JP6828887B2 - ゴム接合体およびその製造方法 - Google Patents

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本発明は、被接合基材が加硫硬化して、ゴム接合基材へ直接的な結合によって接合されたゴム接合体に関するものである。
シリコーン材料やフッ素ゴム材料やエチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体(EPDM)材料のような高分子樹脂で形成された第一基材と、金属、高分子樹脂、架橋ゴム、ガラス又はセラミックスのような異種の材料で形成された第二基材とは、物理化学的性質が大きく異なったり何れも粘着性や接着性を有しなかったりするため、単に接触させただけでは、接着や粘着ができない。流動性の硬化性接着剤を使用して接着した場合でも、その接着力は分子間力によるため非常に弱い。基材の材料が変われば適切な接着剤も変わるため、最適な接着剤の選定は、試行錯誤により行わなければならず、大変な手間がかかっていた。
接着剤でこれら両基材を確実に接着するには、接着剤と両基材との濡れ性が最も重要な要因であるので、流動性の硬化性接着剤を介して両基材同士を当接させてから接着剤を硬化させることにより、行われる。
分子間力は温度・湿度・光などの環境の影響を強く受けるため、接着剤による接着力は、環境の変化で次第に容易く低下したり消滅したりする。また、接着剤での接着の再現性が無く同一特性の接着体が得られなかったり、接着技術者の経験や能力で接着体の品質がばらついたり、乾燥や硬化の工程などでの様々な因子の制御が困難であって大量生産に向かなかったりして、生産性が悪いという問題がある。
非金属基材と金属基材とを接着剤より遥かに強く確りと接着させた積層体として、特許文献1に、非金属の表面のヒドロキシ基の脱水素残基に活性シリル基をシリルエーテル結合させた接着用非金属基材と、それを被覆する金属の表面のヒドロキシ基の脱水素残基に別な活性シリル基をシリルエーテル結合させた接着用金属基材とが、両基材の夫々の活性シリル基に結合し得る反応性基を露出させたシリコーンゴム接着剤層を挟み込みつつ、その結合によって接着している積層基板が、開示されている。
このような積層基板の非金属基材と金属基材とは、両基材に活性シリル基をシリルエーテル結合させつつ、シリコーンゴム接着剤層を介して間接的に接着したものであるため、構成が複雑であり、多数の工程を経なければ製造できず、煩雑であるうえ、シリコーンゴム接着剤の物性による耐熱性や引張強度や剥離強度の向上が求められていた。
また、シリコーン接合基材と被接合基材とを予め形成してから接合すると、その表面の窪みや盛上がりのような凹凸に応じて、接合時に凹凸の角縁に隙間を生じ、空気を巻き込んで残存させたまま接合してしまい、両基材の接合表面同士での不均一な接合によって、接合体の物性が部位によってばらついてしまうという問題があった。
特開2009−56791号公報
本発明は前記の課題を解決するためになされたもので、ゴム接合基材と被接合基材とを、従来よりも遥かに強く確りと接合させて、熱劣化が小さく耐熱性に優れ、引張られても剥がれたり裂けたりせず、凹凸があっても空気を巻き込んだまま残存させてしまう不都合がなく、均質で高品質なゴム接合体、及びその製造方法を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するためになされた本発明のゴム接合体は、不飽和基、ヒドロシリル基、水酸基、及び加水分解性基から選ばれる少なくとも何れかの反応性基を含有し触媒にて付加架橋するゴム原材料化合物を含むゴム原材料組成物(但し、フッ素ゴムを除く)が硬化したゴム状硬化物を含んで形成されているゴム接合基材、接合側表面に不飽和基、ヒドロシリル基、水酸基、及び加水分解性基から選ばれる少なくとも何れかの官能性基を有する分子接着剤分子のみを結合して有しつつ金属含有架橋触媒が担持された深さ1.0mmまでの溝及び/又は凹凸を有する被接合基材、前記反応性基と前記官能性基との少なくとも何れかが前記不飽和基を有することによって前記反応性基と前記官能性基とでその前記不飽和基を介した共有結合によって、架橋して接合しており、プレス接合体であることを特徴とする。
ゴム接合体は、前記ゴム原材料化合物が、前記反応性基と前記官能性基との少なくとも何れかの前記不飽和基を、炭素−炭素二重結合、及び/又は炭素−炭素三重結合とするものであってもよい。
ゴム接合体は、前記官能性基が、前記被接合基材の被接着原料基材の表面に有し又はその表面で増幅された表面活性基と、前記表面活性基に分子接着分子が結合した分子接着性活性基との少なくとも何れかであることが好ましい。
ゴム接合体は、前記被接着原料基材の接合側表面と前記被接合基材の接合側表面との少なくとも何れかが、コロナ放電処理表面、プラズマ処理表面、紫外線処理表面、及び/又はエキシマ処理表面であってもよい。
ゴム接合体は、例えば前記ゴム接合基材が、前記ゴム状硬化物を、軟性シリコーン樹脂及びシリコーンゴムから選ばれるシリコーン硬化物、及び/又はエチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体硬化物とするものである。
ゴム接合体は、前記ゴム原材料化合物が、付加架橋型軟性シリコーン樹脂原材料化合物、付加架橋型シリコーンゴム原材料化合物、及び/又はエチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体であると好ましい。
ゴム接合体は、例えば、前記被接合基材が、天然ゴム、合成ゴム、又は樹脂、若しくは金属、半金属、合金、ガラス、又はセラミックスなどから選ばれるものである。
ゴム接合体は、例えば、前記金属含有架橋触媒が、白金、ロジウム、パラジウム、錫、鉄、及びコバルトから選ばれるいずれかの金属を含有するものである。
ゴム接合体は、前記金属含有架橋触媒が、前記ゴム接合基材のベースポリマー100質量部に対して、0.1〜1000)×10 −6 質量部であり、好ましくは1〜100質量部であるというものである。
ゴム接合体は、前記ゴム原材料組成物が、前記金属含有架橋触媒と同種又は異種の金属含有硬化触媒を含んでいてもよい。
ゴム接合体は、例えば、前記金属含有硬化触媒が、白金、ロジウム、パラジウム、錫、鉄、及びコバルトから選ばれるいずれかの金属を含有するものである。
前記の目的を達成するためになされた本発明のゴム接合体の製造方法は、不飽和基、ヒドロシリル基、水酸基、及び加水分解性基から選ばれる少なくとも何れかの反応性基を含有し触媒にて付加架橋するゴム原材料化合物を含むゴム原材料組成物(但し、フッ素ゴムを除く)を調製する工程、
接合側表面に不飽和基、ヒドロシリル基、水酸基、及び加水分解性基から選ばれる少なくとも何れかの官能性基を有する分子接着剤分子のみを結合してし深さ1.0mmまでの溝及び/又は凹凸を有する被接着原料基材に、前記接合側表面で、金属含有架橋触媒を付して担持させる工程、
前記被接着原料基材に、前記接合側表面で、前記ゴム原材料組成物を塗布、塗工、噴霧、浸漬、又は金型中で流し込んで付し、被接合基材未架橋前駆体を調製する工程、
前記ゴム原材料組成物をプレスしながら硬化させて、それが硬化したゴム状硬化物を含んで形成されているゴム接合基材を形成させて、前記被接合基材と前記被接合基材とを、前記反応性基と前記官能性基との少なくとも何れかが前記不飽和基を有することによって前記反応性基と前記官能性基とでその前記不飽和基を介した共有結合によって、架橋して接合させて、プレス接合体であるゴム接合体を調製する工程
を有していることを特徴とする。
ゴム接合体の製造方法は、前記被接着原料基材の接合側表面と前記被接合基材の接合側表面との少なくとも何れかに、コロナ放電処理、プラズマ処理、紫外線処理、及び/又はエキシマ処理を施す工程を有するというものである。
本発明のゴム接合体は、金属含有架橋触媒が担持された被接合基材上で、ゴム原材料化合物が硬化したゴム状硬化物を含んで形成されているゴム接合基材が、加硫硬化して形成されると共に、被接合基材と共有結合を介して接合している。それによって、硬化性接着剤を用いなくとも、ゴム接合基材と、被接合基材とが、夫々の素材や物性等に依らず、また表面の凹凸の程度に依らず、直接的な結合によって強固に架橋して接合されたものである。
本発明のゴム接合体は、ゴム接合基材をなすゴム状硬化物が、軟性シリコーン樹脂やシリコーンゴムのようなシリコーン硬化物、付加架橋型フッ素ゴム硬化物、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体硬化物であっても、ゴム接合基材と、被接合基材とが、直接的な結合によって強固に架橋して接合する。
このゴム接合体は、予め形成された被接合基材上で、ゴム原材料組成物が架橋硬化してゴム状硬化物を形成しつつ、ゴム原材料組成物中のゴム原材料化合物の反応性基と、被接合基材上の接合面側の官能性基とが、架橋しながら共有結合を形成して、接合基材と被接合基材とが、接合したものである。
このとき、ゴム接合体は、ゴム接合基材と被接合基材とが、少なくとも何れか一方に有する不飽和基を介した、直接的な共有結合、例えば付加的反応による共有結合を形成することにより、接合基材と被接合基材とが、分子間力よりも強い共有結合を介して、接合している。
ゴム接合体は、共有結合である直接的な化学結合により、ゴム接合基材と、同種若しくは異種の天然ゴム、合成ゴム、樹脂又は、金属、半金属、合金、ガラス、及びセラミックスから選ばれる被接合基材とを共有結合によって強固に接合しているから、撓みや過酷な温度変化によっても剥離を生じない。また、ゴム接合体は、流動性の硬化性接着剤に依らずに、接合基材と被接合基材との間で、直接結合を介するだけで接合しているので、その接合面でそれらの混合物がはみ出たりそれの硬化物層で剥離したりする恐れがない。しかも接合基材と被接合基材とが、平面であっても凹凸を有する複雑な立体形状であっても、空気を巻き込むことなく、均等かつ強固に接合されている。
このゴム接合体は、ゴム接合基材と被接合基材との直接的な共有結合により、流動性の硬化性接着剤の分子間力による接着よりも、遥かに強く確りと、両基材を接合しているというものである。
そのためゴム接合体は、接合界面が直接的な共有結合だけで接合したものであるから、接合界面での熱劣化が小さく耐熱性に優れ、引張られても剥がれたり裂けたりしない。
このゴム接合体の製造方法によれば、生産性が高く、簡素な工程でも精密に、大量製造が可能である。
本発明を適用するゴム接合体と本発明を適用外のゴム接合体の各断面を示す顕微鏡写真である。 本発明を適用する別なゴム接合体と本発明を適用外の別なゴム接合体の各断面を示す顕微鏡写真である。
以下、本発明を実施するための形態を詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの形態に限定されるものではない。
本発明のゴム接合体は、反応性基を含有するゴム原材料化合物を含むゴム原材料組成物が硬化したゴム状硬化物を含んで形成されているゴム接合基材と、接合側表面に官能性基を有しつつ金属含有架橋触媒が担持された被接合基材とが、ゴム状硬化物の反応性基と被接合基材の官能性基とを介した共有結合によって、接合している。
被接合基材は、予め形成されたもので、接合側表面に不飽和基、ヒドロシリル基、水酸基、及び加水分解性基から選ばれる少なくとも何れかの官能性基を有しつつ、その官能性基に配位し、イオン結合又は共有結合し、吸着し、若しくは付着して金属含有架橋触媒が担持されている。
ゴム接合基材は、不飽和基、ヒドロシリル基、水酸基、及び加水分解性基から選ばれる少なくとも何れかの反応性基を含有するゴム原材料化合物を含む材料組成物を、被接合基材上で硬化させ、ゴム状硬化物を含んで、段階的に事後的に、形成されている。
被接合基材は、被接合基材の表面に露出している官能性基と、材料組成物に含まれていたものでゴム原材料化合物に由来しているゴム接合基材中のゴム状硬化物の反応性基との少なくとも何れかの不飽和基を介した共有結合によって、接合したものである。
例えば、ゴム接合基材は、ゴム接合基材中のゴム状硬化物の反応性基不飽和基である場合、被接合基材の表面に露出している官能性基が、不飽和−不飽和付加反応する不飽和基、不飽和基に付加して炭素−酸素結合を形成する水酸基又は不飽和基にヒドロシリル付加して炭素−珪素結合を形成するヒドロシリル基であることによって、ゴム接合基材と、被接合基材とが、官能性基及び反応性基を介した共有結合によって、接合しているものである。
ゴム接合基材は、ゴム接合基材中のゴム状硬化物の反応性基が、不飽和基に付加して炭素−酸素結合を形成する水酸基、又は不飽和基にヒドロシリル付加して炭素−珪素結合を形成するヒドロシリル基である場合、被接合基材の表面に露出している官能性基が、不飽和基であることによって、ゴム接合基材と、被接合基材とが、官能性基及び反応性基を介した共有結合によって、接合しているものであってもよい。
被接合基材の表面に露出している官能性基が水酸基である場合、被接合基材の表面に元来有している水酸基であってもよく、被接着原料基材及び/又は被接合基材の上面で表面に、予めコロナ放電処理、プラズマ処理、紫外線照射処理、又はエキシマ処理のような表面活性化処理が施されることによって官能性基として新たに生成されて増幅された水酸基であってもよい。
被接合基材の表面に露出している官能性基が不飽和基及び/又はヒドロシリル基である場合、被接合基材の表面の元来有している水酸基及び/又は増幅された水酸基に、不飽和基及び/又はヒドロシリル基及び/又は水酸基を有する分子接着剤分子が結合して、更に表面改質されることによってこの官能性基が形成されたものであってもよい。
分子接着剤は、不飽和基を有するものとして、例えばビニルアルコキシシリル基を有するビニルアルコキシシランユニットが2〜6ユニットのシランカップリング剤で例示されるビニル基及びアルコキシ基含有シラン化合物;ビニル基及びアセトキシ含有シラン化合物;スチリル基及びアルコキシ基含有シラン化合物;(メタ)アクリル基及びアルコキシ基含有シラン化合物;アリル基及びアルコキシ含有シラン化合物、アルキニル基及びアルコキシ基含有シラン化合物であるというものである。
不飽和基を有する分子接着剤は、より具体的には、ビニルトリメトキシシラン(KBM-1003)、ビニルトリエトキシシラン(KBE-1003)で例示されるビニルアルコキシシロキサンポリマーのようなシランカップリング剤;p−スチリルトリメトキシシラン(KBM-1403)のようなスチリル基及びアルコキシ基含有シラン化合物;3−メタクリロキシメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン(KBM-502)、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(KBM-503)、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン(KBE-502)、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン(KBE-503)、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン(KBM-5103)ような(メタ)アクリル基及びアルコキシ基含有シラン化合物(以上、何れも信越シリコーン株式会社製;商品名);
ビニルトリアセトキシシラン(Z-6075)のようなビニル基及びアセトキシ含有シラン化合物;アリルトリメトキシシラン(Z-6825)(以上、何れも東レ・ダウコーニング株式会社製;商品名)で例示されるアリル基及びアルコキシ含有シラン化合物;が挙げられ、
(C2H5O)3SiCH2CH=CH2
(CH3O)3SiCH2CH2CH=CH2
(C2H5O)3SiCH2CH2CH=CH2
(CH3O)3SiCH2CH2CH2CH2CH=CH2
(C2H5O)3SiCH2CH2CH2CH2CH=CH2
(C2H5O)3SiCH2CH2CH2CH2CH2CH2CH=CH2
(CH3O)3SiCH2(CH2)7CH=CH2
(C2H5O)2Si(CH=CH2)OSi(OC2H5)CH=CH2
(CH3O)3SiCH2CH2C6H4CH=CH2
(CH3O)2Si(CH=CH2)O[SiOCH3(CH=CH2)O]t1Si(OCH3)2CH=CH2
(C2H5O)2Si(CH=CH2)O[SiOC2H5(CH=CH2)O]t2Si(OC2H5)3
(C2H5O)3SiCH2CH2CH2Si(CH3)2OSi(CH3)2CH2CH2[Si(CH3)2O]t3CH=CH2
(CH3O)3SiCH2CH2CH2Si(CH3)2OSi(CH3)2CH2CH2[Si(CH3)2O]t4CH=CH2
CH3O(CH3)2SiCH2CH2CH2Si(CH3)2OSi(CH3)2CH2CH2[Si(CH3)2O]t5CH=CH2
(C2H5O)2CH3SiCH2CH2CH2Si(CH3)2OSi(CH3)2CH2CH2[Si(CH3)2O]t6CH=CH、
(C2H5O)3SiCH2CH2CH2Si(CH3)2OSi(CH3)2CH2CH2[Si(CH3)2O]t7CH=CH、
(C2H5O)3SiCH2CH2CH2Si(CH3)2OSi(CH3)2CH2CH2(Si(CH3)3O)Si(CH3)O[SiCH3(-)O]u1Si(CH3)3CH=CH2
(C2H5O)3SiCH2CH2CH2Si(CH3)2OSi(CH3)2CH2CH2(Si(CH3)3O)Si(CH3)O[SiCH3(-)O]u2[Si(CH3)2O]t8Si(CH3)3CH=CH2
(C2H5O)2Si(CH=CH2)O[SiCH3(OC2H5)O]u3Si(OC2H5)2CH=CH2
(C2H5O)2Si(CH=CH2)O[Si(OC2H5)2O]u4Si(OC2H5)2CH=CH2
(C2H5O)2Si(CH=CH2)O[Si(OC2H5)2O]u5Si(OC2H5)2CH=CH2
(C2H5O)3SiCH=CHSi(OC2H5)3
も挙げられる。これらの基中、t1〜t8及びu1〜u5は1〜30までの数である。一つの分子に、ビニル基を、1〜30個有していることが好ましい。下記化学式
R2(OR1-)2-Si-O-[(CH2=CH-)(OR1-)Si-O]n-Si(-OR1)2R3
(式中、nは1〜20の数、R1はCaH2a+1でありそのaは1〜3の数、R2及びR3はCH3又はCH2=CH)で表されるビニル基含有アルコキシシロキサン、例えばCH2=CH-Si(OCH3)2-O-[Si(OCH3)2-O-]n-Si(OCH3)2-CH=CH2 (n=1.8〜5.7)や、CH2=CH(CH3)2SiO[SiCH=CH2(CH3)O]e[Si(R4)R5O]fSi(CH3)2CH=CH2(R4及びR5は、炭素数1〜12のアルキル基、アルケニル基、アルキルオキシ基、フッ素置換アルキル基;アラルキル基;アリール基であり、eは1〜80の数、fは0〜80の数)、
CH2=CHSi(OCH3)2O[SiOCH3(CH=CH2)O]x5Si(OCH3)2CH=CH2 (但し、x5=1〜30)、
CH2=CHSi(CH3)2O[Si(CH3)2O]y3[Si(R6)2O]x6Si(CH3)2CH=CH2(但し、R6=CH3−,C2H5−,C6H5−,又はCF3CH2CH3−、x6=0〜2100、y3=0〜2100)、
(CH3)3SiO[Si(CH3)2O]y4[SiCH3(CH=CH2)O]x7Si(CH3)3(但し、x7=0〜2100、y4=0〜2100)、
(CH3)3SiO[Si(CH3)2O]y5[SiCH3(CH=CH2)O]x8[SiCH3(R7)O]z1Si(CH3)3(R7=CH3−,C2H5−,C6H5−,又はCF3CH2CH3−、x8=0〜2100、y5=0〜2100、z1=0〜2100)
であってもよい。
分子接着剤は、ヒドロシリル基を有するものとして、例えばH(CH3)2SiO[SiH(CH3)O]g[Si(R8)R9O]hSi(CH3)2H(R8及びR9は、炭素数1〜12のアルキル基、アルケニル基、アルキルオキシ基、フッ素置換アルキル基;アラルキル基;アリール基;HSi(CH3)2O-であり、gは1〜80の数、hは0〜80の数)で表わされるものであり、(CH3O)3SiCH2CH2CH2Si(CH3)2OSi(CH3)2H、
(C2H5O)3SiCH2CH2CH2Si(CH3)2OSi(CH3)2H、
(CH3O)3SiCH2CH2CH2Si(OCH3)2OSi(OCH3)3
(C2H5O)3SiCH2CH2CH2Si(OCH3)2OSi(OCH3)3
(C2H5O)3SiCH2CH2CH2Si(CH3)2H、
(CH3O)3SiCH2CH2CH2Si(CH3)2H、
(i-C3H7O)3SiCH2CH2CH2Si(CH3)H
(n-C3H7O)3SiCH2CH2CH2Si(CH3)2OSi(CH3)2CH2CH2Si(CH3)2Si(CH3)2H、
(n-C4H9O)3SiCH2CH2CH2Si(CH3)2OSi(CH3)2H、
(t-C4H9O)3SiCH2CH2CH2Si(CH3)2OSi(CH3)2H、
(C2H5O)2CH3SiCH2CH2CH2Si(CH3)2OSi(CH3)2H、
(CH3O)2CH3SiCH2CH2CH2Si(CH3)2OSi(CH3)2CH2CH2Si(CH3)2Si(CH3)2H、
CH3O(CH3)2SiCH2CH2CH2Si(CH3)2OSi(CH3)2H、
(C2H5O)3SiCH2CH2CH2Si(CH3)2OSi(CH3)2H、
(n-C3H7)3SiCH2CH2CH2Si(CH3)2OSi(CH3)2H、
(i-C3H7O)3SiCH2CH2CH2Si(CH3)2OSi(CH3)2H、
(n-C4H9)3SiCH2CH2CH2Si(CH3)2OSi(CH3)2H、
(t-C4H9O)3SiCH2CH2CH2Si(CH3)2OSi(CH3)2H、
(C2H5O)3SiCH2CH2Si(CH3)2OSi(CH3)2H、
(C2H5O)3SiCH2CH2CH2CH2Si(CH3)2OSi(CH3)2H、
(C2H5O)3SiCH2CH2CH2CH2CH2CH2Si(CH3)2OSi(CH3)2H、
(C2H5O)3SiCH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2Si(CH3)2OSi(CH3)2H、
(CH3O)3SiCH2C6H4CH2CH2Si(CH3)2C6H4Si(CH3)2H、
(CH3O)2CH3SiCH2C6H4CH2CH2Si(CH3)2C6H4Si(CH3)2H、
CH3O(CH3)2SiCH2C6H4CH2CH2Si(CH3)2C6H4Si(CH3)2H、
(C2H5O)3SiCH2C6H4CH2CH2Si(CH3)2C6H4Si(CH3)2H、
(C2H5O)3SiCH2CH2CH2Si(CH3)2C6H4OC6H4Si(CH3)2H、
(C2H5O)3SiCH2CH2CH2Si(CH3)2C2H4Si(CH3)2H、
(C2H5O)3SiCH2CH2CH2Si(CH3)2O[Si(CH3)2O]p1Si(CH3)2H、
C2H5O(CH3)2SiCH2CH2CH2Si(CH3)2O[Si(CH3)2O]p2Si(C2H5)2H、
(C2H5O)2CH3SiCH2CH2CH2Si(CH3)2O[Si(CH3)2O]p3Si(CH3)2H、
(CH3)3SiOSiH(CH3)O[SiH(CH3)O]p4Si(CH3)3
(CH3)3SiO[(C2H5OSi(CH3)CH2CH2CH2)SiCH3]O[SiH(CH3)O]p5Si(CH3)3
(CH3)3SiO[(C2H5OSiOCH3CH2CH2CH2)SiCH3]O[SiH(CH3)O]p6Si(CH3)3
(CH3)3SiO[(C2H5OSi(CH3)CH2CH2CH2)SiCH3]O[SiH(CH3)O]p7Si(CH3)3
(CH3)3SiO[(Si(OC2H5)2CH2CH2CH2)SiCH3]O[SiH(CH3)O]p8Si(CH3)3
(CH3)3SiOSi(OC2H5)2O[SiH(CH3)O]p9[Si(CH3)2O]q1Si(CH3)3
(CH3)3SiO[(C2H5Osi(CH3)CH2CH2CH2CH2CH2CH2)Si(CH3)O][SiH(CH3)O]p10[Si(CH3)2O]q2Si(CH3)3
(CH3)3SiO[(Si(OCH3)3CH2CH2CH2CH2CH2CH2)Si(CH3)O][SiH(CH3)O]p11[Si(CH3)2O]q3Si(CH3)3
(CH3)3SiOSi(OC2H5)2O[SiH(C2H5)O]p12Si(CH3)3
(CH3)3SiO[(Si(OC2H5)2CH2CH2CH2CH2CH2CH2)Si(C2H5)]O[SiH(C2H5)O]p13Si(CH3)3
(CH3)3SiO[(C2H5OSi(CH3)CH2CH2CH2CH2CH2CH2)Si(C2H5)]O[SiH(C2H5)O]p14Si(CH3)3
C2H5OSi(CH3)2CH2CH2CH2CH2CH2CH2(CH3)2SiO[HSi(CH3)2OSiC6H5O]p15Si(CH3)2H、
Si(OCH3)3CH2CH2CH2CH2CH2CH2(CH3)2SiO[HSi(CH3)2OSiC6H5O]p16Si(CH3)2H、
H(CH3)2SiO[(C2H5OSi(CH3)2CH2CH2CH2)Si(CH3)O][HSiCH3O]p17Si(CH3)2H、
H(CH3)2SiO[(C2H5OSi(CH3)2CH2CH2CH2CH2)Si(CH3)O][HSiCH3O]p18Si(CH3)2H、
H(CH3)2SiO[(C2H5OSi(CH3)2CH2CH2CH2CH2CH2CH2)Si(CH3)O][HSiCH3O]p19Si(CH3)2H、
H(CH3)2SiO[(C2H5OSi(CH3)2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2)Si(CH3)O][HSiCH3O]p20Si(CH3)2H、
H(CH3)2SiO[(C2H5OSi(CH3)2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2)Si(CH3)O][HSiCH3O]p21Si(CH3)2H、
H(CH3)2SiO[(Si(OCH3)3CH2CH2C6H4CH2CH2)Si(CH3)O][HSiCH3O]p22Si(CH3)2H、
H(CH3)2SiO[(Si(OCH3)3CH2C6H4CH2CH2CH2)Si(CH3)O][HSiCH3O]p23Si(CH3)2H、
H(CH3)2SiO[(Si(OCH3)3CH2C6H4CH2CH2)Si(CH3)O][HSiCH3O]p24Si(CH3)2H、
H(CH3)2SiO[(Si(OCH3)3C6H4CH2CH2)Si(CH3)O][HSiCH3O]p25Si(CH3)2H、
H(CH3)2SiO[(Si(OCH3)3CH2CH2CH2)Si(CH3)O][HSiCH3O]p26Si(CH3)2H、
H(CH3)2SiO[(Si(OCH3)3CH2CH2CH2CH2)Si(CH3)O][HSiCH3O]p27Si(CH3)2H、
H(CH3)2SiO[(Si(OCH3)3CH2CH2CH2CH2CH2CH2)Si(CH3)O][HSiCH3O]p28Si(CH3)2H、
H(CH3)2SiO[(Si(OCH3)3CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2)Si(CH3)O][HSiCH3O]p29Si(CH3)2H、
H(CH3)2SiO[(Si(OCH3)3CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2)Si(CH3)O][HSiCH3O]p30Si(CH3)2H、
H(CH3)2SiO[(Si(OCH3)3CH2CH2C6H4CH2CH2)Si(CH3)O][HSiCH3O]p31Si(CH3)2H、
H(CH3)2SiO[(Si(OCH3)3CH2C6H4CH2CH2CH2)Si(CH3)O][HSiCH3O]p32Si(CH3)2H、
H(CH3)2SiO[(Si(OCH3)3CH2C6H4CH2CH2)Si(CH3)O][HSiCH3O]p33Si(CH3)2H、
H(CH3)2SiO[(Si(OCH3)3C6H4CH2CH2)Si(CH3)O][HSiCH3O]p34Si(CH3)2H、
H(CH3)2SiO[(Si(OCH3)3CH2CH2C6H4CH2CH2)Si(CH3)O][HSiCH3O]p35Si(CH3)2H、
H(CH3)2SiO[(CH3O)Si(CH3)CH2CH2CH2CH2CH2CH2Si(CH3)2OSiC6H5O]p36[HSi(CH3)2OSiC6H5O]q4Si(CH3)2H、
H(CH3)2SiO[Si(OCH3)2CH2CH2CH2CH2CH2CH2Si(CH3)2OSiC6H5O]p37[HSi(CH3)2OSiC6H5O]q5Si(CH3)2H、
C2H5O(CH3)2SiO[SiH(CH3)O]p38[SiCH3(C6H5)O]q6Si(CH3)2H、
Si(OC2H5)3CH2CH2CH2CH2CH2CH2(CH3)2SiO[SiH(CH3)O]p39[SiCH3(C6H5)O]q7Si(CH3)2H、
C2H5OSi(CH3)2CH2CH2CH2CH2CH2CH2(CH3)2SiO[SiH(CH3)O]p40[SiCH3(C6H5)O]q8Si(CH3)2H、
H(CH3)2SiO(C2H5O)Si(CH3)O[SiH(CH3)O]p41[SiCH3(C6H5)O]q9Si(CH3)2H、
H(CH3)2SiO[Si(OC2H5)3CH2CH2CH2Si(CH3)]O[SiH(CH3)O]p42[SiCH3(C6H5)O]q10Si(CH3)2H
であってもよい。これらの基中、p1〜p42及びq1〜q10は1〜100までの数である。一つの分子に、ヒドロシリル基を、1〜99個有していることが好ましい。
分子接着剤は、水酸基、又は加水分解して水酸基を生じる加水分解性基を有するものとして、例えば加水分解性基含有シリル基を含有するアルコキシシリル化合物、例えば、
CH3Si(OCOCH3)3、(CH3)2Si(OCOCH3)2、n-C3H7Si(OCOCH3)3、CH2=CHCH2Si(OCOCH3)3、C6H5Si(OCOCH3)3、CF3CF2CH2CH2Si(OCOCH3)3、CH2=CHCH2Si(OCOCH3)3、CH3OSi(OCOCH3)3、C2H5OSi(OCOCH3)3、CH3Si(OCOC3H7)3、CH3Si[OC(CH3)=CH2]3、(CH3)2Si[OC(CH3)=CH2]3、n-C3H7Si[OC(CH3)=CH2]3、CH2=CHCH2Si[OC(CH3)=CH2]3、C6H5Si[OC(CH3)=CH2]3、CF3CF2CH2CH2Si[OC(CH3)=CH2]3、CH2=CHCH2Si[OC(CH3)=CH2]3、CH3OSi[OC(CH3)=CH2]3、C2H5OSi[OC(CH3)=CH2]3、CH3Si[ON=C(CH3)C2H5]3、(CH32Si[ON=C(CH3)C2H5]2、n-C3H7Si[ON=C(CH3)C2H5]3、CH2=CHCH2Si[ON=C(CH3)C2H5]3、C6H5Si[ON=C(CH3)C2H5]3、CF3CF2CH2CH2Si[ON=C(CH3)C2H5]3、CH2=CHCH2Si[ON=C(CH3)C2H5]3、CH3OSi[ON=C(CH3)C2H5]3、C2H5OSi[ON=C(CH3)C2H5]]3、CH3Si[ON=C(CH3)C2H5]3、CH3Si[N(CH3)]3、(CH3)2Si[N(CH3)]2、n-C3H7Si[N(CH3)]3、CH2=CHCH2Si[N(CH3)]3、C6H5Si[N(CH3)]3、CF3CF2CH2CH2Si[N(CH3)]3、CH2=CHCH2Si[N(CH3)]3、CH3OSi[N(CH3)]3、C2H5OSi[N(CH3)]3、CH3Si[N(CH3)]3などの昜加水分解性オルガノシランであってもよい。
分子接着剤は、有機アルミネート、無機アルミネート、有機チタネート、無機チタネート、トリアジン環含有化合物、CH2=CH-Si(-OCH3)3(ビニルメトキシシロキサン:VMS)、CH2=CH-Si(-OC2H5)3、CH2=CH-Si(-OC3H7)3のようなシランカップリング剤で反応性が高められていてもよい。
金属含有架橋触媒が担持される前の被接着原料基材の接合側表面と、金属含有架橋触媒が担持された後の被接合基材の接合側表面との少なくとも何れかが、コロナ放電処理、プラズマ処理、紫外線照射処理、又はエキシマ処理のような表面活性化処理が施されることによって活性化されていてもよい。
これらの不飽和基は、炭素−炭素二重結合を有しアルキル基等の置換基を更に有していてもよいエチレン基やプロぺニル基のようなアルケニル基、又は炭素−炭素三重結合を有しアルキル基等の置換基を更に有していてもよいアセチレン基やプロパルギル基のようなアルキニル基が挙げられる。
ゴム接合体は、接合側表面に官能性基を有しつつ金属含有架橋触媒が担持された被接合基材と、ゴム原材料化合物を含むゴム原材料組成物が硬化したゴム状硬化物を含んで形成されているゴム接合基材とが、不飽和結合を介した共有結合を形成し、両基材が化学的に結合している。
ゴム接合体は、被接合基材が如何なる形状であっても、表面に如何なる凹凸を有するものであっても、その上に隙間なくゴム原材料組成物を付して硬化させることができるから、空気を巻き込んだ隙間を生じない。そのため、被接合基材は、平面形状でも複雑な立体形状であってもよく、例えばブロック、板、シート、フィルム、角棒、丸棒、球、半球、繊維、網などの形状が挙げられ、如何なる形状でもゴム接合基材と強固に接着される。
シリコーン原材料組成物中、ゴム原材料化合物としてシリコーン原材料化合物、例えばシリコーン樹脂及びシリコーンゴムから選ばれるシリコーンであるシリコーン硬化物となるゴム状硬化物を形成する付加架橋型シリコーンが挙げられる。このようなゴム原材料組成物の一例であるシリコーン原材料組成物は、Pt触媒存在下で合成したビニルメチルシロキサン/ポリジメチルシロキサンコポリマー(分子量:50万〜90万)、ビニル末端ポリジメチルシロキサン(分子量:1万〜20万)、ビニル末端ジフェニルシロキサン/ポリジメチルシロキサンコポリマー(分子量:1万〜10万)、ビニル末端ジエチルシロキサン/ポリジメチルシロキサンコポリマー(分子量:1万〜5万)、ビニル末端トリフロロプロピルメチルシロキサン/ポリジメチルシロキサンコポリマー(分子量:1万〜10万)、ビニル末端ポリフェニルメチルシロキサン(分子量:0.1万〜1万)、ビニルメチルシロキサン/ジメチルシロキサンコポリマー、トリメチルシロキサン基末端ジメチルシロキサン/ビニルメチルシロキサン/ジフェニルシロキサンコポリマー、トリメチルシロキサン基末端ジメチルシロキサン/ビニルメチルシロキサン/ジトリフロロプロピルメチルシロキサンコポリマー、トリメチルシロキサン基末端ポリビニルメチルシロキサンなどのビニル基含有ポリシロキサンと、H末端ポリシロキサン(分子量:0.05万〜10万)、メチルHシロキサン/ジメチルシロキサンコポリマー、ポリメチルHシロキサン、ポリエチルHシロキサン、H末端ポリフェニル(ジメチルHシロキシ)シロキサン、メチルHシロキサン/フェニルメチルシロキサンコポリマー、メチルHシロキサン/オクチルメチルシロキサンコポリマーのようなH基含有ポリシロキサンの組成物が挙げられる。
シリコーン原材料組成物中、シリコーン原材料化合物として、シリコーン樹脂及びシリコーンゴムから選ばれるシリコーンであるシリコーン硬化物たるゴム状硬化物を形成する水酸基含有付加型シリコーンとして、ポリアルキルシロキサン(Gelest製)などが挙げられる。
ゴム原材料組成物中、ゴム原材料化合物として付加架橋型フッ素ゴム原材料化合物、例えばビニリデンフルオライド、(VdF)、ヘキサフルオロプロピレン、トラフルオロエチレン(TFE)の少なくとも何れかのホモポリマー又はコポリマー;若しくはこれらの少なくともいずれかとエチレン及び/又はプロピレンとのコポリマー;などが挙げられる。
ゴム原材料組成物中、ゴム原材料化合物としてエチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体、例えばエチレンユニット及びプロピレンユニットと5−エチリデン−2−ノルボルネンユニットやジシクロペンタジエンユニットや1,4−ヘキサジエンユニットとを繰り返し単位として有し主鎖以外に不飽和基を有する共重合体などが挙げられる。
金属含有架橋触媒が、白金、ロジウム、パラジウム、錫、鉄、及びコバルトから選ばれるいずれかの金属を含有するものが挙げられ、より具体的には、これら金属の塩化物塩、硫酸塩などの金属塩、シロキサン有機物錯体、不飽和有機物錯体などの金属有機錯体が挙げられる。
例えば、金属含有架橋触媒として1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン白金(0)触媒(Pt(dvs))2.1−2.4%キシレン溶液(Gelest社製品)のような白金錯体を、白金換算で10〜1000ppmの濃度で含んでいる金属含有架橋触媒含有組成物を用いて、被接着原料基材に、塗布、塗工、噴霧、又は浸漬して、金属含有架橋触媒が担持された被接合基材を調製することが好ましい。この場合、
前記ゴム接合基材のベースポリマー100部に対して、白金元素量で0.1〜1000ppmであり、好ましくは1〜100ppmであることが好ましい。
ゴム原材料組成物が、金属含有架橋触媒と同種又は異種の金属含有硬化触媒として、金属含有架橋触媒で例示されてものを含んでいてもよい。
これらの組成物から付加型シリコーンを調製する加工条件は、付加反応の種類及び特性によって異なるので一義的には決められないが、一般には0〜200℃で、1分〜24時間加熱するというものである。これによりゴム接合基材として付加型シリコーンが得られる。低温の加工条件の方が、シリコーンの物性が良い場合には、反応時間が長くなる。物性よりも素早い生産性が要求される場合には、高温で短時間の加工条件で行われる。生産過程や作業環境によって、一定の時間内に加工しなければならない場合には、所望の加工時間に合わせ、加工温度を前記範囲内の比較的高い温度に設定して、行われる。
被接合基材は、特に限定されず、天然ゴム、合成ゴム、樹脂又は、金属、半金属、合金、ガラス、セラミックスなどから選ばれるものであってもよい。
被接合基材の素材の金属・合金として、金属分類上は通常の金属、機能性金属、アモロファス金属、繊維強化金属ブロック、形状記憶合金、超弾性合金などからなり、金属形状分類上は板、シート、フィルム、角棒、丸棒、球、半球、繊維、網、網線布、フィルム、シート及びこれらの複雑回路形状、打抜き及び切削加工成形品を含み、周期律表上はベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ラジウム、スカンジウム、イットリウム、チタン、ジルコニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、鉄、コバルト、ロジウム、イリジウム、ニッケル、パラジウム、プラチナ、銅、銀、金、亜鉛、カドミウム、水銀、アルミニウム、ゲルマニウム、スズ、鉛、アンチモン、ビスマス、ネオジムの何れかであり、合金組成上は鉄合金(鋼(スチール)、炭素鋼、鋳鉄)、銅合金(りん青銅、黄銅、キュプロニッケル、ベリリウム銅、チタン銅)、アルミニウム合金(銅、マンガン、珪素、マグネシウム、亜鉛、ニッケル合金など)、マグネシウム合金(Mg/Zn合金、Mg/Ca合金など)、亜鉛合金、錫及び錫合金、ニッケル合金、金合金、銀合金、白金合金、パラジウム合金、鉛合金、チタン合金(α型、β型及びα+β型合金)、カドミウム、ジルコニウム合金、コバルト合金、クロム合金、モリブデン合金、タングステン合金、マンガン合金、フェライト系ステンレス、マルテンサイト系ステンレス、オースチナイト系ステンレス、析出強化型ステンレス、ニッケル−チタン合金、鉄−マンガン−チタン合金、超弾性合金(ニッケル−チタン合金)などの材料が、挙げられる。
被接合基材の素材の半金属として、シリコン板が挙げられる。
被接合基材の素材のガラスとして、石英、硼珪酸ガラス、無アルカリガラスが挙げられる。
被接合基材の素材のセラミックスとして、陶磁器、ガラス、セメント、石膏及びほうろうなど高温で固めたものであり、組成上は元素系(ダイヤモンド、C)、酸化物系(アルミナ、Al)、ジルコニア系、水酸化物系(ハイドロキシアパタイト)、炭化物系(炭化ケイ素、SiC)、炭酸塩系、窒化物系(窒化ケイ素)(7ハロゲン化物系(蛍石)、リン酸塩系(アパタイト)も含み、具体的にはチタン酸バリウム、BiSrCaCu10、高温超伝導セラミックス、窒化ホウ素、フェライト、チタン酸ジルコン酸鉛、炭化ケイ素、窒化ケイ素、ステアタイト(MgOSiO)、YBaCu7−δ、高温超伝導セラミックス、酸化亜鉛、チッ化アルミニウム(AlN)、炭化ケイ素(SiC)、チッ化ケイ素(Si)、フォルステライト(2MgO・SiO)、ステアタイト(MgO・SiO)、コーディエライト(2MgO・2Al・5SiO)、サイアロン(Si・Al)、マシナブルセラミックス、ジルコン(ZrO・SiO)、チタン酸バリウム(BaTiO)、チタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr,Ti)O)、フェライト(MO・Fe)、ムライト(3Al・2SiO)などが挙げられ、Mg,Ti,Be,Ca,Li,Al,Mn,Zn,Cr,Ga,Fe,Cd,In,Ta,Co,Ni,Sn,Sb,Bi,Pb,Cu,及びAgなど金属材料の焼結体、これらの金属材料の二元合金の酸化物の焼結体、三元合金の酸化物の焼結体、多元合金の酸化物の焼結体であってもよく、ブロック、板、シート、フィルム、角棒、丸棒、球、半球、繊維、網などの形状や、繊維強化セラミックス及び炭素繊維強化炭素などの複合材料も含む。
被接合基材の素材の天然ゴム、合成ゴム、樹脂として、
前記と同様な付加架橋型シリコーン;ビニルメチルシリコーン(VMQ)、メチルフェニルシリコーン(PVMQ)、フルオロメチルシリコーン(FVMQ)、及びジメチルシリコーン(MQ)のようなシリコーン、パーオキサイド架橋型シリコーン、縮合架橋型シリコーン、紫外線架橋型シリコーン、電子線架橋型シリコーンゴムで例示されるシリコーン、これらのシリコーンとオレフィンとの共ブレンド物のようなシリコーン系高分子樹脂;
ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、s‐ポリスチレン、−ブタジエン−スチレン共重合体;ポリアミド;ポリメタクリアクリロニトリルル酸メチル;ポリフェニレンスルフィド;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート;ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマー、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、およびシリコーン(メタ)アクリレート、及びペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートのような(メタ)アクリル樹脂、エポキシ樹脂、セルロース及びその誘導体、ヒドロキシエチルセルロース、デンプン、二酢酸セルロース、表面ケン化酢酸ビニル樹脂、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、i−ポリプロピレン、石油樹脂、クマロン・インデン樹脂、テルペン樹脂、スチレン・ジビニルベンゼン共重合体、ABS樹脂、ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリルニトリル、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリシアノアクリレート、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルホルマール、ポリビニルアセタール、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル・エチレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン・エチレン共重合体、フッ化ビニリデン・プロピレン共重合体、1,4‐トランスポリブタジエン、ポリオキシメチレン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、フェノール・ホルマリン樹脂、クレゾール・フォルマリン樹脂、レゾルシン樹脂、メラミン樹脂、キシレン樹脂、トルエン樹脂、グリプタル樹脂、変性グリプタル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アリルエステル樹脂、6−ナイロン、6,6−ナイロン、6,10−ナイロン、ポリイミド、ポリアミド、ポリベンズイミダゾール、ポリアミドイミド、ケイ素樹脂、シリコーンゴム、シリコーン樹脂、フラン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリフェニレンオキサイド、ポリジメチルフェニレンオキサイド、ポリフェニレンオキサイドまたはポリジメチルフェニレンオキサイドとトリアリルイソシアヌルブレンド物、(ポリフェニレンオキサイドまたはポリジメチルフェニレンオキサイド、トリアリルイソシアヌル、パーオキサイド)ブレンド物、ポリキシレン、ポリフェニレンスルファイド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン、液晶樹脂、ケブラー繊維、炭素繊維、天然ゴム、ブタジエンゴム、1,4−シスブタジエンゴム、イソプレンゴム、イソブチレン−イソプレンゴム、ポリクロロプレン、スチレン・ブタジエン共重合ゴム、水素添加スチレン・ブタジエン共重合ゴム、アクリロニトリル・ブタジエン共重合ゴム、水素添加アクリロニトリル・ブタジエン共重合ゴム、ポリブテンゴム、ポリイソブチレンゴム、エチレン・プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、エチレンオキサイド−エピクロロヒドリン共重合体ゴム、塩素化ポリエチレンゴム、クロルスルフォン化ポリエチレンゴム、アルキル化クロルスルフォン化ポリエチレンゴム、クロロプレンゴム、アクリルゴム、塩素化アクリルゴム、臭素化アクリルゴム、フッ化ビニリデン系やテトラフルオロエチレン−プロピレン系(やテトラフルオロエチレン−パープルオロビニルエーテル系のようなフッ素ゴム、エピクロルヒドリンとその共重合ゴム、塩素化エチレンプロピレンゴム、塩素化ブチルゴム、臭素化ブチルゴム、テトラフロロエチレン、ヘキサフロロプロピレン、フッ化ビニリデン及びテトラフルオロエチレンなどの単独重合体ゴム及びこれらの二元及び三元共重合体ゴム、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合ゴム、プロピレン/テトラフルオロエチレン共重合ゴム、エチレンアクリルゴム、エポキシゴム、ウレタンゴム;
が挙げられる。
ゴム接合基材は、弾性体としての補強性、導電性、熱伝導性、耐摩耗性、耐紫外線、耐放射線、耐熱性、耐候性、柔軟性、抗菌性などの機能を高めるために機能性添加剤を添加したり、増量させたりするために機能性充填剤が添加されていてもよい。
ゴム接合基材は、以下のようにして製造される。
先ず、不飽和基、ヒドロシリル基、水酸基、及び加水分解性基から選ばれる少なくとも何れかの反応性基を含有するゴム原材料化合物を含むゴム原材料組成物を調製する。
一方、接合側表面に不飽和基、ヒドロシリル基、水酸基、及び加水分解性基から選ばれる少なくとも何れかの官能性基を有する被接着原料基材に、接合側表面で、金属含有架橋触媒を、塗布、塗工、噴霧、又は浸漬によって付す。それによって、被接着原料基材の表面の官能性基に、金属含有架橋触媒を、配位させ、イオン結合又は共有結合させ、吸着させ、若しくは付着させて、担持させる。
次いで、被接着原料基材に、接合側表面で、ゴム原材料組成物を塗布、塗工、噴霧、浸漬、又は金型中で流し込んで付し、被接合基材未架橋前駆体を調製する。その後、ゴム原材料組成物を硬化させて、それが硬化したゴム状硬化物を含んで形成されているゴム接合基材を形成させて、被接合基材と被接合基材とを、反応性基と官能性基との少なくとも何れかの不飽和基を介した共有結合によって、接合させてゴム接合体を調製する。
金属含有架橋触媒が未だ担持されていない被接着原料基材の接合側表面上と、金属含有架橋触媒が担持されている被接合基材の接合側表面上との少なくとも何れかに、十分な濃度の活性基を生成させるために、例えば、それら表面上に、コロナ放電処理やプラズマ処理や紫外線照射処理やエキシマ処理のような表面活性化処理を施すと、その接合側表面で、有機又は無機材料上に、高反応性の反応性基、例えばヒドロキシ基を生成して、元来のヒドロキシ基と新たに形成されたヒドロキシ基とが露出して点在する点在ヒドロキシ基を、接合面に有することとなる。必要に応じ被接着原料基材の接合側表面上と、被接合基材の接合側表面上との両方に表面活性化処理を施すと、その接合側表面で、有機基又は無機分子が高反応性の反応性基、例えばヒドロキシ基を生成する結果、元来のヒドロキシ基と新たに形成されたヒドロキシ基とが点在して露出したヒドロキシ基を、接合側表面に有することになる。
被接着原料基材の接合側表面上と、被接合基材の接合側表面上とに施すコロナ放電処理としては、例えば大気圧コロナ表面改質装置(信光電気計測株式会社製、製品名:コロナマスター)を用いて、例えば、電源:AC100V、出力電圧:0〜20kV、発振周波数:0〜40kHzで0.1〜60秒、温度0〜60℃の条件で行われる。このようなコロナ放電処理は、水、アルコール類、アセトン類、エステル類等で濡れている状態で、行われてもよい。
被接着原料基材の接合側表面上と、被接合基材の接合側表面上とに施す大気圧プラズマ処理としては、例えば、大気圧プラズマ発生装置(パナソニック株式会社製、製品名:Aiplasma)を用いて、例えば、プラズマ処理速度10〜100mm/s,電源:200又は220V AC(30A)、圧縮エア:0.5MPa(1NL/min)、10kHz/300W〜5GHz、電力:100W〜400W、照射時間:0.1〜60秒の条件で行われる。
被接着原料基材の接合側表面上と、被接合基材の接合側表面上とに施す紫外線照射処理(UV照射によりオゾンを生成させるような一般的なUV処理やエキシマUV処理)としては、エキシマランプ光源(浜松ホトニクス株式会社製、製品名:L11751−01)を用いて、例えば、積算光量:50〜1500mJ/cmで行われる。
以下、本発明を適用する接合技術によるゴム接合体の架橋・接合サンプルを作製した実施例1と、既存の接合技術によるゴム接合体の接合サンプルを作製した比較例1〜5について、比較評価を行った。
(実施例1)
接合基材となるシリコーン原材料組成物である付加型架橋樹脂として2成分液状シリコーンゴム:KE−1950−50(信越化学工業株式会社製)、被接合基材として、チタン製の板:T−453460(株式会社ニラコ製)を用いた。被接合基材をエタノールでかけ流し洗浄を行い、風乾した。その後、被接合基材を表面処理としてコロナ放電処理を施し、チタン板上に水酸基を生成させ、ビニル含有シリル化合物としてSZ6300(東レ・ダウコーニング株式会社製)1.0wt%をエタノールに希釈した溶液に浸漬させて熱処理することにより、チタン板上の水酸基にビニル含有シリル化合物を反応させ、分子接着剤処理を行った。その後、白金含有触媒としてSIP6830.2(Gelest社製)1.0wt%をヘキサンに希釈した溶液を塗布し、Pt処理を行った。表面処理した被接着基材を金型に入れ、被接着基材上に、未架橋の付加型架橋樹脂として2成分液状シリコーンゴム:被接着基材の単位面積当たり4gを空気が入らないように流し込んで金型に入れ、120℃で10分間加圧プレスにて加熱架橋・接合し、ゴム接合体として架橋・接合サンプルを作製した。
作製した接合サンプルをフォースゲージ:ZP−200P(株式会社イマダ製)にて速度:100mm/秒にてT型引剥試験を行い、それぞれ引剥強度を測定し、引剥面での状態を観察した。引剥試験は初期サンプルと沸騰した水に1時間浸漬したサンプルにて実施した。その結果を表1に示す。
(比較例1〜5)
表1の被接着基材の処理の欄の通り、実施例1のコロナ放電処理、分子接着剤処理、Pt処理の少なくとも何れかを行わないこと以外は実施例1と同様にしてゴム接合体として接合サンプルを作製した。それらの接合サンプルについて、実施例1と同様にして、引剥試験を行った。その結果をまとめて表1に示す。
表1の結果から、比較例1〜5ではゴム破断まで接合しておらず、浸漬試験後では強度の低下が見られた。それに対し実施例1ではゴム破断するほど接合しており、浸漬試験後でも強度の低下は見られなかった。
また、本発明を適用する接合技術によるゴム接合体の架橋・接合サンプルを作製した実施例2と、既存の接合技術によるゴム接合体の接合サンプルを作製した比較例6について、比較評価を行った。
(実施例2)
被接合基材として、シリコーンゴム:SH851US(東レ・ダウコーニング株式会社製)を板状に加熱架橋したゴム板に深さ1.0mmの溝を作ったものを使用した。接合基材となるシリコーン原材料組成物である付加型架橋樹脂として2成分液状シリコーンゴム:KE−1950−50(信越化学工業製)を用いた。被接合基材を表面処理としてコロナ放電処理を施し、チタン板上に水酸基を生成させ、ビニル含有シリル化合物としてSZ6300(東レ・ダウコーニング株式会社製)1.0wt%をエタノールに希釈した溶液に浸漬させて熱処理することにより、チタン板上の水酸基にビニル含有シリル化合物を反応させ、分子接着剤処理を行った。その後、白金含有触媒としてSIP6830.2(Gelest社製)1.0wt%をヘキサンに希釈した溶液を塗布し、Pt処理を行った。表面処理した被接着基材を金型に入れ、被接着基材上に、未架橋の付加型架橋樹脂として2成分液状シリコーンゴム:被接着基材の単位面積当たり4gを空気が入らないように流し込んで金型に入れ、120℃で10分間加圧プレスにて加熱架橋・接合し、ゴム接合体として架橋・接合サンプルを作製した。作製した架橋・接合サンプルの断面をレーザー顕微鏡:OLS4000(オリンパス株式会社製)にて観察した。その結果を図1に示す。
(比較例6)
被接合基材として、シリコーンゴム:SH851US(東レ・ダウコーニング株式会社製)を板状に加熱架橋したゴム板に深さ1.0mmの溝を作ったものを使用した。本発明を適用外の従来接合技術では、接合基材としてシリコーンゴム:SH851US(東レ・ダウコーニング株式会社製)を板状に架橋したゴム板を用いた。接合基材と被接合基材表面それぞれに、表面処理としてコロナ放電処理を施した。その後、処理面を貼り合わせ、120℃で10分間加圧プレスにて接合サンプルを作製した。作製した接合サンプルの断面をレーザー顕微鏡:OLS4000(オリンパス株式会社製)にて観察した。その結果を図1に示す。
図1から明らかな通り、本発明を適用する実施例2では溝内に空間が無く接着していることが確認できた。それに対し、本発明を適用外の比較例6では溝にシリコーンゴムが追従せず、空間が埋まらずに間隙ができてしまっている。
また、本発明を適用する接合技術による別なゴム接合体の架橋・接合サンプルを作製した実施例3と、既存の接合技術によるゴム接合体の接合サンプルを作製した比較例7について、比較を行った。
(実施例3)
被接合基材として、シリコーンゴム:SH851US(東レ・ダウコーニング株式会社製)を板状に架橋したゴム板にチタン製の板:T−453460(株式会社ニラコ製)を接合させた複合基材を用いた。複合基材は、チタン板を、表面処理としてコロナ放電処理を施し、チタン板上に水酸基を生成させ、ビニル含有シリル化合物としてSZ6300(東レ・ダウコーニング株式会社製)1.0wt%をエタノールに希釈した溶液に浸漬させて熱処理することにより、チタン板上の水酸基にビニル含有シリル化合物を反応させ、分子接着剤処理を行った。その後、水酸基にビニル含有シリル化合物を反応させたチタン板と、シリコーンゴム板の両方をコロナ放電処理し、表面を活性化処理した。80℃で5分間、70kgfでプレスし、熱圧着し、複合基材を得た。得られた複合基材のチタン板の露出面に、白金含有触媒としてSIP6830.2(Gelest社製)1.0wt%をヘキサンに希釈した溶液を塗布し、Pt処理を行った。表面処理した複合基材を金型に入れ、複合基材上に、未架橋の付加型架橋樹脂として2成分液状シリコーンゴム:被接着基材の単位面積当たり4gを空気が入らないように流し込んで金型に入れ、120℃で10分間加圧プレスにて、ゴム接合体として架橋・接合サンプルを作製した。作製した架橋・接合サンプルの断面をレーザー顕微鏡:OLS4000(オリンパス株式会社製)にて観察した。その結果を図2に示す。
(比較例7)
接合基材として、シリコーンゴム:SH851US(東レ・ダウコーニング株式会社製)を板状に加熱架橋したゴム板を用いた。被接合基材として上記と同様にシリコーンゴムとチタンの複合基材を用いた。接合基材と被接合基材表面それぞれに、表面処理としてコロナ放電処理を施し、その後、処理面を貼り合わせ、120℃で10分間加圧プレスにて、ゴム接合体として架橋・接合サンプルを作製した。作製した架橋・接合サンプルの断面をレーザー顕微鏡:OLS4000(オリンパス株式会社製)にて観察した。その結果を図2に示す。
図2から明らかな通り、本発明を適用する実施例3では金属板の側面界面に空間が無く間隙無く接着していることが確認できた。それに対し、本発明を適用外の比較例7では金属板の側面にシリコーンゴムが追従せず、空間が埋まらずに間隙ができてしまっている。
本発明のゴム接合体は、高い接着強度を有するため、剥離してはならない工業製品や日用品、例えばホース、パッキン、オイルシールや金属との接着物、ダイヤフラム、ガスケット、大型ゴムロール、複写機用ゴムロール、コンベアベルト、補強ベルト、医療用ゴム製品、電気・電子部品用製品、建築用製品、コンピューター製品、自動車製品、バス・トラック製品、飛行機製品など多くの分野の製品として有用である。

Claims (13)

  1. 不飽和基、ヒドロシリル基、水酸基、及び加水分解性基から選ばれる少なくとも何れかの反応性基を含有し触媒にて付加架橋するゴム原材料化合物を含むゴム原材料組成物(但し、フッ素ゴムを除く)が硬化したゴム状硬化物を含んで形成されているゴム接合基材、接合側表面に不飽和基、ヒドロシリル基、水酸基、及び加水分解性基から選ばれる少なくとも何れかの官能性基を有する分子接着剤分子のみを結合して有しつつ金属含有架橋触媒が担持された深さ1.0mmまでの溝及び/又は凹凸を有する被接合基材、前記反応性基と前記官能性基との少なくとも何れかが前記不飽和基を有することによって前記反応性基と前記官能性基とでその前記不飽和基を介した共有結合によって、架橋して接合しており、プレス接合体であることを特徴とするゴム接合体。
  2. 前記ゴム原材料化合物が、前記反応性基と前記官能性基との少なくとも何れかの前記不飽和基を、炭素−炭素二重結合、及び/又は炭素−炭素三重結合とするものであることを特徴とする請求項1に記載のゴム接合体。
  3. 前記官能性基が、前記被接合基材の被接着原料基材の表面に有し又はその表面で増幅された表面活性基と、前記表面活性基に分子接着分子が結合した分子接着性活性基との少なくとも何れかであることを特徴とする請求項1に記載のゴム接合体。
  4. 前記被接着原料基材の接合側表面と前記被接合基材の接合側表面との少なくとも何れかが、コロナ放電処理表面、プラズマ処理表面、紫外線処理表面、及び/又はエキシマ処理表面であることを特徴とする請求項3に記載のゴム接合体。
  5. 前記ゴム接合基材が、前記ゴム状硬化物を、軟性シリコーン樹脂及びシリコーンゴムから選ばれるシリコーン硬化物、及び/又はエチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体硬化物とするものであることを特徴とする請求項1に記載のゴム接合体。
  6. 前記ゴム原材料化合物が、付加架橋型軟性シリコーン樹脂原材料化合物、付加架橋型シリコーンゴム原材料化合物、及び/又はエチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体であることを特徴とする請求項1に記載のゴム接合体。
  7. 前記被接合基材が、天然ゴム、合成ゴム、又は樹脂、若しくは金属、半金属、合金、ガラス、又はセラミックスであることを特徴とする請求項1に記載のゴム接合体。
  8. 前記金属含有架橋触媒が、白金、ロジウム、パラジウム、錫、鉄、及びコバルトから選ばれるいずれかの金属を含有するものであることを特徴とする請求項1に記載のゴム接合体。
  9. 前記金属含有架橋触媒が、前記ゴム接合基材の前記ゴム原材料であるベースポリマー100質量部に対して0.1〜1000)×10 −6 質量部とすることを特徴とする請求項1に記載のゴム接合体。
  10. 前記ゴム原材料組成物が、前記金属含有架橋触媒と同種又は異種の金属含有硬化触媒を含むことを特徴とする請求項1に記載のゴム接合体。
  11. 前記金属含有硬化触媒が、白金、ロジウム、パラジウム、錫、鉄、及びコバルトから選ばれるいずれかの金属を含有するものであることを特徴とする請求項10に記載のゴム接合体。
  12. 不飽和基、ヒドロシリル基、水酸基、及び加水分解性基から選ばれる少なくとも何れかの反応性基を含有し触媒にて付加架橋するゴム原材料化合物を含むゴム原材料組成物(但し、フッ素ゴムを除く)を調製する工程、
    接合側表面に不飽和基、ヒドロシリル基、水酸基、及び加水分解性基から選ばれる少なくとも何れかの官能性基を有する分子接着剤分子のみを結合してし深さ1.0mmまでの溝及び/又は凹凸を有する被接着原料基材に、前記接合側表面で、金属含有架橋触媒を付して担持させる工程、
    前記被接着原料基材に、前記接合側表面で、前記ゴム原材料組成物を塗布、塗工、噴霧、浸漬、又は金型中で流し込んで付し、被接合基材未架橋前駆体を調製する工程、
    前記ゴム原材料組成物をプレスしながら硬化させて、それが硬化したゴム状硬化物を含んで形成されているゴム接合基材を形成させて、前記被接合基材と前記被接合基材とを、前記反応性基と前記官能性基との少なくとも何れかが前記不飽和基を有することによって前記反応性基と前記官能性基とでその前記不飽和基を介した共有結合によって、架橋して接合させて、プレス接合体であるゴム接合体を調製する工程
    を有していることを特徴とするゴム接合体の製造方法。
  13. 前記被接着原料基材の接合側表面と前記被接合基材の接合側表面との少なくとも何れかに、コロナ放電処理、プラズマ処理、紫外線処理、及び/又はエキシマ処理を施すことを特徴とする請求項12に記載のゴム接合体の製造方法。
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