JP2019049560A - センサ、マイクロフォン、血圧センサ及びタッチパネル - Google Patents

センサ、マイクロフォン、血圧センサ及びタッチパネル Download PDF

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Abstract

【課題】検知の安定性を向上できる圧力センサ、マイクロフォン、血圧センサ及びタッチパネルを提供する。【解決手段】実施形態によれば、圧力センサは、保持部と、第1膜部と、第1検知素子と、を含む。前記第1膜部は、第1縁部と、第1端部と、を含む。前記第1縁部は、第1方向に沿って延びる第1延在部と、前記第1方向と交差して延び前記第1延在部の一端と接続された第1交差部と、を含み、前記保持部に保持される。前記第1端部は、前記第1方向と交差する第2方向に沿って前記第1縁部と並ぶ。前記第1膜部は、変形可能である。前記第1検知素子は、前記第1膜部に固定され、第1磁性層と、第1対向磁性層と、前記第1磁性層と前記第1対向磁性層との間に設けられた第1中間層と、を含む。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、圧力センサ、マイクロフォン、血圧センサ及びタッチパネルに関する。
磁性層を用いた圧力センサが提案されている。圧力センサは、例えば、マイクロフォン、血圧センサ及びタッチパネルなどに応用される。圧力センサにおいて、安定して検知することが望まれる。
特開2014−240824号公報
本発明の実施形態は、検知の安定性を向上できる圧力センサ、マイクロフォン、血圧センサ及びタッチパネルを提供する。
本発明の実施形態によれば、圧力センサは、保持部と、第1膜部と、第1検知素子と、を含む。前記第1膜部は、第1縁部と、第1端部と、を含む。前記第1縁部は、第1方向に沿って延びる第1延在部と、前記第1方向と交差して延び前記第1延在部の一端と接続された第1交差部と、を含み、前記保持部に保持される。前記第1端部は、前記第1方向と交差する第2方向に沿って前記第1縁部と並ぶ。前記第1膜部は、変形可能である。前記第1検知素子は、前記第1膜部に固定され、第1磁性層と、第1対向磁性層と、前記第1磁性層と前記第1対向磁性層との間に設けられた第1中間層と、を含む。
図1(a)〜図1(f)は、第1の実施形態に係る圧力センサを例示する模式図である。 圧力センサの特性を示すグラフ図である。 図3(a)及び図3(b)は、第1の実施形態に係る別の圧力センサを例示する模式的平面図である。 第1の実施形態に係る別の圧力センサを例示する模式的平面図である。 第2の実施形態に係る別の圧力センサを例示する模式的平面図である。 実施形態に係る圧力センサの一部を例示する模式的斜視図である。 実施形態に係る別の圧力センサの一部を例示する模式的斜視図である。 実施形態に係る別の圧力センサの一部を例示する模式的斜視図である。 実施形態に係る別の圧力センサの一部を例示する模式的斜視図である。 実施形態に係る別の圧力センサの一部を例示する模式的斜視図である。 実施形態に係る別の圧力センサの一部を例示する模式的斜視図である。 実施形態に係る別の圧力センサの一部を例示する模式的斜視図である。 第3の実施形態に係るマイクロフォンを例示する模式図である。 第3の実施形態に係る別のマイクロフォンを例示する模式的断面図である。 図15(a)及び図15(b)は、第4の実施形態に係る血圧センサを例示する模式図である。 第5の実施形態に係るタッチパネルを例示する模式図である。
以下に、本発明の各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
図面は、模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
(第1の実施形態)
図1(a)〜図1(f)は、第1の実施形態に係る圧力センサを例示する模式図である。
図1(a)は、斜視図である。図1(b)は、図1(a)のA1−A2線断面図である。図1(c)は、図1(a)の矢印ARから見た平面図である。図1(d)〜図1(f)は、圧力センサの一部を例示する断面図である。
図1(a)に示すように、実施形態に係る圧力センサ110は、保持部70sと、第1膜部71と、第1検知素子51と、を含む。
図1(c)に示すように、第1膜部71は、第1縁部71rと、第1端部71eと、を含む。第1縁部71rは、保持部70sに保持される。第1縁部71rは、第1延在部71sと、第1交差部71aと、を含む。この例では、第1縁部71rは、第1他端交差部71bをさらに含む。
第1延在部71sは、第1方向に沿って延びる。第1方向は、例えば、X軸方向である。
X軸方向に対して垂直な1つの方向をY軸方向とする。X軸方向及びY軸方向に対して垂直な方向をX軸方向とする。
第1交差部71aは、第1方向と交差して延びる。第1交差部71aは、第1延在部71sの一端71seと接続される。このように、第1縁部71rに、第1方向に沿って延びる部分と、その部分とは異なる方向に沿って延びる部分と、が設けられる。
第1他端交差部71bは、第1方向と交差して延びる。第1他端交差部71bは、第1延在部71sの他端71sfと接続される。第1他端交差部71bの延在方向は、第1交差部71aの延在方向と交差する。
第1延在部71sは、第1方向において、第1交差部71aの一部と、第1他端交差部71bの一部と、の間に位置する。
第1端部71eは、第1方向と交差する第2方向に沿って、第1縁部71rと並ぶ。第2方向は、例えば、第1方向に対して直交する。第2方向は、例えば、Y軸方向である。例えば、第1端部71eは、第2方向に沿って、第1延在部71sと並ぶ。
第1交差部71aの第2方向における位置は、第1端部71eの第2方向における位置と、第1延在部71sの第2方向における位置と、の間にある。第1他端交差部71bの第2方向における位置は、第1端部71eの第2方向における位置と、第1延在部71sの第2方向における位置と、の間にある。
第1膜部71は、変形可能である。例えば、第1膜部71の第1縁部71rは、保持部70sに保持されており、実質的に変形しない。一方、第1端部71eの位置(例えばZ軸方向の位置)は、第1膜部71の変形に応じて変化する。すなわち、第1方向(Z軸方向)及び第2方向(例えばY軸方向)と交差する方向(例えばZ軸方向)における第1端部71eの位置は、第1膜部71の変形に応じて変化する。
第1縁部71rは、例えば、固定端である。第1端部71eは、例えば、自由端である。
例えば、保持部70s及び第1膜部71となる基板が設けられる。基板は、例えば、シリコン基板である。基板の一部が除去され、基板に空洞70hが設けられる(図1(b)参照)。基板のうちの薄い部分が第1膜部71となる。基板のうちの厚い部分が保持部70sとなる。
第1検知素子51は、第1膜部71に固定される。第1検知素子51は、第1膜部71の一部に設けられる。第1検知素子51は、例えば、第1膜部71の一部の上に設けられる。
図1(b)に示すように、第1検知素子51は、第1磁性層11aと、第1対向磁性層11bと、第1中間層11cと、を含む。第1中間層11cは、第1磁性層11aと第1対向磁性層11bとの間に設けられる。
第1対向磁性層11bは、実質的にZ軸方向に沿って、第1磁性層11aと離間する。この例では、第1磁性層11aと第1膜部71との間に第1対向磁性層11bが設けられる。実施形態において、第1対向磁性層11bと第1膜部71との間に第1磁性層11aが配置されても良い。
この例では、第1電極58a及び第2電極58bが設けられている。これらの電極の間に、第1磁性層11a、第1対向磁性層11b及び第1中間層11cが配置される。これらの電極により、第1磁性層11a、第1対向磁性層11b及び第1中間層11cの積層体に電流が供給可能である。これにより、第1磁性層11aと第1対向磁性層11bとの間の抵抗が検知可能である。
第1磁性層11aの磁化(第1磁化)は、第1膜部71の変形に応じて変化する。第1磁性層11aは、例えば、磁化自由層である。
例えば、第1対向磁性層11bの磁化は、第1磁性層11aの第1磁化に比べて変化し難い。第1対向磁性層11bは、例えば、磁化固定層(例えば参照層)である。
例えば、第1膜部71に圧力(検知すべき圧力)が加わる。これにより、第1検知素子51の磁性層に歪が生じる。歪は、例えば、異方性の歪である。この歪により、第1磁性層11aの第1磁化が変化する。この変化は、例えば、逆磁歪効果に基づく。第1磁性層11aの第1磁化の方向と、第1対向磁性層11bの磁化の方向と、の間の角度が変化する。第1磁性層11aと第1対向磁性層11bとの間の抵抗が、変化する。抵抗の変化は、例えば、磁気抵抗効果(MR効果)に基づく。
第1磁性層11aと第1対向磁性層11bとの間の抵抗は、第1膜部71の変形に応じて変化する。抵抗の変化を検知することにより、第1膜部71に加えられた圧力が検知される。すなわち、検知対象の圧力が検知される。
実施形態において、第1対向磁性層11bの磁化は、第1膜部71の変形に応じて変化してもよい。このときも、第1磁性層11aの第1磁化の方向と、第1対向磁性層11bの磁化の方向と、の間の角度が変化する。
この例では、複数の第1検知素子51が設けられている。これらの検知素子は、例えば、直列に接続される。高いS/N比が得られる。
例えば、第1膜部71及び第1検知素子51を形成する際に、種々の膜の形成と、熱処理と、が行われる。この膜は、応力を有していることがある。熱処理により、応力が増大する場合もある。このため、第1膜部71及び第1検知素子51を形成した後に、第1膜部71は、応力(残留応力)を有することがある。第1膜部71に残留応力が存在していると、第1膜部71に圧力(検知すべき圧力)が加わっていない初期状態において、第1膜部71が変形している場合がある。さらに、第1膜部71に検知すべき圧力が加わったときに、第1膜部71が変形し難くなる場合がある。残留応力の程度により、検知すべき圧力に対する第1膜部71の変形の程度が異なる場合がある。例えば、製造プロセスなどのばらつきに起因して、複数のセンサどうしにおいて残留応力が異なると、検知特性が不均一になる。このため、検知の安定性を十分に高めることが困難である。
この残留応力の影響は、第1膜部71の一部が固定端であり、他の一部が自由端である場合に、特に大きくなる。すなわち、膜部の全周が固定端である参考例の場合の残留応力の影響に比べて、膜部が自由端を有する場合の残留応力の影響は大きい。
一方、膜部の全周が固定端である参考例においては、膜部に大きな圧力(例えば大音量など)が加わった場合に、膜部が破壊される場合がある。このため、膜部は、保持部との間に間隙を有することが望ましい。すなわち、膜部が固定端と自由端とを含むことで、大きな圧力に対する耐性が向上する。
このとき、上記のように、膜部が固定端と自由端とを含む構成においては、残留応力の影響が大きくなる。このため、安定した検知が困難になる場合がある。
実施形態に係る圧力センサ110においては、第1膜部71の第1縁部71rに、第1方向に沿って延びる部分(第1延在部71s)と、その部分とは異なる方向に沿って延びる部分(第1交差部71a)と、が設けられる。これらの部分の延びる方向は、互いに交差する。このため、第1膜部71に残留応力が存在する場合においても、第1膜部71の形状は安定し易い。複数のセンサにおいて残留応力の程度が異なる場合においても、検知感度は均一になりやすい。これにより、安定した検知が可能になる。
図1(a)に示すように、この例では、圧力センサ110は、第2膜部72と、第2検知素子52と、をさらに含む。
図1(c)に示すように、第2膜部72は、第2縁部72rと、第2端部72eと、を含む。第2縁部72rは、第2延在部72sと、第2交差部72aと、含む。この例では、第2縁部72rは、第2他端交差部72bをさらに含む。
第2延在部72sは、第1方向(例えばX軸方向)に沿って延びる。第2交差部72aは、第1方向と交差して延びる。第2交差部72aは、第2延在部72sの一端72seと接続される。第2他端交差部72bは、第1方向と交差して延びる。第2他端交差部72bは、第2延在部72sの他端72sfと接続される。第2他端交差部72bの延在方向は、第2交差部72aの延在方向と交差する。
第2端部72eは、第2方向(Y軸方向)に沿って第2縁部72rと並ぶ。例えば、第2端部72eは、第2方向に沿って、第2延在部72sと並ぶ。
第2延在部72sは、第1方向(例えばX軸方向)において、第2交差部72aの一部と、第2他端交差部72bの一部と、の間に位置する。
第2交差部72aの第2方向における位置は、第2端部72eの第2方向における位置と、第2延在部72sの第2方向における位置と、の間にある。第2他端交差部72bの第2方向における位置は、第2端部72eの第2方向における位置と、第2延在部72sの第2方向における位置と、の間にある。
この例では、第2膜部72の第2交差部72aは、第2方向において、第1膜部71の第1交差部71aと並んでいる。第2膜部72の第2他端交差部72bは、第2方向において、第1膜部71の第1他端交差部71bと並んでいる。
この例において、Y軸方向において、第1縁部71r、第1端部71e、第2端部72e及び第2縁部72rは、この順に並ぶ。第1端部71eの第2方向(Y軸方向)における位置は、第1縁部71rの第2方向における位置と、第2縁部72rの第2方向における位置と、の間にある。第2端部72eの第2方向における位置は、第1端部71eの第2方向における位置と、第2縁部72rの第2方向における位置と、の間にある。第2端部72eは、第1端部72eと離れている。
この例において、第2延在部72sの長さは、第1延在部71sの長さと、実質的に同じである。
第2膜部72は、変形可能である。第2縁部72rは、例えば、固定端である。第2端部72eは、例えば、自由端である。
図1(a)に示すように、第2検知素子52は、第2膜部72に固定される。この例では、複数の第2検知素子52が設けられている。これらの検知素子は、例えば、直列に接続される。
図1(d)に示すように、第2検知素子52は、第2磁性層12aと、第2対向磁性層12bと、第2中間層12cと、を含む。第2中間層12cは、第2磁性層12aと第2対向磁性層12bとの間に設けられる。例えば、第2磁性層12aの磁化は、第2膜部72の変形に応じて変化する。第2磁性層12aは、例えば、磁化自由層である。第2対向磁性層12bの磁化は、第2磁性層12aの磁化に比べて変化し難い。第2対向磁性層12bは、例えば、磁化固定層(例えば参照層)である。
検知対象の圧力が第2膜部72に加わり、第2膜部72が変形する。第2磁性層12aの磁化と、第2対向磁性層12bの磁化と、の間の角度が、第2膜部72の変形に応じて変化する。第2磁性層12aと第2対向磁性層12bとの間の抵抗は、第2膜部72の変形に応じて変化する。
第2膜部72の第2縁部72rに、第1方向に沿って延びる第2延在部72sと、第2交差部72aと、が設けられる。これらの部分の延びる方向は、互いに交差する。このため、第2膜部72に残留応力が存在する場合においても、第2膜部72の形状は安定し易い。これにより、安定した検知が可能になる。
図1(a)に示すように、この例では、圧力センサ110は、第3膜部73と、第3検知素子53と、をさらに含む。
図1(c)に示すように、第3膜部73は、第3縁部73rと、第3端部73eと、を含む。第3縁部73rは、第3延在部73sと、第3交差部73aと、を含む。第3延在部73sは、第1方向と交差する第3方向に沿って延びる。第3交差部73aは、第3方向と交差して延び、第3延在部73sの一端73seと接続される。第3縁部73rは、保持部70sに保持される。この例では、第3方向は、第2方向(例えば、Y軸方向)に沿っている。
この例では、第3縁部73rは、第3他端交差部73bをさらに含む。第3他端交差部73bは、第3方向と交差して延び、第3延在部73sの他端73sfと接続される。第3他端交差部73bの延在方向は、第3交差部73aの延在方向と交差する。第3延在部73sは、第3方向において、第3交差部73aの一部と、第3他端交差部73bの一部と、の間に位置する。
第3端部73eは、第3方向と交差する第4方向に沿って、第3縁部73rと並ぶ。第3端部73eは、第3方向と交差する第4方向に沿って、第3延在部73sと並ぶ。第4方向は、例えば、第1方向(X軸方向)に沿う。第3膜部73は、変形可能である。
既に説明したように、この例では、第2膜部72の第2交差部72aは、第2方向において、第1膜部71の第1交差部71aと並んでいる。
第3延在部73sの第2方向における位置は、第1交差部71aの少なくとも一部の第2方向における位置と、第2交差部72aの少なくとも一部の第2方向における位置と、の間にある。第3交差部73aの第2方向における位置は、第3延在部73sの第2方向における位置と、第1交差部71aの少なくとも一部の第2方向における位置と、の間にある。第3他端交差部73bの第2方向における位置は、第3延在部73sの第2方向における位置と、第2交差部72aの少なくとも一部の第2方向における位置と、の間にある。第3端部73eは、第1端部71e及び第2端部72eと離れている。第3端部73eは、第1延在部71sと第2延在部72sとの間に位置する。
第3部73は、変形可能である。第3縁部73rは、例えば、固定端である。第3端部73eは、例えば、自由端である。
図1(a)に示すように、第3検知素子53は、第3膜部73に固定される。この例では、複数の第3検知素子53が設けられている。これらの検知素子は、例えば、直列に接続される。
図1(e)に示すように、第3検知素子53は、第3磁性層13aと、第3対向磁性層13bと、第3磁性層13aと第3対向磁性層13bとの間に設けられた第3中間層13cと、を含む。
第3磁性層13aは、例えば、磁化自由層である。第3対向磁性層13bは、例えば、磁化固定層(例えば参照層)である。検知対象の圧力が第3膜部73に加わり、第3膜部73が変形する。第3磁性層13aの磁化と、第3対向磁性層13bの磁化と、の間の角度が、第3膜部73の変形に応じて変化する。第3磁性層13aと第3対向磁性層13bとの間の抵抗は、第3膜部73の変形に応じて変化する。
例えば、第3膜部73に残留応力が存在する場合においても、第3膜部73の形状は安定し易い。これにより、安定した検知が可能になる。
図1(a)に示すように、この例では、圧力センサ110は、第4膜部74と、第4検知素子54と、をさらに含む。
図1(c)に示すように、第4膜部74は、第4縁部74rと、第4端部74eと、を含む。第4縁部74rは、第4延在部74sと、第4交差部74aと、を含む。第4延在部74sは、第3方向に沿って延びる。この例では、第3方向は、第2方向に沿っている。第4交差部74aは、第3方向と交差して延び、第4延在部74sの一端74seと接続される。第4縁部74rは、保持部70sに保持される。
この例では、第4縁部74rは、第4他端交差部74bをさらに含む。第4他端交差部74bは、第3方向と交差して延び、第4延在部74sの他端74sfと接続される。第4他端交差部74bの延在方向は、第4交差部74aの延在方向と交差する。
第4延在部74sは、第3方向において、第4交差部74aの一部と、第4他端交差部74bの一部と、の間に位置する。
この例において、第4延在部74sの長さは、第3延在部73sの長さと、実質的に同じである。
第4端部74eは、第4方向に沿って第4縁部74rと並ぶ。第4端部74eは、第4方向に沿って、第4延在部74sと並ぶ。第4方向は、例えば、第1方向(X軸方向)に沿う。第4膜部74は、変形可能である。
第3膜部73の第3端部73eの第4方向(例えばX軸方向)における位置は、第3膜部73の第3縁部74rの第4方向における位置と、第4膜部74の第4縁部74rの第4方向における位置と、の間にある。第4端部74eの第4方向における位置は、第3端部73eの第4方向における位置と、第4縁部74rの第4方向における位置と、の間にある。第4端部74eは、第3端部73eと離れている。第4端部74eは、第1端部71e及び第2端部72eと離れている。
第4膜部74は、変形可能である。第4縁部74rは、例えば、固定端である。第4端部74eは、例えば、自由端である。
図1(a)に示すように、第4検知素子54は、第4膜部74に固定される。この例では、複数の第4検知素子54が設けられている。これらの検知素子は、例えば、直列に接続される。
図1(f)に示すように、第4検知素子54は、第4磁性層14aと、第4対向磁性層14bと、第4磁性層14aと第4対向磁性層14bとの間に設けられた第4中間層14cと、を含む。
第4磁性層14aは、例えば、磁化自由層である。第4対向磁性層14bは、例えば、磁化固定層(例えば参照層)である。検知対象の圧力が第4膜部74に加わり、第4膜部74が変形する。第4磁性層14aの磁化と、第4対向磁性層14bの磁化と、の間の角度が、第4膜部74の変形に応じて変化する。第4磁性層14aと第4対向磁性層14bとの間の抵抗は、第4膜部74の変形に応じて変化する。
例えば、第4膜部74に残留応力が存在する場合においても、第4膜部74の形状は安定し易い。これにより、安定した検知が可能になる。
上記のように、この例の圧力センサ110においては、4つの膜部が設けられている。実施形態において、膜部の数は、任意である。
この例では、膜部において、固定端の幅は、自由端の幅よりも広い。複数の膜部の端部が1つの点に集まるように、複数の膜部のそれぞれは、固定端から自由端に向かって延びている。
例えば、第1膜部71の第1方向(例えばX軸方向)に沿った幅は、第1縁部71rから第1端部71eに向かって減少する。第2膜部72の第1方向に沿った幅は、第2縁部72rら第2端部72eに向かって減少する。第3膜部73の第3方向(この例では、Y軸方向)に沿った幅は、第3縁部73rから第3端部73eに向かって減少する。第4膜部74の第3方向に沿った幅は、第4縁部74rから第4端部74eに向かって減少する。
第1端部71eの第1方向(例えば、X軸方向)に沿った長さは、第1延在部71sの第1方向に沿った長さよりも短い。第2端部72eの第1方向に沿った長さは、第2延在部72sの第1方向に沿った長さよりも短い。第3端部73eの第3方向(例えば、Y軸方向)に沿った長さは、第3延在部73sの第3方向に沿った長さよりも短い。第4端部74eの第3方向に沿った長さは、第4延在部74sの第3方向に沿った長さよりも短い。
例えば、第1膜部71と第2膜部72との間の間隔(間隔g1)は、実質的に一定である。例えば、第1膜部71の第1交差部71aの端と、第1膜部71の第1端部71eと、を結ぶ線は、第3膜部73の第3交差部73aの端と、第3膜部73の第3端部73eと、を結ぶ線に沿っている。これらの線は、実質的に互い平行である。
間隔g1は、例えば、0.1μm以上3μm以下である。間隔g1は、例えば、1μm以下でも良い。間隔g1が過度に大きいと、膜部に圧力が十分に加わらない場合がある。間隔g1が過度に小さいと、製造が困難になり、安定した特性を得ることが困難になる。
後述するように、膜部に圧力が加わったときに、膜部の縁部(固定端)の近傍において、大きな歪(異方性歪)が生じる。実施形態において、検知素子を膜部の縁部の近傍に配置することで、大きな歪が検知素子に加わり、高い感度が得られる。
例えば、複数の第1検知素子51は、第1縁部71rに沿って並ぶ。例えば、第1検知素子51と第1縁部74rとの間の距離は、第1検知素子51と第1端部71eとの間の距離よりも短い。
図1(c)に示すように、例えば、第1検知素子51は、第2方向(Y軸方向)における中心51cを有する。中心51cと第1延在部71sとの間の第2方向に沿った距離d51は、第1端部71eと第1延在部71sとの間の第2方向に沿った距離d71の1/2以下である。距離d51は、距離d71の1/5でも良い。距離d51は、距離d71の1/10でも良い。第1検知素子51を第1延在部71sの近傍に設けることで、高感度の検知ができる。
例えば、第1検知素子51の少なくとも一部の第2方向(例えば、Y軸方向)における位置は、第1交差部71aの少なくとも一部の第2方向における位置と重なっても良い。
第1検知素子51の少なくとも一部の第2方向(例えば、Y軸方向)における位置は、第1交差部71aの少なくとも一部の第2方向における位置と、第1端部71eの第2方向における位置と、の間にあっても良い。
図1(c)に示すように、例えば、膜部の交差部は、曲線状である。これにより、膜部の強度が向上する。歩留まりが向上し、生産性が向上する。
例えば、第1交差部71a及び第1他端交差部71bの少なくともいずれかは、曲線状の部分を含んでも良い。第2交差部72a及び第2他端交差部72bの少なくともいずれかは、曲線状の部分を含んでも良い。第3交差部73a及び第3他端交差部73bの少なくともいずれかは、曲線状の部分を含んでも良い。第4交差部74a及び第4他端交差部74bの少なくともいずれかは、曲線状の部分を含んでも良い。
図2は、圧力センサの特性を示すグラフ図である。
図2は、膜部が膜応力σ(例えば残留応力)を有するときの、膜部の「歪異方性傾き」を示している。この例では、所定の圧力±1Paの圧力が、膜部に加えられる。図2の横軸は、Y軸方向における相対的な位置Pyである。縦軸は、歪異方性傾きS1である。歪異方性傾きS1は、異方性歪の印加圧力(±1Paの変化)に対する変化率である。異方性歪みは、1つの方向における第1歪(最大主歪)と、別の1つの方向(第1歪の方向に対して直交する方向)における第2歪(最小主歪)と、の差のである。歪異方性傾きS1が大きいときに、感度が高い。図2において、歪異方性傾きS1は相対値として示している。
図2において、膜部の膜応力σが、0MPa、10MPa、または、50MPaであるときの結果が示されている。膜応力σが0MPaである場合には、±1Paの応力が加えられることに対応する。そして、そのときの第1歪と第2歪との差が、歪異方性傾きS1に対応する。
図2に示すように、膜応力σが変化すると、歪異方性傾きS1は、変化する。このとき、位置Pyと第1縁部71rとの間の距離が、位置Pyと第1端部71eとの間の距離よりも短い領域においては、膜応力σが0MPa、10MPa、または、50MPaのいずれのときも、高い歪異方性傾きS1が得られる。このような領域に、検知素子50を配置することが望ましい。
例えば、第1検知素子51の第2方向(Y軸方向)における中心51cと、第1端部71e、との間の第2方向に沿った距離は、第1端部71eと第1延在部71sとの間の第2方向に沿った距離d71の0.5倍以上0.9倍以下である。この距離は、距離d71の0.8倍以上でも良い。この距離は、距離d71の0.85倍以上でも良い。このような位置に第1検知素子51を設けることで、高感度の検知ができる。
図3(a)及び図3(b)は、第1の実施形態に係る別の圧力センサを例示する模式的平面図である。
図3(a)に示すように、本実施形態に係る別の圧力センサ111においては、交差部は、直線的に延びる。これ以外は、圧力センサ110と同様である。
例えば、第1交差部71a、第1他端交差部71b、第2交差部72a、第2他端交差部72b、第3交差部73a、第3他端交差部73b、第4交差部74a、及び、第4他端交差部74b、少なくともいずれかは、直線状の部分を含んでも良い。
図3(b)に示すように、本実施形態に係る別の圧力センサ112においては、第1検知素子51及び第2検知素子52が設けられ、第3検知素子53及び第4検知素子54は省略されている。これ以外は、圧力センサ110と同様である。
例えば、第1検知素子51が設けられる第1膜部71の第1延在部71sの長さは、第3検知素子53が設けられる第3膜部73の第3延在部73sの長さよりも長い。長い延在部を有する膜部に検知素子を設けても良い。
図4は、第1の実施形態に係る別の圧力センサを例示する模式的平面図である。
図4に示すように、本実施形態に係る別の圧力センサ113においては、第1検知素子51が設けられる第1膜部71の第1延在部71sの長さは、第3検知素子53が設けられる第3膜部73の第3延在部73sの長さと、実質的に同じである。これ以外は、圧力センサ110と同様である。
圧力センサ111〜113においても、検知の安定性を向上できる圧力センサを提供できる。
(第2の実施形態)
図5は、第2の実施形態に係る別の圧力センサを例示する模式的平面図である。
図5に示すように、第2の実施形態に係る別の圧力センサ120においては、第1膜部71の第1縁部71rは、第1延在部71s及び第1交差部71aを含み、第1他端交差部71bを含まない。第2膜部72の第2縁部72rは、第2延在部72s及び第2交差部72aを含み、第2他端交差部72bを含まない。第3縁部71rは、第3他端交差部73bを含まない。第4縁部74rは、第4他端交差部74bを含まない。これ以外は、圧力センサ110と同様である。
圧力センサ120においても、検知の安定性を向上できる圧力センサを提供できる。
以下、第1及び第2の実施形態において用いられる検知素子の例について説明する。以下の説明において、「材料A/材料B」の記載は、材料Aの層の上に、材料Bの層が設けられている状態を示す。
図6は、実施形態に係る圧力センサの一部を例示する模式的斜視図である。
図6に示すように、検知素子50Aにおいて、下部電極204と、下地層205と、ピニング層206と、第2磁化固定層207と、磁気結合層208と、第1磁化固定層209と、中間層203と、磁化自由層210と、キャップ層211と、上部電極212と、が、この順で並ぶ。第1磁化固定層209は、例えば、第1〜第4対向磁性層11b〜14bのいずれかに対応する。磁化自由層210は、例えば、第1〜第4磁性層11a〜14aのいずれかに対応する。中間層203は、第1〜第4中間層11c〜14cのいずれかに対応する。下部電極204は、例えば、第2電極58bに対応する。上部電極212は、例えば、第1電極58aに対応する。検知素子50Aは、例えば、ボトムスピンバルブ型である。
下地層205には、例えば、タンタルとルテニウムの積層膜(Ta/Ru)が用いられる。このTa層の厚さ(Z軸方向の長さ)は、例えば、3ナノメートル(nm)である。このRu層の厚さは、例えば、2nmである。ピニング層206には、例えば、7nmの厚さのIrMn層が用いられる。第2磁化固定層207には、例えば、2.5nmの厚さのCo75Fe25層が用いられる。磁気結合層208には、例えば、0.9nmの厚さのRu層が用いられる。第1磁化固定層209には、例えば、3nmの厚さのCo40Fe40B20層が用いられる。中間層203には、例えば、1.6nmの厚さのMgO層が用いられる。磁化自由層210には、例えば、4nmの厚さのCo40Fe4020が用いられる。キャップ層211には、例えばTa/Ruが用いられる。このTa層の厚さは、例えば、1nmである。このRu層の厚さは、例えば、5nmである。
下部電極204及び上部電極212には、例えば、アルミニウム(Al)、アルミニウム銅合金(Al−Cu)、銅(Cu)、銀(Ag)、及び、金(Au)の少なくともいずれかが用いられる。下部電極204及び上部電極212として、このような電気抵抗が比較的小さい材料を用いることで、検知素子50Aに効率的に電流を流すことができる。下部電極204及び上部電極212には、非磁性材料が用いられる。
下部電極204及び上部電極212は、例えば、下部電極204及び上部電極212用の下地層(図示せず)と、下部電極204及び上部電極212用のキャップ層(図示せず)と、それらの間に設けられたAl、Al−Cu、Cu、Ag、及び、Auの少なくともいずれかの層とを含んでいても良い。例えば、下部電極204及び上部電極212には、タンタル(Ta)/銅(Cu)/タンタル(Ta)などが用いられる。下部電極204及び上部電極212の下地層としてTaを用いることで、例えば、基板(例えば膜部)と下部電極204及び上部電極212との密着性が向上する。下部電極204及び上部電極212用の下地層として、チタン(Ti)、または、窒化チタン(TiN)などを用いても良い。
下部電極204及び上部電極212のキャップ層としてTaを用いることで、そのキャップ層の下の銅(Cu)などの酸化が抑制される。下部電極204及び上部電極212用のキャップ層として、チタン(Ti)、または、窒化チタン(TiN)などを用いても良い。
下地層205には、例えば、バッファ層(図示せず)と、シード層(図示せず)とを含む積層構造が用いられる。このバッファ層は、例えば、下部電極204や膜部等の表面の荒れを緩和し、このバッファ層の上に積層される層の結晶性を改善する。バッファ層として、例えば、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、タングステン(W)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)及びクロム(Cr)よりなる群から選択された少なくともいずれかが用いられる。バッファ層として、これらの材料から選択された少なくとも1つの材料を含む合金を用いても良い。
下地層205のうちのバッファ層の厚さは、1nm以上10nm以下が好ましい。バッファ層の厚さは、1nm以上5nm以下がより好ましい。バッファ層の厚さが薄すぎると、バッファ効果が失われる。バッファ層の厚さが厚すぎると、検知素子50Aの厚さが過度に厚くなる。バッファ層の上にシード層が形成され、例えば、そのシード層がバッファ効果を有する。この場合、バッファ層は省略しても良い。バッファ層には、例えば、3nmの厚さのTa層が用いられる。
下地層205のうちのシード層は、このシード層の上に積層される層の結晶配向を制御する。このシード層は、このシード層の上に積層される層の結晶粒径を制御する。このシード層として、fcc構造(face-centered cubic structure:面心立方格子構造)、hcp構造(hexagonal close-packed structure:六方最密格子構造)またはbcc構造(body-centered cubic structure:体心立方格子構造)の金属等が用いられる。
下地層205のうちのシード層として、hcp構造のルテニウム(Ru)、または、fcc構造のNiFe、または、fcc構造のCuを用いることにより、例えば、シード層の上のスピンバルブ膜の結晶配向をfcc(111)配向にすることができる。シード層には、例えば、2nmの厚さのCu層、または、2nmの厚さのRu層が用いられる。シード層の上に形成される層の結晶配向性を高める場合には、シード層の厚さは、1nm以上5nm以下が好ましい。シード層の厚さは、1nm以上3nm以下がより好ましい。これにより、結晶配向を向上させるシード層としての機能が十分に発揮される。
一方、例えば、シード層の上に形成される層を結晶配向させる必要がない場合(例えば、アモルファスの磁化自由層を形成する場合など)には、シード層は省略しても良い。シード層としては、例えば、2nmの厚さのCu層が用いられる。
ピニング層206は、例えば、ピニング層206の上に形成される第2磁化固定層207(強磁性層)に、一方向異方性(unidirectional anisotropy)を付与して、第2磁化固定層207の磁化を固定する。ピニング層206には、例えば反強磁性層が用いられる。ピニング層206には、例えば、Ir−Mn、Pt−Mn、Pd−Pt−Mn、Ru−Mn、Rh−Mn、Ru−Rh−Mn、Fe−Mn、Ni−Mn、Cr−Mn−PtおよびNi−Oよりなる群から選択された少なくともいずれかが用いられる。Ir−Mn、Pt−Mn、Pd−Pt−Mn、Ru−Mn、Rh−Mn、Ru−Rh−Mn、Fe−Mn、Ni−Mn、Cr−Mn−PtおよびNi−Oよりなる群から選択された少なくともいずれかに、さらに添加元素を加えた合金を用いても良い。ピニング層206の厚さは適切に設定される。これにより、例えば、十分な強さの一方向異方性が付与される。
例えば、磁界印加中での熱処理が行われる。これにより、例えば、ピニング層206に接する強磁性層の磁化の固定が行われる。熱処理時に印加されている磁界の方向にピニング層206に接する強磁性層の磁化が固定される。熱処理温度(アニール温度)は、例えば、ピニング層206に用いられる反強磁性材料の磁化固着温度以上である。Mnを含む反強磁性層を用いる場合、ピニング層206以外の層にMnが拡散してMR変化率を低減する場合がある。熱処理温度は、Mnの拡散が起こる温度以下に設定することが望ましい。熱処理温度は、例えば200℃以上500℃以下である。熱処理温度は、例えば、好ましくは、250℃以上400℃以下である。
ピニング層206として、PtMnまたはPdPtMnが用いられる場合には、ピニング層206の厚さは、8nm以上20nm以下が好ましい。ピニング層206の厚さは、10nm以上15nm以下がより好ましい。ピニング層206としてIrMnを用いる場合には、ピニング層206としてPtMnを用いる場合よりも薄い厚さで、一方向異方性を付与することができる。この場合には、ピニング層206の厚さは、4nm以上18nm以下が好ましい。ピニング層206の厚さは、5nm以上15nm以下がより好ましい。ピニング層206には、例えば、7nmの厚さのIr22Mn78層が用いられる。
ピニング層206として、ハード磁性層を用いても良い。ハード磁性層として、例えば、Co−Pt、Fe−Pt、Co−Pd、または、Fe−Pdなどを用いても良い。これらの材料においては、例えば、磁気異方性および保磁力が比較的高い。これらの材料は、ハード磁性材料である。ピニング層206として、Co−Pt、Fe−Pt、Co−Pd、または、Fe−Pdにさらに添加元素を加えた合金を用いても良い。例えば、CoPt(Coの比率は、50at.%以上85at.%以下)、(CoPt100−x100−yCr(xは、50at.%以上85at.%以下であり、yは、0at.%以上40at.%以下)、または、FePt(Ptの比率は、40at.%以上60at.%以下)などを用いても良い。
第2磁化固定層207には、例えば、CoFe100−x合金(xは、0at.%以上100at.%以下)、または、NiFe100−x合金(xは、0at.%以上100at.%以下)が用いられる。これらの材料に非磁性元素を添加した材料が用いられても良い。第2磁化固定層207として、例えば、Co、Fe及びNiよりなる群から選択された少なくともいずれかが用いられる。第2磁化固定層207として、これらの材料から選択された少なくとも1つの材料を含む合金を用いても良い。第2磁化固定層207として、(CoFe100−x100−y合金(xは、0at.%以上100at.%以下であり、yは、0at.%以上30at.%以下)を用いることもできる。第2磁化固定層207として、(CoFe100−x100−yのアモルファス合金を用いることで、検知素子のサイズが小さい場合にも、検知素子50Aの特性のばらつきを抑制することができる。
第2磁化固定層207の厚さは、例えば、1.5nm以上5nm以下が好ましい。これにより、例えば、ピニング層206による一方向異方性磁界の強度をより強くすることができる。例えば、第2磁化固定層207の上に形成される磁気結合層を介して、第2磁化固定層207と第1磁化固定層209との間の反強磁性結合磁界の強度をより強くすることができる。例えば、第2磁化固定層207の磁気膜厚(飽和磁化Bsと厚さtとの積(Bs・t))は、第1磁化固定層209の磁気膜厚と、実質的に等しいことが好ましい。
薄膜でのCo40Fe4020の飽和磁化は、約1.9T(テスラ)である。例えば、第1磁化固定層209として、3nmの厚さのCo40Fe4020層を用いると、第1磁化固定層209の磁気膜厚は、1.9T×3nmであり、5.7Tnmとなる。一方、Co75Fe25の飽和磁化は、約2.1Tである。上記と等しい磁気膜厚が得られる第2磁化固定層207の厚さは、5.7Tnm/2.1Tであり、2.7nmとなる。この場合、第2磁化固定層207には、約2.7nmの厚さのCo75Fe25層を用いることが好ましい。第2磁化固定層207として、例えば、2.5nmの厚さのCo75Fe25層が用いられる。
検知素子50Aにおいては、第2磁化固定層207と磁気結合層208と第1磁化固定層209とにより、シンセティックピン構造が用いられている。その代わりに、1層の磁化固定層のシングルピン構造を用いても良い。シングルピン構造を用いる場合には、磁化固定層として、例えば、3nmの厚さのCo40Fe4020層が用いられる。シングルピン構造の磁化固定層に用いる強磁性層として、上述した第2磁化固定層207の材料と同じ材料を用いても良い。
磁気結合層208は、第2磁化固定層207と第1磁化固定層209との間において、反強磁性結合を生じさせる。磁気結合層208は、シンセティックピン構造を形成する。磁気結合層208の材料として、例えば、Ruが用いられる。磁気結合層208の厚さは、例えば、0.8nm以上1nm以下であることが好ましい。第2磁化固定層207と第1磁化固定層209との間に十分な反強磁性結合を生じさせる材料であれば、磁気結合層208としてRu以外の材料を用いても良い。磁気結合層208の厚さは、例えば、RKKY(Ruderman-Kittel-Kasuya-Yosida)結合のセカンドピーク(2ndピーク)に対応する0.8nm以上1nm以下の厚さに設定される。さらに、磁気結合層208の厚さは、RKKY結合のファーストピーク(1stピーク)に対応する0.3nm以上0.6nm以下の厚さに設定しても良い。磁気結合層208の材料として、例えば、0.9nmの厚さのRuが用いられる。これにより、高信頼性の結合がより安定して得られる。
第1磁化固定層209に用いられる磁性層は、MR効果に直接的に寄与する。第1磁化固定層209として、例えば、Co−Fe−B合金が用いられる。具体的には、第1磁化固定層209として、(CoFe100−x100−y合金(xは、0at.%以上100at.%以下であり、yは、0at.%以上30at.%以下)を用いることもできる。第1磁化固定層209として、(CoFe100−x100−yのアモルファス合金を用いた場合には、例えば、検知素子50Aのサイズが小さい場合においても、結晶粒に起因した素子間のばらつきを抑制することができる。
第1磁化固定層209の上に形成される層(例えばトンネル絶縁層(図示せず))を平坦化することができる。トンネル絶縁層の平坦化により、トンネル絶縁層の欠陥密度を減らすことができる。これにより、より低い面積抵抗で、より大きいMR変化率が得られる。例えば、トンネル絶縁層の材料としてMgOを用いる場合には、第1磁化固定層209として、(CoFe100−x100−yのアモルファス合金を用いることで、トンネル絶縁層の上に形成されるMgO層の(100)配向性を強めることができる。MgO層の(100)配向性をより高くすることで、より大きいMR変化率が得られる。(CoFe100−x100−y合金は、アニール時にMgO層の(100)面をテンプレートとして結晶化する。このため、MgOと(CoFe100−x100−y合金との良好な結晶整合が得られる。良好な結晶整合を得ることで、より大きいMR変化率が得られる。
第1磁化固定層209として、Co−Fe−B合金以外に、例えば、Fe−Co合金を用いても良い。
第1磁化固定層209がより厚いと、より大きなMR変化率が得られる。第1磁化固定層209が薄いと、例えば、より大きな固定磁界が得られる。MR変化率と固定磁界との間には、第1磁化固定層209の厚さにおいてトレードオフの関係が存在する。第1磁化固定層209としてCo−Fe−B合金を用いる場合には、第1磁化固定層209の厚さは、1.5nm以上5nm以下が好ましい。第1磁化固定層209の厚さは、2.0nm以上4nm以下がより好ましい。
第1磁化固定層209には、上述した材料の他に、fcc構造のCo90Fe10合金、または、hcp構造のCo、または、hcp構造のCo合金が用いられる。第1磁化固定層209として、例えば、Co、Fe及びNiよりなる群から選択された少なくとも1つが用いられる。第1磁化固定層209として、これらの材料から選択された少なくとも1つの材料を含む合金が用いられる。第1磁化固定層209として、bcc構造のFeCo合金材料、50%以上のコバルト組成を含むCo合金、または、50%以上のNi組成の材料(Ni合金)を用いることで、例えば、より大きなMR変化率が得られる。
第1磁化固定層209として、例えば、CoMnGe、CoFeGe、CoMnSi、CoFeSi、CoMnAl、CoFeAl、CoMnGa0.5Ge0.5、及び、CoFeGa0.5Ge0.5などのホイスラー磁性合金層を用いることもできる。例えば、第1磁化固定層209として、例えば、3nmの厚さのCo40Fe4020層が用いられる。
中間層203は、例えば、第1磁化固定層209と磁化自由層210との間の磁気的な結合を分断する。
中間層203の材料には、例えば、金属、絶縁体または半導体が用いられる。金属としては、例えば、Cu、AuまたはAg等が用いられる。中間層203として金属を用いる場合、中間層の厚さは、例えば、1nm以上7nm以下程度である。この絶縁体または半導体としては、例えば、マグネシウム酸化物(MgO等)、アルミニウム酸化物(Al2O3等)、チタン酸化物(TiO等)、亜鉛酸化物(ZnO等)、または、ガリウム酸化物(Ga−O)などが用いられる。中間層203として絶縁体または半導体を用いる場合は、中間層203の厚さは、例えば0.6nm以上2.5nm以下程度である。中間層203として、例えば、CCP(Current-Confined-Path)スペーサ層を用いても良い。スペーサ層としてCCPスペーサ層を用いる場合には、例えば、酸化アルミニウム(Al2O3)の絶縁層中に銅(Cu)メタルパスが形成された構造が用いられる。例えば、中間層として、1.6nmの厚さのMgO層が用いられる。
磁化自由層210には、強磁性体材料が用いられる。磁化自由層210には、例えば、Fe、Co、Niを含む強磁性体材料が用いられる。磁化自由層210の材料として、例えばFeCo合金、NiFe合金等が用いられる。さらに、磁化自由層210には、Co−Fe−B合金、Fe−Co−Si−B合金、λs(磁歪定数)が大きいFe−Ga合金、Fe−Co−Ga合金、Tb−M−Fe合金、Tb−M1−Fe−M2合金、Fe−M3−M4−B合金、Ni、Fe−Al、または、フェライト等が用いられる。これらの材料においては、例えば、λs(磁歪定数)が大きい。上記のTb−M−Fe合金において、Mは、Sm、Eu、Gd、Dy、Ho及びErよりなる群から選択された少なくとも1つである。上記のTb−M1−Fe−M2合金において、M1は、Sm、Eu、Gd、Dy、Ho及びErよりなる群から選択された少なくとも1つである。M2は、Ti、Cr、Mn、Co、Cu、Nb、Mo、W及びTaよりなる群から選択された少なくとも1つである。上記のFe−M3−M4−B合金において、M3は、Ti、Cr、Mn、Co、Cu、Nb、Mo、W及びTaよりなる群から選択された少なくとも1つである。M4は、Ce、Pr、Nd、Sm、Tb、Dy及びErよりなる群から選択された少なくとも1つである。上記のフェライトとしては、Fe、(FeCo)などが挙げられる。磁化自由層210の厚さは、例えば2nm以上である。
磁化自由層210には、ホウ素を含む磁性材料が用いられても良い。磁化自由層210には、例えば、Fe、Co及びNiよりなる群から選択される少なくとも一つの元素と、ホウ素(B)とを含む合金が用いられても良い。磁化自由層210には、例えば、Co−Fe−B合金、または、Fe−B合金が用いられる。例えば、Co40Fe4020合金が用いられる。磁化自由層210に、Fe、Co及びNiよりなる群から選択される少なくとも一つの元素と、ホウ素(B)とを含む合金を用いる場合、Ga、Al、Si、または、Wなどを添加しても良い。これらの元素を添加することで、例えば、高磁歪が促進される。磁化自由層210として、例えば、Fe−Ga−B合金、Fe−Co−Ga−B合金、または、Fe−Co−Si−B合金を用いても良い。このようなホウ素を含有する磁性材料を用いることで磁化自由層210の保磁力(Hc)が低くなり、歪に対する磁化方向の変化が容易となる。これにより、高い感度が得られる。
磁化自由層210におけるホウ素濃度(例えば、ホウ素の組成比)は、5at.%(原子パーセント)以上が好ましい。これにより、アモルファス構造が得易くなる。磁化自由層におけるホウ素濃度は、35at.%以下が好ましい。ホウ素濃度が高すぎると、例えば、磁歪定数が減少する。磁化自由層におけるホウ素濃度は、例えば、5at.%以上35at.%以下が好ましく、10at.%以上30at.%以下がさらに好ましい。
磁化自由層210の磁性層の一部に、Fe1−y(0<y≦0.3)、または(Fe1−a1−y(Xは、CoまたはNi、0.8≦z<1、0<y≦0.3)用いる場合、大きい磁歪定数λと低い保磁力を両立することが容易となる。このため、高いゲージファクタを得る観点で、特に好ましい。例えば、磁化自由層210として、Fe8020(4nm)が用いられる。磁化自由層として、Co40Fe4020(0.5nm)/Fe8020(4nm)が用いられる。
磁化自由層210は多層構造を有しても良い。中間層203としてMgOのトンネル絶縁層を用いる場合には、磁化自由層210のうちの中間層203に接する部分には、Co−Fe−B合金の層を設けることが好ましい。これにより、高い磁気抵抗効果が得られる。この場合、中間層203の上には、Co−Fe−B合金の層が設けられ、そのCo−Fe−B合金の層の上には、磁歪定数の大きい他の磁性材料が設けられる。磁化自由層210が多層構造を有する場合、磁化自由層210には、例えば、Co−Fe−B(2nm)/Fe−Co−Si−B(4nm)などが用いられる。
キャップ層211は、キャップ層211の下に設けられる層を保護する。キャップ層211には、例えば、複数の金属層が用いられる。キャップ層211には、例えば、Ta層とRu層との2層構造(Ta/Ru)が用いられる。このTa層の厚さは、例えば1nmであり、このRu層の厚さは、例えば5nmである。キャップ層211として、Ta層やRu層の代わりに他の金属層を設けても良い。キャップ層211の構成は、任意である。例えば、キャップ層211として、非磁性材料が用いられる。キャップ層211の下に設けられる層を保護可能なものであれば、キャップ層211として、他の材料を用いても良い。
磁化自由層210にホウ素を含有する磁性材料を用いる場合、酸化物材料や窒化物材料の拡散抑制層(図示しない)を磁化自由層210とキャップ層211との間に設けても良い。これにより、例えば、ホウ素の拡散が抑制される。酸化物層または窒化物層を含む拡散抑制層を用いることにより、磁化自由層210に含まれるホウ素の拡散を抑制し、磁化自由層210のアモルファス構造を保つことができる。拡散抑制層に用いられる酸化物材料や窒化物材料として、例えば、Mg、Al、Si、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Zr、Nb、Mo、Ru、Rh、Pd、Ag、Hf、Ta、W、Sn、CdまたはGaなどの元素を含む酸化物材料または窒化物材料が用いられる。拡散抑制層は、磁気抵抗効果には寄与しない層である。拡散抑制層の面積抵抗は、低いほうが好ましい。例えば、拡散抑制層の面積抵抗は、磁気抵抗効果に寄与する中間層の面積抵抗よりも低く設定されることが好ましい。拡散抑制層の面積抵抗を下げる観点では、拡散抑制層には、Mg、Ti、V、Zn、Sn、Cd、Gaの酸化物または窒化物が好ましい。これらの材料において、バリアハイトは低い。ホウ素の拡散を抑制する機能としては、より化学結合の強い酸化物のほうが好ましい。例えば、1.5nmのMgO層が用いられる。酸窒化物は、酸化物及び窒化物のいずれかに含まれる。
拡散抑制層に酸化物または窒化物を用いる場合、拡散抑制層の厚さは、例えば、0.5nm以上が好ましい。これより、ホウ素の拡散抑制機能が十分に発揮される。拡散抑制層の厚さは、5nm以下が好ましい。これにより、例えば、低い面積抵抗が得られる。拡散抑制層の厚さは、0.5nm以上5nm以下が好ましく、1nm以上3nm以下が好ましい。
拡散抑制層として、マグネシウム(Mg)、シリコン(Si)及びアルミニウム(Al)よりなる群から選択された少なくともいずれかを用いても良い。拡散抑制層として、これらの軽元素を含む材料が用いられる。これらの軽元素は、ホウ素と結合して化合物を生成する。拡散抑制層と磁化自由層210との界面を含む部分に、例えば、Mg−B化合物、Al−B化合物、及び、Si−B化合物の少なくともいずれかが形成される。これらの化合物が、ホウ素の拡散を抑制する。
拡散抑制層と磁化自由層210との間に他の金属層などが挿入されていても良い。拡散抑制層と磁化自由層210との距離が離れすぎていると、その間でホウ素が拡散して磁化自由層210中のホウ素濃度が下がってしまう。このため、拡散抑制層と磁化自由層210との間の距離は、10nm以下が好ましく3nm以下がさらに好ましい。
図7は、実施形態に係る別の圧力センサの一部を例示する模式的斜視図である。
図7に示すように、検知素子50AAにおいて、絶縁層213が設けられるこれ以外は、検知素子50Aと同様である。絶縁層213は、下部電極204と上部電極212との間に設けられる。絶縁層213は、下部電極204と上部電極212とを結ぶ方向と交差する方向において、磁化自由層210及び第1磁化固定層209と並ぶ。絶縁層213を除く部分は、検知素子50Aと同様なので説明を省略する。
絶縁層213には、例えば、アルミニウム酸化物(例えば、Al)、または、シリコン酸化物(例えば、SiO)などが用いられる。絶縁層213により、検知素子50AAのリーク電流が抑制される。絶縁層213は、後述する検知素子に設けられても良い。
図8は、実施形態に係る別の圧力センサの一部を例示する模式的斜視図である。
図8に示すように、検知素子50ABにおいて、ハードバイアス層214がさらに設けられる。これ以外は、検知素子50Aと同様である。ハードバイアス層214は、下部電極204と上部電極212との間に設けられる。下部電極204と上部電極212との間とを結ぶ方向と交差する方向において、磁化自由層210及び第1磁化固定層209は、ハードバイアス層214の2つの部分の間に配置される。これ以外は、検知素子50AAと同様である。
ハードバイアス層214は、ハードバイアス層214の磁化により、磁化自由層210の磁化方向を設定する。ハードバイアス層214により、外部からの圧力が膜部に印加されていない状態において、磁化自由層210の磁化方向は、所望の方向に設定される。
ハードバイアス層214には、例えば、Co−Pt、Fe−Pt、Co−Pd、または、Fe−Pdなどが用いられる。これらの材料においては、例えば、磁気異方性および保磁力が比較的高い。これらの材料は、例えば、ハード磁性材料である。ハードバイアス層214には、例えば、Co−Pt、Fe−Pt、Co−PdまたはFe−Pdに、さらに添加元素を加えた合金を用いても良い。ハードバイアス層214には、例えば、CoPt(Coの比率は、50at.%以上85at.%以下)、(CoPt100−x100−yCr(xは50at.%以上85at.%以下、yは0at.%以上40at.%以下)、または、FePt(Ptの比率は40at.%以上60at.%以下)などが用いられても良い。このような材料を用いる場合、ハードバイアス層214の磁化の方向は、ハードバイアス層214の保磁力よりも大きい外部磁界を加えることで、外部磁界を加えた方向に設定(固定)される。ハードバイアス層214の厚さ(例えば、下部電極204から上部電極に向かう方向に沿った長さ)は、例えば5nm以上50nm以下である。
下部電極204と上部電極212の間に絶縁層213を配置する場合、絶縁層213の材料として、SiOまたはAlOが用いられる。さらに、絶縁層213とハードバイアス層214の間に、図示しない下地層を設けても良い。ハードバイアス層214にCo−Pt、Fe−Pt、Co−Pd、または、Fe−Pdなどのハード磁性材料を用いる場合には、ハードバイアス層214用の下地層の材料として、CrやFe−Coなどが用いられる。
ハードバイアス層214は、図示しないハードバイアス層用ピニング層に積層された構造を有していても良い。この場合、ハードバイアス層214とハードバイアス層用ピニング層の交換結合により、ハードバイアス層214の磁化の方向を設定(固定)できる。この場合、ハードバイアス層214には、Fe、Co及びNiの少なくともいずれか、または、これらの少なくとも1種を含む合金の強磁性材料が用いられる。この場合、ハードバイアス層214には、例えば、CoFe100−x合金(xは0at.%以上100at.%以下)、NiFe100−x合金(xは0at.%以上100at.%以下)、または、これらに非磁性元素を添加した材料が用いられる。ハードバイアス層214として、上記の第1磁化固定層209と同様の材料が用いられる。ハードバイアス層用ピニング層には、上記の検知素子50A中のピニング層206と同様の材料が用いられる。ハードバイアス層用ピニング層を設ける場合、下地層205に用いる材料と同様の下地層をハードバイアス層用ピニング層の下に設けても良い。ハードバイアス層用ピニング層は、ハードバイアス層の下部に設けても良いし、上部に設けても良い。この場合のハードバイアス層214の磁化方向は、ピニング層206と同様に、磁界中熱処理により決定される。
上記のハードバイアス層214及び絶縁層213は、実施形態に係る検知素子のいずれにも適用できる。ハードバイアス層214とハードバイアス層用ピニング層との積層構造を用いると、大きな外部磁界がハードバイアス層214に短い時間で加わった場合においても、ハードバイアス層214の磁化の向きを容易に保持することができる。
図9は、実施形態に係る別の圧力センサの一部を例示する模式的斜視図である。
図9に示すように、検知素子50Bにおいて、下部電極204と、下地層205と、磁化自由層210と、中間層203と、第1磁化固定層209と、磁気結合層208と、第2磁化固定層207と、ピニング層206と、キャップ層211と、上部電極212と、が、順に積層される。第1磁化固定層209は、例えば、第1〜第4対向磁性層11b〜14bのいずれかに対応する。磁化自由層210は、例えば、第1〜第4磁性層11a〜14aのいずれかに対応する。中間層203は、第1〜第4中間層11c〜14cのいずれかに対応する。検知素子50Bは、例えば、トップスピンバルブ型である。
下地層205には、例えば、タンタルと銅の積層膜(Ta/Cu)が用いられる。このTa層の厚さ(Z軸方向の長さ)は、例えば、3nmである。このCu層の厚さは、例えば、5nmである。磁化自由層210には、例えば、4nmの厚さのCo40Fe4020が用いられる。中間層203には、例えば、1.6nmの厚さのMgO層が用いられる。第1磁化固定層209には、例えば、Co40Fe4020/Fe50Co50が用いられる。このCo40Fe4020層の厚さは、例えば2nmである。このFe50Co50層の厚さは、例えば1nmである。磁気結合層208には、例えば、0.9nmの厚さのRu層が用いられる。第2磁化固定層207には、例えば、2.5nmの厚さのCo75Fe25層が用いられる。ピニング層206には、例えば、7nmの厚さのIrMn層が用いられる。キャップ層211には、例えばTa/Ruが用いられる。このTa層の厚さは、例えば、1nmである。このRu層の厚さは、例えば、5nmである。
検知素子50Bに含まれる各層の材料は、検知素子50Aに含まれる各層の材料を上下反転させて用いることができる。上記の拡散抑制層を、検知素子50Bの下地層205と磁化自由層210の間に設けても良い。
図10は、実施形態に係る別の圧力センサの一部を例示する模式的斜視図である。
図10に示すように、検知素子50Cにおいて、下部電極204と、下地層205と、ピニング層206と、第1磁化固定層209と、中間層203と、磁化自由層210と、キャップ層211と、が、この順で積層される。第1磁化固定層209は、例えば、第1〜第4対向磁性層11b〜14bのいずれかに対応する。磁化自由層210は、例えば、第1〜第4磁性層11a〜14aのいずれかに対応する。中間層203は、第1〜第4中間層11c〜14cのいずれかに対応する。検知素子50Cは、例えば、単一の磁化固定層を用いたシングルピン構造を有する。
下地層205には、例えば、Ta/Ruが用いられる。このTa層の厚さ(Z軸方向の長さ)は、例えば、3nmである。このRu層の厚さは、例えば、2nmである。ピニング層206には、例えば、7nmの厚さのIrMn層が用いられる。第1磁化固定層209には、例えば、3nmの厚さのCo40Fe4020層が用いられる。中間層203には、例えば、1.6nmの厚さのMgO層が用いられる。磁化自由層210には、例えば、4nmの厚さのCo40Fe4020が用いられる。キャップ層211には、例えばTa/Ruが用いられる。このTa層の厚さは、例えば、1nmである。このRu層の厚さは、例えば、5nmである。
検知素子50Cの各層の材料には、例えば、検知素子50Aの各層の材料と同様のものが用いられる。
図11は、実施形態に係る別の圧力センサの一部を例示する模式的斜視図である。
図11に示すように、検知素子50Dにおいて、下部電極204と、下地層205と、下部ピニング層221と、下部第2磁化固定層222と、下部磁気結合層223と、下部第1磁化固定層224と、下部中間層225と、磁化自由層226と、上部中間層227と、上部第1磁化固定層228と、上部磁気結合層229と、上部第2磁化固定層230と、上部ピニング層231と、キャップ層211とが、順に積層される。下部第1磁化固定層224及び上部第1磁化固定層228は、例えば、第1〜第4対向磁性層11b〜14bのいずれかに対応する。磁化自由層226は、例えば、第1〜第4磁性層11a〜14aのいずれかに対応する。
下地層205には、例えば、Ta/Ruが用いられる。このTa層の厚さ(Z軸方向の長さ)は、例えば、3ナノメートル(nm)である。このRu層の厚さは、例えば、2nmである。下部ピニング層221には、例えば、7nmの厚さのIrMn層が用いられる。下部第2磁化固定層222には、例えば、2.5nmの厚さのCo75Fe25層が用いられる。下部磁気結合層223には、例えば、0.9nmの厚さのRu層が用いられる。下部第1磁化固定層224には、例えば、3nmの厚さのCo40Fe4020層が用いられる。下部中間層225には、例えば、1.6nmの厚さのMgO層が用いられる。磁化自由層226には、例えば、4nmの厚さのCo40Fe4020が用いられる。上部中間層227には、例えば、1.6nmの厚さのMgO層が用いられる。上部第1磁化固定層228には、例えば、Co40Fe4020/Fe50Co50が用いられる。このCo40Fe4020層の厚さは、例えば2nmである。このFe50Co50層の厚さは、例えば1nmである。上部磁気結合層229には、例えば、0.9nmの厚さのRu層が用いられる。上部第2磁化固定層230には、例えば、2.5nmの厚さのCo75Fe25層が用いられる。上部ピニング層231には、例えば、7nmの厚さのIrMn層が用いられる。キャップ層211には、例えばTa/Ruが用いられる。このTa層の厚さは、例えば、1nmである。このRu層の厚さは、例えば、5nmである。
検知素子50Dの各層の材料には、例えば、検知素子50Aの各層の材料と同様のものが用いられる。
図12は、実施形態に係る別の圧力センサの一部を例示する模式的斜視図である。
図12に示すように、検知素子50Eにおいて、下部電極204と、下地層205と、第1磁化自由層241と、中間層203と、第2磁化自由層242と、キャップ層211と、上部電極212と、が、この順で積層される。第1磁化自由層241は、第1〜第4磁性層11a〜14aのいずれかに対応する。第2磁化自由層242は、第1〜第4対向磁性層11b〜14bのいずれかに対応する。この例では、第1〜第4対向磁性層11b〜14bの磁化は、変化可能である。
下地層205には、例えば、Ta/Cuが用いられる。このTa層の厚さ(Z軸方向の長さ)は、例えば、3nmである。このCu層の厚さは、例えば、5nmである。第1磁化自由層241には、例えば、4nmの厚さのCo40Fe4020が用いられる。中間層203には、例2には、例えば、4nmの厚さのCo40Fe4020が用いられる。キャップ層211には、例えばCu/Ta/Ruが用いられる。このCu層の厚さは、例えば、5nmである。このTa層の厚さは、例えば、1nmである。このRu層の厚さは、例えば、5nmである。
検知素子50Eの各層の材料は、検知素子50Aの各層の材料と同様のものが用いられる。第1磁化自由層241及び第2磁化自由層242の材料として、例えば検知素子50Aの磁化自由層210と同様のものを用いても良い。
(第3の実施形態)
図13は、第3の実施形態に係るマイクロフォンを例示する模式図である。
図13に示すように、本実施形態に係るマイクロフォン610は、上記の実施形態に係る任意の圧力センサ、または、それらの変形に係る圧力センサを含む。この例では、圧力センサとして、圧力センサ110が用いられている。
マイクロフォン610は、例えば、携帯情報端末710に設けられる。圧力センサ110の膜部は、例えば、携帯情報端末710の表示部620が設けられた面に対して実質的に平行である。膜部の配置は、任意である。実施形態によれば、検知の安定性を向上できるマイクロフォンが提供できる。実施形態に係るマイクロフォン610は、例えば、ICレコーダーやピンマイクロフォンなどに設けられても良い。
図14は、第3の実施形態に係る別のマイクロフォンを例示する模式的断面図である。 本実施形態に係るマイクロフォン320(音響マイクロフォン)は、プリント基板321と、カバー323と、圧力センサと、を含む。圧力センサとして、実施形態に係る任意の圧力センサのいずれか、または、それらの変形が用いられる。この例では、圧力センサとして、圧力センサ110が用いられている。プリント基板321は、例えばアンプなどの回路を含む。カバー323には、アコースティックホール325が設けられる。音329は、アコースティックホール325を通って、カバー323の内部に進入する。 マイクロフォン320は、音圧に対して感応する。高感度な圧力センサ110を用いることにより、高感度なマイクロフォン320が得られる。例えば、圧力センサ110をプリント基板321の上に搭載し、電気信号線を設ける。圧力センサ110を覆うように、プリント基板321の上にカバー323が設けられる。検知の安定性を向上できるマイクロフォンが提供できる。
(第4の実施形態)
図15(a)及び図15(b)は、第4の実施形態に係る血圧センサを例示する模式図である。
図15(a)は、ヒトの動脈血管の上の皮膚を例示する模式的平面図である。図15(b)は、図15(a)のH1−H2線断面図である。
本実施形態に係る、血圧センサ330は、実施形態に係る任意の圧力センサ、または、それらの変形を含む。この例では、圧力センサとして圧力センサ110が用いられている。圧力センサ110を動脈血管331の上の皮膚333に押し当てる。これにより、血圧センサ330は、連続的に血圧測定を行うことができる。本実施形態によれば、検知の安定性を向上できる血圧センサが提供できる。高感度で血圧が測定できる。
(第5の実施形態)
図16は、第5の実施形態に係るタッチパネルを例示する模式図である。
本実施形態に係るタッチパネル340は、実施形態に係る任意の圧力センサ、または、それらの変形が用いられる。この例では、圧力センサとして圧力センサ110が用いられている。タッチパネル340において、圧力センサ110が、ディスプレイの内部及びディスプレイの外部の少なくともいずれかに搭載される。
例えば、タッチパネル340は、複数の第1配線346と、複数の第2配線347と、複数の圧力センサ110と、制御部341と、を含む。
この例では、複数の第1配線346は、Y軸方向に沿って並ぶ。複数の第1配線346のそれぞれは、X軸方向に沿って延びる。複数の第2配線347は、X軸方向に沿って並ぶ。複数の第2配線347のそれぞれは、Y軸方向に沿って延びる。
複数の圧力センサ110のそれぞれは、複数の第1配線346と複数の第2配線347とのそれぞれの交差部に設けられる。圧力センサ110の1つは、検知のための検知要素310eの1つとなる。ここで、交差部は、第1配線346と第2配線347とが交差する位置及びその周辺の領域を含む。
複数の圧力センサ110のそれぞれの一端310aは、複数の第1配線346のそれぞれと接続される。複数の圧力センサ110のそれぞれの他端310bは、複数の第2配線347のそれぞれと接続される。
制御部341は、複数の第1配線346と複数の第2配線347とに接続される。例えば、制御部341は、複数の第1配線346に接続された第1配線用回路346dと、複数の第2配線347に接続された第2配線用回路347dと、第1配線用回路346dと第2配線用回路347dとに接続された制御回路345と、を含む。圧力センサ110は、小型で高感度な圧力センシングが可能である。そのため、高精細なタッチパネルを実現することが可能である。
実施形態によれば、検知の安定性を向上できるタッチパネルが提供できる。高感度のタッチ入力が可能になる。
実施形態に係る圧力センサは、上記の応用の他に、気圧センサ、または、タイヤの空気圧センサなどに応用されても良い。実施形態に係る圧力センサは、様々な圧力検知に応用することができる。
実施形態は、例えば、以下の特徴を含む。
(特徴1)
保持部と、
第1膜部であって、
第1方向に沿って延びる第1延在部と、前記第1方向と交差して延び前記第1延在部の一端と接続された第1交差部と、を含み前記保持部に保持された第1縁部と、
前記第1方向と交差する第2方向に沿って前記第1縁部と並ぶ第1端部と、
を含み変形可能な前記第1膜部と、
前記第1膜部に固定され、第1磁性層と、第1対向磁性層と、前記第1磁性層と前記第1対向磁性層との間に設けられた第1中間層と、を含む第1検知素子と、
を備えた圧力センサ。
(特徴2)
前記第1縁部は、前記第1方向と交差して延び前記第1延在部の他端と接続された第1他端交差部をさらに含み、
前記第1他端交差部の延在方向は、前記第1交差部の延在方向と交差する、特徴1記載の圧力センサ。
(特徴3)
前記第1端部の前記第1方向に沿った長さは、前記第1延在部の前記第1方向に沿った長さよりも短い、特徴1または2に記載の圧力センサ。
(特徴4)
前記第1交差部は、曲線状の部分を含む、特徴1〜3のいずれか1つに記載の圧力センサ。
(特徴5)
前記第1方向及び前記第2方向と交差する方向における前記第1端部の位置は、前記第1膜部の変形に応じて変化する、特徴1〜4のいずれか1つに記載の圧力センサ。
(特徴6)
前記第1検知素子の少なくとも一部の前記第2方向における位置は、前記第1交差部の少なくとも一部の前記第2方向における位置と重なる、特徴1〜5のいずれか1つに記載の圧力センサ。
(特徴7)
前記第1検知素子の少なくとも一部の前記第2方向における位置は、前記第1交差部の少なくとも一部の前記第2方向における位置と、前記第1端部の前記第2方向における位置と、の間にある、特徴1〜5のいずれか1つに記載の圧力センサ。
(特徴8)
前記第1検知素子は、前記第2方向における中心を有し、
前記中心と前記第1延在部との間の前記第2方向に沿った距離は、前記第1端部と前記第1延在部との間の前記第2方向に沿った距離の1/5以下である、特徴1〜5のいずれか1つに記載の圧力センサ。
(特徴9)
前記第1検知素子は、前記第2方向における中心を有し、
前記中心と前記第1端部との間の前記第2方向に沿った距離は、前記第1端部と前記第1延在部との間の前記第2方向に沿った距離の0.8倍以上0.9倍以下である、特徴1〜5のいずれか1つに記載の圧力センサ。
(特徴10)
前記第1方向に沿って延びる第2延在部と、前記第1方向と交差して延び前記第2延在部の一端と接続された第2交差部と、を含み前記保持部に保持された第2縁部と、前記第2方向に沿って前記第2縁部と並ぶ第2端部と、を含み変形可能な第2膜部と、
前記第2膜部に固定され、第2磁性層と、第2対向磁性層と、前記第2磁性層と前記第2対向磁性層との間に設けられた第2中間層と、を含む第2検知素子と、
を備え、
前記第1端部の前記第2方向における位置は、前記第1縁部の前記第2方向における位置と、前記第2縁部の前記第2方向における位置と、の間にあり、
前記第2端部の前記第2方向における位置は、前記第1端部の前記第2方向における前記位置と、前記第2縁部の前記第2方向における前記位置と、の間にあり、
前記第2端部は、前記第1端部と離れている、特徴1〜4のいずれか1つに記載に記載の圧力センサ。
(特徴11)
前記第2縁部は、前記第1方向と交差して延び前記第2延在部の他端と接続された第2他端交差部をさらに含み、
前記第2他端交差部の延在方向は、前記第2交差部の延在方向と交差する、特徴10記載の圧力センサ。
(特徴12)
前記第2延在部は、前記第1方向において、前記第2交差部の一部と、前記第2他端交差部の一部と、の間に位置する、特徴10または11に記載の圧力センサ。
(特徴13)
前記第2端部の前記第1方向に沿った長さは、前記第2延在部の前記第1方向に沿った長さよりも短い、特徴10〜12のいずれか1つに記載の圧力センサ。
(特徴14)
前記第2交差部は、曲線状の部分を含む、特徴10〜13のいずれか1つに記載の圧力センサ。
(特徴15)
前記第1方向と交差する第3方向に沿って延びる第3延在部と、前記第3方向と交差して延び前記第3延在部の一端と接続された第3交差部と、を含み前記保持部に保持された第3縁部と、前記第3方向と交差する第4方向に沿って前記第3縁部と並ぶ第3端部と、を含み変形可能な第3膜部と、
前記第3膜部に固定され、第3磁性層と、第3対向磁性層と、前記第3磁性層と前記第3対向磁性層との間に設けられた第3中間層と、を含む第3検知素子と、
を備え、
前記第2交差部は、前記第2方向において前記第1交差部と並び、
前記第3延在部の前記第2方向における位置は、前記第1交差部の少なくとも一部の前記第2方向における位置と、前記第2交差部の少なくとも一部の前記第2方向における位置と、の間にあり、
前記第3交差部の前記第2方向における位置は、前記第3延在部の前記第2方向における前記位置と、前記第1交差部の前記少なくとも一部の前記第2方向における前記位置と、の間にあり、
前記第3端部は、前記第1端部及び前記第2端部と離れている、特徴10〜14のいずれか1つに記載の圧力センサ。
(特徴16)
前記第3縁部は、前記第3方向と交差して延び前記第3延在部の他端と接続された第3他端交差部をさらに含み、
前記第3他端交差部の延在方向は、前記第3交差部の延在方向と交差する、特徴15記載の圧力センサ。
(特徴17)
前記第3方向は、前記第2方向に沿う、特徴15または16に記載の圧力センサ。
(特徴18)
前記第3方向に沿って延びる第4延在部と、前記第3方向と交差して延び前記第4延在部の一端と接続された第4交差部と、を含み前記保持部に保持された第4縁部と、前記第4方向に沿って前記第4縁部と並ぶ第4端部と、を含み変形可能な第4膜部と、
前記第4膜部に固定され、第4磁性層と、第4対向磁性層と、前記第4磁性層と前記第4対向磁性層との間に設けられた第4中間層と、を含む第4検知素子と、
を備え、
前記第3端部の前記第4方向における位置は、前記第3縁部の前記第4方向における位置と、前記第4縁部の前記第4方向における位置と、の間にあり、
前記第4端部の前記第4方向における位置は、前記第3端部の前記第4方向における前記位置と、前記第4縁部の前記第4方向における前記位置と、の間にあり、
前記第4端部は、前記第3端部と離れている、特徴15〜17のいずれか1つに記載の圧力センサ。
(特徴19)
前記第4縁部は、前記第3方向と交差して延び前記第4延在部の他端と接続された第4他端交差部をさらに含み、
前記第4他端交差部の延在方向は、前記第4交差部の延在方向と交差する、特徴18記載の圧力センサ。
(特徴20)
前記第1磁性層の磁化と、前記第1対向磁性層の磁化と、の間の角度は、前記第1膜部の変形に応じて変化する、特徴1〜19のいずれか1つに記載の圧力センサ。
(特徴21)
前記第1磁性層と前記第1対向磁性層との間の抵抗は、前記第1膜部の変形に応じて変化する、特徴1〜20のいずれか1つに記載の圧力センサ。
(特徴22)
特徴1〜21のいずれか1つに記載の圧力センサを備えたマイクロフォン。
(特徴23)
特徴1〜21のいずれか1つに記載の圧力センサを備えた血圧センサ。
(特徴24)
特徴1〜21のいずれか1つに記載の圧力センサを備えたタッチパネル。
実施形態によれば、検知の安定性を向上できる圧力センサ、マイクロフォン、血圧センサ及びタッチパネルを提供できる。
なお、本願明細書において、「垂直」及び「平行」は、厳密な垂直及び厳密な平行だけではなく、例えば製造工程におけるばらつきなどを含むものであり、実質的に垂直及び実質的に平行であれば良い。
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、圧力センサに含まれる膜部、検知素子、磁性層、中間層、及び、電極などの各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
また、各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
その他、本発明の実施の形態として上述した圧力センサ、マイクロフォン、血圧センサ及びタッチパネルを基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての圧力センサ、マイクロフォン、血圧センサ及びタッチパネルも、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
11a〜14a…第1〜第4磁性層、 11b〜14b…第1〜第4対向磁性層、 11c〜14c…第1〜第4中間層、 50、50A、50AA、50AB、50AC、50B、50C、50D、50E…検知素子、 51〜54…第1〜第4検知素子、 51c…中心、 58a、58b…第1、第2電極、 70h…空洞、 70s…保持部、
71〜74…第1〜第4膜部、 71a〜74a…第1〜第4交差部、 71b〜71b…第1〜第4他端交差部、 71e〜74e…第1〜第4端部、 71r〜74r…第1〜第4縁部、 71s〜74s…第1〜第4延在部、 71se〜74se…一端、 71sf〜74sf…他端、 79…膜部、 79r…縁部、 σ…膜応力、 110、110a、111〜113、120…圧力センサ、 203…中間層、 204…下部電極、 205…下地層、 206…ピニング層、 207…第2磁化固定層、 208…磁気結合層、 209…第1磁化固定層、 210…磁化自由層、 211…キャップ層、 212…上部電極、 213…絶縁層、 214…ハードバイアス層、 221…下部ピニング層、 222…下部第2磁化固定層、 223…下部磁気結合層、 224…下部第1磁化固定層、 225…下部中間層、 226…磁化自由層、 227…上部中間層、 228…上部第1磁化固定層、 229…上部磁気結合層、 230…上部第2磁化固定層、 231…上部ピニング層、 241…第1磁化自由層、 242…第2磁化自由層、 310a…一端、 310b…他端、 310e…検知要素、 320…マイクロフォン、 321…プリント基板、 323…カバー、 325…アコースティックホール、 329…音、 330…血圧センサ、 331…動脈血管、 333…皮膚、 340…タッチパネル、 341…制御部、 345…制御回路、 346…第1配線、 346d…第1配線用回路、 347…第2配線、 347d…第2配線用回路、 610…マイクロフォン、 620…表示部、 710…携帯情報端末、 AR…矢印、 Py…位置、 S1…歪異方性傾き、 d51、d71…距離、 g1…間隔
本発明の実施形態は、センサ、マイクロフォン、血圧センサ及びタッチパネルに関する。
本発明の実施形態は、検知の安定性を向上できるセンサ、マイクロフォン、血圧センサ及びタッチパネルを提供する。
本発明の実施形態によれば、圧力センサは、保持部と、第1膜部と、複数の第1検知素子と、を含む。前記第1膜部は、第1縁部と、第1端部と、を含む。前記第1縁部は、第1方向に沿って延びる第1延在部を含み、前記保持部に保持される。前記第1端部は、前記第1方向と交差する第2方向に沿って前記第1縁部と並ぶ。前記第1膜部は、変形可能である。前記複数の第1検知素子は、前記第1膜部に固定され前記第1縁部に沿って並び互いに電気的に接続される。複数の第1検知素子は、第1磁性層と、第1対向磁性層と、前記第1磁性層と前記第1対向磁性層との間に設けられた第1中間層と、を含む。

Claims (1)

  1. 保持部と、
    第1膜部であって、
    第1方向に沿って延びる第1延在部と、前記第1方向と交差して延び前記第1延在部の一端と接続された第1交差部と、を含み前記保持部に保持された第1縁部と、
    前記第1方向と交差する第2方向に沿って前記第1縁部と並ぶ第1端部と、
    を含み変形可能な前記第1膜部と、
    前記第1膜部に固定され、第1磁性層と、第1対向磁性層と、前記第1磁性層と前記第1対向磁性層との間に設けられた第1中間層と、を含む第1検知素子と、
    を備えた圧力センサ。
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