは、例えば、第1上部電極11bの材料と同じ材料を含んでも良い。
第1下地層11uは、例えば、バッファ層(図示せず)と、シード層(図示せず)とを含む積層構造を有しても良い。このバッファ層は、例えば、第1下部電極11aまたは膜部60等の表面の荒れを緩和する。バッファ層は、例えば、バッファ層の上に積層される層の結晶性を改善する。バッファ層は、例えば、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、タングステン(W)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)及びクロム(Cr)よりなる群から選択された少なくとも1つを含む。バッファ層として、上記の群から選択された少なくとも1つを含む合金を含んでも良い。
第1下地層11uに含まれるバッファ層の厚さは、例えば、1nm以上10nm以下が好ましい。バッファ層の厚さは、1nm以上5nm以下がより好ましい。バッファ層の厚さが薄すぎると、バッファ効果が不十分になる場合がある。バッファ層の厚さが厚すぎると、第1検知素子51の厚さが過度に厚くなる。バッファ層の上にシード層が形成され、例えば、そのシード層がバッファ効果を有しても良い。この場合、バッファ層は省略されても良い。バッファ層は、例えば、3nmの厚さのTa層を含む。
第1下地層11uに含まれるシード層は、このシード層の上に積層される層の結晶配向を制御する。このシード層は、このシード層の上に積層される層の結晶粒径を制御する。このシード層は、fcc構造(face-centered cubic structure:面心立方格子構造)、hcp構造(hexagonal close-packed structure:六方最密格子構造)またはbcc構造(body-centered cubic structure:体心立方格子構造)の金属等を含む。
第1下地層11uに含まれるシード層は、hcp構造のルテニウム(Ru)、または、fcc構造のNiFe、または、fcc構造のCuを含む。これにより、例えば、シード層の上の磁性層の結晶配向をfcc(111)配向にすることができる。シード層は、例えば、2nmの厚さのCu層、または、2nmの厚さのRu層を含んでも良い。シード層の厚さは、1nm以上5nm以下が好ましい。この場合、例えば、シード層の上に形成される層の結晶配向性を高めることができる。シード層の厚さは、1nm以上3nm以下がより好ましい。これにより、結晶配向を向上させるシード層としての機能が十分に発揮される。
第2下地層12u、第3下地層13u及び第4下地層14uは、第1下地層11uに関して説明した材料を含む。第2下地層12u、第3下地層13u及び第4下地層14uは、第1下地層11uの材料と同じ材料を含んでも良い。
第1ピニング層11vは、例えば、第1ピニング層11vの上に形成される第1固着磁性層11p(強磁性層)に、一方向異方性(unidirectional anisotropy)を与えて、第1固着磁性層11pの磁化を固定する。第1ピニング層11vは、例えば、反強磁性層を含む。第1ピニング層11vは、例えば、Ir−Mn、Pt−Mn、Pd−Pt−Mn、Ru−Mn、Rh−Mn、Ru−Rh−Mn、Fe−Mn、Ni−Mn、Cr−Mn−Pt及びNi−Oよりなる群から選択された少なくとも1つを含む用。第1ピニング層11vは、Ir−Mn、Pt−Mn、Pd−Pt−Mn、Ru−Mn、Rh−Mn、Ru−Rh−Mn、Fe−Mn、Ni−Mn、Cr−Mn−Pt及びNi−Oよりなる群から選択された少なくとも1つと、他の元素と、を含む合金を含んでも良い。第1ピニング層11vの厚さは、適切に設定される。例えば、十分な強さの一方向異方性が第1固着磁性層11pに与えられる。
例えば、磁界印加中での熱処理が行われる。これにより、例えば、第1ピニング層11vに接する強磁性層の磁化の固定が行われる。熱処理時に印加されている磁界の方向に第1ピニング層11vに接する強磁性層の磁化が固定される。熱処理温度(アニール温度)は、例えば、第1ピニング層11vに用いられる反強磁性材料の磁化固着温度以上である。例えば、第1ピニング層11vがMnを含む反強磁性層を含む場合、第1ピニング層11v以外の層にMnが拡散してMR変化率を低減する場合がある。熱処理温度は、Mnの拡散が生じる温度以下に設定することが望ましい。熱処理温度は、例えば200℃以上500℃以下である。熱処理温度は、例えば、好ましくは、250℃以上400℃以下である。
第1ピニング層11vがPtMnまたはPdPtMnを含む場合には、第1ピニング層11vの厚さは、8nm以上20nm以下が好ましい。第1ピニング層11vの厚さは、10nm以上15nm以下がより好ましい。第1ピニング層11vがIrMnを含む場合には、第1ピニング層11vがPtMnを含む場合の厚さよりも薄い厚さで、他の層に一方向異方性を与えることができる。第1ピニング層11vがIrMnを含む場合には、第1ピニング層11vの厚さは、4nm以上18nm以下が好ましい。第1ピニング層11vの厚さは、5nm以上15nm以下がより好ましい。第1ピニング層11vには、例えば、7nmの厚さのIr22Mn78層を含む。
第1ピニング層11vは、ハード磁性層を含んでも良い。ハード磁性層は、例えば、Co−Pt、Fe−Pt、Co−Pd、及び、Fe−Pdよりなる群から選択された少なくとも1つを含む。これらの材料においては、例えば、磁気異方性および保磁力が比較的高い。これらの材料は、ハード磁性材料である。第1ピニング層11vが、Co−Pt、Fe−Pt、Co−Pd、及び、Fe−Pdよりなる群から選択された少なくとも1つと、他の元素と、を含む合金を含んでも良い。例えば、第1ピニング層11vは、CoPt(Coの比率は、50at.%以上85at.%以下)、(CoPt100−x100−yCr(xは、50at.%以上85at.%以下であり、yは、0at.%以上40at.%以下)、または、FePt(Ptの比率は、40at.%以上60at.%以下)を含んでも良い。
第2ピニング層12v、第3ピニング層13v及び第4ピニング層14vは、例えば、第1ピニング層11vに関して説明した材料を含む。第2ピニング層12v、第3ピニング層13v及び第4ピニング層14vは、例えば、第1ピニング層11vの材料と同じ材料を含んでも良い。
第3ピニング層13v(及び第4ピニング層14v)は、第1ピニング層11v及び第2ピニング層12vとは異なる材料を含んでも良い。例えば、第3ピニング層13v(及び第4ピニング層14v)がPt−Mn合金を含み、第1ピニング層11v(及び第2ピニング層12v)がIr−Mn合金を含んでも良い。このように異なる材料を用いることによって、第3対向磁性層の磁化13oM(及び第4対向磁性層の磁化14oM)を、第1対向磁性層の磁化11oM(及び第2対向磁性層の磁化12oM)と交差させやすくなる(図9参照)。
第1固着磁性層11pは、例えば、CoFe100−x合金(xは、0at.%以上100at.%以下)、及び、NiFe100−x合金(xは、0at.%以上100at.%以下)よりなる群から選択された少なくとも1つを含む。第1固着磁性層11pは、これらの材料と、非磁性元素と、を含む材料を含んでも良い。第1固着磁性層11pは、例えば、Co、Fe及びNiよりなる群から選択された少なくとも1つを含む。第1固着磁性層11pとして、Co、Fe及びNiよりなる群から選択された少なくとも1を含む合金を含んでも良い。
第1固着磁性層11pの厚さは、例えば、1.5nm以上5nm以下が好ましい。これにより、例えば、第1固着磁性層11pによる一方向異方性磁界の強度をより強くすることができる。例えば、第1固着磁性層11pの上に形成される磁気結合層を介して、第1固着磁性層11pと第1対向磁性層11oとの間の反強磁性結合磁界の強度をより強くすることができる。例えば、第1固着磁性層11pの磁気膜厚(飽和磁化と厚さとの積)は、第1対向磁性層11oの磁気膜厚と、実質的に等しいことが好ましい。
図9に例示するセンサ150において、第1検知素子51において、第1固着磁性層11pと第1磁気結合層11eと第1対向磁性層11oとにより、シンセティックピン構造が設けられている。第1検知素子51において、1層の磁化固定層のシングルピン構造が設けられても良い。この場合、第1固着磁性層11pと第1磁気結合層11eは省略される。
第2固着磁性層12p、第3固着磁性層13p及び第4固着磁性層14pは、例えば、第1固着磁性層11pに関して説明した材料を含む。第2固着磁性層12p、第3固着磁性層13p及び第4固着磁性層14pは、例えば、第1固着磁性層11pの材料と同じ材料を含んでも良い。
第1磁気結合層11eは、第1固着磁性層11pと第1対向磁性層11oとの間において、反強磁性結合を生じさせる。第1磁気結合層11eは、シンセティックピン構造を形成する。第1磁気結合層11eは、例えば、Ruを含む。第1磁気結合層11eの厚さは、例えば、0.8nm以上1nm以下であることが好ましい。第1磁気結合層11eは、第1固着磁性層11pと第1対向磁性層11oとの間に十分な反強磁性結合を生じさせる材料を含む。例えば、第1磁気結合層11eは、例えば、Irを含む。第1磁気結合層11eの厚さは、例えば、RKKY(Ruderman-Kittel-Kasuya-Yosida)結合のセカンドピーク(2ndピーク)に対応する0.8nm以上1nm以下の厚さに設定される。第1磁気結合層11eの厚さは、RKKY結合のファーストピーク(1stピーク)に対応する0.3nm以上0.6nm以下の厚さに設定されても良い。第1磁気結合層11eの材料は、例えば、0.9nmの厚さのRu層を含む。これにより、高信頼性の結合がより安定して得られる。
第2磁気結合層12e、第3磁気結合層13e及び第4磁気結合層14eは、例えば、第1磁気結合層11eに関して説明した材料を含む。第2磁気結合層12e、第3磁気結合層13e及び第4磁気結合層14eは、例えば、第1磁気結合層11eの材料と同じ材料を含む。
第1対向磁性層11oは、例えば、Co−Fe−B合金を含む。第1対向磁性層11oは、例えば、(CoFe100−x100−yBy合金(xは、0at.%以上100at.%以下であり、yは、0at.%以上30at.%以下)を含む。
第1対向磁性層11oの上に形成される層(例えば第1非磁性層11n)を平坦化することができる。第1非磁性層11nの平坦化により、第1非磁性層11nの欠陥密度を減らすことができる。これにより、より低い面積抵抗で、より高いMR変化率が得られる。例えば、第1非磁性層11nがMgOを含む場合に、第1対向磁性層11oは、例えば、(CoFe100−x100−yのアモルファス合金を含む。この場合、MgO層の(100)配向性を強めることができる。MgO層の(100)配向性をより高くすることで、より高いMR変化率が得られる。(CoFe100−x100−y合金は、アニール時にMgO層の(100)面をテンプレートとして結晶化する。このため、MgOと(CoFe100−x100−y合金との良好な結晶整合が得られる。良好な結晶整合を得ることで、より高いMR変化率が得られる。
第1対向磁性層11oは、例えば、Fe−Co合金を含んでも良い。
第1対向磁性層11oが厚いと、より高いMR変化率が得られる。第1対向磁性層11oが薄いと、例えば、より大きな固定磁界が得られる。MR変化率と固定磁界との間には、第1対向磁性層11oの厚さにおいてトレードオフの関係が存在する。第1対向磁性層11oがCo−Fe−B合金を含む場合には、第1対向磁性層11oの厚さは、1.5nm以上5nm以下が好ましい。第1対向磁性層11oの厚さは、2.0nm以上4nm以下がより好ましい。
第1対向磁性層11oは、fcc構造のCo90Fe10合金、hcp構造のCo、及び、hcp構造のCo合金よりなる群から選択された少なくとも1つを含む。第1対向磁性層11oは、例えば、Co、Fe及びNiよりなる群から選択された少なくとも1つを含む。第1対向磁性層11oは、例えば、Co、Fe及びNiよりなる群から選択された少なくとも1つを含む合金を含んでも良い。第1対向磁性層11oは、例えば、bcc構造のFeCo合金、50%以上のコバルト組成を含むCo合金、及び、50%以上のNi組成の材料(Ni合金)よりなる群から選択された少なくとも1つを含むことで、例えば、より高いMR変化率が得られる。
第2対向磁性層12o、第3対向磁性層13o及び第4対向磁性層14oは、例えば、第1対向磁性層11oに関して説明した材料を含む。第2対向磁性層12o、第3対向磁性層13o及び第4対向磁性層14oは、例えば、第1対向磁性層11oの材料と同じ材料を含んでも良い。
第1非磁性層11n、第2非磁性層12n、第3非磁性層13n及び第4非磁性層14nは、例えば、前述のセンサ120における第1非磁性層11n、第2非磁性層12n、第3非磁性層13n及び第4非磁性層14nのそれぞれに関して説明した材料を含む。第1非磁性層11n、第2非磁性層12n、第3非磁性層13n及び第4非磁性層14nは、例えば、前述のセンサ120における第1非磁性層11n、第2非磁性層12n、第3非磁性層13n及び第4非磁性層14nのそれぞれの材料と同じ材料を含んでも良い。
第1磁性層11、第2磁性層12、第3磁性層13及び第4磁性層14は、例えば、前述のセンサ120における第1磁性層11、第2磁性層12、第3磁性層13及び第4磁性層14のそれぞれも関して説明した材料を含んでも良い。第1磁性層11、第2磁性層12、第3磁性層13及び第4磁性層14は、例えば、前述のセンサ120における第1磁性層11、第2磁性層12、第3磁性層13及び第4磁性層14のそれぞれの材料と同じ材料を含んでも良い。
第1キャップ層11cは、第1キャップ層11cの下に設けられる層を保護する。第1キャップ層11cは、例えば、複数の金属層を含む。第1キャップ層11cは、例えば、Ta層とRu層との2層構造(Ta/Ru)を有する。このTa層の厚さは、例えば1nmであり、このRu層の厚さは、例えば5nmである。第1キャップ層11cは、他の金属層を含んでも良い。第1キャップ層11cの構成は、任意である。例えば、第1キャップ層11cは、非磁性材料を含む。例えば、第1キャップ層11cは、第1キャップ層11cの下に設けられる層を保護可能な他の材料を含んでも良い。
第2キャップ層12c、第3キャップ層13c及び第4キャップ層14cは、第1キャップ層11cに関して説明した材料を含む。第2キャップ層12c、第3キャップ層13c及び第4キャップ層14cは、第1キャップ層11cの材料と同じ材料を含んでも良い。
第1磁性層11がホウ素を含む磁性材料を含む場合、第1磁性層11と第1キャップ層11cとの間に別の層が設けられても良い。この別の層は、例えば、酸化物及び窒化物よりなる群から選択された少なくとも1つを含む。この層は、例えば、拡散抑制層として機能する。これにより、例えば、ホウ素の拡散が抑制される。拡散抑制層が設けられることにより、例えば、第1磁性層11に含まれるホウ素の拡散が抑制される。例えば、第1磁性層11のアモルファス構造を保つことが容易になる。拡散抑制層は、例えば、Mg、Al、Si、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Zr、Nb、Mo、Ru、Rh、Pd、Ag、Hf、Ta、W、Sn、Cd及びGaよりなる群から選択された少なくとも1つの元素を含む酸化物を含む。拡散抑制は、例えば、上記の少なくとも1つの元素を含む窒化物を含む。拡散抑制層は、例えば、磁気抵抗効果には実質的に寄与しない層である。拡散抑制層の面積抵抗は、低いことが好ましい。例えば、拡散抑制層の面積抵抗は、磁気抵抗効果に寄与する中間層(例えば第1非磁性層11n)の面積抵抗よりも低く設定されることが好ましい。拡散抑制層は、例えば、Mg、Ti、V、Zn、Sn、Cd及びGaよりなる群から選択された少なくとも1つの元素を含む酸化物、及び、上記の少なくとも1つの元素を含む窒化物の少なくともいずれかを含む。この場合、拡散抑制層の面積抵抗を下げ易い。これらの材料において、バリアハイトは低い。拡散抑制層は、化学結合の強い酸化物を含むことが好ましい。これにより、例えば、ホウ素の拡散をより抑制し易くなる。拡散抑制層は、例えば、1.5nmのMgO層を含む。酸窒化物は、酸化物及び窒化物のいずれかに含まれる。
拡散抑制層が、酸化物または窒化物を含む場合、拡散抑制層の厚さは、例えば、0.5nm以上が好ましい。これより、ホウ素の拡散抑制機能が十分に発揮される。拡散抑制層の厚さは、5nm以下が好ましい。これにより、例えば、低い面積抵抗が得られる。拡散抑制層の厚さは、0.5nm以上5nm以下が好ましく、1nm以上3nm以下が好ましい。
拡散抑制層は、マグネシウム(Mg)、シリコン(Si)及びアルミニウム(Al)よりなる群から選択された少なくともいずれかを含んでも良い。拡散抑制層は、これらの軽元素を含む材料を含む。これらの軽元素は、ホウ素と結合して化合物を生成する。拡散抑制層と磁化自由層との界面を含む部分に、例えば、Mg−B化合物、Al−B化合物、及び、Si−B化合物の少なくともいずれかが形成される。これらの化合物が、ホウ素の拡散を抑制する。
図10は、実施形態に係るセンサを例示する模式斜視図である。
図10に示すように、実施形態に係るセンサ151において、検知部20において、第1〜第4検知素子51〜54が設けられる。
第1検知素子51は、第1下部電極11a、第1下地層11u、第1ピニング層11v、第1固着磁性層11p、第1磁気結合層11e、第1対向磁性層11o、第1非磁性層11n、第1磁性層11、第1磁気結合調整層11d、第1対向ピニング層11w、第1キャップ層11c及び第1上部電極11bを含む。
第2検知素子52は、第2下部電極12a、第2下地層12u、第2ピニング層12v、第2固着磁性層12p、第2磁気結合層12e、第2対向磁性層12o、第2非磁性層12n、第2磁性層12、第2磁気結合調整層12d、第2対向ピニング層12w、第2キャップ層12c及び第1上部電極12bを含む。
第3検知素子53は、第3下部電極13a、第3下地層13u、第3ピニング層13v、第3固着磁性層13p、第3磁気結合層13e、第3対向磁性層13o、第3非磁性層13n、第3磁性層13、第3磁気結合調整層13d、第3対向ピニング層13w、第3キャップ層13c及び第1上部電極13bを含む。
第4検知素子54は、第4下部電極14a、第4下地層14u、第4ピニング層14v、第4固着磁性層14p、第4磁気結合層14e、第4対向磁性層14o、第4非磁性層14n、第4磁性層14、第4磁気結合調整層14d、第4対向ピニング層14w、第4キャップ層14c及び第4上部電極14bを含む。
センサ151における第1〜第4検知素子51〜54は、センサ150における第1〜第4検知素子51〜54において、さらに第1〜第4磁気結合調整層11d〜14d及び第1〜第4対向ピニング層11w〜14wをそれぞれ含む。
センサ151における第1〜第4下部電極11a〜14a、第1〜第4下地層11u〜14u、第1〜第4ピニング層11v〜14v、第1〜第4固着磁性層11p〜14p、第1〜第4磁気結合層11e〜14e、第1対向磁性層11o〜14o、第1〜第4非磁性層11n〜14n、第1〜第4磁性層11〜14、第1〜第4キャップ層11c〜14c、及び、第1〜第4上部電極11b〜14bは、例えば、センサ150に関して説明した材料を含む。
第1磁気結合調整層11dは、例えば、非磁性材料を含む。第1磁気結合調整層11dは、例えば、Cu、Ru、Rh、Ir、V、Cr、Nb、Mo、Ta、W、Au、Ag、Pt、Pd、Ti、Zr、及びHfよりなる群から選択された少なくとも一つの元素を含む。例えば、第1磁気結合調整層11dは、0.8nmのRu層を含む。第2磁気結合調整層12d、第3磁気結合調整層13d及び第4磁気結合調整層14dは、第1磁気結合調整層11dに関して説明した材料を含む。第2磁気結合調整層12d、第3磁気結合調整層13d及び第4磁気結合調整層14dは、第1磁気結合調整層11dと同じ材料を含んでも良い。
第1対向ピニング層11wは、例えば、第1対向ピニング層11wの下に第1磁気結合調整層11dを介して形成される第1磁性層11(強磁性層)に、一方向異方性(unidirectional anisotropy)を与える。第1磁性層11の磁化に、磁気的なバイアスが加えられる。例えば、センサ151に歪が加われない状態における第1磁性層11の初期磁化の方向が、一方向に定められる。
第1対向ピニング層11wは、例えば反強磁性層を含む。第1対向ピニング層11wは、例えば、Ir−Mn、Pt−Mn、Pd−Pt−Mn、Ru−Mn、Rh−Mn、Ru−Rh−Mn、Fe−Mn、Ni−Mn、Cr−Mn−Pt及びNi−Oよりなる群から選択された少なくとも1つを含む。第1対向ピニング層11wは、Ir−Mn、Pt−Mn、Pd−Pt−Mn、Ru−Mn、Rh−Mn、Ru−Rh−Mn、Fe−Mn、Ni−Mn、Cr−Mn−Pt及びNi−Oよりなる群から選択された少なくとも1つと、他の元素と、を含む合金を含んでも良い。第1対向ピニング層11wの厚さは、適切に設定される。これにより、例えば、十分な強さの一方向異方性が付与される。
例えば、磁界印加中での熱処理が行われる。これにより、例えば、第1対向ピニング層11wに接する強磁性層の磁化の固定が行われる。熱処理時に印加されている磁界の方向に、第1対向ピニング層11wに接する強磁性層の磁化が固定される。熱処理温度(アニール温度)は、例えば、第1対向ピニング層11wに用いられる反強磁性材料の磁化固着温度以上である。第1対向ピニング層11wがMnを含む反強磁性層を含む場合、第1対向ピニング層11w以外の層にMnが拡散してMR変化率を低減する場合がある。熱処理温度は、Mnの拡散が起こる温度以下に設定することが望ましい。熱処理温度は、例えば200℃以上500℃以下である。熱処理温度は、例えば、好ましくは、250℃以上400℃以下である。
第1対向ピニング層11wが、PtMn及びPdPtMnよりなる群から選択された少なくとも1つを含む場合は、第1対向ピニング層11wの厚さは、8nm以上20nm以下が好ましい。第1対向ピニング層11wの厚さは、10nm以上15nm以下がより好ましい。第1対向ピニング層11wがIrMnを用いる場合には、第1対向ピニング層11wがPtMnを含む場合よりも薄い厚さで、一方向異方性を与えることができる。第1対向ピニング層11wがIrMnを含む場合には、第1対向ピニング層11wの厚さは、4nm以上18nm以下が好ましい。第1対向ピニング層11wがIrMnを含む場合、第1対向ピニング層11wの厚さは、5nm以上15nm以下がより好ましい。第1対向ピニング層11wには、例えば、7nmの厚さのIr22Mn78層を含む。
第1対向ピニング層11wは、ハード磁性層を含んでも良い。このハード磁性層は、例えば、Co−Pt、Fe−Pt、Co−Pd、及び、Fe−Pdよりなる群から選択された少なくとも1つを含んでも良い。これらの材料においては、例えば、磁気異方性および保磁力が比較的高い。これらの材料は、ハード磁性材料である。第1対向ピニング層11wは、Co−Pt、Fe−Pt、Co−Pd、及び、Fe−Pdよりなる群から選択された少なくとも1つと、別の元素と、を含む合金を含んでも良い。第1対向ピニング層11wは、例えば、CoPt(Coの比率は、50at.%以上85at.%以下)、(CoPt100−x100−yCr(xは、50at.%以上85at.%以下であり、yは、0at.%以上40at.%以下)、及び、FePt(Ptの比率は、40at.%以上60at.%以下)よりなる群から選択された少なくとも1つを含んでも良い。
第2対向ピニング層12w、第3対向ピニング層13w及び第4対向ピニング層14wは、第1対向ピニング層11wに関して説明した材料を含む。第2対向ピニング層12w、第3対向ピニング層13w及び第4対向ピニング層14wは、第1対向ピニング層11wの材料と同じ材料を含んでも良い。
第3対向ピニング層13w(及び第4対向ピニング層14w)は、第1対向ピニング層11w及び第2対向ピニング層12wのそれぞれの材料と異なる材料を含んでも良い。例えば、第3対向ピニング層13w(及び第4対向ピニング層14w)がPt−Mn合金を含み、第1対向ピニング層11w(及び第2対向ピニング層12w)がIr−Mn合金を含んでも良い。このように異なる材料が用いられることによって、例えば、第3磁性層13の初期の磁化13M(及び第4磁性層14の初期の磁化14M)を第1磁性層11の初期の磁化11M(及び第2磁性層12の初期の磁化12M)とを交差させやすくなる(図10参照)。
図11は、実施形態に係るセンサを例示する模式的斜視図である。
図11に示すように、実施形態に係るセンサ(例えばセンサ110など)は、可動部230などに設け得られても良い。この例では、可動部230は、ヒトの関節などである。例えば、可動部230の回転に応じて膜部60にひずみが生じる。センサ110によりひずみを検知することで、可動部230のうごきが検出できる。可動部230は、機械の一部でも良い。
図11に示すように、実施形態に係るセンサ(例えばセンサ110)は、粘着層65を含んでも良い。粘着層65は、膜部60の少なくとも一部に設けられる。粘着層65より膜部60が可動部230に固定されても良い。
図11に示すように、センサ110は、剥離シート66をさらに含んでも良い。例えば、剥離シート66と、膜部60の上記の少なくとも一部と、の間に粘着層65が設けられる。例えば、剥離シート66は、粘着層65から剥離可能である。
実施形態は、例えば以下の構成(例えば技術案)を含む。
(構成1)
膜部と、
前記膜部に固定された1つ以上の検知部と、
処理部と、
を備え、
前記膜部のひずみの大きさは、第1範囲と、前記第1範囲よりも大きい第2範囲と、を含み、
前記検知部は、第1磁性層を含む第1検知素子と、第2磁性層を含む第2検知素子と、を含み、
前記第1検知素子の第1電気抵抗に対応する第1信号の第1変化率は、前記第1信号の第2変化率よりも高く、前記第1変化率は、前記第1範囲内の前記ひずみの前記大きさの変化に対する前記第1信号の変化率であり、前記第2変化率は、前記第2範囲内の前記ひずみの前記大きさの変化に対する前記第1信号の変化率であり、
前記第2範囲内の前記ひずみの前記大きさの変化に対する前記第2検知素子の第2電気抵抗に対応する第2信号の変化率は、前記第2変化率よりも高く、
前記処理部は、前記膜部に第1ひずみが生じたときの前記第1信号に基づく第1値と、前記膜部に前記第1ひずみが生じたときの前記第2信号と、に基づく第2値を出力する第1動作を少なくとも実施可能である、センサ。
(構成2)
前記第1ひずみの大きさは、前記第2範囲内である、構成1記載のセンサ。
(構成3)
前記第1値は、前記第1ひずみの方向に関する情報を含み、
前記第2値は、前記第1ひずみの大きさに関する情報を含む、構成2記載のセンサ。
(構成4)
前記第1範囲内の前記ひずみの前記変化に対する前記第2検知素子の前記第2信号の変化率は、前記第1変化率よりも低い、構成1〜3のいずれか1つに記載のセンサ。
(構成5)
前記第1変化率は、前記第2変化率の5倍以上である、構成1〜4のいずれか1つに記載のセンサ。
(構成6)
前記第1検知素子は、第1対向磁性層と、前記第1磁性層と前記第1対向磁性層との間に設けられた第1非磁性層と、をさらに含み、
前記第2検知素子は、第2対向磁性層と、前記第2磁性層と前記第2対向磁性層との間に設けられた第2非磁性層と、をさらに含み、
前記第1対向磁性層の磁化は、前記第2対向磁性層の磁化に沿う、構成1〜5のいずれか1つに記載のセンサ。
(構成7)
前記第1磁性層及び前記第1対向磁性層の一方と、前記第1面と、の間に、前記第1磁性層及び前記第1対向磁性層の他方が設けられ、
前記第2磁性層及び前記第2対向磁性層の一方と、前記第1面と、の間に、前記第2磁性層及び前記第2対向磁性層の他方が設けられた、構成6記載のセンサ。
(構成8)
前記検知部は、第3検知素子及び第4検知素子をさらに含み、
前記第3検知素子は、第3磁性層と、第3対向磁性層と、前記第3磁性層と前記第3対向磁性層との間に設けられた第3非磁性層と、を含み、
前記第4検知素子は、第4磁性層と、第4対向磁性層と、前記第4磁性層と前記第4対向磁性層との間に設けられた第4非磁性層と、を含み、
前記第3対向磁性層の磁化は、前記第4対向磁性層の磁化に沿い、
前記第3対向磁性層の前記磁化は、前記第1対向磁性層の前記磁化と交差した、構成6または7に記載のセンサ。
(構成9)
前記第3検知素子の第3電気抵抗に対応する第3信号の第3変化率は、前記第3信号の第4変化率よりも高く、前記第3変化率は、前記第1範囲内の前記ひずみの前記変化に対する前記第3信号の変化率であり、前記第4変化率は、前記第2範囲内の前記ひずみの前記変化に対する前記第3信号の変化率であり、
前記第2範囲内の前記ひずみの前記変化に対する前記第4検知素子の第4電気抵抗に対応する第4信号の変化率は、前記第4変化率よりも高く、
前記処理部は、前記膜部に前記第1ひずみが生じたときの前記第3信号に基づく第3値と、前記膜部に前記第1ひずみが生じたときの前記第4信号と、に基づく第4値、を出力する第2動作を少なくともさらに実施可能である、構成8記載のセンサ。
(構成10)
前記第3値は、前記第1ひずみの方向に関する情報を含み、
前記第4値は、前記第1ひずみの大きさに関する情報を含む、構成9記載のセンサ。
(構成11)
前記第1範囲の前記ひずみの前記変化に対する前記第4検知素子の前記第4電気抵抗に対応する信号の変化率は、前記第3変化率よりも低い、構成9または10に記載のセンサ。
(構成12)
前記第3対向磁性層の前記磁化と、前記第1対向磁性層の前記磁化と、の間の角度は、45度以上135度以下である、構成8〜11のいずれか1つに記載のセンサ。
(構成13)
膜部と、
前記膜部に固定された1つ以上の検知部と、
を備え、
前記検知部は、第1〜第4検知素子を含み、
前記第1検知素子は、第1磁性層と、第1対向磁性層と、前記第1磁性層と前記第1対向磁性層との間に設けられた第1非磁性層と、を含み、
前記第2検知素子は、第2磁性層と、第2対向磁性層と、前記第2磁性層と前記第2対向磁性層との間に設けられた第2非磁性層と、を含み、
前記第3検知素子は、第3磁性層と、第3対向磁性層と、前記第3磁性層と前記第3対向磁性層との間に設けられた第3非磁性層と、を含み、
前記第4検知素子は、第4磁性層と、第4対向磁性層と、前記第4磁性層と前記第4対向磁性層との間に設けられた第4非磁性層と、を含み、
前記第1対向磁性層の磁化は、前記第2対向磁性層の磁化に沿い、
前記第3対向磁性層の磁化は、前記第4対向磁性層の磁化に沿い、
前記第3対向磁性層の前記磁化は、前記第1対向磁性層の前記磁化と交差し、
前記膜部のひずみの大きさは、第1範囲と、前記第1範囲よりも大きい第2範囲と、を含み、
前記第1検知素子の第1電気抵抗に対応する第1信号の第1変化率は、前記第1信号の第2変化率よりも高く、前記第1変化率は、前記第1範囲内の前記ひずみの前記大きさの変化に対する前記第1信号の変化率であり、前記第2変化率は、前記第2範囲内の前記ひずみの前記大きさの変化に対する前記第1信号の変化率であり、
前記第2範囲内の前記ひずみの前記大きさの変化に対する前記第2検知素子の第2電気抵抗に対応する第2信号の変化率は、前記第2変化率よりも高く、
前記第3検知素子の第3電気抵抗に対応する第3信号の第3変化率は、前記第3信号の第4変化率よりも高く、前記第3変化率は、前記第1範囲内の前記ひずみの前記変化に対する前記第3信号の変化率であり、前記第4変化率は、前記第2範囲内の前記ひずみの前記変化に対する前記第3信号の変化率であり、
前記第2範囲内の前記ひずみの前記変化に対する前記第4検知素子の第4電気抵抗に対応する第4信号の変化率は、前記第4変化率よりも高い、センサ。
(構成14)
前記膜部は第1面を含み、
前記第1磁性層及び前記第1対向磁性層の一方と、前記第1面と、の間に、前記第1磁性層及び前記第1対向磁性層の他方が設けられ、
前記第2磁性層及び前記第2対向磁性層の一方と、前記第1面と、の間に、前記第2磁性層及び前記第2対向磁性層の他方が設けられ、
前記第3磁性層及び前記第3対向磁性層の一方と、前記第1面と、の間に、前記第3磁性層及び前記第3対向磁性層の他方が設けられ、
前記第4磁性層及び前記第4対向磁性層の一方と、前記第1面と、の間に、前記第4磁性層及び前記第4対向磁性層の他方が設けられ、
前記第1面に沿う第1方向に沿う前記第1磁性層の第1長さは、前記第1面に沿い前記第1方向と交差する第2方向に沿う前記第1磁性層の第1交差方向長さよりも長く、
前記第1方向に沿う前記第2磁性層の第2長さは、前記第2方向に沿う前記第2磁性層の第2交差方向長さよりも長く、
前記第1面に沿う第3方向に沿う前記第3磁性層の第3長さは、前記第1面に沿い前記第3方向と交差する第4方向に沿う前記第3磁性層の第3交差方向長さよりも長く、
前記第3方向に沿う前記第4磁性層の第4長さは、前記第4方向に沿う前記第4磁性層の第4交差方向長さよりも長い、構成13記載のセンサ。
(構成15)
前記第3方向は、前記第1方向と交差し、
前記第4方向は、前記第2方向と交差した、構成14記載のセンサ。
(構成16)
前記第1長さの前記第1交差方向長さに対する比は、前記第2長さの前記第2交差方向長さに対する比よりも低く、
前記第3長さの前記第3交差方向長さに対する比は、前記第4長さの前記第4交差方向長さに対する比よりも低い、構成14または15に記載のセンサ。
(構成17)
前記第1〜前記第4磁性層は、FeBを含み、
前記第1〜前記第4対向磁性層は、NiFeを含む構成13〜16のいずれか1つに記載のセンサ。
(構成18)
前記検知部は、複数の前記第1検知素子を含み、
前記複数の第1検知素子の少なくとも2つは直列に接続され、
前記第1電気抵抗は、前記複数の第1検知素子の電気抵抗を含む、構成1〜17のいずれか1つに記載のセンサ。
(構成19)
前記膜部の少なくとも一部に設けられた粘着層をさらに備えた構成1〜18のいずれか1つに記載のセンサ。
(構成20)
剥離シートをさらに備え、
前記剥離シートと前記膜部の前記少なくとも一部との間に前記粘着層が設けられ、
前記剥離シートは前記粘着層から剥離可能である、構成19記載のセンサ。
実施形態によれば、感度を向上できるセンサを提供することができる。
本願明細書において、「電気的に接続される状態」は、複数の導電体が物理的に接してこれら複数の導電体の間に電流が流れる状態を含む。「電気的に接続される状態」は、複数の導電体の間に、別の導電体が挿入されて、これらの複数の導電体の間に電流が流れる状態を含む。
本願明細書において、「垂直」及び「平行」は、厳密な垂直及び厳密な平行だけではなく、例えば製造工程におけるばらつきなどを含むものであり、実質的に垂直及び実質的に平行であれば良い。
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、センサに含まれる、膜部、検知部、検知素子、磁性層、非磁性層及び処理部などの各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
また、各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
その他、本発明の実施の形態として上述したセンサを基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全てのセンサも、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと解される。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10A、10B…磁性層、 10C…非磁性層、 11〜14…第1〜第4磁性層、 11M〜14M…磁化、 11La〜14La…第1〜第4長さ、 11Lb〜14Lb…第1〜第4交差方向長さ、 11a〜14a…第1〜第4下部電極、 11b〜14b…第1〜第4上部電極、 11c〜14c…第1〜第4キャップ層、 11d〜14d…第1〜第4磁気結合調整層、 11e〜14e…第1〜第4磁気結合層、 11n〜14n…第1〜第4非磁性層、 11o〜14o…第1〜第4対向磁性層、 11oM〜14oM…磁化、 11oLa〜14oLa…長さ、 11oLb〜14oLb…長さ、 11p〜14p…第1〜第4固着磁性層、 11u〜14u…第1〜第4下地層、 11v〜14v…第1〜第4ピニング層、 11w〜14w…第1〜第4対向ピニング層、 20…検知部、 51〜54…第1〜第4検知素子、 60…膜部、 60f…第1面、 65…粘着層、 66…剥離シート、 70…処理部、 110、120、121、140、150、151…センサ、 230…可動部、 CR1〜CR4…第1〜第4変化率、 Ca1、Ca2、Cb1、Cb2…変化率、 D1〜D4…第1〜第4方向、 E1、E2…第1、第2導電部、 E3…接続導電部、 OS1…出力部、 R1〜R4…第1〜第4電気抵抗、 Sg1〜Sg4…第1〜第4信号、 VA1〜VA4…第1〜第4値、 r1、r2…第1、第2範囲

Claims (13)

  1. 膜部と、
    前記膜部に固定された1つ以上の検知部と、
    処理部と、
    を備え、
    前記膜部のひずみの大きさは、第1範囲と、前記第1範囲よりも大きい第2範囲と、を含み、
    前記検知部は、第1磁性層を含む第1検知素子と、第2磁性層を含む第2検知素子と、を含み、
    前記第1検知素子の第1電気抵抗に対応する第1信号の第1変化率は、前記第1信号の第2変化率よりも高く、前記第1変化率は、前記第1範囲内の前記ひずみの前記大きさの変化に対する前記第1信号の変化率であり、前記第2変化率は、前記第2範囲内の前記ひずみの前記大きさの変化に対する前記第1信号の変化率であり、
    前記第2範囲内の前記ひずみの前記大きさの変化に対する前記第2検知素子の第2電気抵抗に対応する第2信号の変化率は、前記第2変化率よりも高く、
    前記処理部は、前記膜部に第1ひずみが生じたときの前記第1信号に基づく第1値と、前記膜部に前記第1ひずみが生じたときの前記第2信号と、に基づく第2値を出力する第1動作を少なくとも実施可能である、センサ。
  2. 前記第1ひずみの大きさは、前記第2範囲内である、請求項1記載のセンサ。
  3. 前記第1値は、前記第1ひずみの方向に関する情報を含み、
    前記第2値は、前記第1ひずみの大きさに関する情報を含む、請求項2記載のセンサ。
  4. 前記第1範囲内の前記ひずみの前記変化に対する前記第2検知素子の前記第2信号の変化率は、前記第1変化率よりも低い、請求項1〜3のいずれか1つに記載のセンサ。
  5. 前記第1検知素子は、第1対向磁性層と、前記第1磁性層と前記第1対向磁性層との間に設けられた第1非磁性層と、をさらに含み、
    前記第2検知素子は、第2対向磁性層と、前記第2磁性層と前記第2対向磁性層との間に設けられた第2非磁性層と、をさらに含み、
    前記第1対向磁性層の磁化は、前記第2対向磁性層の磁化に沿う、請求項1〜4のいずれか1つに記載のセンサ。
  6. 前記検知部は、第3検知素子及び第4検知素子をさらに含み、
    前記第3検知素子は、第3磁性層と、第3対向磁性層と、前記第3磁性層と前記第3対向磁性層との間に設けられた第3非磁性層と、を含み、
    前記第4検知素子は、第4磁性層と、第4対向磁性層と、前記第4磁性層と前記第4対向磁性層との間に設けられた第4非磁性層と、を含み、
    前記第3対向磁性層の磁化は、前記第4対向磁性層の磁化に沿い、
    前記第3対向磁性層の前記磁化は、前記第1対向磁性層の前記磁化と交差した、請求項5記載のセンサ。
  7. 前記第3検知素子の第3電気抵抗に対応する第3信号の第3変化率は、前記第3信号の第4変化率よりも高く、前記第3変化率は、前記第1範囲内の前記ひずみの前記変化に対する前記第3信号の変化率であり、前記第4変化率は、前記第2範囲内の前記ひずみの前記変化に対する前記第3信号の変化率であり、
    前記第2範囲内の前記ひずみの前記変化に対する前記第4検知素子の第4電気抵抗に対応する第4信号の変化率は、前記第4変化率よりも高く、
    前記処理部は、前記膜部に前記第1ひずみが生じたときの前記第3信号に基づく第3値と、前記膜部に前記第1ひずみが生じたときの前記第4信号と、に基づく第4値、を出力する第2動作を少なくともさらに実施可能である、請求項6記載のセンサ。
  8. 膜部と、
    前記膜部に固定された1つ以上の検知部と、
    を備え、
    前記検知部は、第1〜第4検知素子を含み、
    前記第1検知素子は、第1磁性層と、第1対向磁性層と、前記第1磁性層と前記第1対向磁性層との間に設けられた第1非磁性層と、を含み、
    前記第2検知素子は、第2磁性層と、第2対向磁性層と、前記第2磁性層と前記第2対向磁性層との間に設けられた第2非磁性層と、を含み、
    前記第3検知素子は、第3磁性層と、第3対向磁性層と、前記第3磁性層と前記第3対向磁性層との間に設けられた第3非磁性層と、を含み、
    前記第4検知素子は、第4磁性層と、第4対向磁性層と、前記第4磁性層と前記第4対向磁性層との間に設けられた第4非磁性層と、を含み、
    前記第1対向磁性層の磁化は、前記第2対向磁性層の磁化に沿い、
    前記第3対向磁性層の磁化は、前記第4対向磁性層の磁化に沿い、
    前記第3対向磁性層の前記磁化は、前記第1対向磁性層の前記磁化と交差し、
    前記膜部のひずみの大きさは、第1範囲と、前記第1範囲よりも大きい第2範囲と、を含み、
    前記第1検知素子の第1電気抵抗に対応する第1信号の第1変化率は、前記第1信号の第2変化率よりも高く、前記第1変化率は、前記第1範囲内の前記ひずみの前記大きさの変化に対する前記第1信号の変化率であり、前記第2変化率は、前記第2範囲内の前記ひずみの前記大きさの変化に対する前記第1信号の変化率であり、
    前記第2範囲内の前記ひずみの前記大きさの変化に対する前記第2検知素子の第2電気抵抗に対応する第2信号の変化率は、前記第2変化率よりも高く、
    前記第3検知素子の第3電気抵抗に対応する第3信号の第3変化率は、前記第3信号の第4変化率よりも高く、前記第3変化率は、前記第1範囲内の前記ひずみの前記変化に対する前記第3信号の変化率であり、前記第4変化率は、前記第2範囲内の前記ひずみの前記変化に対する前記第3信号の変化率であり、
    前記第2範囲内の前記ひずみの前記変化に対する前記第4検知素子の第4電気抵抗に対応する第4信号の変化率は、前記第4変化率よりも高い、センサ。
  9. 前記膜部は第1面を含み、
    前記第1磁性層及び前記第1対向磁性層の一方と、前記第1面と、の間に、前記第1磁性層及び前記第1対向磁性層の他方が設けられ、
    前記第2磁性層及び前記第2対向磁性層の一方と、前記第1面と、の間に、前記第2磁性層及び前記第2対向磁性層の他方が設けられ、
    前記第3磁性層及び前記第3対向磁性層の一方と、前記第1面と、の間に、前記第3磁性層及び前記第3対向磁性層の他方が設けられ、
    前記第4磁性層及び前記第4対向磁性層の一方と、前記第1面と、の間に、前記第4磁性層及び前記第4対向磁性層の他方が設けられ、
    前記第1面に沿う第1方向に沿う前記第1磁性層の第1長さは、前記第1面に沿い前記第1方向と交差する第2方向に沿う前記第1磁性層の第1交差方向長さよりも長く、
    前記第1方向に沿う前記第2磁性層の第2長さは、前記第2方向に沿う前記第2磁性層の第2交差方向長さよりも長く、
    前記第1面に沿う第3方向に沿う前記第3磁性層の第3長さは、前記第1面に沿い前記第3方向と交差する第4方向に沿う前記第3磁性層の第3交差方向長さよりも長く、
    前記第3方向に沿う前記第4磁性層の第4長さは、前記第4方向に沿う前記第4磁性層の第4交差方向長さよりも長い、請求項8記載のセンサ。
  10. 前記第3方向は、前記第1方向と交差し、
    前記第4方向は、前記第2方向と交差した、請求項9記載のセンサ。
  11. 前記第1長さの前記第1交差方向長さに対する比は、前記第2長さの前記第2交差方向長さに対する比よりも低く、
    前記第3長さの前記第3交差方向長さに対する比は、前記第4長さの前記第4交差方向長さに対する比よりも低い、請求項9または10に記載のセンサ。
  12. 前記検知部は、複数の前記第1検知素子を含み、
    前記複数の第1検知素子の少なくとも2つは直列に接続され、
    前記第1電気抵抗は、前記複数の第1検知素子の電気抵抗を含む、請求項1〜11のいずれか1つに記載のセンサ。
  13. 前記膜部の少なくとも一部に設けられた粘着層をさらに備えた請求項1〜12のいずれか1つに記載のセンサ。
JP2018152395A 2018-08-13 2018-08-13 センサ Expired - Fee Related JP6829707B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018152395A JP6829707B2 (ja) 2018-08-13 2018-08-13 センサ
US16/281,192 US10883815B2 (en) 2018-08-13 2019-02-21 Film strain sensor configuration including a processor
US16/281,180 US20200049574A1 (en) 2018-08-13 2019-02-21 Sensor

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018152395A JP6829707B2 (ja) 2018-08-13 2018-08-13 センサ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020027050A JP2020027050A (ja) 2020-02-20
JP6829707B2 true JP6829707B2 (ja) 2021-02-10

Family

ID=69405688

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018152395A Expired - Fee Related JP6829707B2 (ja) 2018-08-13 2018-08-13 センサ

Country Status (2)

Country Link
US (2) US10883815B2 (ja)
JP (1) JP6829707B2 (ja)

Family Cites Families (22)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01212301A (ja) * 1988-02-19 1989-08-25 Toshiba Corp ひずみセンサ
US5227731A (en) * 1991-05-24 1993-07-13 The United States Of America As Represented By The Administrator Of The National Aeronautics And Space Administration Method of continuously determining crack length
JPH07209100A (ja) * 1994-01-11 1995-08-11 Fujitsu Ltd ひずみ検出器
JP4433131B2 (ja) * 2001-03-22 2010-03-17 キヤノン株式会社 シリコン系薄膜の形成方法
JP3839697B2 (ja) * 2001-10-17 2006-11-01 アルプス電気株式会社 回転角度センサ
JP5101659B2 (ja) 2010-05-25 2012-12-19 株式会社東芝 血圧センサ
US8816977B2 (en) * 2011-03-21 2014-08-26 Apple Inc. Electronic devices with flexible displays
JP5443421B2 (ja) * 2011-03-24 2014-03-19 株式会社東芝 磁気抵抗効果素子、磁気ヘッドジンバルアッセンブリ、及び、磁気記録再生装置
KR101915064B1 (ko) * 2012-08-23 2018-11-05 삼성전자주식회사 플렉서블 장치 및 그 동작 방법
JP6113581B2 (ja) * 2013-06-12 2017-04-12 株式会社東芝 圧力センサ、音響マイク、血圧センサ及びタッチパネル
US9581505B2 (en) * 2013-06-18 2017-02-28 Honda Motor Co., Ltd. Sensor device
JP6263356B2 (ja) * 2013-09-09 2018-01-17 株式会社東芝 歪検知装置及びその製造方法
JP6190226B2 (ja) 2013-09-20 2017-08-30 株式会社東芝 慣性センサ
JP6211968B2 (ja) 2014-03-20 2017-10-11 株式会社東芝 圧力センサ、マイクロフォン及び音響処理システム
JP2015224903A (ja) * 2014-05-26 2015-12-14 株式会社東芝 圧力センサ、マイクロフォン、超音波センサ、血圧センサ及びタッチパネル
WO2016061155A1 (en) * 2014-10-14 2016-04-21 Corning Incorporated Piezoelectric film structures and sensors and display assemblies using same
JP2017040509A (ja) 2015-08-18 2017-02-23 アルプス電気株式会社 磁気センサおよび電流センサ
JP6480837B2 (ja) 2015-09-04 2019-03-13 株式会社東芝 センサ、情報端末、マイクロフォン、血圧センサ及びタッチパネル
JP2017216670A (ja) * 2016-05-25 2017-12-07 Tdk株式会社 磁気抵抗効果デバイス
JP6595422B2 (ja) * 2016-08-24 2019-10-23 株式会社東芝 センサ及び電子機器
JP6619313B2 (ja) 2016-09-21 2019-12-11 株式会社東芝 センサ及びセンサパッケージ
KR102611455B1 (ko) * 2016-09-23 2023-12-08 삼성디스플레이 주식회사 표시 장치

Also Published As

Publication number Publication date
US20200049483A1 (en) 2020-02-13
US10883815B2 (en) 2021-01-05
JP2020027050A (ja) 2020-02-20
US20200049574A1 (en) 2020-02-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10481027B2 (en) Sensor, electronic device, microphone, blood pressure sensor, and touch panel
US10444085B2 (en) Strain sensing element, pressure sensor, microphone, blood pressure sensor, and touch panel
JP6199730B2 (ja) 電流センサ及び電流センサモジュール
TW201537155A (zh) 壓力感測器
JP6595422B2 (ja) センサ及び電子機器
US10094723B2 (en) Sensor and electronic device
US6970333B2 (en) Layer system having an increased magnetoresistive effect and use of the same, wherein a first layer of an artificial antiferromagnet has a relatively low cobalt content
TW201520576A (zh) 應變感測元件、壓力感測器、麥克風、血壓感測器及觸控面板
JP6951454B2 (ja) 交換結合膜ならびにこれを用いた磁気抵抗効果素子および磁気検出装置
JP6421101B2 (ja) センサ、情報端末、マイクロフォン、血圧センサ及びタッチパネル
JP6502802B2 (ja) センサ、情報端末、マイクロフォン、血圧センサ及びタッチパネル
JP6829707B2 (ja) センサ
US10788545B2 (en) Sensor having deformable film portion and magnetic portion and electronic device
US20180210041A1 (en) Sensor and electronic device
US20190062148A1 (en) Sensor
US10663537B2 (en) Magnetic sensor cell for measuring one- and two-dimensional magnetic fields and method for measuring said magnetic fields using the magnetic sensor cell
JP6615971B2 (ja) センサ、マイクロフォン、血圧センサ及びタッチパネル
JP6363271B2 (ja) センサ
JP6967259B2 (ja) 高感度面直通電巨大磁気抵抗素子、及びその用途
EP3385741A1 (en) Magnetic sensor cell for measuring one- and two-dimensional magnetic fields and method for measuring said magnetic fields using the magnetic sensor cell
JP2019045467A (ja) センサ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200313

TRDD Decision of grant or rejection written
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20201223

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20201225

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210122

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6829707

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees