以下に本発明の実施の形態を説明するが、本発明の構成要件と、発明の詳細な説明に記載の実施の形態との対応関係を例示すると、次のようになる。この記載は、本発明をサポートする実施の形態が、発明の詳細な説明に記載されていることを確認するためのものである。従って、発明の詳細な説明中には記載されているが、本発明の構成要件に対応する実施の形態として、ここには記載されていない実施の形態があったとしても、そのことは、その実施の形態が、その構成要件に対応するものではないことを意味するものではない。逆に、実施の形態が構成要件に対応するものとしてここに記載されていたとしても、そのことは、その実施の形態が、その構成要件以外の構成要件には対応しないものであることを意味するものでもない。
本発明の蕎麦生地製造装置(例えば、図1の蕎麦生地製造装置11)は、混捏された蕎麦の生地を搬送する第1のベルトコンベア(例えば、図1のベルトコンベア21)と、重力方向に45度乃至75度の挟み角で上面が交差し、蕎麦の生地の搬送の方向に向かって上面が下がるように設けられている、第1のベルトコンベアから排出される蕎麦の生地を受ける生地受け(例えば、図1の導入板23)と、上側のローラー(例えば、図1のローラー52)および下側のローラー(例えば、図1のローラー51)からなり、上側のローラーの回転軸(例えば、図1の回転軸58)と上側のローラーの回転軸に平行の下側のローラーの回転軸(例えば、図1の回転軸57)とを結ぶ仮想的な面が生地受けの上面に沿った仮想的な面と略直交するように配置されている、蕎麦の生地を圧延する圧延手段(例えば、図1の圧延部24)と、圧延手段の上側のローラーの回転軸および下側のローラーの回転軸がのびる方向に長さ方向が沿うように配置されている丸棒(例えば、図1の丸棒62)を、第1のベルトコンベアの排出する側の端部の上側から、圧延手段の上側のローラーと下側のローラーとの間に向かって変位させて、生地受け上の蕎麦の生地を圧延手段に押し込む押し込み手段(例えば、図1の押し込み部25)とを備える。
圧延手段の排出側に設けられている、上側のローラー(例えば、図1のローラー71)および下側のローラー(例えば、図1のローラー73)からなり、圧延手段で圧延された蕎麦の生地を保持する保持手段(例えば、図1の保持部26)と、保持手段の下側のローラーの回転軸と平行な方向に長い刃(例えば、図1の刃81)で、保持手段の下側のローラーと蕎麦の生地を挟み込んで切断する第1のカッター(例えば、図1のカッター27)とをさらに設け、第1のカッターが蕎麦の生地を切断する場合、制御部の制御により、圧延手段および保持手段を停止することができる。
保持手段の排出側に設けられている、圧延手段の下側のローラーの回転軸と平行な方向に搬送する第2のベルトコンベア(例えば、図1のベルトコンベア28)と、第1のカッターで切断された蕎麦の生地を第2のベルトコンベア上に止める第1のストッパー(例えば、図1のストッパー29)とをさらに設けることができる。
第2のベルトコンベアの排出する側の端部に設けられている、第2のベルトコンベアに従動する刃受けローラー(例えば、図2のローラー91)と、刃受けローラーの回転軸と平行な方向に長い刃(例えば、図3の刃101)で、刃受けローラーと蕎麦の生地を挟み込んで切断する第2のカッター(例えば、図3のカッター32)とをさらに設け、第2のカッターが蕎麦の生地を切断する場合、制御部の制御により、第2のベルトコンベアおよび刃受けローラーを停止することができる。
第2のベルトコンベアの排出する側の端部と交差するように設けられている、第1のベルトコンベアで蕎麦の生地が搬送される方向と平行な方向に搬送する第3のベルトコンベア(例えば、図2のベルトコンベア30)と、第2のカッターで切断された蕎麦の生地を第3のベルトコンベア上に止める第2のストッパー(例えば、図2のストッパー31)とをさらに設けることができる。
以下、本発明の一実施の形態を図1乃至図4を参照して説明する。図1は、本発明の一実施の形態の蕎麦生地製造装置11の構成を示す右側面図である。図2は、蕎麦生地製造装置11の構成を示す上面図である。図3は、蕎麦生地製造装置11の構成を示す正面図である。なお、図2および図3は、蕎麦生地製造装置11の要部の構成を示す。
なお、以下、蕎麦生地製造装置11に対して前後の方向をY軸で図示し、上下の方向をZ軸で図示し、左右の方向をX軸で図示する。また、以下、X軸方向のうち、図2中の上側を単に左側と称し、X軸方向のうち、図2中の下側を単に右側と称する。さらに、以下、Y軸方向のうち、図1中の左側を単に前側と称し、Y軸方向のうち、図1中の右側を単に後側と称する。さらにまた、以下、Z軸方向のうち、図1中の上側を単に上側と称し、Z軸方向のうち、図1中の下側を単に下側と称する。なお、下側は、重力がかかる方向である。また、Z軸方向を、単に上下方向とも称し、X軸方向を、単に左右方向とも称し、Y軸方向を、単に前後方向とも称する。さらにまた、X軸およびY軸に平行な面に沿う方向を単に水平方向または横方向とも称する。
蕎麦生地製造装置11は、日本蕎麦の蕎麦粉から、蕎麦生地を製造する。蕎麦生地製造装置11は、店舗での蕎麦麺の押し出し成形に適した、より柔らかく、より厚みのある蕎麦生地を製造する。蕎麦生地製造装置11は、店舗の製麺機に使いやすい直方体状の蕎麦生地を製造する。
蕎麦生地製造装置11は、ベルトコンベア21、混捏部22、導入板23、圧延部24、押し込み部25、保持部26、カッター27、ベルトコンベア28、ストッパー29、ベルトコンベア30、ストッパー31およびカッター32を含み構成される。なお、蕎麦生地製造装置11は、プログラマブルロジックコントローラなどよりなる制御部により全体および各部の動作が制御されるが、その説明は省略する。ベルトコンベア21は、混捏部22から供給された、混捏された蕎麦の生地を導入板23側に搬送する。ベルトコンベア21は、混捏された蕎麦の生地を、Y軸方向に沿って、後側から前側に搬送する。
ベルトコンベア21は、プーリー41などの複数のプーリーに掛けられた幅広の輪状のベルトを回転させて、ベルト上の蕎麦の生地を搬送する。ベルトコンベア21のベルトは、ゴム、樹脂、布またはこれらの複合材料などからなる。プーリー41は、いわゆるヘッドプーリーであり、ベルトコンベア21の排出側である、前側に配置されている。
混捏部22は、開閉可能な容器、水を容器中に噴出するノズルおよび容器中の蕎麦粉に水をまわして、水がまわされた蕎麦粉を捏ねるための回転する棒状の羽などを備える。混捏部22は、ベルトコンベア21の上側に配置されている。混捏部22は、底面を開くことで、混捏した蕎麦の生地をベルトコンベア21上に落とす。
導入板23は、生地受けの一例である。導入板23は、ベルトコンベア21のベルトの幅に対応した幅の長方形の板状に形成されている。導入板23は、ベルトコンベア21の排出する側の端部側と押し込み部25のローラー51(後述する)との間に、ベルトコンベア21のベルトとローラー51の側面とに面一となるように配置されている。導入板23は、ベルトコンベア21で搬送され、ベルトコンベア21の排出する側の端部(前側の端部)から排出される混捏された蕎麦の生地を受ける。
導入板23の上面は、前下がりになるように形成されている。すなわち、導入板23の上面は、重力方向と45度乃至75度の挟み角で交差する。
導入板23の上面が、重力方向と45度未満の挟み角で交差する、すなわち、より急な角度で導入板23の上面が下がるようにすると、蕎麦の生地を厚くしようとした場合、蕎麦の生地が脆いので、混捏された蕎麦の生地が圧延部24の間から漏れやすくなる。また、導入板23の上面が、重力方向と75度を超える挟み角で交差する、すなわち、より浅い角度で導入板23の上面が下がるようにすると、蕎麦の生地が脆いので、混捏された蕎麦の生地が圧延部24の間に入りにくくなり、蕎麦の生地に隙間ができやすくなる。
より好ましくは、導入板23の上面の重力方向との挟み角を、55度乃至65度とすると、蕎麦の生地が圧延部24の間から漏れることなく、また、蕎麦の生地に隙間ができることなく、安定して、均一に蕎麦の生地を圧延部24に送り込むことができる。
なお、導入板23は、上面側が平らであればよく、板状に限らず、三角柱状に形成しても、底面側にリブや四角柱状の補強を設けるなど所望の形状とすることができる。
圧延部24は、圧延手段の一例であり、蕎麦の生地を圧延する。圧延部24は、混捏された蕎麦の生地を圧延しつつ、圧延した蕎麦の生地12を保持部26に送り出す。圧延部24は、圧延した蕎麦の生地12を搬送するとも言える。圧延部24の搬送方向は、ベルトコンベア21の搬送方向と同じである。すなわち、圧延部24は、蕎麦の生地を圧延しつつ、圧延した蕎麦の生地12を、Y軸方向に沿って、後側から前側に搬送する。
圧延部24は、ローラー51、ローラー52、電動機53、スプロケット54、スプロケット55およびローラーチェーン56を含み構成されている。ローラー51は、金属または樹脂などにより円柱状に形成され、円形の底面の中心を通るように配置されている回転軸57により回転自在に軸支されている。例えば、ローラー51は、金属製のローラーである。ローラー51の回転軸57の長さ方向は、ベルトコンベア21の搬送方向と直交する。すなわち、ローラー51の回転軸57の長さ方向は、X軸方向である。圧延部24が、蕎麦の生地を圧延しつつ、圧延された蕎麦の生地12を搬送する場合、ローラー51は、図1中、反時計回りに回転させられる。
ローラー52は、金属または樹脂などにより円柱状に形成され、円形の底面の中心を通るように配置されている回転軸58により回転自在に軸支されている。例えば、ローラー52は、金属製のローラーである。ローラー52の径は、ローラー51の径と同じである。ローラー52の回転軸58の長さ方向は、ベルトコンベア21の搬送方向と直交する。すなわち、ローラー52の回転軸58の長さ方向は、ローラー51の回転軸57の長さ方向と平行であり、X軸方向である。圧延部24が、蕎麦の生地を圧延しつつ、圧延された蕎麦の生地12を搬送する場合、ローラー52は、図1中、時計回りに回転させられる。
ローラー52は、ローラー51に対して、上側であって、前側に配置されている。ローラー52の回転軸58とローラー51の回転軸57とを結ぶ仮想的な線は、重力方向に対して15度乃至45度の挟み角で交差する。ローラー52の回転軸58とローラー51の回転軸57とを結ぶ仮想的な線に直交する直線が、導入板23の上面に沿った仮想的な面に対して、10度以内の挟み角で交差するようにローラー52およびローラー51は、配置されている。
ローラー52の回転軸58とローラー51の回転軸57とを結ぶ仮想的な線に直交する直線が、導入板23の上面に沿った仮想的な面に対して、10度を超える挟み角で交差するようにローラー52およびローラー51が配置されると、蕎麦の生地への押圧の方向と蕎麦の生地を搬送する方向が斜めに交差するので、蕎麦の生地にゆがみやひび割れが生じやすくなる。
このように、ローラー52およびローラー51は、ローラー52とローラー51との間が、導入板23の上面に沿って開くように配置されていると言える。すなわち、より好ましくは、ローラー52の回転軸58とローラー51の回転軸57とを結ぶ仮想的な線に直交する直線が導入板23の上面に沿った仮想的な面に平行になるように、導入板23に対してローラー52およびローラー51を配置する。
言い換えれば、より好ましくは、ローラー52の回転軸58とローラー51の回転軸57とを結ぶ仮想的な線は、導入板23の上面に沿った仮想的な面と直交するように配置されている。
すなわち、ローラー52の回転軸58とローラー51の回転軸57とを結ぶ仮想的な線は、導入板23の上面に沿った仮想的な面と略直交するように配置されていると言える。
電動機53は、いわゆる電気モータであり、外部から供給される電力で回転の駆動力を発生する。スプロケット54は、いわゆるチェーンホイールとも称され、ローラー51と同軸に設けられ、回転させられると、その回転の駆動力をローラー51に伝達する。スプロケット55は、いわゆるチェーンホイールとも称され、電動機53の軸に同軸に設けられている。ローラーチェーン56は、スプロケット54とスプロケット55とに掛けられている。電動機53が回転の駆動力を発生させると、スプロケット55が回転させられて、回転の駆動力は、ローラーチェーン56を介して、スプロケット54に伝達される。スプロケット54に伝達された回転の駆動力は、さらに、ローラー51に伝達され、ローラー51は回転させられる。
ローラー51およびローラー52には、それぞれ、同軸に歯車(図示せず)が設けられ、ローラー51のギアとローラー52の歯車とは、噛み合っている。従って、ローラー51が回転させられると、ローラー52は回転させられる。ローラー52は、ローラー51を介して電動機53により回転させられる。なお、ローラー51およびローラー52は、外周(蕎麦の生地を挟み込む面)の速度が同じになるように回転させられる。
このように、圧延部24のローラー51およびローラー52は、電動機53により回転させられる。
圧延部24は、所定の厚さで、左右の幅がベルトコンベア21のベルトの幅とほぼ等しくなるように蕎麦の生地12を圧延して保持部26に送り出す。
押し込み部25は、導入板23上の蕎麦の生地を圧延部24に押し込む。押し込み部25は、平板61、丸棒62、回動フレーム63、リンク64およびシリンダ65を備える。平板61は、左右方向の幅がベルトコンベア21のベルトの幅とほぼ等しく、後側が突出し、前側が凹んでいる曲面状に形成されている。平板61の上下方向の長さは、ローラー51の直径の1.5倍程度とされている。平板61のX軸方向の形状は、円弧状で均一である。すなわち、平板61は、平面を所定の曲率で一方向に曲げた曲面(円柱の側面の一部に対応する形状の可展面)状に形成されている。平板61の下側の端部には、丸棒62が設けられている。
丸棒62は、ベルトコンベア21のベルトの幅とほぼ等しく、平板61の左右方向の幅と概ね同じ長さとされている。丸棒62の径は、ローラー52またはローラー51の径の1/10乃至1/6とされる。丸棒62は、平板61の下側の端部の全体を覆うように平板61に接合されている。丸棒62の長さ方向が、左右方向、すなわちX軸に沿うように丸棒62は配置されている。ローラー52の回転軸58およびローラー51の回転軸57がのびる方向に丸棒62の長さ方向が沿うように丸棒62は配置されている。
平板61の上側の端部は、回動フレーム63の後側の端部に固定されている。回動フレーム63は、平板61および丸棒62を支えて、リンク64を介したシリンダ65からの力を平板61および丸棒62に伝達する。回動フレーム63は、回動可能に軸支されている。例えば、回動フレーム63は、四角の枠状に形成されている。回動フレーム63の前側の端部は、回転軸66により回動自在に軸支されている。回転軸66は、圧延部24の上側に設けられている。
また、回動フレーム63の前側の端部は、リンク64の下側の端部に接合されている。リンク64の上側の端部は、シリンダ65のピストンロッドの先端のナックルジョイントに接続されている。シリンダ65は、片ロッドのエアシリンダである。シリンダ65の端部のうち、シリンダ側の端部(ヘッドカバー)は、蕎麦生地製造装置11のフレームに回動自在に固定されている。
シリンダ65は、エアにより、ピストンロッドがシリンダから出入りして、伸縮する。シリンダ65が短い状態にある場合、リンク64の上側の端部が前側に引っ張られて、これにより、回動フレーム63が、図1中において、反時計回りに回転させられる。これにより、回動フレーム63の後側の端部に接合されている平板61が上側に変位し、平板61の下側の端部に設けられている丸棒62も上側に変位する。このとき、丸棒62は、ベルトコンベア21の排出する側の端部の上側に変位する。
シリンダ65が長い状態にある場合、リンク64の上側の端部が後側に押されて、これにより、回動フレーム63が、図1中において、時計回りに回転させられる。これにより、図4に示されるように、回動フレーム63の後側の端部に接合されている平板61が下側に変位し、平板61の下側の端部に設けられている丸棒62も下側に変位する。このとき、丸棒62は、圧延部24のローラー52とローラー51との間に向かって変位する。
すなわち、シリンダ65がピストンロッドを伸ばすと、丸棒62は、ベルトコンベア21の排出する側の端部の上側から、圧延部24のローラー52とローラー51との間に向かって変位させられる。
このように、回動フレーム63が、シリンダ65の伸縮により、時計回りまたは反時計回りに回転させられて、平板61および丸棒62が、変位する。押し込み部25の丸棒62が、ベルトコンベア21の排出する側の端部の上側から、圧延部24のローラー52とローラー51との間に向かって繰り返し変位させられることで、導入板23上の混捏された蕎麦の生地が、圧延部24に押し込まれる。
また、Z軸およびY軸で規定される平面における平板61の断面が、回動フレーム63の前後方向の長さを半径とする円弧状となるように、平板61は、形成されている。すなわち、図4に示されるように、平板61の凸面側が導入板23側なので、導入板23上の混捏された蕎麦の生地が、平板61と導入板23とで挟まれて、押圧される。
平板61および丸棒62が、繰り返し変位すると、平板61と導入板23とで挟まれて、押圧された蕎麦の生地が、丸棒62によって、圧延部24のローラー52とローラー51との間に押し込まれる。
このように、押し込み部25は、圧延部24の上側に設けられている回転軸66を中心に丸棒62を回動させる。押し込み部25の丸棒62は、押し込み部25の回転軸66を中心とする円弧状に湾曲させられている平板61の端部に設けられている。
保持部26は、圧延部24の前側、すなわち、圧延部24の排出側に設けられている。保持部26は、圧延部24で圧延された蕎麦の生地12を保持する。また、保持部26は、圧延部24が送り出す方向と同じ方向に、保持している蕎麦の生地12を送り出す。
保持部26は、ローラー71を含む。ローラー71は、金属または樹脂などにより円柱状に形成され、円形の底面の中心を通るように配置されている回転軸により回転自在に軸支されている。例えば、ローラー71は、金属製のローラーである。ローラー71の回転軸の長さ方向は、ベルトコンベア21の搬送方向と直交する。すなわち、ローラー71の回転軸の長さ方向は、X軸方向にのびる。ローラーチェーン72は、ローラー71と同軸のスプロケット(図示せず)とローラー52と同軸のスプロケット(図示せず)とに掛けられている。ローラー52が回転すると、ローラーチェーン72によって、ローラー52の外周の速度とローラー71の外周の速度とが同じになるようにローラー71が回転させられる。
保持部26は、ローラー73を含む。ローラー73は、金属または樹脂などにより円柱状に形成され、円形の底面の中心を通るように配置されている回転軸により回転自在に軸支されている。例えば、ローラー73は、ゴムシートをライニングとする金属製のローラーである。ローラー73の径は、ローラー71の径と同じである。ローラー73の回転軸の長さ方向は、ベルトコンベア21の搬送方向と直交する。すなわち、ローラー73の回転軸の長さ方向は、ローラー71の回転軸の長さ方向と平行であり、X軸方向にのびる。ローラーチェーン74は、ローラー73と同軸のスプロケット(図示せず)とローラー51と同軸のスプロケット(図示せず)とに掛けられている。ローラー51が回転すると、ローラーチェーン74によって、ローラー51の外周の速度とローラー73の外周の速度とが同じになるようにローラー73が回転させられる。すなわち、ローラー71およびローラー73は、外周(蕎麦の生地を挟み込む面)の速度が同じになるように回転させられる。
このように、保持部26は、上側のローラー71および下側のローラー73からなる。ローラー71は、ローラー73の上側に配置される。ローラー71の回転軸とローラー73の回転軸とを結ぶ仮想的な線は、上下方向、すなわち重力方向にのびる。
カッター27は、保持部26で保持されている蕎麦の生地12を切断する。カッター27は、刃81およびシリンダ82を含む。刃81は、金属などで形成されている、保持部26から蕎麦の生地が送り出される方向に直交する向き(X軸方向)に長い刃である。シリンダ82は、いわゆるエアシリンダで、エアにより、ロッドを出し入れする。刃81は、シリンダ82のロッドの先端に装着されている。シリンダ82のロッドが出し入れされると、刃81は、ローラー73に向かって変位するか、または、ローラー73から離れるように変位する。
刃81が、ローラー73に向かって変位すると、蕎麦の生地12がローラー73と刃81とに挟まれて切断される。すなわち、カッター27は、保持部26の下側のローラー73と蕎麦の生地12を挟み込んで切断する。カッター27が蕎麦の生地12を切断する場合、圧延部24および保持部26は、図示せぬ制御部の制御により、停止させられる。このようにすることで、より確実に蕎麦の生地12を切断できる。
圧延部24が、所定の厚さで、左右の幅がベルトコンベア21のベルトの幅とほぼ等しくなるように蕎麦の生地12を圧延して保持部26に送り出すので、カッター27に切断された蕎麦の生地12は、X軸方向に長い直方体状に形成される。
ベルトコンベア28は、カッター27の前下側に配置されている。ベルトコンベア28は、カッター27で切断された蕎麦の生地12を受ける。ベルトコンベア28は、カッター27で切断された蕎麦の生地12を、X軸方向に沿って、左側から右側に搬送する。ベルトコンベア28は、複数のプーリーに掛けられた幅広の輪状のベルトを回転させて、ベルト上の蕎麦の生地12を搬送する。ベルトコンベア28のベルトは、ゴム、樹脂、布またはこれらの複合材料などからなる。
ストッパー29は、カッター27で切断された蕎麦の生地12をベルトコンベア28上に止める。ストッパー29は、ベルトコンベア28のベルトの上であって、カッター27の前下側に配置されている。ストッパー29は、ベルトコンベア21の幅と概ね同じ幅(左右方向の長さ)であって、蕎麦の生地12の厚さと概ね同じ高さ(上下方向の長さ)の板状に形成されている。ストッパー29は、長手方向である幅方向がX軸の沿うように、配置されている。
カッター27が蕎麦の生地12を切断すると、切断された蕎麦の生地12が、ベルトコンベア28上に落ちるが、ベルトコンベア28上を転がっても、ストッパー29に当たり、確実に、切断された蕎麦の生地12が、ベルトコンベア28に乗る。また、切断された蕎麦の生地12が、ストッパー29に当たり、切断された蕎麦の生地12の長手方向が、ベルトコンベア28の搬送方向に沿うように、麦の生地12の姿勢が、規制される。
ベルトコンベア28の排出側の端部である、右側の端部に隣接して、ローラー91が設けられている。ローラー91は、刃受けローラーの一例であり、樹脂または金属などからなり、後述するカッター32の刃を受ける。例えば、ローラー91は、ゴムシートをライニングとする金属製のローラーである。ローラー91は、ローラー91に同軸のスプロケットおよびベルトコンベア28のプーリーに同軸のスプロケットに掛けられたローラーチェーンなどによりベルトコンベア28のプーリーに接続され、ベルトコンベア28に従動して回転する。
カッター32は、ベルトコンベア28およびローラー91に乗っている蕎麦の生地12を切断する。カッター32は、刃101およびシリンダ102を含む。刃101は、金属などで形成されている、ベルトコンベア28で蕎麦の生地12が搬送される方向に直交する向き(Y軸方向)に長い刃である。シリンダ102は、いわゆるエアシリンダで、エアにより、ロッドを出し入れする。刃101は、シリンダ102のロッドの先端に装着されている。シリンダ102のロッドが出し入れされると、刃101は、ローラー91に向かって変位するか、または、ローラー91から離れるように変位する。
刃101が、ローラー91に向かって変位すると、蕎麦の生地12がローラー91と刃81とに挟まれて切断される。すなわち、カッター32は、ローラー91と蕎麦の生地12を挟み込んで切断する。カッター32が蕎麦の生地12を切断する場合、ベルトコンベア28およびローラー91は、図示せぬ制御部の制御により、停止させられる。このようにすることで、より確実に蕎麦の生地12を切断できる。
ベルトコンベア28は、カッター27に切断されて、X軸方向に長い直方体状に形成されている蕎麦の生地12を搬送してくるので、カッター32が、蕎麦の生地12を切断すると、蕎麦の生地12は、各辺の長さがより等しい直方体状に形成される。
ベルトコンベア30は、ベルトコンベア28の排出側の端部である、右側の端部の右下側に配置されている。ベルトコンベア30は、カッター32で切断された蕎麦の生地12を受ける。ベルトコンベア30は、カッター32で切断された蕎麦の生地12を、Y軸方向に沿って、後側から前側に搬送する。ベルトコンベア30は、複数のプーリーに掛けられた幅広の輪状のベルトを回転させて、ベルト上の蕎麦の生地12を搬送する。ベルトコンベア30のベルトは、ゴム、樹脂、布またはこれらの複合材料などからなる。
ストッパー31は、カッター32で切断された蕎麦の生地12をベルトコンベア30上に止める。ストッパー31は、ベルトコンベア30のベルトの上であって、カッター32の右下側に配置されている。ストッパー31は、ベルトコンベア28の幅と概ね同じ幅(前後方向の長さ)であって、蕎麦の生地12の厚さと概ね同じ高さ(上下方向の長さ)の板状に形成されている。ストッパー31は、長手方向である幅方向がY軸の沿うように、配置されている。
カッター32が蕎麦の生地12を切断すると、切断された蕎麦の生地12が、ベルトコンベア30上に落ちるが、ベルトコンベア30上を転がっても、ストッパー31に当たり、確実に、切断された蕎麦の生地12が、ベルトコンベア30に乗る。また、切断された蕎麦の生地12が、ストッパー31に当たり、切断された蕎麦の生地12の辺が、ベルトコンベア30の搬送方向に沿うように、麦の生地12の姿勢が、規制される。
なお、シリンダ65、シリンダ82またはシリンダ102は、エアシリンダであると説明したが、これに限らず、平板61および丸棒62、刃81または刃101を駆動できれば良く、油圧シリンダまたは電動機などのアクチュエータであればよい。
なお、丸棒62は、無垢の丸棒であっても、中空の丸棒でもよい。
また、押し込み部25は、エアシリンダや電動機およびラックアンドピニオン機構などの直動機構により、平板61および丸棒62が直線的に変位するものであってもよい。
このように、蕎麦生地製造装置11は、ベルトコンベア21、導入板23、圧延部24および押し込み部25を含む。ベルトコンベア21は、混捏された蕎麦の生地を搬送する。導入板23は、重力方向に45度乃至75度の挟み角で上面が交差し、蕎麦の生地の搬送の方向に向かって上面が下がるように設けられている、ベルトコンベア21から排出される蕎麦の生地を受ける。圧延部24は、蕎麦の生地を圧延する。圧延部24は、上側のローラー52および下側のローラー51からなり、上側のローラー52の回転軸58と下側のローラー51の回転軸57とを結ぶ仮想的な線が導入板23の上面に沿った仮想的な面と略直交するように配置されている。押し込み部25は、圧延部24の上側のローラー52の回転軸58および下側のローラー51の回転軸57がのびる方向に長さ方向が沿うように配置されている丸棒62を、ベルトコンベア21の排出する側の端部の上側から、圧延部24の上側のローラー52と下側のローラー51との間に向かって変位させて、導入板23上の蕎麦の生地を圧延部24に押し込む。
導入板23が、重力方向に45度乃至75度の挟み角で交差し、蕎麦の生地の搬送の方向に向かって下がる上面でベルトコンベア21から排出される蕎麦の生地を受け、上側のローラー52および下側のローラー51からなり、上側のローラー52の回転軸58と下側のローラー51の回転軸57とを結ぶ仮想的な線が導入板23の上面に沿った仮想的な面と略直交する圧延部24に、押し込み部25が、圧延部24の上側のローラー52の回転軸58および下側のローラー51の回転軸57がのびる方向に長さ方向が沿うように配置されている丸棒62を、ベルトコンベア21の排出する側の端部の上側から、圧延部24の上側のローラー52と下側のローラー51との間に向かって変位させて、導入板23上の蕎麦の生地を押し込み、圧延部24が蕎麦の生地を圧延するので、店舗での蕎麦麺の押し出し成形に適した、より柔らかく、より厚みのある蕎麦生地を製造することができる。このように、店舗での蕎麦麺の押し出し成形に適した蕎麦生地を製造することができる。
導入板23の上面の重力方向との挟み角を、55度乃至65度とすることができる。このようにすることで、より確実に、店舗での蕎麦麺の押し出し成形に適した蕎麦生地を製造することができる。
押し込み部25には、圧延部24の上側に設けられている回転軸66を中心に丸棒62を回動させることができる。このようにすることで、より安定して、店舗での蕎麦麺の押し出し成形に適した蕎麦生地を製造することができる。
押し込み部25の丸棒62を、押し込み部25の回転軸66を中心とする円弧状に湾曲させられている平板61の端部に設けることができる。このようにすることで、より均一な、店舗での蕎麦麺の押し出し成形に適した蕎麦生地を製造することができる。
圧延部24の下側のローラー51および上側のローラー52を、電動機53により回転させることができる。このようにすることで、より簡単に、店舗での蕎麦麺の押し出し成形に適した蕎麦生地を製造することができる。
圧延部24の排出側に設けられている、上側のローラー71および下側のローラー73からなり、圧延部24で圧延された蕎麦の生地を保持する保持部26と、保持部26から蕎麦の生地が送り出される方向に直交する向きに長い刃81で、保持部26の下側のローラー73と蕎麦の生地を挟み込んで切断するカッター27とをさらに設け、カッター27が蕎麦の生地を切断する場合、圧延部24および保持部26を停止させることができる。このように、店舗での蕎麦麺の押し出し成形に適した形状の蕎麦生地を製造することができる。
保持部26を、圧延部24に従動させることができる。このようにすることで、より簡単に、店舗での蕎麦麺の押し出し成形に適した蕎麦生地を製造することができる。
保持部26の排出側に設けられている、ベルトコンベア21の搬送の向きと直交する向きに搬送するベルトコンベア28と、カッター27で切断された蕎麦の生地をベルトコンベア28上に止めるストッパー29とをさらに設けることができる。このようにすることで、より安定して、店舗での蕎麦麺の押し出し成形に適した蕎麦生地を製造することができる。
ベルトコンベア28の排出する側の端部に設けられている、ベルトコンベア28に従動するローラー91と、ベルトコンベア28で蕎麦の生地が搬送される方向に直交する向きに長い刃101で、ローラー91と蕎麦の生地を挟み込んで切断するカッター32とをさらに設け、カッター32が蕎麦の生地を切断する場合、ベルトコンベア28および刃受けローラー91を停止させることができる。このように、店舗での蕎麦麺の押し出し成形に適した形状の蕎麦生地を製造することができる。
ベルトコンベア28の排出する側の端部と交差するように設けられている、ベルトコンベア28の搬送の向きと直交する向きに搬送するベルトコンベア30と、カッター32で切断された蕎麦の生地をベルトコンベア30上に止めるストッパー31とをさらに設けることができる。このようにすることで、より安定して、店舗での蕎麦麺の押し出し成形に適した蕎麦生地を製造することができる。
また、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。