JP2019045467A - センサ - Google Patents

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亜希子 湯澤
Akiko Yuzawa
亜希子 湯澤
慶彦 藤
Yoshihiko Fuji
慶彦 藤
通子 原
Michiko Hara
通子 原
賢治 大津
Kenji Otsu
賢治 大津
和晃 岡本
Kazuaki Okamoto
和晃 岡本
祥太郎 馬場
Shotaro Baba
祥太郎 馬場
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Abstract

【課題】検知精度を向上できるセンサを提供する。【解決手段】実施形態によれば、センサは、変形可能な膜部と、前記膜部の一部に固定された第1センサ部と、を含む。前記膜部は、複数の孔を含む第1膜を含む。前記第1センサ部は、第1磁性層と、第2磁性層と、第1中間層と、を含む。前記第2磁性層は、前記第1膜と前記第1磁性層との間に設けられる。前記第1中間層は、前記第1磁性層と前記第2磁性層との間に設けられる。前記複数の孔の少なくとも一部から前記第1センサ部へ向かう方向は、前記第1膜から前記第1センサ部に向かう第1方向に沿う。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、センサに関する。
外部から加わる圧力を電気信号に変換する圧力センサなどのセンサがある。センサにおいて、検知精度の向上が求められている。
特許第4723175号公報
本発明の実施形態は、検知精度を向上できるセンサを提供する。
本発明の実施形態によれば、センサは、変形可能な膜部と、前記膜部の一部に固定された第1センサ部と、を含む。前記膜部は、複数の孔を含む第1膜を含む。前記第1センサ部は、第1磁性層と、第2磁性層と、第1中間層と、を含む。前記第2磁性層は、前記第1膜と前記第1磁性層との間に設けられる。前記第1中間層は、前記第1磁性層と前記第2磁性層との間に設けられる。前記複数の孔の少なくとも一部から前記第1センサ部へ向かう方向は、前記第1膜から前記第1センサ部に向かう第1方向に沿う。
図1(a)〜図1(d)は、実施形態に係るセンサを例示する模式図である。 図2(a)及び図2(b)は、実施形態に係るセンサの膜部の一部を例示する模式的断面図である。 実施形態に係るセンサの特性を例示する模式図である。 実施形態に係る別のセンサの一部を例示する模式的断面図である。 実施形態に係る別のセンサの一部を例示する模式的断面図である。 実施形態に係る別のセンサの一部を例示する模式的断面図である。 図7(a)〜図7(d)は、実施形態に係るセンサを例示する模式的断面図である。 実施形態に係るセンサの一部を例示する模式的斜視図である。 実施形態に係る別のセンサの一部を例示する模式的斜視図である。 実施形態に係る別のセンサの一部を例示する模式的斜視図である。 実施形態に係る別のセンサの一部を例示する模式的斜視図である。 実施形態に係る別のセンサの一部を例示する模式的斜視図である。 実施形態に係る別のセンサの一部を例示する模式的斜視図である。 実施形態に係る別のセンサの一部を例示する模式的斜視図である。 第2の実施形態に係る電子機器を例示する模式図である。 図16(a)及び図16(b)は、第2の実施形態に係る電子機器を例示する模式的断面図である。 図17(a)及び図17(b)は、第2の実施形態に係る別の電子機器を例示する模式図である。 第2の実施形態に係る別の電子機器を例示する模式図である。 実施形態に係るセンサの一部を例示する模式的断面図である。 実施形態に係るセンサの一部を例示する模式的断面図である。 実施形態に係るセンサの一部を例示する模式的断面図である。 実施形態に係るセンサの一部を例示する模式的断面図である。 実施形態に係るセンサの一部を例示する模式的断面図である。 実施形態に係るセンサの一部を例示する模式的断面図である。 実施形態に係るセンサの一部を例示する模式的断面図である。 実施形態に係るセンサの一部を例示する模式的断面図である。 実施形態に係るセンサの一部を例示する模式的断面図である。 実施形態に係るセンサの一部を例示する模式的断面図である。 図29(a)及び図29(b)は、実施形態に係るセンサの製造方法を例示する模式的断面図である。 実施形態に係るセンサの一部を例示する模式的断面図である。 図31(a)及び図31(b)は、実施形態に係るセンサの製造方法を例示する模式的断面図である。 実施形態に係るセンサの一部を例示する模式的断面図である。 図33(a)及び図33(b)は、実施形態に係るセンサの製造方法を例示する模式的断面図である。
以下に、各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚さと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
(第1の実施形態)
図1(a)〜図1(d)は、実施形態に係るセンサを例示する模式図である。
図1(a)は、斜視図である。図1(b)は、図1(a)の矢印ARからみたときのセンサの一部を示す平面図である。図1(c)は、図1(b)のA1−A2線断面図である。図1(d)は、図1(b)のB1−B2線断面図である。
図1(a)及び図1(b)に示すように、本実施形態に係るセンサ110は、膜部70と、第1センサ部51と、を含む。センサ110は、例えば圧力センサである。
膜部70は、変形可能である。膜部70は、例えば、支持部70sに支持される。例えば、膜部70及び支持部70sとなる基板の一部に凹部70hが形成される。基板のうちの薄い部分が膜部70となる。基板のうちの厚い部分が支持部70sとなる。この例では、支持部70sは、膜部70の外縁と接続されている。膜部70の平面形状は、例えば、略四角形(長方形などを含む)または円形(偏平円を含む)などである。変形可能な上記の膜部は、自由端を有しても良い。
図1(c)に示すように、膜部70は、第1膜71を含む。
第1膜71と第1センサ部51とを結ぶ方向(第1方向)をZ軸方向とする。例えば、第1膜71と、第1センサ部51と、を最短で結ぶ方向が、第1方向に対応する。
Z軸方向に対して垂直な1つの軸をX軸方向とする。Z軸方向及びX軸方向に対して垂直な方向をY軸方向とする。
この例では、膜部70は、さらに第2膜72及び第3膜73を含む。第2膜72及び第3膜73の少なくともいずれかは省略されてもよい。第2膜72は、第3膜73と第1センサ部51との間に設けられている。第1膜71は、第2膜72と第3膜73との間に設けられている。第1膜71から第2膜72に向かう方向は、Z軸方向に沿う。第3膜73から第1膜71に向かう方向は、Z軸方向に沿う。第1膜71のZ軸方向における位置は、第2膜72のZ軸方向における位置と、第3膜73のZ軸方向における位置との間である。
膜部70の上面FU(この例では第2膜72の上面)の少なくとも一部は、例えば気体又は液体と接する。膜部70の下面FL(この例では第3膜73の下面)の少なくとも一部は、例えば気体又は液体と接する。
第1センサ部51は、膜部70に設けられる。第1センサ部51は、例えば、膜部70の一部の面上に固定される。この面の表裏(上下)は任意である。
図1(d)に示すように、第1センサ部51は、第1磁性層11と、第2磁性層12と、第1中間層11iと、を含む。第2磁性層12は、第1膜71と第1磁性層11との間に設けられる。第1中間層11iは、第1磁性層11と第2磁性層12との間に設けられる。この例では、第2磁性層12から第1磁性層11に向かう方向は、Z軸方向に対応する。
この例では、複数のセンサ部(例えば、第2センサ部52、第3センサ部53、センサ部51P、センサ部52P、及び、センサ部53Pなど)が設けられている。この例では、第2センサ部52の少なくとも一部は、X軸方向に沿って、第1センサ部51の少なくとも一部と重なる。第2センサ部52と第3センサ部53との間に、第1センサ部51が設けられている。センサ部51Pの少なくとも一部は、Y軸方向に沿って、第1センサ部51の少なくとも一部と重なる。センサ部52Pの少なくとも一部は、Y軸方向に沿って、第2センサ部52の少なくとも一部と重なる。センサ部53Pの少なくとも一部は、Y軸方向に沿って、第3センサ部53の少なくとも一部と重なる。
第2センサ部52は、第3磁性層13と、第4磁性層14と、第2中間層12iと、を含む。第4磁性層14は、第1膜71と第3磁性層13との間に設けられる。第2中間層12iは、第3磁性層13と第4磁性層14との間に設けられる。
第3センサ部53は、第5磁性層15と、第6磁性層16と、第3中間層13iと、を含む。第6磁性層16は、第1膜71と第5磁性層15との間に設けられる。第3中間層13iは、第5磁性層15と第6磁性層16との間に設けられる。
センサ部51P〜53Pの構成は、第1〜第3センサ部51〜53と同様である。
図1(d)に示すように、第1センサ導電層58eと膜部70との間に上記の磁性層が設けられる。上記の磁性層と膜部70との間に第2センサ導電層58fが設けられる。
第1センサ部51と電気的に接続された第1センサ導電層58eが、第1センサ電極EL1と電気的に接続される。第1センサ部51と電気的に接続された第2センサ導電層58fが、第2センサ電極EL2と電気的に接続される。
第1磁性層11及び第2磁性層12の少なくともいずれかの磁化は、膜部70の変形に応じて変化する。第1磁性層11の磁化と、第2磁性層12の磁化と、の間の角度は、膜部70の変形に応じて変化する。この角度の変化により、第1磁性層11と第2磁性層12との間の電気抵抗(第1センサ部51の電気抵抗)が変化する。例えば、第1センサ電極EL1と第2センサ電極EL2との間の電気抵抗の変化を検知することで、膜部70に加わる圧力を検知できる。この圧力は、例えば、音波などである。
実施形態において、電気的に接続される状態は、複数の導体が直接接する状態の他に、複数の導体が他の導体を介して接続される場合を含む。電気的に接続される状態は、複数の導体が、スイッチング及び増幅などの機能を有する素子を介して接続される場合を含む。例えば、第1センサ電極EL1と第1磁性層11との間の電流経路、及び、第2センサ電極EL2と第2磁性層12との間の電流経路の少なくともいずれかに、スイッチ素子及びアンプ素子の少なくともいずれかが挿入されていても良い。
例えば、第1磁性層11が磁化自由層であり、第2磁性層12が磁化参照層である。例えば、第1磁性層11が磁化参照層であり、第2磁性層12が磁化自由層でも良い。第1磁性層11及び第2磁性層12の両方が磁化自由層でも良い。上記の第1センサ部51に関する説明は、他のセンサ部(第2センサ部52、第3センサ部53、センサ部51P、センサ部52P、及び、センサ部53Pなど)にも適用される。
図1(a)及び図1(b)に示すように、センサ110は、制御部60をさらに含んでも良い。制御部60は、センサ部(第1センサ部51など)と電気的に接続される。制御部60は、第1センサ電極EL1及び第2センサ電極EL2と電気的に接続される。制御部60は、センサ部の電気抵抗を検知する回路を含む。
第1膜71は、複数の孔71pを含む。複数の孔71pの少なくとも一部は、第1膜71のうちZ軸方向においてセンサ部と重なる第1領域Raに位置する。すなわち、複数の孔71pの少なくとも一部から第1センサ部51へ向かう方向は、Z軸方向に沿う。第1膜71は、例えば、多孔質の膜である。この例では、第1膜71のうちZ軸方向においてセンサ部と重ならない第2領域Rbにも、複数の孔71pの一部が設けられている。例えば、複数の孔71pは、第1膜71の全体に分布している。
例えば、磁性層を用いたセンサ部(第1センサ部51など)においては、歪(応力)に対する電気抵抗の変化が大きい。すなわち、感度が高い。しかしながら、高い感度が得られる歪(応力)の範囲は比較的狭い場合がある。
これに対し、実施形態においては、複数の孔71pにより第1膜71の密度を調整する。これにより、膜部70の共振周波数が変化する。これにより、目的とする応力(例えば音波など)の検知可能範囲の広さを調整できる。例えば、所望の範囲の応力を高い精度で検知できる。
実施形態によれば、検知精度を向上できるセンサが提供できる。
図2(a)及び図2(b)は、実施形態に係るセンサの膜部の一部を例示する模式的断面図である。
図2(a)は、図1(c)に示した、膜部70の領域R1の拡大図である。領域R1は、Z軸方向において第1センサ部51と並ぶ部分である。図2(b)は、図2(a)のB3−B4線断面図である。
既に述べた通り、第1膜71は、例えば、多孔質の膜である。第1膜71は、例えば、第1元素の酸化物、第1元素のリン酸塩、及び第1元素の酸窒化物からなる群より選択された少なくとも1つを含む。第1元素は、例えば、シリコン、アルミニウム、カルシウム、ホウ素、タングステン及びチタンからなる群より選択された少なくとも1つを含む。
例えば、第1膜71は、酸化シリコン、酸化アルミニウム、酸化チタン、アルミニウムシリケート、シリコン酸窒化物、アルミノリン酸塩、アルミノケイ酸塩、及びリン酸アルミニウムからなる群より選択された少なくとも1つを含む。この場合、第1膜71は、例えばゾルゲル法や気相法を用いて形成される。第1膜71は、例えば、界面活性剤及びシリコン等を含む膜を熱処理することによって形成される。第1膜71は、ゼオライトを含んでもよい。
第1膜71は、例えば、有機物を含んでもよい。例えば、第1膜71は、界面活性剤を含む。例えば、第1膜71は、アミノ酸及びデオキシリボ核酸の少なくともいずれかを含む。例えば、第1膜71は、分子構造に、ヒドロキシ基、カルボニル基、カルボキシ基、アミン、イミン、エステル結合、及びエーテル結合からなる群より選択される少なくとも1つを含む。
第1膜71の断面(第1断面C1)における、孔71pの径rp(円相当直径)の平均は、例えば、0.2ナノメートル(nm)以上1000nm以下である。複数の孔71pの一部は、互いに繋がっていてもよい。第1膜71は、例えば網目状であってもよい。複数の孔71pは、第1膜71の任意の断面において、透過型電子顕微鏡(TEM)又は走査型電子顕微鏡(SEM)などを用いて観察される。
例えば、第1膜71のZ軸方向に沿った厚さT1は、膜部70のZ軸方向に沿った厚さT0の0.3倍以上0.9倍以下である。厚さT1は、例えば50nm以上10マイクロメートル(μm)以下である。
第2膜72は、例えば、シリコン、酸化シリコン、酸化アルミニウム、窒化シリコン、アルミニウムシリケート及びシリコン酸窒化物からなる群より選択された少なくとも1つを含む。第3膜は、例えば、シリコン、酸化シリコン、酸化アルミニウム、窒化シリコン、アルミニウムシリケート及びシリコン酸窒化物からなる群より選択された少なくとも1つを含む。
図2(a)に示す例では、第2膜72は複数の孔72pを含み、第3膜73は複数の孔73pを含む。1つの例において、第2膜72は、孔を実質的に含まない。1つの例において、第3膜73は、孔を実質的に含まない。
第1膜71の密度(グラム/立方センチメートル(g/cm))は、第2膜の密度よりも低く、第3膜の密度よりも低い。例えば、第1膜71の密度は、0.9g/cm以上20.0g/cm以下である。
第1膜71中の複数の孔71pの密度は、第2膜72中の複数の孔72pの密度よりも低く、第3膜73中の複数の孔73pの密度よりも低い。膜中の複数の孔の密度は、単位体積の膜中の孔の数(個/cm)である。
例えば、膜中の孔の密度は、膜の任意の断面において、単位面積あたりの複数の孔の数(個/cm)に対応する。
例えば、第1膜71の任意の断面(第1断面C1)は、第1断面領域CR1を含む。例えば、第2膜72の断面(第2断面C2)は、第2断面領域CR2を含む。例えば、第3膜73の断面(第3断面C3)は、第3断面領域CR3を含む。第1断面領域CR1の面積は、第2断面領域CR2の面積と同じであり、第3断面領域CR3の面積と同じである。この場合、第1断面領域CR1に含まれる複数の孔71pの数は、例えば、第2断面領域CR2に含まれる複数の孔72pの数より多く、第3断面領域CR3に含まれる複数の孔73pの数より多い。
第1膜71の空孔率は、第2膜72の空孔率より高く、第3膜73の空孔率よりも高い。すなわち、第1膜71の体積に対する複数の孔71pの体積の割合は、第2膜72の体積に対する複数の孔72pの体積の割合よりも高く、第3膜73の体積に対する複数の孔73pの割合よりも高い。第1膜の空孔率は、例えば30%以上85%以下である。空孔率は、小角X線散乱法、X線反射率法、吸着法などから決定される。空孔率は、走査プローブ顕微鏡や走査型電子顕微鏡などを用いて決定することもできる。
例えば、空孔率は、膜の任意の断面において、単位面積あたりの複数の孔の面積に対応する。
例えば、第1断面領域CR1の面積に対する、第1断面領域CR1に含まれる複数の孔71pの面積の割合は、第2断面領域CR2の面積に対する、第2断面領域CR2に含まれる複数の孔72pの面積の割合よりも高い。例えば、第1断面領域CR1の面積に対する、第1断面領域CR1に含まれる複数の孔71pの面積の割合は、第3断面領域CR3の面積に対する、第3断面領域CR3に含まれる複数の孔73pの面積の割合よりも高い。
例えば、膜の任意の断面においては、表面に現われる孔に応じて、凹凸が生じることがある。この場合、図2(b)に示すように、第1膜71の第1断面C1の表面粗さは、第2膜72の第2断面C2の表面粗さよりも粗く、第3膜73の第3断面C3の表面粗さよりも粗い。表面粗さは、例えば、算術平均粗さRa(JIS B 0601)である。
図2(a)に示すように、例えば、第1膜71のZ軸方向に沿った厚さT1は、第2膜72のZ軸方向に沿った厚さT2よりも厚い。例えば、第1膜71のZ軸方向に沿った厚さT1は、第3膜73のZ軸方向に沿った厚さT3よりも厚い。
例えば、厚さT1は、厚さT2の1.5倍以上200倍以下である。例えば、厚さT1は、厚さT3の1.5倍以上200倍以下である。
センサの特性の一例について説明する。
図3は、実施形態に係るセンサの特性を例示する模式図である。
図3の横軸は、周波数f(Hz)を表し、図3の縦軸は、センサの感度Snを表す。感度Snは、膜部70に加わる圧力Pに対する、膜部70に生じる歪εの大きさ(歪傾きdε/dP)に対応する。
図3には、センサ110Aの特性CA、センサ110Bの特性CB、及び、センサ110Cの特性CCを示す。センサ110A、センサ110B及びセンサ110Cのそれぞれは、上述のセンサ110と同様のセンサである。
センサ110Aの第1膜71の空孔率は、センサ110Bの第1膜71の空孔率よりも低い。言い換えると、センサ110Aの第1膜71の密度は、センサ110Bの第1膜71の密度よりも高い。
センサ110Bの第1膜71の空孔率は、センサ110Cの第1膜71の空孔率よりも低い。言い換えると、センサ110Bの第1膜71の密度は、センサ110Cの第1膜71の密度よりも高い。
この場合、センサ110Bの膜部70の共振周波数fbは、センサ110Aの膜部70の共振周波数faよりも高い。センサ110Cの膜部70の共振周波数fcは、センサ110Bの膜部70の共振周波数fbよりも高い。第1膜71の密度によって、膜部70の共振周波数を調整することができる。検知対象に合わせて共振周波数を変化させることで、センサの検知精度を向上させることができる。
例えば、膜部70の共振周波数よりも低い周波数帯を検知に用いる場合を考える。すなわち、感度の周波数特性のうち比較的フラットな帯域を利用する。この場合、センサ110Cが検知する周波数の帯域FBCは、センサ110Bが検知する周波数の帯域FBBよりも広い。帯域FBBは、センサ110Aが検知する周波数の帯域FBAよりも広い。このように膜部の共振周波数を高くすることで、検知対象の周波数の帯域を拡大できる。 膜部70の面積や引張応力を変化させて共振周波数を高くする参考例の方法がある。しかし、参考例の方法では、感度が低下する。これに対して、実施形態においては、帯域FBAにおける感度、帯域FBBにおける感度、帯域FBCにおける感度は、例えば互いに等しい。実施形態によれば、感度の低下を抑制することができる。
実施形態に係るセンサ110において、膜部70の一次共振周波数は、例えば25kHz以上200kHz以下である。センサ110においては、例えば、可聴音域から超音波領域までの任意の帯域において、安定した検出が可能である。実施形態によれば、例えば、実質的にフラットな周波数特性を有する広帯域用の超音波センサが提供できる。
膜部が多孔質の膜を含む場合、音波が膜部を透過したり、膜部に吸収されたりすることがある。これに対して、第2膜72及び第3膜73によって、音波の透過や吸収が抑制される。これにより、感度の低下をより抑制することができる。
例えば、第1膜71の複数の孔71pに気体中の物質が吸着することを、第2膜72及び第3膜73によって抑制できる。
例えば、センサ110の製造時に、第2膜72及び第3膜73によって、第1膜71をプロセスダメージから保護することができる。
図4は、実施形態に係る別のセンサの一部を例示する模式的断面図である。
図4は、図1(c)に示す断面図に対応する。図4に示したように、センサ111において、第2膜72は、膜領域72aと膜領域72bとを有する。これ以外は、センサ111は、上述のセンサ110と同様である。
膜領域72aのZ軸方向における位置は、第1センサ部51のZ軸方向における位置と、第1膜71のZ軸方向における位置と、の間である。膜領域72bは、第1センサ部51とY軸方向において並ぶ。このように第1センサ部51の一部が第2膜72に埋め込まれるように設けられてもよい。
図5は、実施形態に係る別のセンサの一部を例示する模式的断面図である。
図5は、図1(c)に示す断面図に対応する。図5に示した実施形態に係るセンサ112において、第1膜71は、複数の孔71qを含む。複数の孔71qの少なくとも一部から第1センサ部51へ向かう方向は、Z軸方向に沿う。例えば、複数の孔71qは、第1膜71の全体に分布していてもよい。第1膜71のうちZ軸方向において支持部70sと重なる領域には、複数の孔71qが設けられなくてもよい。
複数の孔71qのそれぞれは、Z軸方向に延びる。例えば、複数の孔71qのそれぞれは、第1膜71を貫通する。
第1膜71は、例えば、シリコン、酸化シリコン、酸化アルミニウム、窒化シリコン、及びカーボンからなる群より選択された少なくとも1つを含む。この例において、第1膜71は、多孔質の膜でなくてもよい。複数の孔71qは、例えば、リソグラフィやエッチングによる加工により形成できる。孔71qの径rq(Y軸方向に沿った長さ)は、例えば10nm以上10μm以下である。
図6は、実施形態に係る別のセンサの一部を例示する模式的断面図である。
図6は、図1(c)に示す断面図に対応する。図6に示した実施形態に係るセンサ113において、膜部70は、上述の第1膜71の代わりに第1膜71Aを含む。これ以外については、センサ113は、センサ110と同様である。
第1膜71Aは、金属化合物部71mと、炭素含有部71cと、を含む。この例では、第1膜71Aは、金属化合物部71mと炭素含有部71cとが混合した膜である。例えば、金属化合物部71mは、炭素含有部71cの周囲に設けられ、炭素含有部71cと接する。
金属化合物部71mの少なくとも一部から炭素含有部71cの少なくとも一部に向かう方向は、Z軸方向と交差する。例えば、金属化合物部71mの一部は、炭素含有部71cの一部とX軸方向及びY軸方向において並ぶ。例えば、金属化合物部71mの一部は、炭素含有部71cの別の一部とZ軸方向において並ぶ。例えば、金属化合物部71m及び炭素含有部71cは、第1膜71Aの全体に分布している。
金属化合物部71mは、酸化物、窒化物及び酸窒化物からなる群から選択された少なくとも1つを含む。
金属化合物部71mに含まれる酸化物は、シリコン、アルミニウム、チタン及びタングステンからなる群から選択された少なくとも1つの酸化物を含む。
金属化合物部71mに含まれる窒化物は、シリコン、アルミニウム、チタン及びタングステンからなる群から選択された少なくとも1つの窒化物を含む。
金属化合物部71mに含まれる酸窒化物は、シリコン、アルミニウム、チタン及びタングステンからなる群から選択された少なくとも1つの酸窒化物を含む。
炭素含有部71cは、ヒドロキシ基、カルボニル基、カルボキシ基、エーテル結合、エステル結合、アミン及びイミンからなる群から選択された少なくとも1つを含む。
金属化合物部71mの密度は、炭素含有部71cの密度と異なる。例えば、第1膜71Aにおいて、密度の低い材料を多くする。これにより、膜部70の共振周波数を高くすることができる。検知対象の周波数の帯域を拡大できる。
図7(a)〜図7(d)は、実施形態に係るセンサを例示する模式的断面図である。
図7(a)に示すように、センサ114は、カバー80a(第1部材)と基板80b(第2部材)とを含む。基板80bは、例えばプリント基板でありアンプなどの回路を含む。カバー80aと基板80bとの間に、上述のセンサ110(第1センサ部51及び膜部70)が設けられている。基板80bは、開口部OP1を有する。音波は、開口部OP1を通って膜部70に到達する。
図7(b)は、図7(a)に示す領域R2の拡大図である。図7(a)及び図7(b)に示すように、第3膜73の少なくとも一部は、開口部OP1と第1膜71の少なくとも一部との間に位置する。これにより、複数の孔71pを有する第1膜71を音波が透過すること等を抑制できる。
図7(c)に示すように、センサ115は、カバー80c(第2部材)と基板80d(第1部材)とを含む。カバー80cと基板80dとの間にセンサ110が設けられている。カバー80cは、開口部OP2を有する。音波は、開口部OP2を通って膜部70に到達する。図7(d)は、図7(c)に示す領域R3の拡大図である。第2膜72の少なくとも一部は、開口部OP2と第1膜71の少なくとも一部との間に位置する。これにより、第1膜71を音波が透過することなどを抑制できる。
以下、実施形態において用いられるセンサ部の例について説明する。以下の説明において、「材料A/材料B」の記載は、材料Aの層の上に、材料Bの層が設けられている状態を示す。
図8は、実施形態に係るセンサの一部を例示する模式的斜視図である。
図8に示すように、センサ部50Aにおいて、下部電極204と、下地層205と、ピニング層206と、第2磁化参照層207と、磁気結合層208と、第1磁化参照層209と、中間層203と、磁化自由層210と、キャップ層211と、上部電極212と、が、この順で並ぶ。センサ部50Aは、例えば、ボトムスピンバルブ型である。磁化参照層は、例えば、磁化固定層である。
下地層205には、例えば、タンタルとルテニウムの積層膜(Ta/Ru)が用いられる。このTa層の厚さ(Z軸方向の長さ)は、例えば、3ナノメートル(nm)である。このRu層の厚さは、例えば、2nmである。ピニング層206には、例えば、7nmの厚さのIrMn層が用いられる。第2磁化参照層207には、例えば、2.5nmの厚さのCo75Fe25層が用いられる。磁気結合層208には、例えば、0.9nmの厚さのRu層が用いられる。第1磁化参照層209には、例えば、3nmの厚さのCo40Fe40B20層が用いられる。中間層203には、例えば、1.6nmの厚さのMgO層が用いられる。磁化自由層210には、例えば、4nmの厚さのCo40Fe4020が用いられる。キャップ層211には、例えばTa/Ruが用いられる。このTa層の厚さは、例えば、1nmである。このRu層の厚さは、例えば、5nmである。
下部電極204及び上部電極212には、例えば、アルミニウム(Al)、アルミニウム銅合金(Al−Cu)、銅(Cu)、銀(Ag)、及び、金(Au)のからなる群から選択された少なくとも1つが用いられる。下部電極204及び上部電極212として、このような電気抵抗が比較的小さい材料を用いることで、センサ部50Aに効率的に電流を流すことができる。下部電極204及び上部電極212には、非磁性材料が用いられる。
下部電極204及び上部電極212は、例えば、下部電極204及び上部電極212用の下地層(図示せず)と、下部電極204及び上部電極212用のキャップ層(図示せず)と、それらの間に設けられたAl、Al−Cu、Cu、Ag、及び、Auからなる群から選択された少なくとも1つの層とを含んでいても良い。例えば、下部電極204及び上部電極212には、タンタル(Ta)/銅(Cu)/タンタル(Ta)などが用いられる。下部電極204及び上部電極212の下地層としてTaを用いることで、例えば、基板(例えば膜)と下部電極204及び上部電極212との密着性が向上する。下部電極204及び上部電極212用の下地層として、チタン(Ti)、または、窒化チタン(TiN)などを用いても良い。
下部電極204及び上部電極212のキャップ層としてTaを用いることで、そのキャップ層の下の銅(Cu)などの酸化が抑制される。下部電極204及び上部電極212用のキャップ層として、チタン(Ti)、または、窒化チタン(TiN)などを用いても良い。
下地層205には、例えば、バッファ層(図示せず)と、シード層(図示せず)とを含む積層構造が用いられる。このバッファ層は、例えば、下部電極204や膜等の表面の荒れを緩和し、このバッファ層の上に積層される層の結晶性を改善する。バッファ層として、例えば、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、タングステン(W)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)及びクロム(Cr)よりなる群から選択された少なくとも1つが用いられる。バッファ層として、これらの材料から選択された少なくとも1つの材料を含む合金を用いても良い。
下地層205のうちのバッファ層の厚さは、1nm以上10nm以下が好ましい。バッファ層の厚さは、1nm以上5nm以下がより好ましい。バッファ層の厚さが薄すぎると、バッファ効果が失われる。バッファ層の厚さが厚すぎると、センサ部50Aの厚さが過度に厚くなる。バッファ層の上にシード層が形成され、例えば、そのシード層がバッファ効果を有する。この場合、バッファ層は省略しても良い。バッファ層には、例えば、3nmの厚さのTa層が用いられる。
下地層205のうちのシード層は、このシード層の上に積層される層の結晶配向を制御する。このシード層は、このシード層の上に積層される層の結晶粒径を制御する。このシード層として、fcc構造(face-centered cubic structure:面心立方格子構造)、hcp構造(hexagonal close-packed structure:六方最密格子構造)またはbcc構造(body-centered cubic structure:体心立方格子構造)の金属等が用いられる。
下地層205のうちのシード層として、hcp構造のルテニウム(Ru)、または、fcc構造のNiFe、または、fcc構造のCuを用いることにより、例えば、シード層の上のスピンバルブ膜の結晶配向をfcc(111)配向にすることができる。シード層には、例えば、2nmの厚さのCu層、または、2nmの厚さのRu層が用いられる。シード層の上に形成される層の結晶配向性を高める場合には、シード層の厚さは、1nm以上5nm以下が好ましい。シード層の厚さは、1nm以上3nm以下がより好ましい。これにより、結晶配向を向上させるシード層としての機能が十分に発揮される。
一方、例えば、シード層の上に形成される層を結晶配向させる必要がない場合(例えば、アモルファスの磁化自由層を形成する場合など)には、シード層は省略しても良い。シード層としては、例えば、2nmの厚さのCu層が用いられる。
ピニング層206は、例えば、ピニング層206の上に形成される第2磁化参照層207(強磁性層)に、一方向異方性(unidirectional anisotropy)を付与して、第2磁化参照層207の磁化を固定する。ピニング層206には、例えば反強磁性層が用いられる。ピニング層206には、例えば、Ir−Mn、Pt−Mn、Pd−Pt−Mn、Ru−Mn、Rh−Mn、Ru−Rh−Mn、Fe−Mn、Ni−Mn、Cr−Mn−PtおよびNi−Oよりなる群から選択された少なくとも1つが用いられる。Ir−Mn、Pt−Mn、Pd−Pt−Mn、Ru−Mn、Rh−Mn、Ru−Rh−Mn、Fe−Mn、Ni−Mn、Cr−Mn−PtおよびNi−Oよりなる群から選択された少なくとも1つに、さらに添加元素を加えた合金を用いても良い。ピニング層206の厚さは適切に設定される。これにより、例えば、十分な強さの一方向異方性が付与される。
例えば、磁界印加中での熱処理が行われる。これにより、例えば、ピニング層206に接する強磁性層の磁化の固定が行われる。熱処理時に印加されている磁界の方向にピニング層206に接する強磁性層の磁化が固定される。熱処理温度(アニール温度)は、例えば、ピニング層206に用いられる反強磁性材料の磁化固着温度以上である。Mnを含む反強磁性層を用いる場合、ピニング層206以外の層にMnが拡散してMR変化率を低減する場合がある。熱処理温度は、Mnの拡散が起こる温度以下に設定することが望ましい。熱処理温度は、例えば200℃以上500℃以下である。熱処理温度は、例えば、好ましくは、250℃以上400℃以下である。
ピニング層206として、PtMnまたはPdPtMnが用いられる場合には、ピニング層206の厚さは、8nm以上20nm以下が好ましい。ピニング層206の厚さは、10nm以上15nm以下がより好ましい。ピニング層206としてIrMnを用いる場合には、ピニング層206としてPtMnを用いる場合よりも薄い厚さで、一方向異方性を付与することができる。この場合には、ピニング層206の厚さは、4nm以上18nm以下が好ましい。ピニング層206の厚さは、5nm以上15nm以下がより好ましい。ピニング層206には、例えば、7nmの厚さのIr22Mn78層が用いられる。
ピニング層206として、ハード磁性層を用いても良い。ハード磁性層として、例えば、Co−Pt、Fe−Pt、Co−Pd、または、Fe−Pdなどを用いても良い。これらの材料においては、例えば、磁気異方性および保磁力が比較的高い。これらの材料は、ハード磁性材料である。ピニング層206として、Co−Pt、Fe−Pt、Co−Pd、または、Fe−Pdにさらに添加元素を加えた合金を用いても良い。例えば、CoPt(Coの比率は、50at.%以上85at.%以下)、(CoPt100−x100−yCr(xは、50at.%以上85at.%以下であり、yは、0at.%以上40at.%以下)、または、FePt(Ptの比率は、40at.%以上60at.%以下)などを用いても良い。
第2磁化参照層207には、例えば、CoFe100−x合金(xは、0at.%以上100at.%以下)、または、NiFe100−x合金(xは、0at.%以上100at.%以下)が用いられる。これらの材料に非磁性元素を添加した材料が用いられても良い。第2磁化参照層207として、例えば、Co、Fe及びNiよりなる群から選択された少なくとも1つが用いられる。第2磁化参照層207として、これらの材料から選択された少なくとも1つの材料を含む合金を用いても良い。第2磁化参照層207として、(CoFe100−x100−y合金(xは、0at.%以上100at.%以下であり、yは、0at.%以上30at.%以下)を用いることもできる。第2磁化参照層207として、(CoFe100−x100−yのアモルファス合金を用いることで、センサ部のサイズが小さい場合にも、センサ部50Aの特性のばらつきを抑制することができる。
第2磁化参照層207の厚さは、例えば、1.5nm以上5nm以下が好ましい。これにより、例えば、ピニング層206による一方向異方性磁界の強度をより強くすることができる。例えば、第2磁化参照層207の上に形成される磁気結合層を介して、第2磁化参照層207と第1磁化参照層209との間の反強磁性結合磁界の強度をより強くすることができる。例えば、第2磁化参照層207の磁気膜厚(飽和磁化と厚さとの積)は、第1磁化参照層209の磁気膜厚と、実質的に等しいことが好ましい。
薄膜でのCo40Fe4020の飽和磁化は、約1.9T(テスラ)である。例えば、第1磁化参照層209として、3nmの厚さのCo40Fe4020層を用いると、第1磁化参照層209の磁気膜厚は、1.9T×3nmであり、5.7Tnmとなる。一方、Co75Fe25の飽和磁化は、約2.1Tである。上記と等しい磁気膜厚が得られる第2磁化参照層207の厚さは、5.7Tnm/2.1Tであり、2.7nmとなる。この場合、第2磁化参照層207には、約2.7nmの厚さのCo75Fe25層を用いることが好ましい。第2磁化参照層207として、例えば、2.5nmの厚さのCo75Fe25層が用いられる。
センサ部50Aにおいては、第2磁化参照層207と磁気結合層208と第1磁化参照層209とにより、シンセティックピン構造が用いられている。その代わりに、1層の磁化参照層のシングルピン構造を用いても良い。シングルピン構造を用いる場合には、磁化参照層として、例えば、3nmの厚さのCo40Fe4020層が用いられる。シングルピン構造の磁化参照層に用いる強磁性層として、上述した第2磁化参照層207の材料と同じ材料を用いても良い。
磁気結合層208は、第2磁化参照層207と第1磁化参照層209との間において、反強磁性結合を生じさせる。磁気結合層208は、シンセティックピン構造を形成する。磁気結合層208の材料として、例えば、Ruが用いられる。磁気結合層208の厚さは、例えば、0.8nm以上1nm以下であることが好ましい。第2磁化参照層207と第1磁化参照層209との間に十分な反強磁性結合を生じさせる材料であれば、磁気結合層208としてRu以外の材料を用いても良い。磁気結合層208の厚さは、例えば、RKKY(Ruderman-Kittel-Kasuya-Yosida)結合のセカンドピーク(2ndピーク)に対応する0.8nm以上1nm以下の厚さに設定される。さらに、磁気結合層208の厚さは、RKKY結合のファーストピーク(1stピーク)に対応する0.3nm以上0.6nm以下の厚さに設定しても良い。磁気結合層208の材料として、例えば、0.9nmの厚さのRuが用いられる。これにより、高信頼性の結合がより安定して得られる。
第1磁化参照層209に用いられる磁性層は、MR効果に直接的に寄与する。第1磁化参照層209として、例えば、Co−Fe−B合金が用いられる。具体的には、第1磁化参照層209として、(CoFe100−x100−y合金(xは、0at.%以上100at.%以下であり、yは、0at.%以上30at.%以下)を用いることもできる。第1磁化参照層209として、(CoFe100−x100−yのアモルファス合金を用いた場合には、例えば、センサ部50Aのサイズが小さい場合においても、結晶粒に起因した素子間のばらつきを抑制することができる。
第1磁化参照層209の上に形成される層(例えばトンネル絶縁層(図示せず))を平坦化することができる。トンネル絶縁層の平坦化により、トンネル絶縁層の欠陥密度を減らすことができる。これにより、より低い面積抵抗で、より大きいMR変化率が得られる。例えば、トンネル絶縁層の材料としてMgOを用いる場合には、第1磁化参照層209として、(CoFe100−x100−yのアモルファス合金を用いることで、トンネル絶縁層の上に形成されるMgO層の(100)配向性を強めることができる。MgO層の(100)配向性をより高くすることで、より大きいMR変化率が得られる。(CoFe100−x100−y合金は、アニール時にMgO層の(100)面をテンプレートとして結晶化する。このため、MgOと(CoFe100−x100−y合金との良好な結晶整合が得られる。良好な結晶整合を得ることで、より大きいMR変化率が得られる。
第1磁化参照層209として、Co−Fe−B合金以外に、例えば、Fe−Co合金を用いても良い。
第1磁化参照層209がより厚いと、より大きなMR変化率が得られる。第1磁化参照層209が薄いと、例えば、より大きな固定磁界が得られる。MR変化率と固定磁界との間には、第1磁化参照層209の厚さにおいてトレードオフの関係が存在する。第1磁化参照層209としてCo−Fe−B合金を用いる場合には、第1磁化参照層209の厚さは、1.5nm以上5nm以下が好ましい。第1磁化参照層209の厚さは、2.0nm以上4nm以下がより好ましい。
第1磁化参照層209には、上述した材料の他に、fcc構造のCo90Fe10合金、または、hcp構造のCo、または、hcp構造のCo合金が用いられる。第1磁化参照層209として、例えば、Co、Fe及びNiよりなる群から選択された少なくとも1つが用いられる。第1磁化参照層209として、これらの材料から選択された少なくとも1つの材料を含む合金が用いられる。第1磁化参照層209として、bcc構造のFeCo合金材料、50%以上のコバルト組成を含むCo合金、または、50%以上のNi組成の材料(Ni合金)を用いることで、例えば、より大きなMR変化率が得られる。
第1磁化参照層209として、例えば、CoMnGe、CoFeGe、CoMnSi、CoFeSi、CoMnAl、CoFeAl、CoMnGa0.5Ge0.5、及び、CoFeGa0.5Ge0.5などのホイスラー磁性合金層を用いることもできる。例えば、第1磁化参照層209として、例えば、3nmの厚さのCo40Fe4020層が用いられる。
中間層203は、例えば、第1磁化参照層209と磁化自由層210との間の磁気的な結合を分断する。
中間層203の材料には、例えば、金属、絶縁体または半導体が用いられる。金属としては、例えば、Cu、AuまたはAg等が用いられる。中間層203として金属を用いる場合、中間層の厚さは、例えば、1nm以上7nm以下程度である。この絶縁体または半導体としては、例えば、マグネシウム酸化物(MgO等)、アルミニウム酸化物(Al等)、チタン酸化物(TiO等)、亜鉛酸化物(ZnO等)、または、ガリウム酸化物(Ga−O)などが用いられる。中間層203として絶縁体または半導体を用いる場合は、中間層203の厚さは、例えば0.6nm以上2.5nm以下程度である。中間層203として、例えば、CCP(Current-Confined-Path)スペーサ層を用いても良い。スペーサ層としてCCPスペーサ層を用いる場合には、例えば、酸化アルミニウム(Al)の絶縁層中に銅(Cu)メタルパスが形成された構造が用いられる。例えば、中間層として、1.6nmの厚さのMgO層が用いられる。
磁化自由層210には、強磁性体材料が用いられる。磁化自由層210には、例えば、Fe、Co、Niを含む強磁性体材料が用いられる。磁化自由層210の材料として、例えばFeCo合金、NiFe合金等が用いられる。さらに、磁化自由層210には、Co−Fe−B合金、Fe−Co−Si−B合金、λs(磁歪定数)が大きいFe−Ga合金、Fe−Co−Ga合金、Tb−M−Fe合金、Tb−M1−Fe−M2合金、Fe−M3−M4−B合金、Ni、Fe−Al、または、フェライト等が用いられる。これらの材料においては、例えば、λs(磁歪定数)が大きい。上記のTb−M−Fe合金において、Mは、Sm、Eu、Gd、Dy、Ho及びErよりなる群から選択された少なくとも1つである。上記のTb−M1−Fe−M2合金において、M1は、Sm、Eu、Gd、Dy、Ho及びErよりなる群から選択された少なくとも1つである。M2は、Ti、Cr、Mn、Co、Cu、Nb、Mo、W及びTaよりなる群から選択された少なくとも1つである。上記のFe−M3−M4−B合金において、M3は、Ti、Cr、Mn、Co、Cu、Nb、Mo、W及びTaよりなる群から選択された少なくとも1つである。M4は、Ce、Pr、Nd、Sm、Tb、Dy及びErよりなる群から選択された少なくとも1つである。上記のフェライトとしては、Fe、(FeCo)などが挙げられる。磁化自由層210の厚さは、例えば2nm以上である。
磁化自由層210には、ホウ素を含む磁性材料が用いられても良い。磁化自由層210には、例えば、Fe、Co及びNiよりなる群から選択される少なくとも1つの元素と、ホウ素(B)とを含む合金が用いられても良い。磁化自由層210には、例えば、Co−Fe−B合金、または、Fe−B合金が用いられる。例えば、Co40Fe4020合金が用いられる。磁化自由層210に、Fe、Co及びNiよりなる群から選択される少なくとも1つの元素と、ホウ素(B)とを含む合金を用いる場合、Ga、Al、Si、または、Wなどを添加しても良い。これらの元素を添加することで、例えば、高磁歪が促進される。磁化自由層210として、例えば、Fe−Ga−B合金、Fe−Co−Ga−B合金、または、Fe−Co−Si−B合金を用いても良い。このようなホウ素を含有する磁性材料を用いることで磁化自由層210の保磁力(Hc)が低くなり、歪に対する磁化方向の変化が容易となる。これにより、高い感度が得られる。
磁化自由層210におけるホウ素濃度(例えば、ホウ素の組成比)は、5at.%(原子パーセント)以上が好ましい。これにより、アモルファス構造が得易くなる。磁化自由層におけるホウ素濃度は、35at.%以下が好ましい。ホウ素濃度が高すぎると、例えば、磁歪定数が減少する。磁化自由層におけるホウ素濃度は、例えば、5at.%以上35at.%以下が好ましく、10at.%以上30at.%以下がさらに好ましい。
磁化自由層210の磁性層の一部に、Fe1−y(0<y≦0.3)、または(Fe1−z1−y(Xは、CoまたはNi、0.8≦z<1、0<y≦0.3)用いる場合、大きい磁歪定数λと低い保磁力を両立することが容易となる。このため、高いゲージファクタを得る観点で、特に好ましい。例えば、磁化自由層210として、Fe8020(4nm)が用いられる。磁化自由層として、Co40Fe4020(0.5nm)/Fe8020(4nm)が用いられる。
磁化自由層210は多層構造を有しても良い。中間層203としてMgOのトンネル絶縁層を用いる場合には、磁化自由層210のうちの中間層203に接する部分には、Co−Fe−B合金の層を設けることが好ましい。これにより、高い磁気抵抗効果が得られる。この場合、中間層203の上には、Co−Fe−B合金の層が設けられ、そのCo−Fe−B合金の層の上には、磁歪定数の大きい他の磁性材料が設けられる。磁化自由層210が多層構造を有する場合、磁化自由層210には、例えば、Co−Fe−B(2nm)/Fe−Co−Si−B(4nm)などが用いられる。
キャップ層211は、キャップ層211の下に設けられる層を保護する。キャップ層211には、例えば、複数の金属層が用いられる。キャップ層211には、例えば、Ta層とRu層との2層構造(Ta/Ru)が用いられる。このTa層の厚さは、例えば1nmであり、このRu層の厚さは、例えば5nmである。キャップ層211として、Ta層やRu層の代わりに他の金属層を設けても良い。キャップ層211の構成は、任意である。例えば、キャップ層211として、非磁性材料が用いられる。キャップ層211の下に設けられる層を保護可能なものであれば、キャップ層211として、他の材料を用いても良い。
磁化自由層210にホウ素を含有する磁性材料を用いる場合、酸化物材料や窒化物材料の拡散抑制層(図示しない)を磁化自由層210とキャップ層211との間に設けても良い。これにより、例えば、ホウ素の拡散が抑制される。酸化物層または窒化物層を含む拡散抑制層を用いることにより、磁化自由層210に含まれるホウ素の拡散を抑制し、磁化自由層210のアモルファス構造を保つことができる。拡散抑制層に用いられる酸化物材料や窒化物材料として、例えば、Mg、Al、Si、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Zr、Nb、Mo、Ru、Rh、Pd、Ag、Hf、Ta、W、Sn、CdまたはGaなどの元素を含む酸化物材料または窒化物材料が用いられる。拡散抑制層は、磁気抵抗効果には寄与しない層である。拡散抑制層の面積抵抗は、低いほうが好ましい。例えば、拡散抑制層の面積抵抗は、磁気抵抗効果に寄与する中間層の面積抵抗よりも低く設定されることが好ましい。拡散抑制層の面積抵抗を下げる観点では、拡散抑制層には、Mg、Ti、V、Zn、Sn、Cd、Gaの酸化物または窒化物が好ましい。これらの材料において、バリアハイトは低い。ホウ素の拡散を抑制する機能としては、より化学結合の強い酸化物のほうが好ましい。例えば、1.5nmのMgO層が用いられる。酸窒化物は、酸化物及び窒化物のいずれかに含まれる。
拡散抑制層に酸化物または窒化物を用いる場合、拡散抑制層の厚さは、例えば、0.5nm以上が好ましい。これより、ホウ素の拡散抑制機能が十分に発揮される。拡散抑制層の厚さは、5nm以下が好ましい。これにより、例えば、低い面積抵抗が得られる。拡散抑制層の厚さは、0.5nm以上5nm以下が好ましく、1nm以上3nm以下が好ましい。
拡散抑制層として、マグネシウム(Mg)、シリコン(Si)及びアルミニウム(Al)よりなる群から選択された少なくとも1つを用いても良い。拡散抑制層として、これらの軽元素を含む材料が用いられる。これらの軽元素は、ホウ素と結合して化合物を生成する。拡散抑制層と磁化自由層210との界面を含む部分に、例えば、Mg−B化合物、Al−B化合物、及び、Si−B化合物の少なくとも1つが形成される。これらの化合物が、ホウ素の拡散を抑制する。
拡散抑制層と磁化自由層210との間に他の金属層などが挿入されていても良い。拡散抑制層と磁化自由層210との距離が離れすぎていると、その間でホウ素が拡散して磁化自由層210中のホウ素濃度が下がってしまう。このため、拡散抑制層と磁化自由層210との間の距離は、10nm以下が好ましく3nm以下がさらに好ましい。
図9は、実施形態に係る別のセンサの一部を例示する模式的斜視図である。
図9に示すように、センサ部50AAにおいて、絶縁層213が設けられるこれ以外は、センサ部50Aと同様である。絶縁層213は、下部電極204と上部電極212との間に設けられる。絶縁層213は、下部電極204と上部電極212とを結ぶ方向と交差する方向において、磁化自由層210及び第1磁化参照層209と並ぶ。絶縁層213を除く部分は、センサ部50Aと同様なので説明を省略する。
絶縁層213には、例えば、アルミニウム酸化物(例えば、Al)、または、シリコン酸化物(例えば、SiO)などが用いられる。絶縁層213により、センサ部50AAのリーク電流が抑制される。絶縁層213は、後述するセンサ部に設けられても良い。
図10は、実施形態に係る別のセンサの一部を例示する模式的斜視図である。
図10に示すように、センサ部50ABにおいて、ハードバイアス層214がさらに設けられる。これ以外は、センサ部50Aと同様である。ハードバイアス層214は、下部電極204と上部電極212との間に設けられる。下部電極204と上部電極212との間とを結ぶ方向と交差する方向において、磁化自由層210及び第1磁化参照層209は、ハードバイアス層214の2つの部分の間に設けられる。これ以外は、センサ部50AAと同様である。
ハードバイアス層214は、ハードバイアス層214の磁化により、磁化自由層210の磁化方向を設定する。ハードバイアス層214により、外部からの圧力が膜に印加されていない状態において、磁化自由層210の磁化方向は、所望の方向に設定される。
ハードバイアス層214には、例えば、Co−Pt、Fe−Pt、Co−Pd、または、Fe−Pdなどが用いられる。これらの材料においては、例えば、磁気異方性および保磁力が比較的高い。これらの材料は、例えば、ハード磁性材料である。ハードバイアス層214には、例えば、Co−Pt、Fe−Pt、Co−PdまたはFe−Pdに、さらに添加元素を加えた合金を用いても良い。ハードバイアス層214には、例えば、CoPt(Coの比率は、50at.%以上85at.%以下)、(CoPt100−x100−yCr(xは50at.%以上85at.%以下、yは0at.%以上40at.%以下)、または、FePt(Ptの比率は40at.%以上60at.%以下)などが用いられても良い。このような材料を用いる場合、ハードバイアス層214の磁化の方向は、ハードバイアス層214の保磁力よりも大きい外部磁界を加えることで、外部磁界を加えた方向に設定(固定)される。ハードバイアス層214の厚さ(例えば、下部電極204から上部電極に向かう方向に沿った長さ)は、例えば5nm以上50nm以下である。
下部電極204と上部電極212の間に絶縁層213を設ける場合、絶縁層213の材料として、SiOまたはAlOが用いられる。さらに、絶縁層213とハードバイアス層214の間に、図示しない下地層を設けても良い。ハードバイアス層214にCo−Pt、Fe−Pt、Co−Pd、または、Fe−Pdなどのハード磁性材料を用いる場合には、ハードバイアス層214用の下地層の材料として、CrやFe−Coなどが用いられる。
ハードバイアス層214は、図示しないハードバイアス層用ピニング層に積層された構造を有していても良い。この場合、ハードバイアス層214とハードバイアス層用ピニング層の交換結合により、ハードバイアス層214の磁化の方向を設定(固定)できる。この場合、ハードバイアス層214には、Fe、Co及びNiからなる群から選択された少なくとも1つ、または、これらの少なくとも1種を含む合金の強磁性材料が用いられる。この場合、ハードバイアス層214には、例えば、CoFe100−x合金(xは0at.%以上100at.%以下)、NiFe100−x合金(xは0at.%以上100at.%以下)、または、これらに非磁性元素を添加した材料が用いられる。ハードバイアス層214として、上記の第1磁化参照層209と同様の材料が用いられる。ハードバイアス層用ピニング層には、上記のセンサ部50A中のピニング層206と同様の材料が用いられる。ハードバイアス層用ピニング層を設ける場合、下地層205に用いる材料と同様の下地層をハードバイアス層用ピニング層の下に設けても良い。ハードバイアス層用ピニング層は、ハードバイアス層の下部に設けても良いし、上部に設けても良い。この場合のハードバイアス層214の磁化方向は、ピニング層206と同様に、磁界中熱処理により決定される。
上記のハードバイアス層214及び絶縁層213は、実施形態に係るセンサ部のいずれにも適用できる。ハードバイアス層214とハードバイアス層用ピニング層との積層構造を用いると、大きな外部磁界がハードバイアス層214に短い時間で加わった場合においても、ハードバイアス層214の磁化の向きを容易に保持することができる。
図11は、実施形態に係る別のセンサの一部を例示する模式的斜視図である。
図11に示すように、センサ部50Bにおいて、下部電極204と、下地層205と、磁化自由層210と、中間層203と、第1磁化参照層209と、磁気結合層208と、第2磁化参照層207と、ピニング層206と、キャップ層211と、上部電極212と、が、順に積層される。センサ部50Bは、例えば、トップスピンバルブ型である。
下地層205には、例えば、タンタルと銅の積層膜(Ta/Cu)が用いられる。このTa層の厚さ(Z軸方向の長さ)は、例えば、3nmである。このCu層の厚さは、例えば、5nmである。磁化自由層210には、例えば、4nmの厚さのCo40Fe4020が用いられる。中間層203には、例えば、1.6nmの厚さのMgO層が用いられる。第1磁化参照層209には、例えば、Co40Fe4020/Fe50Co50が用いられる。このCo40Fe4020層の厚さは、例えば2nmである。このFe50Co50層の厚さは、例えば1nmである。磁気結合層208には、例えば、0.9nmの厚さのRu層が用いられる。第2磁化参照層207には、例えば、2.5nmの厚さのCo75Fe25層が用いられる。ピニング層206には、例えば、7nmの厚さのIrMn層が用いられる。キャップ層211には、例えばTa/Ruが用いられる。このTa層の厚さは、例えば、1nmである。このRu層の厚さは、例えば、5nmである。
センサ部50Bに含まれる各層の材料は、センサ部50Aに含まれる各層の材料を上下反転させて用いることができる。上記の拡散抑制層を、センサ部50Bの下地層205と磁化自由層210の間に設けても良い。
図12は、実施形態に係る別のセンサの一部を例示する模式的斜視図である。
図12に示すように、センサ部50Cにおいて、下部電極204と、下地層205と、ピニング層206と、第1磁化参照層209と、中間層203と、磁化自由層210と、キャップ層211と、が、この順で積層される。センサ部50Cは、例えば、単一の磁化参照層を用いたシングルピン構造を有する。
下地層205には、例えば、Ta/Ruが用いられる。このTa層の厚さ(Z軸方向の長さ)は、例えば、3nmである。このRu層の厚さは、例えば、2nmである。ピニング層206には、例えば、7nmの厚さのIrMn層が用いられる。第1磁化参照層209には、例えば、3nmの厚さのCo40Fe4020層が用いられる。中間層203には、例えば、1.6nmの厚さのMgO層が用いられる。磁化自由層210には、例えば、4nmの厚さのCo40Fe4020が用いられる。キャップ層211には、例えばTa/Ruが用いられる。このTa層の厚さは、例えば、1nmである。このRu層の厚さは、例えば、5nmである。
センサ部50Cの各層の材料には、例えば、センサ部50Aの各層の材料と同様のものが用いられる。
図13は、実施形態に係る別のセンサの一部を例示する模式的斜視図である。
図13に示すように、センサ部50Dにおいて、下部電極204と、下地層205と、下部ピニング層221と、下部第2磁化参照層222と、下部磁気結合層223と、下部第1磁化参照層224と、下部中間層225と、磁化自由層226と、上部中間層227と、上部第1磁化参照層228と、上部磁気結合層229と、上部第2磁化参照層230と、上部ピニング層231と、キャップ層211とが、順に積層される。
下地層205には、例えば、Ta/Ruが用いられる。このTa層の厚さ(Z軸方向の長さ)は、例えば、3ナノメートル(nm)である。このRu層の厚さは、例えば、2nmである。下部ピニング層221には、例えば、7nmの厚さのIrMn層が用いられる。下部第2磁化参照層222には、例えば、2.5nmの厚さのCo75Fe25層が用いられる。下部磁気結合層223には、例えば、0.9nmの厚さのRu層が用いられる。下部第1磁化参照層224には、例えば、3nmの厚さのCo40Fe4020層が用いられる。下部中間層225には、例えば、1.6nmの厚さのMgO層が用いられる。磁化自由層226には、例えば、4nmの厚さのCo40Fe4020が用いられる。上部中間層227には、例えば、1.6nmの厚さのMgO層が用いられる。上部第1磁化参照層228には、例えば、Co40Fe4020/Fe50Co50が用いられる。このCo40Fe4020層の厚さは、例えば2nmである。このFe50Co50層の厚さは、例えば1nmである。上部磁気結合層229には、例えば、0.9nmの厚さのRu層が用いられる。上部第2磁化参照層230には、例えば、2.5nmの厚さのCo75Fe25層が用いられる。上部ピニング層231には、例えば、7nmの厚さのIrMn層が用いられる。キャップ層211には、例えばTa/Ruが用いられる。このTa層の厚さは、例えば、1nmである。このRu層の厚さは、例えば、5nmである。
センサ部50Dの各層の材料には、例えば、センサ部50Aの各層の材料と同様のものが用いられる。
図14は、実施形態に係る別のセンサの一部を例示する模式的斜視図である。
図14に示すように、センサ部50Eにおいて、下部電極204と、下地層205と、第1磁化自由層241と、中間層203と、第2磁化自由層242と、キャップ層211と、上部電極212と、が、この順で積層される。
下地層205には、例えば、Ta/Cuが用いられる。このTa層の厚さ(Z軸方向の長さ)は、例えば、3nmである。このCu層の厚さは、例えば、5nmである。第1磁化自由層241には、例えば、4nmの厚さのCo40Fe4020が用いられる。中間層203には、例えば、4nmの厚さのCo40Fe4020が用いられる。キャップ層211には、例えばCu/Ta/Ruが用いられる。このCu層の厚さは、例えば、5nmである。このTa層の厚さは、例えば、1nmである。このRu層の厚さは、例えば、5nmである。
センサ部50Eの各層の材料は、センサ部50Aの各層の材料と同様のものが用いられる。第1磁化自由層241及び第2磁化自由層242の材料として、例えばセンサ部50Aの磁化自由層210と同様のものを用いても良い。
(第2の実施形態)
本実施形態は、電子機器に係る。電子機器は、例えば、上記の実施形態に係るセンサ及びその変形のセンサを含む。電子機器は、例えば、情報端末を含む。情報端末は、レコーダなどを含む。電子機器は、マイクロフォン、血圧センサ、タッチパネルなどを含む。
図15は、第2の実施形態に係る電子機器を例示する模式図である。
図15に示すように、本実施形態に係る電子機器750は、例えば、情報端末710である。情報端末710には、例えば、マイクロフォン610が設けられる。
マイクロフォン610は、例えば、センサ310を含む。第1膜40は、例えば、情報端末710の表示部620が設けられた面に対して実質的に平行である。第1膜40の配置は、任意である。センサ310は、第1の実施形態に関して説明した任意のセンサが適用される。
図16(a)及び図16(b)は、第2の実施形態に係る電子機器を例示する模式的断面図である。
図16(a)及び図16(b)に示すように、電子機器750(例えば、マイクロフォン370(音響マイクロフォン))は、筐体360と、カバー362と、センサ310と、を含む。筐体360は、例えば、基板361(例えばプリント基板)と、カバー362と、を含む。基板361は、例えばアンプなどの回路を含む。
筐体360(基板361及びカバー362の少なくともいずれか)には、アコースティックホール325が設けられる。図16(b)に示す例においては、アコースティックホール325は、カバー362に設けられている。図16(b)に示す例においては、アコースティックホール325は、基板361に設けられている。音329は、アコースティックホール325を通って、カバー362の内部に進入する。マイクロフォン370は、音圧に対して感応する。
例えば、センサ310を基板361の上に置き、電気信号線(図示しない)を設ける。センサ310を覆うように、カバー362が設けられる。センサ310の周りに筐体360が設けられる。センサ310の少なくとも一部は、筐体360の中に設けられる。例えば、第1センサ部51及び第1膜40は、基板361とカバー362との間に設けられる。例えば、センサ310は、基板361とカバー362との間に設けられる。
図17(a)及び図17(b)は、第2の実施形態に係る別の電子機器を例示する模式図である。
これらの図の例では、電子機器750は、血圧センサ330である。図17(a)は、ヒトの動脈血管の上の皮膚を例示する模式的平面図である。図17(b)は、図17(a)のH1−H2線断面図である。
血圧センサ330においては、センサとしてセンサ310が用いられている。センサ310が動脈血管331の上の皮膚333に接触される。これにより、血圧センサ330は、連続的に血圧測定を行うことができる。
図18は、第2の実施形態に係る別の電子機器を例示する模式図である。
この図の例では、電子機器750は、タッチパネル340である。タッチパネル340において、センサ310が、ディスプレイの内部及びディスプレイの外部の少なくともいずれかに設けられる。
例えば、タッチパネル340は、複数の第1配線346と、複数の第2配線347と、複数のセンサ310と、制御回路341と、を含む。
この例では、複数の第1配線346は、Y軸方向に沿って並ぶ。複数の第1配線346のそれぞれは、X軸方向に沿って延びる。複数の第2配線347は、X軸方向に沿って並ぶ。複数の第2配線347のそれぞれは、Y軸方向に沿って延びる。
複数のセンサ310の1つは、複数の第1配線346と複数の第2配線347との交差部に設けられる。センサ310の1つは、検知のための検知要素Esの1つとなる。交差部は、第1配線346と第2配線347とが交差する位置及びその周辺の領域を含む。
複数のセンサ310の1つの一端E1は、複数の第1配線346の1つと接続される。複数のセンサ310の1つの他端E2は、複数の第2配線347の1つと接続される。
制御回路341は、複数の第1配線346及び複数の第2配線347と接続される。例えば、制御回路341は、複数の第1配線346と接続された第1配線用回路346dと、複数の第2配線347と接続された第2配線用回路347dと、第1配線用回路346d及び第2配線用回路347dと接続された制御信号回路345と、を含む。
第2の実施形態によれば、感度を向上できるセンサを用いた電子機器が提供できる。
実施形態は、以下の構成(例えば技術案)を含んでも良い。
(構成1)
複数の孔を含む第1膜を含む変形可能な膜部と、
前記膜部の一部に固定された第1センサ部であって、
第1磁性層と、
前記第1膜と前記第1磁性層との間に設けられた第2磁性層と、
前記第1磁性層と前記第2磁性層との間に設けられた第1中間層と、
を含む前記第1センサ部と、
を備え、
前記複数の孔の少なくとも一部から前記第1センサ部へ向かう方向は、前記第1膜から前記第1センサ部に向かう第1方向に沿う、センサ。
(構成2)
前記膜部は、第2膜をさらに含み、
前記第1膜から前記第2膜に向かう方向は、前記第1方向に沿い、
前記第1膜の密度は、前記第2膜の密度よりも低い、構成1記載のセンサ。
(構成3)
前記膜部は、第2膜をさらに含み、
前記第1膜から前記第2膜に向かう方向は、前記第1方向に沿い、
前記第2膜は、孔を実質的に含まない、構成1記載のセンサ。
(構成4)
前記膜部は、複数の孔を含む第2膜をさらに含み、
前記第1膜から前記第2膜に向かう方向は、前記第1方向に沿い、
前記第1膜中の前記複数の孔の密度は、前記第2膜中の前記複数の孔の密度よりも高い、構成1記載のセンサ。
(構成5)
前記膜部は、第2膜をさらに含み、
前記第1膜から前記第2膜に向かう方向は、前記第1方向に沿い、
前記第1膜の空孔率は、前記第2膜の空孔率よりも高い、構成1記載のセンサ。
(構成6)
前記膜部は、第2膜をさらに含み、
前記第1膜から前記第2膜に向かう方向は、前記第1方向に沿い、
前記第1膜の断面の表面粗さは、前記第2膜の断面の表面粗さよりも粗い、構成1記載のセンサ。
(構成7)
前記第1膜の前記第1方向に沿った厚さは、前記第2膜の前記第1方向に沿った厚さよりも厚い、構成2〜6のいずれか1つに記載のセンサ。
(構成8)
前記膜部は、第3膜をさらに含み、
前記第1膜の前記第1方向における位置は、前記第2膜の前記第1方向における位置と、前記第3膜の前記第1方向における位置と、の間であり、
前記第1膜の前記密度は、前記第3膜の密度よりも低い、構成2記載のセンサ。
(構成9)
前記膜部は、第3膜をさらに含み、
前記第1膜の前記第1方向における位置は、前記第2膜の前記第1方向における位置と、前記第3膜の前記第1方向における位置と、の間であり、
前記第3膜は、孔を実質的に含まない、構成2〜7のいずれか1つに記載のセンサ。
(構成10)
前記膜部は、複数の孔を含む第3膜をさらに含み、
前記第1膜の前記第1方向における位置は、前記第2膜の前記第1方向における位置と、前記第3膜の前記第1方向における位置と、の間であり、
前記第1膜中の前記複数の孔の前記密度は、前記第3膜中の前記複数の孔の密度よりも高い、構成4記載のセンサ。
(構成11)
前記膜部は、第3膜をさらに含み、
前記第1膜の前記第1方向における位置は、前記第2膜の前記第1方向における位置と、前記第3膜の前記第1方向における位置と、の間であり、
前記第1膜の前記空孔率は、前記第3膜の空孔率よりも高い、構成5記載のセンサ。
(構成12)
前記膜部は、第3膜をさらに含み、
前記第1膜の前記第1方向における位置は、前記第2膜の前記第1方向における位置と、前記第3膜の前記第1方向における位置と、の間であり、
前記第1膜の断面の表面粗さは、前記第3膜の断面の表面粗さよりも粗い、構成6記載のセンサ。
(構成13)
前記第2膜は、シリコン、酸化シリコン、酸化アルミニウム、窒化シリコン、アルミニウムシリケート、及びシリコン酸窒化物からなる群から選択された少なくとも1つを含む構成2〜12のいずれか1つに記載のセンサ。
(構成14)
前記第1膜は、酸化シリコン、酸化アルミニウム、酸化チタン、アルミニウムシリケート、シリコン酸窒化物、及びアルミノリン酸塩からなる群から選択された少なくとも1つを含む構成1〜13のいずれか1つに記載のセンサ。
(構成15)
前記第1膜の空孔率は、30%以上である構成1〜15のいずれか1つに記載のセンサ。
(構成16)
金属化合物部と炭素含有部とを含む第1膜を含む変形可能な膜部と、
前記膜部の一部に固定された第1センサ部であって、
第1磁性層と、
前記第1膜と前記第1磁性層との間に設けられた第2磁性層と、
前記第1磁性層と前記第2磁性層との間に設けられた第1中間層と、
を含む前記第1センサ部と、
を備え、
前記金属化合物部の少なくとも一部から前記炭素含有部の少なくとも一部に向かう方向は、前記第1膜から前記第1センサ部に向かう第1方向と交差した、センサ。
(構成17)
前記金属化合物部は、酸化物、窒化物及び酸窒化物からなる群から選択された少なくとも1つを含み、
前記酸化物は、シリコン、アルミニウム、チタン及びタングステンからなる群から選択された少なくとも1つを含み、
前記窒化物は、シリコン、アルミニウム、チタン及びタングステンからなる群から選択された少なくとも1つを含み、
前記酸窒化物は、シリコン、アルミニウム、チタン及びタングステンからなる群から選択された少なくとも1つを含む、構成16記載のセンサ。
(構成18)
前記炭素含有部は、ヒドロキシ基、カルボニル基、カルボキシ基、エーテル結合、エステル結合、アミン及びイミンからなる群から選択された少なくとも1つを含む、構成16または17に記載のセンサ。
(構成19)
開口部を有する第1部材と、
第2部材と、
をさらに備え、
前記第1センサ部及び前記膜部は、前記第1部材と前記第2部材との間に設けられ、
前記開口部と、前記第1膜の少なくとも一部と、の間に前記第2膜の少なくとも一部が位置する、構成2〜13のいずれか1つに記載のセンサ。
図19〜図21は、実施形態に係るセンサの一部を例示する模式的断面図である。
図19〜図21は、図1(c)に示す断面図に対応する。
センサ120において、Z軸方向における第1センサ部51の位置が、センサ110とは異なる。これ以外は、センサ120は、センサ110と同様である。センサ121において、Z軸方向における第1センサ部51の位置が、センサ112とは異なる。これ以外は、センサ121は、センサ112と同様である。センサ122において、Z軸方向における第1センサ部51の位置が、センサ113とは異なる。これ以外は、センサ122は、センサ113と同様である。センサ120〜122において、第1センサ部51のZ軸方向における位置は、支持部70sのZ軸方向における位置と、第1膜71(または第1膜71A)の一部のZ軸方向における位置と、の間である。第1膜71(または第1膜71A)の上記の一部と、第3膜73と、の間に、第1センサ部51が設けられる。
図22〜図24は、実施形態に係るセンサの一部を例示する模式的断面図である。
図22〜図24は、図1(c)に示す断面図に対応する。
センサ130において、Z軸方向における第1センサ部51の位置が、センサ110とは異なる。これ以外は、センサ130は、センサ110と同様である。センサ131において、Z軸方向における第1センサ部51の位置が、センサ112とは異なる。これ以外は、センサ131は、センサ112と同様である。センサ132において、Z軸方向における第1センサ部51の位置が、センサ113とは異なる。これ以外は、センサ132は、センサ113と同様である。センサ130〜132において、第1センサ部51のZ軸方向における位置は、支持部70sのZ軸方向における位置と、第1膜71(または第1膜71A)のZ軸方向における位置と、の間である。
センサ120〜132の製造において、例えば、第1センサ部51の形成の後に、膜部70の少なくとも一部(第1膜71)が形成される。第1センサ部51の形成は、例えば、高温での熱処理を含む。熱処理の後に膜部70が形成される場合、膜部70のダメージが抑制できる。
図25〜図27は、実施形態に係るセンサの一部を例示する模式的断面図である。
図25〜図27は、図1(c)に示す断面図に対応する。
センサ140〜142は、膜部70及び第1センサ部51に加えて、絶縁膜75を含む。センサ140において、Z軸方向における第1センサ部51の位置が、センサ110とは異なる。センサ141において、Z軸方向における第1センサ部51の位置が、センサ112とは異なる。センサ142において、Z軸方向における第1センサ部51の位置が、センサ113とは異なる。センサ140〜142において、第1センサ部51のZ軸方向における位置は、支持部70sのZ軸方向における位置と、第1膜71(または第1膜71A)のZ軸方向における位置と、の間である。第1膜71(または第1膜71A)と、絶縁膜75と、の間に、第1センサ部51が設けられる。
図28は、実施形態に係るセンサの一部を例示する模式的断面図である。
図28は、図1(c)に示す断面図に対応する。センサ150は、膜部70及び第1センサ部51に加えて、絶縁膜75を含む。絶縁膜75の一部と膜部70との間に、第1センサ部51が設けられる。絶縁膜75の一部と支持部70sとの間に膜部70の一部が位置する。絶縁膜75のさらに別の一部と第3膜73との間に第1膜71が設けられる。絶縁膜75は、例えば、第1センサ部51及び膜部70を保護する。
図29(a)及び図29(b)は、実施形態に係るセンサの製造方法を例示する模式的断面図である。
図29(a)に示すように、膜部70(この例では、第1膜71及び第3膜73)を形成する。
図29(b)に示すように、第1センサ部51を形成する。例えば、第1センサ部51の形成において、熱処理が行われる。この後、絶縁膜75(図28参照)を形成する。
この例においては、熱処理中に、膜部70に含まれるガスなどの少なくとも一部が除去される。熱処理の後に絶縁膜75を形成することで、ガスの除去が効果的に行われる。
図30は、実施形態に係るセンサの一部を例示する模式的断面図である。
図30は、図1(c)に示す断面図に対応する。センサ151は、膜部70及び第1センサ部51に加えて、絶縁膜75を含む。絶縁膜75の一部と膜部70との間に、第1センサ部51が設けられる。絶縁膜75の一部と支持部70sとの間に膜部70の一部が位置する。絶縁膜75のさらに別の一部と第3膜73との間に第1膜71が設けられる。絶縁膜75は、例えば、第1センサ部51及び膜部70を保護する。
図31(a)及び図31(b)は、実施形態に係るセンサの製造方法を例示する模式的断面図である。
図31(a)に示すように、膜部70(この例では、第1膜71及び第3膜73)を形成する。
図31(b)に示すように、第1センサ部51を形成する。例えば、第1センサ部51の形成において、熱処理が行われる。この後、絶縁膜75(図30参照)を形成する。
この例においては、熱処理中に、膜部70に含まれるガスなどの少なくとも一部が除去される。熱処理の後に絶縁膜75を形成することで、ガスの除去が効果的に行われる。
図32は、実施形態に係るセンサの一部を例示する模式的断面図である。
図32は、図1(c)に示す断面図に対応する。センサ152は、膜部70及び第1センサ部51に加えて、絶縁膜75を含む。絶縁膜75の一部と膜部70との間に、第1センサ部51が設けられる。絶縁膜75の一部と支持部70sとの間に膜部70の一部が位置する。絶縁膜75のさらに別の一部と第3膜73との間に第1膜71Aが設けられる。絶縁膜75は、例えば、第1センサ部51及び膜部70を保護する。
図33(a)及び図33(b)は、実施形態に係るセンサの製造方法を例示する模式的断面図である。
図33(a)に示すように、膜部70(この例では、第1膜71A及び第3膜73)を形成する。
図33(b)に示すように、第1センサ部51を形成する。例えば、第1センサ部51の形成において、熱処理が行われる。この後、絶縁膜75(図32参照)を形成する。
この例においては、熱処理中に、膜部70に含まれるガスなどの少なくとも一部が除去される。熱処理の後に絶縁膜75を形成することで、ガスの除去が効果的に行われる。
実施形態に係る上記のセンサは、例えば、磁性装置である。
実施形態によれば、検知精度を向上できるセンサが提供される。
本願明細書において、「垂直」及び「平行」は、厳密な垂直及び厳密な平行だけではなく、例えば製造工程におけるばらつきなどを含むものであり、実質的に垂直及び実質的に平行であれば良い。
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明の実施形態は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、センサに含まれるセンサ部、磁性層、膜部などの各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
その他、本発明の実施の形態として上述したセンサ及び電子機器を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全てのセンサ及び電子機器も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
11…第1磁性層、 11i…第1中間層、 12…第2磁性層、 12i…第2中間層、 13…第3磁性層、 13i…第3中間層、 14…第4磁性層、 15…第5磁性層、 16…第6磁性層、 40…第1膜、 50A…センサ部、 50B…センサ部、 50C…センサ部、 50D…センサ部、 50E…センサ部、 50AA…センサ部、 50AB…センサ部、 51…第1センサ部、 51P…センサ部、 52…第2センサ部、 52P…センサ部、 53…第3センサ部、 53P…センサ部、 58e…第1センサ導電層、 58f…第2センサ導電層、 60…制御部、 70…膜部、 70h…凹部、 70s…支持部、 71、71A…第1膜、 71c…炭素含有部、 71m…金属化合物部、 71p、71q…孔、 72…第2膜、 72a、72b…膜領域、 72p…孔、 73…第3膜、 73p…孔、 75…絶縁膜、 80a…カバー、 80b…基板、 80c…カバー、 80d…基板、 110、110A、110B、110C、111、112、113、114、115、120〜122、130〜132、140〜142、150〜152…センサ、 203…中間層、 204…下部電極、 205…下地層、 206…ピニング層、 207…第2磁化参照層、 208…磁気結合層、 209…第1磁化参照層、 210…磁化自由層、 211…キャップ層、 212…上部電極、 213…絶縁層、 214…ハードバイアス層、 221…下部ピニング層、 222…第2磁化参照層、 223…下部磁気結合層、 224…第1磁化参照層、 225…下部中間層、 226…磁化自由層、 227…上部中間層、 228…第1磁化参照層、 229…上部磁気結合層、 230…第2磁化参照層、 231…上部ピニング層、 241…第1磁化自由層、 242…第2磁化自由層、 310…センサ、 325…アコースティックホール、 329…音、 330…血圧センサ、 331…動脈血管、 333…皮膚、 340…タッチパネル、 341…制御回路、 345…制御信号回路、 346…第1配線、 346d…第1配線用回路、 347…第2配線、 347d…第2配線用回路、 360…筐体、 361…基板、 362…カバー、 370…マイクロフォン、 610…マイクロフォン、 620…表示部、 710…情報端末、 750…電子機器、 C1…第1断面、 C2…第2断面、 C3…第3断面、 CA、CB、CC…特性、 R1、R2、R3…領域、 FL…下面、 EL1…第1センサ電極、 FBA…帯域、 EL2…第2センサ電極、 FBB…帯域、 FBC…帯域、 CR1…第1断面領域、 CR2…第2断面領域、 CR3…第3断面領域、 f…周波数、 FU…上面、 OP1、OP2…開口部、 Ra…第1領域、 Rb…第2領域、 Sn…感度、 fa、fb、fc…共振周波数、 rp…径

Claims (13)

  1. 複数の孔を含む第1膜を含む変形可能な膜部と、
    前記膜部の一部に固定された第1センサ部であって、
    第1磁性層と、
    前記第1膜と前記第1磁性層との間に設けられた第2磁性層と、
    前記第1磁性層と前記第2磁性層との間に設けられた第1中間層と、
    を含む前記第1センサ部と、
    を備え、
    前記複数の孔の少なくとも一部から前記第1センサ部へ向かう方向は、前記第1膜から前記第1センサ部に向かう第1方向に沿う、センサ。
  2. 前記膜部は、第2膜をさらに含み、
    前記第1膜から前記第2膜に向かう方向は、前記第1方向に沿い、
    前記第1膜の密度は、前記第2膜の密度よりも低い、請求項1記載のセンサ。
  3. 前記膜部は、第2膜をさらに含み、
    前記第1膜から前記第2膜に向かう方向は、前記第1方向に沿い、
    前記第2膜は、孔を実質的に含まない、請求項1記載のセンサ。
  4. 前記膜部は、複数の孔を含む第2膜をさらに含み、
    前記第1膜から前記第2膜に向かう方向は、前記第1方向に沿い、
    前記第1膜中の前記複数の孔の密度は、前記第2膜中の前記複数の孔の密度よりも高い、請求項1記載のセンサ。
  5. 前記膜部は、第2膜をさらに含み、
    前記第1膜から前記第2膜に向かう方向は、前記第1方向に沿い、
    前記第1膜の空孔率は、前記第2膜の空孔率よりも高い、請求項1記載のセンサ。
  6. 前記第1膜の前記第1方向に沿った厚さは、前記第2膜の前記第1方向に沿った厚さよりも厚い、請求項2〜5のいずれか1つに記載のセンサ。
  7. 前記膜部は、第3膜をさらに含み、
    前記第1膜の前記第1方向における位置は、前記第2膜の前記第1方向における位置と、前記第3膜の前記第1方向における位置と、の間であり、
    前記第1膜の前記密度は、前記第3膜の密度よりも低い、請求項2記載のセンサ。
  8. 前記第2膜は、シリコン、酸化シリコン、酸化アルミニウム、窒化シリコン、アルミニウムシリケート、及びシリコン酸窒化物からなる群から選択された少なくとも1つを含む請求項2〜7のいずれか1つに記載のセンサ。
  9. 前記第1膜は、酸化シリコン、酸化アルミニウム、酸化チタン、アルミニウムシリケート、シリコン酸窒化物、及びアルミノリン酸塩からなる群から選択された少なくとも1つを含む請求項1〜8のいずれか1つに記載のセンサ。
  10. 金属化合物部と炭素含有部とを含む第1膜を含む変形可能な膜部と、
    前記膜部の一部に固定された第1センサ部であって、
    第1磁性層と、
    前記第1膜と前記第1磁性層との間に設けられた第2磁性層と、
    前記第1磁性層と前記第2磁性層との間に設けられた第1中間層と、
    を含む前記第1センサ部と、
    を備え、
    前記金属化合物部の少なくとも一部から前記炭素含有部の少なくとも一部に向かう方向は、前記第1膜から前記第1センサに向かう第1方向と交差した、センサ。
  11. 前記金属化合物部は、酸化物、窒化物及び酸窒化物からなる群から選択された少なくとも1つを含み、
    前記酸化物は、シリコン、アルミニウム、チタン及びタングステンからなる群から選択された少なくとも1つを含み、
    前記窒化物は、シリコン、アルミニウム、チタン及びタングステンからなる群から選択された少なくとも1つを含み、
    前記酸窒化物は、シリコン、アルミニウム、チタン及びタングステンからなる群から選択された少なくとも1つを含む、請求項10記載のセンサ。
  12. 前記炭素含有部は、ヒドロキシ基、カルボニル基、カルボキシ基、エーテル結合、エステル結合、アミン及びイミンからなる群から選択された少なくとも1つを含む、請求項10または11に記載のセンサ。
  13. 開口部を有する第1部材と、
    第2部材と、
    をさらに備え、
    前記第1センサ部及び前記膜部は、前記第1部材と前記第2部材との間に設けられ、
    前記開口部と、前記第1膜の少なくとも一部と、の間に前記第2膜の少なくとも一部が位置する、請求項2〜8のいずれか1つに記載のセンサ。
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