JP6828491B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1に記載の画像形成装置には、記録シート表面の凹部と凸部とでそれぞれ十分な画像濃度を得ながら、白点の発生を抑えられて良好な画像を得るために、転写バイアスが、トナー像を像担持体側から記録シート側に転写させる転写方向の電圧と、転写方向の電圧と逆極性の電圧とが交互に切り替わるものであり、交互に切り替わる電圧波形の1周期の中に占める、電圧の最大値と最小値の中心値Voffよりも戻し方向側の面積をA、電圧の最大値と最小値の中心値Voffよりも転写方向側の面積をBとしたとき、A/(A+B)×100[%]の値であるデューティ比を、使用する記録シートの凹凸が大きいほど小さくするように変更すべく転写電源からの転写バイアスの出力を制御することが記載されている。
(全体構成)
図1は、本実施形態が適用された画像形成装置の一形態である電子写真方式のカラープリンタ(以下、単にプリンタという)を示す概略構成図である。画像形成装置は、その適用分野がプリンタに限定されるものではなく、複写機、ファクシミリ、複写機能及びFAX機能等を有する複合機などにも適用が可能である。
図1において、実施形態に係るプリンタは、イエロ(Y),マゼンタ(M),シアン(C),ブラック(K)のトナー像を形成するための四つのトナー像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kを備えている。プリンタは、転写ユニット30、光書込ユニット80、定着装置90、給送カセット100、レジストローラ対101、制御手段として制御部200なども備えている。トナー像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは、プロセスカートリッジユニットを構成し、プリンタの筐体に着脱可能に支持されており、メンテナンス時の着脱やユニット交換を可能にしている。
これら各色の静電潜像は、イエロ(Y),マゼンタ(M),シアン(C),ブラック(K)の各色の粉体であり現像剤であるトナーを用いる現像装置8Y,8M,8C,8Kによる現像工程で現像されて各色のトナー像になる。
このようにしてトナー像の現像工程が終了すると、プリンタは、現像工程の後に、感光体2Y,2M,2C,2Kに形成されたトナー像を、像担持体であり中間転写体でもある、後述する中間転写ベルト31上に一次転写する一次転写工程を行う。
例えばY用の感光体2Y表面に形成されたYトナーは、感光体2Yの回転に伴ってY用の一次転写ニップに進入する。そして、転写電界やニップ圧の作用により、感光体2Y上から中間転写ベルト31上に一次転写される。このようにしてYトナー像が一次転写せしめられた中間転写ベルト31は、その後、マゼンタ,シアン,ブラック用の一次転写ニップを順次通過する。そして、感光体2M,2C,2K上のマゼンタ,シアン,ブラックトナー像が、Yトナー像上に順次重ね合わせて一次転写される。この一次転写工程による重ね合わせの一次転写により、中間転写ベルト31上には4色重ね合わせトナー像が形成される。なお、一次転写ローラ35Y,35M,35C,35Kに代えて、転写チャージャーや転写ブラシなどを採用してもよい。
転写ユニット30の二次転写裏面ローラ33と、シート搬送ユニット38の二次転写ニップ裏打ちローラ36とは、互いの間に中間転写ベルト31及びシート搬送ベルト41を挟み込んでいる。これにより、中間転写ベルト31のおもて面と、ニップ形成部材たるシート搬送ベルト41のおもて面とが当接する転写ニップとしての二次転写ニップNが形成されている。
シート搬送ベルト41のループ内に配設された二次転写ニップ裏打ちローラ36は接地されているのに対し、中間転写ベルト31のループ内に配設された二次転写裏面ローラ33には、転写電源たる二次転写電源39によって転写バイアスとして二次転写バイアスが印加される。これにより、二次転写裏面ローラ33と、二次転写ニップ裏打ちローラ36との間に転写電流が流れ、マイナス極性のトナーを二次転写裏面ローラ33側から二次転写ニップ裏打ちローラ36側に向けて静電移動させる二次転写電界が二次転写ニップNで形成される。つまり、プリンタは、転写バイアスを転写電源から出力して、像担持体とニップ形成部材との当接による転写ニップに転写電流を流すように構成されている。
なお、ニップ形成部材として、シート搬送ベルト41の代わりに、二次転写ローラを用い、これを中間転写ベルト31に直接当接させてもよい。また、二次転写電源39によって二次転写ニップ裏打ちローラ36に二次転写バイアスを印加し、二次転写裏面ローラ33を接地してもよい。
二次転写ニップNで記録シートPに密着せしめられた中間転写ベルト31上の4色重ね合わせトナー像は、二次転写バイアスによる二次転写電界(転写電流)やニップ圧の作用によって記録シートP上に一括二次転写されてフルカラートナー像となる。このようにして二次転写工程が行われ、表面にフルカラートナー像が形成された記録シートPが二次転写ニップNを通過すると、中間転写ベルト31から曲率分離する。更に、転写後の記録シートPは、シート搬送ベルト41を掛け回している分離ローラ42の曲率によってシート搬送ベルト41から曲率分離する。
二次転写ニップNを通過した後の中間転写ベルト31には、記録シートPに転写されなかった転写残トナーが付着している。この転写残トナーは、クリーニング工程において、クリーニングバックアップローラ34と対向する部位で、中間転写ベルト31のおもて面に当接しているベルトクリーニング装置37でベルト表面からクリーニングされる。
定着ニップを通過した記録シートPは、定着装置90内から排出されて、定着後搬送路を経由した後、プリンタ外へと排出される。
図2は、二次転写電源39の電気回路の要部を、二次転写裏面ローラ33や二次転写ニップ裏打ちローラ36などとともに示すブロック図である。二次転写電源39は、直流電源110、着脱可能に構成された交流電源140を備えている。二次転写電源39は、制御手段としての制御部200によって制御される。この制御部200は、後述するニップ幅可変装置の作動も制御する。
直流電源110は、中間転写ベルト31の表面上のトナーに対して二次転写ニップN内でベルト側から記録シート側に向かう静電気力を付与するための直流成分である直流電圧を出力するための電源である。直流電源110は、直流出力制御部111、直流駆動部112、直流電圧用トランス113、直流出力検知部114、出力異常検知部115、電気接続部221などを有している。
交流電源140は、二次転写ニップN内に交番電界を形成するための交流成分である交流電圧を出力する電源である。交流電源140は、交流出力制御部141、交流駆動部142、交流電圧用トランス143、交流出力検知部144、除去部145、出力異常検知部146、電気接続部242と、電気接続部243などを有している。
本プリンタでは、二次転写電源39の本体に対して交流電源140が着脱可能であるため、交流電源140が接続されている場合と接続されていない場合とで、高電圧出力の出力経路のインピーダンスが変化する。このため、直流電源110が定電圧制御を行って直流電圧を出力した場合、交流電源140の有無に応じて出力経路中のインピーダンスが変化することにより分圧比が変化する。更に、二次転写裏面ローラ33に印加される高電圧が変化してしまうので、交流電源140の有無に応じて転写性が変化してしまう。
このように本プリンタでは、直流電源110を定電流制御するようになっているが、次のような構成を採用してもよい。即ち、交流電源140の着脱時にDC_PWM信号の値を変更するなどして、二次転写裏面ローラ33に印加される高電圧を一定に保つことができれば、直流電源110を定電圧制御する構成を採用してもよい。
具体的には、まず、次の一周期の前半において、シート表面凹部内のトナー粒子がベルト表面に戻る際に、それまでベルト表面に付着したままになっていたトナー粒子にぶつかってそのトナー粒子と他のトナー粒子やベルト表面との付着力を弱める。そして、後半において、前述のようにして付着力を弱めたトナー粒子が、ベルト表面に戻ったトナー粒子とともに、ベルト表面からシート表面凹部内に転移するのである。
更に次の一周期でも、同様の現象によってシート表面凹部内に転移するトナー粒子の数が更に増加する。二次転写ニップ内において、トナー粒子がベルト表面とシート表面凹部内とを何度も往復移動する過程で、シート表面凹部内に転移するトナー粒子の数が徐々に増加していく。そして、最終的にトナー像が二次転写ニップを通過する頃には、シート表面凹部内に十分量のトナー粒子が転移しているのである。
制御部200は、プリンタ内の各種駆動体の駆動を制御したり、各種センサの検知結果を受信したり、演算処理を実行したりするものである。トナー像形成ユニット1Y、1M、1C、1K、光書込ユニット80、中間転写ベルト31の駆動モータMなどの駆動は、制御部200によって制御される。
図3は、プリンタの制御系の構成を模式的に示したブロック部であり、図2に記載した二次転写電源39を含めて機能的に記載したものである。
プリンタは制御部200を備えている。制御部200は、入力部に入力される各種情報に基づき、各種信号を出力して出力部につながる機器の作動を制御する。本実施形態では、先に説明した様に、二次転写電源39と、後述するニップ幅可変装置60と信号線を介して接続されていて、二次転写電源39から出力される転写バイアスの出力と、ニップ幅可変装置60の作動を制御するものである。
二次転写電源39は、中間転写ベルト31上のトナー像を記録シートPへ二次転写ニップNで転写するために、直流電圧に交流電圧を重畳した電圧を二次転写ニップNに印加する。二次転写電源39は、直流電源110で発生させた直流電圧に交流電源140で発生させた交流電圧を重畳した二次転写バイアスを出力可能であって、二次転写裏面ローラ33に印加する。
周波数設定部201は、交流電源140から出力される交流成分の周波数を変更するものである。デューティ比設定部202は、交流電圧の波形におけるトナーを記録シートPへ転写させる方向の電圧のデューティ比を0〜100%の範囲で変更して設定するものである。周波数設定部201とデューティ比設定部202は、図2に示したAC_CLKによって、周波数とてデューティ比とが制御される。
振幅設定部203は、交流電源140から出力される交流電圧の最大電圧差(ピークツーピーク値Vpp)を設定するものである。振幅設定部203は、図2に示したAC_PWM信号によって制御される。
出力設定部204は、直流電源110で発生させる直流電圧の定電圧を記録シートPの種類(平滑/凹凸)や画像濃度に応じて設定するものである。出力設定部204は、図2に示したDC_PWM信号によって制御される。
これら周波数設定部201、デューティ比設定部202、振幅設定部203、出力設定部204は、二次転写電源39が備える形態としてもよいし、二次転写電源39とは個別に設けて制御部200側が備える形態であっても良い。なお、制御部200による具体的な制御内容については、後段で説明する。
転写ベルトの弾性層を柔軟に変化させることで、中間転写ベルト表面と表面凹凸シートの表面凹部との距離を低減したためだと考えられる。
したがって、中間転写ベルト31として弾性ベルトからなるものを用いるとより好ましい。本実施形態に係るプリンタにおいては弾性ベルトからなるものを用いている。
転写ピーク値Vtは、時間平均値Vaveよりも転写側(マイナス極性側)にある。また、逆ピーク値Vrは、転写ピーク値Vtとは異なるピーク値であって、時間平均値Vaveからみて転写側とは逆側(+極性側)にある。
本実施形態において、重畳電圧からなる二次転写バイアスについて、一周期のうち、二次転写ニップ内において、中間転写ベルト31の表面上のトナーをベルト側からニップ内の記録シート表面側に向けて静電移動させることを主な目的とする時間を、転写側時間Ttと定義する。すなわち、二次転写バイアスの一周期Tのなかで、二次転写バイアスがその時間平均値Vave(=平均電位)よりもトナー像を中間転写ベルト31から記録シートへ移動させる転写側(本実施形態ではマイナス極性側)にある時間を転写側時間Ttと定義する。また、転写側時間Ttとは異なる時間(一周期内の残りの時間)を、逆転写側時間Trと定義する。すなわち、二次転写バイアスの一周期Tのなかで、二次転写バイアスがその時間平均値Vaveよりも逆転写側(転写側とは反対側。本実施形態ではプラス極性側)にある時間を逆転写側時間Trと定義する。図6、図7および図8に示されるように、逆転写側時間Trは、一周期のうち、時間平均値Vave(=平均電位。所定の基準値である。)を境にして、逆ピーク値Vrの側の値になっている時間である。また、一周期内における逆転写側時間Trの割合を重畳電圧からなる二次転写バイアスのデューティ比と定義する。すなわち、(T−Tt)/T×100[%]をデューティと定義する。
換言すると、デューティ比とは、転写バイアスの時間平均値Vaveよりもトナー像のトナーを記録シートPに対して転写する方向に印加されている時間をTr、その逆方向に印加されている時間をTtとした場合の、Tr/(Tr+Tt)×100[%]の値を示すものである。図6、図7および図8に示す波形の場合にはデューティ比は50[%]である。つまり、図示の波形における逆ピーク側デューティ比は50[%]である。
本実施形態では、このデューティ比が50[%]を超えているという特性を、高デューティ比と定義する。また、このデューティ比が50[%]未満であるという特性を、低デューティ比と定義する。
図8は、図6に示される二次転写バイアスにおける逆ピーク側デューティ比を説明するためのグラフである。同図において、中心電位Vcは、二次転写バイアスの交流成分(交流電圧)ピークツウピーク値Vppにおける中心の電位である。ピークツウピーク値Vppは、逆ピーク値Vrから転写ピーク値Vtまでの値である。また、逆転写側時間Trは、交流成分の一周期(T)内において、二次転写バイアスの値が中心電位Vcから逆ピーク値Vrに向けて立ち上がり始めた瞬間から、逆ピーク値Vrを経て中心電位Vcに戻るまでの時間である。
本実施形態において、デューティ比とは、転写バイアスの時間平均値Vaveよりもトナー像のトナーを記録シートPに対して転写する方向に印加されている時間をB、その逆方向に印加されている時間をAとした場合の、Tr/(Tr+Tt)×100[%]の値を示すものである。即ち、転写側時間Ttは、交流成分の一周期(T)内において、二次転写バイアスの値が中心電位Vcから転写ピーク値Vtに向けて立ち上がり始めた瞬間から、転写ピーク値Vtを経て中心電位Vcに戻るまでの時間である。また、逆ピーク側デューティ比は、周期T内で逆転写側時間Trが占める割合であり、図示の波形の場合には50[%]である。つまり、図示の波形における逆ピーク側デューティ比は50[%]である。
そこで、記録シートPとして凹凸シート(後述する平滑シートよりも大きな凹凸を有する凹凸シートである。)の表面凹部に十分量のトナーを転移させるためには、逆ピーク側デューティ比を50[%]以下にすることが望ましい。より望ましくは、50[%]未満にするのがよい。逆ピーク側デューティ比を50[%]よりも大きくすると、放電に起因する白点や、二次転写不良を発生させ易くなるからである。具体的には、逆ピーク側デューティ比を50[%]よりも大きくすると、その分だけ、平均電位(時間平均値)Vaveを逆ピーク側にシフトさせてその絶対値を小さくすることから、二次転写不良を引き起こし易くなる。そして、その二次転写不良の発生を回避するために、ピークツウピーク値Vppを大きくして平均電位Vaveの増大を図ると、それに伴って転写ピーク値Vtを大きくすることから、放電に起因する白点を発生させ易くなる。よって、逆ピーク側デューティ比を50[%]未満の値に設定することが望ましい。
なお、二次転写バイアスとしては、図10に示すような矩形波以外のものを用いることもできる。逆ピーク値Vrから転写ピーク値Vt、転写ピーク値Vtから逆ピーク値Vrへとそれぞれ電圧が移行するのに所定の時間を有するような台形形状の波形の二次転写バイアスを用いてもよい。また、波形の一部または全体が丸みを帯びたような二次転写バイアスを用いてもよい。以下で説明する二次転写バイアスについても、矩形波以外のものを用いてもよい。
図11の二次転写バイアスにおける転写ピーク値Vtの絶対値(約8kV)と、図12の二次転写バイアスにおける逆ピーク値Vrの絶対値(約7kV)とを比較すると、後者の方が小さい。また、図12の二次転写バイアスにおける転写側時間Ttと、図12の二次転写バイアスにおける逆転写側時間Trとを比較すると、後者の方が短い。つまり、図12の二次転写バイアスの方が、図11の二次転写バイアスに比べて、白点を誘発する方のピーク値の絶対値が小さく、且つそのピーク値が持続する時間が短い。このため、図12の二次転写バイアスの方が、図11の二次転写バイアスに比べて、放電に起因する白点を引き起こし難い。よって、低デューティ比の二次転写バイアスを用いて凹凸シートにトナー画像を二次転写するときには、逆ピーク側デューティ比の値をかなり小さくすることが望ましい。
本発明者らの実験によれば、逆ピーク側デューティ比については、8[%]〜35[%]の範囲に設定するのが好ましく、8[%]〜17[%]の範囲に設定すると更によい結果(白点の発生を抑える)が得られた。但し、逆ピーク側デューティ比をかなり小さな値にすると、一周期(T)内における逆転写側時間Trの割合をかなり小さくしてしまう。すると、逆転写側時間Tr内で転写シートP(凹凸シート)の表面凹部内のトナー粒子をベルト表面に戻すことができなくなるおそれが生ずる。よって、この場合、交流成分の周波数を比較的低くして、一周期(T)を比較的長くすることで、十分な逆転写側時間Trを確保する必要がある。
つまり、平滑シートへ画像を形成する場合では、二次転写バイアスにおける二つのピーク値のうち、二次転写ニップN内でトナー像を中間転写ベルト31側からニップ形成部材となる記録シートP側により強く静電移動させる方の転写ピーク値Vtとは逆のピーク値Vrの側におけるデューティ比である逆ピーク側デューティ比が50[%]を超える転写バイアスを二次転写電源39から出力させる。一般に、ユーザーによってプリントされる画像には写真などがあり、薄いグレー色や淡色の画像が含まれることは多い。平滑シートへこうしたハーフトーン画像を転写する際、高デューティ比の二次転写バイアスを用いることにより、出力画像における二次転写不良の発生を抑えることができる。
画像形成装置(プリンタ)では、記録シートPとして、高平滑シートと、高平滑性シートよりも表面平滑性(表面平滑度)の低い低平滑シートとが用いられる。制御部200には、高平滑シートにトナー像を転写するための高平滑モード(第一モード)と、低平滑シートにトナー像を転写するための低平滑モード(第二モード)とが設定(記憶)されている。高平滑モードと低平滑モードはモード情報である。そして、制御部200は、高平滑モードでは、二次転写バイアスにおける二つのピーク値のうち、転写ニップ内でトナー像を像担持体側からニップ形成部材側により強く静電移動させる方の転写ピーク値(Vt)とは逆のピーク値(Vr)の側におけるデューティ比である逆ピーク側デューティ比が50[%]以上となる転写バイアスを出力し、平滑モードでは、前記逆ピーク側デューティ比が前記高平滑モードとは異なる値であり、且つ50[%]以下となる転写バイアスを出力させるように、転写電源を制御しつつ、高平滑モード(高デューティ比)と前記低平滑モード(低デューティ比)とで二次転写ニップ幅Wが切り替わるように、後段で説明するニップ幅可変装置の作動を制御するようにする。
具体的には、高平滑モード場合には、高デューティ比で小ニップ幅とし、低平滑モードの場合には低デューティ比で大ニップ幅とする。そして、制御部200は、逆ピーク側デューティ比が50[%]を超える転写バイアスを出力させ、低平滑モードでは、一周期(T)内で極性が反転し且つ逆ピーク側デューティ比が50[%]未満である転写バイアスを出力させるように、二次転写電源39を制御する様にすればよい。
制御部200は、低デューティ比モード時には、高デューティ比モード時に比べて、二次転写ニップ幅Wを増やすようにニップ幅可変装置を制御する。低デューティ比モード時に転写ニップ幅Wを増やすことにより、中間転写ベルト31と記録シートPが密着した状態で二次転写バイアスが印加されるため、放電による異常画像を防止することができる。また、二次転写ニップN内において中間転写ベルト31と記録シートPとの間でトナーを十分に往復させることができ、これにより、転写率を向上することができる。
一方、高デューティ比モード時は、二次転写ニップ幅Wを広げすぎると、二次転写ニップN内で中間転写ベルト31から記録シートPへ転写されたトナーが二時転写ニップNを通過する間に、中間転写ベルト側へ戻され(逆転写され)、転写率が低下することが懸念される。そこで、本実施形態では、高デューティ比モード時には、低デューティ比モード時に比べて転写ニップ幅Wを減らす。転写率の低下も最小限に抑えることができる。
二次転写ニップ幅Wを調整することにより、高デューティ比モード時は逆転写による転写率低下を防止する一方、低デューティ比モード時は放電による異常画像の発生を防止することができる。これにより、両モードでそれぞれ異常画像の発生を抑えることができる。
(ニップ幅可変装置の実施形態1)
図18に示すニップ幅可変装置(ニップ幅変更装置)60は、シート搬送ベルト41を張架している複数の回転部材のうちの少なくとも1つの回転部材である二次転写ニップ裏打ちローラ36を移動させることで、二次転写ニップ幅Wを変更するものである。画像形成装置は、二次転写ニップでシート搬送ベルト41を中間転写ベルト31へ向けて加圧する加圧部材としてのローラユニット保持体640や圧縮コイルバネ643を備え、ニップ幅変更装置60は、駆動モータ625や偏心カム674等を用いて二次転写ニップに加えられる圧力を変更することで、転写ニップ幅Wを変更する。
ニップ幅可変装置60は、第一モードと第二モードとで二次転写ニップNに加わる圧力を変更して二次転写ニップ幅Wを変更するものである。二次転写ニップ裏打ちローラ36と二次転写裏面ローラ33とはそれぞれ、芯金と芯金上に設けられた弾性層とを有する。二次転写ニップに加わる圧力が高いほど、二次転写ニップ裏打ちローラ36および二次転写裏面ローラ33の弾性層の潰れ量が大きくなり、二次転写ニップ幅Wが大きくなる(広がる)。二次転写ニップ幅Wとは、記録シートPの幅方向と直交するシート搬送方向Aへの長さであり、記録シートPの通過時間に相関するものである。二次転写ニップ幅Wは、狭義では、二次転写部で二次転写ニップ裏打ちローラ36と二次転写裏面ローラ33とが潰れあっている幅であるが、広義では中間転写ベルト31とシート搬送ベルト41とが接触しあっている幅であるプレニップを含むものである。
第1の手法は、圧縮コイルバネ643のバネ力を、低デューティ比モード時に必要な二次転写ニップ幅Wを得られるバネ力とし、高デューティ比モード時には二次転写ニップNに加わる圧縮コイルバネ643のバネ力を抑制する手法である。この場合におけるニップ幅可変装置60は、図18、図19に示すように、ローラユニット保持体640の上部640aに接触してその位置を変位させる偏心カム674と、偏心カム674を回転駆動する駆動手段としての駆動モータ625とで構成された加圧力変更手段で構成することができる。偏心カム674は、駆動モータ625によって回転する駆動軸677と一体回転するように設けられている。偏心カム674は、その回転中心から上死点674aまでの距離が最大長となるカム面が外周面674bに形成されている。図3に示した制御部200に接続していて、制御部200によってその作動が制御されるのは、ニップ幅可変装置60においては駆動モータ625である。
図18、図19において、矢印a3は二次転写ニップNに加わるバネ力の抑制方向を示し、矢印a4は二次転写ニップNに加わるバネ力の抑制解除方向を示す。即ち、図18、図19において、二次転写ニップNに加わるバネ力の抑制方向a3は、ローラユニット保持体640の他端側を押し下げる方向であり、二次転写ニップNに加わるバネ力の抑制解除方向a4はローラユニット保持体640の他端側が持ち上げられる方向である。
このため、本実施形態では、低デューティ比モード時になると、駆動モータ625が制御部200で制御されて偏心カム674が二次転写ニップNに加わる圧縮コイルバネ643のバネ力の抑制を解除する方向に回転されるので、二次転写ニップ裏打ちローラ36による二次転写ニップNにかかる圧力を、高デューティ比モード時よりも強くすることができ、低デューティ比モード時における、二次転写ニップ幅Wを広げられる(大きくできる)。また、高デューティ比モード時になると、偏心カム674が回転して、ローラユニット保持体640の他端側が押し下げられるので、二次転写ニップ裏打ちローラ36による二次転写ニップNにかかる圧力が低デューティ比転写モード時に比べて弱められる。
このように、低デューティ比モード時には二次転写ニップ幅Wを増やすことができるので、中間転写ベルト31と記録シートPが密着した状態で二次転写バイアスが印加されるため、放電による異常画像を防止することができる。また、二次転写ニップ幅Wを増やすことにより、二次転写ニップN内において中間転写ベルト31と記録シートPとの間でトナーを十分に往復させることができ、これにより、転写率を向上することができる。
高デューティ比モード時は逆転写による転写率低下がより顕著な一方、低デューティ比モード時は放電による異常画像がより顕著なため、各モードで顕著となる異常画像を避けるために二次転写ニップ幅Wを調整することが好ましい。
図20、図21において、矢印a5は二次転写ニップNに加わる圧力の増大方向を示し、矢印a6は二次転写ニップNに加わる圧力の増大解除方向を示す。即ち、図20、図21において、二次転写ニップNに加わる圧力の増大方向a5は、ローラユニット保持体640の他端側を偏心カム674で押し上げる方向であり、二次転写ニップNに加わる圧力の増大解除方向a6は、ローラユニット保持体640の他端側が下げられる方向である。
このため、本実施形態では、低デューティ比になると、駆動モータ625によって偏心カム674が、ローラユニット保持体640を持ち上げて、二次転写ニップNに加わる圧力を増大する方向に回転される。
このような構成によると、二次転写ニップ裏打ちローラ36による二次転写ニップNにかかる圧力を、高デューティ比モード時よりも強くすることができ、低デューティ比モード時における、二次転写ニップ幅Wを広げられる。この結果、低デューティ比モード時には二次転写ニップ幅Wを増やすことができるので、二次転写ニップ内において中間転写ベルト31と記録シートPとの間でトナーを十分に往復させることができる。これにより、転写率を向上することができる。
次にニップ幅可変装置(ニップ幅変更装置)の実施形態2について説明する。
図22に示すニップ幅可変装置の実施形態2は、第一モードと第二モードとで二次転写ニップNに加わる圧力を変更して二次転写ニップ幅Wを変更するものである。
ニップ幅可変装置60Bは、二次転写ニップ裏打ちローラ36の軸線方向の両側に設けられた空転コロ685、685と、二次転写裏面ローラ33の軸線方向の両側に設けられたカム684、684と、各カム684を回転駆動する駆動手段としての駆動モータ635とで構成された加圧力変更手段で構成することができる。なお、図22、図23においてはシート搬送ベルト41を省略するとともに、カム684と空転コロ685の片側のみを示す。
各カム684は、その一部684aが二次転写裏面ローラ33の外周面33aよりも外径側に突出する外周面684bに形成されていて、それぞれ同一の位相となるように軸24Aに回転可能に支持されている。これらカム684は、同一位相を保ったまま、駆動モータ635によって回転駆動される。各空転コロ685は、二次転写ニップ裏打ちローラ36よりも大径であって、圧縮コイルバネ653のばね力によって常時、各カム684の外周面684aにそれぞれ圧接されている。
このため、本実施形態では、低デューティ比モードになると、駆動モータ635によってカム684が二次転写ニップNに加わる圧縮コイルバネ653のバネ力の抑制を解除する方向に回転される。このため、二次転写ニップ裏打ちローラ36による二次転写ニップNにかかる圧力を、高デューティ比モード時よりも強くすることができ、低デューティ比モード時における、二次転写ニップ幅Wを広げられる。また、高デューティ比モード時になると、カム684が回転して、ローラユニット保持体650の他端側が押し下げられるので、二次転写ニップ裏打ちローラ36による二次転写ニップNにかかる圧力が低デューティ比モード時に比べて弱められる。
しかし本実施形態では、高デューティ比モード時は、逆転写による転写率低下がより顕著な一方、低デューティ比モード時は放電による異常画像がより顕著なため、各モードで顕著となる異常画像を避けるために、二次転写ニップ幅Wを調整することは好ましい。本実施形態では、カム684を二次転写裏面ローラ33、空転コロ685を二次転写ニップ裏打ちローラ36側に配置したが、これらは、逆の配置であっても無論かまわない。
ニップ幅可変装置(ニップ幅変更装置)の実施形態3は、第一モードと第二モードとで転写部材となる二次転写ニップ裏打ちローラ36の硬度を切り替え、二次転写ニップ幅Wを広げて変更するものである。二次転写ニップNは、二次転写裏面ローラ33と二次転写ニップ裏打ちローラ36とで挟み込まれる領域である。この領域には、プレニップも含まれている。
あるいは、図24、図25に示すように、互いに硬度の異なる二次転写ニップ裏打ちローラ36と二次転写ニップ裏打ちローラ36’の2つの部材を、シート搬送ユニット38に配置し、これら二次転写ニップ裏打ちローラ36と二次転写ニップ裏打ちローラ36’とを切換え手段600を用いてその位置を切替るニップ幅可変装置60C(ニップ幅変更装置)で二次転写ニップ幅Wを変更するようにしても良い。本実施形態において、二次転写ニップ裏打ちローラ36’は、二次転写ニップ裏打ちローラ36よりも、その表面がつぶれ易いように、その硬度が二次転写ニップ裏打ちローラ36に用いる材質よりも低い材質で形成されている。なお、図24、図25においてはシート搬送ベルト41を省略している。
本実施形態において、駆動モータ605は制御部200に信号線を介して接続されていて、その駆動が制御されるように構成されている。具体的には、制御手段200は、高デューティ比モード時になると、図24に示すように二次転写ニップ裏打ちローラ36の表面30aが二次転写裏面ローラ33と対向する位置で中間転写ベルト31のおもて面21aに圧接する位置まで移動させ、低デューティ比モード時になると、図25に示すように、二次転写ニップ裏打ちローラ36’の表面30’aが二次転写裏面ローラ33と対向する位置で中間転写ベルト31のおもて面31aに圧接する位置まで移動させるように駆動モータ605の回転を制御するロジックが制御部200のROMに予め記憶されている。
このため、本実施形態では、低デューティ比モード時になると、ニップ幅可変装置60Cによって、硬度の柔らかい二次転写ニップ裏打ちローラ36’がニップ形成位置へと移動され、二次転写ニップ裏打ちローラ36がニップ形成位置から退避するため、低デューティ比モード時にいて二次転写ニップ幅Wを広げられる。
つまり、硬度の異なる二次転写ニップ裏打ちローラ36、36’の位置を可変とすることで、二次転写ニップNにおける二次転写ニップNのシート搬送方向Aへの長さである二次転写ニップWを調整することが可能となる。この結果、低デューティ比モード時には二次転写ニップ幅Wを増やすことができるので、二次転写ニップN内において中間転写ベルト31と記録シートPとの間でトナーを十分に往復させることができる。これにより、転写率を向上することができる。
図26は、記録シート選択部を備えた入力操作部51を有する制御系の構成を説明するブロック図である。図26に示すように、入力操作部501は、記録シート選択部としての平滑紙ボタン501aと、凹凸紙ボタン501bとを有している。実施形態に係るプリンタにおいては、ユーザーに対して次のような操作を行ってもらうための説明を、取り扱い説明書に記載している。即ち、給紙カセット(図1の100)に対し、記録シートPとして、コート紙などの表面平滑性に優れた高平滑シート(平滑シート)をセットした場合には、平滑紙ボタン501aを押下する。これに対し、給紙カセットに対し、記録シートPとして、普通紙や和紙などの表面平滑性に劣る低平滑シート(凹凸シート)をセットした場合には、凹凸紙ボタン501bを押下する。つまり、入力操作部501は、次のような種類情報を取得することが可能な情報取得手段として機能している。即ち、トナー像の二次転写対象となる記録シートPについて、少なくとも、表面平滑性に優れた高平滑シートであるのか、あるいは高平滑シートよりも表面平滑性が劣る低平滑シートであるのかを把握することが可能な情報である。
入力操作部501は、記録シートPの種類として、高平滑シートまたは低平滑シートであるかを選択し、当該選択された種類情報を入力するものであり、制御部200の入力側に信号線を介して接続されている。入力操作部501には、高平滑シートを選択する平滑紙ボタン501aと低平滑シートである凹凸紙を選択する凹凸紙ボタン501bを備えている。平滑紙ボタン501aが操作されると種類情報として高平滑シートである種類情報が出力され、凹凸紙ボタン501bが操作されると種類情報として凹凸紙である種類情報が出力される。
即ち、制御部200は、入力操作部501による情報の取得結果に基づいて、高平滑シートにトナー像を二次転写するための高平滑モードと、低平滑シートにトナー像を二次転写するための低平滑モードとで転写モードを切り替える。具体的には、平滑紙ボタン501aが押下された場合には、転写モードを高平滑モードに設定する。そして、高平滑モードでは、高平滑シートにハーフトーン画像を二次転写する際の少数ドットトナー塊に対する逆電荷の注入を抑えるために、高デューティ比の二次転写バイアスを二次転写電源39から出力させる。その二次転写バイアスは、極性がマイナス極性で一定(反転しない)であり、且つ逆ピーク側デューティ比が70[%]〜90[%]の範囲内であるという特性になっている。
二次転写ニップ幅Wの調整は、本実施形態では凹凸紙ボタン501bが押下された場合のみ行ったが、逆に、平滑紙ボタン501aが押下された場合に、二次転写ニップ幅Wが通常幅よりも狭くなるように制御してもよい。あるいは、上記の何れかのニップ幅可変装置が3段階あり、平滑紙ボタン501aが押下されると、通常ニップ幅よりも狭いニップ幅になるように構成されていても良い。
即ち、実施形態において、上述したニップ幅可変装置60,60A、60B、60Cは、デューティ比が高いほど、二次転写ニップ幅Wを小さく(狭く)し、デューティ比が低いほど、二次転写ニップ幅Wを大きく(広く)するように、制御部200によって、その作動が制御される。つまり、高デューティ比モード時には二次転写ニップ幅Wを小さく(狭く)し、低デューティ比モード時には二次転写ニップ幅Wを大きく(広く)するように、各ニップ幅可変装置の駆動モータ、625、635、605の作動を制御する。
即ち、制御部200は、高平滑モード(高デューティ比モード時)では、低平滑モード(低デューティ比モード時)の場合よりも二次転写ニップ幅Wが小さく(狭く)なるように、前記のニップ幅可変装置60,60A、60B、60Cの作動を制御する。
第一実施形態の変形例1に係るプリンタは、入力操作部501に、平滑紙ボタン501aや凹凸紙ボタン501bを有していない。そして、ユーザーによって記録シートPの表面平滑性の情報が入力される仕様にはなっていない。その代わりに、記録シートPの表面平滑性(凹凸性)を検知する平滑性検知手段としてのシート種別検知センサ502を備えている。シート種別検知センサ502は、記録シートPに対して検知光を照射して、その反射率から記録シートPの種別(凹凸度合)を検知する周知の反射型光学センサを用いている。
図27は、変形例1に係るプリンタの給紙路を示す構成図である。給紙路は、第一案内板503と第二案内板504との間に挟み込んだ記録シートPを、レジストローラ対101のレジストニップに案内するようになっている。第一案内板503には貫通口が設けられており、この貫通口には平滑性検知センサ502が嵌め込まれている。平滑性検知センサ502は、発光素子から発した光を給紙路内の記録シートPに向けて照射し、記録シートPの表面で正反射した正反射光を受光素子によって受光する。コート紙等の平滑シートの表面で得られる正反射光量は、和紙等の凹凸シートの表面で得られる正反射光量よりも多くなる。
図28は、第一実施形態の変形例2に係るプリンタの入力操作部501の電気回路を示すブロック図である。この入力操作部501は、実施形態のものとは異なり、平滑紙ボタンや凹凸紙ボタンを有していない。その代わりに、メニューキー501c、上キー501d、下キー501e、決定キー501f、ディスプレイ501gなどを有している。
制御部200は、ユーザーのメニュー操作によって銘柄が選択されると、その銘柄に対応する逆ピーク側デューティ比の数値をデーターテーブルから特定する。そして、その結果を制御部200に送信する。制御部200は、逆ピーク側デューティ比の数値が送られてくると、以降のプリントにおいて、その数値と同じ逆ピーク側デューティ比の二次転写バイアスを二次転写電源39から出力させる。これにより、平滑シートの銘柄が選択された場合には高平滑モードを実施する一方で、凹凸シートの銘柄が選択された場合には低平滑モードを実施する。
つまり、制御部200に入力側には、記録シートPの銘柄情報を入力する銘柄入力部として上キー501dや下キー501e等が信号線を介して接続されている。そして制御部200は、上キー501dや下キー501eから入力される銘柄情報がシート表面凹凸の度合いの大きな銘柄になるほど、低平滑モードにおいて、逆ピーク側デューティ比の低い転写バイアスを出力させるように、二次転写電源39を制御する機能を備えている。
なお、シート表面凹凸の度合いを示す指標としては、最大凹凸落差を用いることが可能である。また、最大凹凸落差を測定することが可能な測定装置の市販機としては、東京精密社製の「SURFCOM 1400D」を例示することができる。この測定装置にて、記録シート表面を顕微鏡で撮影した映像に基づいて、表面全域の中から、被検領域とする箇所をアトランダムに5つ選定する。それぞれの箇所について、評価長さ20[mm]、基準長さ20[mm]という条件で、断面曲線の最大断面高さPt(JIS B 0601:2001)を測定する。そして、得られた5つの最大断面高さPtのうち、上位3つの平均値を求める。以上の処理を、記録シートPの先端部分、中央部分、後端部分のそれぞれで実施し、それぞれの平均値の更なる平均を最大凹凸落差として求める。この最大凹凸落差(=特定情報)が例えば50[μm]以上である記録シートPを、凹凸シート(低平滑シート)とし、50[μm]未満である記録シートPを平滑シート(高平滑シート)表面凹凸シートとすればよい。
本実施形態の画像形成装置は、図29に示すように、トナー像のなかに含まれる画像のなかでベタ画像の画質よりもハーフトーン画像の画質を優先するハーフトーン画像優先モードと、ハーフトーン画像の画質よりもベタ画像の画質を優先するベタ画像優先モードと、のうちからモードを選択するモード選択部507を備える。
制御部200は、モード選択部507で選択されたモードがハーフトーン画像優先モードである場合は第一モード(高デューティ比モード)を実行し、モード選択部507で選択されたモードがベタ画像優先モードである場合は第二モード(低デューティ比モード)を実行する。ここで、第一実施形態と同じく、第二モードにおけるデューティ比は第一モードにおけるデューティ比よりも低く、第二モードにおける二次転写ニップの幅Wは、第一モードにおける二次転写ニップの幅よりも広い。なお、デューティ比の制御方法および二次転写ニップ幅Wの変更方法は第一実施形態と同様である。
本実施形態では、モード選択部507で選択されたモードがハーフトーン画像優先モードかベタ画像優先モードに応じて、デューティ比と転写ニップ幅を変更する。
本発明者らは、普通紙(たとえばHammerMill color copy digital)へ画像を転写する実験を行った。その結果、ハーフトーン画像の部分では逆電荷の注入による転写不良が発生する一方、ベタ画像の部分ではボソツキという転写不良が発生することがわかった。ハーフトーン画像における転写不良の現象は、第一実施形態で説明したものと同様である。ベタ画像におけるボソツキとは、記録シート上の小さな凹凸にならって発生する画像の濃度ムラである。この濃度ムラは、記録シート表面の凹部と凸部とにおける転写電界の強度の差に起因して発生すると考えられる。これらの転写不良を抑制するため、本実施形態では以下のように第一モードと第二モードを切り替える。
制御部200は、ハーフトーン画像優先モードが選択された際は、デューティ比が50[%]を超える高デューティ比の二次転写バイアスを出力させ、ベタ画像優先モードが選択された際は、デューティ比が50[%]を超える低デューティ比の二次転写バイアスを出力させるように、二次転写電源39を制御する。
また、制御部200は、ハーフトーン画像優先モードが選択された場合は、ベタ画像優先モードが選択された場合よりも二次転写ニップ幅Wが小さくなるように、上述したニップ幅可変装置(ニップ幅変更装置)60、60A、60B、60Cの作動を制御する。
つまり、制御部200は、モード選択部507で選択されたモードを判定するとともに、選択されたモードに応じて、第一モードまたは第二モードのいずれかを実行する。
ハーフトーン画像の画質を優先する場合、制御部200は第一モードを実行し、転写ニップ幅Wを小さくし、二次転写バイアスとして図13から図17に示すような高デューティ比のバイアスを用いる。これにより、転写ニップでハーフトーン画像を構成する少数ドットトナー群に対する逆電荷の注入を抑えて、記録シートP上でのハーフトーン画像の二次転写性を向上させる。この結果、ハーフトーン画像の画像濃度不足、すなわち転写不良の発生を抑えることができる。
第二実施形態によれば、ユーザーは、モード選択部507でモードを選択するという簡易な方法で希望する品質の画像を得ることができる。すなわち、ベタ画像部分の画質をより優先する画像、または、ハーフトーン画像部分の画質をより優先する画像のうち、希望する品質の画像を簡易な方法により得ることができる。
モード選択部507を用いて選択されたモードに応じて第一モードまたは第二モードのうちのいずれかを実行する構成にかえて、制御部200によって出力対象の画像の濃度を計算し、その濃度に応じて第一モードまたは第二モードのうちのいずれかを実行する構成としてもよい。制御部200は、トナー像の濃度に応じて、第一モードと第二モードとを切り替える。すなわち、制御部200は、画像の濃度(画像面積率、もしくは、画像に含まれるトナーの量である。)が所定値未満の場合は第一モードを実行し、画像の濃度が所定値以上の場合は第二モードを実行する。このような構成によれば、簡易な方法により転写不良の発生を抑えることができる。画像を転写する記録シートPごとにその画像の濃度を計算し、第一モードまたは第二モードのうちのいずれかを実行してもよい。この場合、二次転写電源39およびニップ幅可変装置60の制御が容易におこなえる。一方、一つの記録シートPをその搬送方向において複数の領域に分割し、各領域に転写される画像の濃度を計算し、領域毎に第一モードまたは第二モードのうちのいずれかを実行してもよい。この場合、転写不良の発生をより確実に抑えることができる。
以下に示す表1−1〜表1−5は、本発明者によって行われたプリント実験の結果を示すものである。
以下に実施形態1および2の効果を示すために行った実験結果を示す。
・記録シートとしてHammerMill color copy digitalを用いた。
・作像速度(線速度)は、352.8mm/secを使用した。
・二次転写バイアスとして、高デューティ比はデューティ比=85%を、低duytは、デューティ比=12%としたものをそれぞれ使用した。
・転写ニップ幅として、高デューティ比は大:約4.5mm、小:約3mmとした。
表1−1は、HammerMill color copy digitalにおける二次転写バイアスの種類ごとの画像品質を示す。
一方でボソツキ(特にベタ画像のボソツキ)は、低デューティ比を印加する事で向上し、さらに二次転写ニップ幅大の条件で発生しにくくなる。
ナー塊に逆電荷を注入してしまうからである。
表1−3に、実験番号1と8の結果を示す。実験番号8は実験番号1と同じ低デューティ比の二次転写バイアス(重畳電圧)を印加し、二次転写ニップ幅を広くしたものである。転写ニップ幅を広くすると、凹凸紙転写性のランクが向上し、平滑紙での転写率が低下した。
実験番号9では、二次転写ニップ幅を狭くすると、凹凸紙転写性のランクが低下し、平滑紙での転写性が向上した。
実験番号10では、二次転写ニップ幅を広くすると、凹凸紙転写性のランクが向上し、平滑紙での転写率が低下した。
次に、第三実施形態および当該実施形態に係る実験結果について説明する。本発明者らは、二次転写バイアスについて、周波数、ピークツウピーク値Vpp、及び直流電圧の値(定電流制御の電流目標値)を異ならせた条件でテスト画像をプリントする実験を行った。低平滑モードでは、凹凸シートであるレザック66にKベタ画像を二次転写した。また、高平滑モードでは、平滑シートであるOKトップコート(128gsm)に青のハーフトーン画像(2by2)を二次転写した。この実験の結果を次の表2に示す。
実験番号12は実験番号6より二次転写ニップ幅を広く設定した。
実験番号13は実験番号7より二次転写ニップ幅を狭く設定した。
また、低平滑モードでは、実験6と12、7と13を比較するとわかるように、二次転写ニップ幅を大きくすると転写性がよくなり、小さくすると転写性が劣ることがわかる。
また、高平滑モードでは、実験6と12、7と13を比較するとわかるように、二次転写ニップ幅を小さくすると転写性がよくなり、小さくすると転写性が劣ることがわかる。
また、第一モードにおける高デューティ比の二次転写バイアスの逆ピーク値Vrは、第二モードにおける低デューティ比の二次転写バイアスの逆ピーク値Vrよりも転写側(本実施形態ではマイナス側)にあることが好ましい。これにより、第一モード(高平滑モード)においては白点の発生を抑え、ハーフトーン転写性を向上させることができる。また、第二モード(低平滑モード)においては、逆ピーク値Vrを転写側とは逆側(本実施形態ではプラス側)に大きくすることで、凹凸シートの表面凹部へ十分な量のトナーを転写でき、凹部転写性を向上することができる。あるいは、ボソツキの発生を抑えることができる。
また、以下のように構成してもよい。すなわち、記録シートが、凹凸の度合いが比較的小さなシートのとき、第一の圧力が加えられた転写ニップで、デューティ比が50[%]よりも高い転写バイアスによってトナー像を像担持体から記録シートへ転写する。一方、記録シートがレザック66 175kgなどの凹凸シート(上述したシートよりも凹凸の度合いが大きなシートである。)のとき、第一の圧力よりも大きな第二の圧力が加えられた転写ニップで、デューティ比が50[%]よりも低い転写バイアスによってトナー像を像担持体から記録シートへ転写する。
第四実施形態の画像形成装置は、入力操作部501は、図30に示すように、高デューティ比モードと低デューティ比モード時とを任意に選択するモード選択部509を有し、制御部200と入力操作部501とは信号線を介して接続されている。先に説明した入力操作部501は、高平滑シート(平滑シート)と低平滑シート(凹凸シート)を選択するものであるが、本実施形態のモード選択部509は、高デューティ比モードと低デューティ比モードを機器操作者(ユーザ)が任意に選択する高デューティ比モード設定キー509a、低デューティ比モード設定キー509bを備えている。制御部200は、高デューティ比モード設定キー509aが選択操作されると第一モードを設定(実行)し、低デューティ比モード設定キー509bが選択操作されると、第二モードを設定(実行)する。制御部200のモード判定部206は、モード選択部509で選択されたモード情報に基づき、高デューティ比モード又は低デューティ比モードを判定する機能も備えている。制御部200は、第一モードでは高デューティ比の二次転写バイアスを二次転写電源39から出力させ、第二モードは低デューティ比の二次転写バイアスを二次転写電源39から出力させる。また、制御部200は、第一モードでは、第二モードの場合よりも二次転写ニップ幅Wが小さく(狭く)なるように、ニップ幅可変装置60,60A、60B、60Cの作動を制御する。本実施形態によれば、画像形成装置のユーザーは、モード選択部509で高デューティ比モードと低デューティ比モードとのうちからモードを選択するという比較的簡単な操作により、希望する品質の画像を得ることかできる。
以上説明したように、各実施形態に係る画像形成装置は、記録シートの種類や転写される画像の濃度(トナー像の濃度)などに応じて転写バイアスのデューティ比と転写ニップ幅とを切り替える。これにより、生産性を維持しつつ画像の品質を向上することができる。
[態様A]
態様Aは、直流電圧と交流電圧との重畳による重畳電圧からなる転写バイアス(例えば二次転写バイアス)を転写電源(例えば二次転写電源39)から出力して、像担持体(例えば中間転写ベルト31)とニップ形成部材(例えばシート搬送ベルト41)との当接による転写ニップ(例えば二次転写ニップ)に転写電流(例えば二次転写電流)を流しながら、前記像担持体の表面上のトナー像を前記転写ニップに挟み込んだ記録シートに転写する画像形成装置(例えばプリンタ)において、トナー像の転写対象となる記録シートの表面平滑性に関する情報を取得する情報取得手段(例えば入力操作部501や平滑性検知センサ502)と、前記情報取得手段による前記情報の取得結果に基づいて、表面平滑性に優れた高平滑シートにトナー像を転写するための高平滑モードと、前記高平滑性シートよりも表面平滑性に劣る低平滑シートにトナー像を転写するための低平滑モードとで転写モードを切り替え、前記高平滑モードでは、前記転写バイアスにおける二つのピーク値のうち、前記転写ニップ内でトナーを像担持体側からニップ形成部材側により強く静電移動させる方の転写ピーク値とは逆のピーク値の側におけるデューティ比である逆ピーク側デューティ比が50[%]以上である転写バイアスを前記転写電源から出力させる一方で、前記低平滑モードでは逆ピーク側デューティ比が前記高平滑モードとは異なる値であって且つ50[%]以下である転写バイアスを前記転写電源から出力させる制御手段(例えば制御部200)とを設ける。
高平滑モード時は通常のニップ幅のまま転写を実行し、低平滑モード時は二次転写ニップ裏打ちローラ36を上方に移動させ、ニップ幅を大きくすることで、ニップ幅中での交番電界の振動回数を増やし、トナーの往復回数を増やし、記録シートの凹部へのトナー転写性を向上させることができる。
態様Bは、態様Aにおいて、前記高平滑モードでは逆ピーク側デューティ比が50[%]を超える転写バイアスを前記転写電源から出力させる一方で、前記低平滑モードでは一周期内で極性が反転し且つ逆ピーク側デューティ比が50[%]未満である転写バイアスを前記転写電源から出力させ、かつ二次転写ニップ幅を広くするように二次転写ニップ裏打ちローラ36を上方の位置に移動させる制御を実施するように、前記制御手段を構成したことを特徴とするものである。
かかる構成では、高平滑モード又は低平滑モードの何れか一方において、逆ピーク側デューティ比が50[%]であるものを用いる場合に比べて、次のような作用効果を奏することができる。即ち、低平滑シートの表面凹部に対するトナーの転移性を向上させたり、高平滑シートに対するトナー像の転写不良をより抑えたりすることができる。
態様Cは、態様Bにおいて、前記高平滑モードでは、逆ピーク側デューティ比が70[%]〜90[%]の範囲である転写バイアスを前記転写電源から出力させる制御を実施するように、前記制御手段を構成したことを特徴とするものである。かかる構成では、高平滑シートに対するトナー像の転写不良の発生をより確実に抑えることができる。
態様Dは、態様B又はCにおいて、前記低平滑モードでは、逆ピーク側デューティ比が8[%]〜35[%]の範囲である転写バイアスを前記転写電源から出力させる制御を実施するように、前記制御手段を構成したことを特徴とするものである。かかる構成では、低平滑シートの表面凹部に対して十分量のトナーを確実に転写することができる。
態様Eは、態様Dにおいて、前記低平滑モードでは、逆ピーク側デューティ比が17[%]以下である転写バイアスを前記転写電源から出力させる制御を実施するように、前記制御手段を構成したことを特徴とするものである。かかる構成では、低平滑シートの表面凹部に対するトナー転写性を更に向上させることができる。
態様Fは、態様B〜Eの何れかにおいて、前記高平滑モードでは、極性を変化させない転写バイアスを前記転写電源から出力させる制御を実施するように、前記制御手段を構成したことを特徴とするものである。かかる構成では、二次転写バイアスの極性を一周期内で反転させる場合に比べて、高平滑シートに対する二次転写不良の発生をより確実に抑えることができる。
態様Gは、態様A〜Fの何れかにおいて、前記像担持体として、前記基層(例えば基層31a)の上にこれよりも弾性に優れた弾性層(例えば弾性層31b)が積層された多層構造のものを用いたことを特徴とするものである。かかる構成では、転写ニップ内で弾性層を柔軟に変形させることで、低平滑シートの表面凹部に対するトナーの転移性を高めて、事業ユース向けの要望に応え得るほどの高速プリント化を図ることができる。
態様Hは、態様Gにおいて、前記像担持体として、マイクロゴム硬度が50〜80であるものを用いたことを特徴とするものである。かかる構成では、転写ニップ内で弾性層をトナー塊に形状にならわせて良好且つ柔軟に変形させることができる。
態様Iは、態様A〜Hの何れかにおいて、前記情報取得手段として、記録シートの表面平滑性を検知する平滑性検知手段(例えば平滑性検知センサ502)を用い、前記平滑性検知手段による検知結果に基づいて、転写モードを前記高平滑モードと前記低平滑モードとで切り替える制御を実施するように、前記制御手段を構成したことを特徴とするものである。かかる構成では、トナー像の転写対象となる記録シートについて、高平滑シートであるのか、あるいは低平滑シートであるのかを、ユーザーの操作によらずに自動で取得して、操作性を向上させることができる。
態様Jは、態様A〜Hの何れかにおいて、前記情報取得手段として、ユーザーによる前記情報の入力操作がなされる入力操作手段(例えば入力操作部501)を用いたことを特徴とするものである。かかる構成では、ユーザーの操作により、トナー像の転写対象となる記録シートについて、高平滑シートであるのか、あるいは低平滑シートであるのかを取得することができる。
態様Kは、態様Jにおいて、記録シートについて前記高平滑シートである旨の情報を入力するための専用の入力部(例えば平滑紙ボタン501a)と、前記低平滑シードである旨の情報を入力するための専用の入力部(例えば凹凸紙ボタン501b)とを前記入力操作手段に設けたことを特徴とするものである。かかる構成では、それぞれ専用の入力部を設けたことで、ユーザーの入力操作性を向上させることができる。
態様Lは、態様Jにおいて、記録シートの銘柄情報を入力することが可能な銘柄入力部を前記入力操作手段に設け、前記低平滑モードでは、前記銘柄入力部に入力される銘柄情報がシート表面凹凸の度合いの大きな銘柄になるほど、逆ピーク側デューティ比の低い転写バイアスを前記転写電源から出力させる制御を実施するように、前記制御手段を構成したことを特徴とするものである。かかる構成では、低平滑モードにおいて、シート表面凹凸の度合いが比較的大きな凹凸シートであっても表面凹部に十分量のトナーを転移させることができる。加えて、シート表面凹凸の度合いが比較的小さな凹凸シートであっても表面凸部に対してハーフトーン画像部を良好に転写することができる。
態様Mは、態様A〜Lの何れかにおいて、前記高平滑モードでは、前記低平滑モードに比べて周波数の高い転写バイアスを前記転写電源から出力させる制御を実施するように、前記制御手段を構成したことを特徴とするものである。かかる構成では、高平滑モードにおいてハーフトーン画像の転写性を向上させるとともに、低平滑モードにおいて低平滑シートの表面凹部に対するトナー転写性を向上させることができる。
態様Nは、態様A〜Mの何れかにおいて、前記高平滑モードでは、前記低平滑モードに比べてピークツウピーク値の低い前記重畳電圧からなる転写バイアスを前記転写電源から出力させる制御を実施するように、前記制御手段を構成したことを特徴とするものである。かかる構成では、かかる構成では、高平滑モードにおいてハーフトーン画像の転写性を向上させるとともに、低平滑モードにおいて低平滑シートの表面凹部に対するトナー転写性を向上させることができる。
態様Oは、態様A〜Nの何れかにおいて、前記高平滑モードでは、前記低平滑モードに比べて値の大きな前記直流電圧を重畳した前記重畳電圧からなる転写バイアスを前記転写電源から出力させる制御を実施するように、前記制御手段を構成したことを特徴とするものである。かかる構成では、高平滑モードにおいてハーフトーン画像の転写性を向上させるとともに、低平滑モードにおいて低平滑シートの表面凹部に対するトナー転写性を向上させることができる。加えて、高平滑モードにおいて、白点の発生を抑えることができる。
態様Pは、態様G又はHにおいて、前記弾性層として弾性表面層を設け、前記弾性表面層の材料に分散した複数の微粒子による複数の微小突起を前記弾性表面層の表面に設けたことを特徴とするものである。かかる構成では、弾性層の表面における粒子の存在により、転写ニップ内で弾性層の表面とトナーとの接触面積を低減することで像担持体表面からのトナー離型性を高めて転写効率を向上させることができる。
態様Qは、直流電圧と交流電圧との重畳による重畳電圧からなる転写バイアスを転写電源から出力して、像担持体とニップ形成部材との当接による転写ニップに転写電流を流しながら、前記像担持体の表面上のトナー像を前記転写ニップに挟み込んだ記録シートに転写する画像形成方法において、トナー像の転写対象となる記録シートについて、少なくとも、表面平滑性に優れた高平滑シートであるのか、あるいは前記高平滑シートよりも表面平滑性が劣る低平滑シートであるのかを把握することが可能な情報を取得する工程と、前記情報の取得結果に基づいて、前記高平滑シートにトナー像を転写するための高平滑モードと、前記低平滑シートにトナー像を転写するための低平滑モードとで転写モードを切り替える工程とを実施し、前記高平滑モードでは逆ピーク側デューティ比が50[%]以上である転写バイアスを前記転写電源から出力させる一方で、前記低平滑モードでは逆ピーク側デューティ比が前記高平滑モードとは異なる値であって且つ50[%]以下である転写バイアスを前記転写電源から出力させることを特徴とするものである。かかる構成では、態様Aと同様に、高速プリント化を図りつつ、表面平滑性に劣る低平滑シートの表面凹部に対して十分量のトナーを転写し、且つ表面平滑性に優れた高平滑シートに対するトナー像の転写不良の発生を抑えることができる。
態様Rは、前記二次転写ニップ幅調整ローラの移動を、ユーザーが手動で行うものである。二次転写ニップ幅調整ローラに手動操作部としての手動レバーが取り付けられており、カムによってローラ位置が変更可能になっている。手動レバーの操作によりニップ幅調整ローラの位置を、ニップ幅を広くする方向に移動させることができる。表面平滑性に劣る低平滑シートをユーザーが用いる場合に、前記手動レバーを操作することによりニップ幅を変更することにより、高速プリント化を図りつつ、表面平滑性に劣る低平滑シートの表面凹部に対して十分量のトナーを転写し、且つ表面平滑性に優れた高平滑シートに対するトナー像の転写不良の発生を抑えることができる。
態様Sは、交流成分を含む転写バイアスを転写電源から出力して、像担持体とニップ形成部材との当接による転写ニップに転写電流を流しながら、前記像担持体の表面上のトナー像を前記転写ニップに挟み込んだ記録シートに転写して画像形成する画像形成装置において、前記転写電源は、転写バイアスの時間平均値よりも前記トナー像を前記記録シートに対して転写する方向に印加されている時間をB、その逆方向に印加されている時間をA(+)とした場合の、A/(A+B)×100[%]の値であるデューティ比を変更可能であり、前記転写ニップ幅を変更可能なニップ幅可変装置を備え、前記ニップ幅可変装置は、前記デューティ比が高いほど、前記転写ニップ幅を小さくし、前記デューティ比が低いほど、前記転写ニップ幅を大きくする構成を前提とし、
前記記録シートに転写されるトナー像の濃度に応じて、前記ニップ幅可変装置(例えば60〜60C)と、前記転写電源から出力される転写バイアスを制御して、前記転写ニップ幅と前記デューティ比を可変制御する制御手段を有するものである。
態様Tは、態様Sにおいて、前記トナー像の濃度は、ハーフトーン画像濃度と、前記ハーフトーン画像濃度に比べて単位面積あたりのトナー付着量が多くなるベタ画像濃度であり、前記記録シートに前記ハーフトーン画像濃度のトナー像を転写するためのハーフトーンモードと、前記記録シートに前記ベタ画像濃度のトナー像を転写するための全ベタモードを有し、前記制御手段は、前記ハーフトーンモードでは、前記転写バイアスにおける二つのピーク値のうち、前記転写ニップ内で前記トナー像を前記像担持体側からニップ形成部材側により強く静電移動させる方の転写ピーク値とは逆のピーク値の側におけるデューティ比である逆ピーク側デューティ比が50[%]以上となる転写バイアスを出力させ、前記全ベタモードでは、前記逆ピーク側デューティ比が前記高平滑モードとは異なる値であり、且つ50[%]以下となる転写バイアスを出力させるように、前記転写電源を制御し、前記ハーフトーンモードと前記全ベタモードとで前記転写ニップ幅(例えば二次転写ニップ幅W)が切り替わるように、前記ニップ幅可変装置の作動を制御することを特徴としている。
態様Uは、態様Sにおいて、前記制御手段は、前記ハーフトーンモードでは、前記全ベタモードの場合よりも前記転写ニップ幅が小さくなるように、前記ニップ幅可変装置の作動を制御することを特徴としている。
[態様V]
態様Vは、態様S又はTにおいて、前記制御手段は、前記ハーフトーンモードでは、逆ピーク側デューティ比が50[%]を超える転写バイアスを出力させ、前記全ベタモードでは、一周期内で極性が反転し且つ前記逆ピーク側デューティ比が50[%]未満である転写バイアスを出力させるように、前記転写電源を制御することを特徴としている。
1.画像濃度:ハーフトーン画像時の転写不良
弾性層を設けた中間転写ベルト31で、二次転写バイアスとして低デューティ比のAC転写バイアスや、直流バイアスを印加して、ハーフトーン画像を転写させると、著しい画像濃度不足が生じることがある。特に、表面平滑性に優れた高平滑シートを用いるとその画像濃度不足が顕著である。ここで、デューティ比とは、AC波形のうち、転写ニップ内でトナーを像担持体側からニップ形成部材側により強く静電移動させる方の転写ピーク値とは逆のピーク値の側におけるデューティ比である逆ピーク側デューティ比、のことで、AC波形1周期中の逆ピーク側の印加時間の、[%]であらわされる割合のことである。
つまり、低デューティ比のACバイアスとは、逆ピーク側の印加時間が50%未満のACバイアスである。反対に、高デューティ比のACバイアスとは、逆ピーク側の印加時間が50%以上のACバイアスである。
2.記録シートの表面凹部の転写不良
普通紙といわれる記録シートにおいても、平滑な紙、平滑性に劣る紙がある。非平滑紙の凹部に対しては、凸部に比べて中間転写ベルト上のトナー層との空気ギャップがあり、転写電界強度が下がるため、このような記録シートには、トナーが転写されにくい。また、普通紙と異なりデザイン上凹凸を施した「レザック紙」のような凹凸が顕著な記録シートの場合、凹部での画像濃度不足が顕著である。
上記1と2を同じ画像形成装置の中で改善するには、最適なACバイアスの条件およびニップ幅条件を変更する必要がある。
トナー画像が、ハーフトーン画像では、比較的少数のドット群を構成するトナー付着箇所と、トナーをまったく付着させていない空白箇所とが画像部中に混在している。弾性層は変形しやすいため、二次転写ニップN内で弾性層が表面だけでなく側面からも上記少数ドット群のトナーを包み込み、トナーに正規帯電極性とは逆極性の電荷を注入させて、トナーの電荷量(Q/M)を低下させる。
二次転写ニップに進入したベルト箇所に対する充電は、主に転写側時間:Tt内で起こることから、この転写側時間Ttが長くなるほど、少数ドットトナー塊に対する逆電荷の注入量が増加する。
高デューティ比の二次転写バイアスは、低デューティ比の二次転写バイアスに比べて、転写側時間Ttが短いことから、少数ドットトナー塊に対する逆電荷の注入量を低減し
て、二次転写不良の発生を抑えていると考えられる。また、上記ハーフトーン転写不良は高平滑紙において、より顕著である。
このため、態様Sのように、転写ニップ幅を短くすることにより、ニップ通過時間が短くなり、転写側時間:Ttも短くなり、上記逆電荷の注入量を低減し、高デューティ比のACバイアスを印加しただけのときに比べて転写不良の発生をさらに抑えることができる。
このため、態様Sのように、必要に応じて転写ニップ幅を変更(長短)することにより、ニップ通過時間が長くなり、記録シートに凹凸がある場合の超高速の画像形成時でも上記トナーの往復回数を一定回数に維持でき、凹部の二次転写不良の発生を抑えることができる。
に限定されるものではなく、上述の説明で特に限定していない限り、特許請求の範囲に記
載された本発明の趣旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
上記の各実施形態では、中間転写体を用いたいわゆる中間転写方式の画像形成装置について説明したが、感光体から記録シートPへ直接画像を転写するいわゆる直接転写方式の画像形成装置であってもよい。
上記の各実施形態では、像担持体(中間転写ベルト31)として弾性層を有するものを用いたが、弾性層を有しないものを用いてもよい。弾性層を有しないベルトを用いる場合であっても、二次転写ニップ部に加えられる圧力や、ベルトを支持するローラ(二次転写裏面ローラ33)の弾性変形等によって、ハーフトーン画像中に含まれるドットトナーをベルトが包み込むことがある。上記の実施形態によれば、高デューティ比の二次転写バイアスを元居ることで、ハーフトーン画像の転写不良を防止できる。また、弾性層を有しない中間転写ベルト31を用いる場合であっても、低デューティ比の二次転写バイアスを用いることで、凹凸シート上での二次転写性を確保することができる。あるいは、ベタ画像のボソツキを抑えることができる。
本発明の実施の形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙した
に過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるもの
ではない。
31a 基層
31b 弾性層
31c 粒子(微粒子)
39 二次転写電源(電源)
41 シート搬送ベルト(ニップ形成部材)
60 ニップ幅可変装置(ニップ幅変更装置)
60A〜60C ニップ幅可変装置(ニップ幅変更装置)
200 制御部(制御手段)
501 入力操作部(情報取得手段、入力操作手段)
501a 平滑紙ボタン(入力部)
501b 凹凸紙ボタン(入力部)
502 平滑性検知センサ(平滑性検知手段)
501c〜501f 銘柄入力部
206 モード判定部
509 モード選択部
N 転写ニップ
P 記録シート
Vpp 最大電圧差
Vave 時間平均値
Vt 転写ピーク値
Vr 逆のピーク値
W 二次転写ニップ幅(転写ニップ幅)
Claims (28)
- 像担持体と、
前記像担持体との間に転写ニップを形成するニップ形成部材と、
前記転写ニップの幅を変更するニップ幅変更装置と、
前記像担持体上のトナー像を前記転写ニップで記録シートに転写するために交流成分を含む転写バイアスを出力する電源と、
転写バイアスの周期をTとし前記周期Tのなかで前記転写バイアスが前記転写バイアスの時間平均値よりもトナー像を像担持体から前記記録シートへ移動させる転写側にある時間をTtとしたときに(T−Tt)/T×100[%]で表される前記転写バイアスのデューティ比が第一デューティ比であって前記転写ニップの幅が第一の幅である第一モードと、前記転写バイアスの前記デューティ比が前記第一デューティ比よりも低い第二デューティ比であって前記転写ニップの幅が前記第一の幅より広い第二の幅である第二モードと、を所定条件に応じて切り替える制御手段と、を備えることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1の画像形成装置において、
前記第一デューティ比が50[%]よりも高く、且つ前記第二デューティ比が50[%]よりも低いことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1の画像形成装置において、
前記所定条件は前記記録シートの種類であることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項3の画像形成装置において、
前記制御手段は、前記記録シートが平滑シートであるときは前記第一モードを実行し、記録シートが平滑シートよりも大きな凹凸を有する凹凸シートであるときは前記第二モードを実行することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項4の画像形成装置において、
前記第一デューティ比が50[%]よりも高く、且つ前記第二デューティ比が50[%]よりも低いことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項4または5の画像形成装置において、
記録シートが凹凸シートであるときは、前記制御手段は、前記デューティ比が8[%]〜35[%]である前記転写バイアスを出力させるように前記電源を制御することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項6の画像形成装置において、
記録シートが凹凸シートであるときは、前記制御手段は、前記デューティ比が17[%]以下である前記転写バイアスを出力させるように前記電源を制御することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項4乃至7のいずれかの画像形成装置において、
前記記録シートが平滑シートであるときは、前記制御手段は、前記デューティ比が70[%]〜90[%]である前記転写バイアスを出力するように前記電源を制御することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項4乃至8のいずれかの画像形成装置において、
前記記録シートが凹凸シートであるときは、前記制御手段は、その極性が交互に切り替わる前記転写バイアスを出力するように前記電源を制御することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項4乃至9のいずれかの画像形成装置において、
前記記録シートが平滑シートであるときは、前記制御手段は、その極性が一定の前記転写バイアスを出力するように前記電源を制御することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項4乃至10のいずれかの画像形成装置において、
前記記録シートの種類が平滑シートであるか凹凸シートであるかの情報を入力する入力操作部と、
前記入力操作部で入力された前記情報に基づき、記録シートが平滑シートであるか凹凸シートであるかを判定する判定部とを備えることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項4乃至10のいずれかの画像形成装置において、
前記記録シートの表面平滑性を検知する平滑性検知手段と、
前記平滑性検知手段の検知結果に基づき、記録シートが平滑シートであるか凹凸シートであるかを判定する判定部とを備えることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項4乃至10のいずれかの画像形成装置において、
前記記録シートの銘柄の情報を入力する銘柄入力部と、
前記銘柄の情報に基づきシート記録シートが平滑シートであるか凹凸シートであるかを判定する判定部とを備えることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項13の画像形成装置において、
前記制御手段は、前記記録シートが凹凸シートである場合、前記銘柄入力部に入力された前記銘柄が凹凸の度合いが大きな銘柄であるほど、前記デューティ比の低い前記転写バイアスを出力させるように前記電源を制御することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1の画像形成装置において、
ベタ画像の画質よりもハーフトーン画像の画質を優先するハーフトーン画像優先モードと、前記ハーフトーン画像の画質よりも前記ベタ画像の画質を優先するベタ画像優先モードと、のうちからモードを選択するモード選択部を備え、
前記制御手段は、前記モード選択部で選択されたモードが前記ハーフトーン画像優先モードである場合は前記第一モードを実行し、前記モード選択部で選択されたモードが前記ベタ画像優先モードである場合は前記第二モードを実行することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項15の画像形成装置において、
前記第一デューティ比が50[%]よりも高く、且つ前記第二デューティ比が50[%]よりも低いことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1の画像形成装置において、
前記制御手段は、前記記録シートに転写されるトナー像の濃度に応じて、前記第一モードと前記第二モードとを切り替えることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1または2の画像形成装置において、
前記第一モードと前記第二モードとのうちのいずれかを選択するモード選択部を備え、
前記制御手段は、前記モード選択部で選択されたモード情報に基づき、前記第一モードと前記第二モードとのうちのいずれかを実行することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至18のいずれかの画像形成装置において、
前記第一モードにおける前記転写バイアスの周波数は、前記第二モードの前記周波数よりも高いことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至19のいずれかの画像形成装置において、
前記第一モードにおける前記転写バイアスの前記交流成分のピークツウピーク値は、前記第二モードにおける前記ピークツウピーク値よりも小さいことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至20のいずれかの画像形成装置において、
前記転写バイアスは、前記交流成分に直流成分が重畳されたバイアスであって、
前記第一モードにおける前記直流成分の絶対値は、前記第二モードにおける前記直流成分の絶対値よりも大きいことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至21のいずれかの画像形成装置において、
前記転写バイアスは、前記時間平均値よりも前記転写側にある転写ピーク値と、前記転写ピーク値とは異なる逆ピーク値と、を有し、
前記第一モードにおける逆ピーク値は、前記第二モードにおける逆ピーク値よりも前記転写側にあることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至22の何れかの画像形成装置において、
前記転写ニップで前記ニップ形成部材を前記像担持体へ向けて加圧する加圧部材を備え、
前記ニップ幅変更装置は、前記加圧部材によって前記転写ニップに加えられる圧力を変更することで、前記転写ニップ幅を変更すること特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至22の何れかの画像形成装置において、
前記ニップ形成部材は、複数の回転部材に張架されたベルト部材であって、
前記ニップ幅変更装置は、前記複数の回転部材のうちの少なくとも1つの回転部材を移動させることで、前記転写ニップ幅を変更すること特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至24の何れかの画像形成装置において、
前記像担持体は、基層と、前記基層の上に当該基層よりも弾性を有する弾性層とが積層された多層構造であることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項25の画像形成装置において、
前記像担持体は、前記弾性層として弾性表面層を有し、
前記弾性表面層は、その材料に分散した複数の微粒子による複数の微小突起を前記弾性表面層の表面に設けたことを特徴とする画像形成装置。 - 記録シートが平滑シートのとき、第一の圧力が加えられた転写ニップで、転写バイアスの周期をTとし前記周期Tのなかで前記転写バイアスが前記転写バイアスの時間平均値よりもトナー像を像担持体から前記記録シートへ移動させる転写側にある時間をTtとしたときに(T−Tt)/T×100[%]で表されるデューティ比が50[%]よりも高い前記転写バイアスによってトナー像を前記像担持体から前記記録シートへ転写し、
前記記録シートが平滑シートよりも大きな凹凸を有する凹凸シートのとき、前記第一の圧力よりも大きな第二の圧力が加えられた前記転写ニップで、前記デューティ比が50[%]よりも低い前記転写バイアスによってトナー像を前記像担持体から前記記録シートへ転写することを特徴とする転写方法。 - 記録シートが平滑シートのとき、第一の幅を有する転写ニップで、前記転写バイアスの周期をTとし前記周期Tのなかで転写バイアスが前記転写バイアスの時間平均値よりもトナー像を像担持体から前記記録シートへ移動させる転写側にある時間をTtとしたきに(T−Tt)/T×100[%]で表されるデューティ比が50[%]よりも高い前記転写バイアスによってトナー像を前記像担持体から前記記録シートへ転写し、
前記記録シートが平滑シートよりも大きな凹凸を有する凹凸シートのとき、前記第一の幅よりも広い第二の幅を有する前記転写ニップで、前記デューティ比が50[%]よりも低い前記転写バイアスによってトナー像を前記像担持体から前記記録シートへ転写することを特徴とする転写方法。
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