以下に、各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
なお、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
(第1の実施形態)
図1(a)〜図1(c)は、第1の実施形態に係るセンサを例示する模式図である。
図1(a)は、斜視図である。図1(b)は、図1(a)の矢印ARからみたときのセンサの一部を示す平面図である。図1(c)は、図1(b)のB1−B2線断面図である。
本実施形態に係るセンサ110は、第1膜71と、第1センサ部51と、駆動部40と、処理部60と、を含む。センサ110は、例えば磁界センサである。
第1膜71は、変形可能である。第1膜71は、例えば、支持部70sに支持される。例えば、第1膜71及び支持部70sとなる基板の一部に凹部70hが形成される。基板のうちの薄い部分が第1膜71となる。基板のうちの厚い部分が支持部70sとなる。この例では、支持部70sは、第1膜71の外縁と接続されている。第1膜71の平面形状は、例えば、略四角形(長方形などを含む)または円形(偏平円を含む)などである。変形可能な上記の膜は、自由端を有しても良い。
第1膜71は、例えば、シリコン、窒化シリコン、及び、酸化アルミニウムからなる群から選択された少なくとも1つを含む。
第1センサ部51は、第1膜71に設けられる。第1センサ部51は、例えば、第1膜71の一部の面上に設けられる。この面の表裏(上下)は任意である。
図1(c)に示すように、第1センサ部51は、第1磁性層11と、第2磁性層12と、第1中間層11iと、を含む。第2磁性層12は、第1膜71と第1磁性層11との間に設けられる。第1中間層11iは、第1磁性層11と第2磁性層12との間に設けられる。
第1の実施形態において、第1膜71と第1センサ部51とを結ぶ方向(第1方向)をZ軸方向とする。例えば、第1膜71の一部に第1センサ部51が設けられている。このとき、第1膜71のこの一部と、第1センサ部51と、を最短で結ぶ方向が、第1方向に対応する。
Z軸方向に対して垂直な1つの軸をX軸方向とする。Z軸方向及びX軸方向に対して垂直な方向をY軸方向とする。この例では、第2磁性層12から第1磁性層11に向かう方向は、Z軸方向に対応する。
この例では、複数のセンサ部(例えば、第2センサ部52、第3センサ部53、センサ部51P、センサ部52P、及び、センサ部53Pなど)が設けられている。複数のセンサ部のそれぞれのX−Y平面上の面積は、第1膜71のX−Y平面上の面積よりも小さい。第2センサ部52の少なくとも一部は、X軸方向に沿って、第1センサ部51の少なくとも一部と重なる。第2センサ部52と第3センサ部53との間に、第1センサ部51が設けられている。センサ部51Pの少なくとも一部は、Y軸方向に沿って、第1センサ部51の少なくとも一部と重なる。センサ部52Pの少なくとも一部は、Y軸方向に沿って、第2センサ部52の少なくとも一部と重なる。センサ部53Pの少なくとも一部は、Y軸方向に沿って、第3センサ部53の少なくとも一部と重なる。
第2センサ部52は、第3磁性層13と、第4磁性層14と、第2中間層12iと、を含む。第4磁性層14は、第1膜71と第3磁性層13との間に設けられる。第2中間層12iは、第3磁性層13と第4磁性層14との間に設けられる。
第3センサ部53は、第5磁性層15と、第6磁性層16と、第3中間層13iと、を含む。第6磁性層16は、第1膜71と第5磁性層15との間に設けられる。第3中間層13iは、第5磁性層15と第6磁性層16との間に設けられる。
センサ部51P〜53Pの構成は、第1〜第3センサ部51〜53と同様である。
図1(c)に示すように、第1センサ導電層58eと第1膜71との間に上記の磁性層が設けられる。上記の磁性層と第1膜71との間に第2センサ導電層58fが設けられる。
第1センサ部51と電気的に接続された第1センサ導電層58eが、第1センサ電極EL1と電気的に接続される。第1センサ部51と電気的に接続された第2センサ導電層58fが、第2センサ電極EL2と電気的に接続される。
第1磁性層11及び第2磁性層12の少なくともいずれかの磁化は、第1センサ部51に印加される磁界に応じて変化する。第1磁性層11の磁化と、第2磁性層12の磁化と、の間の角度は、第1センサ部51に印加される磁界に応じて変化する。この角度の変化により、第1磁性層11と第2磁性層12との間の電気抵抗(第1センサ部51の電気抵抗)が変化する。例えば、第1センサ電極EL1と第2センサ電極EL2との間の電気抵抗の変化を検知することで、第1センサ部51に加わる磁界を検知できる。
第1磁性層11及び第2磁性層12の少なくともいずれかの磁化は、第1膜71の変形に応じて変化する。第1磁性層11の磁化と、第2磁性層12の磁化と、の間の角度は、第1膜71の変形に応じて変化する。この角度の変化により、第1磁性層11と第2磁性層12との間の電気抵抗(第1センサ部51の電気抵抗)が変化する。
実施形態において、電気的に接続される状態は、複数の導体が直接接する状態の他に、複数の導体が他の導体を介して接続される場合を含む。電気的に接続される状態は、複数の導体が、スイッチング及び増幅などの機能を有する素子を介して接続される場合を含む。例えば、第1センサ電極EL1と第1磁性層11との間の電流経路、及び、第2センサ電極EL2と第2磁性層12との間の電流経路の少なくともいずれかに、スイッチ素子及びアンプ素子の少なくともいずれかが挿入されていても良い。
例えば、第1磁性層11が磁化自由層であり、第2磁性層12が磁化参照層である。例えば、第1磁性層11が磁化参照層であり、第2磁性層12が磁化自由層でも良い。第1磁性層11及び第2磁性層12の両方が磁化自由層でも良い。上記の第1センサ部51に関する説明は、他のセンサ部(第2センサ部51、第3センサ部53、センサ部51P、センサ部52P、及び、センサ部53Pなど)にも適用される。
駆動部40は、第1膜71を第1周波数で変形させる。例えば、駆動部40は、第1膜71に第1周波数で振動する応力を加え、第1膜71を第1周波数で振動させる。第1膜71には、第1周波数で変化する歪が生じる。後述するように、駆動部40は、例えば、スピーカ又はアクチュエータである。
処理部60は、駆動部40と電気的に接続される。この例では、処理部60は、駆動部40の動作を制御する制御回路を含む。例えば、処理部60は、駆動部40に第1周波数に関する第1信号Sig1を供給する。第1信号Sig1は、第1周波数の情報を含む。例えば、第1信号Sig1は、第1周波数で振動する成分を含む。駆動部40は、第1信号Sig1に基づいて第1膜71を第1周波数で変形させる。
処理部60は、センサ部(第1センサ部51など)と電気的に接続される。処理部60は、第1センサ電極EL1及び第2センサ電極EL2と電気的に接続される。処理部60は、センサ部(第1センサ部51など)から出力される第2信号Sig2を取得する。
第2信号Sig2は、センサ部(第1センサ部51など)の電気抵抗の情報を含む。第2信号Sig2は、センサ部の(第1センサ部51など)のそれぞれに印加される検知対象の磁界と、第1膜71の変形と、に応じて変化する。検知対象の磁界は、第1周波数とは異なる第2周波数で振動する。この場合、第2信号Sig2は、第2周波数で振動する信号が、第1膜71の変形(振動)によって変調された信号と考えることができる。
処理部60は、第1信号Sig1と第2信号Sig2とに基づいた第3信号Sig3を出力する。例えば、処理部60は、第1膜71の振動によって変調されたセンサ部の出力を復調して、第3信号Sig3を出力する。第3信号Sig3は、第2周波数の成分を含む。これにより、センサ部に外部から加えられた磁界を検知できる。
磁性層を用いたセンサ部においては、検知対象の磁界の周波数によっては、検知精度が低い場合がある。これに対して、実施形態においては、第1センサ部51は、第1周波数で変形する第1膜71に設けられる。これにより、第1センサ部51において検知される電気抵抗の周波数は、第2周波数から変化する。これにより、例えば、第1センサ部51は、検知精度の高い周波数の範囲で検知を行うことができる。
例えば、第2周波数は、第1周波数よりも低い。第1周波数は、例えば、1キロヘルツ(kHz)以上100kHz以下である。第2周波数は、例えば、1ヘルツ(Hz)以上1000Hz以下である。この第2周波数のように検知対象が低周波数を有する場合には、センサ部における1/fノイズによって、検知精度が低下することがある。これに対して、実施形態は、高周波数で変形する第1膜71により、高周波重畳を行う。これにより、1/fノイズの影響を抑制することができ、検知精度を向上させることができる。
図2及び図3(a)〜図3(c)は、第1の実施形態に係るセンサの動作を例示する模式図である。
図2に示すように、処理部60は、第1信号Sig1を駆動部40に供給する。この場合、第1信号Sig1は、例えば、駆動部40の動作を制御する信号(第1信号Sig1a)である。但し、駆動部40は、処理部60によって制御されなくてもよい。この場合、処理部60は、駆動部40又は駆動部40を制御する別の回路から第1周波数に関する信号(第1信号Sig1b)を取得してもよい。
駆動部40は、第1周波数で変化する応力Pcを第1膜71に加える。これにより、第1膜71に歪ε1が生じる。図3(a)は、応力Pc(又は歪ε1)の時間的変化を例示する。横軸は時間tを表し、縦軸は応力Pcを表す。図3(a)に示すように、応力Pcは、第1周波数f1で振動する。第1信号Sig1は、図3(a)のように第1周波数f1で振動するアナログ信号であってもよいし、第1周波数f1の情報を含むデジタル信号であってもよい。
図2に示すように、検知の対象である磁界H1がセンサ部に加わる。例えば、磁界H1は、第1周波数f1よりも低い第2周波数f2で振動する。磁界H1及び歪ε1により、センサ部(第1〜第3センサ部51〜53など)において電気抵抗の変化が生じる。例えば、これらのセンサ部の2つ以上が直列に接続されても良い。電気抵抗の変化が第2信号Sig2として、処理部60により検知される。
図3(b)は、第2信号Sig2の時間的変化を例示する。横軸は時間tを表し、縦軸は第2信号Sig2を表す。第2信号Sig2の時間的変化は、例えば、第1周波数f1の余弦波と第2周波数f2の余弦波との積によって表される。これにより、第2信号Sig2は、例えば、第1周波数f1と第2周波数f2との差の周波数(f1−f2)で振動する成分と、第1周波数f1と第2周波数f2との和の周波数(f1+f2)で振動する成分と、を含む。
処理部60は、第1信号Sig1と第2信号Sig2とに基づいた第3信号Sig3を出力する。例えば、処理部60は、第2信号Sig2に第1周波数f1で振動する余弦波をさらに乗じた信号を算出する。この信号は、第2周波数f2で振動する成分を含む。この信号から、ローパスフィルタ等によって、第2周波数f2で振動する第3信号Sig3が出力される。図3(c)は、第3信号Sig3の時間的変化を例示する。横軸は時間tを表し、縦軸は第3信号Sig3を表す。以上により、第2周波数で変化する磁界H1を検知することができる。
図4は、第1の実施形態に係るセンサを例示する模式的断面図である。
図4に示したセンサ111は、前述の駆動部40として駆動部41を含む。駆動部41は圧力波AWを発する。圧力波AWは、例えば音波及び超音波の少なくともいずれかを含む。駆動部41は、例えば音波を発する音響装置(スピーカ)である。これ以外については、センサ111には、センサ110と同様の説明を適用できる。
この例では、第1膜71は、駆動部41とセンサ部(第1センサ部51など)との間に設けられる。例えば、駆動部41の振動板(コーン)41cは、第1膜71のX−Y平面における中心CntとZ軸方向において並ぶ。複数のセンサ部は、第1膜71の外縁71eに沿って設けられている。
駆動部41と第1膜71との間には、空気Arが存在する。空気Arは、駆動部41が発する振動(圧力波)を第1膜71へ伝達する媒質となる。実施形態において圧力波の媒質は、空気に限られず、別の気体や液体等であってもよい。
駆動部41(振動板41c)は、第1周波数で振動する。これにより、駆動部41は、第1膜71の例えば中心Cntへ向けて、第1周波数の圧力波AWを発する。
第1膜71は、圧力波AWを受ける。圧力波AWによって第1膜71に応力が加えられ、第1膜71は、第1周波数で振動する。第1膜71の変形は、Z軸方向の成分を含む。例えば、第1膜71の位置(例えば中心Cntの位置)は、Z軸方向において第1周波数で変位する。
図5は、第1の実施形態に係るセンサを例示する模式的断面図である。
図5に示したセンサ112は、前述の駆動部40として駆動部42を含む。駆動部42は、例えばアクチュエータである。アクチュエータは、例えば、ソレノイド、モータ又は圧電体などを含む。これ以外については、センサ112には、センサ110と同様の説明を適用できる。
この例では、第1膜71は、駆動部42とセンサ部(第1センサ部51など)との間に設けられる。例えば、支持部70sは、駆動部42の一部に固定されている。支持部70sは、駆動部42に直接固定されても良い。支持部70sは、別の部材を介して駆動部42に間接的に固定されてもよい。駆動部40の少なくとも一部に対する支持部70sの相対的位置は、例えば一定である。
図5に示すように、駆動部42の振動はZ軸方向の成分を含む。例えば、駆動部42は、例えばZ軸方向において第1周波数で振動する。これにより、第1膜71の変形はZ軸方向の成分を含む。例えば、支持部70s及び第1膜71は、Z軸方向において第1周波数で振動する。第1膜71には、Z軸方向の成分を含む慣性力が働く。例えば、第1膜71には、第1周波数で振動する慣性力(応力)が働く。
(第2の実施形態)
図6(a)及び図6(b)は、第2の実施形態に係るセンサを例示する模式的断面図である。
図6(b)は、図6(a)の一部を拡大して表す。
第2の実施形態に係るセンサ113は、第1素子部43と、センサ部(第1センサ部51など)と、処理部60と、を含む。
第1センサ部51は、第1素子部43(第1圧電層43c)に設けられる。例えば、第1センサ部51は、第1素子部43の一部の面上に設けられる。この面の表裏(上下)は任意である。
第1素子部43は、第1素子導電層43aと、第2素子導電層43bと、第1圧電層(圧電体層)43cと、を含む。第2磁性層12は、第1圧電層43cと第1磁性層11との間に設けられる。第1中間層11iは、第1磁性層11と第2磁性層12との間に設けられる。第1素子導電層43aは、第2素子導電層43bと第1センサ部51との間に設けられる。第1圧電層43cは、第1素子導電層43aと第2素子導電層43bとの間に設けられる。
第1圧電層43cは、例えば、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)、AlN、ZnO、KNN((K,Na)NbO3)、BaTiO3、及び、BiFeO3の少なくともいずれかを含む。第1圧電層43cは、高分子を含んでも良い。
第2の実施形態においては、第1圧電層43cと第1センサ部51とを結ぶ方向(第1方向)をZ軸方向とする。例えば、第1素子部43と第1センサ部51とを最短で結ぶ方向が、第1方向に対応する。
第1素子部43は、例えばX−Y平面に沿って広がる膜状である。第1素子部43は、支持部70sに支持される。第1素子部43は、Z軸方向において支持部70sと重ならない第1素子領域R1と、Z軸方向において支持部70sと重なる第2素子領域R2と、を含む。第2素子領域R2は、例えば支持部70sに固定されている。第1素子領域R1の外縁は、第2素子領域R2と接続されている。第1素子領域R1の平面形状は、第1の実施形態に関して説明した第1膜71と同様に、略四角形または円形などである。
図6(a)及び図6(b)に示す第1センサ部51は、第1の実施形態において第1膜71に設けられた第1センサ部51と同様に、第1素子領域R1の一部に設けられる。第1の実施形態において第1膜71に設けられた複数のセンサ部と同様に、第1素子領域R1の一部に複数のセンサ部が設けられてもよい。センサ部と第1素子領域R1との間には、適宜、絶縁層が設けられる。
第1素子導電層43a及び第2素子導電層43bのそれぞれは、電源回路62と電気的に接続される。例えば、電源回路62が第1素子導電層43aと第2素子導電層43bとの間に電圧Vaを印加すると、第1圧電層43cに電圧が印加される。この電圧に応じて第1圧電層43cに歪が生じる。この歪により、第1素子部43(第1圧電層43c)は、変形する。
処理部60は、電源回路62と電気的に接続される。例えば、処理部60は、電源回路62に第1周波数に関する第1信号Sig1を供給する。電源回路62は、この第1信号Sig1に基づいて、第1周波数で振動する電圧Vaを供給する。これにより、第1圧電層43c(第1素子領域R1)は、第1周波数で変形する。
第1磁性層11及び第2磁性層12の少なくともいずれかの磁化は、第1圧電層43cの変形(歪)に応じて変化する。第1磁性層11の磁化と、第2磁性層12の磁化と、の間の角度は、第1圧電層43cの変形に応じて変化する。この角度の変化により、第1磁性層11と第2磁性層12との間の電気抵抗(第1センサ部51の電気抵抗)が変化する。
図7は、第2の実施形態に係るセンサの動作を例示する模式図である。
処理部60は、第1圧電層43cに第1周波数の電圧を印加する。例えば、図7に示すように、処理部60は、電源回路62に第1周波数に関する第1信号Sig1を供給する。この例では、第1信号Sig1は、第1周波数で振動する電圧Vaを制御する信号(第1信号Sig1c)である。
実施形態において、電源回路62は、処理部60の一部であってもよい。第1信号Sig1は、電源回路62に直接供給される信号(第1信号Sig1c)でなくてもよい。第1信号Sig1は、第1周波数の情報を含めばよい。
電圧Vaにより、第1圧電層43cには、第1周波数で変化する歪ε1が生じる。図7に示すように、磁界H1がセンサ部に加わる。磁界H1及び歪ε1により、センサ部において電気抵抗の変化が生じる。電気抵抗の変化は第2信号Sig2として、処理部60により検知される。
処理部60は、第1の実施形態と同様にして、第1信号と第2信号とに基づいた第3信号を出力する。例えば、処理部60は、第1圧電層43cの振動によって変調されたセンサ部の出力を復調して、第3信号Sig3を出力する。第3信号Sig3は、第2周波数の成分を含む。これにより、第2周波数で変化する磁界H1を検知することができる。実施形態によれば、検知精度を向上させることができる。
以下、実施形態において用いられるセンサ部の例について説明する。以下の説明において、「材料A/材料B」の記載は、材料Aの層の上に、材料Bの層が設けられている状態を示す。
図8は、実施形態に係るセンサの一部を例示する模式的斜視図である。
図8に示すように、センサ部50Aにおいて、下部電極204と、下地層205と、ピニング層206と、第2磁化参照層207と、磁気結合層208と、第1磁化参照層209と、中間層203と、磁化自由層210と、キャップ層211と、上部電極212と、が、この順で並ぶ。センサ部50Aは、例えば、ボトムスピンバルブ型である。磁化参照層は、例えば、磁化固定層である。
下地層205には、例えば、タンタルとルテニウムの積層膜(Ta/Ru)が用いられる。このTa層の厚さ(Z軸方向の長さ)は、例えば、3ナノメートル(nm)である。このRu層の厚さは、例えば、2nmである。ピニング層206には、例えば、7nmの厚さのIrMn層が用いられる。第2磁化参照層207には、例えば、2.5nmの厚さのCo75Fe25層が用いられる。磁気結合層208には、例えば、0.9nmの厚さのRu層が用いられる。第1磁化参照層209には、例えば、3nmの厚さのCo40Fe40B20層が用いられる。中間層203には、例えば、1.6nmの厚さのMgO層が用いられる。磁化自由層210には、例えば、4nmの厚さのCo40Fe40B20が用いられる。キャップ層211には、例えばTa/Ruが用いられる。このTa層の厚さは、例えば、1nmである。このRu層の厚さは、例えば、5nmである。
下部電極204及び上部電極212には、例えば、アルミニウム(Al)、アルミニウム銅合金(Al−Cu)、銅(Cu)、銀(Ag)、及び、金(Au)の少なくともいずれかが用いられる。下部電極204及び上部電極212として、このような電気抵抗が比較的小さい材料を用いることで、センサ部50Aに効率的に電流を流すことができる。下部電極204及び上部電極212には、非磁性材料が用いられる。
下部電極204及び上部電極212は、例えば、下部電極204及び上部電極212用の下地層(図示せず)と、下部電極204及び上部電極212用のキャップ層(図示せず)と、それらの間に設けられたAl、Al−Cu、Cu、Ag、及び、Auの少なくともいずれかの層とを含んでいても良い。例えば、下部電極204及び上部電極212には、タンタル(Ta)/銅(Cu)/タンタル(Ta)などが用いられる。下部電極204及び上部電極212の下地層としてTaを用いることで、例えば、基板(例えば膜)と下部電極204及び上部電極212との密着性が向上する。下部電極204及び上部電極212用の下地層として、チタン(Ti)、または、窒化チタン(TiN)などを用いても良い。
下部電極204及び上部電極212のキャップ層としてTaを用いることで、そのキャップ層の下の銅(Cu)などの酸化が抑制される。下部電極204及び上部電極212用のキャップ層として、チタン(Ti)、または、窒化チタン(TiN)などを用いても良い。
下地層205には、例えば、バッファ層(図示せず)と、シード層(図示せず)とを含む積層構造が用いられる。このバッファ層は、例えば、下部電極204や膜等の表面の荒れを緩和し、このバッファ層の上に積層される層の結晶性を改善する。バッファ層として、例えば、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、タングステン(W)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)及びクロム(Cr)よりなる群から選択された少なくともいずれかが用いられる。バッファ層として、これらの材料から選択された少なくとも1つの材料を含む合金を用いても良い。
下地層205のうちのバッファ層の厚さは、1nm以上10nm以下が好ましい。バッファ層の厚さは、1nm以上5nm以下がより好ましい。バッファ層の厚さが薄すぎると、バッファ効果が失われる。バッファ層の厚さが厚すぎると、センサ部50Aの厚さが過度に厚くなる。バッファ層の上にシード層が形成され、例えば、そのシード層がバッファ効果を有する。この場合、バッファ層は省略しても良い。バッファ層には、例えば、3nmの厚さのTa層が用いられる。
下地層205のうちのシード層は、このシード層の上に積層される層の結晶配向を制御する。このシード層は、このシード層の上に積層される層の結晶粒径を制御する。このシード層として、fcc構造(face-centered cubic structure:面心立方格子構造)、hcp構造(hexagonal close-packed structure:六方最密格子構造)またはbcc構造(body-centered cubic structure:体心立方格子構造)の金属等が用いられる。
下地層205のうちのシード層として、hcp構造のルテニウム(Ru)、または、fcc構造のNiFe、または、fcc構造のCuを用いることにより、例えば、シード層の上のスピンバルブ膜の結晶配向をfcc(111)配向にすることができる。シード層には、例えば、2nmの厚さのCu層、または、2nmの厚さのRu層が用いられる。シード層の上に形成される層の結晶配向性を高める場合には、シード層の厚さは、1nm以上5nm以下が好ましい。シード層の厚さは、1nm以上3nm以下がより好ましい。これにより、結晶配向を向上させるシード層としての機能が十分に発揮される。
一方、例えば、シード層の上に形成される層を結晶配向させる必要がない場合(例えば、アモルファスの磁化自由層を形成する場合など)には、シード層は省略しても良い。シード層としては、例えば、2nmの厚さのCu層が用いられる。
ピニング層206は、例えば、ピニング層206の上に形成される第2磁化参照層207(強磁性層)に、一方向異方性(unidirectional anisotropy)を付与して、第2磁化参照層207の磁化を固定する。ピニング層206には、例えば反強磁性層が用いられる。ピニング層206には、例えば、Ir−Mn、Pt−Mn、Pd−Pt−Mn、Ru−Mn、Rh−Mn、Ru−Rh−Mn、Fe−Mn、Ni−Mn、Cr−Mn−PtおよびNi−Oよりなる群から選択された少なくともいずれかが用いられる。Ir−Mn、Pt−Mn、Pd−Pt−Mn、Ru−Mn、Rh−Mn、Ru−Rh−Mn、Fe−Mn、Ni−Mn、Cr−Mn−PtおよびNi−Oよりなる群から選択された少なくともいずれかに、さらに添加元素を加えた合金を用いても良い。ピニング層206の厚さは適切に設定される。これにより、例えば、十分な強さの一方向異方性が付与される。
例えば、磁界印加中での熱処理が行われる。これにより、例えば、ピニング層206に接する強磁性層の磁化の固定が行われる。熱処理時に印加されている磁界の方向にピニング層206に接する強磁性層の磁化が固定される。熱処理温度(アニール温度)は、例えば、ピニング層206に用いられる反強磁性材料の磁化固着温度以上である。Mnを含む反強磁性層を用いる場合、ピニング層206以外の層にMnが拡散してMR変化率を低減する場合がある。熱処理温度は、Mnの拡散が起こる温度以下に設定することが望ましい。熱処理温度は、例えば200℃以上500℃以下である。熱処理温度は、例えば、好ましくは、250℃以上400℃以下である。
ピニング層206として、PtMnまたはPdPtMnが用いられる場合には、ピニング層206の厚さは、8nm以上20nm以下が好ましい。ピニング層206の厚さは、10nm以上15nm以下がより好ましい。ピニング層206としてIrMnを用いる場合には、ピニング層206としてPtMnを用いる場合よりも薄い厚さで、一方向異方性を付与することができる。この場合には、ピニング層206の厚さは、4nm以上18nm以下が好ましい。ピニング層206の厚さは、5nm以上15nm以下がより好ましい。ピニング層206には、例えば、7nmの厚さのIr22Mn78層が用いられる。
ピニング層206として、ハード磁性層を用いても良い。ハード磁性層として、例えば、Co−Pt、Fe−Pt、Co−Pd、または、Fe−Pdなどを用いても良い。これらの材料においては、例えば、磁気異方性および保磁力が比較的高い。これらの材料は、ハード磁性材料である。ピニング層206として、Co−Pt、Fe−Pt、Co−Pd、または、Fe−Pdにさらに添加元素を加えた合金を用いても良い。例えば、CoPt(Coの比率は、50at.%以上85at.%以下)、(CoxPt100−x)100−yCry(xは、50at.%以上85at.%以下であり、yは、0at.%以上40at.%以下)、または、FePt(Ptの比率は、40at.%以上60at.%以下)などを用いても良い。
第2磁化参照層207には、例えば、CoxFe100−x合金(xは、0at.%以上100at.%以下)、または、NixFe100−x合金(xは、0at.%以上100at.%以下)が用いられる。これらの材料に非磁性元素を添加した材料が用いられても良い。第2磁化参照層207として、例えば、Co、Fe及びNiよりなる群から選択された少なくともいずれかが用いられる。第2磁化参照層207として、これらの材料から選択された少なくとも1つの材料を含む合金を用いても良い。第2磁化参照層207として、(CoxFe100−x)100−yBy合金(xは、0at.%以上100at.%以下であり、yは、0at.%以上30at.%以下)を用いることもできる。第2磁化参照層207として、(CoxFe100−x)100−yByのアモルファス合金を用いることで、センサ部のサイズが小さい場合にも、センサ部50Aの特性のばらつきを抑制することができる。
第2磁化参照層207の厚さは、例えば、1.5nm以上5nm以下が好ましい。これにより、例えば、ピニング層206による一方向異方性磁界の強度をより強くすることができる。例えば、第2磁化参照層207の上に形成される磁気結合層を介して、第2磁化参照層207と第1磁化参照層209との間の反強磁性結合磁界の強度をより強くすることができる。例えば、第2磁化参照層207の磁気膜厚(飽和磁化と厚さとの積)は、第1磁化参照層209の磁気膜厚と、実質的に等しいことが好ましい。
薄膜でのCo40Fe40B20の飽和磁化は、約1.9T(テスラ)である。例えば、第1磁化参照層209として、3nmの厚さのCo40Fe40B20層を用いると、第1磁化参照層209の磁気膜厚は、1.9T×3nmであり、5.7Tnmとなる。一方、Co75Fe25の飽和磁化は、約2.1Tである。上記と等しい磁気膜厚が得られる第2磁化参照層207の厚さは、5.7Tnm/2.1Tであり、2.7nmとなる。この場合、第2磁化参照層207には、約2.7nmの厚さのCo75Fe25層を用いることが好ましい。第2磁化参照層207として、例えば、2.5nmの厚さのCo75Fe25層が用いられる。
センサ部50Aにおいては、第2磁化参照層207と磁気結合層208と第1磁化参照層209とにより、シンセティックピン構造が用いられている。その代わりに、1層の磁化参照層のシングルピン構造を用いても良い。シングルピン構造を用いる場合には、磁化参照層として、例えば、3nmの厚さのCo40Fe40B20層が用いられる。シングルピン構造の磁化参照層に用いる強磁性層として、上述した第2磁化参照層207の材料と同じ材料を用いても良い。
磁気結合層208は、第2磁化参照層207と第1磁化参照層209との間において、反強磁性結合を生じさせる。磁気結合層208は、シンセティックピン構造を形成する。磁気結合層208の材料として、例えば、Ruが用いられる。磁気結合層208の厚さは、例えば、0.8nm以上1nm以下であることが好ましい。第2磁化参照層207と第1磁化参照層209との間に十分な反強磁性結合を生じさせる材料であれば、磁気結合層208としてRu以外の材料を用いても良い。磁気結合層208の厚さは、例えば、RKKY(Ruderman-Kittel-Kasuya-Yosida)結合のセカンドピーク(2ndピーク)に対応する0.8nm以上1nm以下の厚さに設定される。さらに、磁気結合層208の厚さは、RKKY結合のファーストピーク(1stピーク)に対応する0.3nm以上0.6nm以下の厚さに設定しても良い。磁気結合層208の材料として、例えば、0.9nmの厚さのRuが用いられる。これにより、高信頼性の結合がより安定して得られる。
第1磁化参照層209に用いられる磁性層は、MR効果に直接的に寄与する。第1磁化参照層209として、例えば、Co−Fe−B合金が用いられる。具体的には、第1磁化参照層209として、(CoxFe100−x)100−yBy合金(xは、0at.%以上100at.%以下であり、yは、0at.%以上30at.%以下)を用いることもできる。第1磁化参照層209として、(CoxFe100−x)100−yByのアモルファス合金を用いた場合には、例えば、センサ部50Aのサイズが小さい場合においても、結晶粒に起因した素子間のばらつきを抑制することができる。
第1磁化参照層209の上に形成される層(例えばトンネル絶縁層(図示せず))を平坦化することができる。トンネル絶縁層の平坦化により、トンネル絶縁層の欠陥密度を減らすことができる。これにより、より低い面積抵抗で、より大きいMR変化率が得られる。例えば、トンネル絶縁層の材料としてMgOを用いる場合には、第1磁化参照層209として、(CoxFe100−x)100−yByのアモルファス合金を用いることで、トンネル絶縁層の上に形成されるMgO層の(100)配向性を強めることができる。MgO層の(100)配向性をより高くすることで、より大きいMR変化率が得られる。(CoxFe100−x)100−yBy合金は、アニール時にMgO層の(100)面をテンプレートとして結晶化する。このため、MgOと(CoxFe100−x)100−yBy合金との良好な結晶整合が得られる。良好な結晶整合を得ることで、より大きいMR変化率が得られる。
第1磁化参照層209として、Co−Fe−B合金以外に、例えば、Fe−Co合金を用いても良い。
第1磁化参照層209がより厚いと、より大きなMR変化率が得られる。第1磁化参照層209が薄いと、例えば、より大きな固定磁界が得られる。MR変化率と固定磁界との間には、第1磁化参照層209の厚さにおいてトレードオフの関係が存在する。第1磁化参照層209としてCo−Fe−B合金を用いる場合には、第1磁化参照層209の厚さは、1.5nm以上5nm以下が好ましい。第1磁化参照層209の厚さは、2.0nm以上4nm以下がより好ましい。
第1磁化参照層209には、上述した材料の他に、fcc構造のCo90Fe10合金、または、hcp構造のCo、または、hcp構造のCo合金が用いられる。第1磁化参照層209として、例えば、Co、Fe及びNiよりなる群から選択された少なくとも1つが用いられる。第1磁化参照層209として、これらの材料から選択された少なくとも1つの材料を含む合金が用いられる。第1磁化参照層209として、bcc構造のFeCo合金材料、50%以上のコバルト組成を含むCo合金、または、50%以上のNi組成の材料(Ni合金)を用いることで、例えば、より大きなMR変化率が得られる。
第1磁化参照層209として、例えば、Co2MnGe、Co2FeGe、Co2MnSi、Co2FeSi、Co2MnAl、Co2FeAl、Co2MnGa0.5Ge0.5、及び、Co2FeGa0.5Ge0.5などのホイスラー磁性合金層を用いることもできる。例えば、第1磁化参照層209として、例えば、3nmの厚さのCo40Fe40B20層が用いられる。
中間層203は、例えば、第1磁化参照層209と磁化自由層210との間の磁気的な結合を分断する。
中間層203の材料には、例えば、金属、絶縁体または半導体が用いられる。金属としては、例えば、Cu、AuまたはAg等が用いられる。中間層203として金属を用いる場合、中間層の厚さは、例えば、1nm以上7nm以下程度である。この絶縁体または半導体としては、例えば、マグネシウム酸化物(MgO等)、アルミニウム酸化物(Al2O3等)、チタン酸化物(TiO等)、亜鉛酸化物(ZnO等)、または、ガリウム酸化物(Ga−O)などが用いられる。中間層203として絶縁体または半導体を用いる場合は、中間層203の厚さは、例えば0.6nm以上2.5nm以下程度である。中間層203として、例えば、CCP(Current-Confined-Path)スペーサ層を用いても良い。スペーサ層としてCCPスペーサ層を用いる場合には、例えば、酸化アルミニウム(Al2O3)の絶縁層中に銅(Cu)メタルパスが形成された構造が用いられる。例えば、中間層として、1.6nmの厚さのMgO層が用いられる。
磁化自由層210には、強磁性体材料が用いられる。磁化自由層210には、例えば、Fe、Co、Niを含む強磁性体材料が用いられる。磁化自由層210の材料として、例えばFeCo合金、NiFe合金等が用いられる。さらに、磁化自由層210には、Co−Fe−B合金、Fe−Co−Si−B合金、λs(磁歪定数)が大きいFe−Ga合金、Fe−Co−Ga合金、Tb−M−Fe合金、Tb−M1−Fe−M2合金、Fe−M3−M4−B合金、Ni、Fe−Al、または、フェライト等が用いられる。これらの材料においては、例えば、λs(磁歪定数)が大きい。上記のTb−M−Fe合金において、Mは、Sm、Eu、Gd、Dy、Ho及びErよりなる群から選択された少なくとも1つである。上記のTb−M1−Fe−M2合金において、M1は、Sm、Eu、Gd、Dy、Ho及びErよりなる群から選択された少なくとも1つである。M2は、Ti、Cr、Mn、Co、Cu、Nb、Mo、W及びTaよりなる群から選択された少なくとも1つである。上記のFe−M3−M4−B合金において、M3は、Ti、Cr、Mn、Co、Cu、Nb、Mo、W及びTaよりなる群から選択された少なくとも1つである。M4は、Ce、Pr、Nd、Sm、Tb、Dy及びErよりなる群から選択された少なくとも1つである。上記のフェライトとしては、Fe3O4、(FeCo)3O4などが挙げられる。磁化自由層210の厚さは、例えば2nm以上である。
磁化自由層210には、ホウ素を含む磁性材料が用いられても良い。磁化自由層210には、例えば、Fe、Co及びNiよりなる群から選択される少なくとも一つの元素と、ホウ素(B)とを含む合金が用いられても良い。磁化自由層210には、例えば、Co−Fe−B合金、または、Fe−B合金が用いられる。例えば、Co40Fe40B20合金が用いられる。磁化自由層210に、Fe、Co及びNiよりなる群から選択される少なくとも一つの元素と、ホウ素(B)とを含む合金を用いる場合、Ga、Al、Si、または、Wなどを添加しても良い。これらの元素を添加することで、例えば、高磁歪が促進される。磁化自由層210として、例えば、Fe−Ga−B合金、Fe−Co−Ga−B合金、または、Fe−Co−Si−B合金を用いても良い。このようなホウ素を含有する磁性材料を用いることで磁化自由層210の保磁力(Hc)が低くなり、歪に対する磁化方向の変化が容易となる。これにより、高い感度が得られる。
磁化自由層210におけるホウ素濃度(例えば、ホウ素の組成比)は、5at.%(原子パーセント)以上が好ましい。これにより、アモルファス構造が得易くなる。磁化自由層におけるホウ素濃度は、35at.%以下が好ましい。ホウ素濃度が高すぎると、例えば、磁歪定数が減少する。磁化自由層におけるホウ素濃度は、例えば、5at.%以上35at.%以下が好ましく、10at.%以上30at.%以下がさらに好ましい。
磁化自由層210の磁性層の一部に、Fe1−yBy(0<y≦0.3)、または(FezX1−z)1−yBy(Xは、CoまたはNi、0.8≦z<1、0<y≦0.3)用いる場合、大きい磁歪定数λと低い保磁力を両立することが容易となる。このため、高いゲージファクタを得る観点で、特に好ましい。例えば、磁化自由層210として、Fe80B20(4nm)が用いられる。磁化自由層として、Co40Fe40B20(0.5nm)/Fe80B20(4nm)が用いられる。
磁化自由層210は多層構造を有しても良い。中間層203としてMgOのトンネル絶縁層を用いる場合には、磁化自由層210のうちの中間層203に接する部分には、Co−Fe−B合金の層を設けることが好ましい。これにより、高い磁気抵抗効果が得られる。この場合、中間層203の上には、Co−Fe−B合金の層が設けられ、そのCo−Fe−B合金の層の上には、磁歪定数の大きい他の磁性材料が設けられる。磁化自由層210が多層構造を有する場合、磁化自由層210には、例えば、Co−Fe−B(2nm)/Fe−Co−Si−B(4nm)などが用いられる。
キャップ層211は、キャップ層211の下に設けられる層を保護する。キャップ層211には、例えば、複数の金属層が用いられる。キャップ層211には、例えば、Ta層とRu層との2層構造(Ta/Ru)が用いられる。このTa層の厚さは、例えば1nmであり、このRu層の厚さは、例えば5nmである。キャップ層211として、Ta層やRu層の代わりに他の金属層を設けても良い。キャップ層211の構成は、任意である。例えば、キャップ層211として、非磁性材料が用いられる。キャップ層211の下に設けられる層を保護可能なものであれば、キャップ層211として、他の材料を用いても良い。
磁化自由層210にホウ素を含有する磁性材料を用いる場合、酸化物材料や窒化物材料の拡散抑制層(図示しない)を磁化自由層210とキャップ層211との間に設けても良い。これにより、例えば、ホウ素の拡散が抑制される。酸化物層または窒化物層を含む拡散抑制層を用いることにより、磁化自由層210に含まれるホウ素の拡散を抑制し、磁化自由層210のアモルファス構造を保つことができる。拡散抑制層に用いられる酸化物材料や窒化物材料として、例えば、Mg、Al、Si、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Zr、Nb、Mo、Ru、Rh、Pd、Ag、Hf、Ta、W、Sn、CdまたはGaなどの元素を含む酸化物材料または窒化物材料が用いられる。拡散抑制層は、磁気抵抗効果には寄与しない層である。拡散抑制層の面積抵抗は、低いほうが好ましい。例えば、拡散抑制層の面積抵抗は、磁気抵抗効果に寄与する中間層の面積抵抗よりも低く設定されることが好ましい。拡散抑制層の面積抵抗を下げる観点では、拡散抑制層には、Mg、Ti、V、Zn、Sn、Cd、Gaの酸化物または窒化物が好ましい。これらの材料において、バリアハイトは低い。ホウ素の拡散を抑制する機能としては、より化学結合の強い酸化物のほうが好ましい。例えば、1.5nmのMgO層が用いられる。酸窒化物は、酸化物及び窒化物のいずれかに含まれる。
拡散抑制層に酸化物または窒化物を用いる場合、拡散抑制層の厚さは、例えば、0.5nm以上が好ましい。これより、ホウ素の拡散抑制機能が十分に発揮される。拡散抑制層の厚さは、5nm以下が好ましい。これにより、例えば、低い面積抵抗が得られる。拡散抑制層の厚さは、0.5nm以上5nm以下が好ましく、1nm以上3nm以下が好ましい。
拡散抑制層として、マグネシウム(Mg)、シリコン(Si)及びアルミニウム(Al)よりなる群から選択された少なくともいずれかを用いても良い。拡散抑制層として、これらの軽元素を含む材料が用いられる。これらの軽元素は、ホウ素と結合して化合物を生成する。拡散抑制層と磁化自由層210との界面を含む部分に、例えば、Mg−B化合物、Al−B化合物、及び、Si−B化合物の少なくともいずれかが形成される。これらの化合物が、ホウ素の拡散を抑制する。
拡散抑制層と磁化自由層210との間に他の金属層などが挿入されていても良い。拡散抑制層と磁化自由層210との距離が離れすぎていると、その間でホウ素が拡散して磁化自由層210中のホウ素濃度が下がってしまう。このため、拡散抑制層と磁化自由層210との間の距離は、10nm以下が好ましく3nm以下がさらに好ましい。
図9は、実施形態に係る別のセンサの一部を例示する模式的斜視図である。
図9に示すように、センサ部50AAにおいて、絶縁層213が設けられるこれ以外は、センサ部50Aと同様である。絶縁層213は、下部電極204と上部電極212との間に設けられる。絶縁層213は、下部電極204と上部電極212とを結ぶ方向と交差する方向において、磁化自由層210及び第1磁化参照層209と並ぶ。絶縁層213を除く部分は、センサ部50Aと同様なので説明を省略する。
絶縁層213には、例えば、アルミニウム酸化物(例えば、Al2O3)、または、シリコン酸化物(例えば、SiO2)などが用いられる。絶縁層213により、センサ部50AAのリーク電流が抑制される。絶縁層213は、後述するセンサ部に設けられても良い。
図10は、実施形態に係る別のセンサの一部を例示する模式的斜視図である。
図10に示すように、センサ部50ABにおいて、ハードバイアス層214がさらに設けられる。これ以外は、センサ部50Aと同様である。ハードバイアス層214は、下部電極204と上部電極212との間に設けられる。下部電極204と上部電極212との間とを結ぶ方向と交差する方向において、磁化自由層210及び第1磁化参照層209は、ハードバイアス層214の2つの部分の間に設けられる。これ以外は、センサ部50AAと同様である。
ハードバイアス層214は、ハードバイアス層214の磁化により、磁化自由層210の磁化方向を設定する。ハードバイアス層214により、外部からの圧力が膜に印加されていない状態において、磁化自由層210の磁化方向は、所望の方向に設定される。
ハードバイアス層214には、例えば、Co−Pt、Fe−Pt、Co−Pd、または、Fe−Pdなどが用いられる。これらの材料においては、例えば、磁気異方性および保磁力が比較的高い。これらの材料は、例えば、ハード磁性材料である。ハードバイアス層214には、例えば、Co−Pt、Fe−Pt、Co−PdまたはFe−Pdに、さらに添加元素を加えた合金を用いても良い。ハードバイアス層214には、例えば、CoPt(Coの比率は、50at.%以上85at.%以下)、(CoxPt100−x)100−yCry(xは50at.%以上85at.%以下、yは0at.%以上40at.%以下)、または、FePt(Ptの比率は40at.%以上60at.%以下)などが用いられても良い。このような材料を用いる場合、ハードバイアス層214の磁化の方向は、ハードバイアス層214の保磁力よりも大きい外部磁界を加えることで、外部磁界を加えた方向に設定(固定)される。ハードバイアス層214の厚さ(例えば、下部電極204から上部電極に向かう方向に沿った長さ)は、例えば5nm以上50nm以下である。
下部電極204と上部電極212の間に絶縁層213を設ける場合、絶縁層213の材料として、SiOxまたはAlOxが用いられる。さらに、絶縁層213とハードバイアス層214の間に、図示しない下地層を設けても良い。ハードバイアス層214にCo−Pt、Fe−Pt、Co−Pd、または、Fe−Pdなどのハード磁性材料を用いる場合には、ハードバイアス層214用の下地層の材料として、CrやFe−Coなどが用いられる。
ハードバイアス層214は、図示しないハードバイアス層用ピニング層に積層された構造を有していても良い。この場合、ハードバイアス層214とハードバイアス層用ピニング層の交換結合により、ハードバイアス層214の磁化の方向を設定(固定)できる。この場合、ハードバイアス層214には、Fe、Co及びNiの少なくともいずれか、または、これらの少なくとも1種を含む合金の強磁性材料が用いられる。この場合、ハードバイアス層214には、例えば、CoxFe100−x合金(xは0at.%以上100at.%以下)、NixFe100−x合金(xは0at.%以上100at.%以下)、または、これらに非磁性元素を添加した材料が用いられる。ハードバイアス層214として、上記の第1磁化参照層209と同様の材料が用いられる。ハードバイアス層用ピニング層には、上記のセンサ部50A中のピニング層206と同様の材料が用いられる。ハードバイアス層用ピニング層を設ける場合、下地層205に用いる材料と同様の下地層をハードバイアス層用ピニング層の下に設けても良い。ハードバイアス層用ピニング層は、ハードバイアス層の下部に設けても良いし、上部に設けても良い。この場合のハードバイアス層214の磁化方向は、ピニング層206と同様に、磁界中熱処理により決定される。
上記のハードバイアス層214及び絶縁層213は、実施形態に係るセンサ部のいずれにも適用できる。ハードバイアス層214とハードバイアス層用ピニング層との積層構造を用いると、大きな外部磁界がハードバイアス層214に短い時間で加わった場合においても、ハードバイアス層214の磁化の向きを容易に保持することができる。
図11は、実施形態に係る別のセンサの一部を例示する模式的斜視図である。
図11に示すように、センサ部50Bにおいて、下部電極204と、下地層205と、磁化自由層210と、中間層203と、第1磁化参照層209と、磁気結合層208と、第2磁化参照層207と、ピニング層206と、キャップ層211と、上部電極212と、が、順に積層される。センサ部50Bは、例えば、トップスピンバルブ型である。
下地層205には、例えば、タンタルと銅の積層膜(Ta/Cu)が用いられる。このTa層の厚さ(Z軸方向の長さ)は、例えば、3nmである。このCu層の厚さは、例えば、5nmである。磁化自由層210には、例えば、4nmの厚さのCo40Fe40B20が用いられる。中間層203には、例えば、1.6nmの厚さのMgO層が用いられる。第1磁化参照層209には、例えば、Co40Fe40B20/Fe50Co50が用いられる。このCo40Fe40B20層の厚さは、例えば2nmである。このFe50Co50層の厚さは、例えば1nmである。磁気結合層208には、例えば、0.9nmの厚さのRu層が用いられる。第2磁化参照層207には、例えば、2.5nmの厚さのCo75Fe25層が用いられる。ピニング層206には、例えば、7nmの厚さのIrMn層が用いられる。キャップ層211には、例えばTa/Ruが用いられる。このTa層の厚さは、例えば、1nmである。このRu層の厚さは、例えば、5nmである。
センサ部50Bに含まれる各層の材料は、センサ部50Aに含まれる各層の材料を上下反転させて用いることができる。上記の拡散抑制層を、センサ部50Bの下地層205と磁化自由層210の間に設けても良い。
図12は、実施形態に係る別のセンサの一部を例示する模式的斜視図である。
図12に示すように、センサ部50Cにおいて、下部電極204と、下地層205と、ピニング層206と、第1磁化参照層209と、中間層203と、磁化自由層210と、キャップ層211と、が、この順で積層される。センサ部50Cは、例えば、単一の磁化参照層を用いたシングルピン構造を有する。
下地層205には、例えば、Ta/Ruが用いられる。このTa層の厚さ(Z軸方向の長さ)は、例えば、3nmである。このRu層の厚さは、例えば、2nmである。ピニング層206には、例えば、7nmの厚さのIrMn層が用いられる。第1磁化参照層209には、例えば、3nmの厚さのCo40Fe40B20層が用いられる。中間層203には、例えば、1.6nmの厚さのMgO層が用いられる。磁化自由層210には、例えば、4nmの厚さのCo40Fe40B20が用いられる。キャップ層211には、例えばTa/Ruが用いられる。このTa層の厚さは、例えば、1nmである。このRu層の厚さは、例えば、5nmである。
センサ部50Cの各層の材料には、例えば、センサ部50Aの各層の材料と同様のものが用いられる。
図13は、実施形態に係る別のセンサの一部を例示する模式的斜視図である。
図13に示すように、センサ部50Dにおいて、下部電極204と、下地層205と、下部ピニング層221と、下部第2磁化参照層222と、下部磁気結合層223と、下部第1磁化参照層224と、下部中間層225と、磁化自由層226と、上部中間層227と、上部第1磁化参照層228と、上部磁気結合層229と、上部第2磁化参照層230と、上部ピニング層231と、キャップ層211とが、順に積層される。
下地層205には、例えば、Ta/Ruが用いられる。このTa層の厚さ(Z軸方向の長さ)は、例えば、3ナノメートル(nm)である。このRu層の厚さは、例えば、2nmである。下部ピニング層221には、例えば、7nmの厚さのIrMn層が用いられる。下部第2磁化参照層222には、例えば、2.5nmの厚さのCo75Fe25層が用いられる。下部磁気結合層223には、例えば、0.9nmの厚さのRu層が用いられる。下部第1磁化参照層224には、例えば、3nmの厚さのCo40Fe40B20層が用いられる。下部中間層225には、例えば、1.6nmの厚さのMgO層が用いられる。磁化自由層226には、例えば、4nmの厚さのCo40Fe40B20が用いられる。上部中間層227には、例えば、1.6nmの厚さのMgO層が用いられる。上部第1磁化参照層228には、例えば、Co40Fe40B20/Fe50Co50が用いられる。このCo40Fe40B20層の厚さは、例えば2nmである。このFe50Co50層の厚さは、例えば1nmである。上部磁気結合層229には、例えば、0.9nmの厚さのRu層が用いられる。上部第2磁化参照層230には、例えば、2.5nmの厚さのCo75Fe25層が用いられる。上部ピニング層231には、例えば、7nmの厚さのIrMn層が用いられる。キャップ層211には、例えばTa/Ruが用いられる。このTa層の厚さは、例えば、1nmである。このRu層の厚さは、例えば、5nmである。
センサ部50Dの各層の材料には、例えば、センサ部50Aの各層の材料と同様のものが用いられる。
図14は、実施形態に係る別のセンサの一部を例示する模式的斜視図である。
図14に示すように、センサ部50Eにおいて、下部電極204と、下地層205と、第1磁化自由層241と、中間層203と、第2磁化自由層242と、キャップ層211と、上部電極212と、が、この順で積層される。
下地層205には、例えば、Ta/Cuが用いられる。このTa層の厚さ(Z軸方向の長さ)は、例えば、3nmである。このCu層の厚さは、例えば、5nmである。第1磁化自由層241には、例えば、4nmの厚さのCo40Fe40B20が用いられる。中間層203には、例えば、4nmの厚さのCo40Fe40B20が用いられる。キャップ層211には、例えばCu/Ta/Ruが用いられる。このCu層の厚さは、例えば、5nmである。このTa層の厚さは、例えば、1nmである。このRu層の厚さは、例えば、5nmである。
センサ部50Eの各層の材料は、センサ部50Aの各層の材料と同様のものが用いられる。第1磁化自由層241及び第2磁化自由層242の材料として、例えばセンサ部50Aの磁化自由層210と同様のものを用いても良い。第1磁化自由層241の磁歪極性と、第2磁化自由層242の磁歪極性とは、逆でもよい。
実施形態は、以下の構成(例えば技術案)を含んでも良い。
(構成1)
第1膜と、
前記第1膜に設けられ、
第1磁性層と、
前記第1膜と前記第1磁性層との間に設けられた第2磁性層と、
前記第1磁性層と前記第2磁性層との間に設けられた第1中間層と、
を含む第1センサ部と、
前記第1膜を第1周波数で変形させる駆動部と、
前記第1周波数に関する第1信号と前記第1センサ部から出力される第2信号とに基づいた第3信号を出力する処理部と、
を備えたセンサ。
(構成2)
前記駆動部は、前記第1膜に応力を印加する、構成1記載のセンサ。
(構成3)
前記駆動部は、前記第1膜に向けて前記第1周波数の圧力波を発する、構成2記載のセンサ。
(構成4)
前記第1膜を支持する支持部をさらに備え、
前記支持部は、前記駆動部に固定され、
前記駆動部は、前記第1周波数で振動する、構成2記載のセンサ。
(構成5)
前記処理部は、前記駆動部に前記第1信号を供給し、
前記駆動部は、前記第1信号に基づいて前記第1膜を変形させる、構成1〜4のいずれか1つに記載のセンサ。
(構成6)
前記処理部は、前記第1信号を前記駆動部から取得する、構成1〜4のいずれか1つに記載のセンサ。
(構成7)
前記第1膜は、前記駆動部と前記第1センサ部との間に設けられた、構成3記載のセンサ。
(構成8)
第1センサ導電層と第2センサ導電層とをさらに備え、
前記第1センサ部は、前記第1センサ導電層と前記第1膜との間に設けられ、
前記第2センサ導電層は、前記第1センサ部と前記第1膜との間に設けられた、構成1〜7のいずれか1つに記載のセンサ。
(構成9)
前記第1膜の前記変形は、前記第1磁性層から前記第2磁性層に向かう第1方向の成分を含む、構成1〜8のいずれか1つに記載のセンサ。
(構成10)
前記第2信号は、前記第1膜の変形によって変調された信号であり、
前記処理部は、前記第2信号を復調して前記第3信号を出力する、構成1〜9のいずれか1つに記載のセンサ。
(構成11)
圧電体層と、
前記圧電体層に設けられ、
第1磁性層と、
前記圧電体層と前記第1磁性層との間に設けられた第2磁性層と、
前記第1磁性層と前記第2磁性層との間に設けられた第1中間層と、
を含む第1センサ部と、
前記圧電体層に第1周波数の電圧を印加し、前記第1周波数に関する第1信号と前記第1センサ部から出力される第2信号とに基づいて、第3信号を出力する処理部と、
を備えたセンサ。
(構成12)
第1素子導電層と第2素子導電層とをさらに備え、
前記第1素子導電層は、前記第2素子導電層と前記第1センサ部との間に設けられ、
前記圧電体層は、前記第1素子導電層と前記第2素子導電層との間に設けられた、構成11記載のセンサ。
(構成13)
前記圧電体層、前記第1素子導電層及び前記第2素子導電層を含む第1素子部を支持する支持部をさらに備え、
前記第1素子部は、第1素子領域と第2素子領域とを含み、
前記第2素子領域は、前記支持部に固定され、
前記第1素子領域は、前記第2素子領域と接続され、
前記センサ部は、前記第1素子領域に設けられた、構成12記載のセンサ。
(構成14)
前記第2信号は、前記圧電体の変形によって変調された信号であり、
前記処理部は、前記第2信号を復調して前記第3信号を出力する、構成11〜13のいずれか1つに記載のセンサ。
(構成15)
前記第1センサ部は、第2周波数で振動する磁界が印加され、
前記第3信号は、前記第2周波数の成分を含む、構成1〜14のいずれか1つに記載のセンサ。
(構成16)
前記第2周波数は、前記第1周波数よりも低い、構成15記載のセンサ。
(構成17)
前記第2周波数は、1ヘルツ以上1000ヘルツ以下である、構成15または16記載のセンサ。
(構成18)
前記第1周波数は、1キロヘルツ以上100キロヘルツ以下である、構成1〜17のいずれか1つに記載のセンサ。
上記の「センサ」は、例えば、「センサ装置」でも良い。「センサ装置」と処理部とを含む構成が「センサ」と見なされても良い。
実施形態によれば、検知精度を向上センサが提供される。
なお、本願明細書において、「垂直」及び「平行」は、厳密な垂直及び厳密な平行だけではなく、例えば製造工程におけるばらつきなどを含むものであり、実質的に垂直及び実質的に平行であれば良い。
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明の実施形態は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、センサに含まれるセンサ部、磁性層、導電層、電極、膜、支持部、駆動部、素子部、処理部などの各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
また、各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
その他、本発明の実施の形態として上述したセンサを基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全てのセンサも、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。